説明

バイポーラプレート及び該バイポーラプレートを含む再生型燃料電池積層体

バイポーラプレート、及び、交互に積層されるバイポーラプレートと膜電極アセンブリ(MEA)とを含む再生型燃料電池積層体。バイポーラプレートは導電材料から形成されるプレート本体を備える。プレート本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。各表面は、流体が通過する反応フローチャネルを有する。第1の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有する。第2の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン、又は、対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターン、例えば蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再生燃料電池積層体アセンブリの流体分配プレートに関する。より具体的には、本開示は、様々な流路形態とシャント電流抑制チャネルとを有する再生燃料電池積層体アセンブリのバイポーラプレートに関する。更に、本開示は、再生燃料電池積層体アセンブリの一部としてバイポーラプレート間に挟まれる膜電極アセンブリ(MEAs)に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池積層体アセンブリは、流体反応物質を含む燃料を電流へ変換する。燃料電池積層体は、導電流体分配プレートとそれぞれが2つの導電流体分配プレート間に挟まれる膜電極アセンブリとの幾つかの繰り返される単位を含む。導電流体分配プレートは、バイポーラプレートと呼ばれ、流体反応物質を流体分配プレートにわたって均一に且つ滑らかに分配するように形成される。流体反応物質を分配する分配プレート内の流路チャネルの流路パターンは、多くの種類のうちの1つとなり得る。流路チャネルの特定の寸法、流路チャネルを形成するリブ、及び、流路チャネルの全体のサイズは、流体特性、温度、圧力、及び、定格電力要求の関数である。
【0003】
ポンプが、流体分配プレート内の流路チャネルを通じた流体反応物質の流れを発生させてもよい。分配プレート内の流路チャネル内での流体反応物質の流量を減少させることが有利であり、これは、ポンプの循環ポンプ電力定格が流量の直線的な関数であり、また、ポンプの電力消費量の減少によって、燃料電池積層体アセンブリの電流発生の全体のプロセスの効率が高められるからである。
【0004】
シャント電流は、燃料電池積層体アセンブリにおいて寄生電流損失をもたらす。シャント電流は、流体分配プレートへ流体を分配するマニホールド供給チャネルでイオン溶液の電気分解によってもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当該技術分野においては、流体反応物質の分配を維持しあるいは増大させつつ流体分配プレートにおける流体反応物質の流量を減少させる流路パターンに関する必要性がある。更に、燃料電池積層体アセンブリにおけるシャント電流を減少させる必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、導電材料から形成されるプレート本体を備えるバイポーラプレートに関する。プレート本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。各表面は、流体が通過する反応フローチャネルを有する。第1の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有する。第2の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン、又は、対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターン、例えば蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する。
【0007】
また、本開示は、導電材料から形成されるプレート本体を備えるバイポーラプレートに関する。プレート本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。各表面は、流体が通過する反応フローチャネルを有する。マニホールドが、反応フローチャネルへ流体を導入するための入口及び反応フローチャネルから流体を排出するための出口の形態を成してプレート本体に形成される。反応フローチャネルとマニホールドとを接続するために接続チャネルがプレート本体に形成される。第1の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有する。第2の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン、又は、対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターン、例えば蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する。
【0008】
接続チャネルは、シャント電流を減少させる内部イオン溶液レジスタを形成するのに十分な反応フローチャネルからマニホールドまでの長さを有する。
【0009】
反応フローチャネルとマニホールドとを接続するためにプレート本体に形成される接続チャネルに関しては、バイポーラプレートが積層されるときにバイポーラプレートをシールするためのガスケットが取り付けられる。接続チャネルは、プレート本体が積層されるときにプレート本体の第1の表面及び第1の表面と反対側の第2の表面の両方の平坦領域が互いに対向するように形成され、また、ガスケットがプレート本体の平坦な表面に取り付けられる。
【0010】
更に、本開示は、バイポーラプレートのためのフレームに関する。フレームは絶縁材料から形成されるフレーム本体を備える。フレーム本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。フレーム本体は、それを貫通する開口を有する。バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために接続チャネルがフレーム本体に形成される。バイポーラプレートが開口内に位置する。バイポーラプレートは、フレーム本体に形成される接続チャネルとバイポーラプレートの反応フローチャネルとを介してフレームに接続される。フレーム本体に形成される接続チャネルはマニホールドに接続される。
【0011】
更にまた、本開示は、複数の膜電極アセンブリと、複数のバイポーラプレートとを備える再生型燃料電池積層体に関する。複数のバイポーラプレートは、導電材料から形成されるプレート本体を備える。プレート本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。各表面は、流体が通過する反応フローチャネルを有する。第1の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有する。第2の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン、又は、対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターン、例えば蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する。複数の膜電極アセンブリは複数のバイポーラプレートと交互に積層される。
【0012】
また、本開示は、複数の膜電極アセンブリと、複数のバイポーラプレートとを備える再生型燃料電池積層体に関する。複数のバイポーラプレートは、導電材料から形成されるプレート本体を備える。プレート本体は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを有する。各表面は、流体が通過する反応フローチャネルを有する。マニホールドが、反応フローチャネルへ流体を導入するための入口及び反応フローチャネルから流体を排出するための出口の形態を成してプレート本体に形成される。反応フローチャネルとマニホールドとを接続するために接続チャネルがプレート本体に形成される。第1の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有する。第2の表面上の反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン、又は、対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターン、例えば蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する。複数の膜電極アセンブリは複数のバイポーラプレートと交互に積層される。
【0013】
更に、本開示は、複数のバイポーラプレートと、複数の膜電極アセンブリとを備える再生型燃料電池積層体に関する。複数の膜電極アセンブリは、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置される固体電解質膜とを備える。陰極は、支持体と、該支持体に分散される触媒とを備え、触媒が少なくとも1つの貴金属を備える。陽極は、支持体と、該支持体に随意的に分散される触媒とを備え、触媒は、カーボン粉末を備え、又は、カーボン粉末を伴う少なくとも1つの貴金属を備える。陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、同じでありあるいは異なっているとともに、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる。複数の膜電極アセンブリは複数のバイポーラプレートと交互に積層される。
【0014】
本開示の更なる目的、特徴、及び、利点は、以下の図面及び詳細な説明を参照することにより理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示に係る燃料電池積層体及びその構成要素の断面である。
【0016】
【図2】本開示に係る蛇行流路パターンを有するバイポーラプレートを示している。
【0017】
【図3】本開示に係る対向櫛型流路パターンを有するバイポーラプレートを示している。
