説明

バトルゲームシステム及びバトルゲーム機

【課題】初心者でも快適にゲームができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】バトルゲーム機のCPU12に、ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ13と、ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ14と、全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ15と、ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段と、
前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを配列、表示する手段を備え、前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームが可能な様々な装置、例えばゲーム場用のゲーム機や家庭用のゲーム機、ゲームが可能なパソコン、携帯電話その他の携帯端末など(以下、単にゲーム装置と言う。)、特に、携帯電話を用いて簡単に軽快なテンポでバトルゲームを行わせるためのゲームシステム及びバトルゲーム機に関する。
尚、本明細書及び特許請求の範囲において、ゲームシステムとは、ゲームサイトを含む大規模なものを指し、ゲーム機とは、スタンドアローン型のゲーム機や、通信機能を有する複数のゲーム機から成るものを言うものとする。
【背景技術】
【0002】
これらのゲームシステムによるバトルゲームは広く普及している。
このバトルゲームには、ゲーム機にインストールされているゲームソフトによるもの、所望のサイトからダウンロードしたゲームプログラムによるもの、所望のサイトにアクセスし、オンラインでゲームを行うものがあるが、本発明はその何れのゲームにも適用できるものである。
本発明の望ましい構成は、ゲームサイトとして運営されるシステムであるので、ここでは特にこのようなシステムについて説明する。
【0003】
このバトルゲームとは、1人または複数のプレイヤーが、それぞれ少なくとも1個のキャラクターを保有し、対戦するプレイヤーがそれぞれ選んだキャラクターの間でバトルを行わせ、その勝敗を競うものである。
このゲームシステムが、ゲームサイトとして構成されている場合には、プレイヤーがゲームに初めてエントリーするときは、予めそのゲームサイトに登録し、所定数のキャラクターから成る自己の軍団を編成する必要がある。
サイトに登録し、ゲームのルールに従って軍団を保有するプレイヤーは、随時にサイトにアクセスして、適宜に選ばれた相手との間でバトルゲームを行うことができるようになる。
【0004】
このキャラクターは、プレイヤーの分身、アバターであり、通常はモンスターや戦士などの姿をしており、それぞれステイタスや、パワー、経験値を有し、又、少なくとも一つのスキル、即ちバトルのための能力、即ち、スキルを保持している。
【0005】
キャラクターがモンスターであるとき、各プレイヤーの保有するモンスターは、そのプレイヤーのモンスター牧場で飼育されており、戦士であれば主人であるプレイヤーの館などに住まわされていて、指令を受けたときはバトルのための戦場に出る。
【0006】
以下の説明においては、先ず1人のプレイヤーが携帯電話によりプレイする1Pゲームについて説明し、次いで2人のプレイヤーが携帯電話を用いて行う対戦ゲームについて説明する。
又、以下の実施例においては、キャラクターをモンスターとして説明する。
初めてゲームを行うプレイヤーが最初にサイトに登録し、所定のエントリーフィーを払うと、一組のモンスター軍団が与えられ、それらは当該プレイヤーに与えられるモンスター牧場に入れられ、飼育される。
【0007】
各モンスターは少なくとも1個のスキルを与えられており、それぞれのプレイヤーが選んだスキルをもって、予め定められたゲームプログラムに従って、相手キャラクターと戦う。即ち、スキルとはキャラクターが帯同する武器若しくは発動し得る特殊能力などで示される戦闘能力である。
【0008】
プレイヤーは、ゲームルールの許す限り、所望のモンスターを購入したりトレードにより入手したりして、又、様々なスキルを購入してモンスターに与えて、軍団を強化することができる。
【0009】
又、プレイヤーは自己の所有するキャラクターを合体させ、より強力なキャラクターとすることができる。
又、プレイヤーはバトルルールに従って相手のモンスターを捕獲したり、トレードしたりして、自己の軍団に組み入れることができる。
このため、プレイヤーは、多くのキャラクターやレア物のキャラクターを集め、コレクションを楽しむことができ、又バトルの得点を競うことができるものである。
【0010】
然しながら、多数のキャラクターを保有するプレイヤーは、それらが保有するスキルの全てを記憶することが難しく、バトルに当ってそのスキルを選定するのに手間がかかる上、勝負の結果がプレイヤーの記憶力、判断力に掛かってしまうため、2Pゲームでは対戦者の間でテンポが合わなくなったり、1Pゲームでもゲームに時間が掛かったりし、そのため興味を失うプレイヤーも多いと言う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−210673
