説明

バックアップシステムおよびバックアッププログラム

【課題】効率よく、ハードウェアに変更が生じても動作可能なバックアップを実現する。
【解決手段】アプリケーションソフトウェアに従って制御部が動作し、該制御部の指示により主記憶装置と補助記憶装置とにデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記補助記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備え、前記制御部は、アプリケーションソフトウェアからのデータ書き込み命令に応じて前記補助記憶装置へデータを書き込む際に、該データを書き込む前記補助記憶装置での論理番地を監視し、前記退避用記憶装置における前記該論理番地と同番地のバックアップデータと前記書き込みデータとを比較して差が存在していれば、前記書き込みデータをバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDDなどの不揮発性の記憶装置に記憶されているデータのバックアップをとるバックアップシステムおよびバックアッププログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置(HDD)など補助記憶装置を利用するパーソナルコンピュータなどの情報処理端末または情報処理システムでは、障害等によるデータの消失に備え、二次記憶装置あるいは補助記憶装置としてのHDDに記憶されたデータを、他のHDDや各種記憶メディア等の退避用二次記憶装置あるいは退避用補助記憶装置にコピーして保存する、いわゆるバックアップが行われている。
【0003】
なお、この種のバックアップシステムでは、HDDなどの記憶装置の記憶内容の全てを退避用記憶装置にコピーする方式(第一方式)、記憶装置の記憶内容のうちで変更が生じたファイルをファイル単位で退避用記憶装置にコピーする方式(第二方式)、記憶装置の記憶内容のうちで変更が生じたファイル中の変更が生じた部分のデータを退避用記憶装置にコピーする方式(第三方式)、が存在している。
【0004】
なお、バックアップに関しては、以下の非特許文献に記載がなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Veritas NetBackup」、[online]、[平成20年9月2日検索]、インターネット<URL: http://www.symantec.com/ja/jp/business/netbackup>
【非特許文献2】「Symantec Backup Exec」、[online]、[平成20年9月2日検索]、インターネット<URL: http://www.symantec.com/ja/jp/business>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、以上の第一方式のバックアップシステムでは、記憶装置の全てのデータのバックアップをとるため、バックアップするデータが大容量であり、バックアップの作業に時間がかかる問題がある。
【0007】
また、以上の第二方式のバックアップシステムでは、変更が生じたファイル単位でバックアップをとるため、第一方式に比較するとバックアップするデータの容量を小さくすることができる。しかし、サイズの大きなファイルに変更が生じた場合には、やはりバックアップの作業に時間がかかる問題がある。
【0008】
そして、以上の第三方式であれば、変更が生じたファイル中の変更部分のデータのみをバックアップすれば良いため、バックアップ作業は以上の第一方式や第二方式に比べれば短時間で済む利点がある。
【0009】
なお、以上の第三方式は差分バックアップと呼ばれる方式であり、記憶装置に記憶された内容全てを最初にフルバックアップとして保存し、さらに、差分を差分データとして保存する。
【0010】
なお、この差分データを取得する際には、デバイスドライバとハードディスクコントローラとの間でデータを監視するため、ハードウェア(記憶装置(HDD))の物理空間に
おけるアドレス(物理アドレス)での監視となる。
【0011】
このため、差分データを記憶するために、物理アドレスでのデータの記憶を可能にする必要が生じる。このため、記憶装置と等しい容量の、すなわち、記憶装置と等しい物理アドレスを有する退避用記憶装置を用意して、等しい物理アドレスで差分データを記憶させる必要がある。
【0012】
この結果、バックアップのために、記憶装置と同じ容量のフルバックアップのための退避用記憶装置、記憶装置と同じ容量の差分バックアップのための退避用記憶装置、が必要になる。
【0013】
この場合、実際には小さな容量の差分データであるのに、大容量の記憶装置が必要となる問題が存在している。
また、記憶装置と退避用記憶装置とで、等しい物理アドレスで差分データを記憶させる必要があるため、差分データに対して圧縮処理を施すこともできなかった。
【0014】
また、デバイスドライバとハードディスクコントローラとの間でデータを監視するため、ハードディスクコントローラ(すなわち、ハードディスクコントローラが搭載されたマザーボード、あるいは、このマザーボードが搭載された情報処理装置そのもの)が変更されると、データの内容が変わってしまうため、バックアッププログラムが動作しなくなる可能性が存在している。
