説明

バリア包装を有する、揮発性物質含有衛生吸収性物品

本発明は、ヒトの着用者の婦人衛生用吸収性物品の分野に関する。特に本発明は、室温で揮発する傾向を有する非水性揮発性物質を含む衛生吸収性物品に関する。これらの物品は、液体及び蒸気に実質的に不透過性である包装の中に本発明に従って包装される。これは、吸収性物品中に初めに存在する非水性揮発性物質の量が、包装された物品のより長い保存期間又は保存寿命の間に、実質的に減少しないことを確実にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの着用者の婦人衛生用吸収性物品の分野に関する。特に本発明は、室温で揮発する傾向を有する非水性揮発性物質を含む衛生吸収性物品に関する。これらの物品は、液体及び蒸気に実質的に不透過性である包装の中に本発明に従って包装される。これは、吸収性物品中に初めに存在する非水性揮発性物質の量が、包装された物品のより長い保存期間又は保存寿命の間に、実質的に減少しないことを確実にする。
【背景技術】
【0002】
最近の消費者調査活動により、室温で揮発及び蒸発する傾向を有する機能的非水性物質を含有する特定の個人用衛生吸収性物品への要求が明らかになった。こうした物品の例は、欧州特許出願EP1,250,940A1及びEP1,250,941A1に開示されるように、メンチルラクテートのようなヒトの皮膚に冷すような感触を与える多少の物質を含有する生理用ナプキンである。しかしながら、メンチルラクテートのようなこうした非水性揮発性物質は、室温で揮発する傾向を有するため、物品からのそれらの蒸発を減少させる又は更には防ぐ必要がある。そうでなければ、メンチルラクテートの量は急速に減少し、その結果、物品は既に短い保存期間又は保存寿命の後には、目的とする機能をもはや提供しない。
【0003】
先行技術では、生理用ナプキン又は同様なものなどの衛生吸収性物品を包装することに関して、既知の多数の参照文献が存在する。例としては、たとえばGB2,167,382、米国特許第4,556,146号、又は米国特許第5,423,568号である。しかしながら、これまでに既知のすべてのこうした参照文献は、揮発性物質を含有しない吸収性物品を包装することを対象としており、したがってこうした揮発性物質の蒸発を減少させる又は更には防ぐための包装は何も提案されていない。この分野でこれまでに既知のすべてのものは、物品を包装するための多数のやり方及び構成であるため、存在するとしてもポリエチレン(PE)のような従来の材料のみが提案されている。
【0004】
米国特許第3,963,029号は、揮発性物質を含有するおむつを開示する。おむつは、おむつのバックシートのみが外部に暴露されるようなやり方で折り畳まれる。次にバックシートは封止され、これによりおむつの内部から蒸気が逃げるのを防ぐ。この参照文献の中に、おむつを含有するための包装の開示は存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に引用した先行技術に対して、個人用の、特に非水性揮発性物質を含有する婦人衛生用の吸収性物品であって、前記非水性揮発性物質の蒸発を減少させる又は更には防ぐ包装の中に包装された吸収性物品を提供することが本発明の目的である。これは、非水性揮発性物質により提供される物品の機能を保つために必要である。より具体的には、長い保存期間及び/又は保存寿命の間に目的とする機能が維持され、個人用であり、特に非水性揮発性物質を含有する婦人衛生用の吸収性物品を提供することが本発明の目的である。
【0006】
ユーザーが非常に容易に開封できる包装の中に包まれた、非水性揮発性物質を含有する婦人衛生用吸収性物品を提供することは、本発明のもう1つの目的である。使用済み物品用の処分袋として用い得る包装の中に包まれた、非水性揮発性物質を含有する婦人衛生用吸収性物品を提供することは、本発明の更なる目的である。
【0007】
本発明のなお更なる目的は、相互に連結されたただ一片の包装材料から構成させる包装の中に包まれた、非水性揮発性物質を含有する婦人衛生用吸収性物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、包装された婦人衛生用吸収性物品を提供し、その際この物品は、非水性揮発性物質を機能成分として含む。前記物品は、液体及び蒸気が透過しない包装材料から製造された包装の中に包まれる。本発明の吸収性物品は婦人衛生用物品であり、具体的に言えば、生理用ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置、又は失禁用具である。特に、本発明の包装材料は、基準の非水性揮発性物質として用いられるメンチルラクテートに関して本明細書に記載される試験方法に従って、25%以下の透過性を有する。特に好ましい実施形態では、包装は、4層のLDPE(低密度ポリエチレン)及び1層のEVOH(エチルビニルアルコール)を他の4層の中間に含み、したがって2つのLDPE層がEVOH層の上部に配置され、及び2つの他のLDPE層がEVOH層の下部に配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書では、用語「吸収性物品」は非常に広い意味で使用され、体液及び/又は排泄物を受け取り、及び/又は吸収し、及び/又は収容し、及び/又は保持することのできるいずれの物品も包含する。本明細書で吸収性物品と呼ばれるものは使い捨てである。典型的には本発明による吸収性物品は、使用中に着用者に面する表面である液体透過性トップシート、使用中に衣類に面する表面である液体不透過性バックシート、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コアを有する。任意選択的に、本発明による吸収性物品はまた、いわゆる第2のトップシートを含むことができ、これは前記トップシートと前記吸収性コアとの間に位置する。本発明で吸収性物品と呼ばれるものは、好ましくは生理用ナプキン、パンティライナー、又は失禁用具である。タンポン又は陰唇間装置のようなその他の吸収性物品もまた本明細書に包含される。本発明の状況で特に好ましい吸収性物品は、使い捨て吸収性物品である。
【0010】
本明細書では、用語「使い捨て」は、洗濯、又は別の方法で物品として復元若しくは再利用することを目的としない物品(即ち、それらは1回使用後に廃棄されることを目的とし、好ましくはリサイクルされるか、堆肥化されるか、又は環境に適した方式で処理されることを目的とする)を記載するために使用される。
【0011】
本明細書で使用する時、用語「使用」とは、吸収性物品が実際にユーザーの体に接触して置かれた時から始まる期間を指す。
【0012】
本発明の吸収性物品は、機能成分として非水性揮発性物質を含む。前記揮発性物質は、物品のどの位置にあってもよい。好ましい実施形態では、前記非水性揮発性物質は、トップシート上及び/又は第2トップシート上にある。別の好ましい実施形態では、前記非水性揮発性物質が、前記吸収性コアの中にある。本明細書で使用する時、用語「非水性揮発性物質」とは、水を実質的に含まない物質を指し、これは20℃で少なくとも1Pa(0.01mbar)の蒸気圧を有する。
【0013】
こうした物質の例は、メンチルラクテートのような冷却剤であり、これは室温で固体であり、20℃で約5Pa(約0.05mbar)の蒸気圧を有する。前記非水性揮発性物質は、吸収性物品に物品の着用者に知覚を伝える機能を提供する。メンチルラクテートの場合には、EP1,250,940A1及び、EP1,250,941A1に概説されるように、吸収性物品は冷たい感触を着用者に送達する能力を提供されている。
【0014】
本明細書に用いるその他の非水性揮発性物質には、香料及び芳香剤がこれらに限定されないが挙げられ、着用者が知覚可能な気持ちのよい匂いを吸収性物品に与える。
【0015】
本明細書に用いるのに好適な非水性揮発性物質、即ち冷却剤の例は、ケタール、カルボキサミド、シクロヘキサノール誘導体、及びシクロヘキシル誘導体の化学種からの化合物である。その他の例は、カンファー、ボルネオール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、茶木油、ユーカリ油、ペパーミント油、メンチルラクテート、及びこれらの混合物である。非水性揮発性物質として用いるのに好適な前述の化学種の各々についての例は、下文により詳細に記載される。吸収性物品中に存在する非水性揮発性物質の量は無論、物品の種類、非水性揮発性物質の種類、非水性揮発性物質の目的とする機能などの様々な要因に依存する。本発明の吸収性物品は典型的には0.1mg〜100mg、好ましくは1mg〜80mgの非水性揮発性物質を含む。例として、皮膚の冷却する印象を着用者に提供するために、冷却剤、好ましくはメンチルラクテートを含む生理用ナプキンは、3mg〜50mg、典型的には15mg〜40mgの量で冷却剤を含有する。
【0016】
本発明による非水性揮発性物質として用いるのに好適なケタールは次の式を有する:
【0017】
【化1】


