説明

バラエティブレッド用改良剤

【課題】バラエティブレッドに使用する、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の食品素材に起因する、体積減少、風味悪化、色相の悪化、素材の結着性の悪化の諸問題を全て改善することのできる、バラエティブレッドの改良剤を提供すること。
【解決手段】乳清ミネラル、とくに固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを有効成分として含有するバラエティブレッド用改良剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バラエティブレッド用改良剤及び該バラエティブレッド用改良剤を使用したバラエティブレッド生地に関する。
【背景技術】
【0002】
パン類は、その糖類の添加量によって、硬焼パン、食パン、菓子パンに分類される。
すなわち、糖類の配合量が小麦粉100質量部に対し10質量部を超えると焼成されたパンは甘味を強く感じるため、菓子パンと言われ、糖類をほとんど配合しないと、焼成されたパンの外皮は硬く、甘味がほとんどなく、外皮(クラスト)の硬いパンとなるため、硬焼パンといわれる。その中間の糖類含量であると適度な甘味とソフトなクラストのパンが得られるため、主食用のパンとして好適であるため食パンといわれる。
【0003】
この食パンとは、主原料として小麦粉、イースト、塩、水を主原料として、必要に応じ副原料(糖、油脂、乳や乳製品、卵製品、添加物等)、その他を加えて、醗酵させた生地を主として焼型に詰めて焼成したパンであり、ホワイトブレッド(白食パン)と、バラエティブレッドに区分される。
【0004】
ここで、ホワイトブレッド(白食パン)とは、山型食パン、角型食パン(プルマンブレッド)、ワンローフ等の主食用のパンであり、主原料の風味が生かされていることが特徴である。
【0005】
一方、バラエティブレッドは、ホールホィートブレッド(全粒粉パン)、スペシャリティブレッド(雑穀パン)、ナッツブレッド、フルーツブレッド、ベジタブルブレッド等、上記ホワイトブレッド生地に、混捏時に、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の食品素材を混合し、焼型に詰めたり、展板に載せて焼成したものである。
【0006】
なお、硬焼きパン生地に、これらの全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の食品素材を混合した場合は「バラエティハードブレッド」といい、「バラエティブレッド」の一種とされることもある。
【0007】
また、菓子パン生地に、上記食品素材を混合した場合に、まれに「ソフトバラエティブレッド」といわれ、「バラエティブレッド」の一種とされるが、上記「バラエティハードブレッド」ほどの知名度はなく、また、実際に販売されている商品も少ない。これは、菓子パンはもともと、生地に風味素材を練りこんだり、クリームやジャム等をフィリングしたり、トッピングしたり、あるいはクリームや餡を包餡したりして、もともと各種の風味のバラエティがあることから、糖類の配合量が小麦粉100質量部に対し10質量部を超える生地に、単に上記食品素材のみを風味原料として使用した菓子パンの存在意義が乏しいこと、さらには、糖類の甘さにより、上記食品素材の風味がマスキングされ、ストレートに感じられないためであると思われる。
【0008】
ここで、これらのバラエティブレッドには、ホワイトブレッドとは違った問題がある。
たとえば、これらのバラエティブレッドは、全粒粉に含まれる穀粒あるいは小麦粉以外の穀粉が入ることから、小麦粉が薄められ、グルテンが脆弱なものとなったり、乾燥果実等の固形物によりグルテンの形成が妨げられたり、その固形物の重さにより、焼成後に腰折れを生じやすいという問題や体積がやや小さくなるという問題がまず挙げられる。
また、全粒粉や小麦粉以外の穀粉は、ムレ臭やふすま臭などの好ましくない風味を呈するという問題や、パンのクラムの色がくすんだりする問題もある。
さらには、全粒粉、ナッツ、乾燥果実等を糖類含量の少ないパン生地中に分散させた場合はとくに、パン生地とのなじみが悪く、焼成後のパンでクラム中での結着性が悪く、そのため食事中にぽろぽろ落ちる、という問題もあった。
また、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等は乾燥素材であるため、焼成後に、クラム部分の水分を吸い、パンの老化を促進させてしまう、という問題もあった。
【0009】
