説明

バルブアッセンブリおよびそれを用いたエアゾール容器とエアゾール製品

【課題】複数の収納部に充填されている内容物が通路途中で反応することがないバルブアッセンブリおよびそれを用いたエアゾール容器とエアゾール製品を提供する。
【解決手段】有底筒状の外容器11と、その内部に挿入される2つの内袋12と、それらの内袋12を閉じ、かつ、外容器11を閉じるバルブアッセンブリ13とからなるエアゾール容器10。バルブアッセンブリ13は、それぞれ独立して分離した複数のエアゾールバルブ15と、それらを保持し、外容器に固定するための保持部材を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブアッセンブリおよびそれを用いたエアゾール容器とエアゾール製品に関する。詳しくは、複数の内容物を吐出するためのバルブアッセンブリ、それを用いたエアゾール容器、および、そのエアゾール容器に複数の内容物を充填したエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の内容物を同時に吐出する容器として、2本のエアゾール容器を連結したものが知られている。また、外容器内に2つの収納部を設け、外容器の開口部にそれぞれの内容物を吐出するバルブを備えたエアゾール容器が知られている。
例えば、特許文献1の図2、特許文献2の図2、特許文献3の図1には、外容器と、その外容器内に収納される2つの収納室と、それぞれの収納室と連結されたバルブアッセンブリとからなるエアゾール容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4332444号
【特許文献2】米国特許3992003号
【特許文献3】米国特許7036685号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の図2のエアゾール容器は、2つの収納室からステム孔までの通路を独立させているが、エアゾールバルブのステムとハウジングを共通部材としている。そのため、内容物として2液反応型製剤を用いる場合、一方または両方の内容物がステムやハウジングを浸透して内容物同士が直接接触しなくても反応するおそれがある。また、特許文献2の図2、特許文献3の図1のエアゾール容器も、それぞれの内袋から送られる内容物の通路を開閉する弁機構を2つ有するものの、エアゾールバルブのハウジング部材が共通部材として構成されるバルブアッセンブリを使用している。そのため、特許文献1と同様に2液反応型製剤の内容物がハウジングを浸透して、内容物同士が直接接触しなくてもハウジング内で反応するおそれがある。特に、2液反応型製剤の中でも2液式染毛剤は、合成樹脂に対する浸透性が強い。そして、浸透により内容物が反応して変色し、所定の染毛効果が得られないという問題がある。
本発明は、複数の収納部に充填されている内容物が通路途中で反応することがないバルブアッセンブリ、それを用いたエアゾール容器とエアゾール製品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のバルブアッセンブリは、それぞれ独立して分離した複数のエアゾールバルブと、それらを保持し、耐圧性の外容器の開口部に固定するための保持部材とを備えていることを特徴としている。本発明における独立して分離したエアゾールバルブとは、それぞれが内容物の通路を構成する独立したハウジングを備えており、それぞれ分離した状態でバルブ機能を発揮するものを言う。
【0006】
本発明のバルブアッセンブリであって、前記保持部材が、複数のエアゾールバルブを保持するバルブホルダーと、そのエアゾールバルブおよびバルブホルダーを覆うマウンテンカバーとを備えており、前記バルブホルダーが複数のエアゾールバルブを挿入して保持す
る複数のホルダー部を有し、前記マウンテンカバーのカバー部の上底にエアゾールバルブのステムを通す複数のステム挿通孔が形成されているものが好ましい。
【0007】
バルブホルダーを備えたバルブアッセンブリであって、バルブホルダーが外容器の開口部の上端に配置されるフランジ部を有し、前記マウンテンカバーがエアゾールバルブをバルブホルダーに固定するカバー部と、バルブホルダーのフランジ部を外容器に固定する固定部とを有しているものが好ましい。
またバルブホルダーの上面に上方に突出した位置決め突起が形成されており、前記マウンテンカバーの上底にその位置決め突起を通す突起挿通孔が形成されていてもよい。その場合、位置決め突起は、エアゾールバルブのステムよりも中心軸から外周側で突出していることが好ましい。
さらにバルブホルダーが柱状の蓋部と、その下端に形成されたフランジ部とを有し、マウンテンカバーのカバー部がエアゾールバルブを蓋部に固定し、バルブホルダーの蓋部およびマウンテンカバーのカバー部の平面断面の外形が、円の一部を切欠いた形状を有していることが好ましい。
【0008】
本発明のバルブアッセンブリであって、外容器内に加圧剤を充填するためのガス充填バルブを備えていてもよい。
バルブホルダーを備えたバルブアッセンブリであって、バルブホルダーが外容器の開口部の内面に沿って挿入される栓部を有し、外容器の開口部の内面とバルブホルダーの栓部の外面との間に環状のシール材を設けるものが好ましい。
バルブホルダーを備えたバルブアッセンブリであって、バルブホルダーのホルダー部の内面と、前記エアゾールバルブのハウジングの外面との間に環状のバルブガスケットが設けられているものが好ましい。
【0009】
バルブホルダーを備えたバルブアッセンブリであって、マウンテンカバーの上底が複数のエアゾールバルブを抑える凹部を備えているものが好ましい。
【0010】
本発明のエアゾール容器は、耐圧性の外容器と、その外容器内に区画され、噴射剤が充填される噴射剤用収納部および複数の内容物が充填される内容物用収納部と、前記外容器を閉じ、かつ、内容物用収納部と連通するエアゾールバルブを複数備えた本発明のバルブアッセンブリとを有することを特徴としている。
このようなエアゾール容器であって、エアゾールバルブと収納部とを連通し、下端が収納部内に挿入される複数のチューブをさらに有しており、少なくとも2つのチューブの収納部内における下端の位置が上下方向にずれているものが好ましい。
【0011】
本発明のエアゾール容器であって、前記エアゾールバルブに取り付けられる操作部をさらに備え、前記操作部がそれぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる2つのステム係合部と、2つの内容物を吐出する断面矩形状の吐出口と、そのステム係合部と吐出口とを連通する部材内通路とを有しており、前記部材内通路がそれぞれのステム係合部と連通する2つの独立通路と、それぞれの独立通路の上端と連通し、それぞれの独立通路から流れる内容物を合流しながら吐出口まで水平に延びる共通通路とを備えており、前記吐出口の幅と前記独立通路の距離と2つの独立通路の直径の和とが実質的に同じであるものが好ましい。
【0012】
本発明のエアゾール容器であって、操作部が透光性を有するものが好ましい。
本発明のエアゾール容器であって、それぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる複数の操作部を備えていてもよい。
本発明のエアゾール容器であって、前記内容物用収納部が外容器内に収納される複数の袋体によって構成されている、1または複数の袋体および外容器と袋体との隙間によって
構成されている、または、袋体内にて区画された複数の区画部よって構成されているものが好ましい。
本発明のエアゾール容器であって、外容器が合成樹脂製であることが好ましい。
本発明のエアゾール容器であって、内容物用収納部を2つ備えたものが好ましい。
【0013】
本発明のエアゾール製品は、本発明の内容物用収納部を2つ備えたエアゾール容器と、前記噴射剤用収納部に充填される噴射剤と、前記内容物用収納部にそれぞれ充填される2つの内容物とを備え、前記2つの内容物が2液反応型製剤であることを特徴としている。
このような2液反応型製剤が2液式染毛剤であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のバルブアッセンブリは、それぞれ独立して分離した複数のエアゾールバルブと、それらを保持し、耐圧性の外容器の開口部に固定するための保持部材とを備えているため、それぞれのエアゾールバルブ内を通る内容物はそれぞれ独立した状態で外部に吐出される。そのため、内容物に応じてエアゾールバルブの材料を適宜選択することができる。そして、バルブアッセンブリ内での内容物の浸透による反応を防止できるため、2液式染毛剤など、反応性の高い内容物であっても長期間安定に保存することができる。
【0015】
また前記保持部材が、複数のエアゾールバルブを保持するバルブホルダーと、そのエアゾールバルブおよびバルブホルダーを覆うマウンテンカバーとを備えており、前記バルブホルダーが、複数のエアゾールバルブを挿入して保持する複数のホルダー部を有し、前記マウンテンカバーの上底にエアゾールバルブのステムを通す複数のステム挿通孔が形成されている場合、バルブホルダーによりエアゾールバルブ間の内容物の浸透を一層遮断できるため内容物の安定性に優れる。さらに、エアゾールバルブの保持が一層確実にでき、製造しやすい。
さらに、バルブホルダーを備えたバルブアッセンブリにおいて、バルブホルダーが外容器の開口部の上端に配置されるフランジ部を有し、前記マウンテンカバーがエアゾールバルブをバルブホルダーに固定するカバー部と、バルブホルダーのフランジ部を外容器に固定する固定部とを有する場合、バルブホルダーを安定して外容器の開口部の上端に配置でき、エアゾールバルブおよびバルブホルダーを安定して固定できる。
【0016】
本発明のバルブボルダーを備えたバルブアッセンブリにおいて、バルブホルダーの上面に上方に突出して位置決め突起が形成されており、マウンテンカバーの上底にその位置決め突起を通す突起挿通孔が形成されている場合、突起挿入孔から突出した位置決め突起により、ステム等から内容物を充填するときにバルブアッセンブリの向きを調整することができる。また、後述するガス充填バルブから加圧剤を充填するときやエアゾール容器に吐出部材を装着するときに、エアゾール容器の向きを調整することができる。
前記位置決め突起が、エアゾールバルブのステムよりも中心軸から外周側で突出している場合は、ステムの外周でバルブアッセンブリまたはエアゾール容器を位置決めできるため、ステムに負荷がかからず、ステムが折れたり欠けるなどの問題がない。
前記バルブホルダーが、柱状の蓋部と、その下端に形成されたフランジ部とを有し、前記マウンテンカバーのカバー部はエアゾールバルブを蓋部に固定し、バルブホルダーの蓋部およびマウンテンカバーのカバー部の外形が円の一部を切欠いた形状を有している場合、マウンテンカバーのカバー部の形状によりステム等から内容物を充填するときにバルブアッセンブリの向きを調整することができる。
前記エアゾールバルブとは別に、外容器内に加圧剤を充填するためのガス充填バルブを備えている場合は、加圧剤の充填が容易になる。
【0017】
本発明のバルブホルダーを備えたバルブアッセンブリにおいて、バルブホルダーが外容器の開口部の内面に沿って挿入される栓部を有し、前記外容器の開口部の内面とバルブホ
ルダーの栓部の外面との間に環状のシール材が設けられている場合、マウンテンカバーのクリンプ条件に影響されることなくバルブホルダーと外容器の間を気密にシールすることができ、外容器と大気とのシール性を向上させることができる。
本発明のバルブホルダーを備えたバルブアッセンブリにおいて、バルブホルダーのホルダー部の内面とエアゾールバルブのハウジングの外面との間に環状のバルブガスケットが設けられている場合、エアゾールバルブをバルブホルダー方向に押圧しながらマウンテンカバーをクリンプすることによりバルブホルダーとエアゾールバルブの間を気密にシールすることができ、シール方法が簡単である。