【0015】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、効率よくバックアップをとることができ、ハードウェアに変更が生じても動作可能なバックアップシステムおよびバックアッププログラムを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明では、以下に記載するバックアップシステムおよびバックアッププログラムを用いる。
(1)請求項1記載の発明は、オペレーティングシステムが動作する制御部と、該制御部の指示により不揮発性の記憶装置とにデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備え、前記制御部は、データ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とするバックアップシステムである。
【0017】
(2)請求項2記載の発明は、前記制御部は、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする請求項1記載のバックアップシステムである。
【0018】
(3)請求項3記載の発明は、前記制御部は、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバックアップシステムである。
【0019】
(4)請求項4記載の発明は、前記制御部は、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のバックアップシステムである

【0020】
(5)請求項5記載の発明は、制御部の指示により不揮発性の記憶装置にデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備えたバックアップシステムを動作させるバックアッププログラムであって、データ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とするバックアッププログラムである。
【0021】
(6)請求項6記載の発明は、前記制御部が、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とする請求項5記載のバックアッププログラムである。
【0022】
(7)請求項7記載の発明は、前記制御部が、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のバックアッププログラムである。
【0023】
(8)請求項8記載の発明は、前記制御部が、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とする請求項6−8のいずれか一項に記載のバックアッププログラムである。
【0024】
(9)請求項9記載の発明は、オペレーティングシステムが動作する制御部と、該制御部の指示により不揮発性の記憶装置とにデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記情報処理装置による前記記憶装置へのデータの書き込みを監視する監視装置と、前記監視装置の指示によりバックアップデータを記憶する退避用記憶装置と、を備え、前記監視装置は、前記情報処理装置がデータ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とするバックアップシステムである。
【0025】
(10)請求項10記載の発明は、前記監視装置は、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする請求項9記載のバックアップシステムである。
【0026】
(11)請求項11記載の発明は、前記監視装置は、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のバックアップシステムである。
【0027】
(12)請求項12記載の発明は、前記監視装置は、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、ことを特徴とする請求項9−11のいずれか一項に記載のバックアップシステムである。
【0028】
(13)請求項13記載の発明は、制御部の指示により不揮発性の記憶装置にデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記情報処理装置による前記記憶装置へのデータの書き込みを監視する監視装置と、前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備えたバックアップシステムのコンピュータを動作させるバックアッププログラムであって、前記情報処理装置がデータ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記監視装置のコンピュータを機能させる、ことを特徴とするバックアッププログラムである。
【0029】
(A)以上の(1)−(13)において、前記記憶装置と前記退避用記憶装置は、前記情報処理装置と直接接続されていてもよいし、ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0030】
