説明

バーコード印刷制御装置

【課題】 本発明は、インクの印刷用紙への滲みの程度にかかわらず、バーコードの読み取り率の向上を図る。
【解決手段】 印刷装置20は、印刷用紙中のバーコード配置領域に対して、Y方向に沿って、複数の領域に分割するバーコード領域分割部25と、X方向が黒バー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、バーコード領域分割部25により分割された各分割領域に対して、各々画素へのインクの占有面積が異なるように、インクジェット印刷部27に対して、黒バーの印刷を行わせるバーコード領域吐出量変換・出力部26を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを用いて印刷用紙にバーコードを印刷するように制御するバーコード印刷制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、黒バー及び白バーの組合せからなる縞模様により数値や文字等の識別コードを示すバーコードを印刷することが行われている。印刷されたバーコードを、黒バー、白バーが交互に表れる方向に、バーコードリーダで走査することにより、バーコードが示す識別コードを読み取ることができる。この際、バーコードの印刷品質や、バーコードリーダの分解能、ユーザによるバーコードリーダの走査方向等に基づき、1又は複数回の走査で読み取れる場合もあるが、所定回数内では読み取れない場合もある。
【0003】
また、バーコードは、文字等のバーコード以外の別の画像(以下、原稿画像)とともに印字されることが多い。原稿画像は、濃い目に印刷する方が、印刷品質の向上につながる。そして、バーコードの印刷濃度と原稿画像の印刷濃度との間で視認性に違和感がないように、バーコードの印刷濃度と原稿画像の印刷濃度を一括して濃くすることがよく行われている。
【0004】
しかし、このバーコードは黒バー及び白バーの線幅が厳密に規定されているので、濃い目に印刷されたバーコードに、インクの滲みに基づく各ドットの字太りが発生した場合には、バーコードリーダーの読み取り率を低下させてしまう。
【0005】
このため、印字濃度を高く設定し、インクの滲みに基づく各ドットの字太りが発生した場合におけるバーコードの読み取り率を向上させる技術として、特開2003−136785による技術があった。
【0006】
この技術によれば、バーコードに対応するデータと、このデータを1ドット左右のいずれかの方向にシフトしたものとの論理積演算を施すことにより、左右方向に1ドット分間引いて印字する技術が開示されている。この結果、印字濃度が濃く設定され、インクの滲みに基づく各ドットの字太りが発生している場合でも、原稿画像の印刷品質を低下させることなく、かつ、バーコードの読み取り率の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−136785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の従来技術では以下の問題があった。上述の従来技術では、一律に黒バー部分に対して1ドットを減らして印字することにより、黒バーの太りを抑制するようにしている。しかし、インクや印刷用紙の性質によっては、1ドット減らして印字しても、各ドットのインクの滲みが大きいため、黒バーの太りを十分に解消できず、結局、バーコードを読み取れない場合がある。
【0009】
その一方、インクや印刷用紙の性質によっては、インクの滲みが少ない場合もあり、このような場合に、上述の従来技術のように一括して印字濃度を低下させると、バーコード読み取りに必要な黒バーの幅が担保されず、バーコードの読み取りが不可能になる場合もある。
【0010】
本発明は、インクの印刷用紙への滲みの程度にかかわらず、バーコードの読み取り率の向上を図ることができる印刷制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のバーコード印刷制御装置は、複数の画素を有する印刷対象画像の印刷を、インクを用いて印刷用紙に対して行う印刷手段に対して、色付きバーと、当該色付きバー間の白地部分である白バーとが交互に複数並んだバーコードを、前記印刷用紙の所定領域に、所定の濃さ以上で印刷するように制御するバーコード印刷制御装置であって、前記所定領域に対して、第1の方向に沿って、少なくとも2以上の領域に分割する領域分割手段と、前記第1の方向と垂直の方向が前記色付きバー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、前記領域分割手段により分割された領域に対して、各々、前記領域内における画素へのインクの占有面積が異なるように、前記色付きバーの印刷を前記印刷手段に行わせる印刷制御手段とを備えるものである。
【0012】
