説明

バンパ搬送装置

【課題】搬送中にバンパに外傷が発生することを防止できるバンパ搬送装置を提供すること。
【解決手段】所定方向に移動可能な搬送路100の上面に所定間隔をあけて配置されバンパ110を支持する一対のバンパ支持部材10を有するバンパ搬送装置1であって、一対のバンパ支持部材10それぞれは、搬送路100の上面に配置される柱状の支持部20と、バンパ110が載置されるバンパ載置部31及びバンパ載置部31に連結されるアーム部32を有するハンガ部30と、支持部20の上端側とアーム部32の上端側とを連結すると共に、ハンガ部30を支持部20に揺動自在に連結する連結部40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンパ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の製造ラインにおいて、車体を構成するバンパは、バンパが載置されるハンガを備えるバンパ搬送装置に支持された状態で所定方向に搬送される(例えば、特許文献1参照)。そして、バンパ搬送装置に支持されて搬送されるバンパには、フォグランプやライセンスプレート等の各種の部品が組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−289975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製造される自動車の車種によって、バンパの大きさや形状は異なるので、一つの製造ラインにおいて複数種類の車種を製造する場合には、複数の形状や大きさの異なるバンパがバンパ搬送装置に支持されることになる。そのため、従来のバンパ搬送装置では、バンパの形状や大きさによっては、ハンガにバンパをバランスよく載置できず、搬送中にバンパが傾いて他の部材に接触し、バンパに外傷が発生してしまう場合があった。
【0005】
また、搬送中にバンパに部品が組み付けられるとバンパの重心の位置は変わる。このように、バンパの重心の位置が変わった場合にも、ハンガに載置されたバンパが傾いて他の部材に接触し、バンパに外傷が発生してしまう場合があった。
【0006】
従って、本発明は、搬送中にバンパに外傷が発生することを防止できるバンパ搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定方向に移動可能な搬送路の上面に所定の間隔をあけて配置されバンパを支持する一対のバンパ支持部材を有するバンパ搬送装置であって、前記一対のバンパ支持部材それぞれは、前記搬送路の上面に配置される柱状の支持部と、前記バンパが載置されるバンパ載置部及び該バンパ載置部に連結されるアーム部を有するハンガ部と、前記支持部の上端側と前記アーム部の上端側とを連結すると共に、前記ハンガ部を前記支持部に揺動自在に連結する連結部と、を備えるバンパ搬送装置に関する。
【0008】
また、前記一対のバンパ支持部材は、前記搬送路の移動方向に所定間隔をあけて配置され、前記搬送路の移動方向に延びて配置されるガイドレールと、前記支持部の下端部に連結されると共に、前記ガイドレールの上面側に配置され該ガイドレールに沿ってスライド可能なスライド部材と、前記ガイドレールに対して前記スライド部材を位置決めする位置決め機構と、を更に備えることが好ましい。
【0009】
また、前記位置決め機構は、前記ガイドレールの両側部に配置されると共に、上面に該ガイドレールの長手方向に沿って複数の凹部が設けられた位置決めレールと、前記スライド部材の底面における前記位置決めレールの上面に対向する位置に設けられる筒状部と、前記筒状部の内部に配置され一端が該筒状部の上端側に係止されるばね部材と、前記ばね部材の他端側に配置されると共に前記筒状部に回転可能に保持される球状体と、を備え、前記バンパ支持部材は、前記球状体が前記凹部に係合されて位置決めされることが好ましい。
【0010】
また、前記バンパは、該バンパの底部が下面となるように、かつ、該バンパの幅方向が前記搬送路の移動方向に沿うように前記バンパ載置部に載置されることが好ましい。
【0011】
また、前記バンパ載置部は、前記バンパの前後方向に延びる第1載置部材と、前記第1載置部材の一端側に連結され前記バンパの前面側又は後面側をガードするガード部材と、基端側が前記第1載置部材の長手方向の略中央部に連結されると共に先端側が該第1載置部材に交差する方向に延びて前記バンパの幅方向における端部側を支持する第2載置部材と、基端側が前記第1載置部材の他端側に連結されると共に先端側が該第1載置部材に交差する方向に延びて前記バンパの幅方向における端部側を支持する第3載置部材と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のバンパ搬送装置によれば、搬送中にバンパに外傷が発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のバンパ搬送装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示すバンパ搬送装置を矢印A方向に視た図である。
