説明

バルブ装置

【課題】弁体の連通路の周囲に存在する流通対象物を確実に除去することができ、弁体とシート部材との間のシール性能を担保することのできるバルブ装置を提供する。
【解決手段】連通路R1が形成された弁体2と、弁体収容室VRが形成されるとともに連通路を介して互いに連通する主通路R2、R3が形成されたハウジング3と、主通路に対応させてハウジング内に配置された環状のシート部材4とを備え、流体をシート部材と弁体との間に向けて放出させる環状の流体供給路NRが主通路の内周に沿って形成される。弁体は、シート部材に対して非接触な状態で所定の軸線を回転中心にして回転可能で、非貫通部分がシート部材と対向した状態でシート部材側に傾動可能に設けられ、連通路回りの少なくとも一カ所に、連通路の開口と同方向に開放するとともに連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に向けて開放した凹状の逃路22が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体や粉体等の流通対象物を流通させる流路の遮断や切り換えを行うためのバルブ装置に関し、より詳しくは、流路を形成する配管が接続されるハウジングに内装された弁体を所定の軸線回りで回転させることで流路の遮断や切り換えを行うバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流通対象物を流通させる流路の遮断や切り換えを行うバルブ装置には、種々タイプのものがあり、その一つとして、図6(a)及び図6(b)に示す如く、所定の軸線L’回りで回転可能に設けられるとともに、前記軸線L’と直交又は略直交する方向に貫通した連通路R1’が形成された弁体2’と、該弁体2’を収容する弁体収容室VR’が形成されるとともに弁体収容室VR’を挟んで少なくとも二つの主通路R2’,R3’が形成されたハウジング3’と、該ハウジング3’内で弁体収容室VR’に向いて開放する主通路R2’の開口回りに配置された環状のシート部材4’と、を備えたものが提供されている。
【0003】
かかるバルブ装置1’は、図6(a)に示す如く、前記弁体2’がシート部材4’に対して非接触な状態(離間した状態)で回転可能に構成され、図6(b)に示す如く、前記弁体2’の非貫通部分(連通路R1’の開口の形成されていない部分)がシート部材4’と対向した状態で、弁体2’がシート部材4’側に傾動することで該弁体2’の非貫通部分がシート部材4’に圧接して主通路R2’を遮断するように構成されている。
【0004】
これにより、上記構成のバルブ装置1’は、弁体2’を前記軸線L’周りで回転させる際に、該弁体2’がシート部材4’に接触しないため、シート部材4’の摩耗を最小限に抑えることができ、一般的なボールバルブ(弁体がシート部材と常時接触するタイプのバルブ装置)に比して弁体2’とハウジング3’との間を長期に亘って適正にシールできるとされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、この種のバルブ装置1’は、図6(a)に示す如く、流通対象物T’の流通を許容した状態で弁体2’とシート部材4’とが離間した状態になるため、流通対象物T’が弁体2’とシート部材4’との間を通過して該弁体2’やシート部材4’の外面に付着する傾向にあり、弁体2’をシート部材4’側に傾倒させたときに、弁体2’とシート部材4’との間に流通対象物T’が挟み込まれて主通路R2’を確実に遮断できなくなる場合がある。
【0006】
そのため、固形物や固形状の異物を含む流体等の流通対象物T’を流通対象とするバルブ装置1’は、主通路R2’を遮断する前に弁体2’やシート部材4’の外面に付着した流通対象物T’を除去できるようになっている。
【0007】
具体的には、該バルブ装置1’は、前記ハウジング3’内に主通路R2’回りで弁体収容室VR’側に向けて開放した環状の流体供給路NR’が形成されており、少なくとも弁体2’とシート部材4’とが非接触な状態(離間した状態)で、外部から供給された流体を流体供給路NR’の開放部分から弁体収容室VR’側に放出させるようになっている。これにより、該バルブ装置1’は、高圧の流体A’(例えば、エアー)を互いに離間した弁体2’とシート部材4’との間に向けて送り出し、弁体2’の連通路R1’の周囲及びシート部材4’の外面(環状の領域)に付着した流通対象物T’を吹き飛ばして除去できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許4192193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記構成のバルブ装置1’は、弁体2’やシート部材4’に付着した流通対象物T’(固形物や異物)のサイズによって、該流通対象物T’を確実に除去できない場合がある。
【0010】
すなわち、上記構成のバルブ装置1’は、流体供給路NR’から流体A’を放出するとき(流通対象物T’を除去するとき)に弁体2’がシート部材4’に対して所定間隔をあけた状態で維持されるため、弁体2’やシート部材4’に付着した流通対象物T’(固形物や異物)のサイズが弁体2’とシート部材4’との間隔よりも大きい場合、該流通対象物T’(固形物や異物)が弁体2’及びシート部材4’に引っ掛かって弁体2’とシート部材4’との間に残ってしまうことになる。
【0011】
そのため、上記構成のバルブ装置1’は、主通路R2’を遮断する際に、弁体2’とシート部材4’とが流通対象物T’を挟み込んでしまう結果、主通路R2’を確実に遮断できなくなったり、弁体2’やシート部材4’を傷つけてシール性能を確保できなくなったりすることがある。
【0012】
そこで、本発明は、弁体の連通路の周囲に存在する流通対象物を除去することができ、主通路の遮断時に弁体とシート部材との間を確実にシールすることのできるバルブ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るバルブ装置は、所定の軸線回りで回転可能に設けられるとともに、前記所定の軸線と直交又は略直交する仮想面上を通って貫通する連通路が形成された弁体と、該弁体を収容する弁体収容室が形成されるとともに、弁体収容室内の弁体の連通路を介して互いに連通する少なくとも二つの主通路が形成されたハウジングと、前記主通路同士を連通させた弁体の連通路周りと対向するように、少なくとも何れか一つの主通路に対応させてハウジング内に配置された環状のシート部材とを備え、前記弁体は、シート部材に非接触な状態で前記所定の軸線を回転中心にして回転可能に構成されるとともに当該弁体の非貫通部分がシート部材と対向した状態でシート部材側に傾動してシート部材に圧接するように構成され、前記ハウジング内には、主通路回りで弁体収容室側に向けて開放した環状の流体供給路が形成され、少なくとも弁体とシート部材とが非接触な状態で、外部から供給された流体を流体供給路の開放部分から弁体収容室側に放出させるように構成されたバルブ装置において、前記弁体は、前記連通路回りの少なくとも一カ所に、連通路の開口と同方向に開放するとともに連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に向けて開放した凹状の逃路が形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成のバルブ装置によれば、弁体を軸線回りで回転させることで、該弁体の連通路とハウジングの主通路とが互いに連通した状態(流通対象物を流通させる状態)と、弁体の非貫通部分(連通路の開口の形成されていない部分)と環状のシート部材(主通路の開口)とが互いに対向した状態とに切り換えることができる。そして、該バルブ装置は、弁体の非貫通部分とシート部材とが互いに対向した状態で該弁体がシート部材側に傾動して弁体の非貫通部分がシート部材と圧接することで、弁体の非貫通部分がシート部材の包囲する領域(主通路の開口を含む領域)を閉塞して主通路を遮断した状態になる。
