説明

バイオフィルムの除去方法

【課題】バイオフィルムを効果的に除去し得るバイオフィルムの除去方法の提供。
【解決手段】下記工程1の後に下記工程2を行う、バイオフィルムの除去方法。
工程1:(a1)アニオン性界面活性剤〔以下(a1)成分という〕及び(a2)金属イオン捕捉剤〔以下(a2)成分という〕を(a1)成分/(a2)成分=1/9〜9/1の質量比にて含有する組成物(A)を、バイオフィルムの形成された固体表面に接触させる工程
工程2:(b)糖質分解酵素〔以下(b)成分という〕を含有する組成物(B)を、前記固体表面に接触させる工程

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオフィルムの除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レストランや厨房、スーパーのバックヤードで使用される包丁やまな板、ざる等の調理器具類や食品工場等で使用される製造・加工機器、設備、充填機類、食品と直接接触する器具類は衛生度を保つため、日々、使用後に殺菌剤を用いた洗浄作業が行われる。しかし、これらの対象物の硬質表面形状は様々で、小さな隙間やキズ、手の届かない複雑な形状など、機械力の届かない部分では、しばしば微生物や汚れが残留する。このような残留微生物は、増殖する段階で多糖やタンパク質、核酸などの高分子物質を細胞内から産生し、微生物及び微生物産生物質からなる構造体、即ち、バイオフィルムを形成する。
【0003】
バイオフィルムは、殺菌剤、静菌剤のような微生物制御薬剤に耐性を持つことが知られている。例えばまな板においては、洗浄殺菌処理後も無数のキズ内部に微生物が残留し、その後の微生物検査において微生物数の低減が確認できないという結果に至ることもしばしば報告されている。
【0004】
このように、バイオフィルムは洗浄殺菌処理、特に殺菌処理に大きな影響を与える因子となっており、バイオフィルムを除去する技術が求められている。これまでにもバイオフィルムを除去する技術として、界面活性剤と酵素の混合組成物を用いる方法が提案されているが(特許文献1及び2)、バイオフィルムの除去性能は未だ満足できるレベルにない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−231671号公報
【特許文献2】特表平11−513901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、バイオフィルムを効果的に除去し得るバイオフィルムの除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、バイオフィルムを効果的に除去し得るバイオフィルムの除去方法を実現すべく、バイオフィルムの構成成分や結合形式について鋭意研究した結果、バイオフィルムに対してアニオン性界面活性剤と金属イオン捕捉剤を作用させた後に、糖質分解酵素を作用させるという二段階の処理を行うことでバイオフィルムを効果的に除去し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記工程1の後に下記工程2を行う、バイオフィルムの除去方法を提供する。
工程1:(a1)アニオン性界面活性剤〔以下(a1)成分という〕及び(a2)金属イオン捕捉剤〔以下(a2)成分という〕を(a1)成分/(a2)成分=1/9〜9/1の質量比にて含有する組成物(A)を、バイオフィルムの形成された固体表面に接触させる工程
工程2:(b)糖質分解酵素〔以下(b)成分という〕を含有する組成物(B)を、前記固体表面に接触させる工程
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バイオフィルムを効果的に除去することができ、微生物が関与する様々な分野においてバイオフィルムに起因する危害を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の構成に関し詳細に述べる前に、以下の用語の意味に留意されたい。即ち、本発明において用語「微生物産生物質」とは、微生物が増殖する段階で微生物細胞内から産生される物質を意味し、それは、微生物細胞内から産生される多糖、タンパク質及び核酸から選ばれる高分子物質を含んで成る。
【0011】
本発明において用語「バイオフィルム」とは、微生物及び微生物産生物質からなる構造体を意味する。かかるバイオフィルムに関しては、一般的に微生物の種類、また同じ微生物でも由来や微生物が置かれた固体表面状態を含む環境によって、形成されるバイオフィルムの組成が異なることが知られている。例えば、人体に有害ないしは美観の面から不良である原因菌として知られている黄色ブドウ球菌(NBRC13276)、アシネトバクター(環境単離菌)、及び緑膿菌(NBRC13275)の各々に由来するバイオフィルムのタンパク質、多糖、核酸の比率は、下記表1に示すように大きく異なる(ここで、構成比率の測定法に関しては、下記<バイオフィルム構成比率の測定方法>欄を参照のこと)。
