説明

バトルゲーム装置

【課題】フレンドファイヤー行為を有効に防止し得るバトルゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムに、A)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ一つの武器を用いてフレンドファイヤー行為を行ったことを検知するステップと、B)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数を求め、記録するステップと、C)FFの発生が検知される都度、ゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDを求め、これを記録するステップと、D)自軍被弾積算値ΣDが、予め定めた限界被弾値DMAXに達したとき以降、使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる武器Wnの使用命令を無効とするステップと、から成るサブルーチンを設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バトルゲーム装置に関し、特に、フレンドファイヤー防止機能付きバトルゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原則として2〜3名程度(1名の場合や3名以上の場合もある。)のプレイヤで1チームを構成し、各チームが、互いに火器により武装した複数のゲームキャラクタから成る戦闘集団(以下、自軍という。)を指揮して敵の戦闘集団(以下、敵軍と言う。)と対戦するバトルゲーム装置は、例えば下記の特許文献1にも開示されている。
そのようなバトルゲーム装置は、複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置と、ゲームの進展状態が表示されるディスプレイと、予め定められたゲームプログラムが記録され、各ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて各ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置と、を備えている。
ゲーム入力装置は、ゲーム画面に現れる自己の分身であるキャラクタ(戦闘員)を制御する移動用コントローラと、武器を制御する攻撃用コントローラとから構成され、通常はインターネットを通じて、ゲームを行うようになっている。
コントローラには、味方のメンバーと予め用意された簡単なメッセージのやり取りを行うためのメッセージ送信機が備えられている場合もある。
【0003】
各プレイヤは、ゲーム空間内に予め用意されたマシンガン、ピストル、マグナム、手榴弾、バズーカ等の武器を選択使用し、必要に応じて味方メンバーとメッセージ交換を行いながら敵軍を攻撃し、敵軍の壊滅と得点アップを目指してゲームを行う。
然しながら、プレイヤの中には、ゲームの混乱を狙って、故意に自軍のキャラクタ(自分自身のキャラクタや味方メンバーのキャラクタ)を攻撃し、損害を与える行為(以下、「フレンドファイヤー」又は「FF」と言う。)を行う悪質な者も存在し、そのような行為に対しては、同じチームの他のプレイヤもこれを中止させることができず、ゲーム装置自体にもこれを防止する手段が設けられていなかった。
そのため、そのような悪質なプレイヤと一緒にゲームをすることになった他のプレイヤは、ゲームを楽しむことができず、ゲーム料金の無駄遣いとなっても、対処手段がなく、諦める以外になかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2009−038835
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、上記のようなフレンドファイヤー行為を有効に抑制、防止して、全てのプレイヤがゲームを快適に楽しむことができるバトルゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、本発明の第1の形態、即ち、
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイと、
予め定められたゲームプログラムが記録され、各ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて各ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団(以下、自軍という。)を指揮して敵の戦闘集団(以下、敵軍と言う。)と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
上記ゲームプログラムに、下記ステップAないしDから成り、何れか一のキャラクタが武器を使用する都度起動されるサブルーチンを設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置によって達成できる。
A)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ一つの武器を用いて自軍のキャラクタを攻撃し、損害(以下、「自軍被弾値D」と言う。)を与えたこと(以下、「フレンドファイヤー」又は「FF」と言う。)を検知するステップ。
B)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数を求め、記録するステップ。
C)FFの発生が検知される都度、ゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDを求め、これを記録するステップ。
D)自軍被弾積算値ΣDが、予め定めた限界被弾値DMAXに達したとき以降、使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる武器Wnの使用命令を無効とするステップ。
【0007】
上記ステップDにおいて、使用命令が無効とされる武器Wnとしては、当該ゲームでFFに使用された回数が最多の武器を選ばせるようにすることが、一つの望ましい実施例としてあげられる。
【0008】
前記の目的は、本発明の第2の形態、即ち、
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイと、
