説明

バレルメッキ装置,バレルメッキ方法及びバレルバッグ

【課題】 難溶性錯体の発生を防止して所期のメッキ処理を効果的に行うことができるバレルメッキ装置を提供する。
【解決手段】 メッキ槽1内に挿入されたバレル3をその回転を妨げないようにイオン透過性のバレルバッグ6で覆うようにしてあるので、メッキ処理時の印加電力の電流値を高めても、アノードをアノードバッグで覆った従前の装置のようにメッキ処理時にスライムとは異なる難溶性錯体が各アノード2で発生することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに所定の金属膜を形成するためのバレルメッキ装置及びバレルメッキ方法とこれら装置及び方法に有用なバレルバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
バレルメッキ装置は、カソードが設けられたバレルと、バレルを回転自在に支持する上下移動可能なハンガーと、アノードが設けられたメッキ槽とを備える。一般にアノードには金属塊を収容可能な籠状のものが2つ用いられ、この2つのアノードはメッキ槽内に挿入されたバレルの両側に位置するようにメッキ槽内に着脱自在に配置されている。
【0003】
このバレルメッキ装置によって所期のメッキ処理を行うときには、金属塊を収容した各アノードをメッキ槽内の所定位置に挿入してメッキ液に浸漬すると共にワークを収容したバレルをハンガー降下によりメッキ槽内の所定位置に挿入してメッキ液に浸漬した後、バレルを所定方向に回転させながらバレル内のカソードとメッキ槽内の2つのアノードとの間に所定の直流電力を印加する。メッキ処理完了後は、電力印加を停止すると共にハンガー上昇によりバレルをメッキ槽から抜き出して、抜き出したバレルを洗浄等の次工程に移行させる。
【特許文献1】特開2000−192299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のメッキ処理時には、アノードに収容された金属塊から発生するスライム(不溶性残渣)によりメッキ液が汚れて品質低下を招くことを防止するために、アノードをイオン透過性の濾布(アノードバッグ)で覆ってスライムがメッキ液に拡散することを防止している。
【0005】
しかし、アノードをアノードバッグで覆った状態でメッキ処理を行うと、スライムとは異なるピロリン酸銅のような難溶性錯体がアノードで発生する。因みに、難溶性錯体の発生量は、印加電力の電流値を高めると増加する傾向にある。この難溶性錯体の発生原因は定かではないが、アノードバッグ内におけるメッキ液の循環性が低下し該循環性低下によってアノードバッグ内におけるキレート成分の濃度が低下し、且つ、金属成分の濃度が上昇すること等がその原因として考えられる。
【0006】
つまり、アノードを覆うアノードバッグ内にはスライムの他に難溶性錯体も存在することになるため、スライムのみが発生する場合に比べてアノードバッグに短時間で目詰まりを生じてメッキ処理効率が著しく低下する。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、難溶性錯体の発生を防止して所期のメッキ処理を効果的に行うことができるバレルメッキ装置及びバレルメッキ方法とこれら装置及び方法に有用なバレルバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明のバレルメッキ装置は、カソードが設けられたバレルと、バレルを回転自在に支持する上下移動可能なハンガーと、アノードが設けられたメッキ槽とを備えたバレルメッキ装置において、メッキ槽内に挿入されたバレルをその回転を妨げないように覆うイオン透過性のバレルバッグを具備する、ことをその特徴とする。
【0009】
また、本発明のバレルメッキ方法は、メッキ槽内のメッキ液に浸漬されたバレルをその回転を妨げないようにイオン透過性のバレルバッグで覆い、バレルを回転させながらバレル内のカソードとメッキ槽内のアノードとの間に所定の直流電力を印加することによりバレル内のワークに所定のメッキ処理を行う、ことをその特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のバレルバッグは、バレルメッキ装置のメッキ槽内に挿入されたバレルをその回転を妨げないように覆うことが可能で、メッキ処理時のイオン透過を許容し得る、ことをその特徴とする。
