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バルク化フィラメントトウ由来の不織材料
説明

バルク化フィラメントトウ由来の不織材料

【課題】不織材料をバルク化フィラメントトウから製造する。
【解決手段】不織材料は、ランダム配向し、且つバルク化した複数のけん縮フィラメントを含み、複数の点結合が前記けん縮フィラメントを相互接続して固定三次元構造を形成する。前記固定三次元構造の表面部分が、前記三次元構造の内部部分よりも密度が高いか、または前記固定三次元構造の外部表面が、突出フィラメントを実質的に含まない。この不織材料は、フィラメントトウをバルク化し、前記フィラメントを三次元構造体に固定し、前記三次元構造体をカレンダー処理することにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
不織材料をバルク化フィラメントトウ(bulked filament tow)から製造する。
【背景技術】
【0002】
2006年11月14日出願の米国特許出願シリアル番号第11/559,507号(特許文献1)は、中でも創傷被覆材として使用するための不織材料を開示する。通常、この不織材料は、三次元構造に固定されているバルク化フィラメント(嵩高くしたフィラメント:bulked filament)を含む。さらにこの不織材料は、その厚さを通してくまなく均一密度であり、且つその外部表面を超えて突出するフィラメントがあることを特徴とする。図1を参照されたい。さらに、この出願では、この不織材料を続いてカレンダー処理できると開示している。
【0003】
不織材料(nonwoven)とは、種々の方法でまとめられている製造シート、バット(batting)、ウェブ(webbing)または布帛(fabric)を指す専門用語である。この種々の方法としては、繊維の融合(たとえば熱、超音波、圧力など)、繊維の結合(たとえば樹脂、溶媒、接着剤など)、及び機械的絡み合い(たとえばニードルパンチ、絡み合い(entangling)など)が挙げられる。この用語は、ヤーン(yarn)を交絡(交錯:interlacing)してまとめたもの(ステッチボンド:stitch bonding)または、穿孔若しくは多孔質フィルムから製造したものなどの他の構造体も広く含んで用いられることがある。この用語は、織り、編み及び綴じ(tufted)構造体、紙及び湿式圧延(wet milling)プロセスによって製造されたフェルトを除外する。最も一般的な用法では、この用語は、乾式、湿式若しくはエア−レイ(上記の繊維をまとめる方法の一つを任意に使用する)、ニードルパンチ、スパンボンドまたはメルトブローン(melt blown)プロセス、及びヒドロエンタングル(hydroentangling)(スパンレース:spunlacing)などのプロセスにより製造した繊維構造体を包含する。乾式、湿式、エア−レイ及びヒドロエンタングル(スパンレース)プロセスにおいて、ステープル繊維は不織材料の製造に用いられる。スパンボンド及びメルトブローンプロセスでは、移動しているベルト上に溶融ポリマーを押出す;これらの不織材料の繊維はフィラメントであってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願シリアル番号第11/559,507号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許出願シリアル番号第11/559,507号(特許文献1)に開示されている不織材料は技術進歩しているものの、いまだ材料を改善する必要性がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明を説明する目的に関して、現在好ましい形態を図面に示す。しかし、本出願は、示されている詳細な配置及び手段に限定されない。
【図1】図1は、米国特許出願シリアル番号第11/559,507号に開示されている不織材料の断面写真である。
【図2】図2は、本発明に従って製造した不織材料の二つの態様の断面写真である。
【図2A】図2Aは、本発明に従って製造した不織材料の二つの態様の断面写真である。
【図3】図3は、本発明に従って製造した不織材料の一態様の外部表面(上面図)の写真である。
【図4】図4は、米国特許出願シリアル番号第11/559,507号に開示された不織材料に対する本発明の相対強度を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の不織材料を製造するためのプロセスの一態様の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