【0018】
【図4】蛇行流れパターンを成す液体流におけるシミュレーション結果を示している。
【0019】
【図5】対向櫛型流路パターンを成す液体流におけるシミュレーション結果を示している。
【0020】
【図6】接続チャネルが内部に埋め込まれたバイポーラプレートを示している。
【0021】
【図7】絶縁層が間に介在される図6の一対のバイポーラプレートを示している。
【0022】
【図8】絶縁層及び挿入体が間に介在される図7の一対のバイポーラプレートの断面図である。
【0023】
【図9】接続チャネルが内部に成形されたフレームを示している。
【0024】
【図10】Oリング封止剤が間に介在される図9のフレームにおける一対のバイポーラプレートのそれぞれの断面図を示している。
【0025】
【図11】本開示の二重燃料電池積層体アセンブリを示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示のバイポーラプレートは導電材料から形成される。バイポーラプレートは、第1の側と、第1の側と反対側の第2の側とを有する。
【0027】
バイポーラプレートの第1の側は、再生燃料電池積層体アセンブリのバイポーラプレートを通じて流体を導くために、導電材料内に配置され、導電材料中に成形され、あるいは、導電材料に形成される第1の流体チャネルを有する。第1の流体チャネルは、入口チャネルと流体連通する入口ポートと、出口ポートと流体連通する出口チャネルとを有する。入口チャネルと出口チャネルとの間には、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブが配置される。
【0028】
バイポーラプレートの第2の側は、再生燃料電池積層体アセンブリのバイポーラプレートを通じて流体を導くために、導電材料内に配置され、導電材料中に成形され、あるいは、導電材料に形成される第2の流体チャネルを有する。第2の流体チャネルは、第2の入口チャネルと流体連通する第2の入口ポートと、第2の出口ポートと流体連通する第2の出口チャネルとを有するのが好ましく、第2の入口チャネルと第2の出口チャネルとの間には、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブが配置されるのが好ましい。第2の流体チャネルは、第2の出口ポートを有する第2の出口チャネルに接続される第2の入口チャネルの第2の入口ポートを有し、また、第2の入口チャネルと第2の出口チャネルとの間には、蛇行流路パターンを形成する複数のリブが配置されるのが好ましい。対向櫛型流路パターンは、他のパターンと比べて約10%〜約50%反応物質の所要流量を減らすことができる。
【0029】
一実施例において、第1の流体チャネルは、導電材料の第1の側に形成される溝に接続される。溝は、第1及び第2の端部を有する接続チャネルを形成する絶縁材料を内部に有して成り、第1の端部は第1の流体チャネルに接続され、第2の端部は第1の流体チャネルへ流体を分配するマニホールドに接続される。
【0030】
接続チャネルは、シャント電流を減少させる内部イオン溶液レジスタを形成するのに十分な、マニホールドから第1の流体チャネルまでの長さあるいは距離を有することが好ましい。接続チャネルは、開放するのが好ましく、それにより、第1の側に開口を形成する。第1の流体チャネルの開口が絶縁層によって覆われるのが好ましい。絶縁層は、第2の分配プレートを第1の分配プレートから電気的に分離する。また、絶縁層は、一般に、第1の流体チャネルの少なくとも一部が絶縁層によって覆われないように絶縁層開口も有する。
【0031】
本開示のバイポーラプレートは、絶縁材料から形成されるフレームを含むことができる。フレームは、第1のフレーム側と、第1のフレーム側と反対側の第2のフレーム側とを有する。第1のフレーム側は、流体を分配するマニホールドに接続するために絶縁材料に形成される接続チャネルを有する。フレームは、絶縁材料によって取り囲まれるフレーム開口が貫通されて成る。
【0032】
絶縁材料は非導電性高分子であってもよい。フレームはバイポーラプレートに接続されてもよく、また、バイポーラプレートはフレーム開口内に位置される。フレームを第1の側でOリングに接続することができる。バイポーラプレートは、第1の側と第1の側の反対側の第2の側とを有する導電材料から形成されてもよく、フレームは、フレームとバイポーラプレートとを接続するバイポーラプレートの外周で第1の側及び第2の側の一部を取り囲む。
【0033】
(燃料電池積層体)
図1を参照すると、燃料電池積層体アセンブリ5の断面図が示されている。燃料電池積層体アセンブリ5は、固定プレート10と、絶縁プレート15と、電流コレクタ20と、絶縁流体分配マニホールド25と、バイポーラプレート又はバイポーラプレート(BPPプレート)30と、膜電極アセンブリ(MEA)35と、封止剤36とを含む。燃料電池積層体アセンブリ5によって発生される電力は燃料電池積層体に組み込まれる電池の数によって決定され、各電池は、BPPプレート30のうちの2つの間のMEAプレート35のうちの1つと、プレートの物理的な活性領域とを含む。
【0034】
BPPプレート30は、燃料電池積層体アセンブリ5内の液体及び/又は気体を導く。BPPプレート30のそれぞれは第1の側31及び第2の側32を有する。BPPプレート30は、それぞれが1つ以上のチャネルを有するチャネル付きプレートである。1つ以上のチャネルは所定の形状の流路パターンを有する。第1の側31は、気体の流れを方向付けるチャネルを有してもよく、一方、第2の側32は液体の流れを方向付ける。BPPプレート30のそれぞれは、例えば金属又は複合グラファイトなどの導電材料から形成される。BPPプレート30の材料は、内部で方向付けられる流体に対して化学的に不活性である。BPPプレート30の使用できるサイズは、約5平方センチメートルから約1000平方センチメートル(cm)まで、好ましくは約100平方センチメートルから約750平方センチメートルの範囲、より好ましくは約500平方センチメートルから約530平方センチメートルまで様々となり得る。
【0035】
固定プレート10は、燃料電池積層体アセンブリ5の構造全体を固定位置に保持する。絶縁プレート15は、固定プレート10のそれぞれを電流コレクタ20から分離する。電流コレクタ20は、燃料電池積層体アセンブリ5の電力入力/電力出力のための結合点である。
【0036】
流体が絶縁流体分配マニホールド25内に流れ込む。絶縁流体分配マニホールド25は、直列に接続されたそれぞれのBPPプレート30内へと流体を方向付ける。燃料電池積層体アセンブリ5内の電池は、一般に、特定の電圧出力に達するべく直列に組み合わされる。流体は、直列に接続されるそれぞれの電池を通過すると、その後、絶縁流体分配マニホールド25の反対側を通じて流出する。BPP30のそれぞれの側には2つの絶縁流体分配マニホールド25が存在し、それらのマニホールドの役割は、流体が単一のBPPの同じ側から流れるようにすることである。
【0037】
ここで図2を参照すると、蛇行流路パターンを有するBPPプレート30のうちの1つが示されている。BPPプレート30はチャネル40を有する。BPPプレート30は、1つの入口ポート110と、流体輸送のための1つのチャネル115と、複数のリブ120と、出口ポート125とを有する。複数のリブ120はそれらの間にチャネル115を形成する。流体は、入口ポート110を通じてチャネル115に入って、出口ポート125を通じてチャネル115から出る。本開示の蛇行流路パターンは、チャネル115を通じて流れる流体が水素ガスである燃料電池積層体アセンブリ5の電池の水素ガス側のために使用されてもよい。
【0038】
ここで図3を参照すると、対向櫛型流路パターンを有するBPPプレート30のうちの1つが示されている。BPPプレート30はチャネル40を有する。BPPプレート30は、入口ポート210と、入口チャネル215と、出口チャネル220と、複数のリブ225と、出口ポート230とを有する。流体は、入口ポート210に入って入口チャネル215を完全に満たす。確固たるリブ225が入口チャネル215を出口チャネル220から分離するため、流体は、出口チャネル220に再び加わって出口ポート230を通じて出る前に、多孔質MEA35電極が位置されるリブの上端を流れなければならない。対向櫛型流路パターンは、BPPプレート30のうちの1つの液体側のために使用されてもよい。
【0039】
BPPプレート30のそれぞれは、BPPプレートを形成する材料中にスタンピング加工される例えば蛇行流路パターン又は対向櫛型流路パターンを有するチャネル40を有してもよい。反応物質の均一な流れが、絶縁流体分配マニホールド25から燃料電池積層体アセンブリ5の各電池へと、BPPプレート30のチャネル40で電池にわたって均一に分配されつつ成され、それにより、電池にわたって及び電池間で均一な電流密度及び電圧分布が達成されるのが望ましい。
【0040】
本開示により、図3に示される対向櫛型流路パターンは、他の流路、例えば図2に示されるような蛇行流路パターンよりもかなり良好な性能を各BPPプレート30の液体側で有することが分かった。対向櫛型流路パターンで各BPPプレート30の入口チャネル215及び出口チャネル220を通じて流れる液体媒体中の反応物質の分配が促進され、それにより、電池の性能を維持しあるいは上回りつつ、対向櫛型流路パターンでの液体媒体の流量を減らすことができる。液体媒体の流量の減少は有利であり、これは、循環ポンプ電力定格が流量の直線的な関数であり、また、電力消費量の減少によって、燃料電池積層体アセンブリ5の全体のプロセスの効率が高められるからである。
【0041】
(シャント電流)
図1に戻って参照すると、シャント電流は、燃料電池積層体アセンブリ5と同様の燃料電池積層体アセンブリにおいて寄生電流損失をもたらす。シャント電流は、流体をBPPプレート30へ分配するマニホールド供給チャネルで、流体、例えばイオン溶液の電気分解によってもたらされる。図6〜図10に示されるように、シャント電流を減らすために、接続チャネル又はシャント電流抑制チャネル(SCSC)315が加えられる。イオン溶液が絶縁流体分配マニホールド25から各BPPプレート30のチャネル40へと通過する経路を増大させることにより、内部イオン溶液レジスタが形成される。SCSC315の長さ及び断面積は、絶縁流体分配マニホールド25の両端間の電位、イオン溶液の導電率、及び、最大許容シャント電流によって決定される。
【0042】
