説明

バリア性積層体、ガスバリアフィルムおよびこれらを用いたデバイス

【課題】欠陥が少なく、バリア性の高いバリア性積層体の提供。
【解決手段】少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、有機層の少なくとも1層は、重合成組成物を硬化してなる有機層(1)であって、前記重合性組成物を60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度が1000mPa・s以上である、バリア性積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリア性積層体、およびこれを用いたガスバリアフィルムに関する。さらに、バリア性積層体またはガスバリアフィルムを用いた各種デバイスおよび封止用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化、窒化または酸窒化珪素等の金属酸化物薄膜を形成したガスバリアフィルムは、水蒸気や酸素など各種ガスの遮断を必要とする物品の包装や、食品、工業用品および医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
また、近年、有機デバイス(有機EL素子、有機太陽電池素子、有機TFT素子等)の分野においては、ガラス基板に代わって、ガスバリアフィルムを採用するニーズが高まっている。ガスバリアフィルムは軽量であり、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式に適用可能であることから、コストの点で有利である。しかし、ガスバリアフィルムはガラス基板と比較して水蒸気バリア性に劣るという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、特許文献1には有機層と無機バリア層の複数層の交互積層体(バリア性積層体)により、水蒸気透過率として0.005g/m2/day未満を実現する技術が開示されている。該特許文献1によれば有機層と無機バリア層がそれぞれ1層ずつしか積層されていない場合は、水蒸気透過率が0.011g/m2/dayであり、多層積層することの技術的価値が明確に示されている。バリア性積層体をフィルム上に設置したガスバリアフィルムは有機デバイスの基板としての応用が期待される。
【0004】
また、特許文献2には、有機層と無機バリア層の積層体において、前記有機層が3官能以上の(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を硬化させてなる層が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,413,645号明細書
【特許文献2】特開2010−6040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、本願発明者が上記特許文献2を検討したところ、有機層を形成する際の有機層の下層となる、基材フィルムや無機バリア層等の上に、図1に示すように、異物1などが存在すると、重合性組成物2をこの上に塗布しても、異物1について、重合性組成物2がはじかれることが分かった。そして、その状態のまま、重合性組成物が硬化し、有機層に欠陥が生じてしまうことが分かった。この欠陥は、バリア性積層体の欠陥につながる。
本発明は、かかるバリア性積層体の問題点を解決することを目的としたものであって、欠陥が少なく、バリア性の高いバリア性積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる状況のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、有機層を、重合性組成物を硬化して形成し、かつ、かかる重合性組成物として、該重合性組成物の60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度が1000mPa・s以上である重合性組成物を用いることにより、かかる問題点を解決しうることを見出した。すなわち、図2に示すように、本発明における重合性組成物を用いると、有機層形成の際、有機層の下層の上に異物1が存在していても、重合性組成物2がその上を覆うように存在することが可能になる。そして、この状態で硬化すると、異物の上にも有機層が形成される。この結果、有機層の表面に欠陥が生じず、結果としてバリア性の高いバリア性積層体を提供することが可能になる。さらに、本願発明者が検討を行ったところ、特定の構造を有する重合性化合物を含む重合性組成物を用いて有機層を形成することにより、顕著に欠陥が減少され、かつ、高いバリア性を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、以下の手段<1>により、さらには<2>〜<16>により、上記課題は達成された。
【0008】
<1>少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、有機層の少なくとも1層は、重合成組成物を硬化してなる有機層(1)であって、前記重合性組成物を60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度が1000mPa・s以上である、バリア性積層体。
<2>前記重合性組成物が、芳香環を含む多官能(メタ)アクリレート化合物である、<1>に記載のバリア性積層体。
<3>前記重合性組成物が、下記一般式(1)で表される重合性化合物を含む、<1>に記載のバリア性積層体。
【化1】

(一般式(1)中、R1、R2、およびR3は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、R4、R5、およびR6は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表す。L1、L2、およびL3は、ぞれぞれ、2価の連結基を表す。nは2以上の整数を表し、m1およびm3は、それぞれ、0〜4の整数を、m2は0〜3の整数を表す。)
<4>前記一般式(1)におけるL1、L2、およびL3は、それぞれ、総炭素数2または3である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<5>少なくとも2層の有機層と、少なくとも2層の無機バリア層が、交互に積層している、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<6>前記無機バリア層が、珪素および/またはアルミニウムを含む酸化物、窒化物および炭化物の少なくとも1種を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
<7>基材フィルム上に、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体を有するガスバリアフィルム。
<8>基材フィルム上に、少なくとも一層のアンカー層を有し、かつ、前記無機バリア層の表面に前記有機層(1)が設けられている、<7>に記載のガスバリアフィルム。
<9>基材フィルムの表面に前記有機層(1)を有する、<7>に記載のガスバリアフィルム。
<10>基材フィルム上に、少なくとも一層のアンカー層を有し、該アンカーコート層の表面に前記有機層(1)を有する、<7>に記載のガスバリアフィルム。
<11><7>〜<10>のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを基板として用いたデバイス。
<12><1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<7>〜<10>のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いて封止したデバイス。
<13>前記デバイスが、電子デバイスである、<11>または<12>に記載のデバイス。
<14>前記デバイスが、有機EL素子または太陽電子素子である、<11>〜<13>のいずれか1項に記載のデバイス。
<15><1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体または<7>〜<10>のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた封止用袋。
<16>前記重合性組成物を層状に適用した後、硬化して有機層(1)を形成することを含む、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法または<7>〜<10>のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、欠陥が少なく、バリア性能が向上したバリア性積層体を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、従来のバリア性積層体における有機層を設ける工程を示す断面概略図である。
【図2】図2は、本発明のバリア性積層体における有機層を設ける工程を示す断面概略図である。
【図3】図3は、本発明ガスバリアフィルムの好ましい形態の一例を示す断面概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含む意味で使用される。
本明細書における粘度は、音叉型振動式粘度計SV−10(エーアンドデイ社製)を用いて測定したものであり、特に述べない限り、25℃における粘度を示している。
【0012】
<バリア性積層体>
本発明のバリア性積層体は、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、
有機層の少なくとも1層は、重合成組成物を硬化してなる有機層(1)であって、前記重合性組成物を60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度が1000mPa・s以上であることを特徴とする。
ここで、重合性組成物を60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度は、1000mPa・s以上であることが好ましく、2000mPa・s以上であることがさらに好ましい。上限は特に定めるものではなく、層状にできる限り特に定めるものではない。例えば、10000mPa・s以下である。
【0013】
(有機層)
本発明における有機層とは重合性組成物を硬化させてなる層である。重合性組成物は、少なくとも、重合性化合物を含み、さらに、重合開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【0014】
(重合性化合物)
本発明における重合性化合物は、好ましくは、ラジカル重合性化合物であり、(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。さらに、芳香環を含む多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
バリアフィルム積層体の有機層を構成する化合物としては、芳香環を高密度に含む重合性化合物であると、耐熱性が得られることや、無機層成膜時に表面平滑性が維持されて高いバリア性が得られるためさらに好ましい。また、3官能以上の重合成化合物であると高いガラス転移点をもつ、もしくはガラス転移現象を示さない耐熱性の優れた有機層が得られるため好ましい。これらの性質に加えて、今回の発明である高粘度という性質を満たすための構造として、一般式(1)の構造が特に有効であることを見出したものである。
【化2】