【0018】
本発明のバルブホルダーを備えたバルブアッセンブリにおいて、前記マウンテンカバーの上底が複数のエアゾールバルブを抑える凹部を備えている場合は、マウンテンカバーをクリンプすることによりエアゾールバルブをしっかりと押圧して、マウンテンカバーのステム挿通孔のシール性を高くすることができる。
【0019】
本発明のエアゾール容器は、耐圧性の外容器と、その外容器内で区画され、噴射剤が充填される噴射剤用収納部および複数の内容物が充填される内容物用収納部と、前記外容器を閉じ、かつ、内容物用収納部と連通するエアゾールバルブを備えた本発明のバルブアッセンブリとを有しているため、内容物同士が直接接触することなく、さらに浸透による内容物の劣化も防止できる。そのため、内容物の品質を高い状態で安定に収納することができる。
前記エアゾールバルブと収納部とを連通し、下端が収納部内に挿入される複数のチューブをさらに有しており、少なくとも2つのチューブの収納部内における下端の位置が上下方向にずれている場合、チューブが取り付けられた収納部内の内容物を安定して吸引することができる。
【0020】
前記エアゾールバルブに取り付けられる操作部をさらに備え、前記操作部が、それぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる2つのステム係合部と、2つの内容物を吐出する断面矩形状の吐出口と、そのステム係合部と吐出口とを連通する部材内通路とを有しており、前記部材内通路が、それぞれのステム係合部と連通する2つの独立通路と、それぞれの独立通路の上端と連通し、それぞれの独立通路から流れる内容物を合流しながら吐出口まで水平に延びる共通通路とを備えており、前記吐出口の幅と、前記独立通路の距離と2つの独立通路の直径の和とが実質的に同じである場合、それぞれの独立通路から共通通路に流れる内容物が平行に吐出口まで流れ、かつ、吐出口にたどり着く前に合流する。そのため、共通通路における2つの内容物の流速が同じになり、2つの内容物の吐出量をコントロールできる。
【0021】
また、その操作部が透光性を有する場合、共通通路の幅における2つの内容物の割合が目視できる。そのため、2つの内容物の境界が共通通路の中心にある場合は2つの吐出量が同じであることが目視できる。また、共通通路の幅方向に目盛りを設けることにより、2つの内容物の吐出量が明確にわかる。
それぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる複数の操作部を備えている場合、複数の内容物を吐出するまで確実に独立させることができる。
また、前記内容物用収納部が、外容器内に収納される複数の袋体によって構成されている、1または複数の袋体および外容器と袋体との隙間によって構成されている、または、袋体内にて区画された複数の区画部によって構成されている場合、内容物に応じて収納部を選択することができ、内容物の品質を一層安定にして収納できる。
本発明のバルブアッセンブリであって、外容器が透光性を有する合成樹脂製である場合は、収納部内に残っている内容物量を目視で確認できる。
【0022】
本発明のエアゾール製品は、本発明のエアゾール容器と、噴射剤用収納部に充填される
噴射剤と、2つの内容物用収納部にそれぞれ充填する2つの内容物とを備え、前記2つの内容物が2液反応型製剤であるため、内容物である2液反応型製剤を安定に長期間保存することができる。
このようなエアゾール製品であって、2液反応型製剤が2液式染毛剤である場合、2液式染毛剤は浸透性の高い成分を含有し、反応しやすいが、長期間安定に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のエアゾール容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2aは図1のエアゾール容器の一部を示す断面側面図であり、図2bはその分解図である。
【図3】図1のエアゾール容器のエアゾールバルブを示す側面断面図である。
【図4】図4a〜cはそれぞれ図1のエアゾール容器のバルブホルダーの平面図、その平面図のX−X線断面図、Y−Y線断面図である。
【図5】図5a〜cはそれぞれ図1のエアゾール容器のマウンテンカバーの平面図、側面図、側面断面図である。
【図6】図6a、bは本発明のエアゾール容器の他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図である。
【図7】図7a〜cは本発明のエアゾール容器の他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図、平面図である。
【図8】図8a〜cは図7のエアゾール容器のバルブホルダーを示す平面図、その平面図のW−W線断面図、Z−Z線断面図であり、図8d、eは図7のエアゾール容器のマウンテンカバーを示す平面図、側面図である。
【図9】図9a〜cは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図、平面図であり、図9dは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す側面断面図である。
【図10】図10a、b、cはそれぞれ本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図である。
【図11】図11a〜cは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図、平面図である。
【図12】図12a、bは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図である。
【図13】図13a、bは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図である。
【図14】図14a〜dはそれぞれ本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す側面断面図、側面断面図、側面断面図、斜視図である。
【図15】図15a、bは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す斜視図、側面断面図である。
【図16】図16a〜cは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す側面断面図、斜視図、斜視図である。
【図17】図17a〜dは本発明のエアゾール容器に取り付けられる噴射部材を示す側面図、正面図、平面図、側面断面図である。
【図18】図18a、bは本発明のエアゾール容器に取り付けられる噴射部材の他の形態を示す斜視図である。
【図19】図19a〜cは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す平面図、正面断面図、側面断面図である。
【図20】図20a〜cは本発明のエアゾール容器に用いられる連結部材を示す正面図、側面図、正面断面図であり、図20d〜fは本発明のエアゾール容器に用いられるバルブホルダーを示す平面図、正面断面図、側面断面図である。
【図21】図21a、bは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す平面図、側面断面図である。
【図22】本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態を示す正面断面図である。
【図23】図23a、bは本発明のエアゾール容器に用いることができるディップチューブの他の形態を示す断面図、斜視図であり、図23cはディップチューブのさらに他の形態を示す斜視図であり、図23dは本発明のエアゾール容器に用いることができる円柱部材を示す斜視図である。
【図24】図24a、bは本発明のエアゾール容器に用いることができる噴射部材の他の形態を示す平面図、断面図であり、図24c、dは本発明のエアゾール容器に用いることができる噴射部材のさらに他の形態を示す平面図、断面図である。
【図25】図25a〜cは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す平面図、正面断面図、側面断面図である。
【図26】図26a〜bは本発明のエアゾール容器のさらに他の実施形態の一部を示す側面断面図、正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1のエアゾール容器10は、有底筒状の外容器11と、その内部に挿入される2つの内袋12と、それらの内袋12を閉じ、かつ、外容器11を閉じるバルブアッセンブリ13とからなる。バルブアッセンブリ13は、それぞれ独立して分離したエアゾールバルブ15を互いに保持したものである。このように分離したエアゾールバルブ15を備えているため、バルブアッセンブリ13内で内容物の通路が交わることがなく、内容物同士が直接接触するのを防止できる。また、それぞれのエアゾールバルブ15の材料、構成を吐出する2つの内容物に応じて変えることができる。それにより、一方の内容物がエアゾールバルブ15の材料を浸透して他方の内容物を劣化させることが防止できる。
【0025】
外容器11は、図2a、bに示すように、筒状の胴部11a、テーパー状の肩部11bおよび上端にビード部11cを備えた金属製の耐圧容器である。この外容器11は、金属スラグをインパクト成形により筒状体とし、絞り成形により胴部、肩部を形成した一体成形体である。しかし、後述するように底部、胴部および肩部(目金部)とを別々に成形して連結するスリーピース缶を用いても良い。また、合成樹脂やガラスから一体に成形してもよい。これらは、内容物、用途等から任意に選択される。
内袋12は、図3に示すように、筒状の胴部12a、テーパー状の肩部12b、筒状の首部12c、上端にフランジ部12dを備えた可撓性を有するものである。この内袋12は、合成樹脂製で筒状のパリソンの内部に空気を吹き込んで膨らますブロー成形によって成形されている。なお、肩部12bから胴部12a、底部にかけてプリーツ状にし、外容器に収容するときは容積が小さく、内容物を充填したときは容積が大きくなるように構成してもよい。しかし、後述するように、合成樹脂またはゴム等から成形されるチューブ、合成樹脂シートまたは金属シートを単層あるいは積層から成形されるパウチ等を用いてもよい。
この実施形態では、2つの内袋12が外容器内に区画される2つの内容物用収納部として作用し、外容器と内袋12との間の空間が外容器内に区画される噴射剤用収納部として作用する。
【0026】
バルブアッセンブリ13は、図2a、bに示すように、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー21と、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー21を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー21に固定するマウンテンカバー22とからなる。このバルブアッセンブリ13と外容器11とは環状のシール材23を介して、外容器のビード部11cにバルブアッセンブリ13を下方に押し付けながらマウンテンカバー22の下端外周22cを内側に変形させて連結される。この実施形態では、バルブホルダー21およびマウンテンカバー22が保持部材として作用する。また、シール材23が、外容器11とバルブアッセンブリ1
3とをシールする。
【0027】
