説明

バッテリー装置

【課題】新しいバッテリー装置が開発されたときには、バッテリー装置の凹部の段を増やす必要があることから、バッテリー装置の凹部の形状が複雑になっていた。
【解決手段】バッテリー筐体2と、バッテリー筐体2の少なくとも第1の面5bの幅方向の略中央に配置された出力端子3と、を備えている。バッテリー筐体2は、第2の面5aと、第1の段差面6aAと、第2の段差面6bAと、複数の第1の係合部7と、複数の第2の係合部8と、第1の溝部と、第2の溝部と、を有している。そして、第1の段差面6aA及び第2の段差面6bAの少なくとも一方の面において、幅方向と直交する長手方向Yに沿って角部が面取りされ、所定の長さを有する判別用凹部9A,13Aを設けた。更に、判別用凹部9A,13Aの所定の長さRは、出力端子3側の一端から、複数の第1の係合部7又は複数の第2の係合部8のうち出力端子3側とは反対側の一端に位置する第1の係合部又は第2の係合部が位置するまでの長さと略同一に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用の電源であるバッテリー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、この種のバッテリー装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、例えば電子機器の電源として用いる充電型のバッテリーセルが収納されたバッテリーパック、及びバッテリーパック等が装着されるバッテリー装着装置、並びにバッテリーパック等が装着されるバッテリー装着機構を備える電子機器に関するものが記載されている。この特許文献1に記載されたバッテリーパックは、「バッテリーセルと、前記バッテリーセルを収納するケースと、前記ケースに配され前記バッテリーセルの電力を出力する出力端子と、前記出力端子が配された前記ケースの第1の面に連設し、前記第1の面にほぼ垂直に配された前記ケースの第2の面とを有し、前記第2の面のほぼ中央部に複数の段からなる凹部が形成されて構成される」ことを特徴としている。
【0003】
このような構成を有するバッテリーパックによれば「不適合とされるバッテリー装着装置に誤装着されることが確実に防止できる」(明細書の段落[0161])」等の効果が期待される。
【0004】
また、従来のこの種のバッテリー装置の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、バッテリー装置及びそのバッテリー装置により動作する電子機器に関するものが記載されている。この特許文献2に記載されたバッテリー装置は、「幅と厚さと長さを有するケースと、前記ケースの内部に設けられた充電池部と、前記ケースの表面に設けられ前記充電池部に接続されたバッテリー側端子とを備え、電子機器のバッテリー収容室に前記長さ方向に沿って挿入され前記バッテリー側端子が前記バッテリー収容室の収容室側端子に接触されるバッテリー装置であって、前記幅方向の両側の前記ケースの箇所には、前記長さ方向に延在し前記バッテリー収容室に設けられた突起に係合してバッテリー収容室内で前記厚さ方向における前記ケースの位置を位置決めするガイド溝が形成されている」ことを特徴としている。
【0005】
このような構成を有するバッテリー装置によれば、「バッテリー装置の幅方向の両側のケースの箇所には、長さ方向に延在しバッテリー収容室に設けられた突起に係合してバッテリー収容室内で厚さ方向におけるケースの位置を位置決めするガイド溝が形成されているので、ケースの厚さが異なる、すなわち容量が異なる複数種類のバッテリー装置をバッテリー収容室に収容することができる(明細書の段落[0005])。」等の効果が期待される。
【特許文献1】特開2000−243365号公報
【特許文献2】特開2005−190929号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたバッテリー装置では、バッテリーセルを収容するケース背面のほぼ中央部に複数の段からなる凹部を設け、バッテリー装置が装着される電子機器の装着部には、凹部の形状に対応した突起を設けることによってバッテリー装置の種類判別を行っていた。その結果、新しいバッテリー装置が開発されたときには、バッテリー装置の凹部の段を増やすと共に、それに対応する突起を電子機器の装着部にも設ける必要があることから、バッテリー装置の凹部及び装着部の突起の形状が複雑になるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1及び特許文献2のいずれに記載されたバッテリー装置においても、バッテリー装置が装着される電子機器との装着部との装着構造に関して、特定の構成を有する電子機器に対してのみ使用可能な専用部品として構成されていた。そのため、1つのバッテリー装置は、そのバッテリー装置に対応した装着部を有する電子機器にだけしか装着することができず、装着構造の構成が異なる装着部を有する別の電子機器については、その電子機器に対応したバッテリー装置を別個に用意しなければならないという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、従来のバッテリー装置では、新しいバッテリー装置が開発されたときには、バッテリー装置の凹部の段を増やすと共に、それに対応する突起を電子機器の装着部にも設ける必要があることから、バッテリー装置の凹部及び装着部の突起の形状が複雑になるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のバッテリー装置は、バッテリーセルが内蔵された略直方体をなすバッテリー筐体と、バッテリー筐体の少なくとも第1の面の幅方向の略中央において出力部が露出するように配置され且つ前記バッテリーセルの電力を出力する出力端子と、を備えている。このバッテリー筐体は、第1の面と略垂直をなす第2の面と、第2の面の幅方向の一側に所定の段差をもって連続されて略平行に設けられた第1の段差面と、第2の面の幅方向の他側に所定の段差をもって連続されて略平行に設けられた第2の段差面と、第2の面から幅方向の一側に所定の幅と厚みで突出された複数の第1の係合部と、第2の面から幅方向の他側に所定の幅と厚みで突出された複数の第2の係合部と、第1の段差面と複数の第1の係合部とによって形成された第1の溝部と、第2の段差面と複数の第2の係合部とによって形成された第2の溝部と、を有している。
そして、第1の段差面及び第2の段差面の少なくとも一方の面において、幅方向と直交する長手方向に沿って角部が面取りされ、所定の長さを有する判別用凹部を設けた。更に、判別用凹部の所定の長さは、出力端子側の一端から、複数の第1の係合部又は複数の第2の係合部のうち出力端子側とは反対側の一端に位置する第1の係合部又は第2の係合部が位置するまでの長さと略同一に設定されることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このように構成することにより、本出願のバッテリー装置は、簡単な構造の新たなバッテリー装置の種類判別部を提供することができると共に、異なる装着方法を有する複数種類の電子機器に対して共通に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
簡単な構造によりバッテリー装置の種類判別を行うことができ、異なる装着部の構造を有する電子機器毎にバッテリー装置を用意する必要がなく、バッテリー装置の共用化を図ることができるバッテリー装置、そのバッテリー装置を用いて好適な電子機器、及びそのバッテリー装置と電子機器との組み合わせからなるバッテリーシステムを簡単な構造によって実現した。
【0012】
図1〜図17は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1〜図3は本発明のバッテリー装置の第1の実施の例を示すもので、図1は斜視図、図2Aは底面図、図2Bは左側面図、図3Aは正面図、図3Bは背面図、図3Cは図2BのD−D線断面図である。図4〜図7は本発明の電子機器の実施の例に係る撮像装置を示すもので、図4は撮像装置を正面側から見た斜視図、図5は同じく背面側から見た斜視図、図6は同じく背面図、図7は外装ケースのリアパネルの第1の実施の例を示す斜視図、図8はリアパネルとスライド部材と支持プレート部材を示す分解斜視図、図9A〜図9Cは撮像装置の装着部にバッテリー装置を装着する状態を説明するもので、図9Aはリアパネルの正面図、図9Bはバッテリー装置の装着時の初期状態を示す説明図、図9Cは装着後の状態を示す説明図である。図10はリアパネルの第2の実施の例を示す斜視図、図11A〜Cは撮像装置の装着部にバッテリー装置を装着する状態を説明するもので、図11Aはリアパネルの正面図、図11Bはバッテリー装置の装着時の初期状態を示す説明図、図11Cは装着後の状態を示す説明図である。
【0013】
