説明

バーコードハンドスキャナ

【課題】 バーコードハンドスキャナの電池を無駄に消耗させたり、コストアップを生じさせたりすることなく、自動的に電源を切断する。
【解決手段】 バーコードハンドスキャナ101の電源を切断する場合、バーコードハンドスキャナ101のバーコード読み取り部202から、予め決められた電源切断用バーコード401を読み取ることによって、バーコードハンドスキャナ101の電源を自動的に切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードハンドスキャナに関し、特に読み取りトリガスイッチが無い常時読み取りタイプの電池駆動式のバーコードハンドスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電池駆動式のバーコードハンドスキャナにおいて、操作者が電源スイッチや電源ボタンを操作することなく、電源を切断するために、一定の時間、動作させずに放置することによりタイムアウトを発生させ、そのタイムアウト発生により、自動的に電源を切断する方法が行われている。また、バーコードハンドスキャナの置き台あるいは充電器等のホルダに物理スイッチあるいは反射センサを設けておき、バーコードハンドスキャナの置き台あるいは充電器等のホルダにバーコードハンドスキャナを置くことにより物理スイッチあるいは反射センサを作動させ、自動的に電源を切断する方法も考えられている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【特許文献1】実開昭62−014549号公報
【特許文献2】実開昭62−112758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したように、一定の時間放置することによるタイムアウトの発生を契機にバーコードハンドスキャナの電源を切断する方法については、バーコードハンドスキャナによる読み取り操作が終了してからタイムアウトするまでの間、読み取り操作が行われないにもかかわらず電源が入った状態が続くため、電池が無駄に消耗してしまうという問題点がある。また、バーコードハンドスキャナの置き台あるいは充電器等のホルダに物理スイッチあるいは反射センサを設けておく方法については、その物理スイッチの機構の開発工数あるいは反射センサの分のコストアップが生じてしまうという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点を鑑みてなされたものであって、バーコードハンドスキャナの電池を無駄に消耗させたり、コストアップを生じさせたりすることなく、自動的に電源を切断することができるバーコードハンドスキャナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナの制御方法であって、
予め決められた第1のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが前記第1のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第1のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理とを有する。
【0006】
また、
予め決められた第2のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナと該バーコードスキャナと接続された上位機との間の通信を開始する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが前記第2のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第2のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナと前記上位機との間において通信を開始する処理とを有することを特徴とする。
【0007】
また、
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナの制御方法であって、
予め決められた第3のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナと該バーコードスキャナと接続された上位機との間の通信を開始し、通信が終了後に該バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが、前記第3のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第3のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナと前記上位機との間の通信を開始し、通信が終了後に該バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理とを有する。
【0008】
また、
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナであって、
バーコードデータを読み取るバーコード読み取り手段と、
前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する電源切断手段と、
前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第1のバーコードデータであった場合に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示する制御手段とを有する。
【0009】
また、
前記第1のバーコードデータと、該第1のバーコードデータが読み取られた場合に前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておくメモリを有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第1のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示することを特徴とする。
【0010】
また、
上位機と通信を行う通信手段を有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第2のバーコードデータであった場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示することを特徴とする。
【0011】
また、
前記メモリは、前記第2のバーコードデータと、該第2のバーコードデータが読み取られた場合に前記上位機との通信を開始する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておき、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第2のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示することを特徴とする。