【0011】
本発明によれば、メッキ槽内に挿入されたバレルをその回転を妨げないようにイオン透過性のバレルバッグで覆うようにしてあるので、メッキ処理時の印加電力の電流値を高めても、アノードをアノードバッグで覆った従前の装置及び方法のようにメッキ処理時にスライムとは異なる難溶性錯体がアノードで発生することを防止できる。また、メッキ処理時には従前と同様にアノードにスライムが発生するが、バレルはバレルバッグによって覆われているため、メッキ槽内の液流によってスライムがメッキ液に拡散したとしても、バレルバッグ内及びバレル内にスライムが侵入することを防止できる。さらに、バレルはバレルバッグ内で所定方向に回転するため、この回転に伴ってバレルバック内に生じる液流によりバレルバッグ内へのメッキ液の流入並びにバレルバッグ外へのメッキ液の流出を効果的に行って、バレルバック内及びバレル内にメッキ液が滞留することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、難溶性錯体の発生を防止して所期のメッキ処理を効果的に行うことができるバレルメッキ装置及びバレルメッキ方法とこれら装置及び方法に有用なバレルバッグを提供することができる。
【0013】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図で、図中の符号1はメッキ槽、2はアノード、3はバレル、4はカソード、5はハンガー、6はバレルバッグ、7は底板、8は支持棒、Wはワーク、PFはメッキ液である。
【0015】
アノード2は上面を開口した籠状を成し、メッキ処理に適合した材質の金属塊が収容されている。アノード2は同形状のものが2つ用いられ、この2つのアノード2はメッキ槽1内に挿入されたバレル3の両側に位置するようにメッキ槽1内に着脱自在に配置されている。
【0016】
バレル3は周面に複数の窓穴を有する筒状筐体と各窓穴を塞ぐイオン透過性のメッシュ材とから構成され、その両端をハンガー5に回転自在に支持されている。バレル3内にはクランク状或いは櫛歯状のカソード4が設けられている。このカソード4の両端はハンガー5に固定されていて、バレル3が回転してもカソード4は回転しない。
【0017】
ハンガー5は図示省略の移動機構による上下移動並びに水平移動を可能としている。このハンガー5にはモータ及び減速機を含む図示省略の駆動機構が設けられ、バレル3はこの駆動機構により回転駆動される。
【0018】
バレルバッグ6は、図2に示すように、イオン透過性のメッシュ材から4つの側面と底面とを有する袋状に形成されている。また、バレルバッグ6の上端の対向する2辺には、環状の被支持部6aが間隔をおいて複数個設けられている。図面では被支持部6aとして幅を有するものを示してあるが、支持棒8を挿通できるものであればその幅及び大きさは任意である。この被支持部6aは基本的にはメッキ液PFに浸漬されない部位であるためその材質に特段の制限はないが、メッキ液PFが付着しても変質や劣化を生じない材料から形成しておくことが好ましい。さらに、バレルバッグ6内の底面上にはバレルバッグ6の形状を直方体形状に保つための矩形状の底板7が設けられている。この底板7はメッキ液PFに耐性を有するプラスチックや金属等から成り、その重量によってバレルバッグ6の形状を直方体形状に保ち得る。
【0019】
支持棒8は同形状のものが2つ設けられ、図2に示すように、一方の支持棒8はバレルバッグ6の上端1辺に設けられた複数の被支持部6aに挿通され、他方の支持棒8はバレルバッグ6の上端他辺に設けられた複数の被支持部6aに挿通されている。この各支持棒8はメッキ液PFに耐性を有するプラスチックや金属等から成る。因みに、図2には、図示の便宜上、支持棒8を1つだけ示してある。各支持棒8は挿通後にその両端がバレルバッグ6から充分に突出する長さを有しているため、両端突出部分をメッキ槽1の上端の対向する2辺に架け渡すことができる。
【0020】
このバレルメッキ装置によって所期のメッキ処理を行うときには、図1に示すように、金属塊を収容した各アノード2をメッキ槽1内の所定位置に挿入してメッキ液PFに浸漬する。また、2つの支持棒8が被支持部6aに挿通され、且つ、底板7が入れられたバレルバッグ6をメッキ槽1内の所定位置に挿入してメッキ液PFに浸漬する。バレルバッグ6は2つの支持棒8に吊り下げられた状態にあるため、その挿入深さは2つの支持棒8の両端突出部分とメッキ槽1の上端との接触により制限されることになる。さらに、ワークWを収容したバレル3をハンガー降下によりバレルバッグ6の内側に挿入してメッキ液PFに浸漬する。