【0012】
【表1】

【0013】
<バイオフィルム構成比率の測定方法>
黄色ブドウ球菌はTSB No.2液体培地(シグマ社製)で、アシネトバクターはMHB液体培地(和光純薬社製)で、緑膿菌はLB培地(和光純薬社製)で、それぞれ、37℃、20時間培養した。各種菌の培養液を滅菌生理食塩水で100倍に希釈後、黄色ブドウ球菌はTSB No.2寒天培地に、アシネトバクターはMHB寒天培地に、緑膿菌はNAC寒天培地(栄研化学社製)に各10枚塗抹し、それぞれ、37℃で48時間培養した。140 mM NaCl、10 mM EDTAを含むpH 7.5の水溶液(A液と略す)を各寒天培地上に5 ml添加し、菌層部をコンラージ棒で掻きとる操作を各プレートに対し2回実施し、菌液を回収した。回収した菌液を30分間攪拌し、8000 rpm、20 min 15℃で遠心分離した。上澄みを回収し、0.2 μmのメンブレンフィルター(Nalgene filtration product社)でろ過した。一方、菌層にA液100 mlを加え、同様に攪拌し、液を遠沈管に集め、1分間ボルテックス(Scientific Industry社、G-560)にて攪拌を行い、遠心分離、ろ過する操作を3回行った。ろ液を集め、透析セルロースチューブに封入し、5Lのイオン交換水下で48時間(2回イオン交換水を交換)透析し、低分子化合物を除いた。
回収した液体をLowry法(測定キットはナカライテスク社製)で測定し、ウシ血清アルブミン(BSA)による検量線からタンパク質濃度を定量し、タンパク質由来のバイオフィルム量とした。また回収した液体をフェノール硫酸法によって、黄色ブドウ球菌及びアシネトバクターはマンノースによる検量線から、緑膿菌はアルギン酸による検量線から多糖類濃度を定量し、多糖類由来のバイオフィルム量とした(非特許文献1)。さらに、回収した液体について260nmの吸収極大を測定して核酸の存在を確認後、透析分の固形分からタンパク質量と多糖類量を引いて核酸量とし、核酸由来のバイオフィルム量とした。
〔非特許文献1〕Hodge,J.E. and Hofreiter,B.T.1962. Methods in Carbohydrate Chemistry vol.1,pp.380-394
【0014】
また、本発明において用語「除去」とは、固体表面に形成されたバイオフィルムの少なくとも一部を前記固体表面から取り除くことを意味し、必ずしもバイオフィルムを完全に(即ち、100%)取り除くことを意味するものでないことに留意されたい。
本発明においては、後述する実施例記載の評価方法において、バイオフィルム除去率としては、80%以上である場合にバイオフィルムが「除去」される効果として良好であり、90%以上である場合に更に良好である。
【0015】
以下、本発明のバイオフィルムの除去方法に用いる(a1)成分、(a2)成分及び(b)成分に関し説明する。
【0016】
<(a1)成分>
(a1)成分はアニオン性界面活性剤である。本発明において、(a1)成分は、バイオフィルムを構成する微生物産生物質、とりわけタンパク質に作用し、バイオフィルムの構造を脆弱化させるよう働くものと推察される(比較例1の結果を参照のこと)。
【0017】
本発明に好適に用い得る(a1)成分としては、工程1の実施温度範囲において水に可溶であれば特に制限されるものではないが、例えば、リグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(好ましくは炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩)、アルキルスルホン酸塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキルスルホン酸塩)、ポリオキシエチレン(以下、POEと記す)アルキルスルホン酸塩(好ましくは炭素数10〜16のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜4モル付加したPOEアルキルスルホン酸塩)、POEアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩(好ましくは炭素数6〜12のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜4モル付加したPOEアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩)、POEアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩(好ましくは炭素数6〜12のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜4モル付加したPOEアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩)、POEアリールフェニルエーテルスルホン酸塩(好ましくはオキシエチレン基が平均1〜5モル付加したPOEアリールフェニルエーテルスルホン酸塩)、アルキル硫酸エステル塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩)、POEアルキルエーテル硫酸エステル塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜4モル付加したPOEアルキルエーテル硫酸エステル塩)、POEアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩(好ましくはオキシエチレン基が平均1〜5モル付加したPOEアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩)、ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、POEトリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩(好ましくはオキシエチレン基が平均1〜5モル付加したPOEトリベンジルフェニルエーテルスルホン酸塩)、アルキルリン酸塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキルリン酸塩)、POEアルキルリン酸塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜5モル付加したPOEアルキルリン酸塩)、POEトリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩(好ましくはオキシエチレン基が平均1〜5モル付加したPOEトリベンジルフェニルエーテルリン酸エステル塩)、ジアルキルスルホコハク酸塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有するジアルキルスルホコハク酸塩)、脂肪酸塩(石けん)、POEアルキルエーテル酢酸塩(好ましくは炭素数8〜18のアルキル基を有し、オキシエチレン基が平均1〜15モル付加したPOEアルキルエーテル酢酸塩)等が挙げられる。
【0018】
中でも、バイオフィルム除去効果の観点から、アルキルスルホン酸塩及びPOEアルキルスルホン酸塩がより好ましく、炭素数8〜18のアルキル基を有するアルキルスルホン酸塩及び炭素数10〜16のアルキル基を有し且つオキシエチレン基が平均1〜4モル付加したPOEアルキルスルホン酸塩が更に好ましく、汎用性の点から、炭素数12のアルキルスルホン酸塩が特に好ましい。
【0019】
<(a2)成分>
(a2)成分は金属イオン捕捉剤である。本発明における(a2)成分の作用機構は明らかではないものの、そのキレート能に起因して、バイオフィルムを構成する微生物産生物質間の結合に関与しているとされる金属イオンに作用し、バイオフィルムの構造脆弱化に寄与するものと推察される(比較例2を参照のこと)。
【0020】
本発明に好適に用い得る(a2)成分としては、工程1の実施温度範囲において水に可溶であり且つカルシウムや鉄などの多価金属イオンを捕捉し得るものであれば特に制限されないが、例えば、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸ジ酢酸、アミノメチルグリシンジ酢酸などのアミノポリカルボン酸若しくはそれらの塩;クエン酸、酒石酸、グルコン酸などの有機酸若しくはそれらの塩;ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、又はそれらの塩などの電解質ポリマー;オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩などのリン酸塩若しくはポリリン酸塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、又はそれらの塩などのホスホン酸系化合物;A型ゼオライト、B型ゼオライトなどのアルミノケイ酸等が挙げられる。
【0021】
中でも、バイオフィルム除去効果並びに汎用性の点から、アミノポリカルボン酸塩及びポリリン酸塩が好ましく、エチレンジアミン四酢酸塩及びトリポリリン酸塩が更に好ましく、エチレンジアミン四酢酸塩が特に好ましい。
【0022】
<(b)成分>
(b)成分は糖質分解酵素である。本発明において、(b)成分は、バイオフィルムの構造体の形成に寄与していると推察される糖鎖を分解し、固体表面からバイオフィルムを除去するよう働く。かかる酵素の特性を利用してバイオフィルムの除去を試みた従来技術(例えば、上記特許文献1及び2)は存在するものの、バイオフィルム(とりわけ、タンパク質構成比率の高いバイオフィルム)の除去効果は満足できるレベルにはなかった。本発明者は、かかる(b)成分による処理工程の前に、あらかじめ上記(a1)成分及び(a2)成分を用いてバイオフィルムを処理することにより、タンパク質構成比率の高低によらず、バイオフィルムを効果的に除去し得ることを見出したものである。
【0023】