不織材料は、ランダム配向し且つバルク化した複数のけん縮フィラメントを含み、複数の点結合(point bond)は前記けん縮フィラメントを相互接続して固定三次元構造とし、前記固定三次元構造の表面部分(surface portion)は、前記三次元構造の内部部分(inner portion)よりも密度が高いか、または前記固定三次元構造の外部表面(external portion)は、突出しているフィラメントを実質的に含まない。この不織材料は、フィラメントトウをバルク化する;バルク化したトウを三次元構造体に固定する;及び、前記三次元構造体をカレンダー処理することにより製造される。
【0008】
本発明は、米国特許出願シリアル番号第11/559,507号に開示された不織材料の改良版である。改良点の全てではないが幾つかを以下に記載する。一態様において、改良点は、外部表面が突出しているフィラメントを実質的に含まない不織材料であるということである。この改良点により、創傷被覆材として使用するときに、材料の不粘着性(non−stick property)を改善し、同時にフィラメントが不織材料表面に毛玉や毛羽を作る傾向を低減する。別の態様では、改良点は、三次元構造の表面部分がその構造体の内部部分よりも密度が高い不織材料であるということである。一側面では、この改良点により、材料の吸い上げ能力(wicking capability)を高める流量操作層(fluid flow management layer)(即ち、表面部分)を提供する。別の側面では、この改良点により、不織材料の強度(即ち、縦方向と横方向(cross−machine direction)の両方で)を高める。さらに別の側面では、表面層の多孔度は、構造体の内部部分とは独立して制御することができる。
【0009】
本明細書で使用する不織材料は、バルク化けん縮化トウから製造したランダム配向フィラメントを指し、乾式、湿式若しくはエア−レイプロセス、ニードルパンチ、スパンボンドまたはメルトブローンプロセス、及びヒドロエンタングル(スパンレース)により製造した不織布帛を除く。
フィラメントは、連続する繊維、即ち、その断面の直径と比較して無限の長さの繊維を指す。
トウ(tow)は、はっきりした捻れのないフィラメントの束を指す。
【0010】
バルク化(bulked)(またはバルク化:bulking)は、加工段階を指し、これにより平坦なトウは、たとえばトウの縦方向(MD)と横方向(CD)の両方に対して垂直である厚さ方向に膨潤、成長、膨張(expand)及び/または増加させられる。バルク化は、エアジェットを使用して実施することができる。
【0011】
フィラメントは、フィラメントに形成し得るどんな材料からでも製造することができる。そのような材料としては、溶融紡糸可能なポリマー及び溶液紡糸可能なポリマーが挙げられる。そのような材料としては、アクリル、セルロース系誘導体(たとえば、再生セルロース(レーヨン)及びセルロースエステル)、ポリアミド(たとえばナイロン)、ポリエステル(たとえばPET及びPBT)、ポリオレフィン(たとえば、PE、PB、PMP、PP)、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一態様において、フィラメントは酢酸セルロースから製造される。
【0012】
フィラメントはいかなるサイズであってもよい。個々のフィラメントのデニールは、1〜15dpf(デニール/フィラメント)の範囲であってもよい。一態様において、デニールは、2〜10dpfの範囲であってもよい。別の態様では、デニールは3〜8dpfの範囲であってもよい。
【0013】
フィラメントはいかなる断面形状であってもよい。そのような形状としては、丸、「y」、「x」、小鋸歯状(crenulated)、イヌの骨(dog bone)またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
トウはいかなる数のフィラメントをも含み得る。フィラメント数は、2,500〜25,000の範囲であってもよい。
【0015】
トウはいかなる総デニールであってもよい。トウの総デニールは、2,500〜125,000の範囲であってもよい。一態様において、トウの総デニールは15,000〜75,000の範囲であってもよい。別の態様において、トウの総デニールは20,000〜40,000の範囲であってもよい。
【0016】
トウはけん縮していてもよい。けん縮は、5〜80個のけん縮/インチ(2〜32個のけん縮/cm)の範囲であってもよい。一態様において、けん縮は、25〜35個のけん縮/インチ(10〜14個のけん縮/cm)の範囲であってもよいる。
【0017】
トウは仕上げ(finish)を含み得るか、または仕上げることができる。表面仕上げを適用する場合、仕上げはトウの約0.3〜5.0重量%を構成し得る。一態様において、仕上げはトウの約0.5〜2.0重量%を構成する。