【0012】
また、
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナであって、
バーコードデータを読み取るバーコード読み取り手段と、
前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する電源切断手段と、
上位機と通信を行う通信手段と、
前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第3のバーコードデータであった場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示し、前記通信手段における前記上位機との通信が終了した後に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示する制御手段とを有する。
【0013】
また、
前記第3のバーコードデータと、該第3のバーコードデータが読み取られた場合に、前記上位機との通信を開始し、通信が終了した後に前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておくメモリを有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第3のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示し、前記通信手段における前記上位機との通信が終了した後に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示することを特徴とする。
【0014】
また、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第1のバーコードデータが記載されている置き台を有する。
【0015】
また、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とする。
【0016】
また、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第2のバーコードデータが記載されている置き台を有する。
【0017】
また、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とする。
【0018】
また、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第3のバーコードデータが記載されている置き台を有する。
【0019】
また、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とする。
【0020】
上記のように構成された本発明においては、バーコードハンドスキャナによって、予め決められたバーコードが読み取られることにより、バーコードハンドスキャナ内の内部メモリに格納されているバーコードデータとの比較を行う。読み取られたバーコードデータが、バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味する第1のバーコードデータである場合、バーコードハンドスキャナの電源を切断する。また、バーコードハンドスキャナによって読み取られたバーコードデータが、バーコードハンドスキャナと上位機との間において通信を開始する指示を意味する第2のバーコードデータである場合、バーコードハンドスキャナは上位機との間において通信を開始する。さらに、バーコードハンドスキャナによって読み取られたバーコードデータが、バーコードハンドスキャナと上位機との間の通信を開始し、通信が終了後にバーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味する第3のバーコードデータである場合、バーコードハンドスキャナは上位機との間において通信を開始し、通信が終了後にバーコードハンドスキャナの電源を切断する。
【0021】
このように、予め決められたバーコードデータを読み取ることによって、バーコードハンドスキャナの電源を切断したり、バーコードハンドスキャナと上位機との間において通信を開始したり、バーコードハンドスキャナと上位機との間において通信を行い通信が終了後に電源を切断したりすることができる。そのため、バーコードハンドスキャナの一定時間の放置によるタイムアウトを契機とした電源の切断方法の適用や、バーコードハンドスキャナ自体に追加機構を設けることが不要となる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明においては、バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味する第1のバーコードデータをバーコードハンドスキャナに指定しておき、バーコードハンドスキャナにおいてバーコードデータが読み取られた場合にそのバーコードデータが第1のバーコードデータと一致するかどうかを判断し、読み取られたバーコードデータが第1のバーコードデータと一致すると判断した場合に、バーコードハンドスキャナの電源を切断する構成としたため、バーコードハンドスキャナの電池を無駄に消耗させたり、コストアップを生じさせたりすることなく、自動的に電源を切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明のバーコードハンドスキャナが適用されるシステム構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、バーコードハンドスキャナ101−1〜101−nが、上位機である管理用パソコン102に接続され、バーコードハンドスキャナ101−1〜101−nと管理用パソコン102との間で無線によって通信が行われるように構成されている。なお、バーコードスキャナ101−1〜101−nと管理用パソコン102との間で有線によって通信が行われる構成としてもよい。
【0026】
図2は、図1に示したバーコードハンドスキャナ101−1〜101−nの構成を示す図である。
【0027】
