説明

バッグハンガ

【課題】テーブルや椅子の上面に対して、確実にバッグハンガを係止させる。
【解決手段】トップフック7と、トップフック7に連続する支軸3と、支軸3の下部に取り付けられるボトムフック50と、トップフック7の上部に取り付けられる二つのトップアーム100,101とからバッグハンガ1を構成する。トップアーム100,101を、テーブル上面403に沿って相互が拡開する開位置、及び相互が閉じる閉位置との間で変位可能に構成する。開位置の二つのトップアーム100,101とトップフック7の先端部とにより、テーブル上面403に三カ所支持でバッグハンガ1を取り付ける。トップフック7にトップノブ60を設ける。ボトムフック50にリンクデバイス65を取り付けて、バッグ300のハンドル部分301にリング70を取り付ける。バッグ300をリンクデバイス65、ボトムフック50、トップノブ60のいずれかにより吊り下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドバッグや買い物袋などのバッグをテーブルや椅子に掛けるためのバッグハンガに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドバッグは、財布、身分証明書、薬などの個人的な品物を入れる他に、重要なファッションアクセサリとなっている。また、ハンドバッグは持ち主のスタイルに合わせて使用され、単なる物入れとしてではなく、バッグ自体にも価値がある。したがって、バッグをフロアに置いたりすると汚れが気になる。また、椅子の後ろに掛けたりして視野に入らなくなると、盗まれたり、忘れたりする可能性がある。このため、バッグの持ち主は、テーブルやカウンターの前に座る場合に、バッグをフロアや椅子の後ろに置いたりすることを躊躇する。
【0003】
テーブルにハンドバッグを掛けるためのバッグハンガは、従来からいろいろと提案されてきている。基本的なバッグハンガは、二方の端にフックを有するS型の物が多い(例えば、特許文献1参照)。このS型バッグハンガでは、上端のフックをテーブルの上面に掛けてテーブルの横から下げ、下端のフックにバッグを吊るしている。また、特許文献2には、偏平な方形をなした収納ケースに、回動立伏板、蓋兼用の支持板、折返片、折り返し片の支持孔に遊嵌される掛吊り用フックを設けたバッグハンガも提案されている。さらには、特許文献3には、取り付ける台板の面に載置する摩擦板を有する支持板を設け、前記摩擦板を介して台板に支持板を係止させるようにしたバッグハンガが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−101104号公報
【特許文献2】実用新案登録第3142266号公報
【特許文献3】特開2005−73831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3のバッグハンガは、テーブルの上面が平らでない場合や、テーブルの側面が鉛直下方に長く形成されており、テーブルの下方に空間が無い場合などには、トップフックをテーブル等の上面に係止させることが難しく、滑ってしまってうまくバッグハンガを掛けることができない場合がある。また、テーブルの上面が平らであっても、その縁部を大きく断面円弧形状に面取り加工し丸みを帯びたものでは、この縁部が丸みを帯びてしまっているため、トップフックが丸み部分で滑ってしまい、バッグハンガを係止させることができないという問題がある。さらに、従来のものでは、テーブルや椅子の高さが低い場合に、バッグハンガに吊るすと、バッグが床についてしまうという問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、テーブル上面などの掛け吊り用の上面が平らで無い場合や、平らであっても縁部が丸みを帯びるように面取り加工させている場合でも、確実にバッグを吊り下げることができるようにしたバッグハンガを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、掛け吊り用の上面に掛けられるトップフックと、前記トップフックに連続する支軸と、前記支軸の下部に取り付けられるボトムフックと、前記トップフックの上部に取り付けられる二つのトップアームとを備え、前記トップアームは、前記掛け吊り用の上面に沿って相互が拡開する開位置、及び相互が閉じる閉位置との間で変位可能であり、前記開位置の二つのトップアームと前記トップフックの先端部とにより前記掛け吊り用の上面に三カ所支持で取り付けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記トップフックの上部に設けられ、バッグのハンドル部分が掛けられるトップノブを有することを特徴とする。