説明

バックライト装置及びそれを備える表示装置

【目的】 バックライト装置や表示装置の部品点数や組立て工数の削減を図る。
【構成】 光源の光を導く導光板2の一面に光学シート4を配置したバックライト装置において、前記バックライト装置に付属させた端子板14を前記光学シート4の外れ止め用として用いたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に代表される平面型の表示装置に好適なバックライト装置及びそれを備える表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に代表される平面型の表示装置に利用さているバックライト装置は、導光板の側面に光源を配置し、導光板の一面に光拡散シート、プリズムレンズシートなどの1枚もしくは複数枚の光学シートを配置している。この光学シートは、表示装置への組み込み過程において、表示装置の金属製前面枠の裏側に位置する枠体に片面もしくは両面接着テープ等を用いて固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように接着テープによって光学シートを固定する構造は、接着テープという余分な部品を必要とする。また、組立て作業において、光学シートの位置合わせ作業性の問題、接着テープから発生する粘着性異物による不良発生などの問題が有る。また、光学シートの縁を接着テープで固定するため、光学シートの熱膨張と収縮が阻害され、光学シートにひずみやしわが発生する要因になっている。
【0004】そこで本発明は上記の点を考慮し、バックライト装置や表示装置の部品点数や組立て工数の削減を図ることを課題の1つとする。また、光学シートへのひずみやしわの発生を防止することを課題の1つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のバックライト装置は、請求項1に記載のように、光源の光を導く導光板の一面に光学シートを配置したバックライト装置において、前記バックライト装置に付属させた端子板を前記光学シートの外れ止め用として用いたことを特徴とする。
【0006】また、本発明の表示装置は、請求項2に記載のように、光源の光を導く導光板の一面に光学シートを配置したバックライト装置と、このバックライト装置の上に配置された表示パネルと、前記表示パネルの外周部を覆う金属製の前面枠を備えた表示装置において、前記前面枠に接するように前記バックライト装置に付属させた端子板を用いて前記光学シートの外れ止めを行なったことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態に付いて、図面を参照して説明する。図1はバックライト装置1の平面図、図2〜4は図1の丸で囲んでA〜Cの符号を付した部分の拡大図、図5は図2のAA−AAに沿った断面図、図6は、図5に相応する液晶表示装置の断面図である。
【0008】バックライト装置1は、導光板2の側面に対面して光源部3を配置し、光射面となる一面、この例では上面に光学シート4を積層するように配置している。導光板2は、アクリル等の光透過性が良い樹脂製の板を平面矩形に加工して形成している。光源部3は、冷陰極管などで構成した線状光源を導光板2の側面に対向するように所定の辺、この例では長辺に沿って配置し、その周囲に光反射部材を配置して構成している。
【0009】導光板2の周囲には、導光板2の端縁を支えるように樹脂製の枠体5を配置している。この枠体5は、導光板2の厚さと同程度の厚さで、その内側のくぼみ部分に導光板2を着脱自在に収容している。枠体5は、導光板2と一体的に形成することもでき、例えば2色成型等によって両者を一体的に形成することもできる。
【0010】光学シート4は、同一平面形状の光拡散シートやプリズムレンズシートなどを複数枚積層して構成しているが、一枚のみの構成とすることもできる。光学シートの所定の辺、この例では短辺には、図2〜3に示すように、外れ止め用に用いる一対の舌状片6,7を形成している。この舌状片6,7には、位置決め用の孔6a,7aが形成されている。
【0011】この位置決め用の孔6a,7aと対応して、バックライト装置1の上面には、図2,3,5に示すように、孔6a,7aに貫通するボス8,9を一体的に形成している。この例では、導光板2よりも外側に舌状片6,7を配置し、その下に位置する枠体5の上面にボス8,9を形成しているが、舌状片6,7が導光板2の上面に位置する場合は、ボス8,9を導光板2に一体的に形成することもできる。
【0012】光学シート4の所定の辺、この例では線状光源が配置された側と反対側の長辺には、図1,3,4に示すように、位置決め用の一対の舌状片10,11を形成している。バックライト装置1の上面には、位置決めのためにこの舌状片10,11の一側部が当接できるように小さな基準面12,13を形成している。基準面12,13は、導光板2の外側に位置する枠体5に形成している。
【0013】バックライト装置の4隅には、電気的な接続用あるいは補強用としてこの装置に付属する端子板14,15,16,17を配置している。端子板14〜17は、導電性のある金属板をコ字状に折り曲げて形成し、この例では、前記枠体5の短辺を構成する部分の樹脂の上下を挟み込むようにして取り付けている。端子板14〜17は、その一部14a〜17aを枠体5の小孔に折り曲げることによって抜け止め固定している。端子板14〜17には、外部装置への固定用の円形なし半円形の貫通孔14b〜17bの他にも、グランド接続等の際に利用するビス止め用の貫通孔14c〜17cを形成している。
【0014】端子板14〜17の内、前記ボス8,9に隣接して配置した端子板14,15は、その一部が光学シート4を押さえることによって、前記ボス8,9に保持された前記光学シート4の外れ止めを行なう金具を兼用することができるように、その一側に押え部14d、15dを一体形成している。この押え部14d,15dは、前記光学シート4の舌状片6,7と重なるように、前記ボス8,9の近傍位置に至る長さに形成している。押え部14d,15dの先端には、ボス8,9が嵌まり込む半円状の切り欠きが形成されている。
【0015】上記バックライト装置1は、以下のようにして組み立てられる。まず、導光板2の一側面に対向するように線状光源が反射部材とともに配置されて光源部3が装着された組立ユニットが形成される。この組立ユニットが枠体5に填め込まれる。光源部3や枠体5の構造によっては、導光板2を枠体5に填め込んだ後に光源部3を導光板2の側面に配置することもできる。導光板2の下面には、反射性を高めるめの表面処理を施したり、反射シート2aを配置するのが光の利用効率を高める上で有効である。
