説明

バックル

【課題】発光部材を備え、当該発光部材が発光する際に該発光部材を保護することの可能なバックルを提供する。
【解決手段】バックルは、筒部21を有する雌部材2と、筒部21に脱離可能に挿着され筒部21の開口を塞ぐ雄部材1と、雄部材1及び雌部材2の少なくとも一方に設けられ、筒部21に雄部材1が挿着された状態で筒部21内に配置される発光部材14とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌部材の筒部に雄部材が脱離可能に挿着されるバックルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のように、発光部材が備えられたベルト用のバックルが考案されている。特許文献1に記載のバックルでは、ベルト用のバックルの表面を構成するカバー部がバックル本体に対して取り外し可能に保持され、カバー部の一部に電球が取り付けられている。そして、バックル本体からカバー部が取り外されることによりカバー部の外側に操作部が露出し、これにより電球による発光機能が発現されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3097326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のバックルでは、電球が常に外部に露出することになるため、外部からの衝激を電球が受けやすく、それゆえに電球の故障する頻度が高いという不都合がある。そこで、発光部材を備え、当該発光部材を保護することの可能なバックルが求められている。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光部材を備え、当該発光部材を保護することの可能なバックルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
本発明におけるバックルの一態様は、筒部を有する雌部材と、前記筒部に脱離可能に挿着され前記筒部の開口を塞ぐ雄部材と、前記雄部材及び前記雌部材の少なくとも一方に設けられ、前記筒部に前記雄部材が挿着された状態で前記筒部内に配置される発光部材と、を有する。
【0007】
上記態様によれば、雄部材と雌部材とから構成されるバックルに発光部材が設けられている。このため、雄部材が雌部材に挿着された状態では、発光部材がそれを囲む部分に保護される。
【0008】
本発明におけるバックルの一態様は、前記雄部材のうちで前記開口を塞ぐ部分、及び前記雌部材における前記筒部の少なくとも一方に形成され光を透過する透光部を有する。
上記態様によれば、発光部材を囲む部分には透光部が設けられている。このため、雄部材が雌部材に挿着された状態では、発光部材がそれを囲む部分に保護され、且つ発光部材の発光機能が透光部によって発現される。
【0009】
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、前記発光部材が、前記雄部材に設けられ、前記透光部が、前記筒部である。
上記態様によれば、発光部材が雄部材に設けられているため、発光部材が雄部材と雌部材との双方に設けられる態様と比べて、バックルの構成を簡素にすることが可能である。また、雌部材の筒部内に発光部材が配置される態様と比べて、これもまたバックルの構成を簡素にすることが可能である。
【0010】
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、前記透光部が、有色且つ透明である。
上記態様よれば、透光部が有色且つ透明であるため、有色の光がバックルから発せられることになる。よって、バックルを指示灯や警告灯等として使用することが可能である。
【0011】
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、互いに異なる複数の前記透光部が、前記雄部材と前記雌部材とに設けられ、前記雄部材における前記透光部の色と前記雌部材における前記透光部の色とが互いに異なる。
【0012】
上記態様よれば、雄部材と雌部材とにおいて互いに異なる色の光が発せられるため、バックルの周囲における光の色が、互いに異なる色と、該互いに異なる色の混ざった色とに分かれることになる。そのため、バックルにおけるファッション性を高めることができる。
【0013】
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、前記発光部材が設けられた部位に対して前記発光部材を着脱する着脱機構を備える。
上記態様によれば、発光部材が設けられた部位に対して発光部材が着脱可能であるから、発光部材の機能とバックルの機能とを各別に発現させることができる。また、バックルが取り付けられた鞄やバックパック等の装身具や衣類等が洗濯されるときに、発光部材の設けられた部位から発光部材が取り外されることで、発光部材が水に浸かることを抑えることができる。
【0014】
