説明

バーコードスキャナ装置、設定方法、そのプログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】設定に要する作業時間を軽減し、設定ミスを低減するバーコードスキャナ装置の設定方法を提供する。
【解決手段】ユーザごとの使用環境に応じた状態に各設定項目の設定値を一括して設定可能な設定統一バーコードを1枚用意して、1枚読み取るだけで、バーコードスキャナ装置を指定された状態に設定する。また、検査に先立って現在の設定値を退避するユーザ設定バーコード(SAVE)、検査確認のため設定値を初期値に復帰させる検査用バーコード、検査終了後ユーザが設定した設定値に復元するユーザ設定バーコード(LOAD)を用意し、かつ、スキャナ装置のメモリ内に、工場出荷時の初期値を記録するデフォルト値領域と、ユーザが使用する適用システムに最適な状態に設定したユーザ設定値を動的に記録するユーザ設定値領域と、当該バーコードスキャナ装置の現在の動作を決定している現在の設定値を動的に記録する現在の設定値領域とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、バーコードを読み取り、バーコード情報を上位装置へ通知するバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバーコードスキャナ装置は、システムに組み入れる前に、あらかじめ、接続相手となる外部の上位装置(パソコンなど)との通信方式、バーコードの読み取り方法、読み取りバーコードの種別、ヘッドフラグの有無など、各種のカテゴリに属する複数の設定項目を、ユーザの用途に合わせて設定することが必要である。かくのごときバーコードスキャナ装置の各カテゴリごとの各設定項目に対する設定を行う設定方法としては、特許文献1の特開2003−58820号公報「光学式情報読取装置、光学式情報読取方法および光学式情報読取装置の操作方法」や特許文献2の特開2002−352182号公報「バーコードスキャナの設定方法およびその設定システム」に記載されているように、それぞれの設定項目に対応してあらかじめ定めた専用の設定バーコードを、複数枚(通常のシステムでは、7〜8枚)、順次読み込んで設定する方法が一般的となっている。
【特許文献1】特開2003−58820号公報(第7−9頁)
【特許文献2】特開2002−352182号公報(第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のバーコードスキャナ装置の設定方法においては、複数の設定項目に亘って設定を行う場合には、複数枚の設定バーコードを、逐次、読み込んで設定していくという作業が必要であり、手間のかかる作業になるとともに、設定ミスを犯す危険性も避けることができないという問題があった。
【0004】
また、バーコードスキャナ装置の不具合が発生して、装置メーカに検査修理を依頼するような場合、装置メーカでは、検査や修復確認を行うために、バーコードスキャナ装置の設定値を、工場出荷時の初期値(デフォルト値)に戻してしまい、初期値に設定された状態でユーザに返送されてくることが一般的である。したがって、ユーザは、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、ユーザが使用する使用環境に合わせた設定値に再度設定し直す手間が発生してしまうという問題もあった。
【0005】
さらに、各種の設定を行うためには設定バーコードの読み込み動作が必須となっているため、該設定バーコードが汚れてしまって読み込めなくなっていたりあるいは紛失していたりした場合、バーコードスキャナ装置を所望の状態に設定することができなくなる場合も生じてしまう。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来の複数の設定バーコードを1個のバーコードに集約した設定統一バーコードを設けることによって、設定に要する作業時間を大幅に軽減するとともに、設定ミスを確実に低減することが可能なバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
【0007】
さらに、バーコードスキャナ装置内のメモリに、設定値の記録領域として、工場出荷時の初期状態を示すデフォルト値、ユーザの使用環境に最適な状態に設定するユーザ設定値、および、現在の設定状態を示す現在の設定値の3種類の設定値をそれぞれ記録するメモリ領域を有し、かつ、3種類のメモリ領域間で設定値を簡単にコピーしたり、上書きしたりする設定バーコードを用意する構成とすることによって、検査確認時に現在の設定値をデフォルト値に設定したり、修復完了後にデフォルト値から前記ユーザ設定値に復旧させたりすることを簡単に実現することができるバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
【0008】
さらには、バーコードスキャナ装置の設定値について、使用開始後に、扱うバーコードの種類を増やしたり、設定値を変更したりする場合が生じたり、あるいは、設定用のバーコードの汚れなどで読み込み動作を正常に実行できないような場合が生じる場面にも対応できるように、設定統一バーコードを用いて設定値を変更する方法の他に、接続している外部の上位装置との通信により、上位装置から設定値を変更する指示となる通知コマンドを受け取って、設定値を変更することができるバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明によるバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)バーコードを読み取り、読み取ったバーコード情報を上位装置へ通知するバーコードスキャナ装置において、ユーザごとに使用する使用環境に応じて当該バーコードスキャナ装置を最適な状態に設定するための各設定項目に関する設定値を一括して指定することができる設定統一バーコードを用意し、該設定統一バーコードを読み取ることによって、当該バーコードスキャナ装置の該当する設定項目の設定値を指定された値に設定するバーコードスキャナ装置。
(2)上記(1)のバーコードスキャナ装置において、当該バーコードスキャナ装置内のメモリに、工場出荷時のデフォルト値を記録するデフォルト値領域と、ユーザが使用する適用システムに最適な状態に設定したユーザ設定値を動的に記録するユーザ設定値領域と、当該バーコードスキャナ装置の現在の動作を決定している現在の設定値を動的に記録する現在の設定値領域と、を備えているバーコードスキャナ装置。
(3)上記(2)のバーコードスキャナ装置において、前記設定統一バーコードを読み込むことにより、該設定統一バーコードに指定された各設定項目の設定値を、前記ユーザ設定値領域に前記ユーザ設定値として設定するとともに、前記現在の設定値領域にもコピーして、当該バーコードスキャナ装置を設定統一バーコードにより設定された前記ユーザ設定値で動作させるバーコードスキャナ装置。
(4)上記(2)または(3)のバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記デフォルト値領域に記録されている前記デフォルト値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記デフォルト値で動作するように設定するとともに、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値の値をクリアして、完全な初期状態に復帰させることを指示するフルデフォルトバーコードを用意し、該フルデフォルトバーコードを読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を工場出荷時の初期状態に設定するバーコードスキャナ装置。