上記のバーコード印刷制御装置において、前記インクによる前記印刷用紙への滲み度合いを設定する滲み度合い設定手段と、前記滲み度合い設定手段により設定された滲み度合いに応じて、前記各領域の面積を設定する領域面積設定手段とを備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、バーコード印刷領域内の各分割領域に対して、色付きバーについて、画素へのインクの占有面積が小〜大と変化させて印刷させる。この結果、インクの印刷用紙への滲みの大小の程度に拘わらず、各分割領域のうち、どこかの領域で、色付きバーの幅が読み取り可能な適正な幅となるので、バーコード印刷領域内のどこかの領域をバーコードリーダで走査すれば、バーコードを読み取ることが可能になる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、滲み度数設定手段により設定された滲み度合いに応じて、前記各領域の面積を設定する。このため、滲み度合いが高い場合には、画素へのインクの占有面積が小さい分割領域の面積を大きくし、滲み度合いが低い場合には、画素へのインクの占有面積が大きい分割領域の面積を大きくする。これにより、色付きバーの幅が読み取り可能な適正な幅となる分割領域の面積が大きくなる。この結果、バーコード印刷領域内のどこかの領域をバーコードリーダで走査したときに、バーコードを読み取る可能性を一層向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の印刷方法を説明するためのフローチャート図である。
【図3】第1の実施形態のバーコード領域分割処理を説明するためのフローチャート図である。
【図4】第1の実施形態の原稿画像領域、バーコード領域の座標の設定の仕方を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態のバーコード領域の分割処理を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態の各分割領域に対する印刷制御を説明するためのフローチャート図である。
【図7】分割領域ごとの段階的に異なる吐出ドロップ数で印刷した場合に、バーコードでの読み取り率が向上する様子を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態の印刷システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
『第1の実施形態』
[印刷システムの構成]
【0017】
図1に示すように、印刷システム1においては、ユーザインタフェース等の基本操作を行うためのオペレーションシステムが組み込まれ、各種のソフトウェアの実行が可能な端末装置10と、印刷装置20と、これらの間を有線LAN等のネットワークを介して接続する通信部15とを備えられている。
【0018】
(端末装置)
端末装置10は、アプリケーション部11とプリンタドライバ部12と入出力部13と印刷ジョブデータ送信部14を備える。アプリケーション部11及びプリンタドライバ部12は、端末装置10にインストールされたプログラムに対して、CPU等により解読等の処理が行われることにより構成される。
【0019】
アプリケーション部11は、文書等の原稿画像を示す原稿データを生成するプログラムを備えるものである。また、アプリケーション部11は、バーコードを生成し、原稿データに含める。ここで、バーコードは、バーコードリーダで読み取り可能にするために、以下のように生成される。バーコードにおいては、黒バーと、黒バー間の白地部分を示す白バーとの各々に対して、太幅、細幅の2種類が存在し、太幅と細幅の比率が所定範囲に定められている。また、隣接する黒バー幅と白バー幅の線幅比率も所定範囲になるように定められている。
【0020】
なお、バーコードリーダで、黒バーを読み取り可能にするためには、黒バーの濃さを所定の閾値以上にする必要がある。本実施形態では一例として、インクジェット印刷部27から最小のドロップ数で吐出して印刷用紙に印刷した場合に、印刷された黒バーが、上記所定の閾値を超えるようにしている。
【0021】
アプリケーション部11は、原稿領域のうち所定領域には、バーコードを配置し、それ以外の領域には、原稿画像を配置することにより、原稿データを生成する。原稿データは、原稿画像、バーコード、これらの領域を示す情報から構成される。アプリケーション部11で生成された原稿データは、プリンタドライバ部12に出力される。
【0022】
プリンタドライバ部12は、印刷操作画面、印刷設定画面等の表示を入出力部13の出力機能に行わせ、入出力部13の入力機能を介してユーザから印刷の設定を受け、印刷に関する設定情報や印刷状態を入出力部13の出力機能を介してユーザに通知する。プリンタドライバ部12は、ユーザによって設定された情報と、原稿データに基づいて、印刷ジョブデータ(例えば、PDLデータ)を生成し、端末装置10の印刷ジョブデータ送信部14、通信部15を介して印刷装置20に出力する。この際、印刷ジョブデータには、バーコードが配置される領域を示す情報(以下、バーコード配置領域情報)と、原稿画像が配置される領域を示す情報(以下、原稿画像配置領域情報)とが含まれる。
【0023】
入出力部13は、入力機能及び出力機能を備える。入力機能は、キーボード等で構成され、出力機能は、液晶表示モニター等で構成される。入出力部13は、ユーザにより各種のデータの入力を可能とし、この入力データをプリンタドライバ部12又はアプリケーション部11に出力する。また、入出力部13は、プリンタドライバ部12又はアプリケーション部11からの出力結果をユーザに対して通知する。例えば、ユーザは、入出力部13を用いて、バーコードを構成する太幅、細幅の黒バー、白バーを組み合わせ、原稿領域中の所定領域にバーコードを配置するように、設定する。