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、プレイヤーごとの記憶力や判断力に左右されること無く、子供や初心者などでも軽快なテンポでゲームを進行させることのできるバトルゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
バトルゲームシステムのCPUに、下記のメモリ及び制御手段を設ける。

1. ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ。
2.. ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ。
3. 全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ。
4. ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段。
5. 前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを排列、表示する手段。
6. 前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する手段。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記の如く構成されるので、本発明によるときはプレイヤーは、各自が保有するキャラクターやそれらの保持するスキルについて正しい記憶がなくても、又、バトルゲームに習熟していなくとも、軽快なテンポでゲームを行うことができるバトルゲーム機を提供し得るものである。
又本発明によるときは、2Pゲームでも勝敗の帰趨が技量の差に左右されることが少ないので、バトルゲームを大勢で楽しむことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、1Pゲームとして構成された、本発明に係るバトルゲームシステムの一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】図2は、プレイヤーが使用する携帯電話機に表示される画像中の表示領域区分を示す説明図である。
【図3】図3は、2P対戦型ゲームとして構成された、本発明に係るバトルゲームシステムの一実施例の構成を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明に係るバトルゲームシステムにおけるゲーム進行状況表示の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、図4に示されたものと同様な、携帯電話機に表示される画像の一例を示す説明図である。
【図6】図6は、図5に示した画像に続いて携帯電話機に表示される一画像の説明図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の最も望ましい実施例では、携帯電話機又は通信機能を有する携帯端末を用いてバトルゲームを行わせるためのゲームサイトとして構築される。
本発明に係るバトルゲームシステムは、1名のプレイヤーでプレイできる1Pゲームのみでなく、2名のプレイヤーが対戦する2Pゲームをも提供し得るものである。
以下、先ず1Pゲームを提供するゲームシステムについて説明する。
本実施例において、このゲームシステムは、バトルゲームサイトとして構築され、不特定多数のプレイヤーから随時アクセスを受け、バトルゲームを行わせるものである。
【0017】
このゲームシステムの構成は、図1に示されている。
図1において、ゲームサイト10は、入出力インターフェイス11と、CPU12と、ゲームに用いられる全てのキャラクターのデータを記録したキャラクターデータメモリ13と、全てのスキルのデータを記録したスキルデータメモリ14と、全てのプレイヤーのデータを記録したプレイヤーデータメモリ15と、これらを結ぶデータバス16を具備する。
20はプレイヤーが用いる携帯電話機、30はインターネットである。
プレイヤーが用いる携帯電話20はタッチパネルを具備するものであることが望ましいが、これには限定されるものではない。又、通信機能を有するパソコンなどの端末であっても良いこと勿論である。
【0018】
このゲームを初めて行おうとするプレイヤーは、サイト10にアクセスし、必要な個人データを入力して登録を受ける必要がある。かかる手続が済むと、プレイヤーに所定のモンスター軍団を割り当てられる。このモンスター軍団のモンスターは、プレイヤーに与えられるパーチャルモンスター牧場で飼育される。
このとき、プレイヤーが入力した個人データ及び割り当てられたモンスター軍団のデータは、プレイヤーデータメモリ15に記録され、その記録データは、後に行われるバトルの結果により更新される。
【0019】
次に、プレイヤーの携帯電話20の画面は、図示されていないモンスター選択画面となり、各自が保持するモンスターのリストが表示される。
