説明

バイオマス前処理ユニット及びバイオマス・石炭混焼システム

【課題】バイオマスをより効率よく粉砕させることができ、燃焼させやすくすることができるバイオマス前処理ユニット及びバイオマス・石炭混焼システムを提供する。
【解決手段】バイオマス140を粉砕する粉砕装置26にバイオマス140を供給するバイオマス前処理ユニットであって、バイオマス140を供給するバイオマス供給タンク24と、前記バイオマス供給タンク24内を間接加熱して予熱する間接加熱手段(蒸気203a)と、前記バイオマス供給タンク24内で予熱加熱された予熱バイオマスを粉砕装置26に供給するフィーダ25と、前記フィーダ25の粉砕装置側から、内部にボイラ排ガスの一部150bを導入し、フィーダ25内で予熱バイオマスを所定温度まで加熱しつつ脆化させる直接加熱手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスを粉砕する粉砕装置にバイオマスを供給するバイオマス前処理ユニット及びバイオマス・石炭混焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の観点からCO2排出の削減が推進されている。特に、発電用ボイラ等の燃焼設備においては、燃料として石炭や重油等の化石燃料が用いられることが多いが、この化石燃料は、CO2排出の問題から地球温暖化の原因となり、地球環境保全の見地からその使用が規制されつつある。また化石燃料の枯渇化の観点からもこれに代替するエネルギ資源の開発、実用化が求められている。そこで、化石燃料の代替として、バイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。バイオマスとは、光合成に起因する有機物であって、木質類、草木類、農作物類、厨芥類等のバイオマスがある。このバイオマスを燃料化処理することにより、バイオマスをエネルギ源または工業原料として有効に利用することができる。
【0003】
再生可能エネルギであるバイオマスの高効率利用の観点から、バイオマスを燃料として用いることが行われている。燃料として用いる方法の一つに、バイオマス固形物を粉砕して微粉化し、微粉炭焚きボイラに供給して燃料として用いるものがある。また、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、バイオマスを炭化させた後、燃料として用いるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−23239号公報
【特許文献2】特開2008−209080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、バイオマスは、石炭等の固形の化石燃料に比べ、繊維質でやわらかい。このため、バイオマス固形物を粉砕して微粉化するためには、石炭等を粉砕して微粉化するよりもより多くの時間、出力が必要となる。つまり、バイオマスは、石炭に比べ粉砕容量が低下する。これに対して、特許文献1及び特許文献2のように、バイオマスを炭化することで、脆化させ、粉砕しやすくすることができる。しかしながら、バイオマスは、炭化処理時に、タール等の不純物が排出される可能性がある。不純物が排出されるとそれらを除去する工程や、メンテナンスが必要となる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイオマスをより効率よく粉砕させることができ、燃焼させやすくすることができるバイオマス前処理ユニット及びバイオマス・石炭混焼システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、バイオマスを粉砕する粉砕装置にバイオマスを供給するバイオマス前処理ユニットであって、前記バイオマスをフィーダに供給するバイオマス供給タンクと、前記バイオマス供給タンク内を間接加熱してバイオマスを予熱する間接加熱手段と、前記バイオマス供給タンク内で予熱加熱された予熱バイオマスを粉砕装置に供給するフィーダと、前記フィーダの粉砕装置側の端部から、内部にボイラ排ガスを導入し、フィーダ内で予熱バイオマスを所定温度まで加熱しつつ脆化させる直接加熱手段とを具備することを特徴とするバイオマス前処理ユニットにある。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記フィーダ内での直接加熱温度が、バイオマスを非炭化温度の範囲であることを特徴とするバイオマス前処理ユニットにある。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記間接加熱手段が低温再熱蒸気であることを特徴とするバイオマス前処理ユニットにある。
【0010】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記直接加熱手段がボイラからの排ガスであることを特徴とするバイオマス前処理ユニットにある。
【0011】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記フィーダ内で加熱に寄与したバイオマス加熱後排ガスをボイラ火炉内に供給する供給することを特徴とするバイオマス前処理ユニットにある。
【0012】
