バイポーラ双方向エネルギー平衡化電力変換エンジン
本発明は、複数のスイッチ要素と、誘導反応器と、電気エネルギーの移動のための少なくとも2つのポートと、を備える電力変換器および該変換器を制御するための方法を提供する。エネルギー移動ポートは、ユニポーラ、双方向、バイポーラ、または双方向バイポーラとして作製され得る。ポートは、変換器出力が入力信号に応答して制御されるようにするためのセンサ回路を備えることができる。本発明は、例えば、電源、増幅器、または周波数変換器として等、多くの様式で使用されるように構成可能である。本発明は、ラインおよび負荷変動に対する優れた過渡応答を得るためにエネルギー予測計算手段を備え得る。また、本発明は、ポートのいずれにおいても、不必要な場合には、誘導器に電流を再循環させるために低インピーダンス経路を誘導器の周りに形成するためのスイッチをも含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照することにより本明細書に組み入れられる2006年8月25日出願の米国仮特許出願第60/823,564号の利益を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、連邦政府資金を使用して開発されたのではなく、発明者らにより独自に開発された。
【0003】
従来技術において、電力変換機器は周知であり、電源、増幅器、変換器(AC−DC、AC−AC、DC−DC、およびDC−AC)、発電機および駆動部を含む。
【背景技術】
【0004】
いくつかの従来技術の電源は、異なる入力および出力電圧に対応するために変圧器の巻数比に依存するスイッチフォワード変換器であり、誘導場に貯蔵されるエネルギーは、動作の副産物に過ぎない。
【0005】
本発明に関連する他の非常に一般的な電力変換器は、周知のバックまたはフライバックモードで動作するスイッチ電源である。米国特許第6,275,016号のもの等のいくつかの電源は、バックおよびブースト動作の両方が可能である。入力と出力との間の極性反転を提供するために、いくつかのフライバック電源が使用されている。
【0006】
時には、電力の双方向の流れを提供するために、複数の電源が使用されるが、最近では統合双方向電源が開発されている。米国特許第5,734,258号の電源は双方向であり、バックモードおよびブーストモードの両方で動作する。米国特許第7,046,525号は、双方向フライバックモード電源を記載している。米国特許第6,894,461号および第5,196,995号は、双方向電源を記載している。
【0007】
米国特許第6,894,461号のようないくつかの電源は、複数のエネルギーポートを有する。
【0008】
より一般的でないのは、誘導エネルギー貯蔵要素を有するスイッチモード増幅器である。米国特許第4,186,437号の増幅器は、バイポーラ動作を得るために複数の誘導器を使用する。米国特許第7,030,694号の増幅器は、相補的に制御される複数のDC−DC変換器を使用してバイポーラ動作を達成する。
【0009】
米国特許第5,196,995号の電力変換器は、双方向かつバイポーラであるが、極性を反転させるときのみ双方向となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,275,016号
【特許文献2】米国特許第5,734,258号
【特許文献3】米国特許第7,046,525号
【特許文献4】米国特許第6,894,461号
【特許文献5】米国特許第5,196,995号
【特許文献6】米国特許第6,894,461号
【特許文献7】米国特許第4,186,437号
【特許文献8】米国特許第7,030,694号
【特許文献9】米国特許第5,196,995号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術においては、双方向的にバイポーラである統合スイッチモード電力変換器を提供することは知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数のスイッチ要素と、誘導反応器と、電気エネルギーの移動のための少なくとも2つのポートとを備えるスイッチモード電力変換器および該変換器を制御するための方法を提供する。本発明のスイッチの配置は、誘導器または変圧器等の誘導反応器がポート間の電力変換に関与することを可能にする。そのような変換は、バックモードもしくはフライバックモード、またはその両方を使用することができる。エネルギー移動ポートは、ユニポーラ、双方向、バイポーラ、または双方向バイポーラとして作製され得る。ポートは、誘導反応器として変圧器を使用することにより、電気的に絶縁されてもされなくてもよい。ポートは、変換器出力が入力信号に応答して制御されることを可能にするための検知回路を備えることができる。本発明は、例えば、電源、増幅器、または周波数変換器として等、多くの様式で使用されるように構成可能である。本発明は、ラインおよび負荷変動に対する優れた過渡応答を得るためにエネルギー予測計算手段を備え得る。本発明はまた、内部および/または外部の反応成分の変化に適応することができるようにする手段を備え得る。また、本発明は、ポートのいずれにおいても、必要でない際に、誘導器に電流を再循環させることを可能にさせる低インピーダンス経路を誘導器の周りに形成するためのスイッチを含み得る。
【0013】
一実施形態において、本発明は、電力入力および出力ポートと、エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、ポートを誘導反応器に接続するためのスイッチと、出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、基準信号と、制御回路とを備える。制御回路は、入力および出力ポートの極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得るように、またいかなる極性に対しても、エネルギーが、入力ポートから出力ポートに、または出力ポートから入力ポートに流れることができるように、フィードバック信号および基準信号に応答してスイッチを制御する。本発明のこの実現の好ましい一実施形態において、誘導反応器の充電中に誘導反応器内に与えられるエネルギーの量は、出力ポートでのチョッピング周期ごとの負荷のエネルギー必要量に近似的に基づいて制御される。
【0014】
本発明の別の類似の実施形態において、1つのポートはバイポーラであり、他のポートはユニポーラであり、変換器は反転型でも非反転型でもよい。誘導エネルギー要素は誘導器であり、スイッチを介してポートに直結される。制御回路は、出力ポートでの電圧または電流と基準信号との間の所望の関係を維持する。
【0015】
本発明の一方法において、変換器は、誘導反応器と、少なくとも2つの電力移動ポートと、基準信号と、複数のスイッチとを備える。該方法は、ポートの1つでの電圧または電流を前記基準信号との所望の数学的関係に維持するために、誘導反応器電流の符号および大きさに応答して前記スイッチを設定するステップを含む。この方法の一実施形態において、方法は、基準信号の大きさおよび符号、電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、ならびに誘導反応器電流の大きさおよび符号に基づき変換器動作のモードを選択するステップを含む。モードが選択されたら、スイッチはこのモードを有効化するように設定される。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、スイッチモード電源を複数のモードで操作する方法を含む。モードは、少なくとも、誘導反応器活性化モードおよびエネルギー伝達モードを含み、エネルギーが少なくとも1つの電力移動ポートに伝達される。電源は、任意の単一のチョッピング周期中に2つ以上のモードが発生し得るように操作される。好ましくは、この方法はまた、所与のチョッピング周期の最後のモードが次のチョッピング周期の始まりのモードとなるように、チョッピング周期を重複させるモードを可能にする。
【0017】
本発明の他の実施形態において、変換器は、スイッチモードフライバック変換器として構成され、ポートでの電圧または電流に応答するフィードバック信号および基準信号に基づき誘導器内の予測ペデスタル電流を計算するための回路を有する。制御回路は、出力ポートと基準信号との間の所望の数学的関係が維持されるように、予測ペデスタル電流およびフィードバック信号に応答してスイッチを整流する。
【0018】
本発明の他の実施形態において、変換器は、誘導反応器、第1および第2のスイッチ、ならびに補助エネルギー源(例えば反応器、コンデンサ、誘導器、電池、発電機、または電源等)を備えるスイッチモード電力変換器として構成される。この実施形態を制御するための方法は、チョッピング周期内で、現在の周期の終わりの誘導ペデスタル電流を予測するステップと、周期ごとのペデスタル電流変化が制限されるように、第1のスイッチを制御するステップと、誘導反応器と補助エネルギー源との間でエネルギーを移動させるために、現在のペデスタル予測に応答して第2のスイッチを制御するステップとを含む。
【0019】
本発明の他の実施形態において、変換器は、バイポーラ、双方向、反転型、またはフライバックモードで動作するように構成され、電力入力ポート、スイッチ、誘導器、および電力出力ポートを備える。変換器はまた、エネルギーが誘導器から出力ポート以外に流れるようにする代替経路を有する。代替経路は、誘導器に電流を再循環させる誘導器の周りの低インピーダンスまたは短絡回路、誘導器から入力ポートに戻る経路、または第3のポートへの経路であってもよい。この変換器を操作する方法は、誘導器を活性化するために、電力入力ポートから誘導器にエネルギーを伝達するステップと、誘導器から電力出力ポートに電力を伝達するステップと、電力出力ポートでの電力を制御するために、誘導器を電力出力ポートまたは代替経路に制御可能に接続するステップとを含む。この方法は、フライバックモードの期間を短縮することにより、出力電圧が入力電圧より低くなるように適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による双方向バイポーラスイッチモード電力変換器を示す図である。
【図2】本発明の電力変換器の2つのエネルギー移動ポートの間のエネルギー移動の可能な方向および極性を示す図である。
【図3】本発明による電力変換エンジン内に埋め込むことができるエネルギー予測計算器に含まれるエネルギー平衡化機能を示す図である。
【図4A】誘導器および6つのスイッチを使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す図である。
【図4B】誘導器および6つのスイッチを使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す図である。
【図5A】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5B】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5C】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5D】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図6A】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図6B】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図6C】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図7】図6に示されるスイッチに関連した電流および電圧を示す図である。
【図8】本発明のスイッチの実用的なスイッチおよびドライバの配置の回路図である。
【図9A】図7のフローチャートにより駆動される場合の図5の電力変換器のモードを示すタイミング図である。
【図9B】図7のフローチャートにより駆動される場合の図5の電力変換器のモードを示すタイミング図である。
【図10】本発明によるエネルギー平衡化計算器を示す図である。
【図11】本発明のある有用な状態を示す図である。
【図12】本発明による、CCM安定性およびエネルギー平衡化の両方を具現化したフライバック増幅器を表す図である。
【図13】図12の増幅器の性能を示す図である。
【図14】さらに図12の増幅器の性能を示す図である。
【図15】さらに図12の増幅器の性能を示す図である。
【図16】電流が再循環した本発明のフライバック変換器を示す図である。
【図17】適応を加えた図16のフライバック変換器を示す図である。
【図18】図17の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図19】負の負荷過渡の間の再循環動作を示す、図18の一部の拡大図である。
【図20A】エネルギー平衡および連続モード動作を備えた4スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図20B】エネルギー平衡および連続モード動作を備えた4スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図21】図20の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図22】図24に示される実現形態において使用される状態デコーダを示す図である。
【図23】図24に示される実現形態のスイッチに使用されるスイッチブロックの回路図である。
【図24】誘導エネルギー貯蔵を備える5スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図25】図24の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図26】図24の変換器の追加の性能を示す図である。
【図27】図24の変換器の追加の性能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
混乱を避けるために、以下に定義する用語を使用して本発明を説明する。
【0022】
定義:
1.「ポート」とは、本発明に外部的に取り付けられる回路の一部を含むように配置される、電気的に関連した端子の対またはグループを意味する。ほとんどのポートは、エネルギー移動ポートである。本電力変換エンジンの動作を制御する目的で、外部回路に対する1つ以上の接続の対を備える制御ポートが存在し得る。
【0023】
2.「アクティブ」ポートとは、エネルギー計算に応答する電圧または電流を維持するポートを意味する。アクティブポートは、通常、エネルギー移動手段に加え、作動しているどうかを検知する手段を備える。「パッシブ」ポートは、それに取り付けられている外部回路と連動して存在するエネルギーにより設定される条件を初期値とする。
【0024】
3.「フォワード」(FWD)は、パッシブポートからアクティブポートへのエネルギー伝達を指し、一方「リバース」(REV)は、アクティブポートからパッシブポートへの伝達を指す。
【0025】
4.「放散器」とは、ポートが外部回路により供給されているエネルギーを消費していることを指し、一方「発生器」は、ポートがエネルギーを外部回路に供給していることを指す。アクティブポートが放散器になることは実用的なモードであることに留意されたい。
【0026】
5.「非反転」(NON)は、放散器ポートと発生器ポートとの間の極性反転がないことを示し、一方「反転」(INV)は、それらのポートの間の極性反転を示す。「反転型」とは、極性がポート間で切り替えられることを意味する(例えば、放散器ポートが正電圧を有する場合、発生器ポートは負電圧を有する)。
【0027】
6.「活性化(EN)」とは、放散器ポートに取り付けられた外部回路を犠牲にして誘導エネルギーを増加させる行為を指し、一方「伝達」(TR)は、発生器ポートを介して誘導エネルギーを減少させる行為を指す。
【0028】
7.「充電」とは、コンデンサまたは電池のエネルギーを増加させる行為、「放電」は、それらを減少させる行為を指す。
【0029】
8.「バック」とは、放散器ポートにわたる巻数比調節電圧が、関連する発生器ポートのそれを超える場合に従来使用される、電力変換の周知のバックモードを指す。「フライ」とは、発生器ポートにわたる巻数比調節電圧が、関連する放散器ポートのそれを超える場合に通常使用される、電力変換の周知のフライバックまたはブーストモードを指す。
【0030】
9.「balf」および「balfb」とは、それぞれ、フォワードおよびフォワード−バック活性化時間中の予測エネルギー平衡の到達を指す。「balfまで」および「balfbまで」という表現は、そのような平衡が到達されるまで誘導活性化が継続することを指す。
【0031】
10.「I sub th」(Ith)とは、低電流閾値の到達を指し、ポート間のエネルギー伝達に実質的に関与するすべての誘導反応器から利用可能なエネルギーが僅かである状態を示す。「Ithまで」という表現は、この状態が到達されるまでエネルギー伝達が継続することを指す。
【0032】
11.「誘導器」とは、2つの端末誘導反応器を意味し、一方「誘導反応器」は、誘導器と、1つ以上の巻線に接続された3つ以上の端子を有する他の誘導反応器、例えば変圧器の両方を含む。
【0033】
12.「バイポーラ」とは、所与の2つのポート間で反転型または非反転型となり得る変換器を指す。バイポーラはまた、両方の極性の電圧を活性化または伝達することができるポートを指す。
【0034】
13.「双方向」とは、a)ポートに関しては、ポートが放散器および発生器として機能することができること、b)変換器に関しては、所与の2つのポートに対して、電力が第1のポートに流入して第2のポートから流出し、異なる時間で、第1のポートから流出して第2のポートに流入することができることを意味する。
【0035】
14.「推定」とは、測定または計算により、回路またはポートにおける所与の場所での近似的な電圧または電流を決定することを意味し、また該電圧または電流に比例する値の測定または計算も含む。
【0036】
15.「再循環する」または「再循環」とは、好ましくは非常に低い損失で、電流が誘導器から出て低インピーダンス経路または短絡回路を通り、誘導器に入るように、誘導器外で循環するように、誘導器の周りに低インピーダンス経路または短絡回路を形成することを指す。
【0037】
16.「直結」とは、電流が完全な電気回路を流れる際に、エネルギーがポート間を、誘導反応器を通って移動することを意味する。例えば、変圧器またはコンデンサを介して結合されるポートは、直結されていない。
【0038】
図1は、6つのスイッチS1からS6を使用して2つのポートPAおよびPBを誘導器L(エネルギー貯蔵のために使用される)に接続する、電力変換器100を示す。この図は、本発明の最も一般的な実施形態を図示している。ポートPAおよびPBは同一であってもよいが、それぞれが図2において後述される完全な性能が可能となるように形成され得ることを強調するために、個別に参照されること、ならびに変換器100のポートが交換されて、そのような包括的な機能性を得ることはないことを留意されたい。変換器100の2つのポートPAおよびPBのそれぞれに付属し、また接続されてもよい3つのエネルギー源VAC、VDC−、およびVDC+、ならびに負荷LDが示されている。図示される接続形態を使用して、以下の図2に示されるエネルギー伝達のすべてのオクタントは、後述する新規のスイッチ制御回路を使用して随意に達成可能である。ポートPAおよびPBの近くに示される源または負荷はいずれも、図2の一部またはすべてのエネルギー伝達オクタントを有効化するために、それらのポートに取り付けられてもよいが、2つの基本的な制限がある。
【0039】
第1の制限は、エネルギー不足の負荷がポートPAおよびPBに接続され、他のポートが存在しない場合、誘導器L内に保持されるようなエネルギーのみがポートに伝達され得るということである。第2の類似した制限は、変換器100は、エネルギー貯蔵デバイス(コンデンサ等)に接続された追加のポートに取り付けられた場合、または入力および出力AC波が実質的に同じ周波数であり同相である場合、AC−AC変換にのみ使用可能であるということである。必要なエネルギー貯蔵デバイスが、PAまたはPBまたは他のポートに代替的に設置されてもよい。
【0040】
従来技術で類似の6スイッチ接続形態が知られているが、そのような従来技術の変換器には、その単一の実施形態が、この図に示される源のいずれもから、図に示されるいずれかもの負荷に、いずれもの方向でエネルギーを伝達することができるようにするための、制御回路を備えたものはない。以下に示す本発明の制御回路を使用して、変換器100は、示される源のいずれからもエネルギーを伝達できるだけでなく、いずれかの極性のACからDCへの、またはエネルギー源であることから負荷であることへの、そのようないかなる源の独立した変化にも対応するために、その動作を調節する。
【0041】
図2のオクタントのすべてにより示される組よりも包括的でない機能性の組も、双方向、バイポーラ、単一方向、およびユニポーラ型のエネルギー伝達を含め、変換器100により実行され得る。より包括的でない機能性を必要とする以下に記載される実施形態の多くは、この図に示されるものよりも少ないスイッチで、またはいくつかのスイッチの代わりにダイオードを使用して実践することができる。
【0042】
図2は、2つのポートPAとPBの間の8つのエネルギー移動オクタントIからVIIIを示す。各オクタントは、エネルギー移動の固有の極性および方向を実現している変換器100のインスタンスを示している。これらのオクタントは、双方向およびバイポーラのエネルギー伝達の基本的側面を示す。最初の4つのオクタントでは、ポートPAは放散器ポート(エネルギーは変換器100に流入する)として機能し、PBは発生器ポート(エネルギーは変換器100から流出する)として機能し、一方、後の4つのオクタントでは、それらの役割は逆となる。オクタントI、II、V、およびVIでは、放散器ポートは正の源からエネルギーをシンクし、一方オクタントIII、IV、VII、およびVIIIでは、放散器ポートは負の源からエネルギーをシンクし、全体として、発生器ポートはエネルギーを負荷LDに供給する。すべての偶数オクタントにおいてポートは同極であるが、すべての奇数オクタントにおいてポートの相対極性は反転している。したがって、いずれのポートもいずれかの極性を有し得るため、エネルギー変換は、上述のエネルギー制限に従いいずれかの方向のDC−DC、またはDC−ACであり得る。双方向バイポーラエネルギー移動に対応している。これらのオクタントのすべてを具現化した現行の統合スイッチモード電力変換器は知られていない。これらのオクタントは、通常電圧および電流両方の双極性を示す、一部のバイポーラ変換器の「4つのクアドラント」と混同されてはならず、明らかに、これらのオクタントでは双方向電流が流れなければならない。変換器100のスイッチS1からS6は、示されるエネルギー移動の多様性を有効化するためには、順序付けられた様式で制御されなければならない。各オクタントは、実際には、そのエネルギー移動を実行するために、それらのスイッチの複数の順序付けられた設定を必要とし得る。この目的のため、多くのスイッチ設定、またはモードは、この図に示されるオクタントをさらに細分化し、以下の図4に詳細に示される。
【0043】
本発明のために、出力として使用されているポートは「発生器」ポートと称され、出力検知回路を取り付けることができ、一方入力として使用されているポートは、「放散器」ポートと称される。図1および2において示されるエネルギー源および負荷として示される抵抗LDは、総括的なものであり、いかなる電気エネルギー源またはシンクであってもよい。DC電源、ACメイン、および電池等の源が通常である。電子回路等の負荷が典型的である。また、各種モータが負荷となってもよく、例えば、この図に従うDC−AC実施形態を、同期モータの速度制御に使用することができる。負荷LDは、抵抗に限定されず、容量負荷、誘導負荷、またはそれらの任意の組合せであってもよい。この図の本発明は、動きを引き出すためにその電気容量に貯蔵された大きなエネルギーが、その動きの逆転時に電源に戻ることができるため、圧電モータの効率的な周期的駆動に特に有用となり得る。
【0044】
図3は、変換器100の複数ポート型実施形態、およびこの電力変換エンジン内に埋め込まれ得るエネルギー予測計算器150内に含まれる可能なエネルギー平衡化機能を示す。本明細書に記載のエネルギー予測方法は、本発明の1つの新規な側面である。本発明によるエネルギー平衡は、誘導リアクタンスから抽出可能と予測されるエネルギーが、負荷により必要とされることが予測されるエネルギーに、所与の時間に任意の電気容量を所望の電圧に上げるために必要なエネルギーのあらゆる損失および不足を足したもの、または、あらゆる余剰分を差し引いたものと実質的に等しい場合に達成される。計算器150は、周知のアナログまたはデジタル技術を使用して実現することができる。
【0045】
本発明がエネルギー平衡化モードで実践される場合、伝達した時に、該反応器が再び活性化され新たな伝達が達成されるまで、需要を満たすために予測されるある量のエネルギー供給で周期的に活性化されることが基本である。この目的のため、計算器150内の「KEL」という項は、該反応器内に貯蔵されたエネルギーを表し、場合によってはそのエネルギーの抽出可能な部分のみを表す。KELを提供するための回路KELは、誘導電流に応答する回路を備えてもよいが、該反応器に印加されている電圧−時間の積に応答する回路、または該反応器の磁場に応答する1つ以上のセンサを備えてもよい。
【0046】
本発明によるエネルギー平衡の他の項「KEld」は、予測時間中の負荷の予測エネルギー需要を示す。この項を生成するための回路KEldは、3つの量に応答する回路を備える。電流の部分項は誘導電流に応答してもよいが、特定の期間におけるフィルタコンデンサを介した電圧降下から導出されてもよく、または、負荷で直接測定されてもなおよい。電圧項は、通常アクティブポートでの電圧を検知することにより得られる。時間項は、通常、エネルギー予測計算器150と一体となったタイミング手段により生成される。電流、電圧、および時間の積が、ここでのKEldの項となる。
【0047】
多くの場合において、負荷は反応性であり、通常は容量性となる。本発明によれば、アクティブポートの内部にありそれに取り付けられたあらゆるフィルタ容量にわたる電圧を、所与の時間または周期内の点で所望の電圧まで上げるために必要とされるエネルギーを表すために、「KEC」項を使用するのが有利である。KECを生成するための回路KECは、通常、ポート−電圧検知および所望の入力信号または電圧基準に応答性である。KECは履歴からではなく予測的に計算されるため、フィードバックループを閉じる上での本発明に従う、KECの使用は、従来技術の増幅器および電源の制御ループを妨げる極性を排除し、先例のない過渡応答を生み出す。
【0048】
KELは、誘導反応器値に関連し、KECは本発明によるポートの内部にありかつ取り付けられた静電容量に関連する。インダクタンスおよび静電容量はともに変動する可能性があり、現在では一般的な「ホットスワップ」アプリケーションでは静電容量の変動は突然で大きい可能性がある。この状況に対応するため、本発明による電力変換エンジンは、この図に示されるように、それぞれインダクタンスおよび静電容量を決定してエネルギー項の「L」および「C」部分項を提供するために、回路LcalcおよびCcalcを備えることができる。通常、そのようなリアクタンス決定のための信号源として、この変換器自体のチョッピング波形を使用するのが実用的である。
【0049】
本発明によれば、図3のADAPTブロックにより表されるように、LおよびC自体の値に基づく明確な計算よりも、L−C比に暗に応答性のサーボループを使用して、リアクタンスの変化に適応することがしばしば適切であり、有利でもある。そのような適応は、ラインおよび負荷過渡に対する優れた応答を生む。突然のリアクタンス変化に対する応答は若干遅いが、過渡成分の過負荷を避けるのに十分速く、通常はほとんどのデジタルシステムにおいてデータ損失を避けるのに十分速い。
【0050】
本発明によるエネルギー平衡化の計算およびその原理の具現化のための実用的な手段は、参照することにより本明細書に完全に組み入れられる、2006年11月6日出願の米国特許出願番号第11/593,698号および第11/593,702号に十分に説明されている。KEL、KEld、KEC、Lcalc、およびCcalc、計算器150の一部に適切な回路の例も同様に、それらの出願に十分に図示され、説明されている。
【0051】
図4は、誘導器Lおよび6つのスイッチS1からS6を使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す。図4はマトリックスの半分を示しており、すべての極性および電流の流れを示すすべての矢印が反転される点を除いて、他の半分は図示された部分と同一である。
【0052】
図4に示されるすべての機能が、図5Aおよび5Bにすべてのモード柔軟性を有して、すべての極性で実行されるためには、示されたスイッチすべてが存在し、ブロック能力において、バイポーラでなければならない。示された機能のサブセットを実行するためには、いくつかのスイッチは、省略するか、一方向スイッチで置き換えるか、またはダイオードで置き換えることができる。多くの周知のスイッチング電源および増幅器は、図4のマトリックスの部分により表されるが、いずれも、双方向バイポーラエネルギー伝達を実行するための、このマトリックスの十分な部分を具現化していない。
【0053】
モード名の接尾語「R」は、エネルギーが典型的な経路(PBから誘導器、または誘導器からPA)の逆に流れていることを意味する。モード名の接尾語「Z」は、モードが、誘導器内の電流がゼロをクロスしているときに使用されることを意味する。モード名の接尾語「E」は、モードがリバース活性化モードであることを意味する。いずれのモードに対しても(例えばIIA、IIARおよびIIAZまたはIVA)、それがフォワードモード、リバースモード、リバース活性化モード、またはゼロクロッシングモードであるかにかかわらず、スイッチは同じ位置にあり、電流は誘導器を通して同じように移動しており、唯一の違いは、モードを終了するために使用されるテストである。あるモードは、他のモードと同じスイッチ構成を有し得る(例えばモードIICおよびIIIC)が、電流は誘導器を通して異なる方向に流れている。
【0054】
図4Aにおいて、モードIAは、活性化されているバック変換器を示している。このモードにおいて、エネルギーはポート間で移動、および誘導器内に移動する。
【0055】
図4Aにおいて、モードIIAは、エネルギーを伝達している変換器を示している。モードIIAは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、非反転型フォワード伝達を行う。モードIAおよびIIAの組合せは、周知のバック変換器を構成する。モードIIAは、PA電圧が誘導器電流と同極である場合に使用される。
【0056】
図4Bにおける、モードIIICRは、エネルギーを伝達している変換器を示している。モードIIICRは、モードIIAと同様に、誘導エネルギーの要因にかかわらず、非反転型フォワード伝達を行う。モードIIICRは、PA電圧が誘導器電流と同極でない場合に使用される。
【0057】
図4Aにおける、モードIIARは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードでは、変換器は反転型である。モードIIARのスイッチ構成はモードIIAと同一であるが、モードを終了させるためのテストは、入力電圧より低くなっている出力電圧に基づく。モードIIARは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0058】
図4Aにおける、モードIIAZは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するには、変換器は非反転型である。しかし、このモードの間、出力電圧はゼロに向かい、さらにゼロを通過することが多い。モードIIAZのスイッチ構成はモードIIAおよびIIARと同一であるが、このモードを終了させるテストは、誘導電流の欠乏である。モードIIAZは、出力コンデンサと協働する誘導器の擬似共振動作を使用して、望ましくない極性の出力電圧のエネルギーを誘導器に通す。電圧がゼロに達すると、誘導器における電流が出力コンデンサを充電してその極性を逆転させる。モードIIAZは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0059】
図4Aにおける、モードIBは、活性化されているフライバックまたは反転型変換器を示している。モードIBは、非反転型および反転型活性化の両方に使用される。このモードでは、エネルギーは誘導器のみに移動する。モードIBおよびIIAの組合せは、周知の非付加的な、または「ブリッジング」フライバック変換器を構成する。モードIBおよびIICは、周知の反転型変換器を形成する。
【0060】
この点において、変圧器動作のないバック変換器は、電圧を上げることができない。変圧器動作のない従来技術のフライバック変換器は、バック変換器の範囲内の電圧を生成することができるが、非常に低い電圧は、誘導器からすべてのエネルギーを伝達するために非常に長い時間を要するという困難をもたらす。伝達に利用可能な時間は限られているため、この使用は、連続的伝導に向かう傾向があり、これは従来技術において、フライバック変換器には比較的不安定な動作モードであった。連続的伝導に向かう傾向がある従来技術のフライバック変換器は、容量性負荷がゼロボルトから上昇されなければならない場合に大きな電流を引き出す可能性があり、この問題は多くの周知の「ソフトスタート」回路の必要性を生む。より低い電圧のためのバックモードおよびより高い電圧のためのフライバックモードを実現する周知の「バック−ブースト」変換器は、容量性負荷の滑らかなユニポーラ単一方向充電には良い選択である。
【0061】
図4Aにおける、新たなモードIDRは、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極である場合に、誘導エネルギーをPAに伝達して同エネルギーをエネルギー源に戻す。これは、エネルギーがPBで負荷により必要とされない場合に、誘導器からエネルギーを効率的に引き出すことを可能にする。PAでエネルギー源に返されたエネルギーは、全体的なエネルギーのより効率的な使用につながり得る。PAのエネルギー源が電池である場合は、返されたエネルギーは電池を再充電し得る。PAのエネルギー源が電源である場合、エネルギーは電源出力コンデンサに貯蔵され得るか、または、ほかの方法で、システムの全体的なエネルギー必要量を低減するために電源により使用される。
【0062】
図4Bにおける、モードIVAはIDRと同様であるが、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極でない場合に使用される。
【0063】
図4Bにおける、モードIVAEはモードIVAと同様に機能する補助モードであるが、次のモードが非同極電流を許容できない場合に使用される。これは主に、変換器入力電圧は極性を変えたが変換器出力の極性は変わっていないときの、遷移状態にあるときに生じる。モードIVAEは、誘導器電流が僅かとなったときに終了する。モードIVAEは、リバース活性化モードであることに留意されたい。モードIVAEは、ゼロをクロスするときに短時間誤った方向の電流が生じた場合の、フローチャートにおける可能な無限ループを防ぐために提供されるが、この稀な状況は発生しにくく、発生したとしても極めて短い時間しか続かない。モードは発生しにくいが、それがないと変換器の不具合を引き起こし得る。
【0064】
図4Aにおける、モードIICは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極である場合に反転型フォワード伝達を行う。
【0065】
図4Bにおける、モードIIIBRはモードIICと同様であり、誘導エネルギーの要因にかかわらず、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極でない場合に反転型フォワード伝達を行う。
【0066】
図4Aにおける、モードIICRは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するためには、変換器は非反転型である。モードIICRのスイッチ構成はモードIICと同一であるが、モードを終了させるためのテストは、このモードが類似しているIIARのテストと同様である。モードIICRは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0067】
図4Aにおける、モードIICZは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するには、変換器は反転型である。しかし、このモードの間、出力電圧はゼロに向かい、さらにゼロを通過することが多い。モードIICZのスイッチ構成はモードIICおよびIICRと同一であるが、このモードを終了させるためのテストは、このモードが類似しているモードIIAZのテストと同一である。モードIICZは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0068】