このリストのモンスター表示欄には、少なくとも各モンスターの名称、アイコン、ステイタス及び保持されるスキルの名称とアイコンが表示される。
【0020】
プレイヤーは、自己の携帯電話機20に表示されたモンスターリストからそれぞれバトルに参加させるモンスターを所定数、例えば3匹、即ち、モンスターA、B及びCを選ぶ。
而して、公知のバトルゲームでは、各モンスターA、B及びCがバトルで発動するスキルは、プレイヤーが自分の判断で選択するものであるが、本発明は、これをバーチャルスロットで決めるものである。
【0021】
プレイヤーのモンスター選定が終了すると、携帯電話機20の画面は、例えば、図2に示すような対戦モードに切り替わる。
画面の上半部22は、バトル状況を表示する戦闘画面であり、下部の6つに区切られた部分はキャラクターに関係する表示部であり、24a、24b及び24cは、プレイヤーが選択した3匹のモンスター、即ち、モンスターA、B及びCのアイコンがそれぞれ表示される領域である。
【0022】
画面には一部しか表示されないが、バーチャルスロットリール26A、26B及び26Cが設けられており、その回転状況の一部及び出目が出目表示窓26a、26b及び26cに表示される。
図4には、このバーチャルスロットリール26A、26B及び26Cのイメージ図が示されている。
【0023】
それぞれのバーチャルスロットリール26A、26B及び26Cには、各モンスターA、B及びCが保持するスキルの全て、即ちスキルa1、a2、a3・・・ai;b1、b2・・・bj;及びc1、c2・・・ckが配置、表示されており、これが擬似的に回転し、その回転状況と出目が、出目表示窓26a、26b及び26cに表示されるものである。
【0024】
尚、上記では説明のため、「スロットリール」なる語を用いたが、これは単なる「エンドレスベルト」であれば良く、又、回転円盤の周辺に図柄を配置し、その絵柄の一つが扇型の出目表示窓に現れるタイプのものでもOKであり、更には単なる平ベルト上に排列した図形を繰り返しスクロールするようにしても良いものであり、要するに本発明は電子的スロット画像若しくはこれと類似の画像が表示されるもの全てを包含するものである。
【0025】
図4の上段左の画面は、プレイヤーがモンスターの選定を終った段階の画面であり、最下段のモンスター表示領域には、三角モンスターA、逆さ台形モンスターB及び五角モンスターCのアイコンが示されている。
これらのモンスターが持っている能力、即ちスキルと、そのアイコンは、図の下段に示されており、例えば、☆印は、モンスターAについては「相手を斬る」能力を、モンスターBについては「魔法で相手を氷攻撃する」能力を、モンスターCについては「仲間の攻撃力を強化する」能力を示すものであり、ハート型は、全てのモンスターについて「魔法で仲間を回復する」能力を示すものである。
【0026】
これらのスキルを示すアイコンは、図4の上段右の図に示されているように、それぞれのモンスターに対応するバーチャルスロットリール26a、26b及び26cの上に表示され、スロットが停止したときはその一つの絵柄が、表示窓26a、26b及び26cに表示されるようになっている。
【0027】
上部の戦闘領域に「敵が現れた」との表示がでて、敵のモンスターが現れると、バーチャルスロットの3本のリール26A、26B、26Cが回転を始める。
やがて左側のリールから順次減速が始まるので、プレイヤーはその目を見ながら停止操作をする。この停止操作方法としては、例えば、バーチャルスロットの表示窓26aにタッチをするなどの方法が考えられる。
【0028】
プレイヤーが停止操作可能な時間は一定の許容時間内に限定されており、その許容時間が経過すると当該バーチャルスロットリールは自動的に停止する。
一番左のリールが止まると、次いで中央のリールの減速が始まり、プレイヤーがその目を読みながらリールの回転を止め、次いで右側のリールで同様な操作が行われる。
【0029】
このとき、スロットルの出目が予め定められた役と合致しなければ、一番左側の領域26aに表示されたモンスターAがバトルに出場し、バーチャルリールの表示窓24aに表示されたアイコンが示すスキルを発動して、ゲーム機のコンピュータが選んだモンスターXとバトルを行う。
このとき、モンスターAが発動するスキルは領域28に示される。
【0030】
バトルは予めゲーム機に記録されたプログラムに従って実行され、勝敗に応じて適宜のゲーム処理が実行される。これらの演算は公知のバトルゲームのものと同様である。
以下、モンスターB,Cの順序で同様なバトルが行われる。
尚、参戦するモンスターの選定は、モンスターのアイコンがそれらの表示領域に表示された後、プレイヤーが自由に選択できるようにしても良い。この場合、プレイヤーが領域26a、26b、26cの何れかに表示されたモンスターの画像にタッチし、これにより選択されたモンスターを参戦させる。
【0031】
このとき、スロットの出目が予め定められた組合せ、即ち役に合致するとモンスターの合体が発生する。
例えば、図5及び6に示されているように、3個の表示窓24a、24b及び24cに示された絵柄が全て一致すると、3匹のモンスターが全て合体して、強力なのモンスターXとなり、そのモンスターXが最強のスキルを以って敵モンスターZに襲い掛かる。
