説明

バソプレッシン拮抗薬として使用されるスピロベンズアゼピン類

【化1】


本発明はバソプレッシン受容体活性に関係する症状、例えば増加した血管耐性および鬱血性心不全を包含する心臓機能不全、低ナトリウム血症、並びに高血圧症に関係するもの、を処置するためのバソプレッシン受容体拮抗薬として有用である式(I)の非ペプチド置換されたスピロヘテロベンズアゼピンに関する。式Iの化合物を含んでなる製薬学的組成物および例えば高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、低ナトリウム血症、腎血管痙攣、腎臓機能不全、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、脳浮腫、脳虚血、発作、血栓症、または水鬱滞の如き症状の処置方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、例えば、バソプレッシン受容体拮抗薬として有用な新規な非ペプチド置換されたスピロヘテロベンズアゼピン類に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
バソプレッシンは、主として下垂体後葉から分泌されるノナペプチドホルモンである。このホルモンは血管V−1および腎臓V−2受容体のサブタイプを通してその活性に影響する。バソプレッシンの機能は、子宮、膀胱、および平滑筋の収縮、肝臓内のグリコーゲン分解の刺激、血小板凝集の誘発、下垂体前葉からのコルチコトロピンの放出並びに腎臓水再吸収の刺激を包含する。中枢神経系(CNS)内の神経伝達物質として、バソプレッシンは攻撃行動、性行動、ストレス応答、社会行動および記憶に影響しうる。V−1a受容体はバソプレッシンの中枢神経系効果、平滑筋の収縮および肝臓グリコーゲン分解効果を媒介するが、V−1b受容体はバソプレッシンの下垂体前葉効果を媒介する。多分腎臓内でのみ見出されるV−2受容体はアデニル酸シクラーゼの刺激を介するバソプレッシンの抗利尿作用に影響する(非特許文献1)。
【0003】
上昇した血漿バソプレッシンレベルは鬱血性心不全の病因において役割を演ずるようである(非特許文献2)。鬱血性心不全の処置に対する進歩として、非ペプチドバソプレッシンV−2受容体拮抗薬は鬱血性心不全を有する意識のある犬において低浸透圧モル濃度アクアレシス(aquaresis)および低減した末梢抵抗を誘発した(非特許文献3)。ある種の病理学的状態では、血漿バソプレッシンレベルは特定の浸透圧モル濃度に関しては不適切に上昇することがあり、それにより腎臓水鬱滞および低ナトリウム血症をもたらしうる。浮腫症状(硬変、鬱血性心不全、腎不全)を伴う低ナトリウム血症には、抗利尿ホルモン(SIADH)の不適切な分泌の症候群が伴われうる。バソプレッシンV−2拮抗薬を用いるSIADH−弱体化ラットの処置はそれらに存在する低ナトリウム血症を治した(非特許文献4)。一部はバソプレッシンの血管中でのそのV−1受容体における収縮作用のために、バソプレッシンV−1拮抗薬は高血圧症のための有効な処置として血圧も低下させた。既知のバソプレッシン受容体拮抗薬は、YM−087(ヤマノウチ(Yamanouchi));VPA−985、WAY−140288、およびCL−385004(アメリカン・ホーム・プロダクツ(American Home Products));SR−121463(サノフィ−シンセラボ(Sanofi−Synthelabo));並びにOPC31260、OPC41061、およびOPC21268(オーツカ(Otsuka))を包含していた。
【0004】
それ故、バソプレッシン受容体拮抗薬は内耳疾患、高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、低ナトリウム血症、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎臓機能不全、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、脳浮腫および虚血、発作、血栓症、並びに水鬱滞の症状における治療薬として有用である。他の症状はネフローゼ症候群、中枢神経系損傷、月経困難症、攻撃性、不安症および強迫疾患を包含しうる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Liebsch,G et al Neurosci.1996,217,101
【非特許文献2】P.A.Van Zwieten,Progr.Pharmacol.Clin.Pharmacol.1990,7,49
【非特許文献3】H.Ogawa,J.Med.Chem.1996,39,3547
【非特許文献4】G.Fujisawa,Kidney Int.1993,44(1),19
【発明の概要】
【0006】
発明の要旨
その多くの態様において、本発明は、例えば、バソプレッシン受容体拮抗薬として有用な新種の化合物、そのような化合物の製造方法、1種もしくはそれ以上のそのような化合物を含んでなる製薬学的組成物、1種もしくはそれ以上のそのような化合物を含んでなる製薬学的組成物の製造方法、およびそのような化合物または製薬学的組成物を使用するバソプレッシン受容体に関係する1種もしくはそれ以上の疾病の処置、予防、抑制または緩和方法を提供する。
【0007】
一つのアスペクトでは、本出願は式I:
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
XおよびYの一方はCHでありそして他方はNRであり、
ZはCHまたはNであり、
VはH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシまたはハロゲンであり、
n=1または2であり、
WはH、C1−3アルコキシ、またはヒドロキシルであり、
はH、C1−5アルキル、アリールアルキル、C3−5シクロアルキル、−CH
C(O)OR、−C(O)R、−C(O)(CH−N(R)(R)、または−C(O)−CH−C(O)ORであり、ここでRはC1−3アルキルであり、RはHまたはC1−3アルキルでありそしてmは1〜3であり、
はH、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシまたはアリールであり、
はH、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシまたはアリールであり、但しR、RおよびRの少なくとも1つはHでないことを条件としており、そして
部分は同一もしくは相異なることができ、各々はH、C1−6アルキル、またはC3−5シクロアルキルよりなる群から独立して選択され、或いは2つのR部分はそれらが結合されるNと一緒に連結されて5〜6員のヘテロシクリルを形成することができる]
における一般構造を有する化合物またはその製薬学的に許容可能な塩類、エステル類、アミド類、ラセミ混合物、ジアステレオマー類およびエナンチオマー類を開示する。
【0010】
本発明の化合物は、一般的に、内耳疾患、高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、低ナトリウム血症、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎臓機能不全、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、脳浮腫および脳虚血、発作、血栓症、水鬱滞、攻撃性、強迫疾患、月経困難症、ネフローゼ症候群、不安症並びに中枢神経損傷の疾病状態において有用であるバソプレッシン受容体拮抗薬である。
【0011】
本発明はまた、製薬学的に許容可能な担体および上記の式Iの化合物のいずれかを含んでなる製薬学的組成物、並びに1種もしくはそれ以上の式Iの化合物および製薬学的に許容可能な担体を混合することにより製造される製薬学的組成物も特徴とする。
【0012】
本発明はまた、上記の化合物のいずれかおよび製薬学的に許容可能な担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物の製造方法も特徴とする。
【0013】
本発明はさらに、本発明の化合物または組成物の使用方法も提供する。例えば、本発明の一つの態様は処置を必要とする罹患体に治療的に有効な量の開示された化合物または開示された製薬学的組成物のいずれかを投与することを含んでなるバソプレッシン受容体活性に関係する症状、例えばバソプレッシン拮抗作用により媒介される症状、を罹患体において処置する方法である。
【0014】
本発明の別の態様は罹患体に予防的に有効な服用量の式Iの化合物の製薬学的組成物を投与することを含んでなる罹患体におけるバソプレッシン受容体活性に関係する症状の開始または進行を抑制する方法である。
【0015】
本発明の他の態様および特徴は以下の詳細な記述、実施例、および添付された特許請求の範囲に開示されている。
【0016】
発明の詳細な記述
本発明はバソプレッシン受容体の拮抗薬として有用である非ペプチド置換されたスピロヘテロベンズアゼピン化合物を提供する。特に、これらの置換されたスピロヘテロベンズアゼピン化合物はV−1aおよび/またはV−2受容体、そして好ましくはV−1aおよびV−2受容体、に対するバソプレッシンの結合を阻害する。本発明の化合物はまた、それらがそれぞれヒトV−1aおよびV−2受容体を発現するトランスフェクトされたHEK−293細胞内のアルギニンバソプレッシン(AVP)により誘発される細胞内カルシウム流動およびcAMP集積を阻害する能力による機能活性も示す。
【0017】
本発明の非ペプチド置換されたスピロヘテロベンズアゼピン化合物はバソプレッシン受容体拮抗薬である。好ましい態様では、化合物は経口的に活性である。別の好ましい態様では、化合物はV−1aおよびV−2に対するバソプレッシン結合を遮断する能力を有す
る。下記の薬理学的試験の結果により示されるように、化合物は組み換えV−1aおよび/またはV−2に対するバソプレッシン結合を遮断する能力を示し、そしてその結果として例えば攻撃性、強迫疾患、高血圧症、月経困難症、低ナトリウム血症、鬱血性心不全、心臓機能不全、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎不全、浮腫、虚血、発作、血栓症、水鬱滞、ネフローゼ症候群、不安症および中枢神経損傷の如き状態に対する治療薬または予防薬として有用である。
【0018】
用語
以下の用語は以下でそして本願の開示にわたるそれらの使用により定義される。
【0019】
「アルキル」は、直鎖状もしくは分枝鎖状であることができそして連鎖に約1〜約20個の炭素原子を含んでなる脂肪族炭化水素を包含する。好ましいアルキル基は連鎖に約1〜約12個の炭素原子を含有する。より好ましいアルキル基は連鎖に約1〜約6個の炭素原子を含有する。分枝鎖は、1個もしくはそれ以上の低級アルキル基、例えばメチル、エチルまたはプロピル、が線状アルキル連鎖に結合されていることを意味する。「低級アルキル」は直鎖状もしくは分枝鎖状でありうる連鎖に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。アルキル基の非−限定例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、オクチル、フルオロメチル、およびトリフルオロメチルを包含する。例えば、Cアルキルはn−ブチル、イソブチル、およびt−ブチルを包含するが、それらに限定されない。ある態様では、アルキルは1〜5個の、好ましくは1〜3個の、オキソ、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、シクロアルキル、ニトロ、ヒドロキシル、およびハロ(F、Cl、Br、またはI)を包含するがそれらに限定されない基で独立して置換される。
【0020】
「アルコキシ」は、アルキル基を分子の残部に結合させる末端酸素結合を有する直鎖状、分枝鎖状、または環式のアルキル基を包含する。アルコキシはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシなどを包含する。「アミノアルキル」、「チオアルキル」、および「スルホニルアルキル」は、アルコキシの末端酸素をそれぞれNH(またはNR)、S、SOおよびSOで置換するアルコキシと同様である。ある態様では、アルコキシ、アミノアルキル、チオアルキル、およびスルホニルアルキルは1〜5個の、好ましくは1〜3個の、オキソ、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、シクロアルキル、ニトロ、ヒドロキシル、およびハロ(F、Cl、Br、またはI)を包含するがそれらに限定されない基で独立して置換される。
【0021】
ここで使用される「アリール」または「Ar」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるいずれかでも、芳香族基、例えばフェニルおよびナフチル、を包含する。Arまたはアリール基が置換されている時には、それは1〜3個のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、アラルコキシ、置換されたC−Cアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、弗素化されたC−Cアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、場合により置換されていてもよいアミノ、カルボキシル、アルキルカルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C−Cアルキルアミノ(すなわち、−NH−C−Cアルキル)、C−Cジアルキルアミノ(すなわち、アルキル基が同一もしくは相異なりうる−N−[C−Cアルキル])、−O(CO)O−アルキル、場合によりアルキルもしくはアルキルカルボニルで置換されていてもよい−O−ヘテロシクリル(すなわち、
【0022】
【化2】

【0023】
)、場合によりアルキル、置換されたアルキル、アルデヒド、アルキルカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシル、およびアルコキシカルボニルから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール(すなわち、
【0024】
【化3】