エアゾールバルブ15は、内袋12内から送り出される内容物の流れを制御するものである。具体的に、エアゾールバルブ15は、図3に示すように、下部に内袋12が連結される筒状のハウジング26と、そのハウジング26内に上下動自在に挿入されるステム27と、そのステムのステム孔27aを閉じるステムラバー28と、ステム27を常時上方に付勢するバネ29と、ステム27およびステムラバー28をハウジング26に固定するカバー30とからなる。このエアゾールバルブ15は、ハウジング26内に収容されるステム27、ステムラバー28、バネ29をカバー30で固定したものであり、ハウジング26を内袋12に連結したとき、ハウジング26および内袋12の内部が密閉される。
【0028】
ハウジング26は、中心孔が内袋12内から送り出される内容物を一時収容する空間となる。具体的に、ハウジング26は、底面中央に内袋12と連通する連通孔26aが形成されており、上端にステムラバー28を保持するステムラバー保持部26bが形成されており、下部外周に内袋12の首部12cに挿入嵌合する内袋嵌合部26cが形成されている。またハウジング26の上端外周には外方向に突出したフランジ部26dが形成されており、ハウジング26の中部外周には下方に向かって縮径する第1段部26eが形成されている。さらに、第1段部の下に下方に向かって縮径する第2段部26fが形成されている。第1段部26eには、エアゾールバルブ15とバルブホルダー21とをシールするリング状のバルブガスケット31が設けられる。ハウジング26の下端には、ディップチューブや他の形態で用いられるパウチ(図7参照)を取り付けるため、下方に突出した円筒状の連結筒26gが形成されている。しかし、この実施形態においては、連結筒26gは無くてもよい。
【0029】
ステム27は、ハウジング内に収容されている内容物の吐出を直接操作する部材である。具体的に、ステム27は、底部を有する筒状体であり、側面に環状凹部27bが形成されており、その環状凹部27bと中心孔27cとを連通するステム孔27aが形成されている。
ステムラバー28は、ステムの環状凹部27bに係合されるリング状のものであり、ハウジング上端のステムラバー保持部26bに保持される。
バネ29は、ステム27の下端とハウジング26の底面とに支持される。
カバー30は、上底30bを有するカップ状のものであり、上底にステム27を通す中心孔30aが形成されている。このカバー30は、上底30bでステムラバー28がハウジング26から飛び出さないように保持する。
【0030】
このエアゾールバルブ15の組み立て方法は、ステム27、ステムラバー28およびバネ29をハウジング26内に挿入し、カバー30でそれらを覆うようにして固定する。つまり、カバー30をハウジング26方向(下方向)に押圧しながら、ハウジング26のフランジ部26cの下部に位置するカバー30の側面30dをハウジング方向(図3の矢印方向)に環状に数箇所または全周をカシメて、ハウジング26に固定する。これによりステムラバー28およびステムラバー28に連結されたステム27はバネ29の弾発力を受けてカバーに押し付けられた状態でハウジング26内に固定され、ステム孔27aがステムラバー28でシールされた状態になる。カバー30の下端30cは、下方に真っ直ぐ向いた状態となっている。
【0031】
このエアゾールバルブ15は、ステム27をハウジング26に対して下降させることにより、ステムラバー28によるステム孔27aのシールが開放され、ハウジング26内と大気とが連通する。
このように構成された2つのエアゾールバルブ15は、それぞれ独立してハウジング内の密閉性を備えた分離したものであり、それぞれが内容物の通路を構成する独立したハウ
ジングを備え、それぞれ分離した状態でバルブ機能を発揮させることができる。
【0032】
バルブホルダー21は、図4a〜cに示すように、円柱状の基部(蓋部)36と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部37と、その基部の上端に上方に向かって延びる2つの位置決め突起38とを備えている。
基部36は、上端と下端の断面形状が円形状であり、それらを連結する側面36aが下方に向かって若干拡径するテーパーとなっている。側面36aの下部に外方に向かって突出するフランジ部36bが形成されている。しかし、側面36aは真っ直ぐに下方に伸びる円筒状であってもよい。このフランジ部36bは、外容器の開口部の上端に配置される。
【0033】
ホルダー部37は、基部36を上下に貫通する貫通孔から構成されており、エアゾールバルブ15を受け入れ、保持するものである。ホルダー部37は、上筒部37aと、その上筒部37aより縮径した下筒部37bと、上筒部37aの下端に形成され、上筒部37aの下端と下筒部37bの上端とを連続する環状段部37cとを有している。上筒部37aはエアゾールバルブ15のハウジング26を受け入れ、環状段部37c(下筒部37bの上端)はエアゾールバルブ15を支持する。特に、環状段部37c(下筒部37bの上端)は、エアゾールバルブ15の支持すると共に、エアゾールバルブ15の第1段部26eに取り付けられたバルブガスケット31と係合して(図2a参照)、ホルダー部37とエアゾールバルブ15とをシールする。さらに、環状段部37cの外周には、環状溝部37dが形成されており、その環状溝部37dにエアゾールバルブのカバー30の下端縁部30cが配置される。2つのホルダー部37は、基部36の中心を軸に相対するように形成されている(図4a参照)。
【0034】
位置決め突起38は、基部36の上面から突出する外形が直方体の突起である。この位置決め突起38は、基部36の中心を軸に相対するように、かつ、それらの中心を繋ぐ線がホルダー部37の中心を繋ぐ線と垂直となるように設けられている。位置決め突起38は、バルブアッセンブリおよびエアゾール容器の方向(位置)合わせ手段および方向確認手段である。特に、内容物を充填するときに原液充填機とエアゾールバルブの位置を合わせる、加圧剤を充填するときにガス充填機とガス充填バルブの位置を合わせる、あるいは、バルブアッセンブリに噴射部材を装着するときにエアゾール容器の外周に設けられている表示あるいはデザインの向きを認識し合わせることができる。この位置決め突起38は、これらの確認および方向(位置)合わせができれば、その数および配置位置は特に限定されるものではない。これにより後述する噴射部材(図17、図18参照)の向きを正確にバルブアッセンブリ13に取り付けることができる。なお、位置決め突起38は、バルブアッセンブリ(エアゾール容器)の中心軸からステムよりも外側に設けることで、ステムの外周で方向(位置)合わせができ、方向(位置)合わせする装置がステムと当るのを防止でき、ステムが欠けるあるいは折れるなどの問題がない。
【0035】
マウンテンカバー22は、図5に示すように、上底22aを有する筒状体であり、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー21を覆い、エアゾールバルブ15をバルブホルダー21に固定するカバー部41と、バルブホルダー21と外容器11とを固定する円筒状の固定部42とからなる。カバー部41は、下方に向かって拡径するテーパー状となっており、バルブホルダーの基部側面36aと沿うように形成されている。カバー部41の上底22aには、エアゾールバルブ15のステム27および位置決め突起38を通す挿通孔39が4つ形成されている。固定部42は、バルブホルダーのフランジ部36bの上面と当接する上鍔部42aを有する。この固定部42は、下部がフランジ部36bとビード部11cとを挟圧するように環状にカシメられ、カシメた後は外容器のビード部の下面と当接する下鍔部42bが形成されてバルブアッセンブリを外容器に固着する。
【0036】
図2に戻って、このバルブアッセンブリ13は、上述したバルブホルダー21にエアゾールバルブ15を2個配置させ、その上からマウンテンカバー22を被せ、外容器11のビード部11cの上にシール材23を介して配置される(図2b参照)。この状態において、バルブアッセンブリ13を外容器11方向に押圧しながら、マウンテンカバー22の下端を固定部の下鍔部42b(図2b、5cの破線)を形成するようにカシメる。これにより、バルブアッセンブリ13を外容器11に、シール性を保ちながら固定することができる。また、バルブアッセンブリ13内のシール性は、バルブホルダー21の下筒部37bの上端と、エアゾールバルブ15のバルブガスケット31とを係合させることにより保たれる。
このように構成されたバルブアッセンブリ13は、2つの独立して分離したエアゾールバルブ15を備えているため、それぞれのエアゾールバルブ15内を通る内容物は、それぞれ独立して状態で外部に吐出される。つまり、それぞれエアゾールバルブ15の内部(ハウジング内)が独立して密閉されているため、内容物に応じてエアゾールバルブの材料を適宜選択することができ、バルブアッセンブリ13内での内容物同士の直接の接触による劣化だけでなく、浸透による内容物の劣化を防止することができる。
【0037】
このエアゾール容器10は、例えば、外容器11の上にシール材23およびバルブホルダー21を配置させ、図4bの想像線に示すように、内袋12のフランジ部12dをバルブホルダー21の下筒部37bに引っ掛ける。この状態で、それぞれの内袋12に内容物を充填する。次に、エアゾールバルブ15を、内袋12の首部12cを閉じるように、バルブホルダー21のホルダー部37内に挿入する。その後、マウンテンカバー22を被せ、マウンテンカバーとバルブホルダー21を一体化してバルブアッセンブリを若干持ち上げて、外容器11と内袋12との間に加圧剤を充填し、バルブアッセンブリを外容器11に押し付けながらマウンテンカバーの下顎部42bをカシメることにより製造される(図2a、b参照)。一方、エアゾールバルブ15と内袋12とを装着してから内容物をエアゾールバルブ15のステム27から充填してもよい。この場合、加圧剤を充填する前に内容物を充填しても、加圧剤を充填した後に内容物を充填してもよい。
【0038】
このエアゾール容器10の内袋12には、それぞれ異なる種類の内容物を充填することにより、異なる種類の内容物を同時に吐出するエアゾール製品となる。内容物が2液反応型製剤である場合は同時に吐出させて、それらを混合させることにより、その反応による効果を得ることができる。このような2液反応型製剤として、2液式染毛剤、2液式パーマ剤、2液式接着剤等が挙げられる。2液式染毛剤である場合、その吐出対象物が使用者は直接目視できない髪であるため、1つの容器で行えることにより、染毛が一層容易にできる。
なお、外容器11と内袋12との間(噴射剤用収納部)には、噴射剤が充填されるが、噴射剤と共に水などの水溶液を充填してもよい。特に2液式染毛剤は、透過性の高い内容物(アンモニア)が充填されるが、水溶液を外容器11と内袋12との間の空間に充填することにより、透過してきた内容物の成分を溶解してトラップさせることができる。これにより両方の内容物が透過によって混合することを防止することができる。
【0039】
図6のエアゾール容器43は、バルブホルダー43aの基部(蓋部)44aおよびマウンテンカバー43bのカバー部44bの平面断面の外形が、一部を切欠いた円としたものである。つまり、バルブホルダー43aの基部44aの側面とマウンテンカバー43bのカバー部44bがそれぞれ切欠き面40a、40bを備えている。マウンテンカバー43bの切欠き面40bは、バルブアッセンブリおよびエアゾール容器の方向(位置)合わせ手段および方向確認手段である。その効果は、図1の位置決め突起38と実質的に同じである。切欠き面40bは、複数設けてもよい。
バルブホルダー43aの他の構成は、位置決め突起38を設けていない点以外は、図1のエアゾール容器10のバルブホルダー21と実質的に同じであり、ホルダー部37を有
しており、基部44aがフランジ部36bを備えている。