【0015】
そして、該バルブ装置は、少なくとも弁体とシート部材とが非接触な状態で、外部から供給された流体を流体供給路の開放部分(弁体の連通路回りと対向する環状の領域)から弁体収容室側に放出させるように構成されているため、弁体の連通路の周囲及びシート部材の外面(環状の領域)に付着した流通対象物を吹き飛ばして除去することができる。
【0016】
また、前記弁体は、前記連通路回りの少なくとも一カ所に、連通路の開口と同方向に開放するとともに連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に向けて開放した凹状の逃路が形成されているため、弁体やシート部材に付着した流通対象物(固体や異物)が弁体とシート部材との間隔よりも大きなもの(弁体とシート部材との間を通過できないサイズのもの)である場合、その流通対象物(固体や異物)が逃路を介して連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に排出されることになる。
【0017】
すなわち、外部から供給される流体を流体供給路の開放部分から弁体収容室側(シート部材と弁体との間)に向けて放出させることで、逃路と対応する位置にある流通対象物は、流体の圧力の作用で逃路の連通路で開放した部分を介して連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に吹き飛ばされ、逃路以外で弁体とシート部材との間に存在する流通対象物は、流体に押されてシート部材の内周に沿って移動した上でシート部材との間隔が拡大する逃路に到達すると、流体の圧力の作用で逃路の開放した部分を介して連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に吹き飛ばされることになる。
【0018】
従って、上記構成のバルブ装置は、主通路を遮断する前段で弁体の連通路回りに存在する異物等の流体対象物を除去できるため、主通路を遮断する際に弁体とシート部材とが流体対象物を挟み込むことがない。これにより、上記構成のバルブ装置は、弁体やシート部材が傷付いてしまうことを抑制できる上に、主通路の遮断時に弁体とシート部材との間を適正にシールすることができる。
【0019】
本発明の一態様として、前記逃路は、前記連通路の径方向に延びる溝状をなし、前記径方向の一端が連通路に開放するとともに該径方向の他端が弁体収容室に開放するように形成されていてもよい。このようにすれば、逃路の両端が開放した状態になるため、逃路と対応する位置にある流通対象物や、流体に押されて逃路に到達した流通対象物を、流体供給路から放出させた流体の圧力作用で、連通路だけでなく弁体収容室にも排出することができる。
【0020】
この場合、前記逃路は、主通路の遮断時にシート部材側に向く底面が連通穴に向かうにつれて先下りに傾斜して形成されていることが好ましい。このようにすれば、逃路を画定する底面が連通穴側に先下りした傾斜面で構成されて逃路の深さが連通穴側に向かうにつれて深くなるため、逃路と対応する位置にある流通対象物や、流体に押されて逃路に到達した流通対象物(固体や異物)の多くを連通路に導くことができ、弁体の外周に対して流通対象物が再付着することを抑制することができる。
【0021】
本発明の他態様として、前記逃路は、前記軸線の延びる方向で一列に並ぶように連通路の開口の両側に形成されていることが好ましい。このようにすれば、軸線の延びる方向の連通路の開口の両側に流通対象物が残った場合、流体供給路から弁体側に流体を放出させつつ弁体を軸線回りで回転させることで、連通路の開口の両側に残った流通対象物を確実に除去することができる。
【0022】
具体的に説明すると、弁体に貫通した連通路が形成されると、連通路の開口端は全周が軸線と平行な仮想平面上に位置することになる(突出する部分が除去された態様になる)ため、弁体が軸線回りで回転するとき(弁体の連通路と主通路とが連通した状態と弁体の非貫通部分が主通路と対向した状態とに切り換えるとき)に、その過程において、連通路の開口端とシート部材との間隔が一時的に広くなる。従って、流体供給路の流体を放出しつつ弁体を回転させることで、連通路の開口が通過する移動軌跡上に残った流通対象物(固体や異物)は、連通路の開口端とシート部材との間隔が広くなったときに、弁体とシート部材とによる挟み込みが解除され、流体の圧力で連通路内或いは弁体収容室に向けて吹き飛ばされることになる。
【0023】
そして、従来のバルブ装置では、弁体が軸線回りで回転するとき(弁体の連通路と主通路とが連通した状態と弁体の非貫通部分が主通路と対向した状態とに切り換えるとき)に、軸線の延びる方向での連通路(開口)の両側とシート部材との間隔が一定に保たれるため、その部分に残る流通対象物(固体や異物)は、弁体とシート部材とに挟み込まれた状態が維持されてしまうが、上記構成のバルブ装置は、軸線の延びる方向での連通路(開口)の両側とシート部材との間に存在する流通対象物(固体や異物)を除去することができる。
【0024】
具体的には、上記構成のバルブ装置は、凹状の逃路が前記軸線の延びる方向で一列に並ぶように連通路の開口の両側に形成されているため、弁体における軸線方向の連通路(開口)の両側とシート部材との間隔が他の部分よりも広く、また、弁体を軸線回りで回転させたときに弁体における軸線方向の連通路(開口)の両側(逃路のある部分)とシート部材との間隔が拡大することになる。
【0025】
従って、上記構成のバルブ装置は、流体供給路から流体を放出させつつ弁体を回転させることで、軸線の延びる方向での連通路(開口)の両側とシート部材との間に残った流通対象物は、連通路の開口端とシート部材との間隔が広くなったときに、弁体とシート部材とによる挟み込みが解除され、流体の圧力で連通路内或いは弁体収容室に向けて吹き飛ばされることになる。これにより、上記構成のバルブ装置は、弁体とシート部材とに引っ掛かった流通対象物を確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明に係るバルブ装置によれば、弁体の連通路の周囲に存在する流通対象物を除去することができ、主通路の遮断時に弁体とシート部材との間を確実にシールすることができるといった優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係るバルブ装置の外観図を示す。
【図2】同実施形態に係るバルブ装置の弁体の回転中心となる軸線と直交する方向から見た縦断面図であって、主通路と連通路とを連通させた状態(流通対象物が流通する状態)を示す。
