説明

バーコード印刷装置およびバーコード印刷方法

【課題】 印刷不良を有するバーコードを正確かつ確実に特定することができるバーコード印刷装置を提供する。
【解決手段】 単票用紙11にバーコード14aなどを印刷する印刷部5と、印刷部5によって印刷されたバーコード14aから情報を読み取るスキャナ6と、スキャナ6で読み取った情報と、印刷部5によって印刷すべきバーコード14aの情報とが一致しているか否かを確認する情報確認プログラム7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードを被印刷媒体に印刷するバーコード印刷装置およびバーコード印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、固体を識別するための情報などをコード化したものであって、バーコードシンボルキャラクタであるバー(縦棒)を直線的に配置した一次元バーコードや、シンボルキャラクタを縦横に配置した二次元バーコードなどが用いられている。このようなバーコードは、例えば、電気料金の振込用紙(請求書)に、需要家などを識別する情報として印刷され、この振込用紙をコンビニエンスストアなどに持っていくと、バーコードリーダーによってバーコードから情報が読み取られる、というPOS(Point Of Sales)システム(例えば、特許文献1参照。)などに使用されている。
【特許文献1】特開2002−269483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、情報化社会の進展に伴って、バーコードにコード化すべき情報量が増加し、バーコードの細密化、高密度化が進んでいる。例えば、一次元バーコードにおいては、バーの幅やバー間隔が広いJAN(Japan Article Number)コードに代わり、バーの幅やバー間隔が狭いUCC/EAN(USA Code Center/European Article Number)128コードが使用されるようになった。
【0004】
このような細密化、高密度化したバーコードを正確に読み取るには、バーコードリーダーの読取精度を高める必要がある。一方、細密化、高密度化したバーコードを印刷する場合、印刷機の性能や不純物の付着、あるいはドラムやトナーの状態などによって、印刷不良が発生する場合がある。つまり、バーコードに、かすみ・むら(濃淡)や印刷欠け、あるいはなか白(バー内に生じる白い線や点)などが発生する場合がある。そして、このような印刷不良があると、読取精度が高いバーコードリーダーによってバーコードから情報を読み取ろうとした場合に、情報を正確に読み取ることができない場合がある。このため、印刷されたバーコードに印刷不良があるか否かを目視によって点検しなければならなかった。しかしながら、バーコードは細密化、高密度化され、しかも印刷された黒色の部分と用紙の白色の部分とが混在しているため、目視によって印刷不良の有無を点検することは容易ではなく、多大な時間と労力とを要するばかりでなく、点検精度が不安定となっていた。
【0005】
そこで本発明は、印刷不良を有するバーコードを正確かつ確実に特定することができるバーコード印刷装置およびバーコード印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、バーコードを被印刷媒体に印刷するバーコード印刷装置であって、前記被印刷媒体に前記バーコードを印刷する印刷手段と、前記印刷手段によって印刷されたバーコードから情報が読み取れるか否かを確認する情報読取手段と、を備えたことを特徴としている。
(作用)
印刷手段によってバーコードが印刷されると、情報読取手段によって当該バーコードから情報が読み取れるか否かが確認される。つまり、バーコードが読取可能な程度に印刷されているか否かが確認される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバーコード印刷装置において、前記情報読取手段によってバーコードから情報が読み取れる場合に、読み取った情報と、前記印刷手段によって印刷すべきバーコードの情報とが一致しているか否かを確認する情報確認手段を備えたことを特徴としている。
(作用)
バーコードから情報が読み取れる場合に、情報確認手段によって、読み取った情報と印刷すべきバーコードの情報とが一致しているか否かが確認される。つまり、バーコードが正確に印刷されているか否かが確認される。
【0008】
請求項3に記載の発明は、バーコードを被印刷媒体に印刷するバーコード印刷方法であって、前記被印刷媒体に前記バーコードを印刷した後に、当該バーコードから情報が読み取れるか否かを確認することを特徴としている。
(作用)
印刷したバーコードから情報が読み取れるか否かを確認することで、バーコードが読取可能な程度に印刷されているか否かが確認される。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のバーコード印刷方法において、前記バーコードから情報が読み取れる場合に、読み取った情報と、印刷すべきバーコードの情報とが一致しているか否かを確認することを特徴としている。
(作用)
