説明

バイオフィルムの酵素的予防及び制御

本発明は、表面からバイオフィルムを除去するための方法、組成物、及びキットを提供する。本明細書に記載の方法は、表面上のバイオフィルムにペルヒドロラーゼ酵素及び例えば、プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、マンナナーゼ、ホスホリパーゼ、セルラーゼ、及び/又はアミラーゼのような他の酵素混合物の同時又は連続的な適用を含み、バイオフィルムの除去をもたらす。
選択図無

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は2007年12月20日出願の米国仮出願第61/015,504に基づいて優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は表面からバイオフィルムを除去するための酵素組成物及び方法に関連する。特に、バイオフィルム除去の方法は、表面上のバイオフィルムに他の酵素と組み合わせてペルヒドロラーゼ酵素を適用することを含む。
【0003】
背景技術
バイオフィルムは、浮遊性微生物を殺菌するために考えられる従来の手段による制御方法を用いてもしばしば存続する粘液性エキソポリマー(exopolymer)マトリックス中に組み込まれて固着する微生物集団からなる。抗生剤、消毒剤、及び酸化性抗菌剤に対するバイオフィルムの耐性についてはかなりの文献がある。
【0004】
バイオフィルム防止及び/又は低減のための酵素的方法は、例えば、PCT出願番号WO 06/031554、WO 01/98214、WO 98/26807、WO 04/041988、WO 99/14312、及びWO 01/53010に記載されている。しかしながら、産業的利用、歯科的利用、及びヘルスケア利用においてバイオフィルムを制御するための改善される方法及び組成物の必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明はバイオフィルム除去のための方法、組成物、及びキットを提供する。ある態様においては、本発明は表面からバイオフィルムを除去する方法を提供し、前記方法が少なくとも25%の前記バイオフィルムを低減するために十分な時間ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を前記バイオフィルムに適用することを特徴とし、ここで、前記酵素混合物が、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ、グルカナーゼ、及びプロテアーゼ
から選択されることを特徴とする方法である。いくつかの実施態様においては、バイオフィルムが緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含む。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列又はその変異体又は相同体を含む。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1のS54V変異体である。
【0006】
ある実施態様においては、除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなる。ある実施態様においては、除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなる。
【0007】
ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物が同時に前記バイオフィルムに適用される。別の実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素混合物及び除去酵素混合物が連続的にバイオフィルムに適用される。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素が除去酵素混合物の適用前に適用される。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物が表面からバイオフィルムを除去するために相乗的に働く。
【0008】
別の態様においては、本発明は、表面からバイオフィルムを除去するための組成物を提供し、前記組成物がペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を含み、ここで、前記除去酵素混合物が、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ、グルカナーゼ、及びプロテアーゼ
から選択されることを特徴とする組成物である。
【0009】
ある実施態様においては、除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなる。ある実施態様においては、除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなる。
【0010】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列又はその変異体又は相同体を含む。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1のS54V変異体である。
【0011】
別の態様においては、本発明は、表面からバイオフィルムを除去するためのキットを提供し、前記キットがペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を含み、ここで、前記酵素混合物が、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ、グルカナーゼ、及びプロテアーゼ
からなる群から選択されることを特徴とし、キットは任意に本明細書に記載のバイオフィルム除去のための方法に用いる説明書を含むことを特徴とするキットである。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が別個の容器中に収容される。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が同じ容器中に収容される。
【0012】
ある実施態様においては、除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなる。ある実施態様においては、除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなる。
【0013】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列又はその変異体又は相同体を含む。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1のS54V変異体である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
本発明は制御、即ち表面上のバイオフィルムの放出又は低減、又は表面上のバイオフィルムの形成又は増殖の予防のための方法、組成物、及びキットを提供する。本発明の酵素含有組成物及び方法は例えば、クーリング・タワー、飲料水、廃水、歯科衛生、医療用インプラント、医療機器、血液透析システム、油回収、生物的環境浄化(bioremediation)井戸、紙処理パルプ処理、船殻処理、食品加工装置、及びパイプ、チューブ等水配給システムのような産業用水処理におけるバイオフィルムの制御に利用できる。
【0015】
本明細書にて特に定義しない限り、本明細書にて用いるすべての技術上及び科学上の用語は、本発明の属する技術の分野において通常の知識を有する者によって技術常識として理解されているものと同一の意味を有するものである。Singleton 他「Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 第2版」、John Wiley and Sons, New York (1994), Hale & Marham 「The Harper Collins Dictionary of Biology, Harper Perennial, NY(1991)」は、本発明の説明において使用される多くの用語の一般的な辞書を当該技術者に提供している。本明細書に記載のものと類似する又は均等である任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験に用いることがきる。
【0016】
本明細書に記載の数値範囲はその範囲を規定する数値を含む。
【0017】
本明細書にて特段の断りがない限り、核酸は左から右に、5´末端から3´末端の方向へ記載するものとし、アミノ酸配列は左から右に、アミノ基からカルボキシ基の方向へそれぞれ記載するものである。
【0018】
定義
「バイオフィルム」とは、表面に付着した細胞外のポリマーマトリックスの中に埋め込まれる微生物の集団を言う。さらに、バイオフィルムは水を含み、他の取り込まれた粒子を含んでよい。バイオフィルムは一以上の微生物を含み、微生物は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌(好気性、または嫌気性の)、藻類、原生動物、及び/又は酵母、又は糸状菌が挙げられる。いくつかの実施態様においては、バイオフィルムは、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトミセス(Streptomyces)、シュードモナス(Pseudomonas)、リステリア(Listeria)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、及びエシェリケア(Escherichia)からなるバクテリア属の生きた細胞を含む。
【0019】
「表面」とは、バイオフィルムが付着することができる十分な質量を有する任意の構造物をいう。硬質な表面は、金属、ガラス、セラミック、材木、鉱物(例えば、岩、石材、大理石、花こう岩)、コンクリート、プラスチックのような骨材材料、複合材料、硬質ゴム材料、石膏を含むが、これらに限定されない。硬質な材料は、エナメル及び/又はペンキで表面仕上げされているもので良い。硬質表面は、例えば水処理設備及び水貯蔵設備やタンク、乳製品や食品の処理装置や設備、例えば、外科手術器具のような医療用機器や設備、一時的な又は永久的なインプラント、工業的な製薬設備やプラントなどの中にも見出される。軟質な表面には、例えば、毛髪や繊維を含むが、これらに限定されない。多孔性の表面には、皮膚、ケラチン(角質)、及び内臓のような生物学的表面を含むが、これらに限定されない。また、多孔性の表面は、ろ過に使用される膜及びある種のセラミックにおいても見出される。その他の表面として、船殻やスイミングプールを含むが、これらに限定されない。
【0020】