【0018】
不織材料は、いかなる物理的寸法またはいかなる断面形状をも有し得る。一態様において、不織材料は以下の物理的寸法:坪量(basis weight)50〜500g/m2;幅50〜300mm;及び厚さ0.1mm〜5cmを有することができる。断面形状としては、方形、正方形、丸形または楕円形が挙げられる。一態様において、断面形状は方形であってもよい。
【0019】
不織布は好ましくは、少なくとも表面から流体を運び出し、吸収性及び形状保持を促進するために固定三次元構造をもつ。固定(fixed)、三次元構造とは、たとえばフィラメントが互いに接触している場所で、点結合がバルク化トウを三次元形状に固定するバルク化フィラメントトウを指す。不織布は、フィラメントが接触または接する場所で形成される点結合により、三次元構造体に固定される。点結合はいかなる手段によっても形成することができる。点結合は、たとえばバインダー(フィラメント接触点でフィラメントを互いに固める接着剤タイプの材料);可塑剤(フィラメントのポリマーを軟化し、フィラメント接触点でフィラメントを融合させる材料);及び/またはフィラメント融合により点結合を形成するための外部エネルギー源(そのようなエネルギー源としては、熱、圧力、及び/または超音波結合法が挙げられ、これは不織布に取り込まれる二成分繊維(bicomponent fiber)を使用することによって促進してもよいし、しなくてもよい)により形成することができる。
【0020】
固定方法の選択は、フィラメントのポリマーに依存し得る。たとえば、フィラメントがセルロースエステル、たとえば酢酸セルロースである場合、可塑剤を使用することができる。そのような可塑剤としては、たとえばトリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、グリコールモノエチルエーテルアセテート、水及びその組み合わせが挙げられる。一態様において、可塑剤は、不織布の0〜20重量%の範囲で不織布に添加することができる。別の態様では、可塑剤は、不織布の0〜10重量%の範囲で不織布に添加することができる。別の態様では、可塑剤は有機化合物の一種と水との混合物であるか、または水単独である。この水は、可塑剤の量を減らすことによってコストを削減する;カレンダー処理の間に水蒸気を形成することにより三次元構造をセットし易くする;構造体をセットするのに必要な温度を低下させる;不織布の表面特徴を改善する;及び多少の可塑化作用などを含む、以下に記載する、カレンダー処理に対して以下の非限定的な好都合な点を持つことができる(本明細書中、参照として含まれる米国特許第6,224,811号参照)。
また不織布は、以下のものを単独または組み合わせて含むことができる。
【0021】
患者内部で使用するときに検出できる、糸またはビーズなどのX線を通さない検出装置。あるいは、トウのフィラメントは、X線を通さないフィラー、たとえば酸化チタン(TiO2)を含むことができる。
【0022】
外部計数または追跡システムによって検出でき、外科手術前後で外科手術用ディスポーザブルを手作業で数える必要性を排除する無線(RF)タグ。
【0023】
外部計数または追跡システムによって検出でき、外科手術前後で外科手術用ディスポーザブルを手作業で数える必要性を排除する、テープなどのバーコードシステム。あるいは、バーコードは、本発明の表面の高密度化表面に直接印刷(またはエンボス化)することができる。
【0024】
微生物の成長を遅らせたり殺し、感染の発生を潜在的に低減させるための抗菌剤。そのような薬剤は慣用であり、薬剤、化学薬品などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬剤は、フィラメントを紡糸する間に添加することができるか、これらの薬剤を使用して不織布の構造を固定することができるか、任意の公知の方法でフィラメント表面に添加することができる。抗菌剤(antimicrobial agent)としては、抗菌剤(antibacterial agent)、抗ウイルス剤、抗真菌剤、及び/または抗寄生虫剤が挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤としては、銀イオン、キトサン、銅イオン、及び/または塩素化フェノキシ化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
不織布の不粘着性は任意の公知の方法により改善することができる。たとえば、吸収性セルロース誘導体を使用することができる。吸収性セルロース誘導体材料の一つはヒドロキシプロピルセルロースである。この材料は、創面と接触することを意図した不織布の表面に添加することができる。あるいは、アルギン酸カルシウム(海藻から誘導)も用いることができる。この材料は、創傷部と接触する不織布面にシートまたはウェブ状で添加し、創傷部から被覆材を取る前に塩水と接触させると迅速に溶解する。アルギン酸カルシウムはSpecialty Fibers and Materials,Ltd.より市販されている。別の態様では、任意の慣用法でシロキサンを不織布に添加することができる。
