説明

バリヤー形成方法

【解決手段】極性液相又は無極性液相と親水性部分及び疎水性部分が備わったモノマーとを含み且つそのモノマーが極性液相又は無極性液相の1以上の境界に配置された液体システムを供給するステップ、及びその1以上の境界に重合バリヤーが形成されるようにモノマーを重合させるステップを備えてなり、極性液相又は無極性液相上にバリヤーを形成する方法を提供する。好ましくは、前記モノマーを極性液相と無極性液相との間の1以上の境界に配置し、極性液相と無極性液相との間に重合バリヤーが形成されるようにモノマーを重合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバリヤー形成方法に関し、とくに極性液相又は無極性液相の上に重合バリヤーを形成する方法に関する。とくにカプセル化及び膜の製造に言及するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
カプセル化手法(しばしばマイクロ・カプセル化又はマイクロ・カプセル封入と呼ばれる)は、少量の気体、液体又は固体の被封入物を殻状材料内にカプセル化して封じ込めるための周知の手法である。カプセルの内容物は後の必要時に、例えばカプセル壁の機械的破壊又はカプセル壁の溶融等の当業者に周知の各種手段によって、解放・放出することができる。カプセルの内容物には、想定される応用分野で有利な効果が得られる有効材料又は有効成分を含めることができる。例えば香料が封入されたマイクロ・カプセルを用紙上に塗布し、スクラッチする(こする)と香りを感じる広告材料とする。用紙をスクラッチすることで、カプセル壁を破壊して香料を解放・飛散させる。この種のカプセルの他の応用分野には、例えば強化洗剤等における酵素のカプセル化、薬品の解放・放出等に適用する薬品への応用、接着剤、農薬、香辛料や調味料、触媒のカプセル化等が含まれる。現在まで多くの研究開発は無極性の物質のカプセル化に向けられているが、極性の物質(とくに水等)を封入できるカプセル化システムの提供に対する高い関心が存在すると思われる。
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/06610号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/06533号パンフレット
【特許文献3】国際公開第00/06658号パンフレット
【特許文献4】国際公開第01/40874号パンフレット
【特許文献5】国際公開第01/74919号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水等の極性の液体をカプセル化することができる便利で有効なカプセル化システムを提供する。本発明の範囲内に含まれる他のシステムは、無極性の液体のカプセル化をも行うことができる。本発明により他の形態のバリヤー、例えば薄膜又は皮膜を形成することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面において本発明は、極性の液相又は無極性の液相上にバリヤーを形成する方法を提供するものであり、極性液相又は無極性液相と親水性部分及び疎水性部分が備わったモノマーとを含み且つそのモノマーが極性液相又は無極性液相の1以上の境界に配置された液体システムを供給するステップ、及びその1以上の境界に重合バリヤーが形成されるようにモノマーを重合させるステップを備えてなるバリヤー形成方法を提供する。
【0006】
本発明の方法は、極性液相又は無極性液相とモノマーとを噴霧して供給する実施例を含む。並列押出し型のカプセル化手法を採用することができ、例えば同心型オリフィス群を用いて一方のオリフィスに極性液相又は無極性液相を通すと共に他方のオリフィスにモノマーを通すことができる。好ましくは、極性液相又は無極性液相を同心型オリフィス群の中心オリフィスに通す。こうすることにより、モノマーに囲まれた極性液相又は無極性液相の液滴群を作ることができる。続いて、そのモノマーを重合させることにより極性液相又は無極性液相をカプセル化する。
【0007】
好ましい側面において本発明は、極性の液相と無極性の液相との間にバリヤーを形成する方法を提供するものであり、極性液相と無極性液相と親水性部分及び疎水性部分が備わったモノマーとを含み且つそのモノマーが極性液相と無極性液相との間の1以上の境界に配置された液体システムを供給するステップ、及び極性液相と無極性液相との間に重合バリヤーが形成されるようにモノマーを重合させるステップを備えてなるバリヤー形成方法を提供する。
【0008】
好ましくは極性液相を水とするが、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の他の極性液相を用いてもよい。無極性液相は有機液体とすることができ、好ましくは液体炭化水素とする。液体炭化水素をアルカン、とくに好ましくは直鎖アルカンとしてもよい。
【0009】
無極性液相のカプセル化は、モノマーの重合により複数のカプセルを形成するように行ってもよい。本明細書における「カプセル」の用語の範囲には、実質上球形のカプセルだけでなく、例えば実質上シリンダー形状(管状)又はソーセージ形状等の他の形状のカプセルが含まれる。
【0010】
極性液相のカプセル化も、モノマーの重合により複数のカプセルを形成するように行ってもよい。
【0011】
複数のマイクロ・カプセルが形成されるようにマイクロ・カプセル化を行ってもよい。各マイクロ・カプセルは1〜100μmの範囲の大きさのものとすることができる。極性液相及び無極性液相の何れもマイクロ・カプセル化することができる。代替的に、より大きい又はより小さいカプセルを形成することもできる。ナノ・カプセル化も可能である。
【0012】
無極性液相及び極性液相の少なくとも一方に添加物を含めることができる。1つの相に1以上の添加物を存在させてもよい。
【0013】
添加物の性質にとくに制限はないが、好ましい実施例においては、カプセル化する極性液相に抗菌剤、香料又は漂白剤を含める。
【0014】
本発明のカプセル化の実施例において、液体システムを供給するステップに、(a)モノマーによりカプセル化された無極性液相の液滴の極性液相中への分散、又は(b)モノマーによりカプセル化された極性液相の液滴の無極性液相中への分散を含めることができる。
【0015】
本発明のカプセル化の実施例において、本発明の方法に、液体システムからカプセル群を取り出すステップを含めてもよい。
【0016】
本発明の他の実施例において、無極性液相と極性液相との間に膜が形成されるようにモノマーを重合させることができる。これらの実施例では、液体システムを供給するステップにおいて、極性液相の所要量と無極性液相の所要量とを供給すると共にその極性液相の所要量と無極性液相の所要量との間の界面にモノマーを配置してもよい。極性液相及び無極性液相の所要量を静止状態とすることにより実質上平坦な膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
好ましいモノマー類は第4級アミン(第4級アンモニウム)によって与えられ、ジエニル第4級アミンとすることができる。
【0018】
好ましいモノマー類は式[I]の基を含む。