【0024】
これらの設定情報は、アプリケーション部11に送られる。アプリケーション部11は、上記設定情報に基づき、バーコードを生成し、原稿データに含める。印刷ジョブデータ送信部14は、プリンタドライバ部12から出力された印刷ジョブデータについて、通信部15を介して印刷装置20に送信する。
【0025】
(印刷装置)
印刷装置20は、印刷ジョブデータ受信部21と、RIP処理部22と、色変換部23と、階調変換部24と、バーコード領域分割部25と、バーコード領域吐出量変換・出力部26と、インクジェット印刷部27とを備える。印刷ジョブデータ受信部21は、印刷ジョブデータ送信部14から送信された印刷ジョブデータを受信するものである。
【0026】
RIP処理部22は、印刷ジョブデータ受信部21により受信された印刷ジョブデータに基づいて、レッド(以下、R)成分、グリーン(以下、G)成分、ブルー(以下、B)成分の所定の解像度のビットマップに展開した結果のラスタデータである展開印刷ジョブデータを生成する。ここで、展開印刷ジョブデータにおいては、所定の解像度で展開された各画素(展開印刷ジョブデータ中の各座標位置に対応する画素)ごとに、R成分の値(例えば、0〜255)、G成分の値(例えば、0〜255)、B成分の値(例えば、0〜255)が対応づけられている。
【0027】
また、RIP処理部22は、バーコード配置領域情報、原稿画像配置領域情報に基づいて、バーコードが配置される領域に対応する各座標位置(バーコード対応座標位置)を取得するとともに、原稿画像が配置される領域に対応する各座標位置(原稿画像対応座標位置)を取得する。
【0028】
色変換部23は、RIP処理部22で生成されたR成分、G成分、B成分の展開印刷ジョブデータを、シアン(以下、C)成分、マゼンタ(以下、M)成分、イエロー(以下、Y)成分、ブラック(以下、K)成分を備える展開印刷ジョブデータに変換する。ここで、展開印刷ジョブデータにおいては、所定の解像度で展開された各座標位置ごとに、C成分の値(例えば、0〜255)、M成分の値(例えば、0〜255)、Y成分の値(例えば、0〜255)、K成分の値(例えば、0〜255)が対応づけられている。
【0029】
階調変換部24は、色変換部23により変換されたC成分、M成分、Y成分、K成分の展開印刷ジョブデータを、展開印刷ジョブデータの階調数より階調数の少ない吐出用画像データに変換する。具体的には、階調変換部24は、色変換部で生成されたC〜K成分の展開印刷ジョブデータに対して、例えば多値誤差拡散処理を施して、インクジェット印刷部27で印刷可能な吐出用画像データを生成する。吐出用画像データは、インクジェットヘッドから各画素(各座標位置(x、y))に吐出する各色インクの吐出ドロップ数を示すものである。吐出ドロップ数は、ここでは一例として、0〜7ドロップの8段階で設定されるが、2以上の他の数の段階であってもよい。階調変換部24は、吐出用画像データをバーコード領域分割部25に出力する。
【0030】
バーコード領域分割部25は、印刷用紙中の所定領域に対して、第1の方向に沿って、少なくとも2以上の領域に分割する。この処理の詳細な説明は後述する。また、バーコード領域分割部25は、原稿データ中、原稿画像、バーコードが配置される領域を判断し、吐出用画像データ(原稿画像部分の各座標位置の吐出ドロップ数(C成分〜K成分の吐出ドロップ数)をインクジェット印刷部27に出力し、吐出用画像データ(バーコード部分の各座標位置の吐出ドロップ数(C成分〜K成分の吐出ドロップ数))をバーコード領域吐出量変換・出力部26に出力する。
【0031】
バーコード領域吐出量変換・出力部26は、第1の方向と垂直の方向が黒バー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、バーコード領域分割部25により分割された各分割領域に対して、各々、分割領域内における画素へのインクの占有面積が異なるように、黒バーの印刷を、インクジェット印刷部27に行わせる。この処理の詳細な説明は後述する。バーコード領域吐出量変換・出力部26は、本処理済みの吐出用画像データ(バーコード部分の各座標位置の吐出ドロップ数)をインクジェット印刷部27に出力する。
【0032】
インクジェット印刷部27は、C成分値、M成分値、Y成分値、K成分値に対応した吐出ヘッドを備える。また、インクジェット印刷部27は、印刷用紙を給紙し、吐出ヘッドにより吐出動作が行われた後印刷済み用紙を排出する給排出部を備えている。インクジェット印刷部27は、バーコード領域分割部25及びバーコード領域吐出量変換・出力部26により出力された吐出用画像データの各座標位置ごとのC成分の吐出ドロップ値、M成分の吐出ドロップ値、Y成分の吐出ドロップ値、K成分の吐出ドロップ値に基づいて、給紙部から給紙された印刷用紙に対して、所定位置に原稿データの画像形成を行うように、各吐出ヘッドのインク吐出制御を行う。
【0033】
