説明

バーチャルスライド装置

【課題】より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【解決手段】撮像部108はサンプル101から入射された光に応じた画像を撮像する。カラーセンサ110はサンプル101から入射された光のスペクトルデータを取得する。光源制御部105は、通常サンプリング期間に光源104を点灯させ、暗時サンプリング期間に光源104を消灯させる。補正部111は、通常サンプリング期間にカラーセンサ110が取得したスペクトルデータと、暗時サンプリング期間にカラーセンサ110が取得したスペクトルデータとに基づいて、撮像部108が撮像した画像の色を補正する。ステージ制御部103は、暗時サンプリング期間に、ステージ102と、対物レンズ106およびハーフミラー107との相対位置を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーチャルスライド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病理標本のスライド画像をデジタル撮像するバーチャルスライド装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、従来知られているバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。図示する例では、バーチャルスライド装置1000は、サンプル1001が載置されるステージ1002と、ステージ1002を水平方向と光軸方向とに駆動するステージ制御部1003を備えている。また、バーチャルスライド装置1000は、サンプル1001を照明する光源1004と、サンプル1001に対向するように複数のレンズで構成された対物レンズ1005と、サンプル1001の像を撮像する撮像部1006とを備えている。またバーチャルスライド装置1000は、複数の画像を貼り合わせて1枚の画像を生成する際に、隣接する画像を特定する情報と、隣接する画像と重ね合わせる領域を特定する情報とを含む、貼り合わせ情報を生成する貼り合わせ情報生成部1007と、複数の画像と貼り合わせ情報とを1つのファイルに格納する画像ファイル生成部1008と、ステージ制御部1003と撮像部1006との制御を行う撮像制御部1009とを備えている。
【0004】
次に、バーチャルスライド装置1000によるサンプル1001の撮像方法について説明する。光源1004の光が、ステージ1002の上に載置されたサンプル1001の所定領域と対物レンズ1005とを透過して、撮像部1006に入射する。撮像部1006は、入射した光を光電変換し、サンプル1001の所定領域の高倍率の画像を撮像する。続いて、撮像部1006が所定領域に隣接する領域の高倍率の画像を撮像でき、かつ、隣接する所定領域の画像と重なる領域であるのりしろ部を持つように、ステージ制御部1003はステージ1002(サンプル1001)を水平方向に移動させる。なお、撮像制御部1009が、撮像部1006とステージ制御部1003との制御を行う。撮像制御部1009の制御により撮像部1006とステージ制御部1003とが上記の処理を繰り返し行うことで、撮像部1006は、サンプル1001の所定領域毎に、のりしろ部を有する高倍率画像を撮像する。
【0005】
撮像部1006が、サンプル1001の全ての所定領域の高倍率画像を撮像した後、貼り合わせ情報生成部1007は、隣接する高倍率画像と、各高倍率画像ののりしろ部とを認識し、認識した結果に基づいて貼り合わせ情報を生成する。続いて、画像ファイル生成部1008は、貼り合わせ情報生成部1007が生成した貼り合わせ情報と、撮像部1006が撮像した複数の高倍率画像とを1つのファイルに格納する。図示せぬ再生部は、貼り合わせ情報に基づいて、1つのファイルに格納された複数の高倍率画像を貼り合わせ、サンプル1001全体を示す1枚の高倍率画像を生成し、液晶ディスプレイなどに表示する。上述した処理を行うことで、バーチャルスライド装置1000は、サンプル1001全体の高倍率画像を生成することができる。
【0006】
また、RGBカメラに装着した小型分光計によって被写体のスペクトルを多点で計測し、その情報を用いてRGB画像からの色再現性を向上させる方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。従来知られている色再現性を向上させる方法を、従来知られているバーチャルスライド装置1000に適用すれば、色の再現性を良くしつつサンプル1001全体の高倍率画像を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−292999号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】家富邦彦、村上百合、山口雅浩、大山永昭、「多点計測スペクトル情報を利用したカラー画像の色推定手法の実験的評価」、第54回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集、p.1071
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般的に、カラーセンサの視野範囲は、RGBイメージセンサの画像エリア(撮像範囲)よりも小さい。図8は、従来知られているカラーセンサの視野範囲801と、RGBイメージセンサの画像エリア802との範囲を示した概略図である。図示する例では、カラーセンサの視野範囲801はφ400μmであり、RGBイメージセンサの画像エリア802は20mm×20mmである。この例では、カラーセンサの視野範囲801は、RGBイメージセンサの画像エリア802の0.13%程度とごく小さな領域である。そのため、カラーセンサに入射する光量はRGBイメージセンサに入射する光量よりも少ない。従って、カラーセンサが出力するスペクトルデータの出力信号は、RGBイメージセンサの出力信号よりも微少な信号である。