(B)また、以上の(1)−(13)において、以上の前記記憶装置は、前記情報処理装置に接続されていても良いし、前記情報処理装置とは別の情報処理装置に接続されていてもよい。
【0031】
(C)また、以上の(1)−(13)において、以上の前記退避用記憶装置は、前記情報処理装置に接続されていても良いし、前記情報処理装置とは別の情報処理装置に接続されていてもよいし、監視装置に接続されていても良いし、監視装置とは別の情報処理装置に接続されていても良いし、
(D)また、以上の(1)−(13)において、前記記憶装置と前記退避用記憶装置とは、
それぞれ同一の情報処理装置に接続されていてもよいし、それぞれ別の情報処理装置に接続されていてもよいし、それぞれ情報処理装置と監視装置とに接続されていても良い。
【発明の効果】
【0032】
上述した本発明のバックアップシステム,管理サーバおよびバックアッププログラムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本願のバックアップシステムの発明では、アプリケーションソフトウェアに従って制御部が動作する情報処理装置に対して、データを記憶する不揮発性の記憶装置と、該記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する不揮発性の退避用記憶装置とが接続されており、制御部は、アプリケーションソフトウェアからのデータ書き込み命令に応じて記憶装置へデータを書き込む際に、該データを書き込む記憶装置での論理番地を監視し、退避用記憶装置における該論理番地と同番地のバックアップデータと書き込みデータとを比較して差が存在していれば、書き込みデータをバックアップデータとして退避用記憶装置に記憶させる。
【0033】
ここで、制御部は、データ書き込み命令に応じて記憶装置へデータを書き込む際に、オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、書き込みデータと同じ論理番地のバックアップデータとを比較して差が存在すれば、書き込みデータを新たなバックアップデータとして退避用記憶装置に記憶させる。
【0034】
ここで、制御部は、書き込みデータのうち、比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして退避用記憶装置に記憶させる。
また、制御部は、バックアップデータは論理番地で監視した差分データを抽出するので
、差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させることが可能になり、バックアップデータを小さくすることが可能になる。
【0035】
また、制御部は、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、データを書き込む際の記憶装置での論理番地を監視している。
このため、バックアップデータとしての差分データを記憶するために、物理アドレスでのデータの記憶ではなく、論理アドレスでのデータの記憶となるため、フルバックアップのための退避用記憶装置は記憶装置と同じ記憶容量が必要であるものの、差分データを記憶する退避用記憶装置は記憶装置より小さな記憶容量で済む。この結果、無駄の少ない効率の良いバックアップが可能になる。
【0036】
また、デバイスドライバとハードディスクコントローラとの間でのデータ監視ではなく、オペレーティングシステム中のファイルシステムにおいて論理アドレスでのデータ監視となるため、ハードウエアの変更が生じてもバックアップシステムの動作が停止してしまうことが無くなる。
【0037】
(2)本願のバックアッププログラムの発明では、アプリケーションソフトウェアに従って制御部が動作する情報処理装置に対して、データを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置とが接続されており、制御部は、アプリケーションソフトウェアからのデータ書き込み命令に応じて記憶装置へデータを書き込む際に、該データを書き込む記憶装置での論理番地を監視し、退避用記憶装置における該論理番地と同番地のバックアップデータと書き込みデータとを比較して差が存在していれば、書き込みデータをバックアップデータとして退避用記憶装置に記憶させる。
【0038】
そして、制御部は、書き込みデータのうち、比較によって差が生じている部分を、バックアップデータとして退避用記憶装置に記憶させる。
また、制御部は、バックアップデータは論理番地で監視した差分データを抽出するので、差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させることが可能になり、バックアップデータを小さくすることが可能になる。
【0039】
また、制御部は、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、データを書き込む際の記憶装置での論理番地を監視している。
このため、バックアップデータとしての差分データを記憶するために、物理アドレスでのデータの記憶ではなく、論理アドレスでのデータの記憶となるため、フルバックアップのための退避用記憶装置は記憶装置と同じ記憶容量が必要であるものの、差分データを記憶する退避用記憶装置は記憶装置より小さな記憶容量で済む。この結果、無駄の少ない効率の良いバックアップが可能になる。