「酵素用量」とは、バイオフィルムを処理するために使用される酵素混合物の量、酵素混合物の中の単一酵素の量、又は単独にて用いる単一酵素の量をいう。酵素の用量に影響を与える要因は、酵素のタイプ、処理すべき表面、及び意図する結果を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様においては、酵素用量は、バイオフィルムを少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、98、又は99%まで減少させるのに必要な酵素混合物の量である。一般的に酵素混合物中の酵素含有量は、合計で約1%又はそれ未満、約2%又はそれ未満、約3%又はそれ未満又は約5%又はそれ未満(w/w)である。
【0021】
バイオフィルムの「処理」、「制御」又は「除去」は表面からバイオフィルムが減少し、又は除去されることをいい、バイオフィルム中の微生物の殺菌及び/又はその増殖の阻害、及び/又は表面上のバイオフィルムの形成又は増殖の予防を含む。
【0022】
「酵素混合物」は少なくとも二つの酵素をいう。本明細書に記載の酵素混合物中に用いる酵素は植物源、動物源、細菌、菌類、又は酵母由来でもよく、野生型又は変異体酵素でもよい。
【0023】
「酸性条件」、「中性条件」及び「塩基性条件」は当業者に良く知られている。一般的に、「酸性条件」は約4から約6のpHをいう。「中性条件」は約6から約8のpHをいう。「塩基性条件」は約8から10のpHをいう。
【0024】
「ペルヒドロラーゼ(perhydrolase)」は、対象物の洗浄、漂白、消毒、殺菌(例えば、本明細書に記載のバイオフィルムの処理)のような利用に用いるのに適した十分高い量の過酸の形成に至る過加水分解反応を触媒することのできる酵素をいう。一般的に、本明細書に記載の方法にて用いるペルヒドロラーゼ酵素は高い過加水分解対加水分解の比を有する。いくつかの実施態様おいては、ペルヒドロラーゼは配列番号1に記載のマイコバクテリウム スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)ペルヒドロラーゼアミノ酸配列、又は変異体又はその相同体を含む、からなる、又は実質的にからなる。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素はアシルトランスフェラーゼ活性を含み、水性アシル転移反応を触媒する。
【0025】
「過酸(peracid)」という用語は、化学式RC(=O)OOHの有機酸である。
【0026】
「過加水分解(perhydrolysis)」又は「過加水分解する(perhydrolyze)」は、過酸を生産する酵素反応をいう。いくつかの実施態様においては、過酸は、過酸化水素(H)存在下、化学式RC(=O)OR(ここで、R及びRは同じ又は異なる有機質部分である)のエステル基質の過加水分解によって生産される。
【0027】
「過酸化水素供給源」という用語は、過酸化水素及び反応物として自然に又は酵素的に過酸化水素を生産することのできる系の成分を含む。
【0028】
「過加水分解対加水分解の比」という用語は、決定した条件下及び決定した時間内にエステル基質からペルヒドロラーゼ酵素により酵素的に生産される過酸の量対酵素的に生産される酸の量の比をいう。
【0029】
本明細書で用いる「アシル」という用語は、有機酸基をいい、水酸(‐OH)基除去後のカルボン酸の残基である(例えば、塩化エタノイルCHCO−Clはエタン酸CHCOOHから形成された塩化アシルである)。個々のアシル基の名前は酸の「−ic」を「−yl」に交換することにより作られる。
【0030】
本明細書で用いる「アシル化」という用語は、一般的にOH基の活性水素原子に代えてアシル(RCO‐)基を分子内へ置換する化学変換をいう。
【0031】
本明細書で用いる「トランスフェラーゼ」という用語は、ある基質から別の基質へ官能基を転換することを触媒する酵素をいう。
【0032】
本明細書で用いる「タンパク質」は、アミノ酸を含む任意の組成物及び当業者によりタンパク質と認識される任意の組成物をいう。任意の長さのアミノ酸ポリマーをいうために、用語「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は本明細書にて互換可能に用いられる。ポリマーは直鎖又は分岐鎖でよく、修飾アミノ酸を含んでよく、非アミノ酸により割り込まれてよい。また、その用語は、自然に修飾されたアミノ酸ポリマー又は介在により修飾されたアミノ酸ポリマーを含み、ここで介在は、例えば、ジスフィルド結合形成、グリコシル化、リピデーション(lipidation)、アセチル化、リン酸化、又はラベル成分を結合するような任意の他の操作又は修飾である。また、その定義の中には例えば、アミノ酸の一以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸等を含む)及び周知の他の修飾を含むポリペプチドを含む。
【0033】
本明細書で用いる「マルチマー」という用語は、溶液中に共有又は非共有結合及び複合体として存在する2以上のタンパク質又はペプチドをいう。「2量体」は2個のタンパク質又はペプチドを含むマルチマーであり、「3量体」は3個のタンパク質又はペプチドを含む。本明細書で用いる「8量体」という用語は、8個のタンパク質又はペプチドのマルチマーをいう。マルチマー中のタンパク質又はペプチドは同じ又は異なってよい。
【0034】
本明細書で用いる「酵素の有効量」という用語は、具体的な利用(例えば、バイオフィルムの除去)において必要とされる酵素活性を達成するのに必要な酵素量をいう。
【0035】
本明細書で用いる機能的及び/又は構造的に類似するタンパク質は「関連タンパク質」と考えられる。いくつかの実施態様においては、関連タンパク質は異なる属及び/又は種に由来し、クラス又は生物の間で差異を含む(例えば、細菌のタンパク質及び真菌のタンパク質)。いくつかの実施態様においては、関連タンパク質は同じ種に由来する。加えて、その用語「関連タンパク質」は、3次元構造相同性及び1次配列相同性を含む。また、その用語は、免疫的交差反応を有するタンパク質を含む。いくつかの実施態様においては、関連ペルヒドロラーゼ酵素は非常に高い過加水分解対加水分解比を有する。
【0036】
本明細書で用いる「誘導体」という用語は、C及びN末端のどちらか一方又は両方に一以上のアミノ酸を追加、アミノ酸配列中一つ又は多くの異なる位置にて一以上のアミノ酸を置換及び/又はC及びN末端のどちらか一方又は両方にて及び/又はアミノ酸配列中一以上の部位にて一以上のアミノ酸の欠失及び/又はアミノ酸配列中一以上の部位にて一以上のアミノ酸の挿入により親タンパク質から得られるタンパク質をいう。タンパク質誘導体の調製は、天然タンパク質をコードするDNA配列を修飾し、その修飾DNA配列を最適な宿主細胞内に形質転換し、及びその修飾DNA配列を発現して、その修飾タンパク質を生産することによりしばしば達成される。
【0037】
関連(及び誘導体)タンパク質は「変異体」タンパク質を含む。変異体タンパク質はアミノ酸残基の少しの数の違いによって親タンパク質及び/又は別のものと異なる。いくつかの実施態様においては、異なるアミノ酸残基の数は、約1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、又は50のいずれかであってよい。いくつかの実施態様においては、変異体タンパク質は約1から約10アミノ酸の違いがある。
【0038】
いくつかの実施態様においては、変異体タンパク質のような関連タンパク質は、少なくとも約35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%のアミノ酸相同性を有する。
【0039】
本明細書で用いる「類似配列」という用語は、対象タンパク質に関して、同様の機能、3次構造、及び/又は保存残基を有するタンパク質内のポリペプチド配列をいう。例えば、アルファへリックス又はベータシート構造を含むエピトープ領域において、類似配列中の置換アミノ酸は同じ構造要素を維持する。いくつかの実施態様においては、類似配列は、変異体酵素が由来する親タンパク質に対して同様又は改善される機能を有する変異酵素をもたらす。
【0040】
本明細書で用いる「相同タンパク質」とは、対象タンパク質(例えば、異なる供給源由来ペルヒドロラーゼ酵素)と同様の作用(例えば、酵素活性)及び/又は構造を有するタンパク質(例えば、ペルヒドロラーゼ酵素)をいう。相同体は進化的関連のある種由来でも関連性のない種由来でもよい。いくつかの実施態様においては、相同体は、対象タンパク質と同様の4次、3次、及び/又は1次構造を有し、それにより、非相同体タンパク質由来の配列を用いたセグメント又はフラグメントの置換と比較して対象タンパク質の構造及び/又は機能の破壊を低減して、相同体由来類似セグメント又はフラグメントを用いて対象タンパク質中のセグメント又はフラグメントを置換させることができる。
【0041】
本明細書で用いる「に相当する」とは、別のタンパク質又はペプチド中列挙されるアミノ酸残基に類似的、相同的、同等であるタンパク質又はペプチド中のアミノ酸残基をいう。
【0042】
本明細書で用いる「相当する領域」とは、二つのタンパク質又はペプチドのポリペプチド配列中類似的、相同的、又は、同等的位置又は領域をいい、二つの誘導体又は変異体タンパク質又は一つの誘導体又は変異体タンパク質及び一つの親タンパク質を含む。
【0043】
本明細書で用いる「野生型」、「天然の」、及び「自然に発生する」蛋白質とは、自然界に見られるものをいう。「野生型配列」の用語は、天然にみられる又は自然に発生するアミノ酸又は核酸配列をいう。いくつかの実施態様においては、野生型配列は、例えば、変異体タンパク質の生産のようなタンパク質工学プロジェクトの開始点である。
【0044】
少なくとも2つの核酸又はポリペプチドの文脈での「実質的に同様の」及び「実質的に同一の」という語句は、ポリヌクレオチド又はポリペプチドが対象(例えば、野生型)のポリヌクレオチド又はポリペプチドと比較して、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%又は99.5%の配列相同性を有する配列を含むことを通常意味する。標準パラメータ(例えば、Altshul 他、(1990) J. Mol. Biol. 215:403-410; Henikoff他、(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 89:10915; Karin他、(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. 90:5873、及びHiggins 他、(1988) Gene 73:237を参照願いたい)を用いるBLAST、ALIGN、及びCLUSTALのような周知のプログラムを用いて配列相同性を決定してよい。BLAST解析を行うためのソフトウェアは全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通じて誰でも入手可能である。また、データベースはFASTA(Person 他、(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. 85:2444-2448)を用いて検索してもよい。いくつかの実施態様においては、実質的に同一なポリペプチドは一以上の保存的アミノ酸置換による違いのみである。いくつかの実施態様においては、実質的に同一なポリペプチドは免疫的に交差反応を有する。いくつかの実施態様においては、実質的に同一な核酸分子はストリンジェントな条件(例えば、中間から高いストリンジェンシーの範囲内)下、互いにハイブリダイズする。