バーコードから情報が読み取れる場合に、読み取った情報と印刷すべきバーコードの情報との一致・不一致を確認することで、バーコードが正確に印刷されているか否かが確認される。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および請求項3に記載の発明によれば、バーコードが読取可能な程度に印刷されているか否かが確認されるため、読取不可能な印刷不良を有するバーコードを正確かつ確実に特定することができる。
【0011】
請求項2および請求項4に記載の発明によれば、バーコードが正確に印刷されているか否かが確認されるため、わずかな(微小な)印刷不良を有するバーコードをもより正確かつ確実に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0013】
図1は、この発明の実施の形態に係るページプリンタ(バーコード印刷装置)1の概略構成ブロック図である。このページプリンタ1は、後述するスキャナ(情報読取手段)6と情報確認プログラム(情報確認手段)7とを除いて、広く一般に使用されているページプリンタと同等の構成であり、印刷データを受信するデータ受信部3と、受信した印刷データなどを記憶するメモリ4と、被印刷媒体に印刷データを印刷する印刷部(印刷機構部、印刷手段)5と、これらを制御などする中央制御部2とを備えている。また、ページプリンタ1は、この実施の形態では、単票用紙11を被印刷媒体とし、後述するようなバーコード14aも印刷データとして単票用紙11に印刷できるものである。
【0014】
このようなページプリンタ1によって、図2に示すような電気料金請求関係書10を印刷する場合を例にして、以下説明する。この電気料金請求関係書10は、主として、送り状12と電気料金請求書13と払込関係書14とから構成され、1枚の単票用紙11に各書12〜14が印刷され、さらに払込関係書14にバーコード14aが印刷される。このバーコード14aは、UCC/EAN128コードの一次元バーコードで、従来広く使用されていたJANコードに比べて、バーの幅やバー間隔が狭いものである。なお、送り状12には、宛先や送り主などの情報が印刷され、電気料金請求書13には、請求金額や契約番号などが印刷され、払込関係書14には、払込情報などが印刷される。
【0015】
スキャナ6は、印刷部5によって印刷されたバーコード14aから情報を読み取るバーコードリーダーで、印刷された電気料金請求関係書10が排出される排出部に設置されている。このスキャナ6は、LED式やレーザ式などのいずれの方式のものでもよく、この実施の形態では、固定型のレーザスキャン方式のものである。つまり、光源に赤色の半導体レーザを使用し、レーザ光を回転ミラーで反射させて左右にスキャンさせ、その反射光をセンサでキャッチして電気信号に変換するものである。また、バーコード14aから情報を読み取れるように、スキャナ6とバーコード14a(電気料金請求関係書10)との位置関係が調整可能となっており(自動調整機構を有し)、さらに、電気料金請求関係書10が排出されると自動的に読取を開始するようになっている。
【0016】
このようなスキャナ6は、バーコード14aから情報が読み取れた場合には、その情報を中央制御部2に送信し、情報が読み取れない場合には、「読取不可」信号を中央制御部2に送信する。すなわち、印刷部5によって印刷されたバーコード14aから情報が読み取れるか否かを確認するとともに、情報が読み取れる場合に、読み取った情報を中央制御部2に送信する役割を備えている。また、中央制御部2は「読取不可」信号を受信すると、当該電気料金請求関係書10のID(識別情報)、つまり単票用紙11に印刷すべき印刷データ(バーコード14aなど)のIDをメモリ4に記憶する。
【0017】
情報確認プログラム7は、バーコード14aから読み取った情報がスキャナ6から送信された際に、中央制御部2によって起動され、読み取った情報と、印刷部5によって印刷すべきバーコード14aの情報とが一致しているか否かを確認するプログラムである。具体的には、図3に示すフローチャートに基づいている。まず、印刷部5によって印刷すべきバーコード14aの情報、つまり正しい情報をメモリ4から取得し(ステップS1)、この情報とスキャナ6から受信した情報とが一致するか否かを判断する(ステップS2)。そして、一致していない場合には、当該電気料金請求関係書10のIDをメモリ4に記憶する(ステップS3)ものである。このようにして、バーコード14aに印刷不良を有する電気料金請求関係書10のIDがメモリ4に記憶される。また、このような処理は、連続的に行われるようになっている。すなわち、電気料金請求関係書10が印刷されると、スキャナ6による読取、情報確認プログラム7による確認が行われ、各工程では、当該電気料金請求関係書10のIDが認識されるようになっている。
【0018】
次に、このような構成のページプリンタ1の動作などについて、図4に基づいて説明する。
【0019】