【図3】同実施形態に係るバルブ装置の弁体の回転中心となる軸線と直交する方向から見た縦断面図であって、主通路を遮断した状態(流通対象物を流通を阻止した状態)を示す。
【図4】同実施形態に係るバルブ装置の弁体の説明図であって、(a)は、第一ステム挿通部側から見た平面図を示し、(b)は、連通路の穴中心方向から見た正面図を示し、(c)は、(b)のI−I断面図を示す。
【図5】同実施形態に係るバルブ装置の弁体の回転中心となる軸線の延びる方向から見た縦断面図であって、(a)は、主通路と連通路とを連通させた状態(流通対象物が流通する状態)を示し、(b)は、弁体を回転させて通路と連通路とを連通させた状態(流通対象物が流通する状態)から主通路を遮断した状態(流通対象物を流通を阻止した状態)に切り換えるときの状態を示す。
【図6】従来のバルブ装置の説明図であって、(a)は、主通路と連通路とを連通させた状態(流通対象物が流通する状態)を示し、(b)は、弁体の非貫通部分がシート部材に圧接して主通路を遮断した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態に係るバルブ装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0029】
本実施形態に係るバルブ装置は、図1に示す如く、流通対象物Tを流通させる流路上に配設され、該流路の遮断と開放とを切り換えるための二方弁である。該バルブ装置1は、図2及び図3に示す如く、所定の軸線L回りで回転可能に設けられるとともに、前記軸線Lと直交又は略直交する仮想面(図示しない)上を通って貫通する連通路R1が形成された弁体2と、該弁体2を収容する弁体収容室VRが形成されるとともに、弁体収容室VR内の弁体2の連通路R1を介して互いに連通する二つの主通路R2,R3が形成されたハウジング3と、前記主通路R2,R3同士を連通させた弁体2の連通路R1周りと対向するように、一方の主通路R2に対応させてハウジング3内に配置された環状のシート部材4と、を備えている。
【0030】
そして、本実施形態に係るバルブ装置1は、前記弁体2がシート部材4に対して非接触な状態で前記所定の軸線Lを回転中心にして回転可能に構成されるとともに、連通路R1の両端開口間に形成される非貫通部分がシート部材4と対向した状態で前記軸線方向の一端側を支点にしてシート部材4側に傾動可能に設けられている。
【0031】
これに伴い、本実施形態に係るバルブ装置1は、上記構成に加え、所定の軸線Lを通るようにハウジング3に挿通され、所定の軸線Lの延びる方向(以下、軸線方向という)の一端側で弁体2をシート部材4に向けて付勢して該弁体2を傾動させる軸状の第一ステム5と、所定の軸線Lを通るように第一ステム5とは反対側でハウジング3に挿通され、軸線方向の他端側で弁体2を傾動可能に支持するとともに該弁体2を所定の軸線L周りで回転させる軸状の第二ステム6とをさらに備えている。
【0032】
本実施形態に係るバルブ装置1は、上述の如く、二方弁であるため、弁体2には連通路R1が自己の回転中心となる前記軸線Lに対して直交する方向で真っ直ぐに形成されている。本実施形態において、前記連通路R1は、弁体2の中心を通る丸穴で構成されており、弁体2の回転中心(軸線L)を基準にした対称位置に円形状の開口を形成している。
【0033】
前記弁体2は、軸線方向の一方側の端部に第一ステム5の一端部を挿入するための第一ステム挿入部20が凹設されるとともに、前記軸線方向の他方側の端部に第二ステム6の端部を挿入する第二ステム挿入部21が凹設されている。
【0034】
本実施形態に係る弁体2は、図4(a)、図4(b)、及び図4(c)に示す如く、前記連通路R1回りの少なくとも一カ所に、連通路R1の開口と同方向に開放するとともに連通路R1に向けて開放した凹状の逃路22,22が形成されている。すなわち、弁体2は、主通路R2,R3を遮断する際にシート部材4側に向く連通路R1の開口回りの少なくとも一カ所に、少なくともシート部材4及び連通路R1に向けて開放した凹部からなる逃路22,22が形成されている。
【0035】
本実施形態に逃路22,22は、連通路R1(開口)の径方向に延びる溝状に形成されており、一端(径方向の内側の端部)が連通路R1に向けて開放し、他端(径方向の外側の端部)が弁体収容室VR(ハウジング3内)に向けて開放している。本実施形態に係る逃路22,22は、径方向(軸線方向)の外側の端部がシート部材4と対向する環状の領域に重なるように形成されている(図2参照)。
【0036】
そして、本実施形態に弁体2は、図4(b)に示す如く、前記軸線方向で一列をなすように前記逃路22,22が連通路R1の開口の両側に一対形成されている。すなわち、本実施形態に係る弁体2は、逃路22,22が連通路R1の開口の周方向に間隔をあけた二カ所に設けられ、一対(二つ)の逃路22,22が前記軸線方向で一列に並んで配設されている。
【0037】
本実施形態において、各逃路22,22は、連通路R1(開口)の径方向に延びる溝状に形成されており、一端が連通路R1に向けて開放し、他端が外部(ハウジング3の内面)に向けて開放している。各逃路22,22は、図4(c)に示す如く、主通路R2,R3の遮断時にシート部材4側に向く底面22aが連通路R1に向かうにつれて先下りに傾斜して形成されている。すなわち、一対の逃路22,22のそれぞれは、軸線方向と直交する方向で互いに対向する一対の側面22b,22bと、該一対の側面22b,22bの基端同士を接続する底面22aとで画定されており、前記底面22aが軸線方向(径方向)の外側から内側(連通路R1側)に向かうにつれて該弁体2の中央側に向けて傾斜した傾斜面で構成されている。従って、連通路R1の開口がシート部材4側に向いた状態で、シート部材4と底面(傾斜面)22aとの間隔は、連通路R1の径方向外側よりも径方向内側(連通路R1側)ほど広くなるようになっている。すなわち、本実施形態に係る逃路22,22は、軸線方向の両端が開放しているが、その開放領域のサイズ(軸線方向から見た領域サイズ)が連通路R1側ほど大きくなっている。
【0038】
そして、各逃路22,22は、弁体2を軸線L回りで回転させたときに、後述する流体供給路NR(ノズル隙間NO)から放出する流体Aが吹き付けられる機会を多くできるように、軸線方向と直交する方向の幅(一対の側面22b,22bの間隔)が設定されている。本実施形態に係る弁体2は、図4(b)に示す如く、連通路R1を画定する内周面上にある一対の側面22b,22bの始点と連通路R1の中心とを結ぶ二本の仮想線VL1,VL2のなす角度θが10°〜120°、より好ましくは、30°≦θ≦90°になるように一対の側面22b,22b間の間隔(逃路22,22の溝幅)が設定される。
【0039】
図2及び図3に戻り、本実施形態に係るバルブ装置1は、前記ハウジング3内に一方の主通路R2回りで弁体収容室VR側に向けて開放した環状の流体供給路NRが形成されており、少なくとも弁体2とシート部材4とが非接触な状態(弁体2がシート部材4に対して離間した状態)で、外部から供給された流体Aを流体供給路NRの開放部分NOから弁体収容室VR側に放出させるようになっている(図2参照)。
【0040】
より具体的に説明すると、前記ハウジング3は、内部に弁体2を収容する弁体収容室VRが形成されるとともに二つの主通路(穴)R2,R3が弁体収容室VRを挟んで互いに対向するように形成されている。
