バスバー接続具

【課題】重ね合わせ状態のバスバーに接圧を与えて接続する作業を容易にすることが可能なバスバー接続具を提供する。
【解決手段】それぞれ接続用バスバー12,14Aを有する一方及び他方の機器11,13における複数の接続用バスバー12,14Aを重ね合わせ状態として構成された重ね合わせバスバー15を、合成樹脂製のハウジング21に収容された弾性部材36の一対の撓み片37,37間に挟み込んで接続するバスバー接続具20において、一対の撓み片37,37を弾性拡開させる拡開位置と一対の撓み片37,37を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能な撓み片拡開手段41を備え、撓み片拡開手段41が拡開位置にあるときに重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37間に挿通し、撓み片拡開手段41を拡開位置から非拡開位置に回動させることで重ね合わせバスバー15が一対の撓み片37,37間に挟み込まれて接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバー接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに異なる機器に連なる2枚のバスバーを重ね合わせ状態とし、この重ね合わせ状態のバスバーを弾性部材で挟みつけることでバスバー間に接圧を与えて接続するようにした技術が知られている。
【0003】
下記特許文献1は、雄コネクタの雄バスバーと雌コネクタの雌バスバーとをコネクタ嵌合時に重ね合わせ状態とし、ボルトを回して移動ブロックを重ね合わせ状態のバスバー側に移動させる。これにより、移動ブロック内に固定されたバネのU字状の弾性接触片が弾性拡開して重ね合わせ状態のバスバーがU字状の弾性接触片の内側に挿通されるとともに、弾性接触片の弾性反発力で重ね合わせ状態のバスバーを挟み込んで接圧を与えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−18579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の構成のように、重ね合わせ状態のバスバーをU字状の弾性接触片に当接させて弾性接触片を弾性拡開させる場合には、重ね合わせ状態のバスバーの接続の際に強い力が必要となる。このように、特許文献1では強い力を与えるためにボルトを回転させて移動ブロックを少しずつ移動させているが、このようにボルトを回転させて移動ブロックを移動させる場合には、重ね合わせ状態のバスバーの接続作業が煩雑になりやすいという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、重ね合わせ状態のバスバーに接圧を与えて接続する作業を容易にすることが可能なバスバー接続具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、それぞれ接続用バスバーを有する一方及び他方の機器における複数の前記接続用バスバーを重ね合わせ状態として構成された重ね合わせバスバーを、合成樹脂製のハウジングに収容された弾性部材の一対の撓み片間に挟み込んで接続するバスバー接続具において、前記一対の撓み片を弾性拡開させる拡開位置と前記一対の撓み片を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能な撓み片拡開手段を備え、前記撓み片拡開手段が前記拡開位置にあるときに前記重ね合わせバスバーを前記一対の撓み片間に挿通し、前記撓み片拡開手段を前記拡開位置から前記非拡開位置に回動させることで前記重ね合わせバスバーが前記一対の撓み片間に挟み込まれて接続されるところに特徴を有する。
【0008】
本構成によれば、撓み片拡開手段が拡開位置にあって一対の撓み片間が弾性拡開されているときに重ね合わせバスバーを一対の撓み片間に挿通することで、重ね合わせバスバーを一対の撓み片間に挿通する際に、一対の撓み片を強い力で弾性拡開させる必要がないため、容易に重ね合わせバスバーを一対の撓み片間に挿通することが可能になる。よって、重ね合わせ状態のバスバーに接圧を与えて接続する作業を容易にすることが可能になる。
また、撓み片拡開手段は、一対の撓み片を弾性拡開させる拡開位置と一対の撓み片を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能となっているため、撓み片拡開手段を拡開位置と非拡開位置との間で移動させる作業を容易にすることが可能になる。
【0009】
上記構成の実施態様として以下の構成を有すれば好ましい。
・前記撓み片拡開手段には、軸部が設けられており、前記ハウジングには、前記軸部が回転可能に挿通される軸部挿通孔が形成されている。
このようにすれば、簡素な構成で撓み片拡開手段を回動させることが可能になる。
【0010】