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つのバイオマス前処理ユニットを備えたバイオマス粉砕装置と、石炭原料を粉砕する石炭粉砕装置と、バイオマス粉砕装置で粉砕されたバイオマス粉体と、石炭粉砕装置で粉砕された石炭粉体とが供給されるボイラ火炉とを具備することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システムにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる前処理ユニットは、バイオマスの加熱を低温腐食の影響がなく、行うことができると共により効率よく脆化することで、粉砕装置で粉砕しやすくでき、燃焼させやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、発電システムの一実施形態の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、バイオマス前処理ユニットの概略構成の一部を示す模式図である。
【図3】図3は、バイオマス前処理ユニットのバイオマス供給タンクとフィーダとの概略構成図である。
【図4】図4は、バイオマスの温度と、各成分の割合との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、粉砕動力比と所定粒径までの粉砕時間との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、発電システムの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る前処理ユニット及び前処理ユニットを用いる発電システムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
図1は、発電システムの一実施形態の概略構成を示す模式図である。
【0018】
図1に示す発電システム10は、バイオマスを粉砕した微粉体と石炭や油等の化石燃料とを燃料として併用して燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収し、回収した熱で発電を行うことが可能な発電システムである。
【0019】
図1に示す発電システム10は、バイオマスを供給するバイオマス供給装置11と、このバイオマス供給装置11から供給されたバイオマスと化石燃料とを燃焼することで発生した熱を回収するボイラ30と、ボイラ30で発生させた熱を用いて発電を行う発電装置60とを有している。
【0020】
ここで、バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源であって、化石資源を除いたものと定義する。例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ、及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)等であり、ここに提示したものに限定されることはない。
【0021】
バイオマス供給装置11は、バイオマス140を非炭化温度の範囲で加熱した後、粉砕し、粉砕したバイオマスをボイラ30に供給する装置であり、バイオマス前処理ユニット(以下「前処理ユニット」という)19と、空気供給配管21と、粉砕装置(ミル)26と、粉体分離装置27と、供給配管28と、を有する。
【0022】
前処理ユニット19は、バイオマスに前処理を行った後、粉砕装置26に供給するユニットであり、貯蔵サイロ20と、払い出しコンベア22と、搬送コンベア23と、バイオマス供給タンク24と、フィーダ25とを有する。貯蔵サイロ20は、所定量のバイオマスを貯留可能な装置である。貯蔵サイロ20は、貯留させているバイオマス140を所定の量ずつ払い出しコンベア22に供給する。払い出しコンベア22と搬送コンベア23は、ともにバイオマス140を搬送する搬送機構である。なお、本実施形態では、コンベアとしたが、バイオマス140の搬送機構としては、種々の機構を用いることができる。払い出しコンベア22は、貯蔵サイロ20から供給されたバイオマス140を搬送コンベア23に搬送する。搬送コンベア23は、払い出しコンベア22から供給されたバイオマス140をバイオマス供給タンク24に供給する。
【0023】
バイオマス供給タンク24は、搬送コンベア23から供給されたバイオマス140を一時的に貯留する。バイオマス供給タンク24は、貯留しているバイオマス140をフィーダ25に供給する。フィーダ25は、バイオマス供給タンク24から供給されたバイオマス140を搬送し、粉砕装置26に供給する。
加熱手段は、バイオマス供給タンク24内では、蒸気203aを用いた間接加熱によりバイオマスを加熱すると共に、フィーダ25内では、ボイラ排ガス150の一部150bを用いた直接加熱によりバイオマスを加熱する加熱機構である。なお、加熱手段の構成については後ほど説明する。
【0024】