【0021】
そして、バレル3を所定方向に回転させながらバレル3内のカソード4とメッキ槽1内の2つのアノード2との間に所定の直流電力を印加する。バレルバッグ6とその内側に挿入されたバレル3との間には適当な間隔が形成されているので、バレル3の回転がバレルバッグ6によって妨げられることはない。メッキ処理完了後は、電力印加を停止すると共にハンガー上昇によりバレル3をメッキ槽1から抜き出して、抜き出したバレル3を洗浄等の次工程に移行させる。
【0022】
前記のバレルメッキ装置及びバレルメッキ方法にあっては、メッキ槽1内に挿入されたバレル3をその回転を妨げないようにイオン透過性のバレルバッグ6で覆うようにしてあるので、メッキ処理時の印加電力の電流値を高めても、アノードをアノードバッグで覆った従前の装置及び方法のようにメッキ処理時にスライムとは異なる難溶性錯体が各アノード2で発生することを防止できる。
【0023】
また、メッキ処理時には従前と同様に各アノード2にスライムが発生するが、バレル3はバレルバッグ6によって覆われているため、メッキ槽1内の液流によってスライムがメッキ液PFに拡散したとしても、バレルバッグ6内及びバレル3内にスライムが侵入することを防止できる。
【0024】
さらに、バレル3はバレルバッグ6内で所定方向に回転するため、この回転に伴ってバレルバック6内に生じる液流によりバレルバッグ6内へのメッキ液PFの流入並びにバレルバッグ6外へのメッキ液PFの流出を効果的に行って、バレルバック6内及びバレル3内にメッキ液PFが滞留することを防止できる。
【0025】
従って、メッキ処理効率が低下することを防止して所期のメッキ処理を効果的に行うことができると共に、メッキ処理の迅速化を図るために印加電力の電流値を高めても特段の支障を生じ得ない。
【0026】
尚、図1及び図2にはバレルバッグ6の形状を直方体形状に保つための形状保持手段として矩形状の底板7を例示したが、図3に示すような多数の孔7aを有する底板7-1をその代わりに用いてもよい。このような孔7aを有する底板7-1を用いればバレルバッグ6の底部におけるメッキ液PFの流入及び流出を孔7aを通じて効果的に行える。勿論、孔7aの形状は円形に限らず多角形や楕円等の任意の形状が適宜採用可能であるし、その個数も適宜増減して構わない。また、網状の平板を底板として用いても同様の作用が得られる。
【0027】
また、図1及び図2にはバレルバッグ6の形状を直方体形状に保つための形状保持手段として矩形状の底板7を例示したが、図4に示すような直方体形状の枠材10をその代わりに用いてもよい。この枠材10は12本の棒を組み合わせて直方体状にしたものであり、上端の対向する2辺を構成する各棒には枠材10をメッキ槽1の上端の対向する2辺に架け渡すための延長部分10aが設けられている。一方、この枠材10に適合するバレルバッグ9の上端の対向する2辺と下端の対向する2辺には、環状の被支持部9aが間隔をおいて複数個設けられている。枠材10の上端の対向する2辺を構成する各棒はバレルバッグ9の上端2辺に設けられた複数の被支持部9aにそれぞれ挿通し係合され、枠材10の下端の対向する2辺を構成する各棒はバレルバッグ9の下端2辺に設けられた複数の被支持部9aにそれぞれ挿通し係合されている。このような枠材10を用いてもバレルバッグ9の形状を直方体形状に保つことが可能であり、枠材10の延長部分10aとメッキ槽1の上端との接触によりバレルバッグ9のメッキ槽1内への挿入深さを制限できる。
【0028】
[第2実施形態]
図5は本発明の第2実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図で、図中の符号1はメッキ槽、2はアノード、3はバレル、4はカソード、5はハンガー、8は支持棒、11はバレルバッグ、12は底板、Wはワーク、PFはメッキ液である。
【0029】
この第2実施形態が前述の第1実施形態と異なるところは、バレルバッグ11及び底板12の形状にある。他の構成は第1実施形態と同じであるのでここでの説明を省略する。
【0030】
