バリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびバリアブル印刷ジョブ処理装置
【課題】バリアブル印刷ジョブに簡単な操作で別の印刷ジョブを追加することのできるバリアブル印刷ジョブ処理プログラムを提供する。
【解決手段】マージ元の印刷ジョブの内容を抽出し(S21〜23)、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に空の新たなグループを作成し(S26)、マージ元の通常印刷ジョブの内容を追加する(S27)手順をコンピューターに実行させるバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【解決手段】マージ元の印刷ジョブの内容を抽出し(S21〜23)、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に空の新たなグループを作成し(S26)、マージ元の通常印刷ジョブの内容を追加する(S27)手順をコンピューターに実行させるバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびバリアブル印刷ジョブ処理装置に関し、詳しくは、バリアブル印刷ジョブの編集を行うバリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびバリアブル印刷ジョブ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バリアブル印刷(VDP:Variable Data Printing)は、オンデマンド印刷の一形態であり、データベースファイルの中から所望するデータを取り出して、様々に組み合わせてページごとに違う内容を印刷することができる。また、このようなバリアブル印刷に用いるデータベースの編集も行うことができる。
【0003】
バリアブル印刷ジョブのデータは、たとえばPPML/VIPP/VPS/FreeFormといったページ記述言語(PDL)により、ページごとに変更されるデータである。このようなバリアブルデータ(バリアブル印刷ジョブのデータ)は、ページに応じて変更される可変データと、各ページで同じ画像を印刷するための再使用可能な固定データとで構成されており、これらデータを用いた印刷をバリアブル印刷という。そしてバリアブル印刷では、固定データと可変データが1つのバリアブル印刷ジョブとしてまとめられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−218306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなバリアブル印刷ジョブの内容を編集する際には、そのデータベースファイルを開く必要がある。たとえば、内容の追加では、開いたデータベースに追加する内容を書き込んでゆくことになる。
【0006】
このため、元のバリアブル印刷ジョブのデータファイルが大きいと、それを開くのに時間がかかり、また、それにデータを追加して編集すること自体にも多くの時間と手間を要する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、バリアブル印刷ジョブに簡単な操作で別の印刷ジョブを追加することのできるバリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびそのためのバリアブル印刷ジョブ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと、印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブとを区別して画面上に表示する段階と、前記画面に表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出する段階と、前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成する段階と、前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する段階と、を有する手順をコンピューターに実行させることを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0010】
(2)前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成されることを特徴とする(1)記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0011】
(3)前記追加する段階の後の前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷することを特徴とする(1)または(2)記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0012】
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラムを記録したコンピューター実行可能な記憶媒体。
【0013】
(5)一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブを区別して表示し、選択可能とする表示選択手段と、前記表示選択手段により表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出して、前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成して、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する処理手段と、を有することを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【0014】
(6)前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成することを特徴とする(5)記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【0015】
(7)前記処理手段は、さらに、前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合に、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷させることを特徴とする(5)または(6)記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バリアブル印刷ジョブ内で指定されたグループ内に空のグループを作成して、その中に追加する通常印刷ジョブの内容を入れることとしたので、元々あるバリアブル印刷ジョブを開かなくても、簡単に通常印刷ジョブの内容を組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態である画像形成装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】画像形成装置を説明するためのブロック図である。
【図3】バリアブル印刷ジョブを説明するための図である。
【図4】バリアブル印刷ジョブの追加編集処理(マージ処理という)における指示手順を示すフローチャートである。
【図5】ジョブリストの一例を示す図である。
【図6】マージ処理指示画面の表示例を示す図である。
【図7】マージする指示後に表示される確認画面例を示す図である。
【図8】マージ処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】マージする通常印刷ジョブの構造例を示す図である。
【図10】マージ処理後のバリアブル印刷ジョブの一例を示す図である。
【図11】画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。
【図12】図11に続く、画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1は本発明の画像形成装置の一実施形態である画像形成装置の外観構成を説明するための概略図である。また、図2はこの画像形成装置を説明するためのブロック図である。
【0020】
本実施形態の画像形成装置1はMFP(Multi−functional peripheral)と云われるもので、プリンタとしての機能のほかにスキャナ、コピーなどの機能を有する。この画像形成装置1は、大別して制御部2、印刷部3、給紙部4、スキャナ5、操作部7、後処理部8などが一体的に取り付けられている。
【0021】
また、この画像形成装置1は、ネットワーク50を介して、バリアブル印刷ジョブを作成や編集を行うためのコンピューター51(PC)に接続されている。なお、コンピューター51には、通常のコンピューター51同様にモニター、キーボードやマウスなどが接続されている。
【0022】
制御部2は、図2に示すように、CPU21、RIP部22(Raster Image Processor)、展開用メモリ23、転送用メモリ24、ハードディスク25(HDD)、通信インターフェース26(NIC:Network Interface Card)、メモリ28を有する。制御部2は操作部7と内部バスにより接続されている。
【0023】
CPU21は、この画像形成装置1全体の制御を行う。特に本実施形態では、後述するバリアブル印刷ジョブに対する印刷ジョブの追加編集手順に基づいて作成されたプログラムを実行する。このためこのようなCPU21を含む制御部2は、このようなプログラムを実行するコンピューターと言うことができる。
【0024】
RIP部22は、CPU21からの指示により印刷ジョブのデータのなかからコマンドやタグなどのページ記述言語(PDL:Page Description Language)を解析して、文字や画像などのデータをラスタライズして、印刷部3へ出力させるビットマップデータの作成を行う。ビットマップデータは展開用メモリ23に展開されて記憶されることになる。
【0025】
展開用メモリ23は、RIP部22においてビットマップデータに展開されたデータの記憶を行う。転送用メモリ24は、展開用メモリ23に展開されたビットマップデータを印刷部3に送る際に一時記憶する。なお、展開用メモリ23と転送用メモリ24は、物理的に異なるメモリチップよりなってもよし、物理的には同じメモリであって、そのなかの記憶領域をそれぞれに対応させて分割して使用する形態であってもよい。またこれらは、たとえばRAMが使用される。
【0026】
ハードディスク25は、コンピューター51などから送られてきた印刷データ(ラスタライズ前)の記憶に使用される。印刷データはジョブリストの情報と共に記憶される。ジョブリストは、たとえば管理情報ベース(Management Information Base, MIB)として記憶される。
【0027】
なお、ハードディスク25には、そのほかに、たとえば後述するバリアブル印刷ジョブの追加編集処理を行うためのプログラムを記憶する。このプログラムは、ハードディスク25に限らず、たとえばこの画像形成装置1のファームウェアと共に提供され、EPROMなどのファームウェアの記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。
【0028】
通信インターフェース26は、この画像形成装置1をネットワーク50に接続する。このために、通信インターフェース26は、接続されるネットワーク50の規格に応じてデータの送受信を行う。ここでネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューター51やネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワーク50である。なお、図においては、ネットワーク50には、コンピューター51とこの画像形成装置1がそれぞれ1台ずつ接続されるが、これらは複数台接続されていてもよい。
【0029】
メモリ28は、CPU21が各種処理のために使用する記憶装置である。
【0030】
印刷部3は、いわゆる印刷エンジンなどと称されているものであり、制御部2から送られてきたビットマップデータを、制御部2からの指令にしたがって、給紙部4から給紙される印刷記録媒体(印刷用紙など)に印刷する。ここで、印刷部3は、たとえば、インクジェット方式や電子写真方式によるものであり、特に限定されない。
【0031】
スキャナ5は原稿から画像の読み取りを行うものである。
【0032】
