説明

バイオポリマー組成物及びその生成物

本発明は、バイオポリマー−ベースの組成物、及びバイオポリマー−ベースの形成体、例えば、フィルム、シート、カプセル、ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーに関する。他の態様においては、本発明は、医薬、動物薬、食品、化粧品の製造のための上記バイオポリマー−ベースの出発材料及びバイオポリマー−ベースの形成体の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、バイオポリマー−ベースの組成物、及びバイオポリマー−ベースの形成体、例えば、フィルム、シート、カプセル、ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーに関する。他の態様においては、本発明は、医薬、動物薬、食品、化粧品その他の製品、より特に食品を包装するためのフィルム、アスピック又はジェリー、そして好ましくは、事前投与された配合品、例えば、ソフト又はハード・カプセルの製造のための、好ましくは、細菌由来の多糖、例えば、プルラン、ゾリゲル(登録商標)又はデキストラン、及び/又は植物由来多糖、例えば、デンプン、デンプン誘導体、マルトデキストリン、又はセルロース誘導体から成る群から選ばれるバイオポリマー又はバイオポリマー混合物を含む、バイオポリマー−ベースの出発材料、及びバイオポリマー−ベースの形成体、例えば上記のものの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術
医薬、栄養補助食品、及び健康食品のための最も好ましい食用投与形態の内の1つは、ハード・カプセルともいわれる2片カプセルである。ハード・カプセルは、飲み込み易く、そして味のないシェルである。いくつかのカプセルは、消費者又は患者が飲み込みが難しい場合、食品上又は水/ジュース中に開封され、そして振りかけられる。慣用のハード・カプセルは、浸漬成型法によりゼラチンから作られる。この浸漬成型法は、冷却による熱ゼラチン溶液の硬化能に基づく。医薬カプセルの工業的製造のためには、ゼラチンは、そのゲル化、フィルム形成性、及び表面活性特性のために最も好ましい。浸漬成形法によるハード・ゼラチン・カプセルの製造は、そのゲル化及びフィルム形成能力を十分に活用する。典型的な浸漬成型法は、モールド・ピンをゼラチンの加熱溶液中に浸し、当該ピンを当該ゼラチン溶液から取り出し、ピンに付着したゼラチン溶液を、冷却乾燥により硬化せしめ、そして当該ピンからそうして形成されたシェルをはがすステップを含む。浸漬後のモールド・ピン上の溶液の硬化は、均一な厚さのカプセル・シェルを得るために重要なステップである。
【0003】
この食用投与形態は、いくつかの欠点をもつ。第1に、2片カプセル又はハード・カプセルは、主に固体材料、例えば、粉末、顆粒、ペレット、錠剤又はそれらの組合せを充填するために使用され、液体、又は液体中への固体の懸濁液の充填のためには稀に使用される。次に、この食用投与形態の適用の範囲は、経口投与に制限される。その製造に関しては、充填材料は、配合品の製造者によりその後に充填され、カプセル供給者により充填されるのではない。
【0004】
それゆえ、ハード・ゼラチン・カプセルに代替するデリバリー・システムを製造する試みが行われてきた。最も顕著な代替品の内の1つは、ソフト・ゼラチン又はソフト弾性ゼラチン・カプセルである。これらのカプセルは、典型的には、活性成分を含有する液体を充填される。それらの柔らかく、弾性特性に因り、いくらかの患者は、これらのカプセルを、慣用の錠剤又はハード・ゼラチン・カプセルよりも飲み込み易いと考える。上記投与形態は一般に飲み込まれるので、医薬のしばしば不快な味に芳香を付けるか又は他の方法でそれをマスクする必要はない。ソフト・ゼラチン・カプセルは、バルク液のためにも好ましい。なぜなら、それらは輸送し易く、そしてそれらは、投与前に患者が処方量の液を計測する必要性を回避するからである。
【0005】
US5916590は、治療有効量の医薬が、医薬投与形態として使用されるソフト・カプセルを製造するために、ゼラチンの如きゲル化剤中に溶解されているところのフィルム形状組成物を記載する。このゲルは、2片ハード・ゼラチン・カプセルを成型するためにも使用されうる。
【0006】
ソフト・カプセルは、ハード・カプセルの適当の代替物として見られうる。それらは、液体、混和性液体の混合物、及び液体中への固体の懸濁液を充填されうる。この食用投与形態の適用範囲は広い。経口投与に加えて、この投与形態は、ペッサリー、坐剤として、及び口臭防止剤、香水、入浴油、及び皮膚化粧品のための化粧産業における包装として、又は単一投与適用のためのチューブ形態における包装として、使用されうる。
【0007】
ほとんど全てのソフト・カプセルは、1933年にSchererに特許されたロータリー・ダイ法を用いて作られる。2つの独立したプロセスが、しばしば同時に生じて、2つの異なる材料、ゲル塊と充填材料を作り出す。両者は、湿ソフト・カプセルを製造するカプセル封入プロセスにおいて、統合される。上記湿ゲル塊は、真空下で、上記処理成分を一緒に混合し、かつ、溶融することにより製造される。カプセル封入装置において、溶融したゲル塊は、加熱された輸送管を通って流れ、そして冷却されたドラム上に放たれ(cast)て、2つの別個のリボンが形成される。これらのリボンの厚さは、注意して制御され、そして製造の間じゅう定期的にチェックされる。これらのゲル・リボンは、ローラーを横切り、このローラーは、上記リボンの正しい整列を提供し、そして上記リボンの両表面に潤滑剤を適用する。各ゲル・リボンの形態は、上記ソフト・カプセルの片方を形成する。
【0008】
最終的には、ソフト・カプセルは、上記2つのゲル・リボンと充填材料を用いて、上記カプセル封入ステップの間に形成される。潤滑されたゲル・リボンは、1対のカウンター回転ダイの間に供給され、その表面は、ソフト・カプセルを形成するためのモールドとして作用する適当な大きさ及び形状のマッチング・ポケットを含有する。上記ダイ・ポケットは、ソフト・カプセルの両側をもシールし、そして残存ゲル・リボンから、形成されたソフト・カプセルを切断する。上記リボンと回転ダイの間に位置して、ウェッジ(wedge)は、上記カプセル封入プロセスの間に、3つの別個の機能を発揮する。第1に、それは、上記ゲル・リボンを上記ゲル溶液温度付近に加熱して、上記2つのゲル・リボンの溶融が、上記リボンが上記ダイの間を共に通過するときに、生じることを保証する。第2に、上記ウェッジは、容積式ポンプから上記ポケットの各々まで上記充填材料を分配するシステムの一部である。最後に、上記ウェッジは、上記潤滑剤とともに、空気を除去し、そして上記シェルの間にシールを形成せしめ、そして生成物中に空気を導入しないように材料を充填するよう、上記リボンに対するシーリング表面を提供する。次に、ソフト・カプセルは、タンブル乾燥機に運ばれて、乾燥が開始される。