そして、前記トップアームは、前記トップノブに回転可能に取り付けられるアーム本体と、このアーム本体のトップノブ側とは反対側の自由端部に取り付けられるヒンジと、前記ヒンジにより連結される中間拡張子とを有し、前記ヒンジにより前記掛け吊り用の上面に沿って前記中間拡張子が開いて該上面に係止する使用位置と、前記トップフックに向けて前記中間拡張子が折り畳まれる退避位置との間で変位可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記トップフックのフック先端とは反対側の下部、または前記支軸の上部には、フック先端に向けて突出し、前記掛け吊り用の上面から鉛直下方に延びる側面に接触する側面接触突起部を有することを特徴とする。また、本発明は、前記トップフックの内面には小突起を形成し、この小突起を前記掛け吊り用の上面に当てることを特徴とする。なお、前記小突起は、前記トップノブよりも前記フック先端から遠ざかる位置で形成することが好ましい。また、前記掛け吊り用の上面に当たる前記小突起の下端面に、滑り止め部材を設けることが好ましい。また、前記ボトムフックに取り付けられ、前記バッグのハンドル部分に接続される接続部材を有することが好ましい。
【0010】
また、前記支軸に対し略垂直になる開状態に変位可能であり、前記開状態のときに小棚を形成する複数のボトムアームを有することが好ましい。そして、前記複数のボトムアームは、一端が前記支軸に対し軸周り方向に回転可能に取り付けられているボトムアーム本体と、前記ボトムアーム本体の他端に設けられるヒンジと、前記ヒンジにより連結されて前記開状態と閉状態との間で変位可能な中間拡張子とを有することが好ましい。さらに、前記中間拡張子は、先端に旋回ヒンジと、この旋回ヒンジにより回転自在に取り付けられ、該中間拡張子の延長方向に位置する開位置と、該中間拡張子に重なる閉位置との間で変位可能な先端拡張子とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トップフックと2本のトップアームとにより3点支持にて、机や椅子の上面などに係止するので、バッグハンガが上面などから脱落することなく、確実に引っかけることができる。また、トップフックにバッグのハンドル部分がかけられるトップノブを備えることにより、机や椅子などの上面が低い場合でも、確実にバッグを吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のバッグハンガの側面図であり、トップアームとボトムアームを伸ばした状態を示している。
【図2】バッグハンガの使用状態を示す斜視図で、テーブルの上面の下方に空間がある場合を示している。
【図3】同じくバッグハンガの使用状態を示す斜視図であり、テーブルの端面が鉛直下方に延びて上面の下方に空間が無い場合を示している。
【図4】バッグハンガの支軸伸縮部の作用を示す側面図である。
【図5】バッグハンガをバッグのアクセサリとして携帯している状態を示す正面図である。
【図6】同側面図である。
【図7】バッグハンガのトップアームとボトムアームを展開した状態を示す平面図である。
【図8】トップアームのトップノブへの取り付け状態を示す正面図である。
【図9】小突起を設けた別の実施形態のトップフックを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明のバッグハンガの一実施形態の側面図である。バッグハンガ1は、支軸3、支軸伸縮部5、トップフック7、ボトムアーム10,11、ボトムフック50、トップノブ60、接続部材としてのリンクデバイス65、トップアーム100,101及びテーブル側面接触突起部200を備えている。
【0014】
