説明

バクテリオファージ由来スパイクGタンパク質5量体及びその製造方法

【課題】多種の大腸菌が存在する試料の中から、特異的に大腸菌C株の増殖をコントロールしたり、大腸菌C株を検出する方法の提供。
【解決手段】バクテリオファージΦX174由来のスパイクGタンパク質に、ヒスチジンタグを付加した五量体Gタンパク質。五量体を形成させる事により、大腸菌C株に結合させてその増殖をコントロールしたり、さらには大腸菌C株の検出に用いる事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バクテリオファージに由来し大腸菌の増殖を抑制するスパイクGタンパク質5量体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バクテリオファージゲノミクスに基づき新規のタンパク質を作製し、当該のタンパク質を用いて特定の細菌と結合させ、その細菌の繁殖を防ぐ技術が報告されている。例えば特許文献特表2002−531107がある。又、特定の細菌を検出する方法としてバクテリオファージに蛍光性タンパク質を融合する技術が公知であり、例えば特開2004−283003がある。又、φX174のスパイクGタンパク質のN末端にヒスチジンタグ配列を連結した組み替えタンパク質の調製技術が公知であり、例えば、非特許文献1及び2が知られている。
【0003】
【特許文献1】特表2002−531107号公報
【特許文献2】特開2004−283003号公報
【非特許文献1】Kawaura,T., Inagaki, M., Kariata, S., Kato, M., Nishikawa, S., Kashimura, N.,Recognition of receptor lipopolysacharides by spike G protein of bacteriophage φX174, Biosci. Biotechnol. Biochem., 64 (9), 1993-1997 (2000).
【非特許文献2】Inagaki,M., Kawaura, T., Wakashima, H., Kato, M., Nishikawa, S., Kashimura, N.,Different contributions of the outer and inner R-core residues of lipopolysaccharideto the recognition by spike H and G proteins of bacteriophage φX174, FEMS Microbiol. Lett., 226 (2), 221-227 (2003).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1において、Staphilococcus
aureusバクテリオファージ77、3A、96、44AHJD、Enterococcusバクテリオファージ182、Streptococcus pheumoniaeバクテリオファージDp−1を利用した記載があるが、大腸菌ファージφX174及びその遺伝子を、抗菌を目的に利用した技術はなかった。特許文献2において、大腸菌O157及びK12と特異的に吸着する、標識されたバクテリオファージを用いてそれらの大腸菌を検出する技術に関する記載があるが、大腸菌C株を検出する技術はなかった。
【0005】
又、N末端にヒスチジンタグ配列を連結したスパイクGタンパク質(HisG)は、ヒスチジンタグ配列が立体的な障害になり、5量体を形成できないことが知られている(非特許文献1及び2)。それに対して本発明は、良好に5量体を形成し、5量体の中心部に菌の内部と外部を繋ぎえる通路を備える、新規5量体Gタンパク質(cHisG)によって上記課題を解決するものである。
【0006】
大腸菌には多数の種類があり、大腸菌C株は人体への影響がほとんど無いが、特定の大腸菌の増殖をコントロールしたり、検出することは大腸菌やバクテリオファージ等の研究を進める場合極めて重要な意味を持っている。又、本発明をさらに発展させることによって、新しい診断薬や遺伝子組み換え等の生命科学における重要な技術を開発できる可能性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
バクテリオファージφX174のGタンパク質において、当該のGタンパク質は5量体となっていることを特徴とする。
