説明

バッテリユニット装置

【課題】バッテリの交換などを容易にした状態においてバッテリの盗難が行われ難いバッテリユニット装置を提供する。
【解決手段】マスター制御手段27は、認証情報取得手段10により読み取られたユーザの第3認証情報とマスターバッテリユニット21の第1認証情報とが一致し、かつ、スレーブ制御手段47より取得した判断結果に基づいて、第3認証情報とスレーブバッテリユニット3の第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、マスターバッテリユニット21の第1バッテリ手段26による電力供給を開始させ、スレーブ制御手段47に対して電力供給命令を出力してスレーブバッテリユニット3の第2バッテリ手段46による電力供給を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリユニット装置に関し、より詳細には、複数のバッテリユニットにより構成されるバッテリユニットにおいて各バッテリユニット毎に認証が認められた場合にのみ電力供給が可能となるバッテリユニット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車やオートバイなどの内燃機関において、バッテリは重要な役割を有していた。さらに今日では、ハイブリッド式の自動車が一般に広まり、さらには、電気だけで走行する電気自動車の実用化も実現されている。
【0003】
このように、ハイブリッド式の自動車や電気自動車のように、自動車において電気の重要性が高まってくると、自動車の性能がバッテリの性能により左右されることになる。
【0004】
一方で、量産効果によりバッテリの価格低減を図るために、あらかじめ定められた規格からなるセルバッテリを製造して、複数のセルバッテリを組み合わせることにより、所望の出力量を確保する方法が用いられている。このように、使用するセルバッテリの規格をあらかじめ規定しておくことにより、セルバッテリの量産効果が高くなると共に、セルバッテリの交換などが容易になる。例えば、セルバッテリをカセット化しておき、電気自動車のセルバッテリのバッテリ残量が低下した時に、エネルギー供給ステーションにおいて満充電されたセルバッテリに交換する方法などが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このように、バッテリが複数のセルバッテリ(バッテリユニット)により構成されると、セルバッテリ毎にバッテリを製造・販売・交換することが可能となり、バッテリの利便性の向上を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001―57711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、既に説明したように、自動車における電気の重要性が高まると、自動車などの性能がバッテリの性能により左右されることになる。このため、高性能なバッテリを使用する自動車では、セルバッテリが盗難にあったり、気づかないうちに、第3者によって劣悪なセルバッテリに無断で載せ替えられてしまうおそれがある。
【0008】
これらの盗難や載せ替えを防止するために、バッテリを車両に強固に固定し、バッテリが容易に着脱されないようにする方法も考えられるが、バッテリの着脱を困難にすると、バッテリ交換時に簡単にバッテリを取り外せなくなり、利便性が損なわれてしまうおそれがある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、バッテリの交換などを容易にした状態においてバッテリの盗難等が行われ難いバッテリユニット装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るバッテリユニット装置は、第1バッテリ手段と、該第1バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第1認証情報が記録される第1記録手段と、前記第1バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するとともに前記第1バッテリ手段による前記電力供給の制御を行うマスター制御手段とを備えるマスターバッテリユニットと、第2バッテリ手段と、該第2バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第2認証情報が記録される第2記録手段と、前記マスター制御手段から電力供給命令を取得することを条件として前記第2バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、前記第1バッテリ手段および前記第2バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された第3認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第1記録手段に記録される前記第1認証情報と一致するか否かの判断を行うとともに、前記第3認証情報を前記スレーブ制御手段に出力し、前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第2記録手段に記録される前記第2認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、前記マスター制御手段により前記第3認証情報と前記第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記第3認証情報と前記第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記マスター制御手段は、前記第1バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記第1バッテリ手段による前記電力供給を開始させ、前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るバッテリユニット装置では、マスター制御手段により第3認証情報と第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて第3認証情報と第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、マスター制御手段が、第1バッテリ手段による電力供給を認めて第1バッテリ手段による電力供給を開始させ、スレーブ制御手段に対して電力供給命令を出力する。従って、第1認証情報と第3認証情報、第2認証情報と第3認証情報とが一致しないとバッテリ手段から電力供給が行われないことになる。
【0012】
このため、例えば、第三者がマスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットを盗み出して自分の車両に設置して流用しようとしても、認証情報が一致しないため、盗み出したマスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットを用いて電力供給を行うことが不可能となる。
【0013】
また、マスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットが第三者によって劣悪なバッテリユニットに取り替えられたとしても、取り替えられたバッテリユニットの認証情報(第1認証情報あるいは第2認証情報)が、認証情報取得手段によってユーザの記録媒体から読み取られた第3認証情報と異なるため電力供給が行われなくなる。このため、ユーザはバッテリユニットが正規のバッテリユニットでないことを容易に知ることが可能となる。
【0014】
さらに、全てのバッテリユニット(マスターバッテリユニットおよびスレーブバッテリユニット)の電力供給の判断処理をマスター制御手段で行っており、スレーブ制御手段では、マスター制御手段からの電力供給命令に従って電力供給処理を行っている。このため、1つのマスターバッテリユニットが設置されていれば、スレーブバッテリユニットは複数設置することができ、複数のスレーブバッテリユニットが設置された場合であっても、1つのマスターバッテリユニットのマスター制御手段により全体の電力供給の判断処理を行うことが可能となる。従って、バッテリユニットの数を柔軟に増減することが可能となるとともに、スレーブバッテリユニットの汎用性・量産性を高めることが可能となる。