【0041】
本実施形態に係るハウジング3は、弁体収容室VR及び他方の主通路R3を画定するメインフレーム30と、一方の主通路R2を画定するサブフレーム31と、弁体収容室VRに向けて開放する一方の主通路R2の開口回りにシート部材4を固定するシート部材固定手段32とを備えている。
【0042】
前記メインフレーム30は、弁体2を内装する弁体収容室VRを画定する本体部300と、該本体部300の一端に連設されたメインフランジ部301と、前記本体部300の他端に連設されて他方の主通路R3を画定する主通路形成部302と、第一ステム5を挿通するための第一ステム挿通部303と、第二ステム6を挿通するための第二ステム挿通部304とで構成されている。
【0043】
前記本体部300は、両端が開口した筒状に形成され、弁体2を非接触状態で収容できる弁体収容室VRを画定(形成)している。すなわち、前記弁体収容室VRは、筒状の本体部300の内穴で構成されている。前記メインフランジ部301は、環状に形成されており、本体部300と同心をなして一方の面が本体部300の一端に連結されている。
【0044】
前記主通路形成部302は、環状に形成され、他方の主通路R3を画定している。すなわち、前記他方の主通路R3は、環状の主通路形成部302の内穴で構成されている。そして、主通路形成部302は、内穴(他方の主通路R3)が本体部300の内穴(弁体収容室VR)と同心をなすように、一方の面が本体部300の他端に連設されている。本実施形態において、主通路形成部302は、配管を接続すべく他方の面にフランジ面が形成されている。すなわち、主通路形成部302は、他方の面が配管用のフランジFを締結可能に形成されている(図1参照)。なお、本実施形態に係る主通路形成部302の内穴(他方の主通路R3)は、内径が一方の面側から他方の面側に向けて縮小し、弁体収容室VR側がテーパ穴状に形成され、小径側の穴径が接続される配管径(穴径)と対応したサイズになっている。
【0045】
第一ステム挿通部303は、本体部300の外周の一部に連設されており、弁体2の所定の軸線Lと略同心をなして貫通したステム挿通穴(以下、第一ステム挿通穴という)H1が形成されている。すなわち、第一ステム挿通部303には、本体部300の中心と直交するように、内外(本体部300の弁体収容室VRと外部)を連通させる第一ステム挿通穴H1が穿設されている。
【0046】
本実施形態に係るハウジング3は、第一ステム挿通部303に貫設された穴内に筒状のブッシュC1,C1が挿入されており、該ブッシュC1,C1の内穴が第一ステム挿通穴H1を構成している。本実施形態に係る第一ステム挿通穴H1は、二つの鍔付きブッシュC1,C1が第一ステム挿通部303内で鍔同士を付き合わせて配置されることで段付き穴状に形成されている。これに伴い、本実施形態に係る第一ステム挿通部303は、軸線方向に二分割され、本体部300に固設された一方側の部分303aに他方側の部分303bがネジ固定されるようになっている。これにより、本実施形態に係る第一ステム挿通部303は、一方側の部分303aと他方側の部分303bとが二つのブッシュC1,C1の鍔部を挟み込んだ状態になっている。
【0047】
そして、第一ステム挿通穴H1(外向きに開口した部分)には、筒状のガスケットGが内嵌されており、ガスケットGにより所定の軸線L周りで回転可能とされる第一ステム5とのシール性を担保するようになっている。本実施形態に係るバルブ装置1は、第一ステム挿通部303に挿入したガスケットGを軸線方向に押圧して径方向に圧縮変形させることで第一ステム5の外周面と第一ステム挿通穴H1の内周面との間のシールを図るようにしている。
【0048】
そのため、本実施形態に係るバルブ装置1は、第一ステム挿通部303に挿入したガスケットGを押圧するためのガスケット押圧部材(以下、第一押圧部材という)33を備えている。かかる第一押圧部材33は、第一ステム5を挿通した状態で第一ステム挿通穴H1に内挿可能な筒状の押圧部330と、該押圧部330の一端部から外方に延出した鍔部331とを備えており、鍔部331に挿通したボルト(図示しない)をハウジング3に螺合することで、押圧部330が第一ステム挿通部303内のガスケットGを押圧して圧縮変形させるようになっている。
【0049】
第二ステム挿通部304は、弁体収容室VR(本体部300)を挟んで第一ステム挿通部303の反対側に設けられている。そして、該第二ステム挿通部304には、弁体2の所定の軸線Lと略同心をなして貫通したステム挿通穴(以下、第二ステム挿通穴という)H2が設けられている。すなわち、第二ステム挿通部304には、本体部300の中心と直交するように、内外(本体部300の弁体収容室VRと外部)を連通させる第二ステム挿通穴H2が穿設されている。
【0050】
本実施形態に係るハウジング3は、第二ステム挿通部304に貫設された穴内に筒状のブッシュC2,C2が挿入されており、該ブッシュC2,C2の内穴が第二ステム挿通穴H2を構成している。本実施形態に係る第二ステム挿通穴H2は、二つの鍔付きブッシュC2,C2が第二ステム挿通部304内で鍔同士を付き合わせて配置されることで段付き穴状に形成されている。これに伴い、本実施形態に係る第二ステム挿通部304は、軸線方向に二分割され、本体部300に固設された一方側の部分304aに他方側の部分304bがネジ固定されるようになっている。これにより、本実施形態に係る第二ステム挿通部304は、一方側の部分304aと他方側の部分304bとが二つのブッシュC2,C2の鍔部を挟み込んだ状態になっている。
【0051】
そして、第二ステム挿通穴H2(外向きに開口した部分)には、筒状のガスケットGが内嵌されており、ガスケットGにより所定の軸線L周りで回転可能とされる第二ステム6とのシール性を担保するようになっている。本実施形態に係るバルブ装置1は、第二ステム挿通部304に挿入したガスケットGを軸線方向に押圧して径方向に圧縮変形させることで第二ステム6の外周面と第二ステム挿通穴H2の内周面との間のシールを図るようにしている。
【0052】
そのため、本実施形態に係るバルブ装置1は、第二ステム挿通部304に挿入したガスケットGを押圧するためのガスケット押圧部材(以下、第二押圧部材という)34を備えている。かかる第二押圧部材34は、第二ステム6を挿通した状態で第二ステム挿通穴H2に内挿可能な筒状の押圧部340と、該押圧部340の一端部から外方に延出した鍔部341とを備えており、鍔部341に挿通したボルト(図示しない)をハウジング3に螺合することで、押圧部340が第二ステム挿通部304内のガスケットGを押圧して圧縮変形させるようになっている。
【0053】
前記サブフレーム31は、メインフレーム30に取り付けられるもので、本体部300に連結するための連結用フランジ部310と、該連結用フランジ部310に一端が連設された筒状部311と、該筒状部311の他端に連設された配管接続用フランジ部312とを備えている。
【0054】
前記連結用フランジ部310は、環状に形成され、本体部300及びメインフランジ部301と同心をなすように前記メインフランジ部301にネジ固定されている。前記連結用フランジ部310は、本体部300側に向く面に一方の主通路R2と同心をなす円環状の凹部313が形成されており、該凹部313に対してシート部材固定手段32の後述する受部材320が嵌入可能になっている。