【0045】
用語「単離される」ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、自然に結合する材料が少なくとも実質的にないものを意味する。実質的にないとは、自然に結合する材料が少なくとも50%、しばしば少なくとも70%、しばしば少なくとも80%、さらに少なくとも90%ないことを意味する。
【0046】
酵素混合物
多数の異なる酵素をバイオフィルム除去のために本明細書に記載の酵素混合物中及び方法に用いてよい。本明細書に記載の酵素混合物は少なくとも二つの酵素であって、例えば、
セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びベータ‐グルコシダーゼのようなカルボヒドロラーゼ、
アルファ‐アミラーゼのようなアミラーゼ、
例えばスブチリシンであるセリンプロテアーゼのようなプロテアーゼ、
エステラーゼ及びクチナーゼ、
粒状デンプン加水分解酵素、
ホスホリパーゼのようなリパーゼ、及び
マンナナーゼのようなヘミセルラーゼ
の組み合わせを含む。また、そのような酵素混合物は本明細書にて「除去酵素混合物」と称し、本明細書に記載の酵素の組み合わせを含む。除去酵素混合物はペルヒドロラーゼ酵素を含まないが、本明細書に記載のようにバイオフィルム低減用の方法において、同時又は連続のいずれかで、一以上のペルヒドロラーゼ酵素と組み合わせて用いることを含む。
【0047】
用いてよいヒドロラーゼ(E.C.3.)は、例えば、プロテアーゼ、グルカナーゼ(16ファミリー グルコシルヒドロラーゼ)、セルラーゼ、エステラーゼ、マンナナーゼ及びアラビナーゼを含む。例えばスブチリシンのような中性及びセリンプロテアーゼは本発明に用いてよい。中性プロテアーゼは約6から8の中性pHの範囲で最適なタンパク質分解活性をもつプロテアーゼである。有用な中性プロテアーゼは、アスパルテート(aspartate)プロテアーゼ及びメタロプロテアーゼである。市販の有用なメタロプロテアーゼは、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)由来のマルチフェクト(MULTIFECT)、プラフェクト エル(PURAFECT L)、エフエヌエー(FNA)、プロペラーゼ エル(PROPERASE L)、プラダックス イージー7000エル(PURADAX EG7000L)、ジーシー106(GC 106)(これらは全てジェネンコ ディビジョン、ダニスコ、ユーエス社(Genencor Division, Danisco US,Inc.)、カルフォルニア州、パロアルト(Palo Alto) (「ジェネンコ」(Genencor))から入手できる)、及びAlcalase、Savinase、Esperase、Neutrase(これらはNovo Nordisk A/S,デンマークから入手可能)である。中性プロテアーゼは細菌、菌類又は酵母源、又は植物源又は動物源由来でも良く、野生型又は変異体酵素でも良い。変異体酵素は親遺伝子(parent gene)から突然変異した遺伝子を発現する供給源から生産される。
【0048】
本発明に用いても良いセルラーゼの例はエンドグルカナーゼ(endoglucanase)、セルビオヒドロラーゼ(cellbiohydrolase)及びベータ-グルコシダーゼ(beta‐glucosidase)であり、酸性から中性のpH範囲で最適な活性をもつセルラーゼを含み、例えば、細菌源由来のプラダックス(PURADAX)、及びジェネンコ(Genencor)社から入手可能なLAMINEXとINDIAGEを含み、両者とも菌類由来である。セルラーゼは、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、フミコーラ(Humicola)、フサリウム(Fusarium)、及びペニシリン(Penicillium)属の菌類由来でも良い。
【0049】
有用な粒状デンプン水分解酵素の例には、フミコーラ(Humicola)、アスペルギルス(Aspergillus)及びフィゾプス(Phizopus)の菌株由来のグルコアミラーゼ(glucoamylase)を含む。粒状デンプン加水分解(GSH)酵素とは粒状形態のデンプンを加水分解する酵素をいう。グルコアミラーゼとは、アミログルコシダーゼ区分の酵素をいう(例えば、EC.3.2.1.3 グルコアミラーゼ、1,4‐アルファ‐D-グルカングルコヒドロラーゼ)。これらは、アミロース及びアミロペクチン分子の非還元末端からグルコシル残基を放出するエキソ作用(exo‐acting)酵素である。この酵素はまた、アルファ-1,6及びアルファ-1,3結合も加水分解する。グルコアミラーゼ活性は、p-ニトロフェニル-アルファ-D−グルコピラノシド(PNPG)をグルコース及びp-ニトロフェノールへ加水分解することを触媒するグルコアミラーゼの能力に基づく良く知られた試験を用いて測定されても良い。アルカリpHにて、ニトロフェノールは、黄色を生じ、これは、グルコアミラーゼ活性に比例し、400nmでモニターされる。その後、GAUとして測定された酵素標準と比較される。1GAU(グルコアミラーゼ活性単位)は、1gの還元糖を生成する酵素量として定義され、pH4.2及び60℃にて可溶性デンプン基質(4% ds)から1時間当たりに生じるグルコースとして計算される。ジェネンコ(Genencor)社製の市販のグルコアミラーゼは、OPTIDEX、DISTILLASE、及びG−ZYMEを含む。
【0050】
本発明に用いるリパーゼの例は酸性、中性及びアルカリ性リパーゼとホスホリパーゼである。市販のリパーゼ及びジェネンコ(Genencor)社製のリパーゼとホスホリパーゼは、リソマックス(LYSOMAX)及びクチナーゼ(CUTINASE)を含む。
【0051】
本発明に用いてよいヘミセルラーゼとマンナナーゼの例は、バシルス レンツス(Bacillus lentus)由来のジーシー265(GC 265)、両方ともGenencor社製のHEMICELL及びPURABRITE、及びStahlbrand他、J.Biotechnol.29(1993),229-242に記載のマンナナーゼを含む。
【0052】
本発明に用いてよいエステラーゼとクチナーゼの例は、任意の供給源由来でよく、例えば、シュードモナス メンドシナ(Pseudomonas mendocina)のような細菌源由来又はフミコーラ(Humicula)又はフサリウム(Fusarium)のような菌類源由来のものを含む。そのような酵素のいくつかは、ジェネンコ(Genencor)社から入手可能である。
【0053】
本発明に用いてよいアミラーゼの例は、細菌又は菌類源から得られるアルファ又はベータ アミラーゼを含む。例えば、バシルス(Bacillus)アミラーゼ(バシルス アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バシルス リチェニフォルミス(B. licheniformis)、及びバシルス ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus))及び菌類源の例は、例えば、アスペルギルス ニガー(A.niger)、アスペルギルス カワチ(A. kawachi)アスペルギルス オリザエ(A. oryzae)のようなアスペルギルス(Aspergillus)、フミコーラ(Humicola)及びトリコデルマ(Trichoderma)である。ジェネンコ(Genencor)社から得られるアミラーゼは、SPEZYME FRED、SPEZYME AA、CLARASE、AMYLEX及びアミラーゼ混合物SPEZYME ETHYLを含む。Novozymes A/S(デンマーク)から入手できるアミラーゼはBAN、AQUAZYM、AQUAZYM Ultra及びTERMAMYLを含む。他のアミラーゼはアミラーゼの混合物であり、例えば、Biocon製のM1、Sumizyme製のCuConc、Aris Sumizyme L(エンド1,5アルファ‐L‐アラビナーゼ)、ACH Sumizyme(ベータ マンナーゼ)、フミコーラ(Humicola)グルコアミラーゼ、デキストラナーゼ(dextranase)、デキストラマーゼ(dextramase)、キチナーゼ、ENDOH及びOPTIMAX L1000(グルコアミラーゼ)がある。
【0054】
同時係属PCT出願番号PCT/US2007/016461に記載のように、375以上の異なる酵素混合物がバイオフィルム除去性能について試験された。スクリーニングにより実質的なバイオフィルム低減をもたらす33の驚くべき酵素混合物の同定が得られた。この33の酵素混合物は、
アルファアミラーゼ及びマンナナーゼ、
アミラーゼ及びプロテアーゼ、
アミラーゼ及びアラビナーゼ、
少なくとも一つのアルファアミラーゼ及び少なくとも2つの他のアミラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、及びグルカナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ及び3つのグルカナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ及びアミラーゼ、
プロテアーゼ、アミラーゼ及びグルカナーゼ、
プロテアーゼ、マンナナーゼ及びアミラーゼ、
セルラーゼ、アラビナーゼ及びアミラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、アミラーゼ及びアラビナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ及び2つのグルカナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ及び3つのグルカナーゼ、
3つのプロテアーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼ、
3つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼ、
3つのプロテアーゼ、マンナナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
3つのプロテアーゼ、セルラーゼ及びマンナナーゼ、
2つのプロテアーゼ、セルラーゼ及びグルカナーゼ、
2つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ及びマンナナーゼ、
2つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
少なくとも3つのアミラーゼ及びセルラーゼ、
アミラーゼ、アラビナーゼ及びセルラーゼ、
アミラーゼ、アラビナーゼ及びプロテアーゼ、
少なくとも3つのアミラーゼ及びプロテアーゼ、
少なくとも3つのアミラーゼ、プロテアーゼ及びセルラーゼ、
グルカナーゼ及びアミラーゼ混合物、
セルラーゼ及びアミラーゼ混合物
の混合物を含む。
【0055】
いくつかの実施態様においては、次の酵素混合物の一つを用いる。その混合物は、