・前記重ね合わせバスバーを前記一対の撓み片の突出する方向に対して略直交する方向から前記一対の撓み片間に挿通する。
このようにすれば、一対の撓み片の突出する方向について、バスバー接続具を小型化することが可能になる。
【0011】
・前記撓み片拡開手段は、前記一対の撓み片の先端側から前記一対の撓み片間に進入して前記一対の撓み片を弾性拡開させる。
このようにすれば、重ね合わせバスバーが挿通されない側のスペースを一対の撓み片を拡開させるために利用することができる。
【0012】
・前記ハウジングには、第1指掛け部が設けられるとともに、前記撓み片拡開手段には前記第1指掛け部に対向する第2指掛け部が設けられ、前記第1指掛け部と前記第2指掛け部とを互いに向かい合う方向に付勢することで前記撓み片拡開手段が非拡開位置から拡開位置に回動するように構成されている。
このようにすれば、撓み片拡開手段を回動させる作業を容易にすることができる。
【0013】
・前記一対の撓み片を弾性拡開させないようにロックするロック部材が前記ハウジングに装着可能となっている。
このようにすれば、重ね合わせバスバーの接続後に、誤って一対の撓み片を弾性拡開させる不具合を防止できる。
【0014】
・前記ハウジングに並んで設けられた複数の収容室に複数の前記弾性部材がそれぞれ収容されており、前記撓み片拡開手段は、前記複数の弾性部材の各一対の撓み片間に進入して前記各一対の撓み片を弾性拡開させる複数の進入片を有する。
このようにすれば、複数の弾性部材の各一対の撓み片について、一括して弾性拡開させることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、重ね合わせ状態のバスバーに接圧を与えて接続する作業を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す斜視図
【図2】撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す平面図
【図3】撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す正面図
【図4】撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す背面図
【図5】撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す左側面図
【図6】撓み片拡開手段が非拡開位置にあるバスバー接続具を示す右側面図
【図7】撓み片拡開手段を拡開位置に回動させた状態のバスバー接続具を示す斜視図
【図8】撓み片拡開手段を拡開位置に回動させた状態のバスバー接続具を示す左側面図
【図9】バスバー接続具の分解斜視図
【図10】撓み片拡開手段を示す斜視図
【図11】撓み片拡開手段を示す背面図
【図12】撓み片拡開手段を示す側面図
【図13】バスバー接続部の被取付部材への取り付けを概略的に示す図
【図14】撓み片拡開手段が非拡開位置にある状態のバスバー接続具を示す断面図
【図15】図14の状態から撓み片拡開手段が拡開位置に回動した状態のバスバー接続具を示す断面図
【図16】図15の状態から重ね合わせバスバーが接点部間に挿入された状態のバスバー接続具を示す断面図
【図17】図16の状態から撓み片拡開手段が非拡開位置に回動した状態のバスバー接続具を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図17を参照しつつ説明する。
本実施形態のバスバー接続具20は、図13に示すように、例えば、自動車等の車両に配された一方の機器11及び他方の機器13のそれぞれから延出された接続用バスバー12,14A間に接圧を生じさせて接続用バスバー12,14Aを接続するものである。以下では、上下方向については、図13を基準とし、前後方向については、図5の右方を前方、左方を後方として説明する。
【0018】
(機器)
一方の機器11は、図13に示すように、機器本体(図示しない)を箱形の機器ケース11Aに収容している。この機器ケース11Aは金属製で、例えば自動車のボディに固定されている。
【0019】
この機器11,13には、内部の機器11,13本体から機器ケース11Aの上面に設けられた挿通孔(図示しない)を通って上方に突出する複数本(図13では7本)の板状の接続用バスバー12が、左右方向(接続用バスバー12の厚み方向)に等間隔で並んで設けられている。
【0020】
他方の機器13は、車両内において一方の機器11とは異なる箇所に配されており、この他方の機器13から複数のバスバー14が左右方向に延びている。
複数のバスバー14は、その末端側がL字型に屈曲されており、屈曲部分よりも先は、上下方向に延びる複数本(図13では7本)の板状の接続用バスバー14Aとされている。
【0021】
なお、他方の機器13からバスバー14ではなく、電線を介して接続用バスバー14Aに接続するようにすることも可能であり、この場合、電線の端末に圧着等の公知の接続手段により取付けられる端子金具に接続用バスバー14Aを形成すればよい。
