説明

バイオポリマー用の生物由来の可塑剤

バイオポリマー用の生物由来の可塑剤は、相溶化ユニットとポリエステル可塑化ユニットを備えている。可塑剤は、その係数に悪影響を及ぼさずにバイオポリマーの可撓性を改善する。相溶化ユニットは、可塑剤を所望のベースバイオポリマーとより混和させ、低級アルキル(C3−C7)有機酸を有する。ポリエステル可塑化ユニットは、多官能性アルコールと、脂肪族無水物またはそのジカルボン酸等価物と、エステル誘導体とを含むモノマーから形成される。ポリエステル可塑化ユニットは、多官能性アルコールと組み合わせて、任意選択で1つまたは複数の二官能性アルコールを含んでもよい。得られた生物由来の可塑剤は、好ましくは−20℃から30℃までの間のガラス転移温度(Tg)を有する。可塑剤は好ましくは無定形である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオポリマーに使用される生物由来の可塑剤に関する。
(関連出願の相互参照)
本願は、本願に援用する2008年4月3日出願の先に出願された米国仮出願番号第61/041,993号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に使用する場合、用語「生物由来」とは、糖、澱粉または脂肪のように植物から直接絞られるか、または砂糖、澱粉または脂肪のような植物により作られた分子から発酵された、植物に作られた分子から形成されることを意味する。本明細書に使用する場合、用語「バイオポリマー」とは、植物由来の分子から製造されたポリマーを意味する。本明細書に開示する生物由来の可塑剤は、ヤング率に悪影響を及ぼすことなく、かつ高温でまたは時間が経つにつれて(例、保存中に)滲み出すことなく、バイオポリマーの可撓性を改善している。
【0003】
ポリ乳酸(PLA)はその生物学的適合性、生分解性および持続性により、汎用バイオマテリアルになりつつある。原料のL−乳酸は発酵工程により大規模に低費用で生産することが可能であり、堆肥でのポリ乳酸の分解速度は高く、またポリ乳酸は、耐菌性および匂いならびに着色の汚染からの食品の保護において優れているため、ポリ乳酸の適用場面は拡張すると予想されている。高分子量乳酸ポリマーの製造は、(1)脱水環形成された二量体またはジラクチドの開環重合(ROP)、(2)乾燥剤を使用した反応水の除去による乳酸とポリラクチドとの間の重縮合および平衡の操作、または(3)乳酸プレポリマーの重縮合および結合により行なうことが可能である。ポリ乳酸は下記一般式を有する:
【0004】
【化1】

ポリ乳酸は剛性が高いため、農業用のマルチフィルム、食品包装袋、ごみ袋および他のポリマーフィルム、コンピュータケースならびに自動車部品等の剛性耐久材、および何らかの包装材のような可撓性と靭性を必要とする用途には適していない。
【0005】
ポリ乳酸を可撓にする一般的によく知られている技術は、(1)可塑剤の添加、(2)共重合、および(3)可撓性ポリマーの配合である。これらの技術は一般にポリ乳酸の可撓性を改善するが、かかる技術の使用に伴う問題がある。(1)の技術は、可撓性フィル
ムに必要とされる特性を一般に有する材料を形成するが、生産には通常、その使用を原料樹脂の大手メーカーに制限する資本の大きなレイアウトを必要とする。(2)の技術も乳酸またはポリヒドロキシブチレート(PHB)等のポリエステルを「軟化させる」が、時間が経つにつれて可塑剤が滲み出る傾向がある。もう一つの問題は、(1)と(2)の技術は、樹脂組成物のガラス転移温度を低下させるが、これにより縦弾性係数の低下に見られるような材料の強度を低下させる等、物性も変化する。
【0006】
(3)の技術は、可撓性かつ生分解性の樹脂を混合することを通常含む。例えばポリブチレンテレフタラート−アジピン酸、コハク酸ポリブチレン、コハク酸ポリエチレンおよびポリカプロラクトンが含まれる。場合によっては、ポリマー可塑剤に加えて柑橘類のエステルのような追加の可塑剤が使用される(特許文献1)。そのような樹脂の例が、BASFの特許である特許文献2−4、Eastman Chemicalの特許である特許文献5−7、ならびに日本の特許文献8−9に開示されており、これらの文献は本明細書に援用する。
ジオールと二酸の線状ポリエステルが、PVCからポリカーボネート、ポリ乳酸および他のポリヒドロキシアルカン酸の高度結晶性ポリエステルまでのポリマーの可塑剤として使用されている。これらの材料のいくつかは、BASF Ecoflex、Eastman
ChemicalのEastStar BioおよびShowa High Polymer CompanyのBionolleの米国特許第5,324,794号を含めて、市販されている。これらの材料で作られた混合物は弾性率が低下する傾向があり、また光学的に透明でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,166,654号
【特許文献2】米国特許第5,817,721号
【特許文献3】米国特許第5,889,135号
【特許文献4】米国特許第6,018,004号
【特許文献5】米国特許第6,342,304号
【特許文献6】米国特許第6,592,913号
【特許文献7】米国特許第6,441,126号
【特許文献8】特開平第8−245866号
【特許文献9】特開平第9−111107号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ポリ乳酸に十分な可撓性(1,000MPa以下の弾性率)を提供するために、上記技術は、より多量の可撓性樹脂、例えば60重量%以上のコハク酸ポリブチレンの添加を必要とする。これは、ヤング率等のポリ乳酸の一定の望ましい性質を損なう。
ヤング率に悪影響を及ぼさずに生分解性ポリマーの可撓性を改善するポリマー可塑剤を提供することが当該技術分野での進歩であろう。
【0009】
ヤング率等の物性を犠牲にせずに低い可塑剤濃度で優れた靭性と可撓性を有するごみ袋等に使用されるフィルム、包装材、射出成形部品、瓶等の製品を生産するために、生分解性ポリマーおよび石油化学的に得られたポリオレフィンに混合可能な可塑剤を提供することは、当該技術分野でのさらなる進歩であろう。
【0010】
改良された適合性と高温でのまたは時間が経つにつれての滲出に対する顕著な耐性とを示す、PLA、PHA等のポリエステル、HIPS、ABS、ポリスチレン、またはポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、もしくはポリエチレンのコポリマーと混合可能なポリマー可塑剤を提供することは当該技術分野でのさらに別の進歩であろう。
【0011】
コポリマー可塑剤の不飽和官能性を使用して、ポリオレフィンの骨格にグラフトするのに使用可能なポリマー可塑剤を提供することは当該技術分野でのまた別の進歩であろう。
ポリオレフィン/ポリエステルブレンドおよび/またはポリオレフィン/スターチブレンドに対する相溶化剤または乳化剤として使用可能なポリマー可塑剤を提供することは当該技術分野でのさらなる進歩であろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
再生可能な資源から作られたバイオポリマー用の可塑剤を本明細書に開示する。可塑剤は、石油化学的に誘導されたポリオレフィンとの相溶性ブレンドとして可塑剤が使用されることを可能にする成分をさらに含む。本発明は、相溶化ユニットとポリエステル可塑化ユニットとのコポリマーを含む。本発明は、その係数(率)に悪影響を及ぼさずにバイオポリマーの可撓性を改善する。
