バイオデバイス検査装置
【課題】バイオデバイスの検査面を検知する検知精度を向上させるのに有利なバイオデバイス検査装置を提供する。
【解決手段】バイオデバイス検査装置は、検査面34をもつバイオデバイス3を保持する保持部20と、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に対面するように設けられたセンサ6と、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に対面するように設けられバイオデバイス3の検査面34に沿って延設されていると共に検査面34に照射光を放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体4と、導光体4に照射光を導入させる光源7とを有する。
【解決手段】バイオデバイス検査装置は、検査面34をもつバイオデバイス3を保持する保持部20と、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に対面するように設けられたセンサ6と、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に対面するように設けられバイオデバイス3の検査面34に沿って延設されていると共に検査面34に照射光を放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体4と、導光体4に照射光を導入させる光源7とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療検査、健康検査用等のバイオ検査に使用されるバイオデバイス検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バイオデバイス検査装置が提供されている(特許文献1)。このバイオデバイス検査装置は、バイオデバイスを保持する保持部と、バイオデバイスの検査面を検査するイメージセンサと、保持部に保持されているバイオデバイスの検査面を斜め方向から照らすLED光源とを有する(図11参照)。このものによれば、LED光源によりバイオデバイスの検査面を照射させた状態で、イメージセンサが検査面をスキャニングして検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3774192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1によれば、バイオデバイスの検査面を照らすLED光源は点状光源であるため、検査面において光の照射むらが発生するおそれがある。この場合、検査精度を高めるためには限界がある。バイオデバイスの検査面における光の照射むらを抑制させるには、バイオデバイスの検査面からLED光源を離間させることが好ましいが、この場合には、バイオデバイス検査装置が大型化するおそれがある。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、バイオデバイスの検査面における光の照射むらを抑制させることができ、バイオデバイスの検査面を検知する検知精度を向上させるのに有利なバイオデバイス検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバイオデバイス検査装置は、(i)検査面をもち手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する保持部と、(ii)保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように設けられ検査面を検査するセンサと、(iii)保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように設けられバイオデバイスの検査面に沿って延設されていると共に検査面に照射させる照射光を検査面に向けて放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体と、(iv)バイオデバイスの検査面を照射するための照射光を導光体に導入させる光源とを具備することを特徴とする。
【0007】
保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に照射光が照射されている状態で、センサは、バイオデバイスの検査面の状況を検知する。検査操作の内部に配置されている導光体には、光拡散材が含有されている。従って、光源から照射光(以下、光ともいう)が導光体に導入されると、導光体に導入された照射光は、導光体の内部において光拡散材により拡散され、導光体の光放出面の全体から放出される。しかも、光放出面はバイオデバイスの検査面に沿って延設されている。このためバイオデバイスの検査面における光の照射むらが低減される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源から照射光が導光体に導入されると、導光体に導入された照射光は光拡散材により導光体の内部において拡散され、導光体の導光体の光放出面の全体からバイオセンサの検査面に向けて放出される。しかも、導光体の光放出面はバイオデバイスの検査面に沿って延設されている。このためバイオデバイスの検査面における光の照射むらが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図3】実施形態2に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図4】実施形態3に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図5】実施形態4に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図6】実施形態5に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近を示す平面図である。
【図7】実施形態6に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図8】実施形態7に係り、導光体を示す断面図である。
【図9】実施形態1に係るバイオデバイス検査装置を用いて試験した場合における試験結果を示すグラフである。
【図10】比較形態に係るバイオデバイス検査装置を用いて試験した場合における試験結果を示すグラフである。
【図11】比較形態に係るバイオデバイス検査装置の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
保持部は、手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する。導光体は導光材料で形成されている。導光材料としては導光樹脂または導光ガラスが好ましい。導光樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、フルオレン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のうちの少なくとも1種が例示される。導光体の内部には、光を反射させる光拡散材が含有されている。光拡散材としては樹脂等の有機系、金属やセラミックス等の無機系が挙げられ。光拡散材が樹脂の場合には、光拡散材としては、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ナイロンのうちの少なくとも1種が例示される。光拡散材が無機物の場合には、光拡散材としては、アルミニウム、鉄、チタン、亜鉛、二酸化珪素、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等のうちの少なくとも1種が挙げられる。
【0011】
