説明

バス運行システム

【課題】 バス停留所で待っている乗客に対してバスの混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ってバスの円滑な運行を行うことのできるバス運行システムを提供する。
【解決手段】 路線を走行するバス1の車内における混雑状況を入力するための情報入力部4と、バス1の現在位置を取得する位置取得部5と、バス1同士で混雑情報および位置情報の送受信を行う情報送受信部7と、情報入力部4により入力された車内の混雑情報および情報送受信部7により受信した他のバス1の混雑情報に基づいて、停留所10で待機している乗客に対する案内情報を作成する情報作成部6とを備えたバス制御装置2を備え、バス制御装置2により、情報作成部6により作成された案内情報をバス表示部9に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバス運行システムに係り、特に、バス停留所で待っている乗客に対してバスの混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ってバスの円滑な運行を行うことを可能としたバス運行システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、路線バスの停留所毎に表示装置を設置し、この表示装置により各バス車両の運行状態を通知する運行システムが多く用いられている。このような運行システムにおいては、表示装置の設置された停留所にバス車両が到着するまでにかかると推定される時間や、バス車両の現在位置を表示装置に表示することにより、停留所でバス車両を待っている乗客にバス車両の運行状態を通知するようになっている。
【0003】
このようなバスの運行システムとして、従来から、例えば、車載用装置を搭載したバス車両と、停留所に設けられた表示装置とを含み、車載用装置は、反対車線の道路交通情報を示す反対車線情報、または遅延情報を、撮像部や位置検出部等を用いて生成する情報生成部と、反対車線情報や遅延情報を無線通信部により反対車線のバス車両や表示装置へ送信する送信制御部と、反対車線のバス車両から反対車線情報や遅延情報を受信する受信制御部と、バス車両が停留所に到達するまでの推定到達時間を受信した反対車線情報に基づいて算出する時間算出部と、算出した推定到達時間や受信した遅延情報を表示する時間表示部とを備えるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−176507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、運行しているバスの位置情報を取得することができるものであるが、バスが過密状態で運行されている場合や、道路が渋滞している場合などに、各バスの運行間隔が狭くなり、各バスがいわゆる団子状態になってしまうという問題を有している。
【0006】
特に、先頭のバスが満員状態にある場合、乗客が無理に乗車しようとすることから、乗車に時間がかかってしまい、後続のバスは比較的空いているにもかかわらず、先頭のバスが遅れてしまい、バスの団子状態がさらに悪化してしまうという問題を有している。そのため、バスの混雑状況を知らせることにより、乗客の分散を図ることのできる運行システムが望まれている。
【0007】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、バス停留所で待っている乗客に対してバスの混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ってバスの円滑な運行を行うことのできるバス運行システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係るバス運行システムは、路線を走行するバスの車内における混雑状況を入力するための情報入力部と、前記バス同士で、混雑情報の送受信を行う情報送受信部と、前記情報入力部により入力された車内の混雑情報および前記情報送受信部により受信した他の前記バスの混雑情報に基づいて、停留所で待機している乗客に対する案内情報を作成する情報作成部と、を備えたバス制御装置を備え、
前記バス制御装置は、前記情報作成部により作成された案内情報をバス表示部に表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記バスの現在位置を取得する位置取得部をさらに備えており、
前記情報作成部は、前記情報入力部により入力された車内の混雑情報、前記位置取得部により取得されたバスの位置情報、前記情報送受信部により受信した他の前記バスの混雑情報および位置情報に基づいて、停留所で待機している乗客に対する案内情報を作成することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記バスの停留所に設置される停留所制御装置をさらに備えており、
停留所制御装置は、前記バス制御装置から送信される前記各バスの位置情報に基づいて、対応する前記バスが当該停留所に接近した際に、前記バス制御装置から送られる案内情報を停留所に設置された停留所表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記情報送受信部は、前記バスのバス識別情報をさらに送受信するものであることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記バス制御装置から送信されるバスの混雑情報、位置情報およびバス識別情報を送受信するための路側情報送受信部を備えた路側制御装置をさらに備えており、
