説明

バス停留所装置

【課題】 バス内で行われる運賃の支払を地上で行うようにして、停車時間を短縮できることができる。
【解決手段】 バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一前払式のバスの乗車専用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバス停留所装置に係り、特に、バスの乗降時間を短縮することができるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バスの乗車料金であるバス運賃の支払いは、乗車区間数や乗車距離に関係なく均一運賃の場合であっても、又はバス運賃が乗車区間数、乗車距離あるいは乗車時間等によって変わる不均一運賃(本発明では、このように乗車区間数等によって運賃が変わるバス運賃方式を「区間運賃後払式」としている。)の場合であっても、バス運賃の支払いは、バス内で行われるようになっている。
【0003】
また、このようなバス内のバス運賃の収受を可能な限り短時間に効率よく行なえるようするために、バスの乗降車通路を2つに分割して形成し、そのうちの一つの通路に料金回収機を、そして、他の通路に定期券改札装置及び不正券使用者遮断腕を設けることも提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭57−121941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の均一前払い、均一後払いあるいは区間運賃後払いのいずれの方式においても、バス運賃の収受はバス内で行われ、全ての利用者(乗降客)のバス運賃の収受が完了するまでバスが発車できず、結果的に停留所に停車する時間が長くなるという欠点があった。このような欠点は、上述の提案に係る場合も、バス内でバス運賃収受が行なわれるために、停車時間が長くなるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、バスの停留所への停車時間を利用者の乗降に必要な時間のみとすることのできるバス停留所装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバス停留所装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一前払式のバスの乗車専用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一前払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが利用者の乗車のために対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドアと、前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された出場室と、からなることを特徴とすしている。
本発明の請求項5に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃等が乗車した区間数や距離によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドア及び降車専用ドアと、前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が乗車した区間数や距離等によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された出場室と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項7に記載のバス停留所装置は、ブース内には、所定のバスの停留所から乗車したことを示す整理券の発行を行う整理券発行機が設けられていることを特徴としている。
本発明の請求項8に記載のバス停留所装置は、ブース内には、バスの運行状態等の所定の内容を案内する表示板が設けられていることを特徴としている。
本発明の請求項9に記載のバス停留所装置は、自動改札機は、所定のバス運賃の金額を満たす金銭が投入されたとき、有効な磁気券が投入されたとき又は有効なトークンが投入されたとき、あるいは有効な非接触型ICカードがアンテナにタッチあるいはそのアンテナにかざされたときにドアが開動作することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一前払式のバスの乗車専用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項2に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一前払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが利用者の乗車のために対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項3に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドアと、前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項4に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が均一後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分し、その区分された前記連動ドア側の空間に形成された出場室とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項5に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃等が乗車した区間数や距離によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドア及び降車専用ドアと、前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項6に記載のバス停留所装置は、バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、バス運賃が乗車した区間数や距離等によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、前記ブース内の前記連動ドア側を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された出場室とからなるので、停留所への停車時間を利用者の乗降に要する時間のみとすることができ、停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項7に記載のバス停留所装置は、ブース内には、所定のバスの停留所から乗車したことを示す整理券の発行を行う整理券発行機が設けられているので、整理券の発行も車外で行われるので、より停留所への停車時間を短縮することができる。
本発明の請求項8に記載のバス停留所装置は、ブース内には、バスの運行状態等の所定の内容を案内する表示板が設けられているので、利用者はバスの運行状況等の所定の案内を受けることができる。
本発明の請求項9に記載のバス停留所装置は、自動改札機は、所定のバス運賃の金額を満たす金銭が投入されたとき、有効な磁気券が投入されたとき又は有効なトークンが投入されたとき、あるいは有効な非接触型ICカードがアンテナにタッチあるいはそのアンテナにかざされたときにドアが開動作するので、利用者は金銭、磁気券、トークン又は非接触券を利用でき、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、一実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図であり、ここでは、バス運賃が乗車区間数、乗車距離又は乗車時間などに関係なく前払いで、かつ、均一でバス運賃の収受が行われる場合のバス停留所装置が示される。
【0009】
図1中、SはバスBの走行(図1において、バスBは右側から左側へ向けて進行する。後述の図5(a),(b)、図6、図7(a),(b)、図8及び図9(a),(b)も同じ。)する車道であり、Hはその車道Sの道路側に設けられた歩道である。そして、1はその歩道上で、バスBが停車する所定の停留所に設けられた所定の空間、すなわち数人ないし数十人程度のバスの利用者(旅客)が入ることのできる底面積を有するブースである。このブース1は、図示しないが屋根付きで、また、必要に応じてエアコンディショナーの設備が設けられる。
【0010】
このブース1の車道Sに面した以外の一つの側壁(図1の例では左側の側壁)には、バスBに乗車しようとする利用者がブース1内に入るためのドア2が設けられている。このドア2は、手動又は自動とすることができる。そして、このブース1の車道Sに面した側面には、バスBの乗車専用ドアB1 の大きさによりも少し大きく形成された自動で開閉される連動ドア3が設けられている。なお、図1に示されるバスBには、バスBの運転手イの近くの側面に、すなわち、バスBの頭部近くの側面に上述の乗車専用ドアB1 が設けられていて、バスBに乗車する利用者の専用の入口に形成されているとともに、バスBの中央側面には、バスBから降車(下車)する利用者の専用の出口に当る降車専用ドアB2 が設けられている。
【0011】
図1中、Gは自動改札機であって、この自動改札機Gにより、ブース1内は、ドア2側の入口室1aと連動ドア3側の待合室1bとに区分されている。なお、入口室1aと待合室1bとの区分割合は、待合室1bの方がブース1の大部分を占めるように決められている。そして、入口側1aには図示しないが自動改札機Gに紙幣の金銭を処理する機能が備えられていないときに紙幣を硬貨に両替する両替機が設けられる。また、待合室1bには、バスの運行状況を利用者に報知するための表示板5が設けられているとともに、いす4が設置されている。
【0012】