【0013】
相溶化ユニットは、可塑剤が使用される所望のベースバイオポリマーとのより混和性の高いブレンドを形成するように選択される。相溶化ユニットは低級アルキル有機酸を含む。いくつかの実施形態では、低級アルキル有機酸はC3−C7のアルキル骨格を含む。有機酸のいくつかの例には乳酸、酪酸、吉草酸、カプロ乳酸が含まれるがそれらに限定されない。低級アルキル有機酸は任意選択で水酸基部分を含んでもよい。ベースポリマーがPLAである時に、相溶化ユニットは乳酸を含んでもよい。
【0014】
ポリエステル可塑化ユニットは、多官能性アルコール、飽和または不飽和の脂肪族無水物またはその等価物、および任意選択で飽和芳香族無水物またはその等価物を含むモノマーから形成される。無水物の「等価物」には、そのジカルボン酸およびエステル誘導体が含まれる。多官能性アルコールは、グリセリン、トリメチルプロパノール、トリメトキシプロパン、トリメトキシエタン、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンメタンジオール、ペンタエリトリトールポリエステルオリゴマー、およびそれらの混合物から選択され得るが、それらに限定されない。脂肪族無水物またはその等価物は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸、不飽和脂肪酸の二酸、およびそれらの混合物から選択され得るが、それらに限定されない。飽和芳香族無水物またはその等価物は、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、およびそれらの混合物から選択され得るが、それらに限定されない。
【0015】
可塑化ユニットは、好ましくは99:1から1:99までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対する(脂肪族無水物またはその等価物対芳香族無水物またはその等価物)モル比を有する。いくつかの実施形態では、可塑化ユニットは、50:50から80:20までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対するモル比を有する。別の実施形態では、可塑化ユニットは、40:60から60:40までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対するモル比を有する。
【0016】
ポリエステル可塑化ユニットは、任意選択で、多官能性アルコールと組み合わされる1つまたは複数の二官能性アルコールを含んでもよい。いくつかの非限定的実施形態では、二官能性アルコールの多官能性アルコールに対する(二官能性アルコール対多官能性アルコール)モル比は5:95から95:5までである。二官能性アルコールは、好ましくは2から10までの範囲の炭素数を有する。二官能性アルコールは1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキ
シ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロペンタジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、およびその誘導体、ならびにそれらの混合物から選択され得るが、それらに限定されない。二官能性アルコールの他の非限定的な例には、ポリエチレングリコールおよびポリテトラヒドロフランのようなオリゴマーの二価アルコールで終端するポリエーテルが含まれる。
【0017】
コポリマー可塑剤は好ましくは30:70から60:40までの範囲の相溶化ユニットのポリエステル可塑化ユニットに対するモル比を有する。得られたコポリマー可塑剤は、約1,000〜90,000g/molの間の重量平均分子量を生じる条件下で好ましくは形成される。コポリマー可塑剤は−20℃から30℃までの間のガラス転移温度(Tg)を有してよい。コポリマー可塑剤は好ましくは無定形である。
【0018】
1つの非限定的実施形態では、コポリマー可塑剤はポリ乳酸と混合され、混合物(ブレンド)は混合されていないポリ乳酸と比較してヤング率が減少することなく少なくとも200%だけ破断点伸びが増加している。
【0019】
いくつかの非限定的実施形態では、ポリエステル可塑化ユニットは、少なくとも1つの鎖延長モノマーを含むモノマーから形成される。鎖延長モノマーはジグリシジルエーテルおよびアマニ油、大豆油またはcastrol油のエポキシ化植物油、ならびにMDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)等のイソシアナートから選択され得るが、それらに限定されない。
【0020】
脂肪族無水物が不飽和であり、PLAまたはPHA等の相溶化ユニットとの最初の重合工程の間に保存される二重結合を備えている場合、いくつかの有用な結果が得られ得る。これらの二重結合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびエチレン−オクテンコポリマー等の脂肪族ポリオレフィンにグラフトするのに利用可能である。
【0021】
PLAとPHB等の再生可能ポリマーの価格が高いため、包装材(Walmartスコアカード)中の再生可能な内容の量を増加させるべくポリオレフィンとバイオポリマーのブレンドおよびポリオレフィンとスターチのブレンドを製造することに現在関心が多く集まっている。しかしながら、ポリスチレンとポリオレフィンは無極性の疎水性分子であり、PLA、PHA、タンパク質およびスターチのような親水性の極性の生体分子とは容易にまたは十分に混合しない。最終結果は、親であるポリオレフィンの張力および降伏強度が減少するといったような不良な物性を備えた不適合性の(相容れない)混合物となる。
【0022】
スターチやPLA等の生体分子とポリオレフィンとの間の適合性は、カップリング剤、反応性相溶化剤、または非反応性相溶化剤の導入により改善可能である。本明細書に開示するグラフトされたバイオポリマーの実施形態は、ポリオレフィンとバイオポリエステルのブレンドおよびポリオレフィンとスターチのブレンドに対する親和剤として使用可能である。反応的な押し出しグラフト工程で、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリスチレン等のポリオレフィンのバックボーンに本明細書に開示したバイオポリマー相溶化剤を取り付けることにより、本質的に疎水性のポリオレフィン分子中の親水性の量が増加される。これは、ブレンドの代わりに、PLA、PHB、PHB/V、タンパク質、セルロースまたはスターチ等の極性の高い親水性バイオポリエステル樹脂と均質混合することができる両親媒性のハイブリッドポリマーが形成されていることを意味する。さらに、本明細書で開示しているコポリマー相溶化剤のバイオポリマーユニットはPLA、PHBまた
はPHB/Vであるため、グラフトされたポリオレフィン−グラフト−バイオポリマー−相溶化剤は無傷のPLA、またはPHB、またはPHB/Vとのブレンドに対するカップリング剤として作用し、意のままにより均質なブレンドを生成する。ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリスチレン等のポリオレフィンは、本明細書に開示されたコポリマー相溶化剤でグラフトされるとより親水性が高くなる。そのため、かかるポリオレフィンは親水性のスターチをより受容するようになり、ポリオレフィンによるスターチの乳化が増強される。グラフトされたポリオレフィンは、バイオポリエステルに対しても受容性が高く、ポリオレフィンによるバイオポリエステルの乳化も増強される。この乳化と適合性の増強が、ブレンドの物性の改良に変容する。