【0040】
また、デバイスドライバとハードディスクコントローラとの間でのデータ監視ではなく、オペレーティングシステム中のファイルシステムにおいて論理アドレスでのデータ監視となるため、ハードウエアの変更が生じてもバックアップシステムの動作が停止してしまうことが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第一実施形態としてのバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態としてのバックアップシステムの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第二実施形態としてのバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕第一実施形態:
〔1−a〕第一実施形態のバックアップシステムの構成:
図1は本発明の第一実施形態としてのバックアップシステム100の構成を示すブロック図である。
【0043】
なお、この実施形態のバックアップシステム100では、該バックアップシステム100の中心となる情報処理装置(コンピュータ)100Cにおいて構成されているものとする。
【0044】
なお、この図1では、各種の情報処理端末装置(コンピュータ)において、バックアップをとる部分を中心に示しており、既知の一般的なコンピュータシステムやバックアップシステムにおけるハードウェアやソフトウェアについては、省略した状態になっている。
【0045】
この図1において、CPUなどの制御部とメインメモリ(一次記憶装置あるいは主記憶装置)上でオペレーティング・システム(以下、「OS」と言う)110が動作しており、そのOS110上で各種アプリケーションソフトウェア130が動作している状態を示している。
【0046】
また、この状態において、アプリケーションソフトウェア130が動作して、二次記憶装置あるいは補助記憶装置(請求項における「記憶装置」であり、以下、二次記憶装置あるいは補助記憶装置を、補助記憶装置と呼ぶ)としてのハードディスクドライブ装置(以下、「HDD」と言う)150が使用されており、この補助記憶装置150のデータについて退避用記憶装置160にバックアップをとる場合を示している。
【0047】
ここで、OS110は、後述するファイルシステム112側で使用される論理アドレスを補助記憶装置150側で使用される物理アドレスに変換する等のデバイスの差異を吸収して抽象化する仮想ファイルシステム111、記憶装置に記録されているデータを管理するFATやNTFSなどの各種方式のファイルシステム112、ハードディスクコントローラ140や補助記憶装置150をOS110から動作させるためのソフトウェアとしてのデバイスドライバ113、を有している。
【0048】
ファイルテーブル120は、ファイルシステム112における論理アドレスと物理アドレスとの対応関係を保持するテーブルである。なお、このファイルテーブル120は、補助記憶装置150内に存在している。
【0049】
アプリケーションソフトウェア130は、CPUなどの制御部とメインメモリ(主記憶装置)上で動作するOS110上で動作する各種のプログラムであり、本実施形態では、補助記憶装置150に対してアクセスを行う各種アプリケーションソフトウェア131と、該アプリケーションソフトウェア131による補助記憶装置150の記憶データについてのバックアップをとるバックアッププログラム132と、を有している。
【0050】
ハードディスクコントローラ140は後述する補助記憶装置150や退避用記憶装置160などのHDDをOSからの指示に基づいて制御してデータの読み書きを実行するコントローラである。
【0051】
補助記憶装置150は本実施形態において不揮発性の補助記憶装置として動作するハー
ドディスクドライブ装置である。
退避用記憶装置160は本実施形態においてバックアップに使用される退避用記憶装置であり、フルバックアップ退避用記憶装置161と、差分退避用記憶装置162とを備えて構成されている。
【0052】
ここで、フルバックアップ退避用記憶装置161は、補助記憶装置150と同じ記憶容量を有し、フルバックアップをするものである。また、差分退避用記憶装置162は、フルバックアップと書き込みデータとの差(増分データあるいは差分データ)を、差分バックアップとして記憶するためのものであり、補助記憶装置150や退避用記憶装置161よりは小容量のHDDである。
【0053】
なお、補助記憶装置150と退避用記憶装置160とは、バックアップシステム100の中心となる情報処理装置(コンピュータ)100Cに直接接続されていてもよいし、あるいは、ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0054】
また、補助記憶装置150と退避用記憶装置160とは、バックアップシステム100の中心となる情報処理装置(コンピュータ)100Cとは別の情報処理装置(コンピュータ)に接続されていても、情報処理装置100Cの補助記憶装置として動作するものであればよい。
【0055】