例えば塩の溶液又は酸/塩基水溶液などのイオン移動液を組み入れる燃料電池積層体アセンブリ5において、絶縁チャネルは、イオン移動液の反応物質をBPPプレート30のバイポーラプレート流路の内外に方向付けてシャント電流現象を回避するために使用されなければならない。高電圧は、燃料電池積層体アセンブリ5のサイズに対する更なるもう一つの制限であり、これは、シャント電流現象が積層体電圧に伴って増大するからである。燃料電池積層体アセンブリ5の全電圧は、直列に接続されるBPPプレート30の数と、各BPPプレート30が発生する電圧とによって決定される。各BPP30によって1ボルトが生み出される125個の直列のBPP30積層体を有する燃料電池積層体5を例として挙げると、全体の積層体電圧は125ボルトである。
【0043】
本開示は、絶縁流体分配マニホールド25レベル及びBPPプレート30レベルでシャント電流を減少させるための2つの方法について説明する。2つの方法は、BPPプレート30のうちの1つ以上において一体型又は埋め込み型SCSC315を含むとともに、BPPプレート30のうちの1つ以上においてフレーム状のあるいはオーバーモールドされたSCSC315を含む。
【0044】
SCSC315は、約125個の電池におけるシャント電流レベルを約1%未満(約125ボルト)に維持するように形成されてもよい。
【0045】
(一体型又は埋め込み型SCSC)
ここで図6を参照すると、SCSC315を有するBPPプレート30のうちの1つが示されている。SCSC315の第1の接続チャネル306が絶縁流体分配マニホールド25への入口310に接続される。SCSC315の第2の接続チャネル307が絶縁流体分配マニホールド25への出口330に接続される。例えば塩の溶液又は酸/塩基水溶液などの流体が、接続チャネル306からBPPプレート30のうちの1つのチャネル40へと直接に流れる。流体は、チャネル40から、出口330への第2の接続チャネル307へと直接に流れる。接続チャネル306は入口チャネル320に接続し、接続チャネル307は、チャネル40の対向櫛型流路パターンの出口チャネル325に接続する。
【0046】
ここで図7及び図8を参照すると、SCSC315は、例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)又はポリテトラフルオロレエチレン(PTFE)などの絶縁材料から形成される。流体をSCSC315へ分配する絶縁流体分配マニホールド25の導管は、例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)又はポリテトラフルオロレエチレン(PTFE)などの絶縁材料から形成されてもよい。絶縁流体分配マニホールド25の導管は、平坦な封止剤及び/又はPVDF挿入体によって絶縁されてもよい。図8に示されるように、SCSC315は、BPPプレート30の1つ以上の溝345内に位置する絶縁材料の挿入体、例えば機械加工された取付具であってもよい。絶縁材料は、例えばグラファイトなどのBPPプレート30の材料の腐食を減少させあるいは排除してもよい。SCSC315は、上端が開放されており、平坦なガスケット312によってシールされる。図7に示されるように、平坦なガスケット312はまた、BPPプレート30の第1のBPPプレート355をBPPプレート30の隣接する第2のBPPプレート365から電気的に分離する。図8は、BPPプレート30の溝付きの第1のバイポーラプレート355の断面を示しており、SCSC315が溝345内に位置し、ガスケット312が、SCSC315をシールするとともに、第1のBPPプレート355を第2のBPPプレート365から電気的に分離する。
【0047】
第1の接続チャネル306及び第2の接続チャネル307は、容易であり、正確に組み付けることができる。第1の接続チャネル306は、チャネル40から入口310を絶縁分離する役目を果たし、また、第2の接続チャネル307は、チャネル40から出口330を絶縁分離する役目を果たし、複雑な絶縁パイプの使用が不要になる。また、シール及び電気的絶縁の両方において平坦なガスケット312の使用は、この技術の簡潔さである。
【0048】
(フレーム状のあるいはオーバーモールドされたSCSC)
ここで図9を参照すると、フレーム420に形成されるSCSC315の一例が示されている。流体をSCSC315へ分配する絶縁流体分配マニホールド25への入口310及び出口330がフレーム420に形成されてもよい。SCSC315と、流体をSCSC315へ分配する絶縁流体分配マニホールド25への入口310及び出口330とを含むフレーム420は、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)又はポリテトラフルオロレエチレン(PTFE)(又は、非常に低い電子伝導率を伴う高分子とカーボンとの混合物)などの絶縁材料から形成されてもよい。フレーム420はBPPプレート30とは別個のものである。フレーム420は、BPPプレート30のうちの1つと同時にあるいはそれよりも遅くオーバーモールドされる。
【0049】
ここで図10を参照すると、フレーム420を含むBPPプレート30は、フレーム420を伴わないBPPプレートよりも小さい面積を有する。フレーム420を含むBPPプレート30は、端部がフレーム420に接続するチャネル40を有する。フレーム420を含むBPPプレート30は、流体がSCSC315とチャネル40との間を流れることができるように端部がフレーム420に接続するチャネル40を有する。図10は、BPPプレート30のうちの1つにわたってオーバーモールドされたフレーム420の断面を示している。BPPプレート30及びフレーム420は、ある種の溶融オーバーモールディングで、あるいは、例えばOリング425がBPP30とフレーム420との間に位置される任意の他の方法でシールされる。各BPPプレート30の外周の構造チップ435は、フレーム420を各バイポーラプレートに取り付ける。この技術は、1つ以上のフレーム420を含む燃料電池積層体アセンブリ5のコストを低減するフレーム420の絶縁材料、例えばPVDFよりも高価な材料、例えば複合グラファイトであるBPPプレート30の面積を減少させる。
【0050】
フレーム420に接続される各BPPプレート30は、複雑な絶縁挿入体の生成を回避する。BPPプレート30のうちの1つにオーバーモールドされるフレーム420は、例えばグラファイトから形成されるBPPプレートの全体の厚さを減少させるのに役立ち、従って、特別な溝が存在せず、グラファイトプレートにおいてバッキング厚は必要とされない。また、絶縁流体分配マニホールド25は積層体レベルでBPPプレート30から絶縁され、別個の絶縁チャネルが必要とされない。他の利点は安全性であり、従って、フレーム420のオーバーモールド材料、グラファイトプレートであってもよいBPPプレート30がコアシェルとして外部環境から絶縁され、危険な高電圧が減少される。
【0051】
(二重積層体構造)
本開示における二重積層体構造が図11に示されている。二重積層体構造は、入口流515を2つの同一の流れへと分ける中央マニホールドプレート510を有する。入口流515の反応物質は、中央マニホールドプレート510の両側で、2つの同一の燃料電池積層体アセンブリ5に沿って流れる。二重積層体構造は、BPPプレート30の内側のSCSC315の寸法を変えることなく、燃料電池積層体アセンブリ5の電力出力を増大させる。二重積層体は、SCSC315の寸法を変えることなく、右側及び左側のそれぞれの出力を電気的に並列に接続することにより単位出力電力を増大させる。SCSC315の寸法は、前述したように、積層体出力電圧と直線関係を成す。二重積層体概念の使用により、出力電圧を変えることなく出力電力を増やすことができる。
【0052】
したがって、本開示は、BPPプレートの両側に異なるパターンの流路を伴うBPPプレート30を提供する。また、プレートレベル及び積層体レベルの両方でSCSC315を形成するための方法が扱われる。燃料電池積層体アセンブリ5の電力定格を減少させることなく燃料電池積層体アセンブリ5の電圧出力を制限することによってシャント電流損失が更に減少される。
【0053】
本開示は、非常に腐食性のある環境に耐えることができるBPPプレート30を提供する。流路パターンは、流量、圧力損失、及び、BPPプレート30にわたる均一の分配の要求を満たすように選択されて設計される。また、埋め込まれたあるいはオーバーモールドされたSCSC315をプレートレベル及び積層体レベルで有するBPPプレート30の構造が提供される。他の課題は積層体レベルで解決される。これは、全電圧を下げてシャント電流損失を更に制限するためにBPPプレート30が並列及び直列の両方で接続されるからである。これは、2つの平行な側のために反応物質入口を分ける両面絶縁分配プレート510を使用することによって行なわれる。反応物質を2つに分けることは、積層体によって発生される全電力に影響を及ぼさない。
【0054】
「第1」、「第2」、「第3」、「上側」、「下側」等の用語が様々な要素を修飾するために本明細書中で使用されてもよいことも認識すべきである。これらの修飾因子は、特に述べられていなければ、修飾された要素の空間的、連続的、又は、階層的な順序を意味しない。
【0055】
(膜電極アセンブリ(MEA))
使用時、MEAは、一般に、分配プレートとして知られ、バイポーラプレート(BPPs)としても知られる2つの硬質プレート間に挟まれる。分配プレートは導電性である。分配プレートは、一般に、カーボン複合体、金属、又は、メッキ金属材料から形成される。分配プレートは、一般にMEAsと対向する表面に刻設され、切削され、成形され、あるいは、スタンピング加工される1つ以上の流体伝導チャネルを通じて、反応物質又は生成流体をMEA電極表面へ分配するとともにMEA電極表面から分配する。これらのチャネルは、時として、流路と称される。分配プレートは、流体を積層体中の2つの連続するMEAsへと分配するとともにこれらのMEAから分配してもよく、その場合、一方の面が燃料を第1のMEAの陰極へと方向付け、他方の面が酸化剤を隣のMEAの陽極へと方向付けるため、「バイポーラプレート」と称される。あるいは、分配プレートは、一方側にだけチャネルを有し、それにより、その側でのみ流体をMEAへ分配しあるいはMEAから分配してもよく、したがって、モノポーラプレートと称されてもよい。典型的な燃料電池積層体は、バイポーラプレートと交互に積層される多数のMEAsを備える。