本発明に好適に用い得る(b)成分としては、ヒドロラーゼ(加水分解酵素:Hydrolases,EC3群に属する酵素;基質A−BをHO分子を介してA−OHとBHに分解する酵素)、及びリアーゼ(Lyases,EC4群に属する酵素;他分子の関与なしに基質A−BをAとBに分解する酵素)からなる群から選ばれる1種以上の酵素が挙げられる。ヒドロラーゼの好適な具体例としては、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコシダーゼ、グルカナーゼ、デキストラナーゼ、キチナーゼ、シアリダーゼ、マンノシダーゼ、サッカラーゼ、フコシダーゼなどが挙げられ、リアーゼの好適な具体例としては、アルギン酸リアーゼ、ペクチンリアーゼなどが挙げられる。
【0024】
中でも、バイオフィルム除去効果並びに汎用性の点から、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼが好ましく、アミラーゼ、マンナナーゼが特に好ましい。
【0025】
具体的に入手可能な市販品の例としては、アミラーゼとしては、「ターマミル」及び「デュラミル」(いずれもノボザイムス製)、「α-アミラーゼ」(生化学工業製)、マンナナーゼとしては、「マンナウェイ」(ノボザイムス製)が挙げられる。その他の糖質分解酵素としては、「セルザイム」、「ケアザイム」及び「ペクチネックス」(いずれもノボザイムス製)、「デキストラナーゼL「アマノ」」(天野エンザイム製)、「アルギン酸リアーゼS」(ナガセケムテックス製)などが挙げられる。
【0026】
[バイオフィルムの除去方法]
本発明のバイオフィルムの除去方法は、下記工程1の後に下記工程2を行うことを特徴とする。
工程1:(a1)成分及び(a2)成分を(a1)成分/(a2)成分=1/9〜9/1の質量比にて含有する組成物(A)を、バイオフィルムの形成された固体表面に接触させる工程
工程2:(b)成分を含有する組成物(B)を、前記固体表面に接触させる工程
【0027】
工程1において、バイオフィルムの形成された固体表面に組成物(A)を接触させる方法としては、特に制限されるものではないが、バイオフィルムの形成された固体表面を組成物(A)中に浸漬する方法や、バイオフィルムの形成された固体表面に組成物(A)を塗布又は散布する方法(例えば、はけ等により塗布する方法、スプレー機器を用いてミストを吹き付ける方法、発泡機を用いて泡状にしたものを吹き付ける方法等)を好適に用いることができる。このとき、更にスポンジ、タオル、ブラシ、水流などの物理力を加えてもよい。
【0028】
工程1に用いる組成物(A)中の(a1)成分と(a2)成分の質量比は、バイオフィルム除去効果の観点から、(a1)成分/(a2)成分=1/9〜9/1であり、バイオフィルムを高いレベルにて除去し得る点から、好ましくは(a1)成分/(a2)成分=2/8〜8/2、より好ましくは3/7〜7/3、従来技術では特に除去することが困難であったタンパク質構成比率の高いバイオフィルムを効果的に除去し得る点から、(a1)成分/(a2)成分=1/1〜6/4であることが特に好ましい。
【0029】
組成物(A)中の(a1)成分と(a2)成分の合計含有量は、0.32質量%以上であれば十分なバイオフィルム除去効果を実現することができ、組成物(A)の保存安定性や取扱い性の観点から12質量%以下が好ましい。バイオフィルム除去効果並びに組成物(A)の保存安定性や取扱い性の観点から、組成物(A)中の(a1)成分と(a2)成分の合計含有量は好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.8〜5.0質量%、更に好ましくは1.0〜2.0質量%であることが好適である。
【0030】
組成物(A)中の(a1)成分の含有量は、0.3質量%以上であれば十分なバイオフィルム除去効果を実現することができ、濯ぎ性の観点からは9質量%以下が好ましい。バイオフィルム除去効果並びに濯ぎ性の観点から、組成物(A)中の(a1)成分の含有量は好ましくは0.3〜9質量%、更に好ましくは0.3〜5質量%、特に好ましくは0.3〜1質量%であることが好適である。
【0031】
組成物(A)中の(a2)成分の含有量は、(a1)成分との質量比が上記特定の範囲にある限り特に制限されるものではないが、好ましくは0.04〜3.0質量%であり、更に好ましくは0.3〜1.0質量%である。
【0032】
組成物(A)は、(a1)成分及び(a2)成分を、上記特定の質量比及び含有量条件を満たすように、水及び水溶性有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール等)から選ばれる1種以上の溶媒に溶解させて調製することができる。あるいはまた、(a1)成分及び(a2)成分を上記特定の質量比にて高濃度に含有する固体、ゲル状、乳化・分散状、粉末状の剤をあらかじめ調製しておき、工程1の使用場面において、水及び水溶性有機溶媒から選ばれる1種以上の溶媒で上記特定の含有量条件を満たすレベルにまで希釈して組成物(A)を調製してもよい。
【0033】
