説明

バリ無しユニットシステム包埋枠状基体容器構成体及びそれを用いた採取試料の試料データの伝達連結と試料の固定移送から標本作製・保管方法

【課題】 患者生物試料の取り間違いを防止して、事故責任の所在を明確にして、患者試料採取時から試料の固定移送・検体試料の照合・受付・切り出し・脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透等の薬液処理・標本作製・ブロック試料データの保管管理・収納・検索工程の自動化と省力化・省スペース化の実現と精度管理と医療廃棄物の削減をする。
【解決手段】臨床試料採取側と分離した標本処理容器(薬液処理籠と薄切用包埋ブロック支持基台)と独立した包埋皿の標本作製器具をユニットシステム複合構成体に分離独立させて、試料の固定移送容器から受付・標本作製・ブロック試料保管管理検索の全作業工程で使用する器具を構成ユニット化して共通のユニット構成形成体を患者試料と一体に移動する標本作製・管理システムを提案して、患者試料採取時の試料の固定移送容器から薬液処理籠・包埋ブロック試料・試料データの保管管理検索全作業工程で患者試料と患者データが必ず一体に移動する情報伝達体(メッセンジャー)を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医師や生命科学者が病気の診断や治療を決める為、または生命の研究ために、患者や生命体から採取した生物試料を薄切染色標本にして、それを医療または研究のデータとして役立てる為に病理組織試料の管理システムの中で用いる、採取試料データや検体番号や既往歴等の確実な関連付けを可能にした固定移送容器から検体(試料と試料データ)の受付から標本作製及びそれを用いた包埋方法とブロック試料データの保存管理と省力化に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のどのメーカーのカセットシステムもマイルス社(米国法人)が最初に提案してリングまたはフレームカセットから発展させた標本処理容器装置と包埋方法からの大きな発展はない。その新しい兆候は、本件発明者が提案しているバリ無し包埋皿とその方法(特許文献1、2参照)ぐらいで、その他はマイルス社の標本作製・包埋方法と器具を模倣したものにすぎない。
それは、従来のカセットシステムでは、所謂カセット基体(標本処理容器)はカセット薬液処理籠と薄切用ブロック基台の二役のみを兼任し、包埋ブロック作製時には薬液処理に用いた薬液処理籠に使用したカセット基体を基台として使用されるが、試料の固定移送容器と包埋皿は予め独自に用意した器具として提案されている。
【0003】
故に、生物試料のスライド標本を作製するためには、所謂カセット基台を兼任している標本処理容器に試料番号等データ記載又は印字してその容器内に該生物試料を収納し、該カセット基台(標本処理容器)ごと脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透の薬液処理を実施する。故にこのマイルス型のカセットシステムの本格的使用開始時は試料の切り出しトリミング開始時からで、患者試料の採取・移送時には他の容器を用いているか、マイルス型のカセットシステムを使用する場合には、ホルマリン等で汚染された所謂カセットを改めて洗い拭いてからデータ記載して使用するかそのカセット容器を廃棄して改めて新しいカセットに入れ替えて使用しており本格的な使用はできていないし、そこには固定移送容器等のコストの削減も試料データの確実な関連付けの考えは存在していない。
【0004】
また、該カセット基体の内部に収納された生物試料は、脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透等の薬液処理を施されて包埋皿の底部に移し替えられ、その上から前記カセット基体を該包埋皿の開口部から所定の箇所に設置して該カセット基体を薄切用ブロック支持基台として生物試料をブロック試料として一体的に包埋する。
【0005】
その後、前記ブロック試料は、前記基台を薄切用ミクロトーム用カセットアダプターに固定して薄切し、データ転写・伸展・乾燥貼り付け・染色・封入等の作業工程後顕微鏡判定や診断に供する。
【0006】
【特許文献1】特開平2002−303568公報
【特許文献1】特開平2004−125631公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術は、上述の通りであるので、該カセット基体は収納する生物試料の大きさや量によってその容器としての役目柄、大きさや形状も影響されて制限を受ける。その為にブロック試料の大きさを画一化して統一的にするのは合理的であるが、脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透等の薬液処理に適当な生物試料の厚さの5mm程度までを収納できる形状ようにするために、またスライドグラスのスタンダードタイプの広さが大体26.5mm×76.5mmであり、従来の前記プラスチック製のカセット基体の大きさは素材強度の面からも制限されて大体内法 31×26×5mm、外法40×28×6mm 程度であったが、標本作製の技術や機器の性能も上がって、それ以上の深さや広さのカセットも現在市場は求めつつあるがカセットの深さの違いでその都度種々カセット底部の経費をかけて成形している。この成形コストを下げることである。
【0008】
また、ブロック試料とその試料データ例えば既往歴等患者情報との照合やそれら画像の含めたデータ等との関連付けや標本作製の自動化や保管管理システムの構築には、データ記憶メディアの導入は必須なものであり、この情報伝達方法の不備或いは作業者のイージーミスによって患者試料やデータの取り間違いが起き、重大な医療事故が数多く生じている。この患者試料と患者データである検体の確実な伝達を標本作製・診断の検査側にして、標本作製上の検体の取り間違えや紛失を無くし、診断・報告書発行・既往歴データの保管管理と検索に役立てることである。
【0009】
また、従来のカセットシステムの該カセット基体は、該生物試料の薬液処理開始時からの処理籠としての役目を兼ねている都合上、本来切り出し時から使用するので、この時点にはこの該生物試料の試料データや試料番号等をデータ記録部に印字印刷または記載を済ましておかなくてはならないし、それ以前には確実なデータ記載が不可能である。しかし、切り出し時の現場での従来のカセットデータ記載部に直接試料番号やバーコード等の試料データを記載または印字・印刷するには時間的に無駄や無理があり、また大きな病理学的検査室や研究室でない限りバーコードや二次元データコード等の合成樹脂製カセット用直接印字機を導入することは予算的にも無理がある。このデータ記載・印字・記録時間の確保と安価な印字機でのデータ伝達が可能なシステムカセット系を構築することである。
【0010】
更に、従来は採取試料の固定移送は、前記の臨床側での採取生検試料の固定移送容器を別途用意して(試料が収納された該固定移送容器と検査依頼書とを纏めて検体と言う:以下検体と言う)検体として移送して切り出し時に前記固定移送容器から固定された前記生検試料を取り出して新規のデータ記載または印字された前記カセットに収納してするか、または前記固定移送容器の中に前記採取生検試料を収納した前記カセットを入れて検体として移送して来て、切り出し時点で既に固定液に汚染されている該カセットを洗浄・乾燥させ、或いは廃棄して新規のカセットにデータ記載または印字するかであるが、元来、カセット基体とは、該採取試料と一緒に薬液処理槽や包埋支持剤浸透槽を通るので、その周囲に印字印刷された試料データやデータ記録部も薬液に浸漬されて影響を受けるし、その前に汚染され濡れていればデータ記載部にデータ記載や印字が出来ず、またこの時点で新規カセットに固定移送されて来た前記採取試料を入れ替える時点に取り間違えが生じ安い。この矛盾を無くして、安価でカセット基体が薬液浸漬しない試料の固定移送容器を提案することである。
【0011】
また、今までのICタグはプラスチック等の内部に成型時に予め埋め込む様に成形しておかないと、ホルマリン等固定液や水やアルコールやキシレンやクロロホルムや酸やパラフィン等包埋剤に浸漬されるとIC回路が破壊される可能性が有り、消耗品であるカセットの価格の面からその製品化には無理があった。しかし、現在種々の試薬に影響を受けない前記ICチップが開発されてきているがその機能を確実に発揮しているカセットはまだ存在していない。それでICチップの価格が将来安くなるのを見越して、前記ICチップが簡単且つ確実に挿入・嵌合・設置・取り外し再生ができ、該ICチップ上のデータや前記カセット基体に記載・印字されたデータ記載部・記録部データを確実に伝達するシステム伝達体(メッセンジャー)を提案することである。
【0012】
その為には、従来のカセットプリンターでは、そのインクや印字方法の精度にもよるが、包埋剤に浸漬された前記カセット基体の印字文字が不明瞭になり読み難くかったりバーコード等のデータ記憶メディアのリーダーでの読み込みが困難だったりしている。このデータ記載・印字・記録部の保護と試料包埋ブロック作製時の包埋剤のバリの発生を抑えるか、簡単に或いは自動的に除去するシステム器具を提案することである。
【0013】
更に、この発明の他の目的は、前記ブロック支持基台に余裕をもってデータを記録するとともに、患者試料採取時からの臨床データを含む記録が不明瞭にならないようにすることであり、その為にはカセットの薬液処理籠の機能器具と試料の固定移送容器の機能器具の中心的機能部位に使用され、固定液で汚染されない機能部分の器具を提案することである。
【0014】
更に、その為にはカセットの薬液処理籠の機能器具と試料の固定移送容器の機能器具に共通に使用され、固定液で汚染されない共通機能部分の器具には、臨床側での試料採取時の試料データ等の患者属性や臨床データと連結されたデータ記録部が存在しており且つ又病理検査室等の標本作製現場での検体整理番号等の記載・印字・記録箇所が存在しているか、または臨床試料採取側と標本作製側の互いのデータを関連づけるデータ記録部が存在することである。即ち、多孔通液孔を成形した底部と蓋部とを互いに掛け止め嵌合して薬液処理籠を構成し、更に多孔通液孔を成形しない底部と蓋部とを互いに掛け止め嵌合して液漏れしない固定移送容器を構築する共通の掛け止め嵌合器具(共通ユニット形成体:オルガナイザー)を提案することである。
【0015】
更に、また確実に臨床側等で責任を持って採取・収納された前記固定移送容器と依頼書等の臨床試料データ(検体)を、病理検査室等の標本作製現場で受領・受付して、該固定移送容器内の試料を包埋枠状基体籠(薬液処理籠)に移し替えられる時点での該試料の紛失・混入やデータの入れ違いを防止するためには、臨床試料採取側の記載・記録データ記録と該試料を確実に該試料の薬液処理籠に一緒に移すことが確実である。その為には、該試料の固定移送容器と薬液処理籠の共通で重要構成ユニットを用いることが確実であるし、固定移送容器の成形コストの倹約にもなる。
【0016】
更にこの発明は、ブロック支持基台であるカセット枠状基体の外周壁である包埋枠状基体と包埋支持剤の保持固定部でもある底部と蓋部を独立分離したバリ無しユニットシステム包埋枠状基体容器構成体からなる、前回本願発明者が前回出願した(特願2006−197702)の保管スペースの省スペース化を図る他に、試料データの確実な伝達と試料の固定移送容器の機能とそのユニットシステム包埋枠状基体容器構成体の一部ユニットを変更することのみで、固定移送容器の容量と薬液処理籠である枠状基体籠の試料収納スペースの拡大の機能も追加することである。
【0017】
更に、固定試料と臨床試料データ(検体)の確実な伝達機能を保持する為には、前記固定移送容器と前記薬液処理籠の共通掛け止め嵌合器具である包埋枠状基体のデータ記載・記録部の保護が重要である。この器具には試料の薬液処理時からブロック試料作製時の種々の試薬や包埋剤のバリの付着防止或いは簡単除去機能が必要である。
【0018】
更に、現在社会の環境汚染を危惧する情勢下で、多くの容器や器具を兼用出来るものは兼用し、データ・情報の保管管理に必要な役割を持たして、廃棄せずに再利用または併用できるものに変化させて、試料の採取・データ伝達系・固定移送容器・薬液処理籠・ブロック試料基台(台木)・包埋皿状器具・標本作製の自動化・ブロック試料保管検索システムの一連の作業工程に関与または使用されるシステムユニット複合構成体として提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明は、本願発明者が前出願している(特願2006−197702)は所謂包埋枠状基体の上側から下側への開口部に貫通孔部を備えた包埋枠状基体の上側及び下側の開口部に脱着自在に装着され、その多孔通液性籠蓋部がブロック支持基台代用の籠蓋部でもある形状形態であるが、今回出願の発明の包埋枠状基体は試料の収納内部構造は前回出願と殆ど変化しないが外部形状とその機能性は色々と変化させる事が可能である。何故ならば、従来の病理組織試料用カセットの機能を持つ薬液処理籠(包埋枠状基体籠)の構成部分を
・ 上側から下側への開口部に連結した貫通孔部と上側開口部外周には開口部 を囲む外壁の上端面を備えていて、更にデータ記載部やバーコード・二次元データコード・ICチップ等の記憶メディアの設置できるデータ記録部の設置部位を形成していて、他のユニット構成体やユニット間の嵌合・連結の中心的な機能を担った、このユニットシステム共通の掛け止め嵌合器具(共通・連結形成体ユニット)である包埋枠状基体(ユニット1)と
・ 前記ユニット1である包埋枠状基体とは独立したユニットである、少なくとも底部に多孔通液性底面を形成した容器状底部であり、前記包埋枠状基体の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納移送が出来る、少なくとも底部に多孔通液性底面を形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した多孔通液性容器状底部(ユニット2)と
・ 更にまた、ユニット1から独立した多孔通液性面を備え該多孔通液性面の外周裏面に前記ユニット2である多孔通液性容器状底部の試料収納部の上側開口部に挿入嵌合するリブが形成されている蓋体(ユニット3)と
・ 更にまた、ユニット1から独立した前記ユニット2と同形状の多孔通液孔が成形されていない非通液性の容器状底部(ユニット4)と
・ 更にまた、ユニット1から独立した前記ユニット3と同形状の多孔通液孔が成形されていない非通液性の蓋体(ユニット5)と