具体的には、インクジェット印刷部27は、バーコード領域分割部25により出力された吐出用画像データ(原稿画像部分)と、バーコード領域吐出量変換・出力部26により出力された吐出用画像データ(バーコード部分)に基づいて、印刷用紙に印刷処理を施すものである。即ち、インクジェット印刷部27は、原稿画像対応座標位置に対応する吐出用画像データに基づいて、原稿画像を印刷用紙に印刷する。また、インクジェット印刷部27は、バーコード領域吐出量変換・出力部26により変換された各分割領域1〜6に対応する吐出用画像データ(各座標位置の吐出ドロップ数)に基づいて、バーコードを印刷用紙に印刷する。
【0034】
[印刷方法]
次に、上述の印刷システムを用いた印刷方法を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0035】
端末装置10において、印刷ジョブデータが生成された後、印刷装置20へ送信される(S1)。具体的には、アプリケーション部11により、バーコードを含む原稿データが生成される。
【0036】
ここで、原稿データにおいて、バーコードは、黒バー及び白バーとが交互に交差する方向が横方向(図4でいうX方向)になり、かつ、黒バー、白バーの幅が太幅、細幅の2種類となるように生成される。
【0037】
プリンタドライバ部12は、印刷設定画面等の表示に基づいて入力された情報と、原稿データとから、印刷ジョブデータを生成する。印刷ジョブデータ送信部14は、印刷ジョブデータを、通信部15を介して、印刷装置20に送信する。
【0038】
印刷装置20の印刷ジョブデータ受信部21が、送信されてきた印刷ジョブデータを受信すると(S2)、RIP処理部22に送られる。
【0039】
RIP処理部22がRIP処理をした後、色変換部23がRGB−CMYK変換を行う(S3)。具体的には、RIP処理部22は、印刷ジョブデータに基づいて、R成分、G成分、B成分に所定の解像度のビットマップに展開して展開印刷ジョブデータを生成する。色変換部23は、RIP処理部22で生成されたR成分、G成分、B成分の展開印刷ジョブデータを、C成分、M成分、Y成分、K成分を備える展開印刷ジョブデータに変換する。
【0040】
階調変換部24は、色変換部23により変換されたC成分、M成分、Y成分、K成分の展開印刷ジョブデータについて、256階調から8階調に階調変換することにより、吐出用画像データを生成する(S4)。
【0041】
バーコード領域分割部25は、吐出用画像データに基づいて、バーコードが配置される領域(以下、バーコード領域)に対して、図4でいうY軸方向に沿って、6つの領域に等分割する(S5)。この処理の詳細な説明は後述する。
【0042】
バーコード領域吐出量変換・出力部26は、X方向が黒バー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、、バーコード領域分割部25により分割された各分割領域に対して、分割領域内における画素へのインクの占有面積が異なるように、黒バーの印刷を、インクジェット印刷部27に行わせる(S6)。この処理の詳細な説明は後述する。
【0043】
インクジェット印刷部27は、階調変換部24により変換された吐出用画像データと、バーコード領域吐出量変換・出力部26により出力されたデータに基づいて、印刷用紙に印刷処理を施すことにより、印刷物を出力する(S7)。
【0044】
次に、バーコード領域分割部25による領域分割処理を図3に示すフローチャート図を用いて、詳細に説明する。
【0045】
バーコード領域分割部25は、RIP処理部22により取得されたバーコード対応座標位置に基づいて、原稿データ中、バーコードが配置される領域を判断するとともに、原稿画像対応座標位置に基づいて、原稿データ中、原稿画像が配置される領域を判断する(S51)。
【0046】
例えば、バーコード領域分割部25は、RIP処理部から送られたバーコード対応座標位置、原稿画像対応座標位置に基づいて、図4に示すように、原稿データの全領域の各画素に対して、所定位置を原点として割り振られた座標位置を取得する。バーコード領域分割部25は、バーコード対応座標位置に基づいて、バーコードが印刷される領域を判断するとともに、原稿画像対応座標位置に基づいて、原稿画像が印刷される領域を判断する。
【0047】
バーコード領域分割部25は、バーコードが配置される領域(以下、バーコード領域)に対して、Y軸方向に沿って、6つの領域に分割する(S52)。例えば、バーコード領域分割部25は、図5に示すように、バーコード対応座標位置に対応する各座標位置のうち、分割領域1〜6内の座標位置には、分割領域1〜6を示す情報と対応付けることにより、6つの領域への分割処理を行う。ここでは、6つの領域の分割においては、分割される各領域の面積が略等しいように行われる。
【0048】
バーコード領域分割部25は、各分割領域1〜6に対応する座標位置の吐出ドロップ数を示すデータ(以下、バーコード吐出ドロップ数データ)を、バーコード領域吐出量変換・出力部26に送るとともに、原稿画像が配置されると判断された領域に対応する各座標位置の吐出ドロップ数を示すデータをインクジェット印刷部27に出力する(S53)。
【0049】
次に、バーコード領域吐出量変換・出力部26による吐出量変換・出力処理を図6に示すフローチャート図を用いて、詳細に説明する。
【0050】