【図3】図1に示すバンパ搬送装置を矢印B方向に視た部分拡大斜視図である。
【図4】図1に示すバンパ搬送装置の位置調整機構を矢印C方向に視た部分拡大斜視図である。
【図5】図4に示す位置調整機構の平面図である。
【図6】ハンガ部が回動した状態のバンパ搬送装置を示す図であり、図2に対応した図である。
【図7】バンパ支持部材の位置を調整した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のバンパ搬送装置1の好ましい一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のバンパ搬送装置1の一実施形態を示す平面図である。図2は、バンパ搬送装置1を、図1に示す矢印A方向に視た図である。
本実施形態のバンパ搬送装置1は、図1に示すように、所定方向に移動可能な搬送路100の上面に、この搬送路100の移動方向Xに沿って所定間隔をあけて複数配置される。そして、バンパ搬送装置1は、搬送路100の移動に伴って所定方向Xに移動する。このバンパ搬送装置1は、搬送路100の上面に、この搬送路100の移動方向Xに所定の間隔Y2をあけて配置される一対のバンパ支持部材10を備える。
尚、搬送路100は、床面に埋設した無端状のベルト部材と、このベルト部材を循環させる駆動装置とを備えるコンベアにより構成される。
【0015】
一対のバンパ支持部材10は、互いに同様の構成を有しており、左右対称に配置される。一対のバンパ支持部材10は、図1及び図2に示すように、それぞれ、柱状の支持部20と、ハンガ部30と、支持部20とハンガ部30とを連結する連結部40と、バンパ支持部材10の位置を調整可能な位置調整機構50と、を備える。
【0016】
一対の支持部20は、金属製の角柱部材により構成され、搬送路100の上面に略鉛直方向に延びて配置される。一対の支持部20は、搬送路100の移動方向Xに所定の間隔Y1をあけて配置される。
ハンガ部30は、図1に示すように、一対の支持部20それぞれの外側に配置される。このハンガ部30は、バンパ110が載置されるバンパ載置部31と、このバンパ載置部31に連結されるアーム部32と、を備える。
【0017】
バンパ110は、一対のバンパ載置部31に、バンパ110の底面が下面となるように載置される。本実施形態では、一対のバンパ載置部31に載置されるバンパ110は、車体の前部に配置されるフロントバンパであり、前面部111と、この前面部111の車幅方向の両端部から後方に延びる一対の側面部112と、を備える。このバンパ110は、幅方向(車幅方向)の一方の端部側が一対のバンパ載置部31のうちの一方のバンパ載置部31に載置され、他方の端部側が一対のバンパ載置部31のうちの他方のバンパ載置部31に載置される。つまり、バンパ110は、幅方向(車幅方向)が搬送路100の移動方向Xに沿うように配置される。
【0018】
バンパ載置部31は、複数の金属製のパイプが溶接等により連結されて構成されている。このバンパ載置部31は、図1及び図2に示すように、搬送路100の移動方向Xに交差する方向(略直交する方向)に略水平に延びる第1載置部材311と、この第1載置部材311の一端側に連結されるガード部材312と、基端側が第1載置部材311の長手方向の略中央部に連結されると共に先端側が第1載置部材311に交差する方向(略直交する方向)に延びる第2載置部材313と、基端側が第1載置部材311の他端側に連結されると共に先端側が第1載置部材311に交差する方向(略直交する方向)に延びる第3載置部材314と、を備える。
【0019】
第1載置部材311は、バンパ110の前後方向に延びており、バンパ110の前面部111の底面を支持する。
ガード部材312は、第1載置部材311との連結部から斜め上方に向かって延びた後屈曲し先端が上方を向いた形状を有している。このガード部材312は、バンパ110の前面部111側をガードし、バンパ110がバンパ載置部31から落下することを防止する。
【0020】
第2載置部材313及び第3載置部材314は、先端側が外側(一対のバンパ支持部材10が向かい合う方向とは逆の方向)に向かって延びている。
これら第2載置部材313及び第3載置部材314は、バンパ110の幅方向における端部側を支持する。より具体的には、第2載置部材313及び第3載置部材314は、バンパ110の側面部112の底面を支持する。
【0021】