【0023】
本明細書全体にわたる特徴、利点または同様の言語への参照は、本発明で実現可能な特徴および利点のすべてが本発明の任意の1つの実施形態であるべきであるとか、1つの実施形態中に存在することを示すわけではない。むしろ、特徴および利点を指す言語は、ある実施形態に関連して説明された特定の特徴、利点または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、特徴および利点の議論、ならびに同様の言語の議論は、本明細書全体にわたって、必ずしも同じ実施形態を指さなくてもよく、各実施形態を指してもよい。
【0024】
さらに、本発明の説明した特徴、利点および特性は、1つまたは複数の実施形態で任意の適切な方法で組み合わされてもよい。当業者には、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点を備えずに本発明が実行されてもよいことが理解されるだろう。他の例では、本発明のすべての実施形態に存在しなくてもよい追加の特徴および利点が、ある実施形態中で理解されてもよい。
【0025】
本発明の上記の特徴および利点は以下の説明および特許請求の範囲からより完全に理解され、または以下に説明される本発明の実施により理解され得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
明細書全体にわたって「1実施形態」、「実施形態」または同様の言語と言う場合、かかる実施形態に関して説明された特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、明細書全体にわたって「1実施形態において」「実施形態において」または同様の言語という言い回しは、必ずしもではないが、すべて同じ実施形態を指してもよい。
【0027】
さらに、本発明のかかる説明された特徴、構造または特性は、1つまたは複数の実施形態中で任意の適切な方法で組み合わされてもよい。以下の説明では、アルコール、芳香族無水物および脂肪族無水物ならびにそれらの等価物、低級アルキル有機酸等の例などの多数の特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者には、1つまたは複数の特定の詳細または方法の工程を含まずに、または他の方法、構成要素、材料等を含んで、発明が実施されてもよいことが理解されるだろう。他の例では、発明の態様を不明瞭にしないようにするために、周知の構造、材料または動作は図示も詳述もしない。
定義
多官能性アルコールは、3つ以上の水酸基を有するアルカノールを意味するものとして定義される。多官能性アルコールは通常C3-C10アルカノールに基づく。多官能性アルコールには、トリオール、テトラオール等が含まれるが、それらに限定されない。二官能性アルコールまたはジオールは、2つの水酸基を有するアルカノールを意味するものとして定義される。二官能性アルコールは通常典型的にC2−C10アルカノールに基づく。
【0028】
相溶化ユニットは、所望のベースバイオポリマーまたはポリマーとより良く混和するブレンドを形成すべく選択された低級アルキル有機酸である。1つの非限定的な例として、
ベースバイオポリマーがポリ乳酸である場合、相溶化ユニットは乳酸であるように選択される。
【0029】
可塑化ユニットは、多官能性アルコールのポリエステル、飽和もしくは不飽和の脂肪族無水物またはその等価物、および飽和芳香族無水物またはその等価物である。脂肪族無水物の「等価物」には、そのジカルボン酸とエステル誘導体が含まれる。芳香族無水物の「等価物」には、そのジカルボン酸とエステル誘導体が含まれる。可塑化ユニットは任意選択で多官能性アルコールに加えて二官能性アルコールを含んでもよい。
【0030】
本明細書に使用する場合、飽和芳香族分子は、その骨格上にベンゼン環を有するが、その脂肪鎖上に追加の二重結合または三重結合を有しない有機分子を意味する。
本明細書に使用する場合、不飽和脂肪族分子は、その骨格上にベンゼン環を有しないが、不飽和結合(二重結合または三重結合)を有する有機分子を意味する。不飽和度は一般に0〜50モル%である。脂肪族無水物が不飽和結合を含む場合、それは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン−オクテンコポリマー等のポリオレフィンと混ぜるとグラフト剤として機能し得る。
【0031】
ポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン−オクテンコポリマー等のポリオレフィン上に無水マレイン酸をグラフト重合可能であることは当該技術分野で周知である。Lyondell Basel社(オランダ国ロッテルダム所在)は、とりわけ他のポリオレフィン会社の中でも、親水性−疎水性ブレンドのための乳化剤としてかかる製品を製造および販売している。K. PremphetおよびS.Chalearmthitipaは、自身の論文であるMelt Grafting of Maleic Anhydride Onto Elastomeric Ethylene−Octene Copolymer by Reactive Extrusion in Polymer Engineering and Science Nov, 2001において、抽出押出を用いてエチレン−オクテンコポリマーの骨格上に無水マレイン酸をグラフトすることが可能であることを示した。エラストマーであるエチレン−オクテンコポリマー上への無水マレイン酸のグラフトは同時回転する一対のスクリュー押出機で行なった。
【0032】
開始剤がなくてもある程度の熱グラフトは観察された。グラフト率は、開始剤の濃度と共に増大することが分かった。同時に、サンプル中のゲルの量も増大した。最初のモノマー濃度を増大させるとグラフトの割合が高く、架橋が少なくなるが、その結果転化率が低くなった。スクリュー速度の増大により反応物の混合を改善してもグラフトの割合は増大した。
【0033】
FTIR(フーリエ変換赤外分光)データで支持されるように、不飽和モノマーユニットの二重結合は重縮合反応の間に損なわれることはなかった。よって、可塑化ポリマー中の二重結合は、ポリプロピレンおよびポリスチレン等のメチン陽子を有するポリマー上にグラフトすべく活性化することが可能である。グラフトの開始は、過酸化物分解または熱機械的なラジカル生成によってよく、それによりラジカルはポリマー鎖から水素を除去する。その後、無水マレイン酸(MA)モノマー上の二重結合がポリプロピレンまたはポリスチレンの巨大分子に付加され、それにより、ポリプロピレンまたはポリスチレンと、本発明の可塑化ポリマーとの間の共有結合が形成され得る。
【0034】
本明細書に使用する場合、「無定形」という用語は、結晶がほとんどまたはまったくなく、かつ秩序がほとんどまたはまったくないランダムポリマー鎖を有することを意味する。少量の結晶度は許容可能である。結晶度は、動的走査熱量測定(DSC)、動機械的熱分析(DMTA)またはX線回折により測定され得る。
本発明は、再生可能資源から作られたバイオポリマーと共に使用可能な可塑剤を対象とす