バイオマス供給装置11の構成の説明を続ける。空気供給配管21は、バイオマス供給装置11の各部に空気を供給する配管である。空気供給配管21は、ボイラ30の空気を供給させる各部と接続され、空気148が供給される。また、空気供給配管21は、粉砕装置26、供給配管28と接続され、それぞれに空気148を供給する。また、空気供給配管21は、粉砕装置26と接続される配管にバルブ70が設けられ、供給配管28と接続される配管にバルブ72が設けられている。このバルブ70、72の開閉及び開度を調整することで、各部に供給する空気148の量を調整することができる。
【0025】
粉砕装置26は、バイオマスを粉砕する粉砕装置であり、フィーダ25から供給されたバイオマス140を微粉体に粉砕する。また、粉砕装置26には、空気供給配管21が接続されており、空気供給配管21から供給される空気148の力で粉砕したバイオマス140を搬送させる。つまり、粉砕装置26で粉砕されたバイオマス140は、空気搬送により、配管108を移動し、粉体分離装置27まで搬送される。粉体分離装置27は、バグフィルタや、サイクロンを有し、通過するバイオマス140を分離し、分級する。粉体分離装置27は、通過する粉砕されたバイオマス140のうち、大きさが一定以上のバイオマス140を粗粉142として供給配管28に供給する。また、粉体分離装置27は、通過するバイオマス140のうち、大きさが一定より小さいバイオマス140を微粉144として配管109により後述する電気集塵器55側に供給し、電機集塵器55に捕集させる。なお、粉体分離装置27に供給されるバイオマス140は、略全てが粗粉142となる。例えば、粉体分離装置27は、サイクロンによりバイオマス140に対して吹き上げる風を送り、風を吹き付けても落下する大きさが一定以上のバイオマス140を粗粉142として供給配管28に供給し、風によって吹き上げられた大きさが一定より小さいバイオマス140を微粉144として電気集塵器55に空気を供給する排ガス配管(電機集塵器55の直前)50に供給する。供給配管28は、粉体分離装置27から供給された粗粉142及び空気148をボイラ30のバイオマス用の燃焼バーナ34に供給する。なお、空気供給配管21から供給配管28に供給される空気148は、一次空気となる。
【0026】
次に、ボイラ30は、コンベンショナルボイラであって、バイオマスと化石燃料とを燃焼可能なボイラ本体31を有している。このボイラ本体31は、中空形状をなして鉛直方向に設置され、このボイラ本体31を構成する火炉壁の下部に燃焼装置32が設けられている。この燃焼装置32は、火炉壁に装着された複数の化石燃料用の燃焼バーナ33と、複数のバイオマス用の燃焼バーナ34とを有している。本実施形態にて、化石燃料用の燃焼バーナ33は、周方向に沿って4個若しくは8個配設されたものが上下方向に3〜6段配置されている。一方、バイオマス用の燃焼バーナ34は、複数の化石燃料用の燃焼バーナ33の下方であって、周方向に沿って4個若しくは8個配設されたものが上下方向に1段配置されている。なお、化石燃料用の燃焼バーナ33とバイオマス用の燃焼バーナ34の配置関係は上下逆であってもよい。また、各燃焼バーナ33、34にて、周方向の数は4個に限るものではなく、段数も4段や1段に限るものではない。さらに、各燃焼バーナ33、34を対向するように配置してもよい。
【0027】
そして、化石燃料用の燃焼バーナ33は、微粉炭供給部35が供給配管36を介して連結されるとともに、燃料油(または、燃料ガス)供給部37が供給配管38を介して連結されており、この場合、化石燃料として、微粉炭または燃料油を供給可能となっている。一方、バイオマス用の燃焼バーナ34は、バイオマス供給装置11からの供給配管28が連結されている。
【0028】
また、燃焼装置32は、各燃焼バーナ33、34に燃焼用空気を供給可能な空気供給配管39を有しており、この空気供給配管39は、基端部に送風機40が装着され、先端部がボイラ本体31の外周側に設けられた風箱41に連結されている。そのため、この風箱41に供給された空気を各燃焼バーナ33、34に供給することができる。
【0029】
ボイラ本体31は、上部に煙道42が連結されており、この煙道42に、対流伝熱部として排ガスの熱を回収するための、過熱器43、44、再熱器45、46、節炭器47、48、49が設けられており、ボイラ本体31での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
【0030】
煙道42は、その下流側に熱交換を行った排ガス150が排出される排ガス配管50が連結されている。この排ガス配管50は、空気供給配管39との間にエアヒータ51が設けられ、空気供給配管39を流れる空気148と、排ガス配管50を流れる排ガス150との間で熱交換を行い、燃焼バーナ33、34に供給する燃焼用空気を200〜300℃の範囲に昇温することが望ましい。
【0031】
また、空気供給配管39は、エアヒータ51より下流側の位置から分岐して、空気供給配管21が設けられている。この空気供給配管21は、塵や埃等の粒子状物質を除去可能な除塵装置52と、高温空気を昇圧可能なブロア53が装着されており、エアヒータ51で200〜300℃に加熱した空気をバイオマス供給装置11の供給配管28に供給することができる。
【0032】
なお、排ガス配管50は、エアヒータ51より上流側に位置して、選択還元型触媒54が設けられ、エアヒータ51より下流側に位置して、電気集塵機55、誘引送風機56、脱硫装置57が設けられ、下流端部に煙突58が設けられている。