式中、R1は、少なくとも1つのしかし3つ以下のヒドロキシル基を、好ましくは1つのヒドロキシル基を有するC2〜C6−アルキレンラジカルを表し、並びにR2及びR3は、いずれも、互いに独立して、ヒドロキシル、アミノ、及びハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、若しくはヨウ素)から成る群から選択される1〜3のラジカルにより任意に置換されるC1〜C10−アルキルC5〜C7−シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、C6〜C12−アリール、好ましくはフェニルを表しただし、R2及びR3のC原子の総数は3以上であることを条件とし、又はR2及びR3は合わせてアルキレンラジカルを表し、これはこのラジカルR2及びR3を有する炭素原子と共に5〜7員環を形成し、一方このアルキレンラジカルは今度はC1〜C6−アルキル基又はこれらの混合物により置換されることが可能である。
【0018】
本発明による非水性揮発性物質として用いるのに好適なカルボキサミドは次の式を有する:
【0019】
【化2】

式中、R’は単独で存在する時、水素、又は25個までの炭素原子を含有する脂肪族ラジカルであり;R’’は単独で存在する時、ヒドロキシ、又は25個までの炭素原子を含有する脂肪族ラジカルであり、ただしR’が水素である時、R’’はまた10個までの炭素原子のアリールラジカルであってもよく、及び置換フェニル、フェナルキル(phenalkyl)又は置換フェナルキル(phenalkyl)、ナフチル及び置換ナフチル、ピリジルから成る群から選択されてもよいことを条件とし;並びにR’及びR’’は、それらが結合する窒素原子と共に統合される時、25個までの炭素原子の環式又は複素環式基、又はこれらの混合物を表す。
【0020】
本発明による非水性揮発性物質として用いる別の部類のカルボキサミドは次の式を有する:
【0021】
【化3】

式中、R’及びR’’は単独に存在する時、各々水素、C1〜C5アルキル又はC1〜C8ヒドロキシアルキルであり、及び合計8個以下の炭素原子を提供するが、ただしR’が水素である時、R’’はまた6個までの炭素原子のアルキルカルボキシアルキルであってもよいことを条件とし;R’及びR’’が共に統合される時、6個までの炭素原子のアルキレン基を表し、この基の対向末端部はアミド窒素原子に結合し、それによって窒素複素環を形成し、この炭素鎖は酸素により任意に中断されてもよく;R1は、水素、又はC1〜C5アルキルであり;並びにR2及びR3は各々C1〜C5アルキルであり;ただし(i)R1、R2、及びR3は、合わせて合計少なくとも5個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を提供し;及び(ii)R1が水素である時、R2はC2〜C5アルキルであり、及びR3はC3〜C5アルキルであり、並びにR2及びR3の少なくとも一方はは分枝鎖であり、好ましくは式中の(*)の印が付けられた炭素原子に関してα又はβの位置にあり、又はこれらの混合物であることを条件とする。
【0022】
本発明による非水性揮発性物質として用いるシクロヘキサノール誘導体についての例は次の式を有する:
【0023】
【化4】

式中、Rは1〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を表す。
【0024】
本発明による非水性揮発性物質として用いる別の部類のシクロヘキサノール誘導体は次の式を有する:
【0025】
【化5】

式中、R1及びR2は独立して、水素、又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表す、又はこれらの混合物である。
【0026】
本発明による非水性揮発性物質として用いるシクロヘキシル誘導体の例は次の式を有する:
【0027】
【化6】

式中、Rは、水素、C1〜C5直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、C1〜C5アルケニル基、C1〜C5アルコキシ基、又はC1〜C5アシルオキシ基を表し、R1は、水素、又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基である。
【0028】
前述の化合物の部類の混合物を用いることもまた本発明の範囲内である。
【0029】
好ましい実施形態では、前記非水性揮発性物質は冷却剤であり、これは(a)メントール及び/又はペパーミント油と、(b)ケタール、カルボキサミド、メントールを除くシクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、及びこれらの混合物から成る群から選択される第2の冷却剤との組み合わせを含み、好ましくは第2の冷却剤は次の式に従うシクロヘキシル誘導体である:
【0030】
【化7】