バーコード領域吐出量変換・出力部26は、バーコード吐出ドロップ数データに基づいて、分割領域1〜6に含まれる黒バーを構成する画素(座標位置)に対応する吐出ドロップ数を、各々、7〜2吐出ドロップ数に変更する(S61)。
【0051】
ここで、バーコード吐出ドロップ数データには、黒バー及び白バーとが交互に交差する方向がX方向になり、黒バー、白バーの幅が太幅、細幅の2種類となるように、インクジェット印刷部27により印刷される情報が含まれている。
【0052】
バーコード領域吐出量変換・出力部26は、分割領域1に対応づけられた全ての座標位置の吐出ドロップ量を、一律に7ドロップ数に変換する。同様に、バーコード領域分割部25は、分割領域2〜6に対応づけられた全ての座標位置の吐出ドロップ量を、一律に6〜2ドロップ数に変換する。
【0053】
この際、バーコード領域吐出量変換・出力部26は、各分割領域に対応づけられた全ての座標位置の吐出ドロップ量(C成分、M成分、Y成分、K成分)を、K成分のみの吐出ドロップ量に変換する(ピュアブラックに変換)。
【0054】
ただし、バーコード領域吐出量変換・出力部26は、各分割領域に対応づけられた全ての座標位置の吐出ドロップ量(C成分、M成分、Y成分、K成分)を、コンポジット成分の吐出ドロップ量に変換してもよい(C成分、M成分、Y成分、K成分またはC成分、M成分、Y成分)。また、バーコード領域吐出量変換・出力部26は、各分割領域に対応づけられた全ての座標位置の吐出ドロップ量(K成分のみのピュアブラック)を、コンポジット成分のドロップ量に変換してもよい。また、K成分の残量に応じて、いずれかの変換が選択されるようになってもよい。
【0055】
バーコード領域吐出量変換・出力部26は、吐出ドロップ数変換を施した各分割領域1〜6に対応する座標位置の吐出ドロップ数を示すデータをインクジェット印刷部27に出力する(S62)。
【0056】
[バーコード読み取り処理]
上述のようにしてインクジェット印刷部27により印刷されたバーコードを、バーコードリーダ(図示せず)で読み取る処理について以下に説明する。
【0057】
バーコードリーダは、手動走査方式であり、LED光源、フォトダイオード等で構成される。バーコードリーダを動かしバーコードを読み取り走査する際に、LED光源から光を照射し、バーコードの黒バーまたは白バーからの反射光をフォトダイオードで受光することで、バーコード情報を取得する。バーコード情報が読み取れたか否かは、走査速度、走査角度、読み取り性能、印刷されたバーコードを構成する太幅及び細幅の比率などに応じて、バーコードリーダ自身で判定するようにしてもよいし、バーコードをPC等専用端末に接続し、専用端末で判定するようにしてもよい。
【0058】
上のようにして構成されたバーコードリーダを用いて、バーコードが印刷された印刷物に対して、バーコードが印刷されている領域に対して、黒バー及び白バーが交差する方向に、バーコードリーダを走査する。この走査を、バーコードの走査箇所を複数変化させて、バーコード情報が読み取れるまで行う。なお、バーコードの構成や、読み取り方法、読み取ったか否かの判定方法は、公知の方法であるので、ここでは詳細を省略する。
【0059】
図7は、バーコード領域を全て固定の吐出ドロップ数で印刷した場合と比較して、分割領域ごとの段階的に異なる吐出ドロップ数で印刷した場合に、バーコードでの読み取り率が向上する様子を説明するための模式図である。
【0060】
なお、分割領域ごとに、段階的に画素へのインクの占有面積が異なるように(例えば、ドットゲインの違いのような現象)印刷すると、分割領域ごとに、黒バーの幅が異なることになる。ここではその一例として、分割領域ごとに、段階的に異なる吐出ドロップ数で印刷する場合について説明する。
【0061】
上述したように、端末装置10にて、バーコードリーダで読み取り可能なようにバーコードを生成しているので、印刷されたバーコードは、バーコードリーダで読み取り可能なはずである。しかし、インクによる印刷用紙への滲み度合いは、印刷に使用するインクや印刷用紙で種々に変化する。このため、滲み度合いに応じて、バーコードの黒バーの幅が読み取り可能な所定幅よりも、大きくなったり(字太り)、小さくなったりすることがある。
【0062】
このような場合、バーコード領域を印字する吐出ドロップ数を固定にしていると、所定の滲み度合いに対しては、黒バーの幅が適正幅になるが、他の滲み度合いに対しては、適正幅にならない場合がある。本実施形態では、分割領域ごとに、段階的に異なる吐出ドロップ数で印刷して、上述の問題を解決している。
【0063】
バーコードの黒バーを全て2ドロップで印刷した印刷物を、上述のようにしてバーコードリーダで読み取る場合、インクによる印刷用紙への滲み度合いが大きい場合には、黒バーの幅が適正幅となり、バーコードを読み取ることが可能となる。しかし、インクによる印刷用紙への滲み度合いが非常に小さい場合には、黒バーの幅が適正幅より小さくなってしまう事態もあり、このような場合には、バーコードを読み取ることが不可能となる。
【0064】
バーコードの黒バーを全て7ドロップで印刷した印刷物を、上述のようにしてバーコードリーダで読み取る場合、インクによる印刷用紙への滲み度合いが小さい場合には、黒バーの幅が適正幅となり、バーコードを読み取ることが可能となる。しかし、インクによる印刷用紙への滲み度合いが大きい場合には、字太りにより黒バーの幅が適正幅より大きくなってしまい、このような場合には、バーコードを読み取ることが不可能となる。