【0015】
また、マスターバッテリユニットのマスター制御手段により全体の電力供給の判断処理が行われるため、車両側に認証処理に必要な処理ユニットを個別に設置する必要がない。このため、既存の車両においても本発明に係るバッテリユニット装置を容易に追加設置することが可能となる。
【0016】
また、認証処理を、車両側でなくバッテリユニット装置側で行っているため、車両側においては、認証処理の処理内容がブラックボックス化されることになる。このため、認証処理の処理内容の変更がなされた新しいバッテリユニット装置を、古い処理内容のバッテリユニット装置と交換する必要などが生じた場合であっても、車両側においてはバッテリユニット装置における処理内容の変更に左右されることなく、バッテリユニット装置を利用することが可能となる。
【0017】
さらに、マスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットのバッテリ手段(第1バッテリ手段あるいは第2バッテリ手段)が劣化した場合であっても、全てのバッテリユニット(マスターバッテリユニットおよびスレーブバッテリユニット)を一度に交換する必要がなく、劣化したバッテリユニットだけを交換することができるので、バッテリ手段の性能劣化に応じて柔軟かつ個別にバッテリユニットを交換することが可能となる。
【0018】
さらに、マスターバッテリユニットとスレーブバッテリユニットとは、基本的な構成(バッテリ手段、記録手段、制御手段などの構成)が共通しているため、バッテリユニットの量産性を高めることが可能となる。
【0019】
また、本発明に係るバッテリユニット装置は、バッテリ手段と、該バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第2認証情報が記録される第2記録手段と、電力供給命令を取得することを条件として前記バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第1認証情報が記録される第1記録手段と、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するマスター制御手段とを備える認証判断手段と、前記バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された第3認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第1記録手段に記録される前記第1認証情報と一致するか否かの判断を行うとともに、前記第3認証情報を前記スレーブ制御手段に出力し、前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第2記録手段に記録される前記第2認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、前記マスター制御手段により前記第3認証情報と前記第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記第3認証情報と前記第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記マスター制御手段は、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力することを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明に係るバッテリユニット装置は、バッテリ手段と、該バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられるバッテリ用認証情報が記録される記録手段と、電力供給命令を取得することを条件として前記バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するマスター制御手段を備える認証判断手段と、前記バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された記録媒体用認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記記録媒体用認証情報を取得して前記スレーブ制御手段に出力し、前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記記録媒体用認証情報を取得して、当該記録媒体用認証情報が前記記録手段に記録される前記バッテリ用認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、前記マスター制御手段は、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記記録媒体用認証情報と前記バッテリ用認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力することを特徴とする。
【0021】
本発明に係るバッテリユニット装置では、マスターバッテリユニットに代えて認証判断手段が設けられている。認証判断手段にはバッテリ手段が設けられていないため、認証判断手段は、マスターバッテリユニットのようにそのマスターバッテリユニットに設けられるバッテリ手段の電力供給制御を行うことなく、スレーブバッテリに設けられるバッテリ手段の電力供給制御だけを行うことが可能となる。このため、マスターバッテリユニットに比べて認証判断手段のマスター制御部では、処理の簡略化を図ることが可能となる。さらに、認証判断手段にはバッテリ手段が設けられていないため、構成の簡略化を図ることが容易となる。
【0022】
さらに、認証判断手段において記録手段を設けずに、認証情報取得手段より取得した認証情報(記録媒体用認証情報)をそのままスレーブバッテリユニットのスレーブ制御手段に出力し、スレーブ制御手段における認証の判断結果に基づいて電力供給の制御を行う構成とすることにより、認証判断手段におけるさらなる処理の簡略化と構成の簡略化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るバッテリユニット装置では、マスター制御手段により第3認証情報と第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて第3認証情報と第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、マスター制御手段が、第1バッテリ手段による電力供給を認めて第1バッテリ手段による電力供給を開始させ、スレーブ制御手段に対して電力供給命令を出力する。従って、第1認証情報と第3認証情報、第2認証情報と第3認証情報とが一致しないとバッテリ手段から電力供給が行われないことになる。
【0024】
このため、例えば、第三者がマスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットを盗み出して自分の車両に設置して流用しようとしても、認証情報が一致しないため、盗み出したマスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットを用いて電力供給を行うことが不可能となる。
【0025】
また、マスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットが第三者によって劣悪なバッテリユニットに取り替えられたとしても、取り替えられたバッテリユニットの認証情報(第1認証情報あるいは第2認証情報)が、認証情報取得手段によってユーザの記録媒体から読み取られた第3認証情報と異なるため電力供給が行われなくなる。このため、ユーザはバッテリユニットが正規のバッテリユニットでないことを容易に知ることが可能となる。
【0026】