式[I]において、R及びRは(CR又はCR10基、CRCR10基、若しくはCR10CR基から相互に依存せず独立に選択され(nは0、1又は2)、R及びRは水素、ハロゲン基又はヒドロカルビル基(炭化水素基)から独立に選択され、R又はR10の何れか一方が水素で他方が電子求引基であるか又はR及びR10が一緒になって電子求引基を形成し、
及びRはCH又CR11(R11は電子求引基)から独立に選択され、
点線は結合の存在又は欠如を表し、Xはそれに接する点線の結合が欠如している場合にCX基であると共にそれに接する点線の結合が存在している場合にCX基であり、Yはそれに接する点線の結合が欠如している場合にCY基であると共にそれに接する点線の結合が存在している場合にCY基であり、X、X、Y及びYは水素、フッ素又は他の置換基から独立に選択され、
は水素、ハロゲン基、ニトロ基又はヒドロカルビル基(官能基で任意に置換又は挿入されたものを含む)から選択され、
12は水素、ハロゲン基、ニトロ基、ヒドロカルビル基(官能基で任意に置換又は挿入されたものを含む)又は式[IB]から選択され、Zは電荷mの陰イオンである。

【0019】
特許文献1〜5はジエニル型のポリマー、それに対応するモノマー、及びそれらのポリマー及びモノマーの調製方法を開示する。それらの文献の内容は、すべて引用により本明細書の一部分に含める。また特許文献5は、単一のビニル型基を有する第4級アンモニウム種により形成されたポリマーも開示する。しかし特許文献1〜5は何れも、以下に記載するような重合バリヤーに想到することができる事項を何ら示唆していない。
【0020】
本明細書において「溶媒の実質的不存在下で」とは、溶媒が存在しないか又は試薬が流れるのを許す程度の微量の希釈剤が存在しても試薬を完全に溶解するには不十分な溶媒しか存在しないことを意味する。
【0021】
重合を生起させる条件・状態には、放射線若しくは電子ビームの影響又は化学的開始剤の存在が含まれる。放射線又は電子ビームによる重合の誘発は、溶媒の実質的不存在下での実施に適している。
【0022】
及びRは、好ましくはフルオロ(フッ素)基、クロロ(塩素)基、アルキル基又はH(水素)から独立に選択する。アルキル基の場合はメチル基が最も好ましい。
【0023】
、X、Y及びYの少なくとも1つ(可能であれば全て)を、水素又はフッ素以外の置換基とすることができる。好ましくは、X、X、Y及びYの少なくとも1つ(可能であれば全て)を、任意に置換されたヒドロカルビル基(炭化水素基)とする。そのような実施例では、好ましくはX、X、Y及びYの少なくとも1つ(最も好ましくは全て)を任意に置換されたアルキル基とする。とくに好ましい実施例ではC〜Cのアルキル基とし、とくにメチル基又はエチル基とする。代替的に、X、X、Y及びYの少なくとも1つ(好ましくは全て)をピリジル基、ピリミジニル基又はピリジン若しくはピリミジン含有基のようなアリール基及び/又は複素環基とする。
【0024】
好ましい実施例では、X及びYをそれぞれ点線の結合が欠如しているCX及びCYとする。従って、好ましい化合物は式[IA]の通りである。