プロテアーゼ、グルカナーゼ及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ及びホスホリパーゼ及びマンナナーゼ、
3つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
3つのプロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ及びマンナナーゼ、
3つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ、
2つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼ、
2つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼ、
2つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼ、
3つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びグルカナーゼ、
3つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ及びマンナナーゼ、
3つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ及びエステラーゼ、
2つ以上のアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも3つのアミラーゼ、
少なくとも2つのアミラーゼ、グルカナーゼ及びプロテアーゼ、
の混合物を含む。
【0056】
いくつかの実施態様においては、次の酵素混合物の一つを用いる。それは、
プロテアーゼ、グルカナーゼ及びクチナーゼの混合物であって、市販の酵素MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG及びクチナーゼを使用して調製されてよく、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ及びクチナーゼの混合物であって、市販の酵素、MULTIFECT NEUTARL、LAMINEX BG、マンナナーゼ、及びクチナーゼを使用して調製されてよく、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ及びホスホリパーゼの混合物であって、市販の酵素MULTIFECT NEUTARL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びリソマックス(LYSOMAX)を用いて調製されてよく、
3つのプロテアーゼにセルラーゼを足した混合物、マンナナーゼ及びクチナーゼの混合物であって、市販の酵素、PROPERASE L、PURAFECRT L、FNA、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼを使用して調製されてよい、
混合物である。
【0057】
本発明のいくつかの実施態様においては、次のジェネンコ(Genencor)社製の市販酵素調製物を含む。それは、
マルチフェクト ニュートラル(MULTIFECT NEUTRAL)、
ラミネックス(LAMINEX)、
リソマックス(LYSOMAX)、
プロペラーゼ(PROPERASE)、
プラダックス(PURADAX)、
プラフェクト(PURAFECT)及び、
スペザイム(SPEZYME)
を含み、これら全ては、ジェネンコ(Genencor)社の登録商標である。
【0058】
MULTIFECT NEUTRALは、バシルス アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)プロテアーゼ(EC3.4.24.28)を含む。LAMINEX BGは、約3200IU/gの活性レベルをもち、トリコデルマ(Trichoderma)β-グルカナーゼ (セルラーゼEC3.3.1.6)を含む。LYSOMAXは、約400U/gの活性レベルをもち、ストレプトミセス ビオルセオルバー(Streptomyces violceoruber)ホスホリパーゼを含む。PROPERASEは、約1600PU/gの活性レベルをもち、バシルス アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)プロテアーゼ(EC3.4.21.62)を含む。PURAFECTは、約42,000GSU/gの活性をもち、スブチリシンプロテアーゼ(EC3.4.21.62)を含み、米国特許第5,624,829号に記載される。FNAは、バシルス スブチリス(Bacillus subtilis)プロテアーゼ(EC3.4.21.62)を含み、米国特許RE第34,606号及び5,310,675号に記載さる。PURADAXは、約32U/gの活性レベルをもち、トリコデルマ レーシ(Trichoderma reesei)セルラーゼ(EC3.2.1.4)を含み、米国特許第5,753,484号に記載される。SPEZYME FREDは、約15,100LU/gの活性レベルをもち、バシルス リケニフォルミス(Bacillus licheninformis)(EC3.2.1.1)由来のアルファアミラーゼを含み、これは米国特許第5,736,499号、5,958,739号及び第5,824,532号に記載される。
【0059】
いくつかの実施態様においては、市販の酵素を用いる酵素混合物は次のものを含む。
1.MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG及びクチナーゼ
2.MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼ
3.MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びLYSOMAX
4.PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、マンナナーゼ及びクチナーゼ
5.PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、マンナナーゼ、クチナーゼ及びLYSOMAX
6.PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、マンナナーゼ、LAMINEX BG
7.MULTIFECT NEUTARAL、LAMINEX BG及びマンナナーゼ
8.FNA、PURDADAX EG 7000L、LAMINEX BG及びクチナーゼ
9.PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG及びLYSOMAX
10.PROPERASE L、FNA、LAMINEX BG及びLYSOMAX
11.PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、PURADAX EG 7000L及びLYSOMAX
12.PROPERASE L、PURAFECT L、FNA、LAMINEX BG、クチナーゼ及びLYSOMAX
13.MULTIFECT NEUTARAL、PURADAX EG 7000L、LAMINEX BG、LYSOMAX及びクチナーゼ
14.PROPERASE L、LAMINEX BG、LYSOMAX及びクチナーゼ
【0060】
いくつかの実施態様においては、酵素混合物は上記の1、2、3及び4の組み合わせである。追加的な酵素組み合わせは次を含む。
SPEZYMEは、バシルス リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)から得られるアルファアミラーゼを含む。CuCONCは、リゾプス ニベウス(Rhizopus niveus)の麹菌グルコアミラーゼの商品名であり、粒状デンプン加水分解活性をもつ(新日本化学株式会社、日本)。AFP GC106は、酸性菌類プロテアーゼ(acid fungal protease)(新日本化学株式会社 日本)である。M1は、Biocon India社 インド、バンガロールから入手できる。ARIS SUMIZYME(1,5-アルファ アラビナーゼ)とACH SUMIZYMEである。
15.SPEZYME FRED L、CuCON及びLAMINEX BG
16.SPEZYME FRED L、Aris SUMIZYME及びLAMINEX BG
17.SPEZYME FRED L及びCuCONC
18.SPEZYME FRED L、CuCONC及びGC106
19.SPEZYME FRED L及びGC106
20.SPEZYME FRED L及びM1
21.SPEZYME FRED L、Aris SUMIZYME及びGC106
22.SPEZYME FRED L、CuCONC、LAMINEX BG及びGC106
23.SPEZYME FRED L、ACH SUMIZYMNE及びGC106
24.SPEZYME FRED L、Aris SUMIZYME、LAMINEX BG及びGC106
25.CuCONC及びLAMINEX BG
26.SPEZYME FRED L及びAris SUMIZYME
27.M1及びLAMINEX BG
28.SPEZYME FRED L、LAMINEX BG及びGC106
29.CuCONC、LAMINEX BG及びGC106
【0061】
ペルヒドロラーゼ酵素
一以上のペルヒドロラーゼ酵素を上述のように酵素混合物と組み合わせて、バイオフィルム除去のための本発明の方法に用いてよい。
【0062】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は自然に発生する(即ち、細胞の遺伝子によりコードされるペルヒドロラーゼ酵素)。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は自然に発生するペルヒドロラーゼ酵素のアミノ酸配列に少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%相同性であるアミノ酸配列を含む、からなる、又は実質的にからなる。
【0063】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は自然に発生するマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼ酵素である。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1に記載のアミノ酸配列又はそれらの変異体又は相同体を含む、からなる、又は実質的にからなる。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は、配列番号1に記載のアミノ酸配列に少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%相同性であるアミノ酸配列を含む、からなる、又は実質的にからなる。
【0064】
マイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼのアミノ酸配列を下記に示す。