予め定められたゲームプログラムが記録され、上記ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて上記ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団を指揮して敵の戦闘集団と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
上記ゲームプログラムに、下記ステップaないしdから成り、何れかのキャラクタが武器を使用する都度起動されるサブルーチンを設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置によって達成できる。
a)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ武器Wnを用いてFFを行ったことを検知するステップ。
b)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器Wnを特定し記録するステップ。
c)FFの発生が検知され、当該FFに使用された武器Wnが特定される都度、当該特定された武器Wn毎に、当該ゲーム開始時からの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnを求め、これを記録するステップ。
d)自軍被弾積算値ΣDWnが、当該武器Wnの種類毎に予め定めた限界被弾値DWnMAXに達したとき以降、当該FFに使用された武器Wnの使用命令を無効とするステップ。
【0009】
本発明の前記第1の形態のものは、そのゲームプログラムのサブルーチンを実行するための下記AないしDに記載の回路を設けたことを特徴とするバトルゲーム装置によって達成できる。
A)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ一つの武器を用いてFFを行ったことを検知する回路。
B)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数を求め、記録する回路。
C)FFの発生が検知される都度、ゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDを求め、これを記録する回路。
D)自軍被弾積算値ΣDが、予め定めた限界被弾値DMAXに達したとき以降、使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる武器Wnの使用命令を無効とする回路。
【0010】
本発明の前記第2の形態のものは、そのゲームプログラムのサブルーチンを実行するための下記aないしdに記載の回路を設けたことを特徴とするバトルゲーム装置によって達成できる。
a)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ武器Wnを用いてFFを行ったことを検知する回路。
b)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器Wnを特定し記録する回路。
c)FFの発生が検知され、当該FFに使用された武器Wnが特定される都度、当該特定された武器Wn毎に、当該ゲーム開始時からの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnを求め、これを記録する回路。
d)自軍被弾積算値ΣDWnが、当該武器Wnの種類毎に予め定めた限界被弾値DWnMAXに達したとき以降、当該FFに使用された武器Wnの使用命令を無効とする回路。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上記の如く構成され、本発明の第1の形態のバトルゲーム装置によるときは、特定のプレイヤ(ゲーム空間上のキャラクタ)が武器の種類の如何に関係なく行ったフレンドファイヤー行為による自軍被弾値の積算値(合計値)が予め定めた限界被弾値に達したときは、所定の武器の使用が不可能となるように構成され、また、本発明の第2の形態のバトルゲーム装置によるときは、特定のプレイヤが行ったフレンドファイヤー行為による武器ごとの自軍被弾値の積算値のいずれかが、予め定めた武器ごとの限界被弾値に達したときは、当該武器の使用が不可能となるように構成されるものであるから、フレンドファイヤー行為を効果的に抑制、防止でき、全てのプレイヤがゲームを快適に楽しむことができるバトルゲーム装置を提供し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るフレンドファイヤー防止機能付きバトルゲーム装置において、一人のプレイヤが操作するゲーム装置の構成を示す説明図である。
【図2】そのディスプレイ画面の説明図である。
【図3】本発明の第1の形態に係るバトルゲーム装置においてフレンドファイヤー防止機能を実現するための作動の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の形態に係るバトルゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の形態に係るバトルゲーム装置においてフレンドファイヤー防止機能を実現するための作動の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の形態に係るバトルゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面により、本発明に係るバトルゲーム装置の構成について説明する。
図1に示す実施例において、10は一人のプレイヤが使用するゲーム機、20はインターネットなどの通信ネットワークであり、12はゲーム演算用のゲーム制御装置(コンピュータ)、14は移動用コントローラ、16は攻撃用コントローラ、18はディスプレイである。
【0014】
図2に示す如く、ディスプレイ18の画面18aには、敵、或いは味方の戦闘集団、或いはその双方の戦闘集団を構成するプレイヤの分身となるキャラクタの画像A、B(図示した例では、味方のチームメイト)と、メッセージ送信機の指示画面Cなどが表示されている。Dは照準、Eはキャラクタ情報ウインドウである。
プレイヤは、移動用コントローラ14の主体部を傾けて自己の分身キャラクタの位置や姿勢を制御する。図の押ボタン14aは、メッセージ送信ボタンである。
プレイヤは又、攻撃用コントローラ16の銃把16a、ジョブダイアル16b及びトリガ16cを操作して敵を攻撃する。
【0015】