式[IA]においてR、R、R、R、R、R、X、X、Y及びYは前述した定義の通りである。1つ以上の開始物質(原料物質)を一緒に重合することができる。1つ以上の開始物質(原料物質)を用いた場合には共重合体が生成される。
【0025】
式[I]の点線の結合が存在する場合は、ポリアセチレン鎖からなるポリマーが生成される。これは共役系につなげることができ、その結果としての導電性ポリマーとすることができる。
【0026】
開始物質(原料物質)は、ポリマー製造に用いる条件下で環化重合(閉環重合)するものが適切である。この条件には、光(重合)開始剤の存在下で必要な放射線(例えば紫外(UV)放射線等)を加えること、一定の(熱重合)開始剤の存在下で必要な熱(例えば赤外放射線等)を加えること、化学的開始剤等の他の種類の開始剤を加えること、電子ビームを用いて開始させること等が含まれる。ここに「化学的開始剤」とは、当業界で理解されているように、例えばフリーラジカル開始剤、陽イオン・陰イオン開始剤等のイオン系開始剤のような重合を開始させることができる化合物を意味する。
【0027】
好ましくは、紫外放射線の影響下(又は紫外放射線と開始剤との共存下)で開始物質(原料物質)を重合させる。環化重合は、自発的に又は適当な開始剤の存在下で生起させることができる。適切な開始剤の一例は、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾフェノンとくにアセトフェノンのような芳香族ケトン、ジ−又はトリ−クロロアセトフェノンのような塩素化アセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン(商品名「イルガキュア(Irgacure)651」で販売されている)のようなジアルコキシアセトフェノン、ジメチルヒドロキシアセトフェノン(商品名「ダロキュア(Darocure)1173」で販売されている)のようなジアルキルヒドロキシアセトフェノン、式[IC]の化合物のような置換されたジアルキルヒドロキシアセトフェノン−アルキルエーテル(Rはアルキル基(とくに2,2−ジメチルエチル基)、Rはヒドロキシル基(水酸基)又はクロロ(塩素)等のハロゲン基、R及びRは独立に選択されたアルキル基又はクロロ(塩素)等のハロゲン基であり、その一例は商品名「ダロキュア(Darocure)1116」及び「トリゴナル(Trigonal)P1」で販売されている)、

1−ベンゾイルシクロヘキサノール−2(商品名「イルガキュア(Irgacure)184」で販売されている)、ベンゾイン又はその誘導体(酢酸ベンゾイン、ベンゾインブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル、ジメトキシベンゾイン等のジアルコキシベンゾイン又はデオキシベンゾイン等)、ジベンジルケトン、アシルオキシムのメチル又はエチルエステル(商品名「クワンタキュレPDO(Quantaqure PDO)」で販売されている)のようなアシルオキシムエステル、アシルホスフィン酸化物、ジアルキルアシルホスフィン酸塩等のアシルホスフィン酸塩、式[ID]のようなケトスルフィド(Rはアルキル基、Aはアリール基である)、

4,4´−ジアルキルベンゾイルジスルフィドのようなジベンゾイルジスルフィド、ジフェニルジチオ炭酸塩(カーボネート)、ベンゾフェノン、4,4´−ビス(N,N−ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、フルオレノン、チオキサントン、ベンジル、又は式[IE]のような化合物(Arはフェニル等のアリール基、Rはメチル等のアルキル基であり、商品名「スピードキュアBMDS(SpeedcureBMDS」で販売されている)である。

