説明

バッティング施設

【課題】限られたスペースで安全に野球のエッセンスを楽しめるバッティング施設を提供する。
【解決手段】投球装置20が投球したボールをプレイヤーが打ち返す施設において、この投球装置の後方に配置され打球感知パネル31・・・34に、ボールが衝突されて打球を感知する打球感知システムと、ボールを回収するボール回収施設とを備え、前記ボール回収施設として、バッティング施設1の床面をその一ヶ所に向けて斜めに傾けて最低部を形成せしめてボール集中部14を設け、そこに、ボール同士を分離させるボール分離手段70と、ボール分離手段により相互に分離されたボールを吸引口83から吸い込んで収集するボール収集手段80とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限られたスペースで、誰でも野球のエッセンスを楽しむことができるバッティング施設に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から野球のバッティング練習を行ったり、あるいは、バッティング自体を楽しむ施設として、所謂バッティングセンターが知られている。このバッティングセンターは、ボールを投球するピッチングマシーンと、このピッチングマシーンから所定の距離だけ離れた位置にホームベース及びバッターボックスを設けたバッティングスペースとを備え、ピッチングマシーンからバッティングスペースに向けて投球されたボールをバッターボックスで待ちかまえているプレイヤーが打ち返すものである。
【0003】
近年、このようなバッティングセンターにおいて、単にボールを打ち返すだけでなく、野球のおもしろさをプレイヤーに体験させることができるように、様々な工夫がなされている。
【0004】
例えば、ピッチングマシーン後方に設けられたネットに、「ホームラン」、「ヒット」等の文字が描かれたボードを取り付け、これらのボードに打球が当たると、音声や光によって、打球がこれらのボードに命中したことを知らせるシステムをバッティングセンターに取り入ることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
もっとも、特許文献1に開示された施設にあっても、プレイヤーは、単にピッチングマシーンから投球さえたボールを打ち返すだけに過ぎず、野球本来のエッセンスを体験することは困難である。
【0006】
このような課題を解決するために、本願特許出願人らは、より野球のおもしろさを体験することが可能な施設に関する発明を既に開示している(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−47333号公報
【特許文献2】特開2000−229141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に開示の施設のような、所謂バッティングセンターでは、軟式ボールや、場合によっては硬式ボールを使用し、ピッチングマシーンは、例えば時速80キロメートル以上の速度でボールを投球する。このため、ピッチングマシーンとバッティングスペースとの間にある程度の距離を必要とし、施設それ自体の規模が大きくなってしまう。また、ボールをある程度以上の速度で投球するので、小さな子供等がこのような施設で遊技することが困難な場合もある。
【0009】
他方、特許文献2に開示の施設では、たしかに、野球本来の臨場感にちかいおもしろさを体験することができる点で、所謂バッティングセンターと比較して優れている。もっとも、この施設で遊戯するには複数のプレイヤーを必要とし、一人で遊戯することができない。また、ピッチャーがボールを実際に投球し、投球されたボールをバッターが打ち返すという施設の性質上、ピッチャーズマウンドとバッターボックスとの間にある程度の距離を空けることが必要となり、施設自体の規模もある程度大きくなってしまう。
【0010】
本発明ではこのような課題を解決するために、限られたスペースであっても設置することができ、しかも、野球のエッセンスを誰でも安全に体験することが可能なバッティング施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明では上記課題を解決するために、プレイヤーがバッティングを行うバッティングスペースと、このバッティングスペースに向けてボールを投球する投球装置と、この投球装置の後方に配置され打球感知パネルに、プレイヤーにより打ち返されたボールが衝突されて打球を感知する打球感知システムと、プレイヤーにより打ち返されたボールを回収し、前記投球装置にボールを送り返すボール回収施設と、を備えたバッティング施設であって、前記ボール回収施設は、このバッティング施設の床面をその一ヶ所に向けて斜めに傾けて最低部を形成せしめて構成されたボール集中部と、このボール集中部に配置され、前記ボール集中部に誘導されたボール同士を分離させるボール分離手段と、このボール集中部に向けて延びる吸引口を具備し、前記ボール分離手段により相互に分離されたボールをこの吸引口から吸い込んで収集するボール収集手段とを備えた。
【0012】
この場合において、反発特性の低いウレタンで形成されている使用される前記ボールを使用するとよい。
【0013】
また、前記投球装置としては、前記バッティングスペースに向けてボールを山形に投球するトスマシーンを使用するとよい。
【0014】
(2)また、本発明では、上記バッティング施設において、前記ボール分離手段は、前記ボール集中部に配置されたターンテーブルと、このターンテーブルの周方向に関して間を空けて複数配され、かつ、このターンテーブルの外縁から外側に向けて突出する仕切羽根とを具備し、複数の前記仕切羽根は、隣り合う仕切羽根同士の間に前記ボールを取り込むことができるだけの距離を隔て配置され、前記吸引口は前記ターンテーブルの周方向における一ヶ所に配されたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、前記ボール分離手段に関し、前記仕切羽根の延びる方向は、前記ターンテーブルの半径方向に対し、このターンテーブルの回転方向に向けて傾いていることを特徴とし、また、前記ターンテーブルの外側からターンテーブルの中心に向けて送風する送風手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