ここで、これらの問題に対し、体積の問題であれば、酸化剤を増加させるなど、グルテンを強化する改良剤を、風味の問題についてはマスキング剤を、色相の問題は酵素剤や漂白作用のある改良剤を使用することで、それらの問題を解決可能であるため、それらを総合的に含有する製パン改良剤を使用すればよく、たとえば、アスコルビン酸、グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸有機酸エステルを併用する方法(例えば、特許文献1参照)や、ガム質、化工でんぷん、蛋白質、油脂及び粉末糖類を併用する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0010】
しかし、特許文献1に記載の方法では、バラエティブレッドにおいては、体積や食感については改良されるものの、風味や結着性の改善効果は見られないという問題、また、特許文献2に記載の方法では、乾燥果実を使用するバラエティブレッドにしか適用できないことに加え、予め乾燥果実を浸漬処理する必要があり操作が煩雑である問題があった。 なお、一般的に、添加する上記食品素材が含水量の高い素材であれば、結着性の改善のためには予め添加する素材を小麦粉となじませておく方法があるが、バラエティブレッドで使用する上記食品素材は一般的に乾燥した素材であるためこの方法は採ることができない。
【0011】
また、糖類の添加量の高い生地においては、一般的に結着性は高まるが、上述のように、バラエティブレッドは、糖類の配合量が少ないものが多いため、その場合、この方法も採ることができない。
【0012】
そのため、簡単な方法で、上記バラエティブレッドの全ての問題を解決可能な方法が求められていた。
ここで、製パン改良剤としての効果を有する、あらたな素材として、特定のカルシウム含量を有する乳清ミネラルが提案されている(例えば、特許文献3参照)。その主な効果は、歯切れの向上効果である。そしてこの乳清ミネラルはマスキング効果を有することも知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、バラエティブレッドの食感は添加する食品素材の食感に支配されているため、ベースとなるパン生地の食感の改良では、大きな効果は望めないこともあり、乳清ミネラルのバラエティブレッドにおける効果については知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平07−132039号公報
【特許文献2】特開昭60−160833号公報
【特許文献3】特開2009−240261号公報
【特許文献4】特開2008−054667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、バラエティブレッドに使用する、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の食品素材に起因する、体積減少、風味悪化、色相の悪化、クラムと食品素材の結着性の悪化の諸問題を全て改善することのできる、バラエティブレッドの改良剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、バラエティブレッドに乳清ミネラルを使用すると、添加する食品素材とクラムの結着性が向上し、それに伴って、グルテン構造が強化されたかたちとなって体積が向上することを見出した。
そして更に検討を進めたところ、全粒粉や、小麦粉以外の穀粉の好ましくない風味の抑制効果や、クラムの色相の改良効果をも有していることを知見した。
【0016】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、乳清ミネラルを有効成分として含有するバラエティブレッド用改良剤を提供するものである。
また、本発明は該バラエティブレッド用改良剤を含有するバラエティブレッド生地を提供するものである。
また、本発明は、上記バラエティブレッド生地を焼成して得られたバラエティブレッドを提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バラエティブレッドに使用する、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の食品素材に起因する、体積減少、風味悪化、色相の悪化、クラムと食品素材の結着性の悪化の諸問題を全て改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルについて詳述する。
通常、乳清ミネラルとは、乳又は乳清(ホエー)から可能な限り蛋白質や乳糖を除去したものであり、高濃度に乳中の灰分を含有するという特徴を有する。そのため、その灰分組成は、原料となる乳やホエー中の組成に近い比率で含有する。本発明で使用する乳清ミネラルとしては、該乳清ミネラルであってもよいが、本発明の高い効果を得ることが可能である点で、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満、特に1質量%未満の乳清ミネラルを使用することが好ましい。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。
【0019】