組成物(A)はまた、本発明の効果を阻害しない範囲において、(a1)成分以外の界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、蛍光剤、賦形剤、ソイルリリース剤、漂白剤、漂白活性化剤、粉末化剤、造粒剤、コーティング剤等の任意成分を含有してもよい。
【0034】
なお、組成物(A)は実質的に(b)成分を含有しないことが好ましい。(a2)成分の作用により、酵素の補助因子となる金属イオンが捕捉され(b)成分の機能が十分に発現されないばかりか、(a2)成分のバイオフィルム除去効果が阻害される場合もあるためである。ここで、「実質的に(b)成分を含有しない」とは、組成物(A)中の(b)成分の含有量が、酵素タンパク質換算で3.0×10−6質量%以下であることを意味する。本発明の効果を十分に奏するにあたり、組成物(A)は(b)成分を全く含有しないことが好ましい。
【0035】
工程1において、バイオフィルムの形成された固体表面に組成物(A)を接触させておく時間は、付着しているバイオフィルムの量や組成、組成物(A)中の(a1)成分と(a2)成分の質量比や含有量、接触時の温度、物理力の有無により異なるが、通常は数秒から数時間の範囲であり、作業性も考慮すると、好ましくは10秒以上、より好ましくは10秒〜1時間であり、更に好ましくは10秒〜30分、特に好ましくは30秒〜20分である。また、バイオフィルムの形成された固体表面に組成物(A)を接触させておく温度は、厳密に制御する必要はないが、0〜98℃の範囲にあることが好ましく、バイオフィルム除去効果並びに作業性等の観点から、より好ましくは0〜60℃、更に好ましくは20〜40℃の範囲にあることが好適である。
【0036】
工程1の後、そのまま工程2を行ってもよいが、バイオフィルムを高いレベルにて除去し得る観点から、工程1と工程2の間に、水、又はノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有する水混合物(C)により固体表面を洗浄して、固体表面から組成物(A)を一部または全部洗い流すことが好ましい。(本願で用いた評価系では、組成物(A)が約100倍に希釈された)かかる洗浄工程に水、又は水混合物(C)を用いる場合、更に、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶剤を含有してもよい。
【0037】
洗浄工程に用いる水、又は水混合物(C)の温度や使用量は、固体表面から組成物(A)を洗い流すことができる限りにおいて特に制限されるものではない。ここで、「固体表面を洗浄する」とは、固体表面から組成物(A)を洗い流すことができる限りにおいて、必ずしもスポンジやタオル、ブラシなどの特段の物理力をかける必要はなく、水、又は水混合物(C)により固体表面を濯げばよい。
【0038】
工程2におけるバイオフィルム除去効果を向上させる観点から、水のみによる洗浄が最も好ましい。
【0039】
工程1の後(好ましくは、更に上記水、又は水混合物(C)による洗浄を行った後)、工程2において、(b)成分を含有する組成物(B)を、バイオフィルムの形成された固体表面に接触させる。接触させる方法としては、特に制限されるものではないが、組成物(A)について先に述べたものと同じ方法を好適に用いることができる。このとき、更にスポンジ、タオル、ブラシ、水流などの物理力を加えてよいことも同様である。
【0040】
工程2に用いる組成物(B)中の(b)成分の含有量は、特に制限されるものではなく、その種類に応じて決定すればよいが、例えば、実施例に述べる酵素活性測定法で、通常、アミラーゼであれば、10IU/g以上であれば、十分なバイオフィルム除去効果を得ることができ、また、経済性の観点から1000IU/g以下が好ましい。バイオフィルム除去効果並びに経済性の観点から、組成物(B)中の(b)成分の含有量は、好ましくは20〜600IU/g、より好ましくは60〜400IU/g、更に好ましくは100〜200IU/gとなるように配合すると好適である。また、マンナナーゼであれば、0.002U/g以上であれば、十分なバイオフィルム除去効果を得ることができ、また、経済性の観点から0.2U/g以下が好ましい。バイオフィルム除去効果並びに経済性の観点から、組成物(B)中の(b)成分の含有量は、好ましくは0.004〜0.1U/g、より好ましくは0.01〜0.08U/g、更に好ましくは0.02〜0.04U/gとなるように配合すると好適である。なお、かかる数値範囲は一般的な指針を示したものであり、具体的に用いる(b)成分の種類や酵素活性に応じて、上記範囲外の含有量も採用し得ることは当業者には理解されよう。又、酵素活性の測定方法については、既知の方法を用いることができる。
【0041】
組成物(B)は、(b)成分を、水及び水溶性有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール等)から選ばれる1種以上の溶媒に分散させて調製することができる。
【0042】