(3)さらに、本発明では、前記打球感知システムは、1塁打、2塁打、3塁打及びホームランに対応する複数の感知パネルと、打球が1塁打、2塁打、3塁打又はホームランのいずれであるかを知らせる報知手段と、前記打球感知パネルからの信号に応じて前記報知手段に対し信号を送信して前記報知手段を作動させるコントローラと、を具備し、前記コントローラは、前記打球感知パネルに打球が衝突したと認定するに足りる最低限度の強さに対応するデータを予め記憶した記憶手段と、前記打球感知パネルから送信される信号と、前記記憶手段に記憶されたデータとを比較して、いずれが大きいかを判定する判定手段と、を備え、前記コントローラは、前記判定手段が、打球感知パネルからの信号が、前記記憶手段に記憶されたデータより大きいと判定した場合に、打球の衝突された前記打球感知パネルに対応する結果を報知するように前記報知手段を作動させることを特徴とする。
【0017】
前記感知パネルについては、ボールが衝突される衝突板と、この衝突板の衝撃振動を検知する衝撃センサとを具備し、前記衝撃センサが圧電素子であることを特徴とする。
【0018】
この場合において、前記衝突板の背面には保持枠が取り付けられ、前記圧電素子は、この保持枠に保持されるよう構成し、前記衝突板はポリカーボネートにより形成されていることを特徴とする。
【0019】
なお、記衝突板を、下側に向けて斜めに傾けたり、衝突板の前面を覆う保護網で覆うとよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、反発特性の低いウレタンで形成されたボールを使用することで、プレイヤーが打撃したボールの飛距離を短くすることができる。加えて、プレイヤーが打撃したボールが打球感知パネルに衝突したときや、床面に落下したときにもボールはほとんど弾まない。このため、施設の規模をコンパクトにすることができ、限られたスペースしかない場所に設置することができる。特に、投球装置として、ボールを山形に投球するトスマシーンを使用すれば、トスマシーンとバッティングスペースとの距離を短くすることができ、施設をいっそうコンパクトにすることができる。
【0021】
また、トスマシーンを使用した場合、ボールを山形に投球することができるため、早いボールを投球する施設とは異なり、野球に不慣れな小さな子供や女性であっても簡易に野球のエッセンスを安全に楽しむことが可能である。
【0022】
この野球のエッセンスを楽しむために、本発明では、打球の衝突を感知する打球感知システムを備えている。この打球感知システムでは、1塁打、2塁打、3塁打及びホームランに対応する分だけの打球感知パネルを備え、これらの打球感知パネルのいずれかに打球が衝突すれば、打球が衝突した打球感知パネルに対応する内容の事象をプレイヤーに報知している。
【0023】
このため、野球本来の持つエッセンスにより近いおもしろさを体験することができる。
【0024】
もっとも、本発明にかかるバッティング施設では、反発特性の低いウレタン製のボールを使用している。このウレタン製のボールは、ボール同士が接すると、相互に密着し合い、個々のボールに分離することが困難となる。このため、施設内に散在するボールを回収する際に、通常使用されているコンベアでは円滑にボールを回収し、再びボールをと旧装置へ送り出すことが困難となる。
【0025】
しかし、本発明によれば、集中された複数のボールを相互に分離する手段を設けたため、円滑にボールの回収及び投球装置への送り出しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の1実施形態にかかるバッティング施設の平面図である。
【図2】図1に示すバッティング施設を側面から見た一部切り欠き側面図である。
【図3】打球感知パネルの設置状態を示す正面図である。
【図4】打球感知パネルの背面図である。
【図5】図4のI−I断面を示す断面図である。
【図6】打球感知システムの概要を示すブロック図である。
【図7】ボール分離装置の平面図である。
【図8】ボール分離装置の側面図である。
【図9】ボール収集装置を側方から見た側面図である。
【図10】ボール収集装置の作動原理を示す説明図である。
【図11】ボール収集装置の作動原理を示す説明図である。
【図12】ボール収集装置の作動原理を示す説明図である。
【図13】ボール収集装置の排出パイプに別構造の開閉板を備えた状態を示す図である。
【図14】第2実施形態にかかるバッティング施設の概要を示す一部切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0028】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態にかかるバッティング施設1の平面図を示し、図2は、このバッティング施設1を側面から見た図を示している。
【0029】
まず、バッティング施設1の全体構造の概要を説明する。なお、以下では、このバッティング施設1の奥行き方向に関し、プレイヤーがバッティングを行うバッティングスペースPが設けられている側をバックネット側と呼称し、その反対側であり、プレイヤーから見て奥側に位置する側をバックスクリーン側と呼称する。
【0030】
このバッティング施設1は、その周囲に立てられる管材からなる複数の支柱2と、この支柱2の上端同士に架設される同じく管材からなる梁3とを備えており、周囲と天面がネット4によって覆われるようにして設置される。その寸法は、例えば、幅が約3m、奥行きが約6m、高さが約3mとなるように設置される。
【0031】
このバッティング施設1は、プレイヤーがバッティングを行うバックネット側のバッティングスペースPと、このバッティングスペースPから所定の距離だけ離れた位置に配置され、バッティングスペースPに向けてボールBを投球するトスマシーン20とを備えている。また、トスマシーン20の後方に位置しバックスクリーン側の奥面には、プレイヤーにより打ち返された打球が衝突したことを感知する複数の打球感知パネルがフレーム30に保持されて設置されている。
【0032】
