説明

バルブ制御システムをテストする方法及び装置

本発明は、複数の制御バルブを有する航空機の燃料供給システム(100)におけるバルブ制御システムをテストする方法及び装置(1)であって、制御システムは複数の制御バルブのそれぞれに制御信号を出力する中継手段を有する方法及び装置を提供する。この方法は、テスト装置と制御システム中継手段を電気的に接続する接続手段を設ける工程と、テスト装置が制御システムによる複数の制御バルブのいずれか1つ以上への制御信号出力を受取るのに適合するようにテスト装置と中継手段とを接続する工程と、中継手段から複数の制御バルブの1つへの電気制御信号出力を検出する工程と、検出された制御信号が中継手段によって出力される複数の制御バルブの特定の1つを識別し、その特定の制御バルブへの制御信号出力の種類を識別する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の燃料供給システムにおけるバルブ制御システムをテストする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、より大きな民間航空機の燃料供給システムは、種々の燃料補給/燃料除去ライン、移送ライン、加圧ライン、及び出口ラインのそれぞれに接続する多数の独立した燃料タンクを組み込んでいる。さらに、この個々の燃料タンクに結び付けられたこれらのラインのそれぞれは少なくとも一つの制御バルブによってそれぞれ制御される。その燃料供給システムは相互に連結されたタンクとラインの配置が非常に複雑であり、多数の個々のバルブの運転は、一般的にコンピュータで規制されたバルブ制御システムによって管理される。
【0003】
例えば、組立中や新しい航空機の試運転中に航空機にて行われる基礎テストは、正しい制御信号が燃料供給システムにおける個々の制御バルブの作動モータやサーボモータに出力されるか否かをチェックするための一連のテストを必要とする。従来、この燃料供給システムにおける多数の異なる制御バルブへの制御信号出力は手動でテストされていた。しかし、これは非常に困難で、製造時間を長くし、従ってコストを増加させる時間集約的な手順である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに応じ、実施がより簡単であり、時間及びコストの観点から最適化された、航空機の燃料供給システムにおけるバルブ制御システムをテストする方法及び装置を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様によれば、本発明は、複数の制御バルブを有する航空機の燃料供給システムにおけるバルブ制御システムをテストする方法であって、前記制御システムは前記複数の制御バルブのそれぞれに制御信号を出力する中継手段を有し、前記方法は、テスト装置と前記制御システム中継手段とを電気的に接続する接続手段を設ける工程と、前記テスト装置が前記中継手段による前記複数の制御バルブのいずれか1つ以上への制御信号出力を受取るのに適合するようにテスト装置と前記中継手段とを接続する工程と、前記中継手段による前記複数の制御バルブの1つへの電気制御信号出力を検出する工程と、検出された制御信号が前記中継手段によって出力される前記複数の制御バルブの特定の1つを識別し、及び/又は、その特定の制御バルブへの制御信号出力の種類を識別する工程とを有する方法を提供する。この検出された制御信号の種類を識別する工程は、その制御信号がその特定の制御バルブを開くのに適合するのか、又は閉じるのに適合するのかのどちらであるかを識別することを含むことが好ましい。
【0006】
本発明の1つの特有の形態において、テスト装置と中継手段とを接続する工程は、その中継手段と単一の接続を行うことを含み、好ましくは、その接続は直接制御システムの中継装置で行われる。このようにして、テスト装置が複数の制御バルブのいずれか1つへの制御信号出力を受取るのに適合するようにして、このテスト装置はバルブ制御システム中継手段と素早く、簡単に接続されることができる。本発明のこの特有の形態において、上記検出工程は複数の制御バルブのいずれか一つへの中継手段による電気制御信号出力を検出することを含む。
【0007】
従って、本発明は中継手段から制御バルブへの全ての信号出力を、テスト機器の単一の接続を用いて評価可能なテスト方法を提供できる。このように、この方法は制御システムから航空機の燃料供給システムの制御バルブのいずれか1つへのどんな制御信号出力も検出して識別するように意図される。これは、時間と労力を節約することによって従来技術を著しく改善する。具体的には、ユーザは異なる場所にテスト機器を移動してそれぞれの箇所で新しい接続を確立する必要がない。これによって、本発明は中継手段での一箇所からバルブ制御システムの全ての出力信号にアクセスして評価することによってより効率的にテストが行われることを可能にする。