【0025】
)、並びに未置換であるか、フェニル上の置換基がアリール、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、置換されたC−Cアルキル、弗素化されたC−Cアルコキシ、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルカルボキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノおよびヘテロアリールから独立して選択されるようなモノ−、ジ−もしくはトリ−置換されたフェニルから独立して選択される置換基を有することができる。「Ph」または「PH」はフェニルを示す。
【0026】
「シクロアルキル」は約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子、を含んでなる非−芳香族性の単−または多環式環系を包含する。好ましいシクロアルキル環は約5〜約7個の環原子を含有する。適する単環式シクロアルキル類の非−限定例はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを包含する。適する多環式シクロアルキル類の非−限定例は1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどを包含する。
【0027】
「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード、そして好ましくはフルオロまたはクロロ、を包含する。1個もしくはそれ以上のハロ原子を有するアルキル基上の置換基として、ハロはモノ−、ジ−、およびトリ−置換された基、例えばトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシ、またはフルオロメチルチオを提供しうる。
【0028】
「ヘテロアリール」は、環原子の1個もしくはそれ以上が単独のもしくは組み合わされた炭素以外の元素、例えば窒素、酸素もしくは硫黄、である約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子、を含んでなる安定な芳香族性の単環式または多環式環系を表す。好ましくは、ヘテロアリール類は1〜3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含有する。好ましいヘテロアリール類は約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロアリール基は安定構造の作成をもたらすいずれかのヘテロ原子または炭素原子に結合されうる。ヘテロアリール基の例はピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾピラゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリルまたはキノリニルを包含するが、それらに限定されない。好ましいヘテロアリール基はピリジニル、チオフェニル、フラニルおよびキノリニルを包含する。ヘテロアリール基が置換されている時には、ヘテロアリール基は1〜3個のC−Cアルキル、置換されたC−Cアルキル、ハロゲン、アルデヒド、アルキルカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、カルボキシル、アルキルカルボキシル、およびヒドロキシから独立して選択される置換基を有することができる。
【0029】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は炭素原子並びに1〜3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子よりなる3−〜8−員の飽和もしくは部分的飽和の単一または縮合環系である。ヘテロシクリル基は安定構造の作成をもたらすいずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合されうる。ヘテロシクリル基の例はピリジン、ピリミジン、オキサゾリン、ピロール、イミダゾール、モルホリン、フラン、インドール、ベンゾフラン、ピラゾール、ピロリジン、ピペリジン、およびベンズイミダゾールを包含するが、それらに限定されない。「ヘテロシクリル」または「複素環」は1個もしくはそれ以上のH、ハロゲン、オキソ、OH、アルキル、置換されたアルキル、アミノ、ヘテロアリール、アルデヒド、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシル、およびアルコキシを包含するがそれらに限定されない独立している基で置換されうる。
【0030】
「アリールアルキル」または「アラルキル」はアリールおよびアルキルが以上で記載された通りであるアリール−アルキル基を包含する。好ましいアラルキル類はC1−6アルキル基を含んでなる。適するアラルキル基の非−限定例はベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルを包含する。
【0031】
「アラルコキシ」はアリール基で置換されたアルコキシ基(例えば、ベンジルオキシ)を包含する。
【0032】
ここで使用される「アシル」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるいずれでも、有機酸からヒドロキシル基の除去により誘導される1〜6個の炭素原子(分枝鎖状または直鎖状)を有する有機基を意味する。
【0033】
ここで使用される「Ac」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるいずれでも、アセチルを意味する。
【0034】
用語「置換されたアミノ」はアルキル、置換されたアルキル、アリールから選択される少なくとも1員による該基の置換を示す。
【0035】
用語「アルキル」、「アシル」、もしくは「アリール」またはそれらの接頭語のいずれかが置換基の名称(例えば、アラルキル、ジアルキルアミノ)に出てくる時には常に、それは「アルキル」、「アシル」、および「アリール」に関して以上で示されたこれらの制限を包含すると解釈されるであろう。炭素原子の指示数(例えば、C−C)はアルキルもしくはシクロアルキル部分中の炭素原子数またはアルキルがその接頭語として出てくるそれより大きい置換基のアルキル部分を独立してさす。
【0036】
「製薬学的に許容可能な塩類、エステル類、およびアミド類」は、適切な利点/危険性比の中にあり、薬理学的に有効でありそして過度の毒性、刺激、またはアレルギー応答なく罹患体の組織との接触に適するカルボン酸塩類、アミノ酸付加塩類、エステル類、およびアミド類を包含する。これらの塩類、エステル類、およびアミド類は、例えば、C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール、C2−10ヘテロアリール、またはC2−10非−芳香族性複素環式の塩類、エステル類、およびアミド類でありうる。本発明の代表的な製薬学的に許容可能なエステル類はC1−7アルキル、C5−7シクロアルキル、フェニル、およびフェニル(C1−6)アルキルエステル類を包含する。好ましいエステル類はメチルおよびエチルエステル類を包含する。他の例はC1−6アルキル、C1−5アルキル、C1−4アルキル、またはC1−3アルキルエステル類を包含する。代表的な塩類は臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、
硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、ボロン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシラート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、ナフチレート、メシラート、グルコヘプトネート、ラクチオビオン酸塩、メタンスルホン酸塩、パルモエート、サリチル酸塩、サッカリン酸塩およびラウリルスルホン酸塩を包含する。これらはアルカリ金属およびアルカリ土類カチオン類、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム、亜鉛、並びに無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、並びにアミンカチオン類、例えばテトラメチルアンモニウム、メチルアミン、トリメチルアミン、およびエチルアミン、を包含しうる。例えば、引用することにより本発明の内容となるS.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977,66:1−19;“Handbook of Pharmaceutical Salts−Properties,Selection,and
Use”P.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth−Eds.Wiley−VCH Publishers,Zurich,Switzerlandを参照のこと。
【0037】
本発明の代表的な製薬学的に許容可能なアミド類は、アンモニア、第一級C1−6アルキルアミン類および第二級ジ(C1−6アルキル)アミン類から誘導されるものを包含する。ジアルキルアミド類は独立して選択されうる2個のアルキル基を有する(例えば、メチルプロピルアミド)。第二級アミン類は少なくとも1個の窒素原子および場合により1〜2個の間の追加のヘテロ原子を含有するモルホニルのような、5−もしくは6−員の複素環式またはヘテロ芳香族環部分を包含する。好ましいアミド類はアンモニア、C1−3アルキル第一級アミン類、およびジ(C1−2アルキル)アミン類から誘導される。
【0038】
「罹患体」または「被験体」は関連疾病または症状と関係する観察、実験、処置または予防を必要とする哺乳動物、例えば人間および動物(犬、猫、馬、ラット、ウサギ、マウス、非−人間霊長類)を包含する。好ましくは、罹患体または被験体は人間である。
【0039】
「組成物」は特定量の特定成分を含んでなる生成物並びに特定量の特定成分の組み合わせから生ずるいずれかの生成物を包含する。
【0040】
「治療的に有効な量」もしくは「有効な量」(または「予防的に有効な量」)は、処置される症状または疾患の徴候の緩和(或いは予防、または開始の遅延もしくは抑制)を包含する研究者、獣医師、医師または他の臨床士により求められる組織系統、動物または人間における生物学的または医学的応答を引き出す活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0041】
化合物に関する用語「精製された」または「精製された形態」は、ここに記載されているかもしくは当業者に既知である標準的な分析技術により同定可能である充分な純度の、精製方法またはここに記載されているかもしくは当業者に既知である方法から得られた後の該化合物の物理的状態をさす。
【0042】
「予防的に有効な量」は、処置される症状または疾患の徴候の予防、または開始の遅延もしくは抑制を包含する研究者、獣医師、医師または他の臨床士により求められる組織系統、動物または人間における生物学的または医学的応答を引き出す活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0043】
断らない限り、化合物内の部分(非−限定例は置換基、基または環を包含する)の数に関すると、句「1個もしくはそれ以上の」または「少なくとも1個の」は化学的に許容されるできるだけ多くの部分が可能であることを意味し、そしてそのような部分の最大数の決定は当業者の知識内である。好ましくは、1〜3個の置換基、またはより好ましくは、
1〜2個の置換基があり、少なくとも1個はパラ位置である。
【0044】
ここで使用される用語「組成物」は、特定量の特定成分を含んでなる生成物、並びに特定量の特定成分の組み合わせから、直接的にまたは間接的に、生ずる生成物を包括することが意図される。
【0045】
結合としての直線─────は、(R)−および(S)−立体化学性を含有する、非−限定例が包含する可能な異性体の混合物またはいずれかを一般的に示す。例えば、
【0046】
【化4】

【0047】
の両者を含有することを意味する。
【0048】
点線(−−−−−−−−−)は場合により存在する結合を表す。
【0049】
環系内に引かれている線、例えば:
【0050】
【化5】

【0051】
は示された線(結合)が置換可能な環原子のいずれかに結合されうることを示し、非限定例は炭素、窒素および硫黄環原子を包含する。
【0052】
当該技術で既知であるように、結合の末端に部分が示されていない特定原子から引かれている結合は、断らない限り、原子に結合されるものを通して結合されるメチル基を示す。例えば、
【0053】
【化6】

【0054】
を表す。
【0055】
ここにある文章、スキーム、例、構造式、およびいずれかの表の中の満たされていない原子価を有するいずれかの炭素またはヘテロ原子は原子価を満たすための1個もしくは複数の水素原子を有すると想定されることに注意すべきである。
【0056】
本発明の化合物のプロドラッグ類および溶媒和物もここで予想される。用語「プロドラ
ッグ」は、ここで使用される際には、被験体への投与時に代謝または化学工程による化学的転換を受けて式Iの化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生成する化合物を示す。プロドラッグの論議はT.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs ad Novel Delivery Systems(1987)Volume 14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roched,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに示されており、両者とも引用することにより本発明の内容となる。
【0057】
本発明に従う化合物が少なくとも1個のステレオジェン中心を有する場合には、それらは従ってエナンチオマー類として存在しうる。化合物が2個もしくはそれ以上のステレオジェン中心を有する場合には、それらはさらにジアステレオマー類として存在しうる。全てのそのような異性体およびそれらの混合物が本発明の範囲内に包括されることを理解すべきである。
【0058】
1つの態様では、本発明は構造式Iにより表示される化合物またはそれらの製薬学的に許容可能な塩類、アミド類、エステル類、水和物、溶媒和物、ラセミ混合物、ジアステレオマー類およびエナンチオマーを開示し、ここで種々の部分は以下に記載された通りである。
【0059】
式Iのある態様では、Rはメチル、エチル、ベンジル、シクロペンチル、−CH−シクロアルキル、−CH−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)CH−N(CH、−C(O)(CH−ヘテロシクリルまたは-C(O)−CH−C(O)ORである。
【0060】
式Iのある態様では、Rは−CH−シクロプロピルである。
【0061】
式Iのある態様では、mは1または2である。
【0062】
式Iのある態様では、Rは−C(O)(CH−ヘテロシクリルでありそして以下の例により表わされる:
【0063】
【化7】

