説明

バルク材を取出する方法および装置

【課題】簡単かつ低コストに製造可能であり、特に粉末のように自由に流れるのでないバルク材の場合に利用法と取扱が簡素である、バルク材容器からの取出をする方法および装置を提供することにある。
【解決手段】バルク材容器の上側の開口部から取出をするために、本発明によると、吸引ヘッド4は垂直方向に延びる案内部32で案内され、それによって横方向で安定化される。これに加えて、吸引ヘッド4から下方へ突出する吸引管開口部25’は、たとえば吸引ヘッド4の下側部分4bが上側部分4aに対して旋回できることによって、案内のために横方向へ変位可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上方からバルク材容器からの取出をする方法ならびに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で対象とするバルク材のうち、特に粉末(および程度は低いが顆粒)は、一方では輸送容器内で振動、湿度などの環境要因によって非常に強く圧縮されて塊になりやすいという特性を有しているが、他方では、バルク材によってはこのような容器から取出をする際に大量の塵埃発生につながる傾向もあり、通常、このことは(そのために爆発の危険が生じるという理由だけですでに)欠点であり、健康被害のある物質の場合にはなおさらである。
【0003】
輸送容器の種類に応じて、輸送容器はさまざまに異なる仕方で取出される。
【0004】
たとえば、下面にある出口を通じて下方から輸送容器の取出をすることが知られている。
【0005】
このことは袋状の輸送容器の場合に知られており、また、サイロのように形状の定まった容器の場合にも知られている。
【0006】
このような方式は、その中に含まれるバルク材の流動性が不足している場合に特別に不都合である。流動性が悪いと、打撃、振動、換気部材などといった補助手段を投入しなければはならないからである。
【0007】
これに加えて、収容容器を下側開口部につなげるのが状況によっては難しい。収容容器は、輸送容器全体を高く上げることを必要とする場合があるからである。
【0008】
同様に、取り出される量を正確に調量可能にすることも、しばしば困難である。
【0009】
したがって最大約2tの量の場合には、輸送容器として、いわゆるビッグバッグすなわち大型の袋状容器が非常に広く用いられており、あるいは、いわゆるオクタビンすなわち固定的な八角形の周壁をもつ容器であって、バルク材を収容するシート袋の形態の柔軟な内部容器が中にあるものが用いられている。
【0010】
これら両者はそれぞれ上方に向かって開いており、下側の取出口は有していないのが通常であり、したがって、普通は負圧で作動する吸引装置を用いて、上方から取出される。
【0011】
負圧によって上方から吸引をすることで、システム上から塵埃発生が少なくなるが、完全に回避されるわけではない。クレーターが滑り落ちるときに塵埃が発生し、そのような塵埃は吸引管や吸引ヘッドの吸引領域外に位置している可能性があり、そのために完全には除去されないからである。
【0012】
とりわけバルク材としての粉末は、プラスチック産業においてPVC粉末の形態でPVCプラスチック部品の製造のために用いられており、あるいは樹脂原料として、接着剤製造のための原料として、着色顔料として、あるいは食品産業では穀粉の原料、澱粉や増粘剤、さらには香料物質としても用いられている。
【0013】
本明細書で対象とする取出装置は、通常、やぐら形または門形をした本体フレームからなっており(たとえば特許文献1参照)、その下に、上方に向かって開いた輸送容器が設置される。
【0014】
このような本体フレームを起点として、上側が開いている輸送容器の中へ上方から吸引装置が挿入され、負圧が作用する吸引ホースを通じた吸引によって、バルク材が所望の個所まで運ばれる。
【0015】
吸引装置は、通常、第1の昇降器具に懸架されており、この昇降器具によって吸引装置の高さを輸送容器内で調整することができる。
【0016】
吸引装置として用いられるのは、もっとも単純なケースでは吸引管であるが、吸引管はその前側端部のところで小さな直径しか有しておらず、したがって、それに比べて比較的広い、1mを超える場合もある容器の表面領域全体にわたってあらゆる横方向へ、および垂直方向へも、たとえば操作員によって再度案内されなくてはならない。
【0017】
このことは一方では人員面の負担が大きく、他方では、粉末が固化している場合には連続式の吸引が可能でないので、特許文献2により、吸引管がセンサによる制御で常に粉末またはその他のバルク材の表面からわずかな間隔をおくように保持され、その際に、次に深い層を処理できるようになるまで、所定の平面パターンでバルク材容器の表面全体を走行することによって、相応の補助装置を用いてこのような吸引管で上方から層ごとに容器からの取出をすることがすでに知られている。
【0018】
しかしこのことは、粉末のようなバルク材が強力に固化している場合に、粉末を追加的にほぐすことなしには、粉末を容器から吸い出すために吸引管の吸引力が十分でなくなるという問題を取り除くものではない。
【0019】
さらに別の問題は、取出の終わりごろに、吸引管によってシート袋が吸い込まれてしまうことにある。
【0020】
そこで単純な吸引管の代わりに、これに比べて幅が広くなった吸引ヘッドがしばしば用いられており、このような吸引ヘッドはいっそう広い外径で周囲のバルク材に当接し、もしくは当該バルク材の上で浮動し、この場合、吸引ヘッドからバルク材へ振動がさらに導入されて、バルク材をいっそう流動性にするのが好ましい。
【0021】
しかしこのことも、粉末が強力に固化している場合、状況によっては十分ではない可能性がある。