【0022】
一方の機器11の接続用バスバー12と他方の機器13の接続用バスバー14Aは、互いに接触若しくはわずかな隙間を生じて対向配置されることで互いに重なり合っており、これにより枚の接続用バスバー12,14Aが重ね合わされた状態の重ね合わせバスバー15が形成されている。
【0023】
(バスバー接続具)
バスバー接続具20は、図1に示すように、ハウジング21と、ハウジング21に収容され、一対の撓み片37,37を備える複数の弾性部材36と、所定角度の回動により一対の撓み片37,37を弾性拡開させる撓み片拡開手段41とを備えている。
【0024】
(ハウジング)
ハウジング21は、合成樹脂製であって、ハウジング本体22と、ハウジング本体22の上面から上方に板状に突出する一対の第1指掛け部35とを備えている。
ハウジング本体22は、図9に示すように、複数(本実施形態では7室)の収容室23と、側方に板状に突出する取付部32とを備えている。
【0025】
複数の収容室23は、左右に並んで設けられ、それぞれ弾性部材36を収容可能な大きさを有しており、各収容室23間は、仕切り壁24によって仕切られている。
ハウジング本体22の前面は、撓み片拡開手段41の回動を許容する空間を形成する回動許容凹部25として前方側に開放されている。
【0026】
各収容室23の各上壁には、前後方向に延びる溝部26が貫通形成されている。溝部26は、重ね合わせバスバー15が挿入された際に、重ね合わせバスバー15の先端の上壁への当接を回避する逃げに用いられる。なお、溝部26を、上記した重ね合わせバスバー15の逃げとするものに限らず、重ね合わせバスバー15の挿入状態を視認する視認窓として用いることもできる。この場合、重ね合わせバスバー15の先端が溝部26の位置まで到達しないようにしてもよい。
【0027】
各収容室23の下壁には、図16に示すように、前後方向に延びるバスバー挿入溝27が貫通形成されている。
バスバー挿入溝27の溝壁には、下方から上方(収容室23側)に向けてテーパ状にバスバー挿入溝27の幅を狭くするガイド面(図示しない)が形成されている。挿入の際にこのガイド面に当接した重ね合わせバスバー15はガイド面により収容室23内に案内される。
【0028】
ハウジング本体22の両側壁22Aには、図9に示すように、軸部挿通孔28と、ロック部材46をハウジング本体22に係止するための係止部29とが設けられている。
軸部挿通孔28は、両側壁22Aを円形状に貫通している。
係止部29は、側壁22Aに凹設した挿通凹部30と、挿通凹部30内に設けられた係止片31とからなる。
【0029】
挿通凹部30は、ハウジング本体22の上面における取付部32の基端部側から所定の深さまで切り欠き形成されており、取付部32を上下に貫通するとともに、その下方は、側壁22Aを左右に貫通している。
係止片31は、挿通凹部30の奥端部から立ち上がっており、左右に撓み変形可能であって、その先端部には、外方側に突出する係止爪31Aが形成されている。係止爪31Aは、外方側に段差状に突出し、先端側に向けて傾斜状に突出寸法が小さくなる形状をなす。
【0030】
取付部32には、円形状の貫通孔32Aが形成されている。貫通孔32Aには、ボルトBTが挿通される挿通孔33Aを有する円筒形状の金属であるカラー33が嵌め込まれている。バスバー接続具20の取り付けの際には、例えば、図13に示すように、挿通孔33Aに通したボルトBTを被取付部材16に設けられたボルト孔16Aにボルト締めすることでバスバー接続具20を被取付部材16に取り付けることができる。なお、ハウジング21をシールド機能を生じさせる金属製のシールドシェルで覆うようにし、シールドシェルを被取付部材16に取り付けるようにしてもよい。
【0031】
第1指掛け部35は、図9に示すように、長方形の板状であって、ハウジング本体22の上面に左右一対設けられており、第1指掛け部35の後面がハウジング本体22の後面に連なるようにハウジング本体22の上面に固定されている。 この第1指掛け部35は、ハウジング本体22とは別体で構成し、ハウジング本体22に接着等により固定してもよいが、モールド成形等により第1指掛け部35をハウジング本体22と一体に形成してもよい。
【0032】
(弾性部材)
弾性部材36は、例えば、ステンレス又は鉄からなる金属製であって、帯状の金属板材を略U字状に曲げ加工を施して形成されており、図14に示すように、一対の撓み片37,37と、一対の撓み片37,37の基端部を一体に連ねる連結部49とからなる。
【0033】
一対の撓み片37,37は、連結部49側から一対の撓み片37,37間の幅寸法が小さくなる縮径部38,38と、そこから先端側にかけて一対の撓み片37,37間の幅寸法が大きくなる拡径部40,40とを有する。そして、縮径部38,38と拡径部40,40の境界部分が重ね合わせバスバー15を挟み込む接点部39,39とされている。