さらに、バッティング施設1の床面は、奥行き方向の中央付近からバックネット側を占め、平坦に形成されたバッティングスペースPを構成するフロア10と、奥行き方向の中央付近よりバックスクリーン側を占め、ボールBを一ヶ所に集中されることが可能なボール回収スペースQを構成するフロア11,12とから構成されている。そして、ボール回収スペースQには、一ヶ所に集中されたボールBを収集し、かつ、トスマシーン20に再び送り出すボール収集装置80が設けられている。
【0033】
そして、奥行き方向の中央部には、幅方向に延びるボール返しネット8が設けられている。このボール返しネット8は、プレイヤーが打ち返した打球が、再びバッティングスペースまで跳ね返されることを防止するもので、その高さは約500mm程度である。このボール返しネット8は、ビニール製の幕、又はより耐久性のあるターポリン(例えば高強度ポリエステル織物に塩ビやオレフィン系のフィルムをラミネートしたシートのこと。)と、一般的な安全ネットとを組み合わせて構成したものである。
【0034】
次に、このバッティング施設1について詳細に説明する。
【0035】
バッティング施設1のバックネット側の正面部には、開閉扉7が設けられ、プレイヤーは、この開閉扉7から内外に出入りする。バッティングスペースPには、左右方向の中央にホームベース6が設けられ、その左右両側には、右バッター及び左バッターのいずれであっても遊技できるように右バッター用及び左バッター用双方のバッターボックス5が設けられている。また、バッティングスペースPには、その片隅に、後に詳説する打球感知システムのコントローラ60が設けられている。
【0036】
トスマシーン20は、その内部に複数のボールBを収容することができるようにボックス状に形成されており、その前面にはボールBが飛び出す投球口21がホームベースに向けて突出するようにして設けられている。このトスマシーン20は、ボールBをバッティングスペースPに向けて山形に投球する。投球されるボールBは、反発特性の低いウレタン製のものである。
【0037】
図3は、バックスクリーン側を構成する奥面に設けられる打球感知パネル31・・・34の一実施形態を示している。奥面にはフレーム30が設置されており、その幅方向がほぼ3等分された領域に区分けさている一方で、上下方向については、上段と下段とが高さ寸法の小さい領域に、中段が高さ寸法の大きな領域に区分けされている。複数の打球感知パネル31・・・34は、このフレーム30に形成されている空間部分に取り付けられる。上段の中央の領域には、「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34が取り付けられている。これに対し、左側の領域には「2Base Hit」と描かれた打球感知パネル32が取り付けられている一方で、右側の領域には、「3Base Hit」と描かれた打球感知パネル33が取り付けられている。さらに、中段の中央部には、「1Base Hit」と描かれた2つの打球感知パネル31が上下に並べて配置されている。中段の左右両側を占める領域及び下段の領域には、打球感知パネルは設けられていない。
【0038】
各打球感知パネル31・・・34は、その上側が前方に倒されており、これらの正面が下側に向けられるように斜めに傾けられて設けられている。その傾きは鉛直線に対し10度〜45度の範囲で傾けられる。このように、各打球感知パネル31・・・34を傾けることで、打球感知パネル31・・・34に当たり跳ね返されたボールBを大きく弾ませることなく、バックスクリーン側の奥面の近傍にボールBを落下させることができる。
【0039】
なお、これら打球感知パネル31・・・34を保護するために、その前面に保護ネットを設け、打球感知パネル31・・・34の前面を保護ネットで覆うようにしてもよい。
【0040】
各打球感知パネルは、「Home RUN」は、ホームランを意味し、「1Base Hit」、「2Base Hit」、「3Base Hit」はそれぞれ、1塁打、2塁打、3塁打をそれぞれ意味する。例えば、プレイヤーが打った打球が「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34に当たると、プレイヤーはホームランを打ったことになり、「1Base Hit」と描かれた打球感知パネル31に打球が当たると、プレイヤーは1塁打を打ったことになる。
【0041】
さらに、このバックスクリーン側の奥の面には、プレイヤーに打球の結果を報知するための表示装置35が設けられている。この表示装置は、例えば、複数のLEDで所望の文字を表示することができる電光掲示板が使用される。
【0042】
次に、この打球感知パネルを有する打球感知システムについて説明する。
【0043】
図4は各打球感知パネルの背面図を「Home RUN」の文字が描かれた打球感知パネル34を例に示し、図5は図4のI−I断面図を示している。打球感知パネル34は、打球が衝突される衝突板34Aと、この衝突板34Aの裏面に取り付けられる保持枠41,45と、この保持枠41,45に取り付けられる衝撃センサ50,51と、同じく保持枠41,45に取り付けられた光源体を備えている。なお、これらの保持枠41,45は衝突板34Aの左右両側部に取り付けられる支持フレーム40の間に配置される。
【0044】
衝突板34Aは、透明又は半透明のポリカーボネートにより形成された平坦な板材である。既述の「Home RUN」等の文字は、この衝突板34Aの裏面に印刷される。
【0045】
なお、この衝突板のサイズは、縦、横の寸法を300mm〜700mm程度とする。もっとも、ホームランは本体の野球でもヒットに比べて出る確率が低いので、これに対応させて、「Home RUN」と描かれた衝突板34Aのサイズを他の打球感知パネルの衝突板のサイズの50%〜60%の大きさにしてもよい。
【0046】
保持枠45は、断面形状が矩形に形成された保持部46と、この保持部46の両足部分から外側に向けて張り出して、衝突板34Aに取り付けられる取付部47とから構成されている。保持枠45は、衝突板34Aの上下方向の中央において衝突板34Aを横断するようにして配置され、その取付部47が衝突板34Aにリベットやねじ等の固定具58で固定される。保持枠41は、断面形状が矩形に形成された保持部42と、この保持部42の両足部分から外側に向けて張り出して、衝突板34Aに取り付けられる取付部47とから構成されており、衝突板34Aの上縁及び下縁に沿って配置され、その取付部47が衝突板34Aに固定具48により固定される。
【0047】