【0022】
さらに別の方策として、袋状の柔軟な輸送容器を上側縁部のところで第2の昇降器具によって同時に持ち上げることができ、それによって輸送容器の側面が次第に急傾斜になる。
【0023】
輸送容器の上側縁部が取り付けられる昇降器具の保持リングが、充填状態にある容器よりも小さい直径を有していれば、持ち上げることによって容器の側壁が内方に向かって押されて崩れていくことになるが、このことは、容器から部分的またはほぼ取出されているときに初めて有意義なのであり、すなわち、横に残っている壁が厚すぎなくなったときに初めて有意義である。
【0024】
さらに別の難点は、とりわけ粉末状のバルク材が、多くの場合に上側の開口部が350mmよりも小さい輸送容器に入れて納入されるという点にある。そのために多くの大型の吸引ヘッドは使用することができず、あるいは、それによってはバルク材の表面上で横方向へ十分な運動を行うことができない。
【0025】
このように、バルク材容器からの取出をするこのような公知の手法の欠点は、次のようにまとめることができる。
−バルク材の強い固化のために吸引が不可能となる。
−塵埃発生を緩和するための方策が必要。
−下方から取出をする場合、取出プロセスの調量可能性が低い。
−場合により、特に下側の取出装置へ輸送容器を脱着するためのコストがかかる。
−残らず取出をするのが不可能。
−上側の開口部の直径が小さくなりすぎると取出が可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004015014.1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4218331号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を回避したうえで、簡単かつ低コストに製造可能であり、特に粉末のように自由に流れるのでないバルク材の場合に利用法と取扱が簡素である、バルク材容器からの取出をする方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この課題は、請求項1および11の構成要件によって解決される。好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0029】
輸送容器から取出をするとき、吸引ヘッドは上方からバルク材へ挿入されるものの、本発明によるとバルク材の取り崩しは、従来のように上方から行われて従来技術の多くの場合のように流動性のバルク材がクレーター状に滑落するにまかせるのではなく、これとは逆に下方から行われる。
【0030】
まず最初、吸引ヘッドを降下させて吸出しを作動させることで、通常は垂直方向の細い吸出し穴がバルク材の中央部につくられ、吸引ヘッドが輸送容器の底面付近にくるまでこれを続ける。
【0031】
垂直方向の壁があるにもかかわらず、この吸出し穴は、通常は非常に流動性の悪い粉末の場合、自然に崩落することはない。
【0032】
次いで、この直立している細い吸出し穴の下側端部がまず下側領域で拡張され、好ましくは、輸送容器の内部直径全体に近似的に相当する直径になるまで拡張される。
【0033】
このことは、たとえば吸引ヘッドの上側部分に対して側方へ偏向可能な下側部分が、さまざまに異なる偏向方向へ相対して偏向することによって実現することができ、または、最初は小さい半径で、そして次第に大きくなる半径で円運動を実行もしくはシミュレーションすることによって実現することができ、これも当然、吸出しを作動させながら行われる。
【0034】
このようにして下側が大きく拡張された吸出し穴ができ、この吸出し穴は多くの場合、斜め上方に向かって円錐状に細い吸出し穴へと上昇していく天井を有している。
【0035】
そしてバルク材をさらに取り崩すために、拡張された吸出し穴の、多くの場合円錐状であるこの天井が下方から上方に向かって運び出され、これは、たとえば吸引ヘッドをゆっくりと上方に向かって移動させながら吸引ヘッドの下側部分を、細い吸出し穴の中に残っている上側部分に対して相対して偏向させることによって行われる。
【0036】
このとき吸引ヘッドは、特にその上側部分は、バルク材に対して横方向の圧力を印加できるようにするために、横方向で保持される。
【0037】
このことは、吸引ヘッドのせん断力を受けとめて本体フレームに伝えることができる、吸引ヘッドの安定した垂直方向の案内部によって行うことができる。
【0038】
このような下方から上方に向かっての取り崩しにより、バルク材の流動性に頼らなくてすむようになる。
【0039】
それにもかかわらず、バルク材が予期に反して流動性を有しており、そのために吸出し穴の壁が崩壊したとしても、そのことは以後の取り崩しプロセスにとって不都合ではなく、むしろこれを促進する。
【0040】
しかし、これは多くのケースで起こる事態であり、取り崩しは下側の拡張された吸出し穴から上方に向かって行われるが、このことは、そこで取り崩しのときに生じる塵埃発生が非常にわずかな程度にしか、直立する細い中央の吸出し穴を通って上方に出ることができないという追加の利点をもたらす。中央部にある偏向可能でない吸引ヘッドの上側部分によって、吸出し穴の大部分が塞がれているからである。
【0041】
それにもかかわらず上方に向かって出ていく塵埃は、輸送容器の上方で、吸引ヘッドのための中央の直立する案内部と、これを取り囲む保持リングとの間の自由空間を覆う塵埃カバーによって抑止することができるが、このことに意味があるのは、輸送容器が周回するように保持リングへ密閉して取り付けられている場合に限られる。
【0042】