光拡散材は粒子状、繊維状が好ましい。粒子としては中実状でも良いし、中空状でも良いし、多孔質粒子でも良いし、レンズ状でも良い。粒子としては真球状でも良いし、非真球状でも良い。光拡散材の含有量は、導光体を形成する導光材料と光拡散材との合計値を100%とするとき、体積比で、1〜30%にでき、特に2〜20%、4〜15%にできる。この場合、導光体において、複数方向への光拡散性を期待できる。導光体は、保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように、バイオデバイスの検査面に沿って延設されている。導光体は、バイオデバイスの検査面に向けて照射光を放出させる光放出面をもつ。光源は、導光体に照射光を導入させる。光源としてはレーザ素子、LED素子、EL発光体が例示される。導光体は単数であっても良いし、複数であっても良い。従って、導光体は、バイオデバイスの検査面に対面すると共に、前記センサを挟む位置に並設された第1導光体および第2導光体で形成されていることが好ましい。好ましくは、バイオデバイスの検査面に対する導光体の向きを調整する第1調整部が設けられている。検査面における照射むらの低減に有利である。好ましくは、導光体のうちバイオデバイスの検査面に対して反対側の背向面に対面する反射部が設けられている。導光体からの光漏れが抑制され、光量の確保に貢献できる。これにより検査面における照射光の明度が確保され、照射むらの低減に有利である。反射部は例えば導光体の表面に被覆されたメッキ膜で形成されている。この場合、小型化に有利である。好ましくは、反射部の向きを調整する第2調整部が設けられている。検査面における照射むらの低減に有利である。
【0012】
(実施形態1)
図1および図2は実施形態1の概念を示す。本実施形態に係るバイオデバイス検査装置は、手指で持ち運び可能なハンディタイプである。バイオデバイス検査装置は、外箱を構成する基体2を有する。基体2は、持ち運びできるハンディタイプの箱状であり、保持部20と、保持部20に連通する出入開口24とを有する。保持部20は、外方に露出している検査面34をもつバイオデバイス3を保持する水平状の保持面22をもつ。基体2の側面に形成されている出入開口24から、ハンディタイプのバイオデバイス3が矢印S1方向(図1参照)に挿入され、保持部20の保持面22に着脱可能に保持される。この場合、バイオデバイス3は保持部20のストッパ22cに当接するまで挿入される。バイオデバイス3の検査面34はほぼ水平に沿っている。
【0013】
バイオデバイス3としてはイムノクロマトデバイスを採用できる。バイオデバイス3は、開口窓31およびケース室32を有するように硬質樹脂または金属等の材料で形成された横長形状のケース30と、ケース30のケース室32に収容されたイムノクロマト用の試験片33とを有する。ケース30は、これの長さ方向(矢印L1方向、即ち、前記したバイオデバイス3の挿入方向である矢印S1方向と同じ方向)に延びる側辺30sをもつ。
【0014】
試験片33の検査面34はケース30の開口窓31に対面しており、上外方に露出している。試験片33の検査面34は、バイオデバイス3の延びる方向(矢印L1方向)に沿って延設されている。なお、図2に示すように、ケース30の開口窓31は内側壁面35を有する。開口窓31を形成する内側壁面35は、ケース30の側辺30sから検査面34に向かうにつれて次第に下降傾斜する傾斜面で形成されている。但し、内側側面35は傾斜している構造に限定されるものではなく、鉛直方向に沿った垂直面であっても良い。なお、内側壁面35は後述する法線P1,P2に沿っている、
導光体4は、樹脂を基材とする導光材料で形成されている。樹脂としては配合性、成形性が良いものが好ましく、ウレタン、エポキシ、フェノール、ABSが例示される。導光体4の内部には、光を反射させる粒子状の光拡散材が含有されている。光拡散材の含有量は、導光体4を形成する導光材料と光拡散材との合計値を100%とするとき、体積比で、1〜20%が好ましく、特に3〜15%が好ましい。このように光拡散材が含有されているため、導光体4の内部において複数方向への光拡散性が期待できる。
【0015】
導光体4は基体2の収容室26に収容されており、保持部20の保持面22に保持されているバイオデバイス3の検査面34に斜め方向から対面する。導光体4は、バイオデバイス3が延びる方向(矢印L1方向)に沿って延設されており、バイオデバイス3の検査面34の延びる方向(矢印L1方向)に沿って配置されている。導光体4は、第1導光体41および第2導光体42で形成されている。第1導光体41は所定の厚みをもつ平板形状をなしており、バイオデバイス3の検査面34に向けて第1照射光410を放出させる平坦な第1光放出面51と、第1光放出面51に背向する平坦な第1背向面53と、第1光放出面51に交差するように互い対向する第1側面55a,55bとをもつ。第2導光体42は、所定の厚みを有する平板形状をなしており、バイオデバイス3のうち検査面34に向けて第2照射光420を放出させる平坦な第2光放出面52と、第2光放出面52に背向する平坦な第2背向面54と、第2光放出面52に交差するように互い対向する第2側面56a,56bとをもつ。
【0016】
第1光放出面51および第2光放出面52はバイオデバイス3の検査面34に対向している。上記したように光放出面51,52、背向面53,54は平坦面とされている。第1導光体41の光放出面51および背向面53は互いに平行である。第2導光体42の光放出面52および背向面54は互いに平行である。但しこれに限定されるものではない。なお導光体41,42は、同一のものを2個1組として用いている。光放出面51,52が平坦状または楕円状であるため、次のような効果が期待できる。すなわち、放出面が平坦または楕円であれば、光放出により試料照射面での光強度がシミューレーションできるので、均一な照射のための光学配置が可能となる。
【0017】
ここで、図2に示すように、第1導光体41および第2導光体42は、バイオデバイス3の検査面34の斜め上方向に配置されている。図2に示すように、第1法線P1は、第1導光体41の第1光放出面51に垂直である。第2法線P2は、第2導光体42の第2光放出面52に垂直である。P3は、バイオデバイス3の検査面34に対して垂直である。第1導光体41は、バイオデバイス3の検査面34に沿って水平な水平線に対して第1角度θ1で傾斜している。第2導光体42は、バイオデバイス3の検査面34に沿って水平な水平線に対して第2角度θ2で傾斜している。なお、第1導光体41と第2導光体42とが対面する場合には、試験片33に対して均一な照射速度を保つためにはθ1=θ2、θ1≒θ2が望ましく、θ1およびθ2は30〜75°の範囲内にでき、殊に50〜70°の範囲内にできる。
【0018】
バイオデバイス3の検査面34に垂直な垂直法線P3上にイメージセンサ6(センサ)が配置されている。イメージセンサ6は基体2の収容室26に配置されており、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に接近しつつ対面しており、検査面34の真上に配置されている。図2に示すように、イメージセンサ6の横側方に、第1導光体41および第2導光体42が配置されているため、バイオデバイス3の検査面34からイメージセンサ6までの距離HAを短縮させるのに有利である。この場合、基体2の高さを低くさせるのに有利である。なお、第1導光体41の上端41uおよび第2導光体42の上端42uは、垂直法線P3の延びる方向(重力方向)において、イメージセンサ6の上面6uよりも下方に位置していることが好ましい。但し、これに限定されるものではない。
【0019】
イメージセンサ6は、ケース30の開口窓31から露出する検査面34の状況を撮像する。撮像は、検査面34の全体を撮像しても良いし、スキャンして撮像させても良い。イメージセンサ6の撮像信号は基体2の収容室26の外部のコントローラ28に送られ、コントローラ28で解析される。光源7は、基体2の収容室23に位置するように基体2に搭載されており、図1に示すように、第1導光体41の入射部41xおよび第2導光体42の入射部42xに光を導入させる。ここで、光源7は、第1導光体41の入射部41xに照射光410を導入させる第1光源71と、第2導光体42の第2入射部42xに照射光420を導入させる第2光源72とを有する。なお、入射部41xは第1導光体41の長さ方向(矢印L1方向)の一端部41eに位置し、他端部側には位置しない。入射部42xは第2導光体42の長さ方向の一端部42eに位置し、他端部側には位置しない。このように光源71,72は、導光体41,42の長さ方向の片側に配置されている。このような構造であっても、第1導光体41および第2導光体42の全体は光拡散材を含有しており、内部における光拡散性に富むため、第1導光体41および第2導光体42の内部全体に効果的に光拡散できる。この場合、第1光放出面51および第2光放出面52における均一照射性の向上に貢献できる。更に基体2の高さサイズを抑制させるのに有利である。