【0028】
本明細書において「アルキル」の用語は、炭素原子の数が20個以下の適宜数、好ましくは6個以下である直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。「アルケニル」又は「アルキニル」の用語は、例えば炭素原子の数が2〜20個、例えば2〜6個である不飽和の直鎖又は分岐鎖を意味する。各鎖にはそれぞれ1個以上の二重結合又は三重結合を含めることができる。「アリール」の用語は、フェニル基又はナフチル基のような芳香属基を意味する。
【0029】
「ヒドロカルビル」の用語は、炭素原子と水素原子とを含む任意の構造(炭化水素基)を意味する。例えば、これらの構造をアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル又はナフチルのようなアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルとしてもよい。これらの構造には好適には20個以下、好ましくは10個以下の炭素原子を含める。「複素環」の用語は、例えば4〜20個、好ましくは5〜10個の環状原子を有し、そのうち少なくとも1個がヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素等)である芳香族又は非芳香族の環状構造を含む。そのような基の一例には、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニル又はベンゾフリルが含まれる。
【0030】
「官能基」の用語は、例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、C(O)、OR、S(O)、NR、OC(O)NR、C(O)NR、OC(O)NR、−NRC(O)、−NRCONR、−C=NOR、−N=CR、S(O)NR、C(S)、C(S)OR、C(S)NR又は−NRS(O)の反応基を意味する。ここで、R、R及びRは水素又は任意に置換されたヒドロカルビル基(炭化水素基)から独立に選択するか、或いはR及びRによって更にS(O)、酸素、窒素のようなヘテロ原子を任意に含む任意に置換された環を形成する。nは1又は2の整数、tは0又は1〜3の整数である。とくに官能基を、例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、オキソ、C(O)、OR、S(O)、NR、OC(O)NR、C(O)NR、OC(O)NR、−NRC(O)、−NRCONR、−NRCSNR、−C=NOR、−N=CR、S(O)NR又は−NRS(O)の反応基とする。R、R及びR、n及びtは前述した定義の通りである。
【0031】
本明細書において「ヘテロ原子」の用語は、例えば酸素、窒素又は硫黄原子等の炭素以外の原子を意味する。窒素原子が存在する場合は、一般的にアミノ残基の一部として存在しており、例えば水素又はアルキルによって置換されているであろう。
【0032】
「アミド」の用語は、一般的にC(O)NR(R及びRは水素又は任意に置換されたヒドロカルビル基)の化学式の基を意味すると理解されている。同様に、用語「スルホンアミド」はS(O)NRの化学式の基を意味する。
【0033】
特定の実施例においてアミノ基部分に付加される単独又は複数の電子求引基の性質は何れも、化合物内の他の官能基の性質と同様に、その活性化に必要な二重結合に対する位置に依存している。「電子求引基」の用語の範囲には、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基のような原子の置換基が含まれる。
【0034】
11を電子求引基とする場合は、R11をアセチル基のようなアシル基、ニトリル基又はニトロ基とすることが適している。
【0035】
陰イオンZm−の好ましい一例は、ハロゲン化物イオン、ホウ化物イオン、PF又はカルボン酸エステルの陰イオンである。
【0036】
好ましくは、X、X、Y、及びYを全て水素とする。
【0037】
望ましくはR基に水素又はメチル基を含め、とくに望ましくはR基を水素とする。
【0038】
本発明の方法で用いる好ましい化合物の一例は式[II]の化合物である。

とくに式[IIA]の化合物とすることが好ましい。

式[II]及び式[IIA]において、X、X、X、Y、Y、Y、R、R、R、R、及び点線の結合は何れも前述した式[I]に関して定義した通りであり、rは1以上の整数であり、Rは原子価rの架橋基(橋かけ基)、任意に置換されたヒドロカルビル基、ペルハロアルキル基、シロキサン基又はアミド基である。
【0039】
式[II]及び式[IIA]の化合物において、rを1とした場合に、化合物は容易に重合してR基の性質に応じた様々な種類のポリマーを形成する。本発明の最も好ましい実施例はrを1とした化合物であるが、その理由は、極性液相と無極性液相との間の境界への配置を可能とする不連続的な(分離された)親水性領域及び疎水性領域を有する分子を簡単に作り出すことができるからである。このような好ましいモノマーは構造式[III]で表すことができる。

式[III]においてX、X、Y、Y、R、R、R及びRは、式[I]に関して前述した定義した通りであり、R6´は任意に置換されたヒドロカルビル基、ペルハロアルキル基、シロキサン基又はアミド基である。
【0040】
本発明は、他の種類のポリマーにも適用することが可能である。例えば、式[II]の化合物においてrが1より大きい場合は、重合によってポリマーネットワークを生成することができる。そのようなポリマーの一例は、Rを架橋基(橋かけ基)とすると共にrを2以上の整数とした前述の式[II]の化合物であり、例えばrを2〜8とし、好ましくは2〜4としたものである。
【0041】
これらの化合物を重合する際には、R基それ自体の性質と鎖重合停止剤の存在量と使用する重合条件とに応じて、生成されるネットワークの性質を選択することができる。架橋(橋かけ)基Rの一例は特許文献1に記載されている。rが3より大きい化合物は、一般的に親水性領域及び疎水性領域を有するモノマー及び対応するポリマーを提供することが一段と難しくなるので本発明で用いるにはあまり適していないが、rが2の実施例は本発明で用いるのに適している。特定の理論によるわけではないが、rが2の化合物は若干折れ曲がった構造(コンホメーション)をとることができ、その折れ曲がり構造により、一対の親水性ヘッド領域を境界に位置付けつつ両親水性ヘッド領域に連結された疎水性テール領域を親水性ヘッド領域から垂れ下げることができると考えられる。とくに好ましくは、Rの部分をある程度曲がりやすい構造(柔軟なコンホメーション)とする。
【0042】
及びR6´は、官能基で任意に置換又は挿入された直鎖又は分岐鎖のアルキル基とすることができる。
【0043】
またR及びR6´は、任意に置換された4個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル基とすることができ、例えばアルキル基、好ましくは直鎖アルキル基とすることができる。この種のモノマーは、極性相及び非極性相の両者に対する親和性(アフィニティー)を有する効果的なモノマー洗剤として機能しうる。R及びR6´には5〜20個の炭素原子を含めることができ、好ましくは8〜14個の炭素原子を含め、更に好ましくは10個の炭素原子を含める。好ましい実施例では、開始物質(原料物質)を式[IV]の化合物とすることができる。