(5)上記(2)ないし(4)のいずれかのバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記デフォルト値領域に記録されている前記デフォルト値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記デフォルト値で動作するように設定するとともに、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値の値を、そのまま保持してクリアしないように動作することを指示する検査用バーコードを用意し、該検査用バーコードを読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を工場出荷時の初期状態に設定して、検査確認動作を可能にするバーコードスキャナ装置。
(6)上記(5)のバーコードスキャナ装置において、前記検査用バーコードの動作モードとして、前記現在の設定値領域に前記デフォルト値をコピーする動作に先立って、前記現在の設定値領域に記録されている前記現在の設定値を前記ユーザ設定値領域に前記ユーザ設定値として退避・記録する動作を行わせる動作モードを有しているバーコードスキャナ装置。
(7)上記(2)ないし(6)のいずれかのバーコードスキャナ装置において、前記ユーザ設定値領域に、前記現在の設定値領域に記録されている前記現在の設定値をコピーすることを指示するユーザ設定バーコード(SAVE)を用意し、該ユーザ設定バーコード(SAVE)を読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を現在使用していたユーザが設定した前記ユーザ設定値を保存するバーコードスキャナ装置。
(8)上記(2)ないし(7)のいずれかのバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記ユーザ設定値で動作することを指示するユーザ設定バーコード(LOAD)を用意し、該ユーザ設定バーコード(LOAD)を読み込むことにより、前記ユーザ設定値を設定したユーザが使用していた状態に当該バーコードスキャナ装置を復旧させるバーコードスキャナ装置。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかのバーコードスキャナ装置において、当該バーコードスキャナ装置が接続されている前記上位装置から、当該バーコードスキャナ装置の前記設定項目の設定値の変更を指示する通知コマンドを受信することにより、当該バーコードスキャナ装置の前記設定項目の設定値を受信した前記通知コマンドによって指示されている値に変更するバーコードスキャナ装置。
(10)上記(1)ないし(9)のいずれかの処理を実行するバーコードスキャナ装置設定方法。
(11)上記(10)のバーコードスキャナ装置設定方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するバーコードスキャナ装置設定プログラム。
(12)上記(11)のバーコードスキャナ装置設定プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
本発明のバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0012】
第1の効果は、バーコードスキャナ装置をユーザが使用する適用システムに最適な状態に設定する場合、従来、複数回に亘って、設定バーコードの読み込み動作を行うことが必要であったが、本発明においては、複数の設定動作を一括して指定することができる設定統一バーコードを用いることによって、1回の読み込み作業で、設定登録を完了させることができ、もって、設定作業の大幅な軽減と設定ミスの確実な低減とを同時に達成することができる点にある。
【0013】
第2の効果は、バーコードスキャナ装置の設定を、簡単に、ユーザが設定していた元の設定値に復旧させることができる点にある。
【0014】
バーコードスキャナ装置の故障などによって、ユーザからの修復依頼を受け取って装置の修理作業を行う場合、従来は、前述のように、バーコードスキャナ装置を修復した後でユーザに返却する際に、デフォルト設定状態に戻して、すなわち、工場出荷時の設定に戻して、返却することになってしまうため、ユーザは、バーコードスキャナ装置の返却があった後に、ユーザごとの設定を再度実施することが必要であった。
【0015】
一方、本発明におけるユーザ設定バーコード(LOAD)を利用すれば、ユーザごとの使用環境に応じたユーザ設定値への復旧を簡単に行うことができる。また、バーコードスキャナ装置の使用中に、誤って設定値を変更してしまったような場合であっても、ユーザ設定バーコード(LOAD)を利用することによって、ユーザが所望する設定値へ簡単に復旧させることができる。
【0016】
第3の効果は、バーコードスキャナ装置の設定を、簡単に、工場出荷時の設定値に戻すことができ、かつ、ユーザが設定していた設定値に簡単に復旧させることも可能としている点にある。
【0017】
バーコードスキャナ装置の故障などに伴い、工場に返却されてきたバーコードスキャナ装置の検査を行う場合、設定値を工場出荷時のデフォルト状態に戻したい場合がある。例えば、バーコードスキャナ装置の通信設定として、ユーザが設定していた設定値のままでは、検査ができないために、通信設定に関する設定値を、工場出荷時に戻すことが必要になる。このため、従来までは、検査の開始に先立って、バーコードスキャナ装置の設定を、逐次、工場出荷時のデフォルト状態に戻す操作を行った後、装置の検査作業を行うことが必要であり、かつ、検査終了後に設定値を元の設定状態に簡単に復旧させることも困難であり、バーコードスキャナ装置が返却される際にデフォルト状態のままになっているため、返却後に、ユーザ側で再設定せざるを得ない状況にあった。
【0018】
一方、本発明における検査用バーコード(デフォルト値に設定するための設定バーコード)とユーザ設定バーコード(LOAD)とを利用すれば、あるいは、さらに、ユーザ設定バーコード(SAVE)を含めて利用すれば、バーコードスキャナ装置の検査確認に当たっては、ユーザがユーザごとに設定していた設定値をバーコードスキャナ装置内に保持したままの状態で、現在の設定値を、工場出荷時のデフォルト状態の設定値に戻すことができ、検査時の作業をスムーズに行うことができると同時に、検査終了後に、ユーザが設定していたユーザ設定値に簡単に復旧させることも可能である。
【0019】
第4の効果は、バーコードスキャナ装置と接続している上位装置の操作によっても、当該バーコードスキャナ装置の設定内容の変更を行うことを可能としている点にある。
【0020】