図2に示すように、本形態のバーコードハンドスキャナ101−1〜101−nには、外部のバーコードデータを読み取るバーコード読み取り部202と、管理用パソコン102から送信されてきた実行プログラム及びデータが格納されている内部メモリ203と、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているデータとに基づいて、バーコードハンドスキャナ101−1〜101−nの電源を切断する電源切断部204と、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているデータとに基づいて、バーコードハンドスキャナ101−1〜101−nと外部装置である管理用パソコン102との間において通信を行う通信部205と、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているデータとに基づいて、予め決められたその他の処理を行う内部処理部206と、手操作によりバーコードハンドスキャナ101−1〜101−nを操作するための操作部208と、操作部208にて操作された内容やバーコードスキャナ101−1〜101−n内における処理結果等が表示される表示部207と、バーコードハンドスキャナ101−1〜101−n全体を制御する制御部201とが設けられている。
【0028】
以下に、図2に示したように構成されたバーコードハンドスキャナ101−1〜101−nを図1に示したシステムに適用した場合の処理について、バーコードスキャナ101−1と管理用パソコン102とを用いた処理を例に挙げて説明する。
【0029】
図3は、図2に示した構成のバーコードハンドスキャナ101−1を図1に示したシステムに適用した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【0030】
まず、管理用パソコン102によってバーコードハンドスキャナ101−1への初期設定動作が実行されるかどうかが判断される(ステップS301)。
【0031】
初期設定動作が実行されると判断された場合、管理用パソコン102からバーコードハンドスキャナ101−1の通信部205へプログラムが送信される(ステップS302)。なお、管理用パソコン102から通信部205へ送信されたプログラムの中には、バーコードデータを読み取った場合に処理を実行するための実行プログラムのほかに、所定の処理の指示を意味するバーコードデータ及びその処理内容を指定する情報からなるデータが含まれている。本形態では、バーコードハンドスキャナ101−1の電源を切断する指示を意味する第1のバーコードデータと、バーコードスキャナ101−1と管理用パソコン102との間において通信を開始する指示を意味する第2のバーコードデータと、その他の予め決められた処理を行う指示を意味するバーコードデータとがそれぞれの処理内容を指定する情報に対応付けられて含まれているものとする。管理用パソコン102から送信されたプログラムは通信部205にて受信される(ステップS303)。
【0032】
通信部205にて受信されたプログラムは、制御部201によって通信部205から内部メモリ203へ移され、内部メモリ203に格納される(ステップS304)。
【0033】
以上説明したステップS302〜S304が、管理用パソコン102によってバーコードハンドスキャナ101に対して予め行われる初期設定である。なお、ステップS301において、バーコードスキャナ101−1への初期設定が不要と判断された場合は、上述したステップS302〜S304における処理は行われない。
【0034】
その後、外部のバーコードデータがバーコード読み取り部202によって読み取られると(ステップS305)、まず、制御部201において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているデータとが比較され(ステップS306)、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと、内部メモリ203に格納されているバーコードハンドスキャナ101−1の電源を切断する指示を意味するバーコードデータとが一致するかどうかが判断される(ステップS307)。
【0035】
そして、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているバーコードハンドスキャナ101−1の電源を切断する指示を意味するバーコードデータとが一致すると判断された場合、制御部201において、電源切断部204に対してバーコードハンドスキャナ101−1の電源を切断する指示が行われ、電源切断部204によってバーコードハンドスキャナ101−1の電源が切断される(ステップS308)。
【0036】
また、ステップS307において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているバーコードハンドスキャナ101−1の電源を切断する指示を意味するバーコードデータとが一致しないと判断された場合は、次に、制御部201において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているバーコードスキャナ101と管理用パソコン102との間において通信を開始する指示を意味するバーコードデータとが一致するかどうかが判断される(ステップS309)。
【0037】
そして、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているバーコードスキャナ101−1と管理用パソコン102との間において通信を開始する指示を意味するバーコードデータとが一致すると判断された場合、制御部201において、内部メモリ203に格納されたプログラムに基づいて、管理用パソコン102に通信すべきデータが判断され(ステップS310)、内部メモリ203に格納されている管理用パソコン102に通信すべきデータが、内部メモリ203から読み出される(ステップS311)。
【0038】
次に、制御部201によって内部メモリ203から読み出されたデータは、通信部205に送信され(ステップS312)、通信部205にて受信される(ステップS313)。
【0039】
通信部205にて受信されたデータは、管理用パソコン102へ送信され、バーコードハンドスキャナ101−1と管理用パソコン102との間において通信が行われる(ステップS314)。
【0040】
一方、ステップS309において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているバーコードスキャナ101−1と管理用パソコン102との間において通信を開始する指示を意味するバーコードデータとが一致しないと判断された場合は、次に、制御部201において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているその他の予め決められた処理を行う指示を意味するバーコードデータとが一致するかどうかが判断される(ステップS315)。
【0041】
そして、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているその他の予め決められた処理を行う指示を意味するバーコードデータとが一致すると判断された場合、制御部201において、内部処理部206に対して、バーコードデータに応じたその他の処理を行うような指示が出され、内部処理部206においてその処理が行われる(ステップS316)。この内部処理部206における処理の結果は、制御部201の指示によって、表示部207において表示されることが考えられる。また、内部処理部206における処理の結果によっては、表示部207上において外部からの情報の入力を促す旨が表示され、それにより外部から操作部208を介して必要な情報が入力され、制御部201の指示により、入力された情報を基に内部処理部206において再度処理が行われることも考えられる。