前記路側情報送受信部は、前記各バス制御装置から送信される混雑情報、位置情報、バス識別情報を受信し、バス識別情報に基づいて、同一路線または共通路線ごとに各情報を整理し、同一路線または共通路線を走行する前記バス制御装置に送信することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記路側制御装置は、前記バス制御装置から送信されるバスの混雑情報、位置情報およびバス識別情報に基づいて、案内情報を作成する路側情報作成部をさらに備えており、
前記路側情報送受信部は、前記路側情報作成部により作成された案内情報を、前記バス制御装置に送信することを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6において、路側制御装置は、前記バスの路線に沿って複数設置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項5または請求項6において、路側制御装置は、中央の管制センターに設置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項において、前記情報入力部は、「満員」、「混雑」、「空き」からなる入力ボタンを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、情報入力部により入力された混雑情報および情報送受信部により他のバスから送信される混雑情報に基づいて、情報作成部により案内情報を作成し、バス表示部に案内情報を表示させるようにしているので、停留所で待っている乗客に対して当該バスおよび後続バスの混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ることができる。その結果、混雑しているバスへの乗降をなくして、1つのバスに乗客が集中してしまうことを確実に防止することができる。しかも、満員となっているバスは、後続バスが存在していることを乗客に知らせることで、停留所を通過することができ、その結果、バス同士の間隔が狭まっていわゆる団子状態になってしまうことを防止することができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、情報入力部により入力された車内の混雑情報、位置取得部により取得されたバスの位置情報、情報送受信部により他のバスから送信される混雑情報および位置情報に基づいて、情報作成部により案内情報を作成し、バス表示部に案内情報を表示させるようにしているので、停留所で待っている乗客に対して当該バスおよび後続バスの混雑状況および後続バスの位置情報を知らせることができ、乗客の分散を図ることができる。その結果、混雑しているバスへの乗降をなくして、1つのバスに乗客が集中してしまうことを確実に防止することができる。しかも、満員となっているバスは、後続バスが存在していることを乗客に知らせることで、停留所を通過することができ、その結果、バス同士の間隔が狭まっていわゆる団子状態になってしまうことを防止することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、停留所制御装置により、バス制御装置から送信される各バスの位置情報に基づいて、対応するバスが当該停留所に接近した際に、バス制御装置から送られる案内情報を停留所に設置された停留所表示部に表示させるようにしているので、停留所において、乗客に対して当該バスおよび後続バスの混雑状況および後続バスの位置情報を知らせることが可能となる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、情報送受信部により、バス識別情報をさらに送受信するようにしているので、混雑情報および位置情報を、バス識別情報に基づいてバスに応じた管理を行うことができる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、路側情報送受信部を備えた路側制御装置を設け、路側情報送受信部により、バス制御装置から送信される混雑情報、位置情報、バス識別情報を受信し、バス識別情報に基づいて、同一路線または共通路線ごとに各情報を整理し、同一路線または共通路線を走行するバス制御装置に送信するようにしているので、路側制御装置により、バスの路線に応じて整理された混雑情報および位置情報に基づいて効率よく案内情報を作成することができる。
【0022】
請求項6に係る発明によれば、路側制御装置にバス制御装置から送信されるバスの混雑情報、位置情報およびバス識別情報に基づいて、案内情報を作成する路側情報作成部を設け、路側情報送受信部により、路側情報作成部により作成された案内情報を、バス制御装置に送信するようにしているので、バス制御装置により案内情報を作成する必要がなく、効率よく案内情報を取得することができる。
【0023】
請求項7に係る発明によれば、路側制御装置を、バスの路線に沿って複数設置するようにしているので、バス制御装置との送受信を行う路側制御装置を切り換えることにより、比較的短い距離で通信を行うことが可能となる。
【0024】
請求項8に係る発明によれば、路側制御装置を、中央の管制センターに設置するようにしているので、管制センターにより、各バスからの情報を一括して管理することが可能となる。
【0025】
請求項9に係る発明によれば、情報入力部に、「満員」、「混雑」、「空き」からなる入力ボタンを設けるようにしているので、乗客の混雑状況に応じて、いずれかの入力ボタンを操作することにより、容易に混雑情報を入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るバス運行システムの第1実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係るバス運行システムの第1実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るバス運行システムの第1実施形態におけるバスの共通路線を示す説明図である。