【0064】
式Iのある態様では、RはH、フェニル、−CH、−OCH、FまたはClである。
【0065】
式Iのある態様では、Rはフェニルである。
【0066】
式Iのある態様では、RはフェニルでありそしてRはHである。
【0067】
式Iのある態様では、nは1である。
【0068】
式Iのある態様では、Rはフェニルであり、nは1であり、そしてRはHである。
【0069】
式Iのある態様では、RはFである。
【0070】
式Iのある態様では、ZはCHである。
【0071】
式Iのある態様では、ZはNである。
【0072】
式Iのある態様では、VはH、−CH、−OCH、FまたはClである。
【0073】
式Iのある態様では、VはHである。
【0074】
式Iのある態様では、Xは−CHである。
【0075】
式Iのある態様では、R部分は同一もしくは相異なることができ、各々はH、C1−6アルキル、またはC3−5シクロアルキルよりなる群から独立して選択される。
【0076】
式Iのある態様では、R部分は同一もしくは相異なることができ、各々はHまたは−CHよりなる群から独立して選択される。
【0077】
式Iのある態様では、Rは−CHである。
【0078】
式Iのある態様では、化合物は
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−エチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−イソプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピルメチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,メチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−アセチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(N’,N’−ジメチルアミノエタノン−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−5−フルオロ−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(フェニルメチル)スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロスピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}ピリジル]−5−フルオロ、および
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
よりなる群から選択される。
【0079】
式Iの別の態様では、V1a選択的化合物はベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]である。
【0080】
式Iのさらに別の態様では、化合物は
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}
フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メトキシ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]、および
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
よりなる群から選択される。
【0081】
式Iのさらに別の態様では、化合物は
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、および
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
から選択される。
【0082】
本発明の別の面では、式Iに従う化合物は精製された形態でありうる。
【0083】
1つの態様では、本発明は少なくとも1種の式Iの化合物を少なくとも1種の製薬学的に許容可能な担体または賦形剤と組み合わせて含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0084】
別の態様では、本発明は
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−エチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−イソプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピルメチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,メチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−アセチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(N’,N’−ジメチルアミノエタノン−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロスピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−、
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(フェニルメチル)−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−、
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メトキシ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]、および
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
から選択される少なくとも1種の化合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0085】
別の態様では、本発明はバソプレッシンにより媒介される疾病または症状を処置する方法であって、該方法がそのような処置を必要とする罹患体に治療的に有効な量の少なくとも1種の式Iの化合物を含んでなる組成物を投与する段階を含んでなる方法を提供する。
【0086】
さらに別の態様では、本発明はバソプレッシンにより媒介される疾病をバソプレッシン受容体により処置する方法であって、該方法がそのような処置を必要とする罹患体に治療的に有効な量のバソプレッシン拮抗薬を含んでなる組成物を投与する段階を含んでなる方法を提供する。
【0087】
さらに別の態様では、本発明はバソプレッシンにより媒介される疾病をバソプレッシン受容体により処置する方法であって、該方法がそのような処置を必要とする罹患体に治療的に有効な量のバソプレッシン1a(V1a)、もしくはバソプレッシン2(V)拮抗薬、またはV1aおよびVの両方の拮抗薬を含んでなる組成物を投与する段階を含んでなる方法を提供する。
【0088】
1つの態様では、本発明は処置を必要とする罹患体におけるバソプレッシン受容体活性と関係する疾病もしくは症状の開始または進行を抑制する方法であって、この方法が罹患体に予防的に有効な服用量の少なくとも1種の式Iに従う化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0089】
1つの態様では、本発明は処置を必要とする罹患体におけるバソプレッシン受容体活性と関係する疾病もしくは症状の開始または進行を抑制する方法であって、この方法が罹患体に予防的に有効な服用量の少なくとも1種の式Iに従うバソプレッシン拮抗薬である化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0090】
本発明の別の態様では、バソプレッシン拮抗薬はバソプレッシン1a(V1a)、もしくはバソプレッシン2(V)拮抗薬、またはV1aおよびVの両方の拮抗薬を含んでなる。
【0091】
1つの態様では、本発明は内耳疾患、高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎臓機能不全、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、低ナトリウム血症、脳浮腫、脳虚血、発作、血栓症、水鬱滞、攻撃性、強迫疾患、月経困難症、ネフローゼ症候群、不安症および中枢神経損傷から選択される症状を処置を必要とする被験体において処置する方法であって、そのような方法が被験体に治療的に有効な量の上記の化合物または製薬学的組成物のいずれかを投与することを含んでなる方法を提供する。好ましくは、疾病症状は高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、腎臓機能不全、および低ナトリウム血症である。好ましくは、これらの症状のいずれかを処置するために投与される治療的に有効な量の化合物は1日当たり約0.05〜1gである。
【0092】
別の態様では疾病または症状は鬱血性心不全または心臓機能不全である。
【0093】
さらに別の態様では疾病または症状は低ナトリウム血症である。
【0094】
さらに別の態様では疾病または症状は高血圧症である。
【0095】
他の態様では疾病または症状は発作である。
【0096】
別の態様では疾病または症状は腎不全である。
【0097】
別の態様では疾病または症状は腎臓機能不全である。
【0098】
1つの態様では本発明は式Iに従う化合物のいずれかおよび製薬学的に許容可能な担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物の製造方法を提供する。
【0099】
関連化合物
本発明は開示された化合物および開示された化合物の類似関連している製薬学的に許容可能な形態、例えばそれらの塩類、エステル類、アミド類、酸類、水和物または溶媒和形態;遮蔽もしくは保護された形態;およびラセミ混合物、またはエナンチオマー的もしくは光学的純粋形態を提供する。関連化合物はまた、陽電子放射断層撮影法(PET)または単一−光子放射コンピューター断層撮影法(SPECT)におけるプローブとしての使用のための検出可能式に変更された、例えば18Fで同位体標識付けされた、本発明の化合物も包含する。
【0100】
本発明はまた、保護基により遮蔽された1個もしくはそれ以上の官能基(例えば、ヒドロキシル、アミノ、またはカルボキシル)を有する開示された化合物も包含する。例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.,(1999)John Wiley & Sons,NYを参照のこと。これらの遮蔽または保護された化合物のあるものは製薬学的に許容可能であり、他のものは中間体として有用であろう。ここに開示された合成中間体および方法、並びにそれらの小さい変更も本発明の範囲内である。
【0101】
アミノ保護基
アミノ基のための保護はカルバミン酸エステル類、アミド類、および特定の-NH保護基を包含するが、それらに限定されない。
カルバミン酸エステル類の例はカルバミン酸メチルおよびエチル類、置換されたカルバミン酸エチル類、アシステド(assisted)劈開カルバミン酸エステル類、光分解性劈開カルバミン酸エステル類、ウレア−タイプ誘導体、およびミセラ性カルバミン酸エステル類を包含するが、それらに限定されない。
【0102】
カルバミン酸エステル類
カルバミン酸メチルおよびエチル類の例はメチルおよびエチル、9−フルオレニルメチル、並びに4−メトキシフェナシルを包含するが、それらに限定されない。
【0103】
置換されたエチル
置換されたカルバミン酸エチル類の例は2,2,2−トリクロロエチル、2−フェニルエチル、t−ブチル、ビニル、アリル、1−イソプロピルアリル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジルおよびジフェニルメチルを包含するが、それらに限定されない。
【0104】
光分解性劈開
光分解性劈開の例はm−ニトロフェニル、3,5−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル、およびフェニル(o−ニトロフェニル)メチルを包含するが、それらに限定されない。
【0105】
アミド類
アミド類の例はN−ホルミル、N−アセチル、N−トリクロロアセチル、N−トリフルオロアセチル、N−フェニルアセチル、N−3−フェニルプロピオニル、N−ピコリノイル、N−3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイル、N−p−フェニルベンゾイル、およびフタロイルを包含するが、それらに限定されない。
【0106】
C.合成方法
本発明は伝統的な有機合成方法並びにマトリックスまたは組み合わせ合成方法に従う開示された化合物の製造方法を提供する。スキーム1−4は勧められる合成経路を記載する。これらのスキーム、以下の指針、および実施例を用いて、当業者は発明内にある特定化合物に関して同類のまたは同様な方法を開発しうる。合成に関する一般的な指針は次の章に示されており、詳細な実験プロトコルを有する特定の実施例は章E実施例に示されている。背景情報は2002年1月10日に公開されそして引用することにより本発明の内容となる国際公開第02/02531A1号に見出すことができる。
【0107】
当業者は本発明の化合物の合成をここに開示されたスキームのいずれかの記載された中間体または保護された中間体化合物を購入することにより簡素化できることを認識するであろう。当業者は本発明における化合物の製造方法のいずれかの間に当該分子のいずれかの上にある敏感性または反応性の基を保護することが要求および/または所望されうることをさらに認識するであろう。これは普遍的な保護基、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,1999に記載されたもの、により達成されうる。これらの保護基は簡便な段階において当該技術から既知である方法を用いて除去できる。PおよびPは以上で例示された保護基である。記載されている合成経路の例はスキーム1〜4および合成実施例1〜44を包含する。スキームおよび実施例を通して置換基R、R、R、およびVは以上に記載されそして定義された通りである。これらの実施例の標記化合物と同様な化合物は同様な方法に従い製造することができ、そして多くの場合にはすでに製造されていた。開示されている化合物は次の章に記載されているように基礎研究においてそして薬剤として有用である。化合物I(CAS54620−98−3)の製剤はG.R.Proctor et alによりJournal of the Chemical Society(C),1970,1126−1128;J.Chem.Soc.Perkin Trans 1 1972,14,1803−1808に記載されていた。
【0108】
【化8】

【0109】
本発明の化合物はスキーム1に示された化学反応により製造できる。一般式Iの化合物は文献に記載されている方法により合成することができ、次に例えばジメチルホルムアミドの如き溶媒中での周囲温度および還流温度の間の温度における例えばN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドの如き適当に保護されたアルキル化剤および例えば炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムの如き塩基を用いる処理によりアルキル化して一般式IIの化合物を与えることができる。一般式IIの化合物内のカルボニル基を適当な条件下で0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度におけるトリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸並びに例えばボロントリフルオリドエーテレートの如きルイス酸を用いる処理により対応する一般式IIIのアルキル化合物に還元することができる。一般式IIIの化合物を例えばメタノールまたはエタノールの如きアルコール性溶媒中でヒドラジンと共に暖めると、分子内環化を受けて一般式IVの化合物を与える。
【0110】
【化9】

【0111】
一般式Vの化合物をスキーム2に記載された方法により一般式Xの化合物に転化することができる。例えば、一般式Vの化合物内のアミド基を例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテルの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば水素化アルミニウムリチウムの如き還元剤を用いる処理により、対応する一般式VIのアミンに還元することができる。一般式VIの化合物を例えばジメチルホルムアミドの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピルまたはヨウ化シクロペンチルの如きアルキル化剤および例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの如き有機塩基を用いる処理によりアルキル化して一般式VIIの化合物を与えることができる。一般式VIIの化合物を例えばメタノールまたはエタノールの如きアルコール性溶媒中での周囲温度〜70℃の範囲にわたる温度における、例えば、マグネシウム片を用いる処理により脱保護して一般式VIIIの化合物を与えることができる。一般式VIIIの化合物を例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば塩化4−ニトロベンゾイルの如き適当に置換されたハロゲン化ベンゾイルおよび例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの如き有機塩基を用いる処理でアシル化することができる。ニトロ基を例えば酢酸エチル、メタノールまたはエタノールの如き溶媒、例えば炭素上パラジウムの如き触媒および1〜20気圧における水素気体の中での周囲温度〜60℃の範囲にわたる温度における接触水素化の如き適当な条件下で一般式IXの対応するアミンに還元することができる。一般式IXのアミンを例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば塩化2−クロロ−5−フルオロベンゾイルの如き適当に置換されたハロゲン化ベンゾイルおよび例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの如き有機塩基を用いる処理により対応する一般式Xのアミドに転化することができる。
【0112】
【化10】

【0113】
一般式XIの化合物をスキーム3に記載されている方法により一般式XVIIの化合物に転化することができる。一般式XIの化合物を例えばDMFの如き溶媒中での周囲温度〜70℃の範囲にわたる温度における、例えば、臭化ベンゾイルおよび例えば水素化ナトリウムまたは水素化カリウムの如き塩基を用いる処理により保護して一般式XIIの化合物にすることができる。一般式XIIの化合物を一般式XIIIの化合物に転化することができ、そこでは保護基の除去並びにカルボニル基の還元の両方を例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における水素化アルミニウムリチウムを用いる処理により実施できる。一般式XIIIのアミンを例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば塩化4−[(ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−ベンゾイルの如き適当に置換されたハロゲン化ベンゾイルおよび例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの如き有機塩基を用いる処理により対応する一般式XIVのアミドに転化する。一般式XIVの化合物を例えば酢酸エチル、メタノールまたはエタノールの如き溶媒、例えば炭素上パラジウムの如き触媒および1〜20気圧における水素気体の中での周囲温度〜60℃の範囲にわたる温度における接触水素化の如き条件下で脱保護して一般式XVの化合物にすることができる。一般式XVの化合物を例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピル、ヨウ化シクロプロピルメチルまたはヨウ化シクロペンチルの如きアルキル化剤および例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの如き有機塩基を用いる処理により、例えば、一般式XVIの化合物に転化することができる。
【0114】
【化11】