バトルゲームに参加した各プレイヤは、通常、ディスプレイ画面18aに表示される敵の戦闘集団や敵の陣地等を、マシンガン、ピストル、マグナム、手榴弾、バズーカ等の武器を用いて攻撃し、得点アップを目指してゲームを行う。
然しながら、プレイヤの中には、故意に自軍のキャラクタ(ディスプレイ画面18上の自分自身のキャラクタAや味方メンバーのキャラクタB、或いは味方の戦闘基地や戦闘集団)を攻撃し、損害を与えるフレンドファイヤー(FF)行為を行う悪質な者が存在することが知られている。
本発明においては、ゲーム装置にインストールされるゲームプログラム中に、そのようなフレンドファイヤー行為が行われた場合には、そのプレイヤの武器の使用を不可能にするサブルーチンを組み込んだものである。
以下、そのサブルーチンの各ステップについて説明する。
【0016】
図3は、本発明の第1の形態に係るバトルゲーム装置におけるフレンドファイヤー防止機能のためのサブルーチンによる作動の流れを示している。
この第1の形態においては、特定のプレイヤによって操作されるゲーム上のキャラクタ(戦闘員)が、武器の種類の如何に関係なく、使用可能な各種武器を用いて行ったフレンドファイヤー行為全体による自軍被弾値Dの積算値(合計値)ΣDが予め定めた限界被弾値DMAXに達したときは、所定の武器の使用が不可能となるよう構成されている。
各武器の1回のFF行為による自軍被弾値Dは、それぞれの武器について予め定められており、例えば、マシンガンの自軍被弾値Dは150、ピストルは100、マグナムは150、手榴弾は250、バズーカは300、等々に定められている。
【0017】
以下、図3を参照しつつ説明する。
[Aステップ]
ゲーム機にインストールされたゲームプログラム中に設けられたサブルーチンによって、まず、何れか一方のチームのキャラクタ(戦闘員)が、使用可能な武器のうちのいずれかの武器を用いてFF行為を行った場合には、そのことがサブルーチン部分のプログラムによって検知される。
この検知動作は、ゲームに参加しているすべてのプレイヤが操作するすべての武器について行われるようになっている。
【0018】
[Bステップ]
FFの発生が検知されると、その都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数が求められ、そのデータが記録される。
【0019】
[Cステップ]
FFの発生が検知される都度、上記Bステップにおいて記録された武器の情報及びFF回数のデータに基づき、特定のプレイヤのすべての武器についてのゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDが求められ、これが記録される。
例えば、或るプレイヤについて、マシンガンによるFFが2回(それによる自軍被弾値は150×2=300)、バズーカによるFFが1回(それによる自軍被弾値は300×1=300)生じている場合には、自軍被弾値Dの積算値ΣDは300+300=600となる。
【0020】
[Dステップ]
上記の如くして求められた自軍被弾積算値ΣD(=600)が、予め定めた限界被弾値DMAX(その値はサブルーチン内に設定されている。)に達したときは、それ以降は、キャラクタが使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる所定の武器Wn(例えばマシンガン)についてのプレイヤからの使用命令が発せられたとしても、これが無効とされ、そのプレイヤは当該武器Wnを使用することが不可能となる。
ゲームプログラムに従って選ばれる所定の武器Wnとしては、当該ゲームでFFに使用された回数が最多の武器を選定することが、通常の場合、妥当である。
なお、使用不可能となった武器は、封鎖されたアイコンとなって表示され、選択してもエラー音が発せられ、実装できないようにする。
【0021】
図4には、本発明の上記第1の形態に係るバトルゲーム装置の回路構成が示されている。
図4中、20は他のプレイヤのゲーム機との間でのデータ通信を可能とする通信用ネットワーク、22は通信回路、24は料金徴収装置、26はプレイヤのIDやこれまでのゲーム履歴等が記録されたゲームカードのカード読取書込装置、28はスピーカであり、その他のこれまでの図面に示した番号と同一番号のものはこれまでと同一の構成要素を示している。
【0022】
実質的にコンピュータからなるゲーム制御装置12は、移動用コントローラ14、攻撃用コントローラ16、ディスプレイ18、通信回路22、料金徴収装置24、カード読取書込装置26等の作動を制御し、バトルゲームを実行するために必要な演算制御を行うようになっている。
ゲーム制御装置12中のCPU121は、ハードディスクドライブ等のプログラムメモリ122に記録されたゲームプログラムを実行し、当該プログラムに従って、ゲームを進行させるために必要な演算処理を行う。当該ゲームプログラムには、前記FF防止機能を実現するためのサブルーチンも含まれている。
ワークRAM123は、CPU121の作動に必要なデータの授受と一時的なデータの記録、保持を行なう。
ROM124には、ディスプレイ18に表示する文字データ、画像データや音声データ等のほか、CPU121の作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。文字データや画像データ等は、前記プログラムメモリ122がハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置である場合には、そちらに記録するようにしてもよい。
クロック回路125は、装置全体の作動に必要なクロックパルスを発振すると共に、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行う。
【0023】
プログラムメモリ122には、前記の如く、FF防止機能を実現するための前記サブルーチンを含むゲームプログラムがインストールされている。
CPU121は、当該ゲームプログラムを、プログラムメモリ122及びワークRAM123の協働下において演算実行し、その演算結果を画像処理回路126を介してディスプレイ18にゲーム画像として表示しつつ、ゲームを進行させるように構成されている。
そして、本発明においては、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム制御装置18のハードウェア及びこれにインストールされたゲームプログラム(前記サブルーチンを含む)の協働作用により、前記[Aステップ]を実行するためのFF検知回路120Aや、前記[Bステップ]を実行するためのFF発生武器・回数記録回路120B、前記[Cステップ]を実行するための全武器の自軍被弾値積算回路120C、前記[Dステップ]を実行するための武器使用不可能化回路120Dが構築され、これによって前記FF防止機能が実現されるようになっている。
