説明

バニロイド受容体拮抗薬としての新規な化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩、及びこれを含む医薬組成物

本発明は、バニロイド受容体(バニロイド受容体1;VR1;TRPV1)拮抗薬としての新規な化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩、及びこれを含む医薬組成物に関する。本発明は痛み、片頭痛、関節痛、神経痛、神経障害、神経損傷、皮膚疾患、膀胱過敏症、過敏性腸症候群、便意切迫、呼吸障害、肌、目または粘膜への刺激、胃・十二指腸潰瘍、炎症性疾患、耳疾患、及び心疾患などの予防及び治療のための医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バニロイド受容体(Vanilloid Receptor)[Vanilloid Receptor1; VR1; TRPV1]拮抗薬としての新規な化合物、その異性体、又はその薬剤学的に許容される塩、及びこれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
バニロイド受容体の活性に係わる疾患としては(Nagyらの文献[2004,Eur.J.Pharmacol.500,351−369])、痛み、例えば急性痛み、慢性痛み、神経障害性痛み、手術後の痛み、リウマチ性関節痛、骨関節症の痛み、帯状疱疹後神経痛、神経痛、頭痛及び片頭痛(Petersenらの文献[2000,Pain,88,pp125−133];Walkerらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp56−62]);神経関連疾患、例えば神経障害、HIV関連神経障害、神経損傷、神経変性及び卒中(Parkらの文献[1999,Arch.Pharm.Res.22,pp432−434];Kimらの文献[2005,J.Neurosci.25(3),pp662−671]);糖尿病性神経障害(Kameiらの文献[2001,Eur.J.Pharmacol.422,pp83−86]);便意切迫(fecal urgency);過敏性腸症候群(Chanらの文献[2003,Lancet,361,pp385−391]);炎症性腸疾患(Yiangouらの文献[2001,Lancet,357,pp1338−1339]);消化器官疾患、例えば胃・十二指腸潰瘍及びクローン病(Crohn’s disease)(Holzer Pの文献[2004,Eur.J.Pharm.500,pp231−241];Geppettiらの文献[2004,Br.J.Pharmacol.,141,pp1313−1320]);呼吸器官疾患、例えばゼンソク、慢性閉塞性肺疾患(Hwangらの文献[2002,Curr Opin Pharm pp235−242];Spinaらの文献[2002,Curr Opin Pharm pp264−272]);尿失禁(Birderらの文献[2002,Nat.Neuroscience,5,pp856−860]);膀胱過敏症(urinary bladder hypersensitiveness)(Birderらの文献[2001,Proc.Natl.Acad.Sci.98,pp13396−13401]);神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、例えば乾癬、掻痒症及び痒疹(Southallらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp217−222]);肌、目又は粘膜刺激(Tominagaらの文献[1998,Neuron 21 pp531−543]);聴覚過敏症;耳鳴り;前庭の過敏症(vestibular hypersensitiveness)(Balabanらの文献[2003,Hear Res.175,pp165−70]);心疾患、例えば心筋収縮性(inotropic)虚血など(Scotlandらの文献[2004,Circ.Res.95,pp1027−1034];Panらの文献[2004,Circulation,110,pp1826−1831])が挙げられる。
【0003】
バニロイド受容体(VR1)は唐辛子の辛味成分であるカプサイシン(capsaicin)(8−メチル−N−バニリル−6−ノネンアミド)に対する受容体である。また、その分子クローニングは1997年に報告された(Caterinaらの文献[1997,Nature 389,pp816−824])。前記受容体は6個の膜貫通領域からなる非選択性陽イオンチャネルであり、TRPチャネル群に属し、これは最近TRPV1と命名された。一方、バニロイド受容体はカプサイシン、レジニフェラトキシン(resiniferatoxin)、熱、酸、アナンドアミド(anandamide)、脂質の代謝産物などのような刺激によって活性化されるので、哺乳動物で物理化学的な有害刺激の分子インテグレーター(molecular integrator)として重要な役割をすることが明らかになった(Tominagaらの文献[1998,Neuron 21 pp531−543];Hwangらの文献[2000,PNAS,97,pp6155−6160])。内因性(endogenous)/外因性(exogenous)刺激によるバニロイド受容体の活性化は有害刺激の伝達だけでなく、神経ペプチド、例えば物質P、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド:Calcitonin Gene−Related Peptide)などの放出を誘導して神経性炎症をもたらす。バニロイド受容体は1次求心性(afferent)感覚ニューロンで高度に発現される。また、これは多様な器官や組職、例えば膀胱、腎臓、肺、小腸及び肌、及び中枢神経系(CNS)、例えば脳及び非神経性組職でも発現されると報告されている(Mezeyらの文献[2000,PNAS,97,pp3655−3660];Standerらの文献[2004,Exp.Dermatol.13,pp129−139];Cortrightらの文献[2001,BBRC,281,pp1183−1189])。特に、TRPV1受容体ノックアウト(knock−out)マウスは有害な物理的刺激に対して正常的な反応を示すが、バニロイドによる熱刺激に対する疼痛反応及び感覚感受性は弱くなり、炎症状態でさえ熱刺激に対する痛覚過敏(hyperalgesia)をほとんど示さない(Caterinaらの文献[2000,Science 288,pp306−313];Davisらの文献[2000,Nature 405,pp183−187];(Karaiらの文献[2004,J.Clin.Invest.,113,pp1344−1352])。最近、バニロイド受容体の追加的な役割がバニロイド受容体が他のTRPチャネルであるTRPV3とヘテロ多量体の形態で存在し得るという可能性の提示によって推測されている(Smithらの文献[2002,Nature,418,pp186−190])。
【0004】
前述したように、バニロイド受容体ノックアウトマウスは熱又は有害刺激に対する反応が減退することから、バニロイド受容体拮抗薬が多様な痛み症状の予防又は治療に利用できる可能性が高くなっている。最近、かかる可能性は知られているバニロイド受容体拮抗薬であるカプサゼピン(capsazepine)が炎症性及び神経障害性痛みのモデルでも物理的刺激によりもたらされた痛覚過敏を弱めるという報告によって裏付けられる(Walkerらの文献[2003,JPET,304,pp56−62];(Garcia−Martinezらの文献[2002,Proc.Natl.Acad.Sci.99,2374−2379])。また、求心性神経細胞の1次培養物をバニロイド受容体作用薬、カプサイシンなどで処理すれば神経機能を損傷させ、ひいては神経細胞を死滅させる。バニロイド受容体拮抗薬は神経機能のこのような損傷及び神経細胞の死滅に対して防御作用をする(Holzerの文献[1991,Pharmacological Reviews,43,pp143−201];Mezeyらの文献[2000,PNAS,97,3655−3660])。バニロイド受容体は胃腸管のすべての領域、例えば張筋の神経節、筋層(tunica muscularis)、粘膜及び上皮細胞で発現される。特に、バニロイド受容体は結腸及び回腸の炎症性疾患で高度に発現される。
また、バニロイド受容体の活性化は感覚ニューロンを刺激し、刺激された感覚ニューロンは腸疾患の病因において重要な役割をすると知られている神経ペプチドの放出をもたらす。胃腸疾患の進行におけるバニロイド受容体の役割は明らかになっており、最近の科学論文及び刊行物に開示されている:例えば、Holzerの文献[2004,Eur.J.Pharm.500,pp231−241];及びGeppettiらの文献[2004,Br.J.Pharmacol.,141,pp1313−1320]。これらの文献によれば、バニロイド受容体拮抗薬は胃腸疾患、例えば胃食道逆流症(gastro−esophageal reflux disease:GERD)及び胃・十二指腸潰瘍(gastroduodenal ulcer:DU)の予防及び治療に効果的であると見られる。バニロイド受容体を発現する感覚ニューロンの数が過敏性腸症候群を病む患者において増加すると報告されており、このように増加したバニロイド受容体の発現は疾患の進行に関与することが明らかになった(Chanらの文献[Lancet,361,pp385−391])。他の研究はバニロイド受容体の発現が炎症性腸疾患を病む患者において著しく増加することを指摘している。これと共に、バニロイド受容体拮抗薬はこのような腸疾患に対して治療学的に有効であると見られている(Yiangouらの文献[2001,Lancet,357,pp1338−1339])。バニロイド受容体を発現する求心性神経は気道粘膜に多量分布されている。気道過敏性は痛覚過敏と非常に類似しており、プロトン及びリポキシゲナーゼ(lipoxygenase)産物(これはバニロイド受容体に対する内因性リガンドと明らかになった)はゼンソク及び慢性閉塞性肺疾患の進行に関与する重要な因子として知られている(Hwangらの文献[Curr.Opin.Pharm.pp235−242];(Spinaらの文献[2002,Curr.Opin.Pharm.pp264−272])。なお、一種のゼンソク誘発物質である空気汚染物質、即ち、微粒子物質がバニロイド受容体に特異的に作用し、かかる作用はカプサゼピンによって阻害されると報告されているので、呼吸器疾患に対するバニロイド受容体拮抗薬の使用可能性が提案されている(Veronesiらの文献[2001,NeuroToxicology,22,pp795−810])。膀胱過敏症及び尿失禁は多様な中枢/末梢神経障害又は損傷に起因し、カプサイシン反応性感覚ニューロンは膀胱機能調節及び炎症に重要な役割をする。また、ラットの膀胱上皮(尿路上皮)におけるバニロイド受容体の免疫反応性が報告されており、カプサイシンによって誘導された膀胱過活性は神経纎維に存在するバニロイド受容体、又はバニロイド受容体によって放出される多様な伝達物質の刺激に起因すると知られている(Birderらの文献[2001,Proc.Natl.Acad.Sci.98,pp13396−13401])。なお、VR1(TRPV1)−/−マウスは解剖学的には正常であるが、正常マウスに比べて低収縮力による非排尿性膀胱収縮を示し、これはバニロイド受容体が膀胱の機能に影響を及ぼすことを意味する(Birderらの文献[2002,Nat.Neuroscience,5,pp856−860])。最近、一部のバニロイド作用薬が膀胱疾患の治療剤として開発されている。バニロイド受容体はヒトの上皮ケラチノサイト(keratinocyte)だけでなく、1次求心性感覚ニューロンに分布されており(Dendaらの文献[2001,Biochem.Biophys.Res.Commun.,285,pp1250−1252];(Inoueらの文献[2002,Biochem.Biophys.Res.Commun.,291,pp124−129])、多様な有害刺激の伝達及び痛み、例えば皮膚刺激及び掻痒症に関与して神経症性/非神経症性因子に起因する皮膚病及び皮膚疾患、例えば皮膚炎の発病原因と密接な関係を有する。これはバニロイド受容体拮抗薬であるカプサゼピンがヒトの肌細胞で炎症性因子を阻害するという報告によって裏付けられる(Southallらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp217−222])。
前述の情報に基づいて、多様なバニロイド受容体拮抗薬の開発が進められており、開発中のバニロイド受容体拮抗薬に関する特許及び特許出願が最近公開されているが、これにも前述の情報が詳しく言及されている)(Ramiらの文献[2004,Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies,1,pp97−104])。
【0005】
上で論議された理論的背景に基づいて広範囲かつ集中的に研究した結果、本発明者らはバニロイド受容体に対する選択的拮抗作用を有する新規な化合物を合成することによって本発明を完成するに至った。意外なことに、フェニル環のうち一つの環上に少なくとも二つの置換基を有するジベンジル尿素化合物、又は非分岐、または分岐状の骨格を有するベンジルシアナモイル化合物は、特に高い活性を有するバニロイド受容体調節剤であることが明らかになった。
【非特許文献1】Nagyらの文献[2004,Eur.J.Pharmacol.500,351−369]
【非特許文献2】Petersenらの文献[2000,Pain,88,pp125−133]
【非特許文献3】Walkerらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp56−62]
【非特許文献4】Parkらの文献[1999,Arch.Pharm.Res.22,pp432−434]
【非特許文献5】Kimらの文献[2005,J.Neurosci.25(3),pp662−671]
【非特許文献6】Kameiらの文献[2001,Eur.J.Pharmacol.422,pp83−86]
【非特許文献7】Chanらの文献[2003,Lancet,361,pp385−391]
【非特許文献8】Yiangouらの文献[2001,Lancet,357,pp1338−1339]
【非特許文献9】Holzer Pの文献[2004,Eur.J.Pharm.500,pp231−241]
【非特許文献10】Geppettiらの文献[2004,Br.J.Pharmacol.,141,pp1313−1320]
【非特許文献11】Hwangらの文献[2002,Curr Opin Pharm pp235−242]
【非特許文献12】Spinaらの文献[2002,Curr Opin Pharm pp264−272]
【非特許文献13】Birderらの文献[2002,Nat.Neuroscience,5,pp856−860]
【非特許文献14】Birderらの文献[2001,Proc.Natl.Acad.Sci.98,pp13396−13401]
【非特許文献15】Southallらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp217−222]
【非特許文献16】Tominagaらの文献[1998,Neuron 21 pp531−543]
【非特許文献17】Balabanらの文献[2003,Hear Res.175,pp165−70]
【非特許文献18】Scotlandらの文献[2004,Circ.Res.95,pp1027−1034]
【非特許文献19】Panらの文献[2004,Circulation,110,pp1826−1831]
【非特許文献20】Caterinaらの文献[1997,Nature 389,pp816−824]
【非特許文献21】Tominagaらの文献[1998,Neuron 21 pp531−543]
【非特許文献22】Hwangらの文献[2000,PNAS,97,pp6155−6160]
【非特許文献23】Mezeyらの文献[2000,PNAS,97,pp3655−3660]
【非特許文献24】Standerらの文献[2004,Exp.Dermatol.13,pp129−139]
【非特許文献25】Cortrightらの文献[2001,BBRC,281,pp1183−1189]
【非特許文献26】Caterinaらの文献[2000,Science 288,pp306−313]
【非特許文献27】Davisらの文献[2000,Nature 405,pp183−187]
【非特許文献28】Karaiらの文献[2004,J.Clin.Invest.,113,pp1344−1352]
【非特許文献29】Smithらの文献[2002,Nature,418,pp186−190]
【非特許文献30】Walkerらの文献[2003,JPET,304,pp56−62]
【非特許文献31】Garcia−Martinezらの文献[2002,Proc.Natl.Acad.Sci.99,2374−2379]
【非特許文献32】Holzerの文献[1991,Pharmacological Reviews,43,pp143−201]
【非特許文献33】Mezeyらの文献[2000,PNAS,97,3655−3660]
【非特許文献34】Holzerの文献[2004,Eur.J.Pharm.500,pp231−241]
【非特許文献35】Geppettiらの文献[2004,Br.J.Pharmacol.,141,pp1313−1320]
【非特許文献36】Chanらの文献[Lancet,361,pp385−391]
【非特許文献37】Yiangouらの文献[2001,Lancet,357,pp1338−1339]
【非特許文献38】Hwangらの文献[Curr.Opin.Pharm.pp235−242]
【非特許文献39】Spinaらの文献[2002,Curr.Opin.Pharm.pp264−272]
【非特許文献40】Veronesiらの文献[2001,NeuroToxicology,22,pp795−810]
【非特許文献41】Birderらの文献[2001,Proc.Natl.Acad.Sci.98,pp13396−13401]
【非特許文献42】Birderらの文献[2002,Nat.Neuroscience,5,pp856−860]
【非特許文献43】Dendaらの文献[2001,Biochem.Biophys.Res.Commun.,285,pp1250−1252]
【非特許文献44】Inoueらの文献[2002,Biochem.Biophys.Res.Commun.,291,pp124−129]
【非特許文献45】Southallらの文献[2003,J.Pharmacol.Exp.Ther.,304,pp217−222]
【非特許文献46】Ramiらの文献[2004,Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies,1,pp97−104]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的はバニロイド受容体に対する強力な拮抗薬として有用な新規な化合物、その異性体及びその薬剤学的に許容される塩;及びこれを含む医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は式(Ia)の新規な化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩、及びこれを含む医薬組成物を提供する:
【化1】

