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バッテリ寿命チェック装置
説明

バッテリ寿命チェック装置

【課題】バッテリ寿命チェック装置において、保守作業者にとって簡単にバッテリが交換時期にあるか否かの判断ができるようにすることである。
【解決手段】バッテリ寿命チェック装置10は、目視用表示部60に表示を行わせる表示プログラム32を記憶する不揮発性メモリであるROM34と、供給電源で作動可能な揮発性メモリであるRAM38と、ROM34に記憶されている表示プログラム32をRAM38に転送するプログラム転送部36を備える。供給電源は、チェック対象バッテリ8と固定電源16との間で切り替えることができる。チェック対象バッテリ8がRAM38を動作させることができない状態である寿命に来ているときは、目視用表示部60は表示プログラム32通りの表示を行うことができない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ寿命チェック装置に係り、特に、停電時等のときに装置等のデータを保護するために用いられるバックアップバッテリについて、寿命になって交換時期であるかどうかをチェックするための寿命をチェックするバッテリ寿命チェック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置等のデータを記憶するために、不揮発性メモリと揮発性メモリが用いられる。不揮発性メモリは電源が遮断されても記憶内容をそのまま保持できるが、構造が複雑で、記憶容量当たりのコストが高い。揮発性メモリは構造が比較的簡単なため、大容量のメモリとすることが比較的容易で、記憶容量当たりのコストが安い。しかしながら、電源が遮断されると、記憶内容が消失する。そのために、揮発性メモリについて停電時のバックアップ電源としてバッテリが用いられる。
【0003】
このバッテリも使用期間に応じて端子間電圧が低下し、供給できる容量である電力時間積が次第に減少してくる。バッテリの端子間電圧、あるいは容量が、揮発性メモリを動作させることができる閾値を下回る寿命になると、揮発性メモリの記憶内容が消失する。したがって、寿命になる前にバッテリを交換することが必要であり、そのためにバッテリ寿命を検出することが必要である。
【0004】
特許文献1には、主電源の停電によって生じる記憶内容の揮発を防止する補助電源を備える記憶装置の記憶内容チェック方式として、記憶内容の語の桁毎の論理和演算を行い、停電直後と停電回復後で比較することが述べられている。
【0005】
特許文献2には、補助電源作動確認装置として、補助電源によってバックアップされる回路等に作動確認用の揮発性メモリを付随させることが述べられている。ここでは、このメモリの複数の予定番地の内容の総和を他の予定番地に記憶させ、主電源が切れたときにはバックアップされる回路と共にこのメモリもバックアップさせるようにして、主電源が回復したとき、この複数の予定番地の内容の総和が他の予定番地の内容に等しいか否かを判定し、これによって補助電源が正しくバックアップを行ったか否かを確認している。
【0006】
特許文献3には、バックアップ用バッテリの寿命を検出するために、疑似負荷を用いる方法が述べられている。ここでは、バッテリ電圧と持続時間の関係を複数の負荷ごとに予め求めておく。そして、複数の負荷設定ができる疑似負荷発生回路を用いて、予め定めた寿命とされるバッテリ電圧になる持続時間を求め、現在までの経過時間を差し引いて寿命までの時間を検出することが述べられている。
【0007】
特許文献4には、揮発性メモリバックアップ用バッテリのチェック装置において、バッテリの使用によって放電した電池容量を使用前の電池容量で割った公称容量比と電池電圧の関係を用いることが述べられている。そして、放電が進んだもの、負荷が重くて放電電流が大きいものほど電池電圧が低くなるので、バッテリのチェックを行うときに通常負荷の数倍の負荷電流を流し、その時の電池電圧を測定してそのバッテリが寿命になったかどうかを判定することが述べられている。
【0008】
また、特許文献5には、RAMの記憶データの良否を判断するプログラムを本来の制御システムとして稼働させるプログラムとは別に設けることが述べられている。ここでは、RAM内に保存を目的とした本データを格納し、本データを格納した以外の部分にROMから取り出した比較データまたは良否判断用処理プログラムにより導き出した比較データを格納する。そして、RAM内の本データが正しく保存されているかどうか判断したいときは、RAM内の比較データとROM内の比較データを比べることが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭59−140699号公報