図4Aにおける、モードIIDは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、PB電圧VOが小さい場合に反転型フォワード伝達を行う。PBをPAと直列に配置することにより、そうでない場合には低電圧で誘導器を非活性化するために必要となり得る過度に長い時間を回避する。モードIIDは、PA電圧が誘導器電流と同極である場合に使用される。
【0069】
図4Aにおける、モードIIIARは、モードIIDと同様に、誘導エネルギーの要因にかかわらず、PB電圧VOが小さい場合に反転型フォワード伝達を行う。モードIIIARは、PA電圧が誘導器電流と同極でない場合に使用される。
【0070】
図4のモードは、対応する極性および電流を逆転させた半マトリックスのものとともに、再生型負荷−エネルギー回収を備える増幅器として使用されることも可能なバイポーラ双方向電力変換エンジンを備える。このマトリックスの部分集合および上位集合を使用して、一部は既知であり、一部は新規である、増幅器、モータコントローラ、周波数変換器、および多くの種類の電源を形成することができる。従来技術の双方向変換器およびバイポーラ変換器は、図4の部分集合を使用するが、双方向およびバイポーラ両方の動作は行わない。図4は6スイッチを示しているが、S4は、性能を改善する新たなモードでのみ使用される。S4またはS1、およびそれらを使用するモードは、本発明によるバイポーラ双方向電力変換を実践するためには省略することができる。さらに、図4のスイッチのいくつかは、モードマトリックスの部分集合を具現化するためにダイオードで置き換えられてもよいことに留意されたい。これらの部分集合の一部は周知の電力変換器に対応し、一部の部分集合は新しい。
【0071】
図5は、誘導器を使用した、バイポーラ双方向バック−ブーストエネルギー平衡化同期電力変換増幅器を実現するために必要な、図4に示すハードウェア機能の順序を示したフローチャートである。周知の従来技術の装置を含め、ユニポーラ、単一方向、バックまたはブースト、非エネルギー平衡化、または非同期である可能性のある電源および増幅器は、図4のハードウェアマトリクスの部分的な実現形態であり、それに対応して図5のフローチャートの部分的な実現形態である。
【0072】
図5の装置の動作に好都合な任意の規則は、動作の特定の段階が完了したときはいつでも、図4の誘導器Lにエネルギーが存在するかを決定するために、そしてもし存在する場合は、後のどの機能が所望の電力変換機能を最も良く達成するか、また存在しない場合は、その誘導器を活性化することが望ましいかどうかを決定するために、一連のテストが開始される、ということである。エネルギー平衡化変換が行われる場合は、そのような活性化は、そのような活性化がそのモードまたは後の伝達モードに適正となったかどうかを示すエネルギー平衡の項に応答する。
【0073】
動作は、任意に図5Aの上部に記したロジック1の点から追跡することができる。図5の機能のフローチャートとしての図示は理解を容易とし、必然的にデジタルプロセッサに適応されるが、図5はまた、状態のテーブルを含有する登録メモリも表し、いつでも、15のモードのうち1つだけがアクティブとなることができるように示されることに留意されたい。プロセッサ等の手段による図5の実現は、中間的な不正状態または電力変換器の暴走もしくは出口のない動作ループを回避するための注意を払うことが必要となる。図5において、標示されたモードは、図4のマトリックスの対応した標示の要素を示す。
【0074】
図5Bに示される失われたロジック1への経路は、著しいVOが存在するかどうかを決定するためのテスト1で始まる。VOがない場合、テスト2は著しいVIが存在するかどうかを決定する。どちらも存在しない場合は、VOに対しては何もする必要はないが、Lがエネルギーを含有し得るため、テスト23が必要である。Lが枯渇していれば、何もする必要はない。しかし、Lが、エネルギーを有する場合は、PAに取り付けられたエネルギー源であるVPに戻されるべきである。Lにおける電流がVPと同極である場合は、テスト24はそのエネルギーを戻すためにモードIDRを選択し、そうでなければモードIVAが同じ目的に使用される。実際に、VO、VIまたは誘導器電流があるかどうかを見るテストは、これらの値を小さな閾値と比較し、その値が閾値未満である場合は、ゼロとして近似される。
【0075】
再びテスト2に戻り、VIが存在しVOが存在しない場合、VOを増加させるためにエネルギーが必要となる。VIおよびVPが非同極である場合、VOにエネルギーを与えるある反転型手段が必要であり、テスト3の次に、Lが寄与するエネルギーを有するかを決定するためにテスト4が続く。有する場合、テスト5はその電流のVPとの同極性を決定し、非同極である場合は、VPがVOよりもずっと大きいかをテスト6が決定する。我々は非VO経路をたどってきたため、これは真であり、モードIIIARが選択される。より大きいVOを有する他の経路によりここに到達したのであれば、モードIIIBRが選択されたであろう。テスト5が同極性を決定したのであれば、モードIIIBRの代わりにモードIICとなるか、またはモードIIIARの代わりにモードIIDとなったであろう。
【0076】
再びテスト4に戻り、Lが電流を有しない場合、モードIBを使用して、モードIIIBR、IIIAR、IIC、またはIIDにより起こり得る将来の反転型フォワード伝達に備えるためにそれを活性化するであろう。誘導器における電流が閾値電流を超える場合は、テスト4の結果は「いいえ」に切り替わり、上述のテスト5に戻る。
【0077】
再びテスト3に戻り、VIがVPと同極であった場合は、Lがエネルギーを有するかをテスト11が決定するであろう。有する場合、その電流がVPと同極であるかをテスト13が決定する。同極でない場合、そのエネルギーをPBに有効に移動するためにモードIIICRが使用されるが、同極である場合、またはテスト11がそれがゼロであると決定する場合、モードIAがVOを激しくスルーさせる。非VO経路がここに至るため、VOがVPを超える危険性はない。
【0078】
テスト1に戻り、VOが存在する場合、VIが存在するかをテスト14が決定する。VOは存在するがVIは存在しない場合、PBからエネルギーを除去しそれをPに戻す必要がある。これを行うために、テスト20はLが電流を有するかを決定する。有しない場合、テスト22は、PBからLにエネルギーを移動するために、VOのVPとの同極性に応じてモードIICZまたはIIAZを選択し、これはILが増加した後にゼロに縮小し、VOの極性が逆転されるまで、またはVOがVIとの等価性を得るまで続く。
【0079】
テスト20に戻り、LがVPと同極の電流を有する場合、電流がない場合と同様にモードIICZまたはIIAZの後続の実行がテスト22により選択されるが、より迅速に達成される。しかし、非同極ILおよびVPは、モードIICZおよびIIAZにおいて正常に機能しないため、この場合テスト21は、この不良極性エネルギーをPAに戻すためにモードIVAEを選択する。
【0080】
テスト14に戻ると、VOと同極となり得るまたはなり得ないVIが存在し得る。テスト15が非同極性を決定する場合、テスト20へとつながる、非VIの場合と同様に扱われる遷移状態が存在する。しかし、非VIの場合はゼロのみにスルーするVOが必要であるが、遷移の場合は、モードIICZおよびIIAZの擬似共振極性逆転能力を利用して、VOをゼロの反対側に円滑にスルーさせる。PBにおけるLおよびいかなるCも、スイッチで接続されると、高速スルー波形を通すことのできない有限のカットオフ周波数を有する集中素子伝送線を形成することに留意されたい。擬似共振法は、最速の実用スルーレートでの円滑なスルーを生む。
【0081】
テスト15に戻り、遷移状態がない場合には、エネルギーがPBに、またはPBから移動されるべきかをテスト16が決定する。VOがVIより小さい場合、エネルギーがPBに加えられなければならず、これはテスト8へと続く。テスト8は、反転が必要かを決定し、必要である場合は、VOが存在しない場合のように、テスト4を通した同じ経路が発生する。しかし、反転が必要ない場合は、テスト8はテスト9へと続き、VOがVPより大きいかを見る。VOがより大きい場合は、フライバックモードが使用されなければならず、これはテスト12へと続く。テスト12は、LがPBに寄与するエネルギーを有するかを決定し、有しない場合は、LはモードIBにより活性化されなければならない。Lがエネルギーを有している場合、テスト12は、ILのVPとの同極性を決定するためにテスト10へと続く。同極である場合は、モードIIAを介したLからPBへのエネルギーの送達へとつながり、非同極である場合は、モードIIICRを介した類似の送達へとつながる。
【0082】
テスト9に戻り、VOが小さい場合はテスト11へと続き、ILを確かめ、これがない場合は、モードIAを呼び出すのが適切である。しかし、ILが流れる場合は、ILがVPと同極であるかをテスト13が決定する。同極でない場合、LのエネルギーをPBに移動するためにモードIIICRが使用される。ILが同極である場合、モードIAはVOを激しくスルーする。
【0083】
図5は、フライバックモードであるモードIB、バックモードであるモードIAの、フォワード活性化の2つのモードを示す。電力変換器のスイッチオン時間は、電圧−時間の積に関連するので、低電圧は、誘導エネルギーを移動するのに長い時間をもたらす。したがって、発生器ポート電圧が放散器ポート電圧を超える場合、バックモードよりもフライバックモードが好ましく、その逆の場合、フライバックモードよりもバックモードが好ましい。単純な2端子誘導器変換器では、同じ誘導器を、放散器ポートへの電流シンクにすると同時に異なる極性の発生器ポートへの電流源とする方法はない。したがって、バックモードは、放散器および発生器ポートが同極である場合のエネルギー移動に限定される。それに応じて、すべてのFWD非バック活性化は、活性化モードIBを共有する。バックモードIAは、同時のENおよびTRエネルギー移動能力を有することに留意されたい。(ENはPAから誘導器にエネルギーが伝達されることを意味し、TRは誘導器からPBにエネルギーが伝達されることを意味する。)モードIAは円滑に機能するが、誘導器に反転型モードを提供できないため、それを使用すると、VPの絶対値を下回る非対称の正および負のスルーとなることがわかり、またこれに留意すべきである。したがって、波形対称性が最重要であるいかなる増幅器アプリケーションにおいても、モードIAが省略され、モードIBおよび適切な伝達モードが取って代わられるべきである。
【0084】
同期変換器において、図5Aおよび5Bのモードレジスタの行の上のテストは継続的に実行されているため、レジスタ入力に関するデータは、次の来るべきクロックまたはトリガに対する最善のモードを示す。タイミング発生器ロジックは、活性化モードIA、IB、IVAEが同期クロックの時間においてのみ選択されることを可能にする優先回路を備える。各モードレジスタセットのストローブは、新たなデータをラッチするための更新ストローブと、レジスタセットの選択を解除するためのリセットストローブを含んでもよい。同期クロック時間において、いかなるモードも選択することができる。第1の非同期トリガの時間において、IA、IB、およびIVAE以外のモードが選択され得る。第2の非同期トリガの時間において、リバース伝達モードIVAおよびIDRのみが選択され得、他のすべてのモードはリセットされる。
【0085】
エネルギー需要および誘導エネルギーの欠乏のため、適切なタスクは誘導器を活性化することであるが、誘導器が活性化されると、いずれも同期クロックまたは第1の非同期トリガで開始することができるフォワード伝達モード、IIA、IIC、IID、IIIBR、IIIAR、またはIIICRを使用してエネルギーがポートに移動される必要がある。過剰の誘導エネルギーが存在する場合、フォワード伝達モードが終了されて第2の非同期トリガが生成され得る。また、フォワード伝達モードをスキップしてもよい。同期クロックにおいて、第1の非同期トリガにおいて、または第2の非同期トリガにおいて、過剰の誘導エネルギーをVPに取り付けられた電源に戻すためにリバース伝達モードが開始してもよい。リバース伝達は、2つの様式のうちの1つで終了し得る。1つの様式は、誘導エネルギーの枯渇であり、その後は、誘導器は次の周期が開始するまで不活性化されたままとなり得る。第2の様式は、このモードに割り当てられた時間が終了することである。本発明の同期変換器の単一周期は、ポートの需要と条件に応答して最も適時で正確なエネルギー配置を容易化するために異なるモードが選択される多くの間隔を有し得ることを理解されたい。(3つの異なるモードは限定を意図せず、より多くのモードの使用が本発明の範囲に含まれる。)この図に示される本発明の一態様は、3つの選択されたモードと、続く初期設定のアイドルモードを提供し、後者は時折、モードIDR等の他のモードの不活性化された場合である。そのような初期設定のアイドルモードは、実際は、従来技術の変換器のアイドルまたはヌルモードに対応する。したがって、変換周期の間、本発明は、従来技術の変換器とは異なり、4つのモードを有することができ、そのうち3つはエネルギーを移動することができる。最初の2つ、活性化モードおよびフォワード伝達モードは、従来技術において通常である。本発明の変換器周期内のリバース伝達モードを含むことによって、その優れた効率、過渡応答、および低い入力および出力リップルをもたらす。ここで、本発明と従来技術との間の基本的な違いを強調する必要がある。従来技術の電力変換器は、通常、エネルギー伝達においてずっと単純な規則に従う。ほとんどの変換器において、伝達モードは活性化モードに続き、また逆も可である。本発明によれば、モードが終了したときはいつでも、変換器内での最適なエネルギー移動法に関する新たな決定がなされる。
【0086】
図5の電力変換プロセスは、エネルギー平衡化とともに、またはそれなしに実現することができる。エネルギー平衡化が使用されない場合は、それに関するテストは単純に省略される。エネルギー平衡化の省略は、予測ではなくVOフィルトレーションに基づくフィードバックループを必要とし、フィードバックループにおいて極性を生じさせ、これはいかなる所与の周期においても不正確な誘導器活性化に向かう傾向があり、多くの場合、複数周期補正、およびその結果としてのVOに対する半調和的なリップルを生む。
【0087】
図5Aおよび5Bがモードを開始するために適切に必要となる論理的決定を図示しているのと同様に、図5Cおよび5Dは、モードを終了するために必要な決定と、次の適切なモードへの規則的な進行を容易化するために必要なそのようなモードの終了のタイミングの両方を図示している。モード3BR、3AR、2C、2D、2A、および3CRは、誘導器内の電流が枯渇した際にすべて完了となる。したがって、テスト25は、それらのモードのいずれかにおける誘導器電流の枯渇後に、第2の非同期トリガを開始する。第2の非同期トリガはReverse TRansfer STroBeを呼び出すが、そのストローブは、誘導器電流が存在する場合にのみモードIDRまたは4Aを開始することができるため、これらのモードは呼び出されない。誘導器電流が枯渇していない場合、テスト26は、VIがVOを上回るかをモニタする。上回らない場合、VOは不必要に大きいため、出力ポートでは誘導器エネルギーは必要なく、第2の非同期トリガおよびRTR STBがモードIDRまたはIVAを呼び出す際にVPに返される。しかし、VIがVOを超える場合、元のモードが継続する。
【0088】
電力変換器がエネルギー予測を含む場合、モードIBは、テスト30によるフォワード平衡の到達後に終了して、Forward TRansfer STroBeまたはRTR STBを形成することができる第1の非同期トリガを生成し、ある種の伝達を誘導器から開始することができる。予測がない場合、または平衡が到達されない場合、活性化モードIBを終了してある種の伝達モードを終了する第1の同期ストローブとなることができる、Turn−Aroundのためにテスト28が行われる。同様に、TAに達しないが電流限界に達した場合、テスト29はモードIBを中止する。
【0089】
モードIAはバックモードであり、平衡テスト31を使用することができる。平衡が生じる場合、経路は、モードIB平衡で説明したものと同じである。しかし、平衡に達していない場合、または平衡が存在しない場合、テスト27はVOが大きくなりすぎたかどうかをモニタする。大きくなりすぎた場合、前述のようにモードIAが終了される。大きくなりすぎていない場合、テスト28および29が上述のようにその変数をモニタし続け、モードIAの終了に待機する。
【0090】
モードIVAEが生じるのは稀で、変換器が無限ループに陥らないようにするために提供される。モードIVAEは、チョッピング周期の開始時にのみ開始され、テスト34を介して、それぞれ誘導器電流が僅かとなったか否かに応じて、第1または第2の非同期トリガとなる。
【0091】
テスト32は、モードIICRまたはIIARがVOをVI未満まで低下させたときはいつでも、第2の非同期トリガを生成し、上述のようなモードIDRまたはIVAを呼び出す。
【0092】
モードIICZおよびIIAZは、望ましくないVOが実質的に排除された際に、テスト33により終了される。
【0093】
同期および非同期のタイミング発生器の両方が図5Cおよび5Dに示され、一回につきそのうちの1つのみが所与の変換器において使用される。両方の機能が同様に開始クロックおよび2つの非同期イベントを受ける。非同期の場合では、開始は同期クロックであるが、非同期の場合は、開始は単に最後のチョッピング周期の遅延した終了である。活性化モードIB、IA、およびIVAEはクロック時間においてのみ生じ得る。それらが生じない場合、FTRモードが代わりに開始され得る。FTRモードが生じない場合、RTRモードが生じ得る。同様に、FTRまたはRTRモードが、第1の非同期トリガで生じ得るが、活性化モードではない。第2の非同期トリガは、RTRモードのみを呼び出すことができる。この動作の優先度は、タイミング発生器の回路により制御される。
【0094】
本発明のモードと協働するこのタイミング発生器の動作は、新規の機能性を生む。ほとんどの従来技術の変換器は、一般に活性化モードおよびフォワード伝達モードを実行する。また、多くは、誘導エネルギーが枯渇した後の不連続フライバック変換器の状態により例示される、初期設定のヌルまたは「何もしない」モードを有する。
【0095】
モードIBにおいて、VOは、他のモードが選択されるまで、誘導器に付与されているエネルギーに応答しないことに留意されたい。従来技術のフィードバックループがVOに取り付けられる場合、フィードバックループはモードIBが終了するまで開いている。従来技術によれば、エネルギーは、出力フィルタに保持される以前の周期の履歴に基づき分配され、フィードバックループに極性が発生する。しかし、後述の図10のエネルギー平衡発生器が本発明に従い使用される場合、それによりなされる予測は、正しい量のエネルギーが誘導器に付与されると非同期的にモードIBを終了させる。次いで、後の伝達が、エネルギーの過不足なく望ましい、実質的に正しい電圧に到達するVOをもたらし、後の周期においてVOを補正する必要性を排除する。
【0096】
図4および5の本発明のより複雑な形態およびより複雑でない形態は実用的である。多くの不完全な形態が新規であり、従来技術に存在するものもある。例えば、周知のバック変換器は、モードIAおよびIIAのみを使用した図4および5の部分集合である。従来技術の変換器とは異なり、図4および5は、バイポーラ双方向エネルギー伝達を実現し、電源だけでなく、スイッチモード電力増幅器、およびその他の有用なデバイスを可能とする、新たな電力変換装置および方法をそれぞれ示している。さらに、本発明の双方向エネルギー移動能力は、過剰エネルギーの電源への返還を容易とし、従来技術の手段よりも高い全体的効率の電力変換器を促進する。それだけでなく、図5の原理の拡張、例えば、アクティブポートからパッシブポートに交換するための図4のPBからPAへのスイッチ検知手段は、双方向エネルギー伝達だけでなく、双方向調整も可能とする。3つ以上のエネルギー移動ポートで同じ原理を使用して、さらに多くの能力を追加することができる。
【0097】
図14において後述する周知の連続電流モード(CCM)で実行するように本発明を具現化することは実用的であるが、その機能の複雑性を図5のすでに複雑な機能に追加することは、扱いにくいことが明らかとなり得るため、この図5の議論は、周知の不連続電流モード(DCM)に限定する。
【0098】
図5は、図4のスイッチを操作するための多くの実用的なアルゴリズムの1つのみを示すことに留意されたい。他のアルゴリズムも実用的であり、例えば、誘導器がしばしば過剰エネルギーの貯蔵部を有するCCM変換器が、ごく僅かの効率損失で過渡応答を改善することができる。
【0099】
図6は、本発明における使用に好適な双方向スイッチ300を示し、2つのMOSスイッチ301および302が、それらのボディダイオードが両方向をブロックするように配置され、代替としてNMOSまたはPMOSスイッチを使用することができる。
【0100】
図6は、本発明によるスイッチを具現化するための、好都合であるが必須ではない様式を示し、BJT、IGFET、サイリスタ、同様に実用的な磁気増幅器、または、直結もしくは絶縁された、現在知られる、もしくは本発明にかかる、他のいかなる種類の電源スイッチも使用することができる。すべてのモードが必要なわけではない、ある実施形態において、スイッチは、スイッチを削除して開いた、もしくは閉じた回路とするか、またはスイッチをダイオードで置き換えることができる。
【0101】
図6は、3つの部分図、図6A、6B、および6Cに分けられる。図6はまた、誘導器Lにおける電流ILに応答する回路を示している。まず6Aを参照すると、電流または他の誘電エネルギーを含む電流比較回路200、200内および以下の図10において使用される信号VILを生成するセンサ201が示されている。比較器202は、VILを閾値源203と比較し、ILが僅かである場合は、図5で使用される信号IL<thを生成する。信号IL<thは、スイッチ300に流入し、そこでスイッチロジック303がそれを使用して伝達モードを制御する。スイッチロジック303には、FET301および302を個々に制御するための2つの制御入力AおよびBが取り付けられる。伝達モードでは、これらの入力AおよびBは個々に制御されるが、活性化モードでは、通常両方が同時に用いられる。
【0102】
図6Aおよび図7を参照すると、切り替えの前に、図6AのFET301がオンであった場合でも電流が流れないオフ時間が先行する。この時間は活性化モードである場合が最も多い。現在のモードが中止した場合に誘導器の電流経路がないことを回避するために、この時間の間にPET301をオンにするのが実用的である。
【0103】
他のモードからの導電が中止した場合、誘導器電流は継続し、VLを正に変化させ、図7の時間aに対応する図6Aに示される条件を開始する。電流ILがFET302のボディダイオードに流れ、その時間の間、VLは、負荷電圧Vldを超えて約1ダイオード電圧降下分上がる。この電流は、電流センサ201により感知され、電流閾値203と比較される。
【0104】
電流ILが該閾値を超えると、スイッチロジック303は、ダイオード損失を低減する同期整流器として機能するFET302をオンにすることにより、図7の時間bに対応する図6Bに示される条件を開始する。
【0105】
誘導エネルギーがほぼ枯渇し、電流ILが該閾値203より下に落ちると、スイッチロジック303は、FET302をオフにすることにより、時間cに対応する図6Cに示される条件を開始する。これで、残りのエネルギーが枯渇するまで、または他のモードがFET302をオフにするまでFET302のボディダイオードにおいて導電が再開される。図7の時間cは、「Ithまで」の条件の終わりに到達した状態であり、図5のいかなる|IL|<Ithテストにおいても「はい」Yの決定をもたらす。
【0106】
図6および7の3つの条件の時間的分離は、図4のモード間の切り替え時の望ましくない同時の伝導、すなわち「シュートスルー」を防ぐ。上述のような伝達に使用される図7の切り替えタイミングにより、誘導器の周りの回路が不完全である時間がごく僅かであり、スナバにおけるエネルギー損失を最小限にする。
【0107】
図7は、上述のように、3つの条件を通過する際の、図6の切り替え動作を波形として示している。
【0108】
図8は、図1および4のスイッチの実用的なスイッチ配置を示す。図1のS1〜S6および図6の301〜302に対応し、ボディダイオード(図示せず)を有する、FETの対3011〜3021から3016〜3026は、図1および4にも示されるような、誘導器LとポートPAおよびPBの間の必要な双方向スイッチ機能を具現化している。各スイッチに対するFETの対の必要性は、ほとんどの大型FETのボディ端子をその源に繋ぎ、それらを単一方向にブロックさせることにより端子を削減する、一般的な慣行の結果である。この慣行が双方向にブロックするFETを形成するように変化した場合、本発明を実践するためには、FETの対ではなく単一のFETで十分である。
【0109】
実用的なFETSは容量性であり得るので、IS1〜IS6aおよびb内に含まれて示される市販のFETドライバを使用してそれらを駆動することができる。電圧源VAからVGは、ノードの対A−A+、B−B+、C−C+、B−D+、およびG−G+を通してそのようなドライバに電力供給するために使用される。
【0110】
AC結合を使用してFETを駆動することができるが、そのような結合は、スイッチデューティサイクルの両極端で不具合を生じることが多い。絶縁型D−C結合が、通常最も信頼性がある。IS1〜IS6aおよびb内にも含まれて示される隔離は、好ましくは、DC動作が可能なGross Magneto Resistive(GMR)アイソレータを使用して達成される。速度が重要ではない場合には、光学アイソレータが使用され得る。Analog DevicesからのADUMシリーズのアイソレータ等の変圧器結合データアイソレータも使用可能であるが、望ましくない双安定性状態のリスクがある。FETが電力変換器において一般的に使用されるが、本発明を実践するためのスイッチとして、BJT、IGFET、サイリスタ、またはさらに磁気増幅器も使用可能である。Lにおける誘導電流を表す信号VILを提供するための図8のIL、RIL、およびAILを参照すると、ある場合には単純な増幅器で十分であるが、そのタスクのための、十分なGBW(利得帯域幅)、入力範囲、およびDC精度を有しなければならない。一般に利用可能なハイサイド電流モニタは通常、高速変換器には帯域幅が不十分である。電流モニタと適切に結合された変流器はDCからの均一な応答を高周波数に提供することができる。変流器のみではAC結合しか提供せず、これにより限定された場合で動作することができるが、検出されない高電流のリスクをもたらす。
【0111】
図9は、ゼロ度においてゼロから正で始まる制御ポート電圧VIに従う正弦波の変換器ベースの生成を示す。このグラフは、図4を具現化する回路および図5に示される機能を具現化するロジックをシミュレートするSPICEシミュレータにより生成された。図9Aは、正のPA電圧Vpでの動作を示し、図9Bは、負のPA電圧での動作を示す。PAにおける電流Ipの盛衰は、図9の上部に示されている。中央には、制御ポート電圧入力VIが示され、本発明の電力変換器によりPBで生成された正弦波電圧VOがシミュレートされている。
【0112】
これらのアナログ波形のすぐ下は、この変換器をシミュレートしているときにSPICEシミュレータにより生成されたタイミング図である。タイミング図の左側の記号表示1A、1B等は、上述のモードのどれが所与の時間においてアクティブであるか、またタイミング図の上の波形を生じさせそれに応答しているかを示している。(SPICEにより生成された図9のアラビア数字は、図4および以下の説明中のローマ数字に対応し、したがってモード1およびモードIは同じである。)
【0113】
図9Aから始めると、バック−活性化モードであるモードIAはまず、それに接続されたエネルギー貯蔵負荷にわたるPB電圧VOを上昇させる。これは同期の実施形態であるため、任意の規則は、モードIA、IBをクロックパルス、この場合では20uS間隔(図示せず)によってのみ開始させる。モードIAはVOを激しくスルーするため、後者は、しばしばVIに触れるとVIを若干オーバーシュートし、過剰の誘導エネルギーを示し、モードIDRにエネルギーをPAに返させる。VOがVP、ここでは+5Vに近づくと、スルーの強さは減少し、それによりVOがVIをオーバーシュートしないようになり、これはまず80uSで起こり、このときにモードIIAは誘導エネルギーをPBに移動する。誘導エネルギーが枯渇したら、モードIDRが呼び出され、エネルギーをPに戻すことができるか、またはこの場合は単純に枯渇した誘導器Lにロードすることができる。
【0114】
100uSクロック(図示せず)において、VOはここでVPにほぼ等しい、すなわち約5Vであるため、モードIAはもはやVOをスルーしない。したがって、ここでモードIBが開始し、1回の20uSクロック周期だけ続き、Lを活性化する。120uSクロックにおいて、モードIIAは誘導エネルギーをPBに移動する。VOが約126uSでVIに近づいたとき、非同期シーケンサ決定がモードIDRを呼び出して過剰のエネルギーをPAに戻す。VPから引き出された電流(下向き)は、モードIBのそれぞれの発生において見られる。このシーケンスは、140、180、および220uSで繰り返される。
【0115】
ここでVOはVIに非常に近いため、モードIIAの呼び出しはより短くなるが、モードIDRの呼び出しは長さが増加する。
【0116】
250uSにおいて、90度正弦波ピークに達し、新たなモードが開始する。260uSにおいて、VOはVIを超えるため、モードIICRは、VOがVIに降下するまでPBからエネルギーを引き出してLに入れ、このときもう一つののシーケンサ決定がまたモードIDRを呼び出す。ここで、PBから取り出されたエネルギーは誘導器Lに留まり、モードIDRはそのエネルギーをPAに返し、これによりVP電流が上向きのスパイクとなる。このスパイクは、誘導エネルギーが枯渇したとき、または次のクロックにおいて終了する。モードIICRおよびIDRの交替は正弦波のほぼ90度の間継続し、500uSまで20uSごとに、さらなる交替が開始する。返された電流の追加のスパイクを、正弦波の90度と180度の間に見ることができる。
【0117】
約500uSにおいて、VOは正であり、すでに負となっているVIより遅延している。我々は、ゼロをまたぐ最初の事象に遭遇した。このときモードIICZが呼び出され、この段階で過剰となったエネルギーをPBからLにダンプする。Lは、次いで、擬似共振的にPBのコンデンサを再充電し、そのエネルギーの多くを戻すが、極性は逆である。モードIICZの影響で、500uSのすぐ後にVOはゼロを通過してマイナス数百mVに到達することがわかる。
【0118】
520uSの直前において、モードIIDの微小なスパイクがLにおける僅かに過剰のエネルギーを証明している。モードIICではなくモードIIDが生じる理由は、VOがVPより非常に小さいからである。
【0119】
完全なタイミングを満たさないと、520uSでのモードIBの機会を逸するが、540uSにおいてモードIBが生じ、Lを活性化する。560uSで、さらなるモードIIDパルスが開始し、Lが枯渇すると非同期的に終了されてモードIDRを呼び出す。580uSで、新たなモードIBが開始するが、600uSでLにおける、その新たなエネルギーが移動されなければならない時に、VPに比べVOがもはや微小ではないため、モードIICが呼び出される。700uSまで、VIに達するVOからではなく、L1の枯渇から、各モードIICの次にモードIDRが来る。700uSの後は、モードIDRであり、Ipの返されたエネルギーのスパイクを伴う。当然ながら、各モードIBに、PAにより提供されるエネルギーのスパイクが伴った。750uSで、正弦波の270度に達し、VIおよびVOの両方が互いに近づき極めて平坦となる。Lは、760uSにおいて比較的大きなスパイクでモードIDRにより返される過剰のエネルギーで満たされている。
【0120】
780uSで、モードIIARが初めて開始する。このモードは、モードIICRと同様に、VOが上昇してVIに一致するまで、エネルギーをPBからLに移動し、一致したときにシーケンサ決定が再びモードIDRを呼び出し、Ipスパイクで明らかなように、PAにエネルギーを戻す。返されたエネルギーのスパイクとともに、モード2ARおよびIDRの交替が続き、1mSまで20uSごとにクロックパルスを開始させる。
【0121】
約1mSにおいて、VOは負であり、すでに正となっているVIより遅延している。我々は、ゼロをまたぐ第2の事象に遭遇した。このときモードIIAZが呼び出され、この時点で過剰のエネルギーをPBからLにダンプする。Lは、次いで、擬似共振的にPBのコンデンサを再充電し、そのエネルギーの多くを戻すが、極性は逆である。モードIIAZの影響で、1mSのすぐ後にVOはゼロを通過してプラス数百mVに到達することがわかる。
【0122】
次にモードIAが繰り返され、VOを上方にスルーして新たな正弦波周期が開始する。
【0123】
図9Bを参照すると、同様の正弦波の生成が起こるが、今度はVPは−5Vである。
【0124】
使用されるモードは同様であり、同様の機能を有するが、いくつかは役割が逆転している。バックモードであるIAは反転には使用できないため、この場合VPおよびVIの両方が負である場合に生じる。この場合、いくつかのエネルギー返還IDRモードは、極性の逆転に起因してVIAモードで置き換えられる。図9Bの負のスルーは、図9Bの正のスルーに対応する。この場合エネルギー消費はIpにおいて上方を向き、エネルギー返還は下方を向く。
【0125】
Ipのより大きなピークの理解による大まかな把握により、このコンバータ内にエネルギー平衡化を含めることにより得られる利点が示される。大きなスパイクはモードIBに関連している。エネルギー平衡による終了を欠くモードIBは、電流の限界に達しない限り、周期の終わりまで継続する。次いで、次のクロック周期の間、エネルギーが分配されいかなる過剰分もPAに返される。
【0126】
エネルギー平衡化が適所にあると、モードIBは、Lにおける十分なエネルギーの獲得後に非同期的に終了し、エネルギー分配を開始させ、またさらに、おそらくは同じ周期内で完了するであろう。モードIB活性化スパイクが散在したエネルギー返還スパイクは消失し、活性化スパイクがより小さくなるであろう。VOへのリップルとVPへのリップルの両方が低減される。図4の任意の活性化モードに任意の伝達モードが続いてもよいことに留意されたい。重要なのは、エネルギーがどのように誘導器内に入ったかではなく、どの伝達モードが最も良くエネルギーを移動して最大限の効率で所望の出力を達成するかである。
【0127】
図10は、性能を改善するために本発明の一部として使用可能なエネルギー平衡化計算器を示す。この平衡化装置は、エネルギー平衡化が実践されない本発明の実施形態からは省略することができる。また、明確性のためにここに示される明示的な手段ではなく、図12に示される暗示的な適応手段により実現することもできる。参照することにより本明細書に組み入れられる関連出願番号第11/593,702号に教示されるように、静電容量およびインダクタンスの値を決定するための手段、ならびに間接的に負荷電流を決定する手段を、この計算器に加えてもよいことに留意されたい。この図において教示されるエネルギー平衡化計算の数学的に正確な実現は優れた結果を生むが、その予測の大雑把な近似でもまだ非予測的な従来技術の制御に勝る結果が提供されることに留意されたい。したがって、単純化された予測項を使用して、例えばKELおよびKEC項における量の二乗を無視することにより、本発明を実施して、従来技術に勝る結果を生み出すことが可能である。
【0128】
この図の計算器において、3つの主要部分があり、そのうちの第1はKEC、すなわち容量性運動エネルギー項である。
【0129】
極性が適切に調節されたVIは、乗算器BM1で二乗され;VOが同様に調節されて乗算器BM2で二乗されてから、インバータBI1により反転される。第1の二乗と反転された第2の二乗の加算がBS1により実行されて二乗の差が生成され、BRECT1により修正され、BM3において、変換器出力での総静電容量CTOTの値の0.5倍が乗じられる。このプロセスは、VOを所望の電圧に移すために必要とされるエネルギーを生成するプロセスである。この移動の符号は、極性信号を使用して扱われる。
【0130】
第2の誘導運動エネルギー項KELはより複雑である。最も単純な部分は、以下のように得られる瞬間誘導エネルギーKELtである。BM6はIL(実際は図8においてVILで表される)を二乗し、これに誘導器値/2である0.5Lを乗じ、周知の方程式KE=L*I^2/2に従い瞬間運動エネルギーを導出する。誘導器からエネルギーを抽出するには時間および電圧を要するため、モードの終わりでの誘導器の非活性化されたエネルギーを表す、他の誘導エネルギー項KELd(KEloadと混同されるべきではない)がある。誘導器が、非活性化するために十分時間および電圧を有する場合、KELdはゼロであるが、そうでない場合は、KELdは、非活性化誘導電流ILdを演算することにより決定される。ILdを得るために、BM4はまずVOに、モードに残されている時間dTを乗じる。項dTは、残りの周期時間を表す下向きののこぎり波となり得る。次いでBD1は得られた積をLで割る。この動作は、周知の方程式dI=E*dT/Lを実行する。結果dILは、BI2で反転されて−dILが得られ、これは次いでBS2によりVILと加算されてILdを生成し、BRECT2により修正される。得られる信号は二乗されて0.5Lで乗じられ、非活性化エネルギーKELdを生成し、これはBI3により反転されてBS3によりKELtと加算され、予測抽出可能エネルギーKELを生成する。