(一般式(1)中、R1、R2、およびR3は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、R4、R5、およびR6は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表す。L1、L2、およびL3は、ぞれぞれ、2価の連結基を表す。nは2以上の整数を表し、m1およびm3は、それぞれ、0〜4の整数を、m2は0〜3の整数を表す。)
【0015】
4、R5、およびR6としてのハロゲン原子は、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
4、R5、およびR6としてのアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、および環状のいずれであってもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がさらに好ましい。アルキル基の具体例としては、(メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ドデシル基等 が挙げられる。
4、R5、およびR6は、それぞれ、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好ましく、 メチル基がより好ましい。
【0016】
1、L2、およびL3は、ぞれぞれ、2価の連結基を表す。2価の連結基とは、アルキレン基(例えば、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロピレン基、1,6−ヘキシレン基、1,9−ノニレン基、1,12−ドデシレン基、1,16−ヘキサデシレン基等)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)、エーテル基、イミノ基、カルボニル基、スルホニル基、およびこれらの2価基が複数個直列に結合した2価残基(例えば、アルキレンオキシオキシ基、アリーレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボキシ基、アルキレンカルボニルイミノ基、アルキレンアミノカルボニル基等)を挙げることができる。これらの中ではアルキレン基、アルキレンアミノカルボニル基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
1、L2、およびL3は、それぞれ、置換基を有してもよく、L1、L2、およびL3を置換することのできる置換基の例としては、水酸基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオンオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されていてもよい。
【0017】
これらの連結基の中では、アルキレン基、アルキレンアミノカルボニル基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
連結基の長さに関しては、総炭素数として1〜3であることが好ましく、総炭素数2または3であることがより好ましい。これは、一般式(1)の化合物の特性であるプラズマ耐性を保持するために特に好ましい態様である。すなわち、連結基を3以下とすることにより、一般式(1)における芳香環の効果がより効果的に発揮され、プラズマ耐性が向上する傾向にある。このような理由から、本発明においてL1〜L3は、それぞれ、総炭素数1〜3のアルキレン基または総炭素数1〜3のアルキレンアミノカルボニル基であることが特に好ましく、総炭素数1〜3のアルキレン基が最も好ましい。
nは、重要物性である塗布時の粘度に関連する。粘度が小さいと本発明の効果が得られにくく、大きすぎると塗布しにくいという問題が生ずる。このためnは2〜20が好ましく、2〜11がより好ましく、4〜11がさらに好ましい。
m1およびm3は、0〜2が好ましく、0または1がより好ましい。
m2は0〜2が好ましく、0または1がより好ましい。
【0018】
一般式(1)で表される化合物の分子量は、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。
【0019】
以下に本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物の例を示す。しかしながら、本発明がこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
【化3】