まず、印刷部5によって単票用紙11にバーコード14aを含む印刷データが印刷され(ステップS11)、印刷された結果である電気料金請求関係書10が排出部から排出されると、スキャナ6によってバーコード14aから情報が読み取ろうとされる(ステップS12)。そして、情報が読み取れない場合(ステップS13で「N」の場合)には、「読取不可」信号が中央制御部2に送信され、当該電気料金請求関係書10のIDがメモリ4に記憶される(ステップS14)。一方、バーコード14aから情報が読み取れた場合(ステップS13で「Y」の場合)には、その情報が中央制御部2に送信されて、情報確認プログラム7が起動され(ステップS15)、上記のようにしてバーコード14aの情報が正しいか否かが判断される。その結果、正しくない場合には、当該電気料金請求関係書10のIDがメモリ4に記憶される。このような処理を、すべての印刷データ(電気料金請求関係書10)に対する印刷が完了するまで、繰り返すものである。そして、完了後に、メモリ4に記憶されたIDの電気料金請求関係書10を印刷物スタックから抜き取るとともに、必要に応じて再印刷などする。これにより、バーコード14aに印刷不良を有する電気料金請求関係書10の発送などを防ぎ、印刷が良好な電気料金請求関係書10のみを発送などできるものである。
【0020】
以上のように、本ページプリンタ1およびバーコード印刷方法によれば、バーコード14aが印刷されるたびに、当該バーコード14aから情報が読み取れるか否かが確認される。つまり、バーコード14aが読取可能な程度に印刷されているか否かが確認されるため、読取不可能な印刷不良を有するバーコード14aを正確かつ確実に、しかも人手によらずに(自動的に)特定することができる。さらには、バーコード14aから情報が読み取れる場合には、読み取った情報と印刷すべきバーコード14aの情報とが一致しているか否かが確認される。つまり、バーコード14aが正確に(正しく)印刷されているか否かが確認されるため、わずかな(微小な)印刷不良を有するバーコードをもより正確かつ確実に特定することができる。
【0021】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、ページプリンタ1をバーコード印刷装置としているが、その他の印刷装置・プリンタであってもよく、また、汎用のプリンタに上記のようなスキャナ6や情報確認プログラム7を備えるようにしてもよい。さらに、印刷装置と自動封入機とを備え、印刷した電気料金請求関係書10などの印刷物を自動的に封筒などに封入する印刷封入システムにおいて、印刷装置と自動封入機との間に、上記のようなスキャナ6を配設し、印刷不良を有する印刷物を自動封入機に送らないようにしてもよい。また、被印刷媒体が連続用紙であってもよく、バーコード13cが二次元バーコードなどであってもよいことは勿論である。さらには、印刷不良が確認された場合に、アラームを発生させたり、ページプリンタ1を停止させたり、あるいは、印刷不良の電気料金請求関係書10を印刷物スタックに送らないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施の形態に係るページプリンタの概略構成ブロック図である。
【図2】図1のページプリンタによって印刷される電気料金請求関係書を示す図である。
【図3】図1のページプリンタにおける情報確認プログラムのフローチャートである。
【図4】図1のページプリンタの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
1 ページプリンタ(バーコード印刷装置)
2 中央制御部
3 データ受信部
4 メモリ
5 印刷部(印刷手段)
6 スキャナ(情報読取手段)
7 情報確認プログラム(情報確認手段)
10 電気料金請求関係書
11 単票用紙(被印刷媒体)
12 送り状
13 電気料金請求書
14 払込関係書
14a バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを被印刷媒体に印刷するバーコード印刷装置であって、
前記被印刷媒体に前記バーコードを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって印刷されたバーコードから情報が読み取れるか否かを確認する情報読取手段と、
を備えたことを特徴とするバーコード印刷装置。
【請求項2】
前記情報読取手段によってバーコードから情報が読み取れる場合に、読み取った情報と、前記印刷手段によって印刷すべきバーコードの情報とが一致しているか否かを確認する情報確認手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバーコード印刷装置。
【請求項3】
バーコードを被印刷媒体に印刷するバーコード印刷方法であって、
前記被印刷媒体に前記バーコードを印刷した後に、
当該バーコードから情報が読み取れるか否かを確認することを特徴とするバーコード印刷方法。
【請求項4】
前記バーコードから情報が読み取れる場合に、読み取った情報と、印刷すべきバーコードの情報とが一致しているか否かを確認することを特徴とする請求項3に記載のバーコード印刷方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−334517(P2007−334517A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163947(P2006−163947)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】