説明

バルブ装置、バルブ挿入体、外部機能手段、処理機器、および、方法

本発明は、弾性バルブ挿入体(1)と該バルブ挿入体(1)のための受容手段(3)とを備えるバルブ装置(100)に関する。また、本発明は、バルブ挿入体(1)、外部機能手段、および、処理機器、ならびに、製造方法、および、本発明のバルブ装置(100)を使用できる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係るバルブ装置に関する。また、本発明は、請求項18に係るバルブ挿入体、請求項19に係る外部機能手段、および、請求項21に係る流体の通過を制御するあるいは調整するための方法に関する。更に、本発明は、請求項27に係るバルブ装置を製造する方法、請求項28に係る外部機能手段を製造する方法、請求項29に係る殺菌利用のための外部機能手段を形成するための方法、請求項31に係る殺菌利用のための外部機能手段、および、請求項32に係る処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
コストおよび衛生のため、例えば医療技術処理機器、臨床技術機器、または、食品あるいは薬物製造のための機器などの技術機器では、例えば使い捨てカセットなどの使い捨て部品システムとして外部機能手段が頻繁に使用される。
【0003】
かかる使い捨て部品システムは、液体および気体を意図的に導くための通路およびチャンバ、ならびに、これらの流体の通過を変化させるあるいは制御するためのバルブ装置などの機器を備える場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、そのような使い捨て部品システムまたは他の機器のための他の装置を提供することである。また、対応するバルブ挿入体、外部機能手段、および、対応する方法を提案することも意図している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有するバルブ装置によって達成される。
【0006】
本発明のバルブ装置は、少なくともその一部が弾性を有する少なくとも1つのバルブ挿入体と、バルブ挿入体のための少なくとも1つの受容手段とを備える。
【0007】
本発明のバルブ装置のバルブ挿入体は、経路の刻印時および/またはバルブ挿入体またはバルブ装置の何らかの他の部分に対する力の付与時に少なくとも3つの異なるバルブ状態間で切り換えできあるいは変換できるように設けられて構成される。バルブ挿入体の「切り換え能力」は、最も広い意味で、以下では、バルブ挿入体を用いて少なくとも3つのバルブ状態を得ることができる能力であると理解されるべきである。
【0008】
本発明によれば、「経路の刻印(impression of path)」は、構造または構成部品の可変寸法の変化であると理解されたい。したがって、螺旋スプリングの場合、経路の刻印は、その伸長または圧縮を示してもよい。経路の刻印は、本発明のバルブ装置のバルブ挿入体に適用されると、その圧縮、拡張、変形などを示す。
【0009】
ここで使用される表現「バルブ挿入体」は、その弾力性に起因して変形可能な本発明のバルブ装置のベース本体を示す。バルブ挿入体は、その使用中、流体の流れが全体的にあるいは部分的にフラッシングされるが、しかしながら、流体がバルブ装置に存在するときに少なくとも流体と接触する。
【0010】
ここで使用されるバルブ挿入体のための「受容手段」は、バルブ挿入体を受けるように構成されおよび/または受けることを意図している受容手段を示す。
【0011】
「受容」は、取り囲むこと、支持すること、受容手段とバルブ挿入体との間に機能的な関係を確立することなどを伴ってもよい。
【0012】
好ましい実施形態がそれぞれの添付の特許請求の範囲の主題である。また、以下で与えられる特徴の一部は、本発明のバルブ装置またはそのバルブ挿入体の特徴であってもよい。他の特徴とは無関係に、これらの特徴が任意の実施形態で実現されてもよい。
【0013】
受容手段は、バルブ挿入体を受けるのに適した開口を含んでもよい。
【0014】
バルブ挿入体は、特に、その弾力性に応じた少なくとも3つの異なるバルブ状態間でその切り換え能力を有してもよい。
【0015】
本発明によれば、バルブ挿入体は、その弾性変形または弾性解放または弾性変形能のみによって、様々なバルブ状態へ切り換えるようにあるいはこれらのバルブ状態を可能にするように構成されてもよい。
【0016】
例えばバルブ部の一部でない受容手段などのバルブ装置の一部に対するバルブ部またはその一部の位置の変更は、バルブ状態間の切り換えのために必要不可欠でなくてもよい。力に起因して、バルブ挿入体が弾性−すなわち、可逆的−変形を受けてもよい。例えば、バルブ挿入体が湾曲し、折れ曲がり、屈曲などしてもよい。したがって、経路の刻印および/またはバルブ挿入体に加えられる力の付与に応じて、バルブ挿入体が異なるバルブ状態をとってもよい。弾性変形によってもたらされるリセット力は、落下に対する保護、自動解放、シール、および/または、応答圧力などの機能をもたらしてもよい。
【0017】
バルブ挿入体が対称であってもよい。バルブ挿入体が回転対称形状を有してもよい。
【0018】
受容手段は、バルブ挿入体をほぼ正確に嵌合して受けるようにおよび/または取り付け下でそれを付勢状態または応力状態に保つように構成されておりおよび/またはそのように設けられてもよい。
【0019】
受容手段は、バルブ挿入体の組付け中および/または押圧中に公差を許容するように構成されておりおよび/またはそのように設けられてもよい。
【0020】
受容手段は、例えばデュロプラスチックまたは熱硬化性プラスチック、金属など、および、それらの組み合わせなどの1または複数の非弾性材料から形成されてもよい。
【0021】
受容手段の剛性は、好ましくは、バルブ挿入体の剛性よりかなり高くてもよい。バルブ挿入体の曲げ強度および/または圧縮性は例えば60N/mm〜300N/mmとなることができ、また、受容手段の曲げ強度および/または圧縮性は例えば800N/mm〜2400N/mmとなることができる。
【0022】
受容手段は、例えば使い捨てカセットなどの例えば外部機能手段の例えば硬質部分などのハウジング要素内に配置されてもよい。受容手段は、例えば外部機能手段の製造時に、例えば外部機能手段のハウジング要素の内部に形成されてもよい。
【0023】
「外部機能手段」は流体処理カセットまたはチューブ取り付け要素であってもよい。本発明の意味の範囲内の流体処理カセット、血液処理カセット、または、使い捨てカセットは、例えば、それぞれが本発明の出願人によって2009年4月23日および2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Externe Funktionseinrichtung,Blutbehandlungsvorrichtung zum Aufnehmen einer erfindungsgemaBen externen Funktionseinrichtung,sowie Verfahren」[External functional means,blood treatment apparatus for receiving an external functional means in accordance with the invention,and method]を有する出願10 2009 018 664.6(代理人のファイルFM19A27)および(09/33−d01 DE;11FM19A27)に開示されており、そのそれぞれの開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。ここに開示される血液カセットの好ましい実施形態は、この出願の図8、9、10に描かれる。
【0024】
ここで使用される表現「ハウジング要素」は、外部機能手段の一部、処理機器の一部、および/または、外部機能手段および処理機器の両方の一部であってもよい構成要素を示す。
【0025】
ハウジング要素は、硬質の、すなわち、実質的に非弾性の材料から形成されてもよい。
【0026】
外部機能手段のハウジング要素は様々な機能を果たしてもよい。これに限定されることなく、ハウジング要素は、流路、例えば血液または代替液または殺菌流体(液体および/または気体)または濯ぎ液などのバルブ装置を通過する流体のための流入通路と流出通路との間の分離としてのバルブ挿入体のシールシートを構成してもよい。
【0027】
ハウジング要素は、バルブ挿入体のためのマウントとしての役目を果たしてもよく、バルブ挿入体の正確な軸線方向変位または押圧などを確保してもよい。不定冠詞「1つの(a,an)」は、ここではおよび出願全体においては、限定または数値であると理解されるべきではない。
【0028】
ハウジング要素は流入通路および流出通路などの通路を含んでもよく、これらの通路を通じて流体がバルブ装置内に導入されあるいはバルブ装置から排出される。そのような通路は半開通路または閉塞通路として構成されてもよい。これらの通路は、例えば、1つの部分の半開通路としておよび他の部分の閉塞通路として構成されてもよい。
【0029】
閉塞通路は、特に、例えばルアーコネクタまたは管状スリーブなどの直接に結合されたコネクタ要素への移行部として適する場合がある。
【0030】
半開通路は、特に、例えば使い捨てカセットなどの外部機能手段において好ましい場合がある。外部機能手段における半開通路の使用は、例えば測定および/または通気チャンバに通じる案内手段または分岐を形成することにより、「流体レイアウト」における設計の高い自由度を可能にする場合がある。
【0031】
ハウジング要素に設けられる通路、例えばバルブ装置内に入る流入通路および/またはバルブ装置から出る流出通路は、互いに対して任意の角度で実現されてもよい。これは、正確にあるいは約180°の角度であってもよく、あるいは、90°未満の角度であってもよい。好ましくは、角度は45°〜315°の範囲内の値をとってもよい。
【0032】
通路と、(随意的に存在する)バルブ挿入体の対称軸線との同軸配置が実現されてもよい。そのような配置が好ましい場合がある。これは、バルブ挿入体が例えば外部機能手段内に配置されずあるいは挿入されず、所謂インライン機能要素としてのチューブ導管内に配置されあるいは挿入される場合に特に好ましい。