図2は、自動改札機Gの概略構成図であって、この自動改札機Gは、基本的には、鉄道の駅に設置される磁気券からなる乗車券及び非接触型ICカードからなる非接触券の両方を処理できる兼用型の自動改札機と同じ形状及び構造を有する他に、金銭を直接投入して入場処理する金銭処理機能が設けられている。すなわち、この自動改札機Gの筐体10の入口側上部には、定期券、プリペイドカード、一日乗車券、普通乗車券等の図示しない磁気券の投入口11が設けられているとともに、筐体10の出口側上部には、投入された磁気券のうち利用者に返却する必要のある定期券等の磁気券を排出する取出口12が設けられている。そして、これら投入口11及び取出口12間の筐体10内には、一点鎖線で示される、磁気券に記録されるデータを読取り、必要に応じて新たなデータや残額を印字し、さらにパンチ孔を開けるカードハンドラ13が設けられている。また、このカードハンドラ13には、図示しないが、利用者に返却の必要のない普通乗車券や回数券を回収する集札箱が設けられている。
【0013】
図2中、14はアンテナであって、筐体10の入口側上面に設けられていて、利用者の所持する図示しない非接触型ICカードからなる非接触券がタッチ又はかざされる(以下、タッチで説明する。)ように構成されている。この非接触券12は、定期券データ、回数券データ及び金額データ等の各種データが記憶されている。なお、この非接触型ICカードからなる非接触券は、カード状ではなく、コイン状を呈したトークン形とすることができる。
【0014】
図2中、15は、筐体10の出口側上面に設けられた表示画面であって、利用者に対して所定の内容の案内を文字により案内できるように構成されている。なお、図示しないが、筐体10の側面には、スピーカが設けられていて、音声によっても案内できるように構成されている。また、この筐体10には、改札通路内の利用者位置を検知する、透過型又は反射型のセンサからなる周知の人間検知器が設けられているが、画面では省略されている。
【0015】
図2中、16は、筐体10の出口側側面に設けられたドアであり、このドア16が閉じられたときは、改札通路における利用者の通過を阻止できるように構成されている。また、図2中、17は金銭投入口であり、筐体10の入口側上部に設けられている。そして、この金銭投入口17から投入された金銭は、金銭処理ユニット18に導かれて検銭処理され、必要に応じて釣銭を筐体10の入口側端面に設けられている返却口19に排出できるように構成されている。
【0016】
なお、バス運賃の支払いにコイン状のトークンが採用されているとき、例えば均一バス運賃の支払いにトークンが用いられているとき、あるいは区間運賃後払式の整理券としてトークンが用いられているときは、金銭投入口17にトークンも投入される。この場合、金銭処理ユニット18には、トークンの有効性を判別する機能が設けられる。また、整理券として用いられるトークンが非接触型ICチップを内蔵しているときは、トークン内に記憶されているデータ(トークンデータ)を処理するためのアンテナを備えたリーダライタも設けられる。
【0017】
図2中、20は制御器であって、自動改札機Gを統括的に制御できるように構成されている。すなわち、この制御器20は、図3にブロック図で示されるように、メモリ21に記憶されているワーキングデータ及びシステムプログラムデータを基に入場用の所定の演算処理を行う中央処理部(CPU)22を有している。
【0018】
CPU22は、I/Oユニット23を介して外部と通信を行なうための通信制御部24と、ドア16を駆動制御するモータ(図示せず)等を含んで構成されるドア駆動ユニット25と、投入口11から投入された磁気券を処理するためのカードハンドラ等を含んで構成される磁気券処理ユニット26と、アンテナ14及び図示しないリーダライタ等を含んで構成される非接触券処理ユニット27と、金銭処理ユニット18とが接続されている。なお、このI/Oユニット23には、図示しないが改札通路の人間を検知する人間検知器処理ユニットも接続されているが、ここでは省略されている。
【0019】
図4は、ブース1内の機器を制御するための制御器30(図1では省略されている。)の電気的構成を示すブロック図である。この制御器30は、メモリ31に記憶されているワーキングデータ及びシステムプログラムデータを用いて所定の演算処理を行う中央処理部(CPU)32を有している。このCPU32は、I/Oユニット33を介して外部と通信を行う通信制御部34と、連動ドア3を駆動制御する図示しないモータ等を含んで構成される連動ドア駆動ユニット35と、表示板5の表示内容を駆動制御する案内ドライバ36とを接続している。
【0020】
次に、上記構成からなるバス停留所装置の制御動作について説明する。先ず、バスBに乗車しようとする利用者は、ブース1のドア2からブース1の入口室1aに入り、そこに設置されている自動改札機Gを介して待合室1bへの入場処理が行われる。この入場処理において、自動改札機Gの投入口11に有効な磁気券が投入され、また、アンテナ14に有効な非接触券がタッチされ、さらに金銭投入口17に均一のバス運賃の金額を満たす金銭が投入されたとき(トークンが採用されているときは、トークンが投入されたとき)に、ドア16が開かれて(自動改札機Gがノーマルオープン型のときはそのまま)、待合室1bへの入場(入室)が許可される。なお、有効期間切れ等の無効な磁気券が投入されたとき、あるいは無効の非接触券がアンテナ14にタッチされたときは、ドア16が閉じられて入場が拒否される。また、金銭投入口17にバス運賃の金額を満たす金銭を投入することなく改札通路に所定以上進入すると、ドア16が閉じられて入場が拒否される。もちろん、磁気券及び非接触券を使用することなく改札通路に進入した無札者(金銭投入口17に金銭(又はトークン)を投入しない無賃者を含む。)が人間検知器で検知されたときも、ドア16は閉じられて入場が拒否される。