【化4】

【化5】

【0020】
(重合開始剤)
本発明における重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤の含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。このような組成とすることにより、活性成分生成反応を経由する重合反応を適切に制御することができる。光重合開始剤の例としてはチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Ezacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)等が挙げられる。
【0021】
(溶剤)
本発明における重合性組成物は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、本発明の趣旨を逸脱しない限りその種類等は、特に定めるものではない。例えば、2−ブタノンが挙げられる。
【0022】
本発明の重合性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよく、例えば、シランカップリング剤や他の重合性化合物などが例示される。具体的には、特開2009−172986号公報段落番号0021〜0027、0032〜0034に記載の化合物が例示される。
【0023】
本発明の重合性組成物は、一般式(1)で表される化合物を組成物中に50重量%以上の割合で含むことが好ましく、70重量%の割合で含むことがさらに好ましい。
また、重合性組成物に含まれる重合性化合物の主成分が一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0024】
(有機層の形成方法)
有機層は、重合性組成物を無機バリア層、基材フィルム、他のデバイス等の下地の上に、層状に適用し、硬化して形成される。適用方法としては、特に定めるものではない。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。
【0025】
本発明では、重合性化合物を含む重合性組成物を、光照射して硬化させるが、照射する光は、通常、高圧水銀灯もしくは低圧水銀灯による紫外線であることが好ましい。照射エネルギーは0.1J/cm2以上が好ましく、0.5J/cm2以上がより好ましい。重合性化合物として、(メタ)アクリレート化合物を採用する場合、空気中の酸素によって重合阻害を受けるため、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で0.5J/cm2以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
【0026】
本発明における有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。
有機層を構成する重合性化合物の重合率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。ここでいう重合率とは重合性組成物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
【0027】
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難になるし、厚すぎると外力によりクラックを発生してバリア性が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは50nm〜2000nmが好ましく、200nm〜1500nmがより好ましい。
また、有機層は先に記載したとおり平滑であることが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満が好ましく、0.5nm未満であることがより好ましい。上述のとおり、有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いほうが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機バリア層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
【0028】
(無機バリア層)
無機バリア層は、無機化合物を含み、水蒸気バリア性を有する層であり、珪素および/またはアルミニウムを含む酸化物、窒化物および炭化物の少なくとも1種を含むことが好ましく、実質的には、これらのみからなる薄膜の層であることがより好ましい。無機バリア層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。本発明では、CVD法、スパッタリング法で作成した場合であっても、高いバリア性を維持することができる。
本発明では、無機バリア層の材料として、金属酸化物を用い、プラズマプロセスにより成膜した場合であっても、高いバリア性を有するバリア性積層体が得られる点で、極めて有意である。
本発明により形成される無機バリア層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。このため、無機バリア層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
【0029】
無機バリア層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは15〜100nmである。
【0030】
(有機層と無機バリア層の積層)
有機層と無機バリア層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機バリア層を順次繰り返し成膜することにより行うことができる。
少なくとも2層の有機層と、少なくとも2層の無機バリア層が、交互に積層している構成が好ましい。
バリア性積層体の層数は、好ましくは2〜30層であり、より好ましくは3〜20層である。
【0031】
(機能層)
本発明のデバイスにおいては、バリア性積層体上、もしくはその他の位置に、機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
【0032】
バリア性積層体の用途
本発明のバリア性積層体は、通常、支持体の上に設けるが、この支持体を選択することによって、様々な用途に用いることができる。支持体には、基材フィルムのほか、各種のデバイス、光学部材等が含まれる。具体的には、本発明のバリア性積層体はガスバリアフィルムのバリア層として用いることができる。また、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、バリア性を要求するデバイスの封止に用いることができる。本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、光学部材にも適用することができる。以下、これらについて詳細に説明する。
【0033】
<ガスバリアフィルム>
ガスバリアフィルムは、基材フィルムと、該基材フィルム上に形成されたバリア性積層体とを有する。ガスバリアフィルムにおいて、本発明のバリア性積層体は、基材フィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。本発明のバリア性積層体は、基材フィルム側から無機バリア層、有機層の順に積層していてもよいし、有機層、無機バリア層の順に積層していてもよい。本発明の積層体の最上層は無機バリア層でも有機層でもよい。さらに、他の構成層を有していてもよい。
【0034】
本発明のガスバリアフィルムの実施形態の一例としては、図3に示す態様であって、基材フィルム3上に、有機層4と無機バリア層5が該順に交互に積層している構成である。本実施形態では、基材フィルム3の表面に有機層4が設けられているが基材フィルムと有機層の間に何らかの層が設けられていてもよい。例えば、アンカー層が挙げられる。アンカー層とは、例えば、基材フィルムと、有機層または無機バリア層の間に設けられる、少なくとも1層以上の層からなるものであり、易接着機能などを付与する層である。
また、図3では、有機層4と無機バリア層5の積層数はそれぞれ2層ずつとなっているが、3層ずつ以上であってもよい。本実施形態では、2層の有機層4の両方が本発明における有機層(1)であってもよいし、いずれか一方が本発明における有機層(1)であってもよい。好ましくは、全ての有機層が有機層(1)である態様である。
本発明では好ましいガスバリアフィルムの層構成として以下のものが例示される。
基材フィルム/アンカー層/無機バリア層/有機層(さらに、無機バリア層/有機層が交互に積層した構造であってもよい)
基材フィルム/アンカー層/有機層/無機バリア層(さらに、有機層/無機バリア層が交互に積層した構造であってもよい)
【0035】
(プラスチックフィルム)
本発明におけるガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、有機層、無機バリア層等の積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。詳細については、特開2009−172986号公報の段落番号0047〜0049の記載を参酌できる。
【0036】
本発明のガスバリアフィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるので特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、プライマー層等の機能層を有していても良い。機能層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。これら以外の機能層の例としてはマット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等が挙げられる。
【0037】
<デバイス>
本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化するデバイスに好ましく用いることができる。前記デバイスの例としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池等の電子デバイスを挙げることができ有機EL素子に好ましく用いられる。
【0038】
本発明のバリア性積層体は、また、デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、デバイス自体を支持体として、その表面に本発明のバリア性積層体を設ける方法である。バリア性積層体を設ける前にデバイスを保護層で覆ってもよい。
【0039】
本発明のガスバリアフィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とはデバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリアフィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
【0040】
従来のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、これらをデバイスに組み込み、その状態で、100℃以上の温度で加熱したとき、シランカップリング剤由来のアルコールガスを放出し、デバイスにダメージを与えてしまっていた。しかしながら、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、100℃以上の温度(例えば、100〜200℃)で加熱してもアルコールガスを大量に放出しないため、デバイスにダメージを与えることを効果的に抑制できる。
【0041】
(有機EL素子)
ガスバリアフィルム用いた有機EL素子の例は、特開2007−30387号公報に詳しく記載されている。有機EL素子の製造工程には、ITOのエッチング工程後の乾燥工程や湿度の高い条件下での工程があるため、本発明のガスバリアフィルムを用いることは極めて優位である。
【0042】
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明におけるガスバリアフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。このうち本発明の基板は、前記上透明電極および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)、IPS型(In Plane Switching)であることが好ましい。
【0043】
(太陽電池)
本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは、接着層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。太陽電池は、ある程度の熱と湿度に耐えることが要求されるが、本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムは好適である。本発明のバリア性積層体およびガスバリアフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
【0044】
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー、特開平9−18042号公報に記載の太陽電池等が挙げられる。
また、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルムと、本発明のバリア性積層体またはガスバリアフィルムを積層して封止用袋として用いることができる。これらの詳細については、特開2005−247409号公報、特開2005−335134号公報等の記載を参酌できる。
【0045】
<光学部材>
本発明のガスバリアフィルムを用いる光学部材の例としては円偏光板等が挙げられる。
(円偏光板)
本発明におけるガスバリアフィルムを基板としλ/4板と偏光板とを積層し、円偏光板を作製することができる。この場合、λ/4板の遅相軸と偏光板の吸収軸とが45°になるように積層する。このような偏光板は、長手方向(MD)に対し45°の方向に延伸されているものを用いることが好ましく、例えば、特開2002−865554号公報に記載のものを好適に用いることができる。
【実施例】
【0046】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0047】
合成例
一般式(1)で表される化合物は、下記エポキシ化合物をセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン等の溶媒に溶かし、2−エチル−4−イミダゾールまたはトリエチルベンジルアンモニウムクロライド等を触媒として、ハイドロキノン等の重合禁止剤の存在下、アクリル酸又はメタクリル酸と50〜120℃で反応させることにより合成した。
【化6】