からなる5種類の構成体ユニットをユニット1である包埋枠状基体を共通・連結形成体ユニットとして互に挿入・嵌合・掛け止めたユニットシステム複合構成体から構築される種々のバリエーションを持つバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体であり、
・ 更にまた、前記5種類のユニットの構成体ユニットとはまた独立した別の機能性である構成体補助ユニット的な位置に在るが、試料データの伝達・連結体(メッセンジャー)である前記包埋枠状基体(ユニット1)の確実なデータの保護の為には、該試料データの伝達・連結体(メッセンジャー)である包埋枠状基体(ユニット1)の内部に設置位置を持たないで外壁外側面上に設置または記載・印字された前記データ記載部或いはデータ記録部をも保護する、前記(ユニット3及び5)の蓋体と一体的に成形されたデータ記録部保護板付き蓋体(ユニット3またはユニット5)或いはユニットとしては独立して成形されていて前記包埋枠状基体(ユニット1)の外側面に設置されたデータ記載部・ICチップを含むデータ記録部を保護または該包埋枠状基体(ユニット1)の周囲に付着する包埋剤のバリの付着防止或いは簡単除去する機能を持つ、前記5種ユニットの構成体ユニットとはまた独立した別の機能性の補助ユニット的存在である板状枠保護器具の存在が必要である。
・ 更にまた、前記5種類のユニットの構成体ユニットとはまた独立した機能性構成体補助ユニット的な位置に在るが、上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁最上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)と挿入嵌合掛け止めできる、前記5種類のユニットの構成体ユニットとはまた独立した別の機能性の補助ユニット的存在である包埋皿用ステンレス製底部は前記底部(ユニット4)と似ているが、液漏れのない閉鎖面で成形されている容器状底部であり、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて非通液性の閉鎖面で形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した非通液性の閉鎖面で形成した容器状底部であり、該鍔状平面を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上に或いは前記上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて突設された凸状平面上に掛け止め嵌合設置して、該非通液性金属製容器状底部が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持つ皿状底部の2ユニットシステム複合構成体で構築されるバリ無し包埋皿である。
・ 即ち、前記5種類の構成体ユニットに加えてその2種類の補助ユニットである包埋枠状基体(ユニット1)に挿入・嵌合・掛け止め出来るユニットシステム複合構成体から構築される種々のバリエーションを持つバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体であるからである。
【0020】
また、このユニットシステム複合構成体の中心ユニット1である前記包埋枠状基体とは独立したユニットである多孔通液性容器状底部(ユニット2)から構築される所謂カセット多孔通液性底部において、前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)は前記包埋枠状基体の上側開口部から下側開口部に抜ける貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できる試料収納部で少なくとも底面に多孔通液孔を形成した試料収納部と、該試料収納部の開口部外周面に前記包埋枠状基体の上側開口部外周の上端面上に掛け止め設置して下側に該試料収納部が抜け落ちない構造である鍔状外周凸状面を形成している。
【0021】
または、このユニットシステム複合構成体の中心ユニット1である前記包埋枠状基体に該包埋枠状基体(ユニット1)とは独立したユニットである多孔通液性容器状底部(ユニット2)を収納掛け止め設置して構築される所謂前記カセット多孔通液性底部において、該カセット多孔通液性底部の構成ユニット2である前記多孔通液性容器状底部の試料収納部で少なくとも底面に多孔通液孔を形成した試料収納部を前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側開口部から下側開口部に抜ける貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合し、該多孔通液性容器状底部(ユニット2)の開口部外周面に成形された前記鍔状外周凸状面を、前記包埋枠状基体の上側開口部に連なる貫通孔部内壁の内側に向けて突設された凸状面に掛け止め設置して、前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側に該試料収納部が抜け落ちない構造である鍔状外周凸状面を形成しても良い。
【0022】
故に、前記包埋枠状基体(ユニット1)と前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の2ユニット構成体により従来と同様の形状・機能を保持した所謂病理組織試料用カセット多孔通液性底部(薄切用ミクロトームのアダプターの固定用掛け止め爪の係止部を持つブロック支持基台)が構築される。
【0023】
故に、前記包埋枠状基体(ユニット1)を介して、該包埋枠状基体と前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の2ユニット構成体からなる所謂多孔通液性底部と、掛け止め嵌合連結する独立した多孔通液性蓋体(ユニット3)の3ユニット複合構成体からなる合体形状が従来の病理組織試料用カセット形状と同様な形状機能を保持する多孔通液性容器である3ユニット複合構成体からなる所謂カセット機能を含む包埋枠状基体籠(薬液処理籠)である。
【0024】
更に、この発明の他の目的は、前記ブロック支持基台に余裕をもってデータを記録するとともに、患者試料採取時からの臨床データを含む記録データが入れ替わりや紛失や不明瞭にならないようにすることであり、それは前回本願発明者が出願した(特願2006−197702)は、通常、薬液処理籠(枠状基体籠)と包埋皿状器具の二役を兼ねた包埋枠状基体籠と多孔籠蓋部が包埋支持剤の保持固定部(ブロック支持基台)でもある底部との複合構成体である3機能1器具3ユニットからなるが、今回の出願は薄切ブロック用支持基台の形状機能を包埋枠状基体籠の多孔籠蓋体或いは底部の形状機能に加えて、バリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体として多孔通液孔を持たない同じ形状の底部(ユニット4)と蓋体(ユニット5)とを成形追加して、前記包埋枠状基体を介して掛け止め嵌合して固定移送容器の機能をも追加することによるユニットシステム複合構成体系の多様な連結によって更に多くの相乗的機能性を上げたことである。
【0025】
更にまた、このユニットシステムにおいて中心的機能を担う包埋枠状基体(ユニット1)と多孔通液性容器状底部(ユニット2)と多孔通液性蓋体(ユニット3)とユニット2の同形状の多孔通液孔の無い容器状底部(ユニット4)とやはりユニット3と同形状の多孔通液孔の無い蓋体(ユニット5)と(ユニット3及び5)の前記蓋体と一体的に成形されたデータ記録部保護板付き蓋体或いは補助ユニットとして独立して成形されていて、前記包埋枠状基体(ユニット1)外壁外側に設置部位を備えた場合の該包埋枠状基体(ユニット1)のデータ記載部・ICチップを含むデータ記録部を保護、または該包埋枠状基体(ユニット1)に周囲に付着する包埋剤のバリの付着防止或いは、簡単除去する機能を持つ板状枠保護器具を追加して5種類のユニット複合構成体と1種類の補助ユニットから構築されるバリ無しユニットシステム包埋枠状基体系の連結システムにすることである。
【0026】
更にまた、前記5種類のユニットの構成体ユニットとはまた独立した機能性構成体補助ユニット的な位置に在るが、前記ユニットシステムにおいて中心的機能を担う包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて非通液性の閉鎖面で形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した非通液性の閉鎖面で形成した容器状底部であり、該鍔状平面を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上に或いは前記上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて突設された凸状平面上に掛け止め嵌合設置して、該非通液性金属製容器状底部が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持つ皿状底部の2ユニットシステム複合構成体で構築されるバリ無し包埋皿を追加して5種類のユニット複合構成体と2種類の補助ユニットから構築されるバリ無しユニットシステム包埋枠状基体系の連結システムにすることである。
【発明の効果】
【0027】
前記2ユニット構成体の独立した前記包埋枠状基体(ユニット1)の深さ(外壁の高さ)を従来のブロック試料カセット薄切用ミクロトームのアダプターの薄切用ブロック支持基台(カセット基台)の固定用掛け止め爪に掛かる位置になるように一定にしておけば、
前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の深さや前記標本薄切用ミクロトームの従来の該カセット固定用アダプターの固定用係止爪に相当する幅手と異なる長手方向に変化させても、
前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)と該多孔通液性容器状底部が掛け止め嵌合できる上側から下側への開口部に貫通孔部を備えた前記包埋枠状基体(ユニット1)とから構築されるカセット多孔通液性底部は前記カセット固定用アダプターの固定用掛け止め爪に一致する係止部が在り、
前記アダプターの固定用掛け止め爪に固定出来る深さと広さの大きな2ユニット構成体からなる所謂病理組織試料用カセットの多孔通液性底部が自由に成形できることである。
【0028】
故にまた、前記薄切ブロック用支持基台でもある前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の形状を逆に浅く成形した底部にすれば、薄切完了後ブロック試料の該ブロック試料の保管管理時のブロック試料の前記薄切ブロック用支持基台でもある底部を薄切時のポジションを表裏替えることによって、該薄切ブロック用支持基台上の試料包埋側を前記包埋枠状基体内部に収納して、前記ブロック試料の形状形態の厚さが約半分近くに小型化出来、該ブロック試料の収納スペース省力化とブロック試料の確実な保管・管理が本願発明者の前出願(特願2006−197702)と同様に保証できる機能を維持・付加できることである。
【0029】
即ち、今回の発明は、前記包埋枠状基体(ユニット1)を介して構築構成される底部と蓋部からなる前記固定移送容器の役割機能が追加されることで、前記5種類の構成体ユニットのユニット複合構成体から構築されるユニットシステム包埋枠状基体構成体の種類とユニット独立による形態機能変化を分類すると;
1)前記包埋枠状基体(ユニット1)と非通液性の容器状底部(ユニット4)と非通液
性の蓋体(ユニット5)との3ユニット複合構成体からなる試料の固定移送容器と
2)前記包埋枠状基体(ユニット1)と多孔通液性容器状底部(ユニット2)と多孔通
液性蓋体(ユニット3)との3ユニット複合構成体からなる従来の病理組織試料用カセット(薬液処理籠)の機能を担う包埋枠状基体籠と
3)前記包埋枠状基体(ユニット1)と多孔通液性容器状底部(ユニット2)との2ユニット複合構成体からなる前記病理組織試料用カセットの底部の機能を担う包埋支持剤の包埋ブロック試料の支持基台と
4)前記包埋枠状基体(ユニット1)の形状機能の一つである薄切時のアダプター掛
け止め係止部位の病理組織試料用カセット底部と一体化した独立機能と
5)前記包埋枠状基体(ユニット1)と多孔通液性容器状底部(ユニット2)との2ユニット複合構成体からなるブロック支持基台の薄切時のアダプター掛け止め係止部位の独立機能(ユニット1)によって可能になった、前記薬液処理籠である病理組織試料用カセットの試料収納スペースの拡大の機能と
6)前記包埋枠状基体(ユニット1)と容器状多孔通液性底部(ユニット2)との2ユニット複合構成体からなるブロック支持基台の薄切時のアダプター掛け止め係止部位の独立機能(ユニット1)によって可能になった、薄切完了後のブロック試料の小型化収納機能と
7)枠状基体(ユニット1)の独立によって可能になった包埋枠状基体からなる包埋
皿状器具の7形態を果たすユニットシステム複合構成体と成るが、更に、前記5種類の構成体ユニットのユニットシステム複合構成体で構築されるユニットシステム包埋枠状基体構成体の一つである前記包埋枠状基体籠(薬液処理籠)ともう一つのユニットシステム包埋枠状基体構成体である前記固定移送容器の共通の掛け止め嵌合器具(共通・連結形成体ユニット)でもある該包埋枠状基体(ユニット1)に、臨床側で試料採取され収納された患者試料の固定移送容器の記載・印字或いは挿入・設置された記載データ或いはデータ記録部を通して伝達されてきた患者試料データや臨床データを
8)標本作製時の包埋枠状基体籠(薬液処理籠)に確実に伝達・連結するデータ記
録部伝達体(メッセンジャー)としての機能形態を加えて8機能形態となるユニットシステム複合構成体系の各種機能の相乗効果による機能拡大で、それら病理試料の採取から標本作製と診断・報告と各種試料データ伝達から保管管理検索作業工程間での各種コストをより下げて、且つ患者試料データの確実な伝達・連結と作業現場の精度管理を保証して作業性を向上させることを目指すことができる。
【0030】
更にまた、前記バリ無しユニットシステム包埋枠状基体系の連結システムの中心的機能を担うユニット1である包埋枠状基体側からその機能性を見ると、
1)前記5種類の構成体ユニットである他の4種類の構成体ユニットの各々を互い
に嵌合・連結させて1個の機能構成体容器を構築させる、例えば連結形成体の役目をなす、このユニットシステムで中心的機能を担っている。
2)その機能構成体容器の一つは、従来の病理組織試料用カセットの機能を持つ、