更に、本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、次の(a)〜(e)の条件を満たすことにより一層改良効果を高めることができる。
(a)乳清ミネラルの固形分中の灰分含量が25〜75質量%
(b)乳清ミネラルの灰分中のカルシウム含量が5質量%未満
(c)乳清ミネラルの固形分中の乳酸含量が1.0質量%以上
(d)乳清ミネラルの固形分0.1質量%水溶液のpHが6.0〜7.5
(e)乳清ミネラルの固形分中の乳糖含量が50質量%未満
【0020】
以下、上記の(a)〜(e)の条件について順に説明する。
<(a)の条件>
本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の灰分含量が好ましくは25〜75質量%、更に好ましくは30〜75質量%である。25質量%未満であると、他の有機成分が多くなり、この有機成分により食品素材の風味が悪くなったり、素材の結着性の向上効果を付与できなくなる場合がある。75質量%を超えると、醗酵阻害のおそれがあることに加え、得られるバラエティブレッドの苦味が強くなりやすい。
【0021】
<(b)の条件>
本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、灰分中のカルシウム含量が好ましくは5質量%未満、更に好ましくは3質量%未満、最も好ましくは2質量%未満である。5質量%以上であると、本発明の効果が全体的に劣ったものとなるおそれがある。尚、下限は特に制限はない。
【0022】
<(c)の条件>
本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の乳酸含量が好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2〜25質量%、最も好ましくは3〜15質量%である。1.0質量%未満であると、本発明の効果、とくに風味の改善効果を付与できなくなる場合がある。尚、ここでいう乳酸含量とは、一般的な手法である検体を過塩素酸によって処理した後、高速液体クロマトグラフ法で測定した結果得られるデータに基づくものであり、よって乳酸のみならず、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム等の塩の形態で含有するものも一括した量である。
【0023】
<(d)の条件>
本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分0.1質量%水溶液のpHが好ましくは6.0〜7.5、更に好ましくはpHが6.5〜7.0である。6.0未満又は7.5以上であると、本発明の効果が全体的に劣ったものとなるおそれがある。
【0024】
<(e)の条件>
本発明のバラエティブレッド用改良剤で使用する乳清ミネラルは、固形分中の乳糖含量が好ましくは50質量%未満、更に好ましくは40質量%未満、最も好ましくは30質量%未満である。50質量%以上であると、本発明の効果が全体的に劣ったものとなるおそれがある。尚、下限に特に制限はない。
【0025】
次に、上記乳清ミネラルの製造方法について説明する。
本発明で使用する乳清ミネラルは、通常の乳清ミネラルの場合は、乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、可能な限り乳糖と蛋白質を除去する方法により製造することができる。また、上記固形分中のカルシウム含量が2質量%未満の乳清ミネラルは、次の(i)又は(ii)の方法により製造することができる。
(i)乳又はホエーから、膜分離及び/又はイオン交換、更には冷却により、乳糖と蛋白質を除去して乳清ミネラルを得る際に、予めカルシウムを低減した乳を使用した酸性ホエーを用いる方法
(ii)甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にカルシウムを除去する工程を挿入する方法
上記(i)及び(ii)の方法のうち、工業的に実施する上での効率やコストの点で、上記(ii)の方法、具体的には、甘性ホエーから乳清ミネラルを製造する際にある程度ミネラルを濃縮した後に、カルシウムを除去する工程を挿入する方法を採ることが好ましい。
【0026】
ここで使用する脱カルシウムの方法としては特に限定されず、調温保持による沈殿法やイオン交換等公知の方法を採ることができる。また、固形分中の灰分含量は、例えばナノ濾過膜分離時の膜処理条件を調整することによって調製でき、またpHは、例えば出発原料として使用する甘性ホエーを得る際のチーズ製造時の発酵時間を調整することで調製できる。尚、ホエーとして乳酸発酵を強度に進めるか、或いは、酸性ホエーを得る際に大量の乳酸を用い乳酸量を増やす方法等も考えられるが、得られた乳清ミネラルが(d)のpH条件を満たすことが困難となる。こうした場合、更にアルカリ等の添加による中和工程を行う方法もあるが、味質が低下するため好ましくない。