【0033】
例えば、両方の流路がバルブ挿入体と同軸に位置合わせされるように構成されている場合には、ハウジング要素のシート領域に、バルブ挿入体の周囲でバルブ装置を通過する流体の軸線方向フラッシングを許容する遮断部が形成されてもよい。
【0034】
そのような場合、バルブ挿入体の曲げリング領域に開口が設けられるのが好ましい。この場合、例えば小さい直径を伴う特に小さい取り付け空間にハウジング部材が構成されてもよい。全体的に、バルブ装置は、流動学的に効率の良い態様で設計されてもよい。
【0035】
経路の段付き刻印および/または力の付与により、例えばバルブ挿入体の上側の作用体により、バルブ挿入体が様々な所定の変形状態をとってもよい。バルブ挿入体に加えられる力および/または経路の刻印に応じて、特定のバルブ機能またはバルブ状態またはバルブ位置が実現されてもよい。これらのバルブ状態の一部または全てにおいては、バルブ挿入体が弾性張力に晒されてもよい。
【0036】
バルブ状態は、開放されたバルブ状態または開放バルブ状態であってもよい。
【0037】
バルブ挿入体またはバルブ装置は、外力がバルブ挿入体に加えられないときには常に開放されたバルブ状態または開放バルブ状態にある。それにより、バルブ挿入体が受容手段内に挿入されてもよい。この状態で、バルブ挿入体は、構成要素間にもたらされる任意の付勢または予荷重および/またはねじれをなくすことができる。
【0038】
流体の通過はこの状態で最大となり得る。バルブ挿入体を通過する流体のための通路開口はこの状態で最大まで開放され得る。
【0039】
1つのバルブ状態が殺菌状態であってもよい。
【0040】
バルブ装置の殺菌のため、あるいは、本発明のバルブ装置を備える外部機能手段の殺菌のため、バルブ挿入体が殺菌状態で存在するのが好ましい。
【0041】
殺菌状態において、バルブ挿入体は、開放されたバルブ状態における場合と同じ形態または形状を有するあるいはとることが好ましい場合がある。
【0042】
殺菌状態において、バルブ挿入体は、例えば受容手段などの他の構成要素による外力および/または付勢または予荷重および/またはねじれがなくてもよく、および/または、経路の任意の刻印がなくてもよい。
【0043】
殺菌状態では、バルブ装置を通じた流体の双方向通過が可能であってもよい。
【0044】
殺菌状態において、殺菌剤は、建設技術に関して使用し得るバルブ装置の容積の全体および容積の一部分、開口、アンダーカットなどに達することが好ましい場合がある。
【0045】
他のバルブ状態が逆止弁状態であってもよい。
【0046】
逆止弁は、例えば付勢ばねと組み合わせた球状または円筒のシール本体として従来技術から知られる。逆止弁は、圧力解放弁として同様に作用してもよい。
【0047】
本発明のバルブ挿入体またはバルブ装置の「逆止弁状態」は、1または複数の流路内の流体の流れ方向を決定するのに役立ってもよい。
【0048】
逆止弁状態では、流体の通過が1つの流れ方向で遮断されてもよい。
【0049】
他のバルブ状態が制御バルブ状態または調整バルブ状態であってもよい。
【0050】
制御バルブ状態または調整バルブ状態では、変化できることが好ましい力がバルブ装置のバルブ挿入体に加えられ、それにより、バルブ装置を通過する流体の流量が制御されあるいは調整されてもよい。
【0051】
この目的のため、バルブ装置は、例えば、力および/または動きを伝達する作用体によって能動的に駆動されてもよい。
【0052】
適した作用体は、例えば、処理機器に結合されてもよく、また、特に処理機器によって動作されあるいは制御され/調整されてもよい。
【0053】
バルブ挿入体に加えられるべき絶対的な力および/または例えば特定のあるいは所定の流量を調整するべく制御するあるいは調整するために加えられる経路の刻印は、バルブ装置を通過する流体の所望のあるいは所要の流量に応じて設定されてもよい。
【0054】
上記力および/または経路の刻印は、例えば、制御手段、CPU、または、同様のもので予めプログラムされてもよい。
【0055】
力および/または経路の刻印(変位)は、例えばバルブ挿入体の上側で作用体により加えられてもよい。
【0056】
他の想定し得るバルブ状態は閉じられたバルブ状態である。
【0057】
閉じられたバルブ状態において、バルブ装置を通過する流体の流量は、通過が起こらないようにあるいは実質的に起こらないように減少されてもよい。
【0058】
バルブ挿入体は、流体の通過のために設けられる開口が実質的にアクセスできないあるいは閉じられるように配置されてもよい。開口が完全にアクセスできなくてもよくあるいは閉じられてもよい。
【0059】
バルブ状態が永久的に閉じられるバルブ状態であってもよい。
【0060】
バルブ挿入体は、その全体があるいは少なくとも一部が回転対称形態を有してもよい。
【0061】
更なる好ましい実施形態では、バルブ挿入体が少なくともその一部にエラストマー材料を備える。バルブ挿入体は、全体としてあるいはその少なくとも一部が弾性を有するように構成されてもよい。
【0062】
適したエラストマー材料としては、ゴム、シリコーン、TPE(熱可塑性エラストマー)、TPE−U(時としてTPUとして略される;ポリウレタンに基づく熱可塑性エラストマー)、プラスチック、PVC(これらに限定されることはない)などが挙げられる。
【0063】
液晶エラストマーおよび/または熱可塑性エラストマーは、適したエラストマー材料のランクに入る場合もある。
【0064】
熱可塑性エラストマーは、好ましくは、1つ以上のエラストマーと1つ以上の熱可塑性材料との混合物であってもよい。
【0065】
かかる熱可塑性材料は、例えば、外部機能手段の硬質ハウジング要素の製造に適し得る。
【0066】
熱可塑性エラストマーは、射出成形ハウジング要素に対して接着されおよび/または溶着されてもよくおよび/または何らかの他の態様で摩擦的におよび/または形状閉塞によりおよび/または材料接続により接続されてもよい。
【0067】
バルブ挿入体は、その特定の弾力性または変形能を確保できる、その他の部分と比べて薄くあるいは柔軟な材料の部分という意味での刻印を有してもよい。そのような刻印は、ローラ、ロール、ダイなどを用いた圧力によって構成されてもよいが、鋳造または押出加工工程中に構成されてもよい。
【0068】
バルブ挿入体は、伸長後に初期位置へ弾性的に解放されてもよい所定の折り曲げパターンまたは折り目部あるいは折り曲げ部を有してもよい。
【0069】
バルブ挿入体は、単一部品バルブ挿入体として構成されてもよいが、多部品バルブ挿入体として構成されてもよい。
【0070】
更なる好ましい実施形態において、バルブ挿入体は、受容手段の第2のシール手段の少なくとも一部との摩擦接続によりおよび/または形状閉塞により少なくともその一部が押圧されるように構成されるべく設けられて構成される少なくとも1つの第1のシール手段を含んでもよい。
【0071】
「第1のシール手段」が弾性シールリングであってもよい。第1のシール手段は、特に閉じられた外周シールリップであってもよい。シールリップは、例えば平面形状、円錐形状、および/または、僅かに波打つ形状を有してもよい。
【0072】
バルブ挿入体の変形状態に応じて、第1のシール手段が、受容手段の所定のシール面、例えば第2のシール手段に、または、バルブ挿入体に載置されてもよい。
【0073】
第1のシール手段はディスク形状を有してもよくあるいはディスク状に形成されてもよい。第1のシール手段は、例えばディスク形状の第1のシール手段の中心領域で軸線方向中心を介して付勢されてもよい。中心領域が内側領域であってもよい。中心領域は、材料または「コア」の蓄積の領域であることが好ましい。
【0074】
「第2のシール手段」は硬質シールリングであってもよい。
【0075】
第2のシール手段は、バルブ挿入体または受容手段に設けられてもよく、更には何らかの他の手段に設けられてもよい。
【0076】
第2のシール手段は、僅かに波打つ形状を有してもよいが、平面形状を有してもよい。
【0077】
バルブ挿入体の第1のシール手段の軸線方向付勢または予荷重に起因して、第2のシール手段の形状に対する第1のシール手段の適合が行なわれてもよい。
【0078】
好ましくは、そのような適合がシール効果をもたらしてもよい。
【0079】
逆止弁状態では、このシール効果が流体圧によって更に高められてもよい。第1のシール手段は、第2のシール手段に対してより強く押し付けられてもよい。同様に、場合により理想的な平面形状から逸脱する第2および/または第1のシール手段の形状は、弾性ディスクに作用する表面荷重により、第1のシール手段の弾性ディスクの形状に適合されてもよい。
【0080】
第1のシール手段および第2のシール手段は、幾何公差の所要の補償を確保してもよい。
【0081】
そのような公差の補償は、付勢および/または流体圧の影響下で角度のあるおよび/またはボウル型の屈曲を行なうことができる第1のシール手段の能力によって行なわれてもよい。
【0082】
幾何公差の補償は、付勢の生成における軸線方向公差の場合に、または、受容手段のシートトポロジーの対称軸線とバルブ挿入体の対称軸線との間の角度公差あるいはずれの場合に行なわれてもよい。
【0083】
場合により2つの軸線間に存在する横方向公差は、直径が第2のシール手段と重なり合う第1のシール手段によって補償されてもよい。このようにして、重なり合い領域内のシール効果が確保されてもよい。
【0084】
公差を補償するための構成の他の機能は、2つのシール手段のシール上側にある小さな凹凸、切り欠き、および/または、でこぼこを押しのけることにあってもよい。この場合、有効接触領域と組み合わせた付勢が、第1のシール手段の局部変形をもたらすように高く選択されてもよく、したがって、凹凸、切り欠き、でこぼこなどの欠陥部が弾性材料で満たされ、それにより、緊密な閉塞がもたらされる。
【0085】
構造に応じて、使用中、環状の接触域または押圧域で第1のシール手段と第2のシール手段との間に十分な表面圧が形成されてもよい。
【0086】