【0115】
一般式Iの化合物をスキーム4に記載されている方法により一般式XXVIの化合物に転化することができる。一般式Iの化合物を例えばジメチルホルムアミドの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば4−ブロモ酪酸エチルの如き適当に保護されたアルキル化剤および例えば炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムの如き塩基を用いる処理により一般式XVIIの化合物に転化することができる。一般式XVIIの化合
物を例えばジクロロメタンまたはジクロロエタンの如きハロゲン化された溶媒中での5℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば三フッ化ホウ素エーテレートおよびトリエチルシランの如きルイス酸を用いる処理により一般式XVIIIの化合物に転化することができる。一般式XVIIIの化合物を例えばトルエンまたはキシレンの如き非−極性溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えばカリウムtert−ブトキシドの如き塩基を用いる処理により一般式XIXの化合物に転化することができる。一般式XIXの化合物を例えばエタノールまたはイソプロパノールの如きアルコール性溶媒中での周囲温度〜還流温度の範囲にわたる温度における氷酢酸および6N塩酸を用いる処理により一般式XXの化合物に転化することができる。一般式XXの化合物を例えばエタノールの如きアルコール性溶媒中での周囲温度〜還流温度の範囲にわたる温度におけるヒドロキシルアミン塩酸塩を用いる処理により一般式XXIの化合物に転化することができる。一般式XXIの化合物を例えばピリジンの如き溶媒中での周囲温度〜65℃の範囲にわたる温度におけるジメチルアミノピリジンおよび塩化p−トルエンスルホニルを用いる処理により一般式XXIIの化合物に転化することができる。一般式XXIIの化合物を例えばテトラヒドロフランの如き溶媒中での周囲温度〜還流温度の範囲にわたる温度における例えばボラン−硫化メチルの如き還元剤を用いる処理により一般式XXIIIの化合物に転化することができる。一般式XXIIIの化合物を例えばメタノールまたはエタノールの如きアルコール性溶媒中での周囲温度〜還流温度の範囲にわたる温度におけるホルムアルデヒド、蟻酸を用いる処理により一般式XXIVの化合物に転化することができる。一般式XXIVの化合物を例えばメタノール、エタノールの如きアルコール性溶媒中での周囲温度〜還流温度の範囲にわたる温度におけるマグネシウム片を用いる処理により一般式XXVの化合物に転化することができる。一般式XXVの化合物を例えばトリエチルアミンの如き塩基の存在下における例えばジメチルホルムアミドの如き溶媒中での0℃〜周囲温度の範囲にわたる温度における例えば塩化4−[(ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−ベンゾイルの如き適当に置換されたハロゲン化ベンゾイルを用いる処理により一般式XVIの化合物に転化することができる。
【0116】
D.使用および調合物
式Iの化合物は例えば内耳疾患、高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、低ナトリウム血症、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎臓機能不全、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、脳浮腫および脳虚血、発作、血栓症、水鬱滞、攻撃性、強迫疾患、月経困難症、ネフローゼ症候群、不安症並びに中枢神経損傷の如き症状の処置において有用である。有用性は当該技術で既知である工程、例えば以下の生物学的実施例1−5としてここに記載されているもの、に従い検討できる。本発明は従って以上で開示された症状のいずれかをそれを必要とする被験体において処置する方法を提供し、その方法は式Iの化合物を製薬学的に有効な量で投与することを含んでなる。化合物は罹患体に静脈内、経口、皮下、筋肉内、皮内および非経口を包含するがそれらに限定されないいずれかの普遍的な投与経路により投与することができる。
【0117】
本発明はまた、1種もしくはそれ以上の、例えば2種、3種または4種の、本発明の化合物を製薬学的に許容可能な担体と組み合わせて含んでなる製薬学的組成物も提供する。
【0118】
本発明の製薬学的組成物を製造するためには、活性成分としての1種もしくはそれ以上の式Iの化合物または、例えば、その塩を普遍的な製薬学的混和技術に従い製薬学的担体と密に混合する。担体の形態は投与、例えば、経口、または非経口、例えば筋肉内、のタイプに依存する。経口薬用量形態の組成物を製造する際には、一般的な製薬学的媒体のいずれでも使用できる。それ故、例えば懸濁剤、エリキシル剤および液剤の如き液体の経口調剤用に適する担体および添加剤は水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、着色剤などを包含し;例えば粉剤、カプセル剤、カプレット剤、ゲルキャップ剤および錠剤の如き固体の経口調剤用に適する担体および添加剤は澱粉類、糖類、希釈剤、造
粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを包含する。投与におけるそれらの容易さのために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口薬用量形態であり、その場合には固体の製薬学的担体が一般的に使用される。所望するなら、錠剤を標準的技術により糖コーティングまたは腸皮コーティングすることができる。非経口用には、担体は普通は殺菌水を含んでなるが、例えば、溶解補助の目的のためまたは防腐用に他の成分を含むことができる。注射懸濁剤を製造することもでき、その場合には適当な担体、懸濁化剤などを使用することができる。製薬学的組成物はここでは1薬用量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、注射剤、小匙1杯分など、当たり上記のような有効服用量を分配するのに必要な量の活性成分を含有するであろう。製薬学的組成物はここでは1薬用量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、注射剤、坐剤、小匙1杯分など、当たり約0.1mg〜1gの活性成分を含有するであろう。非限定例は0.2mg、0.5mg、0.75mg、1mg、1.2mg、1.5mg、2mg、3mg、5mg、7mg、10mg、25mg、50mg、100mg、250mg、および500mgの薬用量を包含する。しかしながら、薬用量は罹患体の要望、処置する症状の重篤度および使用する化合物に応じて変動しうる。毎日投与または周期後投薬のいずれかの使用を用いることができる。
【0119】
好ましくは、これらの組成物は単位薬用量形態、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、殺菌性非経口液剤もしくは懸濁剤、計量エーロゾルもしくは液体スプレー剤、滴下剤、アンプル剤、自動射出装置または坐剤;経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与用、または吸入もしくは通気による投与用、である。或いは、組成物は1週間に1回または1月に1回の投与に適する形態をとることもでき、例えば、活性化合物の不溶性塩、例えばデカン酸塩、を適用して筋肉内注射用のデポ製剤を与えることができる。例えば錠剤の如き固体組成物用には、主要活性成分を製薬学的担体、例えば普遍的な錠剤製造成分、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸二カルシウムまたはゴム類、および他の製薬学的希釈剤、例えば水、と混合して本発明の化合物またはその製薬学的に許容可能な塩の均質混合物を含有する固体の予備調剤組成物を形成する。これらの予備調合組成物を均質であると称する時には、活性成分が組成物全体にわたり均一に分散されているため組成物を例えば錠剤、丸剤およびカプセル剤の如き同等に有効な薬用量形態に容易に細分できることを意味する。この固体の予備調合組成物を次に0.1〜約1000mgまたはそれ以上の本発明の活性成分を含有する上記タイプの単位薬用量形態に細分する。開示されている組成物の錠剤または丸剤をコーティングするかまたは他の方法で混和して長期作用の利点を与える薬用量形態を与えることができる。例えば、錠剤または丸剤は内側薬用量および外側薬用量成分を含んでなることができ、後者は前者の包装の形態である。2つの成分は腸皮層により離されており、それは胃の中の崩壊に耐えそして内側成分は十二指腸の中を無傷で通過するかもしくは放出の遅延を可能にする。種々の物質をそのような腸皮層またはコーティング用に使用することができ、そのような物質は多くの重合体状の酸類、例えばセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースの如き物質、を包含する。
【0120】
経口的または注射による投与用に本発明の新規な組成物を導入しうる液体形態は、水性液剤、適当な香料入りシロップ剤、水性または油性懸濁剤、および例えば綿実油、ゴマ油、ココナッツ油またはピーナッツ油の如き食用油を含む香料入り乳剤、並びにエリキシル剤および同様な製薬学的賦形剤を包含する。水性懸濁剤に適する分散化または懸濁化剤は、合成および天然ゴム類、例えばトラガカント、アカシア、アルギネート、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンを包含する。
【0121】
本発明に従う化合物の製造方法が立体異性体の混合物を与える場合には、これらの異性体を例えば分取クロマトグラフィーの如き普遍的な技術により分離できる。化合物はラセミ形態で製造することができ、または個々のエナンチオマー類をエナンチオ特異的もしく
はエナンチオ選択的合成によりまたは分解により製造することができる。化合物を、例えば、塩生成によるジアステレオマー対の生成の如き標準的技術によりそれらの成分であるエナンチオマー類に分解することができる。化合物をジアステレオマー性エステル類またはアミド類の生成、その後のクロマトグラフィー分離およびキラル助剤の除去により分解することもできる。或いは、化合物をキラルHPLCカラムを用いて分解することもできる。
【0122】
有利には、本発明の化合物は単一の1日服用量で投与でき、或いは合計1日薬用量を1日に2、3もしくは4回、1週間に1回、2週間に1回、または1月に1回の分割服用量で投与することもできる。さらに、本発明に関する化合物を鼻内形態で適当な鼻内賦形剤の局部的使用によりまたは当業者に既知である経皮パッチ剤により投与することもできる。経皮分配システムの形態で投与するためには、もちろん、薬用量投与は薬用量処方全体にわたり間欠的であるよりむしろ連続的であろう。
【0123】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与用には、活性薬品成分を経口用の無毒の製薬学的に許容可能な不活性担体、例えばエタノール、グリセロール、水など、と組み合わせることができる。さらに、所望されるかまたは必要な時には、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を混合物に導入することもできる。適する結合剤は澱粉、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成ゴム類、例えばアカシア、トラガカントまたはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを包含するが、限定されない。崩壊剤は澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを包含するが、限定されない。
【0124】
液体形態は適当な香料入りの懸濁化または分散化剤、例えば合成および天然ゴム類、例えば、トラガカント、アカシア、メチル−セルロースなど、でありうる。非経口投与用には、殺菌性懸濁剤および液剤が望ましい。静脈内投与が望まれる時には一般的に適当な防腐剤を含有する等張性調剤が使用される。
【0125】
本発明の化合物はリポソーム分配システム、例えば小さい単層胞、大きい単層胞、および多層胞、の形態で投与することもできる。リポソーム類は種々の燐脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン、から形成できる。
【0126】
本発明の化合物は化合物分子が結合されるモノクローン抗体の使用によっても分配されうる。本発明の化合物は標的可能な薬品担体としての可溶性重合体とも結合されうる。そのような重合体はポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミドフェノールまたはパルミトイル基で置換されたポリエチルエネオキシドポリリシンを包含しうる。さらに、本発明の化合物を薬品の調節放出において有用な種類の生分解可能重合体、例えば、ポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲル類の架橋結合されたまたは両親媒性ブロック共重合体とも結合されうる。
【0127】
本発明の化合物は前記組成物のいずれかの中でそして当該技術で確立した薬用量処方に従い血管耐性の疾患の処置を必要とする時にはいつでも投与することができる。
【0128】
投与される最適薬用量は当業者により容易に決めることができ、そして使用される特定化合物、投与の方式、調剤の強度、投与の方式、および疾病症状の進行度で変動するであろう。さらに、罹患体の年令、体重、食事および投与時間を包含する処置する特定罹患体に関係する因子が薬用量調節の必要性を生ずるであろう。
【0129】
以下の実施例は本発明を説明することを意図するがそれを限定することは意図しない。
【発明を実施するための形態】
【0130】
E.実施例
【実施例1】
【0131】
4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピル]−5−オキソ−1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(1)
【0132】
【化12】

【0133】
1H−1−ベンズアゼピン−4−カルボン酸,2,3,4,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−5−オキソ−,エチルエステル(6.5g、16.8ミリモル)のDMF(100mL)中溶液に0℃においてN−(3−ブロモプロピル)フタルイミド(5.4g、20ミリモル)を、引き続き炭酸カリウム(4.64g、33.6ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を18時間にわたり室温に温めながら撹拌した。反応混合物を1N HCl上に注ぎそしてエーテル(2x100mL)で抽出した。一緒にしたエチルエーテル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮した。エタノールからの再結晶化が4.5gの1を白色固体(9.64g理論値、47%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.8(m,2H),7.7(m,2H),7.5(m,2H),7.35(m,4H),7.2(m,2H),4.1(q,J=3Hz,2H),3.95−3.90(m,1H),3.65(t,J=4Hz,2H),2.45(m,1H),2.4(s,3H),1.95−1.9(m,1H),1.75(m,1H),1.65(m,1H),1.55−1.45(m,2H),1.05(t,J=4Hz,3H).MS(ES)m/z 597(MNa)
【実施例2】
【0134】
4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピル]−5−オキソ−1−(トルエン−4−スルホニル)2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(2)
【0135】
【化13】