操作部7は、入力手段および表示手段となるものであり、画像形成装置1に対してユーザーがさまざまな操作を入力するための操作パネルと、画像形成装置1の状態(後述するバリアブル印刷の印刷予測時間の表示なども行う)を表示するための表示画面を備えている。これらはたとえば、液晶画面とタッチパネルなどからなる。なお、画像形成装置1の操作は、ネットワーク50を介してコンピューター51から行うことも可能となっている。
【0033】
後処理部8は、印刷後の用紙へのステープル綴じ、複数部印刷の際に部ごとに分けるなどの処理を行う。このような後処理部8はオプション機能であり、なくてもよい。
【0034】
ここで、バリアブル印刷ジョブについて説明する。バリアブル印刷ジョブは、たとえばPDF/VT(ISO16612−2:2010)で規定されたデータ構造を採用することができる。ここでは、さらにデータ中に、外部データを参照するリンクが記載されていて、そのリンク先の内容を取り出して印刷するバリアブル印刷ジョブについて説明する。このようなリンクを用いることを可能にしたバリアブル印刷ジョブはたとえば、PDF/X−5などとして知られている。このようなリンクによる外部データを参照することで、PDF内に画像など比較的容量の大きなデータを持たずに、外部からそれらのデータを参照することで印刷することができる。一方、PDF/VTによるバリアブル印刷は、1つのPDFファイル内に、階層構造でカテゴリー分類やジョブ設定など多くの情報を内包するデータベースを保持しており、この中に、フォームデータやロゴデータなどの固定データも含まれている。
【0035】
このようなバリアブル印刷ジョブは、印刷実行時にユーザーからの指示によって印刷するカテゴリーやさらにその中の下位グループなどが選択されて印刷が行われる。このため、バリアブル印刷ジョブは、印刷内容が異なる複数のグループを有しているものであり、それらグループからあらかじめユーザーにより選択されたグループの内容が印刷されることになる。
【0036】
図3はバリアブル印刷ジョブを説明するための説明図である。
【0037】
この印刷データ100は、1つのバリアブル印刷ジョブとして階層構造をなしている。階層構造のルートとしてドキュメント階層101があり、そのなかにメタデータが階層構造になって分類定義されて含まれている。このメタデータの中に外部参照データを取り出すためのリンクもある。
【0038】
図示する例では、ルートであるドキュメント階層101の下に、カテゴリー111(上位グループ)、その下に可変データ112(下位グループ)と固定データ113がある、階層構造となっている。可変データ112には、それぞれどのような印刷形態で印刷するかを指定するジョブチケット115が付けられている。このようなカテゴリー111は一つのグループであり、少なくとも一つの可変データが含まれている。
【0039】
また、このカテゴリー内には外部からのデータを取り込むための外部参照リンク114も書き込まれている。
【0040】
また、カテゴリーに含まれない固定データ116も、ドキュメント階層101の直下に含まれている。図示しないがカテゴリーに含まれないリンクがあってもよい。これらは全てメタデータである。
【0041】
カテゴリー111は、バリアブル印刷ジョブ内において、あらかじめ決めた条件で分類したメタデータである。たとえば、顧客の郵便番号による分類、商品ごとの分類、顧客年齢ごとの分類など、印刷データの作成者によって定義されるデータである。このカテゴリー111の使用形態の一例としては、ダイレクトメールがある。そのシナリオの一例としてはたとえば、今月は特定地域に対してダイレクトメールを送る際に郵便番号で分類したカテゴリーにより分類する。来月は特定の商品の販売促進を行うために、商品ごとのカテゴリーに分類するなどである。
【0042】
たとえば、郵便番号分けする場合、図示するカテゴリーAは、「1××−××××」を含む郵便番号、カテゴリーBは「2××−××××」を含む郵便番号とするなどである。同様に、商品で分ける場合は、カテゴリーAは普及機種、カテゴリー2は高機能機種とするなどである。また、このような郵便番号(すなわち特定地域)と商品分類を複合的に合わせたカテゴリーとしてもよい。たとえば、カテゴリーAは「1××−××××」を含む郵便番号でかつ普及機種、カテゴリーBは「2××−××××」を含む郵便番号でかつ高機能機種とするなどである。もちろんそのほかさまざまな分類や複合分類などが可能である。
【0043】
1つのカテゴリー111の下には、可変データ112と固定データ113が含まれている。これらもメタデータの1つである。
【0044】
可変データ112は、印刷ページや印刷位置などに応じて変更させて印刷されるものである。具体的には、たとえば、顧客の住所氏名、商品番号や商品写真、ページや印刷位置ごとに異なる見出し語などである。図示では、「氏名1」、「氏名2」などとした。氏名以外にも、上記のように商品番号や写真、見出し語などであってもよい。また、この可変データ112のなかにはそれらのデータをどのよう印刷するかを示すジョブチケット115が付属している。このジョブチケットも可変データと共に可変できるものであるため、可変データの一つとなる(詳細後述)。
【0045】
図示する「氏名1」、「氏名2」などの可変データは、それぞれ可変データ112の1つひとつのグループを示している。たとえば、カテゴリーAが郵便番号分けである場合、たとえば「氏名1」、「氏名2」などの可変データはともにカテゴリーAに分類された郵便番号を持つ顧客の住所氏名などの顧客情報を含むデータである。ここで、可変データを「氏名1」、「氏名2」などにグループに分けているが、郵便番号をさらに細分化してグループ分けしてもよいし、同じ顧客情報を解像度などの印刷形態の違いで分けるなどしてもよい。図では「氏名1」、「氏名2」の2つしか示していないがさらに多くのグループ分けが可能である(もちろんグループが1つであってもよい)。
【0046】
そして、それぞれの可変データ112には、そのデータをどのような印刷形態で印刷するかを指定したジョブチケット115が付いている。具体的な印刷形態としては、たとえば「氏名1」の可変データのデータを印刷する際の、用紙サイズ、解像度、カラー印刷、印刷するページ数、印刷物をステープル綴じ、ページ内の印刷位置、使用する固定データの指定、外部参照リンクの指定などである。「氏名2」の可変データも同様である。
【0047】
なお、ジョブチケット115に含まれる印刷形態はここに例示した以外のであってもよく、印刷時に実行させる指令である。したがってジョブチケット115の内容は、印刷する形態(用紙内のレイアウト)に応じて適宜追加したり省略したりできる。たとえば、可変データ112に付属させたジョブチケット115において、印刷位置や用紙サイズなどの指定がない場合、使用する固定データのレイアウトに合わせた用紙サイズが選択される。また、可変データ112のジョブチケット115に印刷するページの指定がなければ、その可変データ112を全ページ分印刷することになる。このような指定がない形態については、デフォルトとしてあらかじめ画像形成装置1に登録しておいてもよいし、ジョブを送信するときに、カテゴリー111とは関係なく無指定のデータを印刷する場合の形態として画像形成装置1に送信してもよい。
【0048】
固定データ113はいわゆるフォームデータと称されているものであり、複数のページや複数の印刷位置ごとに同じ内容を印刷するためのデータである。図では、「フォーム1」、「フォーム2」として示した。このような固定データ113は、たとえば複数のページで同じ見出し語、複数のページの同じデザインのイメージ、商品写真、ロゴ、バーコード、帳票などにおける各項目名および枠線などである。ここで、複数のページ、複数の印刷位置とは、たとえばカタログ印刷などでは、第1〜第10ページまでは家庭用品であることを示す大見出し語、さらにそのなかの第1〜第5ページはリビング用品、第6〜第10ページは台所用品などを示す小見出し語とするなどである。さらには、1ページ内において、ページ内上部に高機能品を示す見出し語、下に普及品を示す見出し語とするなど、印刷位置ごとに異なるものとしてもよい。このような固定データ113は、1つのカテゴリー111のなかで複数あってもよい。
【0049】
外部参照リンク114は、取り込むデータが存在する場所を示すURLが書き込まれている。リンク先のデータはたとえば、他のフォームデータと同様に画像(イメージ)データなどであるが画像データに限定されるものではない。
【0050】
一方、カテゴリー111に分類されない固定データ116もメタデータである。カテゴリー111に分類されない固定データ116とは、たとえば、複数のカテゴリー111をまたいで共通に印刷するデータ(イメージや語句など)である。ここで複数のカテゴリー111とは、少なくとも2つ以上のカテゴリー111をいう。
【0051】
そして、このようなバリアブル印刷ジョブは、画像形成装置1に転送された後、コンピューター51からの指示または画像形成装置1の操作部7からの指示で、複数のカテゴリー111をまとめて印刷したり、その中の可変データを個別に指定して印刷することができる。印刷指示(印刷するグループの選択)は、バリアブル印刷ジョブを画像形成装置1に転送するときでもよいし、後から別に行われるようにしてもよい。
【0052】
次に、バリアブル印刷ジョブの追加編集処理の手順を説明する。図4はバリアブル印刷ジョブの追加編集処理(マージ処理という)における指示手順を示すフローチャートである。
【0053】
ここではコンピューター51により、画像形成装置1に記憶されているバリアブル印刷ジョブに、同様に画像形成装置1に記憶されている他の印刷ジョブデータを追加する処理手順を説明する。このような印刷データの追加編集をマージという。ここで、説明するマージ処理を行う主体はコンピューター51である。したがって、ここではコンピューター51が、バリアブル印刷ジョブ処理装置となる。
【0054】
まず、コンピューター51は、その上の操作画面からジョブマージ処理開始の指示があった後、コンピューター51から画像形成装置1の通信インターフェース26を経由してハードディスク25に保持されているジョブリストを取得する(S1)。
【0055】
なお、ジョブリストの情報取得タイミングは、この時(このマージ処理を行うプログラムが起動されたタイミング)ではなく、他の印刷処理終了時などに画像形成装置1でジョブリストが更新されたときに自動的に取得することとして、常に最新のジョブリストがコンピューター51側にもあるようにしておいてもよい。そのように設定されている場合は、S1の処理はスキップするようにする。
【0056】
ジョブリストの取得方法は、MIBテーブルに保持されている情報をSNMPにより取得する方法やXMLデータをHTTPもしくはHTTPsにより取得する方法があるが、ネットワークを経由して情報を取得できる方法であればなんでもよい。取得したジョブリストのデータは、コンピューター51内に一時記憶される(ここでジョブリストのデータが一時記憶される場所は通常のコンピューター51同様にコンピューター51内のメモリ(不図示)であるが、ハードディスクなどであってもよい)。
【0057】
図5はジョブリストの一例を示す図である。図示するように、ジョブリストには、それぞれのジョブごとに、ジョブID(JobID)、ジョブ名、カテゴリー、ユーザー名(可変データ)、ジョブチケット、フォームデータ(固定データ)、外部参照リンクなどが記載されている。ここで表示されているフォームデータ(固定データ)、外部参照リンクは、ジョブチケット内で指定されているフォームデータ(固定データ)、外部参照リンクが表示されることになる。
【0058】
このジョブリストは、バリアブル印刷に対応したものであるため、各項目もそれに対応したものとなっている。バリアブル印刷ジョブと通常印刷ジョブがそれぞれ表示されていて、それぞれが区別できるようにジョブ名に記載されている。なお、通常印刷ジョブでは、カテゴリー分けや、フォームデータは存在しない場合は空欄となる。リンクも、存在しない場合は空欄となる。また、通常印刷ジョブにおけるジョブチケットは、バリアブル印刷同様に、その印刷を行う際の印刷する形態(用紙内のレイアウト)の設定である。
【0059】
画像形成装置1から情報を取得したら、コンピューター51はマージ処理指示画面を表示する(S2)。図6はマージ処理指示画面の表示例を示す図である。マージ処理の指示は、たとえば、図6(a)に示すようにドラッグアンドドロップでマージ指示する方法であり、JobID=004をJobID=001へマージする場合を例示した。またたとえば、図6(b)に示すようにジョブを選択してからメニュー画面にて指示を決めるような方法であり、JobID=002〜004をまとめる場合に、それらを選択してサブメニューから示指(「図ではバリアブル新規作成」)を選択するなどである。その他、外部参照リンクやユーザー情報などデータベースを作成する上で必要な情報を表示して、マージすると効果があるように提案する形で表示してもよい。なお、このように、マージ後の効果をマージ前に表示する場合、全てのジョブリストの内容から、たとえば表示したジョブリスト内の印刷ジョブ間で、同じ外部参照リンクがあるか否かなどをあらかじめ検索しておく必要がある。