【0048】
<ガスバリアフィルムの作製>
ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポン社製、テオネックスQ65FA、厚さ100μm)上に、下表に示す重合性化合物50g、重合開始剤(Lamberti社、Esacure KTO46)1g、シランカップリング剤(信越化学工業社、KBM5103)10g、2−ブタノン400gを含む重合性組成物を乾燥膜厚が1000nmとなるように塗布成膜して、酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気下で紫外線照射量0.5J/cm2で照射して硬化させ、有機層を作製した。
実施例1〜6、比較例1、2においては、プラズマCVD法を用いて、前記有機層の上に窒化珪素の無機バリア層を形成した。膜厚は40nmであった。また、実施例7と比較例3においては、スパッタリング装置を用いて、前記有機層の上に酸化アルミニウムの無機バリア層を形成した。膜厚は60nmであった。実施例8においては、有機層と無機層を前記と同様の方法で2回ずつ形成し、それぞれ2層とした。
このようにして有機層の上に無機バリア層を積層したガスバリアフィルムを作製した。得られたガスバリアフィルムについて、下記手法により欠陥数のカウントとバリア性能の評価を行った。
【0049】
<欠陥数のカウント>
作製した各ガスバリアフィルムをHITACHI S−4100型走査型電子顕微鏡を用いて加速電圧5KV、拡大倍率500倍にて1mm角の領域を無作為に100箇所抽出した。選んだ領域内の欠陥数をカウントし、平均値を求めた。このときカウントできた欠陥は、最大長が1μm以上の長さを有する欠陥である。前記平均値を1cm2あたりに換算し、欠陥数とした。
【0050】
<バリア性能>
G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435−1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。結果を下記表に示した。
【0051】
<粘度測定>
欠陥数とバリア性能の差が見られた化合物の中からいくつかを選び出し、音叉型振動式粘度計SV−10(エーアンドデイ社製)を用いて25℃における粘度測定を行った。
【0052】
【表1】