【0131】
第3の負荷エネルギー項は、VOを所望の時間に補正されるようにするためにどれ程のエネルギーが必要かを予測する。バック変換器において、予測は、好ましくは周期終了に対するものであり、所望の電圧は通常、VOリップルに埋もれている。フライバック変換器に対しても同じ時間を使用することができ、この場合所望の電圧はVOリップルの底部により近い。あるいは、誘導フライバックの終わりまでの時間Tfbを使用し、所望の電圧をVOリップルの上部近くにすることができる。BM9は、負荷の予測エネルギー消費量を表すKELoad項を生成する。これを行うために、選択された時間dTまたはTfbにVOおよび負荷電流を乗じる。負荷電流を直接測定してもよいが、最も効率的とするために、通常Iloadを導出することが好ましい。既知のコンデンサCREFがVOおよび他のいかなる容量と分路されている場合、内部または外部リップル電流は、それぞれの静電容量と反比例してこれらの静電容量を流れる。したがって、周知のレシオメトリック技術により、CTOTの値を決定することができる。CTOTのすべてまたは一部が外部である場合、その電流を測定するのは不都合となり得るが、内部であるCREFは、その電流Irの測定を可能にする。BM8においてCtotが乗じられ、BD3においてCrで除算されたIrは、総リップル電流Iripを生成する。ILのAC電流のほとんどはIripであるため、IL−Iripは導出された瞬時負荷電流であり、B14はBS5におけるILとの加算のためにIripを反転し、BM9のための導出されたIload項を生成する。
【0132】
この図の平衡発生器はまた追加の機能を具現化する。KELが増加している間CdifおよびRdifは正の信号を生成するが、KELが減少すると負の信号を生成し、これを比較器BC4が転換信号TA2に処理する。ENモードの初期において、ILが上昇する間、KELもまた上昇するが、このモードの後期で誘導エネルギー伝達のための時間が減少すると、KELは、ILが上昇し続けるにもかかわらず低下する。その時、追加の活性化により消散しか得られないため、TA2はENモードを終了するための非同期トリガを発行する。本発明によるこの項は、周知のDCMモードで動作する変換器に適用可能であることに留意されたい。本発明によるエネルギー平衡化または非エネルギー平衡化変換器に対して、BC3によりTfbをdTと比較し、同じ終了を達成するために他の転換信号TA1を生成することができる。
【0133】
ここまでの説明において、誘導器Lは誘導器であると仮定してきたが、変圧器を含むいかなる種類の誘導反応器であってもよい。実際、1つのポートを他のポートから隔離することが望ましい場合は、変圧器が必要となる。そのような設計は電力設計の技術分野の当業者には周知であり、本明細書ではこれ以上説明しない。しかし、本明細書で説明されるスイッチ構成および制御技術は、そのような誘導反応器に容易に適用することが可能であり、本発明は、そのような用途を含むように意図している。
【0134】
図11は、以下に説明される本発明の適応性および容易化された例証的な実施例の切り替え状態を示す。これらの状態は、図4のモードと類似しているが、フライバック変換器の追加の形態を表している。(しかし、図4には、図11の状態IV、VI、およびVIIIと等価なものはない。)以下の実施例は図1および4のS1の閉鎖は必要ではないため、この図ではS1が省略されている。後述するような誘導電流の再循環の説明を容易とするために、新たなスイッチS7が追加されている。S7の使用は好都合であるが、再循環のため誘導器にわたり短絡をもたらすために、図4においてS3およびS5またはS2およびS4を閉じることにより、同じ結果を達成することができる。しかし、S7は、第2のスイッチに関連した損失が回避されるという点で好都合である。以下の実施例において、図4における全部で6つのスイッチよりも少ないスイッチが必要となる。
【0135】
追加のフライバック変換器の古典的なフォワード活性化モードである状態Iにおいて、Lは、S2およびS5を介して活性化されているように示されている。
【0136】
状態IIは、追加のフライバック変換器の古典的なフライバックまたはフォワード伝達モードを示す。
【0137】
状態IIIは、スイッチS6およびS3を介したPBからのLのリバース活性化を示す。そのような活性化は、PBから過剰のエネルギーを除去するために使用することができる。誘導電流の流れは、状態I、II、およびVから逆転されていることに留意されたい。
【0138】
状態IVは、LからPAへのエネルギーのリバース伝達を示す。そのような伝達は、状態IIIまたは状態VIIIの後のPBからの望ましくないエネルギーをPAに戻すために使用され得る。誘導電流の流れは、状態I、II、およびVから逆転されていることに留意されたい。
【0139】
状態Vは、スイッチS3およびS4を介した誘導器Lからのエネルギーの返還を示す。このモードは、Lにおける過剰のフォワードエネルギーをPAに戻すために使用することができる。
【0140】
各種状態におけるLDおよびVDCの移動は、負荷および電源が移動されたとは言えず、ただエネルギーが変換器100からPAへ、またはPBから変換器100へ現在流れていることを示す。
【0141】
状態VIは、後述するように本発明によるエネルギーの貯蔵を維持するための、S7を介したLにおける誘導電流の再循環を示す。当業者には、他のすべてのスイッチを開いたままとしながら、S2およびS4の両方、またはS3およびS5の両方を閉じることにより、僅かな追加の損失で本発明による再循環が有効化され得ることが明らかである。
【0142】
状態VIIは、スイッチS3およびS6を介したリバースエネルギーのPBへのフォワード伝達を示す。
【0143】
状態VIIIは、スイッチS4およびS3を介してLに負のエネルギーをロードするためのフォワード負活性化状態を示す。
【0144】
本明細書における制御機構は、ある基準信号に関して出力を制御することにも留意されたい。基準信号は、変換器への入力電圧、制御を調節するための別個の信号、またはこれらの両方であってもよい。
【実施例】
【0145】
本発明の実施形態の数々の実施例を本明細書に記載する。発明者らは、これらの実施形態が、これらの発明の技術の特に有益な実現を例証していると考えるが、決して、これらが本発明の範囲に関して限定していることは意図されない。
【0146】
実施例1:単純なフライバックを使用した増幅器
図12は、1つのスイッチ(図1のS5に対応する)および1つのダイオード(図1のS6に対応する)を備える、単純なフライバック変換器形態を使用した増幅器を表す。この同期追加フライバックユニポーラ増幅器は、本発明によるCCM安定性および適応性自己補正の両方を得る方法を具現化している。
【0147】
図12は、2つの主要部分を含む。右側は、誘導器L、スナバコンデンサC8、スナバ抵抗R26、誘導電流センサSEN、スイッチS5、S−RフリップフロップBIS、過電流比較器COC、電流制限閾値VLIM、スイッチングダイオードS6、フィルタコンデンサCI、分圧器RAおよびRB、過電圧比較器COV、リセットorゲートROR、ならびに、負荷LDが接続される出力電圧VOを備える、完全に従来型の追加フライバック電力変換器である。BAL入力に対応するためのゲートRORの1つの入力の使用を除いて、従来部分の構成要素の機能は、従来技術と同様である。この電力変換器の従来技術部分に無いものは、入力電圧VIと、出力電圧VOと、出力電圧VOを調整するための上述のゲートRORの入力とに取り付けられた通常のフィードバックループである。
【0148】
図11に示されるエネルギー移動状態のうち、フォワード活性化(I)およびフォワード伝達(II)状態の2つのみが使用される。正の方向にのみアクティブにスルーすることができるため、そのような増幅器には比較的大きい最小負荷が必要である。
【0149】
この増幅器の4スイッチバージョンもまた、対称的な動的応答を示すことが示されている。図20Aおよび20Bを参照。図12において、S6は、単純な実施例を提供するためにダイオードで置き換えられている。
【0150】
図12の増幅器は、従来技術のフィードバックループの代わりに、あらゆる総合誤差、および負荷LDと分路されているあらゆる追加の静電容量を調節するために適用可能な適応補正を具現化する、本発明による適応性のフィードバックループADAPTを備える。適応補正に瞬間的な入力電圧VIが使用される場合、その効果は、出力VOに位相の進みを加えることである。反応性フィードバックループに安定して、また予測可能に進みを導入する能力は、制御システム、特にモーメントが関与する制御システムにおいて有用な機能となり得る。進みが望ましくない場合は、整合する入力および出力平均化フィルタを使用することにより、位相を変えずに適応補正を加えることができる。R3およびC2は、平均入力電圧VIavgを生成する入力平均化フィルタを形成する。RvoおよびCvoは、平均出力電圧VOavgを生成する対応する出力フィルタを形成する。適応性フィードバックは、瞬間的な入力をフィルタリングされた出力と比較し、それらの2つの電圧を一緒に引き出すことができる。それが位相の進みをもたらす。入力電圧が出力電圧と同様にフィルタリングされる場合は、適応性フィードバックは、位相ひずみをもたらさない。
【0151】
この実施例は1の電圧利得を示す。計算に使用される前に、デジタルで、または入力電圧VIに利得段を加えることによって、または出力VOを分割することによって、あらゆる妥当な利得を適用することができる。所望のいかなる非線形伝達関数も同様に組み込むことができる。
【0152】
この実施例では、スイッチS5を閉じ、電力入力VPからの電流の流入を許可することにより、従来の様式でLを活性化するために、タイミング発生器TGからのクロックパルス信号Sにより5uSごとに同期的にBISが設定される。従来の出力フィルタコンデンサは、この電力変換器に対し内部のフィルタコンデンサであることを示すために、ここではCIと指定される。この実施例では、負荷LDは、試験目的で、正弦波電流またはパルス電流負荷を引き出す。
【0153】
センサSENは、周知の電流モニタであっても、誘導電流を表す信号VILを生成するための誘導エネルギーを確認するための他の回路であってもよい。機能性電圧源B1は、Lの値に応答性であってもよく、または、Lの値を表す固定電圧であってもよい。一定の電圧0.5もまた示されている。機能性乗算器BM6は、これらの3つの入力を処理して古典的な誘導エネルギーの式KE=1/2L*I^2を実行し、誘導エネルギー信号KELを生成する。
【0154】
タイミング発生器TGは、2つの信号出力TG1およびTG2、ならびに2つの遅延素子DL1およびDL2を備える。TG1は、5uSの期間、および20nSの過渡時間を有する100nSパルスである。TG1は、2つの100nS遅延DL1およびDL2により遅延し、スイッチS8、S9、およびS10を一瞬閉じ、BISを設定するために順次信号を提供する。TG2は、傾きが1V/uSの下向きの傾斜dTであり、チョッピング周期における残りの時間を表す。
【0155】
他の入力項を追加することなく負荷電流Ildを表す信号を得るためには、負荷は3つの周期にわたる移動平均として、Lにおける電流から構築される。機能性源B2により表される誘導器電流はC4に統合され、スイッチS10により各周期の始めでゼロ補正され、それにより1サイクルのみの総電流SILを得る。V6は、C7における前の周期のSILをサンプリングしmidSILとして保持するように、スイッチS9を制御する。同様の様式で、V5は、C3における最後から2番目の周期の電流lastSILを保持するように、スイッチS8を制御する。デジタルでの実現においては、この機能は単にレジスタに値を格納することにより提供され得ることに留意されたい。機能性源BSILは、C4、C7、およびC3に格納された誘導器電流の3つの積分値を平均化する。平均は、R2およびC5を備えるアナログフィルタでさらに平均化され、avgSIL項を生成する。将来の負荷を予測するためには、時間を導入する必要がある。機能性乗算器BMILは、周期において残っている時間dTおよび出力電圧VOをSILavgに乗じて、予測負荷エネルギーKEloadを得る。BMILはまた、これらの項に一定信号1.5を乗じて予測負荷エネルギーを50%拡大し、この実施形態が基づく方程式において明示的に説明されない伝導エネルギーに対するKEloadを調節する。
【0156】
容量性エネルギー信号KECmは、修正された入力電圧VIおよび出力電圧VOの二乗の差である必要容量性変化信号dCapKを含む。VIを修正するには、機能性アナログ加算器BSVIは、VIをそれ自体の平均VIavgに加え、そこからVOの平均VOavgを差し引き、修正された入力信号VImを生成する。次いで機能性乗算器BM1がVImを二乗して信号VIm^2を生成する。機能性乗算器BM2がVOを二乗して信号VO^2を生成する。
【0157】
機能性源B3は、CI/2.5の値に応答して信号VCを生成する。VCは、単純にCIの固定値の固定表現であり得る。機能性乗算器BMBは、CapKにVCを乗じ、図10のKEC項に対応して、容量性エネルギー信号KECmを生成する。
【0158】
この場合、KECmは、VIおよびVOの二乗の単純な差ではなくVIを修正する適応項から成る。したがって、この調節VIは、未修正のVIを使用して生じる場合よりも、平均入力VIavgに近い平均出力VOavgをもたらす。適応項の主な利点は、調整またはDC精度の損失を生じさせることなく、外部負荷静電容量を動的に加えることができることである。温度または他の動作条件による、スイッチ誘導器の値の比較的緩やかな変化もまた、適応項により吸収される。
【0159】
古典的な容量性エネルギー方程式KE=1/2C*E^2の残りを提供するために、別個に、dCapK容量性エネルギー項に、2で割った静電容量が乗じられる。この場合、機能性源B3において、我々は代わりに2.5で割ってVCを得る。したがって、容量性エネルギー項KECmを減少させることにより、エラー補正利得が低減され、それによってサンプリングされたループ安定性が増加する。この適応性のフィードバックループは、その動作において生成した、いかなる小さいDCエラーも補償する。
【0160】
機能性アナログ加算器BS4は、誘導エネルギー信号KELを、負荷エネルギー応答信号KEldおよび容量性エネルギー信号KECmの合計と比較する。誘導エネルギーが、容量性エネルギー差および予測負荷エネルギーの合計以上である場合は、機能性アナログ加算器BS4は、フリップフロップBISをリセットする平衡エネルギー信号BALを生成し、このようにS5を開いてLの活性化を終了する。
【0161】
誘導器が完全に活性化される時間があったかどうかにかかわらず、次の設定パルスSで周期が繰り返される。誘導器に残されたいかなるエネルギーもKEL項により正しく表現されるため、この増幅器は、図示されるように、出力で200ufを駆動し、300から900mAまでで変動する正弦波電流がロードされる間であっても、ひずみまたは過剰のリップルなしに連続モードCCMに、またはそこから円滑に移行する。従来の変換器は、連続モードの不安定な境界で交互にアンダーシュートおよびオーバーシュートする傾向があり、低周波リップルを生成し、振動をもたらすか、またはさらに、結果的に自己破壊への傾向を有する正のフィードバックを生成する可能性もある。
【0162】
図13は、適応補正が同相で適用された図12の回路の性能を示す。VOは、入力VIを追跡する出力である。2つの軌跡は重複しており、実際には区別できない。下方の軌跡ILoadは負荷電流である。増加した負荷電流の目に見える効果は、出力リップルの若干の増加のみであることに留意されたい。図13〜15に示される結果は、別段に指定されていない限り、本出願に記載の他のすべての結果と同様、SPICEシミュレーションに基づいている。SPICEは、電気回路シミュレーションのための、周知で一般的に使用されているツールである。
【0163】
図14は、図13からの入力および出力軌跡、およびスイッチ誘導器Lにおける電流ILの拡大した詳細である。ILは、出力電圧の乱れもなく、連続的な状態から、または該状態へ移行する。連続伝導期はCCMと標示され、不連続期はDCMと標示される。
【0164】
図15は、300から600mAの負荷の変化および復帰に対する応答を示す入力および出力軌跡の詳細である。負荷変化の上昇および降下時間は1uSである。同相適応補正のために形成されたフィルタ極性は、予測エネルギー平衡により可能とされた優れた過渡応答を著しく悪化させない。非予測フライバック変換器は、負荷が瞬時に二分された際、電圧降下傾斜の間に大きくオーバーシュートするであろう。オーバーシュートをアクティブに補正する手段がないため、従来の変換器はその過渡から回復するために過度の時間を要することとなる。
【0165】
実施例2:連続モードDC−DC変換器における改善された調整のための誘導器電流の再循環
図16は、本発明による誘導器電流を循環させたフライバック変換器(図11の状態6)を示す。
【0166】
CCM電力変換器の制御における基本的な問題は、負荷電流を供給するために誘導器Lにおけるエネルギーが必要ない場合に生じるが、これは負荷LD以外にそのエネルギーが行く場所がないためである。結果として、負荷電流が低減される際に出力でオーバーシュートする。スイッチ誘導器Lに貯蔵された連続的エネルギーは、多くの場合、いかなる1回の切り替え周期においても、入力から出力へ移動されたエネルギーと比較して大きさが大きいため、その余剰エネルギーのより良い対処法は、著しい調整改善をもたらし得る。二方向変換器は、エネルギーを入力に戻すことができるが、そのためには余分なスイッチが必要である(後述の実施例4を参照)。代替手法は、スイッチ誘導要素Lにわたり直接接続された1つの追加のスイッチS7を閉じることにより、スイッチ誘導器における連続電流を再循環させることである。そのように循環されたエネルギーは抵抗損失を受けるが、エネルギーのほとんどは短期間貯蔵され得る。最小負荷電流がゼロに近くない状況では、再循環されたエネルギーは、次いで、必要に応じて、後の何回もの周期にわたり徐々に負荷に送達され得る。この配置により、単純なシステムにおいて、高電力密度、良好な調整、および良好な効率が可能となる。非常に低いオン抵抗のFETスイッチM2、M3の近年の開発が、このアプローチを実用的なものにしている。
【0167】
図16を参照すると、RECIRCと標示されたボックスの外に、従来のフライバック電力変換器の有するもののほとんどと、誘導器L、誘導エネルギーセンサSENS、スイッチS5、ダイオードS6、フィルタコンデンサCI、スナバコンデンサC8、スナバ抵抗R26、電圧出力VO、入力電圧VIを生成する入力電圧源V、VOをVIと比較するための電圧比較器CVO、S5のオンおよびオフのためのS−RフリップフロップBIS、周期的にBISを設定するためのクロックCLK、制限閾値源VLIM、ならびに、誘導電流ILがVLIMにより設定された閾値を超える場合に、BISをリセットしてS5をオフにするための誘導電流比較器COCが見られる。図16のRECIRCと標示されたボックスの外において、従来技術の変換器にないものは、BISをリセットしてVOの制御を試みるフィードバックループである。エネルギー源Pは電力線VPに電圧を印加して変換器に電力供給し、負荷LDは変換器出力電力を消費する。発明者らは、Philips部品番号PH2625により実現したFETスイッチS5、および一般的なIN5817で実現したダイオードS6が良好に機能することを発見した。これらの従来技術のコンポーネントの動作は、本発明によるフィードバックループを除いて、当技術分野では従来のものであり、周知である。
【0168】
図16において、BISをリセットしてS5 ON時間を制限、ひいては、制御誘導電流ILを制御するための通常のORゲートがないことに気付き得る。この不在は、VOがVIを超える場合に、この変換器がそのフィードバックの一部としてBISをリセットしないために生じる。代わりに、CVOがANDゲートであるRANDを駆動して再循環信号RECを生成し、これがスイッチS7をオンにし、図11の状態VIを開始させる。変換器がちょうど図11の状態IIにあり、電流がL内に流れていた場合、そのエネルギーは、負荷LDへの伝達を中止し、IRECと標示された矢印により示されるように、S7を介して再循環を開始するであろう。S7およびLを介した回路に損失がない場合には、電流は無限の時間、減退することなくそこで循環するであろう。しかし、S7およびLはともに、誘導時定数T=L/Rに従い電流を単位時間あたりある割合で減衰させる直列抵抗を有し、式中Tは、電流が63.2%減衰する秒単位の時間、Lはヘンリー単位のインダクタンス、Rはオーム単位の回路の抵抗である。減衰が比較的速い場合、誘導渦電流の損失もまた生じ得る。図16の変換器において、再循環チョッピング周期の間のピーク誘導電流は、VLIMにより設定される。負荷がエネルギーを使用する場合、誘導電流は弱まるが、ゼロから電流を上昇させなければならない代わりに、次の信号において、ある正の値からVLIMにより設定される値に電流が上昇され、再循環誘導エネルギーの貯蔵部に、負荷および損失により消費されたそのエネルギー量を実質的に再貯蔵する。
【0169】
図16のS7を参照すると、信号RECが従来の特性のFETドライバDRVを駆動して、ここでもPhilips部品番号PB2625等が好ましい双方向ブロッキングおよび伝導スイッチFETであるM2およびM3をオンにする。S7を伝導させるためには、M2およびM3は、DRVによりVPより高い電圧で高められなければならない。そのために、M2およびM3のターンオン電圧と等しい補助電圧源VTOがVPに重ねられ、ノードAおよびCを接続することによりDRVに接続することができる。あるいは、VOが、VPとVTOの和よりも小さい必要がない場合は、源VTOは省略され、ノードAおよびBを接続することによりVOで置き換えることができる。補助タイプDフリップフロップBISRは、クロックによりセットされゲートRANDを介してリセットされて再循環を終了し、こうして、VOがVIより下に落ちる場合、図11の状態IIを開始する。図11の状態Iの間、ゲートRANDを介して、BIS/Qにより再循環が開始される。
【0170】
図17は、図16で教示された本発明による再循環を使用し、本発明の予測エネルギー平衡化技術を組み合わせた変換器を示す。図16の変換器はエネルギー平衡化技術なしで良好な調整を提供するが、循環する誘導電流の一定の貯蔵を維持する効率損失を代償にそれを実現している。動作条件が極めて一定である状況では、プリセット電流によりもたらされる効率ペナルティを小さくあり得る。図17の変換器は、本発明による再循環に加えて、良好な過渡応答を提供するために再循環されなければならない電流量を最小限化するための、本発明による予測エネルギー平衡化を具現化している。
【0171】
図17の再循環フライバックの実施例は、近似式を使用して、出力側でエネルギーの若干の余剰を提供するためにLにおいて必要とされる電流を決定する。僅かな余剰分は、再循環によりスイッチ誘導器に保存される。さらに、再循環が各周期の間、僅かの期間だけ必要とされるように、平衡式を微調節して活性化モードを終了させるために、適応フィードバック経路が提供される。単純化のために、ここでは、1つのスイッチS5および1つのダイオードS6、ならびに、M2およびM3を備えたバイポーラ再循環スイッチS7を使用した単一方向フライバック変換器に、再循環の原理が適用される。
【0172】
本明細書に記載の適応フィードバック法は、再循環スイッチが閉じている間の間隔である適切な再循環時間を達成するために、プリセット電流制限を適応して調節するために使用することができる。
【0173】
図17のRECIRC−ADAPTと標示されたボックスの外にある部分は、図16の場合のように、単純な従来技術のフライバック変換器を含む。この実施形態で使用されるコンポーネントは、R3 5K、R26 150オーム、C2 100nF、C8 820pF、CI 330uF、L 5uH、ともにPH2625であるFETスイッチS5、S7、およびS6 1N5817である。
【0174】
図16の場合のように、従来技術のフィードバックループは不完全であり、以下に記載の本発明による改善されたフィードバックループにより満たされる必要性を生じている。図16とは異なり、この変換器は、従来技術のように、フィードバック基準が満たされたときにBISをリセットするための余分な入力を提供するために、リセットORゲートRORを備える。従来技術とは異なり、この入力は、履歴ではなくエネルギー予測に応答する。
【0175】
機能性計算器B1は、エネルギー予測を実行するために以下の式を実行する。
(IL>VI*IId*0.45+VO/VP*1.4+(VI−VO)*15+(1−FB)*0.15)である時、BALは真。
【0176】
必要とされるL電流は、VI×負荷LD電流の積、VPに対するVOの比、および出力コンデンサCIでの電圧VOの余剰または不足の3つの項の加重平均に比例する。さらに、適応フィードバック項FBもまた、機能性予測計算器B1の計算に含められる。FBは、負荷静電容量またはスイッチインダクタンスにおける変化、さらに熱的効果および他のいかなる数値化されていないの変数をも考慮するためにスケールされ加えられる。フィードバック信号FBは、R3およびC2により平均化された再循環制御信号のデューティサイクルである。活性化モードから伝達モードへの切り替えをいつ行うか決定するためのB1の計算は、C2に格納されるような最近の履歴に基づき、再循環時間の最小化を試みる。この手段により、典型的な再循環時間は短く維持され、全体の効率が改善される。
【0177】
エッジトリガ双安定BISRおよびANDゲートRANDが再循環を制御する。BISRは、誘導器電流を再循環させる機会が1サイクルにつき1回のみ利用可能であることを確実とするために、同期クロックにより設定される。フライバック期間中に出力電圧VOが入力電圧VIより大きくクロスする場合、RANDはS7を作動することにより再循環期間を開始する。VOがVIを下回る場合、BISRは、クロック端子上の正エッジによりクリアされる。それ以外では、再循環は、フライバック期間の終わりまで継続する。ANDゲートRANDは、スイッチS5がオンの時に再循環スイッチを強制的にオフにすることにより、同時伝導を防止する。
【0178】
ILおよびIId両方の電流検知を提供するために、機能性シミュレーションブロックが使用された。より低速の変換器では、これらの機能は周知の電流モニタにより具現化することができるが、高速変換器では、参照により本明細書に組み入れられる出願番号第11/593,702号に教示される、高速増幅器か、またはDC経路を提供するために増幅器を補完した複合型変流器を使用することができる。
【0179】
本明細書に記載の再循環の原理は、フライバック変換器に限定されない。それは、バックおよび組合せの接続形態に等しく適用される。あらゆる場合において、再循環は、CCM電力変換器の制御の困難性を軽減する。
【0180】
Vは入力電圧VIを提供する。DC/DC変換器では、VIは通常定電圧である。
【0181】
図18は、SPICEにより生成された、図17の回路の波形を示す。図18において、回路が電源内蔵式増幅器として機能するように、VIは、5ボルトを中心にピーク間電圧が2ボルトである正弦波である。図18は、VPが2.5ボルトを中心にピーク間振幅が0.5ボルトである正弦波であるように示している。負荷電流IIdは、0.4アンペアから4アンペアに上昇し、また戻る。スイッチ誘導器電流ILは、時間全域で連続的に示される。VIおよびVOは重なった軌跡となり、この図では区別できず、より高い負荷の期間ではより大きなリップルが検出可能である。
【0182】
図19は、負の負荷過渡の間の再循環動作を示す、図18の詳細である。再循環の期間に対応する誘導器電流波形IL上の実質的に平坦な領域、および負荷が落ちる際にオーバーシュートがないことに留意されたい。
【0183】
伝達の間、S6が同期整流器として動作し、再循環中のダイオードとしての動作の代わりに、再循環の間は開いていること、この変換器がステップダウンおよびステップアップ動作が可能であることに留意されたい。
【0184】
実施例3:エネルギー平衡および連続モード動作を備えた双方向フライバック増幅器
不連続モード(DCM)コンバータと比較して、連続伝導モード(CCM)電力変換器に対しエネルギー平衡制御を行う際には、追加の考慮事項を守らなければならない。本実施例、図20Aおよび20Bは、CCMおよびDCMエネルギー平衡が良好に制御された双方向フライバック増幅器を示す。この実施形態は、負荷でのいかなる過剰のエネルギーも源に返されるため、優れた効率を提供する。このデバイスはそれ自身のステップアップ電源として機能するため、従来の調整電源の非効率性は実質的に回避される。示されたシミュレーションの負荷電流は、バイポーラであり、ゼロの周りで対称である。これらの状況下では、エネルギーが交互に、出力リアクタンスへ伝達、またはそこから回収されるため、1回の負荷周期にわたり、正味電力消費はゼロに近い。また、この接続形態および制御方法は、DC基準がAC基準信号の代わりに提供されると、電源として極めて良好に機能する。
【0185】
図20Aを参照すると、4つのスイッチ、S2、S3、S5、およびS6が、図11の状態I、II、III、およびIVを実行する。状態Iはフォワードフライバック活性化、状態IIはフォワードフライバック伝達、状態IIIはリバースフライバック活性化、および状態IVはリバースフライバック伝達である。
【0186】
これらの状態は、3つのタイプDフリップフロップまたは双安定、BISM、BISR、およびBISFにより駆動される。3つすべての双安定は、チョッピング周期を確立するために、5uSごとに750nSの実時間を有する、立ち上がりCLKによりクロックされる。
【0187】
立ち上がりクロック後、およびD入力後のリバース平衡信号RBLの状態に従い、BISMは、開始されているチョッピング周期の平衡のために持続するモード信号Mを生成する。
【0188】
RBL信号は、図20Bに示されるように、容量性エラーエネルギーdCapKの符号を報告する比較器CKECにより生成される。
【0189】
RBLが真である場合、Mは真であり、開始されている周期は、連続して、PAからPBへのフォワードフライバックエネルギー伝達を有効化するためのフォワード状態IおよびIIを含む。状態Iがまず発生してPAからLを活性化する。CLKの最小実時間およびそのBISFへの接続に起因して、Lの活性化のための最小時間PREは、実質的に最小実時間となる。最小実時間の後、フォワード平衡信号FBLに応答して状態Iが終了されて状態IIが開始され得、それは、チョッピング周期の平衡のため、PBのエネルギー需要に対する供給に十分な源PからのエネルギーをLが含有することを後述のフォワード平衡計算器が予測的に決定したことを示す。そのような決定後、FBLは非同期的にBISFをクリアし、チョッピング周期が終了するまで持続する状態IIを開始する。
【0190】
RBLが偽である場合、Mは偽であり、開始されている周期は、連続して、PBからPAへのリバースフライバックエネルギー伝達を有効化するためのリバース状態IIIおよびIVを含む。状態IIIがまず発生してPBからLを活性化する。LがPBから十分なエネルギーを移動したことを後述のリバース平衡計算器が非予測的に決定したことを示すフォワード平衡信号RBLに応答して状態IIIが終了されて状態IVが開始されてもよく、そのような決定後にRBLが非同期的にBISRを設定し、チョッピング周期が終了するまで持続する状態IVを開始する。
【0191】
上述の双安定とスイッチとの間には、図11の状態Iに対応する信号Iを生成するためのANDゲートANDIと、同様にそれぞれの対応する信号II、III、およびIVを生成するためのANDゲートANDII、ANDIII、およびANDIVとを備えるデコーダがある。このデコーダは、図示されるような個別論理として、他の図に示されるような機能性状態デコーダとして、周知のPLDとして、プロセッサから実行されるテーブルとして、または、他の周知の手段により具現化することができる。
【0192】
ORゲートOR5を介して、スイッチS5は、無条件に状態Iの双方向スイッチとして機能する。しかしまた、OR5およびANDゲートSRAND5を介して、また同期整流器比較器SRC5に応答して、S5はまた、状態IVの間の同期整流器として機能する。ここで、International Rectifier部品IR1167として、同期整流は、スイッチ電圧に基づくが、代替的に、周知のようにスイッチ電流に基づいてもよい。S6、OR6、SRAND6、およびSRC6の動作は、S5およびその関連した回路の動作と類似している。
【0193】
上記に教示されるように、また周知のように、誘導エネルギーセンサSENSは、Lにおける電流場またはE−T積に応答して信号VILを生成する。
【0194】
この変換器は、上述の、また周知の誘導電流制限よび出力電圧制限を備え得る。
【0195】
ここで図20Bを参照すると、図20Aの双安定を制御する信号CLK、RBL、およびFBLを生成するタイミングおよび平衡化回路が示されている。
【0196】
タイミング発生器TGは、クロック信号CLK、プレクロック信号PCK、および、図12で教示されたように、チョッピング周期における残りの時間を表す下向きの傾斜dTを生成する。ここで、CLKは、最小パルス幅を設定するために使用される実時間を有する。PCKは、実際は、前の周期の終了直前に生じる。比較器CTMは、チョッピング周期における残りの時間に基づき、dTを閾値Tmaxと比較して最小フォワード伝達時間を設定し、ORゲートBALORを介して平衡信号BALに優先して図11の状態IIを開始する。
【0197】
このシミュレーションにおいて、TGは5usごとに同期750nS CLKパルスを提供する。TGはまた、前の周期の末期において、CLKパルスがスイッチS11を閉じて前の周期のKEL値をC12に格納する50ns前に、同一パルスPCKを供給する。TGは約1V/uSの傾きを有するdTを生成する。
【0198】
RBL信号は、容量性エネルギー差dCapKの符号を報告する比較器CKECにより生成される。
【0199】
KELは、図12で説明された誘導エネルギー計算器である。この変換器において、誘導エネルギーはどちらの極性であってもよいため、KELの出力は乗算器MSGNおよび比較器CILSGNにより処理され、それに誘導電流の方向に応答する符号を付与し、信号KELを生成する。
【0200】
前の周期の終わりに、PCKは一時的にS11を閉じて、周期の終わりでLに残余するエネルギーKlastpedに関連する、ILの「ペデスタル」KELをC12に格納する。ペデスタルアナログ加算器SUMPEDを介して予測されるペデスタルKppがKlastpedから差し引かれ、乗算器MPEDにおいて係数0.9でスケールされ、このペデスタルにおける予測される変化がKELから差し引かれて新たな誘導エネルギー信号avKELが生成される。
【0201】
S12、CPRRCT、SUMdVL、S13、CILdMIN、DIVdIL、MdIL、およびSUMILdを備える予測ペデスタル電流計算器は、現在の周期の終わりでの電流を予測する信号PREDICTを生成する。信号PREDICTは以下のように生成される:アナログ加算器SUMdVLが、状態IIの間のLにわたる非活性化電圧を表す信号dVLを生成する。MdILはdVLに、残りの周期時間を表すdTを乗じて信号を生成し、これが、除算器DIVdILにより、図12で教示されるようなLの値を表す電圧VLで除算されて、誘導電流の利用可能な非活性化である、信号dILが生成される。信号dILは、古典的な式dI=E*dT/Lに従い演算され、式中dIは電流変化、Eは誘導器電圧、Lはインダクタンスである。
【0202】
SUMILdは、その予測された変化を、VILで表される現在の誘導電流から差し引き、周期の終わりでの電流を予測する信号ILdを生成する。比較器CILdMINおよびスイッチS13は、極端に大きなペデスタルが一時的に予測された場合、不安定性を防止するために、ILdおよび定数20のうち小さい方を選択する。
【0203】
比較器CPRRCTおよびS12は、S13により選択された信号を半波長精密整流し、信号PREDICTを生成する。PREDICTを電流信号からエネルギー比例信号に変換するために、MKppにおいて二乗されてVLが乗じられ、予測ペデスタルエネルギー信号Kppが生成される。
【0204】
avKEL計算は、従来技術の連続制御方法を混乱させていた見た目の矛盾を考慮するのに役立つ。誘導エネルギーは、電流の二乗に関連するため、電流変化の1アンペアにつきより多くのエネルギーが、より高い連続電流で伝達され得る。CCMスイッチ誘導器のすべてのエネルギーが負荷に伝達される場合、次の活性化周期中に必要なレベルまで誘導器を再充電する時間がない可能性がある。低周波の動作を回避するために、後の周期のために連続誘導エネルギーが保存されなければならない。本発明による制御のために、誘導器内に維持されるべきエネルギーは、SUMKELにおいて行われるように、総誘導エネルギーKEL項から数学的に差し引かれ、信号avKEL、または利用可能な誘導エネルギーを得る。
【0205】
ペデスタルが減少すると予測される場合は、avKEL項が減少され、活性化期間を延長して、それにより、より多くのペデスタル電流を保存する。逆に、ペデスタルが増加すると予測される場合は、avKEL項が増大され、活性化モードの早期の終了およびペデスタル電流のより小さな増加をもたらす。このプロセスは、チョッピング周期ごとに10%まで、標的となるペデスタルの変化を制限する効果を有する。活性化および伝達の時間制限に起因して、また動作条件が劇的に変化し得るために、実際の周期間のペデスタル変動は、標的の割合より大きくなり得る。この計算に使用される正確な割合は重要ではない。100%であっても、許容される結果が得られる。