【特許文献2】特開昭58−184622号公報
【特許文献3】特開平10−91538号公報
【特許文献4】特開昭58−222323号公報
【特許文献5】特開昭59−79498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術によれば、端子間電圧等でバッテリの寿命を検出し、模擬負荷を用いることでバッテリの寿命を推定し、バックアップされるメモリの記憶内容をチェックすることでバッテリの寿命か否かを判断することが行われる。
【0011】
バックアップバッテリが交換時期にあるかどうかをチェックして、交換時期にあるときはこれを交換するのは、保守作業者によって行われる。テスタ等の簡単なチェックではメモリを正しくバックアップできるかまで保障できず、メモリのバックアップまで確認する従来技術は、複雑な測定、複雑な手順を要する。このように、保守作業者にとってバッテリが交換時期にあるか否かを簡単に判断することができない。
【0012】
本発明の目的は、保守作業者にとって簡単にバッテリが交換時期にあるか否かの判断ができるバッテリ寿命チェック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るバッテリ寿命チェック装置は、チェック対象バッテリと、固定電源との間で供給電源を切り替える電源切替部と、目視用表示部と、目視用表示部に表示を行わせる表示プログラムを記憶する不揮発性メモリと、供給電源で作動可能な揮発性メモリと、不揮発性メモリに記憶されている表示プログラムを揮発性メモリに転送するプログラム転送部であって、電源切替部の供給電源切替に同期し、供給電源が固定電源に切替えられているときには、固定電源から電力が供給される揮発性メモリに転送し、供給電源がチェック対象バッテリに切替えられた後には、バッテリから電力が供給される揮発性メモリに転送することになるプログラム転送部と、揮発性メモリからのデータ転送を受けて、転送されたデータに基づいて目視用表示部を表示させる表示駆動部と、を備え、チェック対象バッテリに供給電源が切替えられたときに目視用表示部が表示を行っているか否かでユーザがバッテリの寿命をチェックできることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るバッテリ寿命チェック装置において、揮発性メモリは、これ以上の電圧であればデータを記憶できる閾値電圧として、バッテリが寿命に達したか否かの判断に用いられるバッテリの寿命残容量に対応するバッテリ端子間電圧である寿命端子間電圧に対し、予め定めた余裕電圧を加えた値が設定されることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るバッテリ寿命チェック装置において、揮発性メモリの消費電力と、チェック対象バッテリがバックアップ電源として用いられるときに必要とされるバックアップ消費電力との差である消費電力差を調整するために、揮発性メモリと電源切替部との間に消費電力調整部が設けられることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係るバッテリ寿命チェック装置において、チェック対象バッテリが接続されるバッテリ接続コネクタと、バッテリ接続コネクタと電力伝送線で接続される出力コネクタであって、チェック対象バッテリが取り外されたシステムのバッテリコネクタと接続することで、チェック対象バッテリが取り外されたシステムにバッテリ電力を供給できる出力コネクタと、を備えることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るバッテリ寿命チェック装置において、表示部は、複数の表示セグメントを用いて数字または文字または模様を表示できるセグメント表示部であって、不揮発性メモリに記憶される表示プログラムは、複数の表示セグメントのそれぞれのセグメントの点灯と消灯を逐時的に変更して、セグメント表示部に予め定めた逐時的表示を行わせる表示プログラムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