【0033】
また、排ガス配管50の電気集塵機55の上流には、配管73が接続されている。配管73は、供給配管28、及び、粉砕装置26と粉体分離装置27との間の配管に接続されている。配管73は、電気集塵機55の上流との接続部と、供給配管28との接続部との間にバルブ74が配置され、電気集塵機55の上流との接続部と、粉砕装置26と粉体分離装置27との間の配管との接続部との間にバルブ76が配置されている。排ガス配管50を流れる排ガス150は、一部が配管73に供給され、搬送ガス150aとして配管73から、供給配管28、及び、粉砕装置26と粉体分離装置27との間の配管に供給される。また、バルブ74は、配管73から供給配管28への搬送ガス150aの供給量を調整する。また、バルブ76は、配管73から粉砕装置26と粉体分離装置27との間の配管への搬送ガス150aの供給量を調整する。
【0034】
また、発電装置60は、熱エネルギを電気に変換する変換機構である。配管ユニット62は、ボイラ30の過熱器43、44、再熱器45、46と、発電装置60とを接続する配管であり、過熱器43、44、再熱器45、46で過熱された蒸気を発電装置60に送り、発電装置60で熱交換した蒸気を過熱器43、44、再熱器45、46に送る。発電装置60は、過熱器43、44、再熱器45、46で過熱された蒸気から取り出した熱エネルギを電気に変換する。例えば、発電装置60は、タービンを有し、過熱蒸気のエネルギを利用してタービンを回転させ、電力を取り出す。
【0035】
以上より、発電システム10は、ボイラ30にて、送風機40を駆動して空気148を吸引すると、この空気148は、空気供給配管39を通してエアヒータ51で加熱された後に風箱41を介して各燃焼バーナ33、34に供給される。また、化石燃料としての微粉炭または燃料油は、供給配管36、38を通して化石燃料用の燃焼バーナ33に供給されるとともに、バイオマス供給装置11からのバイオマスは、供給配管28を通してバイオマス用の燃焼バーナ34に供給される。
【0036】
すると、化石燃料用の燃焼バーナ33は、燃焼用空気と化石燃料をボイラ本体31に噴射すると同時に着火し、また、バイオマス用の燃焼バーナ34は、燃焼用空気とバイオマスの微粉体をボイラ本体31に噴射すると同時に着火する。このボイラ本体31では、燃焼用空気、化石燃料、バイオマスが燃焼して火炎が生じる。ボイラ本体31内の下部で火炎が生じると、燃焼ガスがこのボイラ本体31内を上昇し、煙道42に排出される。
【0037】
このとき、図示しない給水ポンプから供給された水(ボイラ給水)は、節炭器47、48、49によって予熱された後、図示しない蒸気ドラムに供給され火炉壁の各水管(図示せず)に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、図示しない蒸気ドラムに送り込まれる。さらに、図示しない蒸気ドラムの飽和蒸気は過熱器43、44に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器43、44で生成された過熱蒸気は、配管ユニット62を通過して発電装置60に供給される。また、発電装置60での膨張過程の中途で取り出した蒸気は、配管ユニット62を通過して再熱器45、46に導入され、再度過熱されて配管ユニット62を通過して発電装置60に戻される。なお、ボイラ本体31をドラム型(蒸気ドラム)として説明したが、この構造に限定されるものではない。
【0038】
その後、煙道42の節炭器47、48、49を通過した排ガス150は、排ガス配管50にて、選択還元型触媒54でNOx等の有害物質が除去され、電気集塵機55で粒子状物質が除去され、脱硫装置57により硫黄分が除去された後、煙突58から大気中に排出される。
【0039】
次に、図1から図3を用いて、前処理ユニット19を構成するバイオマス供給タンク24及びフィーダ25における加熱手段について説明する。
ここで、図2は、前処理ユニットの概略構成の一部を示す模式図であり、図3は、バイオマス前処理ユニットのバイオマス供給タンクとフィーダとの概略構成図である。
まず、前処理ユニット19は、上述した、貯蔵サイロ20と、払い出しコンベア22と、搬送コンベア23と、バイオマス供給タンク24と、フィーダ25とを有すると共に、バイオマス供給タンク24及びフィーダ25内でバイオマスを加熱する加熱手段を有する。
【0040】
フィーダ25は、バイオマス供給タンク24と、粉砕装置26との間に配置されたスクリューフィーダであり、図示しない回転部と、この回転部の外周を覆い、バイオマスを保持する案内管と、回転部を回転させる駆動源とを有する。また、回転部は、外周にねじ溝が形成されたスクリューであり、回転することで、供給部から出口部へ向かう一方向にバイオマス140を搬送する。また、回転部は、中空の形状である。
【0041】
図2を用いて、バイオマスの加熱手段について説明する。
図2に示すように、バイオマス140を一時的に保管し、フィーダ25に供給するバイオマス供給タンク24には、蒸気(加熱前)203aが配管内に導入され、内部に貯蔵されたバイオマス140を間接的に加熱している。なお、図2中、符号を図示する。
また、フィーダ25には、ボイラ排ガス150の一部150bが供給され、粉砕装置26に供給されるバイオマスを直接的に加熱している。