【0060】
マージ処理の実行指示が出されたら(S3:YES)、コンピューター51は、指定されたジョブの情報を取得する(S4)。この処理は、後述するマージ処理時に使用する情報である。
【0061】
さらにユーザーがマージ位置を指定する情報やその他の追加情報を入力するための入力画面を表示して、ユーザーからの入力や選択指示の情報を取得する(S5:マージ情報取得)。
【0062】
また、S5において、入力する情報は、たとえば、JobID=004をJobID=001へマージするときに、マージ位置となるグループ、ここではカテゴリーやフォームデータなど、通常印刷ジョブでは基本的には持たない情報を選択したり、その他必要な情報を入力したりする。また新規作成の場合は、バリアブルジョブを新規作成する(S6:YES、およびS10)。S6において新規のバリアブル印刷ジョブが作成されなければ(S6:NO)、そのまま処理は次のS7のステップへ移る。
【0063】
続いて、コンピューター51は、マージ指示の確認画面を表示する(S7)。図7はマージする指示後に表示される確認画面例を示す図である。この図では、図6(a)のようにしてJobID=004をJobID=001へマージする指示があった後に表示される確認画面例を示した。図示するように、マージ先のJobID=001の内容と、マージするJobID=004の内容とともに、「OK」、「キャンセル」のボタンが表示される。
【0064】
マージ処理の実行指示が出されない場合、すなわちキャンセルが押された場合(S8:NO)、コンピューター51は、表示されているポップアップ画面やマージ操作用のボタンの表示などの画面から消去する。また、S10において新規バリアブルジョブが作成されていれば、それも使用しないので消去する。その後、処理を終了する。このときマージ処理などは行われないため、画像形成装置1へのジョブの送信などは行われず、ジョブリストも更新されない。
【0065】
一方、マージ処理の実行が指示された場合、すなわちOKが押された場合(S8:YES)、マージ処理を実行することになる。
【0066】
以上でバリアブル印刷ジョブへのマージ処理の指示が終了する。コンピューター51は指示されたマージ処理の内容に従ってバリアブル印刷ジョブに他の印刷ジョブの追加(マージ)の処理を実行する。図8はマージ処理の手順を説明するためのフローチャートである。また、図9はマージする通常印刷ジョブの構造例を示す図である。
【0067】
ここでまず、通常印刷ジョブの構造例について説明する。通常印刷ジョブは、図9に示したように、そのジョブ名称「Title」に始まってさまざま印刷時に実行する内容を指示したタグが配置されている。図9(a)はジョブ名称「bbbb」、図9(b)は「aaaa」である。
【0068】
図8を参照して、コンピューター51は、マージ処理のためにまず、マージ元(マージする印刷ジョブ)である通常印刷ジョブの中から印刷する内容を抽出することになる。
【0069】
それにはまず、コンピューター51は、コマンドExtemalLinkタグを探し出して、外部参照リンク先のURLを抽出する(S21)。このときコンピューター51は、抽出したURLを一時記憶する。一時記憶はコンピューター51内のメモリなどに記憶される(以下同様)。
【0070】
続いて、コンピューター51は、BeginFeatureタブによりジョブの内容を抽出する(S22)。この段階では、通常印刷ジョブにあるすべてのBeginFeatureタブからそのジョブの内容を抽出することになる。コンピューター51は、抽出したジョブ内容を一時記憶する。
【0071】
続いて、コンピューター51は、通常印刷ジョブの中に、そのほかの情報、たとえばユーザー情報などがあればそれらのタグから抽出する(S23)。コンピューター51は、抽出したその他の情報を一時記憶する。
【0072】
ここまでの処理は、マージ指示処理におけるS4の処理によって行われる。
【0073】
続いて、コンピューター51は、マージ先のバリアブル印刷ジョブを検査して、抽出して一時記憶したマージ元の各情報がバリアブル印刷ジョブにあてはめ追加可能かを調べる(S24)。これはたとえば、マージ先のバリアブル印刷ジョブが外部参照リンクを使用できるか、BeginFeatureタブから抽出したジョブ設定が使用できるかなどである。
【0074】
ここでマージ不可となれば(S25:NO)、その旨(またその理由とともに)を表示して(S30)、処理を終了する。なお、このマージ不可となった場合においては、この手順を実行しているコンピューター51画面上に、マージ不可である旨を表示するだけでなく、さらに画像形成装置1の操作部7の画面上にもマージ不可であることを表示するようにしてもよい。
【0075】
一方、マージ可能であれば(S25:YES)、コンピューター51は、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に空のデータベース(新たなグループ)を作成する(S26)。なお、新規バリアブル印刷ジョブが作成されている場合(前述のS10)は、その中に空のグループを作ることになる。
【0076】
空のデータベースを作成する位置は、前述したマージ処理の指示処理中においてS5にて指定されたグループ(ここではカテゴリーA)内である。作成する新たな空のグループは、カテゴリーだけでなく、カテゴリー外のルートの直下でもよいし、一つの可変データを一つのグループとしてその中にさらにグループを作るようにしてもよい。
【0077】
続いてコンピューター51は、S26で作成した空のデータベースに、S21〜23で抽出して一時記憶したマージ元の通常印刷ジョブの内容を追加する(S27)。これにより元々のバリアブル印刷ジョブに、通常印刷ジョブが追加されたバリアブル印刷ジョブができあがる。
【0078】
できあがったマージ後のバリアブル印刷ジョブは、画像形成装置1へ送信する(S28)。画像形成装置1では、受け取ったジョブをハードディスク25に記憶するとともに、ジョブリストの情報も更新して保存する。また、更新したジョブリストをコンピューター51へ送信する。これによりコンピューター51では更新後のジョブリストを受信して、現在表示されているジョブリストを書き換えて表示する(S29)。以上によりマージ処理は終了する。
【0079】
図10はマージ処理後のバリアブル印刷ジョブの一例を示す図である。以上の処理により、図10に示すように、可変データの一つグループとして、「氏名5」のデータ1120とそのジョブチケット1150が追加された形態となる。なお、図10は、前述したマージ処理の指示処理中においてS5において、追加するジョブをカテゴリーAに入れることを選択した場合である。図においては、「氏名5」のあとにジョブチケットが存在しているように示したが、これはあくまでも本実施形態をわかりやすく説明するためで、実際のジョブデータ(特にマージ処理後のジョブデータ)の追加においては、このような順番は関係ない。これは、印刷ジョブが実行される際には、そこに含まれているコマンドやタグが解釈されて実行されるため、印刷に際してその記載順は関係ないためである。
【0080】
以上によりコンピューター51上でもバリアブル印刷ジョブへ他の印刷ジョブを追加編集する処理が追加先となるバリアブル印刷ジョブを開くことなく実施することができる。
【0081】
以上説明した追加編集処理(マージ処理)は、画像形成装置1上の操作部7をから実行することもできる。すなわち、画像形成装置1に上述した追加編集の指示手順と処理手順を行うためのプログラムを導入しておいて、そのプログラムを画像形成装置1の制御部2が実行することで、コンピューター51での処理手順と同じように画像形成装置1の操作部7の画面を通じてユーザーが指示を与えることでバリアブル印刷ジョブへ他のジョブを追加編集することができる。この場合、画像形成装置1はバリアブル印刷ジョブを受け取ると、そのデータをハードディスク15に記憶する。そして追加するデータも画像形成装置1へ送信してハードディスク15に記憶させる。そのうえで追加編集の指示手順と処理手順を行うためのプログラムを実行すればよい。この場合、画像形成装置1の制御部2が表示選択手段および処理手段となる。
【0082】
なお、当然のことではあるが、画像形成装置1が汎用コンピューター51のプログラムを実行できるものであれば、上述したコンピューター51が追加編集の指示手順と処理手順を実行するプログラムと同じものでもよいし、画像形成装置1が専用のプログラムを必要とするのであれば、それに合わせて追加編集の指示手順と処理手順を実行するプログラムを用意して実行することになる。
【0083】
次に、画像形成装置1によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作について説明する。
【0084】
基本的な印刷動作は、ネットワーク50を介してコンピューター51からプリントジョブを受信すると、制御部2が受信した印刷ジョブの画像を印刷出力すべく、指定された給紙部4内の印刷にあった用紙がある給紙トレイから給紙を行う。ここで印刷ジョブは印刷ジョブ情報(ジョブチケット設定ともいう)と、例えばCYMKの4色からなる画像データとで構成される。印刷ジョブは、ハードディスク25に保持され、制御部2内においてラスタライズされ、印刷する画像データがハードディスク25に記憶される。印刷ジョブのデータはいったんハードディスク25に記憶されたのち、印刷が実行された後も、それを消去するコマンドの入力またはあらかじめ決定されてジョブ数(または容量)に達するまで消去されない。このため特にバリアブル印刷ジョブの場合は、いったん印刷が終了した後でも再利用することができる。
【0085】
以下、バリアブル印刷の動作手順を説明する。図11および図12は、画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。この手順は、主に画像形成装置1内の制御部2が実行する。
【0086】
制御部2は印刷ジョブを受信するまで待機し、印刷ジョブを受信したら、ジョブがバリアブル印刷か否かを判断する(S41)。ここでバリアブル印刷ジョブでない場合(S41:NO)、そのままメモリ28上で受信した印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報を分析し、ページデータごとにラスタライズを行う(S71)。そして、ラスタライズにより作成された画像を印刷して、必要に応じて後処理部6にて後処理を施し、印刷物を出力トレイに排出する(S72)。それから、ハードディスク25に保持されているジョブリストの情報を更新して記憶する(S73)。このとき、画像形成装置1の操作部7からジョブリスト表示の指示があれば表示する。その後、処理を終了する。
【0087】
バリアブル印刷ジョブの場合(S41:YES)、メモリ28上で、印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報を分析し、分析結果とともに、バリアブル印刷ジョブのデータをハードディスク25に保存する(S42:バリアブル印刷ジョブの分析、保存)。バリアブル印刷ジョブは複数のデータ、ジョブチケットが混在可能であり、可変データごと(グループごと)に情報を分析する。
【0088】
ここで前述したマージ処理を行った後にできあがったバリアブル印刷ジョブでは、マージ先バリアブル印刷ジョブ内にあった外部参照リンクと後から追加した通常印刷ジョブ内の外部参照リンクが同じになることがある。これは、たとえば、一つのバリアブル印刷ジョブをはじめから作成する場合は、そのバリアブル印刷ジョブ内で複数の可変データが共通して使用する外部参照リンクがあれば、その外部参照リンクを可変データから呼び出して使うものとして一つだけ記載することが多い。ところが、後から通常印刷ジョブを追加する場合、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に、同じ外部参照リンクがあるか否かは考慮しないで追加する。特に本実施形態では、通常印刷ジョブを追加する際にマージ先バリアブル印刷ジョブを開く必要がないため、マージ先バリアブル印刷ジョブ内に同じ外部参照リンクがあるかどうかわからない。
【0089】
