説明

バーク堆肥の効率的製造方法

【課題】従来の製造方法より製造効率が高いバーク堆肥の製造方法を提供する。
【解決手段】樹皮に浄水ケーキを混合する工程を含む、バーク堆肥の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造効率の高いバーク堆肥の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーク堆肥とは、樹木の皮の部分(バーク)を発酵させて作った土壌改良材である。バーク堆肥を樹木の植栽や農産物の植え込み時に、土壌に対して1割から3割程度を混合すると土中の保肥性、保水性、通気性が高まり樹木・農産物の育成に寄与する。また土壌微生物のバランスの改善にも繋がり、連作障害等の発生を抑制する効果もある。
【0003】
バーク堆肥に関連する技術として、特許文献1には、特定の量の畜糞、浄水処理沈殿固形物の脱水ケーキ、稲藁またはもみ殻を混合して熟成させることを特徴とする堆肥の製造方法や浄水処理沈殿固形物の脱水ケーキからなることを特徴とする堆肥熟成促進剤が開示されている。
【0004】
特許文献2には、脱水後粒状に粉砕した高水分の浄水ケーキに低水分のバーク等有機質素材を添加して浄水ケーキの水分を低下させ、さらに動植物性有機物を添加、混合して発酵させたぼかし培養土の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、植物生育基盤材として、浄水ケーキであって珪藻土をろ過材を使用して脱水してなる脱水ケーキと、赤玉土製造時に発生する赤玉土から篩い分けられた赤粉および/または鹿沼土を製造する時にふるい分けられて発生する鹿沼粉との混合物に、生の樹皮(スギ、ヒノキ、ヒバ等)を切削加工して得られる樹皮短繊維ファイバーを混合したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−223886号公報
【特許文献2】特開平5−207816号公報
【特許文献3】特開2005−188192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり、バーク堆肥は基本的には土壌改良材であり、それ自体が肥料として用いられる他の堆肥とは異なるものである。また、他の堆肥が家畜糞、生ゴミ、人糞および人尿といった元々易分解性である有機物を完全に発酵・分解したものであるのに対し、バーク堆肥は、リグニン等の発酵を阻害する物質を含んでいてより発酵しづらい樹皮(バーク)を原料とするものであるため、バーク堆肥の製造効率は他の堆肥に比較すると低いのが現状である。
【0007】
上記各文献も、バーク堆肥の製造方法として製造効率が高いものを提供するものではない。例えば、特許文献1に記載の発明は、浄水処理沈殿固形物の脱水ケーキや畜糞、稲藁、もみ殻を混合する堆肥の製造方法を開示するものではあるが、用いられる発酵・分解の対象としての材である有機物は畜糞や生ゴミといった元々易分解性のものであって、樹皮のような発酵し難いものではない。そもそも、同文献に記載されているのは一貫して堆肥またはその製造方法であって、バーク堆肥またはその製造方法ではない。したがって、同文献はバーク堆肥の製造効率を高めることについて教示を与えるものではない。
上記のような背景の下、製造効率が高いバーク堆肥の製造方法に対する需要が存在するところ、本発明は従来の製造方法より製造効率が高いバーク堆肥の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明者らは、バーク堆肥の製造効率を高める方法を検討したところ、驚くべきことに、ある特定の資材を用いることによって上記課題を解決することが可能であることを見出し、さらに鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、樹皮に浄水ケーキを混合する工程を含む、バーク堆肥の製造方法に関する。
また、本発明は、樹皮が針葉樹の樹皮である前記製造方法に関する。
さらに、本発明は、浄水ケーキ中の窒素含量が浄水ケーキの重量に対して0.5〜3重量%である前記いずれかの製造方法に関する。
またさらに、本発明は、動植物性有機物を混合する工程をさらに含む前記いずれかの製造方法に関する。