図2においては、図1の要部を抽出したものであり、バイオマス供給タンク24と、フィーダ25と、粉体分離装置27と、ボイラ30とから構成されている。
なお、図2中、符号31aは火炉、31bは過熱器、再熱器を省略したボイラ部、203bは蒸気(加熱後)、201はボイラ30の熱交換部31からの主蒸気、202は高温再熱蒸気。203は低温再熱蒸気、204はボイラ給水、L11は蒸気の供給ライン、L12は蒸気の戻りライン、L21は排ガスの供給ライン、L22は排ガスの戻りラインを各々図示する。
【0042】
バイオマス供給タンク24内での加熱は、外部から供給される蒸気(本実施例では低温再熱蒸気203の一部)203aを熱媒体として用い、蒸気配管内に供給して、バイオマス供給タンク24内に貯蔵されたバイオマス140を間接的に加熱する。
ここで、本発明で、加熱媒体として、蒸気203aを用いるのは、排ガス150を用いる場合のような低温腐食を回避するためである。すなわち、排ガス150を配管内に導入してバイオマスを間接加熱するには、該排ガス150中に存在する硫黄(S)分が低温のバイオマスと熱交換する際に、配管内部において150℃以下となり、低温腐食が発生するので、好ましくないからである。
なお、バイオマスの間接加熱に寄与した蒸気は、低温再熱蒸気203側に戻すようにして、再利用している。
【0043】
また、フィーダ25内での直接加熱は、外部から供給されるボイラ排ガス150の一部150bを用いている。
この排ガスの一部150bは、フィーダ25のバイオマス出口部(粉砕装置)側からフィーダ25の内部に供給し、図示しないスクリューにより押し出されるバイオマスと対向接触しつつバイオマスを加熱するようにしている。
なお、フィーダ25の基端部25a側(バイオマス供給側)では、バイオマス供給タンク24からの供給ライン24bに連結しており、フィーダ25の先端部25b側(バイオマス排出側)では、粉体装置26へバイオマスを供給する供給ライン26aに連結している。
【0044】
本発明では、バイオマスの加熱をバイオマス供給タンク24で所定の温度(150℃)まで予備加熱し、その予備加熱されたバイオマスをフィーダ25の本体内部において、徐々に本加熱して、所定の脆化温度となるようにしている。
【0045】
図3は、バイオマス前処理ユニットのバイオマス供給タンクとフィーダとの概略構成図である。図3においては、バイオマス140の温度状態により、バイオマスの符号を140、140A〜140Cと変化させて説明する。
図3に示すように、バイオマス供給タンク24に供給された際のバイオマス140は、常温である。
次に、バイオマス供給タンク24内で蒸気配管24a内に供給された蒸気203aにより、貯蔵バイオマスは間接加熱(一次加熱)される。そして、バイオマス供給タンク24から供給ライン24bで排出される際の予熱バイオマス140Aの温度(T1)は、150℃以上としている。
これは、バイオマスを粉砕装置26へ送り出すフィーダ25では、対向して導入されるボイラ排ガスの一部150bによる直接加熱であるので、内部温度がおよそ150℃以下となると酸露点に達する可能性があるため、フィーダ25内での低温腐食を回避するためである。
よって、フィーダ25に導入する予熱バイオマス140Aの温度(T1)を150℃以上となるように、蒸気で間接加熱している。
【0046】
このように、ボイラ排ガスの一部150bをバイオマス140と対向して導入することにより、以下の効果を奏する。
排ガスの導入をバイオマスの搬送方向と逆方向にすることにより、同方向とする場合と比較して、効率よく熱交換することが可能となる。
すなわち、同じ交換熱量に対して、供給する排ガス量を減らすことが可能である。
また、排ガスを対向して導入する場合、フィーダ出口でのバイオマス温度は、排ガス供給温度に近づくため、排ガス供給温度を調整することにより、フィーダ出口でのバイオマス温度の調整が容易になる。
【0047】
次に、供給された予熱バイオマス140Aは、対向して導入される排ガスの一部150bにより直接過熱され、フィーダ25内部で加熱バイオマス140Bとなる。この加熱バイオマス140Bの下限温度(T2)は、150〜200℃以上とする。
この下限温度(T2)を150〜200℃以上とするのは、フィーダ25内部での低温腐食を回避するためと、バイオマスの脆化を促進させるためである。
【0048】
バイオマスは、150℃以上の温度にて脆化が期待でき、250〜300℃以上の温度にて石炭と混合粉砕可能なレベルの粉砕性となるが、あまり高温側で加熱すると、可燃分が多く発生することによりバイオマスの熱量が低下することとなる。
【0049】
また、250〜300℃の温度で加熱すると、バイオマスの熱分解が進み、熱分解ガスとタールが発生し、フィーダ25内部に付着するため、フィーダ25の内部の加熱温度を少なくとも150〜200℃以上に保ち、好ましくは250〜300℃以下の加熱とすることにより、タールの凝縮を防ぐようにしている。
さらに、バイオマスの加熱温度は、加熱によるバイオマスの熱量低下分と、脆化によるミル動力低減分のバランスより決定するため、200〜250℃の温度にて加熱するのが好ましい。
【0050】