すなわち、バーコードスキャナ装置の設定について、使用開始後に、バーコードの種類を増やしたり、あるいは、設定値を変更したりしたい場合や、設定バーコードが読み取れなくなっている場合もある。本発明においては、バーコードスキャナ装置によって設定統一バーコードなどの設定用のバーコードを読み取って設定内容を変更することを可能としている他に、当該バーコードスキャナ装置と接続している上位装置(例えばパソコンなど)を操作することによって、当該バーコードスキャナ装置に対する設定値変更を通知する通知コマンドを生成して、バーコードスキャナ装置側に該通知コマンドを送信することによって、設定内容を変更することも可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明によるバーコードスキャナ装置、バーコードスキャナ装置設定方法、バーコードスキャナ装置設定プログラムおよびプログラム記録媒体の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明によるバーコードスキャナ装置の構成例を図1に示す。図1に示すように、バーコードスキャナ装置100は、各部位に電池から電力を供給する電源供給手段101と、読み取ったバーコード200を電気信号に変換するセンサ部102と、このセンサ部102の出力からバーコードデータを読み取るマイクロプロセッサ103と、読み取ったバーコードデータや各種のデータ(現在の動作を規定する現在の設定値や、工場出荷時の初期状態をデフォルト値として保存する初期値や、各ユーザが使用する適用システムそれぞれに最適な状態に設定するユーザ設定値などのデータ)を記憶するメモリ104と、このメモリ104に蓄積されたデータを外部の上位装置に送信したり、逆に、外部からのデータを受信したりする通信手段105と、各種のデータをメモリ104に記憶させたり、メモリ104に記憶されているデータを変更したりあるいは削除したり、さらには、マイクロプロセッサ103の動作を指示するコマンドを入力したりする操作手段106と、を少なくとも備えて構成されている。
【0023】
バーコードスキャナ装置100は、このように構成されているので、まず、作業者が、電源キーを押下すると、電源供給手段101により、センサ部102、マイクロプロセッサ103、メモリ104等へ電力が供給される。すると、センサ部102でバーコード200のイメージが読み取られて電気信号に変換され、マイクロプロセッサ103でバーコード200のデータが解釈される。マイクロプロセッサ103で解釈されたバーコード200のデータは、メモリ104に記憶され、通信手段105を介して、外部の上位装置に送信される。
【0024】
ここで、バーコードスキャナ装置100の動作は、初期状態として、工場出荷時に設定されている設定値に基づいて行われるが、バーコードスキャナ装置100の設定値は、各種設定項目に関する設定値を、指定した値に設定することを指示する設定バーコードを読み取ることにより、あるいは、操作手段106から入力される指示コマンドによって、あるいは、外部の上位装置(例えばパソコン)から通知されてくる通知コマンドによって、更新されたり、新たな設定がなされたりすることが可能である。
【0025】
次に、バーコードスキャナ装置100の動作を規定する設定値を設定するための一般的な設定パラメータすなわちバーコードスキャナ装置100の設定内容について説明する。図2は、バーコードスキャナ装置の一般的な設定パラメータの種類の一例を説明するためのテーブルであり、従来は、設定パラメータごとにそれぞれに対応してそれぞれに専用の設定バーコードが用意されている。
【0026】
すなわち、図2に示すように、一般的に、バーコードスキャナ装置の設定パラメータは、設定バーコードとして、バーコードスキャナ装置の動作モードの種類に応じて、それぞれに対応して用意されており、設定パラメータは、主に、次の3種類のカテゴリに大別することができる。すなわち、図2の符号21,22,23にそれぞれ示す通信設定、読み取り種類、その他の設定の3つのカテゴリである。
【0027】
さらに、通信設定21、読み取り種類22、その他の設定23のそれぞれのカテゴリには、1ないし複数の設定項目があり、例えば、通信設定21には、通信速度1、ハンドシェイク2、STOPビット3、パリティ4などに関する設定項目があり、また、読み取り種類22には、EAN8 5、EAN13 6、EAN−ADDON7、CODE39 8、CODE128 9、2段バーコード10、2段バーコードの先頭組み合わせ11などに関する設定項目があり、また、その他の設定23には、フルデフォルト設定12、読み取り精度13、ヘッドフラグ14などに関する設定項目がある。
【0028】
さらに、各設定項目には、設定値として、1ないし複数の選択肢があり、例えば、通信設定21の設定項目中の通信速度1には、一例として、1200bps、2400bps、4800bps、9600bps、115200bpsの5つの選択肢が用意されており、ハンドシェイク2には、NON(なし)、H/W(ハードウェア)、S/W(ソフトウェア)の3つの選択肢が用意されている。
【0029】
なお、図2において、その他の設定23のフルデフォルト設定12とは、バーコードスキャナ装置100のすべての設定パラメータすなわち設定項目の内容を工場出荷時の初期値(デフォルト値)に戻すことを指示するか否かの選択肢であり、読み取り精度13とは、読み取りチェック回数を指示する設定バーコードであり、一例として、2度読みチェック、3度読みチェック、4度読みチェックの3つの選択肢が用意されている。
【0030】
ここで、図2のような設定パラメータの種類が用意されている場合においては、それぞれの設定パラメータにおける各選択肢(設定値)に対応する設定バーコードとして、各カテゴリの各設定項目の各選択肢ごとに、1個ずつ、必要である。
【0031】
したがって、必要とする設定バーコードの個数は、通信設定21のカテゴリの場合は、13個の設定バーコードであり、読み取り種類22のカテゴリの場合は、2段バーコードの先頭組み合わせ11を除いて、12個の設定バーコードであり、2段バーコードの先頭組み合わせ11については、2桁の数字の組み合わせとして100個の設定バーコードである。また、その他の設定23のカテゴリの場合は、ヘッドフラグ14を除いて、4個の設定バーコードであり、ヘッドフラグ14については、ASCIIコード1文字に対応して25個の設定バーコードである。よって、図2の設定パラメータの場合は、合計154個の設定バーコードが必要になる。各ユーザは、バーコードスキャナ装置100に所望の設定値を設定しようとする場合、適用するシステムに合わせて、必要とする設定パラメータに対応する設定バーコードを1枚ずつ作成して、バーコードスキャナ装置で読み込むことが必要となる。
【0032】
ここで、設定バーコードの構成は、図4に示すように、スキャナ名、カテゴリ、設定項目、設定値の4つの情報の組み合わせからなっている。図4は、設定バーコードの一般的な構成の一例を示す模式図である。例えば、バーコードスキャナ装置の名称が「P0002」であり、通信設定21のカテゴリの設定項目が通信速度1であり、その選択肢(設定値)として1200bpsを設定しようとする場合の設定バーコードは、“スキャナ名=PO002、カテゴリ=通信設定、設定項目=通信速度、設定値=1200bps”となる。
【0033】
つまり、このような設定バーコードの場合、PO002スキャナのバーコードスキャナ装置に対応しており、通信設定のカテゴリに関して、設定項目としては、通信速度を規定していて、その設定値を、具体的には、1200bpsと設定する、などと解釈され、バーコードスキャナ装置に登録されて、上位装置との通信速度の動作モードとして1200bpsで動作する状態に設定される。
【0034】
また、図2のような設定パラメータを有している例において、バーコードスキャナ装置100に各種の設定を任意に行うためには、前述のように、合計154枚の設定バーコードが必要となっており、各ユーザは、適用するシステムに合わせて、必要とする設定バーコードを1枚ずつ選択して、バーコードスキャナ装置で読み込みを行って、各設定値を登録することが必要となる。
【0035】