式中、Rは水素、C1〜C5直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、C1〜C5アルケニル基、C1〜C5アルコキシ基又はC1〜C5アシルオキシ基を表し、R1は、水素、又は1〜5の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表し、ただしR及びR1の両方が水素、又はこれらの混合物であることは除き、及び最も好ましくはメンチルラクテートであり、典型的には(a)と(b)の重量比は1/1〜1/100である。この段落で挙げた化合物の部類についての好適な例は以上に見出せる。
【0031】
物品は、揮発性物質を放出可能に含有し、物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部分に送達するデリバリーシステムを含んでもよい。デリバリーシステムは、限定されないものの、粉末、粒子若しくはフレーク形態、又は溶液、分散体、懸濁液、エマルション、若しくは同様なものの中に揮発性物質を含有するものが挙げられるいかなる構成であってもよい。デリバリーシステムは、マイクロカプセル、吸収性物質、ナノフェーズ粒子状構造、細胞、接着剤、固体支持体、若しくは同様なもの、又は組成物、例えば皮膚軟化剤含有組成物のような構造を含んでもよい。デリバリーシステムは、好ましくは皮膚軟化剤含有組成物である。特に好ましい実施形態では、メンチルラクテートのような冷却剤は、ポリエチレングリコール、特にPEG−400をキャリアとして用いて物品に適用される。典型的には、メンチルラクテートとPEG−400との重量比はこうした混合物において30:70である。好ましくは、デリバリーシステムは、活性物質を物品の着用中に皮膚の近傍に、及びより好ましくは物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の少なくとも一部分上に配置される。本発明によると、本明細書に記載される吸収性物品は、包装の中に包まれ、この包装は非水性揮発性物質の吸収性物品からの蒸発を減少させ又は更には防ぎ、その結果前記物品は目的とする機能を長期間の貯蔵寿命にわたっても保持することができる。包装は包装材料から製造され、これは単層材料であることもできるが、好ましくは多層材料である。更により好ましくは包装材料は、共押出多層材料であり、これは当該技術分野において既知のいずれかの好適な方法により製造される。
【0032】
本明細書の包装は、外部環境から離れるように方向付けられた「内側表面」を有し、即ち内側表面は、それが含有する物品に直接接する包装の表面である。包装が多層包装材料から製造される本明細書の実施形態では、前記包装の前記内側表面は、前記包装材料の最も内側の層の最も内側の表面により提供され、これは包装された物品に最も近い。包装材料が唯一の層により提供される本明細書の実施形態では、前記内側表面は、包装された物品の方に方向付けられた、前記包装材料の内側表面により提供される。
【0033】
本明細書の包装は、外部環境の方に向いた「外側表面」を有する。包装が多層包装材料から製造される本明細書の実施形態では、前記包装の前記外側表面は、前記包装材料の最も外側の層の最も外側の表面により提供され、これは包装された物品から最も遠く離れている。そうでなければ、包装材料が唯一の層により提供される場合には、前記外側表面は、包装された物品から離れて方向付けられ及び外部環境に直接接する前記包装材料の外側表面により提供される。
【0034】
本質的な特徴として、本発明の包装材料は、メンチルラクテートに対し本明細書に記載される試験方法に従って、25%以下の、好ましくは15%以下の、及びより好ましくは5%以下の透過性を有する。包装材料は、好ましくは少なくとも1つの「バリア層」を含む。本明細書で使用する時、バリア層は、前記非水性揮発性物質の前記包装からの蒸発を減少させる又は更には防ぐ。本明細書においてバリア層として用いるのに好適な材料には、これらに限定されないが、エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH);メッキ、特にアルミニウム被着を施したプラスチックフィルム;金属箔;延伸ポリエチレンテレフタレート(PET);PETG(グリコール変性PET);延伸ポリアミド;芳香族ポリアミド;又はポリマーフィルムに蒸気へのバリア機能を提供する特別なラッカーのコーティングを有するポリエチレンフィルムのようなポリマーフィルムから製造された層が挙げられる。こうした包装材料を形成するための多くの周知の技術が存在し、それにはこれらに限定されないが、一体成型及び吹き込み形成技術が挙げられる。包装材料は、単層又は例えば好ましい実施形態における5つの同一の広がりを持つ層の多層構造から製造できる。典型的には、包装材料は、約0.020〜約1.0mmの厚さ、約18.0〜60.0g/m2の坪量を有する。包装材料は、エンボス加工の質感、又は特定模様のデザインを有することができる。包装材料は、例えばシリコーンを用い、これらに限定されないがコーティング、噴霧、及びその他の好適な技術を用いることにより、片側の剥離機能を有しながら、制限なく片側を印刷する及び/又は着色することができる。シリコンは、特定寸法の面積の適用範囲、及び/又はすべての面積の適用範囲により包装材料上に適用できる。剥離特性は、樹脂中に既に組み込まれている剥離剤を添加し、包装材料形成中に直接押し出すことによりまた達成することができる。包装材料はまた、剥離特性を有しないこともできる。本発明の好ましい多層包装材料において、バリア層は好ましくは、包装材料の内側表面及び外側表面を提供する層の間に位置する。他の実施形態では、バリア層は、包装された物品の方に向いた、包装材料の内側表面を提供する。吸収性物品の包装のために従来用いられている包装材料、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又はポリ塩化ビニル(PVC)は、それらが、例えばメンチルラクテートを包装から、約2週間の時間枠内でほとんど完全に蒸発させるため、本明細書のバリア層としては好適でない。