【0027】
即ち、上記特徴を有する乳清ミネラルとしては、以下の(f)、(g)及び(h)の工程を経て得られたものであることが好ましい。
(f)乳又はホエーを、膜分離及び/又はイオン交換により脱ミネラル液を分離し、高ミネラル液(I)を得る工程
(g)高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離・除去し、高ミネラル液(II)を得る工程
(h)高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る工程
【0028】
ここで先ず、上記特徴を有する乳清ミネラルを得る工程において、その出発物質として使用する乳又はホエーについて説明する。
上記乳としては、牛乳をはじめ、人乳、山羊乳、馬乳、更にそれらを使用した脱脂乳、加工乳及びクリーム等が挙げられ、その何れでも使用することが可能である。
また上記ホエーとしては、上記乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、更には、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエー等の何れでも使用することができる。
更に、チーズを製造する際に副産物として得られるホエー、及びカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーは、その製造方法により酸性ホエーと甘性ホエーがあるが、どちらも使用することができる。
【0029】
本発明のバラエティブレッド用改良剤では、上記乳又はホエーの中でも、特に食感改良効果が高いことから、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエー、又はカゼイン製造の際に副産物として得られるホエーを使用することが好ましく、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーを使用することが更に好ましく、牛乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーを使用することが特に好ましい。
【0030】
次に、上記(f)、(g)及び(h)工程について順に説明する。
<(f)工程>
本工程では、上記乳又はホエーを、膜分離及び/又はイオン交換により、脱ミネラル液と高ミネラル液(I)に分離する。ここで使用する膜分離の方法としては、精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離等の各種の方法が挙げられる。また、ここで使用するイオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法があり、これらの膜分離方法やイオン交換方法の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。本工程においては、特に分離効率が高いことから、ナノ濾過膜分離及び/又は逆浸透膜分離の方法によることが好ましく、ナノ濾過膜分離をした後に逆浸透膜分離を行なうことが更に好ましい。
【0031】
<(g)工程>
本工程では、上記(f)工程で得られた高ミネラル液(I)から、カルシウム−リン酸複合体を分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る。カルシウム−リン酸複合体の分離及び除去は、加熱処理を行うか又はイオン交換を行う。ここで、該加熱処理における加熱方法としては特に限定されず、直接加熱又は間接加熱のどちらの方法でも可能である。また、該加熱処理における加熱温度としては、好ましくは50〜99℃、更に好ましくは70〜90℃であり、その温度での保持時間は、好ましくは2〜60分、更に好ましくは15〜25分である。上記加熱処理を行うことで、不溶性のカルシウム−リン酸複合体が生成するので、これを分離及び除去し、高ミネラル液(II)を得る。該分離及び除去の方法としては、濾過、遠心分離等の一般的な方法を採ることができる。
上記イオン交換の方法としては、陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離や、イオン交換樹脂による方法が挙げられ、これらの膜分離方法やイオン交換方法の1種又は2種以上を適宜組合せて使用することができる。
【0032】
<(h)工程>
本工程では、上記(g)工程で得られた、高ミネラル液(II)を、固形分が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60〜100質量%となるまで濃縮及び/又は乾燥し、乳清ミネラルを得る。上記濃縮方法としては特に限定されないが、水分のみを効率よく除去可能なことから、エバポレ−ターを用いた減圧濃縮法が好ましい。また、上記乾燥方法としては特に限定されず、スプレードライ法や凍結乾燥法等の一般的な乾燥方法を適宜選択することができる。本工程においては、水分の除去を効率的に行なうことが可能な点で、上記濃縮工程を行った後、上記乾燥工程を行なうことが好ましい。その場合、濃縮工程では、固形分が好ましくは20〜60質量%になるまで濃縮した後、続けて、固形分が好ましくは60〜100質量%となるまで乾燥することが好ましい。