る。バイオポリマーには、スターチ、およびセルロースおよびメチルセルロース等の他の多糖、ポリ乳酸(PLA)、およびポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリヒドロキシヘキサン酸(PHH)、ポリヒドロキシオクタン酸(PHO)等のポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ならびにそれらのコポリマーが含まれるが、それらに限定されない。可塑剤はさらに、石油化学的に誘導されたポリオレフィンとの相溶性ブレンドとして可塑剤を使用可能にする成分を含んでもよい。可塑剤は、相溶化ユニットとポリエステル可塑化ユニットのコポリマーを含む。有利には、可塑剤は自身の係数に悪影響を及ぼさずにバイオポリマーの可撓性を改善する。
【0035】
相溶化ユニットは、可塑剤が使用される所望のベースポリマーとの混和性ブレンドを形成するよう選択される。相溶化ユニットは一般に低級アルキル有機酸を含む。いくつかの実施形態では、低級アルキル有機酸はC3からC7までのアルキル骨格を含む。有機酸のいくつかの例には乳酸、酪酸、吉草酸、カプロ乳酸が含まれるが、それらに限定されない。低級アルキル有機酸は任意選択で水酸基部分を含んでもよい。ベースバイオポリマーがPLAである場合、相溶化ユニットは乳酸を含んでもよい。
【0036】
ポリエステル可塑化ユニットは、多官能性アルコール、飽和もしくは不飽和の脂肪族無水物またはその等価物、および飽和芳香族無水物またはその等価物を含むモノマーから形成される。無水物の「等価物」にはそのジカルボン酸およびエステル誘導体が含まれる。可塑化ユニットは好ましくは99:1から1:99までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対するモル比を有する。いくつかの実施形態では、可塑化ユニットは50:50から90:10までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対するモル比を有する。別の実施形態では、可塑化ユニットは40:60から60:40までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物の芳香族無水物またはその等価物に対するモル比を有する。
【0037】
ポリエステル可塑化ユニットは、任意選択で、多官能性アルコールと組み合わせて1つまたは複数の二官能性アルコールを含んでもよい。いくつかの非限定的実施形態では、二官能性アルコール対多官能性アルコールのモル比は5:95から95:5までである。二官能性アルコールは好ましくは2から10の範囲の炭素数を有する。
【0038】
コポリマー可塑剤は、好ましくは30:70から60:40までの範囲の相溶化ユニット対ポリエステル可塑化ユニットのモル比を有する。得られたコポリマー可塑剤は、約1000〜50,000g/molの間の重量平均分子量を生じる条件下で好ましくは作り上げられる。コポリマー可塑剤は、−20℃から30℃までの間の低いガラス転移温度(Tg)を有してよい。コポリマー可塑剤は無定形であることが好ましい。
【0039】
本発明の1実施形態は、相溶化ユニットとしての50〜90モル%のポリ乳酸と、二官能性および多官能性アルコールと、脂肪族不飽和二酸または無水物と、飽和芳香族二酸または無水物とで形成された10〜50モル%の脂肪族/芳香族ポリエステル可塑化ユニットとを含む、ポリ乳酸を主成分とする可塑剤組成物である。本明細書で説明する配合で作られた可塑剤は、結晶度がほとんどまたはまったくない無定形であり、室温以下のTgを有してよい。
【0040】
可塑剤の相溶化ユニットを形成するために使用される乳酸は、乳酸、L型、D型またはメソ型のどの異性体であってもよい。1つの現時点で好ましい実施形態では、その入手し易さと低価格のためL−乳酸が使用される。
【0041】
ポリエステル可塑化ユニットは以下から構成される:
(a)脂肪族無水物ユニット(または等価物ジカルボン酸またはエステル誘導体)。脂
肪族無水物ユニットと共に、任意選択で芳香族無水物ユニットが使用されてもよい。芳香族無水物ユニットが使用される場合、脂肪族無水物対す芳香族無水物のモル比は95:5から5:95までである。本発明の範囲内のいくつかの実施形態では、脂肪族無水物(または等価なジカルボン酸)は不飽和であり、配合物に加えられた不飽和無水物または誘導体のモル%で測定される全分子の不飽和度は一般に0〜50モル%である。
【0042】
(b)二官能性および多官能性水酸基ユニット。ジオール対多官能性アルコールのモル比は0:100から95:5までである。二官能性アルコールは直線状ユニットであるが、多官能性アルコールは分岐ユニットである。
【0043】
ポリエステル系可塑剤は、カルボン酸ユニット(無水物等価物)とアルコールユニットの直接重縮合により製造することが可能であり、反応の水を除去するために減圧またはキャリヤガスが使用される。直接高分子量へと重縮合してもよいし、または短鎖オリゴマーを製造してから少量の鎖伸張剤を使用して伸張させてもよい。鎖伸張剤が使用される場合、それはイソシアナート、ジグリシジルエーテル、ビニルエーテルまたはアミン、およびアゾ化合物、ならびにアマニ油、大豆油またはcastrol油のエポキシ化植物油を含むがこれらに限定されない反応性の高い求核剤から選択され得る。
【0044】
重縮合は、低分子量から中程度の分子量までのポリエステルおよびポリアミドを生産する、単純で、比較的安価な、高い技術を要しない手段である。重縮合は、プロセスの工程の1つをなくすという点で開環重合よりも長所があり、そのためより単純で潜在的にそれほど高価でない代替手段となっている。しかしながら、重縮合は一般により時間がかかり、かつ広い分子量分布のより低分子量の種を生じる傾向がある。接着剤ならびに接着フィルム、サイジング、可塑剤および結合剤を生産する目的では、このプロセスはコスト効率が良い場合がある。
【0045】
不飽和脂肪族無水物またはその等価物は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸、不飽和脂肪酸の二酸、およびそれらの混合物から選択されてもよいが、これらに限定されない。飽和芳香族無水物またはその等価物は、無水フタル酸、無水テレフタル酸、無水イソフタル酸、およびそれらの混合物から選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0046】
さらなる無水物および等価物が使用可能であり、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ドデカン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、パルミチン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸、クロロマレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびそのエステル誘導体、ならびにそれらの混合物から選択されてもよいが、これらに限定されない。
【0047】
二官能性アルコールまたはジオールは、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロペンタジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、またはそれらの誘導体およびそれらの混合物から選択され得るが、これらに限定されない。2−10の炭素数を有する二官能性アルコールが好ましい。