【0035】
以上に概説したように、バリア層は別として、本発明に関して用いる包装材料は、好ましくは更なる層を含む。これらの更なる層は、追加のバリア層か、又は例えばPE若しくはPPなど吸収性物品用の包装材料として従来用いられている材料から製造された層のいずれかであることができる。1つの特に好ましい包装材料は、4層のLDPE及び1層のEVOHを他の4層の中間に含み、したがって2つのLDPE層は、EVOH層の上部に配置され、2つの他のLDPE層はEVOH層の下部に配置される。こうした包装材料は、ノルデニア(Nordenia)より、シリコーンコーティングなしのコード6261BKとして、又は1つの表面にシリコーンコーティングを有する6261SEとして市販されている。ノルデニア(Nordenia)6261包装材料の個々の層は、各々約5μmの厚さを有する。ノルデニア(Nordenia)6261材料は、一方ではEVOH層のバリア性能のおかげで非水性揮発性物質に対する非常に高い不透過性、並びに他方では包装材料の外側表面上に配置されたPE層のおかげで良好な封止性及び/又はしわ形成性(crimpability)の利益を有する。
【0036】
説明のため、代表的な包まれた生理用ナプキンの包装を形成するために、吸収性物品の周囲に包装材料を配置する特に好ましい方式が記載される。手順は、例えば米国特許第4,556,146号、又は米国特許第5,413,568号に開示されるものに類似している。生理用ナプキンはそのため、長手方向縁部をそのより長い辺縁側に及び終縁部をそのより短い辺縁側に有する包装材料の実質的に長方形のシート上に提供される。生理用ナプキンは、ナプキンの長手方向縁部、即ちより長い側の縁が、包装材料片の長手方向縁部に平行に設置されるように、包装材料のシート上に設置される。包装材料は、それが生理用ナプキンのすべての側においてナプキンの外辺部を超えて伸びるように十分に大きいサイズを有する。生理用ナプキンの長手方向の外辺部の側を超えて伸びる包装材料の長手方向縁部部分は、下文ではフラップ部分と呼ばれる。生理用ナプキン及び包装材料は次に、生理用ナプキンを横切って横方向に伸びる2つの折り畳み軸に関して、合わせて縦方向に3分の1に折り畳まれる。この工程に続いて、物品の長手方向縁部に沿って包装を閉じるために、包装材料のフラップ部分は合わせて封止される。封止は、ヒートシールにより、クリンプシールにより、又は好適な接着剤を用いることにより容易にできるが、これは、包装、例えばフィンドレー(Findley)H2674又はフラー(Fuller)HL1719の液体及び蒸気不透過性を損ねない。クリンプシールは広く知られており、それは熱と機械的絡み合わせの組み合わせにより2つの材料を結合することを意味する。この封止工程の後、包装はただ1つの側でのみ開き、これは包装材料の暴露された未接続の終縁部である。この未接続の終縁部は、本発明に従って、好ましくは、それが重なる包装材料の部分の表面に接着剤により封止される。もちろん、この目的に用いられる接着剤は、包装の流体及び蒸気不透過性の特性を損ねてはならない。既に以上に概説したように、フィンドレー(Findley)H2674及びフラー(Fuller)HL1719は、本明細書で必要とされる特徴を有する。包装材料の未接続の終縁部を封止するための別の手順は、包装材料の下にある部分にヒートシールすることである。これは、包装材料の内側表面と外側表面の両方がヒートシールできることを必要とする。包装材料の未接続の終縁部上で包装を閉じるこの工程を完了することにより、包装は生理用ナプキンの周囲で完全に閉じられる。図1は、上記の実施形態についての例を図解するが、この場合包装(2)の未接続の終縁部(1)は、接着剤の線(9)により封止される。包装材料のフラップ部分(4)は、クリンプシールにより封止される。あるいは、未接続の終縁部(1)の封止は、接着剤の線の代わりにクリンプシール線により達成され得る。図2a〜cは、上記のように、代表的な生理用ナプキン(6)の周囲に包装材料(5)を配置する手順を図解する。図2aでは、包装材料(5)の約3分の1(7)が、生理用ナプキン(6)と合わせて第1の折り畳み軸上に折り畳まれる。図2bでは、第1の折り畳み軸上に折り畳まれた、3分の1(7)の包装材料(5)の外側表面(8)上に、接着剤の線(9)が提供される。図2cでは、包装材料(5)の別の3分の1(10)が、生理用ナプキン(6)と合わせて、第1の折り畳み軸を横切って前に折り畳まれた、包装材料(5)の3分の1(7)の外側表面(8)上に、第2の折り畳み軸を横切って折り畳まれる。包装材料(5)の未接続の終縁部(1)は、接着剤の前記線(9)によって、包装材料(5)の外側表面(8)に固定される。特に好ましい手法では、未接続の終縁部(1)はそれ自体の上に、約0.5cmの長さで、参照番号(11)として図2aに図解されるようなやり方で折り畳まれる。これにより、未接続の終縁部(1)の折り畳まれた領域(11)は、接着剤の線(9)に固定できる。最後に包装は、接着剤により又はクリンプシールにより長手方向縁部に沿って封止され、それによってフラップ部分(4)を形成する。もう1つの別の実施形態では、包装材料が用いられるが、これはフラップ部分を除いてシリコンを塗布される。フラップ部分は次に、本明細書に記載されるように、好適な接着剤により封止され得る。