そもそも下方からのバルク材の吸出しが可能であるためには、吸引管の自由開口部を取り囲む領域でバルク材が能動的に流動化されなくてはならず、そのために、周知のとおりバイブレータが利用される。
【0043】
たとえば吸引ヘッド全体を振動させ、それによって吸引ヘッドがバルク材との接触個所で、このような振動をバルク材に伝達することが知られている。
【0044】
しかし多くの場合、吸引ヘッドは程度の差こそあれ閉じられた鋼板製のハウジングでできており、その薄板部品は当然ながらその円周面全体で他のコンポーネントに取り付けられている。
【0045】
それに対して本発明では振動する振動部材によって流動化が行われ、この振動部材は片側でのみ吸引ヘッドに取り付けられるとともに、自由に振動する、取り付けられていない他方の端部を有しており、それによってこの端部は非常に簡単に振動させることができるとともに、閉じられたハウジングや両端部で取り付けられたヨークのような振動部材よりも大きい振幅で振動することができる。
【0046】
この目的のために、吸引管開口部の周囲に配置された振動ロッドが利用されるのが好ましい。
【0047】
(好ましくは周波数および/または振幅に関して調整可能である)振動部材を振動させるバイブレータは、圧縮空気によって作動するのが好ましい。
【0048】
細い吸出し穴を穿つときに、中央部で上側部分に対して一直線上を向く吸引ヘッドの下側部分は、吸引ヘッドのハウジングを挿通させるのに十分に大きい吸出し穴をつくることができないという事態が起こる可能性がある。
【0049】
そうしたケースでは、細い吸出し穴を穿つときに下側部分を上側部分に対して絶えず偏向させなくてはならず、それは、円を描く運動または相対して偏向する運動によって、細い吸出し穴の直径を少なくとも吸引ヘッドのハウジングの大きさにするためである。
【0050】
このような吸引ヘッドのすべての偏向運動は、場合により吸引ヘッドおよび/または輸送容器の上昇運動もしくは下降運動と組み合わされたうえで、中央の制御部によって制御され、この制御部は、吸引ヘッドおよび取出装置全体の運動経過についての複数のプログラムを含んでいるのが好ましく、これらのプログラムが(場合により操作者が設定するバルク材の種類に依存して)自動的に選択される。
【0051】
自動制御の目的のために、取出装置は、吸引ヘッドまたは吸引ヘッドの部品がバルク材に接近または接触していることを検知する1つまたは複数のセンサを、たとえば吸引ヘッドまたは吸引ヘッドの昇降装置に含むこともできる。
【0052】
固化した粉末のように、ほとんど流動性のないバルク材を当分野に属する取出装置で取出できるようにするために、このような取出装置は本発明によると、案内部に取り付けられた吸引ヘッドが固化したバルク材に側方から押圧され、その際に、吸出しが作動しているにもかかわらずバルク材の取り崩しが徐々にしか進まない場合に発生するようなせん断力も受けとめることができる直立する案内部で吸引ヘッドが案内されているという第1の特質を有している。
【0053】
第2の特質は、吸引管の開口部が吸引ヘッドの残りの部分に対して側方へ変位可能であるという点にある。
【0054】
このことは、たとえば吸引ヘッドが、たとえば昇降の目的のために直立する案内部に取り付けられた上側部分で構成されており、この上側部分に、これに対して変位可能な、特に旋回可能または円運動をする下側部分が取り付けられていることによって行うことができる。
【0055】
円周全体にわたって配分された状態でたとえば上側部分に配置されていてよい旋回装置によって、たとえば繰出し可能な旋回シリンダによって、下側部分を、およびこれに伴って下側部分を貫通する吸引管および吸引管開口部を、好ましくはあらゆる任意の複数の方向へ上側部分に対して旋回させることができる。
【0056】
下側部分の回転駆動によって、または下側部分が回転しない場合には旋回装置の相応の制御によって、吸引管開口部の円を描く運動も可能である。
【0057】
さらに別の解決法は、自由な吸引管開口部を備える吸引管が案内部の長手方向に対して斜めに吸引ヘッドから突出するとともに斜めに繰出し可能であり、これに追加して、吸引ヘッドまたは2部分からなる吸引ヘッドの場合にあっては吸引ヘッドの少なくとも下側部分が回転可能であることであり得る。
【0058】
回転方向はいずれのケースでも逆転可能であるのがよい。
【0059】
下側部分が上側部分に対して偏向可能である場合、吸引ヘッドを貫通する吸引管は、このような旋回運動を行えるようにするために、少なくとも下側部分の当該領域で柔軟に、特に吸引ホースとして構成されていなくてはならない。
【0060】
旋回装置の1つの単純な構造は、案内部の長手方向と平行に上側部分で吸引管の周囲に配置され、ピストンロッドが吸引ヘッドの下側部分のエンドプレートの自由端に取り付けられた旋回シリンダであり、該エンドプレートは、下側部分のハウジングの下側端部をなしているとともに、下方に向かって突出する吸引管によってのみ貫通されている。
【0061】
ピストンロッドは自由端領域で屈曲可能に構成されており、そのために、たとえばピストンロッドは油圧ホースやフレックスパイプのような限定的に撓曲可能なホースでできており、または、少なくとも1つの継手、好ましくはカルダン継手や玉継手をそれぞれ含んでいる。このようにして、こうした旋回シリンダを的確に繰出すことで、エンドプレートおよびこれに伴って吸引管の自由端をどの任意の方向へも調整することができ、また、吸引管の自由端の円を描く運動も行うことができる。
【0062】
特にバルク材が食料品である場合にバルク材の汚れを防止するために、吸引ヘッドの上側部分と下側部分はいずれも密閉して閉止されたハウジングで取り囲まれており、このハウジングの中にたとえば旋回シリンダとそのピストンロッドもある。
【0063】
