説明

バッフル・ボックス・コンフォーター

【課題】コンフォーターが、低温箇所を最小限にし且つ溝形部分内の充填材の流動防止に効果を発揮する構造を持つことが望ましい。
【解決手段】コンフォーター10は、2つの実質的に同一の布地部分を含んでおり、それらの間の取り付け線が、複数の並列した平行な溝形部分18の縁部を画定している。バッフル28部材が、各溝形部分18内に配置され、それぞれの溝形部分18の一方の縁部に取り付けられているが、溝形部分18の反対側の縁部まで完全に延びているわけではなく、何れの所与の溝形部分18のバッフル部材28も、隣接する溝形部分18のバッフル部材28の位置に対して互い違いの関係に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概括的にはコンフォーター(comforter:掛け布団類)に関し、より厳密には、バッフル(baffle:隔壁)要素が内部に配置されている多数の溝形部分を有するコンフォーターに関係する。
【背景技術】
【0002】
[0002]バッフル・ボックス型コンフォーターは、溝形部分内の充填材の移動を防止するため、コンフォーターの溝形部分部分内の選択された箇所にバッフルが配置されているものであって、一般的に知られている。しかしながら、現実のバッフル・ボックス・コンフォーターでは、バッフルは、溝形部分が縦方向に走っている場合にはコンフォーターを横断して横方向に、又は溝形部分が横方向に走っている場合には縦方向に、整列して配置されている。この配列には実際に幾つかの不都合があり、中でも、コンフォーターの中、とりわけ溝形部分内でバッフルが固着されている領域に、低温の箇所又は低温の線が存在するという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]コンフォーターが、低温箇所を最小限にし且つ溝形部分内の充填材の流動防止に効果を発揮する構造を持つことが望ましい。その様なコンフォーターは、更に、合成でも天然でもよいが充填材、を詰めるのに都合が良くなくてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]従って、新規なバッフル・ボックス・コンフォーターは、2つの実質的に同一の布地部分と、複数の並列して配置される溝形部分の縁部を画定する、布地部分の間の複数の取り付け線と、各溝形部分内で、同じ溝形部分の一方の縁部に取り付けられて配置されているバッフル部材であって、各溝形部分のバッフル部材の位置は、それぞれ、隣接する溝形部分のバッフル部材の位置に対し互い違いになっている、バッフル部材と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】[0005] 外縁領域無しの、ここで説明されているコンフォーターの上面図である。
【図1A】[0006] 図1のコンフォーターの側面図である。
【図2】[0007] 外縁領域付きの、図1のコンフォーターの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0008]図1は、実質的に同一である上布地部分12と下布地部分14を含んでいるコンフォーター10を示している。布地部分の寸法は、コンフォーターの所望のサイズによって決まる。例えば、クイーンサイズベッドの場合、コンフォーターの寸法は、幅88インチ(約223.52cm)x長さ90インチ(約228.6cm)である。典型的には、布地部分12、14は、綿又は類似材料の様な各種布地から選択されている。布地部分は、それらの周囲及び線16−16に沿って縫い合わされて、コンフォーター内に、コンフォーターの長さ又は幅に亘って延在する、連続して配置される溝形部分18−18を画定している。溝形部分18−18は、典型的に平行である。
【0007】
[0009]図示の実施形態では、隣接する縫合線16−16(溝形部分線)の間の距離は11インチ(約27.94cm)であるが、これは、コンフォーターの特定の設計に応じて変えられてもよい。溝形部分18は、図示の実施形態では、縫合線によって作成されているが、溝形部分線、ひいては溝形部分を画定するのに、他の取り付け手段を使用することもできる。また、バッフルを使用して溝形部分線を画定することもでき、その場合、バッフルの高さは特定のコンフォーター設計によって決まる。コンフォーターの一方の縁22に沿って、複数の吹込穴24が在り、図示の実施形態では2つの隣接する溝形部分毎に1つずつ設けられている。典型的には、それぞれの吹込穴は、一つ置きの溝形部分線の両側で3インチ(7.62cm)延びているであろう。これは、溝形部分内への充填材の吹き込みを容易にするためのものである。