図3に、バーコードスキャナ装置の設定値を設定するための一般的な設定手順の一例をシーケンスチャートとして示している。図3の場合、まず、その他の設定23のカテゴリのフルデフォルト設定12の設定バーコードを読み込ませて、すべての設定を初期値に復帰させた後(シーケンスS1)、通信設定21のカテゴリの通信速度1を設定値9600bpsに設定する設定バーコードを読み込ませて、通信速度を9600bpsに設定する(シーケンスS2)。次に、通信設定21のカテゴリのハンドシェイク2をH/D(ハードウェア論理)とする設定バーコードを読み込ませて、通信用のハンドシェイク方法をハードウェア論理による方法に設定する(シーケンスS3)。
【0036】
同じく、通信設定21のカテゴリのSTOPビット3を使用しない旨を示すNONの設定バーコードとパリティ4を偶数パリティに設定する設定バーコードとを読み込ませて、それぞれ、通信用データのSTOPビットを使用しない状態に設定し、パリティは偶数パリティを生成する状態に設定する(シーケンスS4,S5)。
【0037】
しかる後、読み取り種類22のカテゴリに関する読み取り動作モードの設定に移って、商品コードとしてEAN8 5を使用する旨のENABLE表示を設定する設定バーコードを読み込ませ(シーケンスS6)、その先頭1文字を“a”に設定するヘッドフラグ14の設定バーコードを読み込ませて、商品コードとして先頭1文字を“a”としたEAN8コードを使用する状態に設定する(シーケンスS7)。さらに、商品コードとしてCODE39 8を使用する旨のENABLE表示を設定する設定バーコードを読み込ませ(シーケンスS8)、その先頭1文字を“C”に設定するヘッドフラグ14の設定バーコードを読み込ませて、商品コードとして先頭1文字を“C”としたCODE39コードを使用する状態に設定する(シーケンスS9)。最後に、その他の設定23のカテゴリの読み取り精度13として、3度読み取りチェックを行う旨を設定する設定バーコードを読み込ませて、3度読み取り結果の照合チェックを行う設定にする(シーケンスS10)。
【0038】
以上の10枚の設定バーコードを順次読み込ませる操作を行うことによって、10個の各設定値がバーコードスキャナ装置に登録され、当該バーコードスキャナ装置を、ユーザが所望する状態でバーコードスキャナ装置を動作させる設定値に設定することが可能になる。しかしながら、このような一般的な設定手順の場合には、手順にしたがって複数枚の設定バーコードの読み取り動作を行わせる作業が必要となる結果、作業工数が多くなり、設定ミスを犯す危険性が高くなってしまう。
【0039】
本発明は、かかる問題を解決するために、バーコードスキャナ装置の設定を行うために用いる設定バーコードとして、各適用システムに対応して必要とする選択肢(設定値)をあらかじめ定めた順番に配置した構成からなる設定統一バーコードを用意している。図5に、本発明による設定統一バーコードの内容の一例について示している。図5に示すように、先頭から、バーコードスキャナ装置の種類を選択するためのスキャナ選択肢フラグ31、その他の設定23中のフルデフォルト設定12を行うか否かを選択するためのデフォルト設定選択肢フラグ32、通信設定21の各設定項目の設定値を選択するための通信設定選択肢フラグ33、読み取り種類22の各設定項目の設定値を選択するための読み取り種類選択肢フラグ34、その他の設定23中の読み取り精度13の設定値を選択するための読み取り精度選択肢フラグ35が、実行順に応じて、順次配列されている。
【0040】
すなわち、従来の設定バーコードは、図4にて説明したように、スキャナ名、カテゴリ、設定項目、設定値の4つの情報であったが、図5に示す設定統一バーコードにおいては、各ユーザごとに使用するそれぞれの適用システムに応じて必要とする各設定項目の設定値それぞれに対応した選択肢を用意して、設定順番をあらかじめ規定することによって、各ユーザの適用システムにおいて冗長で余分となる情報を削除し、情報量を圧縮している。
【0041】
すなわち、設定統一バーコードは、1枚のバーコードで複数の設定動作を一括して指定することができるように構成されており、図5に示すように、まず、適用システムに用いるバーコードスキャナ装置を特定するためのスキャナ選択肢フラグ31がある。次に、デフォルト設定選択肢フラグ32、通信設定選択肢フラグ33、読み取り種類選択肢フラグ34、読み取り精度選択肢フラグ35に関する“設定値”が、各ユーザごとにそれぞれの適用システムにおいて必要とする選択肢の分だけが抽出されて、かつ、各ユーザごとにあらかじめ規定した順番にしたがって、順次、フラグとして記入する形式で配列されているので、情報容量を削除可能としている。
【0042】
例えば、前述した例の場合、スキャナ選択肢フラグ31としては、PO002スキャナのバーコードスキャナ装置に該当する位置のフラグがオンになっている情報が設定され、デフォルト設定選択肢フラグ32はオンであり、通信設定選択肢フラグ33としては、通信速度1 9600bps、ハンドシェイク2のH/D、STOPビット3のNON、パリティ4の偶数に該当する位置のフラグがオンになっている情報が設定される。さらに、読み取り種類選択肢フラグ34としては、EAN8 5のENABLEとそのヘッドフラグが“a”、CODE39 8のENABLEとそのヘッドフラグが“C”、に該当する位置のフラグがオンになっている情報が設定され、読み取り精度選択肢フラグ35としては、3度読みチェックに該当する位置のフラグがオンになっている情報が設定される。
【0043】
これにより、図3の一般的な設定手順と同様の設定を行う場合、図4の従来の設定バーコードの場合は、前述のように、設定バーコードが10枚必要であり、かつ、シーケンスS1からS10までの10個の読み取り操作が必要であったが、図5の設定統一バーコードを用いる場合は、1枚の設定統一バーコードを読み取るだけで、全く同等の設定を行うことが可能になる。したがって、バーコードスキャナ装置を設定する作業工数を大幅に圧縮することができ、設定ミスの発生も確実に軽減することができる。
【0044】
なお、図5に示す設定統一バーコードの場合、デフォルト設定選択肢フラグ32を有している場合を示しているが、場合によっては、デフォルト設定選択肢フラグ32を有しない形式の設定統一バーコードとしても良い。このような場合は、設定統一バーコードは、適用システムにおいて不要な設定はそのままにして、適用システムにおいて必要とする各種の設定を行う場合に用いられるものであり、適用システムにおいて不要な設定も含めてデフォルト設定が必要になる場合に限って、図3のシーケンスS1に示すように、図2のその他の設定23のカテゴリのフルデフォルト設定12を記載した設定バーコード(すなわちフルデフォルトバーコード)をまず読み込ませることによって、バーコードスキャナ装置を、すべての情報が工場出荷時の設定状態に初期化させ、しかる後に、設定統一バーコードを使用して、適用システムにおいて必要とする各種の設定を行うことによって、バーコードスキャナ装置の設定を簡単に完了させることができる。
【0045】
次に、バーコードスキャナ装置の設定を工場出荷時の初期値に設定するためのデフォルト値と各ユーザごとに使用する適用システムに最適な状態に設定するためのユーザ設定値とに関連する処理についてさらに説明する。
【0046】
バーコードスキャナ装置に故障が発生した場合は、従来技術においては、図6に示すような保守ルートを経由して、故障の修復が行われる。ここに、図6は、従来の技術におけるバーコードスキャナ装置の保守ルートの一例を示す説明図である。
【0047】