【0044】
他の実施例では、開始物質(原料物質)を式[V]の化合物とすることができる。

【0045】
が式[IB]でない実施例では、モノマーを式[VA]の構造式とすることが望ましい。式[VA]においてRは前述した定義の通り又は前述した定義のR6´とすることができる。

【0046】
は、水素又はアルキル基とすることができ、好ましくは3個より少ない炭素原子を有するアルキル基、更に好ましくはメチル基とする。Rがアルキル基である場合は、より優れた洗剤効果が得られる。
【0047】
好ましくは、モノマーを重合させるステップにおいてホモポリマー(1種類のモノマーからなるポリマー)を形成する。代替的に、モノマーを重合させるステップにおいて共重合ポリマーを形成してもよいが、その場合は、液体システムを供給するステップにおいて異なるモノマー単位を有するモノマーを供給する。異なるモノマーを架橋(橋かけ)結合の一部分として使用してもよい。
【0048】
第2の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法により形成されたバリヤーを提供する。
【0049】
第3の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法により形成されたカプセルを提供する。
【0050】
第4の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法により形成された膜を提供する。
【0051】
第5の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法で定義されたモノマーの重合により形成されたバリヤーを提供する。
【0052】
第6の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法で定義されたモノマーの重合により形成された重合バリヤー内にカプセル化された極性液相又は無極性液相を含むカプセルを提供する。
【0053】
第7の側面において本発明は、本発明の第1の側面の方法で定義されたモノマーの重合により形成された膜を提供する。
【0054】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は前述した構成又は後述する構成の組み合わせ又は部分的な組み合わせにも拡張される。
【実施例1】
【0055】
一般的なカプセル化の実験について説明する。適当量の液体パラフィン(例えば15ミリリットル)と水(例えば0.5ミリリットル)と、適当量の光(重合)開始剤(例えば3重量%のイルガキュア(Irgacure)184光開始剤)を含むモノマー(例えば5ミリリットル)とを用意する。先ず、水とモノマーとを試験管内で混合する。例えば、周囲以上の温度(例えば35℃程度)で混合することによってモノマーの粘り気を抑えることができる。次に、水とモノマーとの混合液を試験管内で液体パラフィンと混合する。エマルションが生成されるまで試験管を振動させ又はかき混ぜ、或いは他の方法で揺り動かす。典型的には10秒程度揺り動かせば十分である。生成されたエマルションをペトリ皿に流し込んで厚さ1〜3mm程度の薄膜とする。紫外(UV)放射線を用いて養生したのち、形成されたカプセルを液体パラフィンからワットマン・フィルター紙を用いて濾過する(こし取る)。濾過したカプセルをイソプロピルアルコール(IPA)又はヘキサンにより洗浄する。
【実施例2】
【0056】
一般的な膜形成方法について説明する。適当量の液体パラフィン(例えば15ミリリットル)と水(例えば15ミリリットル)と、光(重合)開始剤(例えば3重量%のイルガキュア(Irgacure)184光開始剤)を含むモノマー(例えば5ミリリットル)とを用意する。水を皿に注ぎ込んで水性層を形成する。水性層上にモノマーを注ぎ込んでモノマー層を形成し、そのモノマー層上に液体パラフィンを注ぎ込む。モノマー層を紫外放射線に適当に晒して(暴露して)養生することにより、水性層とパラフィン層との間に重合膜(ポリマー膜)を形成する。続いて重合膜及び/又は液体層を取り出す。皿の表面積に対するモノマーの量を適当に変えることによって、膜の厚さを調節することが可能である。
【実施例3】
【0057】
式(1)に示す目標分子を調製する。