下から順に、ボトムフック50、支軸3、支軸伸縮部5、トップフック7及びトップノブ60によりハンガ本体2が構成されている。ハンガ本体2は、図2及び図3に示すように、使用状態においてトップフック7を上にし、ボトムフック50を下にした状態で鉛直方向に配置される。また、図5及び図6に示すように、不使用状態ではリンクデバイス65によりバッグ300のハンドル部分301に吊り下げて携帯される。携帯時には、バッグ300の外側に垂らしてアクセサリとして用いてもよく、また、バッグ300内に収納してもよい。更には、リンクデバイス65を用いることなく、そのままバッグ300に入れて携帯してもよい。
【0015】
図1に示すように、支軸3の下端にはボトムフック50が固定されている。支軸3は、折曲部3a,3bにより折り曲げられており、下鉛直部3c、斜め部3d、上鉛直部3eが形成されている。下鉛直部3c及び上鉛直部3eは使用状態において鉛直方向に延びている。ボトムフック50は、下鉛直部3cの下端に対し固定されており、斜め部3dの鉛直下方に位置するようにその向きが配置されている。
【0016】
支軸伸縮部5は、支軸3の上端とトップフック7の下端に取り付けられている。図4に示すように、この支軸伸縮部5は、トップフック7の下端の締結リング5aを緩めると、支軸3とトップフック7との締結状態が解除され、支軸3内に隠れていた伸縮ロッド6が出てきて、伸縮ロッド6の長さ分だけ支軸3が伸長する。なお、伸長の方法やその固定方法、または締結方法などは図示例のものに限定されない。
【0017】
図1に示すように、トップフック7は、半円弧状のフック本体7aと、く字状に折り曲げられたテーブル側面接触突起部200とから構成されている。テーブル側面接触突起部200は、フック本体7aに対し内側に向かって窪むように形成されている。支軸伸縮部5で連結されるトップフック7と支軸3とボトムフック50は同一平面内に配置され、S字形状をしている。そして、図5に示すように、正面から見たときに一直線状になり、不使用状態において各アーム10〜13,100,101を最小形態で折り畳むことができる。なお、テーブル側面接触突起部200は、トップフック7以外にも、支軸3に形成してもよい。
【0018】
図1に示すように、トップフック7のフック本体7aの上部には、上方に向かって延びるようにトップノブ60が一体的に形成されている。トップノブ60は、先端のハート型のノブ本体61と、これに続く鼓状のハンドル掛け部62と、アーム取付軸部63,64(図8参照)とから構成されており、アーム取付軸部63,64の下端がフック7の上部に取り付けられている。トップノブ60とフック7と支軸3は一体的に構成する他に、各種固着手段で組み合わせて一体化したものであってもよい。なお、必要に応じて、適宜に各種装飾が施される。このトップノブ60には、図2に示すように、バッグ305のハンドル部分306が掛けられる。このように、テーブル400の上面403からバッグ305を直接に吊り下げることができるため、テーブル400の上面403や、もしくは椅子の上面などの掛け吊り用の上面が床から低い場合にも、従来の下側のフックを用いるものに比べて、高い位置から吊り下げることができ、バッグ305が床に着いてしまうということが少なくなる。なお、掛け吊り用の上面はテーブルや椅子に限られず、棚やその他の係止可能物の上面に掛けることができる。
【0019】
トップノブ60とトップフック7との間で、トップノブ60の基部には1対のトップアーム100,101が、トップノブ60周りに180度回転可能に取り付けられている。図1及び図8に示すように、トップアーム100,101は、アーム本体100a,101aと、ヒンジ102,103と、中間拡張子110,111と、中間拡張子110,111のテーブル接触面に貼り付けられている滑り止め部材99から構成されている。滑り止め部材99は、テーブル400の上面403との間で摩擦係数の高いものが選択使用される。例えば、ゴム板や軟質部材などが用いられる。また、ゴム板や軟質部材に代えて、中間拡張子のテーブル接触面に微細な凹凸を形成して滑り止めとしたものでもよい。
【0020】
図8に示すように、アーム本体100a,101aは略円弧状に湾曲している。このアーム本体100a,101aは一端に取付端部104,105を有し、他端にヒンジ102,103を有する。取付端部104,105は、トップノブ60の下端部の二股状に別れた取付軸部63,64に180度の範囲で回動可能に取り付けられており、図示しないフリクション機構によって任意の回転角度で停止させることができる。なお、フリクション機構に代えて、クリック機構によって取付軸部63,64へ固定してもよい。このようにして、取付端部104,105により、トップアーム100,101は、トップノブ60に対し任意の回転角度で固定させることができ、例えば図7に示すように、トップアーム100,101同士を任意の拡開角度で、例えば80度で開くことができる。