このため、マージ後のバリアブル印刷ジョブ内で同一の外部参照リンク(図示では外部リンクと記した)がある場合に、メモリ使用量を効率化するためには、一つの外部参照リンクとしてまとめてしまうことが有効である。
【0090】
そこで、制御部2は、S42に続いて、一つのバリアブル印刷ジョブ内で同一の外部参照データがある場合に、メモリ使用量を効率的に使用するための印刷ジョブの整列処理を行う。
【0091】
制御部2は、設定を確認して整列の指示が設定されていなければ(S43:NO)、何もせず、整列処理を終了する。処理はS45へ進むことになる。
【0092】
一方、整列の指示が設定されていれば(S43:YES)、処理中の可変データのジョブがある間、以下を繰り返す(S61)。
【0093】
処理中の可変データのジョブに外部参照データのリンクがあれば(S62:YES)、処理中の可変データの外部参照データのリンク先を抽出する(S63)。そして、他の可変データのジョブから同一つの外部参照データのリンク先を検索し、一致するリンク先を持つ可変データのジョブがあれば(S64:YES)、その同一リンクを持つ可変データのジョブを、現在処理中の可変データの次に来るように並び変える(S65)。これにより他のジョブよりも前に、同一の外部参照リンクを有する可変データのジョブが並ぶことになる。
【0094】
リンク先が複数のジョブで一致する場合には、ジョブが投入された時間によって優先順位を付けたり、一致するジョブの数が多いリンク先ごとに優先順位を付けたりする。並び替えの条件は、内部処理で決定してもよいし、ユーザー選択により優先順位を設定できるようにしてもよい。
【0095】
ここまでの並び替え後、またはS62で処理中の可変データのジョブに外部参照データのリンクがない場合(S62:NO)、またはS64で一致するリンク先を持つ可変データのジョブがない場合(S64:NO)、ここまでで抽出されなかった可変データのジョブの中で投入時間が最初の可変データのジョブへ進み(S66)、S61〜66までの並び替えの処理を、可変データのジョブが無くなるまで繰り返す。この繰り返しは他のカテゴリーに対しても同様に実行する(S67)。
【0096】
並び替えの処理が終了したなら(またはこの処理をしない場合)、制御部2は、ハードディスク25に保存されたバリアブル印刷ジョブの分析結果から、現在処理中の可変データのジョブが外部参照データへのリンクを含むかどうかを判断し、外部参照データが含まれていれば(S45:YES)、メモリ28上に該当する外部参照データが存在しないかをチェックする(S46)。ここで現在メモリ28上に外部参照リンクのデータが保持されている場合(S46:YES)、メモリ28に保持された外部参照リンクのデータを読み出して、印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報などとともにラスタライズを行う(S47)。
【0097】
このとき、複数の可変データ(複数のグループ)で同じ外部参照リンクが使用されている場合、上述して整列処理によって、一つの可変データの印刷後、そのすぐ後に同じ外部参照リンクを使用する可変データを印刷することになる。そうするとその時点ではメモリ28上の外部参照リンクのデータが消えていないので、外部参照リンクのデータを取得する必要がなくなり、そのために要する時間を節約でできる。
【0098】
なお、S45で外部参照データが含まれていなければ(S45:NO)そのまま、バリアブル印刷ジョブの情報に従って可変データをラスタライズし(S50)、S55へ処理は移る。
【0099】
一方、メモリ28上に外部参照データが保持されていない場合(S46:NO)、外部参照リンクに従い、ネットワーク50を介して、他のコンピューター(またはサーバなど)にアクセスして、該当する外部参照リンク先のデータを取得する(S48)。取得したデータはメモリ28上に記憶する(S49)。このときそれまでにメモリ28上に記憶されていた外部参照リンク先のデータは消去(上書き)されてしまう。
【0100】
その後、記憶したメモリ上のデータ(すなわち外部参照リンク先から取得したデータ)を利用し、S47において印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報などとともにラスタライズを行う(S47)。
【0101】
その後、制御部2は、ラスタライズされた画像を印刷させ、必要に応じて後処理部8にて後処理を施し、印刷物を出力トレイに排出する(S55)。そして、出力指定されたい可変データ(グループ)をすべて印刷したか否かを判断し(S56)、すべて出力が終わっていなければ(S56:NO)、S45へ戻り出力指定されている次の可変データ(グループ)の処理を同様に行うことになる。
【0102】
一方、S56ですべて出力が終わっていれば(S56:YES)、ハードディスク25に保持されているジョブリストの情報を更新して(S57)、処理を終了する。更新後のジョブリストはユーザーからの指示により画像形成装置1上の操作部7に表示する。
【0103】
以上により、印刷動作は終了する。
【0104】
なお、上述した整列処理は、画像形成装置ではなく、コンピューター51内で行ってもよい。たとえば、マージ処理に続いて、マージ処理後にできあがったバリアブル印刷ジョブ内において、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)が並ぶようにしたのち、画像形成装置へそのバリアブル印刷ジョブを投入するようにしてもよい。
【0105】
また、逆に、すでに説明したように、マージ処理も画像形成装置1によって行うことで、その後の整列処理、印刷動作までを連続して画像形成装置1により行うようにしてもうよい。
【0106】
以上説明した本実施形態によれば以下のような効果を奏する。
【0107】
バリアブル印刷ジョブ内で指定されたカテゴリー(グループ)内に空のグループ(たとえば可変データのグループ)を作成して、その中に追加する通常印刷ジョブの内容を入れることとしたので、元々あるバリアブル印刷ジョブを開かなくても、簡単に通常印刷ジョブの内容を組み込むことができる。
【0108】
また、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)を印刷する際には、外部参照リンク先のデータを一度取得してメモリに記憶させたのち、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)の場合には、そのメモリ上のデータを利用することとした。このため、同じ外部参照リンクのデータを何度も取りに行かなくてすみ、その補任札処理にかかる時間を短くすることができる。
【0109】
また、マージ処理(追加編集処理)後のバリアブル印刷ジョブにおいて同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)を並ぶようにしたことで、同じデータを利用できるか悪率を高くすることができる。
【0110】
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0111】
たとえば、バリアブル印刷ジョブに対して、通常印刷ジョブを追加するだけでなく、複数の通常印刷ジョブとしてまとめることも可能である。その場合、それぞれの通常印刷ジョブがバリアブル印刷ジョブの中の各グループとなる。
【0112】
また、バリアブル印刷ジョブに対して、別のバリアブル印刷ジョブを追加することもできる。その場合、マージ先バリアブル印刷ジョブ内の指定されたグループの中にさらに追加するバリアブル印刷ジョブの内容が入ることになる。このため追加されたバリアブル印刷ジョブの各グループも、元々のバリアブル印刷ジョブの各グループと同じに扱うことができる。
【0113】
また、バリアブル印刷ジョブとして、上位グループをカテゴリー、下位グループを可変データのグループとした2階層構造のグループ分けとしたが、これらはさらに複数の階層構造(3層以上)としてもよい。そして印刷実行に際しては、最上位のグループ(上記カテゴリー)を1つのジョブ単位として印刷するだけでなく、下位のグループごとに1つのジョブ単位として印刷するようにしてもよい。そして、追加処理の際に指定するグループ(からのグループを作成するグループ)は、カテゴリーなどの上位グループ、その下の可変データに位置する下位グループなど任意に設定することが可能である。
【0114】
また、外部参照リンクの取り扱いについては、PDF/X−5から追加された外部参照要素の仕様を想定しているが、必ずしもこの仕様に限定するものではなく、ジョブデータの中に外部のコンピューターやサーバなどへのURLなどのアドレス情報が含まれていて、かつそのリンク先に画像やテキストデータなどが保存されているような場合は全て含まれる。
【0115】
そのほか、本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づきさまざまな改変が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成装置、
2 制御部、
3 印刷部、
4 給紙部、
7 操作部、
8 後処理部、
21 CPU、
22 RIP部、
23 展開用メモリ、
24 転送用メモリ、
25 ハードディスク(HDD)、
26 通信インターフェース(NIC)、
50 ネットワーク、
51 コンピューター51、
101 ドキュメント階層、
111 カテゴリー、
112 可変データ、
113 固定データ、
114 外部参照リンク、
115 ジョブチケット、
116 カテゴリーに含まれない固定データ。
1120 追加された可変データ、
1150 追加されたジョブチケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびバリアブル印刷ジョブ処理装置に関し、詳しくは、バリアブル印刷ジョブの編集を行うバリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびバリアブル印刷ジョブ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バリアブル印刷(VDP:Variable Data Printing)は、オンデマンド印刷の一形態であり、データベースファイルの中から所望するデータを取り出して、様々に組み合わせてページごとに違う内容を印刷することができる。また、このようなバリアブル印刷に用いるデータベースの編集も行うことができる。
【0003】
バリアブル印刷ジョブのデータは、たとえばPPML/VIPP/VPS/FreeFormといったページ記述言語(PDL)により、ページごとに変更されるデータである。このようなバリアブルデータ(バリアブル印刷ジョブのデータ)は、ページに応じて変更される可変データと、各ページで同じ画像を印刷するための再使用可能な固定データとで構成されており、これらデータを用いた印刷をバリアブル印刷という。そしてバリアブル印刷では、固定データと可変データが1つのバリアブル印刷ジョブとしてまとめられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−218306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなバリアブル印刷ジョブの内容を編集する際には、そのデータベースファイルを開く必要がある。たとえば、内容の追加では、開いたデータベースに追加する内容を書き込んでゆくことになる。
【0006】
このため、元のバリアブル印刷ジョブのデータファイルが大きいと、それを開くのに時間がかかり、また、それにデータを追加して編集すること自体にも多くの時間と手間を要する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、バリアブル印刷ジョブに簡単な操作で別の印刷ジョブを追加することのできるバリアブル印刷ジョブ処理プログラムおよびそのためのバリアブル印刷ジョブ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと、印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブとを区別して画面上に表示する段階と、前記画面に表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出する段階と、前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成する段階と、前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する段階と、を有する手順をコンピューターに実行させることを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0010】