試料の薬液処理籠(包埋枠状基体籠)であり、このユニット構成体は包埋枠状基体(ユニット1)を介して互いに嵌合・連結する多孔通液性容器状底部(ユニット2)と多孔通液性蓋体(ユニット3)の3ユニット複合構成体容器である。
3)該病理組織試料用カセットの機能の重要機能であるブロック試料の薄切時の前
記カセットの固定用アダプターの掛け止め爪の係止部位を担う機能も持っている。
4)故に、底部の深さを自由に変化させても、前記病理組織試料用カセットのブロッ
ク試料の薄切時の前記カセットの固定用アダプターの掛け止め爪の係止部位の係止位置は同じである。
5)機能構成体容器のもう一つは、試料の固定移送用容器としての機能構成体容
器である。このユニット複合構成体は包埋枠状基体(ユニット1)を介して互いに嵌合・連結するユニット2と同形状の多孔通液孔の無い容器状底部(ユニット4)とユニット3と同形状の多孔通液孔の無い蓋部(ユニット5)の3ユニット複合構成体容器で、その内容積は前記多孔通液孔の無い容器状底部(ユニット4)の深さを替えるのみで変化するのである。
6)前記二つの機能構成体容器の各底部と蓋部は、前記バリ無しユニットシステム
包埋枠状基体系の連結システムの中心的機能を担うユニット1である包埋枠状基体を介して互いに嵌合・連結しており、該機能構成体容器は前記固定移送用容器と従来の病理組織試料用カセットの機能を持つ試料の薬液処理籠(包埋枠状基体籠)である。互いの機能構成体容器の共通の連結形成体である包埋枠状基体には、例えば臨床側での採取試料の患者試料データの記載部やICチップやバーコードや二次元データコード等のデータ記録部設置部位が成形されている。
7)前記二つの機能構成体容器共通の連結形成体である包埋枠状基体は、臨床
側での採取試料の固定移送容器の構成ユニットに使用され、該連結形成体である包埋枠状基体のデータ記載部やデータ記録部に臨床側患者試料データが記録されて、検体(前記試料の固定移送容器とその検査依頼書データ)として移送されてきて、更に病理標本作製・検査側の受付・切り出し時には検査側データが該嵌合・連結形成体(オルガナイザー)であり情報伝達・連結体(メッセンジャー)である包埋枠状基体のデータ記載部やデータ記録部に伝達・連結結合記録されて、前記固定移送容器のユニット複合構成体の一部である容器状底部内から取り出された試料は、同じ前記固定移送容器のユニット複合構成体の一部であり、嵌合・連結形成体である包埋枠状基体を介して新しく構築された従来の病理組織試料用カセットの機能を持つ試料の薬液処理籠(包埋枠状基体籠)に収納移されて標本作製される。故に、従来のカセットを使用して生検試料を運ぶ時点での前記カセットの固定液による汚染を防ぎ、別途用意されていた容器の必要性を無くして、時間的・器材的なコストの削減と医療廃棄物の削減を実現した。
8)更に、臨床側で患者から採取されて固定移送容器で移送されてきた固定試料
の患者試料データは、前記二つの機能構成体容器共通の嵌合・連結形成体でありデータの伝達・連結体ある包埋枠状基体(ユニット1)のデータ記載部やデータ記録部を介して確実に連結結合記録されて、試料の入れ違いや紛失を防止できる。
9)更にまた、前記二つの機能構成体容器共通の嵌合・連結形成体である包埋枠
状基体を介して構築された包埋枠状基体籠の薄切ブロック用支持基台でもある多孔通液性容器状底部(ユニット2)の底部を浅く成形すれば、薄切完了後のブロック試料の該薄切ブロック用支持基台でもある多孔通液性容器状底部(ユニット2)の底部を表裏逆にして試料側を前記包埋枠状基体内部側に収納して、更に使用済みの多孔通液性蓋部(ユニット3)で前記病理組織試料用カセット(包埋枠状基体籠)の開口部を閉じれば、その患者試料の保管は完璧になり且つ保存ブロック試料の厚さは従来のブロック試料の半分近くに小型化されて、ブロック試料の保存倉庫の省スペース化を実現させ、現在廃棄している蓋部の重要な機能性が見直されて医療廃棄物の削減につながる。
10)更にまた、前記包埋枠状基体(ユニット1)は、前記包埋枠状基体籠(病理組織
試料用カセット)の薄切ブロック用支持基台でもあり、前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の多孔通液性試料収納底部を挿入嵌合できる、上側開口部から下側開口部に抜ける貫通孔部を成形していて、前記多孔通液性蓋体(ユニット3)と嵌合・連結して3ユニット複合構成体容器である前記病理組織試料用カセットを構築する、独立した3つの構成ユニットの中の中心的なユニットであり、ユニットシステム共通の嵌合・連結形成体(オルガナイザー)である。
また、該病理組織試料用カセット内に収納された試料の固定・脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透等の薬液処理籠の機能を担う工程で液状包埋剤が周囲に付着している前記包埋枠状基体籠(病理組織試料用カセット)の試料の包埋作業では、前記包埋枠状基体の薄切ブロック用支持基台でもある前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)を包埋枠状基体の前記貫通孔部に合わせまたは先端の一部を嵌合挿入するか、または包埋皿用ステンレス製底部と嵌合・連結する合成樹脂製の上部包埋枠状基体の上端面を鋭角に成形して、且つ前記包埋枠状基体籠(病理組織試料用カセット)の底部と水密嵌合する形状に成形して、該包埋枠状基体の内壁と前記包埋皿用ステンレス製底部の鍔状平面で構成される凹状2角面で前記包埋枠状基体籠(病理組織試料用カセット)の外側壁と底部で構成される凸状2角面を覆い抑える様に嵌め込み包埋すると、本発明者が既に発明出願している全体が金属一体性の包埋皿より水密嵌合性がより良くなり、包埋皿の底部からのカセット周囲への浸出がなく、またカセット周囲の液状包埋剤は前記包埋枠状基体籠(病理組織試料用カセット)の外周側面から流れ落ちて、よりバリのない包埋作業ができる。この時、合成樹脂での一体成形では熱の伝導性が悪く奨められない。
【0031】
更にまた、この発明は、前記包埋枠状基体を介して前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)は前記包埋枠状基体の上側開口部から下側開口部に抜ける筒状孔部に脱着自在に挿入嵌合できる試料収納部で少なくとも底面に多孔通液孔を形成した試料収納部と、該試料収納部の開口外周部に前記包埋枠状基体の上側開口部外周の上端面上に掛け止め設置して下側に該試料収納部が抜け落ちない構造である鍔状外周凸状面とで挿入嵌合掛け止めされており、前記包埋枠状基体(ユニット1)と前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)の2ユニット構成体から従来と同様な前記多孔通液性底部(薄切用ミクロトームのアダプターの固定用掛け止め爪の係止部を持つブロック支持基台)が構築され、該病理組織試料用カセットの多孔通液性底部に前記多孔通液性蓋部(ユニット3)が脱着自在に掛け止め連結することで構築された3ユニット複合構成体であるユニットシステム包埋枠状基体多孔通液性容器は従来の所謂病理組織試料用カセットの同様の外形形状で、従来のマイルス社が初めて発表した薬液処理籠と薄切用ブロック支持基台の機能形態をも保持できるユニットシステム包埋枠状基体多孔通液性容器である。
【0032】
これは、現在使用されている病理組織試料用カセットである薬液処理籠の外形の形状は標本の作製現場で多く使用されている標本作製機器や作業工程システムと作業者の慣れに係わる問題から安易に変更すべきではないが、その形状を維持した範疇での機能性・便利性を発展させることは重要だからである。即ち、従来のマイルス社が初めて発表した標本処理容器(カセット基体)は、試料の薬液処理籠と薄切用ブロック支持基台の二役を兼ねたカセットシステムを中心として提案しているが、今回の発明は前記マイルス社の提案している試料の薬液処理籠と薄切用ブロック支持基台の2機能を兼ねたカセットシステム以外にその外形の形状形態を変更することをせずに、同様な方形形状で前記の2機能の上に8機能を追加して、その機能性の拡大を目指したユニット複合構成体から構築されるユニットシステム包埋枠状基体構成体である。
【0033】
その為には、前記各構成体ユニットのユニット複合構成体から構築されるユニットシステム包埋枠状基体構成体の共通な嵌合・連結形成体ユニット(オルガナイザー)であり、臨床側の試料採取から検体移送・標本作製・標本の診断報告と試料包埋ブロックの保管管理・検索作業工程間で最も重要な患者試料データのデータ記録部伝達・連結体(メッセンジャー)である該包埋枠状基体(ユニット1)の外壁外側面上に設けた設置部位のある記載・印字或いは挿入・設置された記載データ或いはデータ記録部を保護する機能構成体ユニットの存在が必要不可欠である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
この発明に係るユニットシステムに於けるユニットシステム複合構成体からなる中心機能構成体容器は試料データ伝達・連結機能付き通液性バリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体Iである病理組織試料用カセット(包埋枠状基体籠)1と試料データ伝達・連結機能付き非通液性バリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体IIである固定移送容器2は、図1A・Bに示す如くである。
この包埋枠状基体籠1は、従来の病理組織試料用カセット1の機能を持つ試料の薬液処理籠であり、その構築構成外形状は図1Aからも理解されるように従来のカセットの形状を同形状に保つことが出来る。
更に、この構成ユニットは包埋枠状基体9(ユニット1)を介して互いに嵌合・連結する多孔通液性容器状底部7(ユニット2)と多孔通液性面7c を備え該多孔通液性面の外周裏面に前記ユニット2である多孔通液性容器状底部7の試料収納部7aの上側開口部7f に挿入嵌合するリブ3e が形成されている多孔通液性蓋体3(ユニット3)の通液性3ユニット複合構成体容器である。
もう一つの中心機能構成体容器である試料の固定移送容器2も、やはり前記包埋枠状基体9(ユニット1)を介して互いに嵌合・連結するユニット2と同形状の多孔通液孔の無い非通液性容器状底部8(ユニット4)とユニット3と同形状の多孔通液孔の無い非通液性蓋体5(ユニット5)の非通液性3ユニット複合構成体容器である。
【0035】
また、前記包埋枠状基体9(ユニット1)は、図1・2、図8・9、に示す様に上側開口部9l から下側開口部9m に連結した貫通孔部9a と上側開口部外周には開口部を囲む外壁の上端面9b を備えていて、前部の上から下に傾斜したデータ記載面・データ記録部9d を備え、該データ記載部・データ記録部9d 側の前記上端面9b 上には前記包埋枠状基体9の下側底部に通じる3つ連結孔9g・9f・9g が開口している。また、図2A・B と図12、13と図17から図19と図21、22、図24と図30.31に図示している前記包埋枠状基体9(ユニット1)の上側から下側に傾斜したデータ記載部・データ記録部9d の下側で前記包埋枠状基体9(ユニット1)底面に接して、データ記載部・データ記録部の保護板付き蓋体3 or 5の保護板3b or 5b の下部に形成された係止爪3c or 5c と掛け止め係合する係止部9c が成形されていて、前記包埋枠状基体9(ユニット1)の後壁外側には該保護板付き蓋3or 5の後部係止爪3d が掛け止め嵌合する掛け止め部9j (図8から図12と図14から図25)が成形されている。但し、前記図15,16と図18の掛け止め部9j は並列して2カ所に成形した実施例である。更に、図8・図9には前記病理組織試料用カセット1の前部の上から下に傾斜したデータ記載面・データ記録部9d の記載・印字面積を広げる為にデータ記載部・データ記録部上部突設形成面9kを成形しているが、この部位は図12に示す様に成形しない場合にはその代わり、前記データ記載部・データ記録部である傾斜面の上部形状を図15、16と図19、22に示すように、このユニットシステム複合構成体の別の構成ユニットである前記容器状底部(ユニット2及びユニット4)の鍔状外周凸状面(7bと8b)の前部を傾斜状先端に成形することが好ましい。
また、説明図7に示した斜面図は前記2ユニット複合構成体容器の構成ユニットである包埋枠状基体9(ユニット1)と多孔通液孔の無い非通液性容器状底部8(ユニット4)2つの構成ユニットの説明図であるが、図7のA、C、Eは前記包埋枠状基体9(ユニット1)の上側開口部から下側開口部に抜ける貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合し、該非通液性容器状底部8(ユニット4)の開口部外周面に成形された前記鍔状外周凸状面8b を、前記包埋枠状基体9(ユニット1)の上側開口部9l に連なる貫通孔部 9a 内壁の内側に向けて突設された凸状面9h に掛け止め設置して、前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側に該試料収納部が抜け落ちない構造である鍔状外周凸状面8b を形成したユニットシステムの他の実施例の形状説明図である。
【0036】
更に図1から図7と図24から図29に示す様に、データ記載部・データ記録部9d でもある前記病理組織試料用カセット1の構成ユニット1である前記包埋枠状基体9の両側の前部側壁外側と後壁外側には、前記データ記載部・データ記録部9d を保護し且つ包埋時における包埋支持剤のバリの発生防止と簡単除去を主目的にした独立した保護枠板状器具4の前部両側掛け止め固定部4b を掛け止め嵌合する両側の係止嵌合凹部9eと、前記板状枠保護器具4の後部板状枠4fの嵌合係止凸部4gの係止嵌合凹部9eが成形されている。
【0037】
また、前記包埋枠状基体9の前記両側の係止嵌合凹部9eは図1から図3に図示した前記保護板付き蓋体ではなく図55のD・Eに図示した様な保護板付き蓋3 or 5の後部係止爪3d が掛け止め嵌合する掛け止め部9j ではない、前部嵌合部係止部を該蓋体の前部両側に対称的に底部側に突設して両内側に突設した係止嵌合凸部 3c or 5c を成形して、前記枠状基体9である病理組織試料用カセット1底部両側壁外側に成形された係止嵌合凹部9e との間で挟持して、前記2ユニット複合構成体容器からなる底部の包埋枠状基体9の後部係止部9j との間で前記底部を形成した枠状基体9である病理組織試料用カセット底部でもある上側開口部7f に脱着自在に嵌合・連結する機能も持っている。
【0038】