【0021】
図1に示すように、ヒンジ102,103により、中間拡張子110,111がトップアーム本体100a,101aの先端に回転自在に接続されている。ヒンジ102,103は、中間拡張子110,111を、図2及び図3に示すようにテーブル上面403に沿う係止位置と、図6に示すように下方に向けて垂直に位置させる閉位置との間で選択的に位置させる。なお、図6ではハンガ本体2が不使用状態とされており、図1とはハンガ本体2の向きが上下逆になっている。
【0022】
図2及び図3に示すように、係止位置ではヒンジ102,103により中間拡張子110,111が上面403に沿って延びた状態になる。二つのトップアーム100,101をトップノブ60の周りに適宜角度を開けて放射線方向に配置し、中間拡張子を係止位置とすることにより、二つのトップアーム100,101と中央のトップフック7の先端とにより、三カ所支持にて、ハンガ本体2をテーブル400の上面403に確実に係止させることができる。しかも、中間拡張子110,111を係止位置として拡げることで、広い面積にて安定的にバッグハンガ1を上面403に係止させることができる。
【0023】
ハンガ本体2には、トップアーム100,101の他に、ボトムアーム10,11,12,13が、ボトムフック50の近くで支軸3に対し回転自在に取り付けられている。このボトムアーム10〜13は、支軸3に対し任意の回転角度で停止させることができ、例えば図2に示すように、ボトムアーム10〜13を任意の拡開角度で開くことができる。なお、ボトムアーム10〜13は、ボトムフック50の近くに取り付けることにより、小棚49として利用する時に、小棚49の上部に多くのスペースを確保することができる。
【0024】
ボトムアーム10〜13は、アーム本体10a,11a,12a,13aと、ヒンジ15,16,17,18と、中間拡張子20,21,22,23と、先端拡張子40,41,42,43とから構成されている。アーム本体10a〜13aの一端には取付端部が形成されていて、この取付端部によりアーム本体10aが、支軸3に回転自在に取り付けられる。この取付構造は図8に示すトップアーム100,101の取付構造と同様である。すなわち、支軸3が二股状に別れた取付軸部となっており、これに任意角度で停止自在に取り付けられる。
【0025】
図2に示すように、アーム本体10a〜13aの支軸3に対する取り付け側とは反対側の自由端には、ヒンジ15〜18が設けられている。このヒンジ15〜18により、中間拡張子20〜23がボトムアーム10〜13の先端に回転自在に接続されている。ヒンジ15〜18は、中間拡張子20〜23をアーム本体10a〜13aの延長方向に位置させる開位置と、図6に示すように、中間拡張子20〜23をアーム本体10a〜13aに対し上方に向けて90度折り曲げた閉位置との間で選択的に位置させる。開位置ではアーム本体10a〜13aに対し一直線状に連結された状態になる。また、中間拡張子20〜23の先端には旋回ヒンジ30〜33を介して、先端拡張子40〜43が取り付けられる。
【0026】
旋回ヒンジ30〜33は、先端拡張子40〜43を中間拡張子20〜23に重ねた格納位置と、この格納位置から180度回転して、中間拡張子20〜23の延長方向に延びるように取り付けられる拡開位置との間で変位する。したがって、図2及び図3に示すように、ボトムアーム10〜13を支軸3の周りに適宜角度を開けて放射線方向に配置し、更に中間拡張子20〜23を開位置とし、先端拡張子40〜43を拡開位置とすることで、4つのボトムアーム10〜13により小棚49を形成することができる。この小棚49には、ノートや本やその他の小物などを載せることができる。
【0027】