添付図面に示されるように、最も簡単なケースでは、平面形状または略平面形状の第1のシール手段が、第2のシール手段のテーパ形状と組み合わせてシール域に設けられてもよい。
【0087】
逆に、平滑化に適したそのような幾何学的適合の尖形要素は、付勢下においてこの場合には平坦または僅かに湾曲されあるいは円錐形の硬質の第2のシール手段上に載置してもよい第1のシール手段の尖形環状シールバーであってもよい。
【0088】
尖形構造および平坦構造の相互関係は、好ましくは、平滑化のために必要とされる高い表面圧をもたらしてもよく、したがって、前述した公差の全ての種類の補償を確保してもよい。
【0089】
シール機能および公差補償機能は、平坦形態のシール手段の場合にだけ実現されなくてもよい。これらの機能は、シール手段が意図的におよび/または軸線方向付勢によってボウル型形状または円錐形状に変形される場合に同様に達成されてもよい。
【0090】
したがって、関連するシール手段のうちの少なくとも1つが尖形外周バーの形状に構成されてもよい。このようにして、押圧状態またはシール状態で異なる円錐および/またはボウル型形状に対する公差または許容範囲(immunity)がもたらされてもよい。これは、軸線方向のみのシール形態と比べて半軸線方向シール形態と称されてもよい。
【0091】
横方向公差の補償の利点は、ここでは、径方向のみのシール形態と比べて完全に保たれてもよい。
【0092】
更なる好ましい実施形態において、第1のシール手段は、バルブ挿入体への力および/または経路の刻印の伝達により第2のシール手段によって押圧できるように構成されており、あるいは、使用中に押圧される。
【0093】
ここで使用される表現「押圧」は、バルブ挿入体の第1のシール手段と受容手段の第2のシール手段との摩擦および/または形状閉塞物理接続を示す。
【0094】
伝達される力は、外側から供給されあるいは加えられる力であってもよい。経路の刻印は、外側から供給されあるいは加えられる変位または経路の変更であってもよい。
【0095】
更なる好ましい実施形態において、バルブ挿入体に作用する力は、処理機器へのバルブ装置の取り付けによって導入可能な押圧力である。
【0096】
更なる好ましい実施形態において、バルブ挿入体に対する経路の刻印は、処理機器へのバルブ装置の取り付けによって導入可能な変位である。
【0097】
バルブ装置が外部機能手段に設けられてもよい。押圧力および/または経路押圧刻印は、例えば、処理機器により外部機能手段を押圧することによって導入されてもよい。処理機器により外部機能手段を押圧するのに適した実施形態および方法は、例えば、いずれも本出願人によって2009年3月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Vorrichtung zum verbinden einer externen Funktionseinrichtung mit einer Anordnung,Anordnung aufweisend eine solche vorrichtung und verfahren zum verbinden」[Device for connecting an external functional means to an arrangement,arrangement including a like apparatus,and connecting method]を有する出願10 2009 012 633.3(代理人のファイルFM19A24)および表題「Abdichtungseinrichtung zum Abdichten eines Volumens einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen ein weiteres Volumen sowie Anordnung und Verfahren」[Sealing means for sealing a volume of a medical treatment arrangement against another volume,as well as arrangement and method]を有する出願10 2009 012 632.5(代理人のファイルFM19A25)に記載されている。これらのそれぞれの開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0098】
更なる好ましい実施形態では、適した手段を使用することにより、押圧力および/または押圧経路を処理機器の伝達部材によって伝達できる。
【0099】
同様の「伝達部材」は、流体システムの押圧および/または(固定)シールの機能、および/または、力および作動動作を導入する機能を及ぼしてもよい。
【0100】
伝達部材が例えばゴムマットであってもよい。伝達部材は、処理機器を外部機能手段に結合するための直接的な結合相手であってもよい。
【0101】
伝達部材は、制御流体を加えることによりあるいはタペットを結合することによりボウル型変形に晒されて撓まされてもよい。
【0102】
伝達部材の変形または撓みは、バルブ挿入体のフロントリング領域に伝えられてもよい。
【0103】
伝達部材は、動作伝達手段、例えば軸線方向動作伝達手段を含んでもよい。軸線方向動作伝達手段は、例えば、伝達部材に加えられる力および/または変位をバルブ挿入体の上側に伝えるためにバルブ挿入体の上側の中心に配置されてもよい。
【0104】
伝達部材は、受容手段および/または外部機能手段と処理機器との間でシールおよび/または公差補償機能を達成することができるようにエラストマー材料の結合面を備えてもよい。押圧力に対する反作用力が、受容手段の端面を支持する処理機器の相手部分によって受けられてもよい。
【0105】
処理機器の伝達部材の機能を達成するためにバルブ挿入体の端面領域を設けることができてもよい。例えば、そのような端面領域がタペット(可動または固定)と直接に接触してもよい。端面領域は、所望の力および作動経路をバルブ挿入体の流体機能領域へ伝えてもよい。
【0106】
例えば本出願人の前述した出願には適した機構が開示されており、これらの出願のそれぞれの開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0107】
更なる好ましい実施形態において、バルブ挿入体は、バルブ挿入体を受容手段内へ導入するための少なくとも1つの案内手段を備える。
【0108】
そのような「案内手段」は、ガイドリブ、ガイドレール、牽引および/または押圧機構などであってもよい。
【0109】
更なる好ましい実施形態では、バルブ挿入体が少なくとも1つの曲げリング領域を含んでもよい。曲げリング領域が弾性を有してもよい。
【0110】
案内手段と同様に、曲げリング領域は、2つの対称軸線間で幾何学的な心出しを行ないつつ受容手段に対するバルブ挿入体の軸線方向移動性を確保してもよい。
【0111】
しかしながら、それは、−第1のシール手段の変形と同様−この目的のために必要とされる軸線方向力および/または変位に起因する弾性変形の問題となり得るため、処理機器によって外部から導入される力および経路の適用が省かれる場合に自動的にとられてもよいバルブ装置のための優先的な位置が生じ得る。
【0112】
この優先的な位置は、バルブ装置の主要な機能にとって極めて重要となり得る。
【0113】
曲げリング領域は、公差を滑らかにするあるいは補償する機能を及ぼしてもよい。受容手段の更に深い軸線方向深さにバルブ要素を系統的に取り付けることができてもよい。このようにすると、バルブ挿入体が単独で優先的位置に戻ることができるため、取り付け深さの公差を埋め合わせることができ有益である。
【0114】
曲げリング領域がフロントリング領域を有してもよい。バルブ挿入体のフロントリング領域は、外側フロントリング領域、内側フロントリング領域、前端ストッパ、および、変形空間、例えば環状変形空間を有してもよい。
【0115】
外側フロントリング領域は、受容手段内でのバルブ挿入体の正確な目標位置を与えてもよい。
【0116】
十分な直径公差および十分な横方向取り付け公差を確保するため、外側フロントリング領域は、好ましくは、外周で円錐形になるように構成されてもよい。外側フロントリング領域は十分な径方向圧縮性を有してもよい。
【0117】
このようにすると、危機的でない取り付け状況を得ることができるとともに、最終装着位置に遊びがない非常に正確な径方向および軸線方向心出しを得ることができ有益である。
【0118】
前端ストッパと組み合わせて、内側フロントリング領域は、処理機器と外部機能手段との間の公差を補償する(重要な)機能を果たしてもよい。前端ストッパと第1のシール手段との間の一連の材料の比較的低い弾性は、内側フロントリング領域の比較的高い軸線方向弾性と組み合わせて、内側フロントリング領域が軸線方向取り付け公差を変形によって吸収できる一方で、前端ストッパが受容手段のシートブシュの下端面で捕捉されるように、処理機器と外部機能手段との間の軸線方向付勢が確実に選択され得るようにする。このようにして、受容手段のシールシート領域に対するバルブ挿入体の主要機能に関与する領域の正確な相対位置が確保されてもよい。
【0119】
外側および内側フロントリング領域間の軸線方向材料距離または材料部分は、異なる取り付け寸法公差および処理機器と外部機能手段との間の押圧力を吸収するのに十分な弾性を有してもよい。これは、適したバルブ挿入体の主要機能に関与する状態に影響を及ぼすことなく有利に実現されてもよい。
【0120】
随意的に、バルブ挿入体の外側曲げリング領域は、バルブ挿入体の適した曲げリング領域と共に、受容手段の固定シールシートの適切な形態(直径の選択、および、場合により固定外周シールバーを更に設ける)で、径方向および/または軸線方向シール機能を果たしてもよい。これは、例えばフィルム要素などの他のカバー手段がバルブ装置と処理機器との間に設けられていない場合に特に有益である。
【0121】
第1のシール手段、例えば外周シールリップとバルブ挿入体のシャフトとの間に環状変形空間、例えば環状隙間が存在してもよい。
【0122】
流体は、第1のシール手段が任意のシール面上に載置していないときに環状変形空間を通じて流れてもよい。
【0123】