【0008】
C末端にヒスチジンタグを持たせることによって5量体を形成することを特徴とするGタンパク質5量体の製造方法である。
【0009】
当該のGタンパク質5量体を用いることを特徴とする特定大腸菌増殖の抑制方法である。
【0010】
当該のGタンパク質5量体を用いることを特徴とする特定大腸菌の検出方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来報告の無い大腸菌C株について、その増殖の抑制や検出が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
バクテリオファージφX174は、ミクロウイルス科に属する小型正二十面体ウイルスで、Escherichia coli(大腸菌)、Salmonella(サルモネラ菌)、Shigella(赤痢菌を含む)などのグラム陰性の腸内細菌科の中で、菌体の表面を覆っているリポ多糖のコア糖鎖が完全に保存されたRa型菌に好んで感染し、その感染スペクトル域が狭いことが特徴の1つである。
【0013】
バクテリオファージφX174は、正二十面体の12カ所の頂点にスパイクと呼ばれる突起を持っており、宿主菌に感染する際には、そのスパイク部分で菌体に結合することにより、特定の細菌を選び出して感染し、その細菌内部で増殖し、ついには、その細菌を破壊(溶菌)して外へ出てくる。
【0014】
従来は、バクテリオファージの持つ溶菌タンパク質などの細菌障害性タンパク質あるいは、その遺伝子を利用する技術があった。しかし、そうした細菌障害性タンパク質は、細菌に感染侵入したバクテリオファージが細菌内で増殖した後に発現作用するものであって、バクテリオファージの一番の特徴である厳密に細菌を選択する能力には、関与していない。
【0015】
つまり、数多くの細菌のなかから、標的とする細菌だけをまさに精密に選択するためには、スパイクを構成するタンパク質を利用する必要がある。
【0016】
バクテリオファージφX174粒子のスパイクにGタンパク質が含まれる場合には、その5量体の中心部分の孔は、他のタンパク質でふさがっており、これが菌体表面と結合して変形することによって、いわば栓が抜け、内部のファージDNAが飛び出す仕組みである。
【0017】
そこで、Gタンパク質のみを遺伝子工学的に大量に調製し、かつ、取り出した溶液中で5量体構造を取り得るとしたら、その5量体Gタンパク質の中央部に孔が空き、その孔は5量体Gタンパク質が細菌の膜に突き刺さった時には、内部物質の流出孔として機能すると推定できる。したがって、5量体スパイクGタンパク質を細菌に対して投与するならば、細菌を死に至らしめる、あるいは、増殖を抑制する抗菌性物質として機能すると考えられる。
【0018】
本発明では、当該遺伝子を含有する組み換えベクターを調製し、当該ベクターをコンピタントセルに導入して形質転換体を作出する。そして、その形質転換体の培養物から5量体スパイクGタンパク質を精製することができる。
具体的に本発明によるタンパク質の作成方法の概要を以下に示す。
【0019】
(新規5量体スパイクGタンパク質をコードする遺伝子のクローニング)
本発明のタンパク質の遺伝子のクローニングは、次のようにして行った(図1)。発現ベクターpQE60(キアゲン社)にGタンパク質をコードするDNA断片を挿入するために、バクテリオファージφX174
RF DNA(東洋紡社)を鋳型とするPCR法により目的遺伝子領域を増幅した。
【0020】
使用したプライマーは、Gタンパク質遺伝子の開始コドンの上流にAflIII切断サイト(ACATGT)を導入するためのフォワードプライマー:5‘−AAACATGTTTCAGACTTTTATT−3’、及び、Gタンパク質遺伝子の停止コドンを削除し、そのすぐ下流にBamHI切断サイト(CCTAGG)を導入するためのリバースプライマー:5‘−AAGGATCCCTTAAGTGGCTG−3’を用いた。
【0021】
増幅されたGタンパク質遺伝子断片をpCR2.1(インビトロジェン社)に対してTAクローニングを行い、コンピタントセル大腸菌INVα株(インビトロジェン社)を形質転換した。形質転換菌をX−galを含むLB寒天培地上でカラーセレクションし、目的のGタンパク質遺伝子をもつ組み替え体を選抜し、プラスミドの塩基配列を確認した。
【0022】
塩基配列が確認されたプラスミドをBamHI及びAflIIIにより切断し、得られたDNA断片をpQE−60(キアゲン社)のBamHI及びNcoIサイトに連結して、目的タンパク質の発現のためのプラスミドpQEcGを得た。