【0026】
柔軟な吸収性バインダー(flexible absorbent binder)(FAB)を不織布の吸収能を高めるために添加することができる。FABは任意の慣用法で不織布に適用することができる。そのような一材料は、本明細書中、参照として含まれる米国特許第6,964,803号に記載されている。
【0027】
不織布は、個人衛生用品/衣類の製造で通常使用される超吸収性粒子(superabsorbent particle)(SAP)をどれでも含むことができる。
【0028】
これらの非限定的な添加剤または処理は、本明細書中に記載の不織構造体に組み込む前、組み込む間またはその後に繊維構造体に含ませることができる。不織構造体を加熱すると添加剤または処理の効果に負の影響を与えるかもしれない場合には、そのような添加剤または処理はカレンダー処理後に適用しなければならないかもしれない。
【0029】
上記の点に加えて、本発明の不織材料は、1)三次元構造体の表面部分は三次元構造体の内部部分よりも密度が高い;2)外部表面は、突出しているフィラメントを実質的に含まない、ということによっても特徴付けることができる。
【0030】
第一の点、三次元構造体の表面部分は内部部分よりも密度が高いということについては、図2及び2Aを参照すべきである。図2及び2Aに示されている、本発明の不織材料は、外部表面(external surface)A、表面部分(surface portion)B及び内部部分(inner portion)Cをもつ。表面部分Bは、内部部分Cよりも高密度のフィラメント(たとえば、単位容積当たりより多いフィラメントまたは単位容積当たりより多い重量)をもつ。理論上は、表面部分Bの最大密度は、フィラメントから形成した完全に強化されたフィルム(即ち、表面部分には細孔もチャネルも全くない)であろう。このより密度の高い表面部分は、少なくとも二つの好都合な点:1)流量操作層(fluid flow management layer);及び2)高い強度をもたらす。流量操作層では繊維が非常に近接しているので、流体を毛管作用により運ぶ能力が高められる。かくして、フィラメント近接性(即ち、層の密度)を制御することにより、殆どの場合坪量とは独立して多孔度、強度及び流体を毛管作用により運ぶ能力を制御することができる。この密度はさらに、0.300〜1.000g/cm3の範囲の表面密度と、0.002〜0.035g/cm3の範囲のコア密度、または10〜110:1の表面/コア密度比として特徴付けることができる。(これらの密度値は以下のようにして計算される:表面部分の平均厚さは、不織材料の顕微鏡写真を測定して決定する;既知面積及び厚さの予め秤量したサンプルから表面部分を注意深く取り除く;取り除いた表面部分を再び秤量する;表面部分密度は、取り除いた表面部分の重量と、平均厚さから計算した体積と既知面積とを使用して計算する;コア密度は、以下の式を使用して計算する:コア密度=[元のサンプル重量−(2×表面重量)]/[面積×(元のサンプル厚さ−2×表面部分の平均厚さ)])。増加した強度は、表面部分の内部フィラメント結合数の増加に起因するのかもしれない。図4を参照すると、本発明の不織材料Cの強度と従来法の不織材料A及びBとを比較するグラフが示されている。増加した強度は、表面部分の密度を制御することによって調整することができる。
【0031】
第二の点、外部表面は、突出しているフィラメントを実質的に含まないということに関しては、図2及び2Aを参照すべきである。本発明の不織材料の断面図である図2及び2Aは、外部表面Aをもつ。外部表面Aは、突出しているフィラメントを実質的に含まない。本発明の不織材料を創傷被覆材として使用すると、突出しているフィラメントがない(または実質的にない)ことにより、創傷部に不織材料が付着する能力を低下させるはずである。
【0032】
あるいは、本発明の不織材料は、厚み(loft)のない(即ち、異なる密度の内部部分がない)薄い(たとえば紙のように薄い)構造体に形成することができる。言い換えれば、この構造体では密度は均一である。
【0033】
