説明

バナナ保存シート

【課題】

通常でのバナナの保存は 痛みが早く日持ちがしない。また、従来のバナナ保管専用のバナナスタンドを使ってみても、その効果が殆ど見られない。更に、保存の目的で冷蔵庫に保管すると、バナナの表皮が黒ずみなど、著しく外観を損ない、それに伴うが如く、腐敗の進行性も加速される。
【解決手段】
空気室の独立個室を多数設け、シート状にした緩衝作用、及び、断熱効果のある専用シートでバナナを包み、冷蔵庫等の低温域で、一定温度で保存することにより、バナナを外気、外圧等から守り、バナナの外見を損なうことなく、通常時の保存よりも、遥かにより良い状態で、長期に保存が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バナナを新鮮な状態で保存するための包装シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バナナの保存は、箱やテーブル、フルーツ皿等の器に直に置いたり、また、バナナ専用のバナナスタンドやバナナツリーに吊るしたりして保管していたが、自然熟成が非常に早い果物のため、常温での保管は日持ちがしなかった。また、冷蔵庫での保管においては、バナナ表皮が黒ずむ(変色)などの外観を損なう現象が著しく、敬遠されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、バナナの外皮の黒ずみを防止し、長期にわたり自然な黄色を保ちつつ、且つ、味、食感、鮮度を維持することが可能な、バナナの保存シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数の空気室の個室を多数設けたシートを複数層重ね合わせたシートで、シート上に空気室の個室を形成し、このシートでバナナを包み、又は、バナナを巻いて、冷蔵庫等の低温域に保管することが最も主要な特徴である。
【発明の効果】
【0005】
本発明のバナナ保存シートは、空気室3の部分が、バナナと外部の接触時の緩衝作用によって、冷蔵庫等の床面などとの間で生ずる圧力を和らげ、その衝撃からくる痛みを防止することができる。
【0006】
本発明のバナナ保存シートは、バナナを外気と外圧から守り、ヘタ傷、果指傷、スレ傷、ヘタ腐、軸腐等の発生を抑えることができる。また、冷蔵庫等で、一定温度で保存することで、空気室の気泡部分の断熱作用効果によって、急激な温度の低下(温度変化)が抑えられる結果、バナナ表皮の黒ずみや変色等を防止し、長期にわたり自然な黄色を保ちつつ、味、食感への変化をきたすことなく、また、バナナの外見を損なうことなく、通常時の保存よりも新鮮な状態で長期に保存ができる。
【0007】
本発明のバナナ保存シートは、冷蔵庫という低温域で保管することにより、バナナの自然熟成が抑制され、バナナ外皮の変色や熟成を遅延させ、併せて、バナナの呼吸等の活動も抑制されることで、酸素過多によるシュガースポットの発生を防止することができる。
【0008】
本発明のバナナ保存シートは、本シートでバナナを包むことで、バナナの過剰な水分の蒸発を抑制することができる。従って、その結果、バナナを瑞々しく新鮮な状態で、鮮度良く保存することができる。
【0009】
本発明のバナナ保存シートは、桃や梨、葡萄など、その他のデリケートなフルーツの保存にも同様の使用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のバナナ保存シートを示す平面図である。
【図2】本発明のバナナ保存シートを示す側面図である。
【図3】本発明のバナナ保存シートの一部を拡大した空気室の側面図である。
【図4】本発明のバナナ保存シートのアウターカバーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態を図面に基付いて説明すると、柔軟な合成樹脂製の基材1の面にカバー材2を載せて気泡によって形成された中空状の空気室の個室3を多数形成すると良い。従って、例えば、ポリエチレンの膜で気泡を包み込んだ無数の空気室をシートにしたものを2層以上重ねた状態がよく、空気室3の凸部分が表と裏の両面(図2)に出るように縫い合わせる。但し、シートを広げた状態において、空気室3が片面だけ凸の形状であっても十分に同様の効果が認められるので片面だけ凸の形状でも良いとする。
【0012】
前記、シートを縫い合わせる場合、縫製する代わりに、例えば、シートの縁部分を接着、又は逢着、又は溶着、又は圧着することも可能であることは言うまでもない。
【0013】
前記シートの表と裏に位置する空気室の位置関係は、複数層にくるんだ状態に於いて、空気室3によって形成される空気室の層が厚みを増すように形成されることが望ましい。従って、今、本発明のバナナの保存シートを使用するには、広げた状態の本シートを用いて保存しようとするバナナをくるみ、冷蔵庫等に保管する場合、この時の本バナナの保存シートは、バナナの上に複数層に渡って覆いかぶさるようにくるまれている事がよく、このような状態を形成するに可能な十分な大きさであることが望ましい。
【0014】
本シートにバナナを包んでバナナを保管する際、その保管場所は冷蔵庫等の低温域で保管することが望ましいが、その中でも特に、冷蔵庫に於ける野菜保管室に保存することが最も望ましい。
【0015】
本シートは、外装を汚れにくく、且つ、汚れても簡単に水拭きできれいにできるように、また、バナナをくるみ易いように、柔軟性のある材料からなる複数のアウターカバー材4で、カバー材2及び基材1に依って構成されるシートの全体をカバーすると良い。
【0016】
無数の空気室から構成される本包装シートは、バナナを幾重にもくるみ込む為、非常にかさばりやすいので、使い勝手を考慮し、外装をキルト状化にすることが望ましく、しかし、くるみこむ過程でのシートのかさばりを回避できれば、キルト状化のみに固執しない。
【実施例】
【0017】
以下、本発明のバナナ保存シートの実施例を図面に基づいて説明すると、空気室を形成するに当たり、基材1の両面にカバー材2を配し、基材1の両面に多数の空気室3を設けることも可能であることはいうまでもない。尚、この場合に於いても発明を実施するための形態と同様の作用と効果を有するものである。
【0018】
本実施例のバナナ保存シートは、バナナを外圧からの衝撃(痛みや腐敗の原因)と温度、温度差による変化等から生ずる、バナナの表皮の痛み、黒ずみ等を防止するのに十分な大きさの空気室とシートの大きさがあれば、その使用形態をシート以外の方法でも使用することができ、また、同様の効果を有するものである。従って、例えば、店頭販売されている袋入りの房バナナのように、本発明のバナナ保存シートを袋状の形態(図示していない)にすることも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0019】
1 基材
2 カバー材
3 空気室
4 アウターカバー材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気室の独立個室を多数設けたシートを複数層重ねたことを特徴とするバナナ保存シート。
【請求項2】
前記、シート状の基材1の両面に空気室の独立個室を多数設けた請求項1記載のバナナ保存シート。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−12049(P2012−12049A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148668(P2010−148668)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(710006404)
【Fターム(参考)】