【0037】
本発明による包装の上記の実施形態は、開封援助、例えばフラップ又は羽根又は同様なものの形態のつかむための手段を任意に具備することができ、これは、包装材料の暴露された終縁部への近づきやすさを良くすることにより包装の開封しやすさを増加する。一般に上記の実施形態は、包装材料(5)の未接続の終縁部(1)で引っ張ることにより開けられる。この過程で、接着剤の線(9)による封止が破断され、包装材料(5)、したがってまた包装された物品(6)の折り畳みを開くことができるが、その一方で包装材料(5)のフラップ部分(4)に沿った封止もまた破断する。
【0038】
上記の実施形態の別の利点は、包装が、包装材料の相互に連結されたただ一片により構成されていることである。したがって、包装を開けた後の廃棄部分の数が最小化される。更に上記の包装はまた、使用された吸収性物品の衛生的な処分用の包みとして用いることができる。
【0039】
吸収性物品を包装材料の中に包み込むことにより包装を形成する別の選択肢は、例えばPCT国際公開特許WO02/08087に開示されるようなものに類似した「袋」型の包装である。包装材料は、好適な包装材料の長方形又は正方形の片から形成されたU字形部材である。U字形部材は、互いに重なり及び互いに境界を接する第1の周縁及び第2の周縁、互いに重なり及び互いに境界を接する第3の周縁及び第4の周縁、並びに互いに重なり及び互いに境界を接する第5の周縁及び第6の周縁を具備する。下部パネルは、上部パネルに平行に位置し、末端パネルにより上部パネルと間隔を置いている。パネルのすべては、U字形部材を形成する包装材料片のそれぞれの部分から構築されている。吸収性物品は、包装の内部、即ち上部パネルと下部パネルとの間に位置している。上部パネルと下部パネルは、吸収性物品を包装内に保持するために、それらの接する周縁、即ち第1及び第2の周縁、第3及び第4の周縁、並びに第5及び第6の周縁に沿って共に封止される。封止は、ヒートシールやクリンプシールにより、好適な接着剤を用いることにより容易にできるが、これは、包装(例えばフィンドレー(Findley)H2674、フラー(Fuller)HL1719)の液体及び蒸気不透過性を損ねない。
【0040】
もう1つの別の「袋」包装の選択肢は、同じ大きさ及び形状の包装材料の2つの部材により記載することができ、その際吸収性物品は、前記部材の1つの上に設置され、並びに前記部材のもう1つは、包装材料の第1部材と同一の広がりを持ち及び一致する方式で吸収性物品上に設置される。包装材料の両部材は次にそれらの周縁に沿って互いに封止され、それによって吸収性物品を包み込む。この構成では、包装材料は4つの側で封止される。封止は、ヒートシールやクリンプシールにより、好適な接着剤を用いることにより容易にできるが、これは、包装(例えばフィンドリー(Findley)H2674、フラー(Fuller)HL1719)の液体及び蒸気不透過性を損ねない。
【0041】
本発明による包装の上記の「袋」の実施形態は、開封援助、例えば、すべて接合する縁にあるノッチ、脆弱線、脆弱点の列などのような引き裂くための援助、又は包装の開封しやすさを増加する開封テープを任意に具備する。もちろんそれらの開封援助は、蒸気バリア機能を損なうように影響してはならない。
【0042】
更に本明細書において以上に記載されたすべての具体的実施形態において、包装された物品をより使いやすくするために、封止領域において包装の端を丸くすることは望ましい場合がある。包装は、封止領域において相対的に硬いため、丸くなっていない端は、ユーザーが取り扱う際又は持ち運ぶ際に痛い可能性がある。
【0043】
本発明によると、1つの個別の吸収性物品を本明細書に記載されたような包装の中に、又はより多数の吸収性物品を1つの共通包装の中に包むことは可能である。例えば、女性の生理期間中、1日の間に用いられる生理用ナプキンの数に適合する、本発明による特定数の生理用ナプキンを1つの共通包装の中に包むことは有用である。
【0044】
(試験方法)
メンチルラクテート(ML)について包装材料の透過性を決定するためのヘッドスペース試験
1.装置
−ガラス製トラップ装置(供給元:イタリア、ローマのテクノキミカ・モデルナ社(TECNOCHIMICA MODERNA s.r.l.))、次の部分から構成される(ガラス製トラップの分解図は図3において見られ、参照番号は次のようである):
1−下部分(20)(呼び幅_DN=60mm、体積=500ml)
2−上部分(21)(呼び幅_DN=60、体積=150ml)
3−閉鎖用アルミニウムクリップ(22)(呼び幅_DN=60)
4−シリコンO−リング(23)(呼び幅_DN=60)
5−ホールカップ(図6の24)(スレッド_SVL15)
6−シリコーン隔壁(25)
−100μmのポリジメチルシロキサン(PDMS)によりコーティングされている固相ミクロ抽出(SPME)繊維(供給元:イタリア、ミラノのシグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)/スペルコ(Supelco)、コード番号=57300−U)
−100μlマイクロシリンジ
−ガスクロマトグラフィー機器(GC トレース(Trace)−サーモフィニガン(Thermofinnigan))−質量分析(MS)(ポラリスQ(PolarisQ))検出器又は水素炎イオン化検出器(FID)
−キャピラリーカラム J&W DB1:L=60m、ID=0.32mm、FT=0.25μm(コード番号123−1062)