各保持枠41,45に取り付けられる衝撃センサ50,51は、受信した振動を電気信号に変換して発信するピエゾセンサ等の圧電素子であり、10Hz〜3000Hzの振動を検知できるものを採用している。これら衝撃センサ50,51は、各保持枠41,45の保持部43,46の背面側に取り付けられている。なお、この実施形態では、3つの衝撃センサ51を保持枠45の長手方向に等間隔に取り付けている。同様に、上縁及び下縁に配されている保持枠41についても、3つの衝撃センサ50が等間隔ごとに取り付けられている。このように衝撃センサ50,51を衝突板34A全体に対してまんべんなく配置することにより、検出漏れを防止している。もっとも、検出漏れを防止することができれば、衝撃センサ50,51の配置は、この実施形態に示したものには限定されず、衝撃板34Aの大きさや厚み等に応じその数や取り付け位置を決定すればよい。
【0048】
各保持枠41,45に取り付けられた発光体55,56は、LEDである。これら発光体55,56は打球が当該打球感知パネル34に当たった際に発光する用に制御されており、そのことをプレイヤーに知らせる報知手段として機能するものである。これら発光体55,56は、各保持枠41,45の保持部42,46の内側において衝突板34Aに向けて保持部41,45にそれぞれ取り付けられる。この実施形態では、保持枠45については、3つの発光体55を上下方向に並べて列を形成せしめ、この発光体55の列を衝撃センサ51同士の間に形成される各スペースにそれぞれ2列ずつ取り付けている。一方、衝突板34Aの上縁及び下縁に配されている各保持枠41については、その長手方向に一定の間隔を空けて複数取り付けている。
【0049】
なお、このような構成については、他の「1Base Hit」、「2Base Hit」、「3Base Hit」と描かれた打球感知パネル32,32,33についても同様である。
【0050】
図6は、打球感知システムのブロック図を示している。この打球感知システムでは、衝撃センサ50,51がA/Dコンバータ65を介してコントローラ60に接続されている一方で、発光体55,56もコントローラ60に接続されている。コントローラ60は、打球が打球感知パネル31・・・34に当たったか否かを判定する判定部61と、所定のデータが予め記憶されている記憶部62とを備えている。
【0051】
記憶部62には、一定以上の強さでボールBが打球感知パネルに衝突した場合にのみボールBが打球感知パネルに衝突したと判定できるように限界値に相当するデータが記憶されている。このデータは、使用されるボールBの種類に応じたデータが予めインプットされる。判定部61は、A/Dコンバータ65を介して衝撃センサ50,51から送られている電気信号の大きさと、記憶部62に記憶されているデータとを比較して、記憶部62に記憶されているデータよりも大きな値の信号を受信した場合には、ボールBが打球感知パネルに当たったと判定する。これにより、例えば、打球感知パネル31・・・34が風による影響を受け、衝撃センサ50,51がこの振動を感知したときに、これを打球が衝突したものと認定するなどの誤動作を阻止している。
【0052】
さらに、判定部61は、ボールBが打球感知パネル31・・・34に当たったと判定した場合には、ボールBが当たったと識別した打球感知パネル31・・・34に設けられている報知手段としての発光体55,56に対し発光するように信号を送信する。
【0053】
この打球感知システムは、次のように動作する。
【0054】
トスマシーン20から投球されたボールBをプレイヤーが打ち返し、打ち返した打球が、例えば、「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34に当たるとする。ボールBが打球感知パネル34の衝突板34Aに当たると衝突板34Aは振動し、この振動は保持枠41,45を介して衝撃センサ50,51に伝わる。衝撃センサ50,51は、受信した振動の大きさに対応する電気信号を発信する。この電気信号は、A/Dコンバータ65を介して判定部61へ送信される。判定部61では、受信した電気信号の大きさと、記憶部62に予め記憶されているデータとを比較し、受信した電気信号の方が大きいと判断したときは、「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34に打球が当たったと判定する。
【0055】
これに対し、例えば、風などの影響で打球感知パネル34が小さく振動し、この振動を衝撃センサ50,51が感知したとする。衝撃センサ50,51がこの振動を感知すれば、これに応じた信号を発信し、信号は衝撃センサ50,51からA/Dコンバータ65を介して判定部61へ送信される。そして、信号の大きさが記憶部62に記憶されているデータより小さい場合には、プレイヤーの打ち返した打球をホームランとは認定しない。
【0056】
そして、判定部61がホームランであると判定すると、判定部61は、打球が当たった「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34に対し、打球感知パネル34に設けられている複数の発光体55,56を発光させる信号を送信する。
【0057】
さらに、「Home RUN」と描かれた打球感知パネル34に打球が当たったと判定すると、コントローラ60は、表示装置35に対し、「Home RUN」と表示するように信号を発信する。
【0058】
他の打球探知パネル31,32,33についても同様に、判定部61は、A/Dコンバータ65を介して衝撃センサ50,51から送られている電気信号の大きさと、記憶部62に記憶されているデータとを比較して、記憶部62に記憶されているデータよりも大きな値の信号を受信した場合には、ボールBがいずれかの打球感知パネル31,32,33に当たったと認定する。そして、ボールBが当たった打球感知パネル31,32,33に対して、その発光体55,56を発光させるように信号を送信する。同様に、表示装置35に対しても、打球が当たった打球感知パネル31,32,33に対応して、「1Base Hit」、「2Base Hit」、「3Base Hit」の文字を表示するように信号を発信する。
【0059】