【0206】
CBALにより検出される平衡においてavKELを誘導エネルギー項として使用することにより、DCMとCCMとの間の過渡近辺での円滑な動作を達成することができる。調整を改善するために連続電流の周期間の変動を制限する効果を有するいかなる機構も、本発明を実践することができる。
【0207】
平衡方程式の容量側は、本発明の他の予測フライバック変換器と類似している。dCapKは、図12で説明されたように、容量性エネルギーの差である。これにはMKECにより静電容量が乗じられ、CBALにより誘導エネルギーと比較されて平衡信号BALを生成する。
【0208】
DCM伝達およびCCM伝達は両方とも、フォワード方向およびリバース方向の両方において可能であることに留意されたい。
【0209】
容量項VCscは、1ファラドあたり0.5Vの単一ループ利得を生む。これは、本シミュレーションにおいて、サンプリングされたループ利得を低減し、それによってより良好なループ安定性を得るために、0.35に若干減衰される。
【0210】
図14に示されるものと同様に、LおよびCにおける変化を考慮するために、適応法を使用することができる。図14にも示されるように、突然の負荷変化に対する応答を速めるために負荷項を加えることができる。
【0211】
図21は、VPが3ボルトを中心にピーク間振幅が1ボルトである正弦波であるように示している。負荷電流は、ゼロを中心とした1.5KHz正弦波であり、プラスおよびマイナス0.5アンペアで振れる(図示せず)。スイッチ誘導器電流ILは、正および負の両方向において、連続および不連続の両方であるように見える。VIの軌跡は、14ボルトを中心に1kHzで10ボルトのピーク間振幅で振れる。出力VOは、VI信号を厳密にたどっている。DCMおよびCCM期間は適切にマークされている。
【0212】
実施例4:改善された敏捷性のための、誘導エネルギー貯蔵を備えた双方向フライバック増幅器
過渡応答が最も重要である状況では、負荷への供給に即時に利用可能となるように、スイッチ誘導器に余分なエネルギーを貯蔵することができる。本発明のエネルギー平衡化技術は、誘導器に余分なエネルギーを維持する変換器の制御に有益であることが示された(図10参照)。再循環技術、図18は、余分なエネルギーを誘導的に貯蔵する別の手段である。ここで図22から24に示す5スイッチの実施例は、同じ問題に対応するための別の新規な手法である。ここでも、単純化のために、本実施例はエネルギー平衡のない変換器における新たな技術を示す。改善された効率のために、エネルギー平衡を追加することができる。この場合、調整はほぼ理想的となるが、エネルギー平衡化から得ることができる過渡性能は非常に低い。
【0213】
本実施例は、いかなる連続伝導も制御された、バイポーラ出力を備えた双方向フライバック増幅器を示す。実施例3の以下の利点が同様に付随する:このデバイスはそれ自身の電力調整器として機能するため、従来の調整電力変換器の非効率性は実質的に回避される。図25で示されたシミュレーションの負荷は、バイポーラであり、ゼロの周りで対称である。これらの状況下では、交互にエネルギーが出力へ伝達され、またはそこから回収されるため、完全な負荷周期の正味電力消費はゼロに近い。この手法を用いて、90%を十分超える効率が実用的となる。また、この接続形態および制御方法は、図26および27に示されるようなAC入力信号VIの代わりにDC入力が提供されると、電源として極めて良好に機能する。
【0214】
図22を参照すると、以下の論理的表現に従い、図24において以下に示されるフリップフロップの出力に応答して図11の状態IからVIIIまでを生成するための状態デコーダSTDECが示されている。
状態I=M&F
状態II=M&/F&/X
状態III=/M)&R&/FN
状態IV=/M)&/R)&/FN|/M&/R&FN&/XN
状態V=M&/F&X
状態VI=なし、図16および17においてのみ使用
状態VII=/M&/R&FN&XN
状態VIII=/M&R&FN
式中、引用された信号は、図22および23に示されるもの、および図11の同様の名前の状態に対応し、
「&」は論理AND関数を表し、
「|」は、論理OR関数を表し、
プレフィックス「/」は、そのサフィックスに対して論理NOTを実行する。
【0215】
以下の図24により完全に示されるこの実施例では、1つの状態デコーダSTDECは、図23のスイッチブロックSWBnに例示されるいくつかのスイッチブロックに対応する。SWBnのnは、数字であって、ここでは2から6であり、図11のS1からS6に対応するSWBnのインスタンスを表すことを理解されたい。
【0216】
引用され表される信号は、SWBnが応答する信号の状態バスSTBを構成する。各インスタンスSWBnは、スイッチデコーダSWDECにより実行される一意のデコード機能を有し、これはSTBの信号、およびスイッチSにわたる電圧に応答する比較器CSWにより生成される信号IS<Ithに応答する。したがってSWBnは、「Ithまで」の機能を実行する。デコーダSWDECは、信号DRVを生成してSに端子SWmとSWnの間の回路を閉じさせるが、後者は図11の1つのスイッチの端子に対応する。デコーダSWDECは、以下の論理的表現に従い、そのインスタンスにおいてSTBおよびIS<Ithに応答する。
SWB2=(I&IS<Ith)|II|IV
SWB3=((III|VII)&IS<Ith)|V
SWB4=V&IS<Ith
SWB5=I|(IV&IS<Ith)
SWB6=(II&IS<Ith)|III|VII
【0217】
図24を参照すると、SWB2からSWB6まで標示されたSWBnの5つのインスタンスは、スイッチデコーディングおよび切り替えを正確に実行して、それぞれ図11のS2からS6として機能する。
【0218】
図24の5スイッチ電力変換器は、接続形態において図20の4スイッチ連続の実施例と類似しているが、制御方法においては類似しない。図11のS7および状態VIは、本実施例では使用されていない。
【0219】
図20の場合のように、タイミング発生器TGは設定パルスSを提供して各チョッピング周期を開始し、比較器CVOを介して、BISM、BISF、およびBISRを、VOとVIとの間のあらゆる差の極性に応答してデータをラッチする。BISMはそのデータを周期の終わりまで保持する。BISFおよびBISRは、図20において前述したように非同期イベントに応答する。SENSは、図20の場合のように誘導エネルギーを検知する。したがって、PAからPBに正のエネルギーを移動するために、活性化の状態Iが開始し、次いでフォワード伝達の状態IIが続く。図24のTGはまた、Sの期間内に複数の過渡を生成する高速クロックCKFを備える。図24はさらに、Sの後のCKFの最初のクロック過渡で/Mに従う新たなフリップフロップBISXを含み、したがって正のエネルギー移動周期の早期でBISXをリセットする。図20において、状態IIは周期の終わりまで持続するが、図24において、規制電圧に達したら、比較器CVOは、インバータINVを介して、フリップフロップBISXをリセットして図11の状態Vを呼び出す。状態Vは状態IIに優先するとき、PBで過電圧を形成するのではなく、過剰の誘導エネルギーをPAに戻す。
【0220】
図24はさらに、スイッチブロックSWB4に含まれる追加スイッチS4を備え、伝達されないエネルギーを直接電力入力ポートに戻す、状態Vに対応する追加の伝達モードを具現化する。図24において、活性化状態の間のLの活性化を正確に計測する代わりに、VILとそのそれぞれの制限信号LMPおよびLMNとの間の差に応答して誘導電流比較器CPおよびCNにより制御されるエネルギーのかなりの過剰分がLにロードされる。
【0221】
したがって、本発明の6スイッチの実施例の場合のように、周期の伝達部分は下位周期に分割されるが、Sよりも高い周波数で動作しているCKFにより、Sの期間あたり多くの下位周期が存在し得る。
【0222】
正の極性に対しては、チョッピング周期の終わりまで、伝達時間の残りの間、比較器CVOに応答して状態IIおよびVが交替する。誘導器電流は状態Vの間同じ方向に流れ続けるが、ここで図25に示されるように入力ポートに戻るように方向付けられる。負の極性に対しては、状態VIIおよびIVが同様に交替する。
【0223】
改善された調整を目的とした、3つ以上のアクティブ部分(および消耗された誘導器電流の潜在的な追加の期間)への各周期のそのような分割は、従来技術では知られていない。図25は、CKFのために800kHzクロックを追加することにより達成される改善を示す。図25から、多相変換器が、1つの相を常時交互伝達に維持することによりリップルを低減することができることが明らかである。リップル低減における可能な改善は、4倍を超える。
【0224】
ここで、リバース伝達は、図20に示される4スイッチの実施例と本質的に同一である。
【0225】
負荷のいずれかの極性を有する負の電圧を制御するためには、新たなフリップフロップBISFNが、状態IIIおよびIVの交替が出力を十分負とするのに十分でない場合に設定される。それらの状況の下、VO、/M、またCTHを介して誘導電流の極性に応答するANDゲートANDARは、BISFNを設定するためにクロックを生成する。ANDARは、リバース伝達の状態IIIの間に誘導器が十分な負電荷を得ることができなかったことを決定する。BISFNは、一度設定されると、状態VIIIが負の活性化状態として使用されるようにし、次いで状態VIIに入力から出力に負のエネルギーを伝達させる。
【0226】
十分性が得られたら、比較器CVOの出力により双安定BISXNがクリアされる。これにより状態IVが呼び出され、過剰の負のエネルギーが入力に返される。双安定BISXNは、状態VIIおよびIVの急速な交替を防止するためにCKFによりクロックされる。この負のフォワード伝達シーケンスは、誘導器電流の極性以外のすべての点で通常のフォワード伝達シーケンスと一致する。
【0227】
この実施例は、フォワードまたはリバース活性化モードの適切な期間を決定するために予測を使用しない。調整のために、それは過剰のエネルギーのPAへの返還に完全に依存し、それを行うことにより驚くほど小さい効率ペナルティしかもたらされない。追加の複雑性が少ないと、予測または適応フォワード活性化モードが可能となる。それにより、誘導的に貯蔵されたエネルギーの割合を調節することにより、最大効率と最善の過渡応答との間の適応的な相殺が可能となる。この技術のデジタルによる実現には、シングルビット比較器機能以外、A/D変換器は必要ではなく、またアナログまたはデジタルの振幅比較より複雑な演算は必要とされない。
【0228】
本実施例における電力入力電圧の出力電圧に対する比は、従来技術のデバイスのように狭い範囲に制約されないことに留意されたい。この利点は、PWM制御を回避することにより得られる。また、誘導器がフォワード活性化のためにいずれの極性にも活性化され得、またリバース伝達モードのためにいずれの極性にも放電され得るため、いくつかの追加の制御ロジックにより、PAは他のスイッチの追加なしに双極とすることができることにも留意されたい。負のVPの存在下でS2をS4と、およびS3をS5と交換する制御ロジックのみが必要となる。
【0229】
International Rectifier IRF 1167のように、スイッチに「Ithまで」の機能が内蔵されている場合はエラー電圧CVOの極性を提供する比較器、ならびにスイッチ誘導器CP、CN、およびORLIMのための過電流検出器のみが、必要とされる入力である。様々なスイッチの組合せが固体メモリにプログラムされ、時間、極性、および過電流に関連するアドレスラインによりインデックスされることが可能であるか、周知の「状態機械」でのようにマイクロコントローラまたは他のプログラム可能なロジックデバイスにプログラムされることが可能であるか、あるいは、個別コンポーネントを使用して再現されることが可能である。
【0230】
この実施例は追加フライバックフォワード伝達に基づいているが、入力電圧を下回る、正または負の出力電圧を忠実に再現することができることに留意されたい。制御用の僅か2つの比較器によりステップアップおよびステップダウン動作の良好な調整を維持する能力は、本発明に特有のものである。
【0231】
図25は、ゼロボルトを中心にピーク間振幅が100ボルトである1kHz正弦波入力信号VIでの動作を示す。負荷電流は、350uSでプラス2Aからマイナス2Aに切り替わり、700uSでプラス2アンペアに戻り、次いで1050uSでマイナス2Aとなっている。電力入力電圧VPは3ボルトから157ボルトまで変動する2kHz正弦波である。出力電圧VOおよび入力電圧VIは重なっており、ここでは区別するのは困難である。誘導器電流ILは、正および負の両極性において、連続および不連続の両方であるように見える。連続モード動作に起因する負荷過渡での極僅かの出力の乱れに留意されたい。DCM/CCM境界をクロスしない負荷過渡は、ほとんど視認できない。電力入力電圧を大きく上回る、大きく下回る、またはそれと等しい出力電圧に対応するための追加のフライバック変換器の能力は、新規である。
【0232】
図26は、単一チョッピング周期の間に使用されている複数の状態を示す。入力電圧VIは6ボルトで安定している。1.002mSにおいて、負荷がマイナス2アンペアからプラス2アンペアに変化している。負荷過渡の前に、状態IIIおよびIVが交替してリバース活性化および伝達を有効化している。負荷過渡の後に、誘導器電流は、フォワード活性化の状態Iの間、正の方向に移動する。それは約2uSの間上昇し、次いで、短期間のフォワード伝達の状態IIの間、より緩やかとなる(伝達の付加的性質に起因する)。状態Vが続き、誘導器電流を再び入力PAにフローさせる。チョッピング周期の終了前に状態IIおよびVはもう一度交替する。1.01mSで次のフォワード周期が状態Iから開始する。VOの軌跡は、誘導電流制限により終了される状態Iを除き、それぞれの非同期終了状態の終わりにVIに触れることに留意されたい。
【0233】
また、図27は、チョッピング周期ごとの3つの状態の使用を示し、ここでは入力電圧VIは約6ボルトで安定している。状態VIIIは誘導器を活性化し、次いで状態VIIが、十分な量までエネルギーを伝達し、状態IVを呼び出させる。状態IVは過剰のエネルギーを誘導器から入力側に戻す。チョッピング周期の終了前に状態VIIおよびIVはもう一度交替する。
【0234】
フライバック変換器において、図11のS6に対応して、誘導器電圧が出力電圧VOを超える条件によりダイオードまたは同期整流器がONに切り替わるのが通常である。本発明によれば、その基本に、図24に示されるように所望の入力電圧VIが出力電圧VOを超えるという条件を加えると、このフィードバック変換器は、従来技術とは異なり、誘導器活性化電圧VPより実質的に低いVOを生成することができる。この改善を得るために、状態IIの間にVOの大きさがVIの大きさを超える場合、状態Vが呼び出され、S6をオフにして過剰のVOの生成を回避する。過度の電圧を回避するために、Lにおけるいかなる電流の代替経路も提供されなければならないことを理解されたい。図16および17の再循環の実施例は、再循環によりそのような経路を提供する。図24は、フォワード伝達後に状態Vを呼び出し、負のフォワード伝達後に状態IVを呼び出すことにより、そのような経路を提供する。
【0235】
図24において、この改善は、状態Vの論理的定義において現れる項「X」により具現化される。
状態V=M&/F&X
【0236】
適応技術がないと、図16による再循環または図24によるリバース伝達が、ある程度の非効率性がもたらす。しかし、再循環に費やされる時間に応答して電流制限を変更するために、またはエネルギー返還の時間を最小化するために、図17に示されるような適応技術が使用されると、効率を最大化することができる。
【0237】
より高いILペデスタル電流は、より良好な過渡応答に向かう傾向があるが、効率に悪影響を与える可能性がある。効率と過渡応答との間の相殺を調節するために、電流制限を予め、または適応的に設定することができる。
【0238】
図16、17、および24の変換器はフォワード活性化状態の間に電流制限の決定のみを行うため、極めて短い活性化時間を安全に制御することができる。その結果、VPおよびVOのごく限られた比しか許容されない従来の変換器で実用的なものよりも高いVP電圧での安定な動作が得られる。
【0239】
VPは、利用可能な活性化時間において、十分にスイッチ誘導器を活性化するのに十分高くなければならず、また入力スイッチの定格電圧よりも低くなければならない。それらの制限は、既存の技術よりも、かなり緩い。
【0240】
極めてより高い入力電圧を許容する組合せ、およびVPより低いVOを生成する能力により、本発明によるフライバック電力変換器は、従来技術の電力変換器より極めて柔軟となる。従来技術のバック変換器は、VPより低い電圧を生成するのみであり、従来技術のブーストまたはフライバック変換器では、通常、VOはVPより大きくなければならず、バック/ブーストインバータでは、通常、VOの絶対値はVPより大きくなければならず、またSEPIC変換器では、VOがVPと等しくなることができるが第2の誘導器が犠牲となる。バック/ブーストの接続形態は入出力範囲に関して最も柔軟性があるが、滅多に見られない。PWMを使用したバック/ブースト接続形態の制御における芳しくない効率および困難性が、それが稀であることを説明している。バック/ブースト変換器は、バックモードで機能しているときには、DCM/CCM境界近辺で不安定性を示す。また、再循環またはエネルギー返還能力の欠如が、しばしば、この種の変換器では一般的な安定性の問題につながり、拡張された入出力範囲の潜在的利点の多くの芽を摘んでいる。
【0241】
従来の変換器は、極端なデューティサイクルを回避する必要性に起因して、VOのVPに対する比における追加の制約を有する。5から1を超えるVP範囲を許容することは、従来の変換器では稀であり、拡張された入力範囲を有する変換器はしばしば単一出力電圧に限定される。調節可能な出力を有するそれらの従来の変換器でも、通常、狭い範囲にかけてのみ調節可能である。実施例4は、50から1を超えて変動するVPを許容することができ、またゼロからVPの10倍を超えるVOをいずれの極性においても生成することができるフライバック変換器を示す。また、それはVPと等しいVOも許容する。その柔軟性は制御のための比較器およびロジック機能によってのみ得ることができるため、実施例4に基づく電力変換器は、多くの異なる狭い範囲の電力変換器製品と経済的に置き換わることができる。
【0242】
実施例5:CCMフライバック調整への応用
フライバック変換器の不連続伝導モード(DCM)と連続伝導モード(CCM)の動作の間に、基本的な差が存在する。
【0243】
DCMにおいては、誘導器電流は、チョッピング周期の終わりまでにゼロにリセットされる。したがって、誘導器に持ち込まれる前のサイクルのメモリは存在しない。
【0244】
誘導エネルギーは電流の二乗に比例するため、所与の電流変化は、より低い電流よりも、より高い電流においてより多くのエネルギーを伝達することができる。電流変化は時間に比例するため、より高い電流において、誘導器への、および誘導器からの両方において、単位時間あたりより多くのエネルギーが誘導器を介して移動され得る。
【0245】
変換器がDCMモードに留まる限り、負荷に供給するために必要な電流は所与の周期内で達成されるが、CCMモードでは、ゼロではない誘導器電流、またはペデスタルが、周期から周期へ継続する。負荷が変化したら、ペデスタルが調節されなければならない。所与の誘導器では、より高い負荷は、より低い負荷よりも、より高いペデスタルを必要とする。誘導器電流は瞬時に変化することができないため、増加した負荷を維持するようにペデスタルを調節するのに時間が必要であり、またペデスタルを増加または減少させるためには多くの周期が必要となり得る。制約、および直感によらない必要な応答を使用してCCMフライバック変換器を管理することは、本発明の他の側面である。そのような管理を実行するのに多くの手法が存在する。通常、時間制約型同期変換器のペデスタル管理は困難な事例であるため、以下で検討する。
【0246】
実施例3に示される本発明による一管理方法において、周期の終わりに残留するペデスタルは、伝達状態が即時に開始される場合、インダクタンス、誘導器にわたる電圧、およびエネルギー伝達状態の周期内の残りの時間に基づき、活性化状態の間に予測される。予測されたペデスタル電流により表現されるエネルギーの大部分が後の周期のために維持される場合、優れた調整と十分に減衰された応答の両方を得ることができる。この方法は、負荷の増加に対して非常に有効である。
【0247】
負荷が増加すると、出力電圧は降下する傾向があり、これにより、従来技術の調整器は、残りの周期時間が負荷に対する効率的なエネルギー伝達に不十分となるほど、多くの場合非常に急激に活性化モードデューティサイクルを増加させることになる。そのような応答は、出力電圧の過渡的減少を悪化させ、しばしば後の過剰修正をもたらす。本発明による緩和は、調整器の過渡応答を減衰するために、ペデスタル値を予測し、その周期ごとの変化を制限することにより、実践することができる。
【0248】
他の管理方法は、複合予測を使用する。次の周期で送達可能な最大エネルギーは、現在の周期の終わりでの予測ペデスタルに基づく。もしその最大エネルギーが現在の周期で送達可能と予測されるエネルギーを下回る場合は、現在の活性化モードが終了される。従来技術の調整器は、現在および将来の周期の予測ではなく、過去の周期に応答することに留意されたい。
【0249】
本発明は、予測された現在および将来の周期のペデスタル電流が、過去のペデスタル電流と組み合わせて、またはそれを考慮せずに、将来の調整のために保存されるかまたは低減される場合にはいつでも実践される。本発明は、ペデスタル制御に使用される予測が誘導器電流、磁場、または、誘導器の電圧−時間の積の計算された積分に応答する場合に実践される。
【0250】
本発明によるペデスタル制御は、ペデスタルが単純にゼロとなり影響はないため、DCM変換器の動作に干渉しない。DCMとCCMとの間の過渡は図21に示されるように良好である。
【0251】
ペデスタル制御は、負荷誘発過渡外乱を最小化するためにエネルギーフローを緩和するが、そのような外乱を実質的に排除するために他のエネルギー源を追加または取り去ることはしない。外乱を軽減するために予測が使用可能であるように、それはまた、エネルギー源および/またはシンクを負荷または誘導器のスイッチタップに接続するために使用可能である。そのような切り替えは、過渡を実質的に相殺するために予測により得られる進んだ知識を利用する。2つのレベル間を交替する負荷の一般的な場合において特に有利である構成は、負荷の減少からのあらゆるオーバーシュートを貯蔵コンデンサに切り替えることである。負荷がその前のレベルを再開する際、ペデスタルが再調節される間負荷を支持させるように、そのコンデンサ内のエネルギーが切り替えられる。本発明はまた、補助エネルギー源またはシンクを誘導器および/または負荷に接続するためにペデスタル予測が使用される場合にも実践される。多くの変換器において、過渡相殺に必要なスイッチはすでに存在しており、相殺を有効化するために正しく構成することのみが必要である。そのような予測は、本出願の別の項で教示されるように、循環により誘導エネルギー貯蔵が呼び出すためにも使用可能である。
【0252】
本発明は開示された実施形態に限定されず、逆に、添付の請求項の精神および範囲内に含まれる様々な修正および等価の配置を含むことを意図することが理解される。さらなる詳細なく、上記は完全に本発明を例証し、現在または将来の知識により、様々な作業条件下での使用に本発明を容易に適応させることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照することにより本明細書に組み入れられる2006年8月25日出願の米国仮特許出願第60/823,564号の利益を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、連邦政府資金を使用して開発されたのではなく、発明者らにより独自に開発された。
【0003】
従来技術において、電力変換機器は周知であり、電源、増幅器、変換器(AC−DC、AC−AC、DC−DC、およびDC−AC)、発電機および駆動部を含む。
【背景技術】
【0004】
いくつかの従来技術の電源は、異なる入力および出力電圧に対応するために変圧器の巻数比に依存するスイッチフォワード変換器であり、誘導場に貯蔵されるエネルギーは、動作の副産物に過ぎない。
【0005】
本発明に関連する他の非常に一般的な電力変換器は、周知のバックまたはフライバックモードで動作するスイッチ電源である。米国特許第6,275,016号のもの等のいくつかの電源は、バックおよびブースト動作の両方が可能である。入力と出力との間の極性反転を提供するために、いくつかのフライバック電源が使用されている。
【0006】
時には、電力の双方向の流れを提供するために、複数の電源が使用されるが、最近では統合双方向電源が開発されている。米国特許第5,734,258号の電源は双方向であり、バックモードおよびブーストモードの両方で動作する。米国特許第7,046,525号は、双方向フライバックモード電源を記載している。米国特許第6,894,461号および第5,196,995号は、双方向電源を記載している。
【0007】
米国特許第6,894,461号のようないくつかの電源は、複数のエネルギーポートを有する。
【0008】
より一般的でないのは、誘導エネルギー貯蔵要素を有するスイッチモード増幅器である。米国特許第4,186,437号の増幅器は、バイポーラ動作を得るために複数の誘導器を使用する。米国特許第7,030,694号の増幅器は、相補的に制御される複数のDC−DC変換器を使用してバイポーラ動作を達成する。
【0009】
米国特許第5,196,995号の電力変換器は、双方向かつバイポーラであるが、極性を反転させるときのみ双方向となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,275,016号
【特許文献2】米国特許第5,734,258号
【特許文献3】米国特許第7,046,525号
【特許文献4】米国特許第6,894,461号
【特許文献5】米国特許第5,196,995号
【特許文献6】米国特許第6,894,461号
【特許文献7】米国特許第4,186,437号
【特許文献8】米国特許第7,030,694号
【特許文献9】米国特許第5,196,995号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術においては、双方向的にバイポーラである統合スイッチモード電力変換器を提供することは知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数のスイッチ要素と、誘導反応器と、電気エネルギーの移動のための少なくとも2つのポートとを備えるスイッチモード電力変換器および該変換器を制御するための方法を提供する。本発明のスイッチの配置は、誘導器または変圧器等の誘導反応器がポート間の電力変換に関与することを可能にする。そのような変換は、バックモードもしくはフライバックモード、またはその両方を使用することができる。エネルギー移動ポートは、ユニポーラ、双方向、バイポーラ、または双方向バイポーラとして作製され得る。ポートは、誘導反応器として変圧器を使用することにより、電気的に絶縁されてもされなくてもよい。ポートは、変換器出力が入力信号に応答して制御されることを可能にするための検知回路を備えることができる。本発明は、例えば、電源、増幅器、または周波数変換器として等、多くの様式で使用されるように構成可能である。本発明は、ラインおよび負荷変動に対する優れた過渡応答を得るためにエネルギー予測計算手段を備え得る。本発明はまた、内部および/または外部の反応成分の変化に適応することができるようにする手段を備え得る。また、本発明は、ポートのいずれにおいても、必要でない際に、誘導器に電流を再循環させることを可能にさせる低インピーダンス経路を誘導器の周りに形成するためのスイッチを含み得る。
【0013】
一実施形態において、本発明は、電力入力および出力ポートと、エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、ポートを誘導反応器に接続するためのスイッチと、出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、基準信号と、制御回路とを備える。制御回路は、入力および出力ポートの極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得るように、またいかなる極性に対しても、エネルギーが、入力ポートから出力ポートに、または出力ポートから入力ポートに流れることができるように、フィードバック信号および基準信号に応答してスイッチを制御する。本発明のこの実現の好ましい一実施形態において、誘導反応器の充電中に誘導反応器内に与えられるエネルギーの量は、出力ポートでのチョッピング周期ごとの負荷のエネルギー必要量に近似的に基づいて制御される。
【0014】
本発明の別の類似の実施形態において、1つのポートはバイポーラであり、他のポートはユニポーラであり、変換器は反転型でも非反転型でもよい。誘導エネルギー要素は誘導器であり、スイッチを介してポートに直結される。制御回路は、出力ポートでの電圧または電流と基準信号との間の所望の関係を維持する。
【0015】
本発明の一方法において、変換器は、誘導反応器と、少なくとも2つの電力移動ポートと、基準信号と、複数のスイッチとを備える。該方法は、ポートの1つでの電圧または電流を前記基準信号との所望の数学的関係に維持するために、誘導反応器電流の符号および大きさに応答して前記スイッチを設定するステップを含む。この方法の一実施形態において、方法は、基準信号の大きさおよび符号、電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、ならびに誘導反応器電流の大きさおよび符号に基づき変換器動作のモードを選択するステップを含む。モードが選択されたら、スイッチはこのモードを有効化するように設定される。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、スイッチモード電源を複数のモードで操作する方法を含む。モードは、少なくとも、誘導反応器活性化モードおよびエネルギー伝達モードを含み、エネルギーが少なくとも1つの電力移動ポートに伝達される。電源は、任意の単一のチョッピング周期中に2つ以上のモードが発生し得るように操作される。好ましくは、この方法はまた、所与のチョッピング周期の最後のモードが次のチョッピング周期の始まりのモードとなるように、チョッピング周期を重複させるモードを可能にする。
【0017】
本発明の他の実施形態において、変換器は、スイッチモードフライバック変換器として構成され、ポートでの電圧または電流に応答するフィードバック信号および基準信号に基づき誘導器内の予測ペデスタル電流を計算するための回路を有する。制御回路は、出力ポートと基準信号との間の所望の数学的関係が維持されるように、予測ペデスタル電流およびフィードバック信号に応答してスイッチを整流する。
【0018】
本発明の他の実施形態において、変換器は、誘導反応器、第1および第2のスイッチ、ならびに補助エネルギー源(例えば反応器、コンデンサ、誘導器、電池、発電機、または電源等)を備えるスイッチモード電力変換器として構成される。この実施形態を制御するための方法は、チョッピング周期内で、現在の周期の終わりの誘導ペデスタル電流を予測するステップと、周期ごとのペデスタル電流変化が制限されるように、第1のスイッチを制御するステップと、誘導反応器と補助エネルギー源との間でエネルギーを移動させるために、現在のペデスタル予測に応答して第2のスイッチを制御するステップとを含む。
【0019】
本発明の他の実施形態において、変換器は、バイポーラ、双方向、反転型、またはフライバックモードで動作するように構成され、電力入力ポート、スイッチ、誘導器、および電力出力ポートを備える。変換器はまた、エネルギーが誘導器から出力ポート以外に流れるようにする代替経路を有する。代替経路は、誘導器に電流を再循環させる誘導器の周りの低インピーダンスまたは短絡回路、誘導器から入力ポートに戻る経路、または第3のポートへの経路であってもよい。この変換器を操作する方法は、誘導器を活性化するために、電力入力ポートから誘導器にエネルギーを伝達するステップと、誘導器から電力出力ポートに電力を伝達するステップと、電力出力ポートでの電力を制御するために、誘導器を電力出力ポートまたは代替経路に制御可能に接続するステップとを含む。この方法は、フライバックモードの期間を短縮することにより、出力電圧が入力電圧より低くなるように適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による双方向バイポーラスイッチモード電力変換器を示す図である。
【図2】本発明の電力変換器の2つのエネルギー移動ポートの間のエネルギー移動の可能な方向および極性を示す図である。
【図3】本発明による電力変換エンジン内に埋め込むことができるエネルギー予測計算器に含まれるエネルギー平衡化機能を示す図である。
【図4A】誘導器および6つのスイッチを使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す図である。
【図4B】誘導器および6つのスイッチを使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す図である。
【図5A】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5B】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5C】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図5D】図4の変換器を使用して、バイポーラ、双方向、バック−ブースト、エネルギー平衡化、同期電力変換増幅器を実現するためのロジックを示すフローチャートである。
【図6A】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図6B】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図6C】本発明における使用に好適な双方向スイッチを示す図である。
【図7】図6に示されるスイッチに関連した電流および電圧を示す図である。
【図8】本発明のスイッチの実用的なスイッチおよびドライバの配置の回路図である。
【図9A】図7のフローチャートにより駆動される場合の図5の電力変換器のモードを示すタイミング図である。
【図9B】図7のフローチャートにより駆動される場合の図5の電力変換器のモードを示すタイミング図である。
【図10】本発明によるエネルギー平衡化計算器を示す図である。
【図11】本発明のある有用な状態を示す図である。
【図12】本発明による、CCM安定性およびエネルギー平衡化の両方を具現化したフライバック増幅器を表す図である。
【図13】図12の増幅器の性能を示す図である。
【図14】さらに図12の増幅器の性能を示す図である。
【図15】さらに図12の増幅器の性能を示す図である。
【図16】電流が再循環した本発明のフライバック変換器を示す図である。
【図17】適応を加えた図16のフライバック変換器を示す図である。
【図18】図17の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図19】負の負荷過渡の間の再循環動作を示す、図18の一部の拡大図である。
【図20A】エネルギー平衡および連続モード動作を備えた4スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図20B】エネルギー平衡および連続モード動作を備えた4スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図21】図20の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図22】図24に示される実現形態において使用される状態デコーダを示す図である。
【図23】図24に示される実現形態のスイッチに使用されるスイッチブロックの回路図である。
【図24】誘導エネルギー貯蔵を備える5スイッチ双方向フライバック増幅器を示す図である。
【図25】図24の変換器の電圧および電流波形を示す図である。
【図26】図24の変換器の追加の性能を示す図である。
【図27】図24の変換器の追加の性能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
混乱を避けるために、以下に定義する用語を使用して本発明を説明する。
【0022】
定義:
1.「ポート」とは、本発明に外部的に取り付けられる回路の一部を含むように配置される、電気的に関連した端子の対またはグループを意味する。ほとんどのポートは、エネルギー移動ポートである。本電力変換エンジンの動作を制御する目的で、外部回路に対する1つ以上の接続の対を備える制御ポートが存在し得る。
【0023】