【0032】
又、例えば、表示窓24a、24b及び24cの何れか2つの表示窓、例えば表示窓24b及び24cに示されたスキルのアイコンが一致すると、それらのスロットに対応するモンスターB及びCが合体して、一段と強力なモンスターYとなり、そのスキルが領域28に表示されると共に、モンスターYがそのバトルに参戦する。
【0033】
役は上記の例に限定されるものでなく、表示窓24a、24b及び24cに表示されたスキルが予め定められた組合せになると役が成立し、一匹のモンスターが変身したり、2匹又は3匹のモンスターが合体したりして新たなモンスターとなり、それらの新たなモンスターが参戦する。
この目的を達成するため、CUPに記録するゲームプログラムには、所望の役を少なくとも一つ規定し、出目がその役の一つに合致したとき上記モンスターの合体を行わせる手段を設ける。
【0034】
又、上記にはモンスターの合体を示したが、スキルを合体させる手段を設けることも推奨される。
これは例えば、モンスターAが剣攻撃のスキルを有し、モンスターBが雷攻撃のスキルを有するとき、特定の役がでたら、モンスターAの剣に雷が宿り、モンスターAが雷の宿った強力な剣で相手を襲うと言うものである。
【0035】
又、スキルの中には、相手モンスターにトレードを申し込むことのできるスキルもあり、この目がでると、相手のモンスターを自己の軍団に組み入れるためのプロポーズが可能となる。
このプロポーズが行われると、プレイヤーはゲームルールに従って定められた確率で相手のモンスターを獲得することができる。
【0036】
本発明に係るバトルゲームシステムにおいては、上記のゲームを実行させるため、ゲームサイトに、
ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ(13)と、
ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ(12)と、
全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ(11)と、
ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段と、
前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを排列、表示する手段と、
前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する手段と、
を設ける。
【0037】
次に、2名のプレイヤーの間でバトルを行う2Pバトルゲームについて説明する。
一般的に1Pゲームを2Pゲームに改訂する方法は公知であり、このバトルゲームでも、様々な形で2Pゲームに変更することができる。
以下に一つの変更例を示す。
この場合のゲームシステムの構成は図3に示されている。
図中、20A及び20BはそれぞれプレイヤーA及びBが使用する携帯電話機であり、他の構成要素は、搭載されるソフトウエアは相違するが、図1に示されたものと同一である。
【0038】
従って、上記のバトルゲームサイト10は、入出力インターフェイス11と、CPU12と、ゲームに用いられる全てのキャラクターのデータを記録したキャラクターデータメモリ13と、全てのスキルのデータを記録したスキルデータメモリ14と、全てのプレイヤーのデータを記録したプレイヤーデータメモリ15とを具備する。
【0039】
このゲームシステムは、対戦型バトルゲームサイトとして構築され、不特定多数のプレイヤーの間から選ばれた1組の対戦者A、Bの間でオンラインバトルゲームを行わせるものである。
従って、以下の説明においては、プレイヤーは全てプレイヤーデータべースに登録されているものとする。
このゲームシステムでは、公知の何らかの方法で選ばれた2人1組の対戦者A、Bの間でバトルゲームを行わせるものであるが、勿論、1人のプレイヤーがコンピュータが選んだモンスターと戦う1P ゲームも可能であることは勿論である。
プレイヤーが用いる携帯電話20A、20Bはタッチパネルを具備するものであることが望ましいが、これには限定されるものではない。又この場合も携帯電話以外の通信端末を利用できること勿論である。
【0040】
好ましい実施例においては、二人のプレイヤーA、Bは事前に通話し、バトルゲームを行うことを約し、それぞれ自己の携帯電話20A、20Bで同時にサイト10にアクセスし、互いに対戦相手のIDコードを送信すると、サイト10からはそれぞれの携帯電話機20A、20Bにそれぞれの保持するキャラクターデータが送られ、表示される。
【0041】
又、別の好ましい実施例においては、一人のプレイヤーCがサイト10にアクセスし、そこで待機しているプレイヤーのリストを閲覧し、その内の1人のプレイヤーDを選び、プレイヤーC,Dの間で対戦する。
【0042】
このとき各プレイヤーの携帯電話20A、20Bの画面は、図示されていないが、モンスター選択画面となり、各自が保持するモンスターのリストが表示される。
このリストのモンスター表示欄には、少なくとも各モンスターの名称、アイコン、ステイタス及び保持されるスキルの名称とそのアイコンが表示される。