組成物(B)はまた、本発明の効果を阻害しない範囲において、界面活性剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、蛍光剤、賦形剤、ソイルリリース剤等の任意成分を含有してもよい。
【0043】
なお、組成物(B)は実質的に(a2)成分を含有しないことが好ましい。(a2)成分の作用により、酵素の補助因子となる金属イオンが捕捉され(b)成分の機能が阻害されるからである。ここで、「実質的に(a2)成分を含有しない」とは、組成物(B)中の(a2)成分の含有量が0.005質量%以下であることを意味し、本発明の効果を十分に奏するにあたり、組成物(B)は(a2)成分を全く含有しないことが好ましい。
【0044】
工程2において、組成物(B)を固体表面に接触させておく温度は、具体的に用いる(b)成分の至適温度により適宜決定し得るが、通常、10〜70℃、好ましくは15〜60℃、より好ましくは15〜45℃の範囲にあればバイオフィルム除去効果を実現することができ、作業性、効率性の観点から好ましくは20〜40℃、更に好ましくは30〜40℃の範囲とすることが好適である。また、組成物(B)を固体表面に接触させておく際のpHは、(b)成分の種類に応じて適宜決定し得るが、通常、6.0〜8.0の範囲にあることが好ましい。
【0045】
工程2において、組成物(B)を固体表面に接触させておく時間は、付着しているバイオフィルムの量や組成、組成物(B)中の(b)成分の酵素活性や含有量、接触時の温度やpH、物理力の有無により異なるが、通常は数分から数時間の範囲であり、作業性も考慮すると、好ましくは10分以上、より好ましくは20分〜120分、更に好ましくは30分〜90分、特に好ましくは60分〜90分である。
【0046】
効果発現のメカニズムについては、必ずしも全てが解明されている訳ではないが、工程1において、バイオフィルム中に多量に存在するタンパク質を、成分(a1)で変性させ、微生物産生物質間の結合に関与しているとされる金属イオンを、成分(a2)でキレートし、バイオフィルムの構造を脆弱化させ、続く工程2により、バイオフィルム構造に最も寄与していると推察される糖鎖に組成物(B)中の成分(b)が作用し、糖鎖を分解することによって、微生物が寄生するバイオフィルム構造を破壊され、バイオフィルムが除去されるものと考えている。
【0047】
また、工程1と工程2の間に、水、又は水混合物(C)を作用させ、工程1終了後の固体表面上に残留する組成物(A)の構成成分の一部、又は全部を取り除く工程を行うことで、成分(b)が、(a1)成分による変性や、(a2)成分による酵素活性低下を受けることなく効率良く本発明の効果を発現することができるようになるものと推測している。
【0048】
本発明のバイオフィルムの除去方法は、バイオフィルムの危害が懸念される様々なな分野において使用することが可能である。本発明のバイオフィルムの除去方法は、産業分野では、食品或いは飲料の加工・製造プラント、外食産業などの厨房、パルプ及び紙製造プラント、医薬製造プラント、発酵や微生物培養を行うプラントやその他工業製品の製造プラント等の設備本体、付帯する廃水処理設備、原料・製品の貯蔵設備、冷却タワーなどの冷却水循環装置、脱塩設備、濾過設備及びこれらの設備を結ぶ配管等の洗浄、ホテルや介護施設等の厨房、浴室、便器又はそれらの排水溝や排水管の洗浄に応用できる。特に、有機物と水を同時に処理するプラントにおいては、菌汚染のリスクが高く、効果が期待される。家庭環境では、台所、浴室、便器や排水管の洗浄に応用できる。また、医療現場においては、バイオフィルムが形成しやすい医療機器(例えば内視鏡やカテーテル、人工透析機等)や、入れ歯、コンタクトレンズの洗浄など、複雑な形状のものや極度に菌汚染を嫌うものの洗浄に応用することも可能である。
【実施例】
【0049】
< α-アミラーゼ活性測定法〔ファデバス(phadebas)法〕>
(1)サンプルの吸光度の測定
5mLの緩衝液(Britton-Robinson Buffer、pH8.5、50mM(阿南功一ら著. 基礎生化学実験法6、p277、丸善株式会社))にネオ.アミラーゼテスト「第一」〔第一化学薬品(株)より入手、製品番号701501-005〕を1錠添加し、約10秒間攪拌した後、2mM塩化カルシウム水溶液で希釈した1mLの酵素溶液を添加して、50℃にて15分間反応させた。1mLの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加、攪拌することで反応を停止させた後、遠心分離(400×g、5分間)にて不溶成分を沈殿させ、得られた遠心上清の620nmにおける吸光度を測定した。
【0050】
(2)ブランクの吸光度の測定
5mLの緩衝液(Britton-Robinson Buffer、pH8.5、50mM(阿南功一ら著. 基礎生化学実験法6.p277.丸善株式会社))にネオ.アミラーゼテスト「第一」を1錠添加し、約10秒間攪拌した。これに1mLの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加、攪拌した後、1mLの酵素溶液を添加し、50℃ にて15分間インキュベートした後遠心分離(400×g、5分間)を行った。得られた遠心上澄みの620nmにおける吸光度を測定した。