【0009】
ゼラチンは、水中のコロイド溶液を形成するヒドロコロイドであり、有用な特性のユニークな組合せを示す。これらの特性は、水溶解度、溶液粘度、熱可逆的ゲル化特性、及び強く、透明で、かつ、柔軟性をもつ、高い光沢性のあるフィルムを形成する能力を含む。そのうえ、当該ゲルは、体温で溶融し、そしてフィルムは、消化されるときに、溶解するであろう。ゼラチンは、タンパク質である。
【0010】
ゼラチンの商業的用途は、食品医薬、写真、化粧品、及び実用製品における適用を含む広範囲の産業において確立されてきた。商業的には、ゼラチンの主な適用の内の1つは、ハード及びソフト・カプセルの製造における製薬業におけるものであり、ここでは、透明、柔軟性、光沢性のカプセル壁を形成するゼラチンの能力が重要である。胃内で溶解するゼラチン・カプセルの能力も、要求であることができる。ゼラチンは、食用及び医薬用途のための油及びビタミン類(特に、ビタミンAとE)のマイクロ−カプセル化のためにも使用される。ゼラチンにより示される上記顕著な特性にも拘らず、ゼラチンの代替品が、現在、特に製薬業において特に求められている。今日、天然非動物起源カプセルについての消費者による世界的な要求が増大し、動物起源の化合物である、ゼラチンの代替品を要求している。成功した産業例は、修飾セルロース、例えば、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)から作られたカプセルである。ゼラチンの他の代替品は、プルラン、デキストラン又はゾリゲル(soligel(登録商標))から成る群から選ばれたエクソ−多糖であり、そしてそれらのゲル形成及び弾性特性について周知である。
【0011】
プルランは、プルラリア・プルランス(Pullularia pullulans)により作られる天然水溶性多糖であり、α−1,6結合により連結されたマルトリオースの繰り返し単位から成り、それについては、Hayashibara Inc.が1973年に塊生成能を開発している。プルランは、その膜形成特性、接着、生分解能、及び食用性に因り、食品、医薬、化粧品、を含む多数の用途に使用される。それは、フィルム、シート、及び形状化商品への加工が容易であり、そして食用プラスチックとも言われてきた。プルラン・ハード・カプセルは、飲み込みが容易であり、速く溶解し、そして味と臭いを有効にマスクする。プルランは、擬似熱可塑性であり、そしてそれゆえ、高温で加圧成型又はエクストルードされうる。
【0012】
JP5065222は、その中に封入される容易に酸化される物質を安定化し、溶解度を示し、そしてパンチング製法に耐えることができるソフト・カプセルを記載する。このソフト・カプセルは、カプセル・フィルム物質、例えば、ゼラチン、寒天又はカラギーナンを、プルランとブレンドすることにより得られる。
【0013】
FR2147112とGB1374199に対応するUS3784390は、プルランと、アミロース、ポリビニル・アルコール、及び/又はゼラチンから成る少なくとも1のメンバーとの特定混合物が、高温での加圧成型又はエクストルージョンにより、又はその水溶液からの水の蒸発により形状化されて、形状化された体、例えば、フィルム又はコーティングを形成しうることを開示する。重要な程度に、プルランの価値ある特性を保持するために、当該混合物は、当該混合物中のプルランの重量に基づき、120パーセント超のアミロース、100%のポリビニル・アルコール、及び/又は150パーセントのゼラチンを含有すべきではない。
【0014】
商品名ゾリゲル(Soligel(登録商標))の下で商業的に販売されるエクソ多糖は、6つの天然糖を包含し、主鎖内に1つのウロン酸、及び繰り返し単位当り1つのピルビル置換基、並びにInternational Journal of Biological Macromolecules 27(2000)67−75中Villain−Simonet et alにより正確には位置決めされていないが、アセチル置換基がある。このエクソ多糖は、土壌細菌リゾビウム・レグミナソラム(Rizobium Leguminasorum)により生産され、そして化粧品、食品、医薬品、及び油脂産業において利用され、そしてWO98 35993中に示されるように、透明及び弾性ゲルを形成しうる。
【0015】
デキストランは、微生物(すなわち、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、及びロイコノストック・デキストラニカム(Lenconostoc dextranicum))により合成される高分子量多糖であり、そして1,6結合(そして数少ない1,3及び1,4結合)により連結されるDグルコースから成る。EP0888778中、ゼラチンと多糖、例えば、デキストランを含むカプセル配合品は、ドラッグ・デリバリー組成物を、カプセルに形状化することにより、そしてハード又はソフトであることができ、かつ、ピン・モルダー又は回転ダイ法を用いることにより、製造されるカプセル内に、生物学的に活性な物質を充填することにより、製造される。開示されたカプセルは、結腸選択的ドラッグ・デリバリー・システムとして使用されることを意図される。
【0016】
プルラン、デキストラン、及びゾリゲル(登録商標)を含むカプセルがいくつかの特許又は出願中に言及されてきたが、動物由来の成分を含有しないカプセルの必要性は未だ存在する。新規カプセル成分は、特に食用、及び摂食医薬用途のための、ゼラチンの代替品として、透明、機械的に強い製品を形成することができるものでなければならない。
【0017】
動物ベースのシステムに対する他の代替品は、植物起源、例えば、デンプン又はセルロースを含むフィルム形成性組成物である。セルロースは、全ての植物組織、及び繊維の主構成成分である。それは、炭水化物、(C6105nの、デンプンの異性体であり、そして加熱及び酸の作用により、デンプン、及び糖に変換されることができる。
【0018】
WO01/66082は、それらのゲル化特性のためにデンプンとイオータ・カラギーナン(iota carrageenan)の組合せを使用したゲル組成に関する。マルトデキストリンは、部分的に加水分解されたデンプン産物である。
【0019】
本発明は、驚ろくべきことに、透明な水溶液を、そして好適な機械強度をもつ生成物を製造することができる、高分子量の、水溶性バイオポリマーを用いて上記課題を克服し、そしてそれゆえ、ハード及びソフト・カプセルの製造のための知られた方法における使用に好適である。