なお、この実施形態においては、報知手段として発光体55,56であるLEDを打球感知パネルに取り付けられたものを例に示しているが、これには限定されず、LED以外の発光体を使用することもできる。また、プレイヤーに打ち返した打球の結果を報知することができるのであれば、例えば、スピーカーを設け、スピーカーによりプレイヤーが打ち返した打球の結果を報知するようにしてもよい。さらには、発光体及びスピーカーの双方を併用してもよい。
【0060】
次に、図1、図2及び図7〜図10を参照してボールBを自動的に回収するボールB回収施設に説明する。
【0061】
まず、図1及び図2に基づいてバッティング施設1の床面の構造について説明する。
【0062】
バッティング施設1において、プレイヤーがバッティングをバッティングスペースPはそのフロアが平坦に形成されている。
【0063】
これに対し、バッティングスペースPよりバックスクリーン側を構成しているフロア11,12は、その一ヶ所が最も低い位置を構成する最低部が形成されるように、その一ヶ所に向けて斜めに傾けられている。
【0064】
より詳細には、バッティングスペースPとボール回収スペースQとの境界線の位置からトスマシーン20の設置された位置までを占めるフロア11は、バッティングスペースP側よりトスマシーン20側が低くなるように傾けられている。その一方で、バックスクリーン側を構成する奥側の面からトスマシーン20の設置された位置までを占めるフロア12は、バックスクリーン側よりトスマシーン20側が低くなるように斜めに傾けられている。そして、トスマシーン20の設置されている位置では、バッティング施設1を左右に横断する案内溝13が形成されている。この案内溝13は、バッティング施設1の左右両側部よりも、中央側が低くなるように斜めに傾けられている。そして、トスマシーン20の設置された位置の側方の位置(図1では、中心よりやや左バッターボックス側の位置)が最も低くなるように構成されている。この最も低い値がボールBの集中されるボール集中部14である。
【0065】
プレイヤーが打ち返したボールBは、このフロア11,12の傾斜によって図1の矢印に示すように案内溝13に誘導される。案内溝13まで誘導されたボールBは、さらにこの案内溝13に形成された傾斜により、最も低く構成されたボール集中部14に案内される。
【0066】
そして、このボール集中部14には、集中された複数のボールBを一つ一つのボールBに分離するボール分離装置70と、分離されたボールBを吸い込んで再びトスマシーン20へ送り出すためのボール収集装置80とが設けられている。図7〜図9は、これらボール分離装置70とボール収集装置80を示している。
【0067】
このバッティング施設1で使用されるボールBは既述のようにウレタン製のものである。ウレタン製のボールBは、互いに密接すると通常の軟式ボールBや硬式ボールBとは異なり、相互に密着し合い分離しづらくなる。ボール分離装置70とボール収集装置80は、複数のボールBが収集部に集中してもボールBを一つずつ分離し、円滑に収集してトスマシーン20へ再び送り出すためのものである。
【0068】
ボール分離装置70は、ボール集中部14に形成された円形の穴15の内側に配置されたターンテーブル71を備えている。このターンテーブル71は、その中心がフロアの下側に配された取付プレート77から延びる回転軸73に水平に取り付けられ、その上面がボール集中部14を構成する案内溝13の床面と面一とされている。そして、このターンテーブル71の回転軸73は、駆動チェーン76を介して駆動モータ75につながれる。このため、駆動モータ75の駆動に伴って、駆動力が駆動チェーン76を伝わって回転軸73に伝達され、ターンテーブル71は回転軸73が回転されることにより穴15の内側で回転する。
【0069】
また、ターンテーブル71の上面には、複数の仕切羽根72が、ターンテーブル71の周方向に関して一定間隔をあけて均等に配されている。これら仕切羽根72は、ターンテーブル71の外縁よりやや内側の位置からボール集中部14に向けてターンテーブル71の外縁から外側に突出するようにして設けられている。これら仕切羽根72の延びる方向は、ターンテーブル71の半径方向よりもターンテーブル71の回転方向側にやや傾けられている。また、ターンテーブル71の中心には半球体のキャップ74が取り付けられている。
【0070】
このターンテーブル71は、その直径を、例えば、300mm程度に形成し、仕切羽根72は、その外端部分の描く軌跡が例えば直径450mm〜500mmの円を描くように設けられる。また、ターンテーブル71が1周するのに約3秒程度の低速で回転させる。
【0071】
一方、ボール収集装置80は、ボールBを内部に通すためのボール搬送部81と、このボール搬送部81に気流を形成させるためのファン装置95とから構成されている。
【0072】
ボール搬送部81は、ボールBを吸い込む吸引口83の形成された吸引パイプ82と、吸引パイプ82の出口85が内部に挿入されて吸引パイプ82と連結され、吸い込んだボールBをトスマシーン20へ通じる搬送路25へ排出する排出パイプ86とを備えている。
【0073】
吸引パイプ82は、その内部にボールBを通すことができる内径を有するパイプ材からなり、その途中が屈曲して構成されている。この吸引パイプ82は、屈曲した部分より吸引口83の形成された先端側が斜め下方に向けて延びている。一方、屈曲した部分より出口85の形成された後端側は、斜め下方に向けて延びており、排出パイプ86の内部に挿入されている。そして、挿入され部分にはエアが内外を通り抜けできるように連通口84が形成されている。なお、吸引パイプ82の内径は、使用されるボールBの直径よりも数mm〜10mm程度大きく形成されたものを使用するとよい。
【0074】
排出パイプ86は、吸引パイプ82より径の大きなパイプ材からなり、先端側より後端側が低くなるように斜めに傾けられている。そして、先端側には吸引パイプ82が挿入され、かつ、吸引パイプ82の外側と排出パイプ86の内側の空間部分がプレート88により塞がれて密閉されている。さらに、吸引パイプ82の出口85の部分は、その外側と排出パイプ86の内側がプレート89によって塞がれて密閉されている。一方、排出パイプ86の後端はボールBを排出する排出口87として構成されている。そして、排出口87には、この排出口87を自在に開閉するための開閉板90が排出パイプ86とヒンジ91を介して取り付けられている。