【0051】
(3)酵素活性の算出
ネオ.アミラーゼテスト「第一」同封の国際単位の検量線を基準とし、これに(1)と(2)の吸光度の差をあてはめることでアミラーゼの活性を算出した。
【0052】
< マンナナーゼ活性測定法>
(1)サンプルの吸光度の測定
0.5%ローカストビーンガム溶液(シグマ社製、pH10.0、50mM-炭酸ナトリウム緩衝液)200μLに酵素溶液50μLを添加し、40℃で10分間反応させた。反応後10分間煮沸して酵素を失活させ、系中の還元糖量をソモギー・ネルソン法により定量した。つまり、ソモギー試薬を250μL添加し、さらに30分間煮沸した後、直ちに氷冷し、その液に、ネルソン試薬500μLと純水3mLを加えて、500nmの吸光度を測定した。
【0053】
(2)ブランクの吸光度の測定
0.5%ローカストビーンガム溶液(シグマ社製、pH10.0、50mM-炭酸ナトリウム緩衝液)200μLに50mM-炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.0)50μLを添加し、40℃で10分間反応させた。反応後10分間煮沸し、系中の還元糖量をソモギー・ネルソン法により定量した。
【0054】
(3)酵素活性の算出
マンナナーゼ活性は上記の条件で1分間に1μmolの還元糖を生成する酵素量を1ユニット(U)とした。
【0055】
<バイオフィルム検体の調製>
実施例及び比較例で用いたバイオフィルム検体は以下の方法により調製した。即ち、緑膿菌(NBRC13275)、アシネトバクター(環境単離菌)、黄色ブドウ球菌(NBRC13276)をそれぞれLB培地(和光純薬社製)で37℃、18時間振盪培養した各菌の前培養液を、混合培地(MHB培地(日本製薬(株)製)とTSB培地(日本製薬(株)製)に2mM塩化カルシウムを添加したもの)に1/100量になるよう添加したものを、96ウェルマイクロプレート(ファルコン社製、ノントリートタイプ)の各ウェルに0.15mLずつ分注し、37℃、48時間培養した。培養後、上澄みを廃棄し、滅菌水0.2mLで各ウェルを3回濯ぎ、マイクロプレート壁に形成されたものをバイオフィルム検体として得た。
【0056】
実施例1及び2
表2に示す成分を用い、以下に示す方法で表2に示す組成の組成物(A)及び組成物(B)を調製した。得られた組成物(A)及び組成物(B)を用いて、下記方法によりバイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を下記要領で評価した。結果を表2に示す。
なお、表2中の濃度は各組成物全量に対する有効分濃度(質量%)を示す。また、以下の記載においては、特に断りのない限り、「%」は「質量%」の意を示す。
【0057】
<組成物(A)の調製>
100mLのガラスビーカーに、スターラーピース(直径8mm×30mm、増田理化工業製)を挿入し、組成物(A)の出来上がり質量が100gとなるように、表2に示す質量比率にて、全ての成分を投入した。ウォーターバスにて80℃まで昇温し、100rpmで30分間撹拌した。組成物の外観が均一になったことを確認し、室温(25℃)まで冷却した。
【0058】
<組成物(B)の調製>
100mLのガラスビーカーに、スターラーピース(直径8mm×30mm、増田理化工業製)を挿入し、組成物(B)の出来上がり質量が100gとなるように、表2に示す質量比率にて、全ての成分を投入した。室温(25℃)下、100rpmで5分間撹拌し、組成物の外観が均一になったことを確認した。
【0059】
<バイオフィルム検体の処理>
表2に示す組成物(A)0.2mLを、バイオフィルム検体の形成されたマイクロプレートのウェルに注加し、25℃で10分間接触させた(「工程1」)。その後、上澄みを廃棄し、イオン交換水を高圧蒸気滅菌(121℃、20分間)することで調製した滅菌水0.2mLでマイクロプレートのウェルを1回濯ぐ洗浄を行った。
次いで、表2に示す組成物(B)0.2mLを、マイクロプレートのウェルに注加し、30℃で90分間接触させた(「工程2」)。
【0060】
<バイオフィルム除去性能の評価>
上記<バイオフィルム検体の処理>に従って処理したマイクロプレートのウェルから上澄みを廃棄し、滅菌水0.2mLで1回濯いだ後、クリスタルバイオレット(和光純薬社製)の0.1%水溶液0.2mLを注加し、室温(25℃)で10分放置した。上澄みの廃棄後、滅菌水で3回濯ぎ、100%エタノール(シグマ社製)0.2mLを注加し、バイオフィルムを染色したクリスタルバイオレットを均一に溶解させた。次いで、各ウェルに関し、570nmの吸光度を測定した(「サンプル吸光度」;As)。
なお、組成物(A)及び組成物(B)による処理を行わず、滅菌水0.2mLを用いて3回濯ぎ処理を行ったものを処理前サンプルとして用い、上記と同様にクリスタルバイオレットによる染色処理並びに吸光度測定を行った(「初期吸光度」;Ai)。