リンクデバイス65は、リング70とチェーン71とから構成されている。なお、リンクデバイス65は、バッグのハンドル部分などにバッグハンガ1を取り付けることができればよく、リング70とチェーン71に限られない。例えば、リング70に代えて、クランプを用いてもよい。また、チェーン71に代えて、紐やその他のコード、バンド等の連結部材であってもよい。なお、チェーンは短くすることで、携帯に便利な他にチェーンを用いて吊るす場合には、短い状態で吊るすことができ、ハンドル部分が長いバッグ等であっても、バッグが床に付くことなく使用することができる。また、チェーンを太くすることにより、強度を上げることができ、重いバッグであってもリンクデバイス65を用いて吊るすことができる。
【0028】
トップフック7の内側には、図9に示すように、小突起250を設けてもよい。この小突起250は、二つのトップアーム100,101とトップフック7の先端部との三カ所の支持に加えて、四カ所目の支持部となる。この小突起250を追加することで、係止を確実に行うことができる。例えば、バーのカウンターのように、手が触れるテーブルの上面と端面との角部分を丸く面取り加工し、その上面に革などが張られてテーブル上面から盛り上がっている場合でも、小突起250による四カ所目の支持部と、テーブル側面接触突起部200による5カ所目の支持とよって、丸く面取りされた部分からトップフック7の先端が脱落してしまうこともなく、確実にバッグハンガ1を取り付けることができる。なお、小突起250の下端面またはこの下端面を含む下端部には、ゴムまたは軟質部材からなる滑り止め板または滑り止めキャップ251を設けることが好ましい。
【0029】
バッグハンガ1を構成する各部材は、アルミニウムやその他の軽量な金属で形成することが好ましい。なお、軽量金属以外でも、他の自然素材または合成素材から構成することができる。例えば、各種金属合金、木材、または他の繊維植物製品、麻、紙、段ボール、ガラス、グラファイト、ガラス繊維、ホウ素またはケブラーなどの複合材料、樹脂、硬質な革、骨や、これらを組み合わせた複合材料などを用いることができる。また、各部のサイズや形状は、適宜に変更が可能であり、多様な各種態様で実施することができる。
【0030】
また、トップアーム100,101やボトムアーム10〜13の拡縮構造も、ヒンジ結合の他に、折り畳み式、テレスコープ式など任意の連結方式を用いることができる。
【0031】
以上のように、図2及び図3に示すように、使用状態では、トップアーム100,101を拡開させて三カ所の支持にて上面403に係止させることができ、脱落することなく確実な係止が行える。また、閉状態では図5及び図6に示すように、小さく折り畳むことができ、携帯に便利になる。なお、本発明のバッグハンガ1は各種装飾を施すことが好ましい。例えば、全体の形態を、果物や野菜、蝶やバッタなどの昆虫や、その他の鳥とか花とか、いろいろな動植物や造形物などに似せて形成し、それに加えて適宜宝石などを付加することで、より装飾性を高めることができる。このとき、各アーム10〜13、100,101を羽根や足、さらには花びら等として形成することができる。
【0032】
図2は、バッグハンガ1の使用状態を側面から見た斜視図であり、テーブル400の上面403に、2本のトップアーム100,101を拡げた状態を示している。この2本のトップアーム100,101とトップフック7とによる三カ所の支持で、バッグハンガ1をテーブル400の上面403に係止させている。ボトムフック50に取り付けられたリンクデバイス65のリング70に、バッグ300のハンドル部分301が取り付けられており、リンクデバイス65によりバッグ300をそのまま、吊り下げることができる。なお、必要に応じて、ハンドル部分301をボトムフック50に直接に吊り下げてもよい。更には、ハンドル部分306が長いバッグ305の場合には、トップノブ60にハンドル部分306を掛けることで、床に付くことなくバッグ305を掛けることができる。また、ボトムフック50やトップノブ60には、バッグ300,305の他に買い物袋(図示せず)などを吊り下げることもできる。
【0033】
このように、リンクデバイス65を用いた第1の吊り下げと、ボトムフック50を用いた第2の吊り下げと、トップノブ60を用いた第3の吊り下げを選択することができる。したがって、バッグ300,305のハンドル部分301,306の長さやテーブル400の床から上面403までの高さに応じて、これらいずれかの吊り下げ態様を選択することで、バッグ300,305を床に接触させることなく、吊り下げることができる。
【0034】