【0008】
本発明のもう1つの形態において、このテスト装置と中継手段とを接続する工程は、制御システムの中継装置から離れた位置でその中継手段と1つ以上の別の接続を行うことを含む。この1つ以上の接続は制御バルブ接続ポイントで行われることが好ましい。
【0009】
一般的に、燃料システムにおける複数の制御バルブのそれぞれは電気サーボモータのような作動モータによって操作され、即ち開いた状態か閉じた状態かに動かされる。しかし、いくつかの航空機の燃料供給システムにおいて、それぞれの制御バルブは冗長性によってより良い信頼性を達成するために2つ以上の別の作動モータによって運転されるのに適合する。この場合、その制御システムは複数の制御バルブの作動モータのそれぞれへの制御信号を送るのに適合する。従って、本発明の好ましい形態において、この方法はさらに、検出された制御信号が制御システムによって出力される特定の制御バルブの作動モータの特定の一つを識別する工程を有する。
【0010】
このバルブ制御システムの出力信号が向けられる特定のバルブ又は作動モータの識別と、その信号の操作目的(即ち、バルブを開ける又は閉じる)は、当然、制御システムが適切に機能するかどうかを評価するために非常に重要である。従って、本発明の方法を用いて得られるこの情報は、ユーザに利用可能にされる必要がある。この情報は、後の検索のために(例えば、デジタル方式で)格納されることができるが、この情報が直ちに使用可能で評価可能な形式で直ぐに利用可能であるならばより好ましい。
【0011】
従って、本発明の好ましい形態において、検出される制御信号が出力される特定のバルブ及び/又は特定の作動モータを識別する工程、及びその検出された制御信号の種類を識別する工程は、ユーザによる視覚による観察のためにそれに対応する情報を表示することを含む。これは、詳細なテスト情報を表示するLCDのような表示スクリーンの利用を含んでも良い。或いは、この情報の表示は複数の発光ダイオード(LEDs)のような一連の光エレメントを有し、そのそれぞれは特定の制御信号を検出するために接続され、それに応じて表示パネル上にラベル付けされても良い。このようにして、特定のLEDが発光したとき、それは即座に特定の制御信号の存在をほのめかす、又は明示する。
【0012】
本発明のテスト方法を実施する間、バルブ制御システムから予期された特定の出力信号が検出されないかもしれない。そのような場合、なぜ正しい信号が検出されないのかを確かめようとして、即ちトラブルシューティング手順の間に、信号又は信号回路の属性を測定することは有益となり得る。従って、本発明の好ましい形態において、この方法はさらに、その制御システムによる電気制御信号出力の属性又はその制御システムの中継手段と複数の制御バルブの1つ以上との間の信号回路の属性を測定する工程を有する。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、複数の制御バルブを有する航空機の燃料供給システムにおけるバルブ制御システムをテストする装置であって、前記制御システムは前記複数の制御バルブのそれぞれに制御信号を出力する中継手段を有し、前記装置は、前記装置が前記制御システムによる前記複数の制御バルブのいずれか1つ以上への制御信号出力を受取るのに適合するように前記制御システムの前記中継手段と接続する接続手段と、前記制御システムによる前記複数の制御バルブの1つへの制御信号出力を検出する検出手段と、検出された制御信号が出力される前記複数のバルブの特定の1つを識別し、及び/又は、その特定の制御バルブへの制御信号出力の種類を識別する表示手段とを有する装置を提供する。上記したように、表示手段によって識別される制御信号の種類は、一般的にその検出された制御信号が特定の制御バルブを開けるための信号か、又は閉じるための信号かのどちらかである。
【0014】
いくつかの航空機の燃料システムにおいて、それぞれの制御バルブは2つ以上の別の作動モータによって運転され、制御システムは複数の制御バルブの作動モータのそれぞれに制御信号を出力する。従って、本発明の好ましい形態において、表示手段は検出された制御信号が制御システムの中継手段から出力される制御バルブの作動モータの特定の一つを識別するのに適合したものとすることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態において、この表示手段は検出された制御信号が出力される特定のバルブ及び/又は特定の作動モータを識別し、及びその検出された制御信号の種類を識別するためのビジュアルディスプレイを有する。
【0016】