従来の保守作業の場合、図6に示すように、修復したバーコードスキャナ装置を保守工場203からユーザの店舗201,202に返送する際に、デフォルト設定により工場出荷時の初期値に設定されたままの状態で返送されてくるため、ユーザは、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、それぞれの適用システムにおいて必要とする設定を再度実施することが必要であった。
【0048】
すなわち、図6に示すように、例えば、ユーザAの店舗201でユーザA用の設定をして使用していたバーコードスキャナ装置が故障した場合、保守工場203に返却されて、バーコードスキャナ装置の修復作業がなされた後に、設定を工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定して(シーケンスS50)、修復の検査確認が実施され、正常に修復したという確認がなされると、ユーザAの店舗201へ返送される。ここで、返送されてきたバーコードスキャナ装置の設定は、シーケンスS50にてデフォルト値に初期設定されたままであるため、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、ユーザAは、バーコードスキャナ装置の設定をユーザA用の設定に戻す操作を行うことが必要である(シーケンスS51)。
【0049】
また、ユーザBの店舗202でユーザB用の設定をして使用していたバーコードスキャナ装置が故障した場合についても、全く同様であり、設定を工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定して(シーケンスS50)、修復の検査確認が実施され、正常に修復したという確認がなされると、ユーザBの店舗202へ返送される。ここで、返送されてきたバーコードスキャナ装置の設定は、シーケンスS50にてデフォルト値に初期設定されたままであるため、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、ユーザBは、バーコードスキャナ装置の設定をユーザB用の設定に戻す操作を行うことが必要である(シーケンスS52)。
【0050】
一方、本発明においては、バーコードスキャナ装置の故障が発生した場合、図7に示すような保守ルートを経由して、故障の修復が行われる。ここに、図7は、本発明におけるバーコードスキャナ装置の保守ルートの一例を示す説明図である。
【0051】
図7において、例えば、ユーザAの店舗201でユーザA用の設定をして使用していたバーコードスキャナ装置が故障した場合、保守工場203に返却されて、バーコードスキャナ装置の修復作業が実施された後、図6の従来技術の場合と同様、設定を工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定して、修復の検査確認が実施され、正常に修復したという確認がなされる。しかる後、本実施例においては、バーコードスキャナ装置の設定をユーザA用の設定に戻してから(シーケンスS60)、ユーザAの店舗201に返送されるので、図6の従来技術の場合とか異なり、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、ユーザAは、バーコードスキャナ装置の設定をユーザA用の設定に戻す復元作業を行う必要はなく、ただちに使用することができる(シーケンスS61)。
【0052】
なお、工場出荷時の初期値に設定する場合は、図3のシーケンスS1に示すように、その他の設定23のカテゴリのフルデフォルト設定12を記載した設定バーコードを読み込ませることによって、バーコードスキャナ装置のすべての設定状態を工場出荷時の設定状態に初期化させることができる。また、修復後に、ユーザへ返送する際に、各ユーザが設定していた各種の設定値に復旧する処理を実施するが、この場合、前述したような設定統一バーコードを使用すると、ユーザAが使用する状態への設定を簡単に完了させることができる。
【0053】
また、ユーザBの店舗202でユーザB用の設定をして使用していたバーコードスキャナ装置が故障した場合についても、全く同様であり、設定を工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定して、修復の検査確認が実施され、正常に修復したという確認がなされると、バーコードスキャナ装置の設定をユーザB用の設定に戻して(シーケンスS60)、ユーザBの店舗202に返送されるので、図6の従来技術の場合とか異なり、バーコードスキャナ装置の使用に先立って、ユーザBは、バーコードスキャナ装置の設定をユーザB用の設定に戻す復元作業を行う必要はなく、ただちに使用することができる(シーケンスS62)。
【0054】
ここで、本発明の場合、前述のようなその他の設定23のカテゴリのフルデフォルト設定12を記載した設定バーコードによる初期設定と、ユーザごとの設定統一バーコードを用いたユーザ対応のバーコードスキャナ装置の設定と、を可能とする仕組みを用いることができる他に、さらに、検査用バーコードとユーザ設定バーコード(LOAD)とを有する構成とすることを可能としている。すなわち、本発明においては、ユーザごとにそれぞれ所望する状態にバーコードスキャナ装置の動作を設定するためのユーザ設定値をメモリ内に保存する仕組みを備えるようにし、バーコードスキャナ装置のメモリ内にユーザの設定値を記録しておく所定のユーザ設定値領域をあらかじめ設けることとし、さらに、設定バーコードとして、バーコードスキャナ装置に現在設定されている設定値を、該ユーザ設定値領域に退避・記録して、工場出荷時の初期値に設定し直す検査用バーコードと、該ユーザ設定値領域からユーザ設定値を復旧するためのユーザ設定バーコード(LOAD)と、を少なくとも備えるようにしている。
【0055】
ここに、この検査用バーコードとは、バーコードスキャナ装置の検査や修復確認を行う際に読み込ませる設定バーコードであり、バーコードスキャナ装置に現在設定されている現在の設定値(ユーザが使用していた状態を示すユーザ設定値)をクリアしないで、バーコードスキャナ装置のメモリ内の所定のユーザ設定値領域に退避・記録した後、現在の設定値を、工場出荷時の初期状態のデフォルト値に設定するものである。また、ユーザ設定バーコード(LOAD)とは、バーコードスキャナ装置の修復を確認した後、バーコードスキャナ装置をユーザに返却する際に読み込ませる設定バーコードであり、バーコードスキャナ装置の現在の設定値(検査確認終了時の設定値は、デフォルト値)に、ユーザ設定値領域に退避・記録していたユーザ設定値を上書きコピーして、ユーザが使用していたユーザ設定値に復元するものである。
【0056】
修復の検査確認をするのに先立って、かくのごとき検査用バーコードを読み込ませることにより、バーコードスキャナ装置に現在設定されている現在の設定値をバーコードスキャナ装置のメモリ内の所定のユーザ設定値領域に退避・記録した後、工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定して、バーコードスキャナ装置の検査確認が実施され、正常に修復したという確認がなされると、さらに、ユーザ設定バーコード(LOAD)によって、ユーザ設定値領域に退避・記録していたユーザ設定値(すなわち、修理依頼時にユーザが設定していた現在の設定値)を復旧させることができる。
【0057】
かくのごとき検査用バーコードとユーザ設定バーコード(LOAD)とを用いることによって、保守工場203側では、バーコードスキャナ装置の修復依頼元の個々のユーザごとの設定統一バーコードを用意しておく必要はなく、さらに簡単に、バーコードスキャナ装置の検査や修復の確認を行うことが可能になるとともに、バーコードスキャナ装置の返送時にも、より簡単に、ユーザが設定していたユーザ設定値に設定状態を復旧させることが可能である。