【0024】
図5は、本発明の第2の形態に係るバトルゲーム装置におけるフレンドファイヤー防止機能のためのサブルーチンによる作動の流れを示している。
この第2の形態においては、特定のプレイヤが行ったフレンドファイヤー行為による武器ごとの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnのいずれかが、予め定めた武器ごとの限界被弾値DWnMAXに達したときは、当該武器の使用が不可能となるように構成されている。
【0025】
以下、図5を参照しつつ説明する。
[aステップ]
ゲーム機にインストールされたゲームプログラム中に設けられたサブルーチンによって、まず、何れか一方のチームのキャラクタ(戦闘員)が、使用可能な武器の中から選んだ武器Wnを用いてFFを行った場合には、そのことがサブルーチン部分のプログラムによって検知される。
この検知動作は、ゲームに参加しているすべてのプレイヤが操作するすべての武器について行われるようになっている。
【0026】
[bステップ]
FFの発生が検知されると、その都度、当該FFに使用された武器Wnを特定し、その武器情報と、FFの回数が記録される。
【0027】
[cステップ]
FFの発生が検知され、当該FFに使用された武器Wnが特定される都度、当該特定された武器Wn毎に、上記bステップにおいて記録された武器情報と回数に基づき、当該ゲーム開始時からの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnが求められ、これが記録される。
【0028】
[dステップ]
上記の如くして求められたいずれかの武器の自軍被弾積算値ΣDWnが、当該武器Wnの種類毎に予め定めた限界被弾値DWnMAX(その値はサブルーチン内に設定されている。)に達したときは、それ以降は、当該FFに使用された武器Wnの使用命令がプレイヤから発せられたとしても、これが無効とされ、そのプレイヤは当該武器Wnを使用することが不可能となる。
【0029】
図6には、本発明の上記第2の形態に係るバトルゲーム装置の回路構成が示されている。
図6中、図4に示した番号と同一番号のものは同一の構成要素を示している。
このゲーム装置のプログラムメモリ122には、FF防止機能を実現するための上記第2の形態のゲーム装置のためのサブルーチンを含むゲームプログラムがインストールされている。
CPU121は、当該ゲームプログラムを、プログラムメモリ122及びワークRAM123の協働下において演算実行し、その演算結果を画像処理回路126を介してディスプレイ18にゲーム画像として表示しつつ、ゲームを進行させるように構成されている。
この第2の形態のゲーム装置においては、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム制御装置18のハードウェア及びこれにインストールされたゲームプログラム(前記サブルーチンを含む)の協働作用により、前記[aステップ]を実行するためのFF検知回路120aや、前記[bステップ]を実行するためのFF発生武器特定回路120b、前記[cステップ]を実行するための武器ごとの自軍被弾値積算回路120c、前記[dステップ]を実行するための武器使用不可能化回路120dが構築され、これによって前記FF防止機能が実現されるようになっている。
【0030】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明はその目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は上記の如く構成され、フレンドファイヤー行為を行ったプレイヤについては、その武器の使用が不可能となることにより、フレンドファイヤー行為を効果的に抑制、防止でき、全てのプレイヤがゲームを快適に楽しむことが可能なバトルゲーム装置を提供し得るものであるから、産業上多大の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0032】
10 一人のプレイヤが使用するゲーム機
12 ゲーム制御装置
120A FF検知回路
120B FF発生武器・回数記録回路
120C 全武器の自軍被弾値積算回路
120D 武器使用不可能化回路
120a FF検知回路
120b FF発生武器特定回路
120c 武器ごとの自軍被弾値積算回路
120d 武器使用不可能化回路
121 CPU
122 プログラムメモリ
123 ワークRAM
124 ROM
125 クロック回路
126 画像処理回路
127 サウンド回路
128 データバス
129 I/Oポート
14 移動用コントローラ
16 攻撃用コントローラ
18 ディスプレイ
20 通信用ネットワーク
22 通信回路
24 料金徴収装置
26 カード読取書込装置
28 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置(14,16)と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイ(18)と、
予め定められたゲームプログラムが記録され、各ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて各ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置(12)と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団(以下、自軍という。)を指揮して敵の戦闘集団(以下、敵軍と言う。)と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
上記ゲームプログラムに、下記ステップAないしDから成り、何れか一のキャラクタが武器を使用する都度起動されるサブルーチンを設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置。
A)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ一つの武器を用いて自軍のキャラクタを攻撃し、損害(以下、「自軍被弾値D」と言う。)を与えたこと(以下、「フレンドファイヤー」又は「FF」と言う。)を検知するステップ。