【0021】
上述のように、自動改札機Gを通過して待合室1bに入室した利用者は、全て均一のバス運賃の支払を完了したものであり、バスBの到着を待つ者となる。そして、この時、バスBが図1に示されるように、連動ドア3に対向する位置に乗車専用ドアB1 が位置して停車すると、運転手イによって運転台に設けられている図示しないスイッチ操作に乗車専用ドアB1 が開かれる。また、バスB内に降車する利用者がいるときは、運転手イによって運転台に設けられている図示しないスイッチ操作により降車専用ドアB2 も開かれる。この降車専用ドアB2 は、ブース1の外側に位置しているので、つまり、ブース1の形状は、降車専用ドアB2 と対向しないように決められているので、降車専用ドアB2 が開けられると、バスB内の降車客は速やかに降車(下車)することができる。全ての降車客の降車が終了すると、運転手のスイッチ操作により降車専用ドアB2 は閉じられる。
【0022】
さて、運転手イの操作により乗車専用ドアB1 が開けられると、その乗車専用ドアB1 を開にするための信号に基づく所定の信号がバスBに設けられている無線機を介して通信制御部34((図4参照)この通信制御部34は、バスBからの無線信号を受信する機能も有している。)を介して制御器30に取込まれる。そして、この制御器30のCPU32では、バスBから乗車専用ドアB1 を開にした信号を受信すると、連動ドアドライバ35を介して連動ドア3を開にする制御が行われる。連動ドア3が開かれると、待合室1b内の利用者はバスB内に乗車することができる。全ての利用者の乗車が終了すると、運転手イのスイッチ操作により乗車専用ドアB1 が閉にされるとともに、そのスイッチ信号が通信制御部34を介して制御器30に取込まれて連動ドア3も閉とされる。乗車専用ドアB1 の閉じられたバスBは、次の停留所へ向けて出発される。
【0023】
なお、上述の例では、連動ドア3の開閉はバスBの運転手イのスイッチ操作により行われたが、連動ドア2と乗車専用バスB1 とが所定の状態で対向したことをセンサで検出して自動的に開き、連動ドア3の前方側(車道S側)にバスBが位置しなくなったときに自動的に閉となるようにしてもよい。
【0024】
図5(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。ここに示されるバス停留所装置は、上記図1〜図4に示されるバス停留所装置と同様に、前払いの均一バス運賃の場合が示されている。そして、ここでは、バスBは、乗車及び降車が同一のドアから行われる乗車及び降車兼用ドア(以下、「兼用ドア」という。)B0 を有している。
【0025】
上述のように、バスBが兼用ドアB0 を有する場合は、先ず、降車する利用者がいるとき、バスBは、図5(a)に示されるように、ブース1の手前(図5(a)ではブース1の右側)で停車して兼用ドアB0 が開かれて降車客が降ろされ、その降車客が全て降車した後、兼用ドアB0 が閉じられてバスBが少し進み、兼用ドアB0 と連動ドア3とが対向させられ(図5(b)参照)、兼用ドアB0 が開けられるとともに、連動ドア3が開けられる。そして、待合室1b内の利用者の乗車が行われる。利用者の乗車が終了すると、兼用ドアB0 及び連動ドア3が閉じられてバスBが出発させられる。
【0026】
図6は、バス運賃が均一で、かつ、後払い(均一後払式)に適用したバス停留所装置を示している。そして、ここに示されるバスBは、いわゆる後乗り、前降り式で、バスBの中央側面に乗車専用ドアB1 が設けられているとともに、バスBの頭部近くの側面に降車専用ドアB2 が設けられている。そして、ブース1には、バスBの乗車専用ドアB1 及び降車専用ドアB2 にそれぞれ対応して乗車専用連動ドア3a及び降車専用連動ドア3bが設けられている。また、このブース1は、乗車専用連動ドア3a及び降車専用ドア3bを区分する形で仕切1′が設けられていて、乗車専用連動ドア3a側が待合室1bに降車専用連動ドア3b側が出場室1cに形成されている。そして、出場室1c側には、自動改札機Gが設けられていて、さらに出口室1dが形成されている。
【0027】
上記構成からなるバス停留所装置は、バスBが図6に示されるように、ブース1に沿って停車すると、運転手イにより、乗車専用ドアB1 及び降車専用ドアB2 がそれぞれ開かれるとともに、乗車専用連動ドア3a及び降車専用連動ドア3bがそれぞれ開かれる。
【0028】