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、前記筒部の内部に設けられ、前記筒部に前記雄部材が挿着された状態で前記発光部材を収納する収納部を有し、前記収納部は、透光性を有する。
【0015】
上記態様によれば、発光部材の保護を収納部によって更に高めることが可能である。
本発明におけるバックルの一態様は、上記態様において、前記着脱機構が、バックル機構である。
【0016】
上記態様によれば、バックル機構によって発光部材を着脱することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のバックルによれば、発光部材を備え、当該発光部材が発光する際に該発光部材を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明におけるバックルの第1の実施形態の斜視構造を示す斜視図であって、雄部材と雌部材との非係合の状態を示す図。
【図2】同第1の実施形態の斜視構造を示す斜視図であって、雄部材と雌部材とが係合した状態を示す図。
【図3】本発明におけるバックルの第2の実施形態の平面構造を示す平面図であって、(a)発光部材が雄部材から離脱された状態を示す図、(b)発光部材が雄部材に装着された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
図1に示されるように、バックルを構成する雄部材1は、平面視方向から見てE字形状をなし、直方体状をなす雄側基部11には、ベルト等の帯体が挿通される雄側スリット11aが一つの方向に沿って形成されている。
【0020】
雄側基部11にて雄側スリット11aの延びる方向の両端部には、膨大した先端部12を有して互いに対向する一対の脚部13が、雄側スリット11aに対して直交する方向に延設されている。これら一対の脚部13の各々には、該脚部13における雄側基部11側に、肉厚が先端部12よりも小さいヒンジ部15が形成されている。また、一対の先端部12の各々は、他方の先端部12とは反対側に突出する係合突起16を有している。そして、一対の先端部12が互いに近づくように一対の脚部13が外力を受けると、一対の先端部12が互いに近づくように、一対の脚部13が撓曲する。これら雄側基部11及び一対の脚部13は、光を透過しない黒色の樹脂材料によって一体的に成形されている。
【0021】
雄側基部11において一対の脚部13の間には、脚部13の延設方向に延びる直方体形状の発光部材14が、一対の脚部13と同じく、雄側基部11の一側に突設されている。発光部材14は、該発光部材14の外部へ白色の光を出射するLED等の自発光源であって、該発光部材14の上面には、発光源を点灯させる操作部31が設けられている。この操作部31は、スライドスイッチによって構成されている。そして、操作部31であるスライドスイッチが、その操作範囲のうちで発光部材14の先端側に変位させると、発光部材14が点灯する一方、操作部31であるスライドスイッチが、その操作範囲のうちで雄側基部11側である基端側に変位させると、発光部材14が消灯する。このような構成であれば、雄部材1にて脚部13が操作される方向と、操作部31が操作される方向とが互いに異なるため、脚部13の操作時に操作部31が誤って操作されることを抑えることが可能である。
【0022】
一方、バックルを構成する雌部材2の雌側基部22には、ベルト等の帯体が挿通される雌側スリット26が一つの方向に沿って形成されている。雌部材2の全体は、発光部材14からの光を透過する赤色の透明材料によって形成されて透光部として機能する。
【0023】
雌側基部22には、雌側スリット26の延設方向における両側が括れた矩形筒状の筒部21が、雌側スリット26に対して直交する方向に延設されている。筒部21の先端側には、上述した一対の脚部13、及び発光部材14の挿脱される挿脱孔23が、雌側スリット26に対して直交する方向に沿って形成されている。挿脱孔23の内部には、該挿脱孔23の延設方向に延びる互いに平行な一対の隔壁24が形成されている。そして、挿脱孔23の内部がこれら一対の隔壁24で区画されることによって、同挿脱孔23の内部に、これら一対の隔壁24と筒部21の一部とで挟まれた部分である収納部が区画される。また、筒部21において括れた部分には、挿脱孔23と連通する一対の被係合孔25が互いに対向して形成されている。
【0024】
次に、上記構成からなるバックルの作用について説明する。
まず、図1に示されるように、雄部材1と雌部材2とが非係合状態であるとき、発光部材14における操作部31の操作が利用者によって可能となっている。そして、発光部材14を点灯させてバックルを使用する際、例えばバックルを安全灯のような目印として使用する際、操作部31がその操作範囲のうちで発光部材14の先端側に変位され、これにより発光部材14が点灯される。次いで、発光部材14の先端が一対の隔壁24の間に挿入される態様で、一対の脚部13の先端部12が挿脱孔23の内部に挿入される。続いて、一対の先端部12が雌部材2の筒部21に挿入されると、先端部12が筒部21の内側面に沿って移動しながら、一対の先端部12が互いに近づくようにヒンジ部15が撓む。そして、係合突起16が被係合孔25に到達すると、先端部12が互いに離れるようにヒンジ部15が撓みを戻し、図2に示されるように、一対の脚部13の引き抜きが係合突起16と被係合孔25との係合により係止される。