さらに、全てのバッテリユニット(マスターバッテリユニットおよびスレーブバッテリユニット)の電力供給の判断処理をマスター制御手段で行っており、スレーブ制御手段では、マスター制御手段からの電力供給命令に従って電力供給処理を行っている。このため、1つのマスターバッテリユニットが設置されていれば、スレーブバッテリユニットは複数設置することができ、複数のスレーブバッテリユニットが設置された場合であっても、1つのマスターバッテリユニットのマスター制御手段により全体の電力供給の判断処理を行うことが可能となる。従って、バッテリユニットの数を柔軟に増減することが可能となるとともに、スレーブバッテリユニットの汎用性・量産性を高めることが可能となる。
【0027】
また、マスターバッテリユニットのマスター制御手段により全体の電力供給の判断処理が行われるため、車両側に認証処理に必要な処理ユニットを個別に設置する必要がない。このため、既存の車両においても本発明に係るバッテリユニット装置を容易に追加設置することが可能となる。
【0028】
また、認証処理を、車両側でなくバッテリユニット装置側で行っているため、車両側においては、認証処理の処理内容がブラックボックス化されることになる。このため、認証処理の処理内容の変更がなされた新しいバッテリユニット装置を、古い処理内容のバッテリユニット装置と交換する必要などが生じた場合であっても、車両側においてはバッテリユニット装置における処理内容の変更に左右されることなく、バッテリユニット装置を利用することが可能となる。
【0029】
さらに、マスターバッテリユニットあるいはスレーブバッテリユニットのバッテリ手段(第1バッテリ手段あるいは第2バッテリ手段)が劣化した場合であっても、全てのバッテリユニット(マスターバッテリユニットおよびスレーブバッテリユニット)を一度に交換する必要がなく、劣化したバッテリユニットだけを交換することができるので、バッテリ手段の性能劣化に応じて柔軟にかつ個別にバッテリユニットを交換することが可能となる。
【0030】
さらに、マスターバッテリユニットとスレーブバッテリユニットとは、基本的な構成(バッテリ手段、記録手段、制御手段などの構成)が共通しているため、バッテリユニットの量産性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1に係るバッテリユニット装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るマスターセルバッテリおよびスレーブセルバッテリの概略構成を示したブロック図である。
【図3】実施の形態1に係るマスター制御部の処理内容を示したフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るスレーブ制御部の処理内容を示したフローチャートである。
【図5】実施の形態2に係るバッテリユニット装置の概略構成を示したブロック図である。
【図6】実施の形態2に係る認証装置およびスレーブセルバッテリの概略構成を示したブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る認証装置の処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係るバッテリユニット装置の一例について、添付図面を用いて詳細に説明を行う。
【0033】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るバッテリユニット装置の概略構成を示したブロック図である。バッテリユニット装置1は、図1に示すように、カードリーダ部(認証情報取得手段)10と、バッテリボックス部20とを有している。バッテリユニット装置1は車両に設置されている。バッテリボックス部20は、例えば、ボンネット内部に設置され、カードリーダ部10は、車室内の例えば、運転席から認証カード(バッテリ手段による電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体)10aの抜き差しが容易な位置に設置される。
【0034】
カードリーダ部10は、認証カード10aに記録されるカード情報(第3認証情報、記録媒体用認証情報)の読み取りが可能となっている。車両の利用者、あるいは車両の所有者(バッテリ手段による電力供給を希望するユーザ)は、自分のユーザ情報が記録された認証カード10aを携帯しており、エンジンをかける前に、認証カード10aをカードリーダ部10にセットして、カードリーダ部10によりカード情報を読み取らせる処理を行う。そして、後述するように、カード情報に基づいてバッテリボックス部20内の各セルバッテリの認証が認められた後に、バッテリボックス部20により電気の供給(以下、電力供給という。)が可能となり、エンジンの始動ができる状態となる。
【0035】
なお、カードリーダ部10において、認証カード10aからカード情報を読み取る場合においても、電力の供給が必要となる。このため、認証カード10aによるカード情報の認証前においては、車両における最低限の電力供給を行うために、例えば5Vの電力供給が行われており、カード認証が認められた場合には、1500Vの電力供給が行われる構成となっている。電力供給の切り替え等については後述する。
【0036】
また、実施の形態1において用いられるカード情報は、一般的に車両の所有者、あるいは車両の使用を認められる者を特定し、認証するための情報を意図している。
【0037】
カードリーダ部10とバッテリボックス部20とは通信ケーブル11で接続されており、カードリーダ部10において認証カード10aから読み取られたカード情報は、通信ケーブル11を介してバッテリボックス部20に伝達される。
【0038】
バッテリボックス部20は、同一の規格形状に規定された複数のセルバッテリにより構成されている。具体的には、複数のセルバッテリのうち、1つのバッテリがマスターセルバッテリ(マスターバッテリユニット)21として機能し、他の複数のバッテリがスレーブセルバッテリ(スレーブバッテリユニット)3〜3として機能する。
【0039】
マスターセルバッテリ21には、通信ケーブル11が接続されている。マスターセルバッテリ21では、カードリーダ部10よりカード情報を取得して、カード情報が適正情報であるか否かの認証処理を行う役割を有している。また、マスターセルバッテリ21と各スレーブセルバッテリ3〜3とは、認証データの送受信が可能に接続されている。各スレーブセルバッテリ3〜3は、マスターセルバッテリ21より取得した駆動用電源制御部をオンに設定する旨の制御情報(電力供給命令)を取得した場合にモータ駆動用の電力の供給を開始する。
【0040】
図2は、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3との概略構成を示したブロック図である。図2には、説明の便宜上、1つのスレーブセルバッテリ3しか示されていないが、実際には、複数のスレーブセルバッテリ3〜3がマスターセルバッテリ21にそれぞれ接続されており、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3〜3との間でカード情報の送信および認証結果の返信を行うことが可能となっている。
【0041】
マスターセルバッテリ21は、通信部22と、E2PROM(第1記録手段)23と、駆動用電源制御部(マスター制御手段)24と、システム用電源制御部(マスター制御手段)25と、バッテリ部(第1バッテリ手段)26と、マスター制御部(マスター制御手段)27とを有している。また、スレーブセルバッテリ3も同様に、通信部42と、E2PROM部(第2記録手段)43と、駆動用電源制御部(スレーブ制御手段)44と、システム用電源制御部(スレーブ制御手段)45と、バッテリ部(第2バッテリ手段)46と、スレーブ制御部(スレーブ制御手段)47とを有している。図2に示すように、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3との基本的なハードウェア構成は共通したものとなっている。
【0042】
マスターセルバッテリ21の通信部22は、通信ケーブル11を介して、カードリーダ部10とのカード情報の受信処理を行う役割を有している。また、通信部22は、他のスレーブセルバッテリ3〜3との間で情報の送受信(カード情報や認証OK情報の送信および認証結果(判断結果)の返信)を行う役割を有している。一方で、スレーブセルバッテリ3の通信部42は、マスターセルバッテリ21の通信部22との間で、情報の送受信(カード情報や認証OK情報の送信および認証結果(判断結果)の返信)を行う役割を有している。