【図4】本発明に係るバス運行システムの第2実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に係るバス運行システムの第3実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は本発明に係るバス運行システムの第1実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本発明に係るバス運行システムは、路線を走行するバス1に搭載されるバス制御装置2を備えている。
【0029】
また、図2は本発明に係る交通情報システムの制御構成を示したものであり、本実施形態においては、図2に示すように、バス制御装置2は、各種制御を行うバス制御部3を備えている。また、バス制御装置2は、バス1の車内における混雑状況を入力するための情報入力部4を備えており、この情報入力部4は、例えば、「満員」、「混雑」、「空き」などの入力ボタン(図示せず)をあらかじめ設けておき、運転者が入力ボタンを操作することにより、車内の混雑情報を入力するように構成されている。なお、その他、例えば、センサなどを用いて車内の混雑情報を自動的に取得するようにしてもよい。
【0030】
また、バス制御装置2は、例えば、GPSなどにより運行中のバス1の現在位置を取得する位置取得部5を備えており、バス制御装置2は、情報入力部4により入力された車内の混雑情報と、位置取得部5により取得されたバス1の位置情報とに基づいて、停留所で待機している乗客に対する案内情報を作成する情報作成部6を備えている。さらに、バス制御装置2は、各バス1に搭載されたバス制御装置2との間で、無線による情報の送受信を行う情報送受信部7を備えており、バス制御装置2は、情報入力部4により入力された混雑情報、位置取得部5により取得された位置情報、情報送受信部7により受信された他のバス1の混雑情報および位置情報を記憶させる記憶部8を備えている。
【0031】
情報作成部6は、例えば、運行中のバス1の車内が満員である場合において、後続のバス1の車内が空いているとの情報を受信した場合には、案内情報として、例えば、「満員です。後続のバスは空いています。」といった情報や、当該バス1の位置取得部5により取得した位置情報および後続のバス1から送信される位置情報に基づいて、「満員です。後続のバスはあと○○分後に到着します。」といった情報を作成するように構成されている。また、後続のバス1の混雑情報および位置情報に基づいて、「満員です。後続のバスは空いています。あと○○分後に到着します。」といった情報を作成することも可能である。また、運行中のバス1の車内が満員でない場合には、案内情報として、例えば、「後続のバスはあと○○分後に到着します。」といった情報を作成するように構成されている。このように案内情報は、運行中のバス1の混雑状況に応じて、後続のバス1の混雑情報や位置情報を案内するように構成されている。
【0032】
また、情報送受信部7により、送受信される混雑情報および位置情報は、1つの路線を走行するバス1同士で送受信するようにしてもよいし、異なる路線を走行するバス1同士で送受信するようにしてもよい。例えば、図3に示すように、道路を走行するバス1の路線として、路線Aを走行するバス1と、路線Bを走行するバス1とが混在する場合に、一部の路線で2つの路線のバス1が走行する共通路線が存在する場合には、共通路線を走行しているバス1同士で混雑情報および位置情報の送受信を行うようにすればよい。
【0033】
この場合に、各バス1にバス1固有のバス固有情報あるいはバス路線を表す路線情報などのバス識別情報をあらかじめ設定して記憶部8に記憶させておき、他のバス1との情報の送受信を行う際に、バス識別情報を送受信することにより、バス識別情報を確認して、同一路線または共通路線を走行するバス1かそれ以外の路線を走行するバス1かを識別し、同一路線または共通路線を走行するバス1から送信された情報のみを選別するようにすればよい。そして、このような共通路線を走行する場合には、情報作成部6により、案内情報として、例えば、「○○行きの後続のバス1は空いています。あと○○分で到着します。」といった情報を作成するものである。
【0034】
また、情報作成部6により作成された情報は、バス制御部3に送られ、バス制御部3は、例えば、バス1の前面上部に設置される表示部やバス1の側面に設置される表示部などのバス表示部9に表示させるように構成されている。なお、バス表示部9に表示する以外に、もしくは、バス表示部9の表示と併せて、音声により案内情報を知らせるようにしてもよい。
【0035】
また、本実施形態においては、停留所10には、停留所制御装置11が設置されており、この停留所制御装置11は、各種制御を行う停留所制御部12および各バス制御装置2から送信される位置情報および案内情報を受信する停留所情報受信部13を備えている。そして、停留所制御装置11は、バス制御装置2から送信される各バス1の位置情報に基づいて、対応するバス1が当該停留所10に接近した際に、バス制御装置2から送られる案内情報を停留所表示部14に表示させるように構成されている。すなわち、本実施形態においては、バス表示部9に表示させるのみならず、バス停留所10の停留所表示部14にも案内情報を表示させるように構成されている。
【0036】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0037】
本実施形態においては、バス1の運転者が車内の混雑状況に応じて情報入力部4により混雑情報を入力するとともに、位置取得部5により、バス1の現在の位置情報を取得する。そして、後続するバス1から送信される混雑情報および位置情報に基づいて情報作成部6により、案内情報を作成する。