図5を参照して、本発明の不織材料の製造の一態様について記載する。不織材料を製造するためのプロセス10は、トウをバルク化する50;バルク化したトウの三次元構造を固定化する40(上記のごとく「固定化:fixing」は、種々の手段によって達成することができ、フィラメントを形成するポリマーによって決定され得る。従って、本明細書中で使用するように「固定化」は処理段階を指し、種々の点で実施することができるか、この処理段階の各部は、以下に記載するように、プロセス全体の種々の点で実施することができる)、及び固定した、バルク化けん縮トウをカレンダー処理60する、各段階を含む。示されている態様において、トウのバルク化50はさらに、トウを広げること20及びトウをデレジスター(deregister)すること30を含む。
【0034】
トウ14はベール12から引き出すことができる。トウ(またはトウバンド)14は一つ以上の結束ジェット16、18を使用して広げることができる20(即ち、ベールの中の圧縮された状態からその幅を広げる)。移動の間、トウ14は一つ以上のガイド17により導くことができる。さらに多くのトウは、幾つかのトウバンドを一緒に供給することにより組み合せることができる。このようにして、不織材料は種々の繊維を含むことができる。種々の繊維としては、種々のサイズの繊維、種々の材料から製造した繊維、種々の添加剤若しくは表面コーティングをもつ繊維、種々の化学薬品、医薬品及び物理的特性をもつ繊維、並びにその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。この柔軟性に関しては、種々の機能をもつ不織材料を製造することができる。上記の具体的な一例では、アルギン酸カルシウム繊維(たとえば、創傷面と接触するのに好ましい好都合なゲル化特性をもつ)は、他の繊維(たとえば上記のような)と容易に組み合わせて、創傷治癒製品を形成することができる。
【0035】
次いで広げたトウは、少なくとも二対の駆動ローラ32、34からなるデレジスター装置でデレジスター30する。これらの駆動ローラは種々の速度で回転する。一態様において、ローラ34はローラ32よりも早く回転する。一態様において、各対の一方のローラは溝が切られているか、またはねじ山が付けられており、もう片方は滑らかな表面である(図面には示されていない)。さらに、一対の予備張力(pretension)ローラ36を使用して、トウバンドのフィラメントのデレジスターを容易にすることができる。
【0036】
バルク化トウの三次元構造の固定は、トウをバルク化またはカレンダー処理する前、その間またはその後に実施することができる。
【0037】
一態様において、不織布の三次元構造を固定化しやすくするためにバルク化前に、デレジスターしたトウに可塑剤を添加する40。可塑剤は任意の慣用法で添加することができる。可塑剤は、ブラシ掛け、噴霧、パッド(pad)、吸い上げまたは他の種類の可塑剤アプリケーターにより適用することができる。さらに可塑剤は、トウ/バルク化トウの一つ以上の面に適用することができる。突出しているフィラメントを実質的に含まない表面をもつ態様を製造するとき、突出している繊維が確実に減るように可塑剤は(単数または複数の)表面に直接適用すべきである(追加の可塑剤は全く必要ない)。場合により、固定の可塑剤法を使用するとき、固定の設定は速度を上げることができる。即ち、設定時間を短くすることができる。設定の速度を上げることは、任意の慣用法で実施することができる。そのような方法の一つは、生蒸気(live steam)をバルク化トウに注入することであってもよい。蒸気の注入はさらに、一対のニップロールにより促進され得、これにより不織布の厚さ及び密度の制御に役立つ。あるいは、一対の加熱ゴデットローラを使用して固定を設定することができる。これらの加熱ゴデットローラ60はバルク化トウに接触し、トウの三次元構造を設定し易くするだけでなく、不織布の厚さ及び密度を制御する。
【0038】
別の態様では、三次元構造体の固定は、トウをバルク化した後で実施することができる。この後者の態様では、バインダー及び/または外部エネルギー供給源を、トウをバルク化した後で、任意の慣用法で適用する。
【0039】
デレジスター化トウは、任意の慣用法でバルク化50される。一態様において、トウはエアジェット52でバルク化される。そのようなエアジェット52は公知である。たとえば本明細書中、参照として含まれる米国特許第5,331,976号及び同第6,253,431号を参照されたい。バルク化トウは縦方向(MD)の強度を殆ど、あるいは、全く持たないので、バルク化後且つ固定前にバルク化トウを運ぶことが必要かもしれない。たとえばバルク化トウは、別の材料(たとえばティッシュ)または移動ベルトまたは回転ドラム(真空補助してもしなくてもよい)上を運ぶことができる。ティッシュは続いて廃棄されるか、またはティッシュは不織材料をベースとする続く製品に組み込むことができる。さらにティッシュは、バルク化トウをサンドイッチすることができる。トウをサンドイッチすることにより、バルク化トウは両面に同じ特徴をもつだろう。本明細書中で使用するティッシュ(tissue)としては、ティッシュ、織り布帛、編み布帛、他の不織材料、同じ不織材料、フィルムなどが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、単一、一対または二つ以上のローラー(または対向したローラー一対)を使用して、固定前にウェブを運ぶことができる。