式中、
XはCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素、ハロゲン、C1−C5アルキルまたはフェニルであり;
及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルカルボニルアミノ、C1−C5アルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニルまたはC1−C5アルコキシカルボニルであり;
は水素、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシまたはハロ(C1−C5)アルキルであり;
、R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
はC1−C5アルキルスルホニルまたはC2−C5アルケニルスルホニルであり;
10は水素であり;
前記Rが水素ではない場合には、前記R11及びR12も水素ではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明による化合物は痛み、片頭痛、関節痛、神経痛、神経障害、神経損傷、皮膚疾
患、膀胱過敏症、過敏性腸症候群、便意切迫、呼吸障害、肌、目または粘膜への刺激、胃・十二指腸潰瘍、炎症性疾患、耳疾患、及び心臓疾患などを予防及び治療するのに有用である。
【0009】
さらに具体的に、本発明による化合物は、急性の痛み、慢性の痛み、神経障害性の痛み、手術の後痛み、リウマチ性関節痛、変形性関節症の痛み、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、HIV関連の神経障害、神経変性、卒中、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、掻痒症、痒疹、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、尿失禁、炎症性大腸炎、聴覚過敏症、耳鳴り、前庭の過敏症及び虚血性心疾患の予防及び治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい一実施態様によれば、XがCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、エチルまたはプロピルであり;R及びRは各々独立に水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、トリフルオロメチル、メトキシまたはエトキシであり;Rが水素、メチル、エチルまたはメトキシであり;R、R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、C2−C5アルキニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、フェニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
前記Rがメタンスルホニル、エタンスルホニルまたはエテニルスルホニルであり;R10が水素であり;前記Rが水素ではない場合には、前記R11及びR12も水素ではない式(Ia)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0011】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、XがトランスCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素またはメチルであり;Rが水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、メトキシまたはエトキシであり;Rが水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;Rが水素であり;R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;Rがハロ(C1−C3)アルキル、イソプロピルまたはt−ブチルであり;Rがメタンスルホニルであり;R10が水素である化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0012】
本発明の更に好ましい実施態様によれば、XがトランスCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素またはメチルであり;Rが水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;Rが水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;Rが水素であり;Rが水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;R、R及びRがいずれも水素であり;Rがイソプロピルまたはt−ブチルであり;Rがメタンスルホニルであり;R10が水素である化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0013】
本発明のまた他の好ましい実施態様によれば、XがCR11=CH、CH=CR12、CR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12はともにメチルであり;Rが水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、メトキシまたはエトキシであり;Rが水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;Rがメチルであり;R、R、R及びRが独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;Rがハロ(C1−C3)アルキル、イソプロピルまたはt−ブチルであり;Rがメタンスルホニルであり;R10が水素である式(Ia)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0014】
本発明のより好ましい実施態様によれば、XがCR11=CHまたはC≡Cであり、ここでR11はメチルであり;Rが水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;Rが水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;Rがメチルであり;Rが水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;R、R及びRがいずれも水素であり;Rがイソプロピルまたはt−ブチルであり;Rがメタンスルホニルであり;
10が水素である式(Ia)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0015】
本発明のよりもっと好ましい実施態様によれば、Rがスルホニルアミノ基に対してオルト位でフェニル環に結合されている式(Ib)の構造を有する化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である:
【化2】

【0016】
式(Ia)の化合物による好ましい化合物の例としては、下記の化合物からなる群から選ばれる。:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−2−メチル−アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)プロピオルアミド、
(E)−3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−メチル−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチル−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−2−メチル−アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]プロピオルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチルアクリルアミド、及び
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチル−アクリルアミド。
【0017】
本発明は、下記式(II)の新規な化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩;及びこれを含む医薬組成物を提供する。
【化3】

式中、
及びRは各々独立に水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、カルボキシ、C1−C5アルコキシカルボニルまたはC1−C5アルキルチオであり、ここでR1及びR2のうち少なくとも一つが水素でなく;
、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは、非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
はハロ(C1−C3)アルキルまたはC1−C5アルキルであり;
はC1−C5アルキルスルホニル、C2−C5アルケニルスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルである。
【0018】
本発明の好ましい一実施態様によれば、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、カルボキシ、C1−C5アルコキシカルボニルまたはC1−C5アルキルチオであり、R及びRのうち少なくとも一つが水素ではなく;R、R、R及びRが独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;RがC1−C5アルキルであり;RがC1−C5アルキルスルホニル、C2−C5アルケニルスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルである式(II)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0019】
本発明のより好ましい実施態様によれば、R及びRは各々独立に水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシまたはメトキシカルボニルであり、ここでR及びRのうち少なくとも一つが水素でなく;R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ニトロ、エテニル、エチニル、イソブチル、メチルチオまたはメトキシカルボニルであり;RがC3−C5アルキルであり;Rがメタンスルホニル、エタンスルホニルまたはエテンスルホニルである式(II)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0020】
本発明の更に好ましい実施態様によれば、R及びRは各々独立に水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシまたはメトキシカルボニルであり、ここでR及びRのうち少なくとも一つが水素でなく;R、R、R、及びRが水素であり;Rがイソプロピルまたはt−ブチルであり;Rがメタンスルホニルである化学式IIの化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0021】
本発明のまた他の好ましい実施態様によれば、Rがフルオロ、クロロ、メチル、エチル、n−プロピル及びニトロからなる群から選ばれ;Rがフルオロ、クロロ、メチル、エチル、及びヨードからなる群から選ばれるが、Rがメチル、エチル及びn−プロピルからなる群から選ばれる場合は、Rは水素であり得;R、R、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ニトロ、エテニル、エチニル、イソブチル、メチルチオまたはメトキシカルボニルであり;Rがハロ(C1−C3)アルキルまたはC3−C5アルキルであり;Rがメタンスルホニルである式(II)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0022】
本発明のより好ましい実施態様によれば、Rがスルホニルアミノ基に対してオルト位でフェニル環に結合されている式(II)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【0023】
本発明のよりもっと好ましい実施態様は、R及びRがともにスルホニルアミノ基に対してオルト位に結合された式(IIa)の構造を有する化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩である。
【化4】

式(II)または(IIa)の化合物において、Rがメチルまたはエチルであり、Rが水素、フルオロ及びクロロからなる群から選ばれることが最も好ましい。
【0024】
式(II)の化合物による化合物の好ましい例としては、下記の化合物からなる群から選ばれる:
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−エチル−6−フルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−ニトロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,6−ジフルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,5−ジフルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−6−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチル−フェニル}メタンスルホンアミド、及び
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド。
【0025】
本発明による式(Ia)、(Ib)、(II)または(IIa)の化合物は下記反応式によって化学的に合成し得る。しかし、これらは本発明を例示するためのものであり、本発明を制限することはない。
反応式1
【化5】

【0026】
反応式1は、アクリルアミド化合物(3)を合成するための手順を示す。不飽和アリールアクリル酸(2)を、ベンジルアミン及びジエチルシアノホスフェートと反応させてアクリルアミド(3)を得る。
反応式2
【化6】

【0027】
反応式2は、アクリルアミド化合物を合成するための他の手順を示す。DMTMM{4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド}(Tetrahedron Lett.,1999,40,5327)を前記反応式1のジエチルシアノホスフェートの代わりに用いて化合物(6)を合成する。
反応式3
【化7】

【0028】
反応式3は、立体特異的なアクリルアミド化合物(9)を合成するための手順を示す。アリールアクリル酸(8)をベンジルアミン(7)と反応させて骨格構造が異なるアクリルアミド(9)を得る。
反応式4
【化8】

【0029】
反応式4は、アクリルアミド誘導体(12)を合成するための手順を示す。不飽和脂肪酸のアルケン位置に多様な置換基を有するエステル化合物(10)を加水分解して脂肪酸(11)を得る。次いで、前記反応式3に記載の方法によって置換基を有する不飽和脂肪酸(11)を用いて化合物(12)を合成する。
反応式5
【化9】

【0030】
反応式5は、プロピオルアミド化合物(15)を合成するための手順を示す。三重結合を有する酸化合物(14)をベンジルアミン化合物(7)と反応させて目的化合物(15)を得る。
反応式6
【化10】

【0031】
反応式6は、ジベンジル尿素化合物(17)を合成するための手順を示す。まず、置換されたベンジルアミンをジ−t−ブチルジカルボネートと反応させてベンジルカルバメートを得、同一反応系において前記反応混合物にメタンスルホニル基を有する置換されたベンジルアミン(4)及びトリエチルアミンを添加してジベンジル尿素化合物(17)を得る。
反応式7
【化11】