【0020】
それゆえ、解決すべき課題は、動物性ゲル化成分の代替における、プルラン、ゾリゲル(登録商標)、デキストラン、マルトデキストリン、デンプン誘導体、及びセルロース誘導体から選ばれるバイオポリマー又はバイオポリマー混合物を含む食用フィルム形成性組成物の提供である。
【発明の開示】
【0021】
本発明は、細菌由来多糖又は植物由来多糖から選ばれるバイオポリマー又はバイオポリマー混合物を含有する組成物に関する。より特に、本発明は、フィルム形成性組成物に関する。形成されたフィルムは、可変硬度特性をもつことができ、所望の厚をもって、ソフト形成体からハード形成体まで、非制限的な形状化技術を許容する。
【0022】
驚ろくべきことに、我々は、以下の:
少なくとも1のバイオポリマー、
少なくとも1の可塑剤、及び

を含む組成物が、有効なフィルム形成特性を有し、出発材料、及び/又は形成体の製造を可能にすることを発見した。さらに、バイオポリマー−ベースの組成物は、非制限的に医薬活性成分その他であることができる少なくとも1の活性成分をも含みうる。
【0023】
他の態様においては、本発明は、以下のステップ:
a)加熱及びニーディングしながら、少なくとも1のバイオポリマー、少なくとも1の可塑剤、及び水を含む混合物を、処理装置内で熱可塑性処理可能な塊に加工し;
b)少なくとも1の出発材料を製造し;そして
c)連続又は断続形状化法において上記出発材料を形成体に再形状化する;
を特徴とする、本発明に係る組成物から作られた、形成体の製造方法に関する。
【0024】
形成体は、フィルム、シート、カプセル、ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーであることができる。カプセルは、ハード又はソフト・カプセルであることができる。ハード・カプセルは、周知の浸漬成型法により得られ、そしてソフト・カプセルは、慣用の回転ダイ法により得られる。これらの方法は、先に概説した。出発材料は、可変形態(ボール、フィルム、フラット、及び/又は四角の形態)でありうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の詳細な説明
本発明は、バイオポリマー又はバイオポリマー混合物を含むバイオポリマー−ベースの組成物に関する。より特に、本発明は、フィルム形成性組成物に関する。形成されたフィルムは、可変硬度特性をもつことができ、所望の厚さをもって、ソフト形成体からハード形成体まで、非制限的形状化技術を許容する。
【0026】
本発明に係る組成物は、より好ましくは、食用又は食品に適用でき、そして食品を包装し、そして食品に接触するために使用される。本発明に係る組成物は、より好ましくは、医薬として許容される組成物である。
【0027】
上記組成物は、医薬、動物薬、食品、化粧品その他の製造のために使用される。
本発明に係る組成物から作られる製品は、以下に記載する方法により又は当業者に既知の手段及び方法を用いて製造される形成体である。これら形成体は、フィルム、シート、カプセル(ソフト又はハード・カプセル)、ケーシング、コーティング−フィルム又はスプレー又は事前投与された配合製品、そしてより好ましくは、フィルム形態にあることができる。本明細書中に与える例は、非制限的である。
【0028】
第2の態様においては、本発明は、出発材料及び形成体の製造方法に関する。
驚ろくべきことに、我々は、以下の:
少なくとも1のバイオポリマー;
少なくとも1の可塑剤;及び
水;
を含む組成物が、有効なフィルム形成特性をもち、以下に詳述する出発材料及び/又は形成体の製造を許容する。「有効フィルム形成特性」とは、特定温度、そしてより好ましくは室温において固体形態で残存する当該組成物の能力により定義される。他の重要な特性は、特定温度、そして好ましくは体温における当該フィルムの分解能力である。本発明に係る組成物は、加工性が高い。先に示したように、本発明は、腸溶又は結腸デリバリー・システムとして使用される形成体の製造のための組成物を提供する。上記組成物成分の量は、特定の放出位置;腸又は結腸を得るために、調整されるであろう。
【0029】
上記バイオポリマー−ベースの組成物は、ゲル構造の促進剤として、補助ゲル化剤、及びゲル化システム、例えば、カラギーナン、ゲラン、及びペクチン、並びにそれらの会合金属イオンの使用を要求しない。上記ゲル化剤の不存在の有益な結果は、当該組成物から作られた形成体(例えば、カプセル)の溶解が、インビトロにおいて試験されるとき溶解媒質中で、又は吸収されるとき胃又は腸管内で、イオンの存在により影響されないということである。溶解媒質が十分なゲル形成性カリウム・イオンを含む場合、凝集体の解離が遅れることは、よく文書化されている。その結果、ゲラン及びカラギーナンからのゲル構造は、残存し、低下した溶解度を導く。インビトロにおいて、バッファー媒質がナトリウム・カチオンを含有するとき、当該ゲル破壊は速い。
【0030】
ゼラチン・フィルムに比較して本発明に係る形成体、例えば、フィルムの大きな利点は、慣用の溶融法に対するエクストルージョン法の使用から生じる、より速い製造時間である。エクストルージョン法によれば、フィルム成型前にゼラチン溶液を溶融し、そして脱泡するために必要な数時間に比較して、フィルムが数分以内に形成される。
【0031】
好ましくは、上記バイオポリマーは、細菌由来多糖又は植物由来多糖である。好ましい細菌由来多糖は、外部多糖、すなわち、エクソ多糖である。好適なエクソ多糖は、非制限的に、プルラン、ゾリゲル(登録商標)、及びデキストランを含む。好ましい植物由来多糖は、非制限的に、マルトデキストリン、デンプン、及びデンプン誘導体及びセルロース誘導体を含む。
【0032】
本発明によれば、バイオポリマー又はバイオポリマー混合物は、プルラン、ゾリゲル(登録商標)、デキストラン、マルトデキストリン、デンプン誘導体、及びセルロース誘導体から成る群から選ばれる。バイオポリマーは、上記組成物の合計重量の30〜80%の量で使用されうる。好ましい態様においては、バイオポリマーは、上記組成物の合計重量の40〜70%の量で使用される。より好ましい態様においては、バイオポリマーは、上記組成物の合計重量の50〜60%の量で使用される。
【0033】
本発明によれば、可塑剤又は可塑剤混合物は、本発明に係る組成物をより弾性に、及び柔軟にするために使用され、そしてポリアルコール有機酸、ヒドロキシ酸、アミン、酸アミド、スルホキシド、及ピロリドンから成る群から選択される。本発明の好ましい態様においては、ポリアルコール有機酸(又はポリヒドロ・アルコール)は、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール、マルチトール、マルチ・ソーブ、プロピレン・グリコール、ラクチトール、トレハロース、ソルビタン・エステル、及び無水ソルビトール、並びにそれらの混合物から成る群から選択される。