【0034】
この接点部39,39間の寸法(拡径部40,40を拡開させる前の接点部39,39の内面間の寸法)は、重ね合わせバスバー15について2枚の接続用バスバー12,14Aを隙間なく密着させた状態の厚み寸法よりもわずかに小さい。これにより、一対の撓み片37,37の間に重ね合わせバスバー15が挿入されると、一対の撓み片37,37の弾性的な復元力により重ね合わせバスバー15に対して接圧を生じさせた状態で挟持する。
【0035】
(撓み片拡開手段)
撓み片拡開手段41は、合成樹脂製の部材であって、図9に示すように、一対の撓み片37,37間に進入して一対の撓み片37,37を拡開させるL字形の複数(7個)の進入片42と、各進入片42の両端部を枠形に連ねる枠部43と、左右の枠部43から側方に突出する軸部44と、枠部43の上部に固定される左右一対の第2指掛け部45とを備えている。
【0036】
進入片42は、上下に延びる第1進入部42Aと、前後に延びる第2進入部42Bとが連なってL字形に形成されており、第1進入部42A及び第2進入部42Bの側面(の後方側のエッジ部分)が一対の撓み片37,37の拡径部40,40の上部及び下部に当接して一対の撓み片37,37を弾性拡開させる当接部とされている。
この進入片42は、その幅寸法が一対の撓み片37,37を拡開させる寸法で形成されており、一対の撓み片37,37を弾性拡開させるのに支障がない強度となる厚み寸法に設定されている。
【0037】
枠部43は、長方形の枠形であって、左右に延びる上枠43A及び下枠43Bと、上下に延びる左右一対の側枠43Cとが環状に連なって構成されている。
上枠43Aは、下枠43B及び側枠43Cよりも厚肉に形成されており、この上枠43Aの上面が第2指掛け部45が固定される台座部とされている。
軸部44は、円柱の棒状であって、側枠43Cの下端部における外面側に側方に突出しており、ハウジング21の軸部挿通孔28に回転可能に挿通される。
【0038】
第2指掛け部45は、長方形の板状であって、左右一対設けられている。各第2指掛け部45は、ハウジング21に設けられた一対の第1指掛け部35と左右方向の位置が等しく第1指掛け部35と第2指掛け部45とが対向するようなっている。
この第2指掛け部45は、長方形状の枠部43によって形成される平面に沿う方向に(面一に)延出している。
【0039】
撓み片拡開手段41は、軸部44を中心とした回転によって、一対の撓み片37,37を弾性拡開させない非拡開位置(非拡開角度。図1,図5の位置)と、一対の撓み片37,37を弾性拡開させる拡開位置(拡開角度。図7,図8の位置)とに移動可能になっている。
撓み片拡開手段41に使用される合成樹脂は、進入片42が拡径部40,40に当接して一対の撓み片37,37を弾性拡開させてもほとんど塑性変形しない程度の強度(剛性)を有するものが使用される。
【0040】
バスバー接続具20は、図9に示すように、一対の撓み片37,37の弾性拡開を規制するロック部材46を装着可能となっている。
ロック部材46は、隣り合う弾性部材36の一対の撓み片37,37間に挿入されて一対の弾性部材36の弾性拡開を規制する複数(6個)の拡開規制片47と、左右の端部に設けられる端部規制片48と、拡開規制片47及び端部規制片48の上端部を連結する連結部49と、連結部49の端部にて下方に突出しハウジング21の係止片31に係止される係止枠50と、連結部49の端部にて係止枠50の上方に突出する摘み部51と、を有する。
【0041】
拡開規制片47は、直方体のブロック状であって、隣り合う弾性部材36の縮径部38,38から拡径部40,40に至る外面側によって形成される窪み部分に嵌め込まれる大きさで形成されている。
端部規制片48は、三角形のブロック状をなしている。
係止枠50は、長方形状の枠形であって、内部に長方形状の係止孔50Aが形成されている。
【0042】
係止枠50がハウジング21の挿通凹部30に挿通されると、係止片31が撓み変形して係止爪31Aが係止孔50Aの孔縁に係止する。
摘み部51は、上下方向に長い長方形の板状をなしており、作業者がロック部材46の装着の際に摘むことができるようになっている。
【0043】
次に、バスバー接続具20の使用方法について説明する。
まず、撓み片拡開手段41が非拡開位置(図1,図14)にあるバスバー接続具20を、第1指掛け部35及び第2指掛け部45を互いに挟み合わせる方向に付勢していく。これにより、第2指掛け部45とともに撓み片拡開手段41がハウジング21側に軸部44を中心に回転(回動)し、一対の撓み片37,37を弾性拡開させない非拡開位置(非拡開角度)にあった撓み片拡開手段41が拡開位置(拡開角度)まで所定角度回転する(図7)。このとき、撓み片拡開手段41の各進入片42が一対の撓み片37,37に進入するとともに拡径部40,40に当接し、一対の撓み片37,37を弾性拡開させる(図15)。
【0044】