【0136】
フタルイミド1(3.5g、6.1ミリモル)のジクロロメタン(200mL)中溶液に0℃においてトリエチルシラン(2.79g、24ミリモル)を、引き続きトリフルオロメチル酢酸(1.39g、12.2ミリモル)を加えた。その後にBF.EtO(1.28g、9ミリモル)およびMeSOH(0.88g)も加えそして反応混合物を0℃において30分間にわたり撹拌した。反応混合物をさらに1時間にわたり室温に温めながら撹拌した。反応混合物を水の上に注ぎそしてジクロロメタン(2X100mL)で抽出した。一緒にしたジクロロメタン抽出物を飽和NaHCOで洗浄しそして無水硫酸ナトリウム上で乾燥して3gの2を黄色油(3.42g理論値、88%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.9(m,2H),7.75(m,2H),7.6(m,2H),7.35(m,2H),7.15−7.0(m,4H),4.05−4.95(m,2H),3.6(m,2H),2.6(m,1H),2.4(m,1H),2.35(s,3H),2.3−2.2(m,1H),2.7−4(m,5H),1.1(m,3H).MS(ES)m/z 561(MH)
【実施例3】
【0137】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン]−2’−オン,1,2,3
,5−テトラヒドロ−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−(3)
【0138】
【化14】

【0139】
2(1.5g、2.7ミリモル)のメタノール(120mL)中溶液にヒドラジン(200mL)を加えそして生じた反応混合物を75℃において3時間にわたり撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、EtOAc溶離剤)が400mgの3(1.04g理論値、39%収率)を与えた。H NMR(CDCl)δ 7.6(d,J=7Hz,2H),7.45(m,1H),7.35−7.15(m,4H),7.0(m,1H),6.15(br s,1H),4.35(m,1H),3.3(m,1H),3.2(m,2H),2.65(m,1H),2.4(m,1H),2.35(s,3H),2.2(m,1H),2.05(s,2H),1.75−1.6(m,2H),1.5−1.35(m,2H),1.3−1.2(m,1H).MS(ES)m/z 385(MH)
【実施例4】
【0140】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−(4)
【0141】
【化15】

【0142】
化合物3(1.0g、2.6ミリモル)のエチルエーテル(50mL)中溶液に室温においてLAH(198mg、5.2ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を室温において24時間にわたり撹拌した。反応混合物を飽和炭酸カリウムでクエンチしそしてエチルエーテル(2X50mL)で抽出した。一緒にしたエチルエーテル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮して800mgの4を油(962mg理論値、89%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.65(d,J=7Hz,2H),7.35−7.15(m,5H),7.05−7.0(m,1H),3.8(m,1H),3.65−3.6(m,1H),3.55(m,1H),3.1(m,1H),2.85−2.5(m,2H),2.4(s,3H),2.3(s,2H),2.2(m,1H),1.7(m,1H),1.55−1.1(m,2H),0.85(m,2H).MS(ES)m/z 371(MH)
【実施例5】
【0143】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−メチル−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−(5)
【0144】
【化16】

【0145】
4(110mg、0.30ミリモル)のDMF(10mL)中溶液に0℃においてTEA(150mg、1.5ミリモル)を、引き続きヨウ化メチル(0.2mL)を加えそして生じた反応混合物を2時間にわたり室温に温めながら撹拌した。反応混合物を水の上に注ぎそして酢酸エチル(3X50mL)で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮して100mgの5を油(107mg理論値、94%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.6(d,J=7Hz,2H),7.3−7.15(m 5H),7.1(m,1H),3.8(m,1H),3.6(m,1H),2.45(s,3H),2.35−2.3(m,2H),2.2−2.1(m,2H),2.1(s,3H),1.9(m,1H),1.8(m,1H),1.7(m,1H),1.45−1.35(m,3H),1.1(m,1H),0.95(m,1H).MS(ES)m/z 385(MH)
【実施例6】
【0146】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−メチル−(6)
【0147】
【化17】

【0148】
5(50mg、0.14ミリモル)のメタノール(15mL)中溶液に室温においてマグネシウム片(18mg)を加えそして生じた反応混合物を70℃において18時間にわたり撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチしそして酢酸エチル(3X1
5mL)で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で乾燥して23mgの6を油(107mg理論値、21%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.0(m,2H),6.8(t,J=7Hz,1H),6.65(d,J=7Hz,1H),3.75(m,1H),3.1(m,2H),2.95−2.8(m,1H),2.6(m,1H),2.4−2.15(m,2H),2.2(s,3H),2.1(m,1H),1.8(m,1H),1.7−1.5(m,3H),1.35−1.25(m,1H),1.2−1.1(m,1H).MS(ES)m/z 231(MH)
【実施例7】
【0149】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−メチル−1−(4−アミノベンゾイル)−(7)
【0150】
【化18】

【0151】
6(150mg、0.65ミリモル)のジクロロメタン(50mL)中溶液に0℃においてTEA(150mg)を、引き続き塩化4−ニトロベンゾイル(180mg、0.98ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を2時間にわたり室温に温めながら撹拌した。反応混合物を1N NaOHの上に注ぎそしてジクロロメタン(2X50mL)で抽出した。一緒にしたジクロロメタン抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で乾燥して粗製アミンを与えた。粗製ニトロ化合物のメタノール(25mL)中溶液に10%
Pd/C(15mg)を加えそして生じた反応混合物をパルシェーカー装置の中で4時間にわたり20psiにおいて水素化にかけた。反応混合物をセライトを通して濾過しそして濾液を真空中で濃縮して100mgの7を黄色油(105mg理論値、95%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.85(m,1H),7.2(m,1H),7.05(m,1H),7.0−6.9(m,2H),6.6−6.5(m,2H),6.3(d,J=7Hz,1H),4.7(m,1H),4.5(m,1H),4.2(m,1H),2.8(m,1H),2.5(m,1H),2.4(m,2H),2.1(m,2H),1.7(m,2H),2.5(m,2H).MS(ES)m/z 350(MH)
【実施例8】
【0152】
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ(8)
【0153】
【化19】

【0154】
7(20mg、0.06ミリモル)のジクロロメタン(10mL)中溶液に0℃においてTEA(0.25mL)を、引き続き塩化2−クロロ−5−フルオロベンゾイル(22mg、0.11ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を2時間にわたり室温に温めながら撹拌した。反応混合物を1N NaOHの上に注ぎそしてジクロロメタン(2X50mL)で抽出した。一緒にしたジクロロメタン抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で乾燥した。クロマトグラフィー(SiO、10% MeOH−EtOAc溶離剤)が15mgの8を白色固体(29mg理論値、52%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 8.1(br s,1H),7.45−7.3(m,2H),7.2−7.1(m,3H),7.1−7(m,3H),7.0−6.9(m,1H),6.6−6.5(m,1H),4.8−4.5(m,1H),3.2−3.0(m,2H),2.9−2.8(m,2H),2.4−2.3(m,1H),2.2(br s,3H),2.1(br s,2H),1.85(m,1H),1.8−1.6(m,2H),1.6−1.3(m,2H),1.0−0.9(m,1H).MS(ES)m/z 506(M)
【実施例9】
【0155】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−エチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(9)
【0156】
【化20】

【0157】
標記化合物が化合物4、ヨウ化エチル、および実施例5−8に記載されている通りの塩化ビフェニル−2−カルボニルから製造された。H NMR(CDCl)δ 7.9(d,J=7Hz,1H),7.55−7.45(m,1H),7.4−7.3(m,8H),7.2(m,1H),7.1−7.0(m,2H),6.9−6.85(m,3H),7.5(m,1H),4.75−4.5(m,1H),3.2−2.9(m,2H),2.85−2.75(m,1H),2.65−2.45(m,1H),2.4−2.3(m,2H),2.25−2.1(m,1H),2.1−2.0(m,1H),2.85−1.4(m,6H),1.05(m,1H),0.9(m,1H).MS(ES)m/z 544(MH)
【実施例10】
【0158】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(10)
【0159】
【化21】

【0160】
標記化合物が化合物4、ヨウ化メチル、および実施例5−8に記載されている通りの塩化ビフェニル−2−カルボニルから製造された。H NMR(CDCl)δ 7.9(d,J=7Hz,1H),7.55−7.45(m,1H),7.45−7.25(m,8H),7.15(m,1H),7.1−7.0(m,1H),6.95−6.85(m,1H),7.6(m,1H),5.85(m,1H),4.95(m,1H),3.35−3.25(br s,2H),2.95−2.8(m,1H),2.8−2.7(m,1H),2.6−2.45(m,1H),1.8−1.7(m,3H),1.6(br s,3H),1.5−1.35(m,1H).MS(ES)m/z 530(MH)
【実施例11】
【0161】
4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチル]−5−オキソ−1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(11)
【0162】
【化22】

【0163】
標記化合物が5−オキソ−1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3,4,5−テトラ
ヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステルおよびN−(2−ブロモエチル)フタルイミドから実施例1に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(m,4H),7.75(m,4H),7.55−7.45(m,2H),7.4−7.35(m,1H),7.25−7.2(m,1H),4.2−4.0(m.,6H),3.9−3.85(m,1H),3.65−3.55(m,3H),3.4(br s,1H),2.4(s,3H),2.4−2.35(m,1H),1.35−1.15(m,3H).MS(ES)m/z 583(MNa)
【実施例12】
【0164】
4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチル]−1−(トルエン−4−スルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(12)
【0165】
【化23】

【0166】
標記化合物が化合物11から実施例2に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.9−7.85(m,2H),7.85−7.8(m,2H),7.75−7.65(m,3H),7.6(m,1H),7.3−7.2(m,2H),7.15−7.0(m,2H),4.1(t,J=7Hz,2H),4.0−3.85(m,1H),3.6(t,J=7Hz,2H),2.65−2.5(m,2H),2.4(s,2H),2.35−2.2(m,1H),2.0−1.9(m,1H),1.85−1.65(m,2H),1.15(m,J=7Hz,2H).MS(ES)m/z 569(MNa)
【実施例13】
【0167】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン]−2’−オン,1,2,3,5−テトラヒドロ−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−(12)
【0168】
【化24】

【0169】
標記化合物が化合物12から実施例3に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.6(m,2H),7.35(m,2H),7.25−7.2(m,3H),7.15−7.1(m,1H),4.4−4.3(m,1H),3.3−3.15(m,3H),2.65(m,2H),2.4(s,3H),2.3−2.15(m,4H),1.75−1.6(m,2H),1.6−1.5(m,1H).MS(ES)m/z 371(MH)
【実施例14】
【0170】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン]−2’−オン,1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−ベンジル−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−(14)
【0171】
【化25】

【0172】
保護されたアミド13(1.8g、4.9ミリモル)のDMF中溶液に室温において水素化ナトリウム(175mg、7.3ミリモル)を、引き続き臭化ベンジル(1.25g、7.3ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を室温において4時間にわたり撹拌した。反応混合物を水の上に注ぎそして酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を食塩水で洗浄しそして無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、EtOAc溶離剤)が1.9gの14を褐色油(2.25g理論値、84%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.6(d,J=8Hz,2H),7.4(m,1H),7.35−7.25(m,5H),7.2−7.1(m,4H),7.0(d,J=7Hz,1H),4.45−4.3(m,3H),3.25−3.15(m,1H),3.15−3.0(m,2H),2.55(m,1H),2.4(s,3H),2.3−2.15(m,2H),1.65−1.55(m,1H),1.55−1.4(m,2H).MS(ES)m/z 461(MH)
【実施例15】
【0173】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−ベンジル−(15)
【0174】
【化26】

【0175】
保護されたアミド14(250mg、0.56ミリモル)のジエチルエーテル中溶液に0℃において水素化アルミニウムリチウム(85mg、2.24ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を室温に16時間にわたり暖めながら撹拌した。反応混合物を冷たい飽和炭酸カリウムの上に注ぎそして酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を食塩水で洗浄しそして無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮して200mgの15を白色固体(242mg理論値、82%)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.35−7.25(m,4H),7.2−7.15(m,1H),7.1−7.05(m,1H),7.05−6.95(m,1H),6.85−6.75(m,1H),6.7−6.6(m,1H),3.6(d,J=6Hz,2H),3.05−2.95(m,2H),2.85−2.75(m,2H),2.75−2.65(m,1H),2.6−2.5(m,1H),2.45−2.4(m,1H),2.3−2.3(m,1H),1.85−1.75(m,2H),1.7−1.6(m,1H),1.6−1.45(m,1H).MS(ES)m/z 293(MH)
【実施例16】
【0176】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(16)
【0177】
【化27】