したがって、待合室1b内の利用者は乗車専用連動ドア3a及び乗車専用ドアB1 を介してバスBに乗車することができ、バスBから降車する利用者は、降車専用ドアB2 及び降車専用連動ドア3bを介して出場室1c内に降りることができる。そして、出場室1c内に降りた利用者は、自動改札機Gを介して後払式で出場処理を行った後、出口室1d及びドア2を介してブース1から出ることができる。全ての利用者が乗車し、さらに降車客の全てが降車したのち、乗車専用連動ドア3a及び乗車専用ドアB1 、降車専用連動ドア3b及び降車専用ドアB2 が閉じられてバスBが出発させられる。
【0029】
図7(a),(b)は、上記図6と同様に均一後払式のバスBのバス停留所を示している。そして、このバスBは兼用ドアB0 を有している。したがって、バスBは先に降車客を降ろしてから乗車客を乗せなければならないので、この図7に示されるブース1の配置関係は上記図6と左右対象となっている。
【0030】
上記構成からなるバス停留所装置は、先ず、図7(a)に示されるように、バスBの兼用ドアB0 が降車専用連動ドア3bに対向する位置に停車して降車客の降車及び自動改札機Gを用いた均一バス運賃の後払処理が行われる。そして、この降車客の処理終了後、バスBは図7(b)に示されるように、兼用ドアB0 が乗車専用連動ドア3aに対向する位置まで進行して待合室1b内の利用者の乗車が行われる。全ての利用者がバスBに乗車すると、バスBは、乗車専用連動ドア3a及び兼用ドアB0 が閉じられて発車させられる。
【0031】
図8は、区間運賃後払式のバスに適用したバス停留所装置の例が示されている。この図8に示されるブース1の形状は、上記図6と同様である。この図8に示されるブース1の待合室1bには、乗車した停留所を特定する所定の磁気データの記録されている整理券(図示せず)を発行する整理券発行機40が設けられている。したがって、この待合室1b内の利用者がバスBに乗車するときは、この整理券発行機40から発行された整理券を持って乗車することとなる。なお、この整理券発行機40は、バスB内の乗車専用ドアB1 の近くに設置するようにしてもよい。さらに、この整理券をコイン状の非接触型ICチップの内蔵されているトークンとしてトークンを繰り返して使用できるようにしている場合は、整理券発行機40からは、トークンが発行される。また、磁気券、非接触券又はトークンで後払いするときは、整理券発行機40に設けられた磁気データ書込器又は非接触式データ書込器からなる書込手段により乗車停留所のデータを磁気券、非接触券又はトークンに書込み、整理券の発行を省略することもできる。
【0032】
上記構成からなるバス停留所装置は、バスBが図8に示されるようにブース1に沿って停車すると、運転手イにより、乗車専用ドアB1 及び降車専用ドアB2 がそれぞれ開かれるとともに、乗車専用連動ドア3a及び降車専用連動ドア3bがそれぞれ開かれる。
【0033】
したがって、待合室1b内の利用者は、整理券発行機40から整理券の発行を受けて乗車専用連動ドア3a及び乗車専用ドアB1 を介してバスBに乗車することができ、バスBから降車する利用者は、降車専用ドアB2 及び降車専用連動ドア3bを介して出場室1c内に降りることができる。そして、出場室1c内に降りた利用者は、自動改札機Gを介して、すなわち、自動改札機Gの投入口11に整理券(又はトークン)を投入するとともに、磁気券、非接触券又は金銭を用いて後払式で出場処理を行った後、出口室1d及びドア2を介してブース1から出ることができる。全ての利用者が乗車し、さらに降車客の全てが降車したのち、乗車専用連動ドア3a及び乗車専用ドアB1 、降車専用連動ドア3b及び降車専用ドアB2 がそれぞれ閉じられてバスBが出発させられる。
【0034】
図9(a),(b)は、上記図8と同様に区間運賃後払式のバスBのバス停留所を示している。そして、このバスBは兼用ドアB0 を有している。したがって、バスBは先に降車客を降ろしてから乗車客を乗せなければならないので、この図9(a),(b)に示されるブース1の配置関係は上記図8と左右対象となっている。
【0035】
上記構成からなるバス停留所装置は、先ず、図9(a)に示されるように、バスBの兼用ドアB0 が降車専用連動ドア3bに対向する位置に停車して降車客の降車及び自動改札機Gを用いた区間運賃の後払処理が行われる。すなわち、整理券を磁気券と同じ投入口11に投入(整理券がトークンのときは、金銭投入口17に投入)するとともに、磁気券、非接触券又は金銭を用いた出場処理が行われる。そして、この降車客の処理終了後、バスBは図9(b)に示されるように、兼用ドアB0 が乗車専用連動ドア3aに対向する位置まで進行して待合室1b内の整理券を所持した利用者の乗車が行われる。全ての利用者がバスBに乗車すると、バスBは、乗車専用連動ドア3a及び兼用ドアB0 がそれぞれ閉じられて発車させられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【図2】自動改札機の概略構成図である。
【図3】自動改札機の制御器の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ブースの制御器の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係るバス停留所装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0037】
S 車道
B バス