2.「アクティブ」ポートとは、エネルギー計算に応答する電圧または電流を維持するポートを意味する。アクティブポートは、通常、エネルギー移動手段に加え、作動しているどうかを検知する手段を備える。「パッシブ」ポートは、それに取り付けられている外部回路と連動して存在するエネルギーにより設定される条件を初期値とする。
【0024】
3.「フォワード」(FWD)は、パッシブポートからアクティブポートへのエネルギー伝達を指し、一方「リバース」(REV)は、アクティブポートからパッシブポートへの伝達を指す。
【0025】
4.「放散器」とは、ポートが外部回路により供給されているエネルギーを消費していることを指し、一方「発生器」は、ポートがエネルギーを外部回路に供給していることを指す。アクティブポートが放散器になることは実用的なモードであることに留意されたい。
【0026】
5.「非反転」(NON)は、放散器ポートと発生器ポートとの間の極性反転がないことを示し、一方「反転」(INV)は、それらのポートの間の極性反転を示す。「反転型」とは、極性がポート間で切り替えられることを意味する(例えば、放散器ポートが正電圧を有する場合、発生器ポートは負電圧を有する)。
【0027】
6.「活性化(EN)」とは、放散器ポートに取り付けられた外部回路を犠牲にして誘導エネルギーを増加させる行為を指し、一方「伝達」(TR)は、発生器ポートを介して誘導エネルギーを減少させる行為を指す。
【0028】
7.「充電」とは、コンデンサまたは電池のエネルギーを増加させる行為、「放電」は、それらを減少させる行為を指す。
【0029】
8.「バック」とは、放散器ポートにわたる巻数比調節電圧が、関連する発生器ポートのそれを超える場合に従来使用される、電力変換の周知のバックモードを指す。「フライ」とは、発生器ポートにわたる巻数比調節電圧が、関連する放散器ポートのそれを超える場合に通常使用される、電力変換の周知のフライバックまたはブーストモードを指す。
【0030】
9.「balf」および「balfb」とは、それぞれ、フォワードおよびフォワード−バック活性化時間中の予測エネルギー平衡の到達を指す。「balfまで」および「balfbまで」という表現は、そのような平衡が到達されるまで誘導活性化が継続することを指す。
【0031】
10.「I sub th」(Ith)とは、低電流閾値の到達を指し、ポート間のエネルギー伝達に実質的に関与するすべての誘導反応器から利用可能なエネルギーが僅かである状態を示す。「Ithまで」という表現は、この状態が到達されるまでエネルギー伝達が継続することを指す。
【0032】
11.「誘導器」とは、2つの端末誘導反応器を意味し、一方「誘導反応器」は、誘導器と、1つ以上の巻線に接続された3つ以上の端子を有する他の誘導反応器、例えば変圧器の両方を含む。
【0033】
12.「バイポーラ」とは、所与の2つのポート間で反転型または非反転型となり得る変換器を指す。バイポーラはまた、両方の極性の電圧を活性化または伝達することができるポートを指す。
【0034】
13.「双方向」とは、a)ポートに関しては、ポートが放散器および発生器として機能することができること、b)変換器に関しては、所与の2つのポートに対して、電力が第1のポートに流入して第2のポートから流出し、異なる時間で、第1のポートから流出して第2のポートに流入することができることを意味する。
【0035】
14.「推定」とは、測定または計算により、回路またはポートにおける所与の場所での近似的な電圧または電流を決定することを意味し、また該電圧または電流に比例する値の測定または計算も含む。
【0036】
15.「再循環する」または「再循環」とは、好ましくは非常に低い損失で、電流が誘導器から出て低インピーダンス経路または短絡回路を通り、誘導器に入るように、誘導器外で循環するように、誘導器の周りに低インピーダンス経路または短絡回路を形成することを指す。
【0037】
16.「直結」とは、電流が完全な電気回路を流れる際に、エネルギーがポート間を、誘導反応器を通って移動することを意味する。例えば、変圧器またはコンデンサを介して結合されるポートは、直結されていない。
【0038】
図1は、6つのスイッチS1からS6を使用して2つのポートPAおよびPBを誘導器L(エネルギー貯蔵のために使用される)に接続する、電力変換器100を示す。この図は、本発明の最も一般的な実施形態を図示している。ポートPAおよびPBは同一であってもよいが、それぞれが図2において後述される完全な性能が可能となるように形成され得ることを強調するために、個別に参照されること、ならびに変換器100のポートが交換されて、そのような包括的な機能性を得ることはないことを留意されたい。変換器100の2つのポートPAおよびPBのそれぞれに付属し、また接続されてもよい3つのエネルギー源VAC、VDC−、およびVDC+、ならびに負荷LDが示されている。図示される接続形態を使用して、以下の図2に示されるエネルギー伝達のすべてのオクタントは、後述する新規のスイッチ制御回路を使用して随意に達成可能である。ポートPAおよびPBの近くに示される源または負荷はいずれも、図2の一部またはすべてのエネルギー伝達オクタントを有効化するために、それらのポートに取り付けられてもよいが、2つの基本的な制限がある。
【0039】
第1の制限は、エネルギー不足の負荷がポートPAおよびPBに接続され、他のポートが存在しない場合、誘導器L内に保持されるようなエネルギーのみがポートに伝達され得るということである。第2の類似した制限は、変換器100は、エネルギー貯蔵デバイス(コンデンサ等)に接続された追加のポートに取り付けられた場合、または入力および出力AC波が実質的に同じ周波数であり同相である場合、AC−AC変換にのみ使用可能であるということである。必要なエネルギー貯蔵デバイスが、PAまたはPBまたは他のポートに代替的に設置されてもよい。
【0040】
従来技術で類似の6スイッチ接続形態が知られているが、そのような従来技術の変換器には、その単一の実施形態が、この図に示される源のいずれもから、図に示されるいずれかもの負荷に、いずれもの方向でエネルギーを伝達することができるようにするための、制御回路を備えたものはない。以下に示す本発明の制御回路を使用して、変換器100は、示される源のいずれからもエネルギーを伝達できるだけでなく、いずれかの極性のACからDCへの、またはエネルギー源であることから負荷であることへの、そのようないかなる源の独立した変化にも対応するために、その動作を調節する。
【0041】
図2のオクタントのすべてにより示される組よりも包括的でない機能性の組も、双方向、バイポーラ、単一方向、およびユニポーラ型のエネルギー伝達を含め、変換器100により実行され得る。より包括的でない機能性を必要とする以下に記載される実施形態の多くは、この図に示されるものよりも少ないスイッチで、またはいくつかのスイッチの代わりにダイオードを使用して実践することができる。
【0042】
図2は、2つのポートPAとPBの間の8つのエネルギー移動オクタントIからVIIIを示す。各オクタントは、エネルギー移動の固有の極性および方向を実現している変換器100のインスタンスを示している。これらのオクタントは、双方向およびバイポーラのエネルギー伝達の基本的側面を示す。最初の4つのオクタントでは、ポートPAは放散器ポート(エネルギーは変換器100に流入する)として機能し、PBは発生器ポート(エネルギーは変換器100から流出する)として機能し、一方、後の4つのオクタントでは、それらの役割は逆となる。オクタントI、II、V、およびVIでは、放散器ポートは正の源からエネルギーをシンクし、一方オクタントIII、IV、VII、およびVIIIでは、放散器ポートは負の源からエネルギーをシンクし、全体として、発生器ポートはエネルギーを負荷LDに供給する。すべての偶数オクタントにおいてポートは同極であるが、すべての奇数オクタントにおいてポートの相対極性は反転している。したがって、いずれのポートもいずれかの極性を有し得るため、エネルギー変換は、上述のエネルギー制限に従いいずれかの方向のDC−DC、またはDC−ACであり得る。双方向バイポーラエネルギー移動に対応している。これらのオクタントのすべてを具現化した現行の統合スイッチモード電力変換器は知られていない。これらのオクタントは、通常電圧および電流両方の双極性を示す、一部のバイポーラ変換器の「4つのクアドラント」と混同されてはならず、明らかに、これらのオクタントでは双方向電流が流れなければならない。変換器100のスイッチS1からS6は、示されるエネルギー移動の多様性を有効化するためには、順序付けられた様式で制御されなければならない。各オクタントは、実際には、そのエネルギー移動を実行するために、それらのスイッチの複数の順序付けられた設定を必要とし得る。この目的のため、多くのスイッチ設定、またはモードは、この図に示されるオクタントをさらに細分化し、以下の図4に詳細に示される。
【0043】
本発明のために、出力として使用されているポートは「発生器」ポートと称され、出力検知回路を取り付けることができ、一方入力として使用されているポートは、「放散器」ポートと称される。図1および2において示されるエネルギー源および負荷として示される抵抗LDは、総括的なものであり、いかなる電気エネルギー源またはシンクであってもよい。DC電源、ACメイン、および電池等の源が通常である。電子回路等の負荷が典型的である。また、各種モータが負荷となってもよく、例えば、この図に従うDC−AC実施形態を、同期モータの速度制御に使用することができる。負荷LDは、抵抗に限定されず、容量負荷、誘導負荷、またはそれらの任意の組合せであってもよい。この図の本発明は、動きを引き出すためにその電気容量に貯蔵された大きなエネルギーが、その動きの逆転時に電源に戻ることができるため、圧電モータの効率的な周期的駆動に特に有用となり得る。
【0044】
図3は、変換器100の複数ポート型実施形態、およびこの電力変換エンジン内に埋め込まれ得るエネルギー予測計算器150内に含まれる可能なエネルギー平衡化機能を示す。本明細書に記載のエネルギー予測方法は、本発明の1つの新規な側面である。本発明によるエネルギー平衡は、誘導リアクタンスから抽出可能と予測されるエネルギーが、負荷により必要とされることが予測されるエネルギーに、所与の時間に任意の電気容量を所望の電圧に上げるために必要なエネルギーのあらゆる損失および不足を足したもの、または、あらゆる余剰分を差し引いたものと実質的に等しい場合に達成される。計算器150は、周知のアナログまたはデジタル技術を使用して実現することができる。
【0045】
本発明がエネルギー平衡化モードで実践される場合、伝達した時に、該反応器が再び活性化され新たな伝達が達成されるまで、需要を満たすために予測されるある量のエネルギー供給で周期的に活性化されることが基本である。この目的のため、計算器150内の「KEL」という項は、該反応器内に貯蔵されたエネルギーを表し、場合によってはそのエネルギーの抽出可能な部分のみを表す。KELを提供するための回路KELは、誘導電流に応答する回路を備えてもよいが、該反応器に印加されている電圧−時間の積に応答する回路、または該反応器の磁場に応答する1つ以上のセンサを備えてもよい。
【0046】
本発明によるエネルギー平衡の他の項「KEld」は、予測時間中の負荷の予測エネルギー需要を示す。この項を生成するための回路KEldは、3つの量に応答する回路を備える。電流の部分項は誘導電流に応答してもよいが、特定の期間におけるフィルタコンデンサを介した電圧降下から導出されてもよく、または、負荷で直接測定されてもなおよい。電圧項は、通常アクティブポートでの電圧を検知することにより得られる。時間項は、通常、エネルギー予測計算器150と一体となったタイミング手段により生成される。電流、電圧、および時間の積が、ここでのKEldの項となる。
【0047】
多くの場合において、負荷は反応性であり、通常は容量性となる。本発明によれば、アクティブポートの内部にありそれに取り付けられたあらゆるフィルタ容量にわたる電圧を、所与の時間または周期内の点で所望の電圧まで上げるために必要とされるエネルギーを表すために、「KEC」項を使用するのが有利である。KECを生成するための回路KECは、通常、ポート−電圧検知および所望の入力信号または電圧基準に応答性である。KECは履歴からではなく予測的に計算されるため、フィードバックループを閉じる上での本発明に従う、KECの使用は、従来技術の増幅器および電源の制御ループを妨げる極性を排除し、先例のない過渡応答を生み出す。
【0048】
KELは、誘導反応器値に関連し、KECは本発明によるポートの内部にありかつ取り付けられた静電容量に関連する。インダクタンスおよび静電容量はともに変動する可能性があり、現在では一般的な「ホットスワップ」アプリケーションでは静電容量の変動は突然で大きい可能性がある。この状況に対応するため、本発明による電力変換エンジンは、この図に示されるように、それぞれインダクタンスおよび静電容量を決定してエネルギー項の「L」および「C」部分項を提供するために、回路LcalcおよびCcalcを備えることができる。通常、そのようなリアクタンス決定のための信号源として、この変換器自体のチョッピング波形を使用するのが実用的である。
【0049】
本発明によれば、図3のADAPTブロックにより表されるように、LおよびC自体の値に基づく明確な計算よりも、L−C比に暗に応答性のサーボループを使用して、リアクタンスの変化に適応することがしばしば適切であり、有利でもある。そのような適応は、ラインおよび負荷過渡に対する優れた応答を生む。突然のリアクタンス変化に対する応答は若干遅いが、過渡成分の過負荷を避けるのに十分速く、通常はほとんどのデジタルシステムにおいてデータ損失を避けるのに十分速い。
【0050】
本発明によるエネルギー平衡化の計算およびその原理の具現化のための実用的な手段は、参照することにより本明細書に完全に組み入れられる、2006年11月6日出願の米国特許出願番号第11/593,698号および第11/593,702号に十分に説明されている。KEL、KEld、KEC、Lcalc、およびCcalc、計算器150の一部に適切な回路の例も同様に、それらの出願に十分に図示され、説明されている。
【0051】
図4は、誘導器Lおよび6つのスイッチS1からS6を使用した、絶縁されていないポートの間のエネルギーの双方向バイポーラ伝達のスイッチ配置を示す。図4はマトリックスの半分を示しており、すべての極性および電流の流れを示すすべての矢印が反転される点を除いて、他の半分は図示された部分と同一である。
【0052】
図4に示されるすべての機能が、図5Aおよび5Bにすべてのモード柔軟性を有して、すべての極性で実行されるためには、示されたスイッチすべてが存在し、ブロック能力において、バイポーラでなければならない。示された機能のサブセットを実行するためには、いくつかのスイッチは、省略するか、一方向スイッチで置き換えるか、またはダイオードで置き換えることができる。多くの周知のスイッチング電源および増幅器は、図4のマトリックスの部分により表されるが、いずれも、双方向バイポーラエネルギー伝達を実行するための、このマトリックスの十分な部分を具現化していない。
【0053】
モード名の接尾語「R」は、エネルギーが典型的な経路(PBから誘導器、または誘導器からPA)の逆に流れていることを意味する。モード名の接尾語「Z」は、モードが、誘導器内の電流がゼロをクロスしているときに使用されることを意味する。モード名の接尾語「E」は、モードがリバース活性化モードであることを意味する。いずれのモードに対しても(例えばIIA、IIARおよびIIAZまたはIVA)、それがフォワードモード、リバースモード、リバース活性化モード、またはゼロクロッシングモードであるかにかかわらず、スイッチは同じ位置にあり、電流は誘導器を通して同じように移動しており、唯一の違いは、モードを終了するために使用されるテストである。あるモードは、他のモードと同じスイッチ構成を有し得る(例えばモードIICおよびIIIC)が、電流は誘導器を通して異なる方向に流れている。
【0054】
図4Aにおいて、モードIAは、活性化されているバック変換器を示している。このモードにおいて、エネルギーはポート間で移動、および誘導器内に移動する。
【0055】
図4Aにおいて、モードIIAは、エネルギーを伝達している変換器を示している。モードIIAは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、非反転型フォワード伝達を行う。モードIAおよびIIAの組合せは、周知のバック変換器を構成する。モードIIAは、PA電圧が誘導器電流と同極である場合に使用される。
【0056】
図4Bにおける、モードIIICRは、エネルギーを伝達している変換器を示している。モードIIICRは、モードIIAと同様に、誘導エネルギーの要因にかかわらず、非反転型フォワード伝達を行う。モードIIICRは、PA電圧が誘導器電流と同極でない場合に使用される。
【0057】
図4Aにおける、モードIIARは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードでは、変換器は反転型である。モードIIARのスイッチ構成はモードIIAと同一であるが、モードを終了させるためのテストは、入力電圧より低くなっている出力電圧に基づく。モードIIARは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0058】
図4Aにおける、モードIIAZは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するには、変換器は非反転型である。しかし、このモードの間、出力電圧はゼロに向かい、さらにゼロを通過することが多い。モードIIAZのスイッチ構成はモードIIAおよびIIARと同一であるが、このモードを終了させるテストは、誘導電流の欠乏である。モードIIAZは、出力コンデンサと協働する誘導器の擬似共振動作を使用して、望ましくない極性の出力電圧のエネルギーを誘導器に通す。電圧がゼロに達すると、誘導器における電流が出力コンデンサを充電してその極性を逆転させる。モードIIAZは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0059】
図4Aにおける、モードIBは、活性化されているフライバックまたは反転型変換器を示している。モードIBは、非反転型および反転型活性化の両方に使用される。このモードでは、エネルギーは誘導器のみに移動する。モードIBおよびIIAの組合せは、周知の非付加的な、または「ブリッジング」フライバック変換器を構成する。モードIBおよびIICは、周知の反転型変換器を形成する。
【0060】
この点において、変圧器動作のないバック変換器は、電圧を上げることができない。変圧器動作のない従来技術のフライバック変換器は、バック変換器の範囲内の電圧を生成することができるが、非常に低い電圧は、誘導器からすべてのエネルギーを伝達するために非常に長い時間を要するという困難をもたらす。伝達に利用可能な時間は限られているため、この使用は、連続的伝導に向かう傾向があり、これは従来技術において、フライバック変換器には比較的不安定な動作モードであった。連続的伝導に向かう傾向がある従来技術のフライバック変換器は、容量性負荷がゼロボルトから上昇されなければならない場合に大きな電流を引き出す可能性があり、この問題は多くの周知の「ソフトスタート」回路の必要性を生む。より低い電圧のためのバックモードおよびより高い電圧のためのフライバックモードを実現する周知の「バック−ブースト」変換器は、容量性負荷の滑らかなユニポーラ単一方向充電には良い選択である。
【0061】
図4Aにおける、新たなモードIDRは、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極である場合に、誘導エネルギーをPAに伝達して同エネルギーをエネルギー源に戻す。これは、エネルギーがPBで負荷により必要とされない場合に、誘導器からエネルギーを効率的に引き出すことを可能にする。PAでエネルギー源に返されたエネルギーは、全体的なエネルギーのより効率的な使用につながり得る。PAのエネルギー源が電池である場合は、返されたエネルギーは電池を再充電し得る。PAのエネルギー源が電源である場合、エネルギーは電源出力コンデンサに貯蔵され得るか、または、ほかの方法で、システムの全体的なエネルギー必要量を低減するために電源により使用される。
【0062】
図4Bにおける、モードIVAはIDRと同様であるが、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極でない場合に使用される。
【0063】
図4Bにおける、モードIVAEはモードIVAと同様に機能する補助モードであるが、次のモードが非同極電流を許容できない場合に使用される。これは主に、変換器入力電圧は極性を変えたが変換器出力の極性は変わっていないときの、遷移状態にあるときに生じる。モードIVAEは、誘導器電流が僅かとなったときに終了する。モードIVAEは、リバース活性化モードであることに留意されたい。モードIVAEは、ゼロをクロスするときに短時間誤った方向の電流が生じた場合の、フローチャートにおける可能な無限ループを防ぐために提供されるが、この稀な状況は発生しにくく、発生したとしても極めて短い時間しか続かない。モードは発生しにくいが、それがないと変換器の不具合を引き起こし得る。
【0064】
図4Aにおける、モードIICは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極である場合に反転型フォワード伝達を行う。
【0065】
図4Bにおける、モードIIIBRはモードIICと同様であり、誘導エネルギーの要因にかかわらず、誘導器での電流およびPAでの電圧が同極でない場合に反転型フォワード伝達を行う。
【0066】
図4Aにおける、モードIICRは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するためには、変換器は非反転型である。モードIICRのスイッチ構成はモードIICと同一であるが、モードを終了させるためのテストは、このモードが類似しているIIARのテストと同様である。モードIICRは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0067】
図4Aにおける、モードIICZは、ポートからエネルギーを除去してそのポートでの電圧を低下させることにより誘導器を活性化している変換器を示している。このモードを開始するには、変換器は反転型である。しかし、このモードの間、出力電圧はゼロに向かい、さらにゼロを通過することが多い。モードIICZのスイッチ構成はモードIICおよびIICRと同一であるが、このモードを終了させるためのテストは、このモードが類似しているモードIIAZのテストと同一である。モードIICZは活性化モードであるが、伝達ストローブに応答する。
【0068】
図4Aにおける、モードIIDは、誘導エネルギーの要因にかかわらず、PB電圧VOが小さい場合に反転型フォワード伝達を行う。PBをPAと直列に配置することにより、そうでない場合には低電圧で誘導器を非活性化するために必要となり得る過度に長い時間を回避する。モードIIDは、PA電圧が誘導器電流と同極である場合に使用される。
【0069】
図4Aにおける、モードIIIARは、モードIIDと同様に、誘導エネルギーの要因にかかわらず、PB電圧VOが小さい場合に反転型フォワード伝達を行う。モードIIIARは、PA電圧が誘導器電流と同極でない場合に使用される。
【0070】
図4のモードは、対応する極性および電流を逆転させた半マトリックスのものとともに、再生型負荷−エネルギー回収を備える増幅器として使用されることも可能なバイポーラ双方向電力変換エンジンを備える。このマトリックスの部分集合および上位集合を使用して、一部は既知であり、一部は新規である、増幅器、モータコントローラ、周波数変換器、および多くの種類の電源を形成することができる。従来技術の双方向変換器およびバイポーラ変換器は、図4の部分集合を使用するが、双方向およびバイポーラ両方の動作は行わない。図4は6スイッチを示しているが、S4は、性能を改善する新たなモードでのみ使用される。S4またはS1、およびそれらを使用するモードは、本発明によるバイポーラ双方向電力変換を実践するためには省略することができる。さらに、図4のスイッチのいくつかは、モードマトリックスの部分集合を具現化するためにダイオードで置き換えられてもよいことに留意されたい。これらの部分集合の一部は周知の電力変換器に対応し、一部の部分集合は新しい。
【0071】
図5は、誘導器を使用した、バイポーラ双方向バック−ブーストエネルギー平衡化同期電力変換増幅器を実現するために必要な、図4に示すハードウェア機能の順序を示したフローチャートである。周知の従来技術の装置を含め、ユニポーラ、単一方向、バックまたはブースト、非エネルギー平衡化、または非同期である可能性のある電源および増幅器は、図4のハードウェアマトリクスの部分的な実現形態であり、それに対応して図5のフローチャートの部分的な実現形態である。
【0072】
図5の装置の動作に好都合な任意の規則は、動作の特定の段階が完了したときはいつでも、図4の誘導器Lにエネルギーが存在するかを決定するために、そしてもし存在する場合は、後のどの機能が所望の電力変換機能を最も良く達成するか、また存在しない場合は、その誘導器を活性化することが望ましいかどうかを決定するために、一連のテストが開始される、ということである。エネルギー平衡化変換が行われる場合は、そのような活性化は、そのような活性化がそのモードまたは後の伝達モードに適正となったかどうかを示すエネルギー平衡の項に応答する。
【0073】
動作は、任意に図5Aの上部に記したロジック1の点から追跡することができる。図5の機能のフローチャートとしての図示は理解を容易とし、必然的にデジタルプロセッサに適応されるが、図5はまた、状態のテーブルを含有する登録メモリも表し、いつでも、15のモードのうち1つだけがアクティブとなることができるように示されることに留意されたい。プロセッサ等の手段による図5の実現は、中間的な不正状態または電力変換器の暴走もしくは出口のない動作ループを回避するための注意を払うことが必要となる。図5において、標示されたモードは、図4のマトリックスの対応した標示の要素を示す。
【0074】
図5Bに示される失われたロジック1への経路は、著しいVOが存在するかどうかを決定するためのテスト1で始まる。VOがない場合、テスト2は著しいVIが存在するかどうかを決定する。どちらも存在しない場合は、VOに対しては何もする必要はないが、Lがエネルギーを含有し得るため、テスト23が必要である。Lが枯渇していれば、何もする必要はない。しかし、Lが、エネルギーを有する場合は、PAに取り付けられたエネルギー源であるVPに戻されるべきである。Lにおける電流がVPと同極である場合は、テスト24はそのエネルギーを戻すためにモードIDRを選択し、そうでなければモードIVAが同じ目的に使用される。実際に、VO、VIまたは誘導器電流があるかどうかを見るテストは、これらの値を小さな閾値と比較し、その値が閾値未満である場合は、ゼロとして近似される。
【0075】
再びテスト2に戻り、VIが存在しVOが存在しない場合、VOを増加させるためにエネルギーが必要となる。VIおよびVPが非同極である場合、VOにエネルギーを与えるある反転型手段が必要であり、テスト3の次に、Lが寄与するエネルギーを有するかを決定するためにテスト4が続く。有する場合、テスト5はその電流のVPとの同極性を決定し、非同極である場合は、VPがVOよりもずっと大きいかをテスト6が決定する。我々は非VO経路をたどってきたため、これは真であり、モードIIIARが選択される。より大きいVOを有する他の経路によりここに到達したのであれば、モードIIIBRが選択されたであろう。テスト5が同極性を決定したのであれば、モードIIIBRの代わりにモードIICとなるか、またはモードIIIARの代わりにモードIIDとなったであろう。
【0076】
再びテスト4に戻り、Lが電流を有しない場合、モードIBを使用して、モードIIIBR、IIIAR、IIC、またはIIDにより起こり得る将来の反転型フォワード伝達に備えるためにそれを活性化するであろう。誘導器における電流が閾値電流を超える場合は、テスト4の結果は「いいえ」に切り替わり、上述のテスト5に戻る。
【0077】
再びテスト3に戻り、VIがVPと同極であった場合は、Lがエネルギーを有するかをテスト11が決定するであろう。有する場合、その電流がVPと同極であるかをテスト13が決定する。同極でない場合、そのエネルギーをPBに有効に移動するためにモードIIICRが使用されるが、同極である場合、またはテスト11がそれがゼロであると決定する場合、モードIAがVOを激しくスルーさせる。非VO経路がここに至るため、VOがVPを超える危険性はない。
【0078】
テスト1に戻り、VOが存在する場合、VIが存在するかをテスト14が決定する。VOは存在するがVIは存在しない場合、PBからエネルギーを除去しそれをPに戻す必要がある。これを行うために、テスト20はLが電流を有するかを決定する。有しない場合、テスト22は、PBからLにエネルギーを移動するために、VOのVPとの同極性に応じてモードIICZまたはIIAZを選択し、これはILが増加した後にゼロに縮小し、VOの極性が逆転されるまで、またはVOがVIとの等価性を得るまで続く。
【0079】
テスト20に戻り、LがVPと同極の電流を有する場合、電流がない場合と同様にモードIICZまたはIIAZの後続の実行がテスト22により選択されるが、より迅速に達成される。しかし、非同極ILおよびVPは、モードIICZおよびIIAZにおいて正常に機能しないため、この場合テスト21は、この不良極性エネルギーをPAに戻すためにモードIVAEを選択する。
【0080】
テスト14に戻ると、VOと同極となり得るまたはなり得ないVIが存在し得る。テスト15が非同極性を決定する場合、テスト20へとつながる、非VIの場合と同様に扱われる遷移状態が存在する。しかし、非VIの場合はゼロのみにスルーするVOが必要であるが、遷移の場合は、モードIICZおよびIIAZの擬似共振極性逆転能力を利用して、VOをゼロの反対側に円滑にスルーさせる。PBにおけるLおよびいかなるCも、スイッチで接続されると、高速スルー波形を通すことのできない有限のカットオフ周波数を有する集中素子伝送線を形成することに留意されたい。擬似共振法は、最速の実用スルーレートでの円滑なスルーを生む。
【0081】
テスト15に戻り、遷移状態がない場合には、エネルギーがPBに、またはPBから移動されるべきかをテスト16が決定する。VOがVIより小さい場合、エネルギーがPBに加えられなければならず、これはテスト8へと続く。テスト8は、反転が必要かを決定し、必要である場合は、VOが存在しない場合のように、テスト4を通した同じ経路が発生する。しかし、反転が必要ない場合は、テスト8はテスト9へと続き、VOがVPより大きいかを見る。VOがより大きい場合は、フライバックモードが使用されなければならず、これはテスト12へと続く。テスト12は、LがPBに寄与するエネルギーを有するかを決定し、有しない場合は、LはモードIBにより活性化されなければならない。Lがエネルギーを有している場合、テスト12は、ILのVPとの同極性を決定するためにテスト10へと続く。同極である場合は、モードIIAを介したLからPBへのエネルギーの送達へとつながり、非同極である場合は、モードIIICRを介した類似の送達へとつながる。
【0082】
テスト9に戻り、VOが小さい場合はテスト11へと続き、ILを確かめ、これがない場合は、モードIAを呼び出すのが適切である。しかし、ILが流れる場合は、ILがVPと同極であるかをテスト13が決定する。同極でない場合、LのエネルギーをPBに移動するためにモードIIICRが使用される。ILが同極である場合、モードIAはVOを激しくスルーする。
【0083】
図5は、フライバックモードであるモードIB、バックモードであるモードIAの、フォワード活性化の2つのモードを示す。電力変換器のスイッチオン時間は、電圧−時間の積に関連するので、低電圧は、誘導エネルギーを移動するのに長い時間をもたらす。したがって、発生器ポート電圧が放散器ポート電圧を超える場合、バックモードよりもフライバックモードが好ましく、その逆の場合、フライバックモードよりもバックモードが好ましい。単純な2端子誘導器変換器では、同じ誘導器を、放散器ポートへの電流シンクにすると同時に異なる極性の発生器ポートへの電流源とする方法はない。したがって、バックモードは、放散器および発生器ポートが同極である場合のエネルギー移動に限定される。それに応じて、すべてのFWD非バック活性化は、活性化モードIBを共有する。バックモードIAは、同時のENおよびTRエネルギー移動能力を有することに留意されたい。(ENはPAから誘導器にエネルギーが伝達されることを意味し、TRは誘導器からPBにエネルギーが伝達されることを意味する。)モードIAは円滑に機能するが、誘導器に反転型モードを提供できないため、それを使用すると、VPの絶対値を下回る非対称の正および負のスルーとなることがわかり、またこれに留意すべきである。したがって、波形対称性が最重要であるいかなる増幅器アプリケーションにおいても、モードIAが省略され、モードIBおよび適切な伝達モードが取って代わられるべきである。
【0084】
同期変換器において、図5Aおよび5Bのモードレジスタの行の上のテストは継続的に実行されているため、レジスタ入力に関するデータは、次の来るべきクロックまたはトリガに対する最善のモードを示す。タイミング発生器ロジックは、活性化モードIA、IB、IVAEが同期クロックの時間においてのみ選択されることを可能にする優先回路を備える。各モードレジスタセットのストローブは、新たなデータをラッチするための更新ストローブと、レジスタセットの選択を解除するためのリセットストローブを含んでもよい。同期クロック時間において、いかなるモードも選択することができる。第1の非同期トリガの時間において、IA、IB、およびIVAE以外のモードが選択され得る。第2の非同期トリガの時間において、リバース伝達モードIVAおよびIDRのみが選択され得、他のすべてのモードはリセットされる。
【0085】
エネルギー需要および誘導エネルギーの欠乏のため、適切なタスクは誘導器を活性化することであるが、誘導器が活性化されると、いずれも同期クロックまたは第1の非同期トリガで開始することができるフォワード伝達モード、IIA、IIC、IID、IIIBR、IIIAR、またはIIICRを使用してエネルギーがポートに移動される必要がある。過剰の誘導エネルギーが存在する場合、フォワード伝達モードが終了されて第2の非同期トリガが生成され得る。また、フォワード伝達モードをスキップしてもよい。同期クロックにおいて、第1の非同期トリガにおいて、または第2の非同期トリガにおいて、過剰の誘導エネルギーをVPに取り付けられた電源に戻すためにリバース伝達モードが開始してもよい。リバース伝達は、2つの様式のうちの1つで終了し得る。1つの様式は、誘導エネルギーの枯渇であり、その後は、誘導器は次の周期が開始するまで不活性化されたままとなり得る。第2の様式は、このモードに割り当てられた時間が終了することである。本発明の同期変換器の単一周期は、ポートの需要と条件に応答して最も適時で正確なエネルギー配置を容易化するために異なるモードが選択される多くの間隔を有し得ることを理解されたい。(3つの異なるモードは限定を意図せず、より多くのモードの使用が本発明の範囲に含まれる。)この図に示される本発明の一態様は、3つの選択されたモードと、続く初期設定のアイドルモードを提供し、後者は時折、モードIDR等の他のモードの不活性化された場合である。そのような初期設定のアイドルモードは、実際は、従来技術の変換器のアイドルまたはヌルモードに対応する。したがって、変換周期の間、本発明は、従来技術の変換器とは異なり、4つのモードを有することができ、そのうち3つはエネルギーを移動することができる。最初の2つ、活性化モードおよびフォワード伝達モードは、従来技術において通常である。本発明の変換器周期内のリバース伝達モードを含むことによって、その優れた効率、過渡応答、および低い入力および出力リップルをもたらす。ここで、本発明と従来技術との間の基本的な違いを強調する必要がある。従来技術の電力変換器は、通常、エネルギー伝達においてずっと単純な規則に従う。ほとんどの変換器において、伝達モードは活性化モードに続き、また逆も可である。本発明によれば、モードが終了したときはいつでも、変換器内での最適なエネルギー移動法に関する新たな決定がなされる。
【0086】
図5の電力変換プロセスは、エネルギー平衡化とともに、またはそれなしに実現することができる。エネルギー平衡化が使用されない場合は、それに関するテストは単純に省略される。エネルギー平衡化の省略は、予測ではなくVOフィルトレーションに基づくフィードバックループを必要とし、フィードバックループにおいて極性を生じさせ、これはいかなる所与の周期においても不正確な誘導器活性化に向かう傾向があり、多くの場合、複数周期補正、およびその結果としてのVOに対する半調和的なリップルを生む。
【0087】
図5Aおよび5Bがモードを開始するために適切に必要となる論理的決定を図示しているのと同様に、図5Cおよび5Dは、モードを終了するために必要な決定と、次の適切なモードへの規則的な進行を容易化するために必要なそのようなモードの終了のタイミングの両方を図示している。モード3BR、3AR、2C、2D、2A、および3CRは、誘導器内の電流が枯渇した際にすべて完了となる。したがって、テスト25は、それらのモードのいずれかにおける誘導器電流の枯渇後に、第2の非同期トリガを開始する。第2の非同期トリガはReverse TRansfer STroBeを呼び出すが、そのストローブは、誘導器電流が存在する場合にのみモードIDRまたは4Aを開始することができるため、これらのモードは呼び出されない。誘導器電流が枯渇していない場合、テスト26は、VIがVOを上回るかをモニタする。上回らない場合、VOは不必要に大きいため、出力ポートでは誘導器エネルギーは必要なく、第2の非同期トリガおよびRTR STBがモードIDRまたはIVAを呼び出す際にVPに返される。しかし、VIがVOを超える場合、元のモードが継続する。