【0065】
マイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼをコードする対応するポリヌクレオチド配列を下記に示す。

【0066】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1に記載のマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼアミノ酸配列の位置に相当する一以上のアミノ酸の位置にて一以上の置換を含む。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は、M1, K3, R4, I5, L6, C7, D10, S11, L12, T13, W14, W16, G15, V17, P18, V19, D21, G22, A23, P24, T25, E26, R27, F28, A29, P30, D31, V32, R33, W34, T35, G36, L38, Q40, Q41, D45, L42, G43, A44, F46, E47, V48, I49, E50, E51, G52, L53, S54, A55, R56, T57, T58, N59, I60, D61, D62, P63, T64, D65, P66, R67, L68, N69, G70, A71, S72, Y73, S76, C77, L78, A79, T80, L82, P83, L84, D85, L86, V87, N94, D95, T96, K97, Y99 F100, R101, R102, P104, L105, D106, I107, A108, L109, G110, M111, S112, V113, L114, V115, T116, Q117, V118, L119, T120, S121, A122, G124, V125, G126, T127, T128, Y129, P146, P148, W149, F150, I153, F154, I194, 及び F196から選択されるアミノ酸の置換のいずれか一つ又は任意の組み合わせを含む。
【0067】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1に記載のマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼアミノ酸配列の位置に相当する一以上のアミノ酸の位置にて次の置換を一以上含む。それは、
L12C、Q、又はG、
T25S、G、又はP、
L53H、Q、G、又はS、
S54V、L、A、P、T、又はR、
A55G又はT、
R67T、Q、N、G、E、L、又はF、
K97R、
V125S、G、R、A、又はP、
F154Y、
F196G、
である。
【0068】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は配列番号1に記載のマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)ペルヒドロラーゼアミノ酸配列のアミノ酸の位置に相当するアミノ酸の位置にて下記に記載のアミノ酸置換の組み合わせを含む。
L12I S54V
L12M S54T
L12T S54V
L12Q T25S S54V
L53H S54V
S54P V125R
S54V V125G
S54V F196G
S54V K97R V125G又は
A55G R67T K97R V125G
【0069】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素は過加水分解:加水分解の比が少なくとも1である。
【0070】
バイオフィルム除去評価
バイオフィルム除去はクリスタルバイオレット試験を用いて測定してよい。サンプルを10分間クリスタルバイオレット(0.31%w/v)の溶液中に浸し、その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中3回濯ぎ、固定していない染料を除く。バイオフィルムにより保持される固定染料を95%エタノールを用いて抽出し、540nmにてクリスタルバイオレット/エタノール溶液の吸光度を測定する。バイオフィルムの除去パーセントを[(1−バイオフィルム残留フラクション)x100]として計算する。バイオフィルム残留フラクション割合は、酵素処理バイオフィルムから抽出される液の吸光度から、培地+酵素溶液の吸光度を引き、これを未処理のコントロールバイオフィルムの吸光度から培養培地のみの吸光度を差し引いた吸光度の差で割ることにより計算される。
【0071】
また、バイオフィルムの除去は、処理されたバイオフィルムからの細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のような緩衝液中に懸濁して、培地を含む適切な栄養培地上に細胞を移し、培地上に増殖する細胞数を数えることにより評価してよい。生存細胞数の減少は、コントロール未処理バイオフィルムから調製される懸濁液から増殖する細胞数と比較して決定してよい。
【0072】
方法
本発明は表面からバイオフィルムを除去する方法を提供する。バイオフィルムの除去とは表面からバイオフィルムを減少し又は除去することをいう。本発明の方法は、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、又は99パーセントのバイオフィルムを低減するために十分な時間及び十分な酵素用量のレベルにて表面上のバイオフィルムへ一以上のペルヒドロラーゼ酵素及び上述の除去酵素混合物を適用することを含む。バイオフィルムの低減するパーセントは、処理する前のバイオフィルムにおける生存細胞及び/又は全体の細胞の数に比較してバイオフィルムにおける生存細胞の数での減少をいう。いくつかの実施態様においては、処理するバイオフィルムは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含む、からなる、又は実質的にからなる。また、本発明の方法は表面上のバイオフィルムの形成又は増殖の予防的な阻止を含む。
【0073】
いくつかの実施態様においては、除去酵素混合物は、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二以上のアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、及びプロテアーゼ
から選択される。いくつかの実施態様においては、プロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、マルチフェクト ニュートラル(MULTIFECT NEUTRAL)、エフエヌエー(FNA)、及びジーシー106(GC 106)から選択される商業的に入手可能なプロテアーゼの一以上を除去酵素混合物中に含む。いくつかの実施態様においては、商業的に入手可能なセルラーゼであるプラダックス(PURADAX)を除去酵素混合物中に含む。いくつかの実施態様においては、商業的に入手可能なエステラーゼであるクチナーゼ(CUTINASE)を除去酵素混合物中に含む。いくつかの実施態様においては、ジーシー265(GC265)及びヘミセル(HEMICELL)から選択される商業的に入手可能なマンナナーゼを除去酵素混合物中に含む。いくつかの実施態様においては、商業的に入手可能なセルラーゼであるラミネックス ビージー(LAMINEX BG)を除去酵素混合物中に含む。いくつかの実施態様においては、さらに、エンド‐アラビナーゼを除去酵素混合物中に含む。
【0074】
いくつかの実施態様においては、除去酵素混合物は三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼを含む。ある実施態様においては、プロテアーゼはバシルス ズブチリス(Bacillus subtilis)EC 3.3.2.6及びバシルス アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)EC 3.4.2.6由来であり、グルカナーゼはトリコデルマ(Trichoderma)種EC 3.3.1.6由来であり、ホスホリパーゼはストレプトミセス( Streptomyces)種EC 3.1.1.4由来であり、及びマンナナーゼはバシルス レンツス(Bacillus lentus)由来である。ある実施態様においては、除去酵素混合物は、プロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)を含む又はからなる。
【0075】
ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼはマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)(配列番号1)又はその変異体又は相同体由来のペルヒドロラーゼ酵素である。
【0076】
ペルヒドロラーゼ混合物及び除去酵素混合物は同時に(同じ時間にてバイオフィルムに接触して)又は連続的に(異なる時間にてバイオフィルムに接触して)バイオフィルムに適用してよい。同時に適用する場合、ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物はすべての酵素を含む単一組成物から又は別個のペルヒドロラーゼ含有組成物及び除去酵素含有組成物から加えてよい。
【0077】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素の適用はペルヒドロラーゼを最初に添加し、除去酵素組成物を後に添加するように連続的に行う。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼをバイオフィルムに適用し、バイオフィルムから除き、それから除去酵素混合物をバイオフィルムに適用する。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素を除いた後、除去酵素混合物を約15から約60分、例えば、約15、30、45、又は60分間加える。
【0078】
ある実施態様においては、除去酵素混合物はプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)及びペルヒドロラーゼを含む又はからなり、ペルヒドロラーゼはマイコバクテリウム スメグマチス(M. smegmatis)(配列番号1)由来のペルヒドロラーゼ酵素である。ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物は連続的に添加し、又はペルヒドロラーゼ酵素を除去酵素混合物の前に添加する。
【0079】
いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素に対する基質は、バイオフィルムに適用されるペルヒドロラーゼ含有組成物中に含まれる。例えば、ペルヒドロラーゼをバイオフィルムに適用する場合、プロピレングリコール二酢酸(PDG)及び過炭酸塩(percarbonate)を含んでよい。
【0080】
バイオフィルムに対するペルヒドロラーゼ及び除去酵素混合物の効果は追加的(即ち、ペルヒドロラーゼ単独による除去及び酵素混合物単独による除去の合計がおおよそのバイオフィルム除去の範囲)又は相乗的(即ち、ペルヒドロラーゼ単独による除去及び酵素混合物単独による除去の合計より大きいバイオフィルム除去の範囲)であり得る。
【0081】
いくつかの実施態様においては、除去酵素混合物を、全酵素重量に対して約1%から約6%含む。いくつかの実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素を約0.01重量%、から約0.0001重量%の濃度にて用いる。
【0082】
キット
また、本発明はキットを提供する。キットは本明細書に記載のようにバイオフィルム処理のための方法において用いるために十分な量のペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を含む。ある実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物は別個の容器中に収容される。別の実施態様においては、ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物は同じ容器中に収容される。除去酵素混合物は上述の任意の酵素組み合わせを含んでよい。上記に記載のように、ペルヒドロラーゼ酵素は、配列番号1に記載のアミノ酸配列、又はその変異体又は相同体を含む、からなる、又は実質的になってよい。キット中に存在する酵素を固体又は液体の形状で供給してよい。さらに、キットは緩衝液、基質又は酵素活性及び/又は安定性に有用な他の成分を含んでよい。例えば、キットはペルヒドロラーゼ活性に対する基質、例えば、プロピレングリコール二酢酸(PDG)及び過炭酸塩(percarbonate)を含んでよい。キットは本明細書に記載のようにバイオフィルム処理のための方法において用いる説明書を含んでよい。
【0083】
本発明は適切な包装を提供する。本明細書にて用いる、「包装」はシステム中に習慣的に用いられ、本明細書に記載のようにキットの一以上の成分、例えば酵素、緩衝液、基質を定められた期限内に維持することができる固体マトリックス又は材料をいう。そのような材料はガラス及びプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート)、ボトル、バイアル、紙、プラスチック、及びプラスチックホイル積層包装材料等を含む。もし、電子線殺菌法を使用する場合、包装は内容物の殺菌を許容できる十分低い密度を有する。
【0084】
説明書は印刷形態又はフロッピーディクス、CD、又はDVDのような電子媒体の形態又はそのような説明書が得られるウェブサイトのアドレスの形態にて提供してよい。
【0085】
次の実施例は本発明を説明し、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0086】
実施例1.緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルム除去のための酵素混合物のスクリーニング
一般的な実験準備
ハイスループット方法を酵素の計画された試験マトリックスに基づき、多くの酵素混合物をスクリーニングするために用いた。PBS及び酢酸緩衝液を溶液(Tris緩衝液:pH7.0又は8.5及び酢酸緩衝液:pH5.0)を調製するために用いた。多様な酵素混合物組み合わせをpH及び温度に従って酵素の特定化を行った。全ての375の異なる組合せを含む表が、添付書類Aとして添付されている。96穴法を各組み合わせについて4回の再現試験を用いて酵素の375の異なる組み合わせをスクリーニングするために用いた。この分析は、96穴マイクロタイタープレートのウェルにおいてバイオフィルムを形成させ、これを96までの異なる試験サンプルを提供するために用いることができる。
【0087】
細菌接種培養物(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、PO1、バイオフィルム形成)をトリプシンソイブロス(TBS)中21℃にて終夜、振盪フラスコ中で培養した。この培地の20mLを、別の振盪フラスコ中の別の180mLの新しいトリプティックソイブロス(tryptic soy broth)に加えた。200μlのこの希釈された接種液を次に96ピンのレプリケータ(replicator)を用いて96穴のプレートの各ウェルへ加えた。8‐10時間ごとに栄養素、浮遊菌と培地を吸引し、新鮮なTSB培地と交換した。バイオフィルムを24時間、21℃にてそのウェルで培養した。
【0088】
バイオフィルムが形成された後、培地を96穴プレートのウェルから除去し、種々の酵素処理溶液及びコントロール処理溶液をプレートのウェルに移した。バイオフォルムを所定の時間(90分をこの試験に用いた)浸した。ウェルを次に、脱イオン水で2度すすぎ、この系から任意の残存する処理液と浮遊細胞を除去した。バイオフィルムを、次に10分間クリスタルバイオレットで染色した。ウェルをそれぞれ4回すすぎ、この系から余分な染色を除去し、300μlのエタノールで溶出した。この溶出段階により分析中の染色の検出を改善した。プレートを次に速やかにマイクロタイタープレートリーダーを用いて測定した(J. Microbiological Methods (2003) 54:269-276)。全ての処理は少なくとも4回再現試験を行った。スクリーニング条件下で、漂白コントロール (bleach control) サンプルはpH7.0にて75%の減少、pH5.0にて75%の減少、pH8にて93%の減少であった。
【0089】
酸性pH条件下バイオフィルム除去
酸性条件(pH5)下で加水分解反応に触媒的に効果的であるプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼのような特異的酵素が、バイオフィルムを除去する有効性についてスクリーニングされた。例えば、GC106酸性プロテアーゼをこの試験のために、酸性条件下で触媒的に効果的であるリパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼと組み合わせて用いた。この試験からスクリーニングされた17の酵素の組合せが69‐88%のバイオフィルム除去を達成した。
【0090】
中性pH条件下バイオフィルム除去
中性条件(pH7)下で加水分解反応に触媒的に効果的であるプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼのような特異的酵素がバイオフィルムを除去する有効性についてスクリーニングされた。例えば、中性プロテアーゼをこの試験のために、中性条件下で触媒的に効果的であるリパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼと組み合わせて用いた。この試験からスクリーニングされた5つの酵素の組合せが71‐84%のバイオフィルム除去を達成した。
【0091】
塩基性pH条件下バイオフィルム除去
アルカリ性条件(pH8.4)で加水分解反応に触媒的に効果的であるアルカリプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼのような特異的酵素がバイオフィルムを除去する有効性についてスクリーニングされた。例えば、エフエヌエー(FNA)、プラフェクト(PURAFECT)、及びプロペラーゼ(PROPERASE)のようなセリンプロテアーゼをこの試験のために、塩基性条件で触媒的に効果的であるリパーゼ、セルラーゼ及び他のカルボヒドラーゼと組み合わせて用いた。この試験からスクリーニングされた11の酵素の組合せが70‐80%のバイオフィルム除去を達成した。
【0092】
データの統計的分析
データを統計的有意性ついて分析した。差異についての分析より下記表1に示す酵素混合物が、コントロールと統計的に異なることがわかった。ファミリーワイズ(family‐wise)の誤差を0.05と設定した。つまり1組の143の試験結果のうち偽陽性結果がないことが95%の信頼度で測定された。統計的分析のこの方法の詳細は以下のウェブサイトで見られる。
http://core.ecu.edu/psyc/wuenschk/docs30/multcomp.doc
及び概念は下記ウェブサイトにて十分に説明される。http://www.brettscaife.net/statistics/introstat/08multiple/lecture.html
【0093】
結果
少なくとも40%バイオフィルムのバイオフィルム除去に有効な酵素混合物を表1に示し、各酵素の異なるセットを減少する順番で示した。
【表1】