さらにまた、本発明は、動植物性有機物が米ぬかである前記いずれかの製造方法に関する。
また、本発明は、動植物性有機物中の窒素含量が動植物性有機物の重量に対して0.5〜6重量%である前記いずれかの製造方法に関する。
さらに、本発明は、鶏糞および/または尿素を添加する工程をさらに含む前記いずれかの製造方法に関する。
またさらに、本発明は、前記いずれかに記載の製造方法によって製造されるバーク堆肥に関する。
さらにまた、本発明は、前記バーク堆肥を含む土壌改良資材に関する。
そして、本発明は、前記土壌改良資材を含む植物育成培地に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造効率が高いバーク堆肥の製造方法が提供される。本発明によるバーク堆肥の製造方法によれば、製造コストも低減することができる。
また、本発明の製造方法によれば、発酵を阻害するリグニンやポリフェノール類含量が広葉樹の樹皮より高く、一般にバーク堆肥の製造に適するものではないとされている針葉樹の樹皮を用いた場合にも、バーク堆肥の高い製造効率が達成される。このことは、従来は国産の広葉樹と米松等を中心に輸入針葉樹バークを併用してバーク堆肥が製造されていたところ、木材の輸入量が減少しているため、輸入針葉樹バークに代替する国産針葉樹由来のバークを主として用いるバーク堆肥の製造に対する必要性が増大しているといった現状に鑑みれば、極めて意義のあることである。
【0010】
本発明の製造方法においては、バーク堆肥の製造時に発生する臭気を低減せしめる効果も奏する。
また、本発明のバーク堆肥、土壌改良資材または植物育成培地によれば、植物の栽培効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】中程度の製造規模における、本発明のバーク堆肥の製造方法の製造効率を示すグラフである。
【図2】実際の製造規模に相当する製造規模における、本発明のバーク堆肥の製造方法の製造効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明をより詳細に説明する。
【0013】
(1)本発明のバーク堆肥の製造方法の工程について
本発明のバーク堆肥の製造方法は、樹皮に浄水ケーキを混合する工程を含むものであればよいものであり、その他の工程はバーク堆肥の一般的な製造方法に準じて行うことができる。
例えば、樹皮をそのまま堆積して発酵させ、その後数回の混合(切り返し)を行ってさらに発酵させてバーク堆肥は製造される。前記堆積の前、または前記堆積の後に樹皮をある程度発酵させた後に、発酵助剤を添加・混合してもよい。
【0014】
本発明のバーク堆肥の製造方法においては、樹皮に浄水ケーキを混合する工程を含むところ、同工程は樹皮の堆積前に行う。
また、発酵助剤を添加・混合する場合、樹皮に浄水ケーキを混合する工程は発酵助剤を添加・混合と同時に行ってもよいし、同添加・混合の前または後に行ってもよい。
【0015】
(2)樹皮について
本発明において用いられる樹皮は限定されず、いかなる樹皮であってもよい。また、樹皮に材が少量混入していても差し支えない。
樹皮が由来する植物として、広葉樹と針葉樹とに分類すると、針葉樹の樹皮は広葉樹の樹皮より発酵が進行しづらいところ、本発明の製造方法によれば、針葉樹を用いた場合にも高い製造効率が達成される。
【0016】
本発明において用いられる広葉樹は限定されないところ、ナラ、ケヤキ、カシ、クヌギ、カバおよびタモ等が例示される。
【0017】
本発明において用いられる針葉樹は限定されないところ、スギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツ、トドマツ、モミおよびヒバ等が例示される。
【0018】
(3)浄水ケーキについて
本発明において用いられる浄水ケーキの種類は限定されない。
本発明の製造方法において用いられる浄水ケーキの量も限定されず、典型的には、例えばバークの量に対して5〜50容量%であり、好ましくは10〜45容量%であり、より好ましくは15〜35容量%である。
【0019】
本発明の製造方法において、浄水ケーキ中の窒素含量は限定されないところ、典型的には該含量は浄水ケーキの重量に対して0.5〜3重量%である。該含量が浄水ケーキの重量に対して1〜3重量%であるものはより好ましく、1.5〜3重量%であるものはより一層好ましい。浄水ケーキ中の窒素含量をこれらの範囲とすることによって、バーク堆肥において重要なC/N比をより好適なものにすることができる。