図12〜図13は本発明のバッテリー装置の第2の実施の例を示すもので、図12は斜視図、図13は同じく正面図である。図14はリアパネルの第3の実施の例を示す斜視図、図15は同じくバッテリー装置を装着した状態における図14のU−U線断面図である。図16は本発明の電子機器に係る装着部の第4の実施の例を正面側から見た斜視図、図17はバッテリー装置よりも高さ方向Z2の寸法が十分に長い装着部に、バッテリー装置を装着した状態を説明する図である。
【実施例1】
【0014】
まず、本発明のバッテリー装置の第1の実施例について、図1乃至図3を参照して説明する。バッテリー装置1は、中空の筐体からなるバッテリー筐体2と、そのバッテリー筐体2の内部に設けた図に現れないバッテリーセル及び制御回路基板と、バッテリー筐体2に設けたバッテリー側の出力端子3等を備えて構成されている。
【0015】
この実施例で示すバッテリー筐体2は、図1に示すように長手方向Yの寸法がL、その長手方向と直交する幅方向Xの寸法がW、長手方向Y及び幅方向Xと直交する高さ方向Zの寸法がHである略直方体をなすブロック状の容器として構成されている。このバッテリー筐体2の寸法(長さL、幅W及び高さH)は、この実施例では長さL>幅W>高さHという関係に設定した。しかしながら、本願発明のバッテリー装置の形状は、この実施例に限定されるものではなく、例えば、高さHを十分に高くしたり(例えば、幅W<高さH)、幅Wを長さLよりも長くしたり(長さL<幅W)、その他各種の寸法を適用することができることは勿論である。このバッテリー筐体2は、一面に開口された容器状の上ケース4と、この上ケース4の開口部を閉じるように装着される蓋体状の下ケース5とで構成されている。
【0016】
上ケース4は、長方形をなす上面部4aと、この上面部4aの長手方向Yの一側から略垂直をなすように連続された正面部4bと、上面部4aの長手方向Yの他側から略垂直をなすように連続された背面部4cと、上面部4aの幅方向Xの一側から略垂直をなすように連続された左側面部4dと、上面部4aの幅方向Xの他側から略垂直をなすように連続された右側面部4eとを有している。そして、上面部4aと左側面部4dが交わる角部及び上面部4aと右側面部4eが交わる角部には、それぞれ曲率半径の大きな円弧状の面取り部4f,4fが設けられている。
【0017】
下ケース5は、バッテリー筐体2の第2の面の一具体例を示す略長方形をなす下面部5aと、この下面部5aの長手方向Yの一側から略垂直をなすように連続された第1の面の一部を構成する正面部5bと、下面部5aの長手方向Yの他側から所定の段差をもって連続された第3の段差面6cを有する背面部5cと、下面部5aの幅方向Xの一側から所定の段差をもって連続された第1の段差面6aを有する左段差部5dと、下面部5aの幅方向Xの他側から所定の段差をもって連続された第2の段差面6bを有する右段差部5eとで構成されている。なお、下ケース5の正面部5bと上ケース4の正面部4bとによってバッテリー筐体2の第1の面である正面部が構成されている。
【0018】
下ケース5の下面部5aには、ラベル貼付用の貼付部5fが適当な深さに形成されている。図3Aに示すように、第1の段差面6aと第2の段差面6bは、下面部5aからの高さ方向Zの長さ(高さ)が略同じ高さSに設定されている。さらに、第1の段差面6aと第2の段差面6bの幅方向Xの長さ(幅)も、同じく略同じ幅Mに設定されている。そして、第1の段差面6aと第2の段差面6bは、下面部5aに対してそれぞれが略平行をなすように形成されている。
【0019】
更に、下ケース5には、図1等に示すように、第2の面である下面部5aから幅方向Xの一側に所定の幅Nと厚みTをもって突出するように形成された第1の係合部7と、同じく下面部5aから幅方向Xの他側に所定の幅Nと厚みTをもって突出するように形成された第2の係合部8が設けられている。第1の係合部7及び第2の係合部8は、左右対称をなす形状とされており、第1の係合部7及び第2の係合部8の幅(突出量)Nは、第1の段差面6a及び第2の段差面6bの幅Mの略1/2にそれぞれ設定されている。また、第1の係合部7及び第2の係合部8の厚みTは、第1の段差面6a及び第2の段差面6bの高さSの1/2若しくはそれ以下にそれぞれ設定されている。
【0020】
第1の係合部7は、長手方向Yに適宜な間隔をあけて設けた3つの第1係合片7a、第2係合片7b及び第3係合片7cを有している。第1係合片7aは正面部5b側に配置され、第3係合片7cは背面部5c側に配置されていて、その中途部に第2係合片7bが配置されている。そして、第1係合片7aと第2係合片7bとの間に本発明の第1の溝部である第1の開口部10aが設けられ、第2係合片7bと第3係合片7cとの間に本発明の第2の溝部である第1の開口部10bが設けられている。同様に、第2の係合部8は、長手方向Yに適宜な間隔をあけて設けた3つの第1係合片8a、第2係合片8b及び第3係合片8cを有している。第1係合片8aは正面部5b側に配置され、第3係合片8cは背面部5c側に配置されていて、その中途部に第2係合片8bが配置されている。そして、第1係合片8aと第2係合片8bとの間に本発明の第2の溝部である第3の開口部10cが設けられ、第2係合片8bと第3係合片8cとの間に本発明の第2の溝部である第4の開口部10dが設けられている。
【0021】
更に、図2及び図2A等に示すように、第1の係合部7の第1係合片7aの背面部5c側には第1のリブ11aが設けられ、第2係合片7bの背面部5c側には第2のリブ11bが設けられ、第3係合片7cの背面部5c側には第3のリブ11cが設けられている。同様に、第2の係合部8の第1係合片8aの背面部5c側には第1のリブ12aが設けられ、第2係合片8bの背面部5c側には第2のリブ12bが設けられ、第3係合片8cの背面部5c側には第3のリブ12cが設けられている。第1のリブ11a,12a及び第2のリブ11b,12bの突出量(幅)Pは、第1係合片7a,8a及び第2係合片7b、8bの突出量(幅)Nの略1/2に設定されている。これに対して、第3のリブ11c,12cの突出量(幅)は、第3係合片7c,8cの突出量(幅)Nと略同一に設定されている。
【0022】
また、下ケース5の正面部5b側には、出力端子3の一部を露出させるための出力端子用の開口部14が設けられている。開口部14は、正面部5bから下面部5aを至る連続した切欠きとして形成されており、正面部5bでは幅方向Xの略中央部全体を切欠くように設けられている。更に、下ケース5の開口部14の幅方向Xの両側部には、バッテリー装置1の種類を判別するための2つの第1の判別用凹部15a,15bが設けられている。2つの第1の判別用凹部15a,15bは、バッテリー装置1の形状や電力の容量等の種類別に特定の形状に形成されている。
【0023】
図1及び図2B等に示すように、第1の段差面6aには、長手方向Yに所定の間隔をあけて、バッテリー装置1の種類を判別するための2つの第2の判別用凹部9a,9bが設けられている。同様に、第2の段差面6bには、長手方向Yに所定の間隔をあけて、バッテリー装置1の種類を判別するための2つの第3の判別用凹部13a,13bが設けられている。第2の判別用凹部9a,9bの第1の段差面6aからの深さ(高さ)K及び第3の判別用凹部13a,13bの第2の段差面6bからの深さ(高さ)Jは、バッテリー装置1の形状や電力の容量等の種類別に特定の高さに形成されている。そして、この実施例では第2の判別用凹部9a,9bの深さK及び第3の判別用凹部13a,13bの深さを略対称に形成している。しかしながら、本願発明の第2の判別用凹部9a,9bの深さK及び第3の判別用凹部13a,13bの深さJは、この実施例のものに限定されるものではなく、第2の判別用凹部9a,9bの深さKと第3の判別用凹部13a,13bの深さJを変えて非対称に形成してもよい。
【0024】
この実施例では、第2の判別用凹部9及び第3の判別用凹部13の数を2つに設定した。しかしながら、本願発明の第2の判別用凹部9及び第3の判別用凹部13の数は、この実施例に限定されるものではなく、例えば、第2の判別用凹部9の数を1つにしたり、第3の判別用凹部13を3つにしたりしてもよい。更に、この実施例では、第1の段差面6a及び第2の段差面6bのそれぞれに第2の判別用凹部9及び第3の判別用凹部13を形成したが、第1の段差面6a及び第2の段差面6bのどちらか一方に第2の判別用凹部9又は第3の判別用凹部13を形成してもよい。この第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bは、本出願の凹部の一具体例を示している。
【0025】
下ケース5の開口部14に装着される出力端子3は、図1及び図3Aに示すように、下ケース5の正面部5bと同一平面となる正面部16aと、この正面部16aと略垂直をなすと共に下ケース5の下面部5aと同一平面となる下面部16bを少なくとも有するブロック状の端子ホルダ16を有している。この端子ホルダ16には、内部に電極が配置された複数(本実施例では4つ)の電極用スリット17a,17aと、これら複数の電極用スリット17aの両側に配置された2つの位置決め用スリット17b,17bが設けられている。この電極用スリット17a及び位置決め用スリット17bは、端子ホルダ16の角部において正面部から底面にかけて連続する溝状の切込みとして形成されている。