【0075】
なお、図9に示すように、排出口87を側面から見た場合、その上端部が下端部よりも突き出した形状となっている。即ち、図9において、排出口87の上端部と下端部とを結ぶ直線L1が鉛直線Lに対し傾くように排出口87の側面視の形状は形成されている。このため、排出パイプ86内部で排出口87から排出パイプ86の内側へ向かう気流が生じていないときには、開閉板90は、排出口87の上端部から鉛直下方に向けて垂れ下がった状態となり、排出口87を閉鎖せず、半開きの状態を形成する。一方、排出口87から排出パイプ86の内側へ向かう気流が生じると、開閉板90は気流によって吸い寄せられて、排出口87を閉鎖する。
【0076】
ファン装置95は、ファン部97と、このファンを回転駆動させる駆動部96とから構成されている。ファン部97は、駆動部96により回転される、図示しないファンをそなえており、その周囲をケーシング97Aが囲んでいる。そして、ケーシング97Aには、内部のエアを外部に排出する排気口98が形成されている。このファン装置95はボール搬送部81の下側に配されており、ファン部97が、排出パイプ86と連絡パイプ99を介して連結されている。
【0077】
このようなボール収集装置80は、その吸引口83がターンテーブル71の上側直近に配置され、かつ、排出口87がトスマシーン20へ通じる搬送路25へ連絡されるように設置される。なお、図7及び図8に示すように、吸引口83は、ターンテーブル71の半径方向に関し、キャップ74の外縁と仕切羽根72の内端部分との間に形成されるスペース部分に位置している。
【0078】
さらに、このボールB回収施設では、ターンテーブル71の外側から中心方向に向けてエアを吹き付けるための送風ノズルNが設けられている。この送風ノズルNは、ファン装置95を構成するファン部97のケーシング97Aに形成された排気口98と連絡されており、排気口98からの排気を吹き付けている。
【0079】
ここで、このボール収集装置80の作動原理について、図10〜図12を参照して説明する。
【0080】
図10は、このボール収集装置80を作動させ始めた状態を示している。ボール収集装置80を作動させると、ファン装置95がファンを回転させ、連絡パイプ99を介してボール搬送部81内部のエアを引き寄せる。すると、吸引パイプ82側では、吸引口83から排出パイプ86へ向かう気流が生じる。一方、排出パイプ86では、排出口87から排出パイプ86の内部に向かう気流が発生する。この気流が生じると開閉板90は排出口87へと吸い寄せられて排出口87を閉鎖する。そうすると、ボール収集装置80では、吸引口83−吸引パイプ82−連通口84−連絡パイプ99−ファン部97−排出口87という一連の気流が形成される。これによりボールB1は吸引口83から吸引パイプ82の内部へ吸い込まれる。
【0081】
吸引パイプ82にボールB1が吸い込まれると、図11に示すように、吸引パイプ82を通過し、排出パイプ86へ搬送される。もっとも、排出パイプ86内のエアは、連通口84を介して連絡パイ部側へ向かう気流が生じている。このため、排出パイプ86へ搬送されたボールBは、この図11に示すように、排出パイプ86における吸引パイプ82の出口85の直後に止め置かれる。
【0082】
ボール収集装置80が順次ボールB2を吸い込むと、図12に示すように、排出パイプ86の内部にはボールB1,B2が集積される。排出パイプ86は、その排出口87側が下方に向けて傾けられているため、排出パイプ86内にボールB1,B2が集積されてくると、これらの重みが開閉板90に作用する。このとき、図12に示したボールB1はボールB2と比較して、排出パイプ86内の気流により受ける影響は小さい。このため、排出口87を閉鎖していた開閉板90はボールB1,B2の重みによって押され、排出口87を開扉する。これにより、ボールB1は排出口87から搬送路25へ落下し、トスマシーン20へ搬送される。
【0083】
その後、開扉された開閉板90は排出パイプ86内に生じる気流の影響を受けて再び排出口87を閉鎖する。すると、当該ボール収集装置80の内部では、再び、吸引口83−吸引パイプ82−連通口84−連絡パイプ99−ファン部97−排出口87という一連の気流が形成される。
【0084】
この作用を繰り返し、ボール収集装置80は、ボールBを吸引口83から吸い込み、排出口87から排出する。
【0085】
なお、開閉板90が開閉される力を調整するために、例えば図13に示すように、調整ウエイト93を設けてもよい。図13に示す排出パイプ86では、開閉板90を排出パイプ86に対して自在に回転させているヒンジ91にレバー92を設け、このレバー92に調整ウエイト93を設けている。レバー92は、ヒンジ91を境に開閉板90とは逆の位置に取り付けられている。調整ウエイト93はこのレバー92に取り付けられている。このレバー92に取り付けられた調整ウエイト93によれば、レバー92は、調整ウエイト93の重みによって、レバー92を、ヒンジ91を中心に下向きに回転させようと作用する。これは、開閉板90を開扉状態にさせる方向に作用する。
【0086】
このようにレバー92と調整ウエイト93を設けると、排出パイプ86の内部に生じる気流の力が強く、ボールBがその自重により開閉板90を開扉できない場合でも、容易にボールBが開閉板90を押し退けて、開扉することができる。
【0087】
以上のボール分離装置70及びボール収集装置80によれば、ボールBは以下のようにして集中部14からトスマシーン20へと搬送される。
【0088】
ボールBは、フロア11,12の傾斜及び案内溝13の傾斜によって、最も低く形成されているボール集中部14へと誘導される。誘導されたボールBは、ターンテーブル71の中心に向けて順次移動しようとする。この際、ターンテーブル71に設けられた仕切羽根72がターンテーブル71の回転に伴って回転するため、この仕切羽根72によりボールBは撹拌されながらターンテーブル71上に搭載される。この撹拌作用によって、複数のボールBが互いに密着している状態であっても、ある程度ボールB同士をばらすことができる。ターンテーブル71上に移動したボールBは、ターンテーブル71の回転に伴い生じる遠心力によって外側に移動される。もっとも、ターンテーブル71の回転は、1回転するのに約3秒程度と低速であるため、ターンテーブル71の外に飛び出すことはない。このとき、たとい、ターンテーブル71上でボールB同士が密着した状態であっても、遠心力の作用により一つ一つのボールBに確実に分離される。そして、分離された個々のボールBは仕切羽根72の間に配される。