【0010】
微少な出力信号に基づいたスペクトルデータの精度を向上する手法の1つに、カラーセンサに光が入射しない状態(暗時状態)でカラーセンサが取得するスペクトルデータである暗時出力を用いて、被写体のスペクトルデータの補正を行う暗時出力の補正が知られている。なお、暗時出力はカラーセンサの積分時間や温度変動などで変動するため、できるだけ頻繁にカラーセンサを暗時状態にして暗時出力を取得しなければ、補正後のスペクトルデータの精度が劣化する可能性がある。
【0011】
そこで、暗時出力を頻繁に取得するために、被写体のスペクトルデータを取得する期間とは別に、光源を消灯してカラーセンサの暗時出力を取得する期間を設けることが考えられる。しかし、従来のバーチャルスライド装置が備える光源は一般的にハロゲンランプ等であり、光源の点灯後に光量が安定まで時間がかかるため、光源の点灯および消灯を迅速に切り換えることができず、被写体のスペクトルデータとカラーセンサの暗時出力とを取得するために時間がかかるという問題があった。また、暗時出力の補正を行う場合には、上述したとおり、被写体のスペクトルデータの取得期間とは別に、光源を消灯して暗時出力を取得する必要があり、1スライドの撮影に必要な撮影時間が長くなるという問題がある。
【0012】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができるバーチャルスライド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、サンプルを保持するステージと、前記サンプルに光を照射する光源と、前記サンプルから入射された光に応じた画像を撮像する撮像素子と、前記サンプルから入射された光のスペクトルデータを取得するカラーセンサと、前記サンプルからの光を前記撮像素子および前記カラーセンサに導く光学系と、通常サンプリング期間に前記光源を点灯させ、暗時サンプリング期間に前記光源を消灯させる光源制御部と、前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータと、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータとに基づいて、前記撮像素子が撮像した前記画像の色を補正するスペクトルデータ補正部と、前記暗時サンプリング期間に、前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させるステージ制御部と、を備えるバーチャルスライド装置である。
【0014】
また、本発明のバーチャルスライド装置において、前記暗時サンプリング期間の長さは、前記通常サンプリング期間の長さの(1/N)倍であり、前記スペクトルデータ補正部は、前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータの値と、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータの値をN倍した値とを用いて前記撮像素子の像の色を補正し、前記Nは1より大きい実数であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を所定の回数移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設けることを特徴とするバーチャルスライド装置である。
【0016】
また、本発明は、前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設けることを特徴とするバーチャルスライド装置である。
【0017】
また、本発明は、前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設け、前記スペクトルデータ補正部は、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータを所定の取得回数毎に平均化し、当該平均化したスペクトルデータと、前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータとに基づいて、前記撮像素子が撮像した前記画像の色を補正することを特徴とするバーチャルスライド装置である。
【0018】
また、本発明は、前記サンプルから入射された光に応じた全体画像を撮像する第2の撮像素子と、前記サンプル全体からの光を前記全体撮像素子に導く第2の光学系と、を備え、前記第2の撮像素子が撮像した前記全体画像に基づいて、前記暗時サンプリング期間を設けることを特徴とするバーチャルスライド装置である。
【0019】