【0042】
一方、ステップS315において、バーコード読み取り部202によって読み取られたバーコードデータと内部メモリ203に格納されているその他の予め決められた処理を行う指示を意味するバーコードデータとが一致しないと判断された場合は、処理は行われない(ステップS317)。
【0043】
図4は、図2に示した構成を有するバーコードハンドスキャナによるバーコードデータの読み取り処理を説明するための図である。
【0044】
図4に示すように、紙面上に電源切断用バーコード401と、上位機通信開始用バーコード402とが印刷あるいは貼付されているものとする。
【0045】
作業終了後、バーコードハンドスキャナ101の電源を切断する場合は、バーコード読み取り部202によって、電源切断用バーコード401の読み取りを行うと、制御部201において、読み取られたバーコードデータがバーコードハンドスキャナ101の電源を切断する指示であると判断されることにより、バーコードハンドスキャナ101の電源が切断される。
【0046】
また、バーコードスキャナ101と管理用パソコン102との間において通信を行う場合は、バーコード読み取り部202によって、上位機通信開始用バーコード402の読み取りを行うと、制御部201において、読み取られたバーコードデータがバーコードスキャナ101と上位機との間において通信を開始する指示であると判断されることにより、バーコードハンドスキャナ101と管理用パソコン102との間の通信が開始される。
【0047】
なお、本形態においては、電源切断用バーコード401と上位機通信開始用バーコード402とを別々のバーコードとして用いる場合を例に挙げて説明したが、電源切断用バーコード401のデータと上位機通信開始用バーコード402のデータとを兼ね備えた第3のバーコードデータである上位機通信開始兼電源切断用バーコードを設けておけば、バーコード読み取り部202によって上位機通信開始兼電源切断用バーコードデータの読み取りを行い、制御部201において、読み取られたバーコードデータがバーコードスキャナ101と上位機との間において通信を開始する指示及びバーコードハンドスキャナ101の電源を切断する指示であると判断されることにより、管理用パソコン102とバーコードハンドスキャナ101との間において通信を行い、通信が完了した後、自動的にバーコードハンドスキャナ101の電源が切断されることも可能である。
【0048】
図5は、図4に示したバーコードハンドスキャナ101の置き台の一構成例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、本構成例においては、バーコードハンドスキャナ101を載置した場合に、置き台501のバーコード読み取り部202が格納される部分に電源切断用バーコード401が記載されたラベルが貼付されている。そのため、バーコードハンドスキャナ101を置き台501に置いた場合、バーコード読み取り部202によって電源切断用バーコード401が読み取られ、自動的にバーコードハンドスキャナ101の電源が切断される。
【0050】
また、置き台501に貼付されているバーコードが、電源切断用バーコード401ではなく、上位機通信開始用バーコード402や、図4の説明で述べた上位機通信開始兼電源切断用バーコードとすることも考えられる。
【0051】
また、置き台501の代わりに充電器等のホルダに上述したバーコードを貼付することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のバーコードハンドスキャナが適用されるシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示したバーコードハンドスキャナの構成を示す図である。
【図3】図2に示した構成のバーコードハンドスキャナを図1に示したシステムに適用した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2に示した構成を有するバーコードハンドスキャナによるバーコードデータの読み取り処理を説明するための図である。
【図5】図4に示したバーコードハンドスキャナの置き台の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
101,101−1〜101−n バーコードハンドスキャナ
102 管理用パソコン
201 制御部
202 バーコード読み取り部
203 内部メモリ
204 電源切断部
205 通信部
206 内部処理部
207 表示部
208 操作部
401 電源切断用バーコード
402 上位機通信開始用バーコード
501 置き台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナの制御方法であって、
予め決められた第1のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが前記第1のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第1のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理とを有するバーコードハンドスキャナの制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のバーコードハンドスキャナの制御方法において、
予め決められた第2のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナと該バーコードスキャナと接続された上位機との間の通信を開始する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが前記第2のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第2のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナと前記上位機との間において通信を開始する処理とを有することを特徴とするバーコードハンドスキャナの制御方法。
【請求項3】
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナの制御方法であって、
予め決められた第3のバーコードデータが、前記バーコードハンドスキャナと該バーコードスキャナと接続された上位機との間の通信を開始し、通信が終了後に該バーコードハンドスキャナの電源を切断する指示を意味するバーコードデータであることを指定する処理と、