【0026】
端子ホルダ16の2つの位置決め用スリット17bには、後述する電子機器の装着部に設けられた接続端子56の位置決め用突起がそれぞれ係合される。また4つの電極用スリット17aには、同じく接続端子56の電極がそれぞれ係合される。この4つの電極用スリット17aの内側に、出力端子3の図示しないバッテリー側電極がそれぞれ配置されている。この出力端子3の各バッテリー側電極に、バッテリー筐体2に内蔵されたバッテリーセルが電気的に接続されている。
【0027】
このような構成を有する下ケース5で上ケース4の開口部を閉じるように重ね合わせ、そのように重ね合わせた部分を接合する。この接合方法としては、例えば、接着剤を用いて接合したり、熱溶着して接合してもよく、また、その他の接合方法を用いることができることは勿論である。これにより、上ケース4と下ケース5が一体化されたバッテリー筐体2が構成される。そして、このバッテリー筐体2の内部に、1又は2以上の電池セルを有するバッテリーセルと、CPUやRAM及びROM、インターフェース等を含むマイクロコンピュータを有する制御回路基板等が収納されている。バッテリーセルと制御回路基板とは、互いに電気的に接続されていると共に、出力端子3とも接続されている。そして、出力端子3はバッテリーセルの電力を出力可能に構成されていると共に、外部の電子機器との間で、バッテリー容量や特性等の情報をデータ通信可能に構成されている。このようにしてバッテリー装置1が構成されている。
【0028】
次に、前述したバッテリー装置1を携帯用電源として用いて好適な電子機器に含まれる撮像装置の第1の実施の例を、図4〜図6を参照して説明する。図4〜図6に示す装置は、撮像装置の第1の実施の例として適用したデジタルビデオカメラ20である。このデジタルビデオカメラ20は、磁気テープを有するテープカセットを情報記憶メディアとして使用し、光学的な画像を、撮像機構の一具体例を示す撮像素子{例えば、CCD(電荷結合素子)、CMOSイメージセンサ等}で電気的な信号に変換して、その画像情報を磁気テープに記録したり、液晶ディスプレイ等の平面パネルからなる表示装置23に表示できるようにしたものである。
【0029】
しかしながら、本発明の電子機器の具体例を示す撮像装置に使用される情報記憶媒体としては、この実施例で示す磁気テープに限定されるものではない。例えば、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、MO、FDその他の記録可能な光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体を情報記録媒体として用いることもできる。これらのディスク状記録媒体を使用する電子機器としては、例えば、光ディスクを用いる場合には、光ディスク式ビデオカメラとして適用することができ、光磁気ディスクを用いる場合には光磁気ディスク式スチルカメラとして適用可能である。また、磁気ディスクを用いる場合には、磁気ディスク式電子手帳として実現することができる。
【0030】
デジタルビデオカメラ20は、外観形態を構成する筐体からなるケース本体の一具体例を示す外装ケース21と、この外装ケース21の内部に収納されると共に着脱自在に装着されるテープカセットの磁気テープを走行駆動して情報信号の記録(書き込み)及び再生(読み出し)を行うテープドライブ装置と、このテープドライブ装置の駆動制御等を行う制御回路と、被写体の像を光として取り込んで撮像素子に導くレンズ装置22と、外装ケース21に回動自在に取り付けられた表示装置23等を備えて構成されている。
【0031】
図4〜図6に示すように、外装ケース21は中空の筐体からなり、左右方向に対向させて配置された駆動装置側パネル21A及び表示装置側パネル21Bと、両パネルを組み合わせることによって構成される筐体の前側開口部を閉じるフロントパネル21Cと、その筐体の後側開口部を閉じるリアパネル21Dにより略直方体に構成されている。この外装ケース21は、長手方向Yを前後方向に設定すると共に幅方向Xに立ち上げたような状態で使用されている。この外装ケース21の上部に、レンズ系の撮像レンズである対物レンズ24を正面に露出させた状態でレンズ装置22が配設されている。
【0032】
レンズ装置22は、そのレンズ系の光軸を水平方向に向けた状態で外装ケース21に取り付けられている。図示しないが、外装ケース21の内部において、レンズ装置22の後部に撮像素子が取り付けられている。そして、レンズ装置22の後方に、そのレンズ装置22から入力された被写体の画像を写し出すビューファインダ装置25が配置されている。また、外装ケース21の上部には、ビデオライトや外付けマイクロホン等のアクセサリーが着脱自在に装着されるアクセサリーシューを露出させる開口部が設けられている。アクセサリーシューはビューファインダ装置25の直前に配置されており、通常は、開口部を開閉するシューキャップ27によって着脱可能に覆われている。また、フロントパネル21Cには、フラッシュ装置の発光部28と、ステレオ方式の内蔵されたマイクロホン29が配置されている。
【0033】
図4に示すように、表示装置側パネル21Bには、表示装置23が姿勢変更可能に取り付けられている。表示装置23は、図示しない平板状の液晶ディスプレイ等からなる平面パネルと、この平面パネルが収納されたパネルケース31と、このパネルケース31を表示装置側パネル21Bに対して姿勢変更可能に支持するパネル支持部32とから構成されている。パネル支持部32は、垂直軸を回動中心としてパネルケース31を水平方向に略90度回動可能とした水平回動部と、水平軸を回動中心としてパネルケース31を前後方向に略180度回動可能とした前後回動部とを有している。
【0034】
これにより、表示装置23は、表示装置側パネル21Bの側面に収納した収納状態と、パネルケース31を90度回動させて平面パネルを後方へ対向させた状態と、その状態からパネルケース31を180度回動させて平面パネルを前方へ対向させた状態と、それらの中間位置の状態とを任意に取ることができるようになっている。この表示装置23の上方の表示装置側パネル21Bの側面には、複数の操作ボタンからなる本体操作部33が設けられている。
【0035】
図5に示すように、駆動装置側パネル21Aには、テープカセットが着脱可能に装着されるテープデッキを開閉自在に覆うデッキカバー34が開閉可能に設けられている。テープデッキは、装着されたテープカセットを所定位置に搬送すると共に、磁気テープを引き出してテープドライブ装置の回転ドラム等にローディングした後、その磁気テープを所定速度で走行させて情報信号の記録(書き込み)及び/又は再生(読み出し)を行う装置である。このテープデッキを覆うデッキカバー34には、モード選択スイッチを兼ねる電源スイッチ35と、静止画の撮影を行うシャッタボタン36と、所定の範囲内で画像を連続的に拡大(テレ)又は縮小(ワイド)させるズームボタン37と、デッキカバー34のロックとそのロック解除を行う開閉スイッチ38と、動画撮影を行う録画ボタン39等が設けられている。
【0036】
電源スイッチ35は、回動操作によって電源をオン・オフ切り換える機能と、電源をオンした状態で回動操作することにより複数の機能モードを繰り返すように切り換える機能とを有している。更に、デッキカバー34にはハンドベルト51が取り付けられていて、そのハンドベルト51にはハンドパッド42が装着されている。ハンドベルト51及びハンドパッド42は、外装ケース21を握るユーザーの手を支え、デジタルビデオカメラ20の取り落とし等を防止するものである。
【0037】
図5及び図6に示すように、外装ケース21の背面には、携帯用電源であるバッテリー装置1が着脱可能に装着されるバッテリー収納部である装着部44が設けられている。装着部44は、外装ケース21の背面の略中央より下側に配置されており、外装ケース21の背面を構成するリアパネル21Dにおいて後方へ開口するように設けられている。リアパネル21Dの右側には、駆動装置側パネル21Aが設けられている。そして、この駆動装置側パネル21Aには、録画ボタン39が配置されている。また、リアパネル21Dの左側には、表示装置側パネル21Bが設けられている。そして、この表示装置側パネル21Bにはフラッシュ装置の発光ボタン46とナイトショットの切換スイッチ47が配置されている。
【0038】
図7に示すように、リアパネル21Dは、上下方向に長く形成されたパネル部材からなり、その一方の面に凹陥部からなる装着部44が設けられている。装着部44は、バッテリー装置1と略等しい大きさ(正確には、幅方向X1の長さは略等しいが、長手方向Y1の長さは、バッテリー装置1の長さに、その長手方向一端の一辺を回動中心としてバッテリー装置1を回動させて開口部45内に収納可能とするための隙間を加えた長さ)を有する長方形の開口部45を備えている。