【0058】
なお、検査用バーコードとは別個に、バーコードスキャナ装置の現在の設定値を、ユーザ設定値領域にコピーする動作を行わせるユーザ設定バーコード(SAVE)を用意するようにしても良い。このユーザ設定バーコード(SAVE)を用意している場合、検査用バーコードとしては、現在の設定値をユーザ設定値領域に退避・記録する動作を行うことなく、すなわち、ユーザ設定値領域を書き換える動作を行うことなく、単に、バーコードスキャナ装置の現在の設定値を、工場出荷時の初期値(デフォルト値)に設定する動作のみを行うような動作モードを設けるようにしても良い。このような動作モードの検査用バーコードとユーザ設定バーコード(SAVE)とを併用することによって、バーコードスキャナ装置の検査確認における設定作業に融通性が与えられ、設定作業を低減させることも可能になる。
【0059】
また、検査用バーコード、ユーザ設定バーコード(LOAD)やユーザ設定バーコード(SAVE)は、設定統一バーコードの場合とは異なり、設定値に関する情報を含んでおらず、かつ、各ユーザごとに異なる情報を有する設定統一バーコードとは異なり、それぞれで、各ユーザに共通の1種類のみの設定バーコードを用意すれば良い。
【0060】
図8は、本発明による実施例であるバーコードスキャナ装置100内のメモリ104に記録されている情報の一例を示すテーブルであり、図1に示したバーコードスキャナ装置100のメモリ104に記録されている設定値に関する情報のテーブル例を示すものである。図8の設定値テーブルは、図2にて説明したような設定パラメータの種類を備えている場合において、通信設定21のカテゴリの通信速度1からパリティ4までの各設定項目のすべての設定値、および、読み取り種類22のカテゴリの2段バーコード10、2段バーコードの先頭組み合わせ11の2つを除く、EAN8 5からCODE128 9までの各設定項目のすべての設定値を用意している場合について例示している。
【0061】
すなわち、バーコードスキャナ装置100のメモリ104には、図9に示すように、デフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cの3つのメモリ空間を有しており、それぞれの領域に図8に示すような設定値を記録した設定値テーブルが設けられている。ここで、メモリ104の現在の設定値領域104cに記録されている設定値が、バーコードスキャナ装置100の該当する各部位に設定されて、バーコードスキャナ装置100の現在の動作を決定している。図9は、本発明の一実施例であるバーコードスキャナ装置100のメモリ104に設定値に関する情報を記録している領域の一例を示す模式図であり、デフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cのそれぞれには設定値テーブルが設けられており、図8に示すフルデフォルト欄、ユーザ設定値欄、現在の設定値欄に示す各設定値が記録される。
【0062】
ここで、工場出荷時の設定値(デフォルト値)は、前述のように、デフォルト値領域104aに記録されており、この値は固定値である。また、ユーザ設定値領域104bの設定値は、ユーザが使用する適用システムに適するように設定した値を動的に記録しており、この値は、可変の値である。また、現在の設定値領域104cの設定値は、前述のように、バーコードスキャナ装置100の現在の動作を決定しており、デフォルト値と同じ設定状態に設定される場合もあるし、ユーザ設定値と同じ設定状態に設定される場合もあるし、バーコードスキャナ装置100の動作を所望の任意の状態に設定する場合もある。
【0063】
図8に戻ってさらに説明すると、フルデフォルト欄は、バーコードスキャナ装置の工場出荷時における初期値(デフォルト値)を示すものであり、図9のデフォルト値領域104aに固定値として記録されている。ユーザ設定値欄は、当該ユーザが使用する適用システムにおいて使用する設定値を示すものであり、前述した設定統一バーコードを読み取ることによって設定することができ、図9のユーザ設定値領域104bに動的に可変の値として記録される。また、現在の設定値欄は、バーコードスキャナ装置100に現在設定している設定値を示すものであり、図9の現在の設定値領域104cに動的に可変の値として記録されることによって、バーコードスキャナ装置の現在の動作を決定している。
【0064】
すなわち、図8の設定例においては、例えば、通信速度1の設定値として、工場出荷時のデフォルト値は9600bpsであったが、ユーザ設定値および現在の設定値は、いずれも、2400bpsの速度に変更して設定されていることを示している。同様に、ハンドシェイク2の設定値として、デフォルト値がH/W(ハードウェア論理)であったが、ユーザ設定値をNON(使用しない状態)に設定したものの、現在の設定値は、デフォルト値と同様に、H/W(ハードウェア論理)に戻していることを示している。
【0065】
ここで、図9に示すデフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cの3つのメモリ空間に記録されている各設定値を操作するための設定バーコードについて、その一例を、図10を用いてさらに説明する。図10は、本発明の実施例におけるバーコードスキャナ装置100のメモリ104内の設定値を操作する設定バーコードの一例を示す説明図である。
【0066】
図10において、フルデフォルトバーコードとは、メモリ104の現在の設定値領域104cに、デフォルト値領域104aに記録されているデフォルト値をコピーして、バーコードスキャナ装置100をデフォルト値で動作するように設定するとともに、ユーザ設定値領域104bに記録されているユーザ設定値の値をクリアして、完全な初期状態に復帰させるための設定バーコードである。
【0067】
また、ユーザ設定バーコード(LOAD)とは、メモリ104の現在の設定値領域104cに、ユーザ設定値領域104bに記録されているユーザ設定値をコピーして、バーコードスキャナ装置100をユーザ設定値で動作するように設定するための設定バーコードである。
【0068】
また、ユーザ設定バーコード(SAVE)とは、メモリ104のユーザ設定値領域104bに、現在の設定値領域104cに記録されている現在の設定値をコピーする処理を行うための設定バーコードである。
【0069】
また、検査用バーコードとは、メモリ104の現在の設定値領域104cに、デフォルト値領域104aに記録されているデフォルト値をコピーして、バーコードスキャナ装置100をデフォルト値で動作するように設定するとともに、フルデフォルトバーコードと異なり、ユーザ設定バーコード(LOAD)によって現在の設定値をユーザ設定値に復元することを可能にするために、ユーザ設定値領域104bに記録されているユーザ設定値の値は、そのまま保持して、クリアしないように動作する設定バーコードである。なお、ユーザ設定バーコード(SAVE)を用意していない場合に備えて、検査用バーコードとして、現在の設定値領域104cの現在の設定値にデフォルト値をコピーする動作に先立って、現在の設定値領域104cの現在の設定値をユーザ設定値領域104bに退避・記録する動作を行わせる動作モードも用意している。
【0070】
また、設定統一バーコードとは、前述したように、バーコードから読み込んだ設定値を、メモリ104のユーザ設定値領域104bにユーザ設定値として設定するとともに、メモリ104の現在の設定値領域104cにもコピーして、バーコードスキャナ装置100をユーザ設定値で動作するように設定する設定バーコードである。