即ち、図1A・Bと図2A・Bと「0033」から「0036」の説明からも容易に理解される様に、前記包埋枠状基体籠1である病理組織試料用カセット1と固定移送容器2は共に共通の嵌合・連結形成体である前記包埋枠状基体(ユニット1)9を介して互いに嵌合・連結する同じ形状の容器状底部(ユニット2)7と容器状底部(ユニット4)8と同形状の蓋体(ユニット3)3と蓋体(ユニット5)5との3ユニット複合構成体容器であるので、その違いは多孔通液性容器であるか、底面が多孔通液性でない密閉容器であるかの違いのみであり、それ以外の部分形状や嵌合・連結構成体の形状は全て同一であり、従来の病理組織試料用カセットの外形形状を保持することが出来ている。よって以下の説明は多孔通液性ユニット構成体の説明記号を用いて説明する。非通液性ユニット構成体の記号は説明図の中に並列して記載している。
【0039】
データ記載部・データ記録部:
従来の病理組織試料用カセットは画一化された形状でその機能も試料の薬液処理とブロック基台の二機能であり、ある程度の試料の混入を抑えて合理的な標本作製作業を促進して来た。しかし、患者試料の採取・移送中から検体の受付・標本作製中の試料紛失や患者データの取り間違え事故に対する防止や責任確認システムの提案はされていない。
この発明は、この作業者のデータ転記や試料混入・紛失等のイージーミスを防止して自動化・省力化を主眼にした発明であり、その対策上今回のユニットシステム複合構成体から構築されるバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構造体からなるユニットシステムカセット系の中心機能を担う構成ユニットが前記包埋枠状基体9(ユニット1)で、該包埋枠状基体9(ユニット1)が臨床側での採取試料の移送・薬液処理・薄切標本作製・ブロック試料等のデータ保管管理・検索作業工程において、その工程に係わる容器器具の共通な嵌合・連結形成体(オルガナイザーユニット)であり、患者試料データのデータ記録部伝達・連結体(メッセンジャー)器具であるならば、そのデータ記載部やデータ記録部の設置方法と設置部位は重要課題である。
そこで、例えばこの医療行為の中での病理学的組織検査工程で現在使用されまたは将来活用されると思われるデータの伝達方法には、(1)人間による手書きデータと(2)バーコードや二次元データコードと(3)ICチップが当面主流と考えられる。
【0040】
バーコードや二次元データコードの設置部位:図2、図3、図5、図7から図13、図15から図25に示す様に前記包埋枠状基体9においては、一般的に該包埋枠状基体9の前部の上から下に傾斜したデータ記載部・データ記録部9d か両側壁の外側に直接印刷またはラベル6に印刷して貼るかが考えられるが、従来の病理組織試料用カセットでの直接印刷の場合には、その印字機が高価であり、また多くの桁数を読まない事やカセットの色によってはリーダーが識別しない弱点が報告されている。それ故に、本願発明者は、前記包埋枠状基体9のデータ記載面9d か両側壁の外側にラベルプリンターで印刷したバーコードや二次元データコードラベルを貼って、図1から図3、(図22、図24は拡大図)に示すように保護板付き蓋体3 or 5の保護板3b or 5b でバーコードラベル6の表面を前記包埋枠状基体9の前部の上から下に傾斜したデータ記載部・データ記録部9d の面との間で抑え保護している。図22と図23,24からも理解できるように本願発明の前記包埋枠状基体(ユニット1)9を介して互いに嵌合・連結する多孔通液性容器状底部(ユニット2)7と多孔通液性蓋体(ユニット3)3の通液性3ユニット複合構成体容器で構築された包埋枠状基体籠1である病理組織試料用カセット(図22)の形状は従来の病理組織試料用カセット(図24)の形状と殆ど同形状である。
故に本願発明者はまた、病理組織試料用カセットの形状を保持した3ユニット複合構成体容器で構築された包埋枠状基体籠1の形状に嵌合・連結して、前記蓋体(ユニット3または5)とは独立した図1から図6と図25から図29と図32に示した板状枠保護器具4を嵌合掛け止め部9eを使用して掛け止めて、前記ラベル表面を抑え保護して薬液等の浸透浸襲や物理的力による剥離を防止して、且つ、ラベル表面の汚れを防止することをも提案発明している。
特に、図4Bと図5,6に図示した前記保護板付き蓋体でない従来の形状の保護板を成形していない蓋体(ユニット3)3の前部舌状突起嵌合部3eを包埋枠状基体(ユニット1)9と多孔通液性容器状底部(ユニット2)7を互いに嵌合・連結した2ユニット複合構成体から構築された病理組織試料用カセットである前記枠状基体(ユニット1)9の連結孔9fと前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)7の切り欠け部7dで構成された掛け止め孔に、前記保護板を成形していない蓋体の前部舌状突起嵌合部3eを挿入して、嵌合・連結して構築された3ユニット複合構成体容器からなる病理組織試料用カセットには該病理組織試料用カセットの外壁である前記包埋枠状基体(ユニット1)9の全外側周面を保護する図25と図27、28に図示した前記板状枠保護器具4が有用である。図32Aは前記病理組織試料用カセットの傾斜部以外のデータ記載部・データ記録部である側面を保護する板状枠保護器具4であり、図32のB、Cはデータ記載部・データ記録部の傾斜データ面のみを保護する補助器具であり、この図32Cの4eは前記板状枠保護器具4を不透明な素材で成形した場合の目視データ用窓口である。また、図33の保護板を形成いていない蓋体3と嵌合・連結する連結部4j を形成した前記板状枠保護器具4を示していて、図25C、Dは前記病理組織試料用カセットの外壁である前記包埋枠状基体(ユニット1)9の外側側面に成形されたICチップ設置部位を兼ねた、前記板状枠保護器具4の前部両側掛け止め固定部4bを掛け止め嵌合する、係止嵌合凹部9eを説明しており、4aは前記包埋枠状基体(ユニット1)9のユニット構成体をその中に含む前記病理組織試料用カセットの外壁の厚さより前記蓋体(ユニット3)3の分だけ高く出ている、前記板状枠保護器具4の脱着時の指掛け部4aで(図示された板状枠保護器具4は病理組織試料用カセットの外壁外側と係止嵌合凹部9e の設置部位に設置されたICチップとの関係を示すために透明体として図示して)ある。また、図26から図27と図28のB、C は前記病理組織試料用カセット1の底部の後壁面の係止嵌合凹部9eと前記板状枠保護器具4の後部板4fの掛け止め固定部4gの嵌合・掛け止め関係と前記板状枠保護器具4の弾力を利用して脱着自在にするための板状枠保護器具4の分離切断部4hとその種々の基本形状を示し、図28Aと図29は前記病理組織試料用カセット1の底部の側壁面前部係止嵌合凹部9e と前記板状枠保護器具4の前部掛け止め固定部4bの嵌合・掛け止め関係とその種々な形状を側面側から示した図である。
その他のユニットシステム構成体では図1B、図2B、図5B、図6B、図7B・D・Fに示すように多孔通液孔の無い容器状底部(ユニット4)やユニット3と同形状の多孔通液孔の無い蓋体(ユニット5)の外側にデータ記載・バーコードや二次元データコード印字ラベル6を貼るのも有用と思われる。この場合患者属性5fや患者ID番号4cの手書きデータ5e・でも有用である。
【0041】
ICチップ10の設置部位11:については図17A、B、C、D図18A、B、図19、図20、図21A、B、Cから図22A、B、C、図23A、図24、A、B、C、図25A、B、C、D、図30A、Bから図31A、B、C、D、に種々示しているが、図17C、DのX−X断面である図17A、Bと図20の拡大図に示す如く前記包埋枠状基体9の貫通孔部9aの前部と該データ記載部9dの裏側の3つの連結孔9g・9f・9gの両側9gを仕切る仕切壁の連結孔側に突設成形されたICチップ抑え支持部9nと前記傾斜したデータ記載面9dの裏面とでICチップ10を挟み込む形状のICチップの設置部位11を成形することを最良と考えていて、図21A、B、Cと図30A、Bに図示している様にICチップの脱着は図30A、Bに示すように指13と楊枝12で簡単に実行することができる。その他、種々な設置部位11を図31A、B、C、Dに示しているが、ICチップ10の電波信号が届く距離は長いほど高価であり、特にICチップと信号のリーダー(読み取り機)との間に遮蔽物が厚く存在しない方がICチップの感度を低下させない事を考慮に入れ、且つ目視情報や他のバーコードや二次元データコード等との照合と伝達・関連作業上データ記載部・データ記録部9d の距離は近い方が良い。
【0042】
前記バリ無しユニットシステム包埋枠状基体構造体を構築するユニットシステム複合構成体の一単位(ユニット2)である多孔通液性容器状底部7は図2Aに示す様に前記包埋枠状基体9の上側開口部9l から下側開口部9m に抜ける貫通孔部9a に脱着自在に挿入嵌合できる試料収納部7c で少なくとも底面に多孔通液孔を形成した試料収納部7c と、該試料収納部7a の開口部7f 外周部に前記包埋枠状基体9の上側開口部9l外周の上端面9b 上に掛け止め設置して下側に該試料収納部7が抜け落ちない構造である鍔状外周凸状面7b を形成していて、前記包埋枠状基体9(ユニット1)と多孔通液性容器状底部(ユニット2)7の2ユニット構成体から構築された機能構成体容器が従来の病理組織試料用カセット1と同形状の多孔通液性底部を成し、前記保護板を一体的に成形しないで従来のカセット蓋の形状に成形した前記多孔通液性蓋部3の掛け止め部3e を図5Aと図6Aに示す様に該多孔通液性底部の連結孔9fに差し込み、更に該多孔通液性蓋部3の後部に成形した係止爪を、前記従来の病理組織試料用カセットと同形状の多孔通液性底部を構築している前記包埋枠状基体9(ユニット1)の後壁に成形してある係止部9j に掛け止め嵌合する時に必要な、前記多孔通液性底部の連結孔9fに対応合致する該多孔通液性容器状底部の試料収納部の開口部7f外周部に形成された鍔状外周凸状面7b の前面の切り欠け部7d の成形が、該多孔通液性容器状底部(ユニット2)7の基本形状である。その他の容器状底部(ユニット2)7の試料収納部の開口部7f 外周部に形成された鍔状外周凸状面7b に成形された切り欠け部は図10に示したICチップ収納部11に繋がる切り欠け部7eと前記病理組織試料用カセットと同形状の多孔通液性底部を構築している前記包埋枠状基体9(ユニット1)の後壁に成形してある係止部9jを容器状底部(ユニット2)7の試料収納部の開口部7f から見えるように成形したもので、必ず必要な成形部ではない。また、保護板付き蓋体のみで前記病理組織試料用カセットと同形状の多孔通液性底部に脱着自在蓋をするのであれば、図11A、Bに示すように一切の切り欠け部の必要もなくなる訳である。
【0043】
しかし、今回発明のユニットシステム複合構成体ユニットの中心的機能を担う、共通の嵌合・連結形成体である包埋枠状基体9(ユニット1)を介さないでも、ユニット2である容器状底部7とユニット3である蓋体3同士でも互いに軽く嵌合・連結できる機能を加える場合には、説明図34A、B、Cに示した前記包埋枠状基体9(ユニット1)に嵌合・係止するユニット3である蓋体3の係止爪3c、3d 以外の容器状底部用係止爪3gを成形して、更に前記ユニット2である容器状底部7の鍔状外周凸状面7bの所定の箇所に前記蓋体3の蓋体用係止爪3gに対応する嵌合部が前記切り欠け部7eと後部に切り欠け部を成形することで形成された凸状部7gである。
【0044】
図34Aは、前記共通の嵌合・連結形成体である包埋枠状基体9(ユニット1)を介さないでも、ユニット2である容器状底部7とユニット3である蓋体3同士でも互いに軽く嵌合・連結できる機能である前記容器状底部7(ユニット2)に対応した前記係止爪3g成形した場合の前記蓋体3(ユニット3)とから構成された前記3ユニット複合構成体で構築された病理組織試料用カセットを上から見た平面図であり、図34Bは該病理組織試料用カセットを後ろから見た後面図であり、図34CはI−IとII−IIとIII−III線上の縦断面図である。この説明図からも理解されるように、この説明図では前記蓋体3(ユニット3)に成形された係止爪は、前記包埋枠状基体9(ユニット1)用係止爪である前側の係止爪3c(1個)と後側の係止爪3d(2個)の計3個であり、それに対して前記容器状底部7(ユニット2)に対応した係止爪は前側の係止爪3g(2個)と後側の係止爪3g(1個)の計3個の計3個であるが、説明図は無いないが、その前記蓋体3(ユニット3)に成形された係止爪設置位置と数を、前記包埋枠状基体9(ユニット1)用係止爪である前側の係止爪3c(1個)と後側の係止爪を中央の前記容器状底部7(ユニット2)に対応した係止爪3gの位置に移動して係止爪3d(1個)の計2個にして、前記容器状底部7(ユニット2)に対応した係止爪を前側の係止爪3g(2個)と後側の係止爪を前記包埋枠状基体9(ユニット1)用の両側の係止爪3g(2個)の位置に2個設置形成して計4個に変更してもよい。
【0045】
以下の図35から図38の説明図は、包埋枠状基体9(ユニット1)用係止爪である前側の係止爪3c(1個)と後側の係止爪3d(2個)の計3個であり、それに対して前記容器状底部7(ユニット2)に対応した係止爪は前側の係止爪3g(2個)と後側の係止爪3g(1個)の計3個の計6個を形成した説明図である。また説明図34のCに図示した容器状底部7(ユニット2)の前記蓋体3(ユニット3)に成形された係止爪に対応する前記容器状底部7(ユニット2)の試料収納部の開口部7f外周部に形成された鍔状外周凸状面7bの嵌合掛け止め部は図22の拡大図22Cに図示した容器状底部7(ユニット2)の鍔状外周凸状面7b の先端側の切り欠け部7eの下部のように若干傾斜していることが望ましい。
【0046】
図39は今回発明の基本部分の機能形態は全て持っているが、その外形状は箱型でデータ記載部・データ記録部が傾斜面に成形していない、病理組織試料用カセットの実施例のユニットシステム複合構成体である3つの構成ユニットである箱型包埋枠状基体19(ユニット1)と多孔通液性容器状底部20(ユニット2)と多孔通液性蓋体17(ユニット3)のユニットシステムである。
この説明図での多孔通液性蓋体17(ユニット3)の箱型包埋枠状基体19(ユニット1)と嵌合・連結する係止爪17c は、説明図1、2と同様に、今回の発明の基本機能形態である多孔通液性容器状底部20(ユニット2)を挿入・連結形成体である前記包埋枠状基体19(ユニット1)装着した2ユニットシステム複合構成体である所謂病理組織試料用カセット底部の外壁を構成する前記包埋枠状基体19(ユニット1)の掛け止め係止部19j する機能形態であり、その設置部位は3カ所に係止爪17c を成形している。
【0047】
説明図40は図39の基本形ではなく、ユニットシステム複合構成体である3つの構成ユニットである多孔通液性蓋体17(ユニット3)は図40のA、B、C で包埋枠状基体19(ユニット1)は図40のD、E、Fで多孔通液性容器状底部20(ユニット2)は図40のG、H、I であり、各々縦断面図、側面図、平面図の対応している。