【0033】
以上説明した乳清ミネラルは、固形分が20質量%以上であれば流動状、ペースト状、粉末状等、どのような形態であってもよい。尚、上記の乳清ミネラルが流動状やペースト状である場合、その固形分は好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは40〜70質量%であり、粉末状である場合、その固形分は好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。
【0034】
本発明のバラエティブレッド用改良剤は、上記乳清ミネラルを有効成分として含有するものである。本発明のバラエティブレッド用改良剤は、上記乳清ミネラルをそのまま単独で使用してもよく、また、各種の添加剤と混合して、常法により粉体、顆粒状、錠剤、液剤等の形状に製剤化して用いてもよい。
【0035】
本発明のバラエティブレッド用改良剤が粉体、顆粒状、錠剤等の固形状である場合、上記乳清ミネラルの好ましい含有量は、少量の添加でバラエティブレッド用改良剤効果を呈するという目的及び保存中の吸湿を避けるために、乳清ミネラルの固形分として5〜80質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
【0036】
上記粉体、顆粒状、錠剤等の形状に製剤化するための添加剤としては、ペクチン、海藻多糖類、カルボキシメチルセルロース等の増粘多糖類や、でんぷん、二酸化ケイ素等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、ソルビトール、ステビア等の甘味料、微粒二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、リン酸二ナトリウム、酸化マグネシウム等の固結防止剤、ビタミン類、香料、酸化防止剤、光沢剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上のものが適宜選択して用いられる。本発明のバラエティブレッド用改良剤中における上記各種添加剤の含有量は、添加剤によって異なるが好ましくは90質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
【0037】
また、本発明のバラエティブレッド用改良剤が液剤の形状である場合、上記乳清ミネラルの好ましい含有量は、少量の添加でバラエティブレッド用改良剤効果を呈するという目的及び保存中の結晶の析出を避けるために、乳清ミネラルの固形分として1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
【0038】
液剤の形状に製剤化する場合は、上記乳清ミネラル及び上記各種添加剤等を、液体に溶解又は分散させればよい。そのような液体としては、水、エタノール、プロピレングリコール等が挙げられる。本発明のバラエティブレッド用改良剤中における上記液体の含有量は、好ましくは99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
【0039】
本発明のバラエティブレッド用改良剤は、上記乳清ミネラルに加え、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記製剤化のための添加剤以外に、他の品質改良剤や添加剤と併用することができる。
これらの例としては各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等の油脂、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、リポキシシゲナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ等の酵素、酢酸、クエン酸、グルコン酸等の酸、重炭安等のアルカリ、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、コンソメ、ブイヨン等の植物及び動物エキス、着香料、調味料、酒類、糖類や糖アルコール類、甘味料、デキストリン、オリゴ糖、ゲル化剤や増粘安定剤、卵類、上記乳清ミネラル以外の乳や乳製品、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果汁、香辛料、ハーブ等が挙げられる。
なお、本発明のバラエティブレッド用改良剤が油脂を含有する場合は、マーガリンやショートニング等の可塑性油脂や、クリーム、マヨネーズ等のO/W型乳化物中に添加分散又は溶解した形態とすることもできる。