例えば、そのディスプレイは、そのバルブ、作動モータ、及び/又は信号の種類を識別する情報を表示するためのLCDのような、スクリーン装置を有して良い。或いは、そのビジュアルディスプレイは、複数の発光ダイオードを有し、それぞれのLEDがその制御バルブの1つ、制御バルブ作動モータの1つ、及び/又は、開閉信号種類を表示する。このようにして、それぞれのLEDは、発光したときに、バルブ制御システムの中継手段による特定の制御信号出力の運転特性を識別できる。
【0017】
上述したように、予期される出力信号が検出されないときのトラブルシューティングの助けとして、信号又は信号回路の属性を測定することが有益となり得る。従って、本発明の好ましい形態において、この装置は中継手段による電気制御信号出力の属性、又はその中継手段での或いはその中継手段と複数の制御バルブの1つ以上との間の信号回路の属性を測定する手段を有する。
【0018】
ここで、本発明について、添付の図に示される特定の態様に関して例として記載する。しかし、好ましい態様の以下の記載は上記したような、又は添付の請求の範囲に定義されたような本発明の概念の一般性を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、本発明の好ましい態様について、同じ引用符号は同じ機能を示す以下の添付の図を参照して記載する。
【図1】民間航空機における追加中央タンク(ACT)燃料供給システムの概略図である。
【図2】本発明の1つの態様によるテスト装置の概略前面図である。
【図3】図2に示すテスト装置の一部の概略回路図である。
【図4】図2に示すテスト装置の別の一部の概略回路図である。
【図5】本発明の別の態様によるテスト装置の概略前面図である。
【図6】図5に示すテスト装置の接続プラグに対する概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、図1を参照すると、航空機の燃料供給システム100の例が示されている。特にこのシステムは追加中央タンク(ACT)システムとして知られている。このACTシステムにおいて、6つの「追加中央タンク」ACT1からACT6が航空機の積み荷エリアに配置される。さらに、このACTシステムは、例えば、燃料補給時、又は右翼タンクと左翼タンク間に配置される中央タンクCTとACT間での燃料の移送時に、個々のACTに、又は個々のACTから燃料を運ぶ主燃料ライン101を有する。これに応じ、このACTシステムは、例えば、6つのACTに対しての燃料導入バルブ102、移送ポンプ104を経由して個々のACTへの、又は個々のACTからの燃料の移送を制御する移送バルブ103、及びこれらのACTが燃料補給されるときに開く燃料補給バルブ105などのような一連の燃料バルブも有する。さらに、このACTシステムは、加圧機室空気取り入れ口108を経由して加圧空気をこれらのACTに供給するためのシステム107に加えて出口ライン106を有する換気システムを有する。これらのACTと加圧空気供給システムとの間の接続は、空気遮断バルブ109によって遮断されることができる。この出口ライン106は主出口バルブ110とフォワードアイソレーションバルブ111とを有する。
【0021】
さらに、ACT燃料供給システム100において、それぞれのバルブ(それほど重大ではない、燃料補給バルブ105を除いて)は、冗長性によるより高い信頼性(従って、安全性)のために2つの独立した電気サーボモータによって別々に作動されるように設計される。個々の制御バルブにそれぞれ関連付けられたこれら2つの独立した電気サーボモータのそれぞれを、ここでは単にMotor1(又はMot1)及びMotor2(又はMot2)と呼ぶ。このACT燃料供給システム100の複雑さと、正確で堅実な運転を確実にする必要性を考慮し、その燃料供給システムにおける多数の個々のバルブの作動(即ち、開閉)はコンピュータで処理されるバルブ制御システム(不図示)によって管理される。この制御システムは、バルブ及び中継装置に対して制御信号を生成する少なくとも1つのプロセッサを有し、このプロセッサによって生成される制御信号はこの中継装置を経由してバルブ作動モータに出力される。本発明はこのバルブ制御システムの性能をテストして評価することに関する。
【0022】
ここで、図2を参照すると、本発明の第1の態様による装置1が概略的に示されている。この装置1の本体は、電気回路及び電子コンポーネントを収容する一般に長方形のケーシング10を有し、2つの接続エレメント21、22を有する接続手段20はケーブル25によってケーシング10内のコンポーネントと電気的に連結する。このケーブル25はどのような適当な長さで設けられても良く、この場合では、約4.5mである。これら接続エレメント21、22は、プラグインタイプであり、装置1をバルブ制御システムの中継装置(不図示)に直接接続するのに適合し、このバルブ制御システムからACT燃料供給システム100におけるバルブの運転を規制するために信号が出力される。これら接続エレメント21、22は、複数の制御バルブ102、103、105等のいずれか1つの作動モータ(即ちMotor1又はMotor2)への制御手段による制御信号出力を装置1が受取るのに適合するような中継装置との接続を提供する。また、その接続手段20はアース接続のための、ワニ口クリップなどのようなクリップ26を有する。このアースクリップ26は、例えば、望ましい電気アースを提供するためにその中継装置の近くに位置する結合ケーブルに取り付けられても良い。