無水エタノール中に1,10−ジブロモデカン(23.8g)とジアリルアミン(15.4g)とKCO(58.0g)とを混合し、凝縮器上で乾燥用アームにより一晩還流させた。反応の進行をTLC(薄層クロマトグラフィー)を用いて確認した。固体のKBr及び過剰のKCOは、濾過により溶媒から取り除いた。エタノールは、残留ジアリルアミンと共にロータリー式蒸発によって取り除いた。この時点で合成物内に出現する固体のKBrは、ジクロロメタン(DCM)に溶かして濾過することができる。モノマーは、乾燥シリカゲルを用いて取り出し、ドライDCMにより洗い出した。メタノール又はドライDCM中のモノマー溶液に、ヒドロペルフルオロ酸(HPF)の6M水溶液を加えてpH5〜6程度の混合液とした。最後に、第4級アミンを残して水を蒸発させた。
【実施例4】
【0058】
ステップ1:実施例3で調製した第4級アミン(1)に、3wt%のイルガキュア(Irgacure)184光開始剤を添加して緩やかに加熱(℃程度)して溶かし、回転ミキサを用いて混合した。続いて、15wt%程度の脱イオン水を添加し、同様にして溶かした(この段階で、脱イオン水に代えて、カプセル化する他の極性液相を添加することができることに注意されたい)。
【0059】
ステップ2:次に、アミン(1)及び開始剤の水溶液に液体パラフィンを約5:1(パラフィン:モノマー混合液)の重量比で添加し、その混合液を35℃程度の加熱と回転ミキサによる10秒間の混合とにより強烈に混合してエマルションを形成した。
【0060】
ステップ3:調製した直後のエマルションを皿(例えばペトリ皿)に流し込み、厚さ1〜3mm程度の薄膜を形成する。形成した膜を紫外放射線に晒して(暴露して)養生することにより、液体パラフィン中に固形カプセルを形成する。暴露する時間は紫外放射線源と暴露状況とに依存するが、この例では暴露を2段階とし、各段階を1秒以下として600W/cmのガリウムがドーピングされた水銀の紫外放射線源に晒した。
【0061】
ステップ4:このように形成したカプセルを液体パラフィンからワットマン・フィルター紙を用いて濾過し(こし取り)、残留している液体パラフィンを適当な有機溶媒(IPA又はヘキサン等)を用いて洗浄した。開放空気中で乾燥させることにより、脱イオン水のカプセルを得ることができた。
液体パラフィンに代えて、モノマーに対して同じ重量比率の鉱油又は石油を用いた場合にも、同じ結果を得ることができた。
【実施例5】
【0062】
調製する目標分子を式(2)に示す。