【0016】次に、光学シート4を導光板2の上に積層配置する。ここで、互いに間隔を置いて配置した舌状片10,11の一側部を枠体の基準面12,13に当接することによりシート4の一方向(短辺方向)の位置決めが行われる。また、互いに間隔を置いて配置した舌状片6,7の孔6a,7aにボス8,9を貫通させることによって、シート4の他の方向(長手方向)の位置決めとシート4の平面方向の移動防止が行なわれる。
【0017】次に、枠体5にその側方から端子板14〜17をスライドして装着する。この装着によって、押え部14d、15dが舌状片6,7を押さえるようにその上に位置し、舌状片6,7がボス8,9から抜けるのを端子板の一部である押え部14d,15dが阻止することによって、光学シート4の外れ止めが成される。
【0018】尚、端子板14,15は、他の端子板16,17とともに光学シート4の装着前に枠体5に予め装着しておくこともできる。この場合は、光学シート4のボス8,9への装着を押え部14d,15dが阻害しないように、押え部14d,15dをボス8,9の高さ位置付近まで予め上側に折り曲げておき、シート4装着後に押え部14d,15dを下側に折り曲げてシート4の外れ止めを行なっても良い。
【0019】このようにしてバックライト装置1が組み立てられた後、図6に示すように、液晶表示装置18が組み立てられる。すなわち、表示パネル、この例では液晶表示パネル19がバックライト装置1の上に積層するようにして配置され、その周囲を覆うように金属製の前面枠20が装着される。前面枠20は、その一部をバックライト装置1の枠体5等に係止させることにより、固定される。この固定によって、前面枠20がバックライト装置1の端子板14〜17に電気的に接続されるが、それをより確実に行なうために、前面枠20の一部を端子板14〜17の孔部分14c〜17cにビス止めして固定している。このビス止めによって、光源部3に配置した金属製部分、例えば金属製の反射部材と前記端子部14が前記端子部14の裏側において電気的に接続される。また、前記ビス止めによって端子板14と端子板15の間に配置した回路基板上のグランドパターン(図示せず)が端子板14もしくは端子板15に電気的に接続される。その結果、端子板14あるいは端子板15を介して前面枠20や光源部3を構成する金属部分を電気的にグランド(接地)電位に接続して不要輻射の発生を防止(EMI対策)した表示装置を提供することができる。
【0020】このように、バックライト装置1に必要な部品を利用して光学シート4の外れ止めを行なうことができるので、部品点数や組立て工数の削減を図ることできる。また、光学シート4は、ボス8,9に遊びを持った状態で装着されているので、接着テープ等によって固定する場合に比べて、光学シート4の変形自由度を高く確保することができ、熱サイクルなどの膨張、収縮に起因するひずみやしわの発生が少ない構造を提供することができる。また、光学シート4を枠体5に接着テープなどによって固定する場合に比べて、光学シート4と導光板2の間の摩擦などに起因する光学シート4への傷の発生を抑制することができる。
【0021】尚、上記実施形態においては、端子板14〜17の内、バックライト装置1の一方の短辺に配置する2つ端子板14,15を利用して光学シートの外れ止めを行なったが、これ以外の端子板も光学シートの外れ止めに利用しても良い。例えば、バックライト装置1の上部に位置する端子板14,16を光学シートの外れ止めに利用してもよい。特に、パソコンなどの最終製品に組み込んだ場合に上側に位置するシート4の端部を端子板14,16によって固定すると、シート4の移動を最小限に抑えることができる。また、4隅に配置する端子板14〜17の全てを光学シートの外れ止めに利用してもよい。また、バックライト装置1、特にその光源部3の形状や配置によっては、バックライト装置1の長辺に端子板14〜17を配置することができるので、長辺に配置の端子板を利用して光学シート4の外れ止めを行なっても良い。
【0022】また、上記実施形態は、液晶表示装置を例に取ったが、バックライト装置の上に液晶パネル以外の表示パネルを配置した表示装置にも本発明は適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、部品点数、組立て工数の削減を図ったバックライト装置やそれを用いた表示装置を提供することができる。また、光学シートの品質を良好に保つことができ、バックライト装置の状態を安定な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライト装置の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA部分の拡大図である。
【図3】図1のB部分の拡大図である。
【図4】図1のC部分の拡大図である。
【図5】図2のAA―AA部分の断面図である。
【図6】液晶表示装置の断面図で、図5に相当する部分の断面図である。
【符号の説明】
1 バックライト装置
3 光源部
4 光学シート
5 枠体
14 端子板
15 端子板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源の光を導く導光板の一面に光学シートを配置したバックライト装置において、前記バックライト装置に付属させた端子板を前記光学シートの外れ止め用として用いたことを特徴とするバックライト装置。
【請求項2】 光源の光を導く導光板の一面に光学シートを配置したバックライト装置と、このバックライト装置の上に配置された表示パネルと、前記表示パネルの外周部を覆う金属製の前面枠を備えた表示装置において、前記前面枠に接するように前記バックライト装置に付属させた端子板を用いて前記光学シートの外れ止めを行なったことを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【公開番号】特開2002−75033(P2002−75033A)
【公開日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−263169(P2000−263169)
【出願日】平成12年8月31日(2000.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】