【0034】
可塑剤又は可塑剤混合物は、前記組成物の合計重量の0〜80%又は0〜40%の量で添加されうる。好ましい態様においては、可塑剤又は可塑剤混合物は、前記組成物の合計重量の5〜35%又は10〜30%の量で添加され、そしてより好ましい態様においては、前記組成物の合計重量の15〜25%の量で添加される。
【0035】
可塑剤の量及び選択は、最終製品又は本発明においては、形成体の硬度を決定することに役立ち、そして本発明に係る組成物の溶解又は崩壊、並びにその物理的及び化学的安定性に影響を及ぼすことができる。
【0036】
水は、ゲル調製の間の正しいプロセッシングを保証するために重要である。本発明に係る組成物は、当該組成物の合計重量の少なくとも5%の水を、好ましい態様においては、10〜40%の水を、そしてより好ましい態様においては、10〜25%の水を含む。
【0037】
上記本発明の組成物は、さらに、1の不透明化剤又は不透明化剤混合物を含みうる。不透明化剤は、光感受性の充填又は収容された活性成分を保護するために不透明なゲル懸濁液又は最終製品を得るために、本発明に係る組成物に添加される。不透明化剤は、当該組成物の合計重量の0.1〜4%の量で存在し、そして2酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄、及びステアリン酸グリコールから成る群から選ばれうる。本発明の好ましい態様は2酸化チタンである。
【0038】
上記組成物は、さらに、当該組成物の合計重量の0〜10%の範囲内で、1の医薬又は食品として許容される着色料又は着色料混合物を含みうる。着色料は、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−又はインディコ染料又は天然染料又はそれらの混合物から選択されうる。着色料は、パテント青V、酸ブリリアント緑BS、赤2G、アゾルビン、ポンソー4R、アマランス、D+C赤33、D+C赤22、D+C赤26、D+C赤28、D+C青1、FD+C青2、FD+C緑3、ブリリアント黒BN、カーボン・ブラック、酸化鉄黒、酸化鉄赤、酸化鉄黄、リボフラビン、カロテン、アンソシアニン、ウコン、コチニール抽出物、クロロフィル、キャンサキサチン、カラメル又はベタニン、又はそれらの混合物から選ばれうる。
【0039】
上記組成物は、エクソ−多糖溶液からの水の蒸発により形成される得られた材料として透明及び無色であり、そして高く光沢性をもつ。エクソ−多糖の形成体は、柔軟性であり、そして折れたたみに耐性をもつ。上記材料の機械的及び光学的特性は、ひじょうに高い又はひじょうに低い相対湿度におけるエージング及び保存により弱められない。それは、−10℃程の低温でも、もろくならない。それは、静電気の電荷を保持せず、そして微生物の増殖を容易に支援しない。エクソ−多糖のひじょうに薄い形成体でさえ、大気中の酸素をほとんど透過しない。当該組成物は均質であり、そして溶融しない材料又は粒子を提供しないということも注目に値する。
【0040】
他の態様においては、本発明は、本発明に係る組成物からの形成体の製造方法であって、以下のステップ:
a)少なくとも1のバイオポリマー、少なくとも1の可塑剤、及び水を含む混合物を、加熱及びニーディングしながら、熱可塑性処理可能な塊に、処理装置内で、処理し;
b)少なくとも1の出発材料を製造し;そして
c)連続又は断続形状化方法で、上記出発材料を形成体に再形状化する;
を含む前記方法に関する。
【0041】
形成体は、フィルム、シート、カプセル、ケーシング又はコーティング形成体であることができる。カプセルは、ハード又はソフト・カプセルであることができる。これらのカプセルは、固体又は液体形態にある活性成分で充填されうる。ハード・カプセルは、周知の浸漬成型法により得られ、そしてソフト・カプセルは、慣用の回転ダイ法により得られる。
【0042】
上記プロセスは、処理装置内で、熱可塑性処理可能な塊中に、水中の少なくとも1のバイオポリマー及び少なくとも1の可塑剤をブレンドすることから成る。処理温度は、160℃を超えるべきではなく、好ましい態様においては、140℃を超えるべきではなく、そしてより好ましい態様においては100〜110℃である。処理装置は、150〜300rpmの間の回転速度をもつ。処理圧力は、20〜70バールの範囲内にある。容易に熱可塑性処理可能な塊は、本明細書中、出発材料という。望ましい形態が、当業者に既知の適当な手段及び方法を用いて当該熱可塑性処理可能な塊に与えられる。出発材料は、可変形態(球、フィルム、フラット、ストリップ、及び/又は四角)を有しうる。本発明は、手段として、エクストルーダー、そして好ましくは、2軸エクストルーダーを用いて、例示される。この好ましい態様においては、出発材料は、ストリップ−フィルム形態にある。出発材料の形態及びサイズは、再形状化であるプロセスの次ステップに適するように選ばれなければならない。このプロセスのこの段階においては、出発材料は、上記温度にあり、そして所望の形態が出発材料に与えられることができるように柔軟性である。本プロセスにより得られる出発材料は、40μm〜1000μmの厚さをもつ少なくとも1のエクストルードされたストリップ−フィルムである。好ましい態様においては、エクストルードされたストリップ−フィルムは、250μm〜850μm又は400μm〜750μmの厚さをもち、そしてより好ましい態様においては、エクストルードされたストリップ−フィルムは、600μm〜700μmの厚さをもつ。好ましくは、出発材料は、ストリップ−フィルム形態にある。本発明に係る組成物から、及びエクストルーダーによるその処理から生じるものは、修飾されたデンプン又はセルロース誘導体を含む他の代替溶液組成物のもつ40%超の水分含量に比較して、得られたフィルム中の低下した水分量である。得られた出発材料又は好ましくはフィルムの上記のより低い水分含量の明らかな利点は、最終生成物についての有意により短い乾燥時間である。エクストルードされた出発材料の残存水分は、当該エクストルードされた出発材料の合計重量の10%〜30%の間にある。好ましくは、エクストルードされた出発材料の残存水分量は、当該エクストルードされた出発材料の合計重量の10%〜25%の間にある。
【0043】