【表2】

【0094】
ハイスループット方法によって得られたデータは多くの混合物をスクリーニングするのに有用であった。次に、さらなる候補混合物について緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のバイオフィルムを含むバイオフィルム及び飲料水のコンソーシアムバイオフィルム(consortium biofilm)に対するその効力を確認するために試験を行った。
【0095】
実施例2:CDCバイオフィルムリアクター中表1に記載の酵素混合物の評価
実験方法
表1の酵素混合物を実験用モデルシステム、CDCバイオフィルムリアクター(モデル CBR 90、Biosurface Technologies Corporation、Bozeman、MT)を用いてバイオフィルム除去について評価した。このシステムは疾病管理センター(Centers for Disease Control)により開発され、多様な細菌種により形成されたバイオフィルムを研究するために使用されてきた。このCDCバイオフィルムリアクターは蓋からぶら下げられた8個のポリプロピレンの小片ホルダーを備えた1リットルの容器からなる。各小片ホルダーは3つの0.5インチ直径のサンプル片を収納することができる。本明細書にて報告された試験については、サンプル片はポリスチレンから製作され、ポリスチレンマイクロタイタープレートを用いて実施したハイスループットスクリーニング試験と一致した。2台のCDCバイオフィルムリアクターを1試験当たり合計48枚のサンプル小片が試験できるよう並行して操作した。液体培養培地を容器の上から加え、サイドアームの排出ポートを通って排出した。混合羽根を持つマグネチックスターラーバーにより、流体の混合、液面のせん断を行った。
【0096】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルム
10%ストレングストリプティックソイブロス(10%‐strength tryptic soy broth)培地を含む約400mlの作業体積を有するCDCバイオフィルムリアクター容器に緑膿菌(P. aeruginosa)を播種し、37℃にて6時間バッチ式(培地を流入しない)で実施した。バッチ培養を確立した後、600ml/時間の速度にて培地の流入をさらに42時間行い、ポリスチレンサンプル片上に緑膿菌(P. aeruginosa)バイオフィルムを構築した。バイオフィルム増殖時間の終わりに、6つのコントロール片を各二つの反応容器から除き、滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で濯ぎ、非接着細菌を除去した。それから、各反応容器から3つの小片を下記に記載するクリスタルバイオレット染色方法を用いてバイオフィルムの分析を行った。各反応容器からの残りの3つのコントロール小片をPBS中超音波処理し、次に希釈し、トリプティックソイ培地上へ移し、バイオフィルム内の培養可能な細菌の数を数えた。
【0097】
残りの30試験片及び6コントロール片を12穴組織培養プレートへ移し、45℃にて90分間緩衝液中、選別された高性能酵素混合物で処理し、酵素混合物は全酵素重量の1%の酵素用量を用いた。6つのコントロール片を酵素混合物を調製するために用いた同様の緩衝液で処理した。処理後、その小片をPBSで3回濯ぎ、クリスタルバイオレット染色法を用いてバイオフィルムを分析した。10分間クリスタルバイオレット(0.31%w/v)溶液中小片を浸し、PBS中3回小片を濯ぎ、非固定染料を除去した。それから、固定染料を95%エタノールを用いてバイオフィルムから抽出し、クリスタルバイオレット/エタノール溶液の吸光度を540nmにて測定した。緑膿菌(Pseudomonas)バイオフィルムの除去パーセントを[(1−バイオフィルム残留フラクション)x100]から計算した。バイオフィルム残留フラクションを酵素処理バイオフィルムから抽出した溶液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を引いて、未処理コントロールバイオフィルムと培養培地のみの吸光度の差で割ることにより計算した。バイオフィルムの平均の厚さは0.2mmであった。
【0098】
CDC−BRで培養されるバイオフィルムを用いて評価するバイオフィルムの除去パーセントは、下記に表3で示すように、ハイスループットスクリーニング試験(HTA)を用いて先に決定されたものよりも幾分低かった。これはCDC−BRで培養されるバイオフィルムの粘着性がより高いからかもしれない。CDC−BRは、HTAに用いる96穴マイクロタイタープレート法よりも高いせん断環境を与え、除去しにくいバイオフィルムをもたらすかもしれない。それにもかかわらず、77%までのバイオフィルム除去がいくつかの酵素組み合わせで観察された。HTA試験中80%除去にて9番目にランクされる「Pep1,2,4,Cel2,Car1,Pal1」の組み合わせが、CDC−BRバイオフォルムでは77%の除去を有して他のいずれの組合せよりも良い性能であった。最高のバイオフィルム除去パーセントはアルカリ緩衝液中で調製された酵素混合物について認められた(50mM Bis−Tris, pH8.5)。

【表3】



【0099】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を伴うCDCバイオフィルムリアクターシステムを用いて30の酵素混合物の試験によって、バイオフィルム除去が40%より大きい酵素混合物が20個、バイオフィルム除去パーセントが50%より大きい酵素混合物が19個、バイオフィルム除去パーセントが60%より大きい酵素混合物が10個、及び70%より大きい混合物が4個あることが明らかとなった。緑膿菌(Pseudomonas)バイオフィルム除去に最も効果的であることが見出されたほとんどの酵素混合物は、HTP及びCDCリアクター両者による緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルムのバイオフィルム除去分析に基づくと、アルカリから中性の条件下にある。酸性条件下、見出された最も高性能な混合物は、Car2+Car7+Cel2であった。Cel2は緑膿菌(Pseudomonas)バイフィルム除去について試験された多くの効果のあった酵素混合物に見られた。
【0100】
実施例3
下記記載の酵素混合物を3つの他の主要な市販の関連バイオフィルムに対して有効性を評価するために試験をした。試験は、緑膿菌(Pseudomonas)に関するCDCバイオフィルムリアクターデータ、及び4種のモデルのデンタルバイオフィルムに関する分離HTP試験に基づいて行われた。洗浄可能な時間及び経済的な用量に関する実施上の配慮により、バイオフィルム小片と洗浄酵素混合物の接触時間を40分に減少し、酵素混合物中すべての酵素成分の最終混ぜ合わせ酵素濃度を全体の1%に制限した。例えば、PEP5+CAR2+CEL3酵素混合物は、試験用最終酵素混合物用量が1%になるよう各酵素を0.33+0.33+0.34%含んだ。
【0101】
試験を下記記載の3つのpHにて、下記記載の6の酵素混合物を用いて実施した。試験をリステリア (Listeria)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、及び飲料水バイオフィルムについて実施した。結果を実施例4から6に示す。

