説明

バターを保持するための保持手段付きバター

【課題】バターナイフ等でバターを削り取ることなく、冷蔵庫から取り出したばかりの固化したバターを直接トーストパンに塗ることを可能とする。
【解決手段】トーストしたパン等に冷蔵庫から取り出したばかりの固化したバターを塗る場合は、バターナイフ(或いはバタースプレッダ)等でバターの適量を削りとってから塗るのが通常であるが、予め保持手段を設けた保持手段付きバターとすることで、冷蔵庫から取り出したばかりの固化したバターを直接トーストパンに塗ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トーストしたパン等にバターを塗る場合は、バターナイフ(或いはバタースプレッダ)等でバターの適量を削りとってから塗るのが通常である。ところが、融点が約28℃から35℃のバターは通常冷蔵庫で保管されているので、使う時には固化状態である。そのために、バターナイフ等で削り取ってトーストしたパン等に塗るが、硬いバターの塊でパンの表面に穴を開けてしまうと言う問題があった。
【0003】
そこで従来バターを塗る道具として、箱状のバタースプレッダが提供されているが、これを使うには購入したバターをスプレッダに装填しなければならず、手間がかかる。また酸化し易い油脂製品であるので使用後は清潔を保つための洗浄が必要である等、維持管理に少なからぬ手間が掛る。また購入費用も掛かり、あまり普及しているとは言えない。
【0004】
充分準備時間があるときは、使う頃に軟化しているように予め冷蔵庫から出しておいたり、最近は、使用する直前に電子レンジ等で軟化させたりするが、風味や品質保持を考えるとバターの保持温度を上げたり下げたりすることは好ましくない。
【0005】
以上のように、現在の技術背景のもとでは少なからぬ問題が存在しており、バターの取り扱いについては、マーガリン等と比べると使い勝手においてかなり劣っていると言わざるを得ない。
【0006】
実際に知られているバターナイフ等には以上の問題点を解決することを目的に工夫されているものもあるが、いずれも従来からあるバターナイフ等に特別の構造を施した程度のもので、根本的に利便性が向上しバターが塗り易くなるものとは言えない。即ち、冷蔵により固化されたバターを塗りやすくするという目的において従来からのバターナイフの欠点を僅かに改良したに過ぎず、塗りにくいバターの性質に根本的に対応した改善策と言えるものではない。
【0007】
【特許文献1】特開平8−10457号公報
【特許文献2】特開平10−201597号公報
【特許文献3】特開2004−121773号公報
【特許文献4】特開2006−102469号公報
【特許文献5】実用新案登録第3047279公報
【特許文献6】実用新案登録第3100960公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、冷蔵固化されたバターはトーストしたパンに塗るに際して使い勝手が悪いと言う点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、冷蔵庫から取り出した固化状態のバター等を、バターナイフ等で削りと取ることなく直接トーストしたパン等にバターを塗ることが出来るよう、バター自体にそれを保持するための手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバターは保持手段を備えているので、冷蔵庫から取り出した直後の固化常態のバターでも、いちいち削り取ることをしなくても、保持手段を持って直接トーストしたパンの表面に接触させれば、焼きあがったパンの余熱でバターはほどよく溶かされて均一にバターを塗るのとができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
バターを保持する手段としては、形状では棒状の保持部材、舌片状の保持部材及びそれらの組み合わせたもの、及び保持部材に把手を付けて扱い易いようにした把手付き保持手段がある。その材料として木材、竹材、プラスチック材、金属材及びそれらの組み合わせた把手付き保持手段がある。これをバターの大きさ、形状に応じて選択する。また、バターの取り扱いをし易くするためには適宜可撓性部材を組み合わせる。これを使い捨てにする場合は出来るだけ低コストに、リサイクルする場合は洗浄に適するなど安全と衛生に留意した材質・形状とする。
【0012】
供給者は把手のない保持手段を備えたバターを供給し、消費者は着脱自在の把手を所持し、購入したバターの保持手段に着脱自在の把手を装着して取り扱うのが経済的合理的である。把手の着脱自在構造としては、バネ力で保持手段を挟持する構造、ボールとバネ力で保持手段をクリック把持する構造等がある。
【実施例1】
【0013】
保持手段として最も単純かつ安価な、棒状(丸棒及び角棒)部材を用いた保持手段付き本発明バターの実施例を図1、図2に、保持手段として舌片状部材を用いた保持手段付き本発明保持手段付きバターの実施例を図3に示す。
【実施例2】
【0014】
また、バターの保持手段が把手付き形状である本発明保持手段付きバターの実施例を図4、図5に、さらに把手が可撓的に設けられた本発明保持手段付きバターの実施例を図6に示す。
【実施例3】
【0015】
さらに、その把手が着脱自在構造である本発明保持手段付きバターの実施例を図7に示す。
【実施例4】
【0016】
図8は、保持部材と把手の間に可撓性部を設けたことで、パンにバターを塗るのが効率的となることを示す実施例である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
大量に消費されるバターの、使用時の問題を解消する本発明保持手段付きバターは、冷蔵固化状態のバターを塗るのに非常に苦労すると言う問題を解消するものであり、バター取り扱いの利便性を格段に向上させるので、食生活の質の向上及びバターの消費拡大に寄与する効果は大きい。また、その形状から大量生産に向いており、食品産業に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】保持部材に丸棒状部材を用いた本発明保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図2】保持部材に角棒状部材を用いた本発明保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図3】保持部材に舌片状部材を用いた本発明保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図4】丸棒状部材を用いた保持部材に把手を設けた本発明保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図5】舌片状部材を用いた保持部材に把手を設けた本発保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図6】保持部材と把手の間に可撓性部を設けた本発明保持手段付きバターの実施例の斜視図である。
【図7】保持部材に着脱自在構造の把手を設けた本発明保持手段付きバターの一実施例を示す斜視図である。
【図8】保持部材と把手の間に部材可撓性部を設けたことの効果を示す概要図である。
【符号の説明】
【0019】
1 バター
2 保持部材に丸棒状部材を用いた保持手段
3 保持部材に角棒状部材を用いた保持手段
4 保持部材に舌片状部材を用いた保持手段
5 丸棒状部材を用いた保持部材に把手を設けた保持手段
6 舌片状部材を用いた保持部材に把手を設けた保持手段
7 把手
8 保持部材と把手の間に可撓性部を設けた保持手段
9 可撓性部
10 着脱自在の把手
11 トーストしたパン






【特許請求の範囲】
【請求項1】
バターを保持するための保持手段を備えた保持手段付きバター
【請求項2】
バターを保持するための保持手段の形状が図1図2に示すような棒状であることを特徴とする請求項1記載の保持手段付きバター。
【請求項3】
バターを保持するための保持手段の形状が図3に示すような舌片状であることを特徴とする請求項1記載の保持手段付きバター。
【請求項4】
バターを保持するための保持手段に把手部を設けたことを特徴とする請求項1記載の保持手段付きバター。
【請求項5】
バターを保持するための保持手段に可撓的に把手部を設けたことを特徴とする請求項1記載の保持手段付きバター。
【請求項6】
バターを保持するための保持手段の把手部が着脱自在構造であることを特徴とする請求項1記載の保持手段付きバター。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−240187(P2009−240187A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88874(P2008−88874)
【出願日】平成20年3月29日(2008.3.29)
【出願人】(391016820)
【Fターム(参考)】