前記バーコードハンドスキャナによってバーコードデータが読み取られた場合に該バーコードデータが、前記第3のバーコードデータと一致するかどうかを判断する処理と、
前記読み取られたバーコードデータが前記第3のバーコードデータと一致すると判断された場合に、前記バーコードハンドスキャナと前記上位機との間の通信を開始し、通信が終了後に該バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理とを有するバーコードハンドスキャナの制御方法。
【請求項4】
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナであって、
バーコードデータを読み取るバーコード読み取り手段と、
前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する電源切断手段と、
前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第1のバーコードデータであった場合に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示する制御手段とを有するバーコードハンドスキャナ。
【請求項5】
請求項4に記載のバーコードハンドスキャナにおいて、
前記第1のバーコードデータと、該第1のバーコードデータが読み取られた場合に前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておくメモリを有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第1のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示することを特徴とするバーコードハンドスキャナ。
【請求項6】
請求項5に記載のバーコードハンドスキャナにおいて、
上位機と通信を行う通信手段を有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第2のバーコードデータであった場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示することを特徴とするバーコードハンドスキャナ。
【請求項7】
請求項6に記載のバーコードハンドスキャナにおいて、
前記メモリは、前記第2のバーコードデータと、該第2のバーコードデータが読み取られた場合に前記上位機との通信を開始する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておき、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第2のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示することを特徴とするバーコードハンドスキャナ。
【請求項8】
バーコードデータを読み取り、該バーコードデータに応じた処理を行うバーコードハンドスキャナであって、
バーコードデータを読み取るバーコード読み取り手段と、
前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する電源切断手段と、
上位機と通信を行う通信手段と、
前記バーコード読み取り手段にて読み取られたバーコードデータが予め決められた第3のバーコードデータであった場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示し、前記通信手段における前記上位機との通信が終了した後に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示する制御手段とを有するバーコードハンドスキャナ。
【請求項9】
請求項8に記載のバーコードハンドスキャナにおいて、
前記第3のバーコードデータと、該第3のバーコードデータが読み取られた場合に、前記上位機との通信を開始し、通信が終了した後に前記バーコードハンドスキャナの電源を切断する処理を行う旨を指定する情報とを対応づけて格納しておくメモリを有し、
前記制御手段は、前記バーコード読み取り手段にてバーコードデータが読み取られた場合、該バーコードデータと前記メモリに格納された前記第3のバーコードデータとを比較し、両者が一致した場合に、前記通信手段に対して前記上位機との通信の開始を指示し、前記通信手段における前記上位機との通信が終了した後に、前記電源切断手段に対して前記バーコードハンドスキャナの電源の切断を指示することを特徴とするバーコードハンドスキャナ。
【請求項10】
請求項4乃至7のいずれか1項に記載のバーコードハンドスキャナを用いたバーコード読み取り制御システムであって、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第1のバーコードデータが記載されている置き台を有するバーコード読み取り制御システム。
【請求項11】
請求項10に記載のバーコード読み取り制御システムにおいて、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とするバーコード読み取り制御システム。
【請求項12】
請求項6または請求項7に記載のバーコードハンドスキャナを用いたバーコード読み取り制御システムであって、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第2のバーコードデータが記載されている置き台を有するバーコード読み取り制御システム。
【請求項13】
請求項12に記載のバーコード読み取り制御システムにおいて、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とするバーコード読み取り制御システム。
【請求項14】
請求項8または請求項9に記載のバーコードハンドスキャナを用いたバーコード読み取り制御システムであって、
前記バーコードハンドスキャナを載置可能に構成され、該バーコードハンドスキャナが載置された場合に前記バーコード読み取り手段が格納される領域に前記第3のバーコードデータが記載されている置き台を有するバーコード読み取り制御システム。
【請求項15】
請求項14に記載のバーコード読み取り制御システムにおいて、
前記置き台は、前記バーコードハンドスキャナに充電を行う充電器であることを特徴とするバーコード読み取り制御システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−99583(P2006−99583A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286838(P2004−286838)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】