【0088】
電力変換器がエネルギー予測を含む場合、モードIBは、テスト30によるフォワード平衡の到達後に終了して、Forward TRansfer STroBeまたはRTR STBを形成することができる第1の非同期トリガを生成し、ある種の伝達を誘導器から開始することができる。予測がない場合、または平衡が到達されない場合、活性化モードIBを終了してある種の伝達モードを終了する第1の同期ストローブとなることができる、Turn−Aroundのためにテスト28が行われる。同様に、TAに達しないが電流限界に達した場合、テスト29はモードIBを中止する。
【0089】
モードIAはバックモードであり、平衡テスト31を使用することができる。平衡が生じる場合、経路は、モードIB平衡で説明したものと同じである。しかし、平衡に達していない場合、または平衡が存在しない場合、テスト27はVOが大きくなりすぎたかどうかをモニタする。大きくなりすぎた場合、前述のようにモードIAが終了される。大きくなりすぎていない場合、テスト28および29が上述のようにその変数をモニタし続け、モードIAの終了に待機する。
【0090】
モードIVAEが生じるのは稀で、変換器が無限ループに陥らないようにするために提供される。モードIVAEは、チョッピング周期の開始時にのみ開始され、テスト34を介して、それぞれ誘導器電流が僅かとなったか否かに応じて、第1または第2の非同期トリガとなる。
【0091】
テスト32は、モードIICRまたはIIARがVOをVI未満まで低下させたときはいつでも、第2の非同期トリガを生成し、上述のようなモードIDRまたはIVAを呼び出す。
【0092】
モードIICZおよびIIAZは、望ましくないVOが実質的に排除された際に、テスト33により終了される。
【0093】
同期および非同期のタイミング発生器の両方が図5Cおよび5Dに示され、一回につきそのうちの1つのみが所与の変換器において使用される。両方の機能が同様に開始クロックおよび2つの非同期イベントを受ける。非同期の場合では、開始は同期クロックであるが、非同期の場合は、開始は単に最後のチョッピング周期の遅延した終了である。活性化モードIB、IA、およびIVAEはクロック時間においてのみ生じ得る。それらが生じない場合、FTRモードが代わりに開始され得る。FTRモードが生じない場合、RTRモードが生じ得る。同様に、FTRまたはRTRモードが、第1の非同期トリガで生じ得るが、活性化モードではない。第2の非同期トリガは、RTRモードのみを呼び出すことができる。この動作の優先度は、タイミング発生器の回路により制御される。
【0094】
本発明のモードと協働するこのタイミング発生器の動作は、新規の機能性を生む。ほとんどの従来技術の変換器は、一般に活性化モードおよびフォワード伝達モードを実行する。また、多くは、誘導エネルギーが枯渇した後の不連続フライバック変換器の状態により例示される、初期設定のヌルまたは「何もしない」モードを有する。
【0095】
モードIBにおいて、VOは、他のモードが選択されるまで、誘導器に付与されているエネルギーに応答しないことに留意されたい。従来技術のフィードバックループがVOに取り付けられる場合、フィードバックループはモードIBが終了するまで開いている。従来技術によれば、エネルギーは、出力フィルタに保持される以前の周期の履歴に基づき分配され、フィードバックループに極性が発生する。しかし、後述の図10のエネルギー平衡発生器が本発明に従い使用される場合、それによりなされる予測は、正しい量のエネルギーが誘導器に付与されると非同期的にモードIBを終了させる。次いで、後の伝達が、エネルギーの過不足なく望ましい、実質的に正しい電圧に到達するVOをもたらし、後の周期においてVOを補正する必要性を排除する。
【0096】
図4および5の本発明のより複雑な形態およびより複雑でない形態は実用的である。多くの不完全な形態が新規であり、従来技術に存在するものもある。例えば、周知のバック変換器は、モードIAおよびIIAのみを使用した図4および5の部分集合である。従来技術の変換器とは異なり、図4および5は、バイポーラ双方向エネルギー伝達を実現し、電源だけでなく、スイッチモード電力増幅器、およびその他の有用なデバイスを可能とする、新たな電力変換装置および方法をそれぞれ示している。さらに、本発明の双方向エネルギー移動能力は、過剰エネルギーの電源への返還を容易とし、従来技術の手段よりも高い全体的効率の電力変換器を促進する。それだけでなく、図5の原理の拡張、例えば、アクティブポートからパッシブポートに交換するための図4のPBからPAへのスイッチ検知手段は、双方向エネルギー伝達だけでなく、双方向調整も可能とする。3つ以上のエネルギー移動ポートで同じ原理を使用して、さらに多くの能力を追加することができる。
【0097】
図14において後述する周知の連続電流モード(CCM)で実行するように本発明を具現化することは実用的であるが、その機能の複雑性を図5のすでに複雑な機能に追加することは、扱いにくいことが明らかとなり得るため、この図5の議論は、周知の不連続電流モード(DCM)に限定する。
【0098】
図5は、図4のスイッチを操作するための多くの実用的なアルゴリズムの1つのみを示すことに留意されたい。他のアルゴリズムも実用的であり、例えば、誘導器がしばしば過剰エネルギーの貯蔵部を有するCCM変換器が、ごく僅かの効率損失で過渡応答を改善することができる。
【0099】
図6は、本発明における使用に好適な双方向スイッチ300を示し、2つのMOSスイッチ301および302が、それらのボディダイオードが両方向をブロックするように配置され、代替としてNMOSまたはPMOSスイッチを使用することができる。
【0100】
図6は、本発明によるスイッチを具現化するための、好都合であるが必須ではない様式を示し、BJT、IGFET、サイリスタ、同様に実用的な磁気増幅器、または、直結もしくは絶縁された、現在知られる、もしくは本発明にかかる、他のいかなる種類の電源スイッチも使用することができる。すべてのモードが必要なわけではない、ある実施形態において、スイッチは、スイッチを削除して開いた、もしくは閉じた回路とするか、またはスイッチをダイオードで置き換えることができる。
【0101】
図6は、3つの部分図、図6A、6B、および6Cに分けられる。図6はまた、誘導器Lにおける電流ILに応答する回路を示している。まず6Aを参照すると、電流または他の誘電エネルギーを含む電流比較回路200、200内および以下の図10において使用される信号VILを生成するセンサ201が示されている。比較器202は、VILを閾値源203と比較し、ILが僅かである場合は、図5で使用される信号IL<thを生成する。信号IL<thは、スイッチ300に流入し、そこでスイッチロジック303がそれを使用して伝達モードを制御する。スイッチロジック303には、FET301および302を個々に制御するための2つの制御入力AおよびBが取り付けられる。伝達モードでは、これらの入力AおよびBは個々に制御されるが、活性化モードでは、通常両方が同時に用いられる。
【0102】
図6Aおよび図7を参照すると、切り替えの前に、図6AのFET301がオンであった場合でも電流が流れないオフ時間が先行する。この時間は活性化モードである場合が最も多い。現在のモードが中止した場合に誘導器の電流経路がないことを回避するために、この時間の間にPET301をオンにするのが実用的である。
【0103】
他のモードからの導電が中止した場合、誘導器電流は継続し、VLを正に変化させ、図7の時間aに対応する図6Aに示される条件を開始する。電流ILがFET302のボディダイオードに流れ、その時間の間、VLは、負荷電圧Vldを超えて約1ダイオード電圧降下分上がる。この電流は、電流センサ201により感知され、電流閾値203と比較される。
【0104】
電流ILが該閾値を超えると、スイッチロジック303は、ダイオード損失を低減する同期整流器として機能するFET302をオンにすることにより、図7の時間bに対応する図6Bに示される条件を開始する。
【0105】
誘導エネルギーがほぼ枯渇し、電流ILが該閾値203より下に落ちると、スイッチロジック303は、FET302をオフにすることにより、時間cに対応する図6Cに示される条件を開始する。これで、残りのエネルギーが枯渇するまで、または他のモードがFET302をオフにするまでFET302のボディダイオードにおいて導電が再開される。図7の時間cは、「Ithまで」の条件の終わりに到達した状態であり、図5のいかなる|IL|<Ithテストにおいても「はい」Yの決定をもたらす。
【0106】
図6および7の3つの条件の時間的分離は、図4のモード間の切り替え時の望ましくない同時の伝導、すなわち「シュートスルー」を防ぐ。上述のような伝達に使用される図7の切り替えタイミングにより、誘導器の周りの回路が不完全である時間がごく僅かであり、スナバにおけるエネルギー損失を最小限にする。
【0107】
図7は、上述のように、3つの条件を通過する際の、図6の切り替え動作を波形として示している。
【0108】
図8は、図1および4のスイッチの実用的なスイッチ配置を示す。図1のS1〜S6および図6の301〜302に対応し、ボディダイオード(図示せず)を有する、FETの対3011〜3021から3016〜3026は、図1および4にも示されるような、誘導器LとポートPAおよびPBの間の必要な双方向スイッチ機能を具現化している。各スイッチに対するFETの対の必要性は、ほとんどの大型FETのボディ端子をその源に繋ぎ、それらを単一方向にブロックさせることにより端子を削減する、一般的な慣行の結果である。この慣行が双方向にブロックするFETを形成するように変化した場合、本発明を実践するためには、FETの対ではなく単一のFETで十分である。
【0109】
実用的なFETSは容量性であり得るので、IS1〜IS6aおよびb内に含まれて示される市販のFETドライバを使用してそれらを駆動することができる。電圧源VAからVGは、ノードの対A−A+、B−B+、C−C+、B−D+、およびG−G+を通してそのようなドライバに電力供給するために使用される。
【0110】
AC結合を使用してFETを駆動することができるが、そのような結合は、スイッチデューティサイクルの両極端で不具合を生じることが多い。絶縁型D−C結合が、通常最も信頼性がある。IS1〜IS6aおよびb内にも含まれて示される隔離は、好ましくは、DC動作が可能なGross Magneto Resistive(GMR)アイソレータを使用して達成される。速度が重要ではない場合には、光学アイソレータが使用され得る。Analog DevicesからのADUMシリーズのアイソレータ等の変圧器結合データアイソレータも使用可能であるが、望ましくない双安定性状態のリスクがある。FETが電力変換器において一般的に使用されるが、本発明を実践するためのスイッチとして、BJT、IGFET、サイリスタ、またはさらに磁気増幅器も使用可能である。Lにおける誘導電流を表す信号VILを提供するための図8のIL、RIL、およびAILを参照すると、ある場合には単純な増幅器で十分であるが、そのタスクのための、十分なGBW(利得帯域幅)、入力範囲、およびDC精度を有しなければならない。一般に利用可能なハイサイド電流モニタは通常、高速変換器には帯域幅が不十分である。電流モニタと適切に結合された変流器はDCからの均一な応答を高周波数に提供することができる。変流器のみではAC結合しか提供せず、これにより限定された場合で動作することができるが、検出されない高電流のリスクをもたらす。
【0111】
図9は、ゼロ度においてゼロから正で始まる制御ポート電圧VIに従う正弦波の変換器ベースの生成を示す。このグラフは、図4を具現化する回路および図5に示される機能を具現化するロジックをシミュレートするSPICEシミュレータにより生成された。図9Aは、正のPA電圧Vpでの動作を示し、図9Bは、負のPA電圧での動作を示す。PAにおける電流Ipの盛衰は、図9の上部に示されている。中央には、制御ポート電圧入力VIが示され、本発明の電力変換器によりPBで生成された正弦波電圧VOがシミュレートされている。
【0112】
これらのアナログ波形のすぐ下は、この変換器をシミュレートしているときにSPICEシミュレータにより生成されたタイミング図である。タイミング図の左側の記号表示1A、1B等は、上述のモードのどれが所与の時間においてアクティブであるか、またタイミング図の上の波形を生じさせそれに応答しているかを示している。(SPICEにより生成された図9のアラビア数字は、図4および以下の説明中のローマ数字に対応し、したがってモード1およびモードIは同じである。)
【0113】
図9Aから始めると、バック−活性化モードであるモードIAはまず、それに接続されたエネルギー貯蔵負荷にわたるPB電圧VOを上昇させる。これは同期の実施形態であるため、任意の規則は、モードIA、IBをクロックパルス、この場合では20uS間隔(図示せず)によってのみ開始させる。モードIAはVOを激しくスルーするため、後者は、しばしばVIに触れるとVIを若干オーバーシュートし、過剰の誘導エネルギーを示し、モードIDRにエネルギーをPAに返させる。VOがVP、ここでは+5Vに近づくと、スルーの強さは減少し、それによりVOがVIをオーバーシュートしないようになり、これはまず80uSで起こり、このときにモードIIAは誘導エネルギーをPBに移動する。誘導エネルギーが枯渇したら、モードIDRが呼び出され、エネルギーをPに戻すことができるか、またはこの場合は単純に枯渇した誘導器Lにロードすることができる。
【0114】
100uSクロック(図示せず)において、VOはここでVPにほぼ等しい、すなわち約5Vであるため、モードIAはもはやVOをスルーしない。したがって、ここでモードIBが開始し、1回の20uSクロック周期だけ続き、Lを活性化する。120uSクロックにおいて、モードIIAは誘導エネルギーをPBに移動する。VOが約126uSでVIに近づいたとき、非同期シーケンサ決定がモードIDRを呼び出して過剰のエネルギーをPAに戻す。VPから引き出された電流(下向き)は、モードIBのそれぞれの発生において見られる。このシーケンスは、140、180、および220uSで繰り返される。
【0115】
ここでVOはVIに非常に近いため、モードIIAの呼び出しはより短くなるが、モードIDRの呼び出しは長さが増加する。
【0116】
250uSにおいて、90度正弦波ピークに達し、新たなモードが開始する。260uSにおいて、VOはVIを超えるため、モードIICRは、VOがVIに降下するまでPBからエネルギーを引き出してLに入れ、このときもう一つののシーケンサ決定がまたモードIDRを呼び出す。ここで、PBから取り出されたエネルギーは誘導器Lに留まり、モードIDRはそのエネルギーをPAに返し、これによりVP電流が上向きのスパイクとなる。このスパイクは、誘導エネルギーが枯渇したとき、または次のクロックにおいて終了する。モードIICRおよびIDRの交替は正弦波のほぼ90度の間継続し、500uSまで20uSごとに、さらなる交替が開始する。返された電流の追加のスパイクを、正弦波の90度と180度の間に見ることができる。
【0117】
約500uSにおいて、VOは正であり、すでに負となっているVIより遅延している。我々は、ゼロをまたぐ最初の事象に遭遇した。このときモードIICZが呼び出され、この段階で過剰となったエネルギーをPBからLにダンプする。Lは、次いで、擬似共振的にPBのコンデンサを再充電し、そのエネルギーの多くを戻すが、極性は逆である。モードIICZの影響で、500uSのすぐ後にVOはゼロを通過してマイナス数百mVに到達することがわかる。
【0118】
520uSの直前において、モードIIDの微小なスパイクがLにおける僅かに過剰のエネルギーを証明している。モードIICではなくモードIIDが生じる理由は、VOがVPより非常に小さいからである。
【0119】
完全なタイミングを満たさないと、520uSでのモードIBの機会を逸するが、540uSにおいてモードIBが生じ、Lを活性化する。560uSで、さらなるモードIIDパルスが開始し、Lが枯渇すると非同期的に終了されてモードIDRを呼び出す。580uSで、新たなモードIBが開始するが、600uSでLにおける、その新たなエネルギーが移動されなければならない時に、VPに比べVOがもはや微小ではないため、モードIICが呼び出される。700uSまで、VIに達するVOからではなく、L1の枯渇から、各モードIICの次にモードIDRが来る。700uSの後は、モードIDRであり、Ipの返されたエネルギーのスパイクを伴う。当然ながら、各モードIBに、PAにより提供されるエネルギーのスパイクが伴った。750uSで、正弦波の270度に達し、VIおよびVOの両方が互いに近づき極めて平坦となる。Lは、760uSにおいて比較的大きなスパイクでモードIDRにより返される過剰のエネルギーで満たされている。
【0120】
780uSで、モードIIARが初めて開始する。このモードは、モードIICRと同様に、VOが上昇してVIに一致するまで、エネルギーをPBからLに移動し、一致したときにシーケンサ決定が再びモードIDRを呼び出し、Ipスパイクで明らかなように、PAにエネルギーを戻す。返されたエネルギーのスパイクとともに、モード2ARおよびIDRの交替が続き、1mSまで20uSごとにクロックパルスを開始させる。
【0121】
約1mSにおいて、VOは負であり、すでに正となっているVIより遅延している。我々は、ゼロをまたぐ第2の事象に遭遇した。このときモードIIAZが呼び出され、この時点で過剰のエネルギーをPBからLにダンプする。Lは、次いで、擬似共振的にPBのコンデンサを再充電し、そのエネルギーの多くを戻すが、極性は逆である。モードIIAZの影響で、1mSのすぐ後にVOはゼロを通過してプラス数百mVに到達することがわかる。
【0122】
次にモードIAが繰り返され、VOを上方にスルーして新たな正弦波周期が開始する。
【0123】
図9Bを参照すると、同様の正弦波の生成が起こるが、今度はVPは−5Vである。
【0124】
使用されるモードは同様であり、同様の機能を有するが、いくつかは役割が逆転している。バックモードであるIAは反転には使用できないため、この場合VPおよびVIの両方が負である場合に生じる。この場合、いくつかのエネルギー返還IDRモードは、極性の逆転に起因してVIAモードで置き換えられる。図9Bの負のスルーは、図9Bの正のスルーに対応する。この場合エネルギー消費はIpにおいて上方を向き、エネルギー返還は下方を向く。
【0125】
Ipのより大きなピークの理解による大まかな把握により、このコンバータ内にエネルギー平衡化を含めることにより得られる利点が示される。大きなスパイクはモードIBに関連している。エネルギー平衡による終了を欠くモードIBは、電流の限界に達しない限り、周期の終わりまで継続する。次いで、次のクロック周期の間、エネルギーが分配されいかなる過剰分もPAに返される。
【0126】
エネルギー平衡化が適所にあると、モードIBは、Lにおける十分なエネルギーの獲得後に非同期的に終了し、エネルギー分配を開始させ、またさらに、おそらくは同じ周期内で完了するであろう。モードIB活性化スパイクが散在したエネルギー返還スパイクは消失し、活性化スパイクがより小さくなるであろう。VOへのリップルとVPへのリップルの両方が低減される。図4の任意の活性化モードに任意の伝達モードが続いてもよいことに留意されたい。重要なのは、エネルギーがどのように誘導器内に入ったかではなく、どの伝達モードが最も良くエネルギーを移動して最大限の効率で所望の出力を達成するかである。
【0127】
図10は、性能を改善するために本発明の一部として使用可能なエネルギー平衡化計算器を示す。この平衡化装置は、エネルギー平衡化が実践されない本発明の実施形態からは省略することができる。また、明確性のためにここに示される明示的な手段ではなく、図12に示される暗示的な適応手段により実現することもできる。参照することにより本明細書に組み入れられる関連出願番号第11/593,702号に教示されるように、静電容量およびインダクタンスの値を決定するための手段、ならびに間接的に負荷電流を決定する手段を、この計算器に加えてもよいことに留意されたい。この図において教示されるエネルギー平衡化計算の数学的に正確な実現は優れた結果を生むが、その予測の大雑把な近似でもまだ非予測的な従来技術の制御に勝る結果が提供されることに留意されたい。したがって、単純化された予測項を使用して、例えばKELおよびKEC項における量の二乗を無視することにより、本発明を実施して、従来技術に勝る結果を生み出すことが可能である。
【0128】
この図の計算器において、3つの主要部分があり、そのうちの第1はKEC、すなわち容量性運動エネルギー項である。
【0129】
極性が適切に調節されたVIは、乗算器BM1で二乗され;VOが同様に調節されて乗算器BM2で二乗されてから、インバータBI1により反転される。第1の二乗と反転された第2の二乗の加算がBS1により実行されて二乗の差が生成され、BRECT1により修正され、BM3において、変換器出力での総静電容量CTOTの値の0.5倍が乗じられる。このプロセスは、VOを所望の電圧に移すために必要とされるエネルギーを生成するプロセスである。この移動の符号は、極性信号を使用して扱われる。
【0130】
第2の誘導運動エネルギー項KELはより複雑である。最も単純な部分は、以下のように得られる瞬間誘導エネルギーKELtである。BM6はIL(実際は図8においてVILで表される)を二乗し、これに誘導器値/2である0.5Lを乗じ、周知の方程式KE=L*I^2/2に従い瞬間運動エネルギーを導出する。誘導器からエネルギーを抽出するには時間および電圧を要するため、モードの終わりでの誘導器の非活性化されたエネルギーを表す、他の誘導エネルギー項KELd(KEloadと混同されるべきではない)がある。誘導器が、非活性化するために十分時間および電圧を有する場合、KELdはゼロであるが、そうでない場合は、KELdは、非活性化誘導電流ILdを演算することにより決定される。ILdを得るために、BM4はまずVOに、モードに残されている時間dTを乗じる。項dTは、残りの周期時間を表す下向きののこぎり波となり得る。次いでBD1は得られた積をLで割る。この動作は、周知の方程式dI=E*dT/Lを実行する。結果dILは、BI2で反転されて−dILが得られ、これは次いでBS2によりVILと加算されてILdを生成し、BRECT2により修正される。得られる信号は二乗されて0.5Lで乗じられ、非活性化エネルギーKELdを生成し、これはBI3により反転されてBS3によりKELtと加算され、予測抽出可能エネルギーKELを生成する。
【0131】
第3の負荷エネルギー項は、VOを所望の時間に補正されるようにするためにどれ程のエネルギーが必要かを予測する。バック変換器において、予測は、好ましくは周期終了に対するものであり、所望の電圧は通常、VOリップルに埋もれている。フライバック変換器に対しても同じ時間を使用することができ、この場合所望の電圧はVOリップルの底部により近い。あるいは、誘導フライバックの終わりまでの時間Tfbを使用し、所望の電圧をVOリップルの上部近くにすることができる。BM9は、負荷の予測エネルギー消費量を表すKELoad項を生成する。これを行うために、選択された時間dTまたはTfbにVOおよび負荷電流を乗じる。負荷電流を直接測定してもよいが、最も効率的とするために、通常Iloadを導出することが好ましい。既知のコンデンサCREFがVOおよび他のいかなる容量と分路されている場合、内部または外部リップル電流は、それぞれの静電容量と反比例してこれらの静電容量を流れる。したがって、周知のレシオメトリック技術により、CTOTの値を決定することができる。CTOTのすべてまたは一部が外部である場合、その電流を測定するのは不都合となり得るが、内部であるCREFは、その電流Irの測定を可能にする。BM8においてCtotが乗じられ、BD3においてCrで除算されたIrは、総リップル電流Iripを生成する。ILのAC電流のほとんどはIripであるため、IL−Iripは導出された瞬時負荷電流であり、B14はBS5におけるILとの加算のためにIripを反転し、BM9のための導出されたIload項を生成する。
【0132】
この図の平衡発生器はまた追加の機能を具現化する。KELが増加している間CdifおよびRdifは正の信号を生成するが、KELが減少すると負の信号を生成し、これを比較器BC4が転換信号TA2に処理する。ENモードの初期において、ILが上昇する間、KELもまた上昇するが、このモードの後期で誘導エネルギー伝達のための時間が減少すると、KELは、ILが上昇し続けるにもかかわらず低下する。その時、追加の活性化により消散しか得られないため、TA2はENモードを終了するための非同期トリガを発行する。本発明によるこの項は、周知のDCMモードで動作する変換器に適用可能であることに留意されたい。本発明によるエネルギー平衡化または非エネルギー平衡化変換器に対して、BC3によりTfbをdTと比較し、同じ終了を達成するために他の転換信号TA1を生成することができる。
【0133】
ここまでの説明において、誘導器Lは誘導器であると仮定してきたが、変圧器を含むいかなる種類の誘導反応器であってもよい。実際、1つのポートを他のポートから隔離することが望ましい場合は、変圧器が必要となる。そのような設計は電力設計の技術分野の当業者には周知であり、本明細書ではこれ以上説明しない。しかし、本明細書で説明されるスイッチ構成および制御技術は、そのような誘導反応器に容易に適用することが可能であり、本発明は、そのような用途を含むように意図している。
【0134】
図11は、以下に説明される本発明の適応性および容易化された例証的な実施例の切り替え状態を示す。これらの状態は、図4のモードと類似しているが、フライバック変換器の追加の形態を表している。(しかし、図4には、図11の状態IV、VI、およびVIIIと等価なものはない。)以下の実施例は図1および4のS1の閉鎖は必要ではないため、この図ではS1が省略されている。後述するような誘導電流の再循環の説明を容易とするために、新たなスイッチS7が追加されている。S7の使用は好都合であるが、再循環のため誘導器にわたり短絡をもたらすために、図4においてS3およびS5またはS2およびS4を閉じることにより、同じ結果を達成することができる。しかし、S7は、第2のスイッチに関連した損失が回避されるという点で好都合である。以下の実施例において、図4における全部で6つのスイッチよりも少ないスイッチが必要となる。
【0135】
追加のフライバック変換器の古典的なフォワード活性化モードである状態Iにおいて、Lは、S2およびS5を介して活性化されているように示されている。
【0136】
状態IIは、追加のフライバック変換器の古典的なフライバックまたはフォワード伝達モードを示す。
【0137】
状態IIIは、スイッチS6およびS3を介したPBからのLのリバース活性化を示す。そのような活性化は、PBから過剰のエネルギーを除去するために使用することができる。誘導電流の流れは、状態I、II、およびVから逆転されていることに留意されたい。
【0138】
状態IVは、LからPAへのエネルギーのリバース伝達を示す。そのような伝達は、状態IIIまたは状態VIIIの後のPBからの望ましくないエネルギーをPAに戻すために使用され得る。誘導電流の流れは、状態I、II、およびVから逆転されていることに留意されたい。
【0139】
状態Vは、スイッチS3およびS4を介した誘導器Lからのエネルギーの返還を示す。このモードは、Lにおける過剰のフォワードエネルギーをPAに戻すために使用することができる。
【0140】
各種状態におけるLDおよびVDCの移動は、負荷および電源が移動されたとは言えず、ただエネルギーが変換器100からPAへ、またはPBから変換器100へ現在流れていることを示す。
【0141】
状態VIは、後述するように本発明によるエネルギーの貯蔵を維持するための、S7を介したLにおける誘導電流の再循環を示す。当業者には、他のすべてのスイッチを開いたままとしながら、S2およびS4の両方、またはS3およびS5の両方を閉じることにより、僅かな追加の損失で本発明による再循環が有効化され得ることが明らかである。
【0142】
状態VIIは、スイッチS3およびS6を介したリバースエネルギーのPBへのフォワード伝達を示す。
【0143】
状態VIIIは、スイッチS4およびS3を介してLに負のエネルギーをロードするためのフォワード負活性化状態を示す。
【0144】
本明細書における制御機構は、ある基準信号に関して出力を制御することにも留意されたい。基準信号は、変換器への入力電圧、制御を調節するための別個の信号、またはこれらの両方であってもよい。
【実施例】
【0145】
本発明の実施形態の数々の実施例を本明細書に記載する。発明者らは、これらの実施形態が、これらの発明の技術の特に有益な実現を例証していると考えるが、決して、これらが本発明の範囲に関して限定していることは意図されない。
【0146】
実施例1:単純なフライバックを使用した増幅器
図12は、1つのスイッチ(図1のS5に対応する)および1つのダイオード(図1のS6に対応する)を備える、単純なフライバック変換器形態を使用した増幅器を表す。この同期追加フライバックユニポーラ増幅器は、本発明によるCCM安定性および適応性自己補正の両方を得る方法を具現化している。
【0147】
図12は、2つの主要部分を含む。右側は、誘導器L、スナバコンデンサC8、スナバ抵抗R26、誘導電流センサSEN、スイッチS5、S−RフリップフロップBIS、過電流比較器COC、電流制限閾値VLIM、スイッチングダイオードS6、フィルタコンデンサCI、分圧器RAおよびRB、過電圧比較器COV、リセットorゲートROR、ならびに、負荷LDが接続される出力電圧VOを備える、完全に従来型の追加フライバック電力変換器である。BAL入力に対応するためのゲートRORの1つの入力の使用を除いて、従来部分の構成要素の機能は、従来技術と同様である。この電力変換器の従来技術部分に無いものは、入力電圧VIと、出力電圧VOと、出力電圧VOを調整するための上述のゲートRORの入力とに取り付けられた通常のフィードバックループである。
【0148】
図11に示されるエネルギー移動状態のうち、フォワード活性化(I)およびフォワード伝達(II)状態の2つのみが使用される。正の方向にのみアクティブにスルーすることができるため、そのような増幅器には比較的大きい最小負荷が必要である。
【0149】
この増幅器の4スイッチバージョンもまた、対称的な動的応答を示すことが示されている。図20Aおよび20Bを参照。図12において、S6は、単純な実施例を提供するためにダイオードで置き換えられている。
【0150】
図12の増幅器は、従来技術のフィードバックループの代わりに、あらゆる総合誤差、および負荷LDと分路されているあらゆる追加の静電容量を調節するために適用可能な適応補正を具現化する、本発明による適応性のフィードバックループADAPTを備える。適応補正に瞬間的な入力電圧VIが使用される場合、その効果は、出力VOに位相の進みを加えることである。反応性フィードバックループに安定して、また予測可能に進みを導入する能力は、制御システム、特にモーメントが関与する制御システムにおいて有用な機能となり得る。進みが望ましくない場合は、整合する入力および出力平均化フィルタを使用することにより、位相を変えずに適応補正を加えることができる。R3およびC2は、平均入力電圧VIavgを生成する入力平均化フィルタを形成する。RvoおよびCvoは、平均出力電圧VOavgを生成する対応する出力フィルタを形成する。適応性フィードバックは、瞬間的な入力をフィルタリングされた出力と比較し、それらの2つの電圧を一緒に引き出すことができる。それが位相の進みをもたらす。入力電圧が出力電圧と同様にフィルタリングされる場合は、適応性フィードバックは、位相ひずみをもたらさない。
【0151】
この実施例は1の電圧利得を示す。計算に使用される前に、デジタルで、または入力電圧VIに利得段を加えることによって、または出力VOを分割することによって、あらゆる妥当な利得を適用することができる。所望のいかなる非線形伝達関数も同様に組み込むことができる。
【0152】
この実施例では、スイッチS5を閉じ、電力入力VPからの電流の流入を許可することにより、従来の様式でLを活性化するために、タイミング発生器TGからのクロックパルス信号Sにより5uSごとに同期的にBISが設定される。従来の出力フィルタコンデンサは、この電力変換器に対し内部のフィルタコンデンサであることを示すために、ここではCIと指定される。この実施例では、負荷LDは、試験目的で、正弦波電流またはパルス電流負荷を引き出す。
【0153】
センサSENは、周知の電流モニタであっても、誘導電流を表す信号VILを生成するための誘導エネルギーを確認するための他の回路であってもよい。機能性電圧源B1は、Lの値に応答性であってもよく、または、Lの値を表す固定電圧であってもよい。一定の電圧0.5もまた示されている。機能性乗算器BM6は、これらの3つの入力を処理して古典的な誘導エネルギーの式KE=1/2L*I^2を実行し、誘導エネルギー信号KELを生成する。
【0154】
タイミング発生器TGは、2つの信号出力TG1およびTG2、ならびに2つの遅延素子DL1およびDL2を備える。TG1は、5uSの期間、および20nSの過渡時間を有する100nSパルスである。TG1は、2つの100nS遅延DL1およびDL2により遅延し、スイッチS8、S9、およびS10を一瞬閉じ、BISを設定するために順次信号を提供する。TG2は、傾きが1V/uSの下向きの傾斜dTであり、チョッピング周期における残りの時間を表す。
【0155】
他の入力項を追加することなく負荷電流Ildを表す信号を得るためには、負荷は3つの周期にわたる移動平均として、Lにおける電流から構築される。機能性源B2により表される誘導器電流はC4に統合され、スイッチS10により各周期の始めでゼロ補正され、それにより1サイクルのみの総電流SILを得る。V6は、C7における前の周期のSILをサンプリングしmidSILとして保持するように、スイッチS9を制御する。同様の様式で、V5は、C3における最後から2番目の周期の電流lastSILを保持するように、スイッチS8を制御する。デジタルでの実現においては、この機能は単にレジスタに値を格納することにより提供され得ることに留意されたい。機能性源BSILは、C4、C7、およびC3に格納された誘導器電流の3つの積分値を平均化する。平均は、R2およびC5を備えるアナログフィルタでさらに平均化され、avgSIL項を生成する。将来の負荷を予測するためには、時間を導入する必要がある。機能性乗算器BMILは、周期において残っている時間dTおよび出力電圧VOをSILavgに乗じて、予測負荷エネルギーKEloadを得る。BMILはまた、これらの項に一定信号1.5を乗じて予測負荷エネルギーを50%拡大し、この実施形態が基づく方程式において明示的に説明されない伝導エネルギーに対するKEloadを調節する。
【0156】
容量性エネルギー信号KECmは、修正された入力電圧VIおよび出力電圧VOの二乗の差である必要容量性変化信号dCapKを含む。VIを修正するには、機能性アナログ加算器BSVIは、VIをそれ自体の平均VIavgに加え、そこからVOの平均VOavgを差し引き、修正された入力信号VImを生成する。次いで機能性乗算器BM1がVImを二乗して信号VIm^2を生成する。機能性乗算器BM2がVOを二乗して信号VO^2を生成する。
【0157】
機能性源B3は、CI/2.5の値に応答して信号VCを生成する。VCは、単純にCIの固定値の固定表現であり得る。機能性乗算器BMBは、CapKにVCを乗じ、図10のKEC項に対応して、容量性エネルギー信号KECmを生成する。
【0158】
この場合、KECmは、VIおよびVOの二乗の単純な差ではなくVIを修正する適応項から成る。したがって、この調節VIは、未修正のVIを使用して生じる場合よりも、平均入力VIavgに近い平均出力VOavgをもたらす。適応項の主な利点は、調整またはDC精度の損失を生じさせることなく、外部負荷静電容量を動的に加えることができることである。温度または他の動作条件による、スイッチ誘導器の値の比較的緩やかな変化もまた、適応項により吸収される。
【0159】
古典的な容量性エネルギー方程式KE=1/2C*E^2の残りを提供するために、別個に、dCapK容量性エネルギー項に、2で割った静電容量が乗じられる。この場合、機能性源B3において、我々は代わりに2.5で割ってVCを得る。したがって、容量性エネルギー項KECmを減少させることにより、エラー補正利得が低減され、それによってサンプリングされたループ安定性が増加する。この適応性のフィードバックループは、その動作において生成した、いかなる小さいDCエラーも補償する。
【0160】
機能性アナログ加算器BS4は、誘導エネルギー信号KELを、負荷エネルギー応答信号KEldおよび容量性エネルギー信号KECmの合計と比較する。誘導エネルギーが、容量性エネルギー差および予測負荷エネルギーの合計以上である場合は、機能性アナログ加算器BS4は、フリップフロップBISをリセットする平衡エネルギー信号BALを生成し、このようにS5を開いてLの活性化を終了する。
【0161】