マウンテンカバー43aの他の構成は、図1のエアゾール容器10のマウンテンカバー22と実質的に同じであり、固定部42を有しており、カバー部44bがエアゾールバルブ15のステムを通す挿通孔39を備えている。
また図7、図8のように、マウンテンカバーのカバー部の形状を円以外とすることで、エアゾール容器の位置合わせ手段および方向確認手段とすることができる。
【0040】
次に示す図7のエアゾール容器45は、外容器11と、その内部に挿入される2つのパウチ46と、それらのパウチ46を閉じ、かつ、外容器11を閉じるバルブアッセンブリ47とからなる。外容器11は、図1の外容器11と実質的に同じものである。この実施形態では、2つのパウチ46が外容器内に区画される2つの内容物用収納部として作用し、外容器11とパウチ46との間の空間が外容器内に区画される噴射剤用収納部として作用する。
【0041】
パウチ46は、シートを貼り合わせて形成される袋体48と、その開口部に取り付けられる連結部材49とからなる。
袋体48のシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エバールなどの合成樹脂シート、合成樹脂シートにシリカやアルミナなどを蒸着した蒸着樹脂シート、アルミニウムなどの金属箔シートあるいは合成樹脂シート、蒸着樹脂シート、金属箔シートから選ばれる少なくとも2つのシートを積層した積層シートが挙げられる。袋体48は前記シートを複数枚重ねあわせ、または、1枚のシートを折り合わせた後、周縁部を熱溶着などにより貼り合わせて形成される。このシートの材料は、充填する内容物に応じて適宜選択される。
連結部材49は、下部に貼着部49aを備えており、上部にハウジング26下端の連結筒26gと連結する連結部49bを備えている。
このようなパウチ46は、図1の合成樹脂製の内袋12に比べて材料の選択性が高く、内容物の透過を遮断できる金属箔を用いることができ、より安定性が高くなる。
【0042】
バルブアッセンブリ47は、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー51と、エアゾールバルブ15とバルブホルダー51を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー51に固定するマウンテンカバー52とからなる。また、このバルブアッセンブリ47と外容器11も環状のシール材23を介して連結される。エアゾールバルブ15は、図3のエアゾールバルブ15と実質的に同じものである。
【0043】
バルブホルダー51は、図8a〜cに示すように、基部51aと、ホルダー部37とを備えている。基部51aの形状は、上端の断面がエアゾールバルブのステム27を結ぶ線を長軸とした長円形状を呈しており、下端の断面がその長軸と平行の線を直径とした円形状を呈しており、それら上端と下端とが側面で結ばれた形状となっている。つまり、エアゾールバルブのステム27を結ぶ線に収縮するように上方に延びる山型となっている。また、基部の上面に支持突起が形成されていない。他の構成は、図4のバルブホルダー21と実質的に同じである。
マウンテンカバー52は、図8d、eに示すように、長円形状の上底に2つの挿通孔39を備えたカバー部52aと、円筒状の固定部42とを備えている。カバー部52aは、上底の形状が長円形状となっており、下端開口部の形状が円形状となっており、それらを側面で連結した形状となっている。つまり、バルブホルダーの基部と沿うように、挿通孔39を結ぶ線(想像線)に収縮するように上方に延びる山型となっている。他の構成は、図5のマウンテンカバー22と実質的に同じである。
【0044】
バルブアッセンブリ47は、その外形が2つのステム27を結ぶ線に収縮するように上
方に延びる山型となっているため、エアゾール容器45の向きを簡単に認識し、方向合わせをすることができる。そのため、噴射部材(図17a、b参照)の向きを正確に合わせて、バルブアッセンブリ47の上に取り付けることができる。
このエアゾール容器45のバルブアッセンブリ47は、2つの独立して分離したエアゾールバルブ15を備えているため、図1のエアゾール容器10と同様に、内容物の独立性を維持してパウチ46から吐出させることができる。
【0045】
図9a〜cのエアゾール容器55は、外容器11と、その内部に挿入される2つのパウチ46と、それらのパウチ46を閉じ、かつ、外容器11を閉じるバルブアッセンブリ56とからなる。外容器11は、図1の外容器11と実質的に同じものである。パウチ46は、図7のパウチ46と実質的に同じものである。
【0046】
バルブアッセンブリ56は、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー61と、エアゾールバルブ15とバルブホルダー61を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー61に固定するマウンテンカバー62とからなる。また、バルブアッセンブリ56と外容器11とは、環状のシール材23を介して連結される。エアゾールバルブ15は、図3のエアゾールバルブ15と実質的に同じものである。
【0047】
バルブホルダー61は、円柱状の基部66と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部67とを備えている。
基部66は、長円柱体であり、その下部に外方に向かって突出するフランジ部66aが形成されている。この基部66には、位置決め突起を設けていないが設けてもよい。
【0048】
ホルダー部67は、上筒部67aと、その上筒部67aより縮径した下筒部67bと、上筒部67aの下端と下筒部67bの上端とを連続する環状段部67cとからなる。環状段部67cは、上段部68a、下段部68bとを有している。このホルダー部67の上筒部67aがエアゾールバルブのハウジング26を受け入れる。またこの実施形態では、上筒部67aの上面にエアゾールバルブのカバー30の下端縁部30cが配置される。下段部68bはエアゾールバルブの第2段部26fと係合し、上段部68aはエアゾールバルブ15の第1段部26eに取り付けられたバルブガスケット31と係合し、エアゾールバルブ15を支持する。また、この上段部68aとバルブガスケット31との係合によりバルブアッセンブリ56内のシール性が保たれる。2つのホルダー部67は、基部66の中心を軸に相対するように形成されている(図4a参照)。
【0049】
マウンテンカバー62は、図9cに示すように、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー61を覆うカバー部71と、バルブホルダー61と外容器11とを固定する固定部72とからなる。カバー部71は、バルブホルダーの基部側面と沿うように形成された長円形状の筒体となっている。カバー部71の上底71aには、エアゾールバルブ15のステム27を通す挿通孔73が2つ形成されている。位置決め突起が形成されている場合は、その数だけ増やしてもよい。固定部72は、バルブホルダーのフランジ部66aの上面と当接する上鍔部72aを有し、バルブアッセンブリ56を外容器11に取り付けるときに、下端をカシメることによって下鍔部72cが形成される(図9b参照)。
【0050】
このエアゾール容器55のバルブアッセンブリ56は、2つの独立して分離したエアゾールバルブ15を備えているため、図1のエアゾール容器10および図7のエアゾール容器45と同様に、内容物の独立性を維持してそれぞれのパウチ46からそれぞれの内容物を吐出させることができる。
【0051】
図9dは、図9aのエアゾール容器55であって一方のエアゾールバルブ15にパウチ
46を取り付け、他方のエアゾールバルブ15にディップチューブ74を取り付けたものである。つまり、このエアゾール容器55は、一方の内容物がパウチ46に充填され、他方の内容物が外容器11内に加圧剤と共に充填される。この場合も、図7のエアゾール容器45と同様に、内容物の独立性を維持してそれぞれの内容物を吐出させることができる。
【0052】
図10a、bのエアゾール容器75a、75bは、それぞれエアゾールバルブ15を3つまたは4つ備えたものである。これらのバルブアッセンブリ76a、76bは、それぞれバルブホルダーが3つあるいは4つのホルダー部を備えており、それぞれマウンテンカバーが3つまたは4つの挿通孔73を備えている。他の構成は、図1のエアゾール容器10と実質的に同じである。このように本発明のバルブアッセンブリは、2つだけでなく3つ以上のエアゾールバルブを連結保持することができる。それぞれのエアゾールバルブ15に固定した内袋、パウチ、チューブ容器、ディップチューブ等に内容物を充填し、かつ、外容器11内に加圧剤を充填することにより、3以上の内容物を同時に吐出または噴射できる。
図10cのエアゾール容器75cは、位置決め突起38がバルブアッセンブリ76c(エアゾール容器)の中心軸からエアゾールバルブ15のステム27より外側に設けられている。このように位置決め突起38をステムから離すことにより、方向(位置)合わせする装置によるステムの損傷を防止できる。
【0053】
図11a、bのエアゾール容器77は、上端に2つのエアゾールバルブ15、位置決め突起38およびガス充填口77aを備えたものである。ガス充填口77aは、図11cに示すように、バルブアッセンブリ78のバルブホルダー78aに形成された逆止弁79と、その逆止弁79の開口部に対応するマウンテンカバー78bの上底に形成された充填孔78cとから構成される。逆止弁79は、バルブホルダー78aを上下貫通するように形成される断面円形の孔部79aと、その孔部79a内で上下動自在に配置されるシール材79bと、そのシール材79bを常時上方に付勢するバネ79cとからなる。シール材79bは、上端に開口部を有し、下底を有する筒状体である。このシール材の開口部とマウンテンカバー78bの充填孔78cの縁部とが当接するように配置される。これにより、ガス充填ノズル(図示せず)を充填孔78cより挿入することにより、シール材79bが下方に移動し、外容器11と大気とが連通する。なお、逆止弁の代わりに外容器内と連通するエアゾールバルブ15を設けても良い。
【0054】
図12a、bのエアゾール容器80は、有底筒状の外容器11と、その内部に挿入される2つのパウチ46と、それらのパウチ46を閉じ、かつ、外容器11を閉じるバルブアッセンブリ81とからなる。このエアゾール容器80は、バルブアッセンブリ81が、2つの独立したエアゾールバルブ15を覆うようにして、2つのエアゾールバルブ15を保持するマウンテンカバー83とからなる。つまり、マウンテンカバー83がエアゾールバルブ15を保持する保持部材として作用し、バルブアッセンブリがバルブホルダーを備えていないものである。このエアゾール容器80も、バルブアッセンブリ81と外容器11とは、環状のシール材23を介して連結される。エアゾールバルブ15は、図3のエアゾールバルブ15と実質的に同じものである。
【0055】
マウンテンカバー83は、2つのエアゾールバルブ15を覆うカバー部86と、自身を外容器11とを固定する固定部87とからなる。カバー部86は、長円形の筒体であり、その上底86aには、2つの挿通孔86bと、その挿通孔86bの中心に形成された保持溝86cとが形成されている。挿通孔86bは、前述したようにエアゾールバルブのステムを通す孔である。保持溝86cは、エアゾールバルブの上端(カバー30の上端)をカバー部86の上端縁部86eと挟んで保持するためのものである。また、マウンテンカバー83を倒立にしてエアゾールバルブ15を挿入し、カバー部86の下部をカシメて下鍔