【0056】
本開示は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に配置される固体電解質膜とを備える膜電極アセンブリ(MEA)を提供する。陰極は支持体を備えるとともに、陰極には触媒が分散され、触媒は少なくとも1つの貴金属を備える。陽極は、支持体と、カーボン粉末、又は、カーボン粉末と共にあるいはカーボン粉末上に分散される触媒とを備え、触媒は、少なくとも1つの貴金属又はカーボン粉末を備える。陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、同じでありあるいは異なっているとともに、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池、例えば水素/臭素再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる。
【0057】
MEAにおいて、陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、水素酸化還元反応及びハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することもできる。また、MEAにおいて、陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池の充電反応及び放電反応を触媒することができる。
【0058】
MEAにおいて、好ましい固体電解質膜は、本質的に30nmよりも小さい孔径を伴う孔を有するプロトン伝導膜である。固体プロトン伝導膜は、(i)良好な酸吸収能力を有する体積で5%〜60%の非導電性の本質的にナノサイズ粒子を備える無機粉末と、(ii)酸、酸素、及び、前記燃料に化学的に適合する体積で5%〜50%の高分子結合剤と、(iii)体積で10〜90%の酸又は酸性水溶液とを備える。
【0059】
本開示の燃料電池において有用な固体プロトン伝導膜は、その全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,447,943号及び第6,492,047号に記載されている。これらの膜で使用される高分子結合剤は、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニリデンフルオライド)ヘキサフルオロプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(スルホンアミド)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(塩化ビニル)、アクリロニトリル、ポリ(フッ化ビニル)、Kel F(商標)、及び、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。
【0060】
固体プロトン伝導膜を形成するために使用される無機ナノサイズ粉末は、SiO、ZrO、B、TiO、Alや、Ti、Al、B、Zrの水酸化物及びオキシ水酸化物、及び、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。
【0061】
本開示の燃料電池で有用なプロトン伝導膜は、酸又は酸性水溶液も備える。酸が遊離形態で存在しない、例えば参照することによりその全体が本願に組み入れられる米国特許第5,599,638号に記載される固体電解質膜とは対照的に、ここに記載される固体電解質膜は、燃料電池で使用されると、膜の孔内に捕捉される遊離酸分子を含む。あるいは、固体電解質膜は、無機粉末に結合される酸性分子を含んでもよい。これらの孔の典型的な直径は、本質的に30nm未満であり、好ましくは20nm未満であり、より好ましくは3nm未満である。
【0062】
電池ハードウェアと両方の電極の触媒とに適合する多種多様な低蒸気圧酸を使用して特定の用途に適合させることができる。例えば、酸の以下のリストが与えられる。すなわち、ポリフルオロオレフィンスルホン酸、ペルフルオロオレフィンスルホン酸、ポリフルオロアリルスルホン酸、例えばポリフルオロベンゼンスルホン酸、ポリフルオロトルエンスルホン酸、又は、ポリフルオロスチレンスルホン酸、ペルフルオロアリルスルホン酸、例えばペルフルオロベンゼンスルホン酸、ペルフルオロトルエンスルホン酸、又は、ペルフルオロスチレンスルホン酸、最大で50%の水素原子又はフッ素原子が塩素原子に置換された同様の酸、CF(CFSOH、HOS(CFCHSOH、CF3(CFCHSOH、HOS(CFSOH(nは1〜9の値を有する整数)、ナフィオン(商標)イオノマー、HCl、HBr、リン酸、スルホン酸、及び、これらの混合物である。
【0063】
あるいは、固体電解質膜は、本質的に50nm未満、好ましくは3nm未満、より好ましくは1.5nm未満である典型的な直径サイズを有する孔を備えるプロトン伝導膜(PCM)である。
【0064】
本開示に係る更なる膜は、その全体が参照することにより本願に組み入れられる米国特許第6,811,911号に記載されるプロトン伝導マトリックスから形成されるフィルムである。イオン伝導性マトリックスは、(i)良好な水成電解質吸収能力を有する体積で5%〜60%の無機粉末と、(ii)水成電解質と化学的に適合する体積で5%〜50%の高分子結合剤と、(iii)体積で10〜90%の水成電解質とを備え、無機粉末は、ほぼサブミクロンの粒子、好ましくはサイズが約5〜約150nmの粒子を備える。本開示のマトリックスは、随意的に、マトリックス中の全ての成分と化学的に適合する約0.1%〜約25%の不揮発性液体潤滑剤を備えてもよい。
【0065】
本開示の好ましい実施形態によれば、無機粉末は、それが少なくとも10m/gの表面積を有するとともに水成電解質にとって良好な吸収能力を持つという点において特徴付けられる。
【0066】
本開示のPCMは、良好な機械的特性を有するプラスチックフィルムの一般的な外観を有する。PCMは、一般的には、実質的な破壊を生じることなく約180°まで曲げることができ、また、約10〜約1000ミクロン以上の範囲の厚さで形成することができる。PCMは、その安定性及び良好なイオン伝導率に起因して、ゼロ未満〜約150℃の広い温度範囲で使用できる。
【0067】
マトリックスが膜の生成を成す本開示の好ましい実施形態によれば、マトリックスに含まれる無機粉末は、好ましくは150nm未満の粒径を有する非常に細かい非導電粉末である。この実施形態によれば、その内部に水成電解質が吸収されるPCM孔は非常に小さく、それらの孔の特徴的寸法は本質的に50nm未満である。
【0068】
使用される酸又は水成電解質のための膜の吸収能力又は保持能力は幾つかのパラメータによって決まり、そのようなパラメータの中には、高分子結合剤、無機粉末の組成及びタイプ、及び、溶解された酸又は電解質のタイプがある。これらのパラメータの組み合わせは、生成物をそれぞれの用途ごとに合わせるために最適化されなければならない。そのような最適化を行う間、無機粉末の含有量が最も高いと機械的な特性が低下するという事実について検討がなされなければならない。マトリックスの無機粉末含有量が増大すると、マトリックスの電解質保持特性が向上するが、同時に、マトリックスの機械的強度が低下する。一方、マトリックスの高分子結合剤が増大すると、マトリックスの強度が高まるが、マトリックスの湿潤性が低下し、したがって、マトリックスが伝導性の低いマトリックスとなる。
【0069】
本開示の更なる他の実施形態によれば、マトリックス湿潤性の向上、結果として、電解質保持の向上は、Al、Zr、B、Tiなどの多原子価金属塩を膜に加えることによって達成される。
【0070】
本開示の他の実施形態によれば、マトリックス湿潤性の向上、結果として、電解質保持の向上は、膜の生成前に酸又は塩基を用いて無機粉末を前処理することによって達成される。
【0071】
また、本開示は、プロトン伝導膜(PCM)を生成するためのプロセスにも関連し、該プロセスは、(i)良好な酸吸収能力を有する体積で5%〜60%の非導電性の本質的にナノサイズ粒子を備える無機粉末と、(ii)酸、酸化剤、及び、燃料に化学的に適合する体積で5%〜50%の高分子結合剤と、(iii)体積で10〜90%の酸又は酸性水溶液とを混合させるステップであって、混合が様々な速度段階で行われ、それにより、プロトン伝導性混合物が生成されるステップと、ロール紙上、不織マトリックス上、又は、任意の他の塗布可能な材料上に常温でプロトン伝導性混合物を連続的に成形するステップと、成形されたプロトン伝導性混合物を100℃を超える温度で約5〜60分間にわたって乾燥させ、それにより、乾燥フィルムを形成するステップと、複数の乾燥フィルムを加圧下で互いに積層した後、乾燥フィルムの孔から孔形成剤を抽出し、それにより、30ナノメートル未満の平均孔径を有するプロトン伝導膜を形成するステップとを備える。
【0072】
本開示のPCMは、良好な酸吸着能力を有するナノサイズのセラミック粉末と、高分子結合剤と、ナノサイズ孔内に吸収される酸とを備える。このPCMは、再生型燃料電池(RFC)用途において特に有用である。
【0073】
PCMの主な構成要素は、高分子結合剤、無機ナノサイズ粉末、及び、酸性溶液又は酸である。PCM孔の典型的な直径は、約1.5〜30nm、好ましくは3nmである。孔は遊離酸性分子で満たされ、これは、酸性電解質を使用するエネルギ貯蔵システムの用途(例えばRFC用途)における主な利点である。
【0074】
試薬(すなわち、粉末及び溶媒)は、溶液の品質を向上させて成形フィルムのより良い機械的特性及び物理的特性をもたらす添加剤と混合される。その後、溶液が機械的な塗工機を使用して流し込まれ、これは、より効率的なプロセスであるとともに、より均一なプロセスである。
【0075】
乾燥フィルムのうちの少なくとも2〜6個、好ましくは4個が互いに積層されるのが好ましい。混合ステップの様々な速度段階は、1〜5時間にわたって約100〜500rpmの混合速度で常温において混合すること、10〜20時間にわたって約400〜700rpmの混合速度で約30〜50℃の範囲の温度において混合すること、10〜20時間にわたって約100〜400rpmの混合速度で常温において混合すること、及び5〜30分間にわたって約30〜50℃の範囲の温度で脱気することを含む。プロトン伝導性混合物を連続的に成形するステップは、溶液を塗布するための塗工機を使用して、ロール紙、不織マトリックス、あるいは、キャリア担持体を圧延するための同様のロール上にわたって行われる。