アーム部32は、金属製の角柱部材により構成され、図1に示すように、支持部20とバンパ載置部31との間に配置される。このアーム部32は、図2に示すように、長手方向が上下方向に沿うように配置され、下端側がバンパ載置部31に連結される。アーム部32とバンパ載置部31との連結部近傍におけるアーム部32の内部には、バランスウェイト33がボルト34により取り付けられている(図3参照)。
【0022】
図3は、図1に示すバンパ搬送装置1を矢印B方向に視た部分拡大斜視図であり、連結部40の近傍を示す図である。
連結部40は、図3に示すように、支持部20の上端側とアーム部32の上端側とを連結すると共に、ハンガ部30を支持部20に揺動(回動)自在に連結する。この連結部40は、アーム部32の上端側に連結され支持部20側に延びるハンガシャフト41と、支持部20の上端側に設けられたベアリングユニット42と、を含んで構成される。
【0023】
ハンガシャフト41は、基端側がアーム部32に溶接等により固定されている。
ベアリングユニット42は、支持部20に固定された外筒部と、内筒部と、これら外筒部と内筒部との間に配置される複数の球状の転動体と、これら複数の転動体を保持する保持器と、を備え(いずれも図示せず)、内筒部が外筒部に対して回動自在に構成される。
【0024】
以上の連結部40は、ハンガシャフト41の先端側を内筒部に挿入した状態でハンガシャフト41と内筒部とが固定される。これにより、支持部20とアーム部32(ハンガ部30)とは、ベアリングユニット42及びハンガシャフト41を介して連結される。また、ハンガ部30は、連結部40を軸支点として支持部20に対して揺動(回動)自在に構成される。
【0025】
図4は、図1に示すバンパ搬送装置1の位置調整機構50を矢印C方向に視た部分拡大斜視図であり、図5は、位置調整機構50の平面図である。
位置調整機構50は、一対のバンパ支持部材10の間隔Y2を調整する。この位置調整機構50は、ガイドレール51と、位置決めレール52と、スライド部材53と、位置決め部材54と、を備える。
【0026】
ガイドレール51は、図1及び図4に示すように、搬送路100の移動方向Xに略垂直に延びて配置される。つまり、ガイドレール51は、一対のバンパ支持部材10が向かい合う方向に沿って延びている。
位置決めレール52は、ガイドレール51の幅方向における外側に一対配置され、ガイドレール51の長手方向に沿って延びている。この一対の位置決めレール52それぞれの上面には、長手方向に沿って複数の半球状の凹部521が設けられている。これら複数の凹部521は、一定の間隔(例えば50mm)をあけて設けられている。
【0027】
スライド部材53は、支持部20の下端部に連結される。このスライド部材53は、ガイドレール51の延びる方向に直交する方向における縦断面が下方に向けて開放されたコの字形状を有している。
スライド部材53は、コの字形状の内周面がガイドレール51の上面及び側面を覆うように配置され、ガイドレール51に沿ってスライド可能に構成されている。より具体的には、スライド部材53は、コの字形状の断面を有するハウジングと、このハウジング内周面に回転可能に配置される複数の転動体(図示せず)と、これら複数の転動体をハウジングの内周面に保持する保持器(図示せず)と、を備えるリニアベアリングユニットにより構成される。
【0028】
位置決め部材54は、スライド部材53の底面に複数(本実施形態では4つ)設けられている。この位置決め部材54は、下端側が開放された筒状部541と、この筒状部541の内部に配置されるばね部材542と、筒状部541の下端側に配置される球状体543と、を備える。
筒状部541は、コの字形状のスライド部材53の開放端側の底面に設けられ、位置決めレール52の上面に対向する位置に配置される。この筒状部541は、上端がスライド部材53の底面に固定されており、下端が開放されている。
【0029】
ばね部材542は、筒状部541の内部に収容され、一端側が筒状部541の上端側に係止される。
球状体543は、ばね部材542の他端側に配置されており、筒状部541の下端側の内周面に、回転自在に保持されている。この球状体543は、ばね部材542の付勢力により位置決めレール52側に付勢されている。球状体543の直径は、位置決めレール52に設けられた複数の凹部521の径と略等しく構成される。
【0030】
以上の位置調整機構50によれば、スライド部材53をガイドレール51に沿ってスライドさせることで、一対のバンパ支持部材10の間隔Y2の長さを調整できる(図7参照)。また、位置決め部材54の球状体543は、位置決めレール52の上面を位置決めレール52側に付勢された状態で回転しながら移動する。そして、この球状体543がばね部材542の付勢力により複数の凹部521のうちのいずれかの凹部521に係合されることで、バンパ支持部材10を位置決めできる。
【0031】