【0038】
そして、先行するバス1が満員でない場合には、バス1を停留所10で停止させて、乗客の乗降を行う。この場合に、後続のバス1の案内情報をバス表示部9および停留所表示部14に表示させるようにしてもよい。
【0039】
また、先行するバス1が満員となった場合には、情報入力部4により満員である旨の混雑情報を入力し、一方、後続するバス1から送信される混雑情報および位置情報に基づいて情報作成部6により、案内情報を作成する。
【0040】
そして、案内情報をバス表示部9および停留所表示部14に表示させることにより、停留所10で待っている乗客に対して案内をするようになっている。このように案内を表示することにより、停留所10で待っている乗客が当該バス1が満員であることを認識することができるとともに、後続のバス1の混雑状況を認識することができるので、乗客が後続のバス1に乗車するように促すことができ、乗客の分散を図ることができるものである。
【0041】
また、先頭バス1が満員の場合は、当該バス1は停留所10を通過することにより、満員のバス1の乗降を省略することができ、バス1同士の間隔が狭まっていわゆる団子状態になってしまうことを防止することができる。
【0042】
以上述べたように、本実施形態においては、情報入力部4により入力された混雑情報、位置取得部5により取得された位置情報、他のバス1から送信される混雑情報および位置情報に基づいて、情報作成部6により案内情報を作成し、バス表示部9および停留所表示部14に案内情報を表示させるようにしているので、停留所10で待っている乗客に対して当該バス1および後続のバス1の混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ることができる。その結果、混雑しているバス1への乗降をなくして、1つのバス1に乗客が集中してしまうことを確実に防止することができる。しかも、満員となっているバス1は、後続のバス1が存在していることを乗客に知らせることで、停留所10を通過することができ、その結果、バス1同士の間隔が狭まっていわゆる団子状態になってしまうことを防止することができる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態について、図4および図5を参照して説明する。
【0044】
本実施形態においては、図4に示すように、バス運行システムは、バス1の路線に設置される路側制御装置15を備えており、路側制御装置15は、各種制御を行う路側制御部16を備えている。また、路側制御装置15は、各バス1のバス制御装置2から送信されるバス1の混雑情報、位置情報およびバス識別情報を送受信するための路側情報送受信部17を備えている。すなわち、本実施形態においては、路側情報送受信部17は、各バス1のバス制御装置2から送信される混雑情報、位置情報、バス識別情報を受信し、バス識別情報に基づいて、同一路線または共通路線ごとに各情報を整理し、同一路線または共通路線を走行するバス1に送信するように構成されている。
【0045】
そして、バス制御装置2は、当該バス1の混雑情報、位置情報、路側制御部16から送信された他のバス1の混雑情報および位置情報に基づいて、情報作成部6により案内情報を作成し、この案内情報をバス表示部9に表示させるとともに、案内情報を停留所制御装置11に送信し、停留所表示部14に表示させるように構成されている。
【0046】
なお、この路側制御装置15は、例えば、バス路線の複数箇所に設けてもよいし、バス停留所10の停留所制御装置11に、その機能を持たせるようにしてもよい。さらに、路側制御装置15は、中央の管制センターに設けるようにしてもよい。
【0047】
この場合において、路側制御装置15を、バス1の路線の複数箇所に設置する場合は、バス制御装置2から送られる位置情報に応じて路側制御装置15を切り換えることで、比較的短い距離で通信を行うことが可能となる。また、路側制御装置15を管制センターに設置するようにする場合は、各バス1からの情報を一括して管理することが可能となる。
【0048】
その他の、バス制御装置2、停留所情報制御装置の構成については、前記第1実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0050】
本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、バス1の運転者が車内の混雑状況に応じて情報入力部4により混雑情報を入力するとともに、位置取得部5により、バス1の現在の位置情報を取得する。そして、情報送受信部7により、混雑情報、位置情報およびバス識別情報を送信する。
【0051】
これら各バス1から送信される混雑情報、位置情報およびバス識別情報は、路側制御装置15により受信され、路側制御装置15により、バス識別情報に基づいて、同一路線または共通路線ごとに各情報を整理して、同一路線または共通路線を走行するバス1に送信する。路側制御装置15からの他のバス1の混雑情報、位置情報、バス識別情報を受信したら、当該バス1の混雑情報、位置情報、他のバス1の混雑情報および位置情報に基づいて、情報作成部6により、案内情報を作成する。
【0052】
そして、先行するバス1が満員でない場合には、バス1を停留所10で停止させて、乗客の乗降を行う。この場合に、後続のバス1の案内情報をバス表示部9および停留所表示部14に表示させるようにしてもよい。
【0053】
また、先行するバス1が満員となった場合には、情報入力部4により満員である旨の混雑情報を入力し、一方、路側制御装置15から送信される混雑情報および位置情報に基づいて情報作成部6により、案内情報を作成する。
【0054】