また、本発明のバーチャルスライド装置において、前記第2の撮像素子は前記撮像素子と少なくとも一部を共有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明のバーチャルスライド装置において、前記第2の光学系は前記光学系と少なくとも一部を共有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ステージはサンプルを保持する。また、光源はサンプルに光を照射する。また、撮像素子は、サンプルから入射された光に応じた画像を撮像する。また、カラーセンサは、サンプルから入射された光のスペクトルデータを取得する。また、光学系は、サンプルからの光を撮像素子およびカラーセンサに導く。また、光源制御部は、通常サンプリング期間に光源を点灯させ、暗時サンプリング期間に光源を消灯させる。また、スペクトルデータ補正部は、通常サンプリング期間にカラーセンサが取得したスペクトルデータと、暗時サンプリング期間にカラーセンサが取得したスペクトルデータとに基づいて、撮像素子が撮像した画像の色を補正する。また、ステージ制御部は、暗時サンプリング期間に、ステージと光学系との相対位置を移動させる。
【0022】
これにより、ステージと光学系との相対位置を移動させている時間を用いて光源が点灯されていない時のスペクトルデータを取得することができるため、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置が、複数のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示した概略図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるバーチャルスライド装置が、複数のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示した概略図である。
【図4】本発明の第3の実施形態におけるバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。
【図5】本発明の第3の実施形態において、サンプルからの光量が少ないタイリング画像領域と、サンプルからの光量が多いタイリング画像領域との例を示した概略図である。
【図6】本発明の第3の実施形態におけるバーチャルスライド装置の動作手順を示したフローチャートである。
【図7】従来知られているバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。
【図8】従来知られているカラーセンサの視野範囲と、RGBイメージセンサの画像エリアとの範囲を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置1の構成を示した概略図である。図示する例では、バーチャルスライド装置1は、全体制御部100と、ステージ102と、ステージ制御部103と、光源104と、光源制御部105と、対物レンズ106と、ハーフミラー107と、撮像部108(撮像素子)と、ピンホール109と、カラーセンサ110と、補正部111(スペクトルデータ補正部)と、全体画像生成部112とを備える。
【0025】
全体制御部100は、バーチャルスライド装置1が備える各部の制御を行う。また、全体制御部100は、サンプル101(試料)のスペクトルデータを取得する期間である通常サンプリング期間と、カラーセンサ110の暗時出力を取得する期間である暗時サンプリング期間とを設定する。
【0026】
ステージ102は、サンプル101を載置するための台である。ステージ制御部103は、全体制御部100の制御に基づいて、ステージ102を、撮像部108の撮像面と水平な方向及び垂直な方向(三次元方向)に駆動させる。光源104は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)等であり、サンプル101を照射する光を発生する。また、光源104は、点灯と消灯とを迅速に切り換えることができるものである。光源制御部105は、光源104の点灯および消灯を制御する。具体的には、光源制御部105は、通常サンプリング期間では光源104を点灯させ、暗時サンプリング期間では光源104を消灯させる。
【0027】
対物レンズ106は、サンプル101の所定領域からの光束を集光させ、集光させた光をハーフミラー107に対して照射する。ハーフミラー107は、対物レンズ106からの光の一部をピンホール109の方向に反射し、一部を透過する。
【0028】
撮像部108は受光面を備えており、ハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置されている。また、撮像部108は、受光した光を、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換する。この構成により、撮像部108は、サンプル101のタイリング画像(所定領域の画像、部分画像)を撮像することができる。なお、サンプル101からの光を撮像部108まで導く対物レンズ106とハーフミラー107とを光学系とする。
【0029】
ピンホール109は、ハーフミラー107とカラーセンサ110との間に配置されており、ハーフミラー107からの光のうち、一部の領域の光を遮り、一部の領域の光を透過する。ピンホール109を透過した光は、カラーセンサ110に入射する。カラーセンサ110は、通常サンプリング期間に、サンプル101からの光のうち、ピンホール109を透過した光のスペクトルデータを取得する。また、カラーセンサ110は、暗時サンプリング期間に、カラーセンサ110に光が入射しない状態(暗時状態)でのスペクトルデータである暗時出力を取得する。
【0030】