【0076】
キャリア担持体はシリコン処理された紙であり、また、キャリア担持体の圧延速度はプロトン伝導性混合物の比重にしたがって設定される。
【0077】
乾燥フィルムは、約40〜60マイクロメートル、より好ましくは約50〜55マイクロメートルの厚さを有する。
【0078】
乾燥フィルムを積層するステップは、約5〜20kg/cmの範囲の圧力で約130〜150℃の範囲の温度において約3〜10分間にわたって行われるのが好ましい。
【0079】
プロセスは、混合前に少なくとも1つのレオロジー制御剤を加えるステップを更に備える。レオロジー制御剤は、SPAN80(一般的な化学的記述では、ソルビタンモノオレエート、C2444)及びZonyl(登録商標)FSN(一般的な化学的記述では、(CO)(CFFO、非イオン性フルオロ界面活性剤)から成るグループから少なくとも選択されるレオロジー制御剤である。
【0080】
抽出ステップは、(a)孔形成剤をプロトン伝導膜の孔から除去するのに十分な時間にわたって孔形成剤を伴うプロトン伝導膜をエーテル/エタノール混合物中に浸漬するステップと、(b)任意の残存する孔形成剤及び他の溶媒を除去するためにステップ(a)からのプロトン伝導膜をエタノール中に浸漬するステップと、(c)孔からエタノールを除去するためにプロトン伝導膜を水中に浸漬するステップとを備える。
【0081】
エーテル/エタノール混合物は約1:9〜3:7の比率を有する。浸漬ステップ(a)は約1〜5時間にわたって行われる。浸漬ステップ(b)は約1〜5時間にわたって行われる。
【0082】
ポリフルオロアリルスルホン酸は、ポリフルオロベンゼンスルホン酸、ポリフルオロトルエンスルホン酸、及び、ポリフルオロスチレンスルホン酸から成るグループから少なくとも選択されるものである。ペルフルオロアリルスルホン酸は、ペルフルオロベンゼンスルホン酸、ペルフルオロトルエンスルホン酸、及び、ペルフルオロスチレンスルホン酸から成るグループから少なくとも選択されるものである。
【0083】
プロセスは、DBP(すなわち、フタル酸ジブチル)、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど、あるいは、これらの任意の組み合わせから成るグループから選択される孔形成剤を更に備える。
【0084】
プロセスは、酸又は酸性水溶液を再回収するステップを更に備える。
【0085】
本開示の燃料電池において使用されるPCMsは、良好なイオン伝導率を有しており、重金属不純物によって影響されず、100℃よりも高いあるいは0℃よりも低い温度であっても使用できる。
【0086】
本開示のMEAsで使用されるナノポーラスプロトン伝導膜(NP−PCM)は、多孔質電極が溢れるのを防止する水管理を可能にする。これにより、そのような電極が、本開示の燃料電池で用いるのに有利になる。
【0087】
MEAにおいて、陰極に分散される触媒は、水素酸化還元反応−HERs及びHORsを触媒することができる。また、陰極に分散される触媒は、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、HERs及びHORsを触媒することができる。
【0088】
本開示のMEAにおける陰極において、触媒は、例えば、Ir、Ru、Pd、Pt、Mo、Re、Cr、Ta、Ni、Co、Fe及びこれらの混合物を含むことができる。一実施形態において、触媒組成としては、例えば、(PtRe)/M、(PdRe)/M、及び、(PtM)/Irが挙げられ、ここで、Mは貴金属又は遷移金属である。好ましくは、触媒としては、PtRe、PdRe、PtIr、PdIr、PtCr、PtRu、Pt/Ir/Ru、PtReCo、PtReMo、Ir/Ru、(PtRe)/Ir、(PtRu)/Ir、(PtReMo)/Ir、及び、(PtReCo)/Irが挙げられる。本開示で有用な触媒は、少なくとも1つの貴金属がカーボン粉末上又はセラミック粉末上に担持される触媒を含む。
【0089】
本開示のMEAにおける陰極において、支持体は、細孔表面を規定する複数の多孔質領域を備える。細孔表面には触媒が分散され、この場合、触媒が複数の多孔質領域の全体にわたって非連続的に分散されるようになっている。細孔表面上に分散される触媒は、複数の金属粒子を備える。複数の多孔質領域は、ナノ多孔性(すなわち、平均孔径が2nm未満)、メソ多孔性(すなわち、平均孔径が2nm〜50nm)、及び/又は、マクロ多孔性(すなわち、平均孔径が50nmを超える)である。
【0090】
陰極支持体は、例えば、選択された孔径、深さ、及び、互いに対する距離を有する孔配列を含む乱雑なあるいは規則正しい孔配列など、任意の数の孔及び孔径を有してもよい。本開示の陰極支持体は、任意の数の想定し得る多孔率及び/又はそれに関連付けられる空隙を有することができる。
【0091】
MEAにおいて、陽極に分散される触媒は、ハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することができる。
【0092】
本開示のMEAにおける陽極において、触媒は、例えば、良質なカーボン粉末、又は、カーボン粉末上に堆積されあるいは混合されるIr、Ru、Pd、Pt、Mo、Re及びこれらの合金から成るグループから選択される少なくとも1つの触媒を含むことができる。一実施形態において、触媒組成としては、例えば、(PtRe)/M、(PdRe)/M、及び、(PtM)/Irが挙げられ、ここで、Mは貴金属又は遷移金属である。好ましくは、触媒としては、PtRe、PdRe、Pt/Ir、Pd/Ir、Pt/Ru、(PtIr)/Ru、Ir/Ru、(PtRe)/Ir、及び、(PtRu)/Irが挙げられる。本開示で有用な触媒は、少なくとも1つの貴金属がカーボン粉末上又はセラミック粉末上に担持される触媒を含む。
【0093】
本開示のMEAにおける陽極において、支持体は、細孔表面を規定する複数の多孔質領域を備える。細孔表面には触媒が分散され、この場合、触媒が複数の多孔質領域の全体にわたって非連続的に分散されるようになっている。細孔表面上に分散される触媒は、複数の金属粒子を備える。複数の多孔質領域は、ナノ多孔性(すなわち、平均孔径が2nm未満)、メソ多孔性(すなわち、平均孔径が2nm〜50nm)、及び/又は、マクロ多孔性(すなわち、平均孔径が50nmを超える)である。
【0094】
陽極支持体は、例えば、選択された孔径、深さ、及び、互いに対する距離を有する孔配列を含む乱雑なあるいは規則正しい孔配列など、任意の数の孔及び孔径を有してもよい。本開示の陽極支持体は、任意の数の想定し得る多孔率及び/又はそれに関連付けられる空隙を有することができる。
【0095】
本開示のMEAsにおいて有用な触媒組成体は少なくとも1つの貴金属を含む。触媒組成体は、再生型燃料電池、例えば水素/臭素再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる。また、触媒組成体は、水素酸化還元反応及びハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することもできる。更に、触媒組成体は、水素発生反応(HERs)及び水素酸化反応(HORs)を触媒することができる。特に、触媒組成体は、過酷な環境下で、例えばハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、HERs及びHORsを触媒することができる。
【0096】
本開示のMEAsで有用な触媒組成体は、例えば、Ir、Ru、Pd、Pt、Mo、Re、Cr、Ta、Ni、Co、Fe及びこれらの混合物を含むことができる。一実施形態において、触媒組成は、例えば、(PtRe)/M、(PdRe)/M、及び、(PtM)/Irを含み、ここで、Mは貴金属又は遷移金属である。好ましくは、触媒組成体は、PtRe、PdRe、PtIr、PdIr、PtCr、PtRu、Pt/Ir/Ru、PtReCo、PtReMo、Ir/Ru、(PtRe)/Ir、(PtRu)/Ir、(PtReMo)/Ir、及び、(PtReCo)/Irを含む。本開示で有用な触媒組成体は、少なくとも1つの貴金属がカーボン粉末上又はセラミック粉末上に担持される触媒組成を含む。
【0097】
本開示のMEAsで有用な触媒組成体は、貴金属、貴金属合金(例えば、他の貴金属、遷移金属、及び/又は、他の元素と合金化される貴金属)、又は、貴金属混合物(例えば、他の貴金属、遷移金属、及び/又は、他の元素と混合される貴金属)を含む。触媒は、従来のPt触媒よりもHOR反応及びHER反応に対しより活性であるとともに、従来のPt触媒よりも三臭化物溶液中で安定であることが分かった。触媒は、プロトン交換膜燃料電池(PEMFCs)におけるHORのために使用できる。
【0098】
触媒組成体は、当該技術分野において知られる従来の手順によって形成することができる。以下の実施例の触媒が物理的な特徴付け方法によって合成して特徴付けられ、また、触媒の活性が電気化学的に検査される。触媒をカーボン粉末上又はセラミック粉末上に担持することができる。触媒組成体を例えば無電解堆積によってあるいはポリオール方法によって合成することができる。コアシェル構造(又はスキン構造)を有する本開示の触媒組成体は、当該技術分野において知られる従来の手順によって形成できる。
【0099】
本開示の非担持触媒は、一般に、粒径が約26nm〜約53nmの範囲内にあるPt含有触媒を除いて、約2nm〜約8nmの範囲の粒径を有する。本開示の担持触媒は、一般に、約2nm〜約7nmの範囲の粒径を有する。Pt及びIrを含有する触媒の大部分は、白金、イリジウム、及び、それらの合金が豊富な外殻を有するスキン型構造を備える。一実施形態において、本開示はスキン型触媒を含む。スキン型触媒は、現場であるいは現場外で検査されるHTBFCsにおけるHER反応及びHOR反応において非常に活性で且つ安定であることが分かった。他の元素を伴うあるいは伴わない、Pt及びIr及びそれらの合金の部分単分子層、原子島、及び、1つ以上の単分子層を含む本開示の触媒の耐久性は、非常に良好であることが分かった。何千もの充電−放電(HOR/HER)サイクルが、水素/臭素再生型燃料電池における本開示の触媒を利用して達成された。
【0100】