【0045】
2.試薬
−メンチルラクテート(供給元:シムライズ(Symrise)旧ハールマン・アンド・ライマー(Haarmann & Reimer)、ドイツ、ホルツミンデン(Holzminden)D−37601私書箱1253)
−ポリエチレングリコールPEG400(供給元:クラリアント社(CLARIANT GmbH)ドイツ、タウヌスのザルツバッハ65840)
−30重量%のメンチルラクテート及び70重量%のPEG−400の混合物
【0046】
3.実験条件
ガラス製トラップ装置を組み立てるために、1つの隔壁(25)及びホールカップ(図6の(24))を上部分(21)の上部の穴の中にねじ込む。もう1つの隔壁を下部分(20)の穴の中にねじ込む。図4に見られるように、Oリング(23)を下部分(20)の上部に設置する。試験する包装材料(26)をOリング(23)上に設置するが、これは包装材料(26)によって完全に覆われなければならない。上部分(21)を下部分の上に、上部分(21)と下部分(20)の開口部が同一の広がりを持って対応するように設置し、それにより包装材料(26)は、ガラス製トラップの上部分(21)と下部分(20)との間に密封して閉じ込められる。上部分(21)と下部分(20)との密封は、次に組み立てられたガラス製トラップに適用されるクリップ(22)により確実にされる。内部に包装材料を有する完全に組み立てられたガラス製トラップは、図5に見られる。この後、70重量%のPEG−400及び30重量%のメンチルラクテートの混合物の500μlが、マイクロリットルのシリンジにより隔壁を通して下部分(20)に注入される。続いて、ガラス製トラップ(glase trap)はオーブン中に設置され、及び40℃で2時間維持される。この後、ガラス製トラップの上部分(21)内に存在するメンチルラクテートがSPME繊維により20分間抽出される。抽出工程は図6に図解される。SPME繊維は次にガスクロマトグラフィー装置の注入ポートの中に1分間脱着される。ガスクロマトグラフィーの実行は、FID又はMS検出器のいずれかにより行われる。
【0047】
4.性能の測定
透過性は、上部分と下部分との間にいずれの包装材料も有しない同量のPEG−400/メンチルラクテート混合物により試験される参照に対して計算される。この参照は100%透過性を表す。ガラス製トラップの上部分と下部分との間に配置される包装材料に関する試験の実行は、それらのバリア性能に依存して、結果として0%〜100%である。
【0048】
5.結果
上記の試験は、ノルデニア(Nordenia)6261BK包装材料、及び比較のために従来のポリエチレン包装材料、ノルデニア(Nordenia)BK5432に対して行われた。ノルデニア(Nordenia)6162BKは、メンチルラクテートに対して透過性が5%という結果であったが、一方ポリエチレン材料のノルデニア(Nordenia)BK5432は、メンチルラクテートに対して透過性が65%という結果であった。
【0049】
本発明の特定の実施形態について例証し説明したが、本発明の範囲を逸脱することなしに、様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の包装の好ましい実施形態の未接続の終縁部の接着剤による閉鎖を図解。
【図2a】本発明の好ましい実施形態による代表的な生理用ナプキンの周囲の包装の閉鎖手順を図解。
【図2b】本発明の好ましい実施形態による代表的な生理用ナプキンの周囲の包装の閉鎖手順を図解。
【図2c】本発明の好ましい実施形態による代表的な生理用ナプキンの周囲の包装の閉鎖手順を図解。
【図3】包装材料の蒸気透過性を決定するための、本明細書に記載される試験方法を図解。
【図4】包装材料の蒸気透過性を決定するための、本明細書に記載される試験方法を図解。
【図5】包装材料の蒸気透過性を決定するための、本明細書に記載される試験方法を図解。
【図6】包装材料の蒸気透過性を決定するための、本明細書に記載される試験方法を図解。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間装置、タンポン、又は失禁用具である婦人衛生用吸収性物品であって、前記物品が、包装材料から製造された蒸気不透過性の包装の中に包装されており、前記包装が前記物品を完全に包み込み及び前記物品が外部環境に接触するのを防ぎ、前記物品が20℃で少なくとも0.01mbarの蒸気圧を有する非水性揮発性物質を含み、前記包装材料が、メンチルラクテートに関して本明細書に記載される透過性試験に従って、25%以下の透過性を有することを特徴とする、婦人衛生用吸収性物品。
【請求項2】
前記非水性揮発性物質が、前記物品の着用者の皮膚及び/又は粘膜表面の温度受容器を活性化して、前記皮膚及び/又は粘膜表面の温度を変える必要なく、さわやかな感覚を前記着用者に伝達できる冷却剤であることを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記冷却剤が、ケタール、カルボキサミド、シクロヘキシル誘導体、シクロヘキサノール誘導体、カンファー、ボルネオール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル、茶木油、ユーカリ油、ペパーミント油、又はこれらの混合物から成る化学種から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記非水性揮発性物質が、次のものから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品:
(i)次の式に従うケタール:
【化1】