次に、以上のバンパ搬送装置1の使用状態における動作につき説明する。
図6は、ハンガ部30が回動した状態のバンパ搬送装置1を示す図であり、図7は、バンパ支持部材10の位置を調整した状態を示す平面図である。
先ず、一対のバンパ支持部材10の間隔Yを、搬送されるバンパ110の車幅に合わせて調整しておく。具体的には、位置決め部材54の球状体543を、位置決めレール52の上面に設けられた複数の凹部521のうちの所定の凹部521に係合させて、一対のバンパ支持部材10の位置を固定しておく(図4参照)。
【0032】
次いで、図1及び図2に示すように、ハンガ部30のバンパ載置部31にバンパ110を載置する。ここで、バンパ110は、幅方向(車幅方向)の一方の端部側が一対のバンパ載置部31のうちの一方のバンパ載置部31に載置され、他方の端部側が一対のバンパ載置部31のうちの他方のバンパ載置部31に載置される。
次いで、一対のバンパ載置部31にバンパ110が載置されたバンパ搬送装置1は、搬送路100の移動に伴って所定方向Xに搬送される。
【0033】
次いで、バンパ搬送装置1に支持されて搬送されるバンパ110に、フォグランプ120やライセンスプレート130等の各種部品が組み付けられる(図6参照)。すると、バンパ110の重心の位置が移動する。例えば、図6に示すように、バンパ110の前面部111にフォグランプ120及びライセンスプレート130を組み付けた場合、バンパ110の重心は前方に移動する。ここで、ハンガ部30は、ハンガシャフト41及びベアリングユニット42を介して支持部20に対して揺動(回動)自在に連結されているので、ハンガ部30は、連結部40を軸支点として、図6に示す矢印D1方向に回動する。これにより、バンパ載置部31に載置されたバンパ110のバランスは維持される。
【0034】
また、製造される車種が変更されて、搬送されるバンパ110の大きさが変わった場合には、図7に示すように、一対のバンパ支持部材10を、互いに接近する方向、又は互いに離間する方向に押してスライドさせる。すると、位置決め部材54の球状体543と位置決めレール52の上面に設けられた所定の凹部521との係合が解除されてスライド部材53は、ガイドレール51に沿ってスライドする。このとき、球状体543は、位置決めレール52の上面を回転しながら移動する。そして、スライド部材53を、球状体543が複数の凹部521のうちの所望の位置に設けられた凹部521に係合するまでスライドさせる。これにより、一対のバンパ支持部材10の間隔Y2の長さを、搬送されるバンパ110の車幅方向の長さに合わせて調整できる。
【0035】
また、バンパ載置部31に載置されるバンパ110の形状が変更されたことにより、バンパ110の重心の位置が変わった場合には、ハンガ部30は、バンパの重心の位置の変更に応じて揺動(回動)するので、バンパ110は、バンパ載置部31に安定して載置される。
【0036】
以上説明した本実施形態のバンパ搬送装置1によれば、以下のような効果を奏する。
【0037】
(1)ハンガ部30を支持部20に揺動自在に連結する連結部40を設けた。これにより、ハンガ部30に載置されるバンパ110の形状が変わったり、バンパ110に各種部品が組み付けられたりしてバンパ110の重心の位置が変わった場合にも、ハンガ部30がバンパ110の重心の移動に応じて回動し、バンパ110をハンガ部30(バンパ載置部31)に安定的に載置できる。よって、ハンガ部30に載置されたバンパ110が傾くなどして他の部材に接触しないので、搬送中にバンパ110に外傷が発生することを防止できる。
(2)バンパ支持部材10の位置を調整可能な位置調整機構50を設けた。これにより、バンパ110の大きさ(車幅方向の長さ)が変わった場合には、位置調整機構50により一対の支持部20の間隔Y1の長さを変更することで一対のバンパ支持部材10の間隔Y2の長さを調整できるのでバンパ110をハンガ部30(バンパ載置部31)により安定的に載置できる。
【0038】
(3)位置調整機構50を、一対のバンパ支持部材10が向かい合う方向(搬送路100の移動方向Xに略直交する方向)に沿って配置されるガイドレール51と、このガイドレール51に沿って配置され複数の凹部521が設けられた位置決めレール52と、支持部20の下端側に連結されガイドレール51に沿ってスライド可能なスライド部材53と、このスライド部材53の底面に設けられた位置決め部材54と、を含んで構成した。これにより、一対のバンパ支持部材10(支持部20)を、互いに接近する方向、又は互いに離間する方向に押すことで一対のバンパ支持部材10の間隔Yの長さを容易に調整できる。また、位置決め部材54の球状体543を、位置決めレール52の上面に設けられた複数の凹部521のうちの所定の凹部521に係合させることで、一対のバンパ支持部材10の位置を容易に固定できる。
【0039】