最終的に、出発材料は、連続又は断続形状化法において形成体に再形状化される。好ましい態様においては、2つのエクストルードされたストリップ−フィルム出発材料は、形成体に再形状化される。再形状化は、モールディング(すなわち、カプセルの浸漬成型)、回転ダイ(すなわち、ソフト・カプセルの形状化)、又は当業者に既知のいずれかの手段及び方法により作られることができる。再形状化のための手段及び方法は、取得られることが望ましい形態、及びその使用に関して、定められる。好ましい態様においては、形成体は、フィルム、シート、カプセル、ケーシング、及びコーティングのリストから選ばれる。より好ましい態様においては、カプセルは、ハード又はソフト・カプセルである。他のより好ましい態様においては、形成体は、フィルムが口腔内に置かれることができるようなサイズのフィルムである。形成体は、単位投与形態又はデリバリー・システムのための容器として使用されうる。単位投与形態及びデリバリー・システムのための容器は、本発明において記載され、そして活性成分又は物質を含有する組成物のいずれかの製品(生成物)と理解されるべきである。これらの活性成分又は物質は、食品、食品添加物、医薬、化学物質、化粧品、及び染料だけでなく、スパイス、混合肥料、種子、塗料、建築材料、及び農業資材であることができる。上記活性成分及び物質は、本発明に係る組成物の処理混合物に添加されることができ、又は固体又は液体形態にある形成体中に、その後(例えば、再形状化状態に)充填されることができる。ソフト・カプセルの場合には、上記充填は、上記再形状化プロセスと同時に生じる。
【0044】
上記プロセスb)のエクストルードされた出発材料は、100%〜1000%の間の、好ましい態様においては、200%〜500%の間の、そしてより好ましい態様においては200%〜300%の間の、室温における破壊時伸長(elongation at rupture)を有する。破壊時伸長は、乾燥ステップ前に考慮される。エクストルードされた出発材料のYoung率(Young modulus)は、室温で、0.5〜40MPaの、好ましい態様においては1〜10MPaの、そしてより好ましい態様においては2〜4MPaの範囲にある。Young率は、乾燥ステップ前に考慮される。
【0045】
エクストルードされた出発材料は、回転ダイ技術を用いて好ましくは形状化され、ここで、ウェッジ温度は、50〜100℃、好ましくは60〜90℃、そしてより好ましくは70〜85℃の間にある。
【0046】
バイオポリマー、可塑剤、及び水を含む処理(processing)混合物は、先に記載したものである。
【0047】
ステップa)に記載した処理混合物は、先に記載したような不透明化剤をさらに含みうる。
ステップa)に記載した処理混合物は、先に記載した医薬又は食品として許容される着色料をさらに含みうる。
【0048】
カプセルに関する好ましい態様においては、離型潤滑剤は、カプセル形成性コアからの型ピンの除去を容易にするために使用される。「潤滑剤」は、型ピンと、形成されたカプセルの内側表面との間の摩擦を低下させることができる材料を意味する。潤滑剤は、カプセルと適合性であり(すなわち、カプセルの価値を低下させてはならず)、型ピンからのカプセルの除去を容易にし、そして医薬として許容されるもの(すなわち、非毒性)である。潤滑剤は、単一の潤滑剤であることができるけれども、それは、1以上の潤滑性化合物を、及び場合により、その中に他の添加物又は希釈料を有する「潤滑化合物」であることもできる。多くの好適な潤滑剤が利用可能であり、そしてカプセルの製造において使用される。可能性のある潤滑剤の例は:シリコーン油;ラウリル硫酸ナトリウム又はマグネシウム;脂肪酸(例えば、ステアリン酸、及びラウリン酸);ステアリン酸塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、アルミニウム又はカルシウム);ホウ酸;植物油;鉱油(パラフィン);リン脂質(例えば、レシチン);ポリエチレン・グリコール;安息香酸ナトリウム;及びこれらの混合物、ナトリウム・ステアリル・フマレート、水添植物油、水添ヒマシ油、水添綿実油、ステアリン酸及びカルシウムステアレート、その他を含む。しばしば、他の成分が上記潤滑剤中に存在する。例えば、カルシウム石けんは、上記油潤滑剤中に分散されうる。ときどき、上記潤滑剤は、例えば、石油中に溶解される。このような潤滑剤組成物は、本分野において周知であり、そして用語「潤滑剤」に包含されることを意図される。剥離剤、潤滑剤又は離型剤は、上記処理混合物の0.25〜1%の量で使用される。
【0049】
最後に、形成体は、いずれかの知られた手段及び方法により乾燥される。ソフト・カプセルの場合には、このステップは、1時間30℃風乾である。厚さは、250μm〜500μm、好ましくは300μm〜400μmの範囲内にある。
【0050】
上記のように、形成体は、単位投与形態又はデリバリー・システムのための容器として使用されうる、フィルム、シート、カプセル・ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーとして形状化される。好ましい態様においては、形成体は、錠剤、ペレット又はカプセルのコーティングであることができる。
より好ましい態様においては、コーティングは腸溶コーティング又は結腸コーティングである。
【0051】
本発明を、以下、添付の実施例を参照して説明する。これらの実施例は、本発明を説明することを意図されており、本発明の範囲は、そこに記載される態様に制限されると解釈されてはならない。
【0052】
ケース1:
エクストルージョン条件及び特性をもつフィルム形成性組成物例
実施例1:
ポリマー プルラン61.7%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール23%
水15.3%
加工性(Processability) +++
エクストルージョン温度(℃) 105
エクストルージョン圧力(Bar) 32
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 360%
Young率 1MPa
【0053】
実施例2:
ポリマー プルラン61.6%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.4%
マンニトール13.8%
水19.2%
加工性 +++
エクストルージョン温度(℃) 105
エクストルージョン圧力(Bar) 38
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 320%
Young率 2MPa
【0054】
実施例3:
ポリマー プルラン66.6%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.1%
マンニトール3.8%
水14.5%
加工性 +++
エクストルージョン温度(℃) 105