特に、コアシェル構造(又は、スキン構造)を備える本開示の触媒組成体において、コア(又は粒子)は低濃度のPt又はPt合金を含むことが好ましい。Pt合金は、1つ以上の他の貴金属、例えばRu、Re、Pd及びIrを含むことができ、随意的に、1つ以上の遷移金属、例えばMo、Co及びCrを含むことができる。コアは、Ptが含まれていない金属又は合金を備えてもよい。Ptが含まれていない金属は、1つ以上の貴金属、例えばRu、Re、Pd及びIrを含むことができる。Ptが含まれていない合金は、2つ以上の貴金属、例えばRu、Re、Pd及びIrを含むことができ、随意的に1つ以上の遷移金属、例えばMo、Co及びCrを含むことができる。シェル(又はスキン)は、貴金属、例えばPt又はIr及びその合金の部分単分子層又は原子島から1つ以上の層を備えることが好ましい。Pt合金及びIr合金は、1つ以上の他の貴金属、例えばRu、Re及びPdを含むことができ、随意的に1つ以上の遷移金属、例えばMo、Co及びCrを含むことができる。1つ以上の他の貴金属、例えばRu、Re及びPdは、Pt合金中及びIr合金中に少量存在することが好ましい。同様に、1つ以上の遷移金属、例えばMo、Co及びCrは、Pt合金中及びIr合金中に少量存在することが好ましい。本開示の触媒組成体は、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる。
【0101】
カーボン粉末は、本開示で使用するのに適した触媒となることもできる。溶液電極における臭化物/三臭化物酸化還元反応においては、カーボン粉末自体がプロセス、還元、及び、酸化にとって有効な触媒であることが分かった。他の実施形態では、金属触媒を何ら伴うことなく溶液電極が使用されてもよい。
【0102】
本開示は、燃料電池の動作において有用な電極を提供する。本開示の電極は陰極及び陽極を含み、陰極及び陽極はそれぞれ、支持体と、支持体に分散される触媒とを含む。電極は、本明細書中に記載されるプロセスによってあるいは当該技術分野において知られる従来の手順によって形成することができる。
【0103】
電極に分散される触媒は、一般に、Pt、Ir、Pt合金、及び、他の元素を伴うあるいは伴わないIrのナノ粒子(好ましくは2〜5nm)である。しかしながら、高価な貴金属のコストを節約するために、例えばNi、Fe、Co、Ir又はRuなどの非貴金属系合金をコアとして使用できるとともに、それらを一般的な電気化学的なあるいは化学的なプロセスによって所要の貴金属触媒でコーティングすることができる。そのような触媒層の厚さは、1単分子層未満〜10単分子層であってもよい。
【0104】
本開示に係る電極は、多孔質であり、それらの多孔率及び疎水性を制御するようになっているプロセスによって形成される。例えば、電極は、カーボン粉末、高分子結合剤、及び、ある場合には孔形成剤を備える懸濁液でカーボン担持体(例えば、市販のカーボン布又はカーボン紙)をコーティングすることによって製造することができる。懸濁液は、随意的に、金属触媒の粉末を備えることができる。溶液電極の場合には、金属触媒は随意的であり、一方、水素電極の場合には、金属触媒が必要とされる。本明細書中では、懸濁液(触媒を伴うあるいは伴わない)が「インク」と称される。懸濁液は、数時間にわたって混合されて、カーボン担持体に塗布されるとともに、随意的に乾燥及び加熱によって凝固された後、例えば溶剤及び/又は水を用いて洗浄されて孔形成剤が除去され、それにより、孔が残される。結果として得られる層は、微孔層又は拡散層と呼ばれるとともに、ガス側ではガス拡散層(GDL)と呼ばれる。本開示に係る再充電可能な燃料電池と共に使用される電極は、約30%〜約80%(vol/vol)の多孔率を有する。好ましくは、約40%〜約80%(vol/vol)の多孔率が都合の良い効率的な電極を与える。
【0105】
一実施形態において、燃料電池は、充電モード及び放電モードのために同じ電極を使用する。そのような実施形態において、燃料電池は、一般に、溶液区画、水素区画、及び、これらの区画間を接続する膜電極アセンブリを有する。電極は、異なるタイプの燃料電池で使用され得るとともに、好ましくは再生型燃料電池、例えば水素/臭素再生型燃料電池で使用される。
【0106】
多孔質電極は、反応物質及び/又は生成物がガス(HTBFCの場合にはH)であることによって特徴付けられるガス拡散層と、高分子結合剤、例えばPVDF(ポリビニリデンフルオライド)及びナフィオン(商標)高分子などのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)イオノマーと混合された非常に分散された触媒粉末を有する触媒層とを備えることができる。反応は、ガス及び液体電解質が固体触媒表面上で反応する三相域で起こり得る。
【0107】
本開示の陰極及び陽極は、触媒層と多孔質バッキング層とを備えることができる。陰極で使用される好ましい触媒は、例えば、ナノサイズのPt−Ir合金粉末である。陽極で使用される好ましい触媒は、例えば、陰極で使用されるのと同じナノサイズのPt−Ir合金粉末である。コアシェル構造(又は、スキン構造)触媒は、他の元素を伴うあるいは伴わない、貴金属、例えばPt又はIr及びその合金の部分単分子層、原子島、及び、1つ以上の層を含む。コアシェル構造(又は、スキン構造)触媒で使用されるそのような合金において、白金又はイリジウムと金属との間の比率(Pt:M又はIr:M原子比率)は約1:10〜約10:1である。
【0108】
バッキング層はカーボンから形成されるのが好ましい。このバッキング層は、多孔質であり、担持のために使用されると同時に、ハウジングと触媒粉末との間にそれ自体で膜に接続される電気接点を形成するために使用される。
【0109】
長い動作の結果として、触媒粒子と担持カーボンマトリックスとの間の結合が損なわれ、燃料電池が劣化する。それを考慮して、本開示では、ナノサイズ触媒をナノサイズセラミック粉末に結合した後に、得られた粒子をカーボンバッキング層及びPCMに結合することが提案される。これを行なうための良好な方法は、良く知られる商業的に利用できる無電解プロセスを使用することである。このプロセスによれば、第1のステップにおいて、所定量の触媒塩を含む溶液中に粉末を浸漬することにより(PtCl4、RuCl等のような)触媒塩の最大で1つの単分子層がナノサイズシリカ水和物粉末に吸収される。その後、第2のステップでは、セラミック粉末の表面に結合される触媒の最大で1つの単分子層を形成するために、ホルムアルデヒド、メタノール、ギ酸、又は、次亜リン酸塩のような適切な量の還元剤が適したpH及び温度で加えられる。この単分子層は、更なる堆積のための核生成部位を与える。次に、最終的なサイズ及び構造の触媒粒子を形成するために、1又は複数の触媒塩及び更なる還元剤が加えられる。陰極においては、Pt−Ru合金触媒層又はPt−Ir合金触媒層を形成すること、あるいは、1:10〜10:1の原子比率を伴うRu上のPt又はIr上のPtのいずれかの2つの連続した層を形成することが好ましい。Sn、Mo又はNiのような他の元素を触媒層に加えて、反応速度を更に向上させることができる。陰極及び陽極のための触媒層は同じであっても異なっていてもよい。
【0110】
陰極は、カーボン担持層、随意的にはガス拡散層、及び、触媒層を備えることができる。触媒層をカーボン担持層上にコーティングすることができる。ガス拡散層をカーボン担持層上にコーティングすることができ、また、触媒層をガス拡散層上にコーティングすることができる。また、触媒層を固体電解質膜上又はプロトン伝導膜上にコーティングすることもできる。
【0111】
陽極は、カーボン担持層、随意的には微孔層、及び、随意的には触媒層を備えることができる。触媒層をカーボン担持層上にコーティングすることができる。微孔層をカーボン担持層上にコーティングすることができ、また、触媒層を微孔層上にコーティングすることができる。また、触媒層を固体電解質膜上又はプロトン伝導膜上にコーティングすることもできる。
【0112】
再生型燃料電池において、陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、水素酸化還元反応及びハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することもできる。また、再生型燃料電池において、陰極に分散される触媒及び陽極に分散される触媒は、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる。
【0113】
当該技術分野において知られる他の触媒組成体及び担持体が本開示のMEAにおいて使用されてもよい。
【0114】
一般に、所望のレベルの電力を生成するために、単一の電池が燃料電池積層体へと組み合わされる。
【0115】
水素/臭素(三臭化物)再生型電気化学電池は、ピークシェービング、負荷管理、及び、他の振興分散型実用用途などのエネルギ貯蔵用途に好適である。再生型水素/臭素電池は、臭化水素を水素と三臭化物とに電解する際に電気を消費するとともに幾らかの臭素反応物質を貯蔵化学エネルギとして消費することよって電気エネルギ貯蔵を容易にする。水素及び三臭化物は、その後、電池内で電気化学的に反応され、それにより、電気エネルギが生成される。そのため、電池は、反応物質を生成して電気を消費する電解電池としてあるいは反応物質を消費して電気を生成する燃料電池としてそれが効率的に動作できるという点において再生型(可逆的)である。電池は、電気と化学エネルギとを交換する。
【0116】
水素/三臭化物再生型電気化学電池は幾つかの利点を与え、例えば、水素電極及び臭素電極は完全に可逆的であり、そのため、非常に高い電気間効率を可能にする。化学物質発生及び電気発生の両方のために同じ電極を電解触媒として使用でき、したがって、両方の機能のために同じ電池を使用できる。電池は、充電モード及び放電モードの両方において高い電流密度及び高い電力密度で動作でき、それにより、資本コストが低減される。化学物質発生及び電気発生のための反応物質は電池とは別個に貯蔵され、そのため、ピーキング及び負荷平準化(例えば、週に一度のサイクル)の両方において電池の費用効率が高くなり、また、低コスト容量(kWh)が増大する。
【0117】
水素/三臭化物サイクルのための電気化学反応が充電モード及び放電モードで起こる。充電中、臭化水素が水素及び三臭化物(少量の臭素を伴う)へと電解される。これらの流体は、その後、電気化学電池の外側に別々に貯蔵される。全ての反応物質が電池の外部に貯蔵されるため、電力及びエネルギの貯蔵のための独立したサイズ設定が明確な利点となる。放電中、水素及び三臭化物の溶液が電池へ供給され、該電池で溶液が電気化学的に反応して、電力及び臭化水素を生成する。