すでに述べたとおり、バルク材は吸引管開口部の領域で、そこに取り付けられた振動部材によって流動化される。
【0064】
この振動部材は、振動工学的に振動部材と連結されたバイブレータによって振動する。
【0065】
たとえばバイブレータは下側部分のハウジングのエンドプレートの裏側に載置されており、すなわちハウジングの内部にあるのに対して、エンドプレートの外側からは振動部材が突き出ている。
【0066】
それによってバイブレータと振動部材の良好な振動工学上の連結が実現され、それは特に、このようなエンドプレートが、追加的に、ハウジングおよび吸引ヘッドの残りの部分から振動工学的に切り離されている場合である。
【0067】
これらの振動部材は、特に振動ロッドは、吸引管およびその自由端領域の長手方向と平行に延びているのが好ましく、吸引管の自由端よりもわずかに突出する。
【0068】
振動ロッドは吸引管の周囲に1列または複数列で配置されており、それにより、全体として横から見たときに円筒あるいは円錐の形状を有することができる冠状振動部を形成する。
【0069】
冠状振動部の大きさは、吸引ヘッドのハウジングの直径よりも小さく、または等しい大きさに、またはこれよりも大きく選択することができる。
【0070】
バルク材が稠密であればあるほど、吸引管周辺でのバルク材の流動化が意味をなす距離は短くなる。
【0071】
吸込を容易にするために、吸引管の壁部には開放端のほうから刻まれたスリットが設けられていてよく、その幅はバルク材の最大の粒子直径にほぼ相当している。
【0072】
それぞれの振動部材の間隔は、振動部材の直径ないし厚みよりも広いのが好ましい。振動ロッドの場合、1mmから10mm、好ましくは2mmから5mmの振動ロッドの厚みが有意義であることが判明しており、振動ロッドはエンドプレートと同じく金属でできているのが通常である。
【0073】
特に振動ロッドである振動部材の軸方向長さは、吸引管の直径の少なくとも半分、より好ましくは全体に相当しているのが好ましい。
【0074】
吸引管の最大偏向した下側端部が円運動によって動くことができる半径は、当然ながら、輸送容器の底面のできる限り広い部分を上述した仕方で処理できるようにするために、吸引ヘッドのハウジングの直径よりも大きいのがよく、特に、輸送容器の内側直径に近似的に相当しているのがよい。
【0075】
垂直方向または直立方向における吸引ヘッドのための案内部は、必ずしも昇降のための駆動装置を含んでいなくてもよい。
【0076】
昇降は、案内部とは関わりなく、たとえば滑車装置を含み、これに吸引ヘッドが懸架されており、それによって吸引ヘッドが横方向でのみ案内部により保持される、別個の昇降器具によって具体化することができる。
【0077】
したがって案内部は、複数の伸縮部材、好ましくは少なくとも3つの伸縮部材を備える単純な伸縮ロッドで構成することができ、これは伸縮ロッドができる限り少ししか上方に向かって本体フレームの横方向トラバースよりも突出せず、それによって取出装置の各コンポーネントが大きくなりすぎないようにするためである。
吸引ヘッドのための滑車装置を備える第1の昇降器具に加えて、第2の昇降器具が同じく滑車装置によって輸送容器を持ち上げるために設けられていてよい。
【0078】
このとき両方の滑車装置は、1つの事例では、対応する作業シリンダすなわち吸引ヘッドシリンダのピストンロッドと連結され、別の事例では、容器シリンダのピストンロッドと連結されるのが好ましく、これらのピストンロッドは多くの場合空気圧式に作動し、好ましくは本体フレームの垂直支柱の表面または横にある。
【0079】
周知のとおり、オクタビンのシート袋のような袋状の輸送容器は、水平に位置する保持リングによってこの第2の昇降器具に取り付けられ、保持リングの円周に輸送容器が取り付けられて、さらに輸送容器が昇降器具に懸架される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】上方からバルク材を取り崩すときの取出装置である。
【図2a】下方からバルク材を取り崩すときの取出装置である。
【図2b】下方からバルク材を取り崩すときの取出装置である。
【図2c】下方からバルク材を取り崩すときの取出装置である。
【図3a】吸引ヘッドを詳細に示す図である。
【図3b】吸引ヘッドを詳細に示す図である。
【図3c】吸引ヘッドを詳細に示す図である。
【図4】冠状振動部を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0081】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて詳しく説明する。
【0082】
図1と図2は同じ取出装置を示しているが、あとで説明する取出の進め方が相違している。
【0083】
この取出装置は、間隔をおいた2つの垂直支柱20を備える、本例では門形をした本体フレーム12でそれぞれ構成されており、これらの垂直支柱は水平な横方向支柱19に上側端部のところで安定的に相互に連結されている。
【0084】
単純なやぐらで構成することもできる本体フレーム12は、輸送容器6としてのビッグバッグ全体をパレット40の上に縦置きしたまま、それぞれの垂直支柱20の間から横方向支柱19の下の中央部に入れて格納することができ、その上方には横方向支柱19まで、取出装置の他のコンポーネントための十分なスペースが残る程度の大きさに寸法決めされている。
【0085】
このような他のコンポーネントは、本体フレームにではなく、建物の天井に懸架されていてもよく、その場合にはそもそも本体フレームも必要ではなくなる。
【0086】