上記構成により、バッテリ寿命チェック装置は、目視用表示部に表示を行わせる表示プログラムを記憶する不揮発性メモリと、供給電源で作動可能な揮発性メモリと、不揮発性メモリに記憶されている表示プログラムを揮発性メモリに転送するプログラム転送部を備える。供給電源は、チェック対象バッテリと固定電源との間で切り替えることができる。そこで、プログラム転送部は、電源切替部の供給電源切替に同期し、供給電源が固定電源に切替えられているときには、固定電源から電力が供給される揮発性メモリに転送し、供給電源がチェック対象バッテリに切替えられた後には、バッテリから電力が供給される揮発性メモリに転送することになる。
【0019】
仮に、バッテリが揮発性メモリを動作させることができない状態である寿命に来ているときは、目視用表示部は表示プログラム通りの表示を行わない。このように、保守作業者は、目視用表示部の表示を見るだけで、バッテリが交換時期にあるか否かの判断を簡単にできる。
【0020】
また、バッテリ寿命チェック装置において、揮発性メモリは、これ以上の電圧であればデータを記憶できる閾値電圧として、バッテリが寿命に達したか否かの判断に用いられるバッテリの寿命残容量に対応するバッテリ端子間電圧である寿命端子間電圧に対し、予め定めた余裕電圧を加えた値が設定される。予め寿命端子間電圧における寿命時間と、閾値電圧においてデータを記憶できなくなる時間との関連を求めておくことで、目視用表示部の表示が異常となる状態から寿命時間までの残り時間を推定できる。
【0021】
また、バッテリ寿命チェック装置において、揮発性メモリの消費電力と、チェック対象バッテリがバックアップ電源として用いられるときに必要とされるバックアップ消費電力との差である消費電力差を調整するために、揮発性メモリと電源切替部との間に消費電力調整部が設けられる。これによって、寿命チェック用に消費する電力を抑制することができる。
【0022】
また、バッテリ寿命チェック装置において、チェック対象バッテリが接続されるバッテリ接続コネクタと、バッテリ接続コネクタと電力伝送線で接続される出力コネクタを備える。ここで、出力コネクタを、チェック対象バッテリが取り外されたシステムのバッテリコネクタと接続することで、チェック対象バッテリが取り外されたシステムにバッテリ電力を供給できる。
【0023】
また、バッテリ寿命チェック装置において、表示部は、複数の表示セグメントを用いて数字または文字または模様を表示できるセグメント表示部であり、表示プログラムは、複数の表示セグメントのそれぞれのセグメントの点灯と消灯を逐時的に変更して、セグメント表示部に予め定めた逐時的表示を行わせる。これにより、保守作業者は、表示部の表示内容を見るだけで、バッテリが寿命であるか否かを容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る実施の形態におけるバッテリ寿命チェック装置の構成図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において、揮発性メモリの閾値電圧の設定を説明する図である。
【図3】本発明に係る実施の形態において、消費電力調整部の作用を説明する図である。
【図4】本発明に係る実施の形態において、出力コネクタの作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、チェック対象バッテリとして、筒状のニッケルカドミウム電池を述べるが、これは説明のための例示であって、形状は筒状以外のボタン形状、箱型形状等であってもよい。また、ニッケルカドミウム以外の電池の種類、例えば、マンガン電池、アルカリ電池等の使い捨て電池であってもよく、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の充電可能な二次電池であってもよい。また、固定電源として、バッテリ寿命チェック装置に内蔵する電池を述べるが、これも説明のための例示であって、外部の直流電源を用いてもよく、あるいはバッテリ寿命チェック装置の内部にAC/DCコンバータを備えて、外部交流電源から交流電力を直流電力に変換してこれを固定電源としてもよい。
【0026】
目視用表示部としては、7セグメントの発光素子を述べるが、これは保守作業者等に認識しやすい表示の例としたものであって、セグメント数はこれ以外であってもよい。また、発光素子以外の表示素子、例えば、液晶素子、白熱電球、小型モータを用いて表示板を回転させるもの等を用いるものとできる。
【0027】
以下では、チェック対象バッテリを、バックアップするシステムから着脱して、バッテリ寿命チェック装置に接続することを述べるが、バックアップするシステムからバッテリの両端子が取り出せる構造の場合であっても構わない。この場合には、寿命チェックのためにバックアップするシステムからバッテリを取り外す必要がない。
【0028】
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0029】