次に、バスバー接続具20を重ね合わせバスバー15の上方から重ね合わせバスバー15側に下降させると、重ね合わせバスバー15がバスバー挿入溝27に挿通されるとともに、弾性部材36の一対の撓み片37,37間に重ね合わせバスバー15が進入し、重ね合わせバスバー15が接点部39,39間に挿通される(図16)。
【0045】
そして、第1指掛け部35及び第2指掛け部45への付勢をやめる(又は第1指掛け部35及び第2指掛け部45が互いに離れる方向に付勢する)と、第2指掛け部45とともに撓み片拡開手段41が軸部44を中心に回転(回動)し、拡開位置(拡開角度)にあった撓み片拡開手段41が非拡開位置(非拡開角度)となる。これにより、一対の撓み片37,37が弾性復元して、重ね合わせバスバー15が接点部39,39間に挟持される(図17)。そして、ロック部材46を装着することにより(図1)、一対の撓み片37,37の再度の弾性拡開が規制される。
【0046】
本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏する。
(1)それぞれ接続用バスバー12,14Aを有する一方及び他方の機器11,13における複数の接続用バスバー12,14Aを重ね合わせ状態として構成された重ね合わせバスバー15を、合成樹脂製のハウジング21に収容された弾性部材36の一対の撓み片37,37間に挟み込んで接続するバスバー接続具20において、一対の撓み片37,37を弾性拡開させる拡開位置と一対の撓み片37,37を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能な撓み片拡開手段41を備え、撓み片拡開手段41が拡開位置にあるときに重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37間に挿通し、撓み片拡開手段41を拡開位置から非拡開位置に回動させることで重ね合わせバスバー15が一対の撓み片37,37間に挟み込まれて接続される。
【0047】
本実施形態によれば、撓み片拡開手段41が拡開位置にあって一対の撓み片37,37間が弾性拡開されているときに重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37間に挿通することで、重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37間に挿通する際に、一対の撓み片37,37を強い力で弾性拡開させる必要がないため、容易に重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37間に挿通することが可能になる。よって、重ね合わせ状態のバスバーに接圧を与えて接続する作業を容易にすることが可能になる。
【0048】
また、撓み片拡開手段41は、一対の撓み片37,37を弾性拡開させる拡開位置と一対の撓み片37,37を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能となっているため、撓み片拡開手段41を拡開位置と非拡開位置との間で移動させる作業を容易にすることが可能になる。
【0049】
(2)撓み片拡開手段41には、軸部44が設けられており、ハウジング21には、軸部44が回転可能に挿通される軸部挿通孔28が形成されている。
このようにすれば、簡素な構成で撓み片拡開手段41を回動させることが可能になる。
【0050】
(3)重ね合わせバスバー15を一対の撓み片37,37の突出する方向に対して略直交する方向から一対の撓み片37,37間に挿通する。
このようにすれば、一対の撓み片37,37の突出する方向について、バスバー接続具20を小型化することが可能になる。
【0051】
(4)撓み片拡開手段41は、一対の撓み片37,37の先端側から一対の撓み片37,37間に進入して一対の撓み片37,37を弾性拡開させる。
このようにすれば、重ね合わせバスバー15が挿通されない側のスペースを一対の撓み片37,37を拡開させるために利用することができる。
【0052】
(5)ハウジング21には、第1指掛け部35が設けられるとともに、撓み片拡開手段41には第1指掛け部35に対向する第2指掛け部45が設けられ、第1指掛け部35と第2指掛け部45とを互いに向かい合う方向に付勢することで撓み片拡開手段41が非拡開位置から拡開位置に回動するように構成されている。
このようにすれば、撓み片拡開手段41を回動させる作業を容易にすることができる。
【0053】
(6)一対の撓み片37,37を弾性拡開させないようにロックするロック部材46がハウジング21に装着可能となっている。
このようにすれば、重ね合わせバスバー15の接続後に、誤って一対の撓み片37,37を弾性拡開させる不具合を防止できる。
【0054】
(7)ハウジング21に並んで設けられた複数の収容室23に複数の弾性部材36がそれぞれ収容されており、撓み片拡開手段41は、複数の弾性部材36の各一対の撓み片37,37間に進入して各一対の撓み片37,37を弾性拡開させる複数の進入片42を有する。