環状変形空間は、バルブ挿入体のための軸方向取り付け空間を減少させることを有利に許容してもよい。また、環状変形空間は、流体のための更なる通過領域を備えてもよく、また、流路からシールシートの全リング領域へ至る流体の分配を低い圧力損失で可能にしてもよい。これにより、バルブ装置の想定し得る開放断面の全体が利用されてもよい。
【0124】
バルブ挿入体は、バルブシート、例えば固定バルブシートと、シート領域、好ましくは弾性シート領域とを更に備えてもよい。
【0125】
バルブ挿入体は、凹部の形態を成す外部機能手段の射出成形された硬質部の一体部分であってもよい円筒状または略円筒状の内部空間内に配置されてもよい。
【0126】
バルブ挿入体は、例えば、下側シートブシュと上側シートブシュとを備える受容手段の円筒状または略円筒状のシート構造に保持されてもよい。そのような幾何学的な一群は、特に、流路の接続のための様々な選択肢を与えてもよい。
【0127】
例えば複数のガイドリブの形態を成す案内手段は、受容手段の下側シート部および/または星形構造および/または球状構造の直径に対して僅かに大きい寸法を有してもよい。
【0128】
星形構造は、バルブ挿入体の正確な中央心出しを確保してもよい。星形構造は、バルブ挿入体の任意の回転取り付け位置でシールシート領域への流体の自由なアクセスを更に確保してもよい。
【0129】
したがって、バルブ装置は、回転位置決めの任意の要件に制約されることなく、受容手段内に軸線方向で取り付けられてもよい。
【0130】
ガイドリブの薄い壁厚に起因して、バルブ挿入体は、径方向圧縮に対して比較的弾力性を有してもよい。このようにして、下側シートブシュに対する高い直径公差が実現されてもよい。
【0131】
外部機能手段の製造プロセス中にバルブ挿入体がそのシート領域から抜け落ちることができないように有利に確保し得る(好ましくは均一な)低いクランプ力または押圧力を得ることができる。
【0132】
一方、クランプ力は、バルブ装置のその後の使用中に、軸線方向力の任意の操作または歪みあるいは所望の変位動作に対する任意の障害が生じないように低くてもよい。
【0133】
有利には、クランプ力はバルブ装置または外部機能手段のその利用までの殺菌処理中および保管期間中にかなりの度合いまで減少されてもよい。
【0134】
ガイドリブの球状構造が少なくとも2つの更なる機能を与えてもよい。組付け中に、球状のテーパ輪郭が十分な導入傾斜を形成してもよく、それにより、大きな横方向公差が存在する場合であっても手作業によっておよび/または機械による取り付け動作によって、取り付けが安全な態様で有利に行なわれてもよい。一方、球面形状は、受容手段の対称軸線とバルブ挿入体の対称軸線との間で普遍的な角度のある移動性を確保してもよい。
【0135】
したがって、バルブ装置のシール能力または開放能力に影響を及ぼし得る、受容手段およびバルブ挿入体の構造の所定の公差に基づく弾性シールリング領域の任意の材料応力および/または任意の望ましくない形状変化を回避することができ有益である。
【0136】
更なる好ましい実施形態において、バルブ装置には、少なくとも一方の上側にカバー手段が設けられる。
【0137】
カバー手段は、受容手段のハウジング要素の上側に対して接着され、溶着され、半田付けされ、リベット結合されるなどしてもよい。
【0138】
カバー手段がフィルム要素であってもよい。カバー手段が弾性フィルムであってもよい。
【0139】
フィルムは、費用効率が高く、機械的に弾性を有する。フィルムは、バルブ位置決め動作を行なうために処理機器による1つ以上の相互作用位置を有する流体システム内での低コストなバルブ配置を実現できる。
【0140】
フィルムの代わりに、挿入され、二成分技術で注入され、あるいは、所要の動きを開始するための何らかの他の態様で取り付けられるエラストマーバルブ切り換えマットを使用することができる。同様に、硬質部、フィルム、および/または、エラストマー体の組み合わせが本発明によって包含される。
【0141】
カバー手段は、流路を構成してもよく、バルブ挿入体を軸線方向寸法または方向に維持してもよく、バルブ挿入体に対する軸線方向制御動作の許容性と組み合わせて流体システムを外側に対して流体密に閉じてもよく、また、バルブ挿入体を制御しあるいは調整しかつ受容手段または外部機能手段をシールするために押圧力を伝えてもよい。
【0142】
カバー手段は、受容手段の固定シールバーに押し付けられることにより、受容手段の流路システムを閉塞しあるいはシールしてもよい。それに加えて(あるいは、この目的のため)例えば直線状の窪みの形態を成す固定シールバーが形成されてもよい。
【0143】
フィルム要素は、例えば弾性材料特性および/または適切なベローズ刻印に起因して十分な弾力性を有してもよい。ベローズ刻印に起因して、主に曲げ応力だけが局所的に規定される態様で生じるため、ベローズ刻印は、(例えば渦巻膜または渦巻ベローズとしてのフィルム要素の形態で)平面的にテンションが掛けられる従来技術の膜が曲げ歪みに晒された状態で膜面に頻繁に生じる引張応力を有利に防止でき、あるいは少なくともかなり減少させることができる。
【0144】
カバー手段の弾性特性に起因して、処理機器からバルブ挿入体への動きおよび/または力の機械的な伝達機能は、固定シール機能と同時にあるいは固定シール機能の代わりに確保されてもよい。
【0145】
したがって、更なる好ましい実施形態では、処理機器から伝えられる力または変位によりバルブ挿入体をカバー手段にわたって切り換えることができる。
【0146】
用途に応じて、カバー手段が選択的に省かれてもよい。例えば、バルブ挿入体は、溶着によってあるいは押圧によって受容手段に対してシールされてもよく、それにより、シール機能と処理機器へ動きを伝える機能とを更に与えてもよい。
【0147】
これは、両方の流路が閉塞通路として構成される場合に特に簡単な態様で有利に実現されてもよい。同様に、例えば不純物および/または細菌に関して流体システムの自由度の要求が少ない用途では、処理機器に関連する伝達部材がカバー手段の機能を更に果たすことができる。
【0148】
本発明の目的は、前述の説明に係るバルブ装置で使用されてもよい請求項18に係るバルブ挿入体によって更に達成される。
【0149】
同様のバルブ挿入体は、本発明のバルブ装置のコア要素を形成してもよい。機能形態またはバルブ状態に応じて、その主要機能は、そのバルブ状態の場合のバルブ挿入体全体の軸線方向ストローク動作によって(例えば、殺菌、開放、閉塞)あるいは流体の影響下での屈曲などの変形によって(例えば、逆止弁、制御/調整バルブ)、流路を開放または閉塞することにあってもよい。
【0150】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る少なくとも1つのバルブ装置を備える請求項19に係る外部機能手段が更に提案される。
【0151】
そのような外部機能手段は、例えば、体外血液処理のために使用されてもよい。外部機能手段は、本出願人によってドイツ特許商標局に出願された表題「Externe Funktionseinrichtung,Blutbehandlungsvorrichtung zum Aufnehmen einer erfindungsgemaBen externen Funktionseinrichtung,sowie Verfahren」[External functional means,blood treatment apparatus for receiving an external functional means in accordance with the invention,and method]を有する前述した特許出願に記載されるような使い捨てカセットであってもよい。これらの特許出願のそれぞれの内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0152】
本発明のバルブ装置に関連して説明された利点および以下で言及される利点の全てが低下しない態様でバルブ挿入体および/または外部機能手段へ置き換えられてもよいため、対応する説明を参照して繰り返しを避ける。
【0153】
本発明は、本発明のバルブ装置が有利に利用されてもよい様々な方法を更に提案する。
【0154】
本発明に係る方法は、本発明のバルブ装置の使用を含む、請求項21に係る流路を制御するあるいは調整する方法である。
【0155】
表現「流路」は、流体通路、流体フロー、流体の流れなどであると理解されてもよい。
【0156】
流体の通路の「制御または調整」は、本発明のバルブ装置を通じて流れる流体の速度、圧力、流量、流れ方向(これに限定されることはない)などの制御または調整を含む。
【0157】
好ましい実施形態において、本方法は、バルブ挿入体を切り換えるために所定の力および/または所定の変位をバルブ挿入体の上側に加えることを更に含む。
【0158】
先の説明によれば、意図的なあるいは「所定の」力および/または意図的なあるいは「所定の」変位は、バルブ挿入体の所望のあるいは所要のバルブ状態に応じて加えられてもよい。
【0159】
本発明に係る特に好ましいバルブ装置の作動は経路指向作動である。それにもかかわらず、力指向作動が本発明によって同様に包含されてもよい。
【0160】
更なる好ましい実施形態において、力および/または変位は、伝達部材によりバルブ挿入体の上側に加えられる。
【0161】
更なる好ましい実施形態において、力および/または変位は、カバー手段、例えばフィルム要素にわたってバルブ挿入体に加えられる。
【0162】
更なる好ましい実施形態において、力は、本発明のバルブ装置を取り付けることによりあるいは本発明のバルブ装置を備える外部機能手段を取り付けることにより処理機器に導入される押圧力である。
【0163】
更なる好ましい実施形態において、変位は、本発明のバルブ装置を取り付けることにより、あるいは本発明のバルブ装置を備える外部機能手段を取り付けることにより処理機器に導入される。
【0164】
適した処理機器は、例えば血液処理機器などの医療技術処理機器、例えば透析機器、血液透析機器、血液濾過または血液透析濾過のための機器などであってもよい。処理機器は、分析機器、例えばクロマトグラフィ機器、スケールなどの臨床技術における機器、食品および/または薬物製造における機器などを更に含んでもよい。