図1は、バッテリ寿命チェック装置10の構成を示すブロック図である。ここでは、バッテリ寿命チェック装置10の構成要素ではないが、チェック対象バッテリ8が図示されている。チェック対象バッテリ8は、図示されていない別のシステムにおいて、停電時等の場合のデータのバックアップ用に備えられる電池である。具体的には、筒状のニッケルカドミウム電池である。ここでは、寿命のチェックのために、バックアップに用いられるシステムから取り外され、バッテリ寿命チェック装置10のバッテリ接続コネクタ12に接続された状態が示されている。
【0030】
バッテリ寿命チェック装置10は、バッテリ接続コネクタ12に接続されるチェック対象バッテリ8について、バックアップ用として交換時期にあるかどうか、交換時期までどの程度の余裕があるか等を、目視用表示部60の表示を用いてチェックする機能を有する。
【0031】
バッテリ寿命チェック装置10は、チェック対象バッテリ8が接続されるバッテリ接続コネクタ12と、バッテリ接続コネクタ12と電力伝送線で接続される出力コネクタ14とを備える。また、電源部分として、固定電源16と、電源切替部18と、消費電力調整部20を備える。また、電源部分からの供給電力で作動する回路部分30と、ユーザが操作できる書込ボタン52とチェックボタン54と、目視用表示部60を含む。なお、図1では、電力伝送線を太線で、信号線を細線で示した。
【0032】
固定電源16は、バッテリ寿命チェック装置10の各構成要素に電力を供給する電源である。具体的には、チェック対象バッテリ8と同様な筒状ニッケルカドミウム電池を用いることができる。この固定電源16は、チェック対象バッテリ8の寿命チェックの際に、基準電源として一時的に使用されるもので、通常は電力を消費しない。しかし、仮に、この固定電源16が寿命になると、バッテリ寿命チェックができなくなるので、バッテリ寿命チェックを行う都度、この固定電源16が十分な容量を有していることを確認することが必要である。
【0033】
電源切替部18は、チェック対象バッテリ8からの電力と、固定電源16からの電力との間で、バッテリ寿命チェック装置10に対する供給電源を切り替える機能を有する。具体的には、電力用に内部抵抗が小さい切替スイッチを用いることができる。電源切替は、制御部50によって行われる。
【0034】
チェック対象バッテリ8と電源切替部18との間に設けられる消費電力調整部20は、バッテリ寿命をチェックするときに、消費される電力を調整する機能を有する。具体的内容については、RAM38の説明の後に、図3を用いて詳述する。
【0035】
電源切替部18を介して供給される電力によって動作する回路部分30は、表示プログラム32を記憶するROM(Read Only Memory)34と、RAM(Random Access Memory)38と、ROM34とRAM38の間で表示プログラム32を転送させるプログラム転送部36と、これら全体の動作を制御する制御部50を含んで構成される。
【0036】
ROM34は、供給電源が遮断されても記憶内容をそのまま保持する不揮発性メモリである。かかる不揮発性メモリとしては、半導体マスクメモリを用いることができる。半導体マスクメモリは、半導体素子を形成するときに用いられるマスクにおいて、所定の箇所にパターンがあるかないかで、素子の「0」状態と「1」状態を区別できるようにしたものである。ROM34は、目視用表示部60の時系列的な表示内容を規定するプログラムである表示プログラム32を記憶する。表示プログラム32の内容は、目視用表示部60の説明のところで述べる。
【0037】
プログラム転送部36は、制御部50の制御の下で、ROM34に記憶されている表示プログラム32を読み出し、読み出したデータをRAM38に転送する機能を有する回路である。
【0038】
RAM38は、供給電源から供給される電力が適当な範囲にあるときに動作し、供給電源からの電力が適当な範囲を外れて低下すると、動作しないメモリである。具体的には、供給電源の電圧が閾値電圧以上のときに、正常に記憶動作を行い、データを保持する。供給電圧が閾値電圧未満となると、記憶動作を行わず、データが消失する。端的に言えば、供給電源が遮断すると、記憶していたデータが消失する揮発性メモリである。
【0039】
RAM38の記憶容量、閾値電圧、消費電力等の内容については後述することにして、先に他の構成要素の説明を進める。
【0040】
表示駆動部40は、RAM38に転送された表示プログラム32のデータに基づいて、目視用表示部60を駆動する駆動信号に変換するドライバ回路である。