【0040】
場合により、速度コントローラ54を使用して、不織材料の坪量を制御/調節することができる。あるいは、不織材料の坪量は、エアジェット直後に配置される一対の駆動ローラ(たとえば、ニップローラー)の追加により制御することができる。
【0041】
上記プロセスの追加の操作パラメーターは、本明細書中、参照として含まれる米国特許第6,253,431号;同第6,543,106号;同第6,983,520号;同第7,059,027;同第7,076,848号;同第7,103,946号;同第7,107,659号;及び同第7,181,817号の関連する部分から得ることができる。
【0042】
バルク化トウを固定したら、カレンダー処理60の準備が整う。カレンダー処理60では、バルク化トウを一対の加熱ローラーのニップ(即ち、隙間)を通す。この作用により、上記で設定された不織材料が形成される。カレンダー処理60に影響を与える主なパラメーターは過剰供給(overfeed)である。ニップと温度も重要であるが、過剰供給がなければ、本発明の不織材料は形成しない。(フィラメントの組成、ライン速度、バインダー/可塑剤、トウ過剰供給、熱転写などもある程度カレンダー処理及び生成した材料に影響を与えると考えられる)。ゼロニップ(即ち、隙間高さ0)では、紙のように薄い材料は過剰供給しなくても製造できることに留意されたい。過剰供給とは、エアジェットに入るトウの線速度対ニップを通るバルク化トウの線速度の比である。最小で、過剰供給は約1.5〜2.0:1であり、最大では、理論的限界はないが、実際の限界は約16:1である。酢酸セルロースフィラメントから製造した不織材料(本発明の一態様)に関しては、ニップは約0〜10mm(あるいは0〜5mmまたは0〜3mm)を変動し得;温度は、約300〜400°F(148.8〜204.4℃)の範囲であってもよい。両方のロールを加熱すると、表面部分の固定及び緻密化(densification)は不織材料の両方の外部表面上で達成される。ロールの一方を加熱すると、表面部分の緻密化は加熱ロールと接触している外部表面のみで達成され、構造体内の熱伝達は不織材料の固定に役立つ。
【0043】
バルク化トウをカレンダー処理した後、続く処理60の準備が整う。続く処理としては、巻き上げ;他の材料または成分の添加;滅菌;形状に切り出し;包装;続く結合(たとえば外部エネルギー供給源または接着剤);及びその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の不織布は、一つ以上の他の基材に接合することができる。そのような基材としては、フィルム、メッシュ、不織材料または布帛(織りまたは編み)が挙げられるが、これらに限定されない。上記の非限定的な例としては、不織材料からの滲出物の滲み抜け(strikethrough)を軽減若しくは防ぐためのバリヤフィルム;縦方向、横方向若しくは両方で不織材料にさらなる強度を提供するためのスクリム(紗幕:scrim);及び最終製品にさらなる触質性(tactile)若しくは審美的利益を提供する材料が挙げられる。
【0044】
本明細書中に開示された不織材料は、任意の用途で使用することができるが、予定された一用途は医療用である。そのような一医療用途は創傷治癒製品である。通常、創傷治癒製品は、中でも、創傷部位からの流体を取り除く能力(輸送現象)、取り除いた流体を保持する能力(吸収現象)、及び創傷に付着(粘着)しない能力が必要である。本明細書中で使用する創傷治癒製品とは、手術後の吸収性被覆材(またはパッド)、緩衝用創傷パッド、Gamgee(ガムジー)被覆材、外部または内部で使用するためのスポンジ(「綿撒糸:pledget」としても公知の非常に小さな例を含む)、包帯、患者用アンダーパッド、皮膚用製品/創傷清拭用ガーゼ、細い若しくは「リボンガーゼ」などのガーゼ及び内部手術室(OR)用途用の開腹手術スポンジを指す。この材料は、創傷被覆材においてその一部若しくは全体として、包帯においてその一部若しくは全体として、眼帯においてその一部若しくは全体として、授乳パッドにおいてその一部若しくは全体として、解剖で使用される吸収性材料においてその一部若しくは全体として、歯科被覆材においてその一部若しくは全体として、獣医科被覆材においてその一部若しくは全体として、または他に列記される用途の一つでも使用することができる。
【0045】
不織材料の他の使用としては、たとえば食品パッド(food pad)、拭き取り用ティッシュ(wipe)、濾材及び吸収性物品が挙げられる。
【実施例】