また、図2及び図3に示すように、4本のボトムアーム10〜13を略等間隔の開き角度で開き、且つ中間拡張子20〜23、先端拡張子40〜43をボトムアーム本体10a〜13aの延長方向に伸ばすことで、小棚49を構成することができる。この小棚49には、本、ノートやペーパーバッグ、そして、ボトムフック等には掛けることができない小物などを置くことができる。このとき、側面接触突起部200をテーブル400の端面402に当てることで、小棚49を水平に保つことができ、小棚49に載せたノートなどが脱落することがなくなる。図2では、テーブル400の端面402はテーブル400の足401よりも外側に張り出しているため、張り出したテーブル400の下方に、小棚49を形成することができる。したがって、人がテーブル400の側を通ったとしても、バックハンガ1や小棚49にぶつからない様な状態になる。
【0035】
図3は、端面410が鉛直下方まで延びたテーブル405に、本発明のバッグハンガ1を取り付けた状態を側面から見た斜視図である。図3では、端面410の外側に、ボトムアーム10〜13を拡げて小棚49を形成した使用例を示している。なお、図3では、バッグ300のハンドル部分301をボトムフック50に掛けているが、これは図2と同様にリンクデバイス65を用いて吊り下げても、またはトップノブ60を用いて吊り下げてもよい。この場合にも、側面接触突起部200を端面410に当てることで、小棚49を水平に保持することができる。また、バッグ300の他に、買い物袋などを吊り下げることができる。
【0036】
支軸3が短くてバランス良く、トップアーム100,101及びトップフック7がテーブル400の上面403に展開できない場合に、図4に示すように、支軸伸縮部5を伸ばして使用する。これにより、伸ばした支軸3の下端にあるボトムフック50、またはリンクデバイス65にバッグ300を吊るすことで、バッグ300の重量をトップアーム100,101及びトップフック7がテーブル上面403に係止する方向に作用させることができ、安定的にバッグハンガ1を使用することができる。
【0037】
図5及び図6は、バッグハンガ1の携帯状態を示している。携帯状態では、バッグ300のハンドル部分301を、リンクデバイス65のリング70に通しておき、バッグ300のアクセサリとして使用することができる。この携帯状態では、リンクデバイス65でバッグハンガ1がハンドル部分301に吊り下げられる。そして、ボトムアーム10〜13及びトップアーム100,101がコンパクトに折り畳まれる。したがって、嵩張ることなく、携帯に便利となる。また、コンパクトに折り畳んだ状態で、果物、野菜、昆虫や鳥、花などの形態に似せることで、装飾的効果も得られる。
【0038】
図6は、図5に示すバッグハンガ1を折り畳んだ状態を90度回転させた状態を示している。ボトムアーム本体10a,11aに対し、中間拡張子20,21を90度に折り畳み、且つ中間拡張子20,21に対し先端拡張子40,41を180度回転させて両者を重ね合わせることで、コンパクトに折り畳むことができる。また、トップアーム本体101aに対し中間拡張子111を90度に折り畳むことで、中間拡張子111を支軸3に沿って配置させることができ、コンパクトに折り畳むことができる。なお、他のトップアーム及びボトムアームも同様にして折り畳まれる。
【0039】
図7は、バッグハンガ1の各アーム10〜13、100,101を拡開した状態を上から見た平面図である。トップアーム100,101をトップフック7に対して、40度ずつ振り分けで拡開することで、2本のトップアーム100,101と一つのトップフック7とにより三カ所の支持でテーブル上面403にバッグハンガ1を係止することができる。また、1対のボトムアーム同士10,12、11,13を約80度の角度で開くことで、4つのボトムアーム10〜13を用いて小棚49を形成することができる。この小棚49には、ノートや本などを置くことができる。また、図7に示すように、先端拡張子43にクリップ600を設けることで、ペーパー等も挟持することができ、便利である。
【0040】
なお、図8のような二股状の取付軸部63,64に代えて、一つの軸部に対し、円板状の回転取付部を回転自在に取り付けて、トップアーム100,101やボトムアーム10〜13を回転自在に取り付けてもよい。この場合には、回転取付部の相互の接触面に摩擦機構や溝などを設けてクリック係止が可能なように構成する。これにより、任意角度で各アーム10〜13、100,101を停止させることができる。