【0020】
本発明の製造方法においては、活性炭を含む浄水ケーキも用いることができる。浄水ケーキとして活性炭を含むものを用いることにより、本発明のバーク堆肥の製造方法における消臭効果を一層高めることができる。
活性炭のうち、多くの浄水場では粉状活性炭が用いられるところ、本発明の製造方法においては、粉状活性炭を含む浄水ケーキも用いることができる。該粉状活性炭は、着水井に投入され、異臭味・色度・有機物等の通常の処理で除去できない物質を沈殿除去するために使用され、とくに水質が悪い湖沼等停滞水域が原水である浄水場で使用される場合が多い。粉状活性炭は飲料用の水質改善を目的として使用されるものであり、工業用水では使用されない。
【0021】
浄水ケーキとして消石灰による薬注処理を経ていないものはpHが高すぎないため好ましい。例えば、近年薬注処理がなされなくなった印旛沼由来の浄水ケーキは、好ましい。
【0022】
(4)その他の成分について
本発明の製造方法においては、動植物性有機物、尿素および硝安等を発酵助剤として用いてもよい。発酵助剤として、動植物性有機物を用いることは好ましい。
上記動植物性有機物として、窒素含量が0.5〜10重量%であるものは好ましく、2〜7重量%であるものはより好ましく、3〜5重量%であるものはより一層好ましい。
【0023】
動植物性有機物として、米ぬか、鶏糞および油かす等が例示される。これらの動植物性有機物のうち、米ぬかおよび油かすは好ましく、米ぬかはとくに好ましい。
米ぬかを用いれば、元の材料の腐熟度が低い場合であってもバーク堆肥の製造をより高い効率で行うことができる。
【0024】
本発明において米ぬかを用いる場合、その量は限定されず、典型的には樹皮と浄水ケーキを合わせた総量に対して1〜30容量%の量であり、好ましくは5〜20容量%の量であり、より好ましくは7〜10容量%の量である。
【0025】
本発明において鶏糞を用いる場合もその量は限定されず、典型的には樹皮と浄水ケーキを合わせた総量に対して0.5〜20重量%の量であり、好ましくは1〜15重量%の量であり、より好ましくは3〜10重量%の量である。
【0026】
本発明において尿素を用いる場合もその量は限定されず、典型的には樹皮と浄水ケーキを合わせた総量に対して0.1〜10重量%の量であり、好ましくは0.3〜5重量%の量であり、より好ましくは0.5〜3重量%の量である。
【0027】
(5)規模について
本発明の製造方法によりバーク堆肥を製造する場合、その規模は限定されない。本発明の製造方法は、典型的には、0.5m以上の規模で行われ、1m以上の規模で行われることが好ましく、4m以上の規模で行われることはより好ましい。
このようにある程度大きい規模においてバーク堆肥の製造効率が高くなることは、実際の製造場面においてはより大量の生産が必要となることを考え併せると好ましいことである。
【0028】
(6)本発明の製造方法によって製造されるバーク堆肥およびその他の資材について
本発明は、前記いずれかに記載の製造方法によって製造されるバーク堆肥にも関する。
【0029】
また、本発明は、前記いずれかのバーク堆肥を含む土壌改良資材にも関する。
本発明の土壌改良資材は、前記いずれかのバーク堆肥を含む土壌改良資材であれば、他の成分、組成等に制限はなく、同バーク堆肥をそのまま土壌改良資材として用いることもできる。
また、本発明の土壌改良資材には、用いられる土壌の性状に応じて、他の資材を適宜添加することができる。かかる他の資材として、腐葉土、泥炭、もみがら等の有機質系土壌改良資材、パーライト、バーミキュライト、ゼオライト、ベントナイト、けいそう土等無機質系土壌改良資材、ポリエチレンイミン系およびポリビニルアルコール系等の高分子系土壌改良資材等、さらに植物の生育に有用な微生物が挙げられる。
【0030】
本発明の土壌改良資材は、pHについての制限はなく、前記バーク堆肥のpHを調整することなくそのまま用いることができる。
植物の生育に対する影響を考慮すると、本発明の土壌改良資材のpHは5.0〜7.5が好ましく、5.5〜7.0がより好ましい。
【0031】