【0048】
多官能性アルコールは、グリセリン、トリメチルプロパノール、トリメトキシプロパン、トリメトキシエタン、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンメタンジオール、Capa4101等のペンタエリトリトールのポリエステルオリゴマー、およびそれらの混合物から選択され得るが、これらに限定されない。
【0049】
分岐は融解粘度を改善することが示された。2よりも大きい官能性を備えた多官能性ポリマーをこの目的に使用することが可能である。多官能性モノマーは、カルボン酸ユニット、アルコールユニット、または多官能性ヒドロキシカルボン酸のいずれでもよい。具体的には、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、グリセリン、ペンタエリトリトールおよびトリメチロールプロパンのような多官能性成分、またはCapa4101等のペンタエリトリトールから作られたエステルのオリゴマーを使用することが可能である。分岐剤の選択と共に、使用される濃度の選択にも注意する必要がある。分岐剤の濃度が高すぎる場合、生じるポリマーはゲル化し得る。ゲルが形成されると、混合相溶性が損なわれ得る。不相溶性のブレンドから作られたフィルムは表面が粗く凸凹した外観と不良な機械的性質を有する傾向がある。
【0050】
ポリエステル系可塑剤の合成
本明細書で説明するポリエステルは、当該技術分野の周知技術を使用して製造することが可能である。1つの非限定的な実施例によれば、ポリエステルは縮重合と約200ppm未満の濃度の遷移金属酸触媒(例えば有機金属スズ)を使用して適切に(溶液中または助溶剤中で)合成可能である。反応から生じた水はカラム凝縮器を使用して集めることが可能である。反応を酸価と粘度測定値を使用してモニタする。多くのモノマーの組み合わせを使用して、生物可塑剤に適したポリエステルを製造することが可能である。1つの非限定的な実施形態では、グリセリンとジエチレングリコールを2時間、150℃で無水マレイン酸と適切に反応させる。200ppmのオクタン酸第一スズを反応の初めに加える。2時間後、乳酸は加え、100℃/50rpmの速度、スピンドル番号6で255ポアズのBrookfield粘度まで反応を継続させる。この反応を以下のスキーム1に示す。
【0051】
スキーム1:生物ポリエステルの重合
【0052】
【化2】

ポリエステル系可塑剤へのポリオレフィンのグラフト
標準的なフリーラジカル開始剤を使用して、反応押出機でグラフトを行うことが可能である。1実施形態では、0.001%の過酸化ベンジルがプレポリマーに自由混合され、押出機に装填される。この動作には標準的な押出技術を使用する。他の適切なフリーラジカル開始剤には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンジル、ジ−t−過酸化ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ジセチルペルオキシジカルボネート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシベンゾエート、等;ならびに2、2−ビス−(t−ブチルペルオキシ)ブタン、エチル3,3−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブチレート)、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の種々のアルキルパーケタール、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0053】
この反応の1つの非限定的な例である、本明細書で説明する多重不飽和生物可塑剤へのポリプロピレンのグラフトを、以下のスキーム22に示す。
スキーム2:多重不飽和生物可塑剤へのポリプロピレンのグラフト。
【0054】
【化3】

本発明の範囲内の種々の様々な実施形態を例証するために以下の実施例を与える。これらの実施例はあくまで例示で与えており、本発明に従って製造可能な本発明の多くの種類の実施形態を包括したり網羅したりするものではない。
【0055】
実施例1、サンプル番号AF011508
19gのグリセリン、70gのジエチレングリコールを、凝縮器を備えた3首丸底フラスコに入れた。次に91gの無水マレイン酸を加え、容器を80℃の油浴に入れた。発熱が観察されるまでこれらの試薬を20−30分間反応させた。温度を元に戻るよう冷却させた。この時点で、反応混合物に168gの乳酸(88%の水溶液)と1.11gのオクタン酸スズ(II)を加えた。容器を170℃まで加熱し、酸価が282から18に減少するまで反応させた。酸価が18に達すると、18.9gの無水フタル酸を反応物に加え、1時間反応させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0056】
実施例2、サンプル番号LT020108
41.8gのグリセリン、154.0gのジエチレングリコール、200.0gの無水
コハク酸、2.69gのオクタン酸第一スズ、および0.77gのヒドロキノンを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケットの下で80℃まで加熱し、発熱させた。発熱の最後に、434.82gの88%乳酸を反応混合物に加え、温度を170℃まで増大させた。その後、酸価が30未満に下がるまで反応物を反応させた。酸価が30未満に下がると、9.5gの無水フタル酸を反応混合物に加え、加熱下で約1時間攪拌させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0057】
実施例3、サンプル番号LT020708
41.8gのグリセリン、154.0gのジエチレングリコール、200.0gの無水マレイン酸、2.69gのオクタン酸第一スズ、および0.77gのヒドロキノンを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケットの下で80℃まで加熱し、発熱させた。発熱の最後、434.82gの88%乳酸を反応混合物に加え、温度を170℃まで増大させた。その後、酸価が3未満に下がるまで反応物を反応させた。酸価が3未満に下がると、9.0gの無水フタル酸を反応混合物に加え、加熱下で約1時間攪拌させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0058】
実施例4、サンプル番号LT021908
32.2gのグリセリン、118.5gのジエチレングリコール、154.0gの無水マレイン酸、および2.09gのオクタン酸第一スズを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケットの下で120℃まで加熱し、発熱させ、酸価が150未満に下がるまで反応し続けた。その後、479.6gの88%乳酸を反応混合物に加え、温度を170℃まで増大させた。その後、酸価が11未満に下がるまで反応物を反応させた。酸価が11未満に下がると、9gの無水フタル酸を反応混合物に加え、加熱下で約5時間攪拌させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0059】
実施例5、サンプル番号LT022808A