【0041】
上記実施形態では、トップノブ60、支軸伸縮部5、ボトムアーム10〜13、リンクデバイス65などを備えたバッグハンガ1としているが、これらは適宜省略してもよい。すなわち、掛け吊り用のテーブル上面403に掛けられるトップフック7と、前記トップフック7に連続する支軸3と、前記支軸3の下部に取り付けられるボトムフック50と、前記トップフック7の上部に取り付けられる二つのトップアーム100,101とを備えればよい。そして、トップアーム100,101は、テーブル上面403に沿って相互が拡開する開位置、及び相互が閉じる閉位置との間で変位可能であり、前記開位置の二つのトップアーム100,101と前記トップフック7の先端部とによりテーブル上面403に三カ所支持で取り付けられる構成であればよい。
【0042】
さらに、上記の最小構成に、前記トップフック7の上部に設けられ、バッグ305のハンドル部分306が掛けられるトップノブ60を有することが好ましい。また、トップアーム100,101は、トップノブ60に回転可能に取り付けられるアーム本体100a,101aと、このアーム本体100a,101aのトップノブ60側とは反対側の自由端部に取り付けられるヒンジ102,103と、前記ヒンジ102,103により連結される中間拡張子110,111とを有し、前記ヒンジ102,103によりテーブル上面403に沿って前記中間拡張子110,111が開いて該上面403に係止する使用位置と、前記トップフック7に向けて前記中間拡張子110,111が折り畳まれる退避位置との間で変位可能に構成されていることが好ましい。なお、中間拡張子110,111は省略してもよい。
【0043】
さらに、前記中間拡張子110,111のテーブル上面403に接触する部分は滑り止め部材99が取り付けられることにより、テーブル400,405に中間拡張子110,111を確実に係止させることができ、バッグハンガ1の脱落を阻止することができる。
【0044】
前記トップフック7のフック先端とは反対側の下部、または前記支軸3の上部には、前記フック先端に向けて突出し、前記テーブル上面403から鉛直下方に延びる側面に接触する側面接触突起部200を更に有することにより、バッグハンガ1のバランスを取ることができ、バッグ300の重量を効果的にトップフック7やトップアーム100,101、更には側面接触突起部200に分散させることができ、バッグハンガ1を確実にテーブル上面403に係止させることができる。
【0045】
図9に示すように、トップフック7の内面には小突起250を形成し、この小突起250を前記掛け吊り用の上面に当てることにより、トップフック7と2本のトップアーム100,101の三カ所支持に加えて、さらに追加の支持を加えることができ、バッグハンガ1の上面への係止を確実に行うことができる。特に、テーブルの角部が丸く面取り加工されている場合や、さらにテーブルの縁が革等で盛り上げられている場合でも、この小突起250が面取り加工部分や革等で盛り上がった部分に係止し、トップフックが7脱落することなく、確実に上面に係止させることができる。
【0046】
小突起250は、トップノブ60よりもフック7の先端から遠ざかる位置で形成されていることにより、トップノブ60にバッグのハンドル部分を吊り下げた場合でも、小突起250にバッグの荷重がかかり、係止が確実に行える。また、掛け吊り用の上面に当たる小突起250の下端面に、滑り止め部材としてのキャップ251を設けることにより、係止をより一層、確実に行うことができる。
【0047】
さらに、ボトムフック50に取り付けられ、前記バッグ300のハンドル部分301に接続される接続部材としてのリンクデバイス65を有することにより、通常はバッグ300のハンドル部分301に吊り下げておき、テーブル上面403にバッグ300を吊るすときに、トップアーム100,101を拡げて、テーブル上面403に係止させることにより、即時にバッグハンガ1として使用することができる。
【0048】
また、前記支軸3に対し略垂直になる開状態に変位可能であり、前記開状態のときに小棚49を形成する複数のボトムアーム10〜13を有することにより、フック等に吊り下げることができないノートや小物等を載せておくことができる。
【0049】