【0025】
この際、発光部材14の出射する白色の光は、赤色の透明材料からなる隔壁24、及び同じく赤色の透明材料からなる筒部21によって赤色に変換されて雌部材2の外部へ出射される。そして、こうした雄部材1と雌部材2とが係合する状態では、発光部材14の周囲が筒部21によって覆われるため、発光部材14に向けた外力が筒部21によって吸収されて発光部材14がこうした外力から保護されることになる。また、塵や埃等が筒部21によって遮断されるため、発光部材14がこうした汚損から保護されることにもなる。また、発光部材14の操作部31も筒部21によって覆われるため、発光部材14が不用意に消灯されることもなく、さらに、雄部材1にて脚部13が操作される方向と、操作部31が操作される方向とが互いに異なるため、脚部13の操作時に操作部31が誤って操作されることも抑えられる。
【0026】
そして、発光部材14が消灯される際には、まず、上述した状態の一対の先端部12が互いに近づくように押圧され、これにより係合突起16と被係合孔25との係合が解除されて一対の脚部13及び発光部材14が挿脱孔23から抜き出される。次いで、雄部材1と雌部材2とが互いに離れると、発光部材14の操作部31が、その操作範囲のうちで雄側基部11側である基端側に配置され、発光部材14が消灯される。そして、雄部材1が雌部材2の挿脱孔23に再び挿着されることで、雄部材1と雌部材2とが互いに係合し、発光部材14が筒部21の内部で保護され続ける。
【0027】
以上、上述した第1の実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)雄部材1と雌部材2とから構成されるバックルに発光部材14が設けられ、雄部材1が雌部材2に挿着された状態では、発光部材14が筒部21によって覆われる。このため、発光部材14が外力や汚れから保護されることになる。
【0028】
(2)発光部材14の周囲に配置される雌部材2の筒部21が透光性を有し、雄部材1が雌部材2に挿着された状態では、発光部材14が筒部21によって覆われる。このため、発光部材14の消灯時及び点灯時の双方で、透光性を有した筒部21を介して発光部材14の発光機能が発現される。
【0029】
(3)発光部材14が雄部材1に設けられるため、発光部材14が雌部材2における筒部21の内部に設けられる態様、さらにはこれに加えて雄部材1にも設けられる態様と比べて、バックルの構成を簡素にすることが可能である。また、雌部材2から抜き出された状態で発光部材14を点灯させることが可能でもあり、この際には、雌部材2を介して出射される赤色の光の他、発光部材14から直接出射される白色の光を1つのバックルで出射させることが可能にもなる。
【0030】
(4)雌部材2が赤色且つ透明の材料で形成されるため、雄部材1が雌部材2に挿着された状態では、発光部材14が出射する白色の光を赤色に変換することが可能である。そのため、発光部材14が白色の光を出射する態様とはいえ、バックルそのものを赤色の光を出射する警告灯として利用することが可能でもある。
【0031】
(5)雄部材1が雌部材2に挿着された状態で発光部材14を収納する収納部が、筒部21の内部に一対の隔壁24によって形成され、且つ一対の隔壁24が、筒部21と同じく透光性を有する。そのため、発光部材14の保護をこうした収納部によって更に高めることが可能でもある。
【0032】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について、図3を参照して説明する。第2の実施形態のバックルでは、発光部材が雄側基部に対して着脱可能である点が第1の実施形態と異なっている。そのため、以下では、こうした第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第2の実施形態では、図1を参照して説明した第1の実施形態におけるバックルと同様の構成要素に対し同じ符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図3に示されるように、雄側基部11における一対の脚部13の間には、該脚部13の延設方向に一対の係合爪18が延設されている。一方、発光部材14における雄側基部11側の端部である基端部は、上記一対の係合爪18が挿入及び脱離可能な円筒状に形成されている。また、発光部材14の基端部における側面には、係合爪18と係合することの可能な一対の被係合孔32が形成されている。すなわち、発光部材14における基端部と雄側基部11における係合爪18とは、発光部材14を雄側基部11に対して着脱可能にする着脱機構としてのバックル機構として機能する。
【0034】
次に、上記構成からなるバックルの作用について説明する。