【0023】
さらに、大腸菌JM109株をpQEcGにより形質転換し、選抜した組み替え体からプラスミドを得て、全塩基配列とそれにコードされた全アミノ酸配列が目的のタンパク質の配列と一致することを確認した。
【0024】
(pQEcGを持つ大腸菌によるcHisGタンパク質の発現)
タンパク質の発現は次のようにして行う(図2)。50μg/mLのアンピシリンナトリウムを含むLB液体培地中において、対数増殖期前期にまで培養したpQEcGを持つ大腸菌JM109株に対して、終濃度0.3mMになるようにIPTGを添加し、以後1時間毎に培養液を250
μL採取して集菌し、その菌体に含まれるタンパク質を通常法によるSDS/PAGEにより確認した。
【0025】
pQEcGを持つ大腸菌JM109株は、IPTG添加前には目的タンパク質に対応する22kDaのバンドが認められないが、IPTG添加後には、1、2、3、5時間が経過するにつれ目的のタンパク質バンドが発現・蓄積することが確認された。
【0026】
(cHisGの精製)
Ni−NTA(Ni−ニトリロトリ酢酸)ゲルによる親和性クロマトグラフィーによるcHisGの精製を通常法に従って行った(図3)。50μg/mLのアンピシリンナトリウムを含む250mLのLB液体培地中で、pQEcGによって形質転換された大腸菌JM109株を対数増殖期前期にまで培養し、終濃度0.3mMになるようにIPTGを添加し、37℃で5時間振盪培養し。5000×g、10分間遠心分離を行い集菌した菌体を破砕緩衝液(300mM塩化ナトリウム及び10mMイミダゾールを含む50mMナトリウムリン酸緩衝液pH8.0)に懸濁し、−30℃で一晩、凍結保存した。
【0027】
凍結した菌体懸濁液を氷上で融解し、超音波照射によって粉砕し、10000×gで30分間遠心分離を行い上清を採取した。あらかじめ破砕緩衝液で平衡化した約3mLのNi−NTAゲルをこの上清に加え、1時間氷上で攪拌し、目的タンパク質をゲルに吸着させた。
【0028】
タンパク質が吸着したゲルをカラム(15mmφ×7cm)に充填し、破砕緩衝液を流速0.5mL/分で流出液の280nmにおける吸光度が0.01以下になるまで流し、さらに、洗浄緩衝液(300mM塩化ナトリウム及び20mMイミダゾールを含む50mMナトリウムリン酸緩衝液pH7.0)を同様に流出物の280nmにおける吸光度が0.01以下になるまで流した。
【0029】
0.05〜0.5Mの10段階のイミダゾール濃度勾配を含む40mLの洗浄緩衝液を用いて目的タンパク質を溶出し、溶出画分に含まれるタンパク質を通常法によるSDS/PAGEにより確認し、目的タンパク質を含む分画を回収した。
【0030】
CM−セルロファインC−500m陽イオン交換クロマトグラフィーによりcHisGを精製した(図4)。Ni−NTA親和性クロマトグラフィーより得られた、cHisGを含む分画を10mMナトリウムリン酸緩衝液(pH7.0)に対して一晩透析した。
【0031】
10mMナトリウムリン酸緩衝液(pH7.0)で予め平衡化した、約6mLのCM−セルロファインC−500mゲルを充填したカラム(15mmφ×7cm)に、上述のcHisGを含む分画を添加し、10mLの10mMナトリウムリン酸緩衝液(pH7.0)でカラムを洗浄した。0.1〜1.0Mの10段階の塩化ナトリウム濃度勾配を含む10mLの10mMナトリウムリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて、目的タンパク質を溶出し、溶出画分に含まれるタンパク質を通常法によるSDS/PAGEにより確認し、目的タンパク質を含む分画を回収した。
【0032】
(新規Gタンパク質(cHisG)の5量体形成に関する解析)
SDS/PAGEによってGタンパク質の5量体を観察した(図5)。SDSサンプル緩衝液5μLにcHisG溶液(1.17mg/mL)5μLを混ぜ、加熱する、あるいは加熱せずにその3μLを電気泳動に供した。標準分子量マーカーは、SDS/PAGE用タンパク質マーカー(10倍濃縮)(ナカライテスク社)を使用した。
【0033】
その結果、加熱せずに泳動したGタンパク質(cHisG)は、110kDa付近に単一のバンドが確認された。これは、単量体のGタンパク質の分子量である、22kDaの丁度5倍の分子量であり、このことから、Gタンパク質(cHisG)は、溶液中で5量体を形成していることが示唆された。
