説明

バスの停留所の時刻案内装置

【目的】 バス停のポストに表示してある時刻表に、次に到着するバスの時刻を表示して、乗客へのサービス向上に役立てようとするものである。
【構成】 バスに発信機を付け、停留所のポストに受信機を付けて、バスの発信する固有の電波を受信して、その停留所のバスであることを判断しポストに時刻を表示する。全体のシステムの電源はバッテリーと太陽電池を組み合わしたものを使用する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、バスの停留所に設置してあるバスの時刻表示に関するものであり、次にそのバス停留所へくる次のバスの発着時刻を表示しようとしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の時刻表は、バスの運行ダイヤにしたがって各々のバス停での時刻表が掲示されている。時刻表は月曜日から金曜日までの平日と土曜日と日曜祭日とは異なることが多く3種類を表示するのが一般的である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた時刻表は印刷物であり、乗客は手元の時計と時刻表に示されている時刻とを照らし合わして目的の時刻のくるまを設定する。当然目的の時刻の車は,手元の時計の時刻よりも後になるわけであるが、ちょっとその前の時刻が過ぎたばかりのときなど、あるいは次の時刻までの待ち時間が非常に大きい場合などで、別の交通手段をとるべきか否かで大きく迷うことがある。その迷う原因は、その前の時刻の車が本当にすでに通過してしっまたことが分かれば、あきらめて別の交通手段をとるとができる。しかし時刻は過ぎているが、その車がまだ通過していなければ、もう間もなく来ることが予想されるため、少し待つという判断をすることができる。これはバスの発着時刻は、鉄道車両と違って、道路の混雑状況により大きく左右されるため、時刻情報どうりに来ないということでバス離れの一因ともなっている。その対策として、近年停留所にバス近接装置を設置するところも出てきている。この近接装置は、バス側に発信機をつけ、数カ所前のバス停につけた受信機の情報をもとに、バスの近接状況を表示する。という方式のため、多数のバス停同士を結ぶ信号ケーブルの設置と、その信号の処理と制御、並びにそれらのための電源の確保などに多数の費用がかかり、これだけ投資しても乗客の数からしてとうてい回収できるものではなく、普及を妨げている。
【0004】
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次に発着するバスの時刻をわかりやすく表示し、簡単に安価に乗客へのサービス向上に努めようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案における時刻表は、時刻の一つ一つにランプを付け次のバスの時刻のランプを点滅または点灯する。
【0006】
【作用】
時刻表の時刻欄につけたランプの点灯あるいは点滅が次に到着するバスの時刻を表わす。
【0007】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明する。
図1〜図3において、時刻表示板Aは、たとえば本考案の平日用の時刻表であり、時刻を表示するのに縦に時1〜5、横に分6〜8の組み合わせを作る、個々の時刻を枠3で囲む。その枠の中に一つずつ付けたランプ9〜11の点灯により、そのバス停はどの時刻のバスを待ち状態にあるのかを表示する。例えば図2においては、6時20分の個所のランプが点灯し、6時20分のバスを待ち状態にあることを示す。
【0008】
時刻表示のランプの点灯は次に示す方法で行う。朝一番のバスに合わせて時刻メモリーBにより本システム全体の機器の動作を開始する。同時に時刻表示板の一番の時刻のランプ9を点灯しその停留所は、一番バスを待ち状態にあることを表示する。やがて一番バスがその停留所に接近してくると、それを検知して時刻表示ランプの点灯を9から次のランプ10に切り替える。以下同様にしてバスが停留所に近ずく都度、次々にランプの表示を切り替えて時刻表示をする。
なおランプ9、10、11はLEDなどを使用し、点灯表示を点滅表示にしてもよい。
【0009】
バスの検知は次に示す方法で行う。バスNの一部に赤外線の発信機Cを取り付け、バス停留所のポストMに受信機Dを取り付ける。バスにつけた発信機は路線によって異なる周波数の電波を発射するようにして、ほかの路線のバスを検知しないようにする。
【0010】
なおバス停留所のポストは普通上りと下りが道路を隔てて反対側に向かい合って設置されていることが多く、ポストに内蔵されている受信機Dが反対側のバスを検知しないように図面2に示すように、電波の発射エリア、イと検知エリア、イとロを向かい合うように指向性を持たして設置する。このようにすれば反対側の車を検知することはない。
【0011】
表示板は先に示したものAを平日用とすると、土曜日用Fと日曜祭日用Gの3種類を設置する。その日に応じた表示板を選定するのは、カレンダーメモリーHを利用して全体制御器Iをとうして行う。
【0012】
本システムの全体の電源はバッテリーJを使用して全体制御器Iをとうして行う。バッテリーJの充電は太陽電池Kを使い、過充電防止器Lで充電状態をコントロールする。
【0013】
最終バスが通過すると、時刻メモリーBにより本システムの電源を全体制御器Iを通じて切断する。また次の日になると時刻メモリーBにより一番バスから同じ動作を繰り返す。
【0014】
本考案の機器は、バス自体に取り付ける発信機Cを除いて、すべてバス停のポストMに格納すればコンパクトにまとまる。
【0015】
【考案の効果】
本考案は、上記のとおりに構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0016】
請求項1の時刻表において、次に発着するバスの時刻がはっきりと分かるため、乗客に対するサービス向上に役立つ。
【0017】
本システム全体の電源はバッテリーと太陽電池の組み合わせであるから、外部電源を必要としないのと、他のバス停との関連も必要としないし、他の部署からのコントロールもしないため、どこでも必要とするバス停に単独で使用することができる。そのため従来あるバス近接装置に比較して、電気工事が不要な点や停留所同士を電気的に結びつける必要もないため安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の平日用の時刻表の外観図である。
【図2】本考案のバスを検知するときの状態図である。
【図3】本考案の全体のシステム構成図である。
【符号の説明】
A 平日用時刻表
B 時刻メモリー
C 発信機
D 受信機
E バス
F 土曜日用時刻表
G 日曜、祭日用時刻表
H カレンダーメモリー
I 全体制御器
J 電源(バッテリー)
K 太陽電池
L 過充電防止器
M 停留所のポスト
N 時刻メモリー
O 道路
P 歩道
Q 電波を発射する範囲
R 電波を検知する範囲
1〜5 時
6〜8 分
9〜11 ランプあるいはLED
12 枠

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 バスに電波の発信機(C)を付け、停留所のポスト(M)に受信機(D)を付ける。発信機(C)は路線によりあらかじめ設定した周波数の電波を発信し、受信機(D)はその周波数により、その停留所のバスであることを判断し、始発のバスから始まり、ポスト(M)に付けた時刻表(A、F、G)の時間部に付けたランプ(9、10、11・・・)を順次点灯あるいは点滅させ時刻を明示する。なお時刻表は平日用時刻表(A)、土曜日用時刻表(F)、日曜、祭日用時刻表(G)の3種類を準備し、当日の選択はカレンダーメモリー(H)で選択する。一日の初めと終わりは時刻メモリー(B)で制御する。全体のシステムの電源はバッテリー(J)と太陽電池(K)を組み合わしたものを使用し、過充電防止器(I)で充電状態をコントロールする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3054159号
【登録日】平成10年(1998)9月9日
【発行日】平成10年(1998)11月24日
【考案の名称】バスの停留所の時刻案内装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平9−11926
【出願日】平成9年(1997)12月19日
【出願人】(596020299)