【0043】
通信部22および通信部42は、一般的な通信機器、例えばネットワークインタフェースカード(Network Interface Card)により構成されている。また、一般的なネットワークインタフェースカードでなく、自動車に搭載される様々な電子機器の情報・制御伝達網として一般的に用いられているCAN(Controller Area Network)に特化した通信機器であってもよい。
【0044】
E2PROM23およびE2PROM43は、電気的にプログラム内容を消去および再書き込みすることができるROMを意味しており、Electrically Erasable Programmable ROMの略称として知られているものである。E2PROM23およびE2PROM43には、カード情報の認証判断を行う際に参照される正当なカード情報(第1認証情報、第2認証情報)が記録されている。また、E2PROM23には、マスター制御部27における処理を行うための処理プログラム(後述する図3に示す処理を規定したプログラム)が記録され、また、E2PROM43には、スレーブ制御部47における処理を行うための処理プログラム(後述する図4に示す処理を規定したプログラム)が記録されている。
【0045】
バッテリ部26およびバッテリ部46は、電気自動車あるいはハイブリッド自動車に最適化されたリチウムイオン二次電池により構成されている。マスターセルバッテリ21およびスレーブセルバッテリ3〜3のそれぞれに、リチウムイオン二次電池が搭載されており、このリチウムイオン二次電池より出力される電力によって、モータの駆動部35を駆動させて車両の走行などを行うことが可能となっている。なお、バッテリ部26およびバッテリ部46を構成するバッテリは、リチウムイオン二次電池のみに限定されるものではなく、自動車に利用することが可能なバッテリであれば、リチウムイオン二次電池以外の他の構造からなるバッテリであってもよい。
【0046】
駆動用電源制御部24および駆動用電源制御部44は、バッテリ部26およびバッテリ部46により、駆動部35へと出力される電力供給のオン・オフを、マスター制御部27およびスレーブ制御部47からの制御信号に基づいて切り替え制御する役割を有している。駆動用電源制御部24および駆動用電源制御部44における電力供給がオンに設定されることにより、バッテリボックス部20において総量1500Vの電力が駆動部35へと供給されることになる。
【0047】
また、システム用電源制御部25およびシステム用電源制御部45は、バッテリ部26およびバッテリ部46により出力されるシステム駆動用の電力供給のオン・オフを、マスター制御部27およびスレーブ制御部47からの制御信号に基づいて切り替え制御する役割を有している。システム駆動用の電力供給とは、カードリーダ部10において認証カード10aからカード情報を読み取る処理に必要とされ、また、車両におけるドアロック開閉動作などに必要とされる、最低限の電力供給を行うための5Vの電力供給を意味している。
【0048】
システム駆動用の5Vの電力供給は、1つのセルバッテリの電力供給だけで十分に賄うことが可能である。このため、スレーブセルバッテリ3〜3に設けられるシステム用電源制御部45は基本的にオフに設定され、オンにされることはない。一方で、マスターセルバッテリ21に設けられるシステム用電源制御部25は、後述するマスター制御部27の初期処理においてオンに設定される。
【0049】
つまり、システム用電源制御部25は、カード情報の認証によりカード情報が正当なカード情報であると判断される前であっても、また、エンジンが停止されてキーシリンダからキーが抜かれた状態であっても、常にオンに設定されて電力供給が行われる状態を維持する。このようにして5Vの電力供給(システム駆動に必要な最低限の電力供給)を常に行うことによって、カードリーダ部10におけるカード情報の読み出し処理だけでなく、車両ドアのキーレス開閉処理などを行うことが可能となり、車両全体のセキュリティや利便性を確保することが可能となっている。
【0050】
マスター制御部27は、E2PROM23に記録されるプログラムに従って、各種情報の送受信処理、カード情報の認証処理、駆動用電源制御部24の制御処理などを行う役割を有している。また、スレーブ制御部47も同様に、E2PROM43に記録されるプログラムに従って、各種情報の送受信処理、カード情報の認証処理、駆動用電源制御部44の制御処理などを行う役割を有している。なお、マスター制御部27およびスレーブ制御部47は、一般的なCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)により構成されている。
【0051】
次に、マスター制御部27における処理内容およびスレーブ制御部47における処理内容について説明する。
【0052】
図3は、マスター制御部27における処理内容を示したフローチャートである。マスター制御部27は、E2PROM23より読み出したプログラムに基づいて、図3に示す処理を実行する。
【0053】
まず、マスター制御部27は、初期処理を行う(ステップS.1)。具体的に、マスター制御部27は、通信部22によって、通信ケーブル11を介してカードリーダ部10との通信が可能であるかのチェックを行ったり、各スレーブセルバッテリ3〜3との通信が可能であるか否かのチェックを行う。
【0054】
また、マスター制御部27は、スレーブセルバッテリ3〜3との通信のチェックにおいて、スレーブセルバッテリ3〜3の接続数(マスターセルバッテリ21に接続されるスレーブセルバッテリ3〜3の台数)のチェックなどを行う。なお、この初期処理において、マスター制御部27は、システム用電源制御部25をオンに制御して、カードリーダ部10における認証カード10aの読み出し処理などに必要な5Vの電力供給を可能とするとともに、駆動用電源制御部24をオフに制御して、駆動部35に対する電力供給を停止する処理を行う。
【0055】
次に、マスター制御部27では、カードリーダ部10よりカードリーダ部10に認証カード10aがセット(挿入)されたことを示すカードセット情報の取得処理を行い(ステップS.2)、通信ケーブル11を介してカードセット情報が取得された(通知された)か否かの判断を行う(ステップS.3)。カードリーダ部10に認証カード10aがセット(挿入)されていない場合、マスター制御部27では、カードセット情報を取得することができない(通知されない)。
【0056】
カードセット情報が取得されなかった場合(ステップS.3においてNoの場合)、マスター制御部27は、繰り返しカードセット情報の取得処理を行い(ステップS.2)、通信ケーブル11を介してカードセット情報が取得されたか否かの判断を行う(ステップS.3)。
【0057】
カードセット情報が取得された場合(ステップS.3においてYesの場合)、マスター制御部27は、通信ケーブル11を介して、カードリーダ部10により読み取られた認証カード10aのカード情報(第3認証情報)を取得する(ステップS.4)。次いで、マスター制御部27は、マスターセルバッテリ21のE2PROM23に記録される正当なカード情報(第1認証情報)を読み出して取得する(ステップS.5)。そして、マスター制御部27は、カードリーダ部10より取得されたカード情報と、E2PROM23に記録される正当なカード情報とが、一致するか否かの認証処理を行う(ステップS.6)。
【0058】
認証処理の結果によりカード情報が一致しない場合(ステップS.7においてNoの場合)、マスター制御部27は、図示を省略した車両室内の警告表示部などに、カード情報が一致しない旨のエラー表示(例えば、メータ内の所定のアイコンを点滅などさせる)し(ステップS.8)、各スレーブセルバッテリ3〜3のスレーブ制御部47に対して駆動用電源制御部44をオフに設定する旨の制御情報を出力して(ステップS.9)、マスターセルバッテリ21の駆動用電源制御部24をオフにしたままの状態で処理を終了する。
【0059】