部86dを形成する。このように保持溝86cとカバー部86の上端縁部86e、さらには下鍔部86dとによってエアゾールバルブ15を挟むことにより、エアゾールバルブ15を保持でき、バルブホルダーを省略することができる。また、カバー部86とエアゾールバルブのカバー30との間には、外容器11とバルブアッセンブリ81とのシール性を保つために、それぞれの挿通孔86bの開口部近辺に環状のシール材88が設けられている。
【0056】
図13a、bのエアゾール容器90aは、合成樹脂製の外容器91と、その内部に挿入される2つのパウチ92と、それらのパウチ92を閉じ、かつ、外容器91を閉じるバルブアッセンブリ93とからなる。パウチ92は、図7のパウチ46と実質的に同じものである。
外容器91は、筒状の胴部91a、テーパー状の肩部91b、円筒状の首部91cおよび上端に肉厚のフランジ部91dを備えた合成樹脂製の耐圧容器である。首部91cの内面とフランジ部91dの内面とは、連続しており円筒状となっており、開口部の内面91eを構成している。この外容器91は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの合成樹脂製で筒状のパリソンを軸方向に伸ばしながら内部に空気を吹き込んで膨らます2軸延伸ブロー成形によって成形されている。しかし、射出成形で成形されてもよい。また、透光性を有する合成樹脂材料を用いることが好ましく、外容器の内面および/または外面に炭素、酸化アルミ、シリカなどをガス状にして蒸着膜を設けても良い。
【0057】
バルブアッセンブリ93は、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー96と、エアゾールバルブ15とバルブホルダー96を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー96に固定するマウンテンカバー97とからなる。エアゾールバルブ15は、図3のエアゾールバルブ15と実質的に同じものである。
【0058】
バルブホルダー96は、基部101と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部102と、その基部の上端に上方に向かって延びる1つ位置決め突起38と、逆止弁79とを有する。位置決め突起38は、図4の位置決め38と実質的に同じものであり、逆止弁79は、図11の逆止弁79と実質的に同じものである。また、逆止弁の代わりにエアゾールバルブ15を設けても良い。
基部101は、円柱状の本体(蓋部)103と、その下端から下方に延びる円筒状のシール部(栓部)104とからなり、本体103の下部(シール部の上部)には、外方に向かって突出するフランジ部103aが形成されている。シール部104は、外容器内に挿入される部位であり、その外径は外容器91のフランジ部91d(首部91c)の内径より若干小さく設計されている。シール部104の外周には環状のガスケット(O−リング)105を挿入するための環状凹部104aが形成されている。ガスケット105は、断面円形でリング状のシール材である。つまり、ガスケット105を環状凹部104aに嵌合させた状態でシール部104を外容器91内に挿入することにより、ガスケット105がバルブホルダー96と外容器91との間をシールするように構成されている。
【0059】
ホルダー部102は、基部101を上下に貫通するように形成されており、エアゾールバルブ15を受け入れて保持する部位であり、上筒部102aと、その上筒部102aより縮径した下筒部102bと、上筒部102aの下端と下筒部102bの上端とを連続する環状段部102cとからなる。環状段部102cは、上段部102dと、下段部102eとからなる。このホルダー部102も、上筒部102aでエアゾールバルブ15のハウジングを受け入れ、上段部102dと下段部102eがそれぞれエアゾールバルブの第1段部26e、第2段部26fと係合し、エアゾールバルブ15を支持する。また、環状段部102cの上段部102dおよび/または下段部102eとエアゾールバルブ15の第
1段部26eおよび/または第2段部26fとの間に環状のバルブガスケットを設け、エアゾールバルブ15とバルブホルダー96との間がシールされる。
【0060】
マウンテンカバー97は、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー96を覆う円筒状のカバー部97aと、バルブホルダー96と外容器91とを固定し、そのカバー部より大きい径の円筒状の固定部97bとを有する。カバー部97aは、その上底にエアゾールバルブのステムおよび支持突起を通す3つの挿通孔と、逆止弁の開口部と連通する充填孔とを有している。固定部97bは、バルブホルダーのフランジ部103aの上面と当接する上鍔部106aを有し、バルブアッセンブリ93を外容器91に取り付けるときに、下端をカシメることによって下鍔部106bが形成される。
【0061】
このエアゾール容器90aは、バルブアッセンブリ93と外容器91とを、外容器91の円筒状の開口部(首部90cまたはフランジ部90d)の内面とバルブホルダーのシール部104との間に設けられるガスケット(O−リング)105によってシールしている。そのため、シール性はマウンテンカバー97を外容器91にカシメ付けた寸法に影響されない。一方、バルブホルダーの固定を確実にするべく、マウンテンカバーの下端(上鍔部106aと下鍔部106b)を、バルブホルダーのフランジ部103aと外容器のフランジ部91dを上下方向に圧縮するようにカシメている。これにより、エアゾールバルブ15が下方に押し付けられてガスケット105が圧縮され、バルブホルダー96との間のシール性が高くなる。
【0062】
図14a、b、cのエアゾール容器90b、c、dは、図13のエアゾール容器90aの内部に挿入される袋の構造が異なるものである。
図14aのエアゾール容器90bは、2つの収納部110a、bが一体の袋体111内に設けられているパウチ110が取り付けられており、それぞれ収納部110a、bの開口部を閉じる連結部材112と2つのエアゾールバルブ15とが連結されている。連結部材112は、円柱状のものであり、それぞれの収納部110a、bと外部とを連通する連通路113a、bを有している。この連通路113a、bにエアゾールバルブ15が連結されている。なお連結部材を介して浸透による劣化を防止するために、連通路に金属チューブを挿入することもできる。パウチ110の袋体111は、上中下シート111a、b、cを3枚重ねたものであり、その周縁部同士を熱溶着や超音波溶着によって貼り合わせたものである。シートとしては、少なくとも合成樹脂層を備えたものが用いられ、好ましくは、金属箔層と合成樹脂層とを備えたシートが用いられる。しかし、これらは、内容物に応じて適宜選択され、内容物の色や残量などを目視で確認できるように、3枚のシートの内、少なくとも1枚を透光性を有する合成樹脂シートにしてもよい。このパウチ110は、2つの収納部110a、bが中シート111bによって区画されて並列している。そのため、両収納部110a、bは、その変形の度合いに関わらず常に同じ圧力を受け、内容物の吐出量が一定している。
この実施形態は、内容物用収納部が一つの袋体によって構成されており、噴射剤用収納部がその袋体と外容器との間の空間によって構成されている。
【0063】
図14bのエアゾール容器90cは、それぞれのエアゾールバルブ15に内袋12とパウチ46が取り付けられたものである。内袋12は、図1の内袋12と実質的に同じものであり、パウチ46は図7のパウチ46と実質的に同じものである。
図14cのエアゾール容器90dは、それぞれのエアゾールバルブ15に合成樹脂製のチューブ117が取り付けられたものである。チューブ117は、合成樹脂製の胴部117aと、その上端に貼り付けられる合成樹脂製の円錐台状の口部117bとからなる。口部117bは薄膜等(図示せず)によって閉じられている。このようなチューブ117を用いる場合、内容物をチューブ117の胴部117aの下端から充填し、その下端を閉じる。ついで、口部117bの薄膜等を破りながらエアゾールバルブ15に取り付けること
により、内容物の充填工程が簡単にできる。
【0064】
図14a〜cのエアゾール容器90b〜dについても、図14dのようにバルブアッセンブリの上部118(マウントカバーのカバー部)の形状を長円柱とすることができる。一方、外容器91に対して、図9のバルブアッセンブリ56を用いてもよい。
【0065】
図15a、bのエアゾール容器120は、外容器121が一体成形品ではなく前述したようにスリーピース缶となっている。エアゾール容器120は、外容器121と、その内部に挿入されるパウチ46と、バルブアッセンブリ121aとからなる。パウチ46は連結部材49が袋体48の端部に取り付けられている。
外容器121は、筒状の胴部材122と、その下端に巻き締めで連結された底部材(図示せず)と、胴体の上端に取り付けられる目金部材123とからなる。
目金部材123は、テーパー状の肩部123aと、その上端に形成された筒状の首部123bと、上底部123cとを有し、肩部123aの下端が胴部材122の上端と巻き締められる。肩部123aと首部123bとの間にバルブホルダー125を保持するための環状溝123dが形成されている。この目金部材123の首部123bおよび上底部123cがマウンテンカバーの役割を果たす。
【0066】
バルブアッセンブリ121aは、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー125と、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー125を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー125に固定する目金部材123とからなる。バルブホルダー125の上端と目金部材123との間には、環状のシール材124が2個設けられている。
【0067】
バルブホルダー125は、基部126と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部127とを備えている。
基部126は、円柱状の本体128と、その下端に下方に突出し、かつ、外方に突出した支持フランジ部129とからなり、本体128と支持フランジ部129との間に環状凹部130が形成されている。この支持フランジ部129の上にガスケット131が設けられる。ガスケット131は、フランジ部129と環状溝123dとの間に挟持される。
ホルダー部127は、上筒部127aと、下筒部127bと、それらを連続させる環状段部127cとからなり、上筒部127aはエアゾールバルブを受け入れ、環状段部127c(下筒部127bの上端)にエアゾールバルブ15は係止される。
目金部材123の上底部123cには、ステムを通す挿通孔123eが2個形成されている。2個のシール材124は、上底部123cの下面に、それぞれの挿通孔123eと同軸に設けられる。
【0068】
このバルブアッセンブリ121の組み立て方法は、初めにエアゾールバルブ15をバルブホルダー125に配置し、シール材124をステムに挿入して、バルブホルダー125の上端に配置する。次いで、環状溝123dが形成されていない目金部材123をバルブホルダー125に被せる。その後、目金部材の肩部と首部との間の部分を支持フランジ部129の上面に向かって、ガスケット131を潰すようにしてカシメて、環状溝123dを形成することにより組み立てられる。その後、エアゾールバルブ15にパウチ46を取り付け、目金部材123の下端と胴部材122の上端とを巻き締めにより連結してエアゾール容器120は製造される。
このバルブアッセンブリ121は、バルブホルダー125が外容器121の内部に配置することができるため、エアゾール容器全体としての外観が通常のエアゾール容器と変わらない。
【0069】
図16のエアゾール容器140は、目金部材141がテーパー状の肩部141aと、そ