【0023】
この装置1のケーシング10はバルブ制御システムから受取られる可能性のある全ての組合せの制御信号に対応し、別々の電気回路に配置される発光ダイオード(LEDs)31の集まりの形式で検出手段30を収容する。このようにして、これらLED31はその制御システムによる制御バルブ作動モータのいずれか1つへの制御信号出力を検出するのに適合する。それぞれのLED31の部分はケーシング10の上面11を通して見ることができる、又は突き出ている。さらに、この装置のケーシングの上面11はACT燃料供給システム100の特定のバルブを識別するためにラベル付けされる。特に、追加中央タンクACT1からACT6のそれぞれに対する導入バルブ102は、フォワード(FWD)アイソレーションバルブと図1に示されていない2つの出口バルブに加えて、移送バルブ103、燃料補給バルブ105及び空気遮断バルブ109と同様にラベル付けされる。これらLED31は複数列をなして配置され、その装置1におけるその回路接続がそれらバルブとACT燃料供給システムの特定のバルブの名前と一列に並んで置かれるLEDのそれぞれとを関連付ける。
【0024】
特に、燃料補給バルブ105を除いて、ACTシステム100のバルブのそれぞれの制御バルブは2つの作動モータ、Motor1及びMotor2を有する。さらに、この2つの独立した作動モータを有するそれぞれの制御バルブは、バルブ制御システムからの可能性のある4つの制御信号、即ち、バルブを開くためのMotor1への信号、バルブを閉じるためのMotor1への信号、バルブを開くためのMotor2への信号、バルブを閉じるためのMotor2への信号を受取ることができる。従って、ケーシング10の上面11は装置1の使用中にバルブ制御システムからの検出された信号に関してユーザへ直接情報を提供するユーザ用の表示パネルを形成するように設計される。ケーシング10の前面11にリストされるバルブの一番目である「移送バルブ」について考慮すると、2つのLED31a、31bは第1の作動モータへの制御信号を識別するために見出し「Motor1」の下に配置されているのが分かる。それらの2つのLED31a、31bの1つは移送バルブを遮断又は閉じるためのMotor1への制御信号を明示する「SHUT」がラベル付けされる。それらの2つのLED31a、31bのもう1つは移送バルブを開くためのMotor1への制御信号を明示する「OPEN」がラベル付けされる。同様の考えが見出し「Motor2」の下のラベル「移送バルブ」の右手側に配置されるLEDにも適用される。この場合、それらLEDが移送バルブの第2の作動モータ、Motor2への制御信号出力を識別するため配置され、ラベル付けされる。この配置は2つの作動モータを有するリストされる全てのバルブに対して繰り返される。
【0025】
ここで、図3、4を参照すると、装置1の回路配列が2つの部分において概略的に示されている。図2のようなLED31は図3及び図4に十字円によって示されている。コネクタ21は図3の左手側に示され、特定のバルブ作動モータに対する特定の制御信号を受取るために中継装置に接続される接続エレメント21の個々の回路はラベル付けされている。同様に、コネクタ22は図4の左手側に示され、特定のバルブ作動モータに対する特定の制御信号を受取るために中継装置に接続される接続エレメント22の個々の回路もラベル付けされている。この図3及び図4の回路は数字「1」を有する円形の接続ポイント32でお互いに接続する。尚、これらの回路図のそれぞれにおいて、「OPEN」制御信号(即ちバルブを開くことを表す)を受取るために回路で接続されるLED31は緑色(即ち、

)で色付けされ、「SHUT」制御信号(即ちバルブを遮断又は閉じることを表す)を受取るために回路で接続されるLEDは赤色(即ち、rot)で色付けされる。
【0026】
操作に関して、本発明の装置1は直接バルブ制御システムの中継装置に接続される。その後、バルブ制御システムが運転され、ACT燃料供給システム100におけるそれぞれのバルブを開いたり閉じたりするための制御信号を発する、又は出力し、そこでは、第1及び第2の作動モータ、Motor1及びMotor2の両方の使用が可能である。バルブ制御システムのテストを実施するこの装置のユーザは、その制御システムによって発せられるそれぞれの制御信号に対応するLED31が発光したかどうか装置1の表示パネル11を直接観察することができる。特定のバルブ制御信号が中継装置から生成されない又は出力されないというようなバルブ制御システムにおける欠陥があった場合、テスト装置1のそれぞれのLED31は発光せず、オペレータはどのバルブが、どの作動モータが、どちらの特定の制御信号(即ち、バルブを開く又は閉じる)が検出されないか即座に識別することができる。