【0046】
上記の本発明は、以下の非限定的な実施例により詳細に説明されよう。
以下の表では、製品特性におけるニップ及び温度の影響を示すデータを提供する。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
本発明は、本発明の趣旨及び本質的な特性から逸脱することなく他の形態でも具体化でき、従って、本発明の範囲に示されたように、上記明細書ではなく、付記請求の範囲を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランダム配向し、且つバルク化した複数のけん縮フィラメントを含む不織材料であって、複数の点結合が前記けん縮フィラメントを相互接続して固定三次元構造とし、前記固定三次元構造の表面部分が、前記三次元構造の内部部分よりも密度が高い、前記不織材料。
【請求項2】
前記フィラメントが、アクリル、セルロース系誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の不織材料。
【請求項3】
前記点結合が、接触点においてバインダーが付着したフィラメント、接触点において一緒に合体されたフィラメント、接触点において一緒に融合されたフィラメント、及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の不織材料。
【請求項4】
表面部分の密度対内部部分の密度の比が10〜110:1の範囲である、請求項1に記載の不織材料。
【請求項5】
創傷治癒製品である、請求項1に記載の不織材料。
【請求項6】
ランダム配向し、且つバルク化した複数のけん縮フィラメントを含む不織材料であって、複数の点結合が前記けん縮フィラメントを相互接続して固定三次元構造とし、前記固定三次元構造の外部表面が、突出しているフィラメントを実質的に含まない、前記不織材料。
【請求項7】
前記フィラメントが、アクリル、セルロース系誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の不織材料。
【請求項8】
前記点結合は、接触点においてバインダーが付着したフィラメント、接触点において一緒に合体されたフィラメント、接触点において一緒に融合されたフィラメント、及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の不織材料。
【請求項9】
創傷治癒製品である、請求項6に記載の不織材料。
【請求項10】
ランダム配向し、且つバルク化した複数のけん縮フィラメントをもつ不織材料であり、複数の点結合が前記けん縮フィラメントを相互接続して固定三次元構造とし、前記固定三次元構造の表面部分が、前記三次元構造の内部部分よりも密度が高いか、または前記固定三次元構造の外部表面が、突出しているフィラメントを実質的に含まない前記不織材料の製造法であって、
フィラメントトウをバルク化する;
前記フィラメントを三次元構造体に固定する;及び
バルク化フィラメントトウをカレンダー装置に過剰供給することによって前記三次元構造体をカレンダー処理する、各段階を含む前記方法。
【請求項11】
過剰供給比が、バルク化に入るトウの線速度対カレンダー装置内のトウの線速度であり、少なくとも1.5:1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
過剰供給比が1.5〜16:1である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記カレンダー処理が加熱カレンダー処理である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記加熱カレンダー処理が、300〜400°F(148.8〜204.4℃)の範囲の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記カレンダー処理が、0〜10mmの範囲のニップギャップを用いる、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−64225(P2013−64225A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−262404(P2012−262404)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2010−520023(P2010−520023)の分割
【原出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(506099834)セラニーズ アセテート,エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】