一方で、認証処理の結果によりカード情報が一致した場合(ステップS.7においてYesの場合)、マスター制御部27は、各スレーブセルバッテリ3〜3に対して、カードリーダ部10より取得したカード情報(第3認証情報)を出力する(ステップS.10)。各スレーブセルバッテリ3〜3では、後述するように、マスターセルバッテリ21のマスター制御部27からカード情報(第3認証情報)を取得して認証処理を行い、認証結果(判断結果)をマスター制御部27に出力する。
【0060】
マスター制御部27は、各スレーブセルバッテリ3〜3から認証結果(判断結果)を取得する処理を行い(ステップS.11)、全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を求めたか否かの判断を行う(ステップS.12)。全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を得られなかった場合(ステップS.12においてNoの場合)、マスター制御部27は、引き続き、各スレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を取得する処理を行い(ステップS.11)を繰り返し実行する。
【0061】
全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を得られた場合(ステップS.12においてYesの場合)、マスター制御部27は、全ての認証結果が、各スレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM43に記録されるカード情報(第2認証情報)に一致した旨の情報(認証OK情報)であったか否かの判断を行う(ステップS.13)。
【0062】
全ての認証結果が認証OK情報でなかった場合(少なくとも1つでも認証がNGであった旨の認証NG情報を取得した場合:ステップS.13においてNoの場合)、マスター制御部27は、図示を省略した車両室内の警告表示部などに、カード情報が一致しない旨のエラー表示を行い(ステップS.8)、各スレーブセルバッテリ3〜3のスレーブ制御部47に対して駆動用電源制御部44をオフに設定する旨の制御情報を出力して(ステップS.9)マスターセルバッテリ21の駆動用電源制御部24をオフにしたままの状態で処理を終了する。
【0063】
一方で、全ての認証結果が認証OK情報であった場合(ステップS.13においてYesの場合)、マスター制御部27は、マスターセルバッテリ21の駆動用電源制御部24をオンに制御して(ステップS.14)、駆動用電源の供給を開始する。また、マスター制御部27は、全てのスレーブセルバッテリ3〜3に対して、それぞれの駆動用電源制御部44をオンに設定する旨の制御情報(電力供給命令)を出力して(ステップS.15)、処理を終了する。
【0064】
次に、各スレーブセルバッテリ3〜3における処理内容について説明する。図4は、各スレーブセルバッテリ3〜3のスレーブ制御部47における処理内容を示したフローチャートである。スレーブ制御部47は、E2PROM23より読み出したプログラムに基づいて、図4に示す処理を実行する。
【0065】
まず、スレーブ制御部47は、初期処理を行う(ステップS.21)。具体的に、マスター制御部27との通信が可能であるか否かのチェックを行う。また、この初期処理において、スレーブ制御部47は、システム用電源制御部45をオフに制御して、5Vの電力供給が行われない状態に設定するとともに、駆動用電源制御部44をオフに制御して、駆動部35に対する電力供給を停止する処理を行う。
【0066】
次に、スレーブ制御部47は、マスター制御部27からカード情報の取得処理を行い(ステップS.22)、カード情報が取得されたか否かの判断を行う(ステップS.23)。マスター制御部27からカード情報が取得(受信)されなかった場合(ステップS.23においてNoの場合)、スレーブ制御部47は、繰り返しカード情報の取得処理を実行する(ステップS.22)。
【0067】
一方で、マスター制御部27からカード情報が取得(受信)できた場合(ステップS.23においてYesの場合)、スレーブ制御部47は、E2PROM43に記録される正当なカード情報(第2認証情報)を読み出して取得し(ステップS.24)、マスター制御部27から取得したカード情報(第3認証情報)と、E2PROM43に記録される正当なカード情報(第2認証情報)とが、一致するか否かの認証処理を行う(ステップS.25)。
【0068】
認証処理の結果によりカード情報が一致しない場合(ステップS.26においてNoの場合)、スレーブ制御部47は、取得したカード情報が正当なカード情報と一致しない旨の認証NG情報を、マスター制御部27に対して出力し(ステップS.27)、処理を終了する。
【0069】
一方で、認証処理の結果によりカード情報が一致した場合(ステップS.26においてYesの場合)、スレーブ制御部47は、マスター制御部27に対して取得したカード情報が正当なカード情報と一致した旨の認証OK情報を出力する(ステップS.28)。
【0070】
その後、スレーブ制御部47は、駆動用電源制御部44をオンあるいはオフにセットするための制御情報をマスター制御部27より取得する処理を行う(ステップS.29)。制御情報が取得できない場合(ステップS.30においてNoの場合)、スレーブ制御部47は、繰り返し、マスター制御部27から制御情報を取得する処理を行う(ステップS.29)。
【0071】
制御情報が取得できた場合(ステップS.30においてYesの場合)、スレーブ制御部47は、制御情報が、駆動用電源制御部44をオンに制御する制御情報(電力供給命令)であるか否かの判断を行う(ステップS.31)。
【0072】
制御情報が駆動用電源制御部44をオンに制御する制御情報(電力供給命令)である場合(ステップS.32においてYesの場合)、スレーブ制御部47は、駆動用電源制御部44をオンに制御して(ステップS.33)、駆動用の電力供給を開始した後に処理を終了する。一方で、制御情報が駆動用電源制御部44をオフに制御する制御情報である場合(ステップS.32においてNoの場合)、スレーブ制御部47は、駆動用電源制御部44をオフに制御して(駆動用電源制御部44をオフ状態に維持させたまま、ステップS.34)、駆動用の電力供給を行うことなく処理を終了する。
【0073】
このように、実施の形態1に係るバッテリユニット装置1では、マスターセルバッテリ21のマスター制御部27において、カードリーダ部10を介して認証カード10aより読み取られたカード情報(第3認証情報)を取得し、マスターセルバッテリ21のE2PROM23に記録される正規のカード情報(第1認証情報)、およびスレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM43に記録される正規のカード情報(第2認証情報)との認証を行って、マスターセルバッテリ21および全てのスレーブセルバッテリ3〜3の正規のカード情報との認証がOKであった場合にのみ、駆動部35に対する電力供給が開始される構成となっている。
【0074】
このため、例えば、第三者が車両のマスターセルバッテリ21あるいはスレーブセルバッテリ3〜3のいずれかを盗み出して自分の車両に設置して流用しようとしても、カード情報が一致しないため、盗み出したセルバッテリを用いて電力供給を行うことが不可能となる。
【0075】
また、いずれかのセルバッテリが第三者によって劣悪なセルバッテリに取り替えられたとしても、取り替えられたセルバッテリのカード情報と、カードリーダ部10によって読み取られる認証カード10aのカード情報とが異なることにより、エラー表示などが行われるので、ユーザはセルバッテリが正規のセルバッテリ出ないことを容易に知ることが可能となる。
【0076】
さらに、上述した処理においては、マスターセルバッテリ21のマスター制御部27が初期処理において各スレーブセルバッテリ3〜3との通信チェックにより、接続されるスレーブセルバッテリ3〜3の接続数(設置台数)のチェックを行っているので、あらかじめ設定されたスレーブセルバッテリ3〜3の接続数とチェックされた接続数とが異なる場合には、いずれかのスレーブセルバッテリ3が盗まれたことなどを容易に知ることが可能となる。
【0077】