これは特に吸引ヘッド4であり、吸引ヘッドは上方から上側開口部を通して輸送容器6の中へ降下させることができ、そこから、本例では本来の吸引ヘッド4のハウジング30から下方に向かって突出する吸引管25を介して材料を吸い出し、吸引ヘッド4の上側端部と密閉式に連結された吸引ホース16を介して運び出す。
【0087】
この吸引ヘッド4は垂直方向の案内部32の下側端部に取り付けられており、この案内部は、本例では3つの伸縮部材32a,b,cを備える3段階に伸縮可能な案内ロッド32であり、輸送容器6の中の固化したバルク材13との接触によって案内部32の長手方向10に対して横方向11に吸引ヘッド4へ及ぼされる力を受けとめて、吸引ヘッド4の横方向位置、特にその上側部分4aの横方向位置が変わらないようにする役目を果たす。
【0088】
図1では、吸引ヘッド4の上側部分4aは案内部32によって横方向11でのみ支持されており、それに対して吸引ヘッドの高さの変位は、吸引ヘッドの上側部分が懸架されて上方または下方に向かって動く滑車装置3からなる第1の昇降器具5を介して行われる。
【0089】
この目的のために、滑車装置3のロープ2は横方向支柱19にある方向転換ロール8を介して垂直支柱20のうちの1つへと方向転換され、そこで、垂直支柱20の表面または内部に取り付けられた吸引ヘッドシリンダ14と連結されており、それにより、このシリンダ14のピストンロッドの繰込みと繰出しによって、吸引ヘッド4を昇降運動させることができる。
【0090】
さらに図1から図2では、ビッグバッグの上側縁部に縫合されたビッグバッグ6の引手39が懸架された、案内ロッド32の周囲に延びる保持リング1を、やはり滑車装置3’を含んでいる別の昇降器具5’によって同じく上昇可能かつ降下可能である。この場合にも、上方に向かって延びるロープ2は方向転換ロール9を介して、本体フレーム12の垂直支柱20の内部または表面にある容器シリンダ24へと案内される。
【0091】
シリンダ14,24は、図2aでは、ピストンロッドの繰出し長さを判定し、それによって、これに懸架されたコンポーネントのストローク高さを判定するためのセンサ36,36’をそれぞれ追加的に含んでいる。
【0092】
図2bおよび図2cには、上側の開いた端部のところで同じ保持リング1へ同じく追加的に取り付けることができるインライナ44すなわち追加の内側のシート袋を備える、ビッグバッグの形態の輸送容器6が追加的に示されている。ただし、このインライナ44の吸出しに利用可能な上側の開口部は、直径に関して、輸送容器の最大直径よりもはるかに小さく、吸引ヘッド4の直径よりわずかに大きいだけにすぎない。
【0093】
図1に示すように、自由に流れるのではない製品の場合、特にバルク材13としての固化した粉末の場合、吸引管25の下方を向く吸引管開口部25’をバルク材13の中央部に降下させ、そこから下方に向かって作動させるだけでは十分ではない。流動性の良いバルク材の場合にしか、縁部から滑り落ちていく円錐状の吸出し穴が生じないからである。
【0094】
本例のように自由に流れるのではない流動性の低いバルク材の場合、図1の吸出し穴18の壁の急傾斜を見るだけで明らかなとおり、取り崩しにあたって上方から穴の底面をはるかに広い幅で吸引しなくてはならず、このことは本例では、吸引ヘッド4の下側部分4bがその上側部分4aに対して側方へ旋回可能であることによって可能になっている。
【0095】
このことは、図3aおよび図3bが示すように、吸引管25が下側部分4bの領域で柔軟な吸引ホース16’として構成されており、これを下側部分4bとともに撓曲させることができることによって可能になる。
【0096】
この目的のために、下側部分4bのハウジング30も、半径方向の間隔をおいて吸引ホース16を環状に取り囲む可撓材料で構成されており、それに対して、同様に配置される上側部分4aのハウジング30は剛性の高い材料で構成されていてよい。
【0097】
下側部分4bのハウジング30は、下側のエンドプレート29によって下側で閉止される。本例では撓曲は、吸引管25の周囲の上側部分4aに、均等に配分された4つの角度位置で旋回シリンダ26aから26dが配置されていることによって惹起され、これらの旋回シリンダは、たとえば上側部分4aのハウジング30の上側の端面プレートに取り付けられるとともに、ピストンロッド27が下方を向いており、これらのピストンロッドも下側部分4bを貫いて延びるとともに、それぞれの自由端が下側部分4bのハウジング30に取り付けられており、たとえばその下側のエンドプレート29に直接取り付けられている。
【0098】
これらのピストンロッド27がその形状に関して屈曲可能であり、本例ではそれぞれ間隔をおく2つの継手28を有しており、ただしこれらの継手は好ましくは全方向への限定的な偏向だけをそれぞれ可能にし、たとえばカルダン継手として構成されていることによって、個々のピストンロッド27を相互の関係で的確に繰込み、繰出しすることで、下側のエンドプレート29のどのような所望の傾斜位置でも実現することができ、それにより、この下側のエンドプレート29から直角に中央部で突出する吸引管25およびその端面側の吸引管開口部25’の傾斜位置も実現することができる。
【0099】
このようにして、旋回シリンダ26a,b,c,dの繰込み運動と繰出し運動を相互に調整しながら制御する制御部17を用いて、図3cに案内部32の長手方向10で図示するように、吸引管25を順次個々の偏向位置へ移すことができ、あるいは、上側部分4aまたは下側部分4bすなわちそのハウジング30を実際に回転させることなく、横方向に静止している上側部分4aの中心点を中心として吸引管25の端部の回転運動をシミュレーションすることができる。
【0100】
さらに図1から図3は、吸引管25の自由端の領域でこれを取り囲む冠状振動部37を示しており、冠状振動部は図4aと図4bに詳細が示されている。