そして、この実施形態のバックアップシステムでは、まず、補助記憶装置150の記憶内容の全てを退避用記憶装置161にフルバックアップとして記憶しておき、その後は、補助記憶装置150の記憶内容のうちで変更が生じたファイル中の変更が生じた部分のデータを差分退避用記憶装置161にコピーする差分バックアップ方式に従って動作するものである。
【0056】
〔1−b〕第一実施形態のバックアップシステムの動作:
以下、図2のフローチャートを参照して、本実施形態のバックアップシステムの動作を説明する。
【0057】
なお、ここでは、制御部がバックアッププログラム132に従って、所定の時期にフルバックアップ退避用記憶装置161に、補助記憶装置150のフルバックアップとしてのバックアップデータを格納してあるものとして、実施形態の説明を行う。
【0058】
すなわち、予め定められた所定の時期にフルバックアップを実行して、フルバックアップ退避用記憶装置161に、補助記憶装置150のフルバックアップとしてのバックアップデータを格納しておく。そして、次の所定のフルバックアップを実行する時期までの間は、データに変更が生じた部分について差分バックアップを実行することで差分データを差分退避用記憶装置162に格納しておく。
【0059】
情報処理装置100Cの電源がオンにされることで、まず情報処理装置100Cの制御部はOS110を補助記憶装置150から主記憶にロードして起動する(図2中のステップS201)。
【0060】
そして、制御部はOS110を起動させた後、スタートアップ等の設定に従い、バックアッププログラム132を動作させる(図2中のステップS202)。
その後、制御部は、スタートアップ等の設定や利用者からの操作に従い、任意のタイミングで、各種アプリケーションソフトウェア131を動作させる(図2中のステップS203)。
【0061】
ここで、制御部はバックアッププログラム132に従って、各種アプリケーションソフトウェア131が動作する際にもバックグラウンドで動作している。
そして、制御部はバックアッププログラム132に従って、ファイルシステム112と仮想ファイルシステム111との間で、アプリケーションソフトウェア131がHDD150にデータを書き込む際のデータの流れを論理アドレスに従って監視している(図2中のステップS204)。制御部はこのバックアッププログラム132による監視を、情報処理装置100Cの電源オフまで常時続行する(図2中のステップS204、S211、S204)。
【0062】
補助記憶装置150に対してデータの書き込みが発生した場合、書き込みデータの論理アドレスによりファイルテーブルを参照し、退避用記憶装置160に記憶されている退避データを読み出して、書き込みデータと退避データとの比較を行う(図2中のステップS205、S206)。制御部はこのバックアッププログラム132による監視と比較とを、情報処理装置100Cの電源オフまで続行する(図2中のステップS204、S205、S206、S211、S204)。
【0063】
補助記憶装置150に対しての書き込みデータと対応する退避データとに差が生じていれば(図2中のステップS206でYES)、制御部はバックアッププログラム132に従い、書き込みデータ中で退避データと差が生じている部分(差分データ)と、該差分データの論理アドレスとを抽出する(図2中のステップS207)。
【0064】
ここで、制御部はバックアッププログラム132に従い、該差分データを圧縮し(図2中のステップS208)、圧縮された差分データを退避用記憶装置160内の差分退避用記憶装置162に書き込む(図2中のステップS209)。そして、これに対応して、差分退避用記憶装置161に書き込んだ差分データの論理アドレスや圧縮に関する情報をファイルテーブル120に格納する(図2中のステップS210)。制御部はこのバックアッププログラム132による差分判定と差分データの抽出と差分データの退避とを、情報処理装置100Cの電源オフまで続行する(図2中のステップS204〜S210、S211、S204)。
【0065】
以上のように、バックアップデータとしての差分データを記憶するために、補助記憶装置150における物理アドレスでのデータの記憶ではなく、論理アドレスでのデータの記憶となるため、フルバックアップのための退避用記憶装置161は補助記憶装置と同じ記憶容量が必要であるものの、差分データを記憶する退避用記憶装置162は補助記憶装置150より小さな記憶容量で済む。この結果、無駄の少ない効率の良いバックアップが可能になる。
【0066】
また、制御部は、バックアップデータは論理番地で監視した差分データを抽出するので、差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させることが可能になり、バックアップデータを小さくすることが可能になる。
【0067】
また、デバイスドライバ113とハードディスクコントローラ140との間でのデータ監視ではなく、オペレーティングシステム110中のファイルシステム112において論理アドレスでのデータ監視となるため、ハードウエアの変更が生じてもバックアップシステムの動作が停止してしまうことが無くなる。
【0068】