【0165】
あるいは、バルブ装置に作用する力は、バルブ装置を通過する流体の流れによりもたらされる力であってもよい。
【0166】
本発明のバルブ装置によって達成され得る利点の全てが低下されることなく本方法によって達成され得るため、その対応する説明を参照して繰り返しを避ける。
【0167】
本発明の目的を達成するため、本発明は、請求項27に係る製造方法による本発明のバルブ装置の製造を提案する。該方法は、バルブ挿入体を受容手段の上側に位置決めし、バルブ挿入体を案内手段によって受容手段内に位置決めすることを含む。
【0168】
バルブ挿入体の位置決めは、機械または機械制御器を使用することにより、例えばロボットを用いて行なわれてもよい。適した制御手段または調整手段が設けられてもよい。
【0169】
受容手段内へのバルブ挿入体の挿入は、挿入中に挿入装置の吸引カップによりバルブ挿入体が受容手段の上側に保持されている間に行なわれてもよい。
【0170】
無論、バルブ挿入体の位置決めおよび/または挿入のために任意の他の適した機器を使用することができ、また、本発明は本明細書中で与えられた実施例に限定されない。
【0171】
また、外部機能手段が請求項28に係る製造方法によって製造されてもよく、該製造方法は、少なくとも1つの熱可塑性材料またはデュロプラスチックまたは熱硬化性材料のハウジング要素を製造し、ハウジング要素に受容手段を形成し、バルブ挿入体を挿入し、ハウジング要素の上側の少なくとも一部にカバー手段を適用することを含む。
【0172】
ハウジング要素の製造は例えば射出成形によって行なわれてもよい。
【0173】
受容手段の形成は、ハウジング要素の製造時に、例えば完全鋳造または射出成形技術によって行なわれてもよい。しかしながら、受容手段の形成は、例えば切削、研削などによる受容手段の機械加工によってハウジング部品を製造した後に行なわれてもよい。
【0174】
本発明は、受容手段をハウジング要素内に受け入れるのに適する凹部であって、別個に製造された受容手段を適切な態様で凹部内に挿入しあるいは嵌合するのに適する凹部を設けあるいは予備成形することを同様に包含する。別個に製造された受容手段は、外部機能手段のハウジング要素または硬質部のそれぞれに対して摩擦的におよび/または形状閉塞によりおよび/または材料接続により、例えば接着、溶着、インターロック、歯の噛み合いなどによって接続されてもよい。
【0175】
バルブ挿入体は、外部機能手段の開放側から受容手段に挿入されてもよい。
【0176】
その後、例えば結合面の形状を有する外部機能手段の結合部がカバー手段、例えばフィルムと溶着されてもよい。
【0177】
バルブ挿入体は、カバー手段を異なる所定の経路段階で押し下げる作用体によりおよび/または作用体の力により、異なる特に所定の深さまでそれが受容手段に押し込まれ得るように、フィルム下で外部機能手段の内側に配置されてもよい。したがって、バルブ挿入体の変形の異なる所定の弾性状態が生じ得る。これらは、バルブ装置を通過する流体の異なる所定の流量をもたらし得る。
【0178】
本発明の他の方法は、請求項29に係る方法による殺菌利用のための外部機能手段の形成に関し、上記方法は、実施例を用いて前述した外部機能手段の製造と、製造方法によって得られる外部機能手段の殺菌とを含む。外部機能手段は本発明のバルブ装置を備え、該バルブ装置のバルブ挿入体は、特にこの目的のために設けられる殺菌状態に置かれる。殺菌状態は、第1のシール手段が第2のシール手段上に載置されない流通位置であってもよい。このようにすると、本発明のバルブ装置を通過する流体の双方向の流れが可能であり有益である。そのような位置は、外部機能手段の殺菌に特に良く適する。
【0179】
外部機能手段の殺菌は、スチーム/蒸気法、エチレンオキシドタイプの蒸気真空法などを用いて行なわれてもよい。本発明が単に一例として与えられるこれらの殺菌方法に限定されないことは言うまでもない。適した殺菌方法は、外部機能手段の使用の目的に応じてかつ外部機能手段の殺菌の要求にしたがってそれぞれの単一のケースで選択されてもよい。
【0180】
殺菌後、本発明の方法の更なる好ましい実施形態では、バルブ装置がロック位置に至らされてもよい。
【0181】
ロック位置は、バルブ装置が不純物の侵入に対して単に保護されるが、外力および/または付勢がバルブ装置のバルブ挿入体に作用していない位置であってもよい。バルブ挿入体は受容手段内にクランプされてもよく、その場合、初期クリアランスの自動調整が妨げられず有益である。
【0182】
外部機能手段がこの位置で保管されてもよい。
【0183】
ロック位置は、製造プロセス時にバルブ挿入体がその挿入中に自動的にとる位置と同じであることが好ましい。この位置は、製造および殺菌、保管、輸送中および/または処理中に、カセットに取り付けられるバルブ挿入体がカセットの回転時に落下するのを有利に防止してもよい。
【0184】
ロック位置は、殺菌位置(蒸気殺菌位置)および/または輸送位置と同じであることが好ましいが、処理機器のカバー部材または押圧ドアが閉じられる位置と同じではない。
【0185】
本発明は、前述した方法により殺菌された殺菌利用のための請求項31に係る外部機能手段も更に提案する。
【0186】
そのような外部機能手段は、例えば、医療技術および/または臨床技術方法においてあるいは食品および/または薬物の製造のために採用されてもよい。その例は、処理機器自体を参照しつつ前述した処理機器を伴った外部機能手段の使用を包含する。
【0187】
外部機能手段は、体外血液処理のために血液伝導通路を有する血液処理カセットであってもよく、この場合、バルブ装置は、代替物および/または1または複数の薬物を血液伝導通路へ導入するための媒介として設けられて適合される。
【0188】
本発明は、本発明の少なくとも1つのバルブ装置および/または外部機能手段を備える請求項32に係る処理機器も更に提案する。そのような処理機器は、例えば、血液処理機器として構成されてもよい。
【0189】
本発明のバルブ装置は本発明に係る任意の更なる実施形態および構造の必須の要素を表わすため、バルブ装置により得られる全ての利点は、その使用および用途の全ての更なる態様および可能性に関して低下することなく生じる。
【0190】
外部機能手段などの流体伝導手段は、一般に、その後の使用中に流体により湿潤されてもよい空間および表面の全てが汚染物質を伴わず無菌でありかつ大気に対して密閉されたままとなるように配されてもよい。これは、通常、ハウジング要素を互いに押し付けることにより、あるいはエラストマーシールにより、あるいはハウジング部品を互いに溶着することにより行なうことができる。フィルムは、ハウジング要素の役目を同様に果たしてもよく、また、押圧または溶着の使用により他のハウジング要素に対して流体密にされてもよい。
【0191】
本発明のバルブ装置の弾性バルブ挿入体は、適切な幾何学的構造を選択することにより1つの要素だけで異なるバルブ機能(例えば、「殺菌」、「開放」、「閉塞」、「調整」、「逆止弁」)を示すことができ有益である。
【0192】
特に、逆止弁機能の位置では、弾性バルブ挿入体は、その幾何学的構造に起因して、例えば付勢状態で組み立てられなければならない既知の逆止弁と比べて組み立てに要する複雑さを低くすることができ有益である。
【0193】
本発明のバルブ装置を使用する結果として、スペースをとらない費用効率の高い態様でバルブ装置のための取り付けスペースおよび駆動手段を実現でき、それにより、新規で安全な簡単および/または経費節約の態様で前述した機能を与えることができる。
【0194】
弾性バルブ挿入体は、初めて、幾つかのバルブタイプの機能をたった1つの単一構造スペースの要件を伴って1つの構成部品に組み込むことができ有益である。これらのバルブタイプを利用するために、外部機能手段のバルブ装置を物理的に変更しあるいは交換する必要はなく、あるいは、複数のバルブを設ける必要はない。バルブを動作させかつ異なるバルブ状態間を切り換えるための処理機器の制御または調整あるいは適合の対応する変化だけでむしろ十分であり有益である。
【0195】
従来技術から知られる受動的に動作する逆止弁要素は、一般に、使い捨て部品ハウジング要素内に固定された付勢態様で取り付けられる。逆止弁要素は、例えば、硬質ハウジング要素の保持孔内に付勢下でスナップ係合され、あるいは、2つの硬質ハウジング要素(例えば、オランダのMinivalve International社によるマッシュルーム形状の「アンブレラバルブ」、http://www.minivalve.com)間にクランプされる。
【0196】
高温下での殺菌処理中、一般に保管に起因して、これらのエラストマー構成要素は、それらの付勢、したがって所望の機能を部分的に失う場合がある。また、これらの要素は、一方向の特定の応答差圧に至るまで他方向の流体システムの特定の最大差圧に抗して両方向の流体通過を抑制する場合がある。したがって、流体スペースを通じた流れを必要とする殺菌方法による殺菌が多くの場合に不可能であり、あるいは限定を伴ってのみ可能である(例えば、蒸気真空殺菌またはエチレンオキシド殺菌)と想定し得る。フィルムによって閉じられるように構成されている半開流路外部機能手段(特にフィルムの使い捨て部品および硬質部品)の蒸気真空殺菌は、しばしば、破壊を伴う深絞り効果をもたらす場合がある。したがって、例えば、それらの塑性限度まで加熱されるフィルムが真空から過圧への変化時に半開流路に引き込まれる場合がある。これは、特に、フィルムの内側に配置される通路の流体入口だけを閉じるように逆止弁が配置されなければならない場合に当てはまり得る。
【0197】
取り付け固定されて付勢される従来技術の逆止弁装置とは異なり、本発明のバルブ装置は、殺菌プロセス中に流体の両方向の流通を可能にし有益である。これは、流体スペースを通じた流れを必要とする殺菌方法が利用されるときに特定の利点を有し得る。
【0198】