【0101】
冠状振動部37は、ここでは多数の振動ロッド33である振動部材が周囲のバルク材13に当接することによってこれをほぐして流動化させ、それによって吸引管開口部25’の中へ吸出し可能にする役目を果たす。
【0102】
図4が示すように、吸引管開口部25’から後方へ奥まりオフセットされたところで、環状のベースプレート34が吸引管25の周囲に配置されている。
【0103】
吸引管25に対して横方向に位置するこのベースプレート34を起点として、多数の振動ロッド33が吸引管25の自由端の方向に屹立しており、ある程度の区間だけ自由端よりも突き出している。
【0104】
本例では、振動ロッド33はすべて等しい長さであり、吸引管25の周囲の2つのリングとして配置されている。
【0105】
幅が数ミリメートルの振動ロッド33の間隔は、その直径よりも大きくなっているのが通常であり、それにより、振動状態のときにも相互に接触しないようになっている。
【0106】
振動ロッド33がベースプレート34に片側だけ取り付けられていることで、自由に延びるその端部は非常に良好に振動して、バルク材13と接触したときにこれをほぐすことができる。
【0107】
さらに、それぞれの振動ロッド33の間には、円周全体にわたって配分され、カップ状のループをなすように湾曲した、スペーサ41としての4つのワイヤを見ることができ、これらのワイヤは両方の端部で吸引ヘッドに取り付けられるとともに、半径方向で冠状振動部37を超えて突出しており、特に、輸送容器6またはシート袋が吸引管開口部25’に大きく接近しすぎてこれに吸着されるのを防止するためのものである。
【0108】
この目的のために、スペーサ41は半径方向および軸方向でも冠状振動部37よりも突き出ている。
【0109】
ただし振動ロッド33の構成によっては(たとえば、その自由端が半径方向内側に向かって吸引管開口部25’の領域へ若干入るように湾曲している場合)、このようなスペーサを省略することもできる。
【0110】
振動ロッド33は、図3に見られるように、下側部分4bのハウジング30の内部で、たとえば下側部分4bのハウジング30の端面側の閉鎖部を形成するエンドプレート29の上に取り付けられたバイブレータ31により、振動するように励起される。バイブレータ31は、ハウジング30の中を通る圧縮空気配管43を介して供給される圧縮空気によって作動する。
【0111】
さらに図3aと図3bは、ベースプレート34が吸引管25の外側円周上に直接着座するのでなく、図3aのように本来の吸引管25を外側で取り囲む被覆管42の上に着座していてもよいことを示している。
【0112】
しかしながら重要なのは、バイブレータ31が振動工学的にできる限り良好に振動部材に、本例では振動ロッド33に連結されることだけであり、吸引管25を介して直接であるか、それとも吸引管25を取り囲む被覆管42を介してであるかは問わない。
【0113】
図1は、バルク材13の表面から吸引管25の外方旋回によって、どのように比較的幅の広いクレーターをバルク材に上方から穿つことができるかを示しているのに対して、図2は、本発明の取出装置による、粉末のような流動しにくいバルク材13の好ましい取り崩し方法を示している。
【0114】
まず最初に図2aのように、吸引管開口部25’がバルク材13の表面に中央部で載置される。このとき吸引ヘッド4の下側部分4bは上側部分4aに対して偏向しておらず、それにより、吸引管開口部25’で終わる吸引管25は、吸引ヘッド4の長手方向の案内を惹起する、通常は垂直方向に延びる案内ロッド32の長手方向10と一直線上に並んでいる。
【0115】
この位置にあるとき、吸出しのスイッチが入ると吸引ヘッド4が降下していき、それによって細い中央の吸出し穴18がつくられ、その直径は吸引ヘッド4のハウジング30よりわずかに大きい程度であり、吸引管開口部25’が輸送容器6の底面のすぐ上にくるまでこれを続ける。
【0116】
流動性が欠けているために、この細い中空の吸出し穴18は垂直方向の壁があるにもかかわらず崩落しない。
【0117】
この状態に達してから、次第に広くなる半径で吸引管開口部25’をさまざまに異なる横方向で側方へ偏向させ、および/またはシミュレーションによる円運動をさせることで、吸込穴18の下側端部が次第に広がってチャンバ状の広い吸出し穴18’になり、最終的に、輸送容器6の内側の直径全体を近似的に有するまでになる。
【0118】
次いで、この広がった吸出し穴18’のほぼ円形の屋根部分が下方から、冠状振動部37およびこれに伴う吸引管開口部25’の相応の運動によって、たとえば円を描く運動によって、下方から上方に向かって処理されていき、残っているバルク材13の天井が自然に崩れる程度に薄くなるまでこれを続ける。
【0119】
これら一切は、第2の昇降器具5’(図面を見やすくするため図1にのみ図示)によって保持リング1を引き上げていき、それに伴って輸送容器6の側壁も引き上げて内方へ引き寄せることによって支援され、このことは、バルク材13の側壁も同じく追加的に崩落させることになり、それは特に、その際に輸送容器6が底面から、すなわち本例ではパレット40から完全に持ち上げられ、次いで、再び底面すなわちパレット40に載せられるような場合である。
【0120】
こうした輸送容器6の垂直方向への変位は、吸引ヘッド4の下側部分4bの偏向運動およびその上下動の場合と同じく制御部17によって惹起され、その際に考慮に入れられる。
【0121】
最終的に、このようにして(図2cに示すように)輸送容器6が完全に取り出されて、先端が下方を向く円錐形状または円錐台形状を形成し、その中に、最後に残ったバルク材を吸い出した後の冠状振動部37がある。
【0122】