【0043】
プレイヤーA、Bは、自己の携帯電話機20A、20Bに表示されたモンスターリストからそれぞれバトルに参加させるモンスターを3匹まで、即ち、モンスターA1、A2及びA3、モンスターB1、B2及びB3を選ぶ。
【0044】
両プレイヤーのキャラクター選定が終了すると、携帯電話機20A、20Bの画面は、例えば、図2に示すような対戦モードに切り替わる。
この画面は、両プレイヤーがそれぞれ所持する自己の携帯電話機の画面である。
画面の上半部22は、バトルの進行状況を表示する戦闘画面であり、下部の6つに区切られた部分はキャラクターに関係する表示部であり、24a、24b及び24cは、プレイヤーが選択した3匹のモンスターのアイコンがそれぞれ表示される領域である。
【0045】
プレイヤーAが選択したモンスターA1、A2及びA3のアイコンは、携帯電話機20Aに表示され、プレイヤーBが選択したモンスターB1、B2及びB3のそれは携帯電話機20Bに表示される。
この画面は、1Pゲームのときと同様であるが、双方のプレイヤーA、Bの携帯電話機の上部のバトル状況を表示する戦闘表示画面には互いの挑戦者、即ち相手のモンスターが敵として現れる。
【0046】
26a、26b及び26cは、図4の右側の画面20−2に示されているバーチャルスロットリール26A、26B、26Cの出目表示窓であり、それぞれのバーチャルスロットリール26A、26B、26Cには、モンスターA、B及びCが保持するスキルの全て、即ちスキルa1、a2、a3・・・ai、b1、b2・・・bj、及びスキルc1、c2・・・ckが表示されている。
28はバトルに際し選択されたスキルを表示する領域である。
上記の表示例は、図4に示されている。
【0047】
双方のプレイヤーのモンスター選択が終ると、バーチャルスロットリール26A、26B、26Cが回転を始め、やがて左側から順次減速し、停止する。この停止には、プレイヤーに関与させるようにすることもあるが、CPUがランダムに自動停止させるようにすることもある。
このとき、何れか一方のプレイヤーのスロットの出目が予め定められた組合せ、即ち役に合致するとそのプレイヤーが選択し出場させたキャラクターの間で合体が発生する。
【0048】
例えば、表示窓24a、24b及び24cの何れか2つの表示窓、例えば表示窓24b及び24cに示されたスキルが一致すると、それらのスロットに対応するモンスターB及びCが合体して、一段と強力なモンスターSとなり、そのスキルが領域28に表示されると共に、モンスターSがそのバトルに参戦する。
【0049】
若し、3個の表示窓24a、24b及び24cに示されたスキルが全て一致すると、3匹のモンスターが全て合体して更に強力なモンスターTとなり、そのモンスターTが敵モンスターに襲い掛かる。
【0050】
役は上記の例に限定されるものでなく、表示窓24a、24b及び24cに表示されたスキルが予め定められた組合せに成ると役が成立し、一匹のモンスターが変身したり、2匹又は2匹のモンスターが合体したりして新たなモンスターとなり、それらの新たなモンスターが参戦する。
何れの役も成立しないときは、予め定められた順序に従って、モンスターが参戦する。
【0051】

然るときは、予め定められたゲームプログラムに従って、双方のプレイヤーのモンスターの間でバトルが行われ、雌雄が決せられ、勝利したモンスターにアワードが、敗北したモンスターにはダメージが与えられる。
【0052】
又上記は、携帯電話等の移動端末を用いてゲームサイトを介してバトルゲームを行うゲームシステムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、家庭用ゲーム機に対しても応用でき、又アーケード用ゲーム機においても採用可能なものであって、本発明はこれら全ての応用例を包摂するものである。
【0053】
これら家庭用ゲーム機又は業務用ゲーム機においても、キャラクターデータメモリ、アイテムメモリ及びプレイヤーデータメモリが設けられ、携帯電話に代えて、適宜のゲーム入力装置及びディスプレイが設けられ、バトルゲームが行われる。
又業務用ゲーム機としては、スタンドアローン型のもののみでなく、複数のゲームターミナルと中央ゲーム制御装置とから成る大規模のゲーム機にも適用できるものである。
そして、ディスプレイ画面には、図2に示したのと同様なバーチャルスロットを含むディスプレイの表示が行われるものであり、本発明はこれら全ての変更例を含むものである。
【0054】
又、上記には、ゲームの具体的展開及びディスプレイの具体的表示方法について詳細に説明したが、これらの事項に関しては、無数の変更例を容易に考案し得るものである。
従って、本願発明の構成は上記に説明した実施例に限定されるものでない。
特に、バーチャルスロットの構成、特にそのリールの数及び形状は、何ら限定されるものではなく、自由に設計変更し得るものである。
【0055】
本発明の要旨とするところは、以下のようにゲームを構成し、実行することができるバトルゲームシステム及びバトルゲーム機である。

1. ゲームに参加するプレイヤーが、1ゲーム毎にゲームに参戦させるため複数のキャラクターを選択すること。