の上端に形成されたビード部141bとを有したものである。また、バルブアッセンブリ145が、エアゾールバルブ15と、バルブホルダー146と、マウンテンカバー147とを有する。また、バルブホルダー146の上端とマウンテンカバー147との間に環状のシール材148が2個設けられている。
【0070】
バルブホルダー146は、基部149と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部127とを備えている。ホルダー部127は図15のホルダー部127と実質的に同じものである。
基部149は、円柱状の本体151と、その下部に外方に突出した支持フランジ部152とを有する。この支持フランジ部152の上にガスケット153が設けられる。
マウンテンカバー147は、上底を備えた筒状のものである。下端を目金部材のビード部に対してカシメて固定される。上底には、エアゾールバルブのステムを通す2つの挿通孔が形成されている。2個のシール材148は、上底の下面に、挿通孔と同軸に設けられる。
【0071】
このバルブアッセンブリ145の組み立て方法は、初めにエアゾールバルブ15を配置させたバルブホルダー146を準備し、その上から目金部材141を被せる。ついで、シール材148を配置させてから、マウンテンカバー147を被せる。その後、バルブホルダー146とマウンテンカバー147とを挟圧しながら、マウンテンカバー147の下端を目金部材のビード部に対してカシメて、固定する。
【0072】
図15のエアゾール容器120および図16のエアゾール容器140も、2つの独立分離したエアゾールバルブ15を連結保持しているため、それぞれのエアゾールバルブ15内を通る内容物は、それぞれ独立して状態で外部に吐出することができる。
【0073】
図16b、cのエアゾール容器150b、cは、図16のエアゾール容器140にガス充填口161または位置決め突起162を設けたものである。ガス充填口161および位置決め突起162は、それぞれ図11のガス充填機構および図1の位置決め突起38と実質的に同じである。また、図16cのエアゾール容器150cの一つの位置決め突起152をガス充填口に代えて、ガス充填口と位置決め突起両方を備えたものとしてもよい。
【0074】
次に、本発明のエアゾール容器(例えば、エアゾール容器10)に取り付けることができる噴射部材を示す。
図17a〜dの噴射部材170は、筒状の取り付け部171と、取り付け部171内に上下動自在に設けられる操作部172とを有する。
取り付け部171は、図17dに示すように、外筒部171aと、中筒部171bと、操作部172を通す内筒部171cとを備えている。外筒部171aの下端は、外容器の肩部または胴部上端と当接するものであり、エアゾール容器の上部を覆う保護部として働く。中筒部171bは、その下端でバルブアッセンブリのマウンテンカバーの固定部と係合する。
操作部172は、それぞれのエアゾールバルブのステムと係合するステム係合部174a、bと、内容物を吐出する断面矩形状の吐出口175aを備えたノズル部175と、その吐出口とステム係合部174a、bとを連通する部材内通路176a、bとからなる。部材内通路176a、bは、図17cに示すように、ステム係合部174a、bから上方に延びる独立通路177a、bと、それぞれの独立通路177a、bの上端と連通し、吐出口175aまで水平に延びる共通通路178とからなる。独立通路177a、b間の距離と2つの独立通路177a、bの直径の和と、共通通路178の幅Xとは、実質的に同じとなるように構成されている。また、独立通路177a、bは、ステム係合部174a、bから真っ直ぐ上方に延びるのが好ましいが、独立通路177a、bの距離が、ステム係合部174a、bの距離より短くなるように折れ曲がったり、テーパーとなったりして
もよい。独立通路177a、bの上端の距離は、吐出口175aの幅に応じて決定される。共通通路178の基端側(独立通路側)に隔壁を設けてそれぞれの通路を独立にし、途中で合流するように設けられても良い。共通通路178に基端側から先端側(吐出口)に向かって隔壁を設け、吐出口を2つに区画してもよい。
【0075】
このように構成されているため、この噴射部材170を本発明の2つのエアゾールバルブを独立に備えたエアゾール容器に取り付けることにより、エアゾール容器内に充填される2つの内容物を同時に吐出または噴射させることができる。その操作方法は、操作部172をエアゾール容器に対して下方に押し下げることにより行える。また、ノズル175の吐出口175aが、内筒部171cの開口部より外部に突出して設けられているため、吐出口175aから残液が落下しても内容物が噴射部材170内に入り込むことがない。そのため、アルミニウムなどの金属を用いたマウンテンカバーを含むエアゾール容器10を保護する。
なお、操作部172をポリプロピレンやスチレンブタジエン共重合体などの樹脂を用いて半透明ないしは透明に成型することで、部材内通路を流れる内容物を目視で確認することができる。特に、図17cに示す操作部172の部材内通路のように、ステム係合部174a、bから供給される2つの導入孔と吐出口175aの幅(独立通路177a、b間の距離と2つの独立通路177a、bの直径の和と、共通通路178の幅X)をほぼ同じにし、操作部172に透光性を持たすのが好ましい。この操作部172に内容物を通すことで共通通路178において、2つの内容物が吐出口に向かって平行に流れ、さらに2つの内容物同士が接触し、2つの内容物の吐出速度(流速)が同じになる。この状態で、共通通路178における2つの内容物の割合を、共通通路178を流れるそれぞれの内容物の幅で確認することができる。これにより、操作部を傾けて押し下げるなどの誤作動あるいは不具合によって2つの内容物の吐出量に差が出ている場合、部材内通路で内容物の幅に違いで消費者は適切に吐出されていないことを目視で確認することができる。
独立通路177a、b間の距離と2つの独立通路177a、bの直径の和と、共通通路178の幅Xが同じである操作部172は、2つのエアゾール容器を連結した2連式のエアゾール装置や、2つのステムを有する1つのエアゾールバルブを備えたエアゾール装置の押しボタンとしても用いることができる。いずれの場合も、2つのステムから吐出される内容物の流速を同じにすることができる。また、透光性を持たすことで使用者は、2つの内容物が適切に吐出されていることを目視できる。また、共通通路の幅方向に目盛りを設けることにより、2つの内容物の吐出量の割合が明確にわかる。
【0076】
図18の噴射部材180は、筒状の取り付け部181と、取り付け部181に対して上下回動自在に設けられる操作部182とを有し、取り付け部181と操作部182とはヒンジ183によって連結されている。
取り付け部181は、円筒状のものであり、下端がバルブアッセンブリのマウンテンカバーの固定部と係合するものである。また上面181aを有し、その上面181aには前後方向に延びる凹部181bが形成されており、その凹部181bには前後方向に並んで2つの貫通孔181cが形成されている。
【0077】
操作部182は、前記凹部181aに挿入される略直方体のものであり、上部に前方に突出したノズル182aと、下部に前方に突出し、かつ、下方に突出したレバー182bと、下端に下方に延びる2つのステム係合部182cとを備えている。また、ノズル182aと2つのステム係合部182cとは部材内通路で連通している。さらに、操作部182の後部には、前記取り付け部181と連結されるヒンジ183が設けられている。
このように構成されているため、エアゾール容器にこの噴射部材180を取り付け、操作部182のレバー182bをエアゾール容器側(後側)に引くことにより、操作部182がヒンジ182を軸に回動し、つまり、操作部182はエアゾール容器に対して下方に移動させ、エアゾール容器を開放することができる。
【0078】
図19のエアゾール容器200は、有底筒状の外容器201と、その内部に挿入される2つのパウチ202と、それらのパウチ202を閉じ、かつ、外容器201を閉じるバルブアッセンブリ203とからなる。バルブアッセンブリ203は、それぞれ独立して分離したエアゾールバルブ15を互いに保持している。
外容器201は、筒状の胴部201a、テーパー状の肩部201b、円筒状の首部201cおよび上端開口に肉厚のフランジ部201dを備えた合成樹脂製の耐圧容器であり、肩部201bと首部201cとの間の内面に半径方向内側に突出する環状突起201eが形成されている。さらに、首部201cとフランジ部201dとは内面を共通しており、この内面201fが外容器201の開口部を構成する。この外容器201の製法は、図13の外容器91と実質的に同じである。また、この外容器201も、透光性を有するものが好ましい。
【0079】
パウチ202は、袋体202aと、その開口部に取り付けられる連結部材205とからなる。袋体202aは、図7の袋体48と実質的に同じものである。
連結部材205は、図20a〜cに示すように、熱溶着や超音波溶着などにより袋体202aの開口部に固定される筒状の貼着部206と、その貼着部206の上方に同軸上に設けられ、エアゾールバルブ15の下端と連結される筒状のバルブ連結部207と、貼着部206とバルブ連結部207との間に、それらと同軸上に設けられた筒状の中間部208とからなる。貼着部206、中間部208およびバルブ連結部207の中心孔は共通している。連結部材205はポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂の一体成形品である。
貼着部206は、略ひし形柱状のものであり、その側面に水平方向に延びる水平リブ206aが形成されており、上端にフランジ部206bが形成されている。
バルブ連結部207は、円筒状のものであり、その下端にフランジ部207aが形成されている。
【0080】
図19bに戻って、バルブアッセンブリ203は、2つの独立したエアゾールバルブ15と、それらのエアゾールバルブ15を受け入れるバルブホルダー211と、エアゾールバルブ15とバルブホルダー211を覆うようにしてエアゾールバルブ15をバルブホルダー211に固定し、バルブホルダー211を外容器201の開口部に固定するマウンテンカバー212とからなる。エアゾールバルブ15は、図3のエアゾールバルブ15と実質的に同じものである。
【0081】
バルブホルダー211は、図20d〜fに示すように、円柱状の基部216と、その基部を上下に貫通するように形成された2つの筒状のホルダー部217と、その基部の上端に上方に向かって延びる1つ位置決め突起38と、その基部を上下に貫通するように形成された筒状の充填部218とを有する。
基部216は、本体(蓋部)103と、シール部(栓部)104とから構成されている。本体103の上面103bは、周縁が上方に立ち上がったリング部216aを備えている。つまり、本体103の上面103bは、リング部216aより若干凹んでいる。他の構成は、図13の基部101と実質的に同じであり、本体103は、下部にフランジ部103aを備えており、シール部104の環状凹部104aにガスケット105が用いられている。
位置決め突起38は、図4の位置決め38と実質的に同じものであり、本体103の上面103bから立ち上がっている。
充填部218は、図20fに示すように、上端に環状のラバー保持部218aが形成されている。この充填部218内にガス充填用のステム219aを挿入し、ラバー保持部218aにステムラバー219bを配置させ、ステム219aを上方に付勢するようにバネ219cを配置させることにより弁を構成する。しかし、弁を図11に示すステムが突出