ここで吸引ヘッド4を上方に向かって輸送容器から引き出し、充填された次の輸送容器6と取り替えることができる。
【符号の説明】
【0123】
1 保持リング
2 ロープ
3,3' 滑車装置
4,4' 吸引ヘッド
4a 上側部分
4b 下側部分
5,5' 昇降器具
6,6' 輸送容器
7 オクタビン
8 方向転換ロール
9 方向転換ロール
10 長手方向
11 横方向
12 本体フレーム
13 バルク材
14 吸引ヘッドシリンダ
15 吸出し装置
16,16' 吸引ホース
17 制御部
18,18' 吸出し穴
19 横方向支柱
20 垂直支柱
24 容器シリンダ
25 吸引管
25' 吸引管開口部
26a,b,c,d 旋回シリンダ
27 ピストンロッド
28 継手
29 エンドプレート
30 ハウジング
31 バイブレータ
32 案内部、伸縮ロッド
32a,b,c 伸縮部材
33 振動ロッド
34 ベースプレート
35 スリット
36,36' センサ
37 冠状振動部
38 塵埃カバー
39 ループ
40 パレット
41 スペーサ
42 被覆管
43 圧縮空気配管
44 インライナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開いた輸送容器(6)からバルク材(13)、特に粉末、を吸い出すための取出装置であって、
負圧が作用し、吸引管(25)およびバイブレータ(31)を備える吸引ヘッド(4)を含んでいる吸出し装置(15)と、
前記吸引ヘッド(4)を上方から輸送容器(6)の中へ降下可能かつこれから出るように引上げ可能である第1の昇降器具(5)とを有する取出装置において、
前記吸引ヘッド(4)のための前記第1の昇降器具(5)は、案内部(32)の長手方向(10)に対して横向きに、特に水平方向に、力を受けとめることができる直立する案内部(32)を追加的に含んでおり、
前記吸引ヘッド(4)は、前記案内部(32)の下側端部に取り付けられた上側部分(4a)と、前記上側部分(4a)に対し、前記案内部(32)の長手方向(10)に対する横方向(11)へ旋回可能な下側部分(4b)とを含んでおり、
前記下側部分(4b)の前記吸引管(25)の自由端の領域に、前記バイブレータ(31)と振動工学的に連結され、一方の端部が前記吸引管(25)に対して間隔をおきながら自由端で終わる複数の振動部材、特に振動ロッド(33)、が配置されていることを特徴とする取出装置。
【請求項2】
前記吸引管(25)は前記吸引ヘッド(4)の偏向可能な前記下側部分(4b)の領域で少なくとも部分的に柔軟な吸引ホース(16’)として構成されており、および/または
円周全体にわたって配分された複数、特に4つ、の旋回シリンダ、特に旋回装置(26)、特に空気圧シリンダ、が前記吸引ヘッド(4)の前記上側部分(4a)で前記吸引管(25)の周囲に取り巻いて配置されており、そのピストンロッド(27)は自由端領域で特に屈曲可能に構成されるとともに、その自由端で前記吸引ヘッド(4)の前記下側部分(4b)の下側のエンドプレート(29)に取り付けられており、それにより、個々の前記旋回シリンダ(26)の異なる繰出しによって前記エンドプレート(29)を前記上側部分(4a)の下側端部に対して所望の角度に調整できることを特徴とする、請求項1に記載の取出装置。
【請求項3】
前記吸引管(25)は前記下側部分(4b)の前記エンドプレート(29)から突出しており、および/または
前記吸引ヘッド(4)の前記上側部分(4a)と前記下側部分(4b)はいずれも閉じたハウジング(30)で取り囲まれており、該ハウジングの中にピストンロッドおよびその屈曲可能または可撓の領域を含む前記旋回シリンダ(26)があることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項4】
前記バイブレータ(31)は圧縮空気により作動するバイブレータ(31)、特にタービンバイブレータ、であり、および/または
前記バイブレータ(31)はその周波数に関して調整可能であることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項5】
前記振動部材、特に振動ロッド(33)、は前記吸引管(25)を自由端から後方へ奥まりオフセットされた状態で鍔状に取り囲むベースプレート(34)に取り付けられており、および/または
前記振動部材、特に振動ロッド(33)、は、特に複数の周回する列をなして、前記吸引管(25)の壁部と平行に前記吸引管(25)に対して間隔をおきながらその外部に延びており、および/または
前記振動部材、特に振動ロッド(33)は前記吸引管(25)の自由端よりも突出していることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項6】
前記吸引管(25)の壁部は自由端のほうから刻まれたスリット(35)を含んでおり、および/または
前記振動部材、特に振動ロッド(33)は前記バイブレータと振動工学的に連結されるとともに、前記吸引ヘッド(4)の残りの部分から切り離されており、および/または
前記振動部材、特に振動ロッド(33)、の軸方向長さは前記吸引管(25)の直径の少なくとも半分、より好ましくは全体に相当していることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項7】
前記振動ロッド(33)は金属でできており、1mmから10mmの直径、特に2mmから5mmの直径、を有しており、および/または
前記取出装置は、特に垂直方向および/または水平方向で、バルク材への前記吸引ヘッドの接近および/または接触を検知するためのセンサ(36)を有しており、および/または