B)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数を求め、記録するステップ。
C)FFの発生が検知される都度、ゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDを求め、これを記録するステップ。
D)自軍被弾積算値ΣDが、予め定めた限界被弾値DMAXに達したとき以降、使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる武器Wnの使用命令を無効とするステップ。
【請求項2】
ステップDにおいて、使用命令が無効とされる武器Wnが、当該ゲームでFFに使用された回数が最多の武器である、請求項1に記載のバトルゲーム装置。
【請求項3】
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置(14,16)と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイ(18)と、
予め定められたゲームプログラムが記録され、上記ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて上記ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置(12)と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団を指揮して敵の戦闘集団と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
上記ゲームプログラムに、下記ステップaないしdから成り、何れかのキャラクタが武器を使用する都度起動されるサブルーチンを設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置。
a)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ武器Wnを用いてFFを行ったことを検知するステップ。
b)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器Wnを特定し記録するステップ。
c)FFの発生が検知され、当該FFに使用された武器Wnが特定される都度、当該特定された武器Wn毎に、当該ゲーム開始時からの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnを求め、これを記録するステップ。
d)自軍被弾積算値ΣDWnが、当該武器Wnの種類毎に予め定めた限界被弾値DWnMAXに達したとき以降、当該FFに使用された武器Wnの使用命令を無効とするステップ。
【請求項4】
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置(14,16)と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイ(18)と、
予め定められたゲームプログラムが記録され、各ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて各ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置(12)と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団(以下、自軍という。)を指揮して敵の戦闘集団(以下、敵軍と言う。)と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
何れか一のキャラクタが武器を使用する都度起動される下記AないしDに記載の回路を設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置。
A)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ一つの武器を用いてFFを行ったことを検知する回路(120A)。
B)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器の種類を特定し、当該武器がゲーム開始時からFFに使用された回数を求め、記録する回路(120B)。
C)FFの発生が検知される都度、ゲーム開始時からの自軍被弾値Dの積算値ΣDを求め、これを記録する回路(120C)。
D)自軍被弾積算値ΣDが、予め定めた限界被弾値DMAXに達したとき以降、使用可能な武器の中からゲームプログラムに従って選ばれる武器Wnの使用命令を無効とする回路(120D)。
【請求項5】
対戦するチームを構成する複数のプレイヤによりそれぞれ操作されるゲーム入力装置(14,16)と、
ゲームの進展状態が表示されるディスプレイ(18)と、
予め定められたゲームプログラムが記録され、上記ゲーム入力装置からのゲーム入力に応じ、ゲームプログラムに従ってゲーム演算を行い、その演算結果に基づいて上記ディスプレイにゲーム進行状況を表示するゲーム制御装置(12)と、を具備し、
各チームが、互いに火器により武装した複数のキャラクタから成る戦闘集団を指揮して敵の戦闘集団と対戦するゲームをプレイヤに行わせるバトルゲーム装置において、
何れかのキャラクタが武器を使用する都度起動される下記aないしdに記載の回路を設けたことを特徴とする上記のバトルゲーム装置。
a)何れか一方の戦闘集団のキャラクタが、使用可能な武器の中から選んだ武器Wnを用いてFFを行ったことを検知する回路(120a)。
b)FFの発生が検知される都度、当該FFに使用された武器Wnを特定し記録する回路(120b)。
c)FFの発生が検知され、当該FFに使用された武器Wnが特定される都度、当該特定された武器Wn毎に、当該ゲーム開始時からの自軍被弾値DWnの積算値ΣDWnを求め、これを記録する回路(120c)。
d)自軍被弾積算値ΣDWnが、当該武器Wnの種類毎に予め定めた限界被弾値DWnMAXに達したとき以降、当該FFに使用された武器Wnの使用命令を無効とする回路(120d)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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