【0065】
バーコードの黒バーを全て3〜6(例えば、4または5)ドロップで印刷した印刷物を、上述のようにしてバーコードリーダで読み取る場合、インクによる印刷用紙への滲み度合いが中程度の場合には、黒バーの幅が適正幅となり、バーコードを読み取ることが可能となる。しかし、インクによる印刷用紙への滲み度合いが大きい場合や小さい場合には、字太りにより黒バーの幅が適正幅に収まらない場合も存在し、このような場合には、バーコードを読み取ることが不可能となる。
【0066】
本実施形態では、バーコード領域内の各分割領域1〜6に対して、吐出ドロップ数7〜2で印刷されているので、印刷用紙への滲み度合いが大きいときは、少ない吐出ドロップ数で印刷された分割領域(黒バーの幅が適正幅である領域)を走査すれば、バーコードを読み取ることができる。また、印刷用紙への滲み度合いが小さいときは、多い吐出ドロップ数で印刷された分割領域(黒バーの幅が適正幅である領域)を走査すれば、バーコードを読み取ることができる。 また、印刷用紙への滲み度合いが中程度のときは、中程度の吐出ドロップ数で印刷された分割領域(黒バーの幅が適正幅である領域)を走査すれば、バーコードを読み取ることができる。
【0067】
このように、バーコードが印刷される領域において、黒バーを吐出ドロップ数を固定で印刷すると、どの領域をバーコードリーダで走査しても、インクの印刷用紙への滲みに応じて、読み取り率を低下させてしまうケースがあった。本実施形態では、バーコードが印刷される領域において、黒バーを吐出ドロップ数少〜多と変化させて印刷すると、インクの印刷用紙への滲み程度が変化しても、各分割領域のうち、どこかの分割領域をバーコードリーダで走査すれば、バーコードを読み取る可能性が高くなる。
【0068】
(作用効果)
本実施形態によれば、印刷用紙中のバーコード配置領域に対して、Y方向に沿って、複数の領域に分割するバーコード領域分割部25と、X方向が黒バー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、バーコード領域分割部25により分割された各分割領域に対して、分割領域内における画素へのインクの占有面積が異なるように、黒バーの印刷をインクジェット印刷部27に行わせるバーコード領域吐出量変換・出力部26を備える。
【0069】
このため、インクの印刷用紙への滲みの大小の程度に拘わらず、各分割領域のうち、どこかの領域で、色付きバーの幅が読み取り可能な適正な幅となるので、バーコード印刷領域内のどこかの領域をバーコードリーダで走査すれば、バーコードを読み取ることが可能になる。従って、インクの印刷用紙への滲みの程度にかかわらず、バーコードの読み取り率の向上を図ることができる。
【0070】
また、例えば、インクジェットプリンタでバーコードを印刷する場合、所定の吐出ノズルが吐出不良になること等により、黒バーの幅が狭くなってしまう場合もある。このような場合に、吐出不良ノズルを検出すると、検出のためのコストがかかってしまう。このため、吐出不良ノズル検出機構なしで、上記の不具合に対応することが望ましい。
【0071】
本実施形態では、吐出不良ノズルが発生したとしても、例えば、吐出ドロップ数が多い分割領域では、黒バーの幅減少部分を、隣接ドット部分で、埋めることが可能な程度に字太りをおこしている。このため、黒バーの幅が読み取り可能な程度であり、かつ、黒バーの幅減少部分を、隣接ドットで埋めることが可能な程度に、字太りをおこしている分割領域を走査することで、バーコードの読み取りが可能となる。
【0072】
『第2の実施形態』
図8は、本実施形態の印刷システムの構成を示す図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一構成、同一処理の説明は、同一符号等を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0073】
[印刷システムの構成]
本実施形態では、図8に示すように、端末装置10は、インクジェット印刷部27により、インクを用いて黒バーが印刷用紙に印刷される場合、インクによる印刷用紙への滲み度合いを設定する滲み度合い設定部16を備える。滲み度合い設定部16は、用紙の種類(例えば、マット紙、普通紙、厚紙、薄紙など)と、インクの種類(例えば、水性、油性など)と、インクの印刷用紙への滲み度合い(例えば、1〜3までに整数値)とが対応づけられた滲み度合い対応テーブルを保持している。
【0074】
また、端末装置10は、滲み度合い設定部16により設定された滲み度合いに応じて、各分割領域の面積を設定する領域面積設定部17を備える。領域面積設定部17は、滲み度合いと、各分割領域1〜6の面積情報とが対応付けられた領域面積対応テーブルを保持している。面積情報は、(X方向の画素数)×(Y方向の画素数)で示される。この領域面積対応テーブルにおいては、(X方向の画素数)×(Y方向の画素数)に対応するものとして、(X、Y方向の座標位置の範囲)で示される。例えば、領域面積対応テーブルには、各滲み度合い(例えば、1〜3、数字が高いほど滲み度合いが高い)と、分割領域1〜3の面積情報(座標位置の範囲1〜3)が対応づけられている。