また、菌培養液を注加せず、滅菌水0.2mLのみを注加し培養処理を行った後、滅菌水0.2mLを用いて3回濯ぎ処理を行ったものをブランクサンプルとして用い、上記と同様にクリスタルバイオレットによる染色処理並びに吸光度測定を行った(「ブランク吸光度」;Ab)。
得られた各吸光度値を下記式に代入し、バイオフィルム除去率を算出した。表2記載の値は、かかる操作を6回行い、その平均値を示したものである。
【0061】
バイオフィルム除去率(%)=100×[Ai−As]/(Ai−Ab)
【0062】
比較例1及び2
表2に示す組成物(A)を用いた以外は、実施例1と同様にして、バイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を評価した。結果を表2に示す。
【0063】
比較例3〜5
表2に示す組成物(A)を用い、且つ工程1のみを行った以外は、実施例1と同様にして、バイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を評価した。結果を表2に示す。
【0064】
比較例6及び7
表2に示す組成物(B)を用い、且つ工程2のみを行った以外は、実施例1と同様にして、バイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を評価した。結果を表2に示す。
【0065】
比較例8及び9
表2に示す組成物(A)及び組成物(B)を用い、且つ工程1と工程2の順序を入れ替えた以外は、実施例1と同様にして、バイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を評価した。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
表中の各成分は以下の通りである。
・AS−Na:ラウリル硫酸ナトリウム(エマールO、花王(株)製)
・EDTA−3Na:エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム(和光純薬(株)製)
・POE8(C12):ポリオキシエチレン(8)ラウリルエーテル(エマルゲン108、花王(株)製)
・ATAC:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン24P、花王(株)製)
・アミラーゼ:ターマミル(ノボザイムス社製):20000IU/g(ファデバス法による)
・マンナナーゼ:マンナウェイ(ノボザイムス社製):3.76MIU/g(ノボ技術資料による)
【0068】
実施例3〜9及び比較例10、11
表3に示す組成物(A)を用いた以外は、実施例1と同様にして、バイオフィルム検体を処理し、バイオフィルム除去性能を評価した。結果を表3に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
表中の各成分は表2について説明した通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1の後に下記工程2を行う、バイオフィルムの除去方法。
工程1:(a1)アニオン性界面活性剤〔以下(a1)成分という〕及び(a2)金属イオン捕捉剤〔以下(a2)成分という〕を(a1)成分/(a2)成分=1/9〜9/1の質量比にて含有する組成物(A)を、バイオフィルムの形成された固体表面に接触させる工程
工程2:(b)糖質分解酵素〔以下(b)成分という〕を含有する組成物(B)を、前記固体表面に接触させる工程
【請求項2】
工程1と工程2の間に、水、又はノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤とを含有する水混合物(C)を用いて、工程1が終了した固体表面を洗浄する工程を有する、請求項1に記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項3】
組成物(A)中の(a1)成分と(a2)成分の質量比が、(a1)成分/(a2)成分=3/7〜7/3である、請求項1又は2記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項4】
組成物(A)中の(a1)成分の含有量が、0.3〜9.0質量%である、請求項1〜3の何れか1項記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項5】
組成物(A)中の(a2)成分の含有量が、0.02〜3.0質量%である、請求項1〜4の何れか1項記載のバイオフィルムの除去方法。

【公開番号】特開2012−184335(P2012−184335A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48552(P2011−48552)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】