まず、図3(a)に示されるように、雄部材1と雌部材2とが非係合状態であって、且つ雄側基部11と発光部材14とが非係合状態であるとき、発光部材14における操作部31の操作が利用者によって可能となっている。そして、発光部材14を点灯させてバックルを使用する際には、まず、発光部材14の基端部に一対の係合爪18が挿入され、これにより発光部材14の基端部に雄側基部11の係合爪18が挿着される。次いで、操作部31がその操作範囲のうちで発光部材14の先端側に配置され、これにより発光部材14が点灯される。次いで、一対の先端部12及び発光部材14が雌部材2の筒部21に挿入されると、図3(b)に示されるように、一対の脚部13の引き抜きが係合突起16と被係合孔25との係合により係止される。
【0035】
この際、先に説明した第1の実施形態と同じく、発光部材14の出射する白色の光は、赤色の透明材料からなる筒部21によって赤色に変換されて雌部材2の外部へ出射される。そして、こうした雄部材1と雌部材2とが係合する状態では、発光部材14の周囲が筒部21によって覆われるため、発光部材14に向けた外力が筒部21によって吸収されて発光部材14がこうした外力から保護されることになる。
【0036】
次に、発光部材14の点灯が不要になった際には、係合突起16と被係合孔25との係合が解除されて一対の脚部13及び発光部材14が挿脱孔23から抜き出される。次いで、発光部材14の操作部31が、その操作範囲のうちで雄側基部11側である基端側に変位され、発光部材14が消灯される。さらに、バックルが取り付けられた鞄やバックパック等の装身具や衣類等が洗濯されるときには、上述したバックル機構によって発光部材14における基端部が係合爪18からとり外される。これにより、発光部材14が水に浸かることを抑えることが可能にもなる。
【0037】
以上、上述した第2の実施形態によれば、上記(1)〜(5)に準じた効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)雄側基部11に対して発光部材14が着脱可能であるため、バックルが取り付けられた鞄やバックパック等の装身具や衣類等を洗濯したいときに、発光部材14を取り外すことが可能である。それゆえに、バックル本来の機能を制約することを抑え、且つ発光部材14が水に浸かることを抑えることが可能にもなる。
【0038】
(7)雄側基部11に対して発光部材14が着脱可能であるため、1つのバックルに対して発光部材14を交換することが可能にもなる。このような態様であれば、発光部材14における発光機能が寿命等により失われる場合であっても、雄部材1が交換されることなく、バックルにおける発光機能を再び発現させることが可能になる。また、互いに異なる複数の色を出射する複数の発光部材14を互いに異なるタイミングで利用することが可能になるため、バックルにおけるファッション性を高めることが可能にもなる。
【0039】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記各実施形態では、雄部材1と雌部材2とが互いに離れた状態で、発光部材14の操作部31が操作可能になる。これを変更して、一対の脚部13におけるヒンジ部15及び操作部31が挿脱孔23から抜き出され、且つ、この状態にて、先端部12と筒部21とが互いに係合するように、雄部材1と雌部材2とが構成されてもよい。このような構成によれば、上記(1)〜(7)に準じた効果に加え、以下の効果を得ることが可能でもある。
【0040】
(8)雄部材1と雌部材2との係合が保たれた状態で、発光部材14に対する点灯操作及び消灯操作が可能になる。それゆえに、雄部材1と雌部材2とを連結するというバックル本来の機能に対し、それが制約されることを抑えて、上記効果を得ることが可能にもなる。
【0041】
・上記構成において、雌部材2の色は、赤色以外であってもよく、また互いに異なる複数の色であってもよく、また発光部材14が出射する光の色と同色であってもよい。要は、雌部材2は、発光部材14が出射する光を透過する透光性を有する構成であればよい。
【0042】
・上記構成において、雌部材2が光を透過しない材料から形成される一方、雄部材1と雌部材2とが係合する状態で雄部材1のうち下記(a)(b)の少なくとも1つが透光性を有する構成であってもよい。また、雌部材2の筒部21が透光性を有するとともに、雄部材1と雌部材2とが係合する状態で雄部材1のうち下記(a)(b)の少なくとも1つが透光性を有する構成であってもよい。
【0043】
(a)雄側基部11のうち挿脱孔23の開口と互いに向かい合う部分。
(b)脚部13のうち被係合孔25の開口を通じて外部に露出される部分。
要は、雄部材1のうちで筒部21の開口を塞ぐ部分及び雌部材2における筒部21の少なくとも一方が透光性を有した透光部であればよい。こうした構成であっても、上記(1)〜(8)に準じた効果を得ることは可能である。
【0044】
・上記構成において、発光部材14は、上記各実施形態の他、雌部材2の筒部21内に設けられる構成であってもよく、また雌部材2の筒部21内にのみ設けられる構成であってもよい。要は、発光部材14は、雄部材1及び雌部材2の少なくとも一方に設けられ、筒部21に雄部材1が挿着された状態で筒部21内に配置される構成であればよい。