【0178】
アミン15(180g、62ミリモル)のジクロロメタン中溶液に室温においてトリエチルアミン(250mg、2.48ミリモル)を、引き続き塩化4−[(ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−ベンゾイル(310mg、0.93ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を室温において16時間にわたり撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、50% EtOAc−ヘキサン類溶離剤)が120mgの16を黄色固体(366g理論値、33%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.6(d,J=8Hz,2H),7.4(m,1H),7.35−7.25(m,5H),7.2−7.1(m,4H),7.0(d,J=7Hz,1H),4.45−4.3(m,3H),3.25−3.15(m,1H),3.15−3.0(m,2H),2.55(m,1H),2.4(s,3H),2.3−2.15(m,2H),1.65−1.55(m,1H),1.55−1.4(m,2H).MS(ES)m/z 461(MH)
【実施例17】
【0179】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(17)
【0180】
【化28】

【0181】
16(45mg、0.1ミリモル)のメタノール(20mL)中溶液に室温において濃HCl(0.25mL)を、引き続き炭素上25%パラジウム(5mg)を加えそして生じた反応混合物を14psiで室温において3時間にわたりパルシェーカー水素化にかけた。反応混合物をセライトを通して濾過しそして濾液を真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンで抽出しそして飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄しそして無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮して40mgの17を黄褐色固体(50mg、80%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 87.95(d,J=7Hz,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.25−7.2(m,1H),7.15−7.0(m,3H),6.95−6.8(m,2H),6.6−6.5(m,1H),4.9−4.7(m,1H),3.25−3.0(m,2H),3.0−2.8(m,2H0,2.75−2.5(m,1H),2.5−2.1(m,1H),2.1−1.95(m,1H),1.95−1.5(m,2H).MS(ES)m/z 502(MH)
【実施例18】
【0182】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(18)
【0183】
【化29】

【0184】
17(35mg、0.07ミリモル)のジクロロメタン(15mL)中溶液に室温においてトリエチルアミン(28mg、0.28ミリモル)およびブロモシクロペンタン(21mg、0.14ミリモル)を加えそして生じた反応混合物を室温において1時間にわたり撹拌した。反応混合物を1N NaOHの上に注ぎそしてジクロロメタン(2x50mL)で抽出した。一緒にしたジクロロメタン抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(SiO、5% MeOH−EtOAc溶離剤)が18を白色固体(39mg理論値、66%収率)として与えた。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.5(m,1H),7.4(m,1H),7.4−7.25(m,5H),7.15−7.05(m,2H),7.0−6.95(m,2H),6.9−6.8(m,4H),6.6−6.5(M,1H),5.0−4.5(m,1H),3.7−3.6(m,1H),3.55−3.45(m,1H),3.3−3.0(m,3H),2.7−2.35(m,3H),2.0−1.9(m,1H),1.85−1.6(m,5H),1.55−1.4(m,3H),0.95−0.8(m,1H).MS(ES)m/z 570(MH)
【実施例19】
【0185】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(19)
【0186】
【化30】

【0187】
標記化合物が化合物17およびヨウ化メチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.9(d,J=7Hz,1H),7.55−7.2(m,9H),7.1−7.05(m,1H),7.05−7.0(m,2H),6.95(m,6.8(m,3H),6.6−6.5(m,1H),4.95−4.7(
m,1H),3.2−3.1(m,1H),3.0−2.8(m,3H),2.65−2.5(m,3H),1.95(s,3H),1.95−1.75(m,2H),1.45−1.3(m,1H).MS(ES)m/z 516(MH)
【実施例20】
【0188】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−イソプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(20)
【0189】
【化31】

【0190】
標記化合物が化合物17およびヨウ化イソプロピルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.6−7.5(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.15−7.05(m,1H),7.05−6.95(m,2H),6.9−6.8(m,2H),6.65−6.55(m,1H),5.04.75(m,1H),3.75−3.6(m,1H),3.6−3.45(m,1H),3.3−3.1(m,2H),2.7−2.55(m,1H),1.8−1.6(m,3H),0.95−0.8(m,1H).MS(ES)m/z 544(MH)
【実施例21】
【0191】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピルメチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(21)
【0192】
【化32】

【0193】
標記化合物が化合物17および臭化シクロプロピルメチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.6−7.5(m,2H),7.35−7.25(m,5H),7.25−7.15(m,1H),7.1−7.0(m,2H),6.95−6.85(m,3H),6.55(d,J=7Hz,1H),4.85−4.6(m,1H),3.2−3.1(m,1H),2.95−1.6(m,3H),2.55−2.15(m,2H),1.85−1.55(m,3H),0.5−0.4(m,2H),0.15−0.05(m,2H).MS(ES)m/z 556(MH)
【実施例22】
【0194】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,メチルエステル(22)
【0195】
【化33】

【0196】
標記化合物が化合物17およびブロモ酢酸メチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.25−7.2(m,1H),7.1−7.05(m,1H),7.05−6.95(m,2H),6.95−6.85(m,4H),6.55−6.45(m,1H),4.85−4.65(m,1H),3.75(m,3H),3.4−3.25(m,2H),3.2−3.2(m,1H),3.0−2.7(m,4H),2.55−2.45(m,1H),1.9−1.75(m,1H),1.75−1.6(m,2H).MS(ES)m/z 574(MH)
【実施例23】
【0197】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル(23)
【0198】
【化34】

【0199】
標記化合物が化合物17およびブロモ酢酸エチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.25−7.2(m,1H),7.1−7.05(m,1H),7.05−6.95(m,2H),6.95−6.85(m,4H),6.55−6.45(m,1H),4.85−4.65(m,1H),3.4−3.25(m,2H),3.2−3.2(m,1H),3.0−2.7(m,4H),2.55−2.45(m,1H),1.9−1.75(m,1H),1.75−1.6(m,2H),1.3−1.2(m,3H).MS(ES)m/z 588(MH)
【実施例24】
【0200】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(24)
【0201】
【化35】

【0202】
標記化合物が化合物23から1N NaOHを用いる塩基加水分解により製造された。MS(ES)m/z 560(MH)
【実施例25】
【0203】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1
’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル(25)
【0204】
【化36】

【0205】
標記化合物が化合物17およびブロモピルビン酸エチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7z,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.15−7.05(m,3H),7.05−6.85(m,5H),6.65(m,J=7Hz,1H),4.85−4.65(m,1H),4.2(q,J=7Hz,2H),3.7−3.5(m,2H),3.45−3.3(m,2H),3.25−3.1(m,2H),2.95−2.75(m,1H),2.75−2.6(m,1H),1.8−1.6(m,2H),1.3(t,J=7Hz,3H).MS(ES)m/z 616(MH)
【実施例26】
【0206】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(26)
【0207】
【化37】

【0208】
標記化合物が化合物26から1N NaOHを用いる塩基加水分解により製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7z,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.15−7.05(m,3H),7.05−6.85(m,5H),6.65(m,J=7Hz,1H),4.85−4.65(m,1H),3.7−3.5(m,2H),3.45−3.3(m,2H),3.25−3.1(m,2H),2.95−2.75(m,1H),2.75−2.6(m,1H),1.8−1.6(m,2H).MS(ES)m/z 588(MH)
【実施例27】
【0209】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−アセチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(27)
【0210】
【化38】

【0211】
標記化合物が化合物17および塩化アセチルから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.15−7.0(m,3H),6.95−6.85(m,5H),6.65−6.55(d,J=7Hz,1H),4.85−4.65(m,1H),3.7−3.5(m,2H),3.25−3.1(m,1H),2.95−2.75(m,1H),2.65−2.55(t,J=7Hz,2H),2.05(s,3H),1.95−1.85(m,2H),1.8−1.6(m,1H),1.25(t,J=7Hz,2H).MS(ES)m/z 544(MH)
【実施例28】
【0212】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(N’,N’−ジメチルアミノエタノン−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−(28)
【0213】
【化39】

【0214】
標記化合物が化合物17およびN,N−ジメチルグリシンから実施例18に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 7.85(d,J=7Hz,1H),7.55−7.4(m,2H),7.4−7.3(m,5H),7.2−7.0(m,4H),7.0−6.85(m,4H),6.65−6.55(d,J=7Hz,1H),4.85−4.65(m,1H),3.7−3.5(m,2H),3.4−3.25(m,1H),3.2−3.0(m,2H),2.95−2.85(m,1H),2.7−2.5(m,1H),2.35(s,3H),2.25(m,1H),1.75−1.6(m,1H),1.8−1.6(m,1H),1.4(t,J=7Hz,2H).MS(ES)m/z 587(MH)
【実施例29】
【0215】
4−(3−エトキシカルボニル−プロピル)−5−オキソ−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(29)
【0216】
【化40】

【0217】
4.67g(12.1ミリモル)の1のDMF(24mL)中溶液にKCO(25.0g、18.1ミリモルを加えた。生じた懸濁液を、窒素雰囲気下で室温において機械的に撹拌しながら、4−ブロモ酪酸エチル(1.90mL、13.3ミリモル)で処理した。18時間後に、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈しそして水性1N HCl(30mL)の添加によりクエンチした。生じた層を分離しそして有機層を飽和水性NaHCO、水、および食塩水で連続的に抽出した。有機抽出物を引き続き無水MgSO上で乾燥しそして真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン類(3:7)を用いて溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して(4.76g、79%)の化合物51を油として与えた。
【実施例30】
【0218】
4−(3−エトキシカルボニル−プロピル)−1−(4−メチルフェニルスルホニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(30)
【0219】
【化41】

【0220】
化合物29(4.76g、9.48ミリモル)を45mLの乾燥1,2−ジクロロエタンの中に溶解させ、5℃に冷却し、そしてトリフルオロ酢酸(1.3mL)、BF・EtO(1.4mL)、無水メタンスルホン酸(3.2mL)およびトリエチルシラン(5.7mL)で処理した。反応物を18時間にわたり室温にゆっくり暖めた。反応物を5℃に冷却しそして飽和水性NaHCO(100mL)で注意深くクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出しそして酢酸エチル抽出物を飽和水性NaHCO、水、食塩水(2x)で抽出し、NaSO上で乾燥し、そして真空中で濃縮して油を与えた。この油をヘキサン/酢酸エチル(17:3)を用いて溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して2.43g(53%)の化合物30を無色油として与えた。
【実施例31】
【0221】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,1’−シクロペンタン]−3’−カルボン酸,1,2,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2’−オキソ−,エチルエステル(31)
【0222】
【化42】

【0223】
化合物30(2.43g、4.98ミリモル)をトルエン(25mL)の中に溶解させそしてtert−ブトキシド(0.843g、7.52ミリモル)で室温において処理した。1時間後に、反応混合物を水性0.5N HCl(30mL)でクエンチしそして酢酸エチル(30mL)で抽出した。酢酸エチル抽出物を水で2回、飽和水性NaHCO、水、食塩水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥しそして真空中で濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いて溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して1.71g(78%)の31を油として与えた。
【実施例32】
【0224】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,1’−シクロペンタン]−2’−オン,1,2
,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(32)
【0225】
【化43】

【0226】
化合物31(6.70g、15.2ミリモル)をエタノール(23mL)、酢酸(23mL)、および6N水性HCl(23mL)と一緒にしそして2.5時間にわたり撹拌しながら加熱還流した。反応混合物を室温に冷却しそして真空中で濃縮して5.36g(95%)の化合物32を与えた。
【実施例33】
【0227】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,1’−シクロペンタン]−2’−オン,1,2,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−,オキシム(33)
【0228】
【化44】