41.8gのグリセリン、154.0gのジエチレングリコール、200.0gの無水マレイン酸、2.69gのオクタン酸第一スズ、および0.77gのヒドロキノンを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000のmLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケットの下で80℃まで加熱し、発熱させた。発熱の最後に、温度を170℃まで増大させ、酸価が35未満に下がるまで反応物を反応させた。その後、434.82gの88%乳酸を反応混合物に加えた。温度を170℃まで増大させ、酸価が30未満に下がるまで反応物を反応させた。9.0gの無水フタル酸を加え、約1時間反応させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0060】
実施例6、サンプル番号LT030308
41.8gのグリセリン、154.0gのジエチレングリコール、200.0gの無水マレイン酸、2.69gのオクタン酸第一スズ、および0.77gのヒドロキノンを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケットの下で80℃まで加熱し、発熱させた。発熱の最後に、温度を170℃まで増大させ、酸価が40未満に下がるまで反応物を反応させた。その後、434.82gの88%乳酸を反応混合物に加えた。温度を170℃まで増大させ、酸価が30未満に下がるまで反応物を反応させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0061】
実施例7、サンプル番号LT030508A
237gのグリセリン、872gのジエチレングリコール、1134gの無水マレイン
酸、および15gのオクタン酸第一スズを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた5000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケット下で120℃まで加熱し、発熱させ、酸価が150未満に下がるまで反応し続けた。その後、2463gの88%乳酸を反応混合物に加え、温度を170℃まで増大され、酸価が20未満に下がるまで、反応物を反応させた。酸価が20未満に下がると、150gの無水フタル酸を反応混合物に加え、加熱下で約1時間攪拌させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0062】
実施例8、サンプル番号LT031208
41.8gのグリセリン、154.0gのジエチレングリコール、200.0gの無水マレイン酸、2.69gのオクタン酸第一スズ、および0.77gのヒドロキノンを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた1000mLの4首反応容器に入れた。反応物を窒素ブランケット下で80℃まで加熱し、発熱させた。発熱の最後に温度を170℃まで増大させ、酸価が70以下に下がるまで反応物を反応させた。その後、434.82gの88%乳酸を反応混合物に加えた。温度を170℃まで増大させ、酸価が30未満に下がるまで、反応物を反応させた。9.0グラムの無水フタル酸を加え、約1時間反応させた。その後、反応生成物を注ぎ出して分析した。
【0063】
実施例9、Lapo1 108
1894gのグリセリン、7000gのジエチレングリコール、9070gの無水マレイン酸、および120gのオクタン酸第一スズを、オーバーヘッド型撹拌機、凝縮器、収集フラスコ、および窒素パージを備えた10ガロンの4首反応容器に入れた。反応物の色を安定させるために、77グラムのTNPリン酸を反応に加えた。反応を窒素ブランケット下で120℃まで加熱し、発熱させ、酸価が150未満に下がるまで反応し続けた。その後、19000gの88%乳酸が反応混合物に加えられた。温度を170℃まで増大させ、酸価が50未満に下がるまで、反応物を反応させた。酸価が50未満に下がると、1200gの無水フタル酸を反応混合物に加え、加熱下で約1時間攪拌させた。その後、反応生成物を注ぎ出し分析した。
【0064】
ここで説明した手順に従って製造されたポリエステル系可塑剤を特徴付け、ゲル浸透クロマトグラフィ(「GPC」)により分子量を決定すると共に、動的走査熱量測定(「DSC」)によりTgおよびTmを決定し、熱重量分析(「TGA」)により分解開始温度を決定し、以下に説明する手順により粘度を決定した。可塑剤およびポリ乳酸(PLA)のブレンドを以下の説明の通りに調製し、引張強さを試験した。
ガラス転移温度Tg
ガラス転移温度Tgおよび溶融エンタルピーΔHmの不足を、液体窒素冷却装置を備えたTA Instruments社の示差走査熱量測定計(DSC)で測定した。計測器を高純度標準(インジウム)で調整した。約10mgのポリマーをアルミニウムカプセルに入れ、−100℃まで冷却した。温度を30分間保持し、次に10℃/分の速度で加熱した。第2の加熱を、80℃までの最初の加熱と、この80℃の温度の30分間の保持により行った。サンプルを−100℃まで再冷却し、10℃/分の速度で180℃まで戻した(2回の走査)。サンプルが一様な熱履歴を有するように、2回目の走査のサーモグラムからTgを得た。いずれのサンプルのDSC曲線上にも融解温度は見られなかった。
GPC−分子量
ゲル浸透クロマトグラフィを2つのカラム(Styragel HR 4E THFおよびHR 1 THF)を備えたWaters2414屈折率検出器上で実行した:いずれの7.8×300検出も温度制御を備えたWaters2414示差屈折計を使用した。1mL/分の流速を、100μLの0.05%のクロロホルム溶液の注射と共に使用する。ポリスチレン標準を対照として使用する。最適分子量は、4を超える分子量分布で2,000〜90,000g/モルであった。
TGA−分解開始
TA Instruments社のHi−Res TGA 2950熱重量測定計(TA)を使用して熱重量分析を行った。20mgのサンプルを調整し、TGAサンプルパン上に置いた。その後、サンプルを10℃/分の割合で500℃まで加熱した。最適分解温度は250℃よりも大きかった。
粘度−分岐と分子量
粘度をTA Instruments社のAdvanced Rheometer 2000を使用して測定した。約500mgのサンプルを、100℃まで加熱される平底プレートに配置した。回転ディスクをサンプル上で降下させ、サンプル上で100℃の温度で750rpm(毎分回転数)で回転させる。測定計は内部調整されており、約30秒後に読取り値を表示する。読取り値をポアズのユニットで測定し、温度およびrpmについて記録した。100℃、50rpmでBrookfield粘度計(6番スピンドル)を使用して測定された時の好ましい粘度は200〜900ポアズである。
ポリマーブレンド
Rheomix9000制御装置を備えたHaake溶解ミキサ(Rheomix600)を使用してブレンドを形成した。100,000g/モルの重量平均分子量を備えたNatureWorks社のPLAを、水分吸収材としてDryriteを使用した70℃のオーブンで一晩乾燥させた。発明品である可塑剤の10、20および30%のサンプルの重さを予め乾燥させたPLAと同様にミリグラム化学てんびんで測定した。PLAを70rpmで回転するシグマブレードを使用する予め加熱された180℃のHaakeミキシングボウル内に移した。PLAが溶けた後、発明品である可塑剤をミキシングボウルに移し、約7分間混合した。次に混合物(ブレンド)を収集し、引張試験のために薄いフィルムにプレスした。得られた10%ブレンドは光学的に透明であった。