【0041】
目視用表示部60は、7セグメントの発光素子である。発光素子としてはLED(Light Emission Device)を用いることができる。7セグメントの発光素子は、7つのセグメントの点灯、消灯の組み合わせを変更することで、数字と、いくつかの英文字を表示できる素子である。目視用表示部60の表示形態は、ROM34に内蔵される表示プログラム32の内容によって定められる。
【0042】
ここで、表示プログラム32は、目視用表示部60の7つのセグメントのそれぞれについて、点灯と消灯を逐時的に変更して、目視用表示部60に予め定めた逐時的表示を行わせる。逐時的表示とは、例えば、数字といくつかの英字を組み合わせて時系列に表示することで1つの意味ある内容とする表示である。このように意味のある逐時的表示とすることで、これと異なる表示がなされるときは、異常状態であると保守作業者が簡単に認識できる。
【0043】
目視用表示部60は、図1に示すように7セグメントであるので、0から9までの数字、G,J,K,M,N,O,Q,T,V,W,X,Y,Zを除く英字を表示できる。例えば、「2011 IS PEACEFULL」等の意味のある文章、「20110715」等の特定の日付を表示させることができる。
【0044】
制御部50は、回路部分30の各要素の動作を全体として制御する機能を有する。その機能の1つは、書込ボタン52が操作されたことを取得し、電源切替部18を固定電源16から電力を供給するように切り替えさせ、回路部分30の供給電力を固定電源16からのものとした状態で、プログラム転送部36に転送指令を与える。もう1つの機能は、チェックボタン54が操作されたことを取得し、電源切替部18をチェック対象バッテリ8から電力を供給するように切り替えさせ、回路部分30の供給電力をチェック対象バッテリ8からのものとした状態で、プログラム転送部36に転送指令を与える。
【0045】
書込ボタン52とチェックボタン54は、保守作業者によって操作される操作ボタンである。書込ボタン52は、固定電源16によって電力が供給されている状態の下で、表示プログラム32をROM34からRAM38に転送して書き込みを行わせるためのボタンである。チェックボタン54は、チェック対象バッテリ8によって電力が供給されている状態の下で、表示プログラム32をROM34からRAM38に転送する転送処理を行わせるためのボタンである。
【0046】
供給電力の種類が異なるだけで、いずれのボタンでも、ROM34からRAM38に表示プログラム32を転送させようとすることは同じである。供給電力が固定電源16からの電力であるときは、その電力は、バッテリ寿命チェック装置10を動作させるには十分であるので、書込ボタン52を操作することで、表示プログラム32はROM34からRAM38に確実に転送され、書込みが確実に行われる。これに対し、供給電力がチェック対象バッテリ8からの電力である場合は、必ずしもバッテリ寿命チェック装置10を動作させるには十分であるとは限らない。仮に、RAM38を動作させるには不十分な電力しか供給されないとすると、ROM34から転送されようとした表示プログラム32は、RAM38に十分に保持されない。つまり、RAM38には、正しい表示プログラム32のデータが書き込まれないことになる。
【0047】
つまり、書込ボタン52の操作によってRAM38に表示プログラム32のデータの書込みが行われる。しかし、チェックボタン54の操作では、RAM38に表示プログラム32の転送処理が行われるが、果たして書込みが正しく行われたか否かは、チェック対象バッテリ8の状態によることになる。RAM38のデータが正しくないときは、目視用表示部60の表示は表示プログラム32の内容通りにはならない。そこで、保守作業者は、目視用表示部60を目視し、その表示内容が予め定めた意味のあるものであるか否かを読みとることで、RAM38が正しく動作したか否か、換言すれば、チェック対象バッテリ8がRAM38を正しく動作させるに十分な電力を有しているかを判断できる。
【0048】
次に、バッテリ寿命チェック装置10が正確にチェック対象バッテリ8の寿命を判断できるためのRAM38の条件について述べる。図2は、RAM38の閾値電圧V1の設定について説明する図である。RAM38の閾値電圧V1とは、これ以上の電圧であればデータを記憶できる最低限の電圧である。
【0049】
ここで、閾値電圧V1としては、チェック対象バッテリ8が寿命に達したか否かの判断に用いられるチェック対象バッテリ8の寿命残容量に対応するバッテリ端子間電圧である寿命端子間電圧V0に対し、予め定めた余裕電圧ΔVを加えた値V1=V0+ΔVが設定される。