エクストルージョン圧力(Bar) 35
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 260%
Young率 4MPa
【0055】
実施例4:
ポリマー プルラン61%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール17.6%
マンニトール4.4%
水17%
加工性 +++
エクストルージョン温度(℃) 105
エクストルージョン圧力(Bar) 30
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 300%
Young率 3.7MPa
【0056】
実施例5:
ポリマー プルラン48.4%
マルトデキストリン12.1%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.8%
マンニトール4.0%
水19.7%
加工性 +++
エクストルージョン温度(℃) 95
エクストルージョン圧力(Bar) 26
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 315%
Young率 3.2MPa
【0057】
実施例6:
ポリマー プルラン60%
ゾリゲル3.2%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール14.7%
マンニトール3.7%
水18.4%
加工性 +++
エクストルージョン温度(℃) 105
エクストルージョン圧力(Bar) 56
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 240%
Young率 2.5MPa
【0058】
実施例7:
ポリマー デキストラン64.5%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール14.2%
マンニトール3.6%
水17.8%
加工性 +
エクストルージョン温度(℃) 90
エクストルージョン圧力(Bar) 32
フィルム形成特性 +++
処理表面への接着 なし
%伸長 250%
Young率 2.2MPa
【0059】
全実施例において:
プルラン(Pullulan)はHayashibara Japanから、
ゾリゲル(登録商標)(Soligel)はARD Franceから、
マルトデキストリン(Maltodextrine)Glucidex 19はRoquette Franceから、
デキストラン(Dextran)70はAmersham Bioscience Amersham plc Buckinghamshire United Kingdomから、
ソルビトール(Sorbitol)はNeosorb 70/70 from Roquette Franceから、
マンニトール(Mannitol)は、Roquette Franceから得た。
加工性(Processability)(excellent +++からpoor −−−まで)は、エクフトルード(押出し)プロセスの間の全体挙動である、エクストルーダーへの粉末供給における粉末の挙動を説明する。
フィルム形成特性の格付けは、得られたフィルムの観察に基づく(excellent +++からpoor −−−まで)。
%伸長とYoung率は、エクストルージョン直後(乾燥ステップなし)のフィルムに対して計測する。
【0060】
ケース2:
製造条件及び特性をもつフィルム形成性組成物から作られたカプセルの例
カプセルを以下の条件下で製造した:
フィルム組成物の乾燥成分(粉末)を、制御された重量供給下でエクストルーダーに供給し(Brabender Technologie KG,Duisburg GeからのLoss−in−weightフィーダー);上記フィルムの液体部を、正確に流れを制御して、(Watson−Marlow Bredel Inc Wilmington,MA,USAからの)蠕動投与ポンプを用いてエクストルーダー内に添加した。使用したエクストルーダーは、調節可能なスリット厚をもつストリップ−フィルム出発材料のためのエクストルージョン・ダイをその出口において備えた(Thermo PRISM,Stone,Staffordshire,Englandからの)2軸エクストルーダーである。エクストルードされた出発材料は、調節可能な速度で(Linatec Feyzin Rhone,Franceからの)コンベアーベルトによりエクストルーダーから「引き出される(pulled)」。
【0061】
次いで、出発材料を、ダイ・ロール上に供給された、(Technophar Windsor,Ontario,Canadaからの)ソフト・カプセル製造装置のグリーシング・モジュール上を通過する。
【0062】
慣用のソフト弾性カプセルに関しては、2つのストリップ−フィルム出発材料は、シーリングを可能にするために、当該組成物を予め加熱し、かつ、予めならすために適した温度で、ウェッジ・ブロック下で処理される。カプセルは、充填され、そして慣用のゼラチン・ソフト・カプセル製造法に従って、形成される。形成されたカプセルは、ネットから取り出され、そして1時間30℃の空気を用いて、タンブラー乾燥機内に移される。
【0063】
フィルム厚は、乾燥を伴わないカプセル形成後に直接計測される。
【0064】
実施例1:
ポリマー プルラン61.7%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール23%
水15.3%
充填製品 Cooper Melun France からのパラフィン油(液体)
ウェッジ温度(℃) 70−75
充填圧力(Bar) 4
乾燥前のフィルム厚 750μm
カプセル開口時間 2分30秒
乾燥フィルム厚 400μm
【0065】
実施例2:
ポリマー プルラン66.6%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.1%
マンニトール3.8%
水14.5%
充填製品 Cooper Melun France からのパラフィン油(液体)
ウェッジ温度(℃) 60−70
充填圧力(Bar) 4
乾燥前のフィルム厚 700μm
カプセル開口時間 2分
乾燥フィルム厚 350μm
【0066】
実施例3:
ポリマー プルラン66.6%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.1%
マンニトール3.8%
水14.5%
充填製品 ADM Archer Danniels
Midland Company Dec atur,IL,USAからのビタミンE 1000I.U.