【0102】
バイオフィルム除去のすべてのタイプで最も有効な酵素混合物は、弱アルカリ性条件下エフエヌエー(FNA)、プラフェクト エル(PURAFECT L)、プロペラーゼ エル(PROPERASE L)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)の組み合わせだった。中性から酸性pH条件で最も有効な酵素混合物はマルチフェクト ニュートラル(Multifect Neutral)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、及びクチナーゼ(Cutinase)酵素を含んだ。
【0103】
実施例4 リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)バイオフィルム
10%ストレングスブレインハートインフュージョン(BHI)培地を含む約400mlの作業体積を有しステンレス製小片を有するCDCバイオフィルムリアクター容器に37℃にて10%BHI中リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)(ATCC19112)の終夜培養物の4mlを播種した。反応容器を24時間バッチ式で操作し、次の24時間7ml/分にてBMH培地を流入しながら連続供給を行なった。48時間(24時間バッチ+24時間連続)後、反応容器を停止し、分解した。
【0104】
棒(wand)からすべてのステンレス製小片を除くために滅菌ピンセットを用い、その小片の表及び裏を可能な限り触らないようにし、小片を処理のために滅菌12穴プレートへ移した。
【0105】
リアクター当たり全部で24小片が得られ、3小片ごとに各酵素混合物組み合わせ(6組み合わせ、すべての酵素成分をあわせた濃度が1%酵素混合物濃度、40分、45℃)を用いて処理した。3小片を処理せず、未処理コントロールとして用いた。処理された小片すべてを取り出し、PBS中で3回濯ぎ、12穴プレートにおいて75%クリスタルバイオレット中に10分間置いた。染色後、小片をPBSで3回濯ぎ、5.0mlの95%エタノール中に移し、室温にて5分間シェーカーに置きクリスタルバイオレットを溶出した。溶出液をそれからピペットでキュベットに移し、540nmにてスペクトロフォトメーターで測定した。リステリア(Listeria)バイオフィルム除去パーセントを[(1−バイオフィルム残留フラクション)x100]から計算した。酵素処理バイオフィルムから抽出した溶液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を引いて、未処理コントロールバイオフィルムと培養培地のみの吸光度の差で割ることによりバイオフィルム残留フラクションを計算した。
【表4】

【0106】
実施例5.黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)バイオフィルム
10%トリプティックソイブロス(TSB)培地を含む約400mlの作業体積を有しポリウレタン小片を有するCDCバイオフィルムリアクター容器に37℃にて10%TSB培地中黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(SRWC−10943)の終夜培養物の4mlを播種した。CDCリアクターを24時間バッチ式で操作し、次の24時間7ml/分にてTSB培地を流入しながら連続供給を行った。48時間(24時間バッチ+24時間連続)後、反応容器を停止し、分解した。
【0107】
棒(wand)からすべてのポリウレタン製小片を除くために滅菌ピンセットを用い、その小片の表及び裏を可能な限り触らないようにし、小片を処理のために滅菌12穴プレートへ移した。
【0108】
リアクター当たり全部で24小片が得られ、3小片ごとに各酵素混合物組み合わせ(6組み合わせ、すべての酵素成分をあわせた濃度が1%酵素混合物濃度、40分、45℃)を用いて処理した。3小片を処理せず、未処理コントロールとして用いた。処理された小片すべてを取り出し、PBS中で3回濯ぎ、12穴プレートにおいて75%クリスタルバイオレット中に10分間置いた。染色後、小片をPBSで3回濯ぎ、5.0mlの95%エタノール中に移し、室温にて5分間シェーカーに置きクリスタルバイオレットを溶出した。溶出液をそれからピペットでキュベットに移し、540nmにてスペクトロフォトメーターで測定した。リステリア(Listeria)バイオフィルム除去パーセントを[(1−バイオフィルム残留フラクション)x100]から計算した。酵素処理バイオフィルムから抽出した溶液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を引いて、未処理コントロールバイオフィルムと培養培地のみの吸光度の差で割ることによりバイオフィルム残留フラクションを計算した。
【表5】

【0109】
実施例6.飲料水コンソーシアムバイオフィルム(Consortium Biofilm)
19LのBAC/GAC飲料水(低CFU混合飲料水コンソーシアム)と1Lの炭素補正溶液を以下の成分を用いて調製し、添加炭素濃度になるようにした。
L-グルタミン酸 0.0047g/L
L-アスパラギン酸 0.0053g/L
L-セリン 0.0055g/L
L-アラニン 0.0047g/L
D+グルコース 0.0048g/L
D+ガラクトース 0.0048g/L
D+アラビノース 0.0048g/L
【0110】
無菌CDCリアクターを層流フード(laminar flow hood)に置き、BAC/GAC水で排水口まで満した。37℃のインキュベーター中で、注入口と排水口への全ての配管を接続し、CDCリアクターを撹拌プレート上に取り付けた。リアクターを24時間バッチ式で稼動し、その後24時間、7ml/分の速度で炭素を補足したBAC/GAC水を連続的に供給した。48時間の終わり(24時間バッチ式+24時間連続式)に、液供給を止め、培地をリアクターから廃液容器に注ぎ、リアクターを層流フード内に置いた。
【0111】
滅菌ピンセットを用いて棒(wand)からすべての小片を除いた。飲料水コンソーシアムバイオフィルムを含むPVC小片を処理のために滅菌12穴プレートへ移した。
【0112】
リアクター当たり全部で24小片が得られ、3小片ごとに各酵素混合物組み合わせ(7組み合わせ、全体濃度が1%、40分、45℃)を用いて処理した。3小片を処理せず、未処理コントロールとして用いた。処理された小片すべてを取り出し、PBS中で3回濯ぎ、12穴プレートにおいて75%クリスタルバイオレット溶液中に10分間置いた。染色後、小片をPBSで3回濯ぎ、5.0mlの95%エタノール中に移し、室温にて5分間シェーカーに置きクリスタルバイオレットを溶出した。溶出液をそれからピペットでキュベットに移し、540nmにてスペクトロフォトメーターで測定した。リステリア(Listeria)バイオフィルム除去パーセントを[(1−バイオフィルム残留フラクション) x100]から計算した。酵素処理バイオフィルムから抽出した溶液の吸光度から培地+酵素溶液の吸光度を引いて、未処理コントロールバイオフィルムと培養培地のみの吸光度の差で割ることによりバイオフィルム残留フラクションを計算した。
【表6】

【0113】
実施例7.酵素混合物及びペルヒドロラーゼ酵素を用いるバイオフィルム除去
方法
CDCバイオフィルムリアクター(http://www.imt.net/~mitbst/CDCreactor.html)を適切な培地プラス4.0mlの下記の接種材料の一つで無菌的に満たした。
・10%トリプティックソイブロス(TSB)中緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の終夜培養物。この系のための小片はポリスチレンであった。
・10%ブレインハートインフュージョン(BHI)中リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)(ATCC19112)の終夜培養物。この系のための小片はステンレス製であった。
・炭素補完を伴う水中飲料水コンソーシアム。この系のための小片は塩化ポリビニル(PVC)であった。
【0114】
シュードモナス(Pseudomonas)及びリステリア(Listeria)培養のために、リアクターを37℃にて24時間バッチ式でインキュベーションした。T=24時間の時、連続流入を次の24時間7ml/分にて開始した。試験をT=48時間(24時間バッチ式+24時間連続式)にて小片上で実施した。
【0115】
飲料水バイオフィルムを48時間バッチ式、続いて24時間連続式で室温にて卓上式で実施した。T=72時間(48時間バッチ式+24時間連続式)の時点で飲料水小片を試験した。
【0116】
酵素処理
小片を酵素処理のために滅菌12穴プレートに置いた。下記処理を行った。
・ペルヒドロラーゼ酵素、続いてPEP1、PEP2、PEP4、CEL2、CAR1、及びPAL1の混合物(「除去酵素混合物」)
・除去酵素混合物、続いてペルヒドロラーゼ酵素
・ペルヒドロラーゼ酵素単独
【0117】
各6小片を上記酵素処理の一つ又は滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で処理した。処理時間は90分(45分除去酵素混合物及び45分ペルヒドロラーゼ酵素)、45℃にて、又はペルヒドロラーゼ酵素を単独に用いる場合、45分、45℃であった。処理時間の終わりに小片を処理溶液から除き、PBSで3回濯いだ。
【0118】
除去酵素溶液:50mM Tris、pH 8.5中1%の各酵素の最終酵素濃度にてPEP1、PEP2、PEP4、CEL2、CAR1、及びPAL1
【0119】
ペルヒドロラーゼ酵素溶液、最終濃度:100mM プロピレングリコール2酢酸(PGD)、100mM 過炭酸塩(percarbonate)、4ppm S54V 配列番号1の変異体、400mM KHPO、pH 7.1
【0120】
ペルヒドロラーゼ用ストック溶液:125mM PGD − 2ml/100ml 400mM KHPO(1ml反応溶液当たり800μl)、10.5 mg/ml 過炭酸塩(1ml反応溶液当たり10.5 mg)、20 ppm ペルヒドロラーゼ (1ml反応溶液当たり200μl)。
【0121】
ペルヒドロラーゼ処理手順:過炭酸塩(percarbonate)を秤量しPGD/KHPO緩衝液と混合し溶解する。(あるいは、別の適切な緩衝液をpH6‐12にて用いてよく、又は緩衝液を加えずに緩衝液として働く過炭酸塩を用いてもよい。)ペルヒドロラーゼを添加し、その溶液を再び混ぜた。その溶液を室温にて20分間放置し、それからすぐに用いた。
【0122】
過酢酸試験溶液:50mlの125mM クエン酸ナトリウム緩衝液pH5.0、水に溶解した500μlの100mM 2,2`‐アジノ‐ビス(3‐エチルベンゾチアゾリン‐6‐スルホン酸)2アンモニウム塩((2,2‘‐Azino‐bis(3‐ethylbenzothiazoline‐6‐sulfonic acid) Diammonium salt)、カタログ番号30931‐67‐0(ABTS)、水に溶解した100μlの25mM KI
【0123】
過酢酸試験手順:25μlのペルヒドロラーゼ酵素溶液を225μlの水と混合した。この溶液を二度希釈した(25μl+225μl水)。25μlの最終溶液を75μlの水で混合し続いてキュベット中900μlの過酢酸試験溶液に加えた。溶液を室温にて3分間インキュベーションした。吸光度を420nmにて測定した。A420x0.242=[過酢酸]mMとして過酢酸濃度を計算した。
【0124】
最初の緑膿菌(P. aeruginosa)PA01の実施に関する試験計画を以下に示す。