(2)前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成されることを特徴とする(1)記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0011】
(3)前記追加する段階の後の前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷することを特徴とする(1)または(2)記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【0012】
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラムを記録したコンピューター実行可能な記憶媒体。
【0013】
(5)一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブを区別して表示し、選択可能とする表示選択手段と、前記表示選択手段により表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出して、前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成して、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する処理手段と、を有することを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【0014】
(6)前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成することを特徴とする(5)記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【0015】
(7)前記処理手段は、さらに、前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合に、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷させることを特徴とする(5)または(6)記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バリアブル印刷ジョブ内で指定されたグループ内に空のグループを作成して、その中に追加する通常印刷ジョブの内容を入れることとしたので、元々あるバリアブル印刷ジョブを開かなくても、簡単に通常印刷ジョブの内容を組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態である画像形成装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】画像形成装置を説明するためのブロック図である。
【図3】バリアブル印刷ジョブを説明するための図である。
【図4】バリアブル印刷ジョブの追加編集処理(マージ処理という)における指示手順を示すフローチャートである。
【図5】ジョブリストの一例を示す図である。
【図6】マージ処理指示画面の表示例を示す図である。
【図7】マージする指示後に表示される確認画面例を示す図である。
【図8】マージ処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】マージする通常印刷ジョブの構造例を示す図である。
【図10】マージ処理後のバリアブル印刷ジョブの一例を示す図である。
【図11】画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。
【図12】図11に続く、画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1は本発明の画像形成装置の一実施形態である画像形成装置の外観構成を説明するための概略図である。また、図2はこの画像形成装置を説明するためのブロック図である。
【0020】
本実施形態の画像形成装置1はMFP(Multi−functional peripheral)と云われるもので、プリンタとしての機能のほかにスキャナ、コピーなどの機能を有する。この画像形成装置1は、大別して制御部2、印刷部3、給紙部4、スキャナ5、操作部7、後処理部8などが一体的に取り付けられている。
【0021】
また、この画像形成装置1は、ネットワーク50を介して、バリアブル印刷ジョブを作成や編集を行うためのコンピューター51(PC)に接続されている。なお、コンピューター51には、通常のコンピューター51同様にモニター、キーボードやマウスなどが接続されている。
【0022】
制御部2は、図2に示すように、CPU21、RIP部22(Raster Image Processor)、展開用メモリ23、転送用メモリ24、ハードディスク25(HDD)、通信インターフェース26(NIC:Network Interface Card)、メモリ28を有する。制御部2は操作部7と内部バスにより接続されている。
【0023】
CPU21は、この画像形成装置1全体の制御を行う。特に本実施形態では、後述するバリアブル印刷ジョブに対する印刷ジョブの追加編集手順に基づいて作成されたプログラムを実行する。このためこのようなCPU21を含む制御部2は、このようなプログラムを実行するコンピューターと言うことができる。
【0024】
RIP部22は、CPU21からの指示により印刷ジョブのデータのなかからコマンドやタグなどのページ記述言語(PDL:Page Description Language)を解析して、文字や画像などのデータをラスタライズして、印刷部3へ出力させるビットマップデータの作成を行う。ビットマップデータは展開用メモリ23に展開されて記憶されることになる。
【0025】
展開用メモリ23は、RIP部22においてビットマップデータに展開されたデータの記憶を行う。転送用メモリ24は、展開用メモリ23に展開されたビットマップデータを印刷部3に送る際に一時記憶する。なお、展開用メモリ23と転送用メモリ24は、物理的に異なるメモリチップよりなってもよし、物理的には同じメモリであって、そのなかの記憶領域をそれぞれに対応させて分割して使用する形態であってもよい。またこれらは、たとえばRAMが使用される。
【0026】
ハードディスク25は、コンピューター51などから送られてきた印刷データ(ラスタライズ前)の記憶に使用される。印刷データはジョブリストの情報と共に記憶される。ジョブリストは、たとえば管理情報ベース(Management Information Base, MIB)として記憶される。
【0027】
なお、ハードディスク25には、そのほかに、たとえば後述するバリアブル印刷ジョブの追加編集処理を行うためのプログラムを記憶する。このプログラムは、ハードディスク25に限らず、たとえばこの画像形成装置1のファームウェアと共に提供され、EPROMなどのファームウェアの記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。
【0028】
通信インターフェース26は、この画像形成装置1をネットワーク50に接続する。このために、通信インターフェース26は、接続されるネットワーク50の規格に応じてデータの送受信を行う。ここでネットワーク50は、たとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューター51やネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等の各種のネットワーク50である。なお、図においては、ネットワーク50には、コンピューター51とこの画像形成装置1がそれぞれ1台ずつ接続されるが、これらは複数台接続されていてもよい。
【0029】
メモリ28は、CPU21が各種処理のために使用する記憶装置である。
【0030】
印刷部3は、いわゆる印刷エンジンなどと称されているものであり、制御部2から送られてきたビットマップデータを、制御部2からの指令にしたがって、給紙部4から給紙される印刷記録媒体(印刷用紙など)に印刷する。ここで、印刷部3は、たとえば、インクジェット方式や電子写真方式によるものであり、特に限定されない。
【0031】
スキャナ5は原稿から画像の読み取りを行うものである。
【0032】
操作部7は、入力手段および表示手段となるものであり、画像形成装置1に対してユーザーがさまざまな操作を入力するための操作パネルと、画像形成装置1の状態(後述するバリアブル印刷の印刷予測時間の表示なども行う)を表示するための表示画面を備えている。これらはたとえば、液晶画面とタッチパネルなどからなる。なお、画像形成装置1の操作は、ネットワーク50を介してコンピューター51から行うことも可能となっている。
【0033】
後処理部8は、印刷後の用紙へのステープル綴じ、複数部印刷の際に部ごとに分けるなどの処理を行う。このような後処理部8はオプション機能であり、なくてもよい。
【0034】
ここで、バリアブル印刷ジョブについて説明する。バリアブル印刷ジョブは、たとえばPDF/VT(ISO16612−2:2010)で規定されたデータ構造を採用することができる。ここでは、さらにデータ中に、外部データを参照するリンクが記載されていて、そのリンク先の内容を取り出して印刷するバリアブル印刷ジョブについて説明する。このようなリンクを用いることを可能にしたバリアブル印刷ジョブはたとえば、PDF/X−5などとして知られている。このようなリンクによる外部データを参照することで、PDF内に画像など比較的容量の大きなデータを持たずに、外部からそれらのデータを参照することで印刷することができる。一方、PDF/VTによるバリアブル印刷は、1つのPDFファイル内に、階層構造でカテゴリー分類やジョブ設定など多くの情報を内包するデータベースを保持しており、この中に、フォームデータやロゴデータなどの固定データも含まれている。
【0035】
このようなバリアブル印刷ジョブは、印刷実行時にユーザーからの指示によって印刷するカテゴリーやさらにその中の下位グループなどが選択されて印刷が行われる。このため、バリアブル印刷ジョブは、印刷内容が異なる複数のグループを有しているものであり、それらグループからあらかじめユーザーにより選択されたグループの内容が印刷されることになる。
【0036】
図3はバリアブル印刷ジョブを説明するための説明図である。
【0037】
この印刷データ100は、1つのバリアブル印刷ジョブとして階層構造をなしている。階層構造のルートとしてドキュメント階層101があり、そのなかにメタデータが階層構造になって分類定義されて含まれている。このメタデータの中に外部参照データを取り出すためのリンクもある。
【0038】
図示する例では、ルートであるドキュメント階層101の下に、カテゴリー111(上位グループ)、その下に可変データ112(下位グループ)と固定データ113がある、階層構造となっている。可変データ112には、それぞれどのような印刷形態で印刷するかを指定するジョブチケット115が付けられている。このようなカテゴリー111は一つのグループであり、少なくとも一つの可変データが含まれている。
【0039】
また、このカテゴリー内には外部からのデータを取り込むための外部参照リンク114も書き込まれている。
【0040】
また、カテゴリーに含まれない固定データ116も、ドキュメント階層101の直下に含まれている。図示しないがカテゴリーに含まれないリンクがあってもよい。これらは全てメタデータである。
【0041】
カテゴリー111は、バリアブル印刷ジョブ内において、あらかじめ決めた条件で分類したメタデータである。たとえば、顧客の郵便番号による分類、商品ごとの分類、顧客年齢ごとの分類など、印刷データの作成者によって定義されるデータである。このカテゴリー111の使用形態の一例としては、ダイレクトメールがある。そのシナリオの一例としてはたとえば、今月は特定地域に対してダイレクトメールを送る際に郵便番号で分類したカテゴリーにより分類する。来月は特定の商品の販売促進を行うために、商品ごとのカテゴリーに分類するなどである。
【0042】
たとえば、郵便番号分けする場合、図示するカテゴリーAは、「1××−××××」を含む郵便番号、カテゴリーBは「2××−××××」を含む郵便番号とするなどである。同様に、商品で分ける場合は、カテゴリーAは普及機種、カテゴリー2は高機能機種とするなどである。また、このような郵便番号(すなわち特定地域)と商品分類を複合的に合わせたカテゴリーとしてもよい。たとえば、カテゴリーAは「1××−××××」を含む郵便番号でかつ普及機種、カテゴリーBは「2××−××××」を含む郵便番号でかつ高機能機種とするなどである。もちろんそのほかさまざまな分類や複合分類などが可能である。