また、論理データにより差分データを抽出しているため、いわゆるデフラグされた状態のデータがバックアップされる。このため、差分データを記憶する際に、無駄な記憶容量が必要とされない。さらに、このバックアップデータによって復元処理を実行すると、デフラグされた状態のバックアップデータが補助記憶装置150に書き戻されることになる
ため、補助記憶装置150において無駄のない状態にすることが可能になる。
【0069】
また、論理データにより差分データを抽出しているため、補助記憶装置150や退避用記憶装置160のハードウェアに変更が生じたとしても、バックアップ処理や復元処理に何ら問題が生じることはなく、対処することができる。
【0070】
〔2〕第二実施形態:
図3は本発明の第二実施形態としてのバックアップシステム100の構成を示すブロック図である。
【0071】
以上の第一実施形態では、情報処理装置100C内でバックアップを実行していたが、この第二実施形態のバックアップシステム100では、バックアップの対象となるデータを有する情報処理装置300(300a〜300c)と、バックアップを実行する監視装置としてのバックアップサーバ400とが別になった状態の実施形態である。
【0072】
なお、情報処理装置300とバックアップサーバ400とは、この第二実施形態ではネットワーク200を介して接続されているが、ネットワーク以外の接続手段で接続されていてもよい。
【0073】
なお、この図3では、情報処理装置300とバックアップサーバ400との大まかな接続状態を示しており、既知の一般的なコンピュータシステムやバックアップシステムにおけるハードウェアやソフトウェアについては、省略した状態になっている。
【0074】
この図3の情報処理装置300では、図1の情報処理装置100Cと同様に、CPUなどの制御部とメインメモリ(一次記憶装置あるいは主記憶装置)上でオペレーティング・システム(以下、「OS」と言う)110が動作しており、そのOS110上で各種アプリケーションソフトウェア130が動作している。
【0075】
また、この状態において、情報処理装置300では、図1と同様に、アプリケーションソフトウェア130が動作して、二次記憶装置あるいは補助記憶装置(請求項における「記憶装置」であり、以下、二次記憶装置あるいは補助記憶装置を、補助記憶装置と呼ぶ)としてのハードディスクドライブ装置(以下、「HDD」と言う)150が使用されており、この補助記憶装置150のデータについて退避用記憶装置160にバックアップをとる。
【0076】
そして、情報処理装置300は、図1の情報処理装置100Cと同様に、ファイルシステム112側で使用される論理アドレスを補助記憶装置150側で使用される物理アドレスに変換する等のデバイスの差異を吸収して抽象化する仮想ファイルシステム111、記憶装置に記録されているデータを管理するFATやNTFSなどの各種方式のファイルシステム112、ハードディスクコントローラ140や補助記憶装置150をOS110から動作させるためのソフトウェアとしてのデバイスドライバ113、を有している。
【0077】
バックアップサーバ400において、バックアッププログラムが動作しており、退避用記憶装置460は本実施形態においてバックアップに使用される退避用記憶装置であり、フルバックアップ退避用記憶装置と、差分退避用記憶装置とを備えて構成されている。
【0078】
ここで、バックアップサーバ400側のフルバックアップ退避用記憶装置は、情報処理装置300のHDDと同じ記憶容量を有し、フルバックアップをするものである。また、バックアップサーバ400側の差分退避用記憶装置は、フルバックアップと書き込みデータとの差(増分データあるいは差分データ)を、差分バックアップとして記憶するための
ものであり、補助記憶装置や退避用記憶装置よりは小容量のHDDである。
【0079】
なお、バックアップサーバ400が複数台の情報処理装置300のバックアップ処理を担当する場合には、バックアップサーバ400の退避用記憶装置は情報処理装置300の各容量の台数分の容量を有するものとする。
【0080】
そして、この実施形態のバックアップシステムでは、まず、情報処理装置300のHDDの記憶内容の全てをバックアップサーバ400側の退避用記憶装置にフルバックアップとして記憶しておき、その後は、情報処理装置300のHDDの記憶内容のうちで変更が生じたファイル中の変更が生じた部分のデータをバックアップサーバ400側の差分退避用記憶装置にコピーする差分バックアップ方式に従って動作するものである。
【0081】
すなわち、予め定められた所定の時期にバックアップサーバ400が情報処理装置300のフルバックアップを実行して、退避用記憶装置460内のフルバックアップ退避用記憶装置に、情報処理装置300のHDDのフルバックアップとしてのバックアップデータを格納しておく。
【0082】
そして、次の所定のフルバックアップを実行する時期までの間は、情報処理装置300のデータに変更が生じた部分について差分バックアップをバックアップサーバ400が実行することで差分データを退避用記憶装置460内の差分退避用記憶装置に格納しておく。
【0083】
まず、バックアップサーバ400内の制御部はOSを起動させた後、スタートアップ等の設定に従い、バックアッププログラムを動作させる。
また、情報処理装置300内の制御部は、スタートアップ等の設定や利用者からの操作に従い、任意のタイミングで、各種アプリケーションソフトウェアを動作させる。