【0125】
次の試験は、次の試験計画に従って、除去酵素混合物を単独に用いて処置することを含んだ。

【0126】
除去効果を測定するためのクリスタルバイオレット試験
それぞれ処理をした小片を10分間12穴プレートの75%クリスタルバイオレット溶液に置いた。染色後、小片をPBSで3回濯ぎ、それから5.0mlの95%エタノールに添加し、5分間室温にてシェーカーに置き、クリスタルバイオレットを溶出した。それから溶出溶液をピペットでキュベットに添加し、吸光度を540nmとしスペクトロフォトメーターで測定した。
【0127】
対数減少値を測定するためのプレートカウント
それぞれ処理をした小片を10mlの滅菌PBSを含む滅菌コニカル瓶に置いた。モンタナ州立大学バイオフィルムエンジニアリングセンターのメディカルバイオフィルムラボラトリー(Medical Biofilm Laboratory、Center for Biofilm Engineering at Montana State University、Bozeman、Montana (MBL))にて確立した標準手順に従って、瓶を1分間ボルテックスし、2分間超音波処理し、30秒ボルテックスした。細菌浮遊物を滅菌的に希釈し、寒天培地に移し、処置の結果として生存細胞数及び対数減少値を測定した。生存数については、緑膿菌(P. aeruginosa)を100%トリプティックソイ寒天培地(TSA)上に移し、リステリア モノサイトゲネス(L. monocytogenes)を100%BHI寒天培地に移し、飲料水コンソーシアムを100%R2A寒天培地上に移して計算した。
結果
【表7】

【表8】

【表9】

【0128】
実施例8.基質の有る及び基質の無い酵素混合物及びペルヒドロラーゼ酵素を用いる緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)バイオフィルムの除去
方法
24のポリスチレン小片を備えたCDCバイオフィルムリアクターに約450mlの10%TSBプラス4mlの緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の24時間培養物を満たした。リアクターを連続攪拌でバッチ式にて24時間インキュベーションした。T=24時間にて、連続流入を次の24時間7ml/分にて開始した。小片を酵素処理のためにT=48時間(24時間バッチ+24時間連続)にて滅菌12穴プレートに移した。
【0129】
酵素処理
それぞれ6つの小片を下記のように処理した。
・基質の無いペルヒドロラーゼ酵素(配列番号1のS54V変異体、4ppm)+除去酵素混合物(1%各酵素)
・基質の無いペルヒドロラーゼ酵素(4ppm)
・基質の有るペルヒドロラーゼ酵素(4ppm)
・PBS、7.2(コントロール)
【0130】
45℃の温度を用い、処理時間は全部で90分であった。処理の終わりに小片をPBS中で3回濯いだ。
【0131】
酵素混合物及び混合手順
基質の無いペルヒドロラーゼ酵素+除去酵素混合物:400mM KHPO緩衝液pH7.1中各酵素の全体の最終的酵素濃度が1%であるPEP1、PEP2、CEL2、CAR1、及びPAL1プラス4ppmの最終濃度ペルヒドロラーゼ酵素
【0132】
基質の無いペルヒドロラーゼ酵素:400mM KHPO緩衝液、4ppmペルヒドロラーゼ酵素
【0133】
基質の有るペルヒドロラーゼ酵素:100mM PGD、100mM 過炭酸、4ppm ペルヒドロラーゼ酵素、400mM KHPO緩衝液、pH7.1。過炭酸を秤量し、PGD/KHPO緩衝液と混合し、溶解した。ペルヒドロラーゼを添加し、溶液を再び混合した。溶液を室温にて20分間放置し、それからすぐに用いた。
【0134】
PBS、NaCl 8g/l、KCl 0.2g/L、NaHPO 1.15g/L、及びKHPO 0.2g/Lを混合した。pHを7.2に調整し、溶液をオートクレーブ処理した。
【0135】
試験計画
試験計画を下記に示す。

【0136】
除去効果を測定するためのクリスタルバイオレット試験
各処理をした小片を12穴プレート中の75%クリスタルバイオレット溶液へ10分間置いた。染色後、小片をPBS中3回濯ぎ、5.0mlの95%エタノールへ移し、5分間室温にてシェーカーに置き、クリスタルバイオレットを溶出した。溶出溶液をそれからピペットでキュベットへ移し、吸光度を540nmとしてスペクトロフォトメーターで測定した。
【0137】
対数減少値を決定するためのプレートカウント
各処理をした3つの小片を10mlの滅菌PBSを含んだ滅菌コニカル瓶へ移した。MBLにて確立した標準手順に従って、バイアルを1分間ボルテックスし、2分間超音波処理し、30秒間ボルテックスした。細菌浮遊物を滅菌的に希釈し、100%TSA上に移し、処理の結果として生存細胞数及び対数減少値を測定した。
結果
【表10】

【0138】
理解を明確にする目的のために図説及び実施例の方法により前述の発明を詳細に記載したけれども、特定の変化及び修飾が特許請求の範囲を逸脱せずに実施されることは当業者に明らかである。従って、本明細書の記載を特許請求の範囲に限定すると理解すべきでない。
【0139】
本明細書にて引用するすべての刊行物、特許、及び特許出願をすべての目的のためにそれらの全体を参照により本明細書に取り込み、各個々の刊行物、特許又は特許出願があたかも具体的に及び個々に示した同様に参照により本明細書に取り込まれる。
【0140】











【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面からバイオフィルムを除去する方法であって、前記方法が少なくとも25%の前記バイオフィルムを低減するために十分な時間ペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を前記バイオフィルムに適用する方法において、前記酵素混合物が
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、及びプロテアーゼ
から選択されるように設ける方法。
【請求項2】
前記ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が同時に前記バイオフィルムに適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペルヒドロラーゼ酵素混合物及び前記除去酵素混合物が連続的に前記バイオフィルムに適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペルヒドロラーゼ酵素が前記除去酵素混合物の適用前に適用されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が表面からバイオフィルムを除去するために相乗的に働くことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バイオフィルムが緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、リステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
表面からバイオフィルムを除去するための組成物であって、前記組成物がペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を含み、ここで、前記除去酵素混合物が、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、及びプロテアーゼ
から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項11】
前記除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
表面からバイオフィルムを除去するためのキットであって、前記キットがペルヒドロラーゼ酵素及び除去酵素混合物を含み、ここで、前記酵素混合物が、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、エステラーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
二つのプロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、グルカナーゼ、及びマンナナーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
二つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びグルカナーゼ、
三つのプロテアーゼ、セルラーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼ、
三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びエステラーゼ、
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、
少なくとも三つのアミラーゼ、及び
少なくとも二つのアミラーゼ及びグルカナーゼ、及びプロテアーゼ
からなる群から選択されることを特徴とするキット。
【請求項15】
前記ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が別個の容器中に収容されることを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記ペルヒドロラーゼ酵素及び前記除去酵素混合物が同じ容器中に収容されることを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項17】
前記除去酵素混合物が三つのプロテアーゼ、グルカナーゼ、ホスホリパーゼ、及びマンナナーゼからなることを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項18】
前記除去酵素混合物がプロペラーゼ(PROPERASE)、プラフェクト(PURAFECT)、エフエヌエー(FNA)、ラミネックス ビージー(LAMINEX BG)、ジーシー265(GC 265)及び、リソマックス(LYSOMAX)からなることを特徴とする請求項14に記載のキット。
【請求項19】
前記ペルヒドロラーゼ酵素が配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項14に記載のキット。

【公表番号】特表2011−528220(P2011−528220A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539697(P2010−539697)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/086959
【国際公開番号】WO2009/085743
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(509240479)ダニスコ・ユーエス・インク (81)
【Fターム(参考)】