前記多孔通液性蓋体17(ユニット3)は図40のA、B、C からも理解されるように図39の基本形ではなく、係止部が2種類(17bと17c)各々3カ所で6カ所に成形されている。これは、前記「0043」「0044」で説明した図34から図38の前記共通の嵌合・連結形成体である包埋枠状基体19(ユニット1)を介さないでも、ユニット2である容器状底部20とユニット3である蓋体17同士でも互いに軽く嵌合・連結できる機能である前記多孔通液性容器状底部20(ユニット2)に対応した前記係止爪17b (3カ所)とこの2ユニットシステム複合構成体を前記包埋枠状基体19(ユニット1)に嵌合・連結する前記包埋枠状基体19(ユニット1)に形成された係止部19j と係合する前記係止爪17c を備えている形状である。その他の形状機能は、前記「0045」の図39の構成ユニットと同じであるが、図39のFとIとに示すようにICチップの設置部位11が成形されている。
【0048】
図41の図41Aは図40の各構成ユニットで構成された3ユニットシステム複合構成体である箱型病理組織試料用カセットであり、外側面には二次元データコードラベル6が貼られている。図41Bは、前記箱型病理組織試料用カセットの縦断面図であり、図41Cは前記箱型病理組織試料用カセットの構成ユニットの多孔通液性蓋体17(ユニット3)と多孔通液性容器状底部20(ユニット2)を非通液性蓋体18(ユニット5)と非通液性容器状底部21(ユニット4)の変更した前記箱型病理組織試料用固定移送容器の縦断面図である。
【0049】
図42は図14と図26の説明図と同様に、前記箱型病理組織試料用の3ユニットシステム複合構成体の両短面側の掛け止め係止部とその係止嵌合関係を示している。前記蓋体17 or 18(ユニット3 or 5)の係止爪17b or 18b は前記容器状底部20or 21(ユニット2 or 4)の鍔状外周凸状面20b or 21b の係止部20g or 21g に対応係合しており、前記蓋体17 or 18(ユニット3 or 5)の係止爪17c or 18c は前記包埋枠状基体19(ユニット1)の係止部19j に対応係合する。図42Aは前記箱型病理組織試料用の3ユニットシステム複合構成体の各構成ユニットの短面側からの図面であり、図42Bは前記蓋体と他の2ユニットシステム複合構成体の短面側からの図面であり、図42Cは前記3ユニットシステム複合構成体の短面側からの図面である。
【0050】
図43Aは前記箱型病理組織試料用カセットのデータ記載部・データ記録部上に貼られたデータラベルをその上側から抑えて前記データラベルの剥離を防止する一種の保護板付き蓋体(17or 18)であるが、保護板を全面に形成すると直角近くに形成された保護板が蓋体のしなり弾力を阻害して蓋体の脱着嵌合が困難になる。図43Bは前記箱型病理組織試料用カセットの外壁側面上のデータ記載部・データ記録部19dに二次元データコードラベル6を貼った図面であり、データラベル6の剥離を防止する。
【0051】
図44は、[0039]で説明した図26から図29での前記板状枠保護器具4と同様の機能形態であるが、この包埋枠状基体19(ユニット1)の形状が図44A、B、Cに示すように箱型であるのでその形状も箱型に合わせた図44D、E、Fの 形状を保持している。図44のDは前記箱型包埋枠状基体19(ユニット1)と前記の箱型板状枠保護器具22の嵌合構成体を上側から、図44のFは下側から見た図であり、図44のEは前記前記板状枠保護器具22の平面図である。前記箱型包埋枠状基体19(ユニット1)と前記の箱型板状枠保護器具22の嵌合掛け止め部は互いに19eと22g とが成形されていて、前記の箱型板状枠保護器具22には、やはり分離切断部22h が成形されていて脱着自在に嵌合・連結が可能である。また、図44のGは前記箱型板状枠保護器具22の分離切断部22h の成形設置側から見た図であり、図44のHは前記箱型板状枠保護器具22の線対称面を前記分離切断部22h を通る線で半分の形状に切り離した前記箱型板状枠保護器具22の別タイプの板状枠保護器具を示し、図44のI はその短面側から見た図である。
【0052】
図45は、図45A、C は図45Bの短面側から見た前記箱型包埋枠状基体19(ユニット1)を介して嵌合・連結した蓋体17or 18(ユニット3 or 5)と箱型容器状底部20 or 21(ユニット2 or 4)と前記箱型板状枠保護器具22の嵌合・連結したユニットシステム複合構成体であり、図45Aは前記箱型容器状底部20 or 21(ユニット2 or 4)の四方の全面を囲む前記箱型板状枠保護器具22を装着した図であり、図46Cは前記片側半分タイプの箱型板状枠保護器具を装着した図であり、図45Dは前記箱型板状枠保護器具の装着側面側から見た図である。図45E、Fの22c は目視用窓口である。透明は素材例えば帝人化成のペン合成樹脂等で透明な箱型板状枠保護器具を成形すると窓口を成形する必要はない。
【0053】
図46と図47は、今回の発明のユニットシステム複合構成体である(箱型)病理組織試料用カセット1では、包埋枠状基体9 or 19(ユニット1)の形状は従来の薄切機ミクロトームのアダプター底部挟持固定部24に挟持固定されたアダプター嵌合爪に固定挟持される嵌合位置は、前記包埋枠状基体9 or 19(ユニット1)が独立分離されているので、前記ユニット1に挿入嵌合設置された容器状底部の深さや図47のアダプターの係止爪の嵌合幅側でない長手方向への広がりを広げてもアダプターの係止爪に係合する嵌合位置には影響なく変化しないので、特に深さの変更は容器状底部のみの変更で自由に替えられることを示している。
即ち、図53のA、B、C に示すようにこのユニットシステム複合構成体で構築された病理組織試料用カセットの外形形状は従来の一体型底部の病理組織試料用カセットの外形形状を同形にも成形出来ることを図面で証明している。
【0054】
図48と図49では従来の底部の変更が出来ない底部固定成形形式の病理組織試料用カセットに多孔通液孔を成形しない移送容器を挿入・設置することも考えられるが、その広さや深さは非常に狭くまたは浅くしなくてはならず、移送容器としての実用性に限界があり、その他の機能性の広がり変化もないことを説明している。
【0055】
図50と図51と図52は前記蓋体を透明な合成樹脂、例えば帝人化成のペン樹脂等で成形するとその機能性はより向上することを示した説明図である。
【0056】
また、[0051]でも説明している様に、今回の発明のユニットシステム複合構成体の機能構造である病理組織試料用カセットの平面図(図10のB と図18のB)と比較しても解るように、図54の従来の底部一体型成形の病理組織試料用カセットの底部の平面図(図54A)と裏面図(図54B)とデータ記載部・データ記録部である傾斜面の正面図と前記病理組織試料用カセットの底部の斜面図(図54E)と蓋体平面図(図54C)と蓋体裏面図(図54D)と蓋体斜面図(図54F)が前記病理組織試料用カセットの平面図( 図10のB と図18のB )と殆ど変わっていない事を示している。
【0057】
図55は、「0034」と「0036」で既に説明した、病理組織試料用カセットの構成ユニットである包埋枠状基体9への嵌合・連結形式ではない嵌合・連結方法とその係止爪の成形設置位置を図55のA、B、C に示している。
【0058】
図56は、本発明のユニットシステムの構成ユニットは多孔通液性容器の深さは自由に変更できるが、この図56の病理組織試料用カセットは若干試料収納部(多孔通液性容器)7aの深さが深い多孔通液性容器状底部7(ユニット2)を前記包埋枠状基体9(ユニット1)に嵌合・連結して多孔通液性蓋体3(ユニット3)を脱着自在に嵌合・連結した3ユニットシステム複合構成体で構築された病理組織試料用カセットの側面図(図56A)と縦断面図(図56B)であり、この中に試料14が収納されて固定・脱水・脱脂・透徹・包埋剤浸透等の薬液処理作業がされる。
【0059】
図57から図61は、前記「0056」で説明した若干深い試料収納部7aで成形された多孔通液性容器状底部7(ユニット2)で構成された3ユニットシステム複合構成体で構築された病理組織試料用カセットでの包埋方法を説明した図である。
図57は既に今回の発明者が出願している汎用包埋皿31上に、別途同じ形状の3ユニットシステム複合構成体の構成ユニットである包埋枠状基体9(ユニット1)である包埋専用に使用されている包埋枠状基体9を設置して、前記汎用包埋皿31とその上に設置された包埋専用の包埋皿用器具として使用された前記包埋枠状基体9とから構成された包埋皿状底部である試料収納底部に、「0056」で構築されて薬液処理籠として使用された前記病理組織試料用カセット内の薬液処理が既に完了している試料14をピンセット29で収納設置して、その上部開口部から前記試料14の薬液処理作業で使用された該試料14の試料データがデータ記載部・データ記録部が書き込まれている包埋枠状基体9(ユニット1)が構成ユニットとして構築されている前記病理組織試料用カセットの底部から若干下側 開口部の下に凸状出ている多孔通液性容器状底部7(ユニット2)の試料収納部7aの多孔通液面7cを収納・嵌合してコールドプレート28で包埋剤27を冷却固化すると前記液状の包埋剤27は包埋する前記病理組織試料用カセットの底部外周のから流れ落ち、前記病理組織試料用カセットの底部外周には余分の包埋支持剤の溜まる所が無いので包埋剤バリが殆ど付着発生しない。図58は包埋剤の倹約と包埋底部面積を変える包埋底面積調製内枠30を用いての包埋方法であり、図59はその包埋ブロック試料である。
【0060】
図60と図61、図62と図64A、B 図77A、B、Cは、前記汎用包埋皿31も前記包埋底面積調製内枠30も使用しないで、該汎用包埋皿31と該包埋底面積調製内枠30の両方の機能形態を備えている外部設置型包埋皿用底部50を使用している。該外部設置型包埋皿用底部50は前記底部(ユニット4)と似ているが、液漏れのない閉鎖面で成形されている容器状底部であり、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて非通液性の閉鎖面で形成した試料収納部50a と、該試料収納部50aの上側開口部50f 外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面50b を形成した非通液性の閉鎖面で形成した容器状底部であり、該鍔状平面50b を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上9b に掛け止め嵌合設置して、該容器状底部が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持つ皿状底部の2ユニットシステム複合構成体で構築されることを特徴とする包埋皿での包埋作業と包埋器具を説明している。この場合外部設置型包埋皿用底部50はステンレス等の金属製が良好である。
【0061】
更に、この考えを発展させると、図63と図64C、Dの包埋器具が考えられる。これは[0058]の前記外部設置型包埋皿用底部50に代わって内部設置型包埋皿用底部51を構成ユニットとして用いている。該内部設置型包埋皿用底部51の機能・形態は前記外部設置型包埋皿用底部50と殆ど変わっていないが、該内部設置型包埋皿用底部51の試料収納部51aの上側開口部51f 外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面51bの包埋枠状基体35での掛け止め設置嵌合位置が、該包埋枠状基体35の上側と下側の開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて突設された凸状平面35h上にあることが大きな違いである。即ち該内部設置型包埋皿用底部51と前記外部設置型包埋皿用底部50とは殆ど違いは無く、鍔状平面の外周縁の位置も殆ど変わらないが、収納部の形状の多様性や包埋皿用底部の支持部である包埋枠状基体の外部形状や開口部外周の上端面上35bの形状等に工夫を加えることが可能となり、機能性が高い包埋皿であり、この内部設置型包埋皿用底部51とそれと嵌合・連結する包埋枠状基体の2つの構成ユニットからなる2ユニットシステム複合構成体で構築される包埋皿を以下に説明する。
【0062】
この2ユニットシステム複合構成体で構築される包埋皿はバリ無しユニットシステム包埋皿である。図63、図64C、Dと図77のDからR に図示した様に、その構成ユニットは、上部は「上側と下側とに開口部35l・35m を有し、前記上側から下側への開口部35l・35m に連結した貫通孔部35a を備え、上側から下側開口部35l・35mに連結した前記貫通孔部35a の該上側開口部35l の周囲を囲む外壁上部上端面35b に該上端から下側外側に傾斜面35x を形成し、該上側開口部35l に連なる貫通孔部内35a 壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面35h を形成する枠状基体」である合成樹脂製の包埋枠状基体35で構成し、下部は「前記枠状基体35とは分離独立した、閉鎖面で成形されている試料の収納底部を形成した容器状底部であり、前記枠状基体35の上側から下側への開口部35l・35mに連結した貫通孔部35a に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納が出来る収納部51a と、該収納部51a の上側開口部51f 外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面51bを形成した容器状底部」である内部設置型包埋皿用底部51との2つの独立した構成ユニットで構成されたバリ無しユニットシステム包埋皿は、前記容器状底部51の収納部51aを前記枠状基体35の貫通孔35a に挿入・嵌合して、該容器状底部35の鍔状平面35b を、該枠状基体35の貫通孔部35a 内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面35h上に設置掛け止め嵌合して、該枠状基体の貫通孔部35a 内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面35h上に設置掛け止め嵌合した該容器状底部35の前記鍔状平面35b と前記枠状基体35の上側開口部35l の貫通孔35a の内壁で構成される凹状2角面を有す前記包埋皿状器具に於いて、前記枠状基体35の上側開口部35l の周囲を囲む外壁上部上端面35bに該上端から下側外側に傾斜面35xを設け、該傾斜面35x と前記上側開口部35l の貫通孔35a の内壁とで形成される突設形成面状の水密枠35b を成形した2つの独立した構成ユニットで構築されるバリ無し包埋皿であり、前記内部設置型包埋皿用底部51はステンレス等の金属製が良好である。