フィルムの調製と引張試験
フィルムを、コンピュータインタフェースを使用して操作されるCarverプレス機を使用してプレスした。20グラムのポリマーブレンドを、0.60mmのくさびを備えた2枚の30.48cm×30.48cm(12インチ×12インチ)のアルミニウム板上に着座している2枚のMylarフィルム間に配置した。ポリマーをMylarフィルムとアルミニウム板の間に挟み、Carverプレス機の底部プラテン上に置いた。2つのプラテンをちょうど丁度触れ合うように閉じ、2分間圧力を加えずにポリマーを溶解させた。2分後、プレス機を13.7895MPa(2000psi)の圧力で30分間閉じた。その後、プレス機を開き、プレートを除去し、室温まで冷却させた。その後、ポリマーフィルムを取外し、引張試験片へと切断した。フィルムの一般的な厚さは名目0.55mmであった。
【0065】
引張試験は米国材料試験協会(ASTM)の規格D638に従って行った。サンプルを23℃、40時間、50%の湿度で平衡化した。V型試験片を0.55mmの公称厚さで使用した。その後、サンプルを破壊されるまで5.0mm/分の速度で引っ張った。少なくとも5つのサンプルを試験し、報告数は平均である。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

表1および表2に識別されているサンプルは、PLAと称されているポリ乳酸に関して本開示で説明した生物由来の可塑剤の20%のブレンドを指す。これらの表には、PLAのみおよび他のポリエステル対照とのブレンドも含んでいる。対照はPLA中のEcoflex(登録商標)と、PLA中のHallgreen(登録商標)ポリエステル系可塑剤の20%のブレンドである。PLAはNatureWorks(登録商標)製であり、ミズーリ州Ellisville所在のJamplast社より入手可能である。Hallgreen R−4010はイリノイ州シカゴのHallstar社製の生物由来のエステル可塑剤である。Ecoflexは、ドイツBASF社製のPLAの可塑剤として使用される生分解性ポリマーである。
【0068】
開示された生物由来の可塑剤は、ヤング率に悪影響を及ぼすことなくバイオポリマーの可撓性を改善し得ることが理解される。
開示された生物由来の可塑剤は、ヤング率のような物性を犠牲にせずに、低い可塑剤濃度で優れた靭性および可撓性を備えたポリマー生産物を生産すべく、バイオポリマーにも石油化学で得られたポリオレフィンにも混合可能であることがさらに理解される。
【0069】
開示された生物由来の可塑剤は、PLAまたはポリオレフィンと混合されて、高温での
滲出に対する顕著な抵抗を示すことが理解される。
開示された生物由来の可塑剤は、ベースバイオポリマーとの改善された混和性を示し、改善された光学的透明度を有することが理解される。
【0070】
本発明の特定の実施形態を例証し、説明してきたが、本発明の精神から著しく逸脱せずに多数の改変が想起され、保護範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コポリマー可塑剤であって、
低級アルキル有機酸を有する相溶化ユニットと、
以下のモノマー:
多官能性アルコール;
脂肪族無水物またはその等価物;および
飽和芳香族無水物またはその等価物;
から形成されたポリエステル可塑化ユニットと、
を備えたコポリマー可塑剤。
【請求項2】
相溶化ユニットの可塑化ユニットに対するモル比は30:70から60:40までの範囲である請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項3】
相溶化ユニットの可塑化ユニットに対するモル比は45:55から55:45までの範囲である請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項4】
前記低級アルキル有機酸はC3からC7までのアルキル骨格を有する請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項5】
前記有機酸は、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロ乳酸、ジフェノール酸、レブリン酸およびそれらの誘導体から選択される請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項6】
低級アルキル有機酸は水酸基部分を有する請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項7】
可塑化ユニットはさらに、1つまたは複数の二官能性アルコールを含む請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項8】
二官能性アルコールは2から10までの範囲の炭素数を有する請求項7に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項9】
二官能性アルコールの多官能性アルコールに対するモル比は5:95から95:5までである請求項7に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項10】
二官能性アルコールの多官能性アルコールに対するモル比は40:60から60:40までである請求項7に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項11】
二官能性アルコールが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、およびその誘導体、ならびにそれらの混合物から選択される請求項7に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項12】
多官能性アルコールが、グリセリン、トリメチルプロパノール、トリメトキシプロパン、トリメトキシエタン、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンメタンジオール、ペンタエリトリトールのポリエステルオリゴマー、ならびにそれらの混合物から選択される請求項
1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項13】
可塑化ユニットは、芳香族無水物またはその等価物に対して100:0から80:20までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物のモル比を有する請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項14】
コポリマー可塑剤は無定形である請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項15】
脂肪族無水物またはその等価物が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸および不飽和脂肪酸の二酸から選択される請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項16】
飽和芳香族無水物またはその等価物が、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびジフェノール酸から選択される請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項17】