【0050】
図2は、横軸に時間、縦軸に端子間電圧をとり、チェック対象バッテリ8と同じ特性のバッテリについての放電特性の経時変化を示す図である。なお、縦軸に、寿命端子間電圧V0と、V0に適当な余裕電圧ΔVを加えた閾値電圧V1が示されている。バッテリの放電特性は、初期状態のときの放電特性70から、バッテリを使用して容量が減少して行くにつれて、放電特性72,74,76と変化する。これらの放電特性でV0となるそれぞれの時間T70,T72,T74,T76が、それぞれの放電特性を有するバッテリの寿命が来たときである。これ以上使用すると、RAM38は正しく動作しない。
【0051】
ここで、これらの放電特性でV1となるそれぞれの時間t70,t72,t74は、RAM38の閾値電圧V1=V0+ΔVと設定したときに、RAM38が正しく動作しなくなる放電時間である。t70はT70より短く、t72はT72より短く、t74はT74より短い。なお、図2の例では、T76に対応するt76は、図上では0以下の時間となって現れない。ここで、例えば、Δt70=T70−t70は、閾値電圧V1の下では動作しないが、本来の寿命端子間電圧V0の下では動作する時間までの余裕時間である。すなわち、閾値電圧V1の下では動作しなくなったときから、さらにΔt70の時間だけ、寿命端子間電圧V0の下でRAM38は動作する。
【0052】
このように、予め寿命端子間電圧V0における寿命時間Tと、閾値電圧V1においてデータを記憶できなくなる時間tとの関連を求めておくことで、目視用表示部60の表示が異常となる状態から寿命時間Tまでの残り時間を推定できる。すなわち、RAM38の閾値電圧V1をV0より適当に高めに設定することで、その閾値電圧V1までチェック対象バッテリ8の端子間電圧が下がると目視用表示部60の表示が異常となる。これはバッテリ寿命チェック装置10における異常状態であるので、このチェック対象バッテリ8を元々のバックアップを行うシステムに戻せば、端子間電圧が寿命端子間電圧V0に低下するまで正常にバックアップ機能を果たす。例えば、放電特性72のバッテリであれば、Δt72=T72−t72の時間だけ寿命が残っていると推定できる。
【0053】
次に、図3を用いて、消費電力調整部20の内容を説明する。図3は、一般的にRAMの規模を示す最大記憶容量と消費電力の関係を示す図で、横軸がRAMの規模を示す容量で、縦軸は容量に対応する消費電力である。このように、RAMは容量が大きくなるほど消費電力が増加する傾向を有する。
【0054】
チェック対象バッテリ8の寿命を正確に予測するには、RAM38の規模を、チェック対象バッテリ8がバックアップ電源として用いられるシステムにおいてバックアップするメモリと同じ規模とすることが好ましい。しかし、バッテリ寿命チェック装置10は1つであるのに対し、チェック対象バッテリ8がバックアップするシステムは様々で、そのバックアップするメモリの規模も様々である。図3で、RAM容量をM1として示すものが、チェック対象バッテリ8がバックアップするメモリの容量である。このM1に対応する消費電力はW1として示される。図3でRAM容量をM2として示すものが、実際にバッテリ寿命チェック装置10に搭載されるRAM38の容量で、対応する消費電力がW2である。ここでは、M2をM1のほぼ半分の規模になっている。
【0055】
チェック対象バッテリ8は、容量M1に対応できるような性能を有しているので、そのままバッテリ寿命チェック装置10に接続すると、消費電力がW1となる。そこで、RAM38の容量に対応する消費電力W2まで低下するように調整するために消費電力調整部20が設けられる。具体的には、可変抵抗が設けられ、チェック対象バッテリ8がバックアップするメモリの消費電力W1とRAM38の消費電力W2の差であるΔW=W2−W1を消費させる。これによって、バッテリ寿命チェックの際の消費電力を抑制できる。
【0056】
図4は、出力コネクタ14の利用方法を説明する図である。図4には、チェック対象バッテリ8が取り外されたシステム4が示されている。このシステム4には、バッテリコネクタ6が設けられ、このバッテリコネクタ6に、システム4の内部に搭載されているメモリをバックアップするバッテリが着脱可能に接続される。ここでは、バッテリ寿命をチェックするために取り外されたバッテリが、チェック対象バッテリ8として、バッテリ寿命チェック装置10のバッテリ接続コネクタ12に接続される様子が示される。
【0057】