【0118】
充電中(電解中)、高濃度の臭化水素酸が電解されて、三臭化物がプラス電極に形成される。水和プロトンが膜を横切って運ばれ、水素ガスがマイナス電極に形成される。充電モード中に形成される水素及び三臭化物は電池の外部に貯蔵され、また、それらは放電モード中の電池(燃料電池)へフィードバックされ、それにより、電気エネルギを生成する。
【0119】
溶液中で利用できる少量の可溶性遊離臭素及び三臭化物種の量は、水素/三臭化物燃料電池におけるプラス電極の放電能力を定める。多量の三臭化物は、通常、全体の燃料電池容量を最大にするために望ましい。
【0120】
本開示の燃料電池で有用な燃料は、従来の材料であり、例えば、水素及びアルコールを含む。本開示の燃料電池で有用な酸化剤は、従来の材料であり、例えば、酸素、臭素、塩素、及び、二酸化塩素を含む。
【0121】
本発明の更なる目的、特徴、及び、利点は、以下の図面及び詳細な説明を参照することにより理解されるであろう。
【0122】
本開示の様々な改変及び変形が当業者に明らかであり、また、そのような改変及び変形がこの出願の範囲内及び請求項の思想及び範囲内に含まれることは理解されるべきであるい。
【実施例】
【0123】
図2及び図3を参照して、液体媒体の流量及び効率に対するBPPプレート30の流れパターンタイプの効果を比較するために7平方センチメートル電池において検査が行なわれた。第1の実験では、2つの電池が同じ流量を伴って並行して動作した。対向櫛型流路パターンを液体側に有する電池は79%の往復効率を有し、また、蛇行流路パターンを液体側に有する電池は73%の効率を有した。第2の実験では、7平方センチメートル電池が、対向櫛型流路パターンを伴って形成された。電池の性能が、液体媒体の流量に対して測定された。この検査では、流量(化学量論的当量)が17から9へと(すなわち、ほぼ50%だけ)減少されるとともに、流量減少に起因した電池のエネルギ効率が3%だけ減少した。これらの実験は、各BPPプレート30の液体媒体で対向櫛型流路パターンを使用するという利点を示唆する。
【0124】
各BPPプレート30の液体側で対向櫛型流路パターンを使用すると、流体反応物質の所要流量が他のパターンと比べて10〜50%減少した。それぞれのBPPプレート又は流路のチャネル40にわたる圧力損失は、設計における主要因子であり、流体又は反応物質の循環のコストを低減するために可能な限り低くなければならない。水素側において、蛇行流路パターンにわたる圧力損失は、非常に低く、10ミリバール(mbar)未満の作動範囲を伴い、5mbarが最適である。対向櫛型流路パターンで流れる液体においては、好ましい100〜200mbar圧力差を伴って、50〜500mbarの動作範囲が検査され、また、100〜150mbarの最適な圧力損失が使用された。
【0125】
図4及び図5を参照すると、燃料電池積層体アセンブリの液体側の流路パターンの効果を計算するために、シミュレーション検査が行なわれた。その結果が図4及び図5に示されている。図4には、蛇行流路パターンの入口ポート110及び出口ポート125が示されている。図5には、流路の入口ポート210、及び、対向櫛型流路パターンの出口ポート230がマークされている。色凡例は、燃料電池において反応する活性要素の質量分率である。図4及び図5のいずれにおいても、初期の濃度及び流量は等しい。
【0126】
図4における蛇行流れパターンにおいては、活性要素の流れ分布が一様ではなく、活性要素の全体の濃度が低く(青色)、BPPプレートの小部分が高濃度の活性要素を有し、大部分に低濃度の活性要素が存在するように見える。この結果は、図4の燃料電池積層体アセンブリが一般に低濃度の活性要素により機能し、これが低い電圧効率に終わることを示している。図5の対向櫛型流路パターンにおける濃度分布は非常に良好である。活性要素の濃度は、図5のBPPプレート全体にわたって高くて均一である。図5の対向櫛型流れパターンにおける活性要素の分布の向上は、良好な電圧効率と、図4の蛇行流路よりも低い所要流量とをもたらす。
【0127】
図1及び図6〜8を参照すると、100ワット単位定格電力の燃料電池積層体アセンブリ5と同様の燃料電池積層体アセンブリの10個の電池から成る積層体において、SCSC315の効果が測定された。最初に、SCSC315を伴わずに電流密度が測定され、電流密度は25%を示した。第2の実験では、SCSC315が絶縁流体分配マニホールド25のBPPプレート30内に埋め込まれた。この変化が電流効率を50%まで増大し、これは効率の100%の増加である。更なる実験では、絶縁流体分配マニホールド25のBPPプレート30内に埋め込まれるSCSC315が埋め込まれた1.1キロワット単位の燃料電池積層体アセンブリ5と同様の燃料電池積層体アセンブリにおける13個の電池から成る積層体が97%の電流効率で動作された。これは、最初の実験に関連する電流効率のほぼ3倍の増大である。
【0128】
我々は我々の開示に係る幾つかの実施形態を図示して説明してきたが、これらの実施形態が当業者に明らかな多くの変更を受け入れる余地があることは明確に理解されるべきである。したがって、我々は、図示して説明した内容に限定されるのを望んではおらず、添付の特許請求の範囲内の変更及び改変の全てを示そうとするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体と、
前記反応フローチャネルへ流体を導入するための入口及び前記反応フローチャネルから流体を排出するための出口の形態を成して前記プレート本体に形成されるマニホールドと、
前記反応フローチャネルと前記マニホールドとを接続するために前記プレート本体に形成される接続チャネルと、
を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有する、
バイポーラプレート。
【請求項2】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項1に記載のバイポーラプレート。
【請求項3】
前記接続チャネルは、前記反応フローチャネルから前記マニホールドまでの長さが、シャント電流を減少させる内部イオン溶液レジスタを形成するのに十分である請求項1に記載のバイポーラプレート。
【請求項4】
前記反応フローチャネルと前記マニホールドとを接続するために前記プレート本体に形成される接続チャネルを更に備え、前記接続チャネルには、バイポーラプレートが積層されるときにバイポーラプレートをシールするためのガスケットが取り付けられる請求項1に記載のバイポーラプレート。
【請求項5】
前記接続チャネルは、前記プレート本体が積層されるときに前記プレート本体の前記第1の表面及び前記第1の表面と反対側の第2の表面の両方の平坦領域が互いに対向するように形成され、前記ガスケットが前記プレート本体の平坦な表面に取り付けられる請求項4に記載のバイポーラプレート。
【請求項6】
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有する、
バイポーラプレート。
【請求項7】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項6に記載のバイポーラプレート。
【請求項8】
絶縁材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、開口が貫通されて成る、フレーム本体と、
バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために前記フレーム本体に形成される接続チャネルと、
を備えるバイポーラプレートのためのフレーム。
【請求項9】
バイポーラプレートが前記開口内に位置され、前記バイポーラプレートは、前記フレーム本体に形成される接続チャネルと前記バイポーラプレートの前記反応フローチャネルとを介して前記フレームに接続される請求項8に記載のフレーム。
【請求項10】
前記フレーム本体に形成される前記接続チャネルがマニホールドに接続される請求項8に記載のフレーム。
【請求項11】
複数の膜電極アセンブリと、
複数のバイポーラプレートと、
を備え、
前記複数のバイポーラプレートは、
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記複数の膜電極アセンブリが前記複数のバイポーラプレートと交互に積層される、
再生型燃料電池積層体。
【請求項12】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項11に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項13】
前記複数のバイポーラプレートがフレームを更に備え、前記フレームは、
絶縁材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、開口が貫通されて成り、バイポーラプレートが前記開口内に位置される、フレーム本体と、
バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために前記フレーム本体に形成される接続チャネルと、
を備える、請求項11に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項14】
前記複数の膜電極アセンブリは、
陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置される固体電解質膜とを備え、前記陰極が支持体と該支持体に分散される触媒とを備え、前記触媒が少なくとも1つの貴金属を備え、前記陽極が支持体と該支持体に随意的に分散される触媒とを備え、前記触媒がカーボン粉末を備えあるいはカーボン粉末を伴う少なくとも1つの貴金属を備え、前記陰極に分散される触媒及び前記陽極に分散される触媒が、同じでありあるいは異なっているとともに、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる、
請求項11に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項15】
前記触媒は、水素酸化還元反応、ハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応、及び、水素/三ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することができる請求項14に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項16】