【0063】
即ち、下部は前記内部設置型包埋皿用底部51と、それに対応した上部が「上側と下側とに開口部35l・35m を有し、前記上側から下側への開口部35l・35m に連結した貫通孔部35a を備え、上側から下側開口部35l・35mに連結した前記貫通孔部35a の該上側開口部35l の周囲を囲む外壁上部上端面35b に該上端から下側外側に傾斜面35x を形成し、該上側開口部35l に連なる貫通孔部内35a 壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面35h を形成する枠状基体」である合成樹脂製の包埋枠状基体35との2つの構成ユニットで構成された2ユニットシステム複合構成体で構築される包埋皿は、前記包埋皿の上部を該病理組織試料用カセットと同じ合成樹脂製包埋枠状基体35で成形して、その下部をステンレス金属製の前記内部設置型包埋皿用底部51で形成した2つの構成ユニットで構成された2ユニットシステム複合構成体で構築された包埋皿である。この包埋皿で包埋作業を実施すると、図63A、Bに図示された順序で包埋される器具が並んでいるが、実際の作業に於いては図64A、Cのように従来の病理組織試料用カセットと同じく一体的に構成された病理組織試料用カセット底部19から薬液処理が完了した試料14を前記包埋皿の収納底部51a上に移し設置してから前記病理組織試料用カセット底部を包埋皿上の開口部51f内に載せて包埋作業に入る。この時、図示はしていないが、従来の包埋皿では前記病理組織試料用カセットのカセット側面に包埋皿内の余分な包埋剤が上側に滲み出てきたり、薬液処理工程で前記試料の薬液処理籠でもある前記病理組織試料用カセットの外周面の包埋剤が流れ出てきて、包埋皿の内側壁と包埋皿の側壁の間に溜まり、包埋皿のバリが発生する。この対策に関する発明は本願発明者が既に発明出願しているが、一体的に水密性の高い水密枠を、それも熱伝導率の良いステンレス等の金属で、成形するのは至難であし、また包埋皿の製造コストが高い。それで、包埋皿の上部構成体を前記病理組織試料用カセットと同じ合成樹脂で成形すれば、その合成樹脂の成形時の収縮率は同一であり、金型さえ作れば同じ水密性の同じ形状が確実に安価に成形できる。即ち、図示してはいないが、前記病理組織試料用カセットの外周面と底面で構成される凸状2角面が、前記包埋皿の前記枠状基体の貫通孔部35a 内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面35h上に設置掛け止め嵌合した該容器状底部35の前記鍔状平面35b と前記枠状基体35の上側開口部35l の貫通孔35a の内壁で構成される凹状2角面に確実に嵌合して水密性がより高まり、前記包埋皿の余分な包埋剤の浸潤が抑えられ、前記病理組織試料用カセットの外周面の液状包埋剤の垂れは前記包埋皿の上側開口部35lを構成する枠状基体35の前記開口部35l周囲を囲む外壁上部上端面35b に該上端から下側外側に形成した傾斜面35x を通して流れ落ちて、従来の包埋皿よりバリの少ない包埋ブロック試料図64Cができあがる。
【0064】
図65から図76は、直接的には本願発明の範疇ではなく、本願発明者は既に発明出願済みの(特願2006−197702)の大半は権利範囲に入る実施例であるが、この明細書の中で記載するのは、本願発明の考え方と前出願の(特願2006−197702)の実施例を合体させると多くの相乗効果が生じる事を記載しておく。
本願の図46Aに示すように、箱型多孔通液性容器状底部20の深さを浅くして、該箱型多孔通液性容器状底部の嵌合・連結している箱型包埋枠状基体19で包埋するとバリ無し包埋ブロック試料成形は確実に出来、また前記包埋ブロック試料の薄切後のブロック試料の保管・管理も図76のように確実にカセット包埋枠状基体内に試料ブロック側を収納・小型化して保管できる。しかし、本願発明の包埋枠状基体に掛け止め嵌合する順序は、通常は前記包埋枠状基体を中心にして蓋体が一番上でありその次が容器状底部であり包埋枠状基体を介して嵌合・連結するが、本願発明者が前出願している(特願2006−197702)は包埋枠状基体を挟んで上下に上側蓋体と下側底部蓋体の嵌合・連結順序である故に、図46Aの形状では試料の収納スペースが非常に減少する。それに対して、前出願の考え方では機能性に多様化がなく蓋体の嵌合・掛け止め方法は本願発明の方法を用いるべきである。但し前出願の実施例では固定移送容器様使用法は期待しにくい。
【0065】
そこで、図65は図65A、C、E、Gは縦断面図で図65B、D、F、Hはその側面図であり、図65の図65Aの上側蓋体17、図65Cの包埋枠状基体19、図65Eの下側底部蓋体34の3つの構成ユニットの3ユニットシステム複合構成体の縦断面図が図65Gであり、その側面図が図65Hである。また、図65とは異なる形状の他の実施例である図71、72、73は図71のAは上側蓋体17と包埋枠状基体19と下側底部蓋体34の3つの構成ユニットの縦断面図でありその側面図が図71Bである。更にこの3ユニットシステム複合構成体の縦断面図が図72Aであり、図72Bがその側面図である。更に図73は図72の短面側から見た図であり、図73Aは上側蓋体17と包埋枠状基体19と下側底部蓋体34の3構成ユニットであり、図73Bは上側蓋体17と包埋枠状基体19の2ユニットシステム複合構成体と下側底部蓋体34であり、図73Cは3ユニットシステム複合構成体であり、図73Dは上側蓋体と下側底部蓋体の軽く嵌合・連結した構成体である。この機能は図34から図38にも示している蓋体と多孔通液性容器状底部の2構成ユニットだけで包埋枠状基体を介さないで軽く嵌合・連結する。
【0066】
この様に、形状形態に違いがあっても、本願発明と本願発明者の先願発明の考え方を互いに応用すると、同様の機能を形状に拘わらず導入できる。例えば、勿論病理組織試料用カセットの基本機能である薬液処理籠機能(図66)は当然であるが、図67、図68、図69と図74、図75のバリ無し包埋ブロック試料作製機能と図70と図76のブロック試料の保管・管理時の包埋ブロック試料の包埋試料側面を包埋枠状基体内に収納して蓋体を閉じて、保存ブロックの厚さを従来の半分近くまで薄くして、且つ確実に試料を保管できる機能を維持した薬液処理籠としての蓋体の嵌合・連結性の高い病理組織試料用カセットシステムが提案される。
病理組織試料用カセットをユニットシステム複合構成体としてその機能性を高めることは、試料データの紛失や混入等の事故防止と精度管理に役立つだけではなく、 試料データの移送・標本作製からデータの保管管理・検索の全工程に於いての合理化・自動化・省スペース化・省力化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1(A)はこの発明のバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる試料データ伝達連結機能付き薬液処理籠である病理組織試料用カセットの斜面図であり、図1(B)はバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる試料データ伝達連結機能付き固定移送容器の斜面図である。
【図2】図2(A)は図1(A)の構成ユニットの斜面図、図2(B)は図1(B)の斜面図である。
【図3】図3(A)は図1(A)の蓋体を外した斜面図であり、図3(B)は図1(B)の蓋体を外した 斜面図である。
【図4】図4(A)は図1の別の実施例の側面図であり、図4(B)も図1の別の実施例の側面図である。
【図5】図5(A)は図2(A)の別の実施例の斜面図であり、図5(B)は図2(B)の別の実施例の斜面図である。
【図6】図6(A)は図5(A)の各構成ユニットの嵌合・連結斜面図、図6(B)は図5(B)の構成ユニットの嵌合・連結斜面図、である。
【図7】図7(A)は図2(B)の構成ユニット9の別の実施例の斜面図であり、図7Bは図2(B)の構成ユニット8の別の実施例の斜面図であり、図7(C)は図2(B)の構成ユニット9の別の実施例の斜面図であり、図7(D)は図2(B)の構成ユニット8の別の実施例の斜面図であり、図7(E)は図2(B)の構成ユニット9の別の実施例の斜面図であり、図7(F)は図2(B)の構成ユニット8の別の実施例の斜面図である。
【図8】図8(A)は図2(A)の主要3構成ユニットであるユニット1とユニット2とユニット3の嵌合・連結関係の表した側面図で、図8(B)はその嵌合・連結した3ユニットシステム構成体の側面図である。側面前部の嵌合係止部の記載は省略した。
【図9】図9(A)は図8(A)の縦断面図であり、図9(B)は図8(B)の縦断面図である。
【図10】図10(A)は図8(A)の主要3構成ユニットの各平面図であり、図10(B)は図8(B)の平面図である。
【図11】図11(A)、(B)は図10(A)、(B)の別の実施例の平面図である。
【図12】図12(A)、(B)は図8(A)、(B)の別の実施例の側面図である。
【図13】図13(A)は図12(A)のY方向から見た正面図であり、図13(B)は図12(A)のIIの構成ユニットの前側切り欠け部を省略した別の実施例のY方向から見た正面図である。
【図14】図14(A)は図12(A)のZ方向から見た後面図であり、図14(B)は図14(B)Iと図14(B)II・IIIの嵌合・連結した2ユニットシステム複合構成体の後面図であり、図14(C)はI・II・IIIの3ユニットシステム複合構成体の後面図である。
【図15】図15(A)は図10(A)の別の実施例の平面図であり、図15(B)は図15(A)の多孔通液性面3a と7cを多孔通液性でない非通液性面5a と8cで成型した図1(B)の機能形態を持つ、別の実施例の3構成ユニットの平面図ある。
【図16】図16(A)は図15(A)の構成ユニット9に嵌合・連結した構成ユニット7とから構成される2ユニットシステム複合構成体に、構成ユニット3が嵌合・連結しているところの平面図であり、図16(B)はその嵌合・連結した3ユニットシステム複合構成体の側面図である。
【図17】図17(A)は図2の構成ユニットのユニット1である包埋枠状基体9の平面図(図17B)のX−X線での断面図であり、図17(C)は図2の構成ユニットのユニット1である包埋枠状基体9の裏面図(図17D)のX−X線での断面図である。
【図18】図18(A)は図16(A)の構成ユニットの裏面図であり、図18(B)は図16(B)の裏面図である。
【図19】図16(B)(図18B)のW−W線上の断面図である。
【図20】図19の構成ユニット9であるユニット1のデータ記載部・データ記録部である傾斜面側の縦断面の拡大図である。
【図21】図21(A)は図18と異なる実施例の構成ユニット9の裏面図であり、図21(B)、(C)はその一部分あるICチップ10の設置部位11の拡大図である。
【図22】図22(B)と図19であり、図22(A)は図22(B)の後部の拡大図であり、図22(C)は前部データ記載部・データ記録部である傾斜面側と拡大図ある。
【図23】図23(A)は図19、図23(B)は図4(B)、図23(C)は従来の病理組織試料用カセットの縦断面図であり、その底部の厚さの比較である。
【図24】図22の外形状と同じ従来の病理組織試料用カセットの縦断面図の図24(B)後部の拡大図(図24A)であり、前部データ記載部・データ記録部である傾斜面側と拡大図(図24C)である。
【図25】図25(A)、(B)は、図22の外形状と同じ従来の病理組織試料用カセットの図24(B)の斜面図のデータ記載部・データ記録部である傾斜面にICチップ10の設置部位11の成形位置と図1図2と図5図6に図示した板状枠保護器具4を示している斜面図(図25A)とその拡大縦断面図(図25B)であり、図25(C)、(D)は図25(A)の他の実施例である外壁側面の板状枠保護器具4の前部両側嵌合・係止部4bと、該固定部4bの両側の係止嵌合凹部でありICチップ設置部位でもある9eとの嵌合掛け止め・連結関係を示す図である。
【図26】図26(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)は、図25で図示された板状枠保護器具4や図22と図24で示された保護板付き蓋体3の病理組織試料用カセット底部の嵌合・係止凹部の代表例を示した図である。
【図27】図27(A)、(B)、(C)、)(D)、(E)、(F)、(G)は、図26で図示された図26に示された形状の病理組織試料用カセット底部の嵌合・係止凹部に嵌合・係止して連結できる板状枠保護器具4の代表的形状と嵌合・係止部を示した図である。
【図28】図28(A)は、図26と図27に示された病理組織試料用カセット底部の包埋枠状基体9と板状枠保護器具4の代表的嵌合・係止・連結関係を示した側面図であり、図28(B)、(C)は後面図である。
【図29】図29(A)、(C)、(E)、(G)、(I)は図26に図示した病理組織試料用カセット底部の嵌合・係止凹部の他の実施形状例と、図29(B)、(D)、(F)、(H)、(J)は、それに対応する図27に図示した板状枠保護器具の掛け止め嵌合・係止凹部の形状と設置位置を示した図である。
【図30】図30(A)は図18から図22と図24に図示したICチップの設置部位と設置法(図30A)と取り外し方法(図30B)である。
【図31】図31(A)、(B)、(C)、(D)は図30の他の実施例であるICチップの設置部位である。
【図32】図32(A)、(B)、(C)は図25と図27、図28の機能形態とは異なる他の実施例である板状枠保護器具4の説明図である。
【図33】図32とは異なる他の実施例の蓋体が係止・嵌合できる板状枠保護器具の図である。
【図34】図34は図10、図16とは異なる3ユニットシステム複合構成体である病理組織試料用カセットの実施例である。図34(A)は平面図、図34(B)は後面図、図34(C)はI−I、II−II、III−IIIの縦断面図である。
【図35】図35(A)は、図34(A)の3ユニットシステム複合構成体の平面図の各構成ユニットの分離平面図、図35(B)はその他の機能形態3ユニットシステム複合構成体である固定移送容器の各構成ユニットの分離平面図である。
【図36】図36(A)は図35(A)の3ユニットシステム複合構成体の各構成ユニットの分離裏面図であり、図36(B)はその各構成ユニットの嵌合・連結体である3ユニットシステム複合構成体の裏面平面図である。図36(C)、(D)は包埋枠状基体を介さないで、互いに軽く係合・連結する多孔通液性容器状底部と蓋部とその係合・連結体の裏面平面図である。