【0039】
開口部45は、装着部44の第2の面の一具体例を示す長方形をなす底面部45aと、この底面部45aの長手方向Y1の一側に連続され且つ当該底面部45aと略垂直をなす第1の面の一具体例を示す下面部45bと、底面部45aの長手方向Y1の他側に連続され且つ当該底面部45aと略垂直をなす上面部45cと、底面部45aの長手方向Y1と直交する幅方向X1の一側に連続され且つ当該底面部45aと略垂直をなす左側面部45dと、底面部45aの幅方向X1の他側に連続され且つ当該底面部45aと略垂直をなす右側面部45eとを有している。この開口部45は、長手方向Y1を上下方向に向けた状態で設けられている。
【0040】
更に、上面部45cには上方に突出する上化粧面部48が設けられ、その上化粧面部48には操作用凸部66が挿通される挿通穴48aが設けられている。また、右側面部45eの下部から下面部45bに亘る部分には、側方から下方に至る領域において連続して張り出すように展開された下化粧面部49が設けられている。そして、下面部45bの略中央に、後述する接続端子56が嵌合される嵌合穴50が設けられている。嵌合穴50は、下面部45bから始まって底面部45aの中途部まで延在された連続する切欠きとして形成されている。
【0041】
また、開口部45の底面部45aには、後述する第1のフック部61が貫通される2つの第1の貫通穴51a,51bと、第2のフック部62が通される2つの第2の貫通穴52a,52bが設けられている。2つの第1の貫通穴51a,51bは、開口部45の左側面部45dに沿って設けられていて、下面部45bから所定の間隔をあけて第1の下側貫通穴51aが配置され、その第1の下側貫通穴51aから所定の間隔をあけて第1の上側貫通穴51bが配置されている。2つの第2の貫通穴52a,52bは、開口部45の右側面部45eに沿って設けられており、下面部45bから所定の間隔をあけて第2の下側貫通穴52aが配置され、その第2の下側貫通穴52aから所定の間隔をあけて第2の上側貫通穴52bが配置されている。第1の貫通穴51a,51bと第2の貫通穴52a,51bは、左右対称をなすように設けられている。そして、第1の貫通穴51a,51bと第2の貫通穴52a,52bは、第1のフック部61及び第2のフック部62がそれぞれ上下方向へ所定距離を移動できるように開口部45の長手方向Y1に延在された長方形状の穴として形成されている。
【0042】
更に、第1の下側貫通穴51aは、図9A〜図9Cに示すように、装着部44に装着されたバッテリー装置1の第1の係合部7の第1係合片7aと第2係合片7bとの間に設定された第1の開口部10aに対向する位置関係となるように設けられている。同様に、第2の下側貫通穴52aは、バッテリー装置1の第2の係合部8の第1係合片8aと第2係合片8bとの間に設定された第3の開口部10cに対向する位置関係となるように設けられている。また、第1の上側貫通穴51bは、バッテリー装置1の第1の係合部7の第2係合片7bと第3係合片7cとの間に設定された第2の開口部10bに対向する位置関係となるように設けられている。同様に、第2の上側貫通穴52bは、バッテリー装置1の第2の係合部8の第2係合片8bと第3係合片8cとの間に設定された第4の開口部10dに対向する位置関係となるように設けられている。
【0043】
また、開口部45の下端の両角部には、バッテリー装置1を位置決めして係合支持する2つの突起片55a,55bが設けられている。2つの突起片55a,55bは、底面部45aとの間に所定の間隔をあけて、下面部45bから上方へ突出するように形成されている。バッテリー装置1の装着時、第1の突起片55aにはバッテリー装置1の第1の係合部7の第1係合片7aが係合され、第2の突起片55bにはバッテリー装置1の第2の係合部8の第1係合片8aが係合される。この第1の突起片55aと第2の突起片55bとの間の略中間に、バッテリー装置1の装着時、その出力端子3と着脱可能に接続される接続端子56が配置されている。
【0044】
接続端子56は、バッテリー装置1の出力端子3の出力部に対応する形状及び構造を有している。即ち、接続端子56は、出力端子3の電極の数に対応した数の電極であって、4つの電極用スリット17aにそれぞれ挿入可能とされた4つの本体側電極57と、2つの位置決め用スリット17b,17bにそれぞれ挿入可能とされた2つのガイド片58とを有している。4つの本体側電極57は、装着部44の幅方向X1に所定の間隔をあけて等間隔に配置されており、その外側に所定の間隔をあけて2つのガイド片58が設けられている。
【0045】
図8に示すように、装着部44を有するリアパネル21Dの背面にはスライド部材60が配置され、その背面には支持プレート部材64が配置されている。スライド部材60は、リアパネル21Dに対して、装着部44の長手方向Y1である上下方向にスライド可能に支持されている。また、支持プレート部材64はリアパネル21Dに固定されており、この支持プレート部材64によってスライド部材60の脱落を防止している。そして、スライド部材60とリアパネル21Dの間には、スライド部材60を接続端子56から離れる方向に付勢する付勢部材の一具体例を示すコイルばね65が介在されている。
【0046】
スライド部材60は、開口部45の底面部45aよりも小さい略長方形の板体からなるベース部60aと、このベース部60aの上辺に連続して上方へ突出させて設けた操作部60bとからなっている。このベース部60aの一面に、互いに所定の間隔をあけて第1のフック部61と第2のフック部62が設けられている。第1のフック部61はベース部60aの幅方向X1の一側に配置され、第2のフック部62はベース部60aの幅方向X1の他側に配置されている。この第1のフック部61は、操作部60bから離れた側に位置する第1フック片61aと、操作部60bに近い側に位置する第2フック片61bにより構成されている。同様に、この第2のフック部62は、操作部60bから離れた側に位置する第1フック片62aと、操作部60bに近い側に位置する、第2フック片62bにより構成されている。
【0047】
第1のフック部61の2つのフック片61a,61bはベース部60aの長手方向Y1に直列をなすように配置され、同様に、第2のフック部62の2つのフック片62a,62bはベース部60aの長手方向Y1に直列をなすように配置されている。そして、4つのフック片61a,61b,62a,62bは、ベース部60aの長手方向Y1を基準として左右対称をなすように配置されている。また、4つのフック片61a〜62bの各先端には、操作部60b側に突出する爪部がそれぞれ設けられている。各爪部は、ベース部60aと略平行をなすよう適当な長さに延在されている。これら4つのフック片61a〜62bが、背面側からリアパネル21Dの4つの貫通穴51a,51b,52a,52bにそれぞれ摺動可能に挿通されている。なお、4つのフック片61a〜62bの各爪部の先端の内面及び外面には、バッテリー装置1の第1の係合部7及び第2の係合部8との係合・離脱を容易にするために適当な大きさを有する傾斜面を設けることが好ましい。
【0048】
更に、4つのフック片61a〜62bの各爪部には、バッテリー装置1の第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bにそれぞれ挿入される第1の判別用凸部53a,53b及び第2の判別用凸部54a,54bが設けられている。4つの判別用凸部53a〜54bは、各爪部の外面にベース部60aから離れる方向へ突出して形成されている。この4つの判別用凸部53a〜54bは、装着部44に装着可能な第1のバッテリー装置1とそうでない第2のバッテリー装置を判別する役割を有しており、第1のバッテリー装置1は装着可能であるが、外形が略同一であって第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bを有していない第2のバッテリー装置は装着できないようになっている。
【0049】
このような機能を確保するため、第1の判別用凸部53aを有する第1のフック部61の第1フック片61aは図9A〜図9Cに示すように、装着部44に装着されたバッテリー装置1の第1の係合部7の第2係合片7bに係合でき且つ第2の判別用凹部9aに挿入することができる位置関係に設けられている。同様に、第1の判別用凸部53bを有する第1のフック部61の第2フック片61bは、バッテリー装置1の第1の係合部7の第3係合片7cに係合でき且つ第2の判別用凹部9bに挿入することがきる位置関係に設けられている。そして、第2の判別用凸部54aを有する第2のフック部62の第1フック片62aは、バッテリー装置1の第2の係合部8の第2係合片8bに係合でき且つ第3の判別用凹部13aに挿入することができる位置関係に設けられている。同様に、第2の判別用凸部54bを有する第2のフック部62の第2フック片62b、バッテリー装置1の第2の係合部8の第3係合片8cに係合でき且つ第3の判別用凹部13bに挿入することができる位置関係に設けられている。そして、第1の判別用凸部53a〜54bは、本出願の凸部の一具体例を示している。