【0020】
光源7としては半導体レーザ素子が好ましい。イメージセンサ6がバイオセンサの検査面34における赤色または赤っぽい発色を検査する場合には、レーザ素子は緑色を発光する緑色レーザ(波長:560ナノメートル)とされていることが好ましい。この場合、S/N比を向上させることができ、バイオデバイス3の検査面34における検知精度を高めるのに有利である。レーザ素子は青色を発光する青色レーザでも良い。なお、導光体41,42はこれの長さ方向(矢印L1方向)の端に、即ち、入射部41x,42xの反対側に端面41y,42yをもつ。
【0021】
以上説明したように本実施形態によれば、検査の際には、基体2の側面に形成されている出入開口24からハンディタイプのバイオデバイス3が矢印S1方向に挿入され、保持部20の保持面22に保持される。この状態において、使用者のスイッチ操作、或いは、バイオデバイス3が保持部20に挿入された信号をトリガ信号として、第1光源71からの照射光410が第1導光体41に導入されると共に、第2光源72からの照射光420が第2導光体42に導入される。第1導光体41および第2導光体42に導入された照射光410,420は、第1導光体41および第2導光体42の内部に含有されている光拡散材により拡散される。結果として、第1導光体41の第1光放出面51の全体、第2導光体42の第2光放出面52の全体から、光がバイオデバイス3の検査面34に向けて、照射光410,420が放出される。このため第1光放出面51および第2光放出面52の双方はそれぞれ面的に発光する。このためバイオデバイス3の検査面34における照射光410,420の照射むらが低減され、検査面34における均一照射性が向上する。この結果、イメージセンサ6でバイオデバイス3の検査面34を検査するとき、検査面34を良好に検査することができる。なお、バイオデバイス3がイムノクロマトデバイスであれば、デバイスの検査面34には単数または複数のラインが発色するため、このラインをイメージセンサ6で撮像する。
【0022】
殊に本実施形態によれば、図1に示すように、前記した長さ方向(L1方向)において、バイオデバイス3の検査面34は、第1導光体41の第1光放出面51および第2導光体42の第2光放出面52と重なり合うように配置されている。更に、バイオデバイス3の検査面34の長さ寸法をLMとし、第1導光体41の第1光放出面51の長さをLFとし、第2導光体42の第2光放出面52の長さをLSとすると、LM,LF,LSがデバイス3の長さ方向(検査面34の長さ方向)において、LM<LFの関係,LM<LSの関係に設定されている。従って、検査面34の全体をむらなく照射させるのに有利となる。
【0023】
なお本実施形態において、導光体41,42にはメッキ膜等の反射部が被覆されていないが、導光体41,42にメッキ膜等の反射部を必要に応じて被覆させることもできる。この場合、導光体41,42のうち光放出面51,52、入射部41x,42xにはメッキ膜等の反射部を被覆させないことが好ましいが、背向面53,54、側面55a,55b,側面56a,56b,端面41x,42xにメッキ膜等の反射部を、必要に応じて被覆させることができる。すなわち、導光体41,42の全表面のうちうち光放出面51,52、入射部41x,42xを除いた領域にメッキ膜等の反射部を被覆させることができる。勿論、導光体41,42にメッキ膜等の反射部を被覆させずとも良い。メッキは化学メッキ、蒸着、スパッタリング等の成膜手段で形成できる。
【0024】
(実施形態2)
図3は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図3に示すように、第1導光体41のうち第1光放出面51と反対側の第1背向面53に対向するように第1反射部81が配置されている。第2導光体42のうち第2光放出面52と反対側の第2背向面54に対向するように第2反射部82が配置されている。第1反射部81および第2反射部82は、第1背向面53および第2背向面54に対向する側において、それぞれ凹面状の鏡面をもつ。但し、図示しないものの、第1反射部81および第2反射部82は平坦状の鏡面を有する形態でも良い。
【0025】
本実施形態によれば、第1導光体41の第1背向面53から外方に透過された光を、第1反射部81で反射させて再び第1導光体41の内部に入射させ、再び第1導光体41の内部において光拡散させることができる。同様に、第2導光体42の第2背向面54から外方に透過された光を第2反射部82で反射させて再び第2導光体42の内部に入射させ、再び第2導光体42の内部において光拡散させることができる。この場合、光源71,72の光を効率よく使用でき、光源71,72の発光出力を過剰にさせずとも良い。
【0026】
(実施形態3)
図4は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図4に示すように、第1導光体41には水平方向に延びる回動軸41rが形成され、軸受を介して回動軸41rが基体2に回動可能に支持されている。回動軸41rには同軸的な操作ハンドル41hが固定されている。第2導光体42には水平方向に延びる回動軸42rが形成され、摩擦係合する軸受を介して基体2に回動可能に支持されている。回動軸42rには同軸的な操作ハンドル42hが固定されている。操作ハンドル41h,42hは基体2の外方に露出している。使用者が操作ハンドル41h,42hを手指で操作すれば、前記したθ1,θ2を微調整でき、デバイス3の検査面34における照射むらの低減に有利である。なお、操作ハンドル41h,42hは図略のストッパにより任意の回動位置に保持される。このように検査面34に対する第1導光体41および第2導光体42の向きを調整してθ1,θ2を調整できる第1調整部が設けられている。
【0027】
(実施形態4)
図5は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図5に示すように、第1導光体41のうち第1光放出面51と反対側の第1背向面53に対向するように第1反射部81が配置されている。第2導光体42のうち第2光放出面52と反対側の第2背向面54に対向するように第2反射部82が配置されている。
【0028】
図5に示すように、第1反射部81は軸部81aと球部81cを有する。球部81cは凸状の球状面をもち、収容室26に配置された摩擦係合用の凹状の球状面をもつ軸受26rに摩擦係合しつつ回動可能に支持されている。第2反射部82は軸部82aと球部82cを有する。球部82cは凸状の球状面をもち、収容室26に配置された摩擦係合用の凹状の球状面をもつ軸受26tに摩擦係合しつつ回動可能に支持されている。上記した摩擦係合により、軸部81a,82aの向きが保持され、ひいては反射部81,82の向きが維持される。
【0029】
軸部81aの先端81eは基体2の外方に開口2yから突出している。同様に、軸部82aの先端82eは基体2の外方に開口2yから突出している。使用者により軸部81a,82aの先端81e,82eが操作されると、第1反射部81および第2反射部82の方向が微調整可能とされている。この場合、バイオセンサ3の検査面34における照射むらの低減に一層有利である。従って、第1導光体41の第1背向面53から外方に透過された光を、方向調整した第1反射部81で反射させて再び第1導光体41の内部に入射させて光拡散させることができる。同様に、第2導光体42の第2背向面54から外方に透過された光を、方向調整した第2反射部82で反射させて再び第2導光体42の内部に入射させて光拡散させることができる。この場合、光を効率よく使用でき、光源7の発光出力を過剰にさせずとも良い。このように第1導光体41および第2導光体42に対する反射部81,82の向きを調整して反射性を調整できる第2調整部が設けられている。
【0030】
(実施形態5)