【0008】
[0010]各溝形部分内には、複数のバッフル28−28が配置されており、これらは、吹込穴を二等分している溝形部分線の互いに反対側に位置する、交互に配置された溝形部分線から延びるようにして配置されている。図示の実施形態では、幾つかの溝形部分には、バッフルが3つ在り、一方、交互に配置されている溝形部分はバッフルが2つである。様々な溝形部分のバッフルの数は、無論、変わってもよい。図示の実施形態に表されている様に、バッフル28は、連続して配置される溝形部分の交互の側から、即ち、一つ置きに配置される溝形部分線から、延びている。例えば、図1では、バッフル28は、コンフォーターの一端30では溝形部分線29から、コンフォーターの中間領域では溝形部分線32と34から、そしてコンフォーターの他端38では溝形部分線36から、交互交代式に反対の方向に延びている。バッフルは、1つの溝形部分線でのそれらの取り付け点から、溝形部分を横断して反対側の溝形部分線まで、完全に延びているわけではない。典型的には、バッフル部材の自由端とこれに対向する溝形部分線との間に3インチ(7.62cm)の間隙が在る。
【0009】
[0011]バッフル部材28は、その長さに沿って上下布部分に固着されており、よって、溝形部分内では自由に動くことができない。図面に示されているバッフル部材は、1つの溝形部分のバッフル部材の位置が、隣接する溝形部分のバッフル部材の位置に対して互い違いになるように特徴付けられている。図示の実施形態のそれぞれの溝形部分のバッフルは、隣又は両隣りの溝形部分の2つの隣接するバッフルの間の大凡中間に配置されていることが示されている。例えば、1つの溝形部分に3つのバッフル、そして隣接する溝形部分に2つのバッフルを使用すれば、その様な配列が可能になる。それぞれの溝形部分のバッフルは、隣又は両隣りの溝形部分のバッフルの間の中間に在るのが好適とはいえ、バッフルは、他の配列にも配置することができ、即ち、どこか中間以外の点に配置することができる。また、隣接する溝形部分の間の間隔は、コンフォーター全体を通して同じであるのが好適とはいえ、間隔は、個々の溝形部分それぞれの内部で変わっていてもよいし、溝形部分毎に変わっていてもよいものと理解されたい。図示の実施形態では、間隔の寸法「A」は17インチ(43.18cm)、一方、寸法「B」は11インチ(27.94cm)である。これらの寸法は変わってもよい。
【0010】
[0012]溝形部分のバッフルは、コンフォーターを横断し且つコンフォーターの長さに沿って「ボックス」を画定している。幅及び長さ寸法でのボックス数は、コンフォーターのサイズに応じて変わるであろう。典型的には、幅寸法ではボックス数は、4と6の間で様々であり、一方、長さ寸法では6と8の間で様々であろうが、コンフォーターの全てのサイズについて例えば8というように同じであってもよい。
【0011】
[0013]バッフルを互い違いに配列することで、コンフォーター全体を通しての低温箇所の有意な減少がもたらされ、それにより、使用者の全体的な快適性が高まる。コンフォーターが充填された後、吹込穴24−24が縫い合わせて閉じられると、コンフォーターが完成する。充填材は様々であってよく、ポリエステルの様な合成充填材又は羽毛やダウンの様な天然充填材の両方、又はそれらの組わせが含まれる。
【0012】
[0014]図2は、コンフォーターの2つの側部44と46及び足側の端48に沿って外縁領域42が加えられた、図1のものと概ね同様の或る代わりの実施形態を示している。コンフォーターのそれぞれの角部には、マットレスへの取り付けに便利なように、角ループ50を設けることができる。図示の実施形態では、側部に沿った外縁領域の幅は大凡12インチ(30.48cm)で、足側の端に沿った外縁も、典型的に、大凡12インチ(30.48cm)である。外縁領域に沿って2つの布地部分を貫いて、1と1/2インチ(3.81cm)のタック52が縫い付けられている。図示の実施形態では、連続するタック52−52の間は10インチ(25.4cm)ある。図1の実施形態と同じく、バッフル54と溝形部分縫合線56によって画定される互い違いのボックスの数は、コンフォーターのサイズに応じ、例えば、幅寸法では2と5の間、長さ寸法では6と8の間で、様々であろうが、長さ寸法は、全てのサイズについて例えば7というように同じボックス数としてもよい。図2の実施形態は、互い違いのバッフルを備えたバッフル・ボックスの数個の吹込穴62の他に、外縁用の吹込穴60を含んでいる。