【0050】
この4つのフック片61a〜62bが4つの貫通穴51a,51b,52a,52bに挿通されている状態を、図7に示している。この挿通状態では、スライド部材60の操作部60bに設けた操作用凸部66が、リアパネル21Dの上化粧面部48に設けた挿通穴48aに摺動可能に挿通され、これにより操作用凸部66の先端が背面側に突出されている。操作用凸部66は、4つのフック片61a〜62bと同方向に略同じ高さで突出されている。また、スライド部材60のベース部60aには、コイルばね65を収容するための長穴67と、他の部品との干渉を避けるための開口窓68とが設けられている。
【0051】
ベース部60aの長穴67の長手方向Y1の一側には、コイルばね65の一端が着座されるスライド側のばね受け片69が設けられている。この長穴67の長手方向Y1の他側には、ばね受け片69と対向するように設けたリアパネル21D側のばね受け部71が挿入される。ばね受け部71は、リアパネル21Dの背面に設けられており、このばね受け部71とばね受け片69との間にコイルばね65が圧縮された状態で介在されている。このコイルばね65の弾性力によりスライド部材60は、接続端子56から離れる方向に常に付勢されている。
【0052】
支持プレート部材64は、リアパネル21Dとの間でスライド部材60を摺動可能に支持し、コイルばね65の脱落を防止する機能を有する。この支持プレート部材64は、リアパネル21Dよりは小さいが、スライド部材60よりは大きく形成されており、固定ねじによってリアパネル21Dに締結固定されている。この支持プレート部材64には、複数の取付ブラケット64aや固定部64bが設けられている。
【0053】
このような構成を有する装着部44は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、図8に示すように、リアパネル21Dの背面にスライド部材60を臨ませると共に、このスライド部材60を挟むように、その背面に支持プレート部材64を配置する。そして、スライド部材60のベース部60aの一面に突出させた4つのフック片61a,61b,62a,62bを、リアパネル21Dの開口部45内に設けた4つの貫通穴51a,51b,52a,52bに背面から挿通して貫通させる。これにより、4つのフック片61a〜62bの先部がそれぞれ開口部45内に突出され、各爪部の内面と開口部45の底面部45aとの間に所定の隙間が設定される。
【0054】
これと同時に、スライド部材60の操作部60bの先部に設けた操作用凸部66を、リアパネル21Dの開口部45の上側に突出した上化粧面部48に設けた挿通穴48aに挿通して貫通させる。次に、リアパネル21Dのばね受け部71とスライド部材60のばね受け片69との間にコイルばね65を介在させる。その後、支持プレート部材64をスライド部材60に重ね合わせ、固定ねじで支持プレート部材64をリアパネル21Dに締付固定する。これにより、支持プレート部材64とリアパネル21Dとの間にスライド部材60が摺動可能に支持される。そして、スライド部材60は、コイルばね65の弾性力により、常に接続端子56から離れる方向に付勢される。これにより、装着部44の組立が完了し、リアパネル21Dの組み立てが可能となる。
【0055】
このようにして構成される装着部44に対するバッテリー装置1の着脱作業は、例えば、次のようにして行うことができる。図9Aは、装着部44を正面から見たリアパネル21Dの説明図であり、図9Bは、バッテリー装置1の挿入開始時の状態、図9Cは、バッテリー装置1の挿入完了時のロック状態をそれぞれ示す説明図である。なお、図9B及び図9Cにおいて、第2の係合部8の3つの係合片8a,8b,8cと第2のフック部62の2つのフック片62a,62b及び第2の突起片55bとの係合関係は、左右対称に構成された第1の係合部7の3つの係合片7a,7b,7cと第1のフック部61の2つのフック片61a,61b及び第1の突起片55aとの係合関係と同一であるため、ここでは第1の係合部7等からなる一方の組(第1の係合部7等)の動作について説明し、他方の組(第2の係合部8等)の動作の説明は省略する。
【0056】
まず、バッテリー装置1を装着部44に装着する場合について説明する。この場合は、図9Bに示すように、装着部44の開口部45の下辺にバッテリー装置1の出力端子3側の正面部を臨ませる。そして、バッテリー装置1の第1の面の幅方向Xの両側に設けた第1の係合部7の第1係合片7a及び第2の係合部8の第1係合片8aを、開口部45の下辺の両角部に設けた第1の突起片55a及び第2の突起片55bにそれぞれ引っ掛けるように係合させる。このような係合状態において、2つの突起片55a,55bとの接触部位を回動中心として、バッテリー装置1を装着部44に近づけるように回動する。
【0057】
これにより、バッテリー装置1の第2係合片7bが第1フック片61aに近づき、第3係合片7cが第2フック片61bに接近し、第2係合片7bが第1フック片61aに接触する。この状態から、更にバッテリー装置1を回動させて開口部45内に押し込むようにすることにより、コイルばね65の弾性力に抗して、第2係合片7bが第1フック片61aを接続端子56側に押圧して移動させる。そして、第2係合片7bが第1フック片61aを乗り越えると、次に、第3係合片7cが第2フック片61bに接触する。そして、第3係合片7cが第2フック片61bを乗り越えると、バッテリー装置1が開口部45内に完全に挿入され、バッテリー装置1の第2の面である下面部5aが装着部44の第2の面である底面部45aに接触される。
【0058】
その結果、バッテリー装置1の出力端子3が装着部44の接続端子56に接続される。これにより、バッテリー装置1とデジタルビデオカメラ20が電気的に接続され、バッテリー装置1の電力が出力端子3から接続端子56を経てデジタルビデオカメラ20に供給される。これにより、デジタルビデオカメラ20の操作が可能となり、被写体を撮影して記録媒体を記録したり、記録媒体に記録されている撮影情報を表示装置23で見たりする等の各種の操作を行うことができる。
【0059】
この場合、バッテリー装置1の第1の段差面6aに設けた第2の判別用凹部9aには、第1のフック部61の第1フック片61aに設けた第1の判別用凸部53aが挿入される。同様に、バッテリー装置1の第2の段差面6bに設けた第3の判別用凹部13aには、第2のフック部62の第1フック片62aに設けた第2の判別用凸部54aが挿入される。そして、バッテリー装置1の第1の段差面6aに設けた第2の判別用凹部9bには、第1のフック部61の第2フック片61bに設けた第1の判別用凸部53bが挿入される。同様に、バッテリー装置1の第2の段差面6bに設けた第3の判別用凹部13bには、第2のフック部62の第2フック片62bに設けた第2の判別用凸部54bが挿入される。
【0060】
これにより、第1フック片61aと第2フック片61bがフリーな状態になるため、コイルばね65の弾性力によってスライド部材60が接続端子56から離れる方向にスライドする。その結果、図9Cに示すように、第1フック片61aが第2係合片7bに係合され、第2フック片61bが第3係合片7cに係合される。同様に、第2のフック部62では、第1フック片62aが第2係合片8bに係合され、第2フック片62bが第3係合片8cに係合される。これにより、4つの係合片7b,7c,8b,8cに係合する4つのフック片61a,61b,62a,62bによってバッテリー装置1がロックされ、装着部44に固定される。
【0061】
これに対して、装着部44に装着しようとするバッテリー装置が、第1の段差面6a及び第2の段差面6bに、装着部44の第1の判別用凸部53a,53b及び第2の判別用凸部54a,54bに対応した、第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bを有していない場合には、そのバッテリー装置を装着部44に装着することは不可能である。
【0062】
かくして、バッテリー装置1に第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bを設け、更に装着部44にこれらに対応する第1の判別用凸部53a,53b及び第2の判別用凸部54a,54bを設けている。これにより、バッテリー装置の種類が更に増えても、バッテリー装置1の第1の判別用凹部15a,15bの形状を更に複雑に形成することなく、簡単な構成によりバッテリー装置の種類を判別することができる。
【0063】