バレルバッグ11は、図6に示すように、イオン透過性のメッシュ材から4つの側面と湾曲した底面とを有する袋状に形成されている。また、バレルバッグ11の上端の対向する2辺には、環状の被支持部11aが間隔をおいて複数個設けられている。図面では被支持部11aとして幅を有するものを示してあるが、支持棒8を挿通できるものであればその幅及び大きさは任意である。この被支持部11aは基本的にはメッキ液PFに浸漬されない部位であるためその材質に特段の制限はないが、メッキ液PFが付着しても変質や劣化を生じない材料から形成しておくことが好ましい。さらに、バレルバッグ11の底面上にはバレルバッグ11の形状を直方体形状に保つための矩形状で湾曲した底板12が設けられている。この底板12はメッキ液PFに耐性を有するプラスチックや金属等から成り、その重量によってバレルバッグ11の形状を略直方体形状に保ち得る。
【0031】
このバレルバック11は、第1実施形態と同様に、2つの支持棒8を被支持部11aに挿通し、且つ、底板12を入れた状態でメッキ槽1内の所定位置に挿入されメッキ液PFに浸漬される。バレルバック11の挿入深さは2つの支持棒8の両端突出部分とメッキ槽1の上端との接触により制限されることになる。
【0032】
図5に示すように、バレル3とバレルバッグ11の底面とが近接する場合には、バレルバッグ11の底面の曲率半径をバレル3の半径よりも大きくし、且つ、底面の曲率中心をバレル3の回転中心と一致させるような形態を採用してもよい。このようにすれば、バレルバッグ11の底面とバレル3との間隔を一定にしてバレル3の回転に伴うバレルバッグ11内の液流を均一化することができる。
【0033】
前記のバレルメッキ装置によって実現されるバレルメッキ方法は第1実施形態と同じあり、同装置及び方法によっても第1実施形態の装置及び方法と同様の作用効果が得られる。
【0034】
尚、図5及び図6にはバレルバッグ11の形状を略直方体形状に保つための形状保持手段として矩形状で湾曲した底板12を例示したが、図7に示すような矩形状の孔12aを有する底板12-1をその代わりに用いてもよい。このような孔12aを有する底板12を用いればバレルバッグ12の底部におけるメッキ液PFの流入及び流出を孔12aを通じて効果的に行える。勿論、孔12aの形状は矩形に限らず他の多角形や楕円等の任意の形状が適宜採用可能であるし、その個数も適宜増加して構わない。また、網状の湾曲板を底板として用いても同様の作用が得られる。
【0035】
[第3実施形態]
図8は本発明の第3実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図で、図中の符号1はメッキ槽、2はアノード、3はバレル、4はカソード、5はハンガー、6はバレルバッグ、7は底板、8は支持棒、Wはワーク、PFはメッキ液、20はスライム除去装置である。
【0036】
この第3実施形態が前述の第1実施形態と異なるところは、スライム除去装置20を設けた点にある。他の構成は第1実施形態と同じであるのでここでの説明を省略する。
【0037】
スライム除去装置20は、一端をメッキ槽1内の底部に差し込まれた吸引管21と、吸引管21の他端にその吸入口を接続されたポンプ22と、ポンプ22の吐出口にその入口
を接続された濾過器23と、濾過器23の出口にその一端を接続され他端をメッキ槽1内に差し込まれた戻し管24とを備える。
【0038】
吸引管21のメッキ槽1の底部に位置する部分にはスライム等を吸引するための複数の吸引口(図示省略)が設けられている。各吸引口の吸引力が均等になるように複数の吸引口の口径は図中左側から右側に向かって徐々に小さくなっている。また、濾過器23にはスライム及びスラッジを除去するためのフィルタが内蔵されている。
【0039】
ポンプ21を作動させると、メッキ槽1内の底部に存するスライム及びスラッジがメッキ液PFと一緒に吸引管21に吸い込まれ、ポンプ22を介して濾過器23に送り込まれる。濾過器23ではスライム混入のメッキ液PFからスライム及びスラッジが除去され、これらを含まないメッキ液PFが戻し管24を通じてメッキ槽1内に戻される。この浄化動作はメッキ処理時に継続して行ってもよいし、所定時間毎に行うようにしてもよい。
【0040】