図6は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。導光体4は、第1導光体41と、第2導光体42と、第1導光体41のうち光源7側の一端41eと第2導光体42のうち光源7側の一端42eとを一体的に繋ぐ連設部43が設けられている。従って、導光体4は平面視においてUの字形状をなす。連設部43は、第1導光体41および第2導光体42と同じ材料で形成されていることが好ましい。光源7からの光は導光体4の連設部43に入射され、拡散される。従って光源7の数は単数で済む。即ち、光源7は、第1導光体41および第2導光体42の双方に共通する共通光源とされており、光源数の減少に貢献できる。光源7からの光は、導光体4の連設部43に入射され、拡散される。その光は、第1導光体41および第2導光体42に含有されている光拡散材で拡散され、散乱される。そして、その光は、第1導光体41の第1光放出面51の全体からバイオデバイス3の検査面34に向けて照射され、且つ、その光は、第2導光体42の第2光放出面52の全体からバイオデバイス3の検査面34に向けて照射される。この場合、検査面34における均一照射性を向上させるのに有利である。連設部43のうち検査面34と背向する上面である背向面43uには、薄膜状の反射部43p(図6においてハッチングで示す領域)が形成されている。この場合、検査面34に直接的に対面しない連設部43の背向面43uから光が外方に漏れ出ることが抑制される。この場合、光源7を第1導光体41および第2導光体42の双方に共用させつつ、光源7の発光出力を抑制させるのに有利であり、共用の光源7の発光出力の小型化に貢献できる。更に、反射部43pは、第1導光体41の第1背向面53、第2導光体42の第2背向面54にも一体的に被覆されている。小型化に有利である。反射部43pは、化学メッキで形成されたクロムメッキ、ニッケルメッキ等の金属メッキ膜で形成されていることが好ましい。なお、図示はしないものの、連設部43のみに薄膜状の反射部43pを被覆させることにしても良い。
【0031】
(実施形態6)
図7は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。薄膜状の第1反射部81Bは、第1導光体41の第1背向面53と、互いに対向する一対の第1側面55a,55bとに被覆されている。薄膜状の第2反射部82Bは、第2導光体42の第2背向面54と、互いに対向する一対の第2側面56a,56bとに被覆されている。第1反射部81Bおよび第2反射部82Bは化学メッキで形成されたクロムメッキ、ニッケルメッキ等の金属メッキ膜で形成されていることが好ましい。この場合、検査装置を構成する基体2のコンパクト化に貢献できる。図7に示すように、イメージセンサ6に近い側の側面55b,56bが膜状の反射部81B,82Bで被覆されている。イメージセンサ6に近い側の側面55b,56bからイメージセンサ6に光が入射することが抑制される。このため、バイオデバイス3の検査面34で反射する光以外の光がイメージセンサ6に受光されることが抑制され、センシング性の向上に有利である。
【0032】
更に、第1光放出面51Bおよび第2光放出面52Bは、凹状面とされている。凹状面の断面形状は、第1導光体41および第2導光体42の長さ方向(矢印L1方向)にわたり同一とされている。この場合、第1導光体41の第1光放出面51Bの長さ方向の全体、第2導光体42の第2光放出面52Bの長さ方向の全体から、光をバイオデバイス3の検査面34に向けて照射させつつ、放出された光の散乱を抑制できる。
【0033】
(実施形態7)
図8(A)(B)は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。薄膜状の第1反射部81Bは、断面で蒲鉾形状の第1導光体41の第1背向面53に被覆されている。薄膜状の第2反射部82Bは、断面で蒲鉾形状の第2導光体42の第2背向面54に被覆されている。第1反射部81Bおよび第2反射部82Bは化学メッキで形成された金属メッキ膜で形成されている。なお光放出面51,52には反射部81B,82Bが被覆されていない。
【0034】
(試験例)
試験例について述べる。医療診断または健康診断用の測定対象物がバイオデバイスに滴下された後に、検査面34には、2本の赤色を帯びたラインが表示される。この試験例では、バイオデバイス3の検査面34について、実施形態1の検査装置用いて試験した。この場合、バイオデバイス3は密着センシング型であり、バイオデバイス3の検査面34とイメージセンサ6の下面であるセンサ面との距離は14.3ミリメートルであり、イメージセンサ6のスキャニング距離は25ミリメートルであった。バイオデバイス3の長さは90ミリメートル、幅は30ミリメートルであった。開口窓31のサイズは18ミリメートル×5ミリメートルであった。開口窓31から露出する検査面34では合計2本のラインA,Bが発色していた。この試験例では、導光体41,42の透光樹脂はエポキシ樹脂であり、光拡散材は石英粒子であった。導光体41の透光樹脂と光拡散材との合計を100%とするとき、体積比で、光拡散材は %であった。
【0035】
図9は実施形態1の検知装置を用いたときにおける試験結果を示す。図9に示すように、実施形態1の検査装置を用いたときには、明度0を基準として、1本のラインAを示す特性線W1と,他の1本のラインBを示す特性線W2が得られた。比較形態の検査装置を用いた場合についても同様に試験した。
【0036】
図10は比較形態の検査装置を用いたときにおける試験結果を示す。図11は比較形態の検査装置を示す。図11に示すように、比較形態1の検査装置は1対のLED素子200を有する。LED素子200は、バイオデバイス3の長さ方向(矢印L1方向)において点光源状をなすため、本発明に係る導光体が設けられていない場合には、バイオデバイス3の検査面34において照射むらが発生し易い。比較形態1の検査装置を用いたときには、図10に示すように、1本のラインAを示す特性線W4と,他の1本のラインBを示す特性線W5が得られるものの、特性線W4,W5は、明度0が基準とならなかった。このため明度0が基準となるように、特性線W4に基づく補正線WA4,特性線W5に基づく補正線WA5を得る必要がある。
【0037】
(その他)上記した実施形態1によれば、θ1=θ2とされているが、これに限らず、θ1<θ2、θ1>θ2にできる。光源7としては半導体レーザ素子とされているが、LEDでも良い。実施形態1によれば、光放出面51,52、背向面53,54はそれぞれ平坦面とされているが、これに限定されるものではなく、場合によっては、凹状面または凸状面としても良い。第1導光体41の光放出面51および背向面53は互いに平行であるが、非平行としても良い。第2導光体42の光放出面52および背向面54は互いに平行であるが、非平行としても良い。第1導光体41,第2導光体42は長さ方向と直交する方向に沿って切断して断面で三角形状でも良い。解析用のコントローラ28は基体2の収容室26に収容されていても良い。質本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0038】
2は基体、20は保持部、22は保持面、26は収容室、3はバイオデバイス、30はケース、31は開口窓、32はケース室、34は検査面、4は導光体、41は第1導光体、42は第2導光体、33は試験片、34は検査面、51は第1光放出面、52は第2光放出面、53は第1背向面、54は第2背向面、6はイメージセンサ(センサ)、7は光源、71は第1光源、72は第2光源、81は第1反射部、82は第2反射部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は医療検査、健康検査用等のバイオ検査に使用されるバイオデバイス検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バイオデバイス検査装置が提供されている(特許文献1)。このバイオデバイス検査装置は、バイオデバイスを保持する保持部と、バイオデバイスの検査面を検査するイメージセンサと、保持部に保持されているバイオデバイスの検査面を斜め方向から照らすLED光源とを有する(図11参照)。このものによれば、LED光源によりバイオデバイスの検査面を照射させた状態で、イメージセンサが検査面をスキャニングして検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3774192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1によれば、バイオデバイスの検査面を照らすLED光源は点状光源であるため、検査面において光の照射むらが発生するおそれがある。この場合、検査精度を高めるためには限界がある。バイオデバイスの検査面における光の照射むらを抑制させるには、バイオデバイスの検査面からLED光源を離間させることが好ましいが、この場合には、バイオデバイス検査装置が大型化するおそれがある。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、バイオデバイスの検査面における光の照射むらを抑制させることができ、バイオデバイスの検査面を検知する検知精度を向上させるのに有利なバイオデバイス検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバイオデバイス検査装置は、(i)検査面をもち手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する保持部と、(ii)保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように設けられ検査面を検査するセンサと、(iii)保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように設けられバイオデバイスの検査面に沿って延設されていると共に検査面に照射させる照射光を検査面に向けて放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体と、(iv)バイオデバイスの検査面を照射するための照射光を導光体に導入させる光源とを具備することを特徴とする。