コポリマー可塑剤が2,000〜90,000g/m01の間の重量平均分子量を有する請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項18】
コポリマー可塑剤が−20℃から30℃までの間のガラス転移温度を有する請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項19】
ポリ乳酸と混合され、該混合物は、混合されていないポリ乳酸と比較してヤング率が減少することなく少なくとも25%だけ破断点伸びが増加している請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項20】
ポリエステル可塑化ユニットが、鎖延長モノマーをさらに含むモノマーから形成されている請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項21】
鎖延長モノマーは、ジグリシジルエーテルおよびアマニ油、大豆油またはcastrol油のエポキシ化植物油から選択される請求項20に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項22】
無定形コポリマー可塑剤であって、
3から7までの範囲の炭素数を有する低級アルキル有機ヒドロキシ酸を含む相溶化ユニットと、
以下のモノマー:
多官能性アルコール;
二官能性アルコールの多官能性アルコールに対するモル比は5:95から95:5までである、2から10までの範囲の炭素数を有する二官能性アルコール;
脂肪族無水物またはその等価物;および
飽和芳香族無水物またはその等価物;
から形成されたポリエステル可塑化ユニットと、を備え、
可塑化ユニットは、芳香族無水物またはその等価物に対して100:0から80:20までの範囲の脂肪族無水物またはその等価物のモル比を有し、
相溶化ユニットの可塑化ユニットに対するモル比が30:70から60:40までの範囲にあり、
コポリマー可塑剤が2,000〜90,000g/m01の間の重量平均分子量を有し、かつ
コポリマー可塑剤が−20℃から30℃までの間のガラス転移温度を有する、無定形コポリマー可塑剤。
【請求項23】
二官能性アルコールが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロペンタジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、またはその誘導体、ならびにそれらの混合物から選択される請求項0に記載の無定形コポリマー可塑剤。
【請求項24】
多官能性アルコールが、グリセリン、トリメチルプロパノール、トリメトキシプロパン、トリメトキシエタン、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンメタンジオール、ペンタエリトリトールのポリエステルオリゴマー、カプロラクトンのオリゴマーポリエステル、ポリTHFおよびそれらの混合物から選択される請求項0に記載の無定形コポリマー可塑剤。
【請求項25】
脂肪族無水物またはその等価物が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸および不飽和脂肪酸の二酸から選択される請求項0に記載の無定形コポリマー可塑剤。
【請求項26】
飽和芳香族無水物またはその等価物が、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびジフェノール酸から選択される請求項0に記載の無定形コポリマー可塑剤。
【請求項27】
コポリマー可塑剤であって、
乳酸、酪酸、カプロラクトン、レブリン酸、吉草酸、およびこれらのヒドロキシ酸の誘導体から選択された、相溶化ユニットと、
以下のモノマー:
グリセリン、トリメチルプロパノール、ペンタエリトリトール、シクロヘキサンメタンジオール、ペンタエリトリトールのポリエステルオリゴマー、およびそれらの混合物から選択された多官能性アルコール;
無水マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸、および不飽和脂肪酸の二酸、およびそれらの混合物から選択された脂肪族無水物またはその等価物;および
無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、それらの混合物、およびその等価物から選択された飽和芳香族無水物またはその等価物;
から形成されたポリエステル可塑化ユニットと、を備え、
相溶化ユニットの可塑化ユニットに対するモル比は30:70から60:40までの範囲にある、コポリマー可塑剤。
【請求項28】
可塑化ユニットは2から10までの範囲の炭素数を有する1つまたは複数の二官能性アルコールをさらに含む請求項27に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項29】
二官能性アルコールの多官能性アルコールに対するモル比は95:5から5:95までである請求項28に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項30】
二官能性アルコールが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、プロポキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、2,2,4−トリメチルペンタン1,3−ジオール、テトラブロモビスフェノールジプロポキシエーテル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,7−ヘプタンジオール、オクタンジオール、シクロペンタジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、またはその誘導体、ならびにそれらの混合物から選択される請求項28に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項31】
コポリマー可塑剤が、コポリマー可塑剤の不飽和官能性を使用して、ポリオレフィンの骨格にグラフトされる請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項32】
コポリマー可塑剤が、ポリオレフィンとバイオポリエステルのブレンド用の相溶化剤または乳化剤である請求項1に記載のコポリマー可塑剤。
【請求項33】
コポリマー可塑剤が、ポリオレフィンとスターチのブレンド用の相溶化剤または乳化剤である請求項1に記載のコポリマー可塑剤。

【公表番号】特表2011−516670(P2011−516670A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503179(P2011−503179)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/039327
【国際公開番号】WO2009/146109
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510264534)ラポル エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】LAPOL,LLC
【Fターム(参考)】