この装着部44に装着されたバッテリー装置1を取り出す場合には、図9Cに示すように、操作用凸部66を、ユーザーが手動操作によって開放側へ操作する。即ち、この実施例においては、ユーザーが操作用凸部66を押圧操作して、コイルばね65の弾性力に抗して、スライド部材60を接続端子56側にスライドさせる。そして、4つのフック片61a,61b,62a,62bが4つの係合片7b,7c,8b,8cから離脱するところまでスライド部材60を移動させることにより、バッテリー装置1の取り出しが可能となる。そこで、バッテリー装置1の出力端子3と反対側の端部を引き起こし、2つの突起片55a,55bに係合されている2つの第1係合片7a,8aを中心にバッテリー装置1を回動させることにより、バッテリー装置1を装着部44から取り出すことができる。
【0064】
図10及び図11Aは、本発明の電子機器に係る装着部の第2の実施例を示すものである。この装着部74と前記第1の実施例に係る装着部44と異なるところは、第1のフック部81及び第2のフック部82を、リアパネル73の開口部75に固定して設けると共に、装着部74の所定の位置に装着されたバッテリー装置1の移動を制限するストッパ部材77を設けた点である。その他の構成は前記第1の実施例と同一であるため、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる構成部分を重点的に説明する。
【0065】
リアパネル73の開口部75は、略長方形をなす装着部74の第2の面である底面部75aと、この底面部75aの長手方向Y1の一側に連続され且つ当該底面部75aと略垂直をなす第1の面である下面部75bと、底面部75aの長手方向Y1と直交する幅方向X1の一側に連続され且つ当該底面部75aと略垂直をなす左側面部75dと、底面部75aの幅方向X1の他側に連続され且つ当該底面部75aと略垂直をなす右側面部75eとを有している。この底面部75aと下面部75bと左側面部75d及び右側面部75eによって装着部74のための開口部75が構成されている。この開口部75は、長手方向Y1を上下方向に向けた状態でリアパネル73に設けられている。
【0066】
第1のフック部81は、接続端子56側に位置する第1フック片81aと、この第1フック片81aとの間に長手方向Y1に所定の間隔をあけて配置された第2フック片81bを有している。第1フック片81aは、リアパネル73の左側面部75dから内側へ突出するように一体に形成されている。この第1フック片81aの接続端子56側に、第1の突起片55aが設けられている。同様の、第2のフック部82は、接続端子56側に位置する第1フック片82aと、この第1フック片82aとの間に長手方向Y1に所定の間隔をあけて配置された第2フック片82bを有している。第1フック片82aは、リアパネル73の右側面部75eから内側へ突出するように一体に形成されている。この第1フック片82aの接続端子56側に、第2の突起片55bが設けられている。
【0067】
第1のフック部81の第2フック片81bは、開口部75の底面部75aから左側面部75dに連続して一体に形成されている。また、第2のフック部82の第2フック片82bは、開口部75の底面部75aから右側面部75eに連続して一体に形成されている。これら4つのフック片81a,81b,82a,82bと左右の突起片55a,55bに関連して底面部75aには、金型を用いて射出成形するための鋳抜き用の穴78がそれぞれ設けられている。そして、第2の突起片55bと接続端子56用の嵌合穴50との間には、バッテリー装置1の種類を判別するための判別用突起部79が設けられている。
【0068】
また、4つのフック片81a〜82bの各爪部には、前記第1の実施例と同様にバッテリー装置1の第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bにそれぞれ挿入される判別用凸部53a,53b,54a,54bが設けられている。4つの判別用凸部53a〜54bは、各爪部の外面に底面部75aから離れる方向へ突出して形成されている。
【0069】
ストッパ部材77は、装着部74の下面部75bと反対側で右側面部75eに接触するように配置されている。このストッパ部材77は、装着部74に装着されたバッテリー装置1の上部に突出して当該バッテリー装置1の長手方向Y1上方への移動を規制するストッパ部77aと、このストッパ部77aに連続すると共に開口部75の前方に突出される操作部77bとから構成されている。このストッパ部材77は、図示しない弾性部材によって常に前方へ突出するように付勢されており、このときストッパ部77aがバッテリー装置1の上方に突出され、バッテリー装置1の移動を阻止して装着部74からの抜け出しを防止している。また、弾性部材の弾性力に抗して操作部77bを押圧してストッパ部77aを後退させることにより、ストッパ部77aの表面が底面部75aと同一面に押し下げられる。これにより、バッテリー装置1の長手方向Y1への移動が可能となる。
【0070】
このような構成を有する装着部74に対する本発明の第1の実施例に係るバッテリー装置1の着脱作業は、例えば、次のようにして行うことができる。図11Aは、装着部44を正面から見たリアパネル73の説明図であり、図11Bは、バッテリー装置1の挿入開始時の状態、図11Cは、バッテリー装置1の挿入完了時のロック状態をそれぞれ示す説明図である。なお、図11B及び図11Cにおいて、第2の係合部8の3つの係合片8a,8b,8cと第2のフック部82の2つのフック片82a,82b及び第2の突起片55bとの係合関係は、左右対称に構成された第1の係合部7の3つの係合片7a,7b,7cと第1のフック部81の2つのフック片81a,81b及び第1の突起片55aとの係合関係と同一であるため、ここでは第1の係合部7等からなる一方の組(第1の係合部7等)の動作について説明し、他方の組(第2の係合部8等)の動作の説明は省略する。
【0071】
まず、バッテリー装置1を装着部74に装着する場合について説明する。この場合は、図11Bに示すように、装着部74の開口部75の上側(接続端子56の反対側)において、底面部75aにバッテリー装置1の下面部5aを略平行にして臨ませる。そして、バッテリー装置1を、ストッパ部材77の付勢力に抗して押し込み、第1の係合部7の第1係合片7aと第2係合片7bとの間の第1の開口部10aに第1のフック部81の第1フック片81aを挿入する。同時に、第1の係合部7の第2係合片7bと第3係合片7cとの間の第2の開口部10bに第1のフック部81の第2フック片81bを挿入する。これにより、バッテリー装置1の第2の面である下面部5aが装着部74の第2の面である底面部75aに接触される。
【0072】
この場合、前記実施例と同様にバッテリー装置1の第1の段差面6aに設けた第2の判別用凹部9aには、第1のフック部81の第1フック片81aに設けた第1の判別用凸部53aが挿入される。同様に、バッテリー装置1の第2の段差面6bに設けた第3の判別用凹部13aには、第2のフック部82の第1フック片82aに設けた第2の判別用凸部54aが挿入される。そして、バッテリー装置1の第1の段差面6aに設けた第2の判別用凹部9bには、第1のフック部81の第2フック片81bに設けた第1の判別用凸部53bが挿入される。同様に、バッテリー装置1の第2の段差面6bに設けた第3の判別用凹部13bには、第2のフック部82の第2フック片82bに設けた第2の判別用凸部54bが挿入される。
【0073】
次いで、バッテリー装置1を接続端子56側にスライドさせる。これにより、図11Cに示すように、第1のフック部81では、第2係合片7bが第1フック片81aに係合され、第3係合片7cが第2フック片81bに係合される。同様に、第2のフック部82では、第2係合片8bが第1フック片82aに係合され、第3係合片8cが第2フック片82bに係合される。これにより、4つの係合片7b,7c,8b,8cに係合する4つのフック片81a,81b,82a,82bによってバッテリー装置1がロックされる。これと同時に、ストッパ部材77が外側に付勢されることにより、ストッパ部77aがバッテリー装置1の上方に突出され、ストッパ部77aがバッテリー装置1の第3の段差面6cと接触する。これにより、バッテリー装置1の長手方向Y1への移動が阻止され、バッテリー装置1の装着部74からの抜け出しが防止される。
【0074】
このとき、バッテリー装置1の出力端子3が装着部74の接続端子56に接続される。これにより、バッテリー装置1とデジタルビデオカメラ20が電気的に接続され、バッテリー装置1の電力が出力端子3から接続端子56を経てデジタルビデオカメラ20に供給される。これにより、デジタルビデオカメラ20の操作が可能となり、被写体を撮影して記録媒体を記録したり、記録媒体に記録されている撮影情報を表示装置23で見たりする等の各種の操作を行うことができる。
【0075】
また、装着部74に装着しようとするバッテリー装置が、第1の段差面6a及び第2の段差面6bに、装着部74の第1の判別用凸部53a,53b及び第2の判別用凸部54a,54bに対応した、第2の判別用凹部9a,9b及び第3の判別用凹部13a,13bを有していない場合には、そのバッテリー装置を装着部74に装着することは不可能である。