前記複数のボトムアーム10〜13は、一端が前記支軸3に対し軸周り方向に回転可能に取り付けられているボトムアーム本体10a〜13aと、前記ボトムアーム本体10a〜13aの他端に設けられるヒンジ15〜18と、ヒンジ15〜18により連結されて前記開状態と閉状態との間で変位可能な中間拡張子20〜23とを有することにより、使用する時はこれらを拡げることで比較的広い面積の小棚49を形成することができる。
【0050】
さらに、前記中間拡張子20〜23は、先端に旋回ヒンジ30〜33と、この旋回ヒンジ30〜33により回転自在に取り付けられ、該中間拡張子20〜23の延長方向に位置する開位置と、該中間拡張子20〜23に重なる閉位置との間で変位可能な先端拡張子40〜43とを有することにより、更に広い面積の小棚49を形成することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 バッグハンガ
2 ハンガ本体
3 支軸
7 トップフック
10〜13 ボトムアーム
10a〜13a ボトムアーム本体
15〜18 ヒンジ
20〜23 ボトムアーム中間拡張子
30〜33 旋回ヒンジ
40〜43 先端拡張子
49 小棚
50 ボトムフック
60 トップノブ
65 リンクデバイス
70 リング
71 チェーン
99 滑り止め部材
100a〜101a トップアーム本体
100,101 トップアーム
102,103 ヒンジ
104,105 取付端部
110,111 トップアーム中間拡張子
200 側面接触突起部
250 小突起
300,305 バッグ
301,306 ハンドル部分
400,405 テーブル
401 足
402 端面
403 上面
410 側面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
掛け吊り用の上面に掛けられるトップフックと、
前記トップフックに連続する支軸と、
前記支軸の下部に取り付けられるボトムフックと、
前記トップフックの上部に取り付けられる二つのトップアームとを備え、
前記トップアームは、前記掛け吊り用の上面に沿って相互が拡開する開位置、及び相互が閉じる閉位置との間で変位可能であり、前記開位置の二つのトップアームと前記トップフックの先端部とにより前記掛け吊り用の上面に三カ所支持で取り付けられることを特徴とするバッグハンガ。
【請求項2】
前記トップフックの上部に設けられ、バッグのハンドル部分が掛けられるトップノブを有することを特徴とする請求項1記載のバッグハンガ。
【請求項3】
前記トップアームは、前記トップノブに回転可能に取り付けられるアーム本体と、このアーム本体のトップノブ側とは反対側の自由端部に取り付けられるヒンジと、前記ヒンジにより連結される中間拡張子とを有し、
前記ヒンジにより前記掛け吊り用の上面に沿って前記中間拡張子が開いて該上面に係止する使用位置と、前記トップフックに向けて前記中間拡張子が折り畳まれる退避位置との間で変位可能であることを特徴とする請求項2記載のバッグハンガ。
【請求項4】
前記中間拡張子の前記掛け吊り用の上面に接触する部分は滑り止め部材を有することを特徴とする請求項3記載のバッグハンガ。
【請求項5】
前記トップフックのフック先端とは反対側の下部、または前記支軸の上部には、前記フック先端に向けて突出し、前記掛け吊り用の上面から鉛直下方に延びる側面に接触する側面接触突起部を有することを特徴とする請求項4記載のバッグハンガ。
【請求項6】
前記トップフックの内面には小突起を形成し、この小突起を前記掛け吊り用の上面に当てることを特徴とする請求項4または5記載のバッグハンガ。
【請求項7】
前記小突起は、前記トップノブよりも前記フック先端から遠ざかる位置で形成されていることを特徴とする請求項6記載のバッグハンガ。
【請求項8】
前記掛け吊り用の上面に当たる前記小突起の下端面に、滑り止め部材を設けたことを特徴とする請求項6または7記載のバッグハンガ。
【請求項9】
前記ボトムフックに取り付けられ、前記バッグのハンドル部分に接続される接続部材を有することを特徴とする請求項5から8いずれか1項記載のバッグハンガ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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