さらに、全てのセルバッテリ21、3〜3の認証処理をバッテリユニット装置1側で行っており、車両側に認証処理に必要な処理ユニットを個別に設置する必要がないため、既存の車両においてもバッテリユニット装置1を容易に設置することが可能となる。また、認証処理を、車両側でなくバッテリユニット装置1側で行っているため、車両側においては、認証処理の処理内容がブラックボックス化されることになる。このため、認証処理の処理内容の変更がなされた新しいバッテリユニット装置1と、古い処理内容のバッテリユニット装置1との交換などが行われた場合であっても、車両側においてバッテリユニット装置1における処理内容の変更に左右されることなく、新しいバッテリユニット装置1を利用することが可能となる。
【0078】
さらに、バッテリユニット装置1は多数のスレーブセルバッテリ3〜3により構成され、多数のスレーブセルバッテリ3〜3によりセルバッテリの汎用性・量産性を高めることができるのでコストの低減を図ることが容易となる。
【0079】
さらに、セルバッテリ21、3〜3のバッテリ部26、46が劣化した場合には、全てのセルバッテリ21、3〜3を一度に交換する必要がなく、劣化したバッテリ部26、46のセルバッテリだけを交換することができるので、バッテリ部の性能劣化に応じて柔軟かつ個別にセルバッテリを交換することが可能となる。
【0080】
また、バッテリユニット装置1が複数のセルバッテリ21、3〜3により構成されるため、例えば、車庫に取り外したセルバッテリの充電を行うエネルギー供給装置などが建設される場合には、放電されたセルバッテリを充電されたセルバッテリに簡単に交換することが可能となるため、バッテリの交換および充電を簡単に行うことが可能となる。
【0081】
さらに、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3〜3とは、図2に示すように、基本的な構成が同一である。このため、セルバッテリがマスターセルバッテリ21の役割を行うか、又はスレーブセルバッテリ3〜3の役割を行うかの判断は、E2PROM23、E2PROM43に記録されるプログラムが図3に示したマスター制御部27用のプログラムであるか、又は図4に示したスレーブ制御部47用のプログラムであるかの違いと、バッテリユニット装置1におけるセルバッテリの接続関係(マスターセルバッテリ21は、カードリーダ部10と全てのスレーブセルバッテリ3〜3とに接続され、スレーブセルバッテリ3〜3は、マスターセルバッテリ21にだけ接続される)だけで決定される。このため、マスターセルバッテリ21もスレーブセルバッテリ3もハード構成が共通するため、セルバッテリの量産性を高めることが可能となる。
【0082】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2に係るバッテリユニット装置について説明する。
【0083】
図5は、実施の形態2に係るバッテリユニット装置の概略構成を示したブロック図である。実施の形態1において説明したバッテリユニット装置1と同一の役割を有する構成部分については、同一符号を附し、その説明を省略する。
【0084】
図5に示したバッテリユニット装置50は、マスターセルバッテリ21の代わりに、認証装置(認証判断手段)51が設けられる点で、実施の形態1において説明したバッテリユニット装置1と相違する。図6は、認証装置51とスレーブセルバッテリ3〜3との概略構成を示したブロック図である。図6には、説明の便宜上、1つのスレーブセルバッテリ3しか示されていないが、実際には、複数のスレーブセルバッテリ3〜3が認証装置51にそれぞれ接続されており、認証装置51とスレーブセルバッテリ3〜3との間でカード情報の送信および認証結果の返信を行うことが可能となっている。
【0085】
認証装置51は、通信部22と、E2PROM23と、マスター制御部27とを有している。認証装置51と、実施の形態1において説明したマスターセルバッテリ21とを比較すると、通信部22と、E2PROM23と、マスター制御部27を有する点で共通しているが、認証装置51はバッテリ部26を備えておらず、またバッテリ部26において供給される電力量を制御するための駆動用電源制御部24およびシステム用電源制御部25が設けられていない点で相違する。
【0086】
また、認証装置51のE2PROM23には、カード情報は記録されていない。カード情報(バッテリ用認証情報)は、各スレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM(記録手段)43にのみ記録されており、認証装置51のE2PROM23には、マスター制御部27における処理内容を示したプログラムだけが記録される。マスター制御部27は、E2PROM23より制御プログラムを読み出して各スレーブセルバッテリ3〜3における認証処理を行う。
【0087】
図7は、認証装置51のマスター制御部27における処理内容を示したフローチャートである。マスター制御部27は、E2PROM23より読み出したプログラムに基づいて、図7に示す処理を実行する。
【0088】
まず、マスター制御部27は、初期処理を行う(ステップS.41)。具体的に、マスター制御部27は、通信部22により、通信ケーブル11を介してカードリーダ部10との通信が可能であるかのチェックを行ったり、各スレーブセルバッテリ3〜3との通信が可能であるか否かのチェックを行う。
【0089】
また、マスター制御部27は、図3に示したステップS.1の初期処理と同様に、スレーブセルバッテリ3〜3との通信のチェックにおいて、スレーブセルバッテリ3〜3の接続数(認証装置51に接続されるスレーブセルバッテリ3〜3の台数)のチェックなどを行う。
【0090】
なお、この初期処理において、認証装置51は、いずれか1つのスレーブセルバッテリに対して、システム用電源制御部45をオンに制御する旨の情報を出力する。システム用電源制御部45をオンに制御する旨の情報を取得した、一のスレーブセルバッテリでは、電源制御部45をオンに設定することにより、カードリーダ部10における認証カード10aの読み出し処理などに必要な5Vの電力供給を可能にする処理を行う。
【0091】
次に、マスター制御部27では、カードリーダ部10よりカードリーダ部10に認証カード10aがセット(挿入)されたことを示すカードセット情報の取得処理を行い(ステップS.42)、通信ケーブル11を介してカードセット情報が取得された(通知された)か否かの判断を行う(ステップS.43)。
【0092】
カードセット情報が取得されなかった場合(ステップS.43においてNoの場合)、マスター制御部27は、繰り返しカードセット情報の取得処理を行い(ステップS.42)、通信ケーブル11を介してカードセット情報が取得されたか否かの判断を行う(ステップS.43)。
【0093】
カードセット情報が取得された場合(ステップS.43においてYesの場合)、マスター制御部27は、通信ケーブル11を介して、カードリーダ部10により読み取られた認証カード10aのカード情報(記録媒体用認証情報)を取得する(ステップS.44)。そして、マスター制御部27は、各スレーブセルバッテリ3〜3に対して、カードリーダ部10より取得したカード情報(記録媒体用認証情報)を出力する(ステップS.45)。各スレーブセルバッテリ3〜3では、実施の形態1において図4に示すフローチャートを用いて説明した場合と同様にして、認証装置51のマスター制御部27からカード情報(記録媒体用認証情報)を取得して認証処理を行い、認証結果(判断結果)を認証装置51のマスター制御部27に返信する。
【0094】
マスター制御部27は、各スレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を取得する処理を行い(ステップS.46)、全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を取得したか否かの判断を行う(ステップS.47)。全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を得られなかった場合(ステップS.47においてNoの場合)、マスター制御部27は、引き続き、各スレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を取得する処理を行い(ステップS.46)を繰り返し実行する。