【0034】
次に、Native/PAGEを用いて、SDS非存在下での新規Gタンパク質(cHisG)の溶液内均一性を観察した(図6)。SDSが含まれていないNative/PAGEサンプル緩衝液5μLに対して、新規Gタンパク質(cHisG)(58.6μM)溶液5μLを混合し、その3μLを電気泳動に供した。
【0035】
又、比較対象として、非特許文献1に記載されている方法によって調製した、N末端にヒスチジンタグ配列を連結したGタンパク質(HisG)(43μM)を同様の操作で電気泳動に供した。さらに、主に単量体として、一部二量体として存在することが一般的に知られているタンパク質として牛血清アルブミン(BSA)(ナカライテスク社)(5mg/mL)を同様の操作で電気泳動に供した。
【0036】
その結果、N末端にヒスチジンタグ配列を連結したGタンパク質(HisG)では、1から3量体に対応する複数種類のタンパク質バンドが確認されたのに対して、新規Gタンパク質(cHisG)は単一の大きなバンドが確認された。これによって、新規Gタンパク質(cHisG)は、溶液内で従来のGタンパク質(HisG)よりも大きなサイズのただ一種類の多量体を形成していることが判った。
【0037】
上述の2種類の電気泳動実験(SDS/PAGE、 Native/PAGE)の結果から、新規Gタンパク質(cHisG)は溶液内で5量体を形成している可能性が示唆されたため、cHisGをセファクリルS−200高分解能カラム(16mmφ×60cm)を用いたゲルろ過分析に供し、分子量を推定した。
【0038】
あらかじめTBS(100mMの塩化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液pH7.4)で平衡化したゲルろ過カラムに対して、1mLのcHisGを含むTBS溶液(1.17mg/mL)、又は、分子量標準マーカーとなるチログロブリン、γ−グロブリン、オボアルブミン、ミオグロビン、ビタミンB12を含む、ゲル濾過標準試料(バイオラッド社)を添加して、流速0.40mL/分でTBSを流した。標準試料の分子量の対数(log分子量)をX軸として、分配係数KavをY軸として描いた検量線(図7)を得て、cHisGの分配係数からその分子量を比較推定した。
【0039】
その結果、cHisGは、約117kDaに相当する位置に溶出され、ゲル濾過法によっても、本発明の新規Gタンパク質(cHisG)が溶液中で5量体を形成していることを確認できた。
【実施例】
【0040】
以下に本発明の好適な実施の形態を実施例によって説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施形態によって限定されるものでなく、その要旨を変更することなく様々に改変して実施することができる。
(大腸菌C株の増殖抑制)
5量体スパイクGタンパク質は、バクテリオファージφX174が宿主菌に感染する際にファージ遺伝子を通す通路として働くと考えられている。従って、本発明によって得られた溶液内で5量体を形成する能力を有する新規Gタンパク質(cHisG)は、宿主大腸菌C株の膜に突き刺さり、その中心部の孔から細菌の内容物が流出する結果、大腸菌を死滅させる、あるいは、増殖を阻害する能力があると考えられる。
【0041】
−80℃に保存した大腸菌C株フリーズストックを1白金耳取り、5mLのLB液体培地に植菌して、37℃で約3.5時間、600nmにおける吸光度が0.45になるまで振盪培養した。この培養液をLB液体培地で段階希釈し、2.25×10cfu/mLの大腸菌が存在するように調整した。希釈した菌体液100μLにcHisGを終濃度で20μM、及び27μMになるように添加し、これらを37℃で30分保温した。
【0042】
その後、混合物を新しいLB寒天培地にまき、37℃で一夜培養した。20μMのcHisGタンパク質を加えた場合には、大腸菌C株のコロニーが減る傾向が見られた。又、27μMのcHisGタンパク質を加えた場合には、大腸菌C株のコロニーはわずか2個に減少した。これらの結果は、5量体スパイクGタンパク質が大腸菌C株の増殖を顕著に抑制する能力をもつことを示す。
【0043】
本発明による新規5量体Gタンパク質は、宿主細菌の膜に突き刺さり、5量体の中心に空いた孔から菌の内容物を流出させることを作用機作として、菌の増殖を20μMの濃度で中程度に、そして、27μMの濃度でほぼ完全に抑制する。