また、より簡単なおよび/または信頼できる態様で殺菌を行なうことができ有益である。ここで、それらの付勢状態に起因して、これまで使用できなかったあるいは特定の殺菌状態下での耐久性の欠如に起因する殺菌損失を受け入れることによってのみ使用できた特に低コストな弾性材料をバルブ挿入体のために使用することができる。適切な弾性材料が、技術的に複雑な製造を必要とする高価なシリコーンなどのクリープ変形に対する特定の抵抗を有するエラストマーをもはや含む必要がないと想定することができ、有益である。
【0199】
処理条件下で、従来技術の固定的に付勢された逆止弁が反対方向の流体の流れを防止する場合があり、それにより、特定の処理プログラムおよび使い捨て部品システムの初期完全性検査プログラムを頻繁に行なうことができない。
【0200】
本発明のバルブ装置を用いると、この目的のために並列または直列に配置される任意の更なる流体制御要素を付加的に設ける必要なく、機械制御によって流路を自由自在に開閉することができ有益である。したがって、本発明のバルブ装置は、構造スペースおよび/またはデッドスペースの減少に寄与でき有益である。
【0201】
本発明のバルブ装置は、初めて、流れを許容しかつ機械的応力に何ら晒されない製造プロセス、処理、および、保管を可能にでき有益である。ここでは、−従来のバルブ装置以外の−本発明のバルブ装置が処理機器に取り付けられるときにだけ付勢バルブ状態に至らされれば十分である。
【0202】
その逆止弁機能に加えて機械制御により開状態および閉状態へも至らされるバルブ装置の能力は、流体構造における手続き的な選択肢の増大を許容でき有益である。
【0203】
多段または連続動作する、受動的に作用する、あるいは、能動的に変更できる圧力または体積流量制御バルブとして本発明のバルブ装置を使用することにより、コスト、構造的な複雑さ、および、取り付けスペースを節約することができ有益である。
【0204】
本発明のバルブ装置は、繰り返し使用できる処理機器における即時使用のためおよび臨床技術・医療技術の適用分野での使い捨ての密閉絶縁ディスポ装置における両方において有利に適し得る多機能バルブ装置である。
【0205】
本発明の外部機能手段は多くの異なる機能を果たすことができる。本発明の外部機能手段は、バルブ挿入体を受容するように高い費用効率で構成され得る。この目的のために特定の構造的手段は不要である。
【0206】
本発明のバルブ装置は、殺菌バルブ状態にあり、すなわち、その製造および保管中に付勢を何ら伴わない状態にあるため、そのようなバルブ装置を備える外部機能手段の重要な部位を通じた有効な流れが、特に過圧および負圧が交互するタイプの方法にしたがった殺菌方法で有利に可能である。付勢状態で、したがって閉塞状態で通常取り付けられる逆止弁において、そのような重要部位は、十分に殺菌され得ない止まり穴構造に起因して、処理流体が近づくことができず、あるいは、効果なく濯がれるにすぎない。
【0207】
本発明のバルブ装置は、その殺菌中および保管中に付勢または予荷重または予応力を何ら伴うことなく配置されるため、バルブ挿入体の機械的寸法および弾性特性をその利用のときまで完全にかつ十分な品質で保つことができ有益である。
【0208】
また、バルブ挿入体の無荷重保管は、(医療技術分野におけるシリコーンゴムのような)通常必要なエラストマーではなく特に低コストな熱可塑性エラストマーの使用を更に可能にし有益な場合がある。
【0209】
また、熱可塑性エラストマーの利用は、新規な構造の可能性をもたらし有益な場合がある。ハウジング要素に関して使用できる熱可塑性材料およびエラストマーの両方を含むバルブ挿入体のための熱可塑性物質/エラストマー混合物は、適切な、有利なおよび/または改良された態様でハウジング要素に接続できてもよい。
【0210】
したがって、例えば組み立て目的でおよびバルブ要素をハウジングに対してシールするために弾性バルブ要素と熱可塑性硬質ハウジング要素との間を溶着することができ有益である。
【0211】
処理機器における外部機能手段の取り付けは、外部機能手段の正確な位置、支持、および、流体緊密性を与えることができるだけではない。付勢逆止弁を含む従来の構成とは異なり、本発明のバルブ装置により、流通のために流体構造を双方向で開くための更なる機械作動バルブを有する更なる流路(例えば並列に配置される流路)を省くことができ有益である。したがって、機械または処理機器および外部機能手段の取り付けスペースおよび製造コストを節約できるだけでなく、望ましくない流れデッドスペースを回避することもでき有益である。
【0212】
処理機器における外部機能手段の取り付けおよび結合の公差を許容できる能力は、単一構成部品の機能障害を有利に回避し得る。また、この能力は低価格製造コストに寄与する。
【0213】
これは別として、適切な処理作業を始める前に本発明のバルブ装置のバルブ機能を機械制御されたルーチンにより簡単かつ容易な態様で検査することができ有益である。そのような検査は、例えば、本発明のバルブ装置を開放し、従来の逆止弁で想定し得る方向に抗して圧縮空間内に検査流体を押し込み、その後、本発明のバルブ装置を逆止弁位置に至らせることによって簡単かつ容易に行なわれてもよい空気圧試験であってもよい。
【0214】
バルブ挿入体および/または弾性シールリングの軸線方向弾性シート領域が所定の弾力性によって実現できるため、必要に応じて低コストで固定セットされあるいは調整できる圧力制御ユニットまたは体積流量制御ユニットを実現することができ有益である。
【0215】
軸線方向弾性シート領域および/または弾性シールリングのその剛性の見地に基づく幾何的構造の自由度は、幅広い範囲内のバルブ装置の押圧状況において弾性シール手段の弾性率の漸進性を有利に設定することができ有益である。
【0216】
バルブの駆動は、好ましい実施形態では主に、経路指向態様で行なわれてもよく、この場合、所定の変形が必然的に例えばリセット力または付勢などの力も示すという事実は、あまり重要ではなくあるいは全く重要ではない。後者は、構造特性に起因して非常に小さい場合があるため無視できる。それは、むしろ、力の事前設定と比べてかなりの利点を与える経路の所定の刻印であり、本発明においてはもう1つの方法として可能である。したがって、避けられない力公差および他の評価不可能性に起因して、大きさの小さい力を正確に観察することは、経路刻印および変位を観察することよりもかなり複雑であり、信頼できない。本発明のバルブ装置の重要な利点は、経路変化が簡単な態様で正確に観察され得るという状況に存在する。この場合、公差全体であっても(例えば、バルブ本体に関して)信頼できる態様で補償され得る。
【0217】
バルブ挿入体の弾性構造形態は、経路の刻印の公差に関して高い公差無感度性を有利にもたらし得る。
【0218】
これは、特に、(取り付けによって)固定セットされる定体積流量調整バルブとしてのバルブ装置の実現を可能にでき有益である。したがって、バルブ装置は、体積流量に応じて通路抵抗を変更できる簡単な受動的に作用する構造として実現でき有益であり、それにより、比例制御ユニットの原理にしたがった体積流量の調整をもたらすことができる。
【0219】
本発明の文脈において「流体」が言及されるときには常に、本発明は、それぞれの記述が単一流体または流体の混合物にも適用され得ることを当業者が認識できれば、正確に1つの流体または1つの混合物も包含する。逆のケースも本発明によって包含される。
【0220】
ここで、本開示の文脈において、表現「備えてもよい」、「場合がある」などは、ここでおよび他の場所で同様に使用される表現「備えることが好ましい」、「好ましい」などと同じ意味であることに留意されたい。
【0221】
以下、図面を参照しつつ、本発明のバルブ装置をその好ましい実施形態によって説明する。図面の図中、同じ参照符号は同じあるいは同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明に係るバルブ装置の構成要素の分解図を示している。
【図2】本発明に係るバルブ装置のバルブ挿入体の簡略化された概略側面図を示している。
【図3】殺菌位置または保管位置のバルブ状態における本発明に係るバルブ装置の側断面図を概略的に示している。
【図4】永久的に開放されたバルブ位置のバルブ状態における本発明に係るバルブ装置の側断面図を概略的に示している。
【図5】閉じられた逆止弁のバルブ状態における本発明に係るバルブ装置の側断面図を概略的に示している。
【図6】開放された逆止弁のバルブ状態における本発明に係るバルブ装置の側断面図を概略的に示している。
【図7】永久的に閉じられたバルブまたは制御バルブとしてのバルブ状態における本発明に係るバルブ装置の側断面図を概略的に示している。
【図8】その前側にカバー手段を備える好ましい実施形態に係る本発明の外部機能手段の側面図を示している。
【図9】カバー手段が開放された図8の外部機能手段を示している。
【図10】図8および図9の外部機能手段をその後側から示している。
【発明を実施するための形態】
【0223】
図1の分解図によれば、バルブ装置100は、受容手段3に挿入されるバルブ挿入体1を備える。バルブ挿入体1は、その上側が、固定シールストリップ7を備えるカバー手段、例えばフィルム要素5によって覆われる。
【0224】
本発明によれば、シールストリップ7は、例えばシールリングまたはシール縁、凹みなどの形状を成して構成されてもよい。
【0225】
フィルム要素5の上側には、バルブ挿入体の軸線方向(図1では、「上から下へ向かう」方向)の動きあるいは力を伝達するための動き伝達手段11を備える伝達部材9が配置され、あるいは、逆もまた同様である。
【0226】
伝達部材9は機械側に配置されてもよい。すなわち、伝達部材は、例えば血液を処理するための処理機器などの図1に示されない処理機器の一部であってもよい。
【0227】
受容手段3はハウジング要素13に設けられる。図1に示されるように、例えば、ハウジング要素13は外部機能手段(図示せず)の一部であってもよい。
【0228】
ハウジング要素13は、例えば熱可塑性材料などの硬質のあるいは比較的硬質の材料から形成されてもよい。
【0229】
受容手段3は、例えば硬質シールリング15の形態を成す第2のシール手段、ならびに、上側シートブシュ17、固定シールリング19、および、下側シートブシュ21を備える。下側シートブシュ21は硬質前端部23を有する。
【0230】
図1の硬質シールリング15は、典型的には、波状形態、すなわち、僅かに湾曲された形態を有する。