【0007】
保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に照射光が照射されている状態で、センサは、バイオデバイスの検査面の状況を検知する。検査操作の内部に配置されている導光体には、光拡散材が含有されている。従って、光源から照射光(以下、光ともいう)が導光体に導入されると、導光体に導入された照射光は、導光体の内部において光拡散材により拡散され、導光体の光放出面の全体から放出される。しかも、光放出面はバイオデバイスの検査面に沿って延設されている。このためバイオデバイスの検査面における光の照射むらが低減される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源から照射光が導光体に導入されると、導光体に導入された照射光は光拡散材により導光体の内部において拡散され、導光体の導光体の光放出面の全体からバイオセンサの検査面に向けて放出される。しかも、導光体の光放出面はバイオデバイスの検査面に沿って延設されている。このためバイオデバイスの検査面における光の照射むらが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図3】実施形態2に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図4】実施形態3に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図5】実施形態4に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図6】実施形態5に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近を示す平面図である。
【図7】実施形態6に係り、バイオデバイス検査装置における導光体付近の要部を示す図である。
【図8】実施形態7に係り、導光体を示す断面図である。
【図9】実施形態1に係るバイオデバイス検査装置を用いて試験した場合における試験結果を示すグラフである。
【図10】比較形態に係るバイオデバイス検査装置を用いて試験した場合における試験結果を示すグラフである。
【図11】比較形態に係るバイオデバイス検査装置の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
保持部は、手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する。導光体は導光材料で形成されている。導光材料としては導光樹脂または導光ガラスが好ましい。導光樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、フルオレン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のうちの少なくとも1種が例示される。導光体の内部には、光を反射させる光拡散材が含有されている。光拡散材としては樹脂等の有機系、金属やセラミックス等の無機系が挙げられ。光拡散材が樹脂の場合には、光拡散材としては、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリスチレン、ナイロンのうちの少なくとも1種が例示される。光拡散材が無機物の場合には、光拡散材としては、アルミニウム、鉄、チタン、亜鉛、二酸化珪素、酸化チタン、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等のうちの少なくとも1種が挙げられる。
【0011】
光拡散材は粒子状、繊維状が好ましい。粒子としては中実状でも良いし、中空状でも良いし、多孔質粒子でも良いし、レンズ状でも良い。粒子としては真球状でも良いし、非真球状でも良い。光拡散材の含有量は、導光体を形成する導光材料と光拡散材との合計値を100%とするとき、体積比で、1〜30%にでき、特に2〜20%、4〜15%にできる。この場合、導光体において、複数方向への光拡散性を期待できる。導光体は、保持部に保持されているバイオデバイスの検査面に対面するように、バイオデバイスの検査面に沿って延設されている。導光体は、バイオデバイスの検査面に向けて照射光を放出させる光放出面をもつ。光源は、導光体に照射光を導入させる。光源としてはレーザ素子、LED素子、EL発光体が例示される。導光体は単数であっても良いし、複数であっても良い。従って、導光体は、バイオデバイスの検査面に対面すると共に、前記センサを挟む位置に並設された第1導光体および第2導光体で形成されていることが好ましい。好ましくは、バイオデバイスの検査面に対する導光体の向きを調整する第1調整部が設けられている。検査面における照射むらの低減に有利である。好ましくは、導光体のうちバイオデバイスの検査面に対して反対側の背向面に対面する反射部が設けられている。導光体からの光漏れが抑制され、光量の確保に貢献できる。これにより検査面における照射光の明度が確保され、照射むらの低減に有利である。反射部は例えば導光体の表面に被覆されたメッキ膜で形成されている。この場合、小型化に有利である。好ましくは、反射部の向きを調整する第2調整部が設けられている。検査面における照射むらの低減に有利である。
【0012】
(実施形態1)
図1および図2は実施形態1の概念を示す。本実施形態に係るバイオデバイス検査装置は、手指で持ち運び可能なハンディタイプである。バイオデバイス検査装置は、外箱を構成する基体2を有する。基体2は、持ち運びできるハンディタイプの箱状であり、保持部20と、保持部20に連通する出入開口24とを有する。保持部20は、外方に露出している検査面34をもつバイオデバイス3を保持する水平状の保持面22をもつ。基体2の側面に形成されている出入開口24から、ハンディタイプのバイオデバイス3が矢印S1方向(図1参照)に挿入され、保持部20の保持面22に着脱可能に保持される。この場合、バイオデバイス3は保持部20のストッパ22cに当接するまで挿入される。バイオデバイス3の検査面34はほぼ水平に沿っている。
【0013】
バイオデバイス3としてはイムノクロマトデバイスを採用できる。バイオデバイス3は、開口窓31およびケース室32を有するように硬質樹脂または金属等の材料で形成された横長形状のケース30と、ケース30のケース室32に収容されたイムノクロマト用の試験片33とを有する。ケース30は、これの長さ方向(矢印L1方向、即ち、前記したバイオデバイス3の挿入方向である矢印S1方向と同じ方向)に延びる側辺30sをもつ。
【0014】
試験片33の検査面34はケース30の開口窓31に対面しており、上外方に露出している。試験片33の検査面34は、バイオデバイス3の延びる方向(矢印L1方向)に沿って延設されている。なお、図2に示すように、ケース30の開口窓31は内側壁面35を有する。開口窓31を形成する内側壁面35は、ケース30の側辺30sから検査面34に向かうにつれて次第に下降傾斜する傾斜面で形成されている。但し、内側側面35は傾斜している構造に限定されるものではなく、鉛直方向に沿った垂直面であっても良い。なお、内側壁面35は後述する法線P1,P2に沿っている、