【0040】
次に、本発明のバラエティブレッド生地について説明する。
本発明のバラエティブレッド生地は、上記本発明のバラエティブレッド用改良剤を少なくとも含有するものである。
なお、本発明において、「バラエティブレッド生地」とは、小麦粉、イースト、塩、水を主原料として、必要に応じ、糖類、油脂、乳や乳製品、卵製品、添加物等の副原料を加えてパン生地を混捏する際に、全粒粉、小麦粉以外の穀粉、ナッツ、乾燥果実、野菜等の粉状または粒状の食品素材を混合した生地、のことを言う。なお、パン類は、その糖類の添加量によって、硬焼パン、食パン、菓子パンに分類され、それぞれのパン生地を利用したバラエティブレッドごとに「ソフトバラエティブレッド」「バラエティブレッド」「バラエティハードブレッド」の名称で呼ばれる場合もあるが、本発明ではそのすべてを含むものとする。
【0041】
上記主原料における小麦粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉などが挙げられる。
【0042】
上記副原料における糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖などが挙げられる。
【0043】
上記副原料における油脂としては、例えば、ショートニング・マーガリン・バター等の可塑性油脂組成物や、サラダ油・流動ショートニング・溶かしバター等の流動状油脂組成物、また、粉末油脂等が挙げられる。また、油脂組成物が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。
【0044】
上記副原料における乳や乳製品としては、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、クリームチーズ、バター、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、ホイップクリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等、脱脂粉乳、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、ホエープロテインコンセートレート、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
【0045】
上記副原料における卵製品としては、例えば、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などがあげられる。
【0046】
また、上記副原料における添加物としては、例えば、甘味料、調味料、香辛料、着香料、着色料、酸化剤、還元剤、酵素、イーストフード、乳化剤、保存料、日持ち向上剤などを適宜用いることができる。
【0047】
上記全粒粉とは小麦粉の全粒粉のことを指す。また、上記小麦粉以外の穀粉としては、ライ麦粉、大麦粉、米粉などが挙げられる。
【0048】
上記ナッツとしては、例えば、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉やピーナツ粉、アーモンド、へーゼルナッツ、カシュ―ナッツ、オーナッツ、松実などの堅果、ピーナツやそのダイスカット品が挙げられる。
【0049】
上記乾燥果実としては、例えば、キウイフルーツ、パパイヤ、マンゴー、パイナップル、イチジク、オレンジ、レモン、アップル、アプリコット、チェリー、ブドウ、ラズベリー、ストロベリー、ブルーベリー、クランベリー、パッションフルーツ、プラム、日向夏、金柑、ぽんかん、たんかん、不知火、伊予柑、ヘベス、すだち等の乾燥品が挙げられる。
【0050】
上記野菜としては、例えば、ケール、大麦、セロリ、パセリ、ニンジン、クワの葉、アロエ、アスパラガス、ネギ、タマネギ、ホウレン草、ニガウリ、胡瓜、シソ、シュンギク、レタス、ニワトコ、ハコベ、ヨモギ、ショウガ、トマト、ピーマン、トウガラシ、キャベツ、ブロコッリー、カブ、白菜、芽キャベツ、大根、大根の葉、カリフラワー、クレソン、センブリ、大豆、グリーンピース、そら豆、明日葉等が挙げられる。
【0051】
なお、その他の「粉状または粒状の食品素材」としては、たとえばチョコレートチップやダイスチーズ、ヨーグルトチップ、抹茶、紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、肉類、魚介類などが挙げられる。
【0052】
なお、本発明の効果、とくに素材の結着性の向上効果は、糖類含量の低い生地での改良効果が高いことから、本発明のバラエティブレッド生地は、糖類の含有量が澱粉類100質量部に対し10質量部以下である生地であることが好ましい。
【0053】
また、同様に、上記副原料の含有量は澱粉類100質量部に対し好ましくは合計して45質量部以下、より好ましくは20質量部以下とする。