【図37】図37(A)は図35の3ユニットシステム複合構成体の各構成ユニットの分離後面図であり、図37(B)は包埋枠状基体9と容器状底部との2ユニットシステム複合構成体と蓋部の後面図であり、図37(C)は図35の3ユニットシステム複合構成体の裏面図で互いの嵌合・連結部を示している。
【図38】図38(A)は図37の3ユニットシステム複合構成体の各構成ユニットの分離縦断面であり、図38(B)は各側面図である。
【図39】図1、図2から図38とは別の形状を示す実施例である3ユニットシステム複合構成体の斜面図である。
【図40】図39の3ユニットシステム複合構成体とは、また異なる実施例の3種類の構成ユニットであり、図40(A)、(B)、(C)は蓋体の縦断面と側面図と平面図であり、図40(D)、(E)、(F)は包埋枠状基体の縦断面と側面図と平面図であり、図40(G)、(H)、(I)は容器状底部の縦断面図と側面図と平面図である。
【図41】図41(A)は、図40の3ユニットシステム複合構成体の側面図であり、図40(B)は、図40(A)の多孔通液性箱型病理組織試料用カセットの縦断面図であり、図40(C)は、図40(A)の非通液性箱型固定移送容器の縦断面図である。
【図42】図41(A)の短面側から見た図で、図42(A)は3種類の構成ユニット各々の図で、図42(B)は図42(A)の下側の2ユニットシステム複合構成体と蓋体の図で、図42(C)は3ユニットシステム複合構成体の図である。
【図43】図43(A)は図40(B)の別の実施例の図であり、図43(B)はその蓋体でフタされた図41(A)の別の実施例の図である。
【図44】図44(A)、(B)、(C)は図40(D)、(F)とその裏面図であり、図44(D)、(F)は図44(A)、(C)に嵌合・連結した図44Eの形状の板状枠保護器具の2ユニット構成体の平面図と裏面図であり、図44(G)は図44(E)をα→側から見た図であり、図44(H)は図44(E)の図44(E)の22hを通る線で線対称な片側で成形した図44(E)とは別の実施例であり、図44(I)は図44(H)をβ→側から見た図である。
【図45】図45(A)は図42(C)に図44(G)を嵌合・連結した図であり、図45(B)は図44(B)の短面側から見た図であり、図45(C)は図42(C)に図44(I)を嵌合・連結した図であり、図45(D)は、図45(A)の側面図で、図44(E)を不透明素材で成形した場合の側面図であり、図45(E)は成形素材を透明合成樹脂で成形した時の側面図であり、図45(F)は成形素材が不透明の場合に目視データを見る為に成形した窓口である。
【図46】図46(A)は、この発明のバリ無しユニットシステム包埋枠状基体構成体を構成する3ユニットシステム複合構成体の図1とは異なる実施例である箱型形状の3ユニットシステム複合構成体の3つの構成ユニットで構成された図39に図示した箱型病理組織試料用カセットの縦断面であり、図46(B)はまた図46(A)とは異なった他の実施例である。
【図47】図46の箱型病理組織試料用カセットの縦断面と同形である図47(A)、(B)と、その病理組織試料用カセットの掛け止め固定アダプターの係止爪の固定掛け止め位置を示した図47(C)である。
【図48】窓口を底部に形成した従来の病理組織試料用カセットに蓋付き容器状底部を挿入・嵌合考え方の斜面図である。
【図49】箱型形状の従来の病理組織試料用カセット底部に非通液性の容器状底部を挿入・嵌合する考え方の斜面図である。
【図50】図35(A)の蓋体と容器状底部を透明素材で成形した場合の各構成ユニットの平面図である。
【図51】図50の透明蓋体の構成ユニットで構成されたユニットシステム複合構成体の便利性を示した図で、図51(A)は3つの各々の正面図であり、図51(B)は透明素材の蓋体と他の2ユニットシステム複合構成体の正面図で、図51(C)は全ての3ユニットシステム複合構成体の正面図であり、構成ユニットの一つある包埋枠状基体のデータ記載部・データ記録部である傾斜面のデータラベルが図である図51(C)の3ユニットシステム複合構成体の正面図でも透明な保護板を透して見える。
【図52】図52(A)は図23(C)の従来の病理組織試料用カセットの底部と嵌合・連結する保護板付き多孔蓋体の縦断面図であり、図52(B)はその正面図である。
【図53】図53(A)、(B)は、図47と同様に図1のタイプの実施例に於いても、底部の深さを自由に変更でき、この発明の3ユニットシステム複合構成体である病理組織試料用カセット底部(2ユニットシステム複合構成体)の縦断面図(図52B)と従来の病理組織試料用カセット底部(図52C)との外形の厚さHは同じであり、アダプターの係止爪の嵌合・固定位置の高さH(図52A)であり、2ユニット複合構成体の1ユニットである包埋枠状基体の厚さh1ともう一つのユニットである多孔通液性容器状底部の鍔状平面の厚さh2の和あることを示した図である。
【図54】図52の病理組織試料用カセットの底部と保護板付き蓋体の説明図である。図54(A)は病理組織試料用カセットの底部の平面図であり、図54(B)は裏面図であり、図54(C)は保護板付き蓋体平面図で、図54(D)はその裏面図であり、図54(E)、(F)は各々の斜面図である。
【図55】図2(A)、図3(A)の保護板付き多孔通液性蓋体3の他の実施例で病理組織試料用カセットの底部に脱着自在に嵌合・連結する係止部の色々である。図55(A)、(B)、(C)は縦断面図であり、図44(D)は斜面図であり、図44(E)は図44Dの嵌合・連結した斜面図、である。
【図56】図1、図8、図19の3ユニットシステム複合構成体の構成ユニットの一つの多孔通液性容器状底部7(ユニット2)の深さを若干深くした構成ユニットで構築した 3ユニットシステム複合構成体からなる病理組織試料用カセットの側面図(図56A)と縦断面図(図56B)である。
【図57】図56の3ユニットシステム複合構成体からなる病理組織試料用カセットの底部である2ユニットシステム複合構成体での汎用包埋皿底部を用いての包埋作業の平面図である。
【図58】図57の包埋に係わる器具の各々の縦断面図である。
【図59】図58の包埋作業で出来上がった包埋ブロック試料の断面図である。
【図60】図58の包埋に係わる器具の別の実施例の縦断面図である。
【図61】図61(A)(B)(C)は、図60の包埋に係わる器具の各々の縦断面図である。
【図62】図57とは別の包埋作業実施例の平面図である。
【図63】図63(A)、(B)は、図62とは別の包埋作業実施例の平面図である。
【図64】図64(A)、(B)は図62の、図64(C)、(D)は図63の、包埋作業実施例で使用される包埋器具で、ブロック試料の取り外し方である。
【図65】この発明者が既に出願している発明との機能的合体による機能性の高い各構成ユニットの縦断面図(図65A、C、E、G)と側面図(図65B、D、F、H)である。
【図66】図66(A)、(B)は、図65の3種類の構成ユニットで構築された3ユニットシステム複合構成体である病理組織試料用カセットとその内部に収納した試料の縦断面図、である。
【図67】図66の包埋状態を示した縦断面図である。
【図68】図67の包埋ブロック試料を取り出している縦断面図である。
【図69】図69(A)、(B)は、図68の包埋ブロック試料の薄切時の形状・形態を示す縦断面図である。
【図70】図70(A)、(B)は、図69の薄切完了後の包埋ブロック試料収納時の形状・形態を示す縦断面図である。
【図71】この発明者が既に出願している発明との機能的合体による高機能性の3つの構成ユニットである上側蓋体・包埋枠状基体・下側蓋体の嵌合・連結順序の縦断面図(図71A)と側面図(図71B)を示した図である。
【図72】図72(A)は図71(A)の各構成ユニットからなる3ユニットシステム複合構成体の縦断面図で、図72(B)はその側面図である。
【図73】図72の3つの各構成ユニット(図73A)からなる2ユニットシステム複合構成体と下側蓋体(図73B)と3ユニットシステム複合構成体(図73C)と上側蓋体と下側蓋体が包埋枠状基体を介さずに軽く嵌合・連結した2ユニットシステム複合構成体(図73D)の短面側から見た図である。
【図74】図73の下側蓋体を用いても包埋器具の嵌合順序を示した平面図(図74A)と側面図(図74B)、である。
【図75】図75(A)は図74に示した包埋器具で包埋作業後の包埋ブロック試料の取り出し順序を示した縦断面図であり、図75(B)は包埋ブロック試料の縦断面図である。
【図76】図75の包埋ブロック試料の薄切完了後のブロック試料収納時の形状の縦断面図(図76A)と平面図(図76B)である。
【図77】図77(A)〜(R)は、本願発明のユニットシステム複合構成体の構成ユニットで構築されるバリ無し包埋皿の種々の機能形態の可能性を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 バリ無しユニットシステム包埋枠状基体容器からなる薬液処理籠である病理組織試料用カセット
2 バリ無しユニットシステム包埋枠状基体容器からなる試料データ伝達
連結機能付き固定移送容器
3 多孔通液性蓋体
3a 多孔通液性面
3b 蓋体の保護板
4 板状枠保護器具
5 非通液性蓋体
6 データラベル
7 多孔通液性容器状底部
8 非通液性容器状底部
9 包埋枠状基体
10 ICチップ等データ記憶メディア
11 ICチップの設置部位
17 箱型多孔通液性蓋体
18 箱型非通液性蓋体
19 箱型包埋枠状基体
20 箱型多孔通液性容器状底部
21 箱型非通液性容器状底部
22 箱型板状枠保護器具
24 ミクロトームアダプター固定部
24a アダプター
27 包埋剤
31 汎用包埋皿底部
33 包埋枠状基体籠底部蓋
34 箱型包埋枠状基体籠底部蓋
35 汎用水密包埋枠状基体
50 外部設置型包埋皿用底部
51 内部設置型包埋皿用底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に開口部を形成し、その下側に多孔通液性の底部を形成した枠状基体と、その枠状基体の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する多孔通液口を有する蓋体から成る病理組織試料用カセットに於いて;
前記枠状基体と前記底部と前記枠状基体の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する蓋体の機能形態を各々分離独立した3種類の構成体ユニットとして成形して、
前記枠状基体は、上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)であり、
前記底部は、前記包埋枠状基体(ユニット1)とは分離独立した、少なくとも底部に多孔通液性底面を形成した容器状底部(ユニット2)であり、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納移送が出来る、少なくとも底部に多孔通液性底面を形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した多孔通液性容器状底部(ユニット2)であり、
該鍔状平面を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上に或いは前記上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面上に掛け止め嵌合設置して、該多孔通液性容器状底部(ユニット2)が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持ち、該多孔通液性容器状底部(ユニット2)は前記包埋枠状基体(ユニット1)と互いに嵌合・連結して2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用カセットの形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体多孔通液性容器底部を構成して、その2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用カセット底部の形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体多孔通液性容器底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する多孔通液口を有する蓋体(ユニット3)から成る3ユニットシステム複合構成体で構築されることを特徴とするユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる試料の薬液処理籠でありブロック試料の固定用支持基台でもある病理組織試料用カセット。
【請求項2】
上側に開口部を形成し、その下側に多孔通液性の底部を形成した枠状基体と、その枠状基体の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する多孔通液口を有する蓋体から成る病理組織試料用カセットに於いて;
前記枠状基体と前記底部と前記枠状基体の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する蓋体の機能形態を各々分離独立した3種類の構成体ユニットとして成形して、
前記枠状基体は、上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)であり、
前記底部は、前記包埋枠状基体(ユニット1)とは分離独立した、底部には多孔通液性面を形成せず液漏れのない閉鎖面で成形されている容器状底部(ユニット4)であり、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納移送が出来る、非通液性の閉鎖面で形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した非通液性の閉鎖面で形成した容器状底部(ユニット4)であり、