ここで、バッテリ寿命チェック装置10の出力コネクタ14は、バッテリ接続コネクタ12と電力伝送線で接続されている。そこで、チェック対象バッテリ8が取り外されたシステム4のバッテリコネクタ6と、この出力コネクタ14との間を適当な電力伝送ケーブル7で接続することで、チェック対象バッテリ8が取り外されたシステム4にバッテリ電力を供給できる。これにより、特別な予備バッテリ等を準備することなく、チェック対象バッテリ8が取り外されたシステム4を継続的に動作させることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係るバッテリ寿命チェック装置は、停電時等のときに装置等のデータを保護するために用いられるバックアップバッテリのチェックに利用できる。
【符号の説明】
【0059】
4 システム、6 バッテリコネクタ、7 電力伝送ケーブル、8 チェック対象バッテリ、10 バッテリ寿命チェック装置、12 バッテリ接続コネクタ、14 出力コネクタ、16 固定電源、18 電源切替部、20 消費電力調整部、30 回路部分、32 表示プログラム、34 ROM、36 プログラム転送部、38 RAM、40 表示駆動部、50 制御部、52 書込ボタン、54 チェックボタン、60 目視用表示部、70,72,74,76 放電特性。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェック対象バッテリと、固定電源との間で供給電源を切り替える電源切替部と、
目視用表示部と、
目視用表示部に表示を行わせる表示プログラムを記憶する不揮発性メモリと、
供給電源で作動可能な揮発性メモリと、
不揮発性メモリに記憶されている表示プログラムを揮発性メモリに転送するプログラム転送部であって、電源切替部の供給電源切替に同期し、供給電源が固定電源に切替えられているときには、固定電源から電力が供給される揮発性メモリに転送し、供給電源がチェック対象バッテリに切替えられた後には、バッテリから電力が供給される揮発性メモリに転送することになるプログラム転送部と、
揮発性メモリからのデータ転送を受けて、転送されたデータに基づいて目視用表示部を表示させる表示駆動部と、
を備え、チェック対象バッテリに供給電源が切替えられたときに目視用表示部が表示を行っているか否かでユーザがバッテリの寿命をチェックできることを特徴とするバッテリ寿命チェック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリ寿命チェック装置において、
揮発性メモリは、
これ以上の電圧であればデータを記憶できる閾値電圧として、バッテリが寿命に達したか否かの判断に用いられるバッテリの寿命残容量に対応するバッテリ端子間電圧である寿命端子間電圧に対し、予め定めた余裕電圧を加えた値が設定されることを特徴とするバッテリ寿命チェック装置。
【請求項3】
請求項2に記載のバッテリ寿命チェック装置において、
揮発性メモリの消費電力と、チェック対象バッテリがバックアップ電源として用いられるときに必要とされるバックアップ消費電力との差である消費電力差を調整するために、揮発性メモリと電源切替部との間に消費電力調整部が設けられることを特徴とするバッテリ寿命チェック装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1に記載のバッテリ寿命チェック装置において、
チェック対象バッテリが接続されるバッテリ接続コネクタと、
バッテリ接続コネクタと電力伝送線で接続される出力コネクタであって、チェック対象バッテリが取り外されたシステムのバッテリコネクタと接続することで、チェック対象バッテリが取り外されたシステムにバッテリ電力を供給できる出力コネクタと、
を備えることを特徴とするバッテリ寿命チェック装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1に記載のバッテリ寿命チェック装置において、
表示部は、複数の表示セグメントを用いて数字または文字または模様を表示できるセグメント表示部であって、
不揮発性メモリに記憶される表示プログラムは、複数の表示セグメントのそれぞれのセグメントの点灯と消灯を逐時的に変更して、セグメント表示部に予め定めた逐時的表示を行わせる表示プログラムであることを特徴とするバッテリ寿命チェック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−20489(P2013−20489A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153917(P2011−153917)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】