【0231】
受容手段3は、例えば血液および/または代替液および/または殺菌液などのバルブ装置100を通過する流体のための部分半開流路25を更に備える。流路25は流路部27、29を含む。図1では、矢印により示されるように、流路部27が流入通路として示されており、流路部29が流出通路として示されている。しかしながら、バルブ装置100は、異なる方向、特に逆方向に流体が流されてもよい。
【0232】
バルブ挿入体1は機能形態に応じて流路25を開きあるいは閉じてもよい。この場合、それに対応して、バルブ挿入体1は、前述しかつ以下でも図示されるバルブ状態のうちの1つをとる。
【0233】
図2は、本発明のバルブ装置100のバルブ挿入体1の部分的に切り開いた描写の概略側面図を示している。
【0234】
バルブ挿入体1は、例えば、弾性シールリング31の形態を成す第1のシール手段、曲げリング領域33、ならびに、例えばガイドリブ45の形態を成す案内手段を備える。また、固定バルブシート35、弾性シート領域37の形態を成す弾性シート領域、外側フロントリング領域39、内側フロントリング領域41、および、前端ストッパ43が示されている。
【0235】
弾性シールリング31の下端(すなわち、図2の描写の底)は、平面的な、すなわち、平坦な形態を有する。
【0236】
内側フロントリング領域41に軸線方向変位および/または軸線方向力、特に押圧力を加えると、バルブ挿入体1の圧縮域4(例えば、軸線方向圧縮域)が弾性変形、例えば圧縮を受け得る。図2は、バルブ装置100のバルブ状態に応じてその形状および容積が可変の変形空間49を示している。
【0237】
前述した中心領域が、図3に典型的に示されており、参照符号44により示される。図2に見られるように、中心領域44の材料の蓄積は、例えばバルブ挿入体1の対称軸線でガイドリブ45を収束させることによって行なわれてもよい。
【0238】
図3〜図7は、変位および/または例えば処理機器の一部に作用する押圧力などの力または流体の力をバルブ挿入体1に対して加えることにより得られてもよいバルブ装置100の異なる典型的に選択されたバルブ状態を示している。バルブ挿入体1は、力を加えることによりあるいは解放することによりバルブ状態間で切り換えられるように構成されている。図3は、以下で殺菌位置または保管位置と称されるバルブ状態にあるバルブ装置100の断面図を概略的に簡略化された態様で示している。
【0239】
バルブ挿入体1は受容手段3の内側に配置される。バルブ挿入体1は、そのガイドリブ45を介して、受容手段3の下側シートブシュ21の硬質前端部23と接触する。バルブ挿入体1はフィルム要素5によって覆われる。
【0240】
バルブ挿入体1の曲げリング領域33のこの設計を用いると、ガイドリブ45(図2参照)と受容手段3の下側シートブシュ21の内壁との間の摩擦接続は、好ましくは、バルブ挿入体1がその自重により抜け落ちるのを確実に防止するのに十分であり有益である。
【0241】
曲げリング領域33は、下側シートブシュ21の底部へ向かうバルブ挿入体1の前端ストッパ43の一時的な(例えば組付け時の)軸線方向変位が曲げリング領域33のリセット力によって有利に完全に逆行されるように構成されていることが好ましい。ここで、曲げリング領域33のリセット力は、ガイドリブ45と受容手段3の下側シートブシュ21またはガイドブシュの内壁との間の摩擦力に打ち勝つことが好ましい。このようにして、特に簡単な組み立てが有利に確保されてもよい。
【0242】
図3に示される殺菌位置では、外力がバルブ挿入体1に作用していない。したがって、バルブ挿入体1が付勢および/または材料応力にほぼ全く晒されない。その主な機能に関連するバルブ挿入体1の領域の全ては、受容要素3またはハウジング要素13(ここには図示せず)のいずれかで押圧されない。これらは大きな材料応力を受けない。
【0243】
図3では力または変位が弾性シート領域37に作用していないため、バルブ挿入体1の変形空間49が最大容積をとる。
【0244】
バルブ装置100は、バルブ装置100を通じて流れる流体に関して開放される状態にある。この場合、図3に示される二重矢印から分かるように、流体はバルブ装置100を通じて双方向に流れることができる。
【0245】
バルブ装置100を通じた流体の流れは、バルブ挿入体1の弾性シールリング31と受容手段3の硬質シールリング15との間に配置される隙間51を通じて行なわれる。
【0246】
そのような状態は、バルブ装置100の殺菌、または、バルブ装置100に接続される外部機能手段の殺菌に特に良く適する。
【0247】
そのようなバルブ状態では、応力を(互い同士の間の構造応力および内部応力)を何ら伴うことなく単一の構成要素が配置されるため、このバルブは、バルブ装置100または同様のバルブ装置100を含む外部機能手段の長期保管に更に適することが好ましい。テンションがない場合には、装置と関連付けられるそれぞれの構成部品のテンションの損失および機能障害は起こらない。
【0248】
ここで、バルブ装置100の開放殺菌位置は、例えば血液および/または代替液などの殺菌流体または処理流体の流路25を通じた自由な双方向通過を必要とする任意の殺菌または他の予備処理を行なうことができてもよい。
【0249】
図4は、バルブ状態として永久的に開放されたバルブ位置にある図3のバルブ装置100の側面図を概略的に簡略化された態様で示している。図3の描写とは異なり、図4のバルブ装置100は処理機器の内側に配置される。これは、伝達部材9、例えば処理機器の圧力作用体がフィルム要素5の上側に配置されるという事実から認識できてもよい。
【0250】
バルブ挿入体1は、外側フロントリング領域39の媒介によりガイドリブ45を用いて受容手段3と伝達部材9との間に保持される。
【0251】
伝達部材9は、バルブ挿入体1を通じた双方向の流れが永久的に開放されたバルブ位置で可能となるように構成されていてもよい。このようにすると、バルブ装置100は、本質的に機械の内側のその存在に起因してあるいは機械制御に起因して開放位置にある。
【0252】
伝達部材9は、フィルム要素5と外側フロントリング領域39との間の閉塞が得られるようにフィルム要素5上に載置され、これは、殺菌目的でフィルム要素5と外側フロントリング領域39との間の空間が開放状態に維持される図3に示される位置とは異なる。
【0253】
図5および図6は、閉じられた逆止弁のバルブ状態(図5)および開放された逆止弁のバルブ状態(図6)のそれぞれにおける図3および図4のバルブ装置100の側面図を概略的に簡略化された態様で示している。
【0254】
図5において、バルブ挿入体1の取り付け押圧は、受容手段3と伝達部材9との間の(軸線方向における、すなわち、図5の「上端から下端へ向かう」方向における)経路距離を短くすることによって高められ、その後、一定に保たれる。能動的なバルブ機能を備えていない受動機械構成では、これは、外部機能手段を機械の内側に配置することによってのみ行なわれてもよい。バルブ装置100の更なる開/閉機能を有する能動機械構成では、これは、それに対応して伝達部材9を駆動させることによって行なわれてもよい。
【0255】
図5は、存在する流体が硬質シールリング15で通過方向に抗して蓄積するときの、あるいは流体が通過方向に蓄積するときのバルブ装置100の付勢され閉じられたバルブ状態を示しているが、流入側と流出側との間の圧力差は、逆止弁の調整された最小応答圧よりも依然として小さい。
【0256】
接触/押圧領域53では、弾性シールリング31および硬質シールリング15が互いに当接しあるいは互いに対して押し付けられる。
【0257】
図6は、バルブ装置100を通じた通過方向での流れ中のバルブ状態を示している。特にこのバルブ状態において、公差の前述した補償は、内側フロントリング領域41と前端ストッパ43との間において軸線方向で行なわれてもよく、一定の機能特性を確保する。このとき、逆止弁位置では、バルブ挿入体1の前端ストッパ43が既に下側シートブシュ21の硬質前端部23に当接して動かないように配置される。
【0258】
弾性シールリング31と硬質シールリング15との間には隙間51が残存する。
【0259】
図7は、永久的に閉じられたバルブとしてのあるいは制御バルブとしてのバルブ状態におけるバルブ装置100の側面図を概略的に簡略化された態様で示している。そのような制御バルブは、圧力制御バルブまたは体積流量制御バルブとして作用してもよい。
【0260】
このバルブ状態において、伝達部材9は、外側フロントリング領域39が弾性シールリング31との軸線方向での機械的な押圧接触に入るまで、(図中の上側から下方へ垂直に延びる方向のことである)軸線方向への押圧を軸線方向変位のかなりの程度まで促進させる。
【0261】
このようにして、弾性シールリング31と硬質シールリング15との間の押圧は、バルブ装置100が構造によってもたらされる圧力差に抗して双方向で閉じられるような度合いまで高められる。
【0262】
図7に示されるバルブ状態において、本発明のバルブ装置100は、圧力制御バルブまたは体積流量制御バルブとして作用してもよい。
【0263】
軸線方向に弾力性があるバルブ挿入体1のシート領域37または接触相手として関連付けられる弾性シールリング31が、例えばそれ/それらに対して更なる溝を設けることにより、あるいは前述したバルブ挿入体1の更なる軸線方向の撓み時に軸線方向弾性シート領域37と弾性シールリング31との間の意図される接触をもたらす弾性の細い環状バーまたはノブを設けることにより所定の弾性を有するように構成されている場合には、バルブ装置100の確かに高い付勢がこのバルブ状態をもたらし得る。
【0264】
そのような高い付勢は、伝達部材9の軸線方向変位に応じて、軸線方向作動前および軸線方向作動後の接触の2つの別個の段階(軸線方向弾性シート領域37と弾性シールリング31との間の隙間51)で行なわれてもよく、あるいは、経路依存態様で連続的に(指定された相手同士の初期接触)で行なわれてもよい。
【0265】
図8は、図8に見える表面にカバー手段を備える外部機能手段の側面図を示している。
【0266】