なお、本発明において、「澱粉類」とは、上記小麦粉、上記全粒粉、上記小麦粉以外の穀粉、上記堅果粉やピーナツ粉に加え、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉などの澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、微細化、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等を含むものとする。本発明では、澱粉類中、小麦粉を50質量%以上使用することが好ましい。
【0054】
本発明のバラエティブレッド生地は、本発明のバラエティブレッド用改良剤を少なくとも含有するものであるが、その含有量は、バラエティブレッド生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは乳清ミネラルの固形分が0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜2.5質量%、最も好ましくは1〜2.5質量%となる量である。
【0055】
次に、上記バラエティブレッド生地の製造方法について説明する。
上記本発明のバラエティブレッド生地は、本発明のバラエティブレッド用改良剤を生地に練り込むことにより、製造することができる。
本発明のバラエティブレッド生地は、中種法でも、直捏法でも、液種法でも製造することができる。
本発明のバラエティブレッド生地を中種法で製造する場合は、上記本発明のバラエティブレッド用改良剤を中種生地及び/または本捏生地に練り込むことにより製造することができ、直捏法で製造する場合は、上記本発明のバラエティブレッド用改良剤を生地に練り込むことにより製造することができ、本発明のバラエティブレッド生地を液種法で製造する場合は、上記本発明のバラエティブレッド用改良剤を液種生地及び/または本捏生地に練り込むことにより製造することができる。
なお、得られた本発明のバラエティブレッド生地は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。
【0056】
本発明のバラエティブレッドは、本発明のバラエティブレッド生地を焼成することにより得られる。また、得られた本発明のパンを、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
【0057】
なお、本発明のバラエティブレッドは、全粒粉ブレッド又は雑穀パンであることが、最も大きな改良効果が得られる点で好ましい。これは、全粒粉や雑穀は硬い外皮部分を多く含有するため、パンクラムとの結着性がもともと悪いことに加え、ムレ臭やクラムの色相が悪いものであったが、本発明のバラエティブレッド用改良剤で大きく改善されるためである。
【実施例】
【0058】
本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0059】
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例1〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離後、更に、逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮した後、更に80℃で20分間の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分97質量%の乳清ミネラル1を得た。
【0060】
〔製造例2〕
上記乳清ミネラル1の加熱処理工程を行わない以外は、製造例1と同様にして乳清ミネラル2を得た。
【0061】
以下の表1に各製造例において得られた乳清ミネラルの、固形分中のカルシウム含量、固形分中の灰分含量、灰分中のカルシウム含量、固形分中の乳酸含量、固形分0.1質量%水溶液のpH、及び固形分中の乳糖含量を示す。
【0062】
【表1】

【0063】
<バラエティブレッド用改良剤の製造>
製造例1及び2で得られた乳清ミネラル1及び2を、水で溶解し、固形分10質量%溶液とし、それぞれバラエティブレッド用改良剤A及びBとした。
【0064】
<製パン試験>
〔実施例1〕
強力粉50質量部、全粒粉50質量部、生イースト4質量部、上白糖18質量部、食塩1質量部、イーストフード0.1質量部、バラエティブレッド用改良剤A20質量部、及び水35質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングした。ここで、練込油脂(ショートニング)5質量部を投入し、さらに低速で3分、中速で4分ミキシングを行ないバラエティブレッド生地(全粒粉ブレッド生地)を得た。なお、捏ね上げ温度は28℃であった。また、バラエティブレッド生地に含まれる澱粉類100質量部に対する乳清ミネラルの固形分含量は2質量部であった。