【0075】
ここで、例えば、滲み度合い1においては、分割領域の面積1(7ドロップ数):分割領域の面積2(6ドロップ数):分割領域の面積3(5ドロップ数):分割領域の面積4(4ドロップ数):分割領域の面積5(3ドロップ数):分割領域の面積6(2ドロップ数)=30:30:20:15:5:0になるように設定される。
【0076】
また、例えば、滲み度合い2においては、分割領域の面積1(7ドロップ数):分割領域の面積2(6ドロップ数):分割領域の面積3(5ドロップ数):分割領域の面積4(4ドロップ数):分割領域の面積5(3ドロップ数):分割領域の面積6(2ドロップ数)=1:1:1:1:1:1になるように設定される。
【0077】
また、例えば、滲み度合い3においては、分割領域の面積1(7ドロップ数):分割領域の面積2(6ドロップ数):分割領域の面積3(5ドロップ数):分割領域の面積4(4ドロップ数):分割領域の面積5(3ドロップ数):分割領域の面積6(2ドロップ数)=0:10:20:20:25:25になるように設定される。
【0078】
[印刷方法]
図2,3,6に示すフローチャートにおいて、第1の実施形態で示す処理と異なる処理について詳細に説明する。
【0079】
ステップS1においては、以下の処理が行われる。入出力部13に、ユーザにより、用紙の種類と、インクの種類とが入力されると、滲み度合い設定部16に送られる。
【0080】
滲み度合い設定部16は、滲み度合い対応テーブルを参照して、入力された用紙の種類と、インクの種類に対応する滲み度合いを取得する。滲み度合設定部は、取得した滲み度合いを領域面積設定部17に送る。
【0081】
領域面積設定部17は、領域面積対応テーブルを参照して、送られてきた滲み度合いに対応する各分割領域1〜6の面積情報を取得する。具体的には、領域面積設定部17は、取得した面積情報に基づいて、Y方向に沿ってバーコード領域を分割する各分割領域の面積情報(分割領域1の座標位置範囲、分割領域2の座標位置範囲、分割領域3の座標位置範囲・・・・・)を、プリンタドライバ部12に送る。
【0082】
プリンタドライバ部12は、生成する原稿データに、各分割領域の面積情報を含めると、印刷ジョブデータ、吐出用画像データに継承して含まれる。
【0083】
ステップS52では、以下の処理が行われる。バーコード領域分割部25において、第1の実施形態の領域分割と異なり、以下のような領域分割が行われる。例えば、バーコード領域分割部25は、各分割領域の面積情報に基づいて、バーコード対応座標位置に対応する各座標位置のうち、各分割領域1〜6内の座標位置に、分割領域1〜6を示す情報と対応付けることにより、6つの領域への分割処理を行う。ここでは、6つの領域の分割においては、以下のように行われる。
【0084】
滲み度合い1においては、吐出ドロップ数の比較的少ない分割領域4〜6(2ドロップ〜4ドロップ)の面積を狭くなるようにし、ドロップ数の比較的多い分割領域1〜3(5ドロップ〜7ドロップ)の面積を広くなるようにしている。
【0085】
また、滲み度合い2においては、各分割領域の面積は、等分になるようにしている。また、滲み度合い3においては、吐出ドロップ数の少ない分割領域5〜6(2ドロップ〜3ドロップ)の面積を広くなるようにし、ドロップ数の多い分割領域1〜2(6ドロップ〜7ドロップ)の面積を狭くなるようにしている。なお、本実施形態の滲み度合いに応じた各分割領域の面積の変え方は、一例であり、本実施形態の特徴を維持する限りでは、種々の面積の変え方も可能である。
【0086】
(作用効果)
本実施形態によれば、インクジェット印刷部27により、インクを用いて黒バーが印刷用紙に印刷される場合、インクによる印刷用紙への滲み度合いを設定する滲み度合い設定部16と、設定された滲み度合いに応じて、各分割領域の面積を設定する領域面積設定部17とを備える。これにより、第1の実施形態の作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
【0087】
滲み度合いが高い場合には、吐出ドロップ数の少ない分割領域の面積を大きくし、滲み度合いが低い場合には、吐出ドロップ数の多い分割領域の面積を大きくする。これにより、黒バーの幅が読み取り可能な適正な幅となる分割領域の面積が大きくなる。この結果、バーコード印刷領域内のどこかの領域をバーコードリーダで走査したときに、バーコードを読み取る可能性を一層向上させることが可能になる。
【0088】
『各実施形態の変形例』
上述の各実施形態では、黒色の黒バーが印刷される場合を説明したが、これに限定されず、黒バーの代わりに、他の色から構成される、黒以外の色付きバーにより印刷される場合も同様に適用が可能である。
【0089】
上述の各実施形態では、バーコード領域分割部25は、バーコード領域を6つに分割していたが、6つに限定されることなく、2以上であれば任意の数でも適用が可能である。なお、バーコード領域を細かく分割することにより(例えば、1mmごとに分割)、バーコード画像としての見た目をバーコード領域の黒バーを全て固定のドロップで印刷する場合と同等にすることが可能となる。
【0090】