この結果、フィーダ25内部で加熱されて粉砕装置26に払いだされる際の供給ライン26aの加熱済バイオマス140Cの温度(T3)は、200〜250℃となるように制御している。
なお、加熱済バイオマス140Cは粉砕装置26で粉砕され、粉砕バイオマス140Dとして、図1に示す粉体分離装置27側に供給される。
【0051】
また、加熱に用いたバイオマス加熱後排ガス150cは、加熱によるバイオマス由来の可燃分が含まれているので、ボイラ火炉内に供給することで、可燃分の有効利用を図ることができる。この際、バイオマス加熱後排ガス150cをボイラ50の燃焼空気に混合して燃焼空気として用いてもよい。また、排ガス処理設備へ戻すことも可能である。
【0052】
本実施例に係る加熱手段は、以上のような構成であり、バイオマス供給タンク24での間接加熱(一次加熱)と、フィーダ25内での直接加熱(二次加熱)との2段加熱である。
間接加熱で予備加熱して、フィーダ25に供給する際に、下限値150℃とした予熱バイオマス140Aとすることで、フィーダ25内でのバイオマスの温度が150℃以上となり、フィーダ25内をバイオマスと対向する排ガスの一部150b中の硫黄(S)分による低温腐食を回避することができる。
【0053】
すなわち、150℃以上にバイオマスを予熱することで、フィーダ25内部の温度の下限値が150℃となり、フィーダ25内部での低温腐食が回避されることとなる。
そして、フィーダ25内で、ボイラ排ガスの一部150aで直接加熱する際のガスの温度が300〜350℃であるので、バイオマス140の脆化が進行し、粉砕が容易となる。この結果、ボイラ30でバイオマスをより効率よく燃焼できる状態とすることができる。
【0054】
第1及び第2の温度計測部121、122は、フィーダ25の基端部25a側と先端部25b側との二箇所に設置し、当該部分のバイオマス140の雰囲気温度、あるいはバイオマス自身の温度を計測する手段とするのが好ましい。第1及び第2の温度計測部121、122は、計測したバイオマス140の温度を制御部130に送る。
【0055】
制御部130は、第1及び第2の温度計測部121、122での計測結果に基づいて、バイオマス供給タンク24に供給する間接加熱の熱源である蒸気203a、及び直接加熱の熱源である排ガスの一部150bの動作を制御する。
図3に示すように、排ガスの一部150bを供給するガス供給ラインL21に介装されたバルブ123の調節により、流量の調整をして、温度が所定の温度となるようにしている。
また、制御部130は、その他、各種機構の動作を制御する。
【0056】
前処理ユニット19は、以上のような構成であり、間接加熱手段によりバイオマス供給タンク24内でバイオマスの予備加熱をし、直接加熱手段によりフィーダ25内でバイオマスの脆化のための加熱をする。
また、前処理ユニット19は、制御部130が、第1及び第2の温度計測部121、122での温度の計測結果に基づいて、加熱手段の動作を制御し、バイオマス140の温度を制御することで、排出されるバイオマス140の温度を、一定範囲、具体的には、非炭化温度の範囲となる状態で排出する。
【0057】
ここで、非炭化温度の範囲とは、バイオマス140が炭化してない状態で、脆くなり、かつ、排出されるタールを一定濃度以下となる温度である。
【0058】
ここで、図4は、バイオマスの温度と、各成分の割合との関係を示すグラフであり、図5は、粉砕動力比と所定粒径までの粉砕時間との関係を示すグラフである。図4は、縦軸を重量割合[%]とし、バイオマスを各温度に加熱した場合(加熱前、150℃、200℃、250℃、300℃)の各成分の重量割合の関係を示している。また、図5は、縦軸をミル(粉砕装置)における所定粒径までの推定粉砕動力比をとし、横軸をボールミル(粉砕装置)での所定粒径までの粉砕時間[s]とした。なお、図4には、木質ペレットAを、生の状態(加熱前)、150℃、200℃、250℃、300℃の加熱した状態にした場合の、推定粉砕動力比と、ボールミル(粉砕装置)での所定粒径までの粉砕時間との関係を計測した結果を示す。また、図5には、比較のため、加熱していない木質チップA、木質チップB、木質ペレットBのそれぞれについても推定粉砕動力比と、ボールミル(粉砕装置)での所定粒径までの粉砕時間との関係を計測した結果も示す。
【0059】
バイオマスは、図4に示すように、加熱される温度により、成分の割合が変化し、一定の温度を超えるとタールが析出される。また、バイオマスは、高い温度に加熱するほど、もろくなる。具体的には、木質ペレットを加熱するとボールミル(粉砕装置)での所定粒径までの粉砕時間が加熱していない木質ペレットの粉砕時間よりも短くなる。さらに、木質ペレットを加熱する温度を高くすると粉砕時間がさらに短くなる。
【0060】