【0229】
化合物32(0.50g、1.35ミリモル)をエタノール(21mL)、ピリジン(4mL)、およびヒドロキシルアミン塩酸塩(376mg、5.4ミリモル)と一緒にしそして5時間にわたり撹拌しながら加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮しそして残渣をジクロロメタンで抽出した。有機層を水で抽出し、無水MgSO上で乾燥し、そして真空中で濃縮して515mg(99%)の化合物3を透明膜として与えた。
【実施例34】
【0230】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−6’−オン,1,2,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(34)
【0231】
【化45】

【0232】
化合物33(515mg、1.34ミリモル)をピリジン(10mL)、4−ジメチルアミノピリジン(10mg、0.08ミリモル)、塩化p−トルエンスルホニル(639mg、3.35ミリモル)と一緒にしそして3時間にわたり撹拌しながら65℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンで抽出しそして有機層を2N水性HClで2回、飽和水性NaHCOで連続的に抽出し、無水MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮しそして0−10%メタノールジクロロメタンの勾配を用いて溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより60分間にわたり精製して361mg(70%)の化合物34を透明膜として与えた。
【実施例35】
【0233】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(35)
【0234】
【化46】

【0235】
化合物35(361mg、0.94ミリモル)のテトラヒドロフラン(7mL)中溶液をテトラヒドロフラン中2.0Mボラン−硫化メチル錯体(1mL、2.0ミリモル)で処理しそしてアルゴン雰囲気下で1時間にわたり加熱還流した。反応物質を水でクエンチしそして有機層を水、食塩水で抽出し、無水MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮しそして5−10%メタノールジクロロメタンの勾配を用いて溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより60分間にわたり精製して202mg(58%)の化合物35を泡状白色固体として与えた。
【実施例36】
【0236】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−メチル−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(36)
【0237】
【化47】

【0238】
化合物35(194mg、0.52ミリモル)を37%ホルムアルデヒド水溶液(2.5mL)、蟻酸(0.125mL)、メタノール(2.5mL)と一緒にしそして18時間にわたり撹拌しながら65℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン(10mL)で希釈しそして0.1N水性水酸化ナトリウム(10mL)でクエンチした。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して221mg(定量的)の化合物36を無色シロップとして与えた。
【実施例37】
【0239】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−メチル−(37)
【0240】
【化48】

【0241】
化合物36(191mg、0.50ミリモル)を無水メタノール(25mL)の中に溶解させそしてマグネシウム片(0.241g、9.90ミリモル)と一緒にしそしてアルゴン雰囲気下で18時間にわたり磁気的に撹拌しながら加熱還流した。反応物を室温に冷却し、濾過剤を通して濾過し、そして真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルと共に3回粉砕しそして一緒にした酢酸エチル粉砕物を濾過剤を通して濾過した。濾液を食塩水で2回抽出し、無水NaSO上で乾燥し、そして真空中で濃縮して0.095g(82%)の37を与えた。
【実施例38】
【0242】
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−5−フルオロ−(38)
【0243】
【化49】

【0244】
化合物4−(2−クロロ−5−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸(126mg、0.43ミリモル)のジクロロメタン(1mL)中スラリーを塩化チオニル(1mL)で処理しそしてアルゴン雰囲気下で18時間にわたり加熱還流した。反応混合物を真空中で濃縮しそして50mLのジクロロメタンの中に溶解させた。生じた酸塩化物の溶液を化合物37(0.095g、0.41ミリモル)、トリエチルアミン(1mL)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.05mL)のジクロロメタン(5mL)中溶液に5℃において、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら、滴下した。18時間後に、反応混合物を飽和水性NaHCOで抽出した。有機層を無水MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮しそして水(0.2%トリフルオロ酢酸)中10−90%アセトニトリルの勾配を用いて溶離するクロマシル(Kromasil)C18カラム上の逆相クロマトグラフィーにより30分間にわたり精製して53.6mg(19%)の化合物38を白色粉末として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.46−1.92(重複m,7H),2.31−2.41(m,1H),2.77−3.29(重複m,5H),3.32−3.92(重複m,3H),5.08(広いm,1H),6.77(m,1H),7.1−7.53(重複m,10H);MS(ES)m/z 506(MH)
【実施例39】
【0245】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1’−(フェニルメチル)−(39)
【0246】
【化50】

【0247】
化合物35(0.203g、0.530ミリモル)を臭化ベンジル(94mg、0.55ミリモル)、炭酸カリウム(146mg、1.06ミリモル)、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)と一緒にしそして18時間にわたり撹拌しながら70℃に加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして有機層を水、食塩水で抽出し、無水NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮しそして0−25% メタノールジクロロメタンの勾配を用いて溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより60分間にわたり精製して134mg(55%)の化合物39を無色油として与えた。
【実施例40】
【0248】
スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン],1,2,3,5−テトラヒドロ−1’−(フェニルメチル)−(40)
【0249】
【化51】

【0250】
化合物39(134mg、0.29ミリモル)を無水メタノール(10mL)の中に溶解させそしてマグネシウム片(0.141g、5.80ミリモル)と一緒にしそしてアルゴン雰囲気下で15時間にわたり磁気的に撹拌しながら加熱還流した。反応物を室温に冷却し、濾過剤を通して濾過し、そして真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルと共に3回粉砕しそして一緒にした酢酸エチル粉砕物を濾過剤を通して濾過した。濾液を食塩水で2回抽出し、無水NaSO上で乾燥しそして真空中で濃縮して0.033g(37%)の40を透明油として与えた。
【実施例41】
【0251】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(フェニルメチル)スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−(41)
【0252】
【化52】

【0253】
0.033g(0.12ミリモル)の4−[([1,1’−ビフェニル]−2−イルカルボニル)アミノ]安息香酸のジクロロメタン(5mL)中スラリーにN,N−ジメチルホルムアミド(0.02mL)、塩化チオニル(1mL)を、室温においてアルゴン雰囲気下で撹拌しながら、加えた。18時間後に、生じた溶液を真空中で濃縮し、乾燥トルエン中に溶解させ、真空中で濃縮し、そして2mLのジクロロメタンの中に溶解させた。生じた酸塩化物の溶液を化合物40(0.033g、0.11ミリモル)、トリエチルアミン(1mL)、および0.02mLのN,N−ジメチルホルムアミドの5mLのジクロロメタン中溶液に、室温において撹拌しながら、滴下した。72時間後に、反応混合物を飽和水性NaHCOでクエンチしそして酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和水性NaHCO、食塩水で抽出し、無水NaSO上で乾燥しそして真空中で濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いて溶離するシリカゲル上の薄層クロマトグラフィーにより精製して41を与えた。
【実施例42】
【0254】
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロスピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−(42)
【0255】
【化53】

【0256】
化合物41を無水メタノール(5mL)の中に溶解させ、炭素上パラジウム(4mg)と一緒にしそして55psi水素雰囲気下で7時間にわたり振った。反応混合物を濾過剤を通して濾過し、真空中で濃縮しそして水(0.2%トリフルオロ酢酸)中30−90%アセトニトリルの勾配を用いて溶離するクロマシル(Kromasil)C18カラム上の逆相クロマトグラフィーにより30分間にわたり精製して26.9mg(32%)の化合物42を白色粉末として与えた。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.31−2.19(重複m,10H),3.12−4.40(重複m,4H),6.77−7.60(重複m,17H);MS(ES)m/z 516(MH)
【実施例43】
【0257】
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}ピリジル]−5−フルオロ(43)
【0258】
【化54】

【0259】
標記化合物が化合物15および塩化6−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイルアミノ)−ニコチノイル(Bioorg.Med.Chem.Lett.,1999,9,1737−1740)から実施例41に記載された通りにして製造された。H NMR(CDCl)δ 8.35(br s,1H),8.1(m,1H),8.05(br s,1H),7.55−7.45(m,1H),7.35−6.95(m,10H),4.85−4.6(m,1H),3.7−3.55(m,2H),3.15−3.1(m,1H),2.8−2.75(m,3H),2.65−2.6(m,1H),2.4(m,3H),1.85−1.8(m,2H),1.4−1.25(m,2H).MS(ES)m/z 549(MH)
【実施例44】
【0260】
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル](44)
【0261】
【化55】

【0262】
標記化合物が化合物7および塩化ベンゾイルから製造された。H NMR(CDCl)δ 7.95(br s,1H),7.85(d,J=7Hz,2H),7.5−7.4(m,4H),7.2−7.1(m,3H),7.1−7.0(m,1H),6.95−6.9(m,1H),6.6−6.5(m,1H),5.8−5.5(br m,1H),3.2−3.0(m,2H),2.9−2.8(m,2H),2.75−2.65(m,1H),2.4−2.2(m,4H),2.1(br s,1H),1.9−1.8(m,2H),1.75−1.6(m,2H),1.4−1.2(m,2H),0.95(m,1H).MS(ES)m/z 486(MH)
【0263】
生物学的実施例1
(A)イン−ビトロ結合検定
検定緩衝液は50mM トリス(Tris)−Cl、5mM MgCl、5μg/mlのアプロチニン(aprotinin)、ロイペプチン(leupeptin)、ペプスタイン(pepstatin)、50μg/mlのバシトラシン(bacitracin)を含有する0.1% BSA(pH7.5)、および1mM ペファブロック(Pefabloc)(ロシェ・ダイアグノスティックス・コーポレーション(Roche Diagnostics Corporation)、インディアナポリス、イリノイ州により製造されそしてベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)により販売される4−(2−アミノエチル)−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩)である。H3バソプレッシンはH−アルギニン−8−バソプレッシン(NEN・ライフ・サイエンセス(NEN Life Sciences)、ボストン、マサチュセッツ州;68.5Ci/ミリモル、検定における最終濃度は0.65−0.75nMである)である。96−ウエル丸底ポリプロピレンプレートのウエルの中に緩衝液、試験化合物、膜(ヒトV1aまたはV2受容体を含有する)、およびH3バソプレッシンを加える。反応プレートを室温において1時間にわたりそのまま放置する。試料を0.3ポリエチレンイミンの中で予備洗浄したユニフィルター(Unifilter)GF/Cプレート(パーキンエルマー・ライフ・サイエンセス(PerkinElmer Life Sciences)、ボストン、マサチュセッツ州)を通して濾過する。プレートを0.05% ツイーン(Tween)20を含有する冷たい生理食塩水の中で5回洗浄する。乾燥後に、フィルタープレートの底を密封しそして0.025mlのマイクロシント(Microscint)−20(パッカード・インストルメント・カンパニー(Packard Instrument Co)、メリデン、コネチカット州)を各フィルターに加える。プレートの頂部を密封し、そしてプレートを計数する。これらのウエル中への1.25μM アルギニン−8−バソプレッシンの添加により非−特異的結合を測定する。%阻害は以下の通りにして計算される:
【0264】
【数1】