本発明の土壌改良資材は、植物の栽培に好適な土壌の性質の変化を付与することを目的として土壌に施用されるものであるところ、その用途は制限されず、農業、園芸、緑化等の種々の用途に用いることができる。
【0032】
本発明の土壌改良資材の製造方法は、最終物が上記いずれかのバーク堆肥を含むものであればとくに制限はない。すなわち、本発明の土壌改良資材は、バーク堆肥を製造し、かかるバーク堆肥自体を土壌改良資材としたり、適宜他の資材を添加して製造することができる。
【0033】
また、本発明の土壌改良資材に他の成分、例えば育苗培養土、肥料および腐葉土等を添加することにより、植物育成培地とすることもできる。
他の成分として、育苗培養土を含むものは、植物の生育をより効率的に行うことができるため好ましい。かかる培養土に含まれる原料資材も限定されないが、例えばピートモス、バーミキュライト、パーライト、土壌、肥料、ヤシ殻、その他の素材(砂、粘土、ゼオライト、堆肥、ロックウール、発泡スチロール粒、軽石、赤玉土等)を例示することができる。
【0034】
本発明の土壌改良資材を他の成分とともに用いて本発明の植物育成培地とする場合、同土壌改良資材の植物育成培地における割合はとくに制限されない。かかる割合は、5〜50%容量が好ましく、10〜40%容量がより好ましい。
本発明の植物育成培地も、その使用目的に応じて、セル成型苗用またはポット育苗用等の制限されない用途に用いることができる。
【0035】
本発明のバーク堆肥、土壌改良資材または植物育成培地の植物の栽培における効果は、通常の試験方法によって検討することができる。
【実施例】
【0036】
以下に具体的な例により本発明をより詳細に説明するが、これは如何なる意味においても本発明を限定するものではない。
【0037】
(実施例1)本発明のバーク堆肥の製造方法における製造効率(1)
本発明のバーク堆肥の製造方法における製造効率を検討した。試験の規模は、中程度の規模(中規模)であった。
(方法)
以下の3つの試験区を設けた:
(a)スギの樹皮に鶏糞5%(w/w)および尿素1%(w/w)を混合した区(図1において「スギバーク区」と記す。以下同。)。鶏糞は試験開始6日前に樹皮に混合した(以下同)。
(b)上記(a)スギバーク区を70容量%、浄水ケーキを30容量%混合した区(「スギバーク+ケーキ区」)。
(c)上記(a)スギバーク区を63容量%、浄水ケーキを27容量%、米ぬかを10容量%混合した区(「スギバーク+ケーキ+コメヌカ区」)。
なお、上記(a)、(b)および(c)のいずれの試験区においても、含水率が60%前後となるように加水した。
【0038】
浄水ケーキとして印旛沼から採取した浄水ケーキを用いた。
各成分の主たる物性値を表1に示す。
【表1】

【0039】
上記各試験区の各成分を十分に混合した後、底面が概ね1m×1mの方形であり、高さが約0.8mの立体試験区(体積:約0.8m)を作製した。
作製した各立体試験区は、1m×1m×1mのサイズのサイロに、上面は露出した状態で保存した。切り返しを18日後に行った。
試験開始直後、3日後、および4日後からの毎日にわたり、各立体試験区内部のほぼ中心部の温度を、棒温度計を差し込んで測定した。測定された温度を、発酵、すなわちバーク堆肥の製造効率の指標とした。
【0040】
(結果)
結果を図1に示す。
図1に示されるように、スギバーク+ケーキ区においては、浄水ケーキを用いないスギバーク区を上回る温度上昇が認められ、高い製造効率が達成された。また、米ぬかを加えると、製造効率は一層高まった(スギバーク+ケーキ+コメヌカ区)。
したがって、本発明のバーク堆肥の製造方法は、従来の浄水ケーキを含まない製造方法に比較して、バーク堆肥の製造効率が優れる。また、米ぬかを添加・混合することによって、本発明のバーク堆肥の製造方法の製造効率を一層高めることができる。
【0041】
(実施例2)本発明のバーク堆肥の製造方法における製造効率(2)
針葉樹の樹皮を用いた場合の本発明のバーク堆肥の製造方法における製造効率を、広葉樹の樹皮を用いた場合と比較して検討した。試験規模は実施例1より大きい規模(大規模)とした。
(方法)
以下の3つの試験区を設けた:
(a)スギの樹皮に浄水ケーキを混合した区(「スギバーク+ケーキ区」。樹皮70容量%、浄水ケーキ30容量%)。