B0 乗車及び降車兼用ドア(兼用ドア)
B1 乗車専用ドア
B2 降車専用ドア
イ 運転手
H 歩道
1 ブース
1′ 仕切り
1a 入口室
1b 待合室
1c 出場室
1d 出口室
2 ドア
3 連動ドア
3a 乗車専用連動ドア
3b 降車専用連動ドア
4 いす
5 表示板
G 自動改札機
40 整理券発行機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃が均一前払式のバスの乗車専用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、
前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項2】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃が均一前払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが利用者の乗車のために対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、
前記ブース内の前記連動ドア側を所定の前払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された待合室と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項3】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃が均一後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドアと、
前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、
前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項4】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃が均一後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、
前記ブース内の前記連動ドア側を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された出場室と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項5】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃等が乗車した区間数や距離によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車専用ドア及び降車専用ドアがそれぞれ対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた乗車専用連動ドア及び降車専用ドアと、
前記ブース内を仕切で区分し、その区分された前記乗車専用ドア側の空間に形成された待合室及び前記降車専用ドア側の空間に形成された出場室と、
前記出場室に設けられた所定の後払処理を行う自動改札機と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項6】
バスの停留所に設けられた所定の空間を有するブースと、
バス運賃が乗車した区間数や距離等によって変わる区間運賃後払式のバスの乗車及び降車兼用ドアが対向したときに、開動作する前記ブースに設けられた連動ドアと、
前記ブース内の前記連動ドア側を所定の後払処理を行う自動改札機を介して区分して形成された出場室と、
からなることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のバス停留所装置において、ブース内には、所定のバスの停留所から乗車したことを示す整理券の発行を行う整理券発行機が設けられていることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のバス停留所装置において、ブース内には、バスの運行状態等の所定の内容を案内する表示板が設けられていることを特徴とするバス停留所装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のバス停留所装置において、自動改札機は、所定のバス運賃の金額を満たす金銭が投入されたとき、有効な磁気券が投入されたとき又は有効なトークンが投入されたとき、あるいは有効な非接触型ICカードがアンテナにタッチあるいはそのアンテナにかざされたときにドアが開動作することを特徴とするバス停留所装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−99237(P2006−99237A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282073(P2004−282073)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】