また、上述した各実施形態では、バーコード印刷を行う最低のドロップ数を2としていた。インクジェット印刷部27として、例えば、印刷用紙を吸着しながら搬送するベルト搬送機構と、ベルト搬送機構上に搬送されてきた印刷用紙に、C成分、M成分、Y成分、K成分のインクを用いて、印刷ジョブに応じたドロップ数を吐出することで印刷させるような構成の場合には、以下のようにしてもよい。
【0091】
即ち、ベルト搬送機構による吸引力に応じて、最低のドロップ数を決めるようにしてもよい。ベルト搬送機構上で、印刷用紙にインクが吐出される場合、少ないインク量(たとえば、1,2ドット)のドロップでは、吸引力に基づく風により印刷位置がずれることがある。このため、例えば、第1の所定の吸引力以上の場合には、最低ドロップ数を3とするようにし、第1の所定の吸引力未満、第2の所定の吸引力以上の場合には、最低ドロップ数を2とするようにしてもよい。
【0092】
本実施形態では、印刷ジョブとして、原稿画像と、バーコードを含む場合の説明を行ったが、これに限定されず、印刷ジョブとしてバーコードが1以上含む場合の適用も可能である。この場合、上述した実施形態においては、原稿画像に関する処理は省略し、バーコードに関する処理を1以上繰り返すようにすればよい。
【0093】
また、各実施形態では、各分割領域における黒バーの吐出ドロップ数を変化させることで、分割領域内における画素へのインクの占有面積が異なるようにしているが、さらに、バーコードの片側端部、両側端部のエッジ部の濃度を段階的に変化させるようにしてもよい。
【0094】
また、各実施形態では、印刷装置20に、RIP処理部22、階調変換部24、バーコード領域分割部25、バーコード領域吐出量変換・出力部26が設けられていたが、これに限定されず、RIP処理部22、階調変換部24、バーコード領域分割部25、バーコード領域吐出量変換・出力部26は、端末装置10のプリンタドライブに設けられても良い。
【0095】
そして、プリンタドライバ部から出力される吐出用画像データ(原稿画像部分吐出用画像データと、バーコード部分の各分割領域に対応する吐出ドロップ数データ)を、印刷ジョブデータに含めて、通信部を介して、印刷装置に送信し、印刷装置で、送られてきた印刷ジョブデータに基づいて、印刷処理を行うようにしてもよい。
【0096】
また、端末装置10に、滲み度合い設定部16、領域面積設定部17が設けられるようにしたが、これに限定せず、印刷装置20に設けるようにしてもよい。
【0097】
また、バーコードとしては、スタートキャラクタ、データ、チェックデジット、ストップキャラクタが含まれるが、バーコードリーダでバーコードを読み取る際に、データを読み取った後、チェックデジットを確認して、チェックデジットが正当になる場合に、バーコードデータとして読み取れると判定するようにしてもよい。
【0098】
また、第1の実施形態では、印刷装置20として、インクジェットプリンタを用いた説明を行ったが、これに限定されない。即ち、インクを用いた印刷を行う印刷装置であり、印刷物において、インクが印刷用紙へ滲む事態が発生するような印刷機構のものであれば、同様に適用が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 印刷システム
10 端末装置
11 アプリケーション部
12 プリンタドライバ部
13 入出力部
14 印刷ジョブデータ送信部
15 通信部
16 滲み度合い設定部
17 領域面積設定部
20 印刷装置
21 印刷ジョブデータ受信部
22 RIP処理部
23 色変換部
24 階調変換部
25 バーコード領域分割部
26 バーコード領域吐出量変換・出力部
27 インクジェット印刷部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する印刷対象画像の印刷を、インクを用いて印刷用紙に対して行う印刷手段に対して、色付きバーと、当該色付きバー間の白地部分である白バーとが交互に複数並んだバーコードを、前記印刷用紙の所定領域に、所定の濃さ以上で印刷するように制御するバーコード印刷制御装置であって、
前記所定領域に対して、第1の方向に沿って、少なくとも2以上の領域に分割する領域分割手段と、
前記第1の方向と垂直の方向が前記色付きバー及び白バーと交互に交差する方向となるようにし、かつ、前記領域分割手段により分割された領域に対して、各々、前記領域内における画素へのインクの占有面積が異なるように、前記色付きバーの印刷を前記印刷手段に行わせる印刷制御手段とを備えるバーコード印刷制御装置。
【請求項2】
前記インクによる前記印刷用紙への滲み度合いを設定する滲み度合い設定手段と、
前記滲み度合い設定手段により設定された滲み度合いに応じて、前記各領域の面積を設定する領域面積設定手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のバーコード印刷制御装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71283(P2013−71283A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210474(P2011−210474)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】