【0089】
仕切羽根72の間に配されたボールBが、ターンテーブル71の回転に伴い送風ノズルNの位置を通過すると、送風によって、ボールBは仕切羽根72の内端部分とキャップ74との間に形成されたスペースに押し込まれる。この位置に押し込まれたボールBがボール収集装置80の吸引口83の配された位置に達すると、ボールBは吸引口83から吸引パイプ82へ吸い込まれる。
【0090】
その後、ボールBは、既述した当該ボール収集装置80の作動原理により、吸引パイプ82から排出パイプ86へ順次搬送され、排出パイプ86から一つずつ排出口87から排出される。排出されたボールBは、トスマシーン20へ戻される。
【0091】
以上のように、このボール回収施設によれば、プレイヤーにより打ち返されたボールBは、無人で収集されてトスマシーン20へと戻される。
【0092】
[第2実施形態]
次に図14を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
【0093】
この第2実施形態にかかるバッティング施設100は、打球感知パネルの配置と、ボール回収スペースの構造が第1実施形態にかかるバッティング施設1とは異なっており、その他の構成は、ほぼ同様である。
【0094】
このバッティング施設100は、その周囲に立てられる複数の支柱112と、この支柱101の上端同士に架設される梁102とを備えており、周囲と天面がネット103によって覆われるようにして設置される。その寸法は、第1実施形態の場合と同様に、幅が約3m、奥行きが約6m、高さが約3mとなるように設置される。
【0095】
バッティング施設100は、プレイヤーがバッティングを行うバックネット側のバッティングスペースP2と、このバッティングスペースP2から所定の距離だけ離れた位置に配置され、バッティングスペースP2に向けてボールBを投球するトスマシーン120とを備えている。また、トスマシーン120の後方に位置しバックスクリーン側を構成する奥の面には、プレイヤーにより打ち返された打球が衝突したことを感知する複数の打球感知パネル131・・・134がフレーム130に保持されている。そして、床面は、バッティングスペースP2を構成するフロア110と、ボールを回収する機能を有するボール回収スペースQ2を構成するフロア111とから構成されている。
【0096】
さらに、奥行き方向の中央部には、幅方向に延びるボール返しネット108が設けられている。このボール返しネット108は、高さが約500mm程度に形成されており、ビニール製の幕、又はより耐久性のあるターポリンと、一般的な安全ネットとを組み合わせて構成される。さらに、トスマシーン120の両脇には、内野手の絵が描かれた内野手表示パネル109が設けられている。
【0097】
バッティングスペースP2には、左右方向の中央にホームベース106が設けられ、その左右両側には、右バッター及び左バッターのいずれであっても遊技できるように右バッター用及び左バッター用双方のバッターボックス105が設けられている。また、バッティングスペースP1の片隅にはコントローラ160が設置されている。バッティング施設1のバックネット側の正面部には開閉扉107が設けられており、プレイヤーは開扉扉からバッティングスペースP1へ出入りする。
【0098】
トスマシーン120は、その内部に複数のボールBを収容できるように、ボックス上に形成されており、その前面に投球口121が設けられている。ボールBはこの投球口121からバッティングスペースP2に向けて山形に投球される。なお、使用されるボールBは、反発特性の低いウレタン製のものである。
【0099】
次に、バックスクリーン側に配置されている打球感知パネル131・・・134について説明する。
【0100】
打球感知パネル131・・・134を保持するフレーム130は、左右方向について3分割されるように空間部が形成される。一方、上下方向については、上段に高さ寸法の大きな空間部が、中段及び下段には高さ寸法の小さな空間が形成されるように仕切られている。
【0101】
これらの空間のうち、上段の中央の領域には、「Home RUN」と描かれた打球感知パネル134と、「3Base Hit」と描かれた打球感知パネル134とが上下に並べて配置されている。一方、中段の領域には、中央に「2Base Hit」と描かれた打球感知パネル132が取り付けられ、左右両側の領域には、「1Base Hit」と描かれた打球感知パネル131が取り付けられている。各打球感知パネル131・・・134は、その上部が前方に突き出して前面が下側に向けられるようにそれぞれ傾けられている。これら打球感知パネル131・・・134は、配置が第1実施形態のバッティング施設1のものと異なるだけで、それ自体の構成は、第1実施形態の打球感知パネル31・・・34と同様である。また、打球感知システムも第1実施形態のものと同様である。ただし、この実施形態では、報知手段として、表示装置は特に設けていない。
【0102】
次に、ボール回収スペースQ2に設けられているボール回収施設について説明する。
【0103】
この第2実施形態では、ボール集中部114がバッティング施設100の最も奥側に設けられる。即ち、ボール回収スペースQ2のフロア111は、バックスクリーン側を構成する奥側がも低くなるように斜めに傾けられている。また、案内溝113は、バックスクリーンの面の直近に形成される。この案内溝13についても、バッティング施設100の左右両側部よりも、中央が低くなるように斜めに傾けられている。そして、案内溝113の中央に形成された最も低い場所がボール収集部114である。
【0104】
したがって、プレイヤーが打ち返したボールBは、このフロア111の傾斜によって案内溝13に誘導される。案内溝13まで誘導されたボールBは、さらにこの案内溝13の傾斜により最も低く構成されたボール集中部14に案内される。
【0105】
ボール集中部114に誘導されたボールBは、ボール分離装置(不図示)によって一つ一つのボールに分離され、ボール収集装置180によりボール分離装置から順次吸い込まれ、搬送路125を通って再びトスマシーン120へと送られる。