【0071】
以上のような設定バーコードとメモリ領域とを有することにより、例えば、ユーザ設定バーコード(SAVE)を読み込むことにより、メモリ104の現在の設定値領域104cに記録されている現在の設定値を、ユーザ設定値領域104bに退避するような動作を、簡単に行うことも可能であるし、検査用バーコードを読み込むことにより、現在の設定値領域104cに記録されている現在の設定値を、検査確認動作を可能とするデフォルト値に書き換える動作を行い、バーコードスキャナ装置100をデフォルト値で動作するように、簡単に変更することも可能であるし、また、ユーザ設定バーコード(LOAD)を読み込むことにより、メモリ104のユーザ設定値領域104bのユーザ設定値を呼び出して、現在の設定値領域104cに記録されている現在の設定値を、ユーザ設定値に書き換える動作を行い、バーコードスキャナ装置100をユーザ設定値で動作するように、簡単に変更することもできるという効果を奏することができる。
【0072】
さらに、前述したように、設定統一バーコードにより、ユーザが使用する適用システムに最適な設定値にメモリ104のユーザ設定値領域104bおよび現在の設定値領域104cの記録内容を一括して変更することも可能であり、バーコードスキャナ装置100をユーザが所望する設定値で動作させることを、多大な作業工数を費やすこともなく、簡単に実現することができるという効果を奏することができる。
【0073】
なお、設定値をバーコードスキャナ装置100に登録する方法として、設定統一バーコードを使用している例を説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。例えば、バーコードスキャナ装置100と無線あるいは有線のインタフェースで接続されている外部の上位装置(例えばパソコン)と、通信手段105を介して通信することによって、設定値の設定を指示する通知コマンドを外部の上位装置から受信して、バーコードスキャナ装置100に設定値を登録することも可能である。
【0074】
この通知コマンドとは、設定値として設定する情報を、外部の上位装置に入力することによって、該上位装置から、設定値の設定を指示するコマンドとしてバーコードスキャナ装置100に通知し、バーコードスキャナ装置100は、受信した該通知コマンドで指示されている内容にしたがって、メモリ104内のデフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cの記録内容を更新するものである。この際に、上位装置との間の初回の通信プロトコル(通信速度、ハンドシェイクなどの双方の通信方法)は、デフォルト値(工場出荷時の初期値)を用いることによって、通信を行うこととし、通信方法を規定する設定値すなわち図2の通信設定21のカテゴリに関する設定項目のいずれか1ないし複数の設定値にユーザ設定値が設定された後は、設定されたユーザ設定値によって規定される通信プロトコルを使用して通信を行うことになる。
【0075】
以上のような上位装置からの通知コマンドや、あるいは、バーコードスキャナ装置100の操作手段106を介して入力される指示コマンドを用いることによって、設定用のバーコードが汚れたりして読み込めない事態が発生しても、あるいは、バーコードスキャナ装置100の運用状態に移行した後で、取扱い対象のバーコードの種類が増加したり、設定値を一部変更したりするような事態が発生しても、より高機能の上位装置の操作によって、該当する設定変更を指示する通知コマンドをバーコードスキャナ装置100に対して通知したり、操作手段106からの指示コマンドとして入力したりすることが可能であり、簡単に、バーコードスキャナ装置100の設定状態を所望する内容に更新させることができる。
【0076】
なお、図5に示す設定統一バーコードや、図10に示すフルデフォルトバーコード、ユーザ設定バーコード(LOAD)、ユーザ設定バーコード(SAVE)、検査用バーコードとして、1次元のバーコードを用いる場合を示しているが、より情報量の多い2次元バーコードを用いるようにしても良い。
【0077】
(効果の説明)
以上に説明したように、本発明の実施例においては、以下に記載するような効果を奏することができる。
【0078】
第1の効果は、バーコードスキャナ装置100の設定登録時に、従来、複数回(図3に示す従来の設定手順の場合、10回)の設定バーコードの読み込み動作が必要であったが、本実施例では、複数の設定動作を一括して指定することができる設定統一バーコードを用いることによって、1回の読み込み作業で設定登録を完了させることができ、もって、設定作業の大幅な軽減と設定ミスの確実な低減とを同時に達成することができる点にある。
【0079】
また、第2の効果は、バーコードスキャナ装置100のメモリ104内に、デフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cの3つの領域を設けるとともに、ユーザ設定バーコード(SAVE)、ユーザ設定バーコード(LOAD)、検査用バーコードを用意することにより、装置の修復などの保守作業や誤った操作を行った場合などにおいても、ユーザが使用する適用システムに最適なユーザ設定値に容易に復旧させることができる点にある。
【0080】
また、第3の効果は、バーコードスキャナ装置100のメモリ104のデフォルト値領域104a、ユーザ設定値領域104b、現在の設定値領域104cの3つの領域には、図8に示すような各設定値を登録している設定値テーブルをそれぞれ用意しており、いずれのテーブルの設定値についても、接続している上位装置との通信による通知コマンドや操作手段106からの指示コマンドによって変更することができるようにしているので、設定バーコードを使わない、より簡単な方法によって、バーコードスキャナ装置100を各種の設定値に設定することができる点にある。
【0081】
さらには、設定用のバーコードが汚れたりして読み込めない事態が発生しても、あるいは、バーコードスキャナ装置100の運用状態に移行した後で、取扱い対象のバーコードの種類が増加したり、設定値を一部変更したりするような事態が発生しても、より高機能の上位装置の操作によって、該当する設定変更を指示する通知コマンドをバーコードスキャナ装置100に対して通知したり、操作手段106から指示コマンドを入力したりすることが可能であり、簡単に、バーコードスキャナ装置100の設定状態を所望する内容に更新させることができる。
【0082】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることは、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明によるバーコードスキャナ装置の構成例を示すブロック構成図である。
【図2】バーコードスキャナ装置の一般的な設定パラメータの種類の一例を説明するためのテーブルである。
【図3】バーコードスキャナ装置の設定値を設定するための一般的な設定手順の一例を示すシーケンスチャートである。
【図4】設定バーコードの一般的な構成の一例を示す模式図である。
【図5】本発明による設定統一バーコードの構成の一例を示す模式図である。
【図6】従来の技術におけるバーコードスキャナ装置の保守ルートの一例を示す説明図である。
【図7】本発明におけるバーコードスキャナ装置の保守ルートの一例を示す説明図である。
【図8】本発明によるバーコードスキャナ装置内のメモリに記録されている情報の一例を示すテーブルである。
【図9】本発明によるバーコードスキャナ装置のメモリに設定値に関する情報を記録している領域の一例を示す模式図である。