【0044】
これまで、長い生物の歴史上でバクテリアに感染するファージが継続的に存在してきた事実を考えると、本発明の5量体スパイクGタンパク質に対して、細菌が耐性を獲得する可能性は極めて低いと考えられ、従って、本発明による新規5量体スパイクGタンパク質は、これまでにない新しい方法論によって特定の細菌の増殖を抑制することを可能にした、極めて有用な抗菌物質になる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明による5量体スパイクGタンパク質は、例えば次のようにして利用することができる。食品、若しくは飲料に当該タンパク質を添加する、当該タンパク質を含有する溶液を抗菌作用を発揮させたい対象にスプレー等を用いて噴霧する、当該タンパク質を含有する溶液に食器、布、若しくは器具等を浸漬する、又は当該タンパク質を含有する乳液を、物質や皮膚に塗布する等が挙げられる。
【0046】
又、本発明のcHisGに対して、FITCやダンシルによる蛍光誘導体化、あるいは、ビオチン修飾などを施すことによって、顕微鏡下や試験管内あるいは、多穴試験プレート上において、蛍光を発する性質を利用する、あるいは、ビオチン−アビジン反応を利用するなどにより、特定の細菌を検出する方法に応用することもできる。
【0047】
さらに、本発明の利用形態は、そのタンパク質であることに由来する水溶性や生分解性、毒性や抗原性が事実上無視できる特性、あるいは、特定の宿主菌に優れた選択性を示す特性を活かして利用されるのであれば、上記に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】バクテリオファージφX174由来の5量体スパイクGタンパク質を遺伝子工学的手法により、組み換え大腸菌JM109株において大量発現するための発現プラスミドを作成する方法を示す概略図である。
【図2】pQEcGによって形質転換された大腸菌JM109株に対してIPTGによる組み替えタンパク質誘導と発現の経時的変化を示すSDS/PAGEの写真である。
【図3】Ni−NTA(Ni−ニトリロトリ酢酸)親和性クロマトグラフィーによるGタンパク質の精製過程を分析したSDS/PAGEの写真である。
【図4】CM−セルロファインC−500m陽イオン交換クロマトグラフィーによるGタンパク質の精製過程を分析したSDS/PAGEの写真である。
【図5】SDS/PAGEによりスパイクGタンパク質5量体が形成されていることを確認した結果を示す写真である。
【図6】5量体スパイクGタンパク質(cHisG)と5量体を形成しない従来のGタンパク質(HisG)をNative/PAGEによって比較分析した結果を示す写真である。
【図7】5量体スパイクGタンパク質(cHisG)の分子量をゲルろ過によって推定したグラフである。
【図8】5量体スパイクGタンパク質(cHisG)による大腸菌C株に対する増殖抑制効果を確認した結果を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バクテリオファージφX174のGタンパク質において、当該のGタンパク質は5量体であることを特徴とするGタンパク質。
【請求項2】
C末端にヒスチジンタグを持たせることによって5量体を形成することを特徴とする請求項1記載Gタンパク質の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載Gタンパク質を用いることを特徴とする特定大腸菌増殖の抑制方法。
【請求項4】
請求項1記載Gタンパク質を用いることを特徴とする特定大腸菌の検出方法。
【請求項5】
特定大腸菌がC株大腸菌であることを特徴とする請求項3及び4に記載の抑制方法及び検出方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−63243(P2008−63243A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240117(P2006−240117)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月26日 社団法人 日本農芸化学会主催の「日本農芸化学会2006年度大会(平成18年度大会)」において文書をもって発表
【出願人】(304026696)国立大学法人三重大学 (270)
【Fターム(参考)】