していない弁としてもよい。このようにガス充填用のステム219aを備えた弁を構成することによりガスの充填が容易になり、シール性が高まる。ステムラバー219bは、後述するようにマウンテンカバー212によって固定される。このとき、ステムラバー219bの上面は、基部216のリング部216aより下方に位置する。
【0082】
ホルダー部217は、図20eに示すように、基部を上下に貫通するように形成されており、エアゾールバルブ15を受け入れて保持する部位であり、上筒部221と、その上筒部221より縮径した下筒部222と、上筒部221の下端と下筒部222の上端とを連続する環状段部223と、その環状段部から上筒部221に向かって突出した筒状のシール部224とからなる。上筒部221とシール部224との間には、環状の溝部225が形成されている。シール部224は、さらに筒状の上部224aと、その上部より縮径した筒状の下部224bとから構成され、上部224aと下部224bとは、第1テーパー段部224cによって連続している。また、シール部224と下筒部222の内面とは、第2テーパー段部224e(環状段部223)によって連続している。下筒部222の下部内面には、連結部材205のバルブ連結部207の下端のフランジ部207aと係合する環状係合部222aが形成されている。
このように構成されたホルダー部217に対して、図19bのように、エアゾールバルブ15の上部が上筒部221に挿入され、エアゾールバルブ15の下部が下筒部222に挿入される。詳しくは、エアゾールバルブ15の第2段部26fより下方の部位が下筒部222に挿入される。一方、エアゾールバルブ15のガスケット31が、シール部224の第1テーパー段部224cと当接し、ホルダー部217をシールする。このとき連結部材205のバルブ連結部207の下端のフランジ部207aが下筒部の環状係合部222aとが当接する。さらに、エアゾールバルブ15のカバー30の下端縁部30cが環状の溝部225内に挿入される。
このバルブホルダー211は、エアゾールバルブ15が挿入されたとき、エアゾールバルブ15のカバー30の上面が、基部216のリング部216aの上端より若干下方に位置するように構成されている。
【0083】
マウンテンカバー212は、図19a、b、cに示すように、エアゾールバルブ15およびバルブホルダー211を覆う円筒状のカバー部212aと、バルブホルダー211のフランジ部103aと外容器201とを固定し、そのカバー部より大きい径の円筒状の固定部212bとを有する。カバー部212aは、その上底にエアゾールバルブのステム、ガス充填用のステムおよび位置決め突起を通す4つの挿通孔212eを有している。また、カバー部212aは、その上底の下面とエアゾールバルブ15のカバー30の上面、上底の下面と位置決め突起38付近においる基部の本体103の上面103b、かつ、上底の下面と充填部218のステムラバー219bの上面とが当接するように下方に押し付けられた状態でカシメられており、上面に4箇所の凹み部226を構成している。この実施形態では、二等辺三角形状の凹み部226が4個形成されており、それぞれの頂点がエアゾール容器200の軸を向くように形成されている。つまり、図19aのようにマウンテンカバー212を上から見ると、リング状および十字状の突出部212fが形成されている。固定部212bは、バルブホルダーのフランジ部103aの上面と当接する上鍔部212cを有し、バルブアッセンブリ203を外容器201に取り付けるときに、下端をカシメることによって下鍔部212dが形成される。
【0084】
このようにエアゾール容器200はマウンテンカバー212が上面に凹み部226を備えているため、ガス充填用のステムラバー219bをしっかり押え付けることができ、シール性が高い。また、エアゾールバルブ15をしっかり押え付けてバルブホルダー211に固定することができ、ガスケット31のシール性を高めることができる。さらに、マウンテンカバー212の凹み部226は、マウンテンカバー212のリブ作用を奏し、エアゾール容器200の内部圧力に対する強度が向上し、マウンテンカバー212が外方向に
膨らみ、全体のシール性が低下することを防ぐ。
【0085】
図21のエアゾール容器200aは、バルブホルダー211およびマウンテンカバー212aの平面断面の外形が、一部を切欠いた円としたものである。つまり、バルブホルダー211の側面211aとマウンテンカバー212aのカバー部211bがそれぞれ切欠き面228a、228bを備えている。マウンテンカバー212の切欠き面228bは、図6のエアゾール容器43と同様に、バルブアッセンブリおよびエアゾール容器の方向(位置)合わせ手段および方向確認手段である。他の構成は、図19のエアゾール容器200と実質的に同じものである。
【0086】
図22のエアゾール容器230は、それぞれエアゾールバルブ15のハウジング26内とパウチ202内とを連通するディップチューブ231a、bを備えている。詳しくは、ディップチューブ231a、bの上端開口部を連結部材205の貼着部206に挿入している。また、それぞれのディップチューブ231a、bの下端開口部232a、bの位置(高さ)をずらしている。他の構成は、図19のエアゾール容器200と実質的に同じものである。
このようにディップチューブ231a、bを設けた場合、パウチ202の袋体202aは、ディップチューブ231a、bの下端開口部のある部位から収縮する(想像線)。そして、ディップチューブ231a、bの下端開口部232a、bの位置をずらしているため、それぞれのパウチ202の変形形状をコントロールすることができる。つまり、短いディップチューブ231a(下端開口部232aの位置が高い方)が連結されたパウチ202は上方から変形し、長いディップチューブ231b(下端開口部232bの位置が低い方)が連結されたパウチ202bは下方から変形する。そのため、2つのパウチ202a、bを合わせた形状が略円柱状と安定し、内容物を最後まで安定して吐出させることができる。例えば、パウチ202が収縮していく際、折れ曲がったりして、内容物の一部が吐出できずに残ることを防止できる。
この実施形態では、ディップチューブ231a、bの上端開口部を連結部材205の貼着部206に配置させているが、想像線で示すようにディップチューブが連結部材205を貫通するように上端開口部233a、bをハウジングの連結部26gに挿入させるようにしてもよい。この場合、外部容器内に露出している連結部材205から内容物が透過や浸透するのを防止でき、内容物を安定して保存することができる。
さらに、ディップチューブの長さを調整することで、ディップチューブ内の抵抗を利用して各内容物を所望の吐出量(単位時間当たりの吐出量)に調整することもできる。前記吐出量の比率としては、たとえば内容物が2液式染毛剤である場合は、染料を含む第1剤:過酸化水素などの酸化剤を含む第2剤の比率が1:5〜5:1、さらには1:3〜3:1であることが好ましい。
【0087】
図23は、ディップチューブの他の形態を示す。図23a、bは、連結部材205の貼着部206の内面に上下方向に延びる突起236が設けられており、ディップチューブ237が上端から下方に延びる弱め線あるいはスリット235が設けられている。つまり、ディップチューブ237を連結部材205の貼着部206内に挿入することにより、突起236が弱め線あるいはスリット235を開き、ディップチューブ237の上部に側面開口237aを形成する。このように下端開口部だけでなく上部からも内容物を吸引することができ、一層残量を小さくすることができる。
図23cは、断面星型のディップチューブ238を用いている。これにより、ディップチューブ238の外面と、連結部材の貼着部206の内面との間に上下方向に延びる隙間が形成され、この隙間を通路として内容物をハウジングに供給できる。この場合も、ディップチューブ238の下端開口とディップチューブ238と連結部材の貼着部206との間の隙間の両方から内容物を吸引できるため、残量を小さくできる。
図23dは、側面に上下方向に延びる溝233を備えた円柱部材234であり、上端を
連結部材に挿入するものである。溝233は、上端から下端まで延びており、下端から上方に延びる第1溝233cと、その第1溝233cより上部側に第1溝233cよりも深い第2溝233bと、さらに第2溝233bよりも上部側に第2溝233bよりも深い第3溝233aとからなり、上部側に階段状に深くなっている。この溝233によりパウチが収縮しても内容物の通路を各高さで確保することができ、第2溝233bや第3溝233aの深さと長さを調整することでパウチ内の内容物の吐出順序を調整することができる。つまり、パウチの収縮工程を調整できる。なお、溝の種類の数は特に限定されず、2〜5段階にすることが好ましい。また、溝は第1溝233cのみとし、内容物の粘度に応じて円柱部材の第1溝233cの深さと長さを調整し、2つの内容物の吐出量を調整することができる。
【0088】
図24a、bは、図20のエアゾール容器200に噴射部材240、250を取り付けたものである。
噴射部材240は、筒状の取り付け部241と、取り付け部241内に上下動自在に設けられる操作部242とを有する。
取り付け部241は、エアゾール容器200を覆うように上底246を有する筒状体であり、下端はバルブアッセンブリのマウンテンカバーの固定部と係合する。上底246には、操作部242を通す挿入孔247が形成されている。
操作部242は、それぞれのエアゾールバルブのステムと係合するステム係合部242a、bと、内容物を吐出する断面矩形状の吐出口248aを備えたノズル部248と、その吐出口248aとステム係合部242a、bとを連通する部材内通路249a、bとからなる。ノズル248は、前方(図24の前方)に突出している。
このように構成されているため、ノズル248の吐出口248aが、取り付け部241の挿入孔247の開口より外部に突出して設けられているため、吐出口248aから残液が落下しても内容物が噴射部材240内に入り込むことがない。そのため、内容物から金属製のマウンテンカバーを保護することができる。
【0089】
噴射部材250は、筒状の取り付け部251と、取り付け部251内に上下動自在に設けられる2つの操作部252と、取り付け部251に連結され、操作部252を覆う保護カバー253とを有する。
取り付け部251は、エアゾール容器200を覆うように上底256を有する筒状体であり、下端はバルブアッセンブリのマウンテンカバーの固定部と係合する。上底256には、2つの操作部252を通す2つの挿入孔257が形成されている。
それぞれの操作部252は、それぞれのエアゾールバルブのステムと係合するステム係合部252aと、内容物を吐出する断面円形状の吐出口258aを備えたノズル部258と、その吐出口258aとステム係合部242aとを連通する部材内通路259とからなる。ノズル258は、前方に突出している。
このように構成されているため、それぞれのノズル258の吐出口258aが、取り付け部251の挿入孔257の開口より外部に突出して設けられているため、吐出口258aから残液が落下しても内容物が噴射部材250内に入り込むことがない。そのため、内容物から金属製のマウンテンカバーを保護することができる。
【0090】
図25のエアゾール容器260は、マウンテンカバー212を基部216の形状に合わせて凹み部261を形成したものであり、他の構成は図19のエアゾール容器200と実質的に同じである。この場合も、シール性が向上し、内部圧力に対する強度が向上する。
【0091】
図26のエアゾール容器265は、充填部218の下端にディップチューブ266が設けられている。他の構成は、図19のエアゾール容器200と実質的に同じである。このディップチューブ266は、外容器201とパウチ202との間の空間に充填される第3の内容物を吐出するためのものである。
この場合、外容器201とパウチ202との間に噴射剤が充填されているため、噴射剤と第3の内容物から第3の内容物のみを吸引できるようにディップチューブ266が設けられる。