【図10】本発明によるバーコードスキャナ装置のメモリ内の設定値を操作する設定バーコードの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 通信速度
2 ハンドシェイク
3 STOPビット
4 パリティ
5 EAN8
6 EAN13
7 EAN−ADDON
8 CODE39
9 CODE128
10 2段バーコード
11 2段バーコードの先頭組み合わせ
12 フルデフォルト設定
13 読み取り速度
14 ヘッドフラグ
21 通信設定
22 読み取り種類
23 その他の設定
31 スキャナ選択肢フラグ
32 デフォルト設定選択肢フラグ
33 通信設定選択肢フラグ
34 読み取り種類選択肢フラグ
35 読み取り精度選択肢フラグ
100 バーコードリーダ 装置
101 電源供給手段
102 センサ部
103 マイクロプロセッサ
104 メモリ
104a デフォルト値領域
104b ユーザ設定値領域
104c 現在の設定値領域
105 通信手段
106 操作手段
200 バーコード
201 ユーザAの店舗
202 ユーザBの店舗
203 保守工場


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを読み取り、読み取ったバーコード情報を上位装置へ通知するバーコードスキャナ装置において、ユーザごとに使用する使用環境に応じて当該バーコードスキャナ装置を最適な状態に設定するための各設定項目に関する設定値を一括して指定することができる設定統一バーコードを用意し、該設定統一バーコードを読み取ることによって、当該バーコードスキャナ装置の該当する設定項目の設定値を指定された値に設定することを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバーコードスキャナ装置において、当該バーコードスキャナ装置内のメモリに、工場出荷時のデフォルト値を記録するデフォルト値領域と、ユーザが使用する適用システムに最適な状態に設定したユーザ設定値を動的に記録するユーザ設定値領域と、当該バーコードスキャナ装置の現在の動作を決定している現在の設定値を動的に記録する現在の設定値領域と、を備えていることを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のバーコードスキャナ装置において、前記設定統一バーコードを読み込むことにより、該設定統一バーコードに指定された各設定項目の設定値を、前記ユーザ設定値領域に前記ユーザ設定値として設定するとともに、前記現在の設定値領域にもコピーして、当該バーコードスキャナ装置を設定統一バーコードにより設定された前記ユーザ設定値で動作させることを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記デフォルト値領域に記録されている前記デフォルト値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記デフォルト値で動作するように設定するとともに、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値の値をクリアして、完全な初期状態に復帰させることを指示するフルデフォルトバーコードを用意し、該フルデフォルトバーコードを読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を工場出荷時の初期状態に設定することを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載のバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記デフォルト値領域に記録されている前記デフォルト値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記デフォルト値で動作するように設定するとともに、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値の値を、そのまま保持してクリアしないように動作することを指示する検査用バーコードを用意し、該検査用バーコードを読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を工場出荷時の初期状態に設定して、検査確認動作を可能にすることを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のバーコードスキャナ装置において、前記検査用バーコードの動作モードとして、前記現在の設定値領域に前記デフォルト値をコピーする動作に先立って、前記現在の設定値領域に記録されている前記現在の設定値を前記ユーザ設定値領域に前記ユーザ設定値として退避・記録する動作を行わせる動作モードを有していることを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項7】
請求項2ないし6のいずれかに記載のバーコードスキャナ装置において、前記ユーザ設定値領域に、前記現在の設定値領域に記録されている前記現在の設定値をコピーすることを指示するユーザ設定バーコード(SAVE)を用意し、該ユーザ設定バーコード(SAVE)を読み込むことにより、当該バーコードスキャナ装置を現在使用していたユーザが設定した前記ユーザ設定値を保存することを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項8】
請求項2ないし7のいずれかに記載のバーコードスキャナ装置において、前記現在の設定値領域に、前記ユーザ設定値領域に記録されている前記ユーザ設定値をコピーして、当該バーコードスキャナ装置を前記ユーザ設定値で動作することを指示するユーザ設定バーコード(LOAD)を用意し、該ユーザ設定バーコード(LOAD)を読み込むことにより、前記ユーザ設定値を設定したユーザが使用していた状態に当該バーコードスキャナ装置を復旧させることを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のバーコードスキャナ装置において、当該バーコードスキャナ装置が接続されている前記上位装置から、当該バーコードスキャナ装置の前記設定項目の設定値の変更を指示する通知コマンドを受信することにより、当該バーコードスキャナ装置の前記設定項目の設定値を受信した前記通知コマンドによって指示されている値に変更することを特徴とするバーコードスキャナ装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の処理を実行することを特徴とするバーコードスキャナ装置設定方法。
【請求項11】
請求項10に記載のバーコードスキャナ装置設定方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施することを特徴とするバーコードスキャナ装置設定プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のバーコードスキャナ装置設定プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−59419(P2008−59419A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237377(P2006−237377)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】