導光体4は、樹脂を基材とする導光材料で形成されている。樹脂としては配合性、成形性が良いものが好ましく、ウレタン、エポキシ、フェノール、ABSが例示される。導光体4の内部には、光を反射させる粒子状の光拡散材が含有されている。光拡散材の含有量は、導光体4を形成する導光材料と光拡散材との合計値を100%とするとき、体積比で、1〜20%が好ましく、特に3〜15%が好ましい。このように光拡散材が含有されているため、導光体4の内部において複数方向への光拡散性が期待できる。
【0015】
導光体4は基体2の収容室26に収容されており、保持部20の保持面22に保持されているバイオデバイス3の検査面34に斜め方向から対面する。導光体4は、バイオデバイス3が延びる方向(矢印L1方向)に沿って延設されており、バイオデバイス3の検査面34の延びる方向(矢印L1方向)に沿って配置されている。導光体4は、第1導光体41および第2導光体42で形成されている。第1導光体41は所定の厚みをもつ平板形状をなしており、バイオデバイス3の検査面34に向けて第1照射光410を放出させる平坦な第1光放出面51と、第1光放出面51に背向する平坦な第1背向面53と、第1光放出面51に交差するように互い対向する第1側面55a,55bとをもつ。第2導光体42は、所定の厚みを有する平板形状をなしており、バイオデバイス3のうち検査面34に向けて第2照射光420を放出させる平坦な第2光放出面52と、第2光放出面52に背向する平坦な第2背向面54と、第2光放出面52に交差するように互い対向する第2側面56a,56bとをもつ。
【0016】
第1光放出面51および第2光放出面52はバイオデバイス3の検査面34に対向している。上記したように光放出面51,52、背向面53,54は平坦面とされている。第1導光体41の光放出面51および背向面53は互いに平行である。第2導光体42の光放出面52および背向面54は互いに平行である。但しこれに限定されるものではない。なお導光体41,42は、同一のものを2個1組として用いている。光放出面51,52が平坦状または楕円状であるため、次のような効果が期待できる。すなわち、放出面が平坦または楕円であれば、光放出により試料照射面での光強度がシミューレーションできるので、均一な照射のための光学配置が可能となる。
【0017】
ここで、図2に示すように、第1導光体41および第2導光体42は、バイオデバイス3の検査面34の斜め上方向に配置されている。図2に示すように、第1法線P1は、第1導光体41の第1光放出面51に垂直である。第2法線P2は、第2導光体42の第2光放出面52に垂直である。P3は、バイオデバイス3の検査面34に対して垂直である。第1導光体41は、バイオデバイス3の検査面34に沿って水平な水平線に対して第1角度θ1で傾斜している。第2導光体42は、バイオデバイス3の検査面34に沿って水平な水平線に対して第2角度θ2で傾斜している。なお、第1導光体41と第2導光体42とが対面する場合には、試験片33に対して均一な照射速度を保つためにはθ1=θ2、θ1≒θ2が望ましく、θ1およびθ2は30〜75°の範囲内にでき、殊に50〜70°の範囲内にできる。
【0018】
バイオデバイス3の検査面34に垂直な垂直法線P3上にイメージセンサ6(センサ)が配置されている。イメージセンサ6は基体2の収容室26に配置されており、保持部20に保持されているバイオデバイス3の検査面34に接近しつつ対面しており、検査面34の真上に配置されている。図2に示すように、イメージセンサ6の横側方に、第1導光体41および第2導光体42が配置されているため、バイオデバイス3の検査面34からイメージセンサ6までの距離HAを短縮させるのに有利である。この場合、基体2の高さを低くさせるのに有利である。なお、第1導光体41の上端41uおよび第2導光体42の上端42uは、垂直法線P3の延びる方向(重力方向)において、イメージセンサ6の上面6uよりも下方に位置していることが好ましい。但し、これに限定されるものではない。
【0019】
イメージセンサ6は、ケース30の開口窓31から露出する検査面34の状況を撮像する。撮像は、検査面34の全体を撮像しても良いし、スキャンして撮像させても良い。イメージセンサ6の撮像信号は基体2の収容室26の外部のコントローラ28に送られ、コントローラ28で解析される。光源7は、基体2の収容室23に位置するように基体2に搭載されており、図1に示すように、第1導光体41の入射部41xおよび第2導光体42の入射部42xに光を導入させる。ここで、光源7は、第1導光体41の入射部41xに照射光410を導入させる第1光源71と、第2導光体42の第2入射部42xに照射光420を導入させる第2光源72とを有する。なお、入射部41xは第1導光体41の長さ方向(矢印L1方向)の一端部41eに位置し、他端部側には位置しない。入射部42xは第2導光体42の長さ方向の一端部42eに位置し、他端部側には位置しない。このように光源71,72は、導光体41,42の長さ方向の片側に配置されている。このような構造であっても、第1導光体41および第2導光体42の全体は光拡散材を含有しており、内部における光拡散性に富むため、第1導光体41および第2導光体42の内部全体に効果的に光拡散できる。この場合、第1光放出面51および第2光放出面52における均一照射性の向上に貢献できる。更に基体2の高さサイズを抑制させるのに有利である。
【0020】
光源7としては半導体レーザ素子が好ましい。イメージセンサ6がバイオセンサの検査面34における赤色または赤っぽい発色を検査する場合には、レーザ素子は緑色を発光する緑色レーザ(波長:560ナノメートル)とされていることが好ましい。この場合、S/N比を向上させることができ、バイオデバイス3の検査面34における検知精度を高めるのに有利である。レーザ素子は青色を発光する青色レーザでも良い。なお、導光体41,42はこれの長さ方向(矢印L1方向)の端に、即ち、入射部41x,42xの反対側に端面41y,42yをもつ。
【0021】
以上説明したように本実施形態によれば、検査の際には、基体2の側面に形成されている出入開口24からハンディタイプのバイオデバイス3が矢印S1方向に挿入され、保持部20の保持面22に保持される。この状態において、使用者のスイッチ操作、或いは、バイオデバイス3が保持部20に挿入された信号をトリガ信号として、第1光源71からの照射光410が第1導光体41に導入されると共に、第2光源72からの照射光420が第2導光体42に導入される。第1導光体41および第2導光体42に導入された照射光410,420は、第1導光体41および第2導光体42の内部に含有されている光拡散材により拡散される。結果として、第1導光体41の第1光放出面51の全体、第2導光体42の第2光放出面52の全体から、光がバイオデバイス3の検査面34に向けて、照射光410,420が放出される。このため第1光放出面51および第2光放出面52の双方はそれぞれ面的に発光する。このためバイオデバイス3の検査面34における照射光410,420の照射むらが低減され、検査面34における均一照射性が向上する。この結果、イメージセンサ6でバイオデバイス3の検査面34を検査するとき、検査面34を良好に検査することができる。なお、バイオデバイス3がイムノクロマトデバイスであれば、デバイスの検査面34には単数または複数のラインが発色するため、このラインをイメージセンサ6で撮像する。
【0022】
殊に本実施形態によれば、図1に示すように、前記した長さ方向(L1方向)において、バイオデバイス3の検査面34は、第1導光体41の第1光放出面51および第2導光体42の第2光放出面52と重なり合うように配置されている。更に、バイオデバイス3の検査面34の長さ寸法をLMとし、第1導光体41の第1光放出面51の長さをLFとし、第2導光体42の第2光放出面52の長さをLSとすると、LM,LF,LSがデバイス3の長さ方向(検査面34の長さ方向)において、LM<LFの関係,LM<LSの関係に設定されている。従って、検査面34の全体をむらなく照射させるのに有利となる。
【0023】
なお本実施形態において、導光体41,42にはメッキ膜等の反射部が被覆されていないが、導光体41,42にメッキ膜等の反射部を必要に応じて被覆させることもできる。この場合、導光体41,42のうち光放出面51,52、入射部41x,42xにはメッキ膜等の反射部を被覆させないことが好ましいが、背向面53,54、側面55a,55b,側面56a,56b,端面41x,42xにメッキ膜等の反射部を、必要に応じて被覆させることができる。すなわち、導光体41,42の全表面のうちうち光放出面51,52、入射部41x,42xを除いた領域にメッキ膜等の反射部を被覆させることができる。勿論、導光体41,42にメッキ膜等の反射部を被覆させずとも良い。メッキは化学メッキ、蒸着、スパッタリング等の成膜手段で形成できる。