【0032】
反応式7は、ベンジルイソシアネート(18)を用いて尿素化合物(19)を合成する新規な手順を示す。
反応式8
【化12】

【0033】
反応式8は、多様な尿素誘導体を合成するための他の手順を示す。多様な置換基を有するベンジルアミン化合物を(4−t−ブチル−ベンジル)−カルバミン酸フェニルエステル(20)と反応させて尿素化合物(21)を得る。
また、本発明は活性成分として式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体、又はその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0034】
医薬組成物において、薬剤学的に許容される担体と共に活性成分としての式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体、又はその薬剤学的に許容される塩は、痛み、急性痛み、神経障害性痛み、手術後の痛み、片頭痛、関節痛、神経障害、神経損傷、糖尿病性神経障害、神経変性、卒中、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、掻痒症、痒疹、膀胱過敏症、過敏性大将症侯群、便意切迫、クローン病、呼吸器障害、例えばゼンソク又は慢性閉塞性肺疾患、肌、目又は粘膜刺激、胃・十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患又は炎症性疾患を予防又は治療するのに有効な量で存在する。
【0035】
さらに、本発明は式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩及びその薬剤学的に許容される担体を含む、バニロイド受容体の病理学的刺激及び/又は非正常的発現に係わる疾患の予防及び治療用医薬組成物を提供する。
本発明はまた式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩及びその薬剤学的に許容される担体を含む、バニロイド受容体に関連した症状の予防及び治療用医薬組成物を提供する。
【0036】
まず、バニロイド受容体に係わる前記症状は、痛み、片頭痛、関節痛、神経痛、神経障害、神経損傷、皮膚疾患、膀胱過敏症、過敏性腸症候群、便意切迫、呼吸器障害、肌、目又は粘膜刺激、胃・十二指腸潰瘍、炎症性疾患、耳疾患又は心疾患である。
【0037】
より具体的に、バニロイド受容体に係わる前記症状は、急性痛み、慢性痛み、神経障害性痛み、手術後の痛み、リウマチ性関節痛、骨関節症の痛み、帯状疱疹後の神経痛、糖尿病性神経障害、HIV関連神経障害、神経変性、卒中、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、掻痒症、痒疹、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、尿失禁、炎症性腸疾患、聴覚過敏症、耳鳴り、前庭の過敏症又は心筋収縮性虚血である。
好ましい一実施態様において、本発明は前記で定義された通りの式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)のいずれかの化学式で代表される化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩を含む、痛み、炎症性関節の自己免疫疾患を含めた炎症性関節疾患、尿失禁を含めた膀胱過敏症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)及び炎症性腸疾患(IBD)、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、掻痒症及び痒疹からなる群から選ばれる症状治療用医薬組成物を提供する。
【0038】
より具体的に記述すれば、本発明の化合物は、骨関節炎(「OA」)、関節リウマチ(「RA」)、強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis:「AS」)、糖尿病性神経障害性痛み、手術後の痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(纎維筋痛、節節膜疼痛症後群、及び背痛を含む)、片頭痛及び他の類型の頭痛から選ばれた症状やこれに係わる痛みを治療するための医薬組成物に用いられ得る。
【0039】
本発明の化合物が骨関節炎に係わる痛みの治療に有用であることは、骨関節炎の他の兆候及び症侯の治療にも有効であることを意味する。骨関節炎に係わる痛みを軽減させること以外に、骨関節炎の薬理学的介入は関節の運動性を維持させて関節障害を最小化することを目的とすることができる。
【0040】
「炎症性関節疾患」という用語は関節、例えば膝、指、尻などの関節における多少の炎症過程を伴う疾患を含む。かかる疾患の一例は骨関節炎である。「炎症性関節疾患」という用語はまた自己免疫過程を伴い得る疾患又は症状、例えば関節リウマチ又は強直性脊椎炎も含む。「炎症性関節疾患」に対する本発明の治療は優先的にこのような症状に係わる痛みを治療することを目的とするだけでなく、例えば疾患によって影響を受けた関節の動きに係わる痛みを軽減させることによって、当該関節の機能を直接的に又は間接的に改善することを目的とすることができる。
【0041】
従って、炎症性関節疾患を病む患者に本発明の化合物を投与した成果の一つとして、本発明の化合物又は配合物を投与する前に前記疾患を病む患者が経験する痛みに比べて投与後は痛みが軽くなることが挙げられる。前記治療の他の成果は薬理学的治療又は他の治療療法の結果として既に軽減した痛みの再発を予防できるということである。治療のまた他の成果は炎症性関節疾患、例えば具体的に骨関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎に係わる兆候の発生及び/又は重症度を軽減させ得るということである。かかる治療は関節の硬直を軽減させて運動性を改善するなど、関節の機能の改善という好適な結果を導く。
【0042】
本願で用いられた「骨関節炎(OA)」という用語は、典型的に可動(移動可能な滑液で満たされている(synovial−lined))関節の障害を有する疾患を含む。最も多い疾患形態である特発性(1次)OAで、如何なる予後因子も現われない。2次OAは根源的な原因に起因することができる。痛み及び関節機能不全はOAの基本的な症侯である。OAの関節痛みはよく深部痛(deep ache)として記述されて、当該関節に限られる。典型的にOAの痛みは関節の使用によってひどくなって休息によって緩和されるが、疾患が進行されるにつれ、これはなかなか治らず持続することもできる。睡眠を妨げる夜間痛は、特に尻のOAの進行時に観察され、気力を弱化させ得る。特に、朝又は非活動期間以後に当該関節の硬直が起こる場合があるが、一般的にその持続時間は20分未満である。
【0043】
「RA」という用語は、関節リウマチをいう。RAは免疫系が関節、及び特に関節中の滑膜を攻撃する慢性炎症性自己免疫疾患である。滑膜に炎症が生じると、滑膜は膨脹及び痛みを誘発する。RAの基本的な症侯は関節痛み及び硬直であるが、さらなる症侯には筋痛、貧血及び発熱が含まれる。RAの診断は「リウマチ(又は「リウマトイド」)因子」と指称される血液中の抗体を検出及び/又は血沈検査によって確認されることができる。他の有用かつ通常的な試験は「抗核(antinuclear)抗体」又は「C反応性タンパク質」の検出である。
【0044】
「AS」は強直性脊椎炎をいい、これは関節、特に脊椎関節の関節炎、炎症及び終局的な不動化を特徴とする慢性の進行性自己免疫疾患である。これは脊椎関節(脊椎骨)の進行中の膨張及び刺激の結果として(多くの場合午前中に)背痛及び硬直をもたらす。脊椎骨に繋がれてこれを支持する腱及び靭帯の炎症は肋骨、肩甲骨、尻、太もも、すね、かかと、及び脊柱の骨点(bony point)に沿う痛み及び軟化(tenderness)を誘導することができる。
【0045】
本発明による化合物が関節の炎症性自己免疫疾患に係わる痛みを治療するのに用いられると主張することは、RA又はASに係わる背痛、関節痛み及び筋肉痛を含めた炎症性関節の自己免疫疾患を病む対象が経験する1つ以上の痛み症侯を軽減させるために本発明の化合物又は化合物の配合物を投与することを指す。痛みの緩和以外に、関節の炎症性自己免疫疾患の治療はまた滑膜の炎症及び/又は膨張の減少を含み、特にRA又はASを病む患者にとって関節の機能性の改善(即ち、運動性の維持及び障害の最小化)を図ることができる。
【0046】
「非炎症性筋骨格系の痛み」の治療は背痛、纎維筋痛及び筋筋膜疼痛症侯群を含めた非炎症性筋骨格系の痛みを病む対象が経験する痛みを軽減させるために、本発明の化合物又は化合物の配合物を投与することを指す。治療の一つの結果は、本発明の化合物又は配合物を投与する前に前記疾患を病む患者が味わうべき痛みに比べて該患者が味わうべき痛みを軽減させ得るということである。治療の他の結果は薬学治療の結果として既に軽減した痛みの再発を予防できるということである。治療のさらに他の結果は非炎症性筋骨格系の痛み、例えば背痛、纎維筋痛及び筋筋膜疼痛症侯群に係わる兆候の発生及び/又は重症度を減少させ得るということである。治療は正常的な非侵害受容性(non−nociceptive)刺激によって引き起こされた痛み(異痛:allodynia)を特徴とする増加した筋肉の刺激感応性又は侵害受容性刺激によって引き起こされた増加した痛みの強度(感覚過敏:hyperalgesia)の軽減という好適な結果を導く。最終的に、非炎症性筋骨格系の痛みの治療は、背痛、纎維筋痛及び筋筋膜疼痛症侯群に係わる症侯を改善することもできる。
【0047】
「纎維筋痛」又は「FMS」という用語は、骨及び関節を支持し、動く全ての組職にわたる広範囲の痛み及び硬直を引き起こす症侯群を指す。纎維筋痛は少なくとも11個〜18個の特異的筋腱部位に圧力を加える場合、過度な軟化の存在によって診断され得る。
「節節膜疼痛症後群」は慢性非退行性、非炎症性筋骨格系の痛み症状である。筋肉内の別の領域又はその纎細な結合組職の皮膜(筋膜:fascia)は異常に厚くなったりピンと張る。筋膜組職がピンと張ってその弾性を損失する場合、脳と体の間にメッセージをやりとりする神経伝達物質としての能力が損傷される。症侯は誘発部位からの一定領域内における筋肉硬直及び疼痛、及び突き刺すような鋭い痛み(sharp shooting pains)、又はチクチクする痛み(tingling)及びしびれ(numbness)を含む。最も誘発されやすい部位は首、背又は尻である。
【0048】
「背痛」は急性又は慢性である通常の非炎症性筋骨格系の痛み症状である。これは腰椎に影響を与える多様な疾患及び障害によって招かれ得る。腰痛は大抵坐骨神経痛を伴うこともなるが、坐骨神経痛は坐骨神経に係わる痛みであって、腰、尻及び太ももの後部で感知される。
【0049】
本発明の化合物はまた過活動性膀胱の兆候及び症侯、例えば尿失禁、より具体的に切迫性尿失禁、ストレス性尿失禁、尿意逼迫、夜尿症及び/又は頻尿症の治療に有用である。
本発明による医薬組成物は好ましくは経口投与に適する。あるいは、皮膚疾患を治療する場合は、本発明の化合物を含む医薬組成物を局所又は経皮投与のために剤形化してもよい。
【0050】
本発明の他の実施態様は、患者にバニロイド受容体を発現させる細胞を式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩と接触させることを含む、患者にバニロイドリガンドがバニロイド受容体に結合することを阻害する方法に関するものである。
【0051】
本発明のさらに他の実施態様は、治療有効量の式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩を治療が要求されるヒトを含む哺乳動物に投与することを含む、痛み、片頭痛、関節痛、神経障害、神経損傷、皮膚疾患、膀胱過敏症、過敏性腸症候群、便意切迫、呼吸器障害、肌、目及び粘膜刺激、胃・十二指腸潰瘍、及び炎症性疾患からなる群から選ばれる疾患を予防又は治療する方法に関するものである。
【0052】
前記方法で、疾患はまた急性痛み、慢性痛み、神経障害性痛み、手術後の痛み、糖尿病性神経障害、神経変性、卒中、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、掻痒症、痒疹、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、尿失禁及び炎症性腸疾患から選ばれる。
【0053】
本発明の好ましい一実施態様において、前記方法は骨関節炎(「OA」)、関節リウマチ(「RA」)、強直性脊椎炎(「AS」)、糖尿病性神経障害性痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(纎維筋痛、筋筋膜疼痛症侯群及び背痛を含む)、手術後の痛み、片頭痛及び頭痛の他の類型から選ばれた症状、又はこれに係わる痛みを治療することである。
【0054】
本発明の他の実施態様は、バニロイド受容体の拮抗薬としての式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩の用途に関するものである。
【0055】
本発明の他の実施態様は、より具体的にバニロイド受容体の異常発現及び/又は異常活性化に係わる、バニロイド受容体に関連した症状の予防又は治療のための式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩の用途に関するものである。
【0056】
本発明のさらに他の実施態様は、バニロイド受容体に関連した症状の予防又は治療用薬剤の製造における式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩の用途に関するものである。
【0057】
好ましい一実施態様において、本発明は痛み、関節の炎症性自己免疫疾患、尿失禁を含めた膀胱過敏症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)及び炎症性腸疾患(IBD)、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、掻痒症、及び痒疹から選ばれた症状の予防又は治療用薬剤の製造における式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩の用途に関するものである。
【0058】
特に好ましい実施態様において、本発明は前述のような痛みを治療するための化合物の用途に関するものであって、この際、痛みは骨関節炎(「OA」)、関節リウマチ(「RA」)、強直性脊椎炎(「AS」)、糖尿病性神経障害性痛み、手術後の痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(纎維筋痛、筋筋膜疼痛症侯群及び背痛を含む)、片頭痛及び他の類型の頭痛から選択される症状やこれに関連した痛みである。
【0059】
次に、製剤方法及び賦形剤の種類について述べるが、本発明はこれに制限されない。
本発明による式(Ia)、(Ib)、(II)又は(IIa)の化合物、その異性体又はその薬剤学的に許容される塩は薬剤学的に許容される担体、補助剤、希釈剤などを含む医薬組成物として製造され得る。例えば、本発明の化合物は油、プロピレングリコール、又は注射液を生成するために多く用いられるその他の溶媒に溶解され得る。担体の適宜な例としては生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物性油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これらに制限されない。局所投与のために、本発明の化合物は軟膏又はクリームの形態で剤形化され得る。
【0060】
本発明による化合物はまたその薬剤学的に許容される塩の形態で用いられ得、単独で、又は薬剤学的に許容される他の活性化合物と併用するか混合して用いられ得る。
本発明の化合物は水溶性溶媒、例えば食塩水及び5%デキストロ−ス、又は不水溶性溶媒、例えば植物性油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル及びプロピレングリコールに溶解、懸濁又は乳化されることによって注射液に剤形化され得る。本発明の剤形は通常の任意の添加剤、例えば溶解剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤及び防腐剤を含み得る。
【0061】
本発明による化合物の好ましい用量は患者の状態及び体重、特定疾患の重症度、投薬形態、及び投与経路と期間を含めた多様な因子によって異なるが、当該分野における熟練者によって適切に選択され得る。本発明の化合物は好ましくは1日当たり0.001〜100mg/kg、より好ましくは0.01〜30mg/kgの量で投与される。投与量は1日1回投与されるか、それぞれ分割された分量で1日数回投与され得る。本発明の化合物は、医薬組成物の総量を基準に、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の量で医薬組成物に用いられる。
【0062】
本発明の医薬組成物は哺乳動物を対象として、例えばラット、マウス、家畜、ヒト等に多様な経路を介して投与され得る。容易に想定され得る投与方法としては経口及び直腸投与;静脈内、筋肉内、皮下、子宮内、硬膜内(intradural)及び脳室内(intracerebroventricular)注射が含まれる。
【0063】
本発明の定義に対する詳細な説明
化合物、その化合物を含む医薬組成物、その化合物及び組成物を用いる方法、及びその化合物及び組成物の用途を説明する場合、本願に用いられたすべての用語は当該分野における熟練者、例えば医薬品化学者、薬剤師又は医者によって一般的に用いられる意味を有する。例えば、特定基の一部の定義が下記に提示されている。
「アルキル」は一価の飽和脂肪族炭化水素基を含む。炭化水素鎖は直鎖であるか分岐鎖であってもよい。かかる用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルなどのような基によって例示される。
「アルコキシ」はRがアルキルである−OR基を含む。具体的なアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、2級−ブトキシ、n−ペントキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
「アルケニル」は1個以上の二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の一価のオレフィン性不飽和炭化水素基を含む。具体的なアルケニル基としてはエテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、イソプロペニル(C(CH)=CH)などが挙げられる。好ましい「アルケニル」基はエテニル(ビニル)である。
「アルキニル」は1個以上の三重結合を有する直鎖又は分岐鎖のアセチレン性不飽和炭化水素基を含む。好ましいアルキニル基はエチニル(アセチレン)である。
「アルキルアミノ」は−NR’R''基(ここで、R’はアルキルであり、R''は水素又はアルキル)を含む。
「アルキルスルホニル」はラジカル−S(O)R(ここで、Rは本願に定義された通りのアルキル基である)を含む。代表的な例としては、メタンスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが挙げられるが、これらに制限されない。
「アルキルチオ」はラジカル−S−R(ここで、Rは本願に定義された通りに選択的に置換され得る本願に定義された通りのアルキル基である)を含む。代表的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられるが、これらに制限されない。
「アミノ」はラジカル−NHを指す。
「カルボキシ」はラジカル−C(=O)OHを指す。
「エテニル」は−CH=CHを指し、本願でこれは「ビニル」とも呼ばれる。
「エチニル」は−C≡CHを指す。
「ハロ」又は「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを指す。好ましい
ハロ基はフルオロ又はクロロである。
「ハロアルキル」は同一(例えば、トリフルオロメチル又はペンタフルオロエチルで
ある)又は相異なる1つ以上のハロゲンで置換された、前述のようなさらに定義された「アルキル」基を含む。
「ヒドロキシ」はラジカル−OHを指す。
「ニトロ」はラジカル−NOを指す。
「ピペリジニル(C1−C5)アルコキシ」は前述のようにさらに定義された「アル
コキシ」に結合されたピペリジニル残基を指し、ここでピペリジニルは好ましくは「アルコキシ」のC原子にピペリジン環の窒素又はパラ位のC原子を介して結合される。
「モルホリニル(C1−C5)アルキルオキシ」は「アルコキシ」に結合されたモルホリン残基を指し、ここでモルホリニル環は好ましくは「アルコキシ」のC原子にモルホリン環の窒素原子を介して結合される。
「テトラヒドロピラニルオキシ」はオキソ(−O−)基に結合されたテトラヒドロピラニル基を指し、ここでオキソ基は好ましくはテトラヒドロピラニル基のパラ位のC原子に結合される。
「アルキルピペラジニル」は置換基として「アルキル」を伴うピペラジニル環を指す。
好ましくはピペラジニル環は「アルキル」に結合されるだけでなく、その窒素原子を介して第2結合位置に結合される。
「ピペリジニルオキシ」はオキソ(−O−)基に結合されたピペリジニル基を指し、
ここでオキソ基は好ましくはピペリジニル基のパラ位のC原子に結合される。
【0064】
「薬剤学的に許容される」とは、動物、より具体的にヒト向けの使用に対して連邦政
府又は州政府の規制機関によって承認されるか、アメリカ薬局方又はその他の通常的に認識された薬局方に掲載されていることを意味する。
「薬剤学的に許容される塩」は薬剤学的に許容され、親化合物の好ましい薬理学的活
性を有する本発明の化合物の塩を指す。かかる塩としては、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などによって形成されるか、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルタコン酸、グルタコン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などによって形成される酸付加塩;又は(2)親化合物に存在する酸性プロトンが取り替えられる場合に形成される塩が挙げられる。
【0065】
「薬剤学的に許容される担体」は本発明の化合物と共に投与される希釈剤、補助剤、
賦形剤又は担体を指す。
【0066】
「予防する」又は「予防」とは、疾患又は障害にかかる危険を軽減させる(即ち、疾
患に露出されるか疾患にかかり易しいが、まだ疾患にかかっていないか疾患の症侯を示していない対象において、疾病の1つ以上の臨床的症侯が進行しないようにする)ことを指す。
「対象」はヒトを含む。「ヒト」、「患者」及び「対象」という用語は本願で相互交換的に用いられる。
【0067】
「治療有効量」は疾患を治療するために対象に投与する場合、疾患に対して治療効果を示すのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は化合物、疾患及びその重症度、及び治療すべき対象の年齢、体重などによって異なる。
任意の疾患又は障害に対する「治療する」又は「治療」は、一実施態様において、疾患又は障害を軽減させる(即ち、疾患、又はその1つ以上の臨床的症侯の進行を阻止又は軽減させる)ことを指す。他の実施態様において、「治療する」又は「治療」は対象によって識別できない1つ以上の物理的パラメータを軽減させることを指す。他の実施態様において、「治療する」又は「治療」は疾患又は障害を物理的に(例えば、識別可能な症侯の安定化)、生理学的に(例えば、物理的媒介変数の安定化)、又はこれら両方ともに調整することを指す。他の実施態様において、「治療する」又は「治療」は疾患又は障害の発病時期を遅延させることを指す。
以下に、本発明を下記実施例及び実験例によってより具体的に説明する。但し、これらの実施例は本発明を例示するだけであり、本発明を制限しない。
【実施例】
【0068】
実施例1
【化13】