例えば、図5に示すように、木質ペレットAは、150℃に加熱するとボールミル(粉砕装置)での所定粒径までの粉砕時間が加熱していない木質ペレットBの粉砕時間よりも短くなる。さらに、木質ペレットAを200℃、250℃と加熱する温度を高くすると粉砕時間がさらに短くなる。ここで、ミル(粉砕装置)における所定粒径までの推定粉砕動力比は、粉砕時間に比例するため、粉砕時間が短くなることで、粉砕に必要な動力も少なくなる。以上より、バイオマスは、温度を高くするほど粉砕しやすくなる。なお、非炭化温度の範囲、つまり、タールによる影響を抑制しつつ、バイオマスが粉砕しやすくなる最適な温度は、バイオマスの種類によって異なる温度範囲、温度となる。ここで、バイオマスの温度範囲は、150℃以上250℃以下の温度とすることで、排出されるタールをより確実に低減すること、例えば、バイオマス全量の20%以下の発生量)とすることができ、バイオマスをタールによる影響を抑制しつつ、粉砕しやすくすることができる。なお、バイオマスの温度範囲の150℃以上250℃以下は、タールの発生をより確実に減らすことができ、かつ、粉砕時間を十分に短くすることができる温度となる。
【0061】
以上の関係に基づいて、前処理ユニット19は、バイオマス140が脆くなり、かつ、排出されるタールが一定濃度以下となる温度である、非炭化温度の範囲でバイオマス140を加熱する。
【0062】
なお、図4及び図5に示す例では、前処理ユニット19は、バイオマス140を150℃から250℃の間の温度に加熱する。これにより、前処理ユニット19は、タール等の揮発性ガスが排出される影響を抑制しつつ、さらには、タールの発生を抑制しつつ、バイオマスを粉砕しやすくすることができる。前処理ユニット19は、バイオマスを粉砕しやすい状態にして、フィーダ25の排出口から粉砕装置26に排出(供給)する。粉砕装置26に搬送されたバイオマスは、粉砕装置26で粉砕される。この際に、粉砕装置26には、前処理ユニット19で非炭化温度に加熱されたバイオマス140が供給されるため、少ない動力、かつ短時間で所定の粒径に粉砕することができる。また、前処理ユニット19は、バイオマス140を非炭化温度の範囲に加熱するため、加熱により発生するタールを一定濃度以下とすることができ(つまり、タールが一定濃度より多く排出されることを抑制することができ)、タールの発生により、バイオマスの搬送効率が低下したり、前処理ユニット19の各部に付着したりすることを抑制することができる。以上より、前処理ユニット19及びバイオマス供給装置11は、効率よくバイオマスを粉砕することができる。また、前処理ユニット19の周囲または内部に加熱する機構を設けるのみであるため装置構成を簡単にすることができる。さらに、タール等の揮発性ガスの発生を抑制することができるため、発生したタールを適切にボイラ30で燃焼させることができ、装置へのタールの付着を抑制することができ、装置のメンテナンス等も簡単にすることができる。ここで、バイオマスの温度は、150℃以上250℃以下とすることで、タールの発生をより確実に抑制することができ、上記効果をより確実に得ることができるが、非炭化温度とすることで、タール等の揮発性ガスが排出される影響を抑制しつつ、粉砕性を向上できる。
【0063】
また、前処理ユニット19で、バイオマス140を非炭化温度の範囲に加熱することで、バイオマス140を乾燥させることができる。これにより、前処理ユニット19は、粉砕装置26への投入時には、バイオマスを乾燥した状態にすることができ、粉砕装置26での乾燥を省略することができる。これにより、粉砕装置26に供給する空気として種々の空気を用いることができ、常温の空気も用いることができる。
【0064】
バイオマスの加熱手段は、バイオマスを非炭化温度の範囲に加熱することができればよく、加熱手段自体は、非炭化温度よりも高い温度になってもよい。
【0065】
また、前処理ユニット19の加熱媒体として、間接加熱の蒸気203aは、低温再熱蒸気203の一部を利用し、間接加熱に寄与した後には、再度戻しているので、発電システム10の全体としての効率をより高くすることができ、発生した熱を有効活用することができる。
【0066】
また、制御部130は、第1及び第2の温度計測部121、122の計測結果に基づいて、フィーダ25の出口の近傍のバイオマスが非炭化温度となるように、加熱手段の加熱動作と、フィーダ25によるバイオマスの搬送動作とを制御する。具体的には、加熱手段による加熱量(例えば、排ガスの供給量)、フィーダ25によるバイオマスの搬送速度等を制御する。なお、バイオマスの搬送速度は、回転部の回転速度、回転部のスクリューの角度の変更により制御する。また、制御部130は、目標とする非炭化温度と、その非炭化温度のときに温度計測部120で計測される温度との関係を予め実験等で算出しておき、算出した結果と温度計測部120で計測される温度とに基づいて、各部の動作を制御することが好ましい。これにより、バイオマスを適切に非炭化温度とすることができる。なお、温度計測部120により温度計測位置は、本実施形態のように加熱手段が配置されている領域の出口の近傍とすることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。また、温度計測部120を設けずに、設定した条件に基づいて加熱動作を制御し、バイオマスを非炭化温度にするようにしてもよい。
【0067】
以上述べたように、本発明によれば、バイオマスの2段階の加熱前処理により、粉砕性が向上し、粉砕装置での粉砕動力の低下や石炭との混合粉砕が期待できる。また、粉砕装置における粉砕時の乾燥が不要になるため、粉砕用ガスとして常温空気を使用することができ、安全性も向上する。また、一次加熱をする場合には、蒸気による間接加熱であるので、排ガスを用いる際のような低温腐食を回避することができる。また、一次加熱を150℃以上として、フィーダに供給することで、二次加熱であるフィーダ内で排ガスを用いた直接加熱をしても、低温腐食が回避され、良好な脆化が可能となる。