【0024】
(実施形態2)
図3は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図3に示すように、第1導光体41のうち第1光放出面51と反対側の第1背向面53に対向するように第1反射部81が配置されている。第2導光体42のうち第2光放出面52と反対側の第2背向面54に対向するように第2反射部82が配置されている。第1反射部81および第2反射部82は、第1背向面53および第2背向面54に対向する側において、それぞれ凹面状の鏡面をもつ。但し、図示しないものの、第1反射部81および第2反射部82は平坦状の鏡面を有する形態でも良い。
【0025】
本実施形態によれば、第1導光体41の第1背向面53から外方に透過された光を、第1反射部81で反射させて再び第1導光体41の内部に入射させ、再び第1導光体41の内部において光拡散させることができる。同様に、第2導光体42の第2背向面54から外方に透過された光を第2反射部82で反射させて再び第2導光体42の内部に入射させ、再び第2導光体42の内部において光拡散させることができる。この場合、光源71,72の光を効率よく使用でき、光源71,72の発光出力を過剰にさせずとも良い。
【0026】
(実施形態3)
図4は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図4に示すように、第1導光体41には水平方向に延びる回動軸41rが形成され、軸受を介して回動軸41rが基体2に回動可能に支持されている。回動軸41rには同軸的な操作ハンドル41hが固定されている。第2導光体42には水平方向に延びる回動軸42rが形成され、摩擦係合する軸受を介して基体2に回動可能に支持されている。回動軸42rには同軸的な操作ハンドル42hが固定されている。操作ハンドル41h,42hは基体2の外方に露出している。使用者が操作ハンドル41h,42hを手指で操作すれば、前記したθ1,θ2を微調整でき、デバイス3の検査面34における照射むらの低減に有利である。なお、操作ハンドル41h,42hは図略のストッパにより任意の回動位置に保持される。このように検査面34に対する第1導光体41および第2導光体42の向きを調整してθ1,θ2を調整できる第1調整部が設けられている。
【0027】
(実施形態4)
図5は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。図5に示すように、第1導光体41のうち第1光放出面51と反対側の第1背向面53に対向するように第1反射部81が配置されている。第2導光体42のうち第2光放出面52と反対側の第2背向面54に対向するように第2反射部82が配置されている。
【0028】
図5に示すように、第1反射部81は軸部81aと球部81cを有する。球部81cは凸状の球状面をもち、収容室26に配置された摩擦係合用の凹状の球状面をもつ軸受26rに摩擦係合しつつ回動可能に支持されている。第2反射部82は軸部82aと球部82cを有する。球部82cは凸状の球状面をもち、収容室26に配置された摩擦係合用の凹状の球状面をもつ軸受26tに摩擦係合しつつ回動可能に支持されている。上記した摩擦係合により、軸部81a,82aの向きが保持され、ひいては反射部81,82の向きが維持される。
【0029】
軸部81aの先端81eは基体2の外方に開口2yから突出している。同様に、軸部82aの先端82eは基体2の外方に開口2yから突出している。使用者により軸部81a,82aの先端81e,82eが操作されると、第1反射部81および第2反射部82の方向が微調整可能とされている。この場合、バイオセンサ3の検査面34における照射むらの低減に一層有利である。従って、第1導光体41の第1背向面53から外方に透過された光を、方向調整した第1反射部81で反射させて再び第1導光体41の内部に入射させて光拡散させることができる。同様に、第2導光体42の第2背向面54から外方に透過された光を、方向調整した第2反射部82で反射させて再び第2導光体42の内部に入射させて光拡散させることができる。この場合、光を効率よく使用でき、光源7の発光出力を過剰にさせずとも良い。このように第1導光体41および第2導光体42に対する反射部81,82の向きを調整して反射性を調整できる第2調整部が設けられている。
【0030】
(実施形態5)
図6は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。導光体4は、第1導光体41と、第2導光体42と、第1導光体41のうち光源7側の一端41eと第2導光体42のうち光源7側の一端42eとを一体的に繋ぐ連設部43が設けられている。従って、導光体4は平面視においてUの字形状をなす。連設部43は、第1導光体41および第2導光体42と同じ材料で形成されていることが好ましい。光源7からの光は導光体4の連設部43に入射され、拡散される。従って光源7の数は単数で済む。即ち、光源7は、第1導光体41および第2導光体42の双方に共通する共通光源とされており、光源数の減少に貢献できる。光源7からの光は、導光体4の連設部43に入射され、拡散される。その光は、第1導光体41および第2導光体42に含有されている光拡散材で拡散され、散乱される。そして、その光は、第1導光体41の第1光放出面51の全体からバイオデバイス3の検査面34に向けて照射され、且つ、その光は、第2導光体42の第2光放出面52の全体からバイオデバイス3の検査面34に向けて照射される。この場合、検査面34における均一照射性を向上させるのに有利である。連設部43のうち検査面34と背向する上面である背向面43uには、薄膜状の反射部43p(図6においてハッチングで示す領域)が形成されている。この場合、検査面34に直接的に対面しない連設部43の背向面43uから光が外方に漏れ出ることが抑制される。この場合、光源7を第1導光体41および第2導光体42の双方に共用させつつ、光源7の発光出力を抑制させるのに有利であり、共用の光源7の発光出力の小型化に貢献できる。更に、反射部43pは、第1導光体41の第1背向面53、第2導光体42の第2背向面54にも一体的に被覆されている。小型化に有利である。反射部43pは、化学メッキで形成されたクロムメッキ、ニッケルメッキ等の金属メッキ膜で形成されていることが好ましい。なお、図示はしないものの、連設部43のみに薄膜状の反射部43pを被覆させることにしても良い。
【0031】
(実施形態6)
図7は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。薄膜状の第1反射部81Bは、第1導光体41の第1背向面53と、互いに対向する一対の第1側面55a,55bとに被覆されている。薄膜状の第2反射部82Bは、第2導光体42の第2背向面54と、互いに対向する一対の第2側面56a,56bとに被覆されている。第1反射部81Bおよび第2反射部82Bは化学メッキで形成されたクロムメッキ、ニッケルメッキ等の金属メッキ膜で形成されていることが好ましい。この場合、検査装置を構成する基体2のコンパクト化に貢献できる。図7に示すように、イメージセンサ6に近い側の側面55b,56bが膜状の反射部81B,82Bで被覆されている。イメージセンサ6に近い側の側面55b,56bからイメージセンサ6に光が入射することが抑制される。このため、バイオデバイス3の検査面34で反射する光以外の光がイメージセンサ6に受光されることが抑制され、センシング性の向上に有利である。
【0032】
更に、第1光放出面51Bおよび第2光放出面52Bは、凹状面とされている。凹状面の断面形状は、第1導光体41および第2導光体42の長さ方向(矢印L1方向)にわたり同一とされている。この場合、第1導光体41の第1光放出面51Bの長さ方向の全体、第2導光体42の第2光放出面52Bの長さ方向の全体から、光をバイオデバイス3の検査面34に向けて照射させつつ、放出された光の散乱を抑制できる。
【0033】
(実施形態7)