(4)バンパ110を、バンパ110の底部が下面となるように、かつ、バンパ110の幅方向が搬送路100の移動方向に沿うようにバンパ載置部31に載置した。これにより、バンパ110の前面部111を搬送路100の側部側を向くように配置できる。よって、バンパ110の前面部111への各種部品(フォグランプ120やライセンスプレート130)の組み付けを容易に行える。
【0040】
(5)バンパ載置部31を、バンパ110の前後方向に延びる第1載置部材311と、バンパ110の前面側又は後面側をガードするガード部材312と、バンパ110の幅方向における端部側を支持する第2載置部材313及び第3載置部材314と、を含んで構成した。よって、バンパ載置部31にバンパ110をより安定的に載置できる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態では、本発明のバンパ搬送装置1を、フロントバンパを支持する場合に適用したが、これに限らない。即ち、本発明のバンパ搬送装置を、リアバンパを支持する場合に適用してもよい。この場合、バンパ載置部を構成するガード部材は、バンパの後面部側をガードし、バンパがバンパ載置部から落下することを防止する。
【0042】
また、本実施形態では、一対の位置調整機構50を構成する一対のガイドレール51を別部材で構成したが、これに限らない。即ち、ガイドレールを、一対のバンパ支持部材の間に連続して延びる一本のレール部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 バンパ搬送装置
10 バンパ支持部材
20 支持部
30 ハンガ部
31 バンパ載置部
32 アーム部
40 連結部
41 ハンガシャフト
42 ベアリングユニット
50 位置調整機構
51 ガイドレール
52 位置決めレール
53 スライド部材
54 位置決め部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に移動可能な搬送路の上面に所定の間隔をあけて配置されバンパを支持する一対のバンパ支持部材を有するバンパ搬送装置であって、
前記一対のバンパ支持部材それぞれは、
前記搬送路の上面に配置される柱状の支持部と、
前記バンパが載置されるバンパ載置部及び該バンパ載置部に連結されるアーム部を有するハンガ部と、
前記支持部の上端側と前記アーム部の上端側とを連結すると共に、前記ハンガ部を前記支持部に揺動自在に連結する連結部と、を備えるバンパ搬送装置。
【請求項2】
前記一対のバンパ支持部材は、前記搬送路の移動方向に所定間隔をあけて配置され、
前記搬送路の移動方向に延びて配置されるガイドレールと、
前記支持部の下端部に連結されると共に、前記ガイドレールの上面側に配置され該ガイドレールに沿ってスライド可能なスライド部材と、
前記ガイドレールに対して前記スライド部材を位置決めする位置決め機構と、を更に備える請求項1に記載のバンパ搬送装置。
【請求項3】
前記位置決め機構は、
前記ガイドレールの両側部に配置されると共に、上面に該ガイドレールの長手方向に沿って複数の凹部が設けられた位置決めレールと、
前記スライド部材の底面における前記位置決めレールの上面に対向する位置に設けられる筒状部と、
前記筒状部の内部に配置され一端が該筒状部の上端側に係止されるばね部材と、
前記ばね部材の他端側に配置されると共に前記筒状部に回転可能に保持される球状体と、を備え、
前記バンパ支持部材は、前記球状体が前記凹部に係合されて位置決めされる請求項2に記載のバンパ搬送装置。
【請求項4】
前記バンパは、該バンパの底部が下面となるように、かつ、該バンパの幅方向が前記搬送路の移動方向に沿うように前記バンパ載置部に載置される請求項1から3のいずれかに記載のバンパ搬送装置。
【請求項5】
前記バンパ載置部は、
前記バンパの前後方向に延びる第1載置部材と、
前記第1載置部材の一端側に連結され前記バンパの前面側又は後面側をガードするガード部材と、
基端側が前記第1載置部材の長手方向の略中央部に連結されると共に先端側が該第1載置部材に交差する方向に延びて前記バンパの幅方向における端部側を支持する第2載置部材と、
基端側が前記第1載置部材の他端側に連結されると共に先端側が該第1載置部材に交差する方向に延びて前記バンパの幅方向における端部側を支持する第3載置部材と、を備える請求項4に記載のバンパ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−126643(P2011−126643A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285506(P2009−285506)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)