ウェッジ温度(℃) 90
充填圧力(Bar) 4
乾燥前のフィルム厚 700μm
カプセル開口時間 1分30秒
乾燥フィルム厚 350μm
【0067】
実施例4:
ポリマー プルラン61%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール17.6%
マンニトール4.4%
水17%
充填製品 Henry Lamotte GmbH Bremen Germanyからのマツ ヨイグサ(Evening Primer ose)油(Mini 9% GLA)
ウェッジ温度(℃) 85−90
充填圧力(Bar) 4
乾燥前のフィルム厚 650μm
カプセル開口時間 1分30秒
乾燥フィルム厚 320μm
【0068】
実施例5:
ポリマー プルラン48.4%
マルトデキストリン12.1%
賦形剤及び製造助剤 ソルビトール15.8%
マンニトール4.0%
水19.7%
充填製品 Cooper Melun France からのパラフィン油(液体)
ウェッジ温度(℃) 65
充填圧力(Bar) 4
乾燥前のフィルム厚 680μm
カプセル開口時間 1分
乾燥フィルム厚 350μm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のバイオポリマー、少なくとも1の可塑剤、及び水を含むフィルム形成性剤。
【請求項2】
前記バイオポリマー又はバイオポリマー混合物が、細菌由来の多糖類である、請求項1に記載の剤。
【請求項3】
前記細菌由来の多糖類が、エキソ多糖であり、そしてプルラン(pullulan)、ゾリゲル(soligel(登録商標))、及びデキストラン(dextran)から成る群から選ばれる、請求項2に記載の剤。
【請求項4】
前記バイオポリマー又はバイオポリマー混合物は、植物由来の多糖類である、請求項1に記載の剤。
【請求項5】
前記植物由来の多糖類が、マルトデキストリン、デンプン誘導体又はセルロース誘導体から成る群から選ばれる、請求項4に記載の剤。
【請求項6】
前記剤が、好ましくは、医薬又は食品として許容される組成物であり、そして好ましくは、ストリップ−フィルム形態にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
【請求項7】
前記バイオポリマーは、当該剤の合計重量の30〜80%の量で、好ましくは、当該剤の合計重量の40〜70%の量で、又はより好ましくは、当該剤の合計重量の50〜60%の量で使用される、請求項1に記載の剤。
【請求項8】
前記可塑剤又は可塑剤混合物は、ポリアルコール有機酸、ヒドロキシ酸、アミン、酸アミド、スルホキシド、及びピロリドンから成る群から選ばれる、請求項1に記載の剤。
【請求項9】
前記ポリアルコール有機酸は、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール、マルチトール、マルチソーブ、プロピレン・グリコール、ラクチトール、トレハロース、ソルビタン・エステル、及びソルビトール無水物又はそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項8に記載の剤。
【請求項10】
前記可塑剤は、前記剤の合計重量の0〜40%の量で、好ましくは、前記剤の合計重量の5〜35%の量で、特に好ましくは、前記剤の合計重量の10〜30%の量で、又はより好ましくは、前記剤の合計重量の15〜25%の量で存在する、請求項8又は9に記載の剤。
【請求項11】
前記水は、前記剤の合計重量の少なくとも5%の量で、好ましくは、10〜40%の量で、そしてより好ましくは、10〜25%の量で存在する、請求項1に記載の剤。
【請求項12】
前記剤は、少なくとも1の不透明化剤を含む、請求項1に記載の剤。
【請求項13】
前記不透明化剤は、2酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄又はステアリン酸グリコールから成る群から選ばれる、請求項12に記載の剤。
【請求項14】
前記不透明化剤は、好ましくは、2酸化チタンである、請求項12又は13に記載の剤。
【請求項15】
前記不透明化剤又は不透明化剤混合物は、前記剤の合計重量の0.1%〜4%の範囲内にある、請求項12〜14のいずれか1項に記載の剤。
【請求項16】
前記剤は、少なくとも1の着色料を含む、請求項1に記載の剤。
【請求項17】
前記着色料は、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−又はインジゴ−染料、及び天然染料又はそれらの混合物から成る群から選ばれ、そしてパテント・ブルーV(patent blue V)、酸ブリリアント・グリーンBS、赤2G、アゾルビン(azorubine)、ポンソー4R(ponceau 4R)、アマランス(amaranth)、D+C赤33、D+C赤22、D+C赤26、D+C赤28、D+C黄10、黄2G、FD+C黄5、FD+C黄6、FD+C赤3、FD+C赤40、FD+C青1、FD+C青2、FD+C緑3、ブリリアント・ブラックBN、カーボン・ブラック、酸化鉄黒、酸化鉄赤、酸化鉄黄、リボフラビン、カロテン、アンソシアニン、ウコン(turmeric)、コチニール(cochineal)抽出物、クロロフィル、カンタキサチン(canthaxathin)、カラメル又はベタニンから選ばれる、請求項16に記載の剤。
【請求項18】
前記着色料又は着色料混合物は、前記剤の合計重量の0%〜10%の範囲内にある、請求項16又は17に記載の剤。
【請求項19】
出発材料及び/又は形成体の製造のための先の請求項のいずれかに記載の剤の使用。
【請求項20】
前記出発材料は、好ましくは、ストリップ−フィルムの形態にある、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記形成体は、フィルム、カプセル、シート、ケーシング又はコーティング・フィルム又はスプレーである、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
前記形成体は、単位投与形態又はデリバリー・システムのための容器である、請求項19に記載の使用。
【請求項23】
請求項1〜18のいずれかに記載の剤の形成体。
【請求項24】
食品、食品添加物、医薬、化学品、染料、スパイス、配合農薬、種子、化粧品、塗料、及び建築材料、及び農業資材を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の剤の形成体、及び/又は出発材料。
【請求項25】
前記形成体が、フィルム、シート、カプセル、ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーから選ばれる、請求項23又は24に記載の形成体。
【請求項26】
前記カプセルが、ハード・カプセル又はソフト・カプセルである、請求項25に記載のカプセル。
【請求項27】
単位投与形態又はデリバリー・システム又は腸溶のための容器として、又は結腸デリバリー・システムのための容器としての、請求項23〜26のいずれかに記載の形成体の使用。
【請求項28】
以下のステップ:
a)少なくとも1のバイオポリマー、水、少なくとも1の可塑剤を含む混合物を、加熱及びニーディングしながら、処理装置内で、熱可塑性処理可能なマスに、加工し;
b)少なくとも1の出発材料を製造し;そして
c)上記出発材料を、連続又は断続形状化法において、形成体に再形状化する;
を特徴とする、請求項1〜18のいずれかに記載の剤の形成体の製造方法。
【請求項29】