そして、案内情報をバス表示部9および停留所表示部14に表示させることにより、停留所10で待っている乗客に対して案内をするようになっている。このように案内を表示することにより、停留所10で待っている乗客が当該バス1が満員であることを認識することができるとともに、後続のバス1の混雑状況を認識することができるので、乗客が後続のバス1に乗車するように促すことができ、乗客の分散を図ることができるものである。
【0055】
以上述べたように、本実施形態においては、情報入力部4により入力された混雑情報、位置取得部5により取得された位置情報、路側制御装置15から送信される混雑情報および位置情報に基づいて、情報作成部6により案内情報を作成し、バス表示部9および停留所表示部14に案内情報を表示させるようにしているので、停留所10で待っている乗客に対して当該バス1および後続のバス1の混雑状況を知らせることができ、乗客の分散を図ることができる。その結果、混雑しているバス1への乗降をなくして、1つのバス1に乗客が集中してしまうことを確実に防止することができる。しかも、満員となっているバス1は、後続のバス1が存在していることを乗客に知らせることで、停留所10を通過することができ、その結果、バス1同士の間隔が狭まっていわゆる団子状態になってしまうことを防止することができる。
【0056】
なお、前記実施形態においては、路側制御装置15により、各バス1から送られる情報を受信して、バス識別情報に基づいて路線に対応して整理した後、各バス1に送信するようにしているが、例えば、路側制御装置15に路側情報作成部を設け、各バス1から送信される混雑情報、位置情報およびバス識別情報に基づいて、各バス1に応じた案内情報を作成し、この案内情報を対応するバス1に送信するようにしてもよい。
【0057】
また、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 バス
2 バス制御装置
3 バス制御部
4 情報入力部
5 位置取得部
6 情報作成部
7 情報送受信部
8 記憶部
9 バス表示部
10 停留所
11 停留所制御装置
12 停留所制御部
13 停留所情報受信部
14 停留所表示部
15 路側制御装置
16 路側制御部
17 路側情報送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路線を走行するバスの車内における混雑状況を入力するための情報入力部と、前記バス同士で、混雑情報の送受信を行う情報送受信部と、前記情報入力部により入力された車内の混雑情報および前記情報送受信部により受信した他の前記バスの混雑情報に基づいて、停留所で待機している乗客に対する案内情報を作成する情報作成部と、を備えたバス制御装置を備え、
前記バス制御装置は、前記情報作成部により作成された案内情報をバス表示部に表示させることを特徴とするバス運行システム。
【請求項2】
前記バスの現在位置を取得する位置取得部をさらに備えており、
前記情報作成部は、前記情報入力部により入力された車内の混雑情報、前記位置取得部により取得されたバスの位置情報、前記情報送受信部により受信した他の前記バスの混雑情報および位置情報に基づいて、停留所で待機している乗客に対する案内情報を作成することを特徴とする請求項1に記載のバス運行システム。
【請求項3】
前記バスの停留所に設置される停留所制御装置をさらに備えており、
停留所制御装置は、前記バス制御装置から送信される前記各バスの位置情報に基づいて、対応する前記バスが当該停留所に接近した際に、前記バス制御装置から送られる案内情報を停留所に設置された停留所表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載のバス運行システム。
【請求項4】
前記情報送受信部は、前記バスのバス識別情報をさらに送受信するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバス運行システム。
【請求項5】
前記バス制御装置から送信されるバスの混雑情報、位置情報およびバス識別情報を送受信するための路側情報送受信部を備えた路側制御装置をさらに備えており、
前記路側情報送受信部は、前記各バス制御装置から送信される混雑情報、位置情報、バス識別情報を受信し、バス識別情報に基づいて、同一路線または共通路線ごとに各情報を整理し、同一路線または共通路線を走行する前記バス制御装置に送信することを特徴とする請求項4に記載のバス運行システム。
【請求項6】
前記路側制御装置は、前記バス制御装置から送信されるバスの混雑情報、位置情報およびバス識別情報に基づいて案内情報を作成する路側情報作成部をさらに備えており、
前記路側情報送受信部は、前記路側情報作成部により作成された案内情報を、前記バス制御装置に送信することを特徴とする請求項5に記載のバス運行システム。
【請求項7】
路側制御装置は、前記バスの路線に沿って複数設置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のバス運行システム。
【請求項8】
路側制御装置は、中央の管制センターに設置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のバス運行システム。
【請求項9】
前記情報入力部は、「満員」、「混雑」、「空き」からなる入力ボタンを備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のバス運行システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−234379(P2012−234379A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102668(P2011−102668)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】