【0095】
全てのスレーブセルバッテリ3〜3から認証結果を得られた場合(ステップS.47においてYesの場合)、マスター制御部27は、全ての認証結果が、各スレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM43に記録されるカード情報に一致した旨の認証OK情報であったか否かの判断を行う(ステップS.48)。
【0096】
全ての認証結果が認証OK情報でなかった場合(少なくとも1つでも認証NG情報を取得した場合:ステップS.48においてNoの場合)、マスター制御部27は、図示を省略した車両室内の警告表示部などに、カード情報が一致しない旨のエラー表示を行い(ステップS.49)、各スレーブセルバッテリ3〜3のスレーブ制御部47に対して駆動用電源制御部44をオフに設定する旨の制御情報を出力して(ステップS.50)、処理を終了する。
【0097】
一方で、全ての認証結果が認証OK情報であった場合(ステップS.48においてYesの場合)、マスター制御部27は、全てのスレーブセルバッテリ3〜3に対して、それぞれの駆動用電源制御部44をオンに設定する旨の制御情報(電力供給命令)を出力して(ステップS.51)、処理を終了する。
【0098】
スレーブセルバッテリ3〜3のスレーブ制御部47においては、図4に示したフローチャートと同様の処理を行う。
【0099】
実施の形態2に示すバッテリユニット装置50では、複数のセルバッテリのうちの1つをマスターセルバッテリ21として設定するのではなく、マスターセルバッテリ21におけるカード情報の取得処理、スレーブセルバッテリ3〜3におけるカード情報の認証処理および、駆動用電源制御部44のオン・オフ制御処理だけを行う認証装置51を設定することを特徴としている。
【0100】
このように認証装置51を設定することにより、全てのセルバッテリをスレーブセルバッテリとして機能させることが可能となる。従って、実施の形態1に示したマスターセルバッテリ21のように、マスターセルバッテリ21として機能する1つのセルバッテリのE2PROM23にだけに、マスターセルバッテリ21用のプログラムを個別に記録させる必要がなくなり、セルバッテリを、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3〜3とで分ける必要性がなくなる。このため、セルバッテリの製造負担の低減、製造コストの低減、製品管理の負担低減などを図ることが容易となる。
【0101】
さらに、セルバッテリは全てスレーブセルバッテリ3〜3として機能するため、バッテリユニット装置50におけるスレーブセルバッテリ3〜3の設置位置がどの位置であってもよくなる。このため、実施の形態1に示したバッテリユニット装置1のように、マスターセルバッテリ21に該当するセルバッテリの設置位置とスレーブセルバッテリ3〜3に該当するセルバッテリとの設置位置とを分ける必要がなくなるので、セルバッテリの設置負担が軽減されるとともに、マスターセルバッテリ21とスレーブセルバッテリ3〜3との設置位置の間違いによるトラブルの発生などを抑制することが可能となる。
【0102】
以上、本発明に係るバッテリユニット装置について図面を用いて詳細に説明を行ったが、本発明に係るバッテリユニット装置は、上述した実施の形態1あるいは実施の形態2に例示した構成には限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば、実施の形態1において示したバッテリユニット装置1、実施の形態2に示したバッテリユニット装置50では、カードリーダ部10において認証カード10aからカード情報を読み出し、E2PROM23あるいはE2PROM43に記録される正当なカード情報との比較を行うものであった。このカード情報は、一般的にユーザを識別するための情報(ユーザコード)のみに限定されるのではなく、他の情報、例えば、ユーザコードに加えて、バッテリユニット装置1、50を供給するメーカやサプライヤを識別するためのメーカコードが付加される構成であってもよく、あるいは、第三者によるE2PROMの書き換えをチェックするためのシステムコードなどを付加ものであってもよい。
【0104】
例えば、メーカコードをカード情報に付加することにより、マスターセルバッテリ21のE2PROM23やスレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM43に記録されるユーザコードとメーカコードとが書き換えられた場合であっても、実際のセルバッテリのメーカ等がメーカコードのメーカ等と異なる場合には、メーカ等が一致しないことからエラー出力がなされるため、セルバッテリの不具合を迅速に判断することが可能となる。
【0105】
また、カード情報に、例えば「A5A5A5Ah」などのシステムコードを追加し、E2PROM23やE2PROM43に、ユーザコードとは別にシステムコードを記録するとともに、認証カード10aにユーザコードとともにシステムコードとを記録しておく。このようにシステムコードを記録しておくことにより、第三者がE2PROM23やE2PROM43の情報を書き換えた場合には、システムコードも書き換えられることになるため、システムコードチェックにより、E2PROMの不正な書き換え処理を確実に判別することが可能となる。
【0106】
さらに、実施の形態1および実施の形態2においては、マスターセルバッテリ21あるいは認証装置51においてスレーブセルバッテリ3〜3とのカード情報の認証が認められた場合(認証OK情報を取得した場合)に、各セルバッテリにおいて駆動用電源制御部44、24をオンに設定して電力供給を行う処理について説明した。しかしながら、認証処理により認証が認められた場合には、単に駆動用電源制御部44、24をオンに設定して電力供給を行うだけでなく、あらかじめモードを変更・設定することにより、認証が認められた場合において異なる処理を行わせる構成とすることもできる。
【0107】
例えば、マスターセルバッテリ21のE2PROM23に記録されるカード情報や、スレーブセルバッテリ3〜3のE2PROM43に記録されるカード情報を書き換えるためのユーザコード書き換えモードをあらかじめ設けて、カード情報の認証が認められたことを条件として全てのE2PROM23およびE2PROM43のユーザコードを書き換え可能とするように処理を行わせることも可能である。
【0108】
例えば、車両が売却されて所有者が変わった場合には、中古車販売業者や自動車ディーラなどが、新しい所有者のユーザコードにE2PROM23およびE2PROM43のユーザコードを書き換える必要が生ずる。このため、設定モードをユーザコード書き換えモードに設定した後に、カード情報の認証処理を行うことにより、正当な所有者(あるいは、権限を有する者)によりユーザコードの書き換えモード設定が行われたものと判断することができ、その後の認証処理に用いられるE2PROM23およびE2PROM43の正当なユーザコードを最適に変更することが可能となる。
【0109】
また、例えば、カード情報の認証において、ユーザコードとメーカコードとの二重の認証処理を行い、両方の認証が認められる場合にデバッグモードに移行するような設定とすることも可能である。また、複数のコード情報(ユーザコード、メーカコード、その他のコード情報)の全ての認証が認められた場合にのみ、E2PROM23およびE2PROM43の強制的なデータ書き換え処理を認める強制書き換えモードへの移行を可能とするように設定することも可能である。
【0110】
さらに、実施の形態2に係るバッテリユニット装置50では、認証装置51のマスター制御部27が通信ケーブル11を介してカードリーダ部10より認証カード10aのカード情報を取得した後に、マスター制御部27で認証処理を行うことなく、各スレーブセルバッテリ3〜3にそのまま取得したカード情報を送信する場合について説明を行った。しかしながら、認証装置51のE2PROM23にカード情報(第1認証情報)を記録させて、E2PROM23に記録されるカード情報(第1認証情報)と、カードリーダ部10より取得した認証カード10aのカード情報(第3認証情報)とが一致した場合にのみ、マスター制御部27が、各スレーブセルバッテリ3〜3に対して、カードリーダ部10より取得したカード情報(第3認証情報)を送信する構成とすることも可能である。このように、認証装置51のマスター制御部27でカード情報の認証処理を行うことにより、バッテリユニット装置における認証処理のセキュリティを高めることが可能となる。