【0043】
1つのカテゴリー111の下には、可変データ112と固定データ113が含まれている。これらもメタデータの1つである。
【0044】
可変データ112は、印刷ページや印刷位置などに応じて変更させて印刷されるものである。具体的には、たとえば、顧客の住所氏名、商品番号や商品写真、ページや印刷位置ごとに異なる見出し語などである。図示では、「氏名1」、「氏名2」などとした。氏名以外にも、上記のように商品番号や写真、見出し語などであってもよい。また、この可変データ112のなかにはそれらのデータをどのよう印刷するかを示すジョブチケット115が付属している。このジョブチケットも可変データと共に可変できるものであるため、可変データの一つとなる(詳細後述)。
【0045】
図示する「氏名1」、「氏名2」などの可変データは、それぞれ可変データ112の1つひとつのグループを示している。たとえば、カテゴリーAが郵便番号分けである場合、たとえば「氏名1」、「氏名2」などの可変データはともにカテゴリーAに分類された郵便番号を持つ顧客の住所氏名などの顧客情報を含むデータである。ここで、可変データを「氏名1」、「氏名2」などにグループに分けているが、郵便番号をさらに細分化してグループ分けしてもよいし、同じ顧客情報を解像度などの印刷形態の違いで分けるなどしてもよい。図では「氏名1」、「氏名2」の2つしか示していないがさらに多くのグループ分けが可能である(もちろんグループが1つであってもよい)。
【0046】
そして、それぞれの可変データ112には、そのデータをどのような印刷形態で印刷するかを指定したジョブチケット115が付いている。具体的な印刷形態としては、たとえば「氏名1」の可変データのデータを印刷する際の、用紙サイズ、解像度、カラー印刷、印刷するページ数、印刷物をステープル綴じ、ページ内の印刷位置、使用する固定データの指定、外部参照リンクの指定などである。「氏名2」の可変データも同様である。
【0047】
なお、ジョブチケット115に含まれる印刷形態はここに例示した以外のであってもよく、印刷時に実行させる指令である。したがってジョブチケット115の内容は、印刷する形態(用紙内のレイアウト)に応じて適宜追加したり省略したりできる。たとえば、可変データ112に付属させたジョブチケット115において、印刷位置や用紙サイズなどの指定がない場合、使用する固定データのレイアウトに合わせた用紙サイズが選択される。また、可変データ112のジョブチケット115に印刷するページの指定がなければ、その可変データ112を全ページ分印刷することになる。このような指定がない形態については、デフォルトとしてあらかじめ画像形成装置1に登録しておいてもよいし、ジョブを送信するときに、カテゴリー111とは関係なく無指定のデータを印刷する場合の形態として画像形成装置1に送信してもよい。
【0048】
固定データ113はいわゆるフォームデータと称されているものであり、複数のページや複数の印刷位置ごとに同じ内容を印刷するためのデータである。図では、「フォーム1」、「フォーム2」として示した。このような固定データ113は、たとえば複数のページで同じ見出し語、複数のページの同じデザインのイメージ、商品写真、ロゴ、バーコード、帳票などにおける各項目名および枠線などである。ここで、複数のページ、複数の印刷位置とは、たとえばカタログ印刷などでは、第1〜第10ページまでは家庭用品であることを示す大見出し語、さらにそのなかの第1〜第5ページはリビング用品、第6〜第10ページは台所用品などを示す小見出し語とするなどである。さらには、1ページ内において、ページ内上部に高機能品を示す見出し語、下に普及品を示す見出し語とするなど、印刷位置ごとに異なるものとしてもよい。このような固定データ113は、1つのカテゴリー111のなかで複数あってもよい。
【0049】
外部参照リンク114は、取り込むデータが存在する場所を示すURLが書き込まれている。リンク先のデータはたとえば、他のフォームデータと同様に画像(イメージ)データなどであるが画像データに限定されるものではない。
【0050】
一方、カテゴリー111に分類されない固定データ116もメタデータである。カテゴリー111に分類されない固定データ116とは、たとえば、複数のカテゴリー111をまたいで共通に印刷するデータ(イメージや語句など)である。ここで複数のカテゴリー111とは、少なくとも2つ以上のカテゴリー111をいう。
【0051】
そして、このようなバリアブル印刷ジョブは、画像形成装置1に転送された後、コンピューター51からの指示または画像形成装置1の操作部7からの指示で、複数のカテゴリー111をまとめて印刷したり、その中の可変データを個別に指定して印刷することができる。印刷指示(印刷するグループの選択)は、バリアブル印刷ジョブを画像形成装置1に転送するときでもよいし、後から別に行われるようにしてもよい。
【0052】
次に、バリアブル印刷ジョブの追加編集処理の手順を説明する。図4はバリアブル印刷ジョブの追加編集処理(マージ処理という)における指示手順を示すフローチャートである。
【0053】
ここではコンピューター51により、画像形成装置1に記憶されているバリアブル印刷ジョブに、同様に画像形成装置1に記憶されている他の印刷ジョブデータを追加する処理手順を説明する。このような印刷データの追加編集をマージという。ここで、説明するマージ処理を行う主体はコンピューター51である。したがって、ここではコンピューター51が、バリアブル印刷ジョブ処理装置となる。
【0054】
まず、コンピューター51は、その上の操作画面からジョブマージ処理開始の指示があった後、コンピューター51から画像形成装置1の通信インターフェース26を経由してハードディスク25に保持されているジョブリストを取得する(S1)。
【0055】
なお、ジョブリストの情報取得タイミングは、この時(このマージ処理を行うプログラムが起動されたタイミング)ではなく、他の印刷処理終了時などに画像形成装置1でジョブリストが更新されたときに自動的に取得することとして、常に最新のジョブリストがコンピューター51側にもあるようにしておいてもよい。そのように設定されている場合は、S1の処理はスキップするようにする。
【0056】
ジョブリストの取得方法は、MIBテーブルに保持されている情報をSNMPにより取得する方法やXMLデータをHTTPもしくはHTTPsにより取得する方法があるが、ネットワークを経由して情報を取得できる方法であればなんでもよい。取得したジョブリストのデータは、コンピューター51内に一時記憶される(ここでジョブリストのデータが一時記憶される場所は通常のコンピューター51同様にコンピューター51内のメモリ(不図示)であるが、ハードディスクなどであってもよい)。
【0057】
図5はジョブリストの一例を示す図である。図示するように、ジョブリストには、それぞれのジョブごとに、ジョブID(JobID)、ジョブ名、カテゴリー、ユーザー名(可変データ)、ジョブチケット、フォームデータ(固定データ)、外部参照リンクなどが記載されている。ここで表示されているフォームデータ(固定データ)、外部参照リンクは、ジョブチケット内で指定されているフォームデータ(固定データ)、外部参照リンクが表示されることになる。
【0058】
このジョブリストは、バリアブル印刷に対応したものであるため、各項目もそれに対応したものとなっている。バリアブル印刷ジョブと通常印刷ジョブがそれぞれ表示されていて、それぞれが区別できるようにジョブ名に記載されている。なお、通常印刷ジョブでは、カテゴリー分けや、フォームデータは存在しない場合は空欄となる。リンクも、存在しない場合は空欄となる。また、通常印刷ジョブにおけるジョブチケットは、バリアブル印刷同様に、その印刷を行う際の印刷する形態(用紙内のレイアウト)の設定である。
【0059】
画像形成装置1から情報を取得したら、コンピューター51はマージ処理指示画面を表示する(S2)。図6はマージ処理指示画面の表示例を示す図である。マージ処理の指示は、たとえば、図6(a)に示すようにドラッグアンドドロップでマージ指示する方法であり、JobID=004をJobID=001へマージする場合を例示した。またたとえば、図6(b)に示すようにジョブを選択してからメニュー画面にて指示を決めるような方法であり、JobID=002〜004をまとめる場合に、それらを選択してサブメニューから示指(「図ではバリアブル新規作成」)を選択するなどである。その他、外部参照リンクやユーザー情報などデータベースを作成する上で必要な情報を表示して、マージすると効果があるように提案する形で表示してもよい。なお、このように、マージ後の効果をマージ前に表示する場合、全てのジョブリストの内容から、たとえば表示したジョブリスト内の印刷ジョブ間で、同じ外部参照リンクがあるか否かなどをあらかじめ検索しておく必要がある。
【0060】
マージ処理の実行指示が出されたら(S3:YES)、コンピューター51は、指定されたジョブの情報を取得する(S4)。この処理は、後述するマージ処理時に使用する情報である。
【0061】
さらにユーザーがマージ位置を指定する情報やその他の追加情報を入力するための入力画面を表示して、ユーザーからの入力や選択指示の情報を取得する(S5:マージ情報取得)。
【0062】
また、S5において、入力する情報は、たとえば、JobID=004をJobID=001へマージするときに、マージ位置となるグループ、ここではカテゴリーやフォームデータなど、通常印刷ジョブでは基本的には持たない情報を選択したり、その他必要な情報を入力したりする。また新規作成の場合は、バリアブルジョブを新規作成する(S6:YES、およびS10)。S6において新規のバリアブル印刷ジョブが作成されなければ(S6:NO)、そのまま処理は次のS7のステップへ移る。
【0063】
続いて、コンピューター51は、マージ指示の確認画面を表示する(S7)。図7はマージする指示後に表示される確認画面例を示す図である。この図では、図6(a)のようにしてJobID=004をJobID=001へマージする指示があった後に表示される確認画面例を示した。図示するように、マージ先のJobID=001の内容と、マージするJobID=004の内容とともに、「OK」、「キャンセル」のボタンが表示される。
【0064】
マージ処理の実行指示が出されない場合、すなわちキャンセルが押された場合(S8:NO)、コンピューター51は、表示されているポップアップ画面やマージ操作用のボタンの表示などの画面から消去する。また、S10において新規バリアブルジョブが作成されていれば、それも使用しないので消去する。その後、処理を終了する。このときマージ処理などは行われないため、画像形成装置1へのジョブの送信などは行われず、ジョブリストも更新されない。
【0065】
一方、マージ処理の実行が指示された場合、すなわちOKが押された場合(S8:YES)、マージ処理を実行することになる。
【0066】
以上でバリアブル印刷ジョブへのマージ処理の指示が終了する。コンピューター51は指示されたマージ処理の内容に従ってバリアブル印刷ジョブに他の印刷ジョブの追加(マージ)の処理を実行する。図8はマージ処理の手順を説明するためのフローチャートである。また、図9はマージする通常印刷ジョブの構造例を示す図である。
【0067】
ここでまず、通常印刷ジョブの構造例について説明する。通常印刷ジョブは、図9に示したように、そのジョブ名称「Title」に始まってさまざま印刷時に実行する内容を指示したタグが配置されている。図9(a)はジョブ名称「bbbb」、図9(b)は「aaaa」である。
【0068】
図8を参照して、コンピューター51は、マージ処理のためにまず、マージ元(マージする印刷ジョブ)である通常印刷ジョブの中から印刷する内容を抽出することになる。
【0069】
それにはまず、コンピューター51は、コマンドExtemalLinkタグを探し出して、外部参照リンク先のURLを抽出する(S21)。このときコンピューター51は、抽出したURLを一時記憶する。一時記憶はコンピューター51内のメモリなどに記憶される(以下同様)。
【0070】
続いて、コンピューター51は、BeginFeatureタブによりジョブの内容を抽出する(S22)。この段階では、通常印刷ジョブにあるすべてのBeginFeatureタブからそのジョブの内容を抽出することになる。コンピューター51は、抽出したジョブ内容を一時記憶する。
【0071】
続いて、コンピューター51は、通常印刷ジョブの中に、そのほかの情報、たとえばユーザー情報などがあればそれらのタグから抽出する(S23)。コンピューター51は、抽出したその他の情報を一時記憶する。
【0072】