このように構成されているため、3つの内容物を同時に吐出させることができる。
【符号の説明】
【0092】
10 エアゾール容器
11 外容器
11a 胴部
11b 肩部
11c ビード部
12 内袋
12a 胴部
12b 肩部
12c 首部
12d フランジ部
13 バルブアッセンブリ
15 エアゾールバルブ
21 バルブホルダー
22 マウンテンカバー
22a 上底
23 シール材
26 ハウジング
26a 連通孔
26b ステムラバー保持部
26c 内袋嵌合部
26d フランジ部
26e 第1段部
26f 第2段部
26g 連結筒
27 ステム
27a ステム孔
27b 環状凹部
27c 中心孔
28 ステムラバー
29 バネ
30 カバー
30a 中心孔
30b 上底
30c 下端縁部
31 バルブガスケット
36 基部
36a 側面
36b フランジ部
37 ホルダー部
37a 上筒部
37b 下筒部
37c 環状段部
37d 環状溝部
38 位置決め突起
39 挿通孔
41 カバー部
42 固定部
42a 上鍔部
42b 下鍔部
42c 側壁部
45 エアゾール容器
46 パウチ
47 バルブアッセンブリ
48 袋体
49 連結部材
49a 貼着部
49b 連結部
51 バルブホルダー
51a 基部
52 マウンテンカバー
52a カバー部
55 エアゾール容器
56 バルブアッセンブリ
61 バルブホルダー
62 マウンテンカバー
66 基部
66a フランジ部
67 ホルダー部
67a 上筒部
67b 下筒部
67c 環状段部
68a 上段部
68b 下段部
71 カバー部
71a 上底
72 固定部
72a 上鍔部
73 挿通孔
74 ディップチューブ
75a、b エアゾール容器
76a、b バルブアッセンブリ
77 エアゾール容器
77a ガス充填口
78 バルブアッセンブリ
78a バルブホルダー
78b マウンテンカバー
78c 充填孔
79 逆止弁
79a 孔部
79b シール材
79c バネ
80 エアゾール容器
81 バルブアッセンブリ
83 マウンテンカバー
86 カバー部
86a 上底
86b 挿通孔
86c 保持溝
87 固定部
88 シール材
90a〜d エアゾール容器
91 外容器
91a 胴部
91b 肩部
91c 首部
91d フランジ部
92 パウチ
93 バルブアッセンブリ
96 バルブホルダー
97 マウンテンカバー
97a カバー部
97b 固定部
101 基部
102 ホルダー部
102a 上筒部
102b 下筒部
102c 環状段部
102d 上段部
102e 下段部
103 本体
103a フランジ部
104 シール部
104a 環状凹部
105 ガスケット
106a 上鍔部
110a、b 収納部
110 パウチ
111 袋体
111a 上シート
111b 中シート
111c 下シート
112 連結部材
113a、b 連通路
117 チューブ
117a 胴部
117b 口部
118 上部
120 エアゾール容器
121 外容器
122 胴部材
123 目金部材
123a 肩部
123b 首部
123c 上底部
123d 環状溝
123e 挿通孔
124 シール材
125 バルブホルダー
126 基部
127 ホルダー部
127a 上筒部
127b 下筒部
127c 環状段部
128 本体
129 支持フランジ部
130 環状凹部
131 ガスケット
140 エアゾール容器
141 目金部材
141a 肩部
141b ビード部
145 バルブアッセンブリ
146 バルブホルダー
147 マウンテンカバー
148 シール材
149 基部
150a、b、c エアゾール容器
151 本体
152 支持フランジ部
153 ガスケット
161 ガス充填口
162 位置決め突起
170 噴射部材
171 取り付け部
171a 外筒部
171b 中筒部
172 操作部
174a、b ステム係合部
175 ノズル部
175a 吐出口
176a、b 部材内通路
180 噴射部材
181 取り付け部
181a 上面
181b 凹部
181c 貫通孔
182 操作部
182a ノズル
182b レバー
182c ステム係合部
183 ヒンジ
200、200a エアゾール容器
201 外容器
201a 胴部
201b 肩部
201c 首部
201d フランジ部
201e 環状突起
202 パウチ
201a 袋体
203 バルブアッセンブリ
205 連結部材
206 貼着部
206a 水平リブ
206b フランジ部
207 連結部
207a フランジ部
208 中間部
211 バルブホルダー
211a 側面
211b カバー部
212 マウンテンカバー
212a カバー部
212b 固定部
212c 上鍔部
212d 下鍔部
212e 挿通孔
212f 突出部
216 基部
216a リング部
217 ホルダー部
218 充填部
218a ラバー保持部
219a ステム
219b ステムラバー
219c バネ
221 上筒部
222 下筒部
222a 環状係合部
223 環状段部
224 シール部
224a 上部
224b 下部
224c 第1テーパー部
224e 第2テーパー部
225 環状の溝部
226 凹み部
228a、228b 切欠き面
230 エアゾール容器
231a、b ディップチューブ
232a、b 下端開口部
233a 第3溝
233b 第2溝
233c 第1溝
234 円柱部材
235 スリット
236 突起
237 ディップチューブ
237a 側面開口
238 ディップチューブ
240 噴射部材
241 取付け部
242 操作部
242a、b ステム係合部
246 上底
247 挿入孔
248 ノズル
248a 吐出口
249a、b 部材内通路
250 噴射部材
251 取付け部
252 操作部
252a ステム係合部
253 保護カバー
256 上底
257 挿入孔
258 ノズル
258a 吐出口
259 部材内通路
260 エアゾール容器
261 凹み部
265 エアゾール容器
266 ディップチューブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ独立して分離した複数のエアゾールバルブと、それらを保持し、耐圧性の外容器の開口部に固定するための保持部材とを備えている、バルブアッセンブリ。
【請求項2】
前記保持部材が、複数のエアゾールバルブを保持するバルブホルダーと、そのエアゾールバルブおよびバルブホルダーを覆うマウンテンカバーとを備えており、
前記バルブホルダーが、複数のエアゾールバルブを挿入して保持する複数のホルダー部を有し、
前記マウンテンカバーのカバー部の上底にエアゾールバルブのステムを通す複数のステム挿通孔が形成されている、
請求項1記載のバルブアッセンブリ。
【請求項3】
前記バルブホルダーが、外容器の開口部の上端に配置されるフランジ部を有し、
前記マウンテンカバーが、エアゾールバルブをバルブホルダーに固定するカバー部と、バルブホルダーのフランジ部を外容器に固定する固定部とを有する、
請求項2記載のバルブアッセンブリ。
【請求項4】
前記バルブホルダーの上面に上方に突出した位置決め突起が形成されており、
前記マウンテンカバーの上底にその位置決め突起を通す突起挿通孔が形成されている、
請求項2記載のバルブアッセンブリ。
【請求項5】
前記位置決め突起が、エアゾールバルブのステムよりも中心軸から外周側で突出している、
請求項4記載のバルブアッセンブリ。
【請求項6】
前記バルブホルダーが、柱状の蓋部と、その下端に形成されたフランジ部とを有し、
前記マウンテンカバーのカバー部は、エアゾールバルブを蓋部に固定し、
前記バルブホルダーの蓋部およびマウンテンカバーのカバー部の平面断面の外形が、円の一部を切欠いた形状を有している、
請求項3記載のバルブアッセンブリ。
【請求項7】
外容器内に加圧剤を充填するためのガス充填バルブを備えている、
請求項1記載のバルブアッセンブリ。
【請求項8】
前記バルブホルダーが、外容器の開口部の内面に沿って挿入される栓部を有し、
前記外容器の開口部の内面とバルブホルダーの栓部の外面との間に環状のシール材が設けられる、
請求項3記載のバルブアッセンブリ。
【請求項9】
前記バルブホルダーのホルダー部の内面と、前記エアゾールバルブのハウジングの外面との間に環状のバルブガスケットが設けられている、
請求項2記載のバルブアッセンブリ。
【請求項10】
前記マウンテンカバーの上底が、複数のエアゾールバルブを抑える凹部を備えている、請求項2記載のバルブアッセンブリ。
【請求項11】
耐圧性の外容器と、
その外容器内に区画され、噴射剤が充填される噴射剤用収納部および複数の内容物が充填される内容物用収納部と、
前記外容器を閉じ、かつ、内容物用収納部と連通するエアゾールバルブを複数備えた請求項1〜10いずれか記載のバルブアッセンブリとを有する、
エアゾール容器。
【請求項12】
前記エアゾールバルブと収納部とを連通し、下端が収納部内に挿入される複数のチューブをさらに有しており、
少なくとも2つのチューブの収納部内における下端の位置が上下方向にずれている、
請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項13】
前記エアゾールバルブに取り付けられる操作部をさらに備え、
前記操作部が、それぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる2つのステム係合部と、2つの内容物を吐出する断面矩形状の吐出口と、そのステム係合部と吐出口とを連通する部材内通路とを有しており、
前記部材内通路が、それぞれのステム係合部と連通する2つの独立通路と、それぞれの独立通路の上端と連通し、それぞれの独立通路から流れる内容物を合流しながら吐出口まで水平に延びる共通通路とを備えており、
前記吐出口の幅と、前記独立通路の距離と2つの独立通路の直径の和とが実質的に同じである、
請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項14】
前記操作部が透光性を有する、請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項15】
それぞれのエアゾールバルブのステムに取り付けられる複数の操作部を備えている、
請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項16】
前記内容物用収納部が、外容器内に収納される複数の袋体によって構成されている、1または複数の袋体および外容器と袋体との隙間によって構成されている、または、袋体内にて区画された複数の区画部によって構成されている、
請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項17】
前記外容器が合成樹脂製である、請求項11記載のエアゾール容器。
【請求項18】
前記内容物用収納部を2つ備えた、請求項11〜17記載のエアゾール容器。
【請求項19】
請求項18記載のエアゾール容器と、
前記噴射剤用収納部に充填される噴射剤と、
前記内容物用収納部にそれぞれ充填される2つの内容物とを備え、
前記2つの内容物が2液反応型製剤である、
エアゾール製品。
【請求項20】
前記2液反応型製剤が2液式染毛剤である、請求項19記載のエアゾール製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−60234(P2013−60234A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−282272(P2011−282272)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】