合成方法は、18.7gの1−ブロモウンデカンと7.7gのジアリルアミンと38.5gのKCOとを用いた点を除き、実施例3において上述した方法と同様である。
【実施例6】
【0063】
蒸留したてのジアリルアミン(67g、0.69モル)を無水エタノール(100ミリリットル)及び無水KCO(270g、4.14モル)に添加し、半時間かき混ぜた。次いで、1,10−ジブロモデカン(100g、0.33モル)を添加し、混合液を96時間還流させた。室温に冷ましたのち固形分を濾過により取り除き、その後に残留しているジアリルアミン及びアルコール(エタノール)をバキューム式(真空状態)で除去した。この混合液に100ミリリットルのジクロロメタンを添加し、更なる沈殿物を濾過により取り除いた。更に、残留しているジアミン生成物及びジクロロメタンを水中で1回洗浄したのち、塩性及び水性相を除去した。その混合物を分子ふるい(4A)によって更に乾燥させのち、ジクロロメタンをバキューム式(真空状態)で除去した。その生成物をシリカ及びジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより更に精製し、ジクロロメタン除去後のクリアオイル(精製油)を製造した(収率65%)。
【0064】
水素の第4級アンモニウム・モノマーへの変換
無機陰イオンの塩を製造する4級化処理は、2−プロパノール(プロピルアルコール)中のジアミンに、水又はアルコール溶液中で凝集した無機酸を、混合液が若干酸性になるまで添加することによって行った。その溶液を分子ふるい(4A)によって乾燥させたのち、2−プロパノールをバキューム式(真空状態)で除去した。同様な手法により有機酸を添加し、その有機酸を化学量論的にほぼ極僅かに超過させることによって有機塩を製造した。このようにして目標分子(1)を調製した。
【0065】
メチルの第4級アンモニウム・ヨウ化物への変換
ジアミンに対して僅かな超過する量のヨウ化メチルのジクロロメタン溶液を添加し、混合物を6時間還流させた。全てのヨウ化メチル及びジクロロメタンをバキューム式(真空状態)で除去し、その生成物をジクロロメタン及び塩水で2回洗浄したのち分子ふるい(4A)によって乾燥させた。ジヨウ化メタンをバキューム式(真空状態)で除去することにより、オフホワイト色の固形物を得た(収率96%)。
この実施例6の手順により調製したモノマーを、実施例4の方法に従って重合させた。
【実施例7】
【0066】
更なるカプセル化の実験として、実施例1、4及び6で説明した手順を用いて、漂白剤、過酢酸(35%の水溶液)、ホウ酸(25%の水溶液)、及び次亜塩素酸ナトリウム(5%の水溶液)をカプセル化した。全ての場合において、溶液(液相)のペイロード(荷重)がカプセルの全重量の20%を占めており、残りをモノマー/ポリマーが占めていた。本実験では、目標分子(1)と共に、PF陰イオンをCl及びIにより置換したモノマーを用いた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性液相又は無極性液相と親水性部分及び疎水性部分が備わったモノマーとを含み且つそのモノマーが極性液相又は無極性液相の1以上の境界に配置された液体システムを供給するステップ、及びその1以上の境界に重合バリヤーが形成されるようにモノマーを重合させるステップを備えてなる極性液相又は無極性液相上のバリヤー形成方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記モノマーを極性液相と無極性液相との間の1以上の境界に配置し、前記モノマーを極性液相と無極性液相との間に重合バリヤーが形成されるように重合させてなる極性液相と無極性液相との間のバリヤー形成方法。
【請求項3】
請求項1又は2の方法において、前記極性液相を水としてなるバリヤー形成方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの方法において、前記無極性液相を有機液体としてなるバリヤー形成方法。
【請求項5】
請求項4の方法において、前記有機液体を液体炭化水素としてなるバリヤー形成方法。
【請求項6】
請求項5の方法において、前記液体炭化水素をアルカンとしてなるバリヤー形成方法。
【請求項7】
請求項6の方法において、前記アルカンを直鎖アルカンとしてなるバリヤー形成方法。
【請求項8】
請求項1から7の何れかの方法において、前記モノマーの重合により複数のカプセルを形成することで無極性液相をカプセル化してなるバリヤー形成方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れかの方法において、前記モノマーの重合により複数のカプセルを形成することで極性液相をカプセル化してなるバリヤー形成方法。
【請求項10】
請求項8又は9の方法において、前記モノマーの重合により複数のマイクロ・カプセルを形成することで極性液相又は無極性液相をマイクロ・カプセル化してなるバリヤー形成方法。
【請求項11】
請求項8から10の何れかの方法において、前記無極性液相及び極性液相の少なくとも一方に添加物を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項12】
請求項9に従属する請求項11の方法において、前記極性液相に抗菌剤を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項13】
請求項9に従属する請求項11の方法において、前記極性液相に香料を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項14】
請求項8から13の何れかの方法において、前記液体システムを供給するステップに、(a)モノマーによりカプセル化された無極性液相の液滴の極性液相中への分散、又は(b)モノマーによりカプセル化された極性液相の液滴の無極性液相中への分散を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項15】
請求項8から14の何れかの方法において、更に液体システムからカプセル群を取り出すステップを含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項16】
請求項1から7の何れかの方法において、前記モノマーの重合により無極性液相と極性液相との間に膜を形成してなるバリヤー形成方法。
【請求項17】
請求項16の方法において、前記液体システムを供給するステップにおいて、極性液相の所要量と無極性液相の所要量とを供給すると共にその極性液相の所要量と無極性液相の所要量との間の界面にモノマーを配置してなるバリヤー形成方法。
【請求項18】
請求項17の方法において、前記極性液相及び無極性液相の所要量を静止状態とすることにより実質上平坦な膜を形成してなるバリヤー形成方法。
【請求項19】
請求項1から18の何れかの方法において、前記モノマーを第4級アミンとしてなるバリヤー形成方法。
【請求項20】
請求項19の方法において、前記モノマーをジエニル第4級アミンとしてなるバリヤー形成方法。
【請求項21】
請求項19又は20の方法において、前記モノマーに式[I]の基を含めてなるバリヤー形成方法。

(ここで、R及びRは(CR又はCR10基、CRCR10基、若しくはCR10CR基から相互に依存せず独立に選択され(nは0、1又は2)、R及びRは水素、ハロゲン基又はヒドロカルビル基(炭化水素基)から独立に選択され、R又はR10の何れか一方が水素で他方が電子求引基であるか又はR及びR10が一緒になって電子求引基を形成し、
及びRはCH又CR11(R11は電子求引基)から独立に選択され、
点線は結合の存在又は欠如を表し、Xはそれに接する点線の結合が欠如している場合にCX基であると共にそれに接する点線の結合が存在している場合にCX基であり、Yはそれに接する点線の結合が欠如している場合にCY基であると共にそれに接する点線の結合が存在している場合にCY基であり、X、X、Y及びYは水素、フッ素、又は他の置換基から独立に選択され、
は水素、ハロゲン基、ニトロ基又はヒドロカルビル基(官能基で任意に置換又は挿入されたものを含む)から選択され、
12は水素、ハロゲン基、ニトロ基、ヒドロカルビル基(官能基で任意に置換又は挿入されたものを含む)又は式[IB]から選択され、