ここまでの処理は、マージ指示処理におけるS4の処理によって行われる。
【0073】
続いて、コンピューター51は、マージ先のバリアブル印刷ジョブを検査して、抽出して一時記憶したマージ元の各情報がバリアブル印刷ジョブにあてはめ追加可能かを調べる(S24)。これはたとえば、マージ先のバリアブル印刷ジョブが外部参照リンクを使用できるか、BeginFeatureタブから抽出したジョブ設定が使用できるかなどである。
【0074】
ここでマージ不可となれば(S25:NO)、その旨(またその理由とともに)を表示して(S30)、処理を終了する。なお、このマージ不可となった場合においては、この手順を実行しているコンピューター51画面上に、マージ不可である旨を表示するだけでなく、さらに画像形成装置1の操作部7の画面上にもマージ不可であることを表示するようにしてもよい。
【0075】
一方、マージ可能であれば(S25:YES)、コンピューター51は、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に空のデータベース(新たなグループ)を作成する(S26)。なお、新規バリアブル印刷ジョブが作成されている場合(前述のS10)は、その中に空のグループを作ることになる。
【0076】
空のデータベースを作成する位置は、前述したマージ処理の指示処理中においてS5にて指定されたグループ(ここではカテゴリーA)内である。作成する新たな空のグループは、カテゴリーだけでなく、カテゴリー外のルートの直下でもよいし、一つの可変データを一つのグループとしてその中にさらにグループを作るようにしてもよい。
【0077】
続いてコンピューター51は、S26で作成した空のデータベースに、S21〜23で抽出して一時記憶したマージ元の通常印刷ジョブの内容を追加する(S27)。これにより元々のバリアブル印刷ジョブに、通常印刷ジョブが追加されたバリアブル印刷ジョブができあがる。
【0078】
できあがったマージ後のバリアブル印刷ジョブは、画像形成装置1へ送信する(S28)。画像形成装置1では、受け取ったジョブをハードディスク25に記憶するとともに、ジョブリストの情報も更新して保存する。また、更新したジョブリストをコンピューター51へ送信する。これによりコンピューター51では更新後のジョブリストを受信して、現在表示されているジョブリストを書き換えて表示する(S29)。以上によりマージ処理は終了する。
【0079】
図10はマージ処理後のバリアブル印刷ジョブの一例を示す図である。以上の処理により、図10に示すように、可変データの一つグループとして、「氏名5」のデータ1120とそのジョブチケット1150が追加された形態となる。なお、図10は、前述したマージ処理の指示処理中においてS5において、追加するジョブをカテゴリーAに入れることを選択した場合である。図においては、「氏名5」のあとにジョブチケットが存在しているように示したが、これはあくまでも本実施形態をわかりやすく説明するためで、実際のジョブデータ(特にマージ処理後のジョブデータ)の追加においては、このような順番は関係ない。これは、印刷ジョブが実行される際には、そこに含まれているコマンドやタグが解釈されて実行されるため、印刷に際してその記載順は関係ないためである。
【0080】
以上によりコンピューター51上でもバリアブル印刷ジョブへ他の印刷ジョブを追加編集する処理が追加先となるバリアブル印刷ジョブを開くことなく実施することができる。
【0081】
以上説明した追加編集処理(マージ処理)は、画像形成装置1上の操作部7をから実行することもできる。すなわち、画像形成装置1に上述した追加編集の指示手順と処理手順を行うためのプログラムを導入しておいて、そのプログラムを画像形成装置1の制御部2が実行することで、コンピューター51での処理手順と同じように画像形成装置1の操作部7の画面を通じてユーザーが指示を与えることでバリアブル印刷ジョブへ他のジョブを追加編集することができる。この場合、画像形成装置1はバリアブル印刷ジョブを受け取ると、そのデータをハードディスク15に記憶する。そして追加するデータも画像形成装置1へ送信してハードディスク15に記憶させる。そのうえで追加編集の指示手順と処理手順を行うためのプログラムを実行すればよい。この場合、画像形成装置1の制御部2が表示選択手段および処理手段となる。
【0082】
なお、当然のことではあるが、画像形成装置1が汎用コンピューター51のプログラムを実行できるものであれば、上述したコンピューター51が追加編集の指示手順と処理手順を実行するプログラムと同じものでもよいし、画像形成装置1が専用のプログラムを必要とするのであれば、それに合わせて追加編集の指示手順と処理手順を実行するプログラムを用意して実行することになる。
【0083】
次に、画像形成装置1によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作について説明する。
【0084】
基本的な印刷動作は、ネットワーク50を介してコンピューター51からプリントジョブを受信すると、制御部2が受信した印刷ジョブの画像を印刷出力すべく、指定された給紙部4内の印刷にあった用紙がある給紙トレイから給紙を行う。ここで印刷ジョブは印刷ジョブ情報(ジョブチケット設定ともいう)と、例えばCYMKの4色からなる画像データとで構成される。印刷ジョブは、ハードディスク25に保持され、制御部2内においてラスタライズされ、印刷する画像データがハードディスク25に記憶される。印刷ジョブのデータはいったんハードディスク25に記憶されたのち、印刷が実行された後も、それを消去するコマンドの入力またはあらかじめ決定されてジョブ数(または容量)に達するまで消去されない。このため特にバリアブル印刷ジョブの場合は、いったん印刷が終了した後でも再利用することができる。
【0085】
以下、バリアブル印刷の動作手順を説明する。図11および図12は、画像形成装置によるバリアブル印刷ジョブの印刷動作手順を示すフローチャートである。この手順は、主に画像形成装置1内の制御部2が実行する。
【0086】
制御部2は印刷ジョブを受信するまで待機し、印刷ジョブを受信したら、ジョブがバリアブル印刷か否かを判断する(S41)。ここでバリアブル印刷ジョブでない場合(S41:NO)、そのままメモリ28上で受信した印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報を分析し、ページデータごとにラスタライズを行う(S71)。そして、ラスタライズにより作成された画像を印刷して、必要に応じて後処理部6にて後処理を施し、印刷物を出力トレイに排出する(S72)。それから、ハードディスク25に保持されているジョブリストの情報を更新して記憶する(S73)。このとき、画像形成装置1の操作部7からジョブリスト表示の指示があれば表示する。その後、処理を終了する。
【0087】
バリアブル印刷ジョブの場合(S41:YES)、メモリ28上で、印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報を分析し、分析結果とともに、バリアブル印刷ジョブのデータをハードディスク25に保存する(S42:バリアブル印刷ジョブの分析、保存)。バリアブル印刷ジョブは複数のデータ、ジョブチケットが混在可能であり、可変データごと(グループごと)に情報を分析する。
【0088】
ここで前述したマージ処理を行った後にできあがったバリアブル印刷ジョブでは、マージ先バリアブル印刷ジョブ内にあった外部参照リンクと後から追加した通常印刷ジョブ内の外部参照リンクが同じになることがある。これは、たとえば、一つのバリアブル印刷ジョブをはじめから作成する場合は、そのバリアブル印刷ジョブ内で複数の可変データが共通して使用する外部参照リンクがあれば、その外部参照リンクを可変データから呼び出して使うものとして一つだけ記載することが多い。ところが、後から通常印刷ジョブを追加する場合、マージ先のバリアブル印刷ジョブ内に、同じ外部参照リンクがあるか否かは考慮しないで追加する。特に本実施形態では、通常印刷ジョブを追加する際にマージ先バリアブル印刷ジョブを開く必要がないため、マージ先バリアブル印刷ジョブ内に同じ外部参照リンクがあるかどうかわからない。
【0089】
このため、マージ後のバリアブル印刷ジョブ内で同一の外部参照リンク(図示では外部リンクと記した)がある場合に、メモリ使用量を効率化するためには、一つの外部参照リンクとしてまとめてしまうことが有効である。
【0090】
そこで、制御部2は、S42に続いて、一つのバリアブル印刷ジョブ内で同一の外部参照データがある場合に、メモリ使用量を効率的に使用するための印刷ジョブの整列処理を行う。
【0091】
制御部2は、設定を確認して整列の指示が設定されていなければ(S43:NO)、何もせず、整列処理を終了する。処理はS45へ進むことになる。
【0092】
一方、整列の指示が設定されていれば(S43:YES)、処理中の可変データのジョブがある間、以下を繰り返す(S61)。
【0093】
処理中の可変データのジョブに外部参照データのリンクがあれば(S62:YES)、処理中の可変データの外部参照データのリンク先を抽出する(S63)。そして、他の可変データのジョブから同一つの外部参照データのリンク先を検索し、一致するリンク先を持つ可変データのジョブがあれば(S64:YES)、その同一リンクを持つ可変データのジョブを、現在処理中の可変データの次に来るように並び変える(S65)。これにより他のジョブよりも前に、同一の外部参照リンクを有する可変データのジョブが並ぶことになる。
【0094】
リンク先が複数のジョブで一致する場合には、ジョブが投入された時間によって優先順位を付けたり、一致するジョブの数が多いリンク先ごとに優先順位を付けたりする。並び替えの条件は、内部処理で決定してもよいし、ユーザー選択により優先順位を設定できるようにしてもよい。
【0095】
ここまでの並び替え後、またはS62で処理中の可変データのジョブに外部参照データのリンクがない場合(S62:NO)、またはS64で一致するリンク先を持つ可変データのジョブがない場合(S64:NO)、ここまでで抽出されなかった可変データのジョブの中で投入時間が最初の可変データのジョブへ進み(S66)、S61〜66までの並び替えの処理を、可変データのジョブが無くなるまで繰り返す。この繰り返しは他のカテゴリーに対しても同様に実行する(S67)。
【0096】
並び替えの処理が終了したなら(またはこの処理をしない場合)、制御部2は、ハードディスク25に保存されたバリアブル印刷ジョブの分析結果から、現在処理中の可変データのジョブが外部参照データへのリンクを含むかどうかを判断し、外部参照データが含まれていれば(S45:YES)、メモリ28上に該当する外部参照データが存在しないかをチェックする(S46)。ここで現在メモリ28上に外部参照リンクのデータが保持されている場合(S46:YES)、メモリ28に保持された外部参照リンクのデータを読み出して、印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報などとともにラスタライズを行う(S47)。
【0097】
このとき、複数の可変データ(複数のグループ)で同じ外部参照リンクが使用されている場合、上述して整列処理によって、一つの可変データの印刷後、そのすぐ後に同じ外部参照リンクを使用する可変データを印刷することになる。そうするとその時点ではメモリ28上の外部参照リンクのデータが消えていないので、外部参照リンクのデータを取得する必要がなくなり、そのために要する時間を節約でできる。
【0098】
なお、S45で外部参照データが含まれていなければ(S45:NO)そのまま、バリアブル印刷ジョブの情報に従って可変データをラスタライズし(S50)、S55へ処理は移る。
【0099】
一方、メモリ28上に外部参照データが保持されていない場合(S46:NO)、外部参照リンクに従い、ネットワーク50を介して、他のコンピューター(またはサーバなど)にアクセスして、該当する外部参照リンク先のデータを取得する(S48)。取得したデータはメモリ28上に記憶する(S49)。このときそれまでにメモリ28上に記憶されていた外部参照リンク先のデータは消去(上書き)されてしまう。
【0100】
その後、記憶したメモリ上のデータ(すなわち外部参照リンク先から取得したデータ)を利用し、S47において印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ情報、印刷ページ情報などとともにラスタライズを行う(S47)。
【0101】