【0055】
前記筒状部311は、連結用フランジ部310に対して同心になるように設けられている。そして、本実施形態に係る筒状部311は、周方向に所定間隔をあけた複数箇所に内外を連通させる貫通穴SH…が穿設されている。そして、筒状部311の外周には、パージ用の配管Pを接続するための筒状の配管接続部314…が前記貫通穴SH…の配置に対応して連設されている。これにより、本実施形態に係るハウジング3は、配管接続部314…に接続されたパージ用の配管Pを介して筒状部311内に高圧な流体A(本実施形態においては圧縮空気)を供給できるようになっている。
【0056】
前記配管接続用フランジ部312は、環状に形成され、筒状部311に対して同心になるように一方の面側が筒状部311に固定されている。該配管接続用フランジ部312は、他方の面上に主通路R2,R3と同心をなす円環状の凹部315が形成されており、該凹部315に対して後述する通路形成部材35の環状鍔部351が嵌入可能になっている。これにより、配管接続用フランジ部312は、環状鍔部351が凹部315に嵌入された状態で他方の面に配管用のフランジFが締結可能に形成されている(図1参照)。
【0057】
そして、本実施形態に係るバルブ装置1は、一方の主通路R2に沿った環状の流体供給路NRを形成すべく、前記筒状部311に内挿される筒状の通路形成部材35をさらに備えている。
【0058】
前記通路形成部材35は、筒状部311に対して同心で内挿される筒状の通路形成部350と、該通路形成部350と同心になるように該通路形成部350の一端に連設された環状鍔部351とで構成されている。
【0059】
前記通路形成部350は、大径筒部350aと、該大径筒部350aに連設された小径筒部350bとで構成されている。前記大径筒部350aは、外周面が筒状部311の内周面と密接な状態になるように筒状部311の他端側に嵌入されている。本実施形態において、大径筒部350aは、小径部側に向けて外径及び内径が縮小するテーパ筒状に形成されている。これに伴い、本実施形態に係る配管接続用フランジ部312及び筒状部311の他端側の内穴は、本体部300側に向けて縮小するテーパ穴状になっている。該大径筒部350aは、筒状部311に対し、該筒状部311に穿設された貫通穴SH…よりも他端側に嵌入されるようになっている。
【0060】
前記小径筒部350bは、略真円筒状に形成されており、大径筒部350aと同心になるように一端が大径筒部350aに連結されている。該小径筒部350bは、筒状部311の一端側の内周面であって、貫通穴を含む領域から一端にかけて対向するように配置される。そして、該小径筒部350bは、外径が大径筒部350aの外径よりも小さく設定されている。すなわち、小径筒部350bは、外径が筒状部311の内径よりも小さく設定されており、筒状部311に内挿した状態で筒状部311の内周面との間に環状の隙間(流体供給路NR)を形成するようになっている。また、小径筒部350bは、内径が大径筒部350aの小径部分の内径と対応しており、該小径筒部350bの内穴と大径筒部350aの内穴とが連続して一方の主通路R2を形成している。
【0061】
また、小径筒部350bは、他端部が弁体2と非接触な状態でシート部材固定手段32の後述する受部材320の支持部320bと対向するように長さ設定されており、支持部320bと小径筒部350bの他端部との間に流体供給路NRの開放部分(以下、ノズル隙間という)NOが弁体2の連通路R1の開口回りと対向して環状に形成されるようになっている。本実施形態に係る小径筒部350bは、他端部の内径及び外径が本体部300側に向かうにつれて拡大するように形成されており、ノズル隙間NO(支持部320bと小径筒部350bの他端部との間に形成される隙間)が流体供給路NR(筒状部311と小径筒部350bとの間に形成される隙間)よりも狭くなるようになっている。これにより、流体Aの流速を高速にしてノズル隙間NOから弁体2側に放出させるようになっている。
【0062】
前記環状鍔部351は、配管接続用フランジ部312の他方の面に形成された凹部315に嵌入可能に形成されている。これにより、本実施形態に係る通路形成部材35は、大径筒部350aを筒状部311に嵌入するとともに環状鍔部351を配管接続用フランジ部312の凹部315に嵌入することで、小径筒部350bと筒状部311との間に略均一な流体供給路NR(環状の隙間)を形成した状態でサブフレーム31に位置決めされた状態になるようになっている。なお、本実施形態に係るバルブ装置1は、配管接続用フランジ部312と環状鍔部351との間にOリングSが介装されており、高圧な流体Aの漏れが防止されている。
【0063】
前記シート部材固定手段32は、環状のシート部材4を支持する受部材320と、該受部材320に支持されたシート部材4を受部材320側に押圧して固定するストッパー321とを備えている。前記受部材320は、連結用フランジ310の一方の面に形成された凹部310aに対して嵌入される円環状のプレート部320aと、該プレート部320aに対して直交する方向にプレート部320aの内周から延出した筒状の支持部320bとで構成されている。前記プレート部320aは、連結用フランジ部310の凹部313に嵌入した状態で、一方の面(弁体収容室VR側の面)が連結用フランジ部310の一方の面に対して面一になるように厚み設定されている。
【0064】
前記支持部320bは、環状のシート部材4に内嵌されて該シート部材4の内周を支持するもので、先端が弁体収容室VR内にある弁体2に対して所定間隔をあけた状態になり、且つシート部材4の弁体2側の一部が先端よりも弁体2側に突出した状態になるように延出量が設定されている。なお、本実施形態に係るバルブ装置1は、前記受部材320のプレート部320aと連結用フランジ部310との間にOリングSが介装されることで、流体供給路NR内を流通する流体Aの漏れを防止するようになっている。
【0065】
前記ストッパー321は、ハウジング3(本体部300)の内周とシート部材4の外周との間に介装される環状部321aと、該環状部321aの外周全周から外方に延出した環状の外方延出部321bと、前記環状部321aの内周全周から内方に延出した内方延出部321cとで構成されている。本実施形態に係るストッパー321は、外方延出部321bが受部材320側に変位して配置される一方、内方延出部321cは外方延出部321bと反対側に変位して配置されている。そして、該ストッパー321は、外方延出部321bがメインフランジ部301及び本体部300の他端部に形成された大径穴部に嵌合された状態で、メインフランジ部301にサブフレーム31の連結用フランジ部310が固定することで、外方延出部321bが連結用フランジ部310と本体部300の他端開口の周囲に形成される段部(採番しない)とに挟み込まれて固定され、内方延出部321cがシート部材4の弁体2側(弁体収容室VR側)を受部材320のプレート部320a側に押圧するようになっている。
【0066】