前記吸引管(25)、特にその冠状振動部(37)の自由端の最大偏向の半径は前記吸引ヘッド(4)の前記ハウジング(30)の直径よりも大きく、特に少なくとも該半径/直径の比率が1.5だけ大きいことを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項8】
前記案内部(32)は少なくとも2つの伸縮部材(32a,b)を備える伸縮ロッド(32)であり、および/または
前記吸引ヘッド(4)のための前記第1の昇降器具(5)は、特に少なくとも1つの方向転換ロール(8)を介して特に本体フレーム(12)の垂直支柱(20)にある吸引ヘッドシリンダ(14)、特に空気圧シリンダ、へ案内される滑車装置(3)を含んでおり、および/または
前記吸引ヘッド(4)のための前記第1の昇降器具(5)の要諦は、前記案内部(32)が作業シリンダ、特に伸縮シリンダ、として構成されることにあることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項9】
前記取出装置は、前記案内部(32)が貫通して延びる、輸送容器(6)またはそのインライナの上側端部を取り付けるための特に水平方向に周回する円形または多角形の保持リング(1)を備える、輸送容器(6)を持ち上げるための第2の昇降器具(5’)を含んでおり、および/または
前記保持リング(1)の直径は輸送容器(6)の上側端部の直径よりも小さくなっており、および/または
前記第2の昇降器具(5’)は、少なくとも1つの方向転換ロール(9)を介して特に前記本体フレーム(12)の垂直支柱(20)にある容器シリンダ(24)へ案内される滑車装置(3’)を含んでいることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項10】
前記取出装置は、前記吸引ヘッド(4)の前記上側部分(4a)に対する前記下側部分(4b)の偏向を少なくとも制御し、さまざまに異なる偏向および偏向の順序をプログラム制御で実施することができ、特に前記下側部分(4b)の円運動または交差運動を特に増えていく半径で実施することができる制御部(17)を含んでおり、および/または
前記制御部(17)は前記吸引ヘッド(4)のための前記第1の昇降器具(5)の昇降運動および/または輸送容器(6)のための前記第2の昇降器具(5’)の昇降運動も制御することを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置。
【請求項11】
特に先行請求項のうちいずれか1項に記載の取出装置によって、上方に向かって開いた輸送容器(6)からバルク材(13)、特に粉末、を取出する方法において、
バルク材(13)への垂直方向の降下によって吸引ヘッド(4)により前記吸引ヘッド(4)よりもわずかに大きいだけの狭い吸出し穴(18)が穿たれ、前記吸引ヘッド(4)が輸送容器(6)の底面近くにくるまでこれが続けられ、
次いで、この狭い垂直方向の吸出し穴(18)の下側端部が、前記吸引ヘッド(4)の上側部分(4a)に対する下側部分(4b)の相対する偏向によって、または前記下側部分(4b)の円を描く運動によってまず下側領域で拡張され、
次いで、この拡張された吸出し穴(18’)の天井が、前記吸引ヘッド(4)の前記下側部分(4b)の相対する偏向運動または円運動のもとでの前記吸引ヘッド(4)の上方を向く運動により、下方から上方に向かって処理されていくことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記吸引ヘッド(4)の上方にある吸出し穴(18,18')の壁部が輸送容器(6)のための昇降器具(5')の引き上げによって崩壊させられ、および/または
前記吸引ヘッド(4)、特に吸引管(25)、に片側で取り付けられた自由端で終わる振動部材、特に振動ロッド(33)、によって、吸引管開口部の周辺でバルク材(13)が吸出し個所でのみ流動化され、および/または
吸出し穴(18)の直径を拡大するために前記吸引ヘッド(4)の前記下側部分(4b)だけが前記上側部分(4a)に対して側方へ偏向することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
バルク材(13)の下側領域まで狭い吸出し穴(18)を穿つときに前記下側部分(4b)は前記吸引ヘッド(4)の前記上側部分(4a)に対して一直線上に並ぶように向いており、または前記下側部分(4b)は前記吸引ヘッド(4)のハウジング(30)の直径よりもわずかに半径が大きいだけの偏向運動もしくは円運動を行っており、および/または
前記制御部(17)はバルク材(13)の製品種類および特にその流動性に依存して前記吸引ヘッド(4)のさまざまに異なる運動経過を行わせ、特に前記吸引ヘッド(4)の前記上側部分(4a)に対する前記下側部分(4b)の偏向運動と前記吸引ヘッド(4)の垂直方向への運動および/または輸送容器(6)の垂直運動との組み合わせを行わせ、および/または
前記バイブレータ(31)は圧縮空気によって作動し、前記吸出し装置(15)へ供給するための負圧は同じく圧縮空気により生成され、特に圧縮空気エジェクタにより生成されることを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−230850(P2011−230850A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96372(P2011−96372)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(511102734)ジェイピーネクスト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】