その後、制御部2は、ラスタライズされた画像を印刷させ、必要に応じて後処理部8にて後処理を施し、印刷物を出力トレイに排出する(S55)。そして、出力指定されたい可変データ(グループ)をすべて印刷したか否かを判断し(S56)、すべて出力が終わっていなければ(S56:NO)、S45へ戻り出力指定されている次の可変データ(グループ)の処理を同様に行うことになる。
【0102】
一方、S56ですべて出力が終わっていれば(S56:YES)、ハードディスク25に保持されているジョブリストの情報を更新して(S57)、処理を終了する。更新後のジョブリストはユーザーからの指示により画像形成装置1上の操作部7に表示する。
【0103】
以上により、印刷動作は終了する。
【0104】
なお、上述した整列処理は、画像形成装置ではなく、コンピューター51内で行ってもよい。たとえば、マージ処理に続いて、マージ処理後にできあがったバリアブル印刷ジョブ内において、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)が並ぶようにしたのち、画像形成装置へそのバリアブル印刷ジョブを投入するようにしてもよい。
【0105】
また、逆に、すでに説明したように、マージ処理も画像形成装置1によって行うことで、その後の整列処理、印刷動作までを連続して画像形成装置1により行うようにしてもうよい。
【0106】
以上説明した本実施形態によれば以下のような効果を奏する。
【0107】
バリアブル印刷ジョブ内で指定されたカテゴリー(グループ)内に空のグループ(たとえば可変データのグループ)を作成して、その中に追加する通常印刷ジョブの内容を入れることとしたので、元々あるバリアブル印刷ジョブを開かなくても、簡単に通常印刷ジョブの内容を組み込むことができる。
【0108】
また、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)を印刷する際には、外部参照リンク先のデータを一度取得してメモリに記憶させたのち、同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)の場合には、そのメモリ上のデータを利用することとした。このため、同じ外部参照リンクのデータを何度も取りに行かなくてすみ、その補任札処理にかかる時間を短くすることができる。
【0109】
また、マージ処理(追加編集処理)後のバリアブル印刷ジョブにおいて同じ外部参照リンクをもつ可変データ(グループ)を並ぶようにしたことで、同じデータを利用できるか悪率を高くすることができる。
【0110】
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。
【0111】
たとえば、バリアブル印刷ジョブに対して、通常印刷ジョブを追加するだけでなく、複数の通常印刷ジョブとしてまとめることも可能である。その場合、それぞれの通常印刷ジョブがバリアブル印刷ジョブの中の各グループとなる。
【0112】
また、バリアブル印刷ジョブに対して、別のバリアブル印刷ジョブを追加することもできる。その場合、マージ先バリアブル印刷ジョブ内の指定されたグループの中にさらに追加するバリアブル印刷ジョブの内容が入ることになる。このため追加されたバリアブル印刷ジョブの各グループも、元々のバリアブル印刷ジョブの各グループと同じに扱うことができる。
【0113】
また、バリアブル印刷ジョブとして、上位グループをカテゴリー、下位グループを可変データのグループとした2階層構造のグループ分けとしたが、これらはさらに複数の階層構造(3層以上)としてもよい。そして印刷実行に際しては、最上位のグループ(上記カテゴリー)を1つのジョブ単位として印刷するだけでなく、下位のグループごとに1つのジョブ単位として印刷するようにしてもよい。そして、追加処理の際に指定するグループ(からのグループを作成するグループ)は、カテゴリーなどの上位グループ、その下の可変データに位置する下位グループなど任意に設定することが可能である。
【0114】
また、外部参照リンクの取り扱いについては、PDF/X−5から追加された外部参照要素の仕様を想定しているが、必ずしもこの仕様に限定するものではなく、ジョブデータの中に外部のコンピューターやサーバなどへのURLなどのアドレス情報が含まれていて、かつそのリンク先に画像やテキストデータなどが保存されているような場合は全て含まれる。
【0115】
そのほか、本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づきさまざまな改変が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成装置、
2 制御部、
3 印刷部、
4 給紙部、
7 操作部、
8 後処理部、
21 CPU、
22 RIP部、
23 展開用メモリ、
24 転送用メモリ、
25 ハードディスク(HDD)、
26 通信インターフェース(NIC)、
50 ネットワーク、
51 コンピューター51、
101 ドキュメント階層、
111 カテゴリー、
112 可変データ、
113 固定データ、
114 外部参照リンク、
115 ジョブチケット、
116 カテゴリーに含まれない固定データ。
1120 追加された可変データ、
1150 追加されたジョブチケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと、印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブとを区別して画面上に表示する段階と、
前記画面に表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出する段階と、
前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成する段階と、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する段階と、
を有する手順をコンピューターに実行させることを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項2】
前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成されることを特徴とする請求項1記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項3】
前記追加する段階の後の前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合、
前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、
前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷することを特徴とする請求項1または2記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか1つに記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラムを記録したコンピューター実行可能な記憶媒体。
【請求項5】
一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブを区別して表示し、選択可能とする表示選択手段と、
前記表示選択手段により表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出して、
前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成して、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する処理手段と、
を有することを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【請求項6】
前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成することを特徴とする請求項5記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、さらに、前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合に、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷させることを特徴とする請求項5または6記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【請求項1】
一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと、印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブとを区別して画面上に表示する段階と、
前記画面に表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出する段階と、
前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成する段階と、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する段階と、
を有する手順をコンピューターに実行させることを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項2】
前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成されることを特徴とする請求項1記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項3】
前記追加する段階の後の前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合、
前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、
前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷することを特徴とする請求項1または2記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラム。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか1つに記載のバリアブル印刷ジョブ処理プログラムを記録したコンピューター実行可能な記憶媒体。
【請求項5】
一つの印刷ジョブの中に、印刷内容が異なる複数のグループを有して、当該グループごとに印刷することができるバリアブル印刷ジョブと印刷される内容が変更されない通常印刷ジョブを区別して表示し、選択可能とする表示選択手段と、
前記表示選択手段により表示されたジョブの中から追加元ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を抽出して、
前記画面に表示されたジョブの中から追加先ジョブとして選択された前記バリアブル印刷ジョブの中に新たなグループを作成して、
前記抽出した前記バリアブル印刷ジョブまたは前記通常印刷ジョブの内容を前記新たなグループ内に追加する処理手段と、
を有することを特徴とするバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【請求項6】
前記新たなグループは前記バリアブル印刷ジョブ内の複数のグループのうちあらかじめ指定されたグループ内に作成することを特徴とする請求項5記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、さらに、前記バリアブル印刷ジョブ内に複数の同じ外部参照リンクが含まれる場合に、前記外部参照リンク先に一度アクセスして、前記外部参照リンクのデータを記憶し、前記前記バリアブル印刷ジョブ内で、外部参照リンク先のデータを印刷する場合に、当該記憶した前記外部参照リンクのデータを使用して印刷させることを特徴とする請求項5または6記載のバリアブル印刷ジョブ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図6】
【公開番号】特開2013−68998(P2013−68998A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205296(P2011−205296)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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