【0027】
図5、6を参照すると、本発明の装置1の第2の態様が示されている。この場合、この装置と燃料供給システム100におけるバルブ制御システムとを接続する接続手段20はバルブ信号回路が別に割り当てられる4つのプラグインタイプの接続エレメント21、22、23、24を有する。この第2の態様において、この接続エレメント21は具体的には燃料補給バルブのための制御信号に占有されるが、接続エレメント22は具体的にはポンプ作動のための制御信号に占有される。これら接続エレメント23、24の両方はACT移送バルブ103、空気遮断バルブ109、出口バルブ110、及びフォワード(FWD)アイソレーションバルブ111への制御信号出力を受取るのに適合する。しかし、これに関して、この接続エレメント23は具体的にはそれらのバルブに対する第1の作動モータ(Mot1)への制御信号出力の受信に占有されるが、接続エレメント24は具体的にはそれらのバルブに対する第2の作動モータ(Mot2)への制御信号出力の受信に占有される。さらに、この態様において、この装置1は中継装置から離れた位置でその制御システムの中継装置と接続するように設計され、接続エレメント23、24はそれぞれ、別々の制御バルブの接続ポイントで1度以上接続されても良い。
【0028】
この態様のテスト装置1と図2から図4に示されるテスト装置との他の注目すべき違いは、第2の態様はケーシング10の前面11を通して形成されるポート又はソケット12の集まりを有することである。これらのポート又はソケット12は接続エレメント21から24のいずれか1つを通じて信号及び/又は回路の属性を判断するために、電圧の、電流の、又は抵抗の計測器などのような測定装置の接続プローブを受取るように設計される。また、これらのポート又はソケット12は、それぞれの接続エレメントに関連して図6の回路図に概略的に示され、BU1からBU14でラベル付けされる。これらのポート又はソケット12を用いて信号又は回路をテストする能力は、この装置を用いて不正な、又は予期しない信号の読み取りの原因を確かめるためのトラブルシューティング時に特に有利である。
【0029】
本発明の好ましい態様の上記論述は、例示の目的のみを意図するものである。従って、添付の請求の範囲に定義されるような本発明の範囲からはずれることなく図に示される部分の特定の構造、配置において代替が成され得ることが認識される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御バルブを有する航空機の燃料供給システムにおけるバルブ制御システムをテストする方法であって、前記制御システムは前記複数の制御バルブのそれぞれに制御信号を出力する中継手段を有し、前記複数の制御バルブのそれぞれは2つ以上の作動モータによって独立して運転されるのに適合し、前記中継手段は前記複数の制御バルブのそれぞれの作動モータに制御信号を出力するのに適合し、前記方法は、
テスト装置と前記制御システム中継手段とを電気的に接続する接続手段を設ける工程と、
前記テスト装置が前記制御システムによる前記複数の制御バルブのいずれか1つ以上への制御信号出力を受取るのに適合するようにテスト装置と前記中継手段とを接続する工程と、
前記中継手段から前記複数の制御バルブの1つへの制御信号出力を検出する工程と、
検出された制御信号が前記中継手段によって出力される前記複数の制御バルブの特定の1つを識別し、及び/又は、その特定の制御バルブへの制御信号出力の種類を識別する工程とを有し、
前記接続手段は、前記特定の制御バルブの前記特定のバルブ作動モータに対する特定の制御信号を受取るために前記テスト装置の個々の回路に電気的に接続し、また、前記方法はさらに、
検出された制御信号が前記中継手段によって出力される前記特定の制御バルブの前記作動モータの特定の一つを識別する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記検出された制御信号の種類を識別する工程は、前記制御信号が前記特定の制御バルブを開くのに適合するのか、又は閉じるのに適合するのかのどちらであるかを識別することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