前記シート部材4は、環状に形成され、受部材320の支持部320bに外嵌可能になっている。該シート部材4の材質は、流通対象物Tの性状や該バルブ装置1の使用環境に応じて(耐熱や耐薬などを考慮して)選択される。なお、シート部材4は、弁体2の外周面との密性を確保するために、天然ゴム、合成ゴム(ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどの合成ゴム)、四フッ化エチレンゴム樹脂等の弾性材料を主体に成型されることが多い。
【0067】
前記第一ステム5は、ハウジング3の第一ステム挿通部303(第一ステム挿通穴H1)に挿通され、一端側がハウジング3の外側に位置する一方、他端側がハウジング3の内部に位置するようになっている。そして、第一ステム5は、一端部にハンドルやアクチュエータ(図示しない)が取り付けられ、該ハンドル操作やアクチュエータの作動により、軸線L回りで回転するようになっている。そして、第一ステム5の他端部に弁体収容室VR内の弁体2の第一ステム挿入部20に挿入される弁体接続部50が設けられている。
【0068】
該弁体接続部50は、カム状に形成されており、弁体2の非貫通部分(連通路R1の両端開口間にある中実部分)がシート部材4と対向した状態で、第一ステム5全体を軸線L回りの一方向に回転させることで第一ステム挿入部20の内周面を押圧する一方、第一ステム5全体を軸線L回りの他方向に回転させることで第一ステム挿入部20の内周面に対する押圧を解除して弁体2の軸線L回りの回転を許容できるように形状設定されている。
【0069】
前記第二ステム6は、ハウジング3の第二ステム挿通部304(第二ステム挿通穴H2)に挿通され、一端側がハウジング3の外側に位置する一方、他端側がハウジング3の内部に位置するようになっている。該第二ステム6は、一端部にハンドルやアクチュエータ(図示しない)が取り付けられ、該ハンドル操作やアクチュエータの作動により、軸線L回りで回転するようになっている。そして、第二ステム6の他端部には、弁体収容室VR内の弁体2の第二ステム挿入部21に挿入されるトルク伝達部60が設けられている。該トルク伝達部60は、先端部が第二ステム挿入部21の奥部を点支持できるように形成されている。すなわち、トルク伝達部60の先端は、球面状に形成されている。また、該トルク伝達部60は、軸線L回りの回転力を第二ステム挿入部21の内周面(平面)に伝達できるとともに、連通路R1の穴中心及び前記軸線Lに対して交差方向に弁体2が傾倒することを許容できるように形成されている。
【0070】
本実施形態に係るバルブ装置1は、以上の構成からなり、次に、本実施形態に係るバルブ装置1の作動について説明する。
【0071】
上記構成のバルブ装置1は、図2に示す如く、二つの主通路R2,R3が弁体2の連通路R1を介して連通した状態で、一方の主通路R2側から他方の主通路R3側(又は、他方の主通路R3側から一方の主通路R2側)に向けて流通対象物Tの流通が許容される。この状態で、二つの主通路R2,R3と弁体2の連通路R1とが同心又は略同心をなし、弁体2がシート部材4に対して非接触状態になっている。
【0072】
そして、一方の主通路R2側から流通対象物Tを流通させると、該流通対象物Tは、弁体2の連通路R1を介して他方の主通路R3に向けて流通することになる。
【0073】
そして、流通対象物Tの流通を許容した状態から主通路R2,R3を遮断する場合、第一ステム5をそのままの状態で維持させつつ第二ステム6のみを回転させる。そうすると、第二ステム6の回転力が弁体2に伝達され、該弁体2が90°回転することになる。
【0074】
このように第一ステム5を回転させることなく弁体2を回転させるとき、第一ステム5の弁体接続部(カム)50は、第一ステム挿入部20の内周面を押圧しない状態(弁体2を傾動させるような付勢を作用させない状態)で維持し、弁体2は、シート部材4に対して非接触状態のままで維持しつつ所定の軸線L周りで回転し、該弁体2の非貫通部分が一方の主通路R2(シート部材4)に対して隙間をあけた状態で対向するとともに、第二ステム6のトルク伝達部60を支点にしてシート部材4側への傾動が許容された状態になる。
【0075】
この状態で、第一ステム5を回転させると、図3に示す如く、弁体接続部(カム)50が第一ステム挿入部20の内周面を押圧して該弁体2をシート部材4側に付勢し、その付勢で弁体2が傾動しようとする。このとき、第二ステム6の先端(弁体2を支持した支持点)を傾動支点にして弁体2が傾動し、弁体2が所定量傾動した状態で、弁体2の非貫通部分がシート部材4に圧接して弁体2とハウジング3との間がシールされる結果、一方の主通路R2(二つの主通路R2,R3間)が遮断され、流通対象物Tの流通が阻止されることになる。
【0076】
そして、この状態から流通対象物Tを流通する状態に切り換えるには、第一ステム5を逆回転(弁体2をシート部材4側に変位させる場合とは反対側に回転)させると、第一ステム挿通部303に対する弁体接続部(カム)50の当接位置が変わり、傾倒していた弁体2が起きてシート部材4から離間することになる。
【0077】
その結果、弁体2が元の位置に復帰し、弁体2とシート部材4とが非接触状態(略一定の間隔)に戻ることになる(図2参照)。そして、第一ステム5を回転させることなく第二ステム6を逆回転(弁体2の非貫通部分をシート部材4と対向させる場合とは反対側に回転)させると、弁体2がシート部材4に対して非接触状態で回転し、二つの主通路R2,R3が弁体2の連通路R1を介して連通して流通対象物Tの流通を許容した状態に戻ることになる。
【0078】
このように、本実施形態に係るバルブ装置1は、弁体2の回転及び傾倒で主通路R2,R3の開放と遮断とを切り換えることができるが、上述の如く、流通対象物Tを流通させるときに弁体2がシート部材4と離間しているため、流通対象物Tの性状によっては、連通路R1だけでなく弁体2とシート部材4との間、弁体収容室VR内(ハウジング3の本体部300の内面と弁体2の外面との間)を通過して他方の主通路R3に流れることがある。そのため、流通対象物Tを流通に伴い、該流通対象物Tが弁体2の外面やシート部材4の外面に付着したり、流通対象物Tが弁体2とシート部材4との隙間よりも大きいと弁体収容室VRに向けて通過できず、弁体2とシート部材4とに引っ掛かってしまったりすることがある。
【0079】
これに伴い、本実施形態に係るバルブ装置1は、図5(a)及び図5(b)に示す如く、開放した主通路R2,R3を遮断する前段で、高圧な流体Aを外部から流体供給路NRに供給し、該流体Aをノズル隙間NOから弁体2とシート部材4との間に向けて放出させることで、弁体2やシート部材4に付着したり弁体2とシート部材4との間に引っ掛かったりした流通対象物Tを除去するようになっている。
【0080】
具体的に説明すると、本実施形態に係るバルブ装置1は、外部から供給される流体Aをシート部材4と弁体2との間に向けて放出させる環状の流体供給路NRが主通路R2,R3の内周に沿って形成され、弁体2がシート部材4から離間した状態で流体供給路NRから流体Aを放出させるように構成されているため、図5(a)に示す如く、流体供給路NR(ノズル隙間NO)から放出した流体Aの圧力により、弁体2の連通路R1の周囲及びシート部材4の外面(環状の領域)に付着した流通対象物Tが吹き飛ばされることになる。このとき、環状のシート部材4に包囲された領域内にある付着物であって、弁体2とシート部材4との隙間よりも小さな付着物は、流体Aの圧力で吹き飛ばされ、連通路R1内、或いは、弁体2とシート部材4との間を通って下流側に排出されることになる。