誘導器が完全に活性化される時間があったかどうかにかかわらず、次の設定パルスSで周期が繰り返される。誘導器に残されたいかなるエネルギーもKEL項により正しく表現されるため、この増幅器は、図示されるように、出力で200ufを駆動し、300から900mAまでで変動する正弦波電流がロードされる間であっても、ひずみまたは過剰のリップルなしに連続モードCCMに、またはそこから円滑に移行する。従来の変換器は、連続モードの不安定な境界で交互にアンダーシュートおよびオーバーシュートする傾向があり、低周波リップルを生成し、振動をもたらすか、またはさらに、結果的に自己破壊への傾向を有する正のフィードバックを生成する可能性もある。
【0162】
図13は、適応補正が同相で適用された図12の回路の性能を示す。VOは、入力VIを追跡する出力である。2つの軌跡は重複しており、実際には区別できない。下方の軌跡ILoadは負荷電流である。増加した負荷電流の目に見える効果は、出力リップルの若干の増加のみであることに留意されたい。図13〜15に示される結果は、別段に指定されていない限り、本出願に記載の他のすべての結果と同様、SPICEシミュレーションに基づいている。SPICEは、電気回路シミュレーションのための、周知で一般的に使用されているツールである。
【0163】
図14は、図13からの入力および出力軌跡、およびスイッチ誘導器Lにおける電流ILの拡大した詳細である。ILは、出力電圧の乱れもなく、連続的な状態から、または該状態へ移行する。連続伝導期はCCMと標示され、不連続期はDCMと標示される。
【0164】
図15は、300から600mAの負荷の変化および復帰に対する応答を示す入力および出力軌跡の詳細である。負荷変化の上昇および降下時間は1uSである。同相適応補正のために形成されたフィルタ極性は、予測エネルギー平衡により可能とされた優れた過渡応答を著しく悪化させない。非予測フライバック変換器は、負荷が瞬時に二分された際、電圧降下傾斜の間に大きくオーバーシュートするであろう。オーバーシュートをアクティブに補正する手段がないため、従来の変換器はその過渡から回復するために過度の時間を要することとなる。
【0165】
実施例2:連続モードDC−DC変換器における改善された調整のための誘導器電流の再循環
図16は、本発明による誘導器電流を循環させたフライバック変換器(図11の状態6)を示す。
【0166】
CCM電力変換器の制御における基本的な問題は、負荷電流を供給するために誘導器Lにおけるエネルギーが必要ない場合に生じるが、これは負荷LD以外にそのエネルギーが行く場所がないためである。結果として、負荷電流が低減される際に出力でオーバーシュートする。スイッチ誘導器Lに貯蔵された連続的エネルギーは、多くの場合、いかなる1回の切り替え周期においても、入力から出力へ移動されたエネルギーと比較して大きさが大きいため、その余剰エネルギーのより良い対処法は、著しい調整改善をもたらし得る。二方向変換器は、エネルギーを入力に戻すことができるが、そのためには余分なスイッチが必要である(後述の実施例4を参照)。代替手法は、スイッチ誘導要素Lにわたり直接接続された1つの追加のスイッチS7を閉じることにより、スイッチ誘導器における連続電流を再循環させることである。そのように循環されたエネルギーは抵抗損失を受けるが、エネルギーのほとんどは短期間貯蔵され得る。最小負荷電流がゼロに近くない状況では、再循環されたエネルギーは、次いで、必要に応じて、後の何回もの周期にわたり徐々に負荷に送達され得る。この配置により、単純なシステムにおいて、高電力密度、良好な調整、および良好な効率が可能となる。非常に低いオン抵抗のFETスイッチM2、M3の近年の開発が、このアプローチを実用的なものにしている。
【0167】
図16を参照すると、RECIRCと標示されたボックスの外に、従来のフライバック電力変換器の有するもののほとんどと、誘導器L、誘導エネルギーセンサSENS、スイッチS5、ダイオードS6、フィルタコンデンサCI、スナバコンデンサC8、スナバ抵抗R26、電圧出力VO、入力電圧VIを生成する入力電圧源V、VOをVIと比較するための電圧比較器CVO、S5のオンおよびオフのためのS−RフリップフロップBIS、周期的にBISを設定するためのクロックCLK、制限閾値源VLIM、ならびに、誘導電流ILがVLIMにより設定された閾値を超える場合に、BISをリセットしてS5をオフにするための誘導電流比較器COCが見られる。図16のRECIRCと標示されたボックスの外において、従来技術の変換器にないものは、BISをリセットしてVOの制御を試みるフィードバックループである。エネルギー源Pは電力線VPに電圧を印加して変換器に電力供給し、負荷LDは変換器出力電力を消費する。発明者らは、Philips部品番号PH2625により実現したFETスイッチS5、および一般的なIN5817で実現したダイオードS6が良好に機能することを発見した。これらの従来技術のコンポーネントの動作は、本発明によるフィードバックループを除いて、当技術分野では従来のものであり、周知である。
【0168】
図16において、BISをリセットしてS5 ON時間を制限、ひいては、制御誘導電流ILを制御するための通常のORゲートがないことに気付き得る。この不在は、VOがVIを超える場合に、この変換器がそのフィードバックの一部としてBISをリセットしないために生じる。代わりに、CVOがANDゲートであるRANDを駆動して再循環信号RECを生成し、これがスイッチS7をオンにし、図11の状態VIを開始させる。変換器がちょうど図11の状態IIにあり、電流がL内に流れていた場合、そのエネルギーは、負荷LDへの伝達を中止し、IRECと標示された矢印により示されるように、S7を介して再循環を開始するであろう。S7およびLを介した回路に損失がない場合には、電流は無限の時間、減退することなくそこで循環するであろう。しかし、S7およびLはともに、誘導時定数T=L/Rに従い電流を単位時間あたりある割合で減衰させる直列抵抗を有し、式中Tは、電流が63.2%減衰する秒単位の時間、Lはヘンリー単位のインダクタンス、Rはオーム単位の回路の抵抗である。減衰が比較的速い場合、誘導渦電流の損失もまた生じ得る。図16の変換器において、再循環チョッピング周期の間のピーク誘導電流は、VLIMにより設定される。負荷がエネルギーを使用する場合、誘導電流は弱まるが、ゼロから電流を上昇させなければならない代わりに、次の信号において、ある正の値からVLIMにより設定される値に電流が上昇され、再循環誘導エネルギーの貯蔵部に、負荷および損失により消費されたそのエネルギー量を実質的に再貯蔵する。
【0169】
図16のS7を参照すると、信号RECが従来の特性のFETドライバDRVを駆動して、ここでもPhilips部品番号PB2625等が好ましい双方向ブロッキングおよび伝導スイッチFETであるM2およびM3をオンにする。S7を伝導させるためには、M2およびM3は、DRVによりVPより高い電圧で高められなければならない。そのために、M2およびM3のターンオン電圧と等しい補助電圧源VTOがVPに重ねられ、ノードAおよびCを接続することによりDRVに接続することができる。あるいは、VOが、VPとVTOの和よりも小さい必要がない場合は、源VTOは省略され、ノードAおよびBを接続することによりVOで置き換えることができる。補助タイプDフリップフロップBISRは、クロックによりセットされゲートRANDを介してリセットされて再循環を終了し、こうして、VOがVIより下に落ちる場合、図11の状態IIを開始する。図11の状態Iの間、ゲートRANDを介して、BIS/Qにより再循環が開始される。
【0170】
図17は、図16で教示された本発明による再循環を使用し、本発明の予測エネルギー平衡化技術を組み合わせた変換器を示す。図16の変換器はエネルギー平衡化技術なしで良好な調整を提供するが、循環する誘導電流の一定の貯蔵を維持する効率損失を代償にそれを実現している。動作条件が極めて一定である状況では、プリセット電流によりもたらされる効率ペナルティを小さくあり得る。図17の変換器は、本発明による再循環に加えて、良好な過渡応答を提供するために再循環されなければならない電流量を最小限化するための、本発明による予測エネルギー平衡化を具現化している。
【0171】
図17の再循環フライバックの実施例は、近似式を使用して、出力側でエネルギーの若干の余剰を提供するためにLにおいて必要とされる電流を決定する。僅かな余剰分は、再循環によりスイッチ誘導器に保存される。さらに、再循環が各周期の間、僅かの期間だけ必要とされるように、平衡式を微調節して活性化モードを終了させるために、適応フィードバック経路が提供される。単純化のために、ここでは、1つのスイッチS5および1つのダイオードS6、ならびに、M2およびM3を備えたバイポーラ再循環スイッチS7を使用した単一方向フライバック変換器に、再循環の原理が適用される。
【0172】
本明細書に記載の適応フィードバック法は、再循環スイッチが閉じている間の間隔である適切な再循環時間を達成するために、プリセット電流制限を適応して調節するために使用することができる。
【0173】
図17のRECIRC−ADAPTと標示されたボックスの外にある部分は、図16の場合のように、単純な従来技術のフライバック変換器を含む。この実施形態で使用されるコンポーネントは、R3 5K、R26 150オーム、C2 100nF、C8 820pF、CI 330uF、L 5uH、ともにPH2625であるFETスイッチS5、S7、およびS6 1N5817である。
【0174】
図16の場合のように、従来技術のフィードバックループは不完全であり、以下に記載の本発明による改善されたフィードバックループにより満たされる必要性を生じている。図16とは異なり、この変換器は、従来技術のように、フィードバック基準が満たされたときにBISをリセットするための余分な入力を提供するために、リセットORゲートRORを備える。従来技術とは異なり、この入力は、履歴ではなくエネルギー予測に応答する。
【0175】
機能性計算器B1は、エネルギー予測を実行するために以下の式を実行する。
(IL>VI*IId*0.45+VO/VP*1.4+(VI−VO)*15+(1−FB)*0.15)である時、BALは真。
【0176】
必要とされるL電流は、VI×負荷LD電流の積、VPに対するVOの比、および出力コンデンサCIでの電圧VOの余剰または不足の3つの項の加重平均に比例する。さらに、適応フィードバック項FBもまた、機能性予測計算器B1の計算に含められる。FBは、負荷静電容量またはスイッチインダクタンスにおける変化、さらに熱的効果および他のいかなる数値化されていないの変数をも考慮するためにスケールされ加えられる。フィードバック信号FBは、R3およびC2により平均化された再循環制御信号のデューティサイクルである。活性化モードから伝達モードへの切り替えをいつ行うか決定するためのB1の計算は、C2に格納されるような最近の履歴に基づき、再循環時間の最小化を試みる。この手段により、典型的な再循環時間は短く維持され、全体の効率が改善される。
【0177】
エッジトリガ双安定BISRおよびANDゲートRANDが再循環を制御する。BISRは、誘導器電流を再循環させる機会が1サイクルにつき1回のみ利用可能であることを確実とするために、同期クロックにより設定される。フライバック期間中に出力電圧VOが入力電圧VIより大きくクロスする場合、RANDはS7を作動することにより再循環期間を開始する。VOがVIを下回る場合、BISRは、クロック端子上の正エッジによりクリアされる。それ以外では、再循環は、フライバック期間の終わりまで継続する。ANDゲートRANDは、スイッチS5がオンの時に再循環スイッチを強制的にオフにすることにより、同時伝導を防止する。
【0178】
ILおよびIId両方の電流検知を提供するために、機能性シミュレーションブロックが使用された。より低速の変換器では、これらの機能は周知の電流モニタにより具現化することができるが、高速変換器では、参照により本明細書に組み入れられる出願番号第11/593,702号に教示される、高速増幅器か、またはDC経路を提供するために増幅器を補完した複合型変流器を使用することができる。
【0179】
本明細書に記載の再循環の原理は、フライバック変換器に限定されない。それは、バックおよび組合せの接続形態に等しく適用される。あらゆる場合において、再循環は、CCM電力変換器の制御の困難性を軽減する。
【0180】
Vは入力電圧VIを提供する。DC/DC変換器では、VIは通常定電圧である。
【0181】
図18は、SPICEにより生成された、図17の回路の波形を示す。図18において、回路が電源内蔵式増幅器として機能するように、VIは、5ボルトを中心にピーク間電圧が2ボルトである正弦波である。図18は、VPが2.5ボルトを中心にピーク間振幅が0.5ボルトである正弦波であるように示している。負荷電流IIdは、0.4アンペアから4アンペアに上昇し、また戻る。スイッチ誘導器電流ILは、時間全域で連続的に示される。VIおよびVOは重なった軌跡となり、この図では区別できず、より高い負荷の期間ではより大きなリップルが検出可能である。
【0182】
図19は、負の負荷過渡の間の再循環動作を示す、図18の詳細である。再循環の期間に対応する誘導器電流波形IL上の実質的に平坦な領域、および負荷が落ちる際にオーバーシュートがないことに留意されたい。
【0183】
伝達の間、S6が同期整流器として動作し、再循環中のダイオードとしての動作の代わりに、再循環の間は開いていること、この変換器がステップダウンおよびステップアップ動作が可能であることに留意されたい。
【0184】
実施例3:エネルギー平衡および連続モード動作を備えた双方向フライバック増幅器
不連続モード(DCM)コンバータと比較して、連続伝導モード(CCM)電力変換器に対しエネルギー平衡制御を行う際には、追加の考慮事項を守らなければならない。本実施例、図20Aおよび20Bは、CCMおよびDCMエネルギー平衡が良好に制御された双方向フライバック増幅器を示す。この実施形態は、負荷でのいかなる過剰のエネルギーも源に返されるため、優れた効率を提供する。このデバイスはそれ自身のステップアップ電源として機能するため、従来の調整電源の非効率性は実質的に回避される。示されたシミュレーションの負荷電流は、バイポーラであり、ゼロの周りで対称である。これらの状況下では、エネルギーが交互に、出力リアクタンスへ伝達、またはそこから回収されるため、1回の負荷周期にわたり、正味電力消費はゼロに近い。また、この接続形態および制御方法は、DC基準がAC基準信号の代わりに提供されると、電源として極めて良好に機能する。
【0185】
図20Aを参照すると、4つのスイッチ、S2、S3、S5、およびS6が、図11の状態I、II、III、およびIVを実行する。状態Iはフォワードフライバック活性化、状態IIはフォワードフライバック伝達、状態IIIはリバースフライバック活性化、および状態IVはリバースフライバック伝達である。
【0186】
これらの状態は、3つのタイプDフリップフロップまたは双安定、BISM、BISR、およびBISFにより駆動される。3つすべての双安定は、チョッピング周期を確立するために、5uSごとに750nSの実時間を有する、立ち上がりCLKによりクロックされる。
【0187】
立ち上がりクロック後、およびD入力後のリバース平衡信号RBLの状態に従い、BISMは、開始されているチョッピング周期の平衡のために持続するモード信号Mを生成する。
【0188】
RBL信号は、図20Bに示されるように、容量性エラーエネルギーdCapKの符号を報告する比較器CKECにより生成される。
【0189】
RBLが真である場合、Mは真であり、開始されている周期は、連続して、PAからPBへのフォワードフライバックエネルギー伝達を有効化するためのフォワード状態IおよびIIを含む。状態Iがまず発生してPAからLを活性化する。CLKの最小実時間およびそのBISFへの接続に起因して、Lの活性化のための最小時間PREは、実質的に最小実時間となる。最小実時間の後、フォワード平衡信号FBLに応答して状態Iが終了されて状態IIが開始され得、それは、チョッピング周期の平衡のため、PBのエネルギー需要に対する供給に十分な源PからのエネルギーをLが含有することを後述のフォワード平衡計算器が予測的に決定したことを示す。そのような決定後、FBLは非同期的にBISFをクリアし、チョッピング周期が終了するまで持続する状態IIを開始する。
【0190】
RBLが偽である場合、Mは偽であり、開始されている周期は、連続して、PBからPAへのリバースフライバックエネルギー伝達を有効化するためのリバース状態IIIおよびIVを含む。状態IIIがまず発生してPBからLを活性化する。LがPBから十分なエネルギーを移動したことを後述のリバース平衡計算器が非予測的に決定したことを示すフォワード平衡信号RBLに応答して状態IIIが終了されて状態IVが開始されてもよく、そのような決定後にRBLが非同期的にBISRを設定し、チョッピング周期が終了するまで持続する状態IVを開始する。
【0191】
上述の双安定とスイッチとの間には、図11の状態Iに対応する信号Iを生成するためのANDゲートANDIと、同様にそれぞれの対応する信号II、III、およびIVを生成するためのANDゲートANDII、ANDIII、およびANDIVとを備えるデコーダがある。このデコーダは、図示されるような個別論理として、他の図に示されるような機能性状態デコーダとして、周知のPLDとして、プロセッサから実行されるテーブルとして、または、他の周知の手段により具現化することができる。
【0192】
ORゲートOR5を介して、スイッチS5は、無条件に状態Iの双方向スイッチとして機能する。しかしまた、OR5およびANDゲートSRAND5を介して、また同期整流器比較器SRC5に応答して、S5はまた、状態IVの間の同期整流器として機能する。ここで、International Rectifier部品IR1167として、同期整流は、スイッチ電圧に基づくが、代替的に、周知のようにスイッチ電流に基づいてもよい。S6、OR6、SRAND6、およびSRC6の動作は、S5およびその関連した回路の動作と類似している。
【0193】
上記に教示されるように、また周知のように、誘導エネルギーセンサSENSは、Lにおける電流場またはE−T積に応答して信号VILを生成する。
【0194】
この変換器は、上述の、また周知の誘導電流制限よび出力電圧制限を備え得る。
【0195】
ここで図20Bを参照すると、図20Aの双安定を制御する信号CLK、RBL、およびFBLを生成するタイミングおよび平衡化回路が示されている。
【0196】
タイミング発生器TGは、クロック信号CLK、プレクロック信号PCK、および、図12で教示されたように、チョッピング周期における残りの時間を表す下向きの傾斜dTを生成する。ここで、CLKは、最小パルス幅を設定するために使用される実時間を有する。PCKは、実際は、前の周期の終了直前に生じる。比較器CTMは、チョッピング周期における残りの時間に基づき、dTを閾値Tmaxと比較して最小フォワード伝達時間を設定し、ORゲートBALORを介して平衡信号BALに優先して図11の状態IIを開始する。
【0197】
このシミュレーションにおいて、TGは5usごとに同期750nS CLKパルスを提供する。TGはまた、前の周期の末期において、CLKパルスがスイッチS11を閉じて前の周期のKEL値をC12に格納する50ns前に、同一パルスPCKを供給する。TGは約1V/uSの傾きを有するdTを生成する。
【0198】
RBL信号は、容量性エネルギー差dCapKの符号を報告する比較器CKECにより生成される。
【0199】
KELは、図12で説明された誘導エネルギー計算器である。この変換器において、誘導エネルギーはどちらの極性であってもよいため、KELの出力は乗算器MSGNおよび比較器CILSGNにより処理され、それに誘導電流の方向に応答する符号を付与し、信号KELを生成する。
【0200】
前の周期の終わりに、PCKは一時的にS11を閉じて、周期の終わりでLに残余するエネルギーKlastpedに関連する、ILの「ペデスタル」KELをC12に格納する。ペデスタルアナログ加算器SUMPEDを介して予測されるペデスタルKppがKlastpedから差し引かれ、乗算器MPEDにおいて係数0.9でスケールされ、このペデスタルにおける予測される変化がKELから差し引かれて新たな誘導エネルギー信号avKELが生成される。
【0201】
S12、CPRRCT、SUMdVL、S13、CILdMIN、DIVdIL、MdIL、およびSUMILdを備える予測ペデスタル電流計算器は、現在の周期の終わりでの電流を予測する信号PREDICTを生成する。信号PREDICTは以下のように生成される:アナログ加算器SUMdVLが、状態IIの間のLにわたる非活性化電圧を表す信号dVLを生成する。MdILはdVLに、残りの周期時間を表すdTを乗じて信号を生成し、これが、除算器DIVdILにより、図12で教示されるようなLの値を表す電圧VLで除算されて、誘導電流の利用可能な非活性化である、信号dILが生成される。信号dILは、古典的な式dI=E*dT/Lに従い演算され、式中dIは電流変化、Eは誘導器電圧、Lはインダクタンスである。
【0202】
SUMILdは、その予測された変化を、VILで表される現在の誘導電流から差し引き、周期の終わりでの電流を予測する信号ILdを生成する。比較器CILdMINおよびスイッチS13は、極端に大きなペデスタルが一時的に予測された場合、不安定性を防止するために、ILdおよび定数20のうち小さい方を選択する。
【0203】
比較器CPRRCTおよびS12は、S13により選択された信号を半波長精密整流し、信号PREDICTを生成する。PREDICTを電流信号からエネルギー比例信号に変換するために、MKppにおいて二乗されてVLが乗じられ、予測ペデスタルエネルギー信号Kppが生成される。
【0204】
avKEL計算は、従来技術の連続制御方法を混乱させていた見た目の矛盾を考慮するのに役立つ。誘導エネルギーは、電流の二乗に関連するため、電流変化の1アンペアにつきより多くのエネルギーが、より高い連続電流で伝達され得る。CCMスイッチ誘導器のすべてのエネルギーが負荷に伝達される場合、次の活性化周期中に必要なレベルまで誘導器を再充電する時間がない可能性がある。低周波の動作を回避するために、後の周期のために連続誘導エネルギーが保存されなければならない。本発明による制御のために、誘導器内に維持されるべきエネルギーは、SUMKELにおいて行われるように、総誘導エネルギーKEL項から数学的に差し引かれ、信号avKEL、または利用可能な誘導エネルギーを得る。
【0205】
ペデスタルが減少すると予測される場合は、avKEL項が減少され、活性化期間を延長して、それにより、より多くのペデスタル電流を保存する。逆に、ペデスタルが増加すると予測される場合は、avKEL項が増大され、活性化モードの早期の終了およびペデスタル電流のより小さな増加をもたらす。このプロセスは、チョッピング周期ごとに10%まで、標的となるペデスタルの変化を制限する効果を有する。活性化および伝達の時間制限に起因して、また動作条件が劇的に変化し得るために、実際の周期間のペデスタル変動は、標的の割合より大きくなり得る。この計算に使用される正確な割合は重要ではない。100%であっても、許容される結果が得られる。
【0206】
CBALにより検出される平衡においてavKELを誘導エネルギー項として使用することにより、DCMとCCMとの間の過渡近辺での円滑な動作を達成することができる。調整を改善するために連続電流の周期間の変動を制限する効果を有するいかなる機構も、本発明を実践することができる。
【0207】
平衡方程式の容量側は、本発明の他の予測フライバック変換器と類似している。dCapKは、図12で説明されたように、容量性エネルギーの差である。これにはMKECにより静電容量が乗じられ、CBALにより誘導エネルギーと比較されて平衡信号BALを生成する。
【0208】
DCM伝達およびCCM伝達は両方とも、フォワード方向およびリバース方向の両方において可能であることに留意されたい。
【0209】
容量項VCscは、1ファラドあたり0.5Vの単一ループ利得を生む。これは、本シミュレーションにおいて、サンプリングされたループ利得を低減し、それによってより良好なループ安定性を得るために、0.35に若干減衰される。
【0210】
図14に示されるものと同様に、LおよびCにおける変化を考慮するために、適応法を使用することができる。図14にも示されるように、突然の負荷変化に対する応答を速めるために負荷項を加えることができる。
【0211】
図21は、VPが3ボルトを中心にピーク間振幅が1ボルトである正弦波であるように示している。負荷電流は、ゼロを中心とした1.5KHz正弦波であり、プラスおよびマイナス0.5アンペアで振れる(図示せず)。スイッチ誘導器電流ILは、正および負の両方向において、連続および不連続の両方であるように見える。VIの軌跡は、14ボルトを中心に1kHzで10ボルトのピーク間振幅で振れる。出力VOは、VI信号を厳密にたどっている。DCMおよびCCM期間は適切にマークされている。
【0212】
実施例4:改善された敏捷性のための、誘導エネルギー貯蔵を備えた双方向フライバック増幅器
過渡応答が最も重要である状況では、負荷への供給に即時に利用可能となるように、スイッチ誘導器に余分なエネルギーを貯蔵することができる。本発明のエネルギー平衡化技術は、誘導器に余分なエネルギーを維持する変換器の制御に有益であることが示された(図10参照)。再循環技術、図18は、余分なエネルギーを誘導的に貯蔵する別の手段である。ここで図22から24に示す5スイッチの実施例は、同じ問題に対応するための別の新規な手法である。ここでも、単純化のために、本実施例はエネルギー平衡のない変換器における新たな技術を示す。改善された効率のために、エネルギー平衡を追加することができる。この場合、調整はほぼ理想的となるが、エネルギー平衡化から得ることができる過渡性能は非常に低い。
【0213】
本実施例は、いかなる連続伝導も制御された、バイポーラ出力を備えた双方向フライバック増幅器を示す。実施例3の以下の利点が同様に付随する:このデバイスはそれ自身の電力調整器として機能するため、従来の調整電力変換器の非効率性は実質的に回避される。図25で示されたシミュレーションの負荷は、バイポーラであり、ゼロの周りで対称である。これらの状況下では、交互にエネルギーが出力へ伝達され、またはそこから回収されるため、完全な負荷周期の正味電力消費はゼロに近い。この手法を用いて、90%を十分超える効率が実用的となる。また、この接続形態および制御方法は、図26および27に示されるようなAC入力信号VIの代わりにDC入力が提供されると、電源として極めて良好に機能する。
【0214】
図22を参照すると、以下の論理的表現に従い、図24において以下に示されるフリップフロップの出力に応答して図11の状態IからVIIIまでを生成するための状態デコーダSTDECが示されている。
状態I=M&F
状態II=M&/F&/X
状態III=/M)&R&/FN
状態IV=/M)&/R)&/FN|/M&/R&FN&/XN
状態V=M&/F&X
状態VI=なし、図16および17においてのみ使用
状態VII=/M&/R&FN&XN
状態VIII=/M&R&FN
式中、引用された信号は、図22および23に示されるもの、および図11の同様の名前の状態に対応し、
「&」は論理AND関数を表し、
「|」は、論理OR関数を表し、
プレフィックス「/」は、そのサフィックスに対して論理NOTを実行する。
【0215】
以下の図24により完全に示されるこの実施例では、1つの状態デコーダSTDECは、図23のスイッチブロックSWBnに例示されるいくつかのスイッチブロックに対応する。SWBnのnは、数字であって、ここでは2から6であり、図11のS1からS6に対応するSWBnのインスタンスを表すことを理解されたい。
【0216】
引用され表される信号は、SWBnが応答する信号の状態バスSTBを構成する。各インスタンスSWBnは、スイッチデコーダSWDECにより実行される一意のデコード機能を有し、これはSTBの信号、およびスイッチSにわたる電圧に応答する比較器CSWにより生成される信号IS<Ithに応答する。したがってSWBnは、「Ithまで」の機能を実行する。デコーダSWDECは、信号DRVを生成してSに端子SWmとSWnの間の回路を閉じさせるが、後者は図11の1つのスイッチの端子に対応する。デコーダSWDECは、以下の論理的表現に従い、そのインスタンスにおいてSTBおよびIS<Ithに応答する。
SWB2=(I&IS<Ith)|II|IV
SWB3=((III|VII)&IS<Ith)|V
SWB4=V&IS<Ith
SWB5=I|(IV&IS<Ith)
SWB6=(II&IS<Ith)|III|VII
【0217】
図24を参照すると、SWB2からSWB6まで標示されたSWBnの5つのインスタンスは、スイッチデコーディングおよび切り替えを正確に実行して、それぞれ図11のS2からS6として機能する。
【0218】
図24の5スイッチ電力変換器は、接続形態において図20の4スイッチ連続の実施例と類似しているが、制御方法においては類似しない。図11のS7および状態VIは、本実施例では使用されていない。
【0219】
図20の場合のように、タイミング発生器TGは設定パルスSを提供して各チョッピング周期を開始し、比較器CVOを介して、BISM、BISF、およびBISRを、VOとVIとの間のあらゆる差の極性に応答してデータをラッチする。BISMはそのデータを周期の終わりまで保持する。BISFおよびBISRは、図20において前述したように非同期イベントに応答する。SENSは、図20の場合のように誘導エネルギーを検知する。したがって、PAからPBに正のエネルギーを移動するために、活性化の状態Iが開始し、次いでフォワード伝達の状態IIが続く。図24のTGはまた、Sの期間内に複数の過渡を生成する高速クロックCKFを備える。図24はさらに、Sの後のCKFの最初のクロック過渡で/Mに従う新たなフリップフロップBISXを含み、したがって正のエネルギー移動周期の早期でBISXをリセットする。図20において、状態IIは周期の終わりまで持続するが、図24において、規制電圧に達したら、比較器CVOは、インバータINVを介して、フリップフロップBISXをリセットして図11の状態Vを呼び出す。状態Vは状態IIに優先するとき、PBで過電圧を形成するのではなく、過剰の誘導エネルギーをPAに戻す。
【0220】
図24はさらに、スイッチブロックSWB4に含まれる追加スイッチS4を備え、伝達されないエネルギーを直接電力入力ポートに戻す、状態Vに対応する追加の伝達モードを具現化する。図24において、活性化状態の間のLの活性化を正確に計測する代わりに、VILとそのそれぞれの制限信号LMPおよびLMNとの間の差に応答して誘導電流比較器CPおよびCNにより制御されるエネルギーのかなりの過剰分がLにロードされる。
【0221】
したがって、本発明の6スイッチの実施例の場合のように、周期の伝達部分は下位周期に分割されるが、Sよりも高い周波数で動作しているCKFにより、Sの期間あたり多くの下位周期が存在し得る。
【0222】
正の極性に対しては、チョッピング周期の終わりまで、伝達時間の残りの間、比較器CVOに応答して状態IIおよびVが交替する。誘導器電流は状態Vの間同じ方向に流れ続けるが、ここで図25に示されるように入力ポートに戻るように方向付けられる。負の極性に対しては、状態VIIおよびIVが同様に交替する。
【0223】
改善された調整を目的とした、3つ以上のアクティブ部分(および消耗された誘導器電流の潜在的な追加の期間)への各周期のそのような分割は、従来技術では知られていない。図25は、CKFのために800kHzクロックを追加することにより達成される改善を示す。図25から、多相変換器が、1つの相を常時交互伝達に維持することによりリップルを低減することができることが明らかである。リップル低減における可能な改善は、4倍を超える。
【0224】
ここで、リバース伝達は、図20に示される4スイッチの実施例と本質的に同一である。
【0225】
負荷のいずれかの極性を有する負の電圧を制御するためには、新たなフリップフロップBISFNが、状態IIIおよびIVの交替が出力を十分負とするのに十分でない場合に設定される。それらの状況の下、VO、/M、またCTHを介して誘導電流の極性に応答するANDゲートANDARは、BISFNを設定するためにクロックを生成する。ANDARは、リバース伝達の状態IIIの間に誘導器が十分な負電荷を得ることができなかったことを決定する。BISFNは、一度設定されると、状態VIIIが負の活性化状態として使用されるようにし、次いで状態VIIに入力から出力に負のエネルギーを伝達させる。
【0226】
十分性が得られたら、比較器CVOの出力により双安定BISXNがクリアされる。これにより状態IVが呼び出され、過剰の負のエネルギーが入力に返される。双安定BISXNは、状態VIIおよびIVの急速な交替を防止するためにCKFによりクロックされる。この負のフォワード伝達シーケンスは、誘導器電流の極性以外のすべての点で通常のフォワード伝達シーケンスと一致する。
【0227】
この実施例は、フォワードまたはリバース活性化モードの適切な期間を決定するために予測を使用しない。調整のために、それは過剰のエネルギーのPAへの返還に完全に依存し、それを行うことにより驚くほど小さい効率ペナルティしかもたらされない。追加の複雑性が少ないと、予測または適応フォワード活性化モードが可能となる。それにより、誘導的に貯蔵されたエネルギーの割合を調節することにより、最大効率と最善の過渡応答との間の適応的な相殺が可能となる。この技術のデジタルによる実現には、シングルビット比較器機能以外、A/D変換器は必要ではなく、またアナログまたはデジタルの振幅比較より複雑な演算は必要とされない。
【0228】
本実施例における電力入力電圧の出力電圧に対する比は、従来技術のデバイスのように狭い範囲に制約されないことに留意されたい。この利点は、PWM制御を回避することにより得られる。また、誘導器がフォワード活性化のためにいずれの極性にも活性化され得、またリバース伝達モードのためにいずれの極性にも放電され得るため、いくつかの追加の制御ロジックにより、PAは他のスイッチの追加なしに双極とすることができることにも留意されたい。負のVPの存在下でS2をS4と、およびS3をS5と交換する制御ロジックのみが必要となる。
【0229】
International Rectifier IRF 1167のように、スイッチに「Ithまで」の機能が内蔵されている場合はエラー電圧CVOの極性を提供する比較器、ならびにスイッチ誘導器CP、CN、およびORLIMのための過電流検出器のみが、必要とされる入力である。様々なスイッチの組合せが固体メモリにプログラムされ、時間、極性、および過電流に関連するアドレスラインによりインデックスされることが可能であるか、周知の「状態機械」でのようにマイクロコントローラまたは他のプログラム可能なロジックデバイスにプログラムされることが可能であるか、あるいは、個別コンポーネントを使用して再現されることが可能である。
【0230】
この実施例は追加フライバックフォワード伝達に基づいているが、入力電圧を下回る、正または負の出力電圧を忠実に再現することができることに留意されたい。制御用の僅か2つの比較器によりステップアップおよびステップダウン動作の良好な調整を維持する能力は、本発明に特有のものである。
【0231】
図25は、ゼロボルトを中心にピーク間振幅が100ボルトである1kHz正弦波入力信号VIでの動作を示す。負荷電流は、350uSでプラス2Aからマイナス2Aに切り替わり、700uSでプラス2アンペアに戻り、次いで1050uSでマイナス2Aとなっている。電力入力電圧VPは3ボルトから157ボルトまで変動する2kHz正弦波である。出力電圧VOおよび入力電圧VIは重なっており、ここでは区別するのは困難である。誘導器電流ILは、正および負の両極性において、連続および不連続の両方であるように見える。連続モード動作に起因する負荷過渡での極僅かの出力の乱れに留意されたい。DCM/CCM境界をクロスしない負荷過渡は、ほとんど視認できない。電力入力電圧を大きく上回る、大きく下回る、またはそれと等しい出力電圧に対応するための追加のフライバック変換器の能力は、新規である。
【0232】
図26は、単一チョッピング周期の間に使用されている複数の状態を示す。入力電圧VIは6ボルトで安定している。1.002mSにおいて、負荷がマイナス2アンペアからプラス2アンペアに変化している。負荷過渡の前に、状態IIIおよびIVが交替してリバース活性化および伝達を有効化している。負荷過渡の後に、誘導器電流は、フォワード活性化の状態Iの間、正の方向に移動する。それは約2uSの間上昇し、次いで、短期間のフォワード伝達の状態IIの間、より緩やかとなる(伝達の付加的性質に起因する)。状態Vが続き、誘導器電流を再び入力PAにフローさせる。チョッピング周期の終了前に状態IIおよびVはもう一度交替する。1.01mSで次のフォワード周期が状態Iから開始する。VOの軌跡は、誘導電流制限により終了される状態Iを除き、それぞれの非同期終了状態の終わりにVIに触れることに留意されたい。
【0233】
また、図27は、チョッピング周期ごとの3つの状態の使用を示し、ここでは入力電圧VIは約6ボルトで安定している。状態VIIIは誘導器を活性化し、次いで状態VIIが、十分な量までエネルギーを伝達し、状態IVを呼び出させる。状態IVは過剰のエネルギーを誘導器から入力側に戻す。チョッピング周期の終了前に状態VIIおよびIVはもう一度交替する。
【0234】