【0106】
この第2実施形態にかかるバッティング施設においても、ボール分離装置及びボール収集装置180の構成及び作用は、第1実施形態のものと同様である。
【0107】
以上、使用されるボールとして反発特性の低いウレタン製の場合を例に説明したが、これには限定されず、通常の軟式ボール又は硬式ボールを使用することもできる。また、設置スペースが限定されないのであれば、バッティングスペースと投球装置との距離を通常のバッティングセンターと同様の距離だけ空けて、投球装置としても所謂ピッチングマシーンを使用することもできる。
【符号の説明】
【0108】
1,100・・・バッティング施設
10,110・・・バッティングスペースのフロア
11,12,111・・・ボール回収スペースのフロア
13,113・・・案内溝
14,114・・・ボール集中部
20,120・・・トスマシーン
31,32,33,34・・・打球感知パネル
35・・・表示装置(報知手段)
131,132,133,134・・・打球感知パネル
41,45・・・保持枠
50,51・・・衝撃センサ
55,56・・・光源体(報知手段)
60,160・・・コントローラ
61・・・判定部
62・・・記憶部
70・・・ボール分離装置
71・・・ターンテーブル
72・・・仕切羽根
80,180・・・ボール収集装置
82・・・吸引パイプ
83・・・吸引口
86・・・排出パイプ
87・・・排出口
90・・・開閉板
95・・・ファン装置
99・・・連絡パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーがバッティングを行うバッティングスペースと、
このバッティングスペースに向けてボールを投球する投球装置と、
この投球装置の後方に配置され打球感知パネルに、プレイヤーにより打ち返されたボールが衝突されて打球を感知する打球感知システムと、
プレイヤーにより打ち返されたボールを回収し、前記投球装置にボールを送り返すボール回収施設と、を備えたバッティング施設であって、
前記ボール回収施設は、
このバッティング施設の床面をその一ヶ所に向けて斜めに傾けて最低部を形成せしめて構成されたボール集中部と、
このボール集中部に配置され、前記ボール集中部に誘導されたボール同士を分離させるボール分離手段と、
このボール集中部に向けて延びる吸引口を具備し、前記ボール分離手段により相互に分離されたボールをこの吸引口から吸い込んで収集するボール収集手段と、
を備えたことを特徴とするバッティング施設。
【請求項2】
使用される前記ボールが反発特性の低いウレタンで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバッティング施設。
【請求項3】
前記投球装置は、前記バッティングスペースに向けてボールを山形に投球するトスマシーンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバッティング施設。
【請求項4】
前記ボール分離手段は、前記ボール集中部に配置されたターンテーブルと、
このターンテーブルの周方向に関して間を空けて複数配され、かつ、このターンテーブルの外縁から外側に向けて突出する仕切羽根とを具備し、
複数の前記仕切羽根は、隣り合う仕切羽根同士の間に前記ボールを取り込むことができるだけの距離を隔て配置され、
前記吸引口は前記ターンテーブルの周方向における一ヶ所に配されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバッティング施設。
【請求項5】
前記仕切羽根の延びる方向は、前記ターンテーブルの半径方向に対し、このターンテーブルの回転方向に向けて傾いていることを特徴とする請求項4に記載のバッティング施設。
【請求項6】
前記ターンテーブルの外側からターンテーブルの中心に向けて送風する送風手段を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のバッティング施設。
【請求項7】
前記打球感知システムは、1塁打、2塁打、3塁打及びホームランに対応する複数の感知パネルと、
打球が1塁打、2塁打、3塁打又はホームランのいずれであるかを知らせる報知手段と、
前記打球感知パネルからの信号に応じて前記報知手段に対し信号を送信して前記報知手段を作動させるコントローラと、を具備し、
前記コントローラは、前記打球感知パネルに打球が衝突したと認定するに足りる最低限度の強さに対応するデータを予め記憶した記憶手段と、
前記打球感知パネルから送信される信号と、前記記憶手段に記憶されたデータとを比較して、いずれが大きいかを判定する判定手段と、を備え、
前記コントローラは、前記判定手段が、打球感知パネルからの信号が、前記記憶手段に記憶されたデータより大きいと判定した場合に、打球の衝突された前記打球感知パネルに対応する結果を報知するように前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載のバッティング施設。
【請求項8】
前記感知パネルは、ボールが衝突される衝突板と、この衝突板の衝撃振動を検知する衝撃センサとを具備し、前記衝撃センサが圧電素子であることを特徴とする請求項7に記載のバッティング施設。
【請求項9】
前記衝突板の背面には保持枠が取り付けられ、前記圧電素子は、この保持枠に保持されていることを特徴とする請求項8に記載のバッティング施設。
【請求項10】
前記衝突板はポリカーボネートにより形成されていることを特徴とする請求項8に記載のバッティング施設。
【請求項11】
前記衝突板は、下側に向けて斜めに傾けられていることを特徴とする請求項8に記載のバッティング施設。
【請求項12】
前記衝突板は、その前面を覆う保護網で覆われていることを特徴とする請求項8に記載のバッティング施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−75515(P2012−75515A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221326(P2010−221326)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(599036244)
【出願人】(509293165)