ここで、外部機能手段は、典型的には、チャンバ、通路、バルブなどを有する血液処理カセット1000として構成される。図8の血液処理カセット1000には、その前側に、カバー手段、この場合には典型的に既に先に述べたフィルム5が設けられる。
【0267】
血液処理カセット1000は、少なくとも図8に示される前側により、血液処理機器(図1には示されない)に結合されてもよい。
【0268】
血液処理カセット1000は動脈ヘパリン付加部位63を備える。ここで、ヘパリン付加部位63が、唯一好ましい態様では抗凝血剤または活性剤の組み合わせであるヘパリン以外の薬理学的活性剤を付加するのに適して意図されてもよいことに留意されたい。また、これは、任意の種類の文脈の前後でヘパリンが言及されるときには常に考慮されるべきである。
【0269】
血液処理カセット1000は動脈ヘパリン付加部位63の逆止弁65を備える。逆止弁65は、本出願の発明のバルブ装置の実用的な例である。
【0270】
血液処理カセット1000は、静脈ヘパリン付加部位67のための逆止弁69を更に含む。
【0271】
本発明のバルブ手段の他の実施形態として逆止弁71を作動させることにより、代替物導管73内へ代替物が導入されてもよい。
【0272】
図9は、フィルムが血液処理カセット1000の左縁および上下端で切り開かれて右へ開放されて示される図8の血液処理カセット1000を示している。
【0273】
図9は、フィルムを切り開いた後に更に詳しく見える血液処理カセット1000の内側の要素を示している。
【0274】
繰り返しを避けるため、図8の説明において前述した個々の要素の構成を参照されたい。
【0275】
図10は、血液処理カセット1000をその後側から示している。血液処理カセット1000が血液処理機器に結合されると、血液処理カセット1000を除去するために血液処理機器のドアを開放する観察者はこの後側を見る。
【0276】
血液処理カセット1000に関する更なる詳細に関しては、これに向けられた前述した出願の詳細な説明を参照されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が弾性を有する少なくとも1つのバルブ挿入体(1)と、
前記バルブ挿入体(1)のための少なくとも1つの受容手段(3)と、
を備えるバルブ装置(100)において、
前記バルブ挿入体(1)が、その弾力性に起因して経路の刻印時および/または力の付与時に少なくとも3つの異なるバルブ状態間で切り換えることができるように構成されることを特徴とする、バルブ装置(100)。
【請求項2】
前記バルブ状態がバルブの開放機能状態である、請求項1に記載のバルブ装置(100)。
【請求項3】
前記バルブ状態が殺菌状態である、請求項1または2に記載のバルブ装置(100)。
【請求項4】
前記バルブ状態が逆止弁状態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項5】
前記バルブ状態が制御バルブ状態または調整バルブ状態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項6】
前記バルブ状態が閉じられたバルブ状態である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項7】
前記バルブ挿入体(1)が少なくともその一部にエラストマー材料を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項8】
前記バルブ挿入体(1)が少なくともその一部に刻印を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項9】
前記バルブ挿入体(1)が、前記受容手段(3)の第2のシール手段の少なくとも一部との摩擦によりおよび/または形状閉塞により少なくともその一部が押圧されるように設けられて構成される少なくとも1つの第1のシール手段を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項10】
前記第1のシール手段が、経路の刻印および/または前記バルブ挿入体(1)への力の伝達によって前記第2のシール手段で押圧され得る、請求項9に記載のバルブ装置(100)。
【請求項11】
前記バルブ挿入体(1)に作用する力が、処理機器へのバルブ装置(100)の取り付けによって導入可能な押圧力である、請求項9または10に記載のバルブ装置(100)。
【請求項12】
前記バルブ挿入体(1)における経路の刻印が、処理機器へのバルブ装置(100)の取り付けによって導入可能な変位である、請求項9または10に記載のバルブ装置(100)。
【請求項13】
前記押圧力または前記変位を前記処理機器の伝達部材(9)によって伝達できる、請求項11または12に記載のバルブ装置(100)。
【請求項14】
前記バルブ挿入体(1)が、前記バルブ挿入体(1)を前記受容手段(3)内へ導入するための少なくとも1つの案内手段を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項15】
前記バルブ挿入体(1)が少なくとも1つの(弾性)曲げリング領域(33)を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項16】
少なくとも上側にカバー手段を備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項17】
処理機器によって伝えられる経路の刻印および/または力により前記バルブ挿入体(1)を前記カバー手段にわたって切り換えることができる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)で用いるバルブ挿入体(1)。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも1つのバルブ装置(100)を備える外部機能手段。
【請求項20】
体外血液処理のために血液伝導通路を有する血液処理カセットとして構成され、代替物および/または1つ以上の薬物を前記バルブ装置(100)によって前記血液伝導通路内に導入できる、請求項19に記載の外部機能手段。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)を使用するステップ、
を含む、流体の通過を制御するあるいは調整する方法。
【請求項22】
前記バルブ挿入体を切り換える目的で所定の力および/または経路の所定の刻印を前記バルブ挿入体(1)の上側に加えるステップ、
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記力および/または前記経路の刻印が、伝達部材(9)により前記バルブ挿入体(1)の上側に加えられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記力および/または前記経路の刻印が、カバー手段にわたって前記バルブ挿入体(1)に加えられる、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記力が押圧力であり、あるいは、前記経路の刻印が変位であり、前記力および/または経路の刻印が、請求項1〜17のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)または1〜17のいずれか一項に記載のバルブ装置を備える外部機能手段の処理機器への取り付けによって導入される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記力および/または前記変位が、前記バルブ装置(100)を通過する流体の流れによりもたらされる力および/または変位である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
受容手段(3)の上側にバルブ挿入体(1)を配置するステップと、
前記バルブ挿入体(1)を案内手段によって前記受容手段(3)に挿入するステップと、
を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のバルブ装置(100)を製造する方法。
【請求項28】
少なくとも1つの熱硬化性材料または熱可塑性材料のハウジング要素(13)を製造するステップと、
前記ハウジング要素(13)に受容手段(3)を形成するステップと、
請求項18に記載のバルブ挿入体(1)を挿入するステップと、
前記ハウジング要素(13)の上側の少なくとも一部にカバー手段を適用するステップと、
を含む、外部機能手段を製造する方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法にしたがって外部機能手段を製造するステップと、
前記方法によって得られる前記外部機能手段を殺菌するステップであって、前記バルブ装置が殺菌状態にあるステップと、
を含む、殺菌利用のための外部機能手段を形成する方法。
【請求項30】
前記バルブ装置(100)をロック位置に至らせるステップ、
を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項29または30に記載の方法によって殺菌された殺菌利用のための外部機能手段。
【請求項32】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の少なくとも1つのバルブ装置および/または請求項19、20または31のいずれか一項に記載の外部機能手段を備える処理機器。
【請求項33】
血液処理機器として構成される、請求項32に記載の処理機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−524558(P2012−524558A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506375(P2012−506375)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002295
【国際公開番号】WO2010/121741
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】