図8(A)(B)は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同じ構成および同じ作用効果を有する。以下異なる部分を中心として説明する。薄膜状の第1反射部81Bは、断面で蒲鉾形状の第1導光体41の第1背向面53に被覆されている。薄膜状の第2反射部82Bは、断面で蒲鉾形状の第2導光体42の第2背向面54に被覆されている。第1反射部81Bおよび第2反射部82Bは化学メッキで形成された金属メッキ膜で形成されている。なお光放出面51,52には反射部81B,82Bが被覆されていない。
【0034】
(試験例)
試験例について述べる。医療診断または健康診断用の測定対象物がバイオデバイスに滴下された後に、検査面34には、2本の赤色を帯びたラインが表示される。この試験例では、バイオデバイス3の検査面34について、実施形態1の検査装置用いて試験した。この場合、バイオデバイス3は密着センシング型であり、バイオデバイス3の検査面34とイメージセンサ6の下面であるセンサ面との距離は14.3ミリメートルであり、イメージセンサ6のスキャニング距離は25ミリメートルであった。バイオデバイス3の長さは90ミリメートル、幅は30ミリメートルであった。開口窓31のサイズは18ミリメートル×5ミリメートルであった。開口窓31から露出する検査面34では合計2本のラインA,Bが発色していた。この試験例では、導光体41,42の透光樹脂はエポキシ樹脂であり、光拡散材は石英粒子であった。導光体41の透光樹脂と光拡散材との合計を100%とするとき、体積比で、光拡散材は %であった。
【0035】
図9は実施形態1の検知装置を用いたときにおける試験結果を示す。図9に示すように、実施形態1の検査装置を用いたときには、明度0を基準として、1本のラインAを示す特性線W1と,他の1本のラインBを示す特性線W2が得られた。比較形態の検査装置を用いた場合についても同様に試験した。
【0036】
図10は比較形態の検査装置を用いたときにおける試験結果を示す。図11は比較形態の検査装置を示す。図11に示すように、比較形態1の検査装置は1対のLED素子200を有する。LED素子200は、バイオデバイス3の長さ方向(矢印L1方向)において点光源状をなすため、本発明に係る導光体が設けられていない場合には、バイオデバイス3の検査面34において照射むらが発生し易い。比較形態1の検査装置を用いたときには、図10に示すように、1本のラインAを示す特性線W4と,他の1本のラインBを示す特性線W5が得られるものの、特性線W4,W5は、明度0が基準とならなかった。このため明度0が基準となるように、特性線W4に基づく補正線WA4,特性線W5に基づく補正線WA5を得る必要がある。
【0037】
(その他)上記した実施形態1によれば、θ1=θ2とされているが、これに限らず、θ1<θ2、θ1>θ2にできる。光源7としては半導体レーザ素子とされているが、LEDでも良い。実施形態1によれば、光放出面51,52、背向面53,54はそれぞれ平坦面とされているが、これに限定されるものではなく、場合によっては、凹状面または凸状面としても良い。第1導光体41の光放出面51および背向面53は互いに平行であるが、非平行としても良い。第2導光体42の光放出面52および背向面54は互いに平行であるが、非平行としても良い。第1導光体41,第2導光体42は長さ方向と直交する方向に沿って切断して断面で三角形状でも良い。解析用のコントローラ28は基体2の収容室26に収容されていても良い。質本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0038】
2は基体、20は保持部、22は保持面、26は収容室、3はバイオデバイス、30はケース、31は開口窓、32はケース室、34は検査面、4は導光体、41は第1導光体、42は第2導光体、33は試験片、34は検査面、51は第1光放出面、52は第2光放出面、53は第1背向面、54は第2背向面、6はイメージセンサ(センサ)、7は光源、71は第1光源、72は第2光源、81は第1反射部、82は第2反射部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査面をもち手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する保持部と、
前記保持部に保持されている前記バイオデバイスの前記検査面に対面するように設けられ前記検査面を検査するセンサと、
前記保持部に保持されている前記バイオデバイスの前記検査面に対面するように設けられ前記バイオデバイスの前記検査面に沿って延設されていると共に前記検査面に照射させる照射光を前記検査面に向けて放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体と、
前記バイオデバイスの前記検査面を照射するための前記照射光を前記導光体に導入させる光源とを具備することを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項2】
請求項1において、前記導光体は、前記バイオデバイスの前記検査面に斜め方向から対面すると共に、前記センサを挟む位置に並設された第1導光体および第2導光体で形成されていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記バイオデバイスの前記検査面に対する前記導光体の向きを調整する第1調整部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記導光体のうち前記バイオデバイスの前記検査面に対して反対側の背向面に対面する反射部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項5】
請求項4において、前記反射部は前記導光体に被覆されたメッキ膜で形成されていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項6】
請求項4または5において、前記反射部の向きを調整する第2調整部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項1】
検査面をもち手指で持ち運び可能なバイオデバイスを保持する保持部と、
前記保持部に保持されている前記バイオデバイスの前記検査面に対面するように設けられ前記検査面を検査するセンサと、
前記保持部に保持されている前記バイオデバイスの前記検査面に対面するように設けられ前記バイオデバイスの前記検査面に沿って延設されていると共に前記検査面に照射させる照射光を前記検査面に向けて放出させる光放出面をもつと共に内部に光拡散材を含む導光体と、
前記バイオデバイスの前記検査面を照射するための前記照射光を前記導光体に導入させる光源とを具備することを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項2】
請求項1において、前記導光体は、前記バイオデバイスの前記検査面に斜め方向から対面すると共に、前記センサを挟む位置に並設された第1導光体および第2導光体で形成されていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記バイオデバイスの前記検査面に対する前記導光体の向きを調整する第1調整部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記導光体のうち前記バイオデバイスの前記検査面に対して反対側の背向面に対面する反射部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項5】
請求項4において、前記反射部は前記導光体に被覆されたメッキ膜で形成されていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【請求項6】
請求項4または5において、前記反射部の向きを調整する第2調整部が設けられていることを特徴とするバイオデバイス検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−169819(P2011−169819A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35205(P2010−35205)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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