【0084】
そして、バックアップサーバ400で動作しているバックアッププログラムに従って、情報処理装置300内のファイルシステムと仮想ファイルシステムとの間(図1参照)で、アプリケーションソフトウェアがHDDにデータを書き込む際のデータの流れを論理アドレスに従って監視している。
【0085】
バックアップサーバ400の制御部はこのバックアッププログラムによる情報処理装置300の監視を、情報処理装置300の電源オフまで常時続行する。
情報処理装置300のHDDに対してデータの書き込みが発生した場合、バックアップサーバ400内は書き込みデータの論理アドレスによりファイルテーブルを参照し、退避用記憶装置460内に記憶されている退避データを読み出して、書き込みデータと退避データとの比較を行う。バックアップサーバ400の制御部はバックアッププログラムによる情報処理装置300の監視と比較とを、情報処理装置300の電源オフまで続行する。
【0086】
情報処理装置300のHDDに対しての書き込みデータと対応する退避データとに差が生じていれば、バックアップサーバ400の制御部はバックアッププログラムに従い、書き込みデータ中で退避データと差が生じている部分(差分データ)と、該差分データの論理アドレスとを抽出する。
【0087】
ここで、バックアップサーバ400の制御部はバックアッププログラムに従って差分データを圧縮し、圧縮された差分データを退避用記憶装置460内の差分退避用記憶装置に書き込む。
【0088】
そして、これに対応して、バックアップサーバ400の差分退避用記憶装置に書き込ん
だ差分データの論理アドレスや圧縮に関する情報を、必要に応じてファイルテーブル(図示せず)に格納する。
【0089】
バックアップサーバ400の制御部はこのバックアッププログラムによる差分判定と差分データの抽出と差分データの退避とを、情報処理装置300の電源オフまで続行する。
以上のように、バックアップサーバ400がバックアップデータとしての差分データを記憶するために、情報処理装置300における物理アドレスでのデータの記憶ではなく、論理アドレスでのデータの記憶となるため、バックアップサーバ400でのフルバックアップのための退避用記憶装置460は情報処理装置300の補助記憶装置と同じ記憶容量(かつ、情報処理装置300の台数分)が必要であるものの、差分データを記憶する退避用記憶装置460内の退避用記憶装置は情報処理装置300のHDDより小さな記憶容量で済む。この結果、無駄の少ない効率の良いバックアップが可能になる。
【0090】
また、バックアップサーバ400の制御部は、バックアップデータは論理番地で監視した差分データを抽出するので、差分データを圧縮して退避用記憶装置460に記憶させることが可能になり、バックアップデータを小さくすることが可能になる。
【0091】
また、デバイスドライバ113とハードディスクコントローラ140との間でのデータ監視ではなく、オペレーティングシステム110中のファイルシステム112において論理アドレスでのデータ監視となるため、各情報処理装置300や各HDDなどのハードウエアの変更が生じてもバックアップシステムの動作が停止してしまうことが無くなる。
【0092】
また、論理データにより差分データを抽出しているため、いわゆるデフラグされた状態のデータがバックアップサーバ400でバックアップされる。このため、差分データを記憶する際に、無駄な記憶容量が必要とされない。さらに、このバックアップデータによって復元処理を実行すると、デフラグされた状態のバックアップデータが情報処理装置300のHDDに書き戻されることになるため、情報処理装置300のHDDにおいて無駄のない状態にすることが可能になる。
【0093】
また、論理データにより差分データを抽出しているため、情報処理装置300の補助記憶装置やバックアップサーバ400の退避用記憶装置160のハードウェアに変更が生じたとしても、バックアップ処理や復元処理に何ら問題が生じることはなく、対処することができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上のバックアップシステムとしては、オフィスなどで使用される業務用のバックアップシステムに限定されず、個人が使用する家庭でのパーソナルコンピュータなどの小規模システムにおけるバックアップに適用することも可能である。
【0095】
また、バックアッププログラムの実行は、情報処理装置内部であってもよいし、情報処理装置とは別のコンピュータ(監視装置、バックアップサーバ)であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
100 バックアップシステム
100C 情報処理装置
110 OS
112 ファイルシステム
111 仮想ファイルシステム
113 デバイスドライバ
120 ファイルテーブル
130 アプリケーションソフトウェア
131 各種のアプリケーションソフトウェア
132 バックアッププログラム
140 HDDコントローラ
150 補助記憶装置
160 退避用記憶装置
161 フルバックアップ退避用記憶装置
162 差分退避用記憶装置
200 ネットワーク
300 情報処理装置