【0045】
・上記各実施形態では、発光部材14が白色以外の光を発する構成であってもよい。このような構成であれば、雄部材1と雌部材2とが非係合の状態では、白色以外の光が発光部材14から直接外部に出射され、雄部材1と雌部材2とが係合した状態では、発光部材14の出射する白色以外の光が雄部材1または雌部材2で変換されて出射される。そのため、発光部材14、雄部材1、及び雌部材2の組み合わせによって、互いに異なる3つ以上の色の光をバックルから出射させることが可能である。それゆえに、バックルにおけるファッション性を高めることができる。
【0046】
・上記実施形態では、雌部材2の筒部21が透光性を有したが、筒部21が透光性を有しない材料で形成されてもよい。要は、発光部材14を使用しないときに、発光部材14を保護できればよい。
【0047】
・上記第2の実施形態では、着脱機構の一例として、係合爪18と被係合孔32とからなるバックル機構を説明したが、螺子式や磁石等、雄部材1に対して発光部材14を着脱可能にする機構であればよい。
【0048】
・上記第2の実施形態において、係合爪18から取り外された発光部材14を保管する保管部が、雄部材1又は雌部材2に別途設けられる構成であってもよい。
・上記各実施形態にて、先端部12が操作される方向と、操作部31が操作される方向とが互いに同じであってもよい。こうした構成であっても、上記(1)〜(6)に準じた効果を得ることは可能である。
【0049】
・上記各実施形態の操作部31は、押ボタンスイッチ等、スライドスイッチ以外の他のスイッチであってもよい。
・上記各実施形態では、サイドリリースタイプのバックルに本発明を適用したが、フロントリリースタイプのバックルに本発明を適用してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、操作部31の1回の操作で発光部材14が点灯するようにしたが、操作部31を操作している間のみ発光部材14が点灯するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…雄部材、2…雌部材、11…雄側基部、11a…雄側スリット、12…先端部、13…脚部、14…発光部材、15…ヒンジ部、16…係合突起、18…係合爪、21…筒部、22…雌側基部、23…挿脱孔、24…隔壁、25…被係合孔、26…雌側スリット、31…操作部、32…被係合孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部を有する雌部材と、
前記筒部に脱離可能に挿着され前記筒部の開口を塞ぐ雄部材と、
前記雄部材及び前記雌部材の少なくとも一方に設けられ、前記筒部に前記雄部材が挿着された状態で前記筒部内に配置される発光部材と、を有する
ことを特徴とするバックル。
【請求項2】
請求項1に記載のバックルにおいて、
前記雄部材のうちで前記開口を塞ぐ部分、及び前記雌部材における前記筒部の少なくとも一方に形成され光を透過する透光部を有する
ことを特徴とするバックル。
【請求項3】
請求項2に記載のバックルにおいて、
前記発光部材は、前記雄部材に設けられ、
前記透光部は、前記筒部である
ことを特徴とするバックル。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のバックルにおいて、
前記透光部は、有色且つ透明である
ことを特徴とするバックル。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のバックルにおいて、
互いに異なる複数の前記透光部が、前記雄部材と前記雌部材とに設けられ、
前記雄部材における前記透光部の色と前記雌部材における前記透光部の色とが互いに異なる
ことを特徴とするバックル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のバックルにおいて、
前記発光部材が設けられた部位に対して前記発光部材を着脱する着脱機構を備える
ことを特徴とするバックル。
【請求項7】
請求項6に記載のバックルにおいて、
前記筒部の内部に設けられ、前記筒部に前記雄部材が挿着された状態で前記発光部材を収納する収納部を有し、
前記収納部が、透光性を有する
ことを特徴とするバックル。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のバックルにおいて、
前記着脱機構は、バックル機構である
ことを特徴とするバックル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−75064(P2013−75064A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217262(P2011−217262)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】