【0076】
かくして、この実施例の装着部74は、従来の判別用突起部79に加えて、第1の判別用凸部53a,53b及び第2の判別用凸部54a,54bを設けている。従って、バッテリー装置の種類が更に増えても、判別用突起部79の形状を複雑にすることなく、簡単な構成によりバッテリー装置の種類を判別することができる。また、バッテリー装置1は、第1の実施例の装着部44だけでなく、装着構造の異なる第2の実施例の装着部74に対しても装着することができる。
【0077】
次に、装着部74に装着されたバッテリー装置1を取り出す場合には、図11Cに示すように、操作部77bを、ユーザーが手動操作によって開放側へ操作する。即ち、この実施例においては、ユーザーが操作部77bを押圧操作して、弾性体の付勢力に抗してストッパ部材77のストッパ部77aの表面を底面部75aと同一面まで押し下げる。この状態から、バッテリー装置1を、4つの係合片7b,7c,8b,8cが4つのフック片81a,81b,82a,82bから離脱するところまでスライドさせる。これにより、4つの係合片7b,7c,8b,8cと4つのフック片81a,81b,82a,82bによる係合状態が解除され、バッテリー装置1の取出しが可能となる。このとき、バッテリー装置1の出力端子3が接続端子56から引き剥がされ、バッテリー装置1とデジタルビデオカメラ20との電気的接続が解除される。そこで、バッテリー装置1を開口部75から引き離す方向へ引き抜くことにより、バッテリー装置1を取り出すことができる。
【0078】
図12及び図13は、本発明のバッテリー装置の第2の実施例を示すものである。この第2の実施例に係るバッテリー装置1Aと前記第1の実施例に係るバッテリー装置1が異なるところは、第2の判別用凹部9Aを、第1の段差面6aAの角部を出力端子3側の一端から長手方向Yに沿って所定の長さRをもって面取りして設け、同様に、第3の判別用凹部13Aを、第2の段差面6bAの角部を出力端子3側の一端から長手方向Yに沿って所定の長さRをもって面取りして設けた点である。その他の構成は、前記第1の実施例に係るバッテリー装置1と同様である。
【0079】
この実施例では、第2の判別用凹部9A及び第3の判別用凹部13Aの長手方向Yの長さRは、出力端子3側の一端から第3のリブ11c,12cが位置するまでの長さと略同一若しくはそれ以下に設定されている。しかしながら、本願発明の第2の判別用凹部9A及び第3の判別用凹部13Aの長さRは、この実施例のものに限定されるものではなく、バッテリー装置の種類に応じて種々に変更してもよい。例えば、第2の判別用凹部9A及び第3の判別用凹部13Aの長手方向Yにおける長さRを変えて非対称に形成してもよい。また、第1の段差面6aA及び第2の段差面6bAのどちらか一方に第2の判別用凹部9A又は第3の判別用凹部13Aを形成してもよい。更に、第1の段差面6aA及び第2の段差面6bAの角部の面取りの深さを種々に変更してもよい。
【0080】
図14及び図15は、前述した第2の実施例に係るバッテリー装置1Aに対応した、本発明の電子機器に係る装着部の第3の実施例を示すものである。この装着部74Aと前記第2の実施例に係る装着部74と異なるところは、第1のフック部81A及び第2のフック部82Aの各爪部に設けた第1の判別用凸部53aA,53bA及び第2の判別用凸部54aA,54bAの形状を、バッテリー装置1Aの第2の判別用凹部9A及び第3の判別用凹部13Aの形状に対応して形成した点である。その他の構成は、前記第2の実施例に係る装着部74と同様である。
【0081】
この実施例では、図14及び図15に示すように、第1のフック部81Aの第1フック片81aA及び第2フック片81bAの側面には、バッテリー装置1Aの第2の判別用凹部9Aの傾斜角度に対応した傾斜面を設けている。そして、第1の判別用凸部53aA,53bAの側面には、第1のフック部81Aの側面の傾斜面に連続して一体に形成された傾斜面を設けている。同様に、第2のフック部82Aの第1フック片82aA及び第2フック片82bAの側面には、バッテリー装置1Aの第3の判別用凹部13Aの傾斜角度に対応した傾斜面を設けている。そして、第2の判別用凸部54aA,54bAの側面には、第2のフック部82Aの側面の傾斜面に連続して一体に形成された傾斜面を設けている。
【0082】
また、図16は、前述した第2の実施例に係るバッテリー装置1Aに対応した本発明の電子機器に係る装着部の第4の実施例を示すものである。この実施例に係る装着部104は、中空のバッテリーホルダー103から構成されている。
【0083】
装着部104は、略長方形をなす装着部104の第2の面である底面部105aと、この底面部105aの長手方向Y2の一側に連続され且つ当該底面部105aと略垂直をなす第1の面を有する下面部105bと、下面部105bと対向し且つ当該下面部105bと同一形状に開口された開口面105cと、底面部105aの長手方向Y2と直交する幅方向X2の一側から所定の段差をもって連続された左段差面107aを有し且つ当該底面部105aと略垂直をなす左側面部105dと、底面部105aの幅方向X2の他側に所定の段差をもって連続された右段差面107bを有し且つ当該底面部105aと略垂直をなす右側面部105eと、底面部105aと対向し且つ下面部105bと略垂直をなすように連続された正面部105fとを有している。そして、正面部105fの左側面部105dが交わる角部及び正面部105fの右側面部105eが交わる角部は、それぞれ曲率半径の大きな円弧状に形成されている。更に、この底面部105a、下面部105b、開口面105c、左側面部105d、右側面部105e及び正面部105fによって装着部104が構成されている。この装着部104は、長手方向Y2を上下方向に向けた状態でバッテリーホルダー103内に設けられている。
【0084】
左段差面107aと右段差面107bは、底面部105aからの高さ方向Z2の長さ(高さ)がバッテリー装置1Aの第1の段差面6aA及び第2の段差面6bAと略同じ高さに設定されている。更に、左段差面107aと右段差面107bは、底面部105aに対してそれぞれが略平行をなすように形成されている。更に、図16等に示すように、装着部104は、底面部105aの幅方向X2の一側と左段差面107aの幅方向X2の一側を接続し且つ底面部105aと左段差面107aと略垂直をなす左接続面106aと、底面部105aの幅方向X2の他側と右段差面107bの幅方向X2の一側を接続し且つ底面部105aと右段差面107bと略垂直をなす右接続面106bとを設けている。
【0085】
左接続面106aは、下面部105b側の一端から長手方向Y2に所定の長さをもって連続して形成された第1のフック部111を設けている。そして、この第1のフック部111は、左接続面106aから内側へ所定の幅と厚みとをもって突出するように一体に形成されている。同様に、右接続面106bは、下面部105b側の一端から長手方向Y2に所定の長さをもって連続して形成された第2のフック部112を設けている。そして、この第2のフック部112は、右接続面106bから内側へ所定の幅と厚みをもって突出するように一体に形成されている。
【0086】
また、左段差面107aと左側面部105dが交わる角部には、下面部105b側の一端から長手方向Y2に所定の長さをもって連続して一体に形成された第1の判別用凸部113を設けている。この第1の判別用凸部113は、左段差面107aと左側面部105dを所定の傾斜角度で接続するように形成されている。同様に、右段差面107bと右側面部105eが交わる角部には、下面部105b側の一端から長手方向Y2に所定の長さをもって連続して一体に形成された第2の判別用凸部114を設けている。この第2の判別用凸部114は、右段差面107bと右側面部105eを所定の傾斜角度で接続するように形成されている。
【0087】
このような構成を有する装着部104に対するバッテリー装置1Aの着脱作業は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、バッテリー装置1Aを装着部104に装着する場合について説明する。この場合は、装着部104の上側において、バッテリー装置1Aの第1の面である正面部5bを装着部104の開口面105cに向けて臨ませる。そして、バッテリー装置1Aの第1の係合部7を第1のフック部111に係合させ、同様に、バッテリー装置1Aの第2の係合部8を第2のフック部112に係合させる。次いで、第1のフック部111及び第2のフック部112に沿って、バッテリー装置1Aを出力端子3と接続端子56が係合されるまで装着部104に挿入する。
【0088】
これにより、第1のフック部111と、バッテリー装置1Aの第1の係合部7の第1係合片7a,第2係合片7b,第3係合片7cが係合される。同様に、第2のフック部112と、バッテリー装置1Aの第2の係合部8の第1係合片8a,第2係合片8b,第3係合片8cが係合される。これにより、バッテリー装置1Aの高さ方向Z2への移動を阻止することができる。また、図17に示すように、この実施例によれば、高さ方向Z2の寸法がバッテリー装置1Aよりも長い装着部104Aに収納することができる。