【0068】
次に、図6を用いて、他の実施形態の前処理ユニット及びバイオマス貯蔵ユニットについて説明する。ここで、図6は、発電システムの他の実施形態の概略構成を示す模式図である。図6に示す発電システム240は、バイオマス・石炭混焼の発電システムである。つまり、図6は、石炭の供給装置の概略構成も示す発電システムである。なお、図6では、発電装置の図示を省略している。
【0069】
図6に示すように、発電システム240は、バイオマスを貯留し、排出前に非炭化温度に2段階で加熱する前処理ユニット19と、前処理ユニット19で非炭化温度に加熱したバイオマスを粉砕するバイオマスの粉砕装置26と、粉砕装置26で粉砕したバイオマスを燃焼バーナ34に供給する配管249と、石炭250を受け入れるホッパ251a、251bを備えた石炭の粉砕装置252a、252bと、石炭の粉砕装置252a、252bにて得られた石炭粉体を燃焼バーナ33に供給する配管253と、を備える。また、発電システム240は、さらに、ボイラ本体31、対流伝熱部として排ガスの熱を回収するための、過熱器43、44、再熱器45、46等、図1のボイラ30と同様の構成の各部を備えている。
【0070】
また、ボイラ本体31には、炉本体の炉出口に設けた煙道の途中には空気加熱器(AH)262が配置され、空気加熱器262を通った燃焼排ガスは、灰捕集装置等の排ガス処理設備(図示せず)を経て大気放出される。空気加熱器262によって外気263を加熱して生成した高温空気264は石炭の粉砕装置252a、252bに供給され、石炭250の乾燥に用いられる。また燃焼排ガスの一部265は、誘引ファン266により粉砕装置26に供給され、バイオマスの分級に用いられる。
【0071】
このようにバイオマス・石炭混焼の発電システムによれば、本発明に係るバイオマス前処理ユニットを備えたバイオマス粉砕装置を備えることで、バイオマス粉砕が良好となる。この結果、バイオマスの粉砕が良好になり、石炭粉砕装置からの石炭の微粉炭との混合燃焼が良好となり、ボイラ火炉での効率的な燃焼が可能となる。
【符号の説明】
【0072】
10 発電システム
11 バイオマス供給装置
19 バイオマス前処理ユニット
20 貯蔵サイロ
21 空気供給配管(空気供給系)
22 払い出しコンベア
23 搬送コンベア
24 バイオマス供給タンク
25 フィーダ
26 粉砕装置(ミル)
27 粉体分離装置
28 供給配管
30 ボイラ
31 ボイラ本体
32 燃焼装置
33 化石燃料用の燃焼バーナ
34 バイオマス用の燃焼バーナ
39 空気供給配管
42 煙道
51 エアヒータ
52 除塵装置
53 ブロア
60 発電装置
62 配管ユニット
121 第1の温度計測部
122 第2の温度計測部
130 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスを粉砕する粉砕装置にバイオマスを供給するバイオマス前処理ユニットであって、
前記バイオマスをフィーダに供給するバイオマス供給タンクと、
前記バイオマス供給タンク内を間接加熱してバイオマスを予熱する間接加熱手段と、
前記バイオマス供給タンク内で予熱加熱された予熱バイオマスを粉砕装置に供給するフィーダと、
前記フィーダの粉砕装置側の端部から、内部にボイラ排ガスを導入し、フィーダ内で予熱バイオマスを所定温度まで加熱しつつ脆化させる直接加熱手段とを具備することを特徴とするバイオマス前処理ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記フィーダ内での直接加熱温度が、バイオマスを非炭化温度の範囲であることを特徴とするバイオマス前処理ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記間接加熱手段が低温再熱蒸気であることを特徴とするバイオマス前処理ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記直接加熱手段がボイラからの排ガスであることを特徴とするバイオマス前処理ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記フィーダ内で加熱に寄与したバイオマス加熱後排ガスをボイラ火炉内に供給する供給することを特徴とするバイオマス前処理ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つのバイオマス前処理ユニットを備えたバイオマス粉砕装置と、
石炭原料を粉砕する石炭粉砕装置と、
バイオマス粉砕装置で粉砕されたバイオマス粉体と、石炭粉砕装置で粉砕された石炭粉体とが供給されるボイラ火炉とを具備することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−88033(P2013−88033A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229265(P2011−229265)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】