式中、R1は、少なくとも1つのしかし3つ以下のヒドロキシル基を、好ましくは1つのヒドロキシル基を有するC2〜C6−アルキレンラジカルを表し、並びにR2及びR3は、いずれも、互いに独立して、ヒドロキシル、アミノ、及びハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、若しくはヨウ素)から成る群から選択される1〜3のラジカルにより任意に置換されるC1〜C10−アルキル、C5〜C7−シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、C6〜C12−アリール、好ましくはフェニルを表し、ただし、R2及びR3のC原子の総数は3以上であることを条件とし、又はR2及びR3は合わせてアルキレンラジカルを表し、これは前記ラジカルR2及びR3を有する炭素原子と共に5〜7員環を形成し、一方このアルキレンラジカルは今度はC1〜C6−アルキル基若しくはこれらの混合物により置換されることが可能である;又は
(ii)次の式のカルボキサミド:
【化2】

(a)

式中、R’は単独で存在する時、水素、若しくは25個までの炭素原子を含有する脂肪族ラジカルであり;R’’は単独で存在する時、ヒドロキシ、若しくは25個までの炭素原子を含有する脂肪族ラジカルであり、ただしR’が水素である時、R’’はまた10個までの炭素原子のアリールラジカルであってもよく、及び置換フェニル、フェナルキル(phenalkyl)又は置換フェナルキル(phenalkyl)、ナフチル及び置換ナフチル、ピリジルから成る群から選択されてもよいことを条件とし;並びにR’及びR’’は、それらが結合する窒素原子と共に統合される時、25個までの炭素原子の環式若しくは複素環式基、又はこれらの混合物を表す;又は
【化3】