【0081】
これに対して、環状のシート部材4に包囲された領域内にある付着物であって、弁体2とシート部材4との隙間よりも大きな付着物(流通対象物T)は、弁体2とシート部材4との間を通過することができないが、流体供給路NR(ノズル隙間NO)から放出される流体Aの圧力の作用で逃路22,22を通って連通路R1に向けて吹き飛ばされることになる。
【0082】
すなわち、本実施形態に係るバルブ装置1は、外部から供給される流体Aを筒状の流体供給路NRからシート部材4と弁体2との間に向けて放出させることで、逃路22,22と対応する位置にある流通対象物Tは、流体Aの圧力の作用で逃路22,22の連通路R1で開放した部分を介して連通路R1内又は弁体収容室30内に排出され(吹き飛ばされ)、弁体2とシート部材4との間に存在する流通対象物Tは、流体Aに押されてシート部材4の内周に沿って移動した上でシート部材4との間隔が拡大する逃路22,22に到達すると、流体Aの圧力の作用で逃路22,22の開放した部分を介して連通路R1内又は弁体収容室30内に排出される(吹き飛ばされる)ことになる。
【0083】
本実施形態に係るバルブ装置1は、逃路22,22が連通路R1の開口の径方向に延びる溝状に形成されて一端が連通路R1に開放し、他端が外部に開放しているため、逃路22,22と対応する位置にある流通対象物Tや、流体Aに押されて逃路22,22に到達した流通対象物T(固形物や異物)を、流体供給路NRから放出させた流体Aの圧力作用で、連通路R1側だけでなく弁体2の外側にも排出される。
【0084】
特に、本実施形態に係るバルブ装置1は、前記逃路22,22を画定する底面22a(主通路R2,R3の遮断時にシート部材4側に向く底面22a)が連通路R1に向かうにつれて先下りに傾斜して形成されることで、逃路22,22の深さが連通路R1側ほど深くなっているため、多くの流通対象物Tが逃路22,22の底面22aに案内されて連通路R1に導かれることになる。
【0085】
このように、本実施形態に係るバルブ装置1は、弁体2の連通路R1回りに存在する流通対象物Tを除去できるが、流通対象物Tの流通圧や流体供給路NRからの流体Aの圧力の作用で流通対象物Tが弁体2とシート部材4との間に入り込んだ状態(食い込んだ状態)になることがある。そのため、流体供給路NRからの流体Aでの圧力では弁体2とシート部材4との間に入り込んだ流通対象物Tが除去されないことがあるが、本実施形態に係るバルブ装置1は、弁体2に形成される一対の逃路22,22が開口の両側で軸線方向に一列に並んで形成されているため、軸線方向の連通路R1の開口の両側に流通対象物Tが残った場合、流体供給路NRから弁体2側に流体Aを放出させつつ弁体2を軸線L回りで回転させることで、連通路R1の開口の両側に残った流通対象物Tを確実に除去することができる。
【0086】
具体的に説明すると、弁体2に貫通した連通路R1が形成されると、突出する部分が除去されて連通路R1の開口端の全周が軸線Lと平行な仮想平面VS上に位置することになる(図4(c)参照)ため、図5(b)に示す如く、弁体2が軸線L回りで回転するとき(弁体2の連通路R1と主通路R2,R3とが連通した状態と弁体2の非貫通部分が主通路R2,R3と対向した状態とに切り換えるとき)に、その過程において、連通路R1の開口端とシート部材4との間隔が一時的に広くなる。
【0087】
従って、流体供給路NRの流体Aを放出しつつ弁体2を回転させることで、連通路R1の開口が通過する移動軌跡上に残った流通対象物T(固体や異物)は、連通路R1の開口端とシート部材4との間隔が広くなったときに、弁体2とシート部材4とによる挟み込みが解除され、流体Aの圧力で連通路R1内或いは弁体収容室VRに向けて吹き飛ばされることになる。
【0088】
そして、従来のバルブ装置1では、弁体2が軸線L回りで回転するとき(弁体2の連通路R1と主通路R2,R3とが連通した状態と弁体2の非貫通部分が主通路R2,R3と対向した状態とに切り換えるとき)に、軸線方向での連通路R1(開口)の両側とシート部材4との間隔が一定に保たれるため、その部分に残る流通対象物T(固体や異物)は、弁体2とシート部材4とに挟み込まれた状態で維持されてしまうが、本実施形態に係るバルブ装置1は、軸線方向での連通路R1(開口)の両側とシート部材4との間に存在する流通対象物T(固体や異物)も確実に除去することができる。
【0089】
具体的に説明すると、本実施形態に係るバルブ装置1は、凹状の逃路22,22が前記軸線方向で一列に並ぶように連通路R1の開口の両側に形成されているため、図1及び図5(a)に示す如く、弁体2の連通路R1が一方の主通路R2と連通した状態で、軸線方向における連通路R1(開口)の両側とシート部材4との間隔が他の部分よりも広くなる。これにより、当該部分で流通対象物Tが弁体2とシート部材4との間に挟まりにくくなり、流体供給路NR(ノズル隙間NO)から放出される流体Aの圧力で吹き飛ばす(除去する)ことができる。
【0090】
また、弁体2の連通路R1が一方の主通路R2と連通した状態で、逃路22の底部22aとシート部材4との間隔が均一になるが、図5(b)に示す如く、弁体2を軸線L回りで回転させたときに弁体2(逃路22の底面22a)とシート部材4との間隔が広がることになる。
【0091】
これにより、本実施形態に係るバルブ装置1は、弁体2の連通路R1が一方の主通路R2と連通した状態で仮に軸線方向における連通路R1(開口)の両側(逃溝22の底面22a)とシート部材4との間に流体対象物Tが挟まっても、流体供給路NRから流体Aを放出させつつ弁体2を回転させることで、連通路R1の開口端とシート部材4との間隔が広くなったときに、軸線方向における連通路R1(開口)の両側とシート部材4とによる流通対象物Tの挟み込みを解除することができ、該流通対象物Tを流体Aの圧力で連通路R1内或いは弁体収容室VRに向けて吹き飛ばすことができる。
【0092】
従って、本実施形態に係るバルブ装置1は、弁体2の連通路R1の周囲に付着した流通対象物Tだけでなく、弁体2とシート部材4との間に入り込んだ(食い込んだ)流通対象物Tも確実に除去することができるため、弁体2とシート部材4との間のシール性能を確実に担保することができる。
【0093】
尚、本発明のバルブ装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0094】
上記実施形態において、シート部材4を一定位置に固定するようにしたが、これに限定されるものでなかく、例えば、シート部材4を主通路R2の穴中心方向に移動可能に設けるとともに、該シート部材4を弁体2側に付勢する付勢手段を設けるようにしてもよい。このようにすれば、弁体2がシート部材4に圧接するときに常時付勢手段の付勢力が作用するため、弁体2とシート部材4との間のシール性能を高めることができる。
【0095】