400 バックアップサーバ(監視装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティングシステムが動作する制御部と、該制御部の指示により不揮発性の記憶装置とにデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、
前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備え、
前記制御部は、データ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、
前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とするバックアップシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1記載のバックアップシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバックアップシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、
ことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のバックアップシステム。
【請求項5】
制御部の指示により不揮発性の記憶装置にデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備えたバックアップシステムを動作させるバックアッププログラムであって、
データ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするバックアッププログラム。
【請求項6】
前記制御部が、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする請求項5記載のバックアッププログラム。
【請求項7】
前記制御部が、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のバックアッププログラム。
【請求項8】
前記制御部が、ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、
よう前記情報処理装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする請求項6−8のいずれか一項に記載のバックアッププログラム。
【請求項9】
オペレーティングシステムが動作する制御部と、該制御部の指示により不揮発性の記憶装置とにデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、
前記情報処理装置による前記記憶装置へのデータの書き込みを監視する監視装置と、
前記監視装置の指示によりバックアップデータを記憶する退避用記憶装置と、を備え、
前記監視装置は、
前記情報処理装置がデータ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、
前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とするバックアップシステム。
【請求項10】
前記監視装置は、前記書き込みデータのうち、前記比較によって差が生じている部分を、バックアップデータの差分データとして前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とする請求項9記載のバックアップシステム。
【請求項11】
前記監視装置は、前記差分データを圧縮して前記退避用記憶装置に記憶させる、
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のバックアップシステム。
【請求項12】
前記監視装置は、
ファイルシステムにおいて論理番地を管理するテーブルを参照し、前記データを書き込む際の前記記憶装置での論理番地を監視する、
ことを特徴とする請求項9−11のいずれか一項に記載のバックアップシステム。
【請求項13】
制御部の指示により不揮発性の記憶装置にデータを記憶させる機能を備えた情報処理装置と、前記情報処理装置による前記記憶装置へのデータの書き込みを監視する監視装置と、前記記憶装置に記憶されたデータをバックアップデータとして記憶する退避用記憶装置と、を備えたバックアップシステムのコンピュータを動作させるバックアッププログラムであって、
前記情報処理装置がデータ書き込み命令に応じて前記記憶装置へデータを書き込む際に、前記オペレーティングシステム中でファイルシステムの上位に位置する仮想ファイルシステムでの論理番地を監視し、前記書き込みデータと同じ論理番地の前記バックアップデータとを比較して差が存在すれば、前記書き込みデータを新たなバックアップデータとして前記退避用記憶装置に記憶させる、よう前記監視装置のコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするバックアッププログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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