前記バイオポリマー又はバイオポリマー混合物は、請求項2〜5のいずれかに記載したものと同じである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記バイオポリマーは、当該剤の合計重量の30〜80%の量で、好ましくは、当該剤の合計重量の40〜70%の量で、又はより好ましくは、当該剤の合計重量の50〜60%の量で使用される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記可塑剤又は可塑剤混合物は、ポリアルコール有機酸、ヒドロキシ酸、アミン、酸アミド、スルホキシド、及びピロリドンから成る群から選ばれる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリアルコール有機酸は、ソルビトール、マンニトール、グリセロール、キシリトール、マルチトール、マルチソーブ、プロピレン・グリコール、ラクチトール、トレハロース、ソルビタン・エステル、及びソルビトール無水物又はそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記可塑剤は、前記剤の合計重量の0〜40%の量で、好ましくは、前記剤の合計重量の5〜35%の量で、特に好ましくは、前記剤の合計重量の10〜30%の量で、又はより好ましくは、前記剤の合計重量の15〜25%の量で存在する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
処理混合物a)は、当該処理混合物の合計重量の少なくとも5%の量の、好ましくは、10〜40%の量の、そしてより好ましくは、10〜25%の量の水を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記剤は、少なくとも1の不透明化剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記不透明化剤は、2酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄又はステアリン酸グリコールから成る群から選ばれる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記不透明化剤は、好ましくは、2酸化チタンである、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記不透明化剤又は不透明化剤混合物は、前記処理混合物の合計重量の0.2%〜0.5%の範囲内にある、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記剤は、少なくとも1の着色料を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項40】
前記着色料は、アゾ−、キノフタロン−、トリフェニルメタン−、キサンテン−又はインジゴ−染料、及び天然染料又はそれらの混合物から成る群から選ばれ、そしてパテント・ブルーV(patent blue V)、酸ブリリアント・グリーンBS、赤2G、アゾルビン(azorubine)、ポンソー4R(ponceau 4R)、アマランス(amaranth)、D+C赤33、D+C赤22、D+C赤26、D+C赤28、D+C黄10、黄2G、FD+C黄5、FD+C黄6、FD+C赤3、FD+C赤40、FD+C青1、FD+C青2、FD+C緑3、ブリリアント・ブラックBN、カーボン・ブラック、酸化鉄黒、酸化鉄赤、酸化鉄黄、リボフラビン、カロテン、アンソシアニン、ウコン(turmeric)、コチニール(cochineal)抽出物、クロロフィル、カンタキサチン(canthaxathin)、カラメル又はベタニンから選ばれる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記着色料又は着色料混合物は、前記処理混合物の合計重量の0%〜10%の範囲内にある、請求項39又は40に記載の方法。
【請求項42】
前記ステップa)において適用される混合物は、潤滑剤又は離型剤を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項43】
前記潤滑剤又は離型剤は、シリコーン油;ラウリル硫酸ナトリウム又はマグネシウム;脂肪酸ステアレート;ホウ酸;植物油;鉱油;リン脂質;ポリエチレン・グリコール;安息香酸ナトリウム;及びそれらの混合物、ナトリウム・ステアリル・フマレートから選ばれる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記剥離剤、潤滑剤又は離型剤は、前記処理混合物の0.25〜1%の量で使用される、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記出発材料は、エクストルードされた材料である、請求項28に記載の方法。
【請求項46】
前記処理装置は、エクストルーダー、より好ましくは2軸エクストルーダーである、請求項28に記載の方法。
【請求項47】
前記処理温度は、160℃を超えず、好ましい処理温度は、140℃であり、そして特に好ましい処理温度範囲は100〜110℃である、請求項28に記載の方法。
【請求項48】
前記処理速度は、150〜300rpmの間にある、請求項28に記載の方法。
【請求項49】
前記処理圧力は、40〜70バールの間にある、請求項28に記載の方法。
【請求項50】
前記ステップb)における出発材料の厚さは、40μm〜1000μm、好ましくは、250μm〜850μm、そして特に好ましくは600μm〜700μmである、請求項28に記載の方法。
【請求項51】
出発材料及び/又は形成体の製造のための請求項28に記載の方法。
【請求項52】
前記出発材料は、ストリップ−フィルム形態にある、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記形成体は、フィルム、カプセル、シート、ケーシング又はコーティング−フィルム又はスプレーから成る群から選ばれる、請求項28に記載の方法。
【請求項54】
前記カプセルは、ハード・カプセル又はソフト・カプセルである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記形成体は、単位投与形態、デリバリー・システムあるいは腸溶又は直腸デリバリー・システムである、請求項28に記載の方法。
【請求項56】
請求項1〜15のいずれかに記載の剤の形成体及び/又は出発材料は、食品、食品添加物、医薬、化学品、染料、スパイス、配合農薬、種子、化粧品、建築材料、及び農業資材を含む、請求項28、及び51〜55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記ステップb)におけるエクストルードされたフィルムの残存水分は、約10〜30%の間、好ましくは、10〜25%の間にある、請求項28に記載の方法。
【請求項58】
室温における、前記ステップb)におけるエクストルードされたフィルムの破裂時延伸率は、100〜1000%、好ましくは200〜500%、より好ましくは、200〜300%の間である、請求項28に記載の方法。
【請求項59】
室温における、前記ステップb)におけるエクストルードされたフィルムのYoung率(Young modulus)は、0.5〜40MPa、好ましくは、1〜10MPa、より好ましくは、2〜4MPaの間である、請求項28に記載の方法。
【請求項60】
前記ステップc)における形状化方法は、好ましくは、ロータリー・ダイ(rotary die)技術である、請求項28に記載の方法。
【請求項61】
前記詰め込み(wedge)温度は、50〜100℃、好ましくは、60〜90℃、より好ましくは、70〜85℃の間である、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2007−530726(P2007−530726A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504495(P2007−504495)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000650
【国際公開番号】WO2005/092968
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】