【0013】
[0015]以上、新規なコンフォーター配列を示したが、同配列は従来型のバッフル・ボックス・コンフォーターの実質的な変型であり、バッフルが、隣接する溝形部分の間に互い違いの位置で設けられ、コンフォーター全体を通しての低温線及び低温箇所の減少によって快適性が高められている。更に、バッフルは、吹込穴を閉じてコンフォーターを完成させる前のコンフォーターの充填が便利になるようなやり方で、配置され、溝形部分線に取り付けられている。
【0014】
[0016]説明を目的として、或る好適な実施形態を開示してきたが、好適な実施形態には、付随の特許請求の範囲によって定義されている本発明の精神から逸脱すること無く、様々な変更や修正及び置換が施されてもよいものと理解されたい。
【符号の説明】
【0015】
10 コンフォーター
12 上布地部分
14 下布地部分
16、29、32、34、36、56 縫合線(溝形部分線)
18 溝形部分
22 コンフォーターの一方の縁
24、62 吹込穴
28、54 バッフル
38 コンフォーターの他端
42 外縁領域
44、46 コンフォーターの側部
48 コンフォーターの足側の端
50 角ループ
52 タック
60 外縁用の吹込穴
A、B 間隔の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッフル・ボックス・コンフォーターであって、
2つの実質的に同一の布地部分と、
複数の並列状態に配置される溝形部分の縁部を画定する、前記布地部分の間の複数の取り付け線と、
前記溝形部分の各々に配置されているバッフル部材とを備え、前記バッフル部材は、前記溝形部分の一方の縁部に取り付けられており、各溝形部分内のバッフル部材の位置は、それぞれ、隣接する溝形部分のバッフル部材の位置に対して互い違いになっている、バッフル・ボックス・コンフォーター。
【請求項2】
前記布地部分の間の前記取り付け線は、その長さに沿って連続しており、これにより、前記コンフォーターの互いに反対側の端部の間に閉じた溝形部分を画定している、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項3】
前記溝形部分は幅が等しい、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項4】
前記取り付け線は縫合線である、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項5】
前記取り付け線は、前記布地部分にその互いに反対側の縁部に沿って取り付けられている、布地の部分を含む、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項6】
隣接する溝形部分のバッフル部材が、同じ溝形部分の縁部に取り付けられ、それぞれの溝形部分内で互いに反対方向に延びている、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項7】
前記バッフル部材は、該バッフル部材が配置されている前記溝形部分を完全に横断して延びることなく、充填材が、各溝形部分の前記バッフル部材によって画定されているボックスの全ての中へ吹き込まれることを可能にしている、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項8】
前記バッフル部材は、該バッフル部材の上下縁全体に沿って、前記布地部分に取り付けられている、請求項1に記載のコンフォーター。
【請求項9】
各溝形部分の前記バッフル部材は、それぞれ、隣接する溝形部分の前記バッフル部材の間の概ね中間に配置されている、請求項1に記載のコンフォーター。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−101789(P2011−101789A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−196473(P2010−196473)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508029734)パシフィック・コースト・フェザー・カンパニー (5)
【Fターム(参考)】