Zは電荷mの陰イオンである)
【請求項22】
請求項21の方法において、前記モノマーを重合させるステップに環化重合反応を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項23】
請求項21又は22の方法において、式[I]の基を式[IA]の基としてなるバリヤー形成方法。

(ここで、R、R、R、R、R、X、X、Y及びYは請求項21で定義の通りである)
【請求項24】
請求項21から23の何れかの方法において、前記モノマーを光重合開始剤の存在下で放射線を加えることにより重合させてなるバリヤー形成方法。
【請求項25】
請求項24の方法において、前記モノマーを紫外放射線を加えることにより重合させてなるバリヤー形成方法。
【請求項26】
請求項21から23の何れかの方法において、前記モノマーを開始剤の存在下で熱を加えることにより重合させてなるバリヤー形成方法。
【請求項27】
請求項21から23の何れかの方法において、前記モノマーを化学的開始剤又は電子ビームの存在下で重合させてなるバリヤー形成方法。
【請求項28】
請求項21から27の何れかの方法において、Zm−をハロゲン化物イオン、ホウ化物イオン、PF6−、又はカルボン酸エステルとしてなるバリヤー形成方法。
【請求項29】
請求項21から28の何れかの方法において、式[I]の基のうちX及びYをそれぞれ点線の結合が欠如しているCX及びCYとし、X、X、Y及びYを全て水素としてなるバリヤー形成方法。
【請求項30】
請求項21から29の何れかの方法において、開始物質を式[II]の化合物としてなるバリヤー形成方法。

(ここで、X、Y、R、R、R、R及び点線の結合は何れも請求項21で定義した通りであり、rは1以上の整数であり、Rは原子価rの架橋基(橋かけ基)、任意に置換されたヒドロカルビル基、ペルハロアルキル基、シロキサン基、又はアミド基である)
【請求項31】
請求項30の方法において、開始物質を式[III]の化合物としてなるバリヤー形成方法。

(ここで、X、X、Y、Y、R、R、R及びRは何れも請求項21で定義した通りであり、R6´は任意に置換されたヒドロカルビル基、ペルハロアルキル基、シロキサン基又はアミド基である)
【請求項32】
請求項30又は31の方法において、rを2としてなるバリヤー形成方法。
【請求項33】
請求項30から32の何れかの方法において、R及びR6´を、官能基で任意に置換又は挿入された直鎖又は分岐鎖のアルキル基としてなるバリヤー形成方法。
【請求項34】
請求項30から33の何れかの方法において、R及びR6´を、任意に置換された4個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル基としてなるバリヤー形成方法。
【請求項35】
請求項34の方法において、R及びR6´を、アルキル基又は直鎖アルキル基としてなるバリヤー形成方法。
【請求項36】
請求項35の方法において、R及びR6´に、5〜20個の炭素原子、8〜14個の炭素原子、又は10個の炭素原子を含めてなるバリヤー形成方法。
【請求項37】
請求項36の方法において、前記開始物質を式[IV]の化合物としてなるバリヤー形成方法。

【請求項38】
請求項36の方法において、前記開始物質を式[V]の化合物としてなるバリヤー形成方法。

【請求項39】
請求項21から36の何れかの方法において、Rを水素又はアルキル基、3個より少ない炭素原子を有するアルキル基、又はメチル基としてなるバリヤー形成方法。
【請求項40】
請求項1から39の何れかの方法において、前記モノマーを重合させるステップにおいてホモポリマーを形成してなるバリヤー形成方法。
【請求項41】
請求項1から39の何れかの方法において、前記液体システムを供給するステップにおいて異なるモノマー単位を有するモノマーを供給し、前記モノマーを重合させるステップにおいて共重合ポリマーを形成してなるバリヤー形成方法。
【請求項42】
請求項1から41の何れかの方法により形成されたバリヤー。
【請求項43】
請求項8若しくは請求項9又は請求項8若しくは請求項9に従属する請求項10から41の何れかの方法により形成されたカプセル。
【請求項44】
請求項16又は請求項16に従属する請求項17から41の何れかの方法により形成された膜。
【請求項45】
請求項19から41の何れかの方法により定義されたモノマーの重合により形成された重合バリヤー内に極性液相又は無極性液相がカプセル化されたカプセル。
【請求項46】
請求項19から41の何れかの方法により定義されたモノマーの重合により形成された膜。
【請求項47】
図面を参照して実質上明細書に記載され又は図面に記載された方法、バリヤー、カプセル、又は膜。

【公表番号】特表2009−503180(P2009−503180A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523453(P2008−523453)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002806
【国際公開番号】WO2007/012860
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(508025714)ノベル・ポリマー・ソリューションズ・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】