(b)

式中、R’及びR’’は単独に存在する時、各々水素、C1〜C5アルキル若しくはC1〜C8ヒドロキシアルキルであり、及び合計8個以下の炭素原子を提供するが、ただしR’が水素である時、R’’はまた6個までの炭素原子のアルキルカルボキシアルキルであってもよいことを条件とし;R’及びR’’が共に統合される時、6個までの炭素原子のアルキレン基を表し、この基の対向末端はアミド窒素原子に結合し、それによって窒素複素環を形成し、この炭素鎖は酸素により任意に中断されてもよく;R1は、水素、若しくはC1〜C5アルキルであり;並びにR2及びR3は各々C1〜C5アルキルであり;ただし(i)R1、R2、及びR3は、合わせて、合計少なくとも5個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を提供し;及び(ii)R1が水素である時、R2はC2〜C5アルキルであり、及びR3はC3〜C5アルキルであり、並びにR2及びR3の少なくとも一方は分枝鎖であり、好ましくは前記式中の(*)の印が付けられた炭素原子に関してα若しくはβの位置にあり、若しくはこれらの混合物であることを条件とする;又は
(iii)次の式に従うシクロヘキサノール誘導体:
【化4】

(a)

式中、Rは1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表す;又は
【化5】

(b)

式中、R1及びR2は独立して、水素、若しくは1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、又はこれらの混合物である;又は
(iv)又は次の式に従うシクロヘキシル誘導体:
【化6】

式中、Rは、水素、C1〜C5直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、C1〜C5アルケニル基、C1〜C5アルコキシ基、若しくはC1〜C5アシルオキシ基を表し、R1は、水素、又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基を表す;又は
(v)これらの混合物。
【請求項5】
前記非水性揮発性物質が、メンチルラクテートであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記非水性揮発性物質が、前記物品の前記着用者に気持ちの良い匂いを送達するための香料又は芳香剤であることを特徴とする、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記非水性揮発性物質が、前記物品中に、純粋のままで又はデリバリーシステム、例えばマイクロカプセル、若しくはポリエチレングリコールとの混合物において存在することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記包装材料が、メンチルラクテートに関して本明細書に記載される透過性試験に従って、15%以下の、好ましくは5%以下の透過性を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記包装材料が、エチルビニルアルコール樹脂;アルミニウム被着フィルム及びアルミ箔;延伸ポリエチレンテレフタレート;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート;延伸ポリアミド;芳香族ポリアミド;揮発性不透過性ラッカーでコーティングされたポリマーフィルム、又はこれらの混合物から成る群から選択される材料から好ましくは製造される少なくとも1つのバリア層を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記包装材料が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はこれらの組み合わせから選択される材料から好ましくは製造される少なくとも1つの追加層を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記バリア層が、前記包装の内側表面と外側表面との間に位置し、前記内側表面が前記包装の表面であり、これは前記包装された物品に直接接し、前記外側表面が前記包装の表面であり、これは前記外部環境に直接接することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記バリア層が、前記バリア層の各表面上に配置されるポリエチレンの2層を有する多層構造中に位置することを特徴とする、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記バリア層が、前記包装の前記内側表面を形成することを特徴とする、請求項1〜10に記載の物品。
【請求項14】
前記包装が、共押出多層材料から製造されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記包装が、前記物品の前記外部環境への暴露を防ぐために、典型的には不透過性の接合、封緘、接着剤の線又はそれらの組み合わせによって完全に封止されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記物品が、前記包装の中に個別に包装されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記物品が、前記包装の中に同種類のその他の物品と共に包装されることを特徴とする、請求項1〜15に記載の物品。



【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−525245(P2007−525245A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514905(P2006−514905)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/015789
【国際公開番号】WO2004/103235
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】