3−[4−t−ブチル−フェニル]−N−[3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル]アクリルアミド
【0069】
段階1:
2−フルオロ−4−ヨード−1−メタンスルホニルアミノベンゼン
2−フルオロ−4−ヨードアニリン(1.50g、6.33mmol)、ピリジン(1.02ml)及びMsCl(700μl、9.50mmol)をCHCl(40ml)に添加してから常温で1時間攪拌した後、反応を1.5N HClを加えて完結させた。次いで、得られた溶液をCHClで抽出し、抽出液を無水MgSOで乾燥させ、分離した溶液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)化合物37a(1.89g、95%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ3.01(s,3H)、6.51(s,1H)、7.30(t,1H,J=8. 3Hz)、7.47(dd,2H,J=1.2,1.7Hz).
【0070】
段階2:
4−シアノ−2−フルオロ−1−メタンスルホニルアミノベンゼン
2−フルオロ−4−ヨード−1−メタンスルホニルアミノベンゼンをDMF(10ml)に溶解し、これにZn(CN)(845mg,7.2mmol)及びPd(PPh(187mg,0.16mmol)を添加した。反応混合物を80〜90℃で1時間30分間攪拌した後、反応溶液を酢酸エチル(20ml)で希釈した。混合物を水及び塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、分離した溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)化合物38a(1.03g,80%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ3.07(s,3H)、6.83(s,1H)、7.37(dd,1H,J=9.5,1.7Hz)、7.41(d,1H,J=9.8Hz)、7.65(t,1H、J=8.0Hz).
【0071】
段階3:
3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノベンジルアミン塩酸塩
段階2で製造された4−シアノ−2−フルオロ−1−メタンスルホニルアミノベンゼン(1.03g)をメタノール(20ml)に溶解し、触媒量の10重量%Pd/C及び濃縮HCl(3ml)を添加し、水素雰囲気下で反応溶液を常温で1時間攪拌して水素化を行った。次いで、得られた溶液をエーテルで希薄し、セライトでろ過し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルで洗浄して標題化合物(1.13g,92%)を得た。

H NMR(300MHz,CDOD):δ3.02(s,3H)、4.11(s,2H)、7.27(d,1H,J=8.5Hz)、7.33(dd,1H,J=9.8,1.8Hz)、7.57(t,1H、J=8.3Hz).
【0072】
段階4:
3−[4−t−ブチル−フェニル]−N−[3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル]アクリルアミド
3−[4−(t−ブチル)フェニル]−2−プロペン酸(500mg,2.45mmol)及び塩化オキサリル(2.0当量、0.43ml、4.89mmol)をジクロロメタン(10ml)に添加してから、これにDMF(5滴)を添加してから2時間攪拌した。次いで、この反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣及び3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミン塩酸塩(1.2当量、748mg、2.94mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、EtN(2.4当量、0.82ml,5.87mmol)を添加してから2時間攪拌した。得られた反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc:n−ヘキサン=1:1)3−[4−t−ブチル−フェニル]−N−[3−フルオロ−4−メチルスルホニルアミノ−ベンジル]−2−プロペンアミド(264mg、27%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl:δ1.30(s,9H)、3.00(s,3H)、4.54(d,2H,J=6.2Hz)、5.93(bs、1H)、6.39(d,1H,J=15.6Hz)、6.48(bs,1H)、7.15-7.09(m,2H)、7.39(d,2H,J=8.4Hz)、7.45(d,2H,J=8.4Hz)、7.54(t,1H、J=8.3Hz)、7.66(d,1H,J=15.6Hz).
【0073】
実施例2
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−アクリルアミド
【化14】

N−(4−アミノメチル−2−クロロ−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(200mg,0.74mmol)を通常の方法によって3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸と反応させて白色の固形粉(260mg、83%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl):7.68(d,1H,J=15.6Hz)、7.61(d,1H,J=8.1Hz)、7.43(m,5H)、7.26(dd,1H,J=2.1及び8.1Hz)、6.78(bs,1H)、6.40(d,1H,J=15.6Hz)、6.03(t,1H、J=6.0Hz)、4.54(d,2H,J=6.0Hz)、3.00(s,3H)、1.33(s,9H).
【0074】
実施例3
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−メチル−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−アクリルアミド
【化15】

3−メチル−4−メタンスルホニルアミノベンジルアミン塩酸塩(140mg,0.56mmol)、3−(4−t−ブチル−フェニル)アクリル酸(1.1当量、0.13g)及びDMTMM(1.1当量、0.185g)を25mlのテトラヒドロフランに添加してから常温で12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出して、1N HCl溶液で洗浄した。次いで、結合された有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)固形粉(49mg)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.65(d,1H,J=15.6Hz)、7.42(m,4H)、7.43(m,2H)、6.37(d,1H,J=15.6Hz)、6.17(s,1H)、5.88(bs,1H)、5.50(bs,1H)、4.53(d,2H,J=6.0Hz)、3.02(s,3H)、1.32(s,9H).
【0075】
実施例4
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3、5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−アクリルアミド
【化16】

N−(4−アミノメチル−2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(100mg,0.37mmol)を通常の方法によって3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸と反応させて白色の固形粉(150mg,96%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):8.69(t,1H、J=6.0Hz)、7.51(d,2H,J=8.4Hz)、7.45(d,1H,J=15.6Hz)、7.43(d,2H,J=8.4Hz)、7.09(d,2H、J=8.4Hz)、6.63(d,1H、J=15.6Hz)、4.39(d,2H,J=6.0Hz)、3.02(s,3H)、1.28(s,9H).
【0076】
実施例5
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−アクリルアミド
【化17】

25ml容量の丸底フラスコでN−(4−アミノメチル−2,5−ジフルオロ−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(125mg,0.46mmol)、3−(4−t−ブチル−フェニル)アクリル酸(1.2当量、112mg)及びDMTMM(1.2当量、152mg)を入れた。前記混合物に15mlのテトラヒドロフランを注入して常温で12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、1N HCl溶液で洗浄した。次いで、結合された有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)固形粉(147mg)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.65(d,1H,J=15.3Hz)、7.35(m,5H)、6.75(s、1H)、6.39(d、1H、J=15.6Hz)、6.15(m,1H)、4.54(d,2H,J=6.3Hz)、3.04(s,3H)、1.32(s,9H).
【0077】
実施例6
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド
【化18】

【0078】
段階1:
4−アミノ−3−クロロ−5−ヨードベンゾニトリル
4−アミノ−3−クロロ−ベンゾニトリル(100mg,0.66mmol)及びICl(1.1当量、0.72mmol、117.05mg)をジクロロメタンに添加してから12時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウム溶液を添加して反応混合物を急冷させた。水溶液をジクロロメタンで抽出した。結合された有機溶液を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=3:1)4−アミノ−3−クロロ−5−ヨードベンゾニトリル(65.2mg、35.80%)を得た。
融点:121〜123℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3365、2942、2221、1634、728;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.42(d,1H,J=1.6Hz)、7.43(d,1H,J=1.6Hz)、5.01(bs,2H).
【0079】
段階2:
(4−アミノ3−クロロ−5−ヨードベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
4−アミノ−3−クロロ−5−ヨードベンゾニトリル(65.2mg、0.23mmol)を0℃でTHFに溶解させた。ボラン−THF錯体(4当量、0.94mmol、0.94ml)を反応混合物に徐々に添加した後、反応温度を昇温させて還流した。反応混合物を12時間還流下で攪拌した。反応終了を確認した後、MeOHを添加してから4時間攪拌した。次いで、反応溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して4−アミノメチル2−ヨード−6−メチル−フェニルアミン(19.4mg)を得た。
4−アミノメチル−2−クロロ−6−ヨードフェニルアミン(52.92mg,0.19mmol)をTHFに溶解させた後、BocO(1.1当量、0.21mmol、47.48ml)を徐々に添加してから12時間攪拌した。前記反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=5:1)固形粉(34.37mg、47.94%)を得た。
融点:113〜115℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3343、1615、717;
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.39(s,1H)、7.09(s,1H)、4.76(bs,1H)、4.05(bs,2H)、1.38(s,9H).
【0080】
段階3:
(3−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
(4−アミノ−3−クロロ−5−ヨードベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル(254.7mg、0.67mmol)をアルゴンガス雰囲気下でジクロロメタンに添加した。塩化メタンスルホニル(5当量、3.33mmol,258.04μl)及びTEA(3当量、2.00mmol,278.80μl)を添加した。反応混合物を5時間攪拌した後、NaHCO水溶液を添加して反応混合物を急冷させて、ジクロロメタンで抽出された。次いで、結合された有機層をCuSO、水及び塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(THF:HO=2:1)化合物を得た。化合物及びNaOH(5当量、3.33mmol,133.2mg)をメタノールに溶解させた。反応混合物を12時間攪拌し10%HCl溶液で酸性化させた。混合物を酢酸エチルで抽出した。次いで、結合された有機層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=3:1)黄色の固形粉(122.0mg,39.78%)を得た。
融点:139〜141℃;IR(KBr ペレット,cm−1):3350、2979、1682、1525、1326、769;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.66(d,1H,J=1.2Hz)、7.31(d,1H,J=1.6Hz)、7.25(s,1H)、4.88(d,1H,J=5.2Hz)、4.18(d,2H,J=6.4Hz)、3.24(s,3H)、1.40(s,9H).
【0081】
段階4:
N−(4−アミノメチル−2−クロロ−6−ヨード−フェニル)−メタンスルホンアミド
(3−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル(122.0mg,0.27mmol)及びCFCOOH(5〜6滴)をジクロロメタンに添加した。混合物を12時間攪拌し、真空下で濃縮させて茶色のシロップ(142.2mg、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):8.00(d,1H,J=2.0Hz)、7.65(d,1H,J=1.6Hz)、4.08(s,2H)、3.25(s,3H).
【0082】
段階5:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノベンジル)アクリルアミド
N−(4−アミノメチル−2−クロロ−6−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド(50mg,0.11mmol)及び3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸(1.2当量、0.13mmol、25.84mg)をDMFに添加した。DEPC(1.2当量、0.13mmol、19.72μl)及びTEA(2当量、0.22mmol、30.66μl)を添加してから12時間攪拌した。得られた反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=1:1)白色の固形粉(33.4mg,55.61%)を得た。
融点:173〜175℃;IR(KBr ペレット,cm−1):3281、2958、1645、1364、760;H NMR(400MHz,CDOD):δ7.82(d,1H,J=2.0Hz)、7.53(d,1H,J=15.6Hz)、7.47(d,2H,J=8.4Hz)、7.45(d,1H、J=2.0Hz)、7.41(d,2H、J=8.4Hz)、6.58(d,1H、J=16.0Hz)、4.40(s,2H)、3.20(s,3H)、1.29(s,9H).
【0083】
実施例7
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)アクリルアミド
【化19】

【0084】
段階1:
2−クロロ−4−ヨード−6−メチルフェニルアミン
2−クロロ−6−メチル−フェニルアミン(50μl,0.35mmol)及びICl(1.1当量、0.39mmol、63.06mg)をジクロロメタンに添加してから12時間攪拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加して混合物を急冷させ、ジクロロメタンで抽出した。次いで、結合された有機層をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=7:1)紫色のシロップ(85.1mg,90%)を得た。
IR(NaCl原液、cm−1):3389、3068、2974、760、721;H NMR(400MHz,CDCl):δ7.35(d,1H,J=1.6Hz)、7.17(m,1H)、3.82(bs,2H)、2.07(s,3H).
【0085】
段階2:
4−アミノ−3−クロロ−5−メチルベンゾニトリル
2−クロロ−4−ヨード−6−メチル−フェニルアミン(85.1mg,0.32mmol)をピリジンに溶解させた。CuCN(0.96mmol,85mg)を混合物に添加してから12時間還流下で攪拌した。反応溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。次いで、結合された有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=3:1)固形粉(22.7mg、43%)を得た。
融点:130〜132゜C;
IR(KBr ペレット、cm−1):3365、2221、728;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.36(s,1H)、7.15(s,1H)、4.46(bs,2H)、2.12(s,3H).
【0086】
段階3:
(4−アミノ−3−クロロ−5−メチルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
4−アミノ−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル(499.4mg,3.00mmol)及びボラン−THF錯体(4当量、12.04mmol,12.04ml)をTHFに添加してから3時間還流下で攪拌した。反応終了を確認した後、MeOHを混合物に徐々に添加した後、MeOHを真空下で除去した。残渣を酢酸エチルで抽出した。結合された有機層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して4−アミノメチル−2−クロロ−6−メチルフェニルアミン(19.4mg)を黄色のシロップで得た。
4−アミノメチル−2−クロロ−6−メチル−フェニルアミン(571.5mg、3.36mmol)及びBocO(0.8当量、2.69mmol、618.29μl)をTHFに添加してから12時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した後、次いで、結合された有機層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮して固形粉(481.1mg、59%)を得た。
融点:112〜114℃;IR(KBr ペレット、cm−1):3370、2964、1696、1623、728;
H NMR(400MHz、CDCl):δ6.99(s、1H)、6.82(s、1H)、4.66(bs、1H)、4.08(d、1H、J=5.6Hz)、2.11(s、3H)、1.38(s、9H).
【0087】
段階4:
(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
(4−アミノ−3−クロロ−5−メチルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル(300mg,1.11mmol)、塩化メタンスルホニル(5当量、5.55mmol、428.81μl)及びTEA(3当量、3.33mmol,464.13μl)をジクロロメタンに添加してから12時間攪拌した。NaHCO水溶液を添加して反応混合物を急冷させジクロロメタンで抽出した。得られた混合物をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=3:1)黄色の固形粉(153.8mg,40%)を得た。
融点:144〜146℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3208、2971、1697、1526、1140、758;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.13(s,1H)、7.01(bs,1H)、5.13(bs,1H)、4.16(d,2H,J=4.8Hz)、3.02(s,3H)、2.39(s,3H)、1.40(s,9H).
【0088】
段階5:
N−(4−アミノメチル−2−クロロ−6−メチルフェニル)メタンスルホンアミド
(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチル−ベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(153.8mg、0.44mmol)及びCFCOOH(5〜6滴)をジクロロメタンに添加してから12時間攪拌した。反応溶媒を真空下で濃縮してシロップ(159.6mg、100%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.44(d,1H,J=2.0Hz)、7.30(d,1H,J=2.0Hz)、4.04(s,2H)、3.09(s,3H)、2.44(s,3H).
【0089】
段階6:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)アクリルアミド
N−(4−アミノメチル−2−クロロ−6−メチルフェニル)メタンスルホンアミド(51.9mg,0.14mmol)及び3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸(1.2当量、0.17mmol、35.11mg)をDMFに添加した。DEPC(1.2当量、0.17mmol、25.49μl)及びTEA(2当量、0.28mmol、39.02μl)を添加した。反応混合物を12時間攪拌した後、DMFを真空下で濃縮した。次いで、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=1:1)白色の固形粉(59.6mg,98%)を得た。
融点:153〜155℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3240、3065、2963、1656、1320、1152、701;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.59(d,1H,J=15.6Hz)、7.37(d,2H,J=8.4Hz)、7.32(d,2H、J=8.4Hz)、7.07(s,1H)、7.34(d,1H,J=15.6Hz)、6.11(s,1H)、6.06(t,1H,J=5.6Hz)、4.42(d,2H,J=5.6Hz)、3.02(s,3H)、1.25(s,9H).
【0090】
実施例8
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノベンジル)アクリルアミド
【化20】