ここで、28℃、相対湿度85%で、90分(60分でパンチ)醗酵後、70gに分割・丸目を行なった。分割・丸目時のバラエティブレッド生地はべたつかず、作業性は良好であった。次いで、ベンチタイムを30分とった後、まるめ直し、38℃、相対湿度85%で60分ホイロをとった後、180℃に設定した固定オーブンに入れ12分焼成して全粒粉ブレッドを得た。
【0065】
得られた全粒粉ブレッドは良好なボリュームを有し、風味が極めて良好であり、また、クラムの色相は良好で、試食時の全粒粉の剥れ落ちはほとんどなく、素材の結着性は極めて良好であった。
【0066】
〔実施例2〕
バラエティブレッド用改良剤Aの添加量を20質量部から2質量部に変更し、水の添加量を35質量部から53質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、バラエティブレッド生地、さらに、全粒粉ブレッドを得た。
バラエティブレッド生地に含まれる澱粉類100質量部に対する乳清ミネラルの固形分含量は0.2質量部であった。また、分割・丸目時のバラエティブレッド生地はべたつかず、作業性は良好であった。
【0067】
得られた全粒粉ブレッドは十分なボリュームを有し、風味は良好であり、また、クラムの色相は良好で、試食時の全粒粉の剥れ落ちは少なく、素材の結着性は良好であった。
【0068】
〔実施例3〕
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉10質量部、全粒粉20質量部、食塩1.5質量部、上白糖6質量部、3倍濃縮牛乳状組成物(株式会社ADEKA製「プライムEF」)5質量部、バラエティブレッド用改良剤A20質量部、及び、水7質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン:油分含量80質量%)5質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングを行ない、バラエティブレッド生地(全粒粉ブレッド生地)を得た。得られたバラエティブレッド生地の捏ね上げ温度は28℃であった。また、バラエティブレッド生地に含まれる澱粉類100質量部に対する乳清ミネラルの固形分含量は2質量部であった。
ここで、フロアタイムを20分とった後、380gに分割・丸目を行なった。分割・丸目時のバラエティブレッド生地はべたつかず、作業性は良好であった。次いで、ベンチタイムを20分とった後、モルダー成形し、ワンローフ型に入れ、38℃、相対湿度85%で50分ホイロをとった後、200℃に設定した固定窯に入れ35分焼成してワンローフ型全粒粉ブレッドを得た。
【0069】
得られた全粒粉ブレッドは良好なボリュームを有し、澱粉類100質量部に対する糖類含量が10%未満である生地を使用したにも係わらず全粒粉由来のムレ臭がまったく感じられず、風味が極めて良好であり、また、クラムの色相は良好で、試食時の全粒粉の剥れ落ちはほとんどなく、素材の結着性は極めて良好であった。
【0070】
〔実施例4〕
バラエティブレッド用改良剤Aに代えてバラエティブレッド用改良剤Bを使用した以外は、実施例4と同様の配合・製法で、バラエティブレッド生地、さらに、全粒粉ブレッドを得た。
【0071】
得られた全粒粉ブレッドは十分なボリュームを有し、澱粉類100質量部に対する糖類含量が10%未満である生地を使用したにも係わらず全粒粉由来のムレ臭がほとんど感じられず風味はほぼ良好であり、また、クラムの色相は良好で、試食時の全粒粉の剥れ落ちは少なく、素材の結着性は良好であった。
【0072】
〔比較例1〕
バラエティブレッド用改良剤Aを無添加とし、水の添加量を7質量部から25質量部に変更した以外は実施例3と同様の配合・製法で、バラエティブレッド生地、さらに、全粒粉ブレッドを得た。
【0073】
得られた全粒粉ブレッドはややボリュームが実施例3で得られたものより劣り、全粒粉由来のムレ臭が感じられ風味は不良であり、また、クラムの色相はややくすんでおり、試食時の全粒粉の剥れ落ちが多く、素材の結着性は不良であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳清ミネラルを有効成分として含有するバラエティブレッド用改良剤。
【請求項2】
前記乳清ミネラルが、固形分中のカルシウム含量が2質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のバラエティブレッド用改良剤。
【請求項3】
バラエティブレッドが全粒粉ブレッド又は雑穀パンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバラエティブレッド用改良剤。
【請求項4】
請求項3に記載のバラエティブレッド用改良剤を含有するバラエティブレッド生地。
【請求項5】
請求項4に記載のバラエティブレッド生地を焼成して得られたバラエティブレッド。