【符号の説明】
【0111】
1、50 …バッテリユニット装置
10 …カードリーダ部(認証情報取得手段)
10a …認証カード(記録媒体)
11 …通信ケーブル
20 …バッテリボックス部
21 …マスターセルバッテリ(マスターバッテリユニット)
22 …(マスターセルバッテリまたは認証装置の)通信部
23 …(マスターセルバッテリまたは認証装置の)E2PROM(第1記録手段)
24 …(マスターセルバッテリの)駆動用電源制御部(マスター制御手段)
25 …(マスターセルバッテリの)システム用電源制御部(マスター制御手段)
26 …(マスターセルバッテリの)バッテリ部(第1バッテリ手段)
27 …(マスターセルバッテリまたは認証装置の)マスター制御部(マスター制御手段)
35 …駆動部
〜3 …スレーブセルバッテリ(スレーブバッテリユニット)
42 …(スレーブセルバッテリの)通信部
43 …(スレーブセルバッテリの)E2PROM(第2記録手段、記録手段)
44 …(スレーブセルバッテリの)駆動用電源制御部(スレーブ制御手段)
45 …(スレーブセルバッテリの)システム用電源制御部(スレーブ制御手段)
46 …(スレーブセルバッテリの)バッテリ部(バッテリ手段、第2バッテリ手段)
47 …(スレーブセルバッテリの)スレーブ制御部(スレーブ制御手段)
51 …認証装置(認証判断手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッテリ手段と、該第1バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第1認証情報が記録される第1記録手段と、前記第1バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するとともに前記第1バッテリ手段による前記電力供給の制御を行うマスター制御手段とを備えるマスターバッテリユニットと、
第2バッテリ手段と、該第2バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第2認証情報が記録される第2記録手段と、前記マスター制御手段から電力供給命令を取得することを条件として前記第2バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、
前記第1バッテリ手段および前記第2バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された第3認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、
前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第1記録手段に記録される前記第1認証情報と一致するか否かの判断を行うとともに、前記第3認証情報を前記スレーブ制御手段に出力し、
前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第2記録手段に記録される前記第2認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、
前記マスター制御手段により前記第3認証情報と前記第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記第3認証情報と前記第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記マスター制御手段は、前記第1バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記第1バッテリ手段による前記電力供給を開始させ、前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力すること
を特徴とするバッテリユニット装置。
【請求項2】
バッテリ手段と、該バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第2認証情報が記録される第2記録手段と、電力供給命令を取得することを条件として前記バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、
前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かの判断に用いられる第1認証情報が記録される第1記録手段と、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するマスター制御手段とを備える認証判断手段と、
前記バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された第3認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、
前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第1記録手段に記録される前記第1認証情報と一致するか否かの判断を行うとともに、前記第3認証情報を前記スレーブ制御手段に出力し、
前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記第3認証情報を取得して、当該第3認証情報が前記第2記録手段に記録される前記第2認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、
前記マスター制御手段により前記第3認証情報と前記第1認証情報とが一致すると判断され、かつ、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記第3認証情報と前記第2認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記マスター制御手段は、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力すること
を特徴とするバッテリユニット装置。
【請求項3】
バッテリ手段と、該バッテリ手段による電力供給を認めるか否かの判断に用いられるバッテリ用認証情報が記録される記録手段と、電力供給命令を取得することを条件として前記バッテリ手段による前記電力供給を可能とするスレーブ制御手段とを備えるスレーブバッテリユニットと、
前記バッテリ手段による前記電力供給を認めるか否かを決定するマスター制御手段を備える認証判断手段と、
前記バッテリ手段による前記電力供給を希望するユーザが所有する記録媒体から、当該記録媒体に記録された記録媒体用認証情報の読み取りを行う認証情報取得手段とを備え、
前記マスター制御手段は、前記認証情報取得手段より前記記録媒体用認証情報を取得して前記スレーブ制御手段に出力し、
前記スレーブ制御手段は、前記マスター制御手段より前記記録媒体用認証情報を取得して、当該記録媒体用認証情報が前記記録手段に記録される前記バッテリ用認証情報と一致するか否かの判断を行って判断結果を前記マスター制御手段に出力し、
前記マスター制御手段は、前記スレーブ制御手段より取得した判断結果に基づいて前記記録媒体用認証情報と前記バッテリ用認証情報とが一致すると判断された場合にのみ、前記バッテリ手段による前記電力供給を認めて前記スレーブ制御手段に対して前記電力供給命令を出力すること
を特徴とするバッテリユニット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−37637(P2013−37637A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175304(P2011−175304)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】