【0265】
(B)V1aバソプレッシン受容体機能活性
V1a受容体はG−蛋白質結合された受容体であり、それは活性時に細胞内カルシウム流動における増加の引き金を引く。化合物をそれらの機能的V1a受容体に関して評価するために、HEK−293細胞をヒトV1a受容体(V1a−HEK細胞)でトランスフェクトした。HEK−293細胞を、10% FBSおよびグルタミンが補充されたDMEM(ダルベッコの改質イーグル培地)の中で成長させた。HEK−細胞をトリプシン処理により2週間毎に継代させそして96ウエルプレートの中に1個のウエル当たり33,000個の細胞で接種した。HEK−293細胞をライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)(カールスバッド、カリフォルニア州)からのDMRIE−C試薬を用いてヒトV1a受容体DNAでトランスフェクトした。ゼネチシン(geneticin)を含有する培養培地の中で成長する細胞を選択することにより安定な系統を発生させた。パッカード・クリア−ビュー・ブラック(Packard Clear−View black)96ウエルプレートの中で4−6日間にわたり成長させた後に、V1a−HEK細胞にカルシウム−感受性蛍光染料であるFLUO−3 AMを充填した。細胞内蛍光をFLIPR(蛍光計像形成プレート読み取り機(Fluorometric Imaging Plate Reader);モレキュラー・デバイセス(Molecular Devices)、サニーベール、カリフォルニア州)を用いて定量化することにより細胞内カルシウム流動における変化を測定した。試験化合物を最初に細胞に加えそして生じた蛍光における変化を測定して受容体作用活性を検出した。5分後に、細胞にバソプレッシンを作用させて化合物をそれらの拮抗活性に関して試験した。受容体拮抗薬はバソプレッシンが細胞内蛍光における増加を刺激する能力を阻害する。IC50を計算した。
【0266】
生物学的実施例2
V2バソプレッシン受容体機能活性
V2受容体も、活性化される時にcAMP交代における増加を誘発するG−蛋白質結合された受容体である。ヒトV−2受容体を発現するトランスフェクトされたHEK−293細胞(V2−HEK細胞)におけるcAMP集積を測定することによりV2受容体に対する拮抗作用を測定する。化合物をcAMP集積に対するバソプレッシンの刺激効果を遮断するそれらの能力に関して試験する。cAMPの細胞含有量はNENフラッシュプレートを用いる放射免疫法により測定する。
【0267】
生物学的実施例3
ラットにおけるバソプレッシン−誘発性高血圧症の逆転
バソプレッシン−誘発性高血圧症の麻酔をかけたモデルを用いて化合物の抗−高血圧症活性を評価する。体重が350〜450gの間の雄のロング・エバンス(Long Evans)正常血圧ラットにペントバルビツール(35mg/kg、腹腔内)で麻酔をかけそして工程全体にわたり10mg/kg/時の腹腔内注入を維持する。アルギニン・バソプレッシン(AVP)を30ng/kg/分、静脈内で注入して、安定な高血圧状態(平均動脈血圧における約50mmHgの上昇)を誘発する。当該化合物を増加服用量方式で
投与しそして平均動脈血圧における最大低下を記録する。各動物に関して服用量−応答関係の線状部分からED50を測定する。
【0268】
生物学的実施例4
数種の動物モデル、特に、ラットにおける1型糖尿病のストレプトゾトシン(streptozotocin)−誘発モデル、2型糖尿病のdb/db遺伝性マウスモデルおよびラットにおける腎不全の5/6腎摘出モデル、はヒトにおける糖尿病性腎障害の種々の構成要素を模することが信じられている。化合物を1、3または10mg/kg/日で12週間にわたり投与することにより化合物をストレプトゾトシン糖尿病モデルにおいて評価しそして低下した尿アルブミン、血清クレアチニンレベルおよび尿中の種々のサイトカイン類のレベルを包含する糖尿病性腎疾病を示す試験中に数回の終点で監視する。試験の終了時に、腎臓における形態学的変化を正常な腎臓と比較して組織学的に評価する。同様な試験を他の2種のモデルにおいて行って活性を確認する。
【0269】
生物学的実施例5
アルゲニン−バソプレッシン(AVP)レベルは虚血発作および頭部損傷後に劇的に上昇しそして組織炎症反応に寄与する。AVP受容体拮抗作用は外傷性脳損傷および虚血発作後の脳浮腫の成長を脳血管内皮を越える水および電解質輸送を(内皮V1a受容体阻害を介して)調節することによりそして利尿作用を(腎臓V2受容体を介して)促進することにより遮断することが示されていた。AVP受容体拮抗薬のその他の神経保護作用はニューロンV1a受容体の阻害により媒介されうる。それ故、本発明の化合物は虚血発作および外傷性脳損傷において有用でありうる。V1a/V2拮抗薬は虚血後炎症反応を低下させそして虚血発作後の脳組織梗塞の量を低下させうる。AVP受容体拮抗薬の神経保護および抗−浮腫活性の多くは脳血管内皮または腎臓のレベルで関係するため、化合物が血液脳障壁を越えることは必須ではない。しかしながら、上記のように、CNS浸透はニューロンV1a受容体におけるAVPの活性を制限することにより追加利点となりうる。
【0270】
血漿半減期および最適な投薬処方を最適化するために化合物の薬物動力学的性質を測定することができる。これは、これらの化合物が血液−脳障壁を越える能力、並びに脳組織内の薬品濃度および半減期の直接的測定を包含する。これらの化合物の神経保護および抗−浮腫性質は塞栓発作の齧歯動物モデルで測定できる。このモデルでは、動物の血液のアリコートを取り出しそして一晩にわたり冷蔵してトロンビンに富んだ血塊を形成する。この血塊を次に外科的に中部脳動脈の起点に置きそして2−4時間にわたりその位置のままにして長期にわたる脳虚血を生じさせる。この時点で、血塊は永久的にその位置のままでもよくまたは再灌流を可能にするために組み換え組織プラスミノゲン活性化剤(rt−PA)の静脈内投与を用いて溶解させてもよい。本発明のバソプレッシン受容体拮抗薬は血塊定置後の種々の時間において静脈内投与することができそして大型丸剤服用量およびその後の連続的静脈内灌流としてまたは連続的静脈内に単独で与えることができる。最適な処置機会を判定するために化合物を虚血の開始後2時間〜1週間の範囲にわたる時間に与えることができる。最適な処置期間を判定するために急性静脈内投与後に化合物の経口投与を行うこともできる。
【0271】
本発明のバソプレッシン受容体拮抗薬は外傷性脳損傷の齧歯動物モデルにおいて概略説明できる。このモデルは硬膜を露呈するための頭蓋窓の開放を必要とする。調節された測定された重量を次に硬膜上に落下させて損傷を誘発する。このモデルは良く確立されておりそしてニューロン細胞損失および炎症の規定されたパターンを生ずる。
【0272】
浮腫、炎症および神経保護は以下の方式の1つもしくはそれ以上を用いて測定できる:動物を虚血後の24時間〜4週間の種々の時点において安楽死させ、そして梗塞および脳浮腫の量を標準的な組織学的および組織化学的方法を用いて測定することができる。動物
をMRI像形成法にかけて梗塞および浮腫の発生を同一動物内で測定することができる。最後に、血液−脳障害一体性並びに炎症細胞(例えば、単核細胞、大食細胞、小膠細胞)の浸潤の組織学的および組織化学的測定を行いそして定量分析用に使用することができる。
【0273】
最後に、全ての動物を総合的な一連の行動検定において評価して神経学的機能および行動に対するバソプレッシン受容体拮抗薬の影響を評価することができる。これらの行動評価は、全体的な神経学的評価、運動非対称性の評価並びに例えばフット−フォールト(foot−fault)、ロタロッド(Rotarod)およびビーム−バランス(beam−balance)試験の如き検定を用いる感覚運動の評価を包含しうる。
【0274】
表Iは本発明の数種の化合物のバソプレッシン受容体結合データおよびV1a/V2バソプレッシン受容体機能活性を示す。
【0275】
【表1】

【0276】
以上の明細書は、説明目的のために与えられている実施例と共に、本発明の原理を教示しているが、本発明の実施は以下の請求項およびそれらの同等物の範囲内に入る一般的な変更、応用および/または改変の全てを包括することは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
XおよびYの一方はCHでありそして他方はNRであり、
ZはCHまたはNであり、
VはH、C1−3アルキル、C1−3アルコキシまたはハロゲンであり、
n=1または2であり、
WはH、C1−3アルコキシ、またはヒドロキシルであり、
はH、C1−5アルキル、アリールアルキル、C3−5シクロアルキル、−CH−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)(CH−N(R)(R)、または−C(O)−CH−C(O)ORであり、ここでRはC1−3アルキルであり、RはHまたはC1−3アルキルでありそしてmは1〜3であり、
はH、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシまたはアリールであり、
はH、ハロゲン、C1−5アルキル、C1−3アルコキシまたはアリールであり、但し条件としてR、RおよびRの少なくとも1つはHでなく、そして
部分は同一もしくは相異なることができ、各々はH、C1−6アルキル、またはC3−5シクロアルキルよりなる群から独立して選択され、或いは2つのR部分はそれらが結合されるNと一緒に連結されて5〜6員のヘテロシクリルを形成することができる]
に示される一般構造を有する化合物またはその製薬学的に許容可能な塩類、アミド類、エステル類、水和物、溶媒和物、ラセミ混合物、ジアステレオマー類およびエナンチオマー類。
【請求項2】
がメチル、エチル、ベンジル、シクロペンチル、−CH−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)CH−N(CH、−C(O)(CH−ヘテロシク
リルまたは-C(O)−CH−C(O)ORである、請求項1の化合物。
【請求項3】
がH、フェニル、CH、−OCH、FまたはClである、請求項1の化合物。
【請求項4】
がフェニルである、請求項3の化合物。
【請求項5】
がフェニルでありそしてRがHである、請求項3の化合物。
【請求項6】
nが1である、請求項1の化合物。
【請求項7】
がフェニルであり、nが1であり、そしてRがHである、請求項1の化合物。
【請求項8】
がFである、請求項1の化合物。
【請求項9】
ZがCHである、請求項1の化合物。
【請求項10】
ZがNである、請求項1の化合物。
【請求項11】
VがH、CH、−OCH、FまたはClである、請求項1の化合物。
【請求項12】
VがHである、請求項1の化合物。
【請求項13】
XがCHである、請求項1の化合物。
【請求項14】
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−エチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−イソプロピル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−シクロプロピルメチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン
}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,メチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−酢酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−,エチルエステル、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−ピルビン酸−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−アセチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−(N’,N’−ジメチルアミノエタノン−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロスピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,2’−ピペリジン]−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル]−、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−ベンジル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピロリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}ピリジル]−5−フルオロ、および
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
よりなる群から選択される請求項1の化合物。
【請求項15】
化合物がベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]である、請求項1のV1a選択的化合物。
【請求項16】
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メトキシ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
ベンズアミド,2−メチル−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]、および
ベンズアミド,2−フルオロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}
フェニル]
よりなる群から選択される請求項1の化合物。
【請求項17】
ベンズアミド,2−クロロ−N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]−5−フルオロ、
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド,N−[4−[(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ{4H−1−ベンズアゼピン−4,3’−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル]フェニル}−、および
ベンズアミド,N−[4−{(2,3−ジヒドロ−1’−メチル−スピロ[4H−1−ベンズアゼピン−4,3−ピペリジン}−1(5H)−イル)カルボニル}フェニル]
よりなる群から選択される請求項1の化合物。
【請求項18】
精製された形態の請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
少なくとも1種の請求項1の化合物を、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な担体または賦形剤と組み合わせて、含んでなる製薬学的組成物。
【請求項20】
少なくとも1種の請求項14の化合物を含んでなる、請求項19の製薬学的組成物。
【請求項21】
バソプレッシンにより媒介される疾病または症状を処置する方法であって、該方法がそのような処置を必要とする罹患体に治療的に有効な量の少なくとも1種の請求項1の化合物を含んでなる組成物を投与する段階を含んでなる方法。
【請求項22】
該化合物がバソプレッシン阻害剤である、請求項21の方法。
【請求項23】
該バソプレッシン阻害剤がバソプレッシン1a(V1a)、もしくはバソプレッシン2(V)阻害剤、またはV1aおよびVの両方の阻害剤である、請求項22の方法。
【請求項24】
処置を必要とする罹患体におけるバソプレッシン受容体活性と関係する疾病もしくは症状の開始または進行を抑制する方法であって、この方法が罹患体に予防的に有効な服用量の少なくとも1種の請求項1の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
該化合物がバソプレッシン阻害剤である、請求項24の方法。
【請求項26】
該バソプレッシン阻害剤がバソプレッシン1a(V1a)、もしくはバソプレッシン2(V)阻害剤、またはV1aおよびVの両方の阻害剤である、請求項25の方法。
【請求項27】
該症状が内耳疾患、高血圧症、鬱血性心不全、心臓機能不全、冠状血管痙攣、心臓虚血、肝硬変、腎血管痙攣、腎不全、糖尿病性ネフロパシー、低ナトリウム血症、脳浮腫、脳虚血、発作、血栓症、水鬱滞、攻撃性、強迫疾患、月経困難症、ネフローゼ症候群、不安症および中枢神経損傷から選択される、請求項21の方法。
【請求項28】
該症状が鬱血性心不全、または心臓機能不全である請求項27の方法。
【請求項29】
該症状が低ナトリウム血症である、請求項27の方法。
【請求項30】
該症状が高血圧症である請求項27の方法。
【請求項31】
該化合物が請求項14から選択される請求項27の方法。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物のいずれかおよび製薬学的に許容可能な担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物の製造方法。

【公表番号】特表2010−504351(P2010−504351A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529369(P2009−529369)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/078917
【国際公開番号】WO2008/036755
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】