(b)広葉樹(ナラ、カシ混合品)の樹皮に浄水ケーキを混合した区(「広葉樹バーク+ケーキ区」。樹皮70容量%、浄水ケーキ30容量%)。
(c)スギの樹皮に、浄水ケーキとともに米ぬかを混合した区(「スギバーク+ケーキ+コメヌカ区」。樹皮63容量%、浄水ケーキ27容量%、米ぬか10容量%)。
なお、上記(a)、(b)および(c)のいずれの試験区においても、含水率が60%前後となるように加水した。
【0042】
浄水ケーキとして印旛沼から採取した浄水ケーキを用いた。
各成分の主たる物性値を表2に示す。
【表2】

【0043】
上記各試験区の各成分を十分に混合した後、底面が概ね直径3mの円形であり、高さが約2mの立体試験区を作製した。
作製した各立体試験区は、土間コンクリート上に、風雨を避ける状態で保存した。切り返しを19日後に行った。
試験開始直後からのほぼ毎日、各立体試験区内部の温度として、各立体試験区中央部の上面から約60cmの部位の温度を、温度センサーを埋め込んで測定した。測定された温度を、発酵、すなわちバーク堆肥の製造効率の指標とした。
【0044】
(結果)
結果を図2に示す。
図2に示されるように、スギバーク+ケーキ区においては、試験開始直後から温度が上昇し、同5日後に60℃を越える温度に達し、試験最終日においても温度は50℃を越えていて、全試験期間を通じて発酵およびバーク堆肥の製造が効率よく行われていることが窺われた。
また、試験開始10日後頃まで、スギバーク+ケーキ区は広葉樹バーク+ケーキ区に匹敵するバーク堆肥の製造効率を示した。
スギバーク+ケーキ区に米ぬかを加えたスギバーク+ケーキ+コメヌカ区においては、全試験期間において広葉樹バーク+ケーキ区を上回る製造効率が達成され、米ぬかの混合によってバーク堆肥の製造効率の向上が図れた。
【0045】
したがって、本発明のバーク堆肥の製造方法は、実際の製造場面に相当する規模においても、高いバーク堆肥の製造効率が達成されることが明らかになった。
また、米ぬかを添加・混合することによって、実際の製造場面に相当する規模において本発明のバーク堆肥の製造方法の製造効率を一層高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、従来の製造方法より製造効率が高いバーク堆肥の製造方法が提供される。したがって、本発明はバーク堆肥等の資材製造業および関連産業の発展に寄与するところ大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹皮に浄水ケーキを混合する工程を含む、バーク堆肥の製造方法。
【請求項2】
樹皮が針葉樹の樹皮である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
浄水ケーキ中の窒素含量が浄水ケーキの重量に対して0.5〜3重量%である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
動植物性有機物を混合する工程をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
動植物性有機物が米ぬかである請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
動植物性有機物中の窒素含量が動植物性有機物の重量に対して0.5〜6重量%である、請求項4または5に記載の製造方法。
【請求項7】
鶏糞および/または尿素を添加する工程をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって製造されるバーク堆肥。
【請求項9】
請求項8に記載のバーク堆肥を含む土壌改良資材。
【請求項10】
請求項9に記載の土壌改良資材を含む植物育成培地。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−31007(P2012−31007A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171364(P2010−171364)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(501088590)スミリン農産工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】