該鍔状平面を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上に或いは前記上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面上に掛け止め嵌合設置して、該非通液性容器状底部(ユニット4)が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持ち、該非通液性容器状底部(ユニット4)は前記包埋枠状基体(ユニット1)と互いに嵌合・連結して2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用カセットの形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体非通液性容器底部を構成して、その2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用固定移送底部の形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体非通液性容器底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する多孔通液口を形成しない非通液性蓋体(ユニット5)から成る3ユニットシステム複合構成体で構築されることを特徴とするユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる病理組織試料用固定移送容器。
【請求項3】
上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)と、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納移送が出来る試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した容器状底部(ユニット2または4)と、その2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用底部の形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体容器底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する蓋体(ユニット3または5)から成る病理組織試料用カセットと病理組織試料用固定移送容器に於いて;
前記枠状基体と前記底部とで構成された2ユニットシステム複合構成体である上側開口部に前記枠状基体を介して脱着自在に嵌合・連結する蓋体の機能形態を各々分離独立した5種類の構成体ユニットとして成形して、
前記包埋枠状基体(ユニット1)と前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)と前記多孔通液口を有する蓋体(ユニット3)で構成された3ユニットシステム複合構成体で構築されたユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用カセット(ユニット1,2及び3の複合構成体)と、
前記包埋枠状基体(ユニット1)と非通液性容器状底部(ユニット4)と非通液性蓋体(ユニット5)で構成された3ユニットシステム複合構成体で構築されたユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用固定移送容器(ユニット1,4及び5の複合構成体)の両方のユニットシステム包埋枠状基体構成体に共通な嵌合・連結形成体(オルガナイザー)である該包埋枠状基体(ユニット1)に臨床での試料採取時の試料の患者属性や臨床データ等と病理標本作製時の病理検体番号と既往データ等とを伝達・連結させる機能を担うことができるデータ記載部或いはデータ記録部の設置部位を形成して前記ユニットシステム複合構成体で構成される該ユニットシステム間のデータ伝達・連結体(メッセンジャー)として使用することを特徴とする請求項1、又は、2記載の包埋枠状基体。
【請求項4】
上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)と、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納移送が出来る試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した容器状底部(ユニット2または4)と、その2ユニットシステム複合構成体で構築される病理組織試料用底部の形状・形態であるユニットシステム包埋枠状基体容器底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する蓋体(ユニット3または5)から成る病理組織試料用カセットと病理組織試料用固定移送容器に於いて;
前記枠状基体と前記底部と前記枠状基体の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する蓋体の機能形態を各々分離独立した5種の構成体ユニットとして成形して、
前記枠状基体と前記底部とで構成された2ユニットシステム複合構成体である上側開口部に前記枠状基体を介して脱着自在に嵌合・連結する蓋体の機能形態を各々分離独立した5種類の構成体ユニットとして成形して、
前記包埋枠状基体(ユニット1)と前記多孔通液性容器状底部(ユニット2)と前記多孔通液口を有する蓋体(ユニット3)で構成された3ユニットシステム複合構成体で構築されたユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用カセット(ユニット1,2及び3の複合構成体)と、
前記包埋枠状基体(ユニット1)と非通液性容器状底部(ユニット4)と非通液性蓋体(ユニット5)で構成された3ユニットシステム複合構成体で構築されたユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用固定移送容器(ユニット1,4及び5の複合構成体)の両方のユニットシステム包埋枠状基体構成体に共通な嵌合・連結形成体(オルガナイザー)である該包埋枠状基体(ユニット1)に臨床での試料採取時の試料の患者属性や臨床データ等と病理標本作製時の病理検体番号と既往データ等とを伝達・連結させる機能を担うことができるデータ記載部或いはデータ記録部の設置部位を形成して前記ユニットシステム複合構成体で構成される該ユニットシステム間のデータ伝達・連結体(メッセンジャー)として使用して、臨床側の試料採取時に採取された試料が収納される固定移送容器から検査側の(該試料固定容器と検査依頼書データ)検体の受付・照合時、標本作製開始時の試料切り出し作業で該試料を前記固定移送容器から前記病理組織試料用カセットに入れ替え収納・該試料が収納されている病理組織試料用カセットの薬液処理、試料の包埋ブロック作製作業、該包埋ブロック試料の薄切作業、薄切作業完了後の該ブロック試料の保管管理・既往歴データ検索作業の全工程に於いて患者試料と臨床・検査側データ伝達・連結体で一体的に移動することを特徴とする請求項1、2、又は、記載のユニットシステムを用いた情報データの伝達・連結方法。
【請求項5】
試料の薬液処理籠でありブロック試料の固定用支持基台にもなる病理組織試料用カセットに於いて;
前記3ユニットシステム複合構成体で構築される前記ユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用カセットと前記病理組織試料用固定移送容器のユニット2及び3とユニット4及び5の両方のユニットシステム複合構成体に共通な嵌合・連結形成体でありデータ伝達体(メッセンジャー)として使用する為に前記包埋枠状基体が形成する形状の外周側面に脱着自在に嵌合・連結して前記3ユニットシステム複合構成体からなる薬液処理籠機能容器である病理組織試料用カセットの1ユニットである包埋枠状基体の外壁外側に成形設置されたデータ記載部またはデータ記録部を保護する為に、前記3ユニットシステム複合構成体で構築される前記ユニットシステム包埋枠状基体構成体からなる前記病理組織試料用カセットの構成形状の中の包埋枠状基体全側面或いは一部の側面を抑え覆い、前記データ記載部・データ記録部の処理薬液の浸襲や物理的力によっての剥離や前記カセット側壁の包埋支持剤の余分なバリ付着防止と簡単除去の機能を有する前記蓋体に一体的に形成されるか、または蓋体から分離独立していて前記包埋枠状基体の外周側面上の掛け止め部で嵌合・連結することを特徴とする板状枠保護器具。
【請求項6】
上側に開口部を形成し、その下側に多孔通液性の底部を形成した枠状基体である病理組織試料用カセット底部と、該枠状基体である病理組織試料用カセット底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する病理組織試料用カセット底部の前記枠状基体の外周側面に形成設置されたデータ記載部・データ記録部を抑え覆う保護板を一体的に成形した多孔通液口を有する蓋体から成る病理組織試料用カセットに於いて;
前記保護板付き蓋体のカセット底部との嵌合部係止部を蓋体後部と前記蓋体と一体に成形された保護板の下側に形成して、前記多孔通液性の底部を形成した枠状基体である病理組織試料用カセット底部の後壁と前記病理組織試料用カセット底部と枠状基体外壁外側データ記載部・データ記録部面の交差部に成形して互いに嵌合連結する前記多孔通液性の底部を形成した枠状基体である病理組織試料用カセット底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結することを特徴とする保護板付き蓋体。
【請求項7】
上側に開口部を形成し、その下側に多孔通液性の底部を形成した枠状基体である病理組織試料用カセット底部と、該枠状基体である病理組織試料用カセット底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結する病理組織試料用カセット底部の前記枠状基体の外周側面に形成設置されたデータ記載部・データ記録部を抑え覆う保護板を一体的に成形した多孔通液口を有する蓋体から成る病理組織試料用カセットに於いて;
前記保護板付き蓋体のカセット底部との嵌合部係止部を、蓋体後部と前記蓋体の前部両側に対称的に底部側に突設して両内側に突設した係止嵌合凸部を成形して、前記枠状基体である病理組織試料用カセット底部両側壁外側に成形された係止嵌合凹部との間で挟持して、カセット底部の後部と前記カセット底部両側壁外側に成形された係止嵌合凹部との間で前記多孔通液性の底部を形成した枠状基体である病理組織試料用カセット底部の上側開口部に脱着自在に嵌合・連結することを特徴とする保護板付き蓋体。
【請求項8】
試料の薬液処理籠でありブロック試料の固定用支持基台にもなる枠状基体である病理組織試料用カセットに於いて;
病理組織試料用カセットを構成する枠状基体のデータ記載部・データ記録部傾斜面の後側の上側から下側の貫通孔内にデータ記録メディア・ICチップの設置部位を形成したことを特徴とする枠状基体からなる病理組織試料用カセット。
【請求項9】
前記3ユニットシステム複合構成体のユニット1である、上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体(ユニット1)と、挿入嵌合掛け止めできる包埋皿用底部に於いて;
前記包埋皿用底部は前記底部(ユニット4)と似ているが、液漏れのない閉鎖面で成形されている容器状底部であり、前記包埋枠状基体(ユニット1)の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入できて非通液性の閉鎖面で形成した試料収納部と、該試料収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した、非通液性の閉鎖面で形成した容器状底部であり、該鍔状平面を前記包埋枠状基体(ユニット1)の開口部外周の上端面上に或いは前記上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面上に掛け止め嵌合設置して、該非通液性容器状底部が前記包埋枠状基体(ユニット1)の下側開口部側に脱落しない防止機能を持つ皿状底部の2ユニットシステム複合構成体で構築されることを特徴とする包埋皿。
【請求項10】
上側に開口部を構成し、下側に試料を収納できる底部を形成した皿状容器で、該底部の底面から連続して立設された前記開口部に連なる内壁の前記開口部より下側に内側に向けて水平方向に突設された凸状平面を形成している包埋皿に於いて;
前記包埋皿の構成部分は、上側と下側とに開口部を有し、前記上側から下側への開口部に連結した貫通孔部を備え、上側から下側開口部に連結した前記貫通孔部の該上側開口部の周囲を囲む外壁上部上端面、或いは該上側開口部に連なる貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面を形成する包埋枠状基体と、
前記包埋枠状基体とは分離独立した、閉鎖面で成形されている包埋皿用底部であり、前記包埋枠状基体の上側から下側への開口部に連結した貫通孔部に脱着自在に挿入嵌合できて試料の収納が出来る収納部と、該収納部の上側開口部外周を囲む水平方向に突設した鍔状平面を形成した包埋皿用底部との2つの独立した構成ユニットを成形して、前記包埋皿用底部の収納部を前記包埋枠状基体の貫通孔に挿入・嵌合して、該包埋皿用底部の鍔状平面を該包埋枠状基体の開口部外周の上端面上に或いは貫通孔部内壁に内側に向けて水平に突設された凸状平面上に設置掛け止め嵌合して、該包埋皿用底部が該包埋枠状基体の下側開口部側に脱落しない防止機能を持つ、2つの独立した構成ユニットで構築されることを特徴とする包埋皿。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate

【図56】
image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

【図60】
image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate

【図64】
image rotate

【図65】
image rotate

【図66】
image rotate

【図67】
image rotate

【図68】
image rotate

【図69】
image rotate

【図70】
image rotate

【図71】
image rotate

【図72】
image rotate

【図73】
image rotate

【図74】
image rotate

【図75】
image rotate

【図76】
image rotate

【図77】
image rotate


【公開番号】特開2009−168737(P2009−168737A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9354(P2008−9354)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(595017665)
【出願人】(508019263)
【出願人】(505437859)
【Fターム(参考)】