検出された制御信号が向けられる前記特定のバルブ及び/又は前記特定の作動モータを識別する工程、及び前記検出された制御信号の種類を識別する工程は、視覚による観察のためにそれに対応する情報を表示することを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記中継手段による電気制御信号出力の属性、又は前記中継手段と前記複数の制御バルブの1つ以上との間の信号回路の属性を測定する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
複数の制御バルブを有する航空機の燃料供給システム(100)におけるバルブ制御システムをテストする装置(1)であって、前記制御システムは前記複数の制御バルブのそれぞれに制御信号を出力する中継手段を有し、前記複数の制御バルブのそれぞれは2つ以上の作動モータによって独立して運転されるのに適合し、前記中継手段は前記複数の制御バルブのそれぞれの作動モータに制御信号を出力するのに適合し、前記装置は、
前記装置が前記制御システムによる前記複数の制御バルブのいずれか1つ以上への制御信号出力を受取るのに適合するように前記制御システムの前記中継手段と接続する接続手段(20)と、
前記制御システムによる前記複数の制御バルブの1つへの制御信号出力を検出する検出手段(30)と、
検出された制御信号が出力される前記複数のバルブの特定の1つを識別し、及び/又は、その特定の制御バルブへの制御信号出力の種類を識別する表示手段(11)とを有し、
前記接続手段は、前記特定の制御バルブの前記特定のバルブ作動モータに対する特定の制御信号を受取るために前記装置の個々の回路に電気的に接続することに適合し、
前記表示手段は、さらに検出された制御信号が前記中継手段によって出力される前記制御バルブの前記作動モータの特定の一つを識別するのに適合したものであることを特徴とする装置。
【請求項6】
前記表示手段によって識別された前記制御信号の種類は、前記検出された制御信号が前記特定の制御バルブを開くのに適合するのか、又は閉じるのに適合するのかのどちらかであることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記表示手段は、検出された制御信号が出力される前記特定のバルブ及び/又は前記特定の作動モータを識別し、及び前記検出された制御信号の種類を識別するビジュアルディスプレイを有するものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ビジュアルディスプレイは複数の発光ダイオードを有し、それぞれの発光ダイオードが、発光したときに、前記バルブ制御システムの前記中継手段による特定の制御信号出力の運転特性を明確に識別できるように、それぞれの発光ダイオードが前記制御バルブの1つ、前記制御バルブ作動モータの1つ、及び/又は、開閉制御信号種類を表示するものであることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
さらに、前記中継手段による電気制御信号出力の属性、又は信号回路の属性を測定する手段を有するものであることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記測定する手段は、メーター又は測定装置を特定の制御信号又は制御信号回路に接続するためのポート又はソケット(12)を有するものであることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、前記検出手段(30)を収容し、前記表示手段(11)を与える携帯用、好ましくは手で握れるケーシング(10)を有し、前記接続手段(20)は前記制御システムの前記中継手段に接続するための1つ以上の接続エレメント(21−24)を有し、該接続エレメント(21−24)はケーブル(25)を経由して前記ケーシング(10)内に収容される前記検出手段(30)と電気的に連結するものであることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記接続手段(20)は前記制御システムの前記中継手段に接続するための2つの接続エレメント(21、22)を有するものであることを特徴とする請求項11に記載の装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−505002(P2011−505002A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535234(P2010−535234)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010383
【国際公開番号】WO2009/068069
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(509203120)エアバス オペラツィオンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (67)
【Fターム(参考)】