25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、DMF中の3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸(59.4mg,0.291mmol、1当量)及びジエチルシアノホスフィン(48.6μl、0.320mmol、1.1当量)溶液をフラスコ内に導入した。これにN−(4−アミノメチル−2−フルオロ−6−ヨードフェニル)エタンスルホンアミド(100mg,0.291mmol、1当量)(実施例14の段階4で製造される)及びトリエチルアミン(121.7μl、0.873mmol、3当量)を添加した。得られた混合物を常温で一晩中攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、得られた溶液をジクロロメタンで抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。次いで、得られた固形粉をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)黄色の固形粉(59.8mg、38.7%)を得た。
融点:139〜140℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3423、3235、2960、2868、1648;
H NMR(400MHz,CDOD):7.69(s,1H)、7.53(d,1H,J=15.6Hz)、7.49(d,2H,J=8.4Hz)、7.40(d,2H,J=8.4Hz)、7.17(dd,1H,J=10.0,1.6Hz)、6.58(d,1H,J=15.6Hz)、4.42(s,2H)、3.12(s,3H)、1.37(s,9H).
【0091】
実施例9
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチルベンジル)−アクリルアミド
【化21】

N−(4−アミノメチル−2−フルオロ−6−メチル−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(100mg、0.35mmol)を通常の方法によって3−(4−t−ブチル−フェニル)−アクリル酸と反応させて白色の固形粉(140mg、96%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.64(d,1H,J=15.6Hz)、7.41(m,4H)、7.25(m,2H)、6.35(d,1H,J=15.6Hz)、6.18(s,1H)、5.94(t,1H)、4.58(d,2H,J=5.1Hz)、3.03(s,3H)、2.24(d,2H,J=2.4Hz)、1.32(s,9H).
【0092】
実施例10
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノベンジル)−2−メチル−アクリルアミド
【化22】

【0093】
段階1:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−2−メチルアクリル酸エチルエステルの合成
25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、トラヒドロフラン中のMgBrジエチルエーテル(1.2当量、95.51mg,0.37mmol)溶液をフラスコ内に導入した。テトラヒドロフラン(1ml)中のTEA(1.54当量、0.48mmol,66.53μl)及びトリエチル−2−ホスホノプロピオン酸塩(1.4当量、0.43mmol、94.50μl)を添加してから20分間攪拌した。これにテトラヒドロフラン(1ml)中のt−ブチルベンズアルデヒド(50μl,0.31mmol)溶液を徐々に添加してから12時間攪拌した。TLCで反応の進行を確認した後、NHClで反応物を急冷させた。得られた溶液を酢酸エチルで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=80/1)22.0mgのE−異性体(粗質−基質とE−異性体との混合物32.1mg)(29.00%)を得た。
IR(KBr ペレット、cm−1):2963、1707、1634;
H NMR(400MHz,CDCl):E−異性体NMR7.59(s,1H)、7.35(d,2H,J=8.4Hz)、7.28(d,2H,J=8.4Hz)、4.19(q,2H,J=7.2Hz)、2.06(d,3H,J=1.6Hz)、1.27(t,3H,J=7.2Hz)、1.26(s,9H).
【0094】
段階2:
3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルアクリル酸
3−(4−t−ブチル−フェニル)−2−メチル−アクリル酸エチルエステル(516.3mg、2.10mmol)を25mlの丸底フラスコ内に導入して、少量のメタノールに溶解させた。これにNaOH溶液(3当量、6.29mmol、251.69mg)を徐々に添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、メタノールを減圧下で除去した。得られた溶液を10%HClで酸性化させて白色の固形粉(411.5mg,89.94%)を得た。
融点:130〜132℃;
IR(KBrペレット、cm−1):2959、1671、1267;
H NMR(400MHz,CDOD):7.64(s,1H)、7.42(d,2H,J=8.4Hz)、7.34(d,2H,J=8.4Hz)、2.06(d,3H,J=1.2Hz)、1.30(s,9H)。
【0095】
段階3:
3−(4−t−ブチルフェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノベンジル)−2−メチル−アクリルアミド
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、DMF中の3−(4−t−ブチル−フェニル)−2−メチル−アクリル酸(200mg、0.92mmol)及びN−(4−アミノメチル−フェニル)−メタンスルホンアミド(1.2当量、1.10mmol、220.12mg)溶液をフラスコ内に導入した。これにTEA(2当量、1.84mmol、256.46μl)及びジエチルシアノホスフォホート(1.2当量、1.10mmol、166.90μl)を添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、DMFを減圧下で除去し、酢酸エチルで抽出した。次いで、酢酸エチル層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)白色の固形粉(124.0mg、33.80%)を得た。
融点:133〜135℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3264、2961、1641、1621、1323;
H NMR(400MHz,CDCl):7.32(d,2H,J=8.0Hz)、7.22(d,2H,J=8.0Hz)、7.21(d,2H,J=8.0Hz)、7.12(d,2H,J=8.0Hz)、6.28(t,1H、J=5.6Hz)、4.46(d,2H、J=5.6Hz)、2.91(s,3H)、1.25(S,9H).
【0096】
実施例11
3−(4−t−ブチルフェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチルアクリルアミド
【化23】

N−[4−(1−アミノエチル)フェニル]メタンスルホンアミド(0.25mmol、82.72mg)及び3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルアクリル酸(0.23mmol、50mg)をDMFに添加した。DEPC(0.27mmol、41.88μl)及びTEA(0.46mmol,64.11μl)を添加してから12時間攪拌した。DMFを真空下で除去した後、残留物を酢酸エチルで抽出した。次いで、結合された有機層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=2:1→1:2)白色の固形粉(58.1mg、60.99%)を得た。
融点:157〜159℃;
[a]20−10.42(CHCl、c1.49);
IR(KBr ペレット,cm−1):3266、3015、2962、1615、1322;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.57(s,1H)、7.36(d,2H、J=8.8Hz)、7.31(s,1H)、7.27(d,2H,J=8.8Hz)、7.25(d,2H,J=8.4Hz)、7.16(d,2H,J=8.4Hz)、6.25(d,1H,J=7.2Hz)、5.16(quin,1H,J=7.2Hz)、2.92(s,3H)、2.09(s,3H)、1.50(d,3H,J=7.2Hz)、1.29(s、9H).
【0097】
実施例12
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノベンジル)−2−メチルアクリルアミド
【化24】

N−(4−アミノメチル−2−フルオロフェニル)メタンスルホンアミド(0.10mmol、30.0mg)及び3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルアクリル酸(1.1当量、0.11mmol、21.68mg)をDMFに溶解させて、DEPC(1.2当量、0.12mmol、18.21μl)及びTEA(2当量、0.20mmol、27.88μl)を添加してから12時間攪拌した。DMFを真空下で除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EtOAc=1:1)白色の固形粉(24.5mg、58.59%)を得た。
融点:83〜85℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3288、3229、3092、2964、1647、1321、1155;H NMR(400MHz,CDCl):δ7.45(t,1H,J=8.0Hz)、7.37(d,2H,J=8.0Hz)、7.35(s,1H)、7.24(d,2H,J=8.0Hz)、7.11〜7.06(m,2H)、6.85(s,1H)、6.45(t,1H,J=6.0Hz)、4.49(d,2H,J=6.0Hz)、2.97(s,3H)、2.11(s,3H)、1.30(s,9H).
【0098】
実施例13
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジルアミド
【化25】

【0099】
段階1:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸
4ml容量のDMF中のエチルジエチルホスホノ酢酸塩(1.2当量、0.25g)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これに60%水素化ナトリウム(1.4当量、1.27mmol,51mg)を添加した後、3mlのDMF中の4−t−ブチルフェニルアセトフェノン(0.16g、0.91mmol)を徐々に添加してから4時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出して、水で洗浄した。次いで、結合された有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をMeOH/THF溶液に溶解させ、1N NaOH溶液を添加した後、一晩中還流させた。TLCで反応終了を確認した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出して、1N HCl溶液で酸性化させた。次いで、結合された有機層をMgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた固形粉をカラムクロマトグラフィーで精製して標題化合物(134mg、68.1%)を得た。
【0100】
段階2:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸−3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジルアミド
50ml容量の丸底フラスコでN−(4−アミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(0.14g、0.55mmol)、3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸(1.0当量、0.12g)及びDMTMM(1.2当量、0.183g)を添加した後、得られた混合物に25mlのテトラヒドロフランを注入し、トリエチルアミン(過量、0.5ml)を添加してから常温で12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出して、1N HCl溶液で洗浄した。次いで、結合された有機層をMgSO上で乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)標題化合物(41.5mg)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.53(m,1H)、7.39(s,4H)、7.14(m,2H)、6.48(s,1H)、6.03(d,1H,J=1.2Hz)、5.93(m,1H)、4.50(d,2H,J=6Hz)、3.02(s,3H)、1.32(s,3H).
【0101】
実施例14
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチルアクリルアミド
【化26】

3−(4−t−ブチル−フェニル)−2−メチルアクリル酸(1.1当量、0.14mmol、31.01mg)及び(R)−N−[4−(1−アミノ−エチル)−2−フルオロフェニル]メタンスルホンアミド(1当量、0.13mmol、30mg)をDMFに溶解させた。DEPC(1.2当量、0.16mmol、23.67μl)及びTEA(2当量、0.26mmol、36.24μl)を添加した。反応混合物を12時間攪拌した。DMFを真空下で除去した。残渣を酢酸エチル及び水で抽出した。次いで、結合された有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EtOAc=1:1)標題化合物(52.53mg、93.5%)を白色の固形粉で得た。
融点:92〜94℃;
[α]20:−21.06(CHCl、c0.34);
IR(KBr ペレット、cm−1):3335、3249、2964、1615、1509、1325、1163;H NMR(400MHz,CDCl):δ7.49(t,1H,J=8.0Hz)、7.37(d,2H,J=8.0Hz)、7.30(s,1H)、7.26(d,2H,J=8.0Hz)、7.14(s,1H)、7.12(d,1H,J=3.6Hz)、6.61(s,1H)、6.08(d,1H,J=7.6Hz)、5.15(qd,1H,J=13.6,6.8Hz)、2.99(s,3H)、2.09(s,3H)、1.51(d,3H,J=6.8Hz)、1.30(s,9H).
【0102】
実施例15
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[4−(メタンスルホニルアミノ)ベンジル]プロピオルアミド
【化27】

【0103】
段階1:
(4−t−ブチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル
100ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、トルエン中の4−t−ブチル−塩化ベンゾイル(500mg、2.34mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これに(トリフェニルホスホルアニリデン)酢酸メチルエステル(1.5当量、3.52mmol、1178.39mg)を添加してから90〜100℃で12時間還流させた。TLCで反応終了を確認した後、トルエンを減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)黄色の固形粉(生成物1)を得た。
50ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、生成物(1)をフラスコ内に導入して加熱し、250℃で90分間攪拌した。反応化合物をジクロロメタンで抽出して、カラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=25/1)黄色の液体(生成物(2)、81.7mg、19.69%)を得た。
IR(KBr ペレット、cm−1):2963、2224、1715、1506、1460;
H NMR(400MHz,CDCl):生成物(1)7.70〜7.65(m,6H)、7.59(d,2H,J=8.4Hz)、7.47〜7.35(m,9H)、7.29(d,2H,J=8.8Hz);生成物(2)7.50(d,2H,J=8.0Hz)、7.36(d,2H,J=8.0Hz)、3.80(s、3H)、1.28(s,9H).
【0104】
段階2:
(4−t−ブチル−フェニル)−プロピオン酸
(4−t−ブチル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(21.7mg,0.11mmol)を25mlの丸底フラスコ内に導入して、少量のメタノールに溶解させた。これにKCO溶液を徐々に添加してから1時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、メタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。次いで、酢酸エチル層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて、ろ過した後、減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(メタノール:酢酸エチル=1:1)白色の液体(20.8mg、95.37%)を得た。
IR(KBr ペレット、cm−1):3419、2963、2214、1576、1460;
H NMR(400MHz,CDCl):7.44(d,2H,J=8.8Hz)、7.40(d,2H,J=8.4Hz)、1.30(s,9H).
【0105】
段階3:
4−メタンスルホニルアミノベンジルアミン塩酸塩
4−メタンスルホニルアミノベンジルカルバミン酸t−ブチルエステル(1.2g、4.0mmol)を50ml容量の一口丸底フラスコ内に導入して、30mlの1,4−ジオキサンを注入した。これにc−HCl(過量、2ml)を添加してから4時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた固形粉を酢酸エチルで洗浄し、ガラスフィルターでろ過した。得られた固形粉を大気中で乾燥させて固形粉(0.947g、100%)を得た。
H NMR(300MHz、DMSO):7.38(d,2H,J=8.4Hz)、7.17(d,2H,J=8.4Hz)、3.89(s,2H)、2.94(s,3H).
【0106】
段階4:
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[4−(メタンスルホニルアミノ)ベンジル]プロピオルアミド
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、DMF中の(4−t−ブチル−フェニル)−プロピオン酸(24.5mg,0.12mmol)(段階2で製造される)及びN−(4−アミノメチル−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(1.2当量、0.15mmol,29.10mg)溶液をフラスコ内に導入した。これにTEA(2当量、0.24mmol、33.45μl)及びジエチルシアノホスフェート(1.2当量、0.15mmol、24.46μl)を添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、得られた溶液を酢酸エチルで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)白色の固形粉(10.1mg、21.68%)を得た。
融点:128〜130℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3258、2963、2220、1632、1154;
H NMR(400MHz,CDCl):7.39(d,2H,J=8.4Hz)、7.30(d,2H,J=8.0Hz)、7.24(d,2H、J=8.4Hz)、7.14(d,2H,J=8.0Hz)、6.72(s,1H)、6.20(t,1H,J=5.2Hz)、4.44(d,2H,J=6.0Hz)、2.93(s,3H)、1.23(s,9H).
【0107】
実施例16
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]プロピオルアミド
【化28】