前記のバレルメッキ装置によって実現されるバレルメッキ方法は第1実施形態と同じあり、同装置及び方法によっても第1実施形態の装置及び方法と同様の作用効果が得られる。また、スライム除去装置20の動作によってメッキ液PFからスライム及びスラッジを除去できるので、各アノード2で発生したスライムがメッキ槽1内の液流によってメッキ液PFに拡散することを防止できると共に、メッキ液PFに含まれるスライム及びスラッジの量を低減してメッキ処理効率をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図である。
【図2】図1に示したバレルバック,底板及び支持棒の斜視図である。
【図3】図1に示した底板の変形例を示す底板の斜視図である。
【図4】図1に示した底板の代わりとなる枠材とこれに適合するバレルバッグの斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図である。
【図6】図5に示したバレルバック,底板及び支持棒の斜視図である。
【図7】図1に示した底板の変形例を示す底板の斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示すバレルメッキ装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1…メッキ槽、2…アノード、3…バレル、4…カソード、5…ハンガー、6…バレルバッグ、7,7-1…底板、8…支持棒、W…ワーク、PF…メッキ液、9…バレルバッグ、10…枠材、11…バレルバッグ、12,12-1…底板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードが設けられたバレルと、バレルを回転自在に支持する上下移動可能なハンガーと、アノードが設けられたメッキ槽とを備えたバレルメッキ装置において、
メッキ槽内に挿入されたバレルをその回転を妨げないように覆うイオン透過性のバレルバッグを具備する、
ことを特徴とするバレルメッキ装置。
【請求項2】
バレルバッグは支持部材に吊り下げられた状態でメッキ槽内に配置され得る、
ことを特徴とする請求項1に記載のバレルメッキ装置。
【請求項3】
バレルバッグの形状を所定形状に保つための形状保持手段を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のバレルメッキ装置。
【請求項4】
形状保持手段はバレルバッグ内に入れられた底板から成る、
ことを特徴とする請求項3に記載のバレルメッキ装置。
【請求項5】
形状保持手段はバレルバッグを囲みバレルバッグと部分的に係合した枠材から成る、
ことを特徴とする請求項3に記載のバレルメッキ装置。
【請求項6】
メッキ槽内のメッキ液に浸漬されたバレルをその回転を妨げないようにイオン透過性のバレルバッグで覆い、
バレルを回転させながらバレル内のカソードとメッキ槽内のアノードとの間に所定の直流電力を印加することによりバレル内のワークに所定のメッキ処理を行う、
ことを特徴とするバレルメッキ方法。
【請求項7】
バレルバッグは支持部材に吊り下げられた状態でメッキ槽内に配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のバレルメッキ方法。
【請求項8】
バレルバッグの形状を所定形状に保つための形状保持手段を用いる、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のバレルメッキ方法。
【請求項9】
形状保持手段はバレルバッグ内に入れられた底板から成る、
ことを特徴とする請求項8に記載のバレルメッキ方法。
【請求項10】
形状保持手段はバレルバッグを囲みバレルバッグと部分的に係合した枠材から成る、
ことを特徴とする請求項8に記載のバレルメッキ方法。
【請求項11】
バレルメッキ装置のメッキ槽内に挿入されたバレルをその回転を妨げないように覆うことが可能で、メッキ処理時のイオン透過を許容し得る、
ことを特徴とするバレルバッグ。
【請求項12】
バレルバッグは支持部材に吊り下げられた状態でメッキ槽内に配置され得る、
ことを特徴とする請求項11に記載のバレルバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−233291(P2006−233291A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50785(P2005−50785)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)