上記重合性組成物に含まれる化合物は、上述の例示化合物に対応する。
【0053】
【化7】

【0054】
上記結果から明らかな通り、本発明のガスバリアフィルムは、欠陥数を少なくすることができ、優れたバリア性が得られることが分かった。
【0055】
(実施例9)有機EL発光素子での評価
バリア性を評価するために、水蒸気や酸素で黒点(ダークスポット)欠陥を生じる有機EL素子を作成し評価した。まず、ITO膜を有する導電性のガラス基板(表面抵抗値10Ω/□)を2−プロパノールで洗浄した後、10分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の化合物層を順次蒸着した。
(第1正孔輸送層)
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
(電子注入層)
フッ化リチウム:膜厚1nm
この上に、金属アルミニウムを100nm蒸着して陰極とし、その上に厚さ3μm窒化珪素膜を平行平板CVD法によって付け、有機EL素子を作成した。
次に、熱硬化型接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて、作成した有機EL素子上と、実施例1で作製した各ガスバリアフィルムを、バリア層が有機EL素子の側となるように貼り合せ、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。このようにして封止された有機EL素子を各20素子ずつ作成した。
作成直後の有機EL素子をソースメジャーユニット(SMU2400型、Keithley社製)を用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡を用いて発光面状を観察したところ、いずれの素子もダークスポットの無い均一な発光を与えることが確認された。
最後に、各素子を60℃・相対湿度90%の暗い室内に24時間静置した後、発光面状を観察した。直径300μmよりも大きいダークスポットが観察された素子の比率を故障率と定義し、各素子の故障率を算出した。故障率は、本発明の素子については、いずれも、5%以下と良好であった。
【0056】
(実施例10)太陽電池の作成
上記実施例1で作成したガスバリアフィルムを用いて、太陽電池モジュールを作成した。具体的には、太陽電池モジュール用充填剤として、スタンダードキュアタイプのエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた。10cm角の強化ガラス上に厚さ450μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体でアモルファス系のシリコン太陽電池セルを挟み込み充填し、さらにその上のガスバリアフィルムを設置することで太陽電池モジュールを作成した。設置条件は、150℃にて真空引き3分行ったあと、9分間圧着を行った。本方法で作成した太陽電池モジュールは、良好に作動し、85℃、85%相対湿度の環境下でも良好な電気出力特性を示した。
【0057】
(実施例11)封止用袋の作成
上記実施例1で作成したガスバリアフィルムを用いて、封止用袋を作成した。ガスバリアフィルムの基材フィルム側と、樹脂フィルムからなるバック(ポリエチレン製のバッグ)をヒートシール法によって融着し、封止用袋を作成した。得られた封止用袋に、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価したところ、色調に変化はほとんど見られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のガスバリアフィルムは、高いバリア性能を有するため、バリア性が求められる各種素子に広く採用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 異物
2 重合性組成物
3 基材フィルム
4 有機層
5 無機バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機バリア層を有し、有機層の少なくとも1層は、重合成組成物を硬化してなる有機層(1)であって、前記重合性組成物を60重量%含むプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート液における粘度が1000mPa・s以上である、バリア性積層体。
【請求項2】
前記重合性組成物が、芳香環を含む多官能(メタ)アクリレート化合物である、請求項1に記載のバリア性積層体。
【請求項3】
前記重合性組成物が、下記一般式(1)で表される重合性化合物を含む、請求項1に記載のバリア性積層体。
【化1】

(一般式(1)中、R1、R2、およびR3は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、R4、R5、およびR6は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表す。L1、L2、およびL3は、ぞれぞれ、2価の連結基を表す。nは2以上の整数を表し、m1およびm3は、それぞれ、0〜4の整数を、m2は0〜3の整数を表す。)
【請求項4】
前記一般式(1)におけるL1、L2、およびL3は、それぞれ、総炭素数2または3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
【請求項5】
少なくとも2層の有機層と、少なくとも2層の無機バリア層が、交互に積層している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
【請求項6】
前記無機バリア層が、珪素および/またはアルミニウムを含む酸化物、窒化物および炭化物の少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバリア性積層体。
【請求項7】
基材フィルム上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体を有するガスバリアフィルム。
【請求項8】
基材フィルム上に、少なくとも一層のアンカー層を有し、かつ、前記無機バリア層の表面に前記有機層(1)が設けられている、請求項7に記載のガスバリアフィルム。
【請求項9】
基材フィルムの表面に前記有機層(1)を有する、請求項7に記載のガスバリアフィルム。
【請求項10】
基材フィルム上に、少なくとも一層のアンカー層を有し、該アンカーコート層の表面に前記有機層(1)を有する、請求項7に記載のガスバリアフィルム。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを基板として用いたデバイス。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項7〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いて封止したデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、電子デバイスである、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスが、有機EL素子または太陽電子素子である、請求項11〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体または請求項7〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムを用いた封止用袋。
【請求項16】
前記重合性組成物を層状に適用した後、硬化して有機層(1)を形成することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバリア性積層体の製造方法または請求項7〜10のいずれか1項に記載のガスバリアフィルムの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−75460(P2013−75460A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217503(P2011−217503)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】