(4−t−ブチル−フェニル)−プロピオン酸(92.58mg、0.46mmol)及びN−[4−(1−アミノ−エチル)−フェニル]−メタンスルホンアミド(1.2当量、0.38mmol、124.1mg)をアルゴンガス雰囲気下でDMFに添加した。TEA(2当量、0.76mmol,105.92mg)及びジエチルシアノホスフェート(1.2当量、0.57mmol,86.48μl)を反応混合物に添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、得られた溶液をジクロロメタンで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSO上乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)白色の固形粉(112mg、61.40%)を得た。
融点:95〜97℃;
[α]20:−32.33℃(CHCl,c0.18);
IR(KBr ペレット、cm−1):3257、3030、2965、2212、1627、1328;
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.65(bs、1H)、7.40(d,2H,J=8.4Hz)、7.32(d,2H,J=8.4Hz)、7.25(d,2H,J=8.4Hz)、7.17(d,2H,J=8.4Hz)、6.57(bs,1H)、5.11(quin,1H,J=6.8Hz)、2.92(s,3H)、1.46(d,3H,J=6.8Hz)、1.25(s,9H).
【0108】
実施例17
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ヨードフェニル}メタンスルホンアミド
【化29】

【0109】
段階1:
4−アミノ−3−フルオロベンゾニトリル
50ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、DMF中の2−フルオロ−4−ヨードアニリン(1g、5.219mmol、1当量)溶液をフラスコ内に導入した。これにシアン化銅(I)(453.4mg、5.063mmol、1.2当量)を添加し、加熱して5時間還流させた。TLCで反応終了を確認した後、飽和重炭酸ナトリウム液を溶液に添加して、5分間攪拌した。得られた溶液をジクロロメタンで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して蒸発させた。得られた液体をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)淡黄色の固形粉(461.6mg)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):8.02(d,2H,J=8.8Hz)、7.30(d,2H,J=8.8Hz)、7.03(d,2H,J=8.4Hz)、6.99(d,2H,J=8.4Hz)、5.51(bs,1H)、4.90(q,1H、J=6.8Hz)、2.44(t,2H,J=7.2Hz)、1.50(sextet,2H,J=7.2Hz)、1.26(d,3H、J=6.8Hz)、0.84(t,3H、J=7.2Hz).
【0110】
段階2:
4−アミノ−3−フルオロ−5−ヨードベンゾニトリル
25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の4−アミノ−3−フルオロベンゾニトリル(300mg、2.204mmol、1当量)溶液をフラスコ内に導入した。これにヨードモノクロリド(393.6mg、2.424mmol,1.1当量)を添加してから1時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、得られた溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム溶液を添加して、攪拌した。次いで、反応溶液をジクロロメタンで抽出して、水(2回)及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)茶色の液体を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):7.64(t,1H,J=1.6Hz)、7.32(t,0.3H,J=1.6Hz)、7.18(dd,1H,J=10.4,1.6Hz)、7.15(dd,0.3H,J=10.4,1.6Hz)、4.63(bs,2H)、4.56(bs,0.6H).
【0111】
段階3:
N−(4−シアノ−2−フルオロ−6−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド
25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の4−アミノ−3−フルオロ−5−ヨード−ベンゾニトリル(1g,3.818mmol、1当量)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これに塩化メタンスルホニル(310.3μl,4.009mmol、1.05当量)及びトリエチルアミン(1.06ml、7.636mmol、2当量)を添加した。混合溶液の温度を常温に昇温させ、加熱して一晩中還流させた。TLCで反応終了を確認した後、ジクロロメタンを減圧下で除去した。これに(THF:HO=2:1)溶液及びNaOH(763.6mg、19.090mmol、5当量)を添加してから10分間攪拌した。得られた溶液を10%HClで酸性化させ、酢酸エチルで抽出して塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた固形粉をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)オレンジ色の固形粉(388.3mg、基質回収量:599mg)(29.90%(74.57%))を得た。
融点:145〜147℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3432、3212、3088、3019、2937、2237、1317、1145;
H NMR(400MHz,CDOD):8.09(t,1H,J=2.0Hz)、7.66(dd,1H,J=9.6,2.0Hz)、3.15(s,3H).
【0112】
段階4:
N−(4−アミノメチル−2−フルオロ−6−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド
50ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、テトラヒドロフラン中の4−アミノ−3−フルオロ−5−ヨード−ベンゾニトリル(330mg、0.970mmol、1当量)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これにボラン−THF錯体溶液(1.0M,1.94ml,1.941mmol、2当量)を添加した。混合溶液の温度を常温に昇温させて、加熱して還流させた。TLCで反応終了を確認した後、溶液を0℃に冷却させた。メタノールを徐々に添加することによって反応物を急冷させた。得られた溶液を酢酸エチルで抽出して、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。得られた液体を減圧下で濃縮して黄色の固形粉(237.5mg、71.14%)を得た。
融点:124〜126℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3439、3239、3069、2927、1610、1323、1152;
H NMR(400MHz,CDOD):7.80(s,1H)、7.30(dd,1H,J=10.0,2.0Hz)、3.96(s,2H)、3.14(s,3H).
【0113】
段階5:
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ヨードフェニル}メタンスルホンアミド
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド(Boc)(27mg、0.0426mmol、1当量)を25ml容量の丸底フラスコ内に導入して、ジクロロメタンに溶解させた。これにトリフルオロ酢酸(3.6118μl、0.0469mmol、1.1当量)を添加して、常温で一晩中攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を重炭酸ナトリウムで中和させて、pHペーパーで確認した。該溶液をジクロロメタンで抽出して、塩水で洗浄した後、NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)淡黄色の固形粉(11mg、48.39%)を得た。
IR:3408、1634、1567、1321;
H NMR(400MHz,CDOD)1.30(s,9H)、3.15(s,3H)、4.30(s,2H)、7.36(d,1H,J=8.4Hz)、7.20(d,1H,J=8.4Hz)、7.69(d,1H,J=1.6Hz)、7.15(dd,1H,J=1.6,10.4Hz).
【0114】
実施例18
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−ヨードフェニル}メタンスルホンアミド
【化30】

【0115】
段階1:
4−アミノ−2−クロロ−5−ヨードベンゾニトリル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の4−アミノ−2−クロロ−ベンゾニトリル(50mg、0.33mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これにICl(1.1当量、0.36mmol、58.52mg)を添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、Naで反応物を急冷させた。反応溶液をジクロロメタンで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)白色の固形粉(27.5mg、基質回収量:9.6mg、粗質物:7.7mg)(30.20%)を得た。
融点:158〜160℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3350、2922、2218、799;
H NMR(400MHz,CDCl):7.78(s,1H)、6.75(s,1H)、4.67(bs,2H).
【0116】
段階2:
4−アミノメチル−5−クロロ−2−ヨードフェニルアミン
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコにアルゴンガスでパージし、テトラヒドロフラン中の4−アミノ−2−クロロ−5−ヨード−ベンゾニトリル(63.8mg、0.23mmol)溶液をフラスコ内に導入して、0℃に冷却させた。これにボラン−THF錯体(2当量、0.46mmol,0.4ml)を徐々に添加した。混合物の温度を昇温させて、加熱して12時間還流した。TLCで反応終了を確認した後、これにメタノールを徐々に添加して(気泡の発生)2時間攪拌した。メタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。次いで、酢酸エチル層を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮して黄色のシロップ(46.5mg、71.85%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):7.56(s,1H)、6.72(s,1H)、3.72(s,2H).
【0117】
段階3:
(4−アミノ−2−クロロ−5−ヨードベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、テトラヒドロフラン中の4−アミノメチル−5−クロロ−2−ヨード−フェニルアミン(445.1mg,1.58mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これにBocO(1.2当量、1.89mmol,435.68ml)を徐々に添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を酢酸エチルで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)白色の固形粉(502.9mg,83.39%)を得た。
融点:117〜119℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3325、2974、1683、1251、755;H NMR(400MHz,CDCl):7.52(s,1H)、6.65(s,1H)、4.82(bs,1H)、4.17(d,2H,J=4.8Hz)、4.05(bs,2H)、1.38(s,9H).
【0118】
段階4:
(2−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージした。ジクロロメタン中の(4−アミノ−2−クロロ−5−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(268.4mg、0.70mmol)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これに塩化メタンスルホニル(5当量、3.51mmol,271.91μl)及びTEA(3当量、2.10mmol、292.69μl)を徐々に添加してから常温で12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、NaHCO溶液で反応物を急冷させた。反応溶液をジクロロメタンで抽出して、CuSO、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体を溶液(THF:HO=2:1)で希釈させ、NaOH(5当量、3.5mmol,140mg)を添加した後、1時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を10%HClで酸性化させて、酢酸エチルで抽出して水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)白色の固形粉(211.8mg,65.53%)を得た。
融点:150〜152℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3372、2986、1693、759;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.75(s,1Hz)、7.59(s,1Hz)、6.71(bs,1Hz)、5.09(bs,1H)、4.29(d,2H,J=6.0Hz)、3.00(s,3Hz)、1.42(s,9Hz).
【0119】
段階5:
N−(4−アミノメチル−5−クロロ−2−ヨードフェニル)メタンスルホンアミド
(2−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−カルバミン酸トイソプロピルエステル(100mg、0.22mmol)を乾燥した25ml容量の丸底フラスコ内に導入して、ジクロロメタンに溶解させた。これに5〜6滴のCFCOOHを添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、トルエンを用いることによって得られた溶液を減圧下で濃縮して茶色のシロップ(102.1mg、130.48%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ8.05(s,1H))、7.59(s,1H)、4.19(s,2H))、3.05(s,3H).

段階6:
N−4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−ヨードフェニルメタンスルホンアミド
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の4−t−ブチル−ベンジルアミン(34.28μl、0.28mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これにBocO(1.5当量、0.32mmol、72.44μl)及びDMAP(0.2当量、0.01mmol、5.13mg)を徐々に添加してから5時間攪拌した。TLCで1−t−ブチル−4−イソシアナートメチル−ベンゼンが生成されたことを確認した後、これにN−(4−アミノメチル−5−クロロ−2−ヨード−フェニル)−メタンスルホンアミド(1当量、0.28mmol、74.6mg)及びTEA(2当量、0.56mmol、58.54μl)を添加してから12時間攪拌した。反応の進行を確認した後、該反応溶液をジクロロメタンで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)白色の固形粉(30.4mg、20.04%)を得た。
融点:163〜165℃;
IR(KBr ペレット,cm−1):3319、3024、2961、1638、1315、765;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.70(s,1H)、7.49(s,1H)、7.26(d,2H、J=8.4Hz)、7.11(d,2H,J=8.0Hz)、6.64(s,1H)、5.17(bs,2H)、4.25(s,2H)、4.22(s,2H)、2.92(s,3H)、1.21(s,9H).
【0120】
実施例19
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−エチル−6−フルオロフェニル}メタンスルホンアミド
【化31】

N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ビニル−フェニル}メタンスルホンアミド(15.6mg,0.04mmol)をメタノールに溶解させた。これにPd/C(10重量%)を添加して、フラスコ中の空気を水素ガスに取り替えた後、反応溶液を1時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、Pd/Cを、セライトでろ過した。メタノールを減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)白色の固形粉(15.8mg、100.0%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):7.28(d,2H,J=8.4Hz)、7.
15(d,2H,J=8.0Hz)、6.91(s,1H)、6.84(q,1H,J=10.4Hz)、5.86(s,1H)、4.28(s,4H)、3.00(s,3H)、2.76(q,2H,J=7.6Hz)、1.23(s,9H)、1.31(t,3H,J=8.0Hz).
【0121】
実施例20
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロフェニル}メタンスルホンアミド
【化32】

3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノベンジルアミン塩酸塩(1.13g)(実施例1の段階3で製造される)をDMF(6ml)に溶解させて、ジクロロメタン(35ml)で希釈した。これに4−t−ブチルベンジルイソシアネート(1.09g)及びTEA(1.2ml)を添加してから常温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧下で濃縮して、酢酸エチル(20ml)で希釈させて、水及び飽和NaCl水溶液で洗浄した。得られた溶液を無水MgSOで乾燥させて、分離した溶液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)標題化合物(1.23g、53%)を得た。
融点:95℃。
H−NMR(CDCl+CDOD,300MHz)1.23(s,9H)、2.91(s,3H)、4.22(s,2H)、4.24(s,2H)、6.99−6.93(m,2H)、7.13(d,2H,J=8.2Hz)、7.26(d,2H,J=8.4Hz),7.34(t、1H、J=8.3Hz)
LRMS(FAB):408(M+H+).
【0122】
実施例21
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−メチルフェニル}メタンスルホンアミド
【化33】

N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−メチルフェニル}メタンスルホンアミド(22%)を実施例20と同一の方法によって合成した。

H−NMR(300MHz,CDOD):δ1.29(s,9H)、2.33(s,3H)、2.94(s,3H)、4.28(s,4H)、7.35−7.09(m,7H)IR(原液)cm−1:3368、2960、1635、1567、1504、1321。
質量(LC)404.1[M+H]
【0123】
実施例22
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−クロロフェニル}メタンスルホンアミド
【化34】

N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−クロロフェニル}メタンスルホンアミド(10%)を実施例20と同一の方法によって合成した。