そして、本実施形態において、環状の流体供給路NRを形成して高圧の流体Aを筒状部311の内周に沿って流通させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ハウジング3内にシート部材4を移動可能に収容するスペースを形成し、該スペース内に流体Aを供給可能に構成するとともに、前記スペースに収容されたシート部材4の内周又は外周とハウジング3の内面との間に弁体2に向けて流体Aを放出させる流体供給路R(ノズル隙間NO)を形成してもよい。特に、上述の如く、シート部材4を弁体側に付勢する付勢手段を設ける場合、シート部材4及び付勢手段を収容するスペースに流体Aを供給すれば、流体供給路NR(ノズル隙間NO)を介して当該スペース内に入り込んだ粉塵等の異物を排出することもできる。
【0096】
また、上記実施形態において、二つの主通路R2,R3の形成された二方弁を一例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、弁体収容室VR回りに三つ以上の主通路の形成された分岐用のバルブ装置であってもよい。
【0097】
そして、上記実施形態において、一方の主通路R2の開口回りにシート部材4を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、両主通路R2,R3(全ての主通路R2,R3)に対応するようにシート部材4を設けるようにしてもよい。
【0098】
上記実施形態において、一対の逃路22,22を弁体2の回転中心となる軸線方向で一列になるように配設したが、これに限定されるものではなく、弁体2の連通路R1回りの何れか一カ所に逃路22を設けるようにしてもよい。このようにしても流体供給路NRから放出される流体Aの圧力で流通対象物Tを移動させて逃路22,22経由で連通路R1又は弁体収容室VRに排出することができる。
【0099】
上記実施形態において、逃路22,22の両端が連通路R1及び弁体収容室VRに向けて開放することを前提に、逃路22,22の底面22aを連通路R1側に向けて先下りに形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、逃路22,22の底面22aを連通路R1の穴中心と直交する方向に延びる平面で構成してもよい。このようにしても、流体供給路NRから放出される流体Aの圧力で流通対象物Tを移動させて逃路22,22経由で確実に連通路R1及び弁体収容室VRに排出することができる。
【0100】
上記実施形態において、逃路22,22の両端を連通路R1及び弁体収容室VRに向けて開放させるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、逃路22の一端のみを連通路R1に向けて開放させたり、逃路22の他端のみを弁体収容室VRに向けて開放させたりしてもよい。すなわち、逃路22は、連通路R1の開口と同方向に開放するとともに連通穴R1及び弁体収容室VRの少なくとも何れか一方に向けて開放した凹状に形成されればよい。但し、逃路22の他端のみを弁体収容室VRに向けて開放させると、除去された流通対象物Tが弁体2とハウジング3との間の隙間を通過することになるため、当該流通対象物Tが弁体2の外面に再付着する可能性があるため、逃路22の何れか一方の端部を開放させる場合、連通路R1に向けて開放させることが好ましいことは言うまでもない。また、何れの場合においても、逃路22,22は、シート部材4と対向する環状の領域と重複するように形成することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1…バルブ装置、2…弁体、3…ハウジング、4…シート部材、5…第一ステム、6…第二ステム、20…第一ステム挿入部、21…第二ステム挿入部、22…逃路、22a…底面、22b…側面、30…メインフレーム、31…サブフレーム、32…シート部材固定手段、33…第一押圧部材、34…第二押圧部材、35…通路形成部材、50…弁体接続部、60…トルク伝達部、300…本体部、301…メインフランジ部、302…主通路形成部、303…第一ステム挿通部、303a…一方の部分、303b…他方の部分、304…第二ステム挿通部、304a…一方の部分、304b…他方の部分、310…連結用フランジ部、311…筒状部、312…配管接続用フランジ部、313…凹部、314…配管接続部、315…凹部、320…受部材、320a…プレート部、320b…支持部、321…ストッパー、321a…環状部、321b…外方延出部、321c…内方延出部、330…押圧部、331…鍔部、340…押圧部、341…鍔部、350…通路形成部、350a…大径筒部、350b…小径筒部、351…環状鍔部、C1,C2…ブッシュ、F…フランジ、G…ガスケット、H1…第一ステム挿通穴、H2…第二ステム挿通穴、L…軸線、NO…ノズル隙間、NR…流体供給路、O…間に、P…配管、R1…連通路、R2…主通路、R2,R3…主通路、R2,R3…両主通路、R3…主通路、S…Oリング、SH…貫通穴、VL1,VL2…仮想線、VR…弁体収容室、θ…角度、A…流体、T…流通対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸線回りで回転可能に設けられるとともに、前記所定の軸線と直交又は略直交する仮想面上を通って貫通する連通路が形成された弁体と、該弁体を収容する弁体収容室が形成されるとともに、弁体収容室内の弁体の連通路を介して互いに連通する少なくとも二つの主通路が形成されたハウジングと、前記主通路同士を連通させた弁体の連通路周りと対向するように、少なくとも何れか一つの主通路に対応させてハウジング内に配置された環状のシート部材とを備え、前記弁体は、シート部材に非接触な状態で前記所定の軸線を回転中心にして回転可能に構成されるとともに当該弁体の非貫通部分がシート部材と対向した状態でシート部材側に傾動してシート部材に圧接するように構成され、前記ハウジング内には、主通路回りで弁体収容室側に向けて開放した環状の流体供給路が形成され、少なくとも弁体とシート部材とが非接触な状態で、外部から供給された流体を流体供給路の開放部分から弁体収容室側に放出させるように構成されたバルブ装置において、前記弁体は、前記連通路回りの少なくとも一カ所に、連通路の開口と同方向に開放するとともに連通穴及び弁体収容室の少なくとも何れか一方に向けて開放した凹状の逃路が形成されていることを特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
前記逃路は、前記連通路の径方向に延びる溝状をなし、前記径方向の一端が連通路に開放するとともに該径方向の他端が弁体収容室に開放するように形成されている請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記逃路は、主通路の遮断時にシート部材側に向く底面が連通穴に向かうにつれて先下りに傾斜して形成されている請求項2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記逃路は、前記軸線の延びる方向で一列に並ぶように連通路の開口の両側に形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−145154(P2012−145154A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3033(P2011−3033)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】