2. プレイヤーが選択できるキャラクターと同数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロットをディスプレイに表示すること。
3. 各キャラクターに対応するバーチャルスロットリールには、当該プレイヤーが選択したキャラクターが保有するスキルのアイコンを配置すること。
4. バーチャルスロットの出目により、当該キャラクターがバトルで発動するスキルを決定すること。
5. 以降は公知のバトルゲームと同様に予め定められたゲームプログラムに従ってバトル演算及び表示を行い、勝敗を定め、勝者にはアワードを、敗者にはダメージを与えること。
【0056】
上記バトルゲームを実行するため、バトルゲームシステム及びゲーム機のCPUに、下記のメモリ及び制御手段を設ける。

1. ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ。
2.. ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ。
3. 全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ。
4. ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段。
5. 前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを排列、表示する手段。
6. 前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する手段。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によるときは、複雑なバトルゲームを初心者でも携帯電話などで簡単に楽しむことができるようになる。
【符号の説明】
【0058】
10 ゲームサイト
11 入出力インターフェイス
12 CPU
13 モンスター(キャラクター)メモリ
14 スキルデータメモリ
15 プレイヤーデータメモリ
16 データバス
20 携帯電話機の表示画面
20a プレイヤーAの携帯電話機
20b プレイヤーBの携帯電話機
30 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ(13)と、
ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ(12)と、
全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ(11)と、
ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段と、
前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを排列、表示する手段と、
前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する手段と、
を具備したゲームサイト(10)から成るバトルゲームシステム。
【請求項2】
バーチャルスロットの出目が揃ったとき、出場予定のキャラクターを合体させ、強力なキャラクターを出現させる手段を備えた請求項1に記載のバトルゲームシステム。
【請求項3】
バーチャルスロットの出目が、予め定められた役に合致したとき、少なくとも2匹の出場予定のキャラクターを合体させ、強力なキャラクターを出現させる手段を備えた請求項1に記載のバトルゲームシステム。
【請求項4】
バーチャルスロットの出目が、予め定められた役に合致したとき、少なくとも2匹の出場予定のキャラクターが有するスキルを合体させ、強力なスキルを出現させる手段を備えた請求項1乃至3の何れか一に記載のバトルゲームシステム。
【請求項5】
バーチャルスロットが3本のバーチャルスロットリールから成る請求項1乃至4の何れか一に記載のバトルゲームシステム。
【請求項6】
ゲームに使用する全てのキャラクターのデータを記録するキャラクターデータメモリ(13)と、
ゲームに使用する全てのスキルのデータを記録するスキルデータメモリ(12)と、
全てのプレイヤーに関するゲームを記録するプレイヤーデータメモリ(11)と、
ディスプレイに、複数のバーチャルスロットリールから成るバーチャルスロット画像を生じさせる手段と、
前記バーチャルスロットリールに、それぞれプレイヤーが選択したキャラクターのスキルを示すアイコンを排列、表示する手段と、
前記バーチャルスロットを作動させ、その出目により、バトルに参加するキャラクターが当該バトルで発動するスキルを決定する手段と、
を具備したバトルゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−40059(P2012−40059A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181462(P2010−181462)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】