融点:60〜61℃;
H NMR(CDCl,300MHz):1.29(s,9H)、2.97(s,3H)、4.35(d,4H,J=5.9Hz)、4.64(bs,2H)、6.70(bs,1H)、7.23−7.15(m,3H)、7.36−7.31(m,3H)、7.57(d,1H,J=8.3Hz);
IR(原液、cm−1):3353、2960、1635、1571、1496、1329;
LRMS(ESI):m/z424.0(M+H)
【0124】
実施例23
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−ニトロフェニル}メタンスルホンアミド
【化35】

段階1:
N−(4−シアノ−2−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド
KH(700mg、6.1mmol)を−78℃でTHF(15ml)に溶解させ、これにTHF(10ml)中の4−アミノ−3−ニトロ−ベンゾニトリル(500mg、3.1mmol)溶液を滴加した。反応溶液を30分間攪拌した後、該溶液に塩化メタンスルホニル(0.35ml、4.6mmol)を滴加してから3時間攪拌した。反応溶液を水で急冷させて、得られた溶液を酢酸エチルで希釈した。次いで、有機層を水及び塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)ニトリル(120mg,16%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):δ3.24(s,3H)、7.90(dd,1H,J=8.8,2.0Hz)、8.03(d,1H,J=8.8Hz)、8.59(d,1H,J=2.0Hz).
【0125】
段階2:
N−[4−(アミノメチル)−2−ニトロフェニル]メタンスルホンアミド
ニトリル(120mg,0.50mmol)をTHF(5.0ml)に溶解させた。これにトルエン中の1M BH(1.5ml)溶液を滴加してから2時間還流させた。その後、2N HCl(1.0ml)を添加して、1時間還流させた。得られた溶液を減圧下で濃縮して粗質のアミン(48mg、39%)を得た。アミン化合物は追加の処理なしに段階3に用いられた。
【0126】
段階3:
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−ニトロフェニル}メタンスルホンアミド
前記段階2で製造されたアミン化合物をt−ブチルベンジルイソシアネートと反応させて実施例20と同一の方法によって尿素(10%)を得た。
融点:177〜178℃;
H NMR(CDCl、300MHz)1.29(s,9H)、3.10(s,3H)、4.35(d,2H,J=5.7Hz)、4.40(d,2H,J=5.9Hz)、4.73(bs,1H)、4.81(bs,1H)、7.23(d,2H,J=8.3Hz)、7.36(d,2H,J=8.4Hz)、7.58(d,1H,J=6.6Hz)、7.81(d,1H,J=8.8Hz)、8.12(s,1H)、9.64(bs,1H).
IR(原液、cm−1):3317、2958、2927、2860、1632、1534;
LRMS(ESI):m/z435(M+H)
【0127】
実施例24
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−ヨード−フェニル}−メタンスルホンアミド
【化36】

N−(4−アミノメチル−2−ヨード−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(297mg、0.820mmol)を通常の方法によって(4−t−ブチル−ベンジル)−カルバミン酸フェニルエステルと反応させて白色の固形粉(152mg)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.68(d,1H,J=1.8Hz)、7.46(d,1H,J=8.1Hz)、7.32(m,2H)、7.19〜7.15(m,3H)、6.63(br,1H)、5.20(dt,2H,J=21Hz)、4.27(d,2H、J=5.1Hz)、4.22(d,2H,J=5.7Hz)、2.95(s,3H)、1.28(s,9H).
IR(原液、cm−1):3322、2962、1634、1566、1487、1384、1327.
【0128】
実施例25
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,6−ジフルオロ−フェニル}−メタンスルホンアミド
【化37】

N−(4−アミノメチル−2,6−ジフルオロ−フェニル)−メタンスルホンアミド塩酸塩(100mg、0.36mmol)を通常の方法によって(4−t−ブチルベンジル)−カルバミン酸フェニルエステルと反応させて白色の固形粉(18mg,12%)を得た。
H NMR(300MHz、CDOD):7.29(d,2H,J=8.4Hz)、7.17(d,2H,J=8.4Hz)、6.98(d,2H,J=9.0Hz)、6.17(bt,1H)、6.06(bt,1H)、4.32(d,2H,J=6.3Hz)、4.26(d,2H,J=6.0Hz)、3.03(s,3H)、1.23(s,9H).
【0129】
実施例26
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,5−ジフルオロ−フェニル}−メタンスルホンアミド
【化38】

段階1:
(4−アミノ−2,5−ジフルオロベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した50ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、テトラヒドロフラン中の4−アミノ−2,5−ジフルオロベンゾニトリル(0.5g、3.24mmol)溶液をフラスコ内に導入して、0℃に冷却させた。これにボラン−THF錯体(2当量、6.49mmol、6.49ml)を徐々に添加した後、混合物の温度を昇温させて、加熱して18時間還流した。TLCで反応終了を確認した後、該溶液にメタノールを徐々に添加して(気泡の発生)2時間攪拌した。メタノールを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。次いで、酢酸エチル層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮して黄色のシロップを得た。前記得られた液体をテトラヒドロフランに溶解させて、BocO(1.0当量、0.71g)を徐々に添加してから1常温で2時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を酢酸エチルで抽出して、水及び塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)白色の固形粉(0.43g、51.2%)を得た。
【0130】
段階2:
(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の(4−アミノ−2,5−ジフルオロベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(0.43g,1.66mmol)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これに塩化メタンスルホニル(1.2当量、1.99mmol、0.16ml)及びピリジン(過量、0.5ml)を徐々に添加してから12時間還流させた。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を10%HClで酸性化させ、ジクロロメタンで抽出した。その後、水及び塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)白色の固形粉(0.41g、73.5%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.32(m,1H)、7.19(m,1H)、6.72(bs,1H)、4.95(bs,1H)、4.30(d,2H,J=6.3Hz)、3.05(s,3H)、1.46(s,9H).
【0131】
段階3:
2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルベンジルアミン塩酸塩
(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル(0.41g、1.22mmol)を50ml容量の一口丸底フラスコ内に導入して、30mlの1,4−ジオキサンを注入した。これにc−HCl(過量、2ml)を添加してから4時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた固形粉を酢酸エチルで洗浄し、ガラスフィルターでろ過した。得られた固形粉を大気中で乾燥させて固形粉(0.24g,72.5%)を得た。
【0132】
段階4:
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルフェニル}メタンスルホンアミド
2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルベンジルアミン塩酸塩(70mg,0.26mmol)及び4−t−ブチルベンジルカルバミン酸フェニルエステル(1.1当量、80mg)を25ml容量の一口丸底フラスコ内に導入して、15mlのアセトニトリルを注入した。前記溶液にトリエチルアミン(過量、0.5ml)を添加してから18時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を減圧下で濃縮した。得られた物質をジクロロメタンで抽出して、1M HCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーして(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3)標題化合物(64mg)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl):7.35(d,2H,J=8.1Hz)、7.29(m,1H)、7.23(m,2H)、7.14(m,1H)、6.78(s,1H)、4.84(m,2H)、4.34(m,4H)3.02(s,3H)、1.3
0(s,9H).
【0133】
実施例27
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−6−メチルフェニル}メタンスルホンアミド
【化39】

4−t−ブチル−ベンジルアミン(1.5当量、72.85μl、0.45mmol)をジクロロメタンに溶解させた後、BocO(1.5当量、0.45mmol、103.49μl)及びDMAP(0.2当量、0.06mmol、7.33mg)を添加し、反応混合物を5時間攪拌した。TLCで1−t−ブチル−4−イソシアナートメチル−ベンゼンの合成を確認した後、N−(4−アミノメチル−2−クロロ−6−メチル−フェニル)−メタンスルホンアミド(1当量、0.30mmol、107.7mg)及びTEA(2当量、0.60mmol、83.63μl)を混合物に添加してから12時間攪拌した。反応溶媒を真空下で除去し、残渣をジクロロメタンで抽出した。次いで、結合された有機層を水及び塩水で除去し、NaSOで乾燥させた後、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EA=1:1)白色の固形粉(31.3mg、24%)を得た。
融点:170〜172℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3325、2961、1624、1572、1319、767;H NMR(400MHz,CDOD):δ7.31(d,2H,J=8.4Hz)、7.22(d,1H,J=1.6Hz)、7.17(d,2H,J=8.4Hz)、7.10(d,1H,J=1.2Hz)、4.25(d,4H,J=6.4Hz)、3.05(s,3H)、2.39(s,3H)、1.26(s,9H).
【0134】
実施例28
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)−メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチルフェニル}メタンスルホンアミド
【化40】

【0135】
段階1:
(4−アミノ−2−クロロ−5−トリメチルシラニルエチニルベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、DMF中の(4−アミノ−2−クロロ−5−ヨード−ベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(60mg,0.16mmol)、CuI(0.05当量、0.008mmol、1.52mg)及びPdCl(PPh溶液をフラスコ内に導入した。前記溶液を常温で30分間攪拌した。これに(TMS)アセチレン(1.3当量、0.21mmol、29.39mg)及びトリエチルアミン(3当量、0.48mmol、66.90μl)を添加した後、加熱して12時間還流した。TLCで反応終了を確認した後、得られた溶液を酢酸エチルで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=6/1)オレンジ色の固形粉(44.9mg、81.17%)を得た。
融点:104〜106℃;
IR(KBrペレット、cm−1):3356、2962、2143、1698、843;
H NMR(400MHz,CDCl):7.17(s,1H)、6.61(s,1H)、4.77(bs,1H)、4.14(d,2H,J=6.0Hz)、1.35(s,9H)、0.15(s,9H).
【0136】
段階2:
(2−クロロ−5−エチニル−4−メタンスルホニルアミノベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の(4−アミノ−2−クロロ−5−トリメチルシラニルエチニル−ベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(225.3mg、0.64mmol)溶液をフラスコ内に導入した後、0℃に冷却させた。これに塩化メタンスルホニル(5当量、3.20mmol、247.60μl)及びトリエチルアミン(3当量、1.92mmol、267.61μl)を徐々に添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、NaHCO溶液で反応溶液を急冷させた。反応溶液をジクロロメタンで抽出して、CuSO、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体を(THF:H2O=2:1)溶液で希釈させて、前記溶液にNaOH(5当量、3.20mmol、128mg)を添加してから1時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、反応溶液を10%HClで酸性化させて、酢酸エチルで抽出した。その後水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)白色の固形粉(182.6mg、79.70%)を得た。
融点:138〜140℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3371、3025、2987、1694、1327、701;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.53(s,1H)、7.40(s,1H)、6.99(bs,1H)、5.06(s,1H)、4.23(d,2H、J=6.0Hz)、2.95(s,3H)、1.35(s,9H).
【0137】
段階3:
N−(4−アミノメチル−5−クロロ−2−エチニルフェニル)メタンスルホンアミド
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の(2−クロロ−5−エチニル−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(182.6mg、0.51mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これに5〜6滴のCFCOOHを添加してから12時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、トルエンの使用により得られた溶液を減圧下で濃縮して茶色のシロップ(98.1mg,114.23%)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.69(s,1H)、7.66(s,1H)、4.22(s,2H)、4.04(s,1H)、3.03(s,3H).
【0138】
段階4:
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチニルフェニル}メタンスルホンアミド
乾燥した25ml容量の二口丸底フラスコでアルゴンガスでパージし、ジクロロメタン中の4−t−ブチルベンジルアミン(44.08μl、0.27mmol)溶液をフラスコ内に導入した。これにBocO(1.5当量、0.41mmol、93.14μl)及びDMAP(0.2当量、0.05mmol、6.59mg)を徐々に添加してから5時間攪拌した。TLCで1−t−ブチル−4−イソシアネートメチル−ベンゼンが生成されたことを確認した後、前記溶液にN−(4−アミノメチル−5−クロロ−2−エチニル−フェニル)−メタンスルホンアミド(1当量、0.27mmol、70mg)及びTEA(2当量、0.54mmol、75.27μl)を添加して、12時間攪拌した。TLCで反応の進行を確認した後、反応溶液をジクロロメタンで抽出して、水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過して減圧下で濃縮した。得られた液体をカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)白色の固形粉(20.20mg、16.73%)を得た。
融点:116〜118℃;
IR(KBr ペレット、cm−1):3282、3025、2961、2202、1636、1329、762;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.53(s,1H)、7.46(s,1H)、7.27(d,2H,J=8.4Hz)7.14(d,2H,J=8.0Hz)、6.91(bs,1H)、4.30(s,2H)、4.25(s,2H)3.44(s,3H)、3.02(s,1H)、2.95(s,3H)、1.22(s,9H).
【0139】
段階5:
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)−メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチルフェニル}メタンスルホンアミド
N−{4−[3−(4−t−ブチルベンジル)−メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチニル−フェニル}−メタンスルホンアミド(30mg、0.19mmol)及びリンドラーの触媒(Lindlar catalyst)をメタノールに添加してから水素ガス雰囲気下で1時間攪拌した。反応混合物をセライトパッドでろ過した。得られたろ液を真空下で濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで精製して(n−Hx:EtOAc=1:1)黄色のシロップ(25.6mg、85%)を得た。
IR(NaCl原液、cm−1):3309、3022、2964、1636、1322、1153、757;
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.22(d,2H,J=8.0Hz)、7.18(d,1H,J=8.8Hz)、7.08(d,2H,J=8.4Hz)、7.00(s,1H)、6.91(d,1H,J=8.0Hz)、6.63(s,1H)、5.26(bs,2H)、4.15(d,2H,J=10.8Hz)、2.86(s,3H)、2.51(q,2H,J=7.6Hz)、1.20(s,9H)、1.08(t,3H、J=7.6Hz).
【0140】
実施例29
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−フルオロ−6−メチルフェニル}−メタンスルホンアミド
【化41】