このようにすれば、複数の弾性部材36の各一対の撓み片37,37について、一括して弾性拡開させることが可能になる。
【0055】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)弾性部材36には、ステンレス又は鉄を用いることとしたが、これに限らず、アルミニウムやアルミニウム合金、銅や銅合金等の他の金属を用いることも可能である。また、金属に限らず、接続用バスバー12,14A間の接圧を確保できる程度の弾性力を生じさせることが可能な樹脂等の部材を用いるようにしてもよい。
【0056】
(2)上記実施形態では、撓み片拡開手段41は、合成樹脂製としたが、一対の撓み片37,37を弾性拡開できる強度を有するものであれば、これに限られず、他の材質の部材を用いることも可能である。
(3)弾性部材36の数は、上記実施形態の7個に限られず、1〜6個、又は、8以上としてもよく、この場合も、撓み片拡開手段について、弾性部材36の数に応じた数の進入片42を設ければよい。
【符号の説明】
【0057】
11…一方の機器
12…接続用バスバー
13…他方の機器
14A…接続用バスバー
15…重ね合わせバスバー
16…被取付部材
20…バスバー接続具
21…ハウジング
22…ハウジング本体
23…収容室
24…仕切り壁
25…回動許容凹部
26…溝部
27…バスバー挿入溝
28…軸部挿通孔
32…取付部
35…第1指掛け部
36…弾性部材
37,37…一対の撓み片
38,38…縮径部
39,39…接点部
40,40…拡径部
41…撓み片拡開手段
42…進入片
42A…第1進入部
42B…第2進入部
43…枠部
44…軸部
45…第2指掛け部
46…ロック部材
47…拡開規制片
48…端部規制片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ接続用バスバーを有する一方及び他方の機器における複数の前記接続用バスバーを重ね合わせ状態として構成された重ね合わせバスバーを、合成樹脂製のハウジングに収容された弾性部材の一対の撓み片間に挟み込んで接続するバスバー接続具において、
前記一対の撓み片を弾性拡開させる拡開位置と前記一対の撓み片を弾性拡開させない非拡開位置とに回動可能な撓み片拡開手段を備え、
前記撓み片拡開手段が前記拡開位置にあるときに前記重ね合わせバスバーを前記一対の撓み片間に挿通し、前記撓み片拡開手段を前記拡開位置から前記非拡開位置に回動させることで前記重ね合わせバスバーが前記一対の撓み片間に挟み込まれて接続されるバスバー接続具。
【請求項2】
前記撓み片拡開手段には、軸部が設けられており、前記ハウジングには、前記軸部が回転可能に挿通される軸部挿通孔が形成されている請求項1記載のバスバー接続具。
【請求項3】
前記重ね合わせバスバーを前記一対の撓み片の突出する方向に対して略直交する方向から前記一対の撓み片間に挿通する請求項1又は請求項2に記載のバスバー接続具。
【請求項4】
前記撓み片拡開手段は、前記一対の撓み片の先端側から前記一対の撓み片間に進入して前記一対の撓み片を弾性拡開させる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のバスバー接続具。
【請求項5】
前記ハウジングには、第1指掛け部が設けられるとともに、前記撓み片拡開手段には前記第1指掛け部に対向する第2指掛け部が設けられ、前記第1指掛け部と前記第2指掛け部とを互いに向かい合う方向に付勢することで前記撓み片拡開手段が非拡開位置から拡開位置に回動するように構成されている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のバスバー接続具。
【請求項6】
前記一対の撓み片を弾性拡開させないようにロックするロック部材が前記ハウジングに装着可能となっている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のバスバー接続具。
【請求項7】
前記ハウジングに並んで設けられた複数の収容室に複数の前記弾性部材がそれぞれ収容されており、
前記撓み片拡開手段は、前記複数の弾性部材の各一対の撓み片間に進入して前記各一対の撓み片を弾性拡開させる複数の進入片を有する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のバスバー接続具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−105716(P2013−105716A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250807(P2011−250807)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】