フライバック変換器において、図11のS6に対応して、誘導器電圧が出力電圧VOを超える条件によりダイオードまたは同期整流器がONに切り替わるのが通常である。本発明によれば、その基本に、図24に示されるように所望の入力電圧VIが出力電圧VOを超えるという条件を加えると、このフィードバック変換器は、従来技術とは異なり、誘導器活性化電圧VPより実質的に低いVOを生成することができる。この改善を得るために、状態IIの間にVOの大きさがVIの大きさを超える場合、状態Vが呼び出され、S6をオフにして過剰のVOの生成を回避する。過度の電圧を回避するために、Lにおけるいかなる電流の代替経路も提供されなければならないことを理解されたい。図16および17の再循環の実施例は、再循環によりそのような経路を提供する。図24は、フォワード伝達後に状態Vを呼び出し、負のフォワード伝達後に状態IVを呼び出すことにより、そのような経路を提供する。
【0235】
図24において、この改善は、状態Vの論理的定義において現れる項「X」により具現化される。
状態V=M&/F&X
【0236】
適応技術がないと、図16による再循環または図24によるリバース伝達が、ある程度の非効率性がもたらす。しかし、再循環に費やされる時間に応答して電流制限を変更するために、またはエネルギー返還の時間を最小化するために、図17に示されるような適応技術が使用されると、効率を最大化することができる。
【0237】
より高いILペデスタル電流は、より良好な過渡応答に向かう傾向があるが、効率に悪影響を与える可能性がある。効率と過渡応答との間の相殺を調節するために、電流制限を予め、または適応的に設定することができる。
【0238】
図16、17、および24の変換器はフォワード活性化状態の間に電流制限の決定のみを行うため、極めて短い活性化時間を安全に制御することができる。その結果、VPおよびVOのごく限られた比しか許容されない従来の変換器で実用的なものよりも高いVP電圧での安定な動作が得られる。
【0239】
VPは、利用可能な活性化時間において、十分にスイッチ誘導器を活性化するのに十分高くなければならず、また入力スイッチの定格電圧よりも低くなければならない。それらの制限は、既存の技術よりも、かなり緩い。
【0240】
極めてより高い入力電圧を許容する組合せ、およびVPより低いVOを生成する能力により、本発明によるフライバック電力変換器は、従来技術の電力変換器より極めて柔軟となる。従来技術のバック変換器は、VPより低い電圧を生成するのみであり、従来技術のブーストまたはフライバック変換器では、通常、VOはVPより大きくなければならず、バック/ブーストインバータでは、通常、VOの絶対値はVPより大きくなければならず、またSEPIC変換器では、VOがVPと等しくなることができるが第2の誘導器が犠牲となる。バック/ブーストの接続形態は入出力範囲に関して最も柔軟性があるが、滅多に見られない。PWMを使用したバック/ブースト接続形態の制御における芳しくない効率および困難性が、それが稀であることを説明している。バック/ブースト変換器は、バックモードで機能しているときには、DCM/CCM境界近辺で不安定性を示す。また、再循環またはエネルギー返還能力の欠如が、しばしば、この種の変換器では一般的な安定性の問題につながり、拡張された入出力範囲の潜在的利点の多くの芽を摘んでいる。
【0241】
従来の変換器は、極端なデューティサイクルを回避する必要性に起因して、VOのVPに対する比における追加の制約を有する。5から1を超えるVP範囲を許容することは、従来の変換器では稀であり、拡張された入力範囲を有する変換器はしばしば単一出力電圧に限定される。調節可能な出力を有するそれらの従来の変換器でも、通常、狭い範囲にかけてのみ調節可能である。実施例4は、50から1を超えて変動するVPを許容することができ、またゼロからVPの10倍を超えるVOをいずれの極性においても生成することができるフライバック変換器を示す。また、それはVPと等しいVOも許容する。その柔軟性は制御のための比較器およびロジック機能によってのみ得ることができるため、実施例4に基づく電力変換器は、多くの異なる狭い範囲の電力変換器製品と経済的に置き換わることができる。
【0242】
実施例5:CCMフライバック調整への応用
フライバック変換器の不連続伝導モード(DCM)と連続伝導モード(CCM)の動作の間に、基本的な差が存在する。
【0243】
DCMにおいては、誘導器電流は、チョッピング周期の終わりまでにゼロにリセットされる。したがって、誘導器に持ち込まれる前のサイクルのメモリは存在しない。
【0244】
誘導エネルギーは電流の二乗に比例するため、所与の電流変化は、より低い電流よりも、より高い電流においてより多くのエネルギーを伝達することができる。電流変化は時間に比例するため、より高い電流において、誘導器への、および誘導器からの両方において、単位時間あたりより多くのエネルギーが誘導器を介して移動され得る。
【0245】
変換器がDCMモードに留まる限り、負荷に供給するために必要な電流は所与の周期内で達成されるが、CCMモードでは、ゼロではない誘導器電流、またはペデスタルが、周期から周期へ継続する。負荷が変化したら、ペデスタルが調節されなければならない。所与の誘導器では、より高い負荷は、より低い負荷よりも、より高いペデスタルを必要とする。誘導器電流は瞬時に変化することができないため、増加した負荷を維持するようにペデスタルを調節するのに時間が必要であり、またペデスタルを増加または減少させるためには多くの周期が必要となり得る。制約、および直感によらない必要な応答を使用してCCMフライバック変換器を管理することは、本発明の他の側面である。そのような管理を実行するのに多くの手法が存在する。通常、時間制約型同期変換器のペデスタル管理は困難な事例であるため、以下で検討する。
【0246】
実施例3に示される本発明による一管理方法において、周期の終わりに残留するペデスタルは、伝達状態が即時に開始される場合、インダクタンス、誘導器にわたる電圧、およびエネルギー伝達状態の周期内の残りの時間に基づき、活性化状態の間に予測される。予測されたペデスタル電流により表現されるエネルギーの大部分が後の周期のために維持される場合、優れた調整と十分に減衰された応答の両方を得ることができる。この方法は、負荷の増加に対して非常に有効である。
【0247】
負荷が増加すると、出力電圧は降下する傾向があり、これにより、従来技術の調整器は、残りの周期時間が負荷に対する効率的なエネルギー伝達に不十分となるほど、多くの場合非常に急激に活性化モードデューティサイクルを増加させることになる。そのような応答は、出力電圧の過渡的減少を悪化させ、しばしば後の過剰修正をもたらす。本発明による緩和は、調整器の過渡応答を減衰するために、ペデスタル値を予測し、その周期ごとの変化を制限することにより、実践することができる。
【0248】
他の管理方法は、複合予測を使用する。次の周期で送達可能な最大エネルギーは、現在の周期の終わりでの予測ペデスタルに基づく。もしその最大エネルギーが現在の周期で送達可能と予測されるエネルギーを下回る場合は、現在の活性化モードが終了される。従来技術の調整器は、現在および将来の周期の予測ではなく、過去の周期に応答することに留意されたい。
【0249】
本発明は、予測された現在および将来の周期のペデスタル電流が、過去のペデスタル電流と組み合わせて、またはそれを考慮せずに、将来の調整のために保存されるかまたは低減される場合にはいつでも実践される。本発明は、ペデスタル制御に使用される予測が誘導器電流、磁場、または、誘導器の電圧−時間の積の計算された積分に応答する場合に実践される。
【0250】
本発明によるペデスタル制御は、ペデスタルが単純にゼロとなり影響はないため、DCM変換器の動作に干渉しない。DCMとCCMとの間の過渡は図21に示されるように良好である。
【0251】
ペデスタル制御は、負荷誘発過渡外乱を最小化するためにエネルギーフローを緩和するが、そのような外乱を実質的に排除するために他のエネルギー源を追加または取り去ることはしない。外乱を軽減するために予測が使用可能であるように、それはまた、エネルギー源および/またはシンクを負荷または誘導器のスイッチタップに接続するために使用可能である。そのような切り替えは、過渡を実質的に相殺するために予測により得られる進んだ知識を利用する。2つのレベル間を交替する負荷の一般的な場合において特に有利である構成は、負荷の減少からのあらゆるオーバーシュートを貯蔵コンデンサに切り替えることである。負荷がその前のレベルを再開する際、ペデスタルが再調節される間負荷を支持させるように、そのコンデンサ内のエネルギーが切り替えられる。本発明はまた、補助エネルギー源またはシンクを誘導器および/または負荷に接続するためにペデスタル予測が使用される場合にも実践される。多くの変換器において、過渡相殺に必要なスイッチはすでに存在しており、相殺を有効化するために正しく構成することのみが必要である。そのような予測は、本出願の別の項で教示されるように、循環により誘導エネルギー貯蔵が呼び出すためにも使用可能である。
【0252】
本発明は開示された実施形態に限定されず、逆に、添付の請求項の精神および範囲内に含まれる様々な修正および等価の配置を含むことを意図することが理解される。さらなる詳細なく、上記は完全に本発明を例証し、現在または将来の知識により、様々な作業条件下での使用に本発明を容易に適応させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向バイポーラエネルギー移動のためのスイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
一時的なエネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポート、前記出力ポート、および前記誘導反応器を接続するための複数のスイッチデバイスと、
前記出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、
基準信号と、
前記入力および出力ポートの電圧極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得るように、および
いかなる極性に対しても、エネルギーが、前記入力ポートから前記出力ポートへの流れと、前記出力ポートから前記入力ポートへの流れとの間で切り替えられ得るように、前記基準信号およびフィードバック信号に応答してスイッチをオンおよびオフにするための制御回路と、
を備える、スイッチモード電力変換器。
【請求項2】
前記入力ポートから前記出力ポートへ流れるエネルギーは、ある期間誘導器に貯蔵される、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項3】
前記入力ポートから前記出力ポートにエネルギーが直接流れる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項4】
前記出力ポートから前記入力ポートへ流れるエネルギーは、ある期間誘導器に貯蔵される、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項5】
前記出力ポートから前記入力ポートにエネルギーが直接流れる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項6】
前記制御回路はさらに、前記誘導器に電流を再循環させることができる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項7】
前記制御回路はさらに、誘導反応器の充電中に前記誘導反応器内に与えられるエネルギーの量が、前記出力ポートでのチョッピング周期ごとの負荷のエネルギー必要量に近似的に基づくように、前記誘導反応器の充電を制御することができる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項8】
前記変換器は、DC/DC電力変換器、AC/AC電力変換器、AC/DC電力変換器、またはDC/AC電力変換器である、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項9】
前記変換器は、同期または非同期である、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項10】
前記誘導器内の電流が異なる方向に流れる、請求項1に記載の電力変換器。
【請求項11】
誘導器電流を推定するための回路をさらに備え、前記制御回路は、前記誘導器電流の符号および大きさに基づきスイッチをさらに制御する、請求項1に記載の電力変換器。
【請求項12】
統合双方向直結型スイッチモード電力変換器であって、
ユニポーラ電力移動ポートと、
バイポーラ電力移動ポートと、
基準信号と、
一時的なエネルギー貯蔵のための誘導器と、
前記ユニポーラポート、前記バイポーラポート、および誘導反応器を直結するための複数のスイッチと、
出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、
前記電力移動ポートの1つでの電圧または電流と、前記基準信号との間の所望の関係を維持するために、前記フィードバック信号に応答して前記スイッチをオンおよびオフにするための制御回路と、
を備え、前記入力および出力ポートの電圧極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得る、統合双方向直結型スイッチモード電力変換器。
【請求項13】
前記誘導反応器内の電流が異なる方向に流れる、請求項12に記載の電力変換器。
【請求項14】
誘導器電流を推定するための回路をさらに備え、前記制御回路は、前記誘導器電流の符号および大きさに基づき前記スイッチをさらに制御する、請求項12に記載の電力変換器。
【請求項15】
スイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
基準信号と、
エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポートからの電力で前記誘導反応器を活性化するための第1のスイッチと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するためのセンサと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流が前記基準信号との所望の関係に維持されるように前記第1のスイッチを作動するための、前記フィードバック信号に応答する制御回路と、
前記誘導反応器に電流を再循環させるために、前記誘導反応器の端子にわたり低インピーダンス経路を提供するための第2のスイッチと、
誘導器内のエネルギーを推定するための回路と、
前記電力出力ポートの電力必要量に応答して適応する誘導電流のペデスタルを維持するために、誘導エネルギーに応答する制御回路と、
を備える、スイッチモード電力変換器。
【請求項16】
スイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
基準信号と、
エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポートからの電力で前記誘導反応器を活性化するための第1のスイッチと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成する第1のセンサと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流が前記基準信号または入力信号との所望の関係に維持されるように前記第1のスイッチを作動するための、前記フィードバック信号に応答する制御回路と、
前記誘導反応器に電流を再循環させるために、前記誘導反応器の端子にわたり低インピーダンス経路を提供するための第2のスイッチと、
を備え、前記電力変換器は、フライバック、バイポーラ、双方向、または反転型モードで動作する、スイッチモード電力変換器。
【請求項17】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器を制御する方法であって、前記変換器は、
誘導反応器と、
少なくとも2つの電力移動ポートと、
基準信号と、
前記電力移動ポートを前記誘導反応器に接続するための複数のスイッチと、
を備え、前記方法は、電力移動ポートでの電圧または電流を前記基準信号との所望の数学的関係に維持するために、誘導反応器電流の符号および大きさに応答して前記スイッチを設定するステップを含む、方法。
【請求項18】
前記スイッチを設定するステップは、
前記基準信号の大きさおよび符号、
電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、および
誘導反応器電流の大きさおよび符号
に基づきモードを選択するステップと、
前記選択されたモードを有効化するように前記スイッチを設定するステップと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
スイッチ設定モードが、前記誘導反応器と、前記電力移動ポートから実質的に切断された低インピーダンス経路に、誘導反応器電流を再循環させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基準信号の大きさ、
1つ以上の電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、および
誘導反応器電流の大きさおよび符号
に基づき、前記選択されたモードの効果を試験して信号を生成するステップと、
前記信号を優先させて次のモードを開始するステップと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記選択されたモードの効果の試験は、そのポートに接続され得る任意の反応器のエネルギー必要量を含む電力移動ポートのエネルギー必要量に適合するための、前記誘導反応器内のエネルギーの適正の周期ごとの決定および予測を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記選択されたモードの効果の試験は、所与のチョッピング周期内で誘導反応器電流の増加に費やされる追加の時間が、電力移動ポートに送達され得るエネルギーの増加を発生しない条件の、周期ごとの決定および予測を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器を操作する方法であって、
誘導反応器活性化モードと、
電力移動ポートへのエネルギー伝達モードと
の間を切り替えるステップを含み、
単一のチョッピング周期中に任意の所与のモードの2つ以上の発生がある、方法。
【請求項24】
単一のチョッピング周期中に、任意の2つのモードの2つの発生が開始される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
所与のチョッピング周期の最後のモードが、次のチョッピング周期の始まりのモードとして選択され得る、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
スイッチモードフライバック変換器であって、
少なくとも2つの電力移動ポートと、
誘導反応器と、
前記ポートを前記誘導反応器に接続するための複数のスイッチと、
基準信号と、
ポートの電圧または電流に応答するフィードバック信号と、
誘導エネルギーに応答する誘導エネルギー信号と、
予測ペデスタル信号を生成するための、前記フィードバック信号および前記誘導エネルギー信号に応答する演算回路と、
前記スイッチを整流するための制御回路であって、前記フィードバック信号および前記予測ペデスタル信号に応答する制御回路と、
を備え、ポートでの電圧または電流が、前記基準信号との所望の数学的関係に維持される、スイッチモードフライバック変換器。
【請求項27】
追加の過渡支持エネルギーを供給またはシンクするための、前記制御回路に応答する追加のスイッチ構成をさらに備える、請求項26に記載の変換器。
【請求項28】
前記誘導エネルギー信号が、誘導器の巻線における電流から生じる、請求項26に記載の変換器。
【請求項29】
前記誘導エネルギー信号が、磁場センサから生じる、請求項26に記載の変換器。
【請求項30】
前記誘導エネルギー信号が、前記誘導反応器に印加されている電圧−時間の積の積分から演算される、請求項26に記載の変換器。
【請求項31】
前記予測ペデスタル信号は電流チョッピング周期の終わりの予測電流に基づき、また周期ごとのペデスタル電流の変化が制限される、請求項26に記載の変換器。
【請求項32】
前記予測ペデスタル信号は次のチョッピング周期の終わりの予測電流に基づく、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器におけるペデスタル電流を制御する方法であって、前記変換器は、
誘導反応器と、
第1および第2のスイッチと、
補助エネルギー源と、を備え、
前記方法は、
チョッピング周期内で、現在の周期の終わりの誘導ペデスタル電流を予測するステップと、
周期ごとのペデスタル電流変化が制限されるように、前記第1のスイッチを制御するステップと、
前記誘導反応器と前記補助エネルギー源との間でエネルギーを移動させるために、前記ペデスタル電流の予測に応答して前記第2のスイッチを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記補助エネルギー源は、反応器、コンデンサ、誘導器、電池、発電機または電源を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
電力入力ポートと、スイッチと、誘導器と、電力出力ポートとを備えるスイッチモード電力変換器を制御する方法であって、
誘導器を活性化するために前記電力入力ポートからエネルギーを伝達するステップと、
前記誘導器から前記電力出力ポートにエネルギーを伝達するステップと、
前記電力出力ポートでの電力を制御するために、前記誘導器を前記出力ポートまたは代替経路に制御可能に接続するステップと、
を含み、前記変換器は、バイポーラ、双方向、反転型、またはフライバックモードで動作する、方法。
【請求項36】
前記代替経路は、前記誘導器に電流を再循環させる、前記誘導器にわたる低インピーダンス経路または短絡経路である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記電力変換器は、連続伝導モードで動作する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記代替経路は、前記誘導器から再び前記電力入力ポートに電流を流れさせる、前記誘導器と前記電力入力ポートとの間の電気的経路である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記変換器の基本チョッピング期間を分割するための高速クロックの適用をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記変換器はフライバック変換器であり、前記電力出力ポートでの電圧は、前記電力入力の電圧を下回るように制御され、前記方法は、前記フライバックモードの期間を短縮するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項1】
双方向バイポーラエネルギー移動のためのスイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
一時的なエネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポート、前記出力ポート、および前記誘導反応器を接続するための複数のスイッチデバイスと、
前記出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、
基準信号と、
前記入力および出力ポートの電圧極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得るように、および
いかなる極性に対しても、エネルギーが、前記入力ポートから前記出力ポートへの流れと、前記出力ポートから前記入力ポートへの流れとの間で切り替えられ得るように、前記基準信号およびフィードバック信号に応答してスイッチをオンおよびオフにするための制御回路と、
を備える、スイッチモード電力変換器。
【請求項2】
前記入力ポートから前記出力ポートへ流れるエネルギーは、ある期間誘導器に貯蔵される、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項3】
前記入力ポートから前記出力ポートにエネルギーが直接流れる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項4】
前記出力ポートから前記入力ポートへ流れるエネルギーは、ある期間誘導器に貯蔵される、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項5】
前記出力ポートから前記入力ポートにエネルギーが直接流れる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項6】
前記制御回路はさらに、前記誘導器に電流を再循環させることができる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項7】
前記制御回路はさらに、誘導反応器の充電中に前記誘導反応器内に与えられるエネルギーの量が、前記出力ポートでのチョッピング周期ごとの負荷のエネルギー必要量に近似的に基づくように、前記誘導反応器の充電を制御することができる、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項8】
前記変換器は、DC/DC電力変換器、AC/AC電力変換器、AC/DC電力変換器、またはDC/AC電力変換器である、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項9】
前記変換器は、同期または非同期である、請求項1に記載のスイッチモード電力変換器。
【請求項10】
前記誘導器内の電流が異なる方向に流れる、請求項1に記載の電力変換器。
【請求項11】
誘導器電流を推定するための回路をさらに備え、前記制御回路は、前記誘導器電流の符号および大きさに基づきスイッチをさらに制御する、請求項1に記載の電力変換器。
【請求項12】
統合双方向直結型スイッチモード電力変換器であって、
ユニポーラ電力移動ポートと、
バイポーラ電力移動ポートと、
基準信号と、
一時的なエネルギー貯蔵のための誘導器と、
前記ユニポーラポート、前記バイポーラポート、および誘導反応器を直結するための複数のスイッチと、
出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するセンサと、
前記電力移動ポートの1つでの電圧または電流と、前記基準信号との間の所望の関係を維持するために、前記フィードバック信号に応答して前記スイッチをオンおよびオフにするための制御回路と、
を備え、前記入力および出力ポートの電圧極性が反転型と非反転型との間で切り替えられ得る、統合双方向直結型スイッチモード電力変換器。
【請求項13】
前記誘導反応器内の電流が異なる方向に流れる、請求項12に記載の電力変換器。
【請求項14】
誘導器電流を推定するための回路をさらに備え、前記制御回路は、前記誘導器電流の符号および大きさに基づき前記スイッチをさらに制御する、請求項12に記載の電力変換器。
【請求項15】
スイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
基準信号と、
エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポートからの電力で前記誘導反応器を活性化するための第1のスイッチと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成するためのセンサと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流が前記基準信号との所望の関係に維持されるように前記第1のスイッチを作動するための、前記フィードバック信号に応答する制御回路と、
前記誘導反応器に電流を再循環させるために、前記誘導反応器の端子にわたり低インピーダンス経路を提供するための第2のスイッチと、
誘導器内のエネルギーを推定するための回路と、
前記電力出力ポートの電力必要量に応答して適応する誘導電流のペデスタルを維持するために、誘導エネルギーに応答する制御回路と、
を備える、スイッチモード電力変換器。
【請求項16】
スイッチモード電力変換器であって、
電力入力ポートと、
電力出力ポートと、
基準信号と、
エネルギー貯蔵のための誘導反応器と、
前記電力入力ポートからの電力で前記誘導反応器を活性化するための第1のスイッチと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流に応答してフィードバック信号を生成する第1のセンサと、
前記電力出力ポートでの電圧または電流が前記基準信号または入力信号との所望の関係に維持されるように前記第1のスイッチを作動するための、前記フィードバック信号に応答する制御回路と、
前記誘導反応器に電流を再循環させるために、前記誘導反応器の端子にわたり低インピーダンス経路を提供するための第2のスイッチと、
を備え、前記電力変換器は、フライバック、バイポーラ、双方向、または反転型モードで動作する、スイッチモード電力変換器。
【請求項17】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器を制御する方法であって、前記変換器は、
誘導反応器と、
少なくとも2つの電力移動ポートと、
基準信号と、
前記電力移動ポートを前記誘導反応器に接続するための複数のスイッチと、
を備え、前記方法は、電力移動ポートでの電圧または電流を前記基準信号との所望の数学的関係に維持するために、誘導反応器電流の符号および大きさに応答して前記スイッチを設定するステップを含む、方法。
【請求項18】
前記スイッチを設定するステップは、
前記基準信号の大きさおよび符号、
電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、および
誘導反応器電流の大きさおよび符号
に基づきモードを選択するステップと、
前記選択されたモードを有効化するように前記スイッチを設定するステップと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
スイッチ設定モードが、前記誘導反応器と、前記電力移動ポートから実質的に切断された低インピーダンス経路に、誘導反応器電流を再循環させる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基準信号の大きさ、
1つ以上の電力移動ポート電圧の大きさおよび符号、および
誘導反応器電流の大きさおよび符号
に基づき、前記選択されたモードの効果を試験して信号を生成するステップと、
前記信号を優先させて次のモードを開始するステップと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記選択されたモードの効果の試験は、そのポートに接続され得る任意の反応器のエネルギー必要量を含む電力移動ポートのエネルギー必要量に適合するための、前記誘導反応器内のエネルギーの適正の周期ごとの決定および予測を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記選択されたモードの効果の試験は、所与のチョッピング周期内で誘導反応器電流の増加に費やされる追加の時間が、電力移動ポートに送達され得るエネルギーの増加を発生しない条件の、周期ごとの決定および予測を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器を操作する方法であって、
誘導反応器活性化モードと、
電力移動ポートへのエネルギー伝達モードと
の間を切り替えるステップを含み、
単一のチョッピング周期中に任意の所与のモードの2つ以上の発生がある、方法。
【請求項24】
単一のチョッピング周期中に、任意の2つのモードの2つの発生が開始される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
所与のチョッピング周期の最後のモードが、次のチョッピング周期の始まりのモードとして選択され得る、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
スイッチモードフライバック変換器であって、
少なくとも2つの電力移動ポートと、
誘導反応器と、
前記ポートを前記誘導反応器に接続するための複数のスイッチと、
基準信号と、
ポートの電圧または電流に応答するフィードバック信号と、
誘導エネルギーに応答する誘導エネルギー信号と、
予測ペデスタル信号を生成するための、前記フィードバック信号および前記誘導エネルギー信号に応答する演算回路と、
前記スイッチを整流するための制御回路であって、前記フィードバック信号および前記予測ペデスタル信号に応答する制御回路と、
を備え、ポートでの電圧または電流が、前記基準信号との所望の数学的関係に維持される、スイッチモードフライバック変換器。
【請求項27】
追加の過渡支持エネルギーを供給またはシンクするための、前記制御回路に応答する追加のスイッチ構成をさらに備える、請求項26に記載の変換器。
【請求項28】
前記誘導エネルギー信号が、誘導器の巻線における電流から生じる、請求項26に記載の変換器。
【請求項29】
前記誘導エネルギー信号が、磁場センサから生じる、請求項26に記載の変換器。
【請求項30】
前記誘導エネルギー信号が、前記誘導反応器に印加されている電圧−時間の積の積分から演算される、請求項26に記載の変換器。
【請求項31】
前記予測ペデスタル信号は電流チョッピング周期の終わりの予測電流に基づき、また周期ごとのペデスタル電流の変化が制限される、請求項26に記載の変換器。
【請求項32】
前記予測ペデスタル信号は次のチョッピング周期の終わりの予測電流に基づく、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
チョッピング周期を有するスイッチモード電力変換器におけるペデスタル電流を制御する方法であって、前記変換器は、
誘導反応器と、
第1および第2のスイッチと、
補助エネルギー源と、を備え、
前記方法は、
チョッピング周期内で、現在の周期の終わりの誘導ペデスタル電流を予測するステップと、
周期ごとのペデスタル電流変化が制限されるように、前記第1のスイッチを制御するステップと、
前記誘導反応器と前記補助エネルギー源との間でエネルギーを移動させるために、前記ペデスタル電流の予測に応答して前記第2のスイッチを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記補助エネルギー源は、反応器、コンデンサ、誘導器、電池、発電機または電源を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
電力入力ポートと、スイッチと、誘導器と、電力出力ポートとを備えるスイッチモード電力変換器を制御する方法であって、
誘導器を活性化するために前記電力入力ポートからエネルギーを伝達するステップと、
前記誘導器から前記電力出力ポートにエネルギーを伝達するステップと、
前記電力出力ポートでの電力を制御するために、前記誘導器を前記出力ポートまたは代替経路に制御可能に接続するステップと、
を含み、前記変換器は、バイポーラ、双方向、反転型、またはフライバックモードで動作する、方法。
【請求項36】
前記代替経路は、前記誘導器に電流を再循環させる、前記誘導器にわたる低インピーダンス経路または短絡経路である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記電力変換器は、連続伝導モードで動作する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記代替経路は、前記誘導器から再び前記電力入力ポートに電流を流れさせる、前記誘導器と前記電力入力ポートとの間の電気的経路である、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記変換器の基本チョッピング期間を分割するための高速クロックの適用をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記変換器はフライバック変換器であり、前記電力出力ポートでの電圧は、前記電力入力の電圧を下回るように制御され、前記方法は、前記フライバックモードの期間を短縮するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2010−508798(P2010−508798A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526769(P2009−526769)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/063310
【国際公開番号】WO2008/024529
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508137121)ローソン ラブス,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/063310
【国際公開番号】WO2008/024529
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(508137121)ローソン ラブス,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】
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