前記触媒は、水素発生反応(HER)及び水素酸化反応(HOR)を触媒することができる請求項14に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項17】
再生型燃料電池が水素/臭素再生型燃料電池を備える請求項14に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項18】
複数の膜電極アセンブリと、
複数のバイポーラプレートと、
を備え、
前記複数のバイポーラプレートは、
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体と、
前記反応フローチャネルへ流体を導入するための入口及び前記反応フローチャネルから流体を排出するための出口の形態を成して前記プレート本体に形成されるマニホールドと、
前記反応フローチャネルと前記マニホールドとを接続するために前記プレート本体に形成される接続チャネルと、
を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記複数の膜電極アセンブリが前記複数のバイポーラプレートと交互に積層される、
再生型燃料電池積層体。
【請求項19】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項18に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項20】
前記接続チャネルは、前記反応フローチャネルから前記マニホールドまでの長さが、シャント電流を減少させる内部イオン溶液レジスタを形成するのに十分である請求項18に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項21】
前記複数のバイポーラプレートがフレームを更に備え、前記フレームは、
絶縁材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、開口が貫通されて成り、バイポーラプレートが前記開口内に位置される、フレーム本体と、
バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために前記フレーム本体に形成される接続チャネルと、
を備える、
請求項18に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項22】
前記複数の膜電極アセンブリは、
陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置される固体電解質膜とを備え、前記陰極が支持体と該支持体に分散される触媒とを備え、前記触媒が少なくとも1つの貴金属を備え、前記陽極が支持体と該支持体に随意的に分散される触媒とを備え、前記触媒がカーボン粉末を備えあるいはカーボン粉末を伴う少なくとも1つの貴金属を備え、前記陰極に分散される触媒及び前記陽極に分散される触媒が、同じでありあるいは異なっているとともに、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができる、
請求項18に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項23】
前記触媒は、水素酸化還元反応、ハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応、及び、水素/三ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することができる請求項22に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項24】
前記触媒は、水素発生反応(HER)及び水素酸化反応(HOR)を触媒することができる請求項22に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項25】
再生型燃料電池が水素/臭素再生型燃料電池を備える請求項22に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項26】
複数のバイポーラプレートと、
複数の膜電極アセンブリと、
を備え、
前記複数の膜電極アセンブリは、
陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置される固体電解質膜とを備え、前記陰極が支持体と該支持体に分散される触媒とを備え、前記触媒が少なくとも1つの貴金属を備え、前記陽極が支持体と該支持体に随意的に分散される触媒とを備え、前記触媒がカーボン粉末を備えあるいはカーボン粉末を伴う少なくとも1つの貴金属を備え、前記陰極に分散される触媒及び前記陽極に分散される触媒が、同じでありあるいは異なっているとともに、ハロゲンイオン又はハロゲンイオンの混合物の存在下で、再生型燃料電池における充電反応及び放電反応を触媒することができ、
前記複数の膜電極アセンブリが前記複数のバイポーラプレートと交互に積層される、
再生型燃料電池積層体。
【請求項27】
前記複数のバイポーラプレートは、
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有する、
請求項26に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項28】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項27に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項29】
前記複数のバイポーラプレートがフレームを更に備え、前記フレームは、
絶縁材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、開口が貫通されて成り、バイポーラプレートが前記開口内に位置される、フレーム本体と、
バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために前記フレーム本体に形成される接続チャネルと、
を備える、
請求項27に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項30】
前記複数のバイポーラプレートは、
導電材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、流体が通過する反応フローチャネルを前記各表面が有する、プレート本体と、
前記反応フローチャネルへ流体を導入するための入口及び前記反応フローチャネルから流体を排出するための出口の形態を成して前記プレート本体に形成されるマニホールドと、
前記反応フローチャネルと前記マニホールドとを接続するために前記プレート本体に形成される接続チャネルと、
を備え、
前記第1の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターンを形成する複数のリブを有し、
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、対向櫛型流路パターン又は対向櫛型流路パターンとは異なる流路パターンを形成する複数のリブを有する、
請求項26に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項31】
前記第2の表面上の前記反応フローチャネルは、それらの間に、蛇行流路パターンを形成する複数のリブを有する請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項32】
前記接続チャネルは、前記反応フローチャネルから前記マニホールドまでの長さが、シャント電流を減少させる内部イオン溶液レジスタを形成するのに十分である請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項33】
前記複数のバイポーラプレートがフレームを更に備え、前記フレームは、
絶縁材料から形成され、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するとともに、開口が貫通されて成り、バイポーラプレートが前記開口内に位置される、フレーム本体と、
バイポーラプレートの反応フローチャネルに接続するために前記フレーム本体に形成される接続チャネルと、
を備える、
請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項34】
前記触媒は、水素酸化還元反応、ハロゲン/ハロゲン化物酸化還元反応、及び、水素/三ハロゲン化物酸化還元反応を触媒することができる請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項35】
前記触媒は、水素発生反応(HER)及び水素酸化反応(HOR)を触媒することができる請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。
【請求項36】
再生型燃料電池が水素/臭素再生型燃料電池を備える請求項30に記載の再生型燃料電池積層体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−518362(P2013−518362A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549435(P2012−549435)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000097
【国際公開番号】WO2011/089516
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512188018)ラモット アット テル−アヴィヴ ユニヴァーシテイ リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】RAMOT AT TEL−AVIV UNIVERSITY LTD
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 39296, Tel Aviv 61392, Israel
【Fターム(参考)】