【0089】
また、バッテリー装置1Aの出力端子3から最も遠い位置にある第3のリブ11c,12cの突出量(幅)は、第3係合片7c,8cの突出量(幅)Nと略同一に設定されている。これにより、バッテリー装置1Aを背面部から装着部104に挿入した場合、第3のリブ11c,12cが第1のフック部111及び第2のフック部112に当接する。よって、ユーザーは、バッテリー装置1Aの挿入向きが誤ったことを瞬時に判断できる。
【0090】
次に、装着部104に装着されたバッテリー装置1Aを取り出す場合には、ユーザーが、装着部104から露出しているバッテリー装置1Aの一部を掴み上方へ引き抜くことにより、バッテリー装置1Aを取り出すことができる。また、図示しないバッテリー装置取り出し部により、バッテリー装置1Aを装着部104から押し出すことによって取り出してもよい。
【0091】
このような構成を有するバッテリー装置1Aによっても、前述した第1の実施例に係るバッテリー装置1と同様の効果を得ることができる。即ち、バッテリー装置の種類が更に増えても、バッテリー装置1の第1の判別用凹部15a,15bの形状を更に複雑にすることなく、簡単な構成によりバッテリー装置の種類を判別することができる。また、バッテリー装置1Aは、装着構造の異なる装着部に対しても装着することができ、バッテリー装置の有効利用を図ることができる。
【0092】
以上説明したように、本発明のバッテリー装置、電子機器及びバッテリーシステムによれば、バッテリー装置及び電子機器が異なった取り付け構造を有する場合にも、バッテリー装置の種類の判別を行うことができ、1つのバッテリー装置を複数の電子機器に用いたり、これとは逆に、1つのバッテリー装置を1つの電子機器に専用部品として用いたりすることができる。これにより、バッテリー装置の誤使用を防止することができ、所定のバッテリー装置を所定の電子機器に用いて、安全性の向上を図ることができる。また、凸部の長さ、幅、位置を変えることにより、複数段階の種類判別を行うことができる。
【0093】
尚、本発明は前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、撮像装置の具体例としてデジタルビデオカメラに適用した例について説明したが、アナログビデオカメラに適用できることは勿論のこと、電子スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤ、カーナビゲーションその他各種の電子機器に適用できるものである。また、前記実施例においては、バッテリー装置には6つの係合片を設け、装着部には4つのフック片又は2つのフック部を設けた例について説明したが、係合片、フック片及びフック部の数は、これらに限定されるものではないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明のバッテリー装置の第1の実施例を示す底面側から見た斜視図である。
【図2】本発明のバッテリー装置の第1の実施例を示すもので、図2Aは底面図、図2Bは左側面図である。
【図3】本発明のバッテリー装置の第1の実施例を示すもので、図3Aは正面図、図3Bは背面図、図3Cは図2BのD−D線断面図である。
【図4】本発明の電子機器の一実施例として示す撮像装置の一具体例であるデジタルビデオカメラを正面側から見た斜視図である。
【図5】本発明の電子機器の一実施例として示す撮像装置の一具体例であるデジタルビデオカメラを背面側から見た斜視図である。
【図6】本発明の電子機器の一実施例として示す撮像装置の一具体例であるデジタルビデオカメラの背面図である。
【図7】図4に示したデジタルビデオカメラの装着部を有するリアパネルの斜視図である。
【図8】図4に示したデジタルビデオカメラの装着部を有するリアパネル、スライド部材及び支持プレート部材の分解斜視図である。
【図9】図7に示したリアパネル等を示すもので、図9Aはリアパネルの正面図、図9Bはバッテリー装置の装着時の初期状態を示す説明図、図9Cは装着後の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の電子機器の一実施例として示す撮像装置に係る装着部を有するリアパネルの第2の実施例を示す斜視図である。
【図11】図10に示したリアパネル等を示すもので、図10Aはリアパネルの正面図、図10Bはバッテリー装置の装着時の初期状態を示す説明図、図10Cは装着後の状態を示す説明図である。
【図12】本発明のバッテリー装置の第2の実施例を示す底面側から見た斜視図である。
【図13】本発明のバッテリー装置の第2の実施例を示す正面図である。
【図14】本発明の電子機器の一実施例として示す撮像装置に係る装着部を有するリアパネルの第3の実施例を示す斜視図である。
【図15】図14に示したリアパネル等を示すもので、バッテリー装置を装着した状態における図14のU−U線断面図である。
【図16】本発明の電子機器に係る装着部の第4の実施例を示す正面側から見た斜視図である。
【図17】バッテリー装置よりも高さ方向Z2の寸法が十分に長い第4の実施例に係る装着部に、バッテリー装置を装着した状態における断面図である。
【符号の説明】
【0095】
1,1A…バッテリー装置、 2…バッテリー筐体、 3…出力端子、 4…上ケース、5…下ケース、 5a…下面部(第2の面)、 5b…正面部(第1の面)、 6a,6aA,6b,6bA,6c…段差面、 7…第1の係合部、 8…第2の係合部、 7a,8a…第1係合片、 7b,8b…第2係合片、 7c,8c…第3係合片、 9,9A…第2の判別用凹部(凹部)、 13,13A…第3の判別用凹部(凹部)、 20…デジタルビデオカメラ(電子機器)、 21…外装ケース(ケース本体)、 21D,73…リアパネル、 44,74,74A,104,104A…装着部、 53a,53aA,53bA,53bA,113…第1の判別用凸部(凸部)、 54a,54aA,54b,54ba,114…第2の判別用凸部(凸部)、 55a,55b…突起片、 56…接続端子、 60…スライド部材、 61,81,81A,111…第1のフック部、 62,82,82A,112…第2のフック部、 61a,62a,81a,81aA,82a,82aA…第1フック片、 61b,62b,81b,81bA,82b,82bA…第2フック片 X,X1,X2…幅方向、 Y,Y1,Y2…長手方向、 Z,Z1,Z2…高さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルが内蔵された略直方体をなすバッテリー筐体と、
前記バッテリー筐体の少なくとも第1の面の幅方向の略中央において出力部が露出するように配置され且つ前記バッテリーセルの電力を出力する出力端子と、を備え、
前記バッテリー筐体は、
前記第1の面と略垂直をなす第2の面と、
前記第2の面の前記幅方向の一側に所定の段差をもって連続されて略平行に設けられた第1の段差面と、
前記第2の面の前記幅方向の他側に所定の段差をもって連続されて略平行に設けられた第2の段差面と、
前記第2の面から前記幅方向の一側に所定の幅と厚みで突出された複数の第1の係合部と、
前記第2の面から前記幅方向の他側に所定の幅と厚みで突出された複数の第2の係合部と、
前記第1の段差面と前記複数の第1の係合部とによって形成された第1の溝部と、
前記第2の段差面と前記複数の第2の係合部とによって形成された第2の溝部と、を有し、
前記第1の段差面及び前記第2の段差面の少なくとも一方の面において、前記幅方向と直交する長手方向に沿って角部が面取りされ、所定の長さを有する判別用凹部を設け、
前記判別用凹部の前記所定の長さは、前記出力端子側の一端から、前記複数の第1の係合部又は前記複数の第2の係合部のうち前記出力端子側とは反対側の一端に位置する前記第1の係合部又は前記第2の係合部が位置するまでの長さと略同一に設定される
バッテリー装置。
【請求項2】
前記判別用凹部は、前記第1の段差面及び前記第2の段差面の両方に設けられ、
前記第1の段差面及び前記第2の段差面のそれぞれに設けられた前記判別用凹部の前記所定の長さが非対称である
請求項1記載のバッテリー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−4393(P2009−4393A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259984(P2008−259984)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【分割の表示】特願2006−230797(P2006−230797)の分割
【原出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】