N−(4−アミノメチル−2−フルオロ−6−メチル−フェニル)−メタンスルホンアミド及び塩酸塩(200mg,0.70mmol)を通常の方法によって3−(4−t−ブチル−ベンジル)−カルバミン酸フェニルエステルと反応させて白色の固形粉(31mg、11%)を得た。
H NMR(300MHz,DMSO−d6+CDCl):8.70(s,1H)、7.25(d,2H,J=8.1Hz)、7.14(d,2H,J=8.4Hz)、7.04(d,1H,J=8.1Hz)、7.02(d,1H,J=8.4Hz)、5.55(bs,2H)、4.29(s,2H)、4.23(s,2H)、2.87(s,3H)、2.19(d,3H,J=2.7Hz)、1.22(s,9H).
【0141】
1.45Ca流入試験
1)新生ラットにおける脊髄後筋神経節(dorsal root ganglia:DRG)の分離及びその1次培養
新生(2〜3日齢又は2〜3日齢未満)SDラットを5分間氷上に載せて痲酔させ、70%エタノールで殺菌した。脊髓全部分のDRGを切り開き(Woodらの文献[1988,J.Neurosci.8,pp3208〜3220])、重炭酸ナトリウム1.2g/l及びゲンタマイシン(gentamycin)50mg/lが添加されたDME/F12培地内に集めた。DRGを37℃で30分間コラゲナーゼ200U/ml及びトリプシン2.5mg/mlで個別的かつ順次的に培養した。神経節を10%ウマ血清で補充されたDME/F12倍地で2回洗浄し、ファイアーポリシングパスツールピペット(fire−polished Pasteur pipette)を通して粉末化し、80μmのニテックス(Nitex)膜でろ過して単個細胞浮遊液を得、この浮遊液をさらに洗浄した。これを遠心分離した後、細胞培養培地に所定水準の細胞密度に再懸濁した。細胞培養培地としては、10%ウマ血清で補充されたDME/F12倍地を、融合性(confluent)単層で2日間培養されたC6グリオーマ細胞によって調節された同一な培地で希釈し(1:1)、NGF(神経成長因子)を添加して最終濃度200ng/mlに調整したものを用いた。分裂中の非神経細胞を殺すためにシトシンアラビノシド(cytosine arabinoside)(Ara−C、100μM)が添加された培地で細胞を2日間増殖させた後、培地をAra−Cのない培地に変えた。再懸濁された細胞をポリ−D−オルニチン10μg/mlで予め被覆させたテラサキ(Terasaki)プレート上に1500〜2000ニューロン/ウエルの密度でプレーティングした。
【0142】
2)45Ca流入実験
2日間の1次培養物からのDRG神経細胞をHEPES(10mM、pH7.4)で緩衝されたCa2+、Mg2+が含まれていないHBSS(H−HBSS)で4回洗浄して平衡化させた。各々のウエル内の溶液を個々のウエルから取り除いた。H−HBSS内に試験化合物+カプサイシン(最終濃度:0.5μM)及び45Ca(最終濃度:10μCi/ml)を含む培地を各々のウエルに添加し、室温で10分間培養した。テラサキプレートをH−HBSSで5回洗浄し、室温で乾燥させた。各々のウエルに、0.3%SDS(10μl)を添加して45Caを溶出させた。各々のウエルにシンチレーション・カクテル(scintillation cocktail)を添加した後、ニューロンへの45Ca流入量と放射能をカウントすることによって測定した。バニロイド受容体に対する試験化合物0.5μM濃度での拮抗作用をカプサイシンの最大阻害反応度率として計算した。要約すれば、本発明のすべての実施例は40〜500nMの優れたIC50値を示し、大部分の化合物が600nM未満のIC50値を有する。
表1
【表1】

【0143】
2.鎮痛活性試験:フェニル−p−キノンによって誘導されたマウスライジング(writhing)試験
雄ICRマウス(平均体重:25g)を制御された照明環境(電源が入っている状態で12時間/電源が切れている状態で12時間)下で維持させた。動物に化学刺激剤物質であるフェニル−p−キノン(4.5mg/kgの投与量になるように5%エタノールを含む食塩水溶液)0.3mlを腹腔内注射した。6分後から、腹部が収縮する回数を6分間計測した。フェニル−p−キノンを注射する30分前にエタノール/ツイーン(Tween)80/食塩水(10/10/80)の媒体に溶かした試験化合物溶液0.2mlを実験動物(10匹/群)の腹腔内に投与した。食塩水対照群のライジング回数に対る試験薬物化合物にが投与された処理群のライジング回数の減少度を鎮痛効果の指標とみなして鎮痛効果を下記方程式1によって計算した(表2):
[方程式1]
%阻害率=(C−T)/C×100
前記式中、C及びTはそれぞれ対照群及び化合物処理群におけるライジング回数を指す。
表2
フェニル−p−キノンによるライジングに対する鎮痛活性の試験結果
【表2】

【産業上利用可能性】
【0144】
前述のように、本発明による化合物は、痛み、片頭痛、関節痛、神経痛、神経障害、神経損傷、皮膚疾患、膀胱過敏症、過敏性腸症候群、便意切迫、呼吸障害、肌、目または粘膜の刺激、胃・十二指腸潰瘍、炎症性疾患、耳疾患、及び心疾患などの予防及び治療に有用である。
より具体的に記述すれば、本発明による化合物は、急性痛み、慢性痛み、神経障害性痛み、手術の後痛み、リウマチ性関節痛、骨関節症の痛み、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、HIV関連の神経障害、神経変性、卒中、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、掻痒症、痒疹、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、尿失禁、炎症性腸疾患、聴覚過敏症、耳鳴り、前庭の過敏症及び心筋収縮性虚血の予防及び治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(Ia)の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩:
【化1】

(式中、
XはCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素、ハロゲン、C1−C5アルキルまたはフェニルであり;
及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルカルボニルアミノ、C1−C5アルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニルまたはC1−C5アルコキシカルボニルであり;
は水素、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシまたはハロ(C1−C5)アルキルであり;
、R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
はC1−C5アルキルスルホニルまたはC2−C5アルケニルスルホニルであり;
10は水素であり;
前記Rが水素ではない場合には、前記R11及びR12も水素ではない。)
【請求項2】
XがCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、メチル、エチルまたはプロピルであり;
及びRは各々独立に水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、トリフルオロメチル、メトキシまたはエトキシであり;
が水素、メチル、エチルまたはメトキシであり;
、R、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、C2−C5アルキニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、フェニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
がメタンスルホニル、エタンスルホニルまたはエテニルスルホニルであり;
10が水素であり;
前記Rが水素ではない場合には、前記R11及びR12も水素ではない;
請求項1記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項3】
XがトランスCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素またはメチルであり;
が水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、メトキシまたはエトキシであり;
が水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;
が水素であり;
、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;
がハロ(C1−C3)アルキル、イソプロピルまたはt−ブチルであり;
がメタンスルホニルであり;
10が水素である;
請求項1記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項4】
XがトランスCR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12は各々独立に水素またはメチルであり;
が水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;
が水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;
が水素であり;
が水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;
、R及びRがいずれも水素であり;
がイソプロピルまたはt−ブチルであり;
がメタンスルホニルであり;
10が水素である;
請求項1または3記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項5】
XがCR11=CH、CH=CR12、CR11=CR12またはC≡Cであり、ここでR11及びR12はともにメチルであり;
R1が水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、メトキシまたはエトキシであり;
が水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;
がメチルであり;
、R、R及びRが独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;
がハロ(C1−C3)アルキル、イソプロピルまたはt−ブチルであり;
がメタンスルホニルであり;
10が水素である;
請求項1記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項6】
XがCR11=CHまたはC≡Cであり、ここでR11はメチルであり;
が水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;
が水素、メチル、フルオロまたはクロロであり;
がメチルであり;
が水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ニトロ、エテニル、プロペニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、エチニル、プロピニル、トリフルオロメチル、メチルチオ、アセチル、メトキシカルボニル、ブロモ、クロロまたはヨードであり;
、R及びR8がいずれも水素であり;
がイソプロピルまたはt−ブチルであり;
がメタンスルホニルであり;
10が水素である;
請求項1または5に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項7】
がスルホニルアミノ基に対してオルト位でフェニル環に結合されている式(Ib)の構造を有する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩:
【化2】

【請求項8】
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−2−メチル−アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)プロピオルアミド、
(E)−3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−メチル−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−5−ヨード−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−クロロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチル−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−5−メチル−ベンジル)アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−2−メチル−アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]プロピオルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチルアクリルアミド、及び
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチル−アクリルアミド、
からなる群から選ばれた請求項1または3〜7のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/または薬剤学的に許容される塩。
【請求項9】
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]−2−メチルアクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジル)−2−メチル−アクリルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−ブタ2−エン酸3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−ベンジルアミド、
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(R)−(4−メタンスルホニルアミノフェニル)エチル]プロピオルアミド、及び
3−(4−t−ブチル−フェニル)−N−[1−(3−フルオロ−4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)エチル]−2−メチル−アクリルアミド
からなる群から選ばれた請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/または薬剤学的に許容される塩。
【請求項10】
式(II)の化合物、その異性体及び/または薬剤学的に許容される塩:
【化3】

(式中、
及びRは各々独立に水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、カルボキシ、C1−C5アルコキシカルボニルまたはC1−C5アルキルチオであり、ここでR及びRのうち少なくとも一つは水素でなく;
、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
R6はハロ(C1−C3)アルキルまたはC1−C5アルキルであり;
R9はC1−C5アルキルスルホニル、C2−C5アルケニルスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルである。)
【請求項11】
及びRは各々独立に水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、カルボキシ、C1−C5アルコキシカルボニルまたはC1−C5アルキルチオであり、ここでR及びRのうち少なくとも一つは水素でなく;
、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、C1−C5アルキル、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、C2−C5アルキニル、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルコキシカルボニル、フェニルまたはハロゲンであり、ここで前記フェニルは非置換されているか、または、カルボキシ、C1−C5アルキル、ハロゲン、ニトロ、C2−C5アルケニル、C1−C5アルコキシ、ハロ(C1−C5)アルキル、C1−C5アルキルカルボニル、C1−C5アルキルチオ、C1−C5アルキルスルホニル及びC1−C5アルコキシカルボニルからなる群から選ばれた1つ以上の置換基で置換されており;
がC1−C5アルキルであり;
がC1−C5アルキルスルホニル、C2−C5アルケニルスルホニルまたはトリフルオロメタンスルホニルである;
請求項10に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項12】
及びRが各々独立に水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシまたはメトキシカルボニルであり、ここでR1及びR2のうち少なくとも一つは水素でなく;
、R、R及びRは各々独立に水素、カルボキシ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ニトロ、エテニル、エチニル、イソブチル、メチルチオまたはメトキシカルボニルであり;
がC3−C5アルキルであり;
がメタンスルホニル、エタンスルホニルまたはエテンスルホニルである;
請求項10または11に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項13】
及びRは各々独立に水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシまたはメトキシカルボニルであり、ここでR及びRのうち少なくとも一つは水素でなく;
、R、R及びRが水素であり;
がイソプロピルまたはt−ブチルであり;
がメタンスルホニルである;
請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項14】
がフルオロ、クロロ、メチル、エチル、n−プロピル及びニトロから
なる群から選ばれ;
がフルオロ、クロロ、メチル、エチル及びヨードからなる群から選ばれるが、R
がメチル、エチル及びn−プロピルからなる群から選ばれる場合は、Rは水素であり得;
、R、R及びRは各々独立に水素、ハロゲン、カルボキシ、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ニトロ、エテニル、エチニル、イソブチル、メチルチオまたはメトキシカルボニルであり;
がハロ(C1−C3)アルキルまたはC3−C5アルキルであり;
がメタンスルホニルである;
請求項10に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項15】
がスルホニルアミノ基に対してオルト位でフェニル環に結合されている請求項11〜14のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項16】
及びRがともにスルホニルアミノ基に対してオルト位に結合された下記式(IIa)の構造を有する請求項11〜15のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩:
【化4】

【請求項17】
がメチルまたはエチルであり、Rが水素、フルオロ及びクロロからなる群から選ばれる請求項15または16に記載の化合物、その異性体及び/またはその薬剤学的に許容される塩。
【請求項18】
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−エチル−6−フルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−ニトロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2−ヨード−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,6−ジフルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)−メチルウレイド]−2,5−ジフルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−6−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−5−クロロ−2−エチル−フェニル}メタンスルホンアミド、及び
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、
からなる群から選ばれた請求項11〜13のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/または薬剤学的に許容される塩。
【請求項19】
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−メチルフェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−エチル−6−フルオロ−フェニル}メタンスルホンアミド、
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−クロロ−6−メチル−フェニル}メタンスルホンアミド、及び
N−{4−[3−(4−t−ブチル−ベンジル)メチルウレイド]−2−フルオロ−6−メチルフェニル}メタンスルホンアミド、
からなる群から選ばれた請求項11〜16のいずれか一項に記載の化合物、その異性体及び/または薬剤学的に許容される塩。
【請求項20】
薬剤として用いるための請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
活性成分として請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的に許容される担体とともに含む医薬組成物。
【請求項22】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩、及び薬剤学的に許容される担体を含む、バニロイド受容体の病理学的刺激及び/または非正常的発現と関連した症状の予防及び治療用医薬組成物。
【請求項23】
痛み、炎症性関節疾患、尿失禁を含む膀胱過敏症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)及び炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、掻痒症及び痒疹(prurigo)からなる群から選ばれた症状を治療するための請求項21または22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
痛みが、骨関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、糖尿病性神経障害性の痛み、手術後の痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(線維筋痛、筋筋膜性疼痛症候群及び背痛を含む)、片頭痛及び他の類型の頭痛からなる群から選ばれた症状またはこれと関連する症状である請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
経口投与用として適合することを特徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
患者におけるバニロイド受容体を発現する細胞を請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩と接触させることを含む、患者におけるバニロイドリガンドがバニロイド受容体に結合することを阻害する方法。
【請求項27】
治療有効量の請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩を、痛み、炎症性関節疾患、尿失禁を含めた膀胱過敏症、胃−十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)及び炎症性腸疾患(IBD)、神経症性/アレルギー性/炎症性皮膚疾患、乾癬、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、掻痒症及び痒疹からなる群から選ばれる症状の治療が必要な人間を初めとした哺乳動物に投与することを含む、前記症状を治療する方法。
【請求項28】
痛みが、骨関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、糖尿病性神経障害性の痛み、手術後の痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(線維筋痛、筋筋膜性疼痛症候群及び背痛を含む)、片頭痛及び他の類型の頭痛からなる群から選ばれた症状又はこれと関連する症状である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
バニロイド受容体の非正常的発現及び/または非正常的活性化と関連する症状を予防または治療するための請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩の使用。
【請求項30】
痛み、炎症性関節疾患、尿失禁を含めた膀胱過敏症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)及び炎症性腸疾患(IBD)、神経症性/アレルギー性/炎症性肌疾患、乾癬、ゼンソク、慢性閉塞性肺疾患、掻痒症及び痒疹からなる群から選ばれた症状の予防または治療用薬剤の製造における請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、その異性体またはその薬剤学的に許容される塩の使用。
【請求項31】
症状が骨関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、糖尿病性神経障害性の痛み、手術後の痛み、非炎症性筋骨格系の痛み(線維筋痛、筋膜性疼痛症候群及び背痛を含む)、片頭痛及び他の類型の頭痛からなる群から選ばれた症状またはこれと関連する症状である請求項30に記載の使用。

【公表番号】特表2008−537547(P2008−537547A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502896(P2008−502896)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000988
【国際公開番号】WO2006/101321
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505118718)アモーレパシフィック コーポレイション (21)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【Fターム(参考)】