補正部111は、カラーセンサ110が通常サンプリング期間に取得するスペクトルデータの精度を向上させるために、暗時サンプリング期間に取得するスペクトルデータを用いて暗時出力の補正を行う。そして、補正部111は、暗時出力の補正を行ったスペクトルデータを用いて、撮像部108が撮像したサンプル101のタイリング画像の色補正を行う。全体画像生成部112は、撮像部108が撮像して補正部111が色補正した複数枚のタイリング画像それぞれに対して隣接するタイリング画像を認識し、さらに、隣接するタイリング画像同士ののりしろ部を認識し、認識した結果に基づいて全てのタイリング画像を貼り合わせて1枚の全体画像を生成する。
【0031】
次に、バーチャルスライド装置1が複数枚のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングについて説明する。図2は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置1が複数枚のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示した概略図である。図示する例では、1タイル目〜3タイル目のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示している。なお、4タイル目以降のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングについても、1タイル目〜3タイル目のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングと同様の動作タイミングである。
【0032】
各タイリング画像の撮像期間には、暗時サンプリング期間201と通常サンプリング期間202とが含まれる。暗時サンプリング期間201は、カラーセンサ110の暗時出力を取得する期間である。通常サンプリング期間202は、サンプル101のスペクトルデータを取得する期間である。なお、通常サンプリング期間202の長さは、撮像部108がタイリング画像を撮像する長さと同じ長さである。また、暗時サンプリング期間201と通常サンプリング期間202とは同じ長さである。よって、本実施形態では、全体制御部100は、通常サンプリング期間202の長さを、タイリング画像の撮像期間の長さと同じ長さに設定し、暗時サンプリング期間201の長さを、通常サンプリング期間202の長さと同じ長さに設定する。
【0033】
暗時サンプリング期間201では、光源制御部105は光源104を消灯させ、カラーセンサ110は、暗時出力を取得する。また、暗時サンプリング期間201内において、サンプル101の所望の領域のタイリング画像を撮影するために、ステージ制御部103はステージ102を駆動してサンプル101の位置を移動させる。また、ステージ制御部103は、ステージ102を駆動してサンプル101の位置を所望の位置まで移動させた後、ステージ102を静止させる。なお、暗時サンプリング期間201では、撮像部108は特に処理を行わない。
【0034】
通常サンプリング期間202では、光源制御部105は光源104を点灯させ、カラーセンサ110は、サンプル101のスペクトルデータを取得する。また、通常サンプリング期間202では、撮像部108はサンプル101のタイリング画像を撮像する。なお、通常サンプリング期間202では、ステージ制御部103は特に処理を行わない。
【0035】
上述したとおり、バーチャルスライド装置1は、暗時出力を取得している間にステージ102を駆動するため、暗時出力の取得のみに必要な時間をより短くすることができる。
【0036】
なお、カラーセンサ110が通常サンプリング期間に取得するスペクトルデータの精度を向上させるために、暗時サンプリング期間に取得するスペクトルデータを用いて補正部111が暗時出力の補正を行うタイミングと、暗時出力の補正を行ったスペクトルデータを用いて、撮像部108が撮像したサンプル101のタイリング画像の色補正を補正部111が行うタイミングについては、どのようなタイミングで行ってもよい。例えば、タイリング画像の撮像を終了した後、他のタイリング画像を撮像している間に撮影済みのタイリング画像の色補正を行ってもよく、また、全てのタイリング画像の撮像を終了した後に、各タイリング画像の色補正を行ってもよい。
【0037】
また、上述した例では、ステージを移動する毎に暗時サンプリング期間を設けているが、これに限らず、所定の回数ステージを移動する毎に、暗時サンプリング期間を設けるようにしてもよい。なお、タイリング画像の撮像の際に暗時サンプリング期間を設けず、暗時出力を取得していない場合は、直前の暗時サンプリング期間で取得した暗時出力を用いて暗時出力の補正を行うようにしてもよい。
【0038】
また、複数の暗時出力の平均値を用いて、通常サンプリング期間に取得する各スペクトルデータの精度を向上させるようにしてもよい。例えば、各タイリング画像の撮像時に取得した全ての暗時出力の平均値を算出し、算出した暗時出力値を用いて各タイリング画像の撮像時に取得したスペクトルデータの精度を向上させるようにしてもよい。これにより、スペクトルデータを用いて色補正を行ったタイリング画像から全体画像を生成する際に、タイリング画像のつなぎ目をより目立たなくすることができる。また、複数枚ごとに暗時出力の平均値を算出し、算出した暗時出力値を用いて各タイリング画像の撮像時に取得したスペクトルデータの精度を向上させても良い。また、タイリング画像の行毎または列毎に暗時出力の平均値を算出し、算出した暗時出力値を用いて各タイリング画像の撮像時に取得したスペクトルデータの精度を向上させても良い。
【0039】
また、全体画像生成部112が、複数のタイリング画像を貼り合わせて1枚の全体画像を生成するタイミングは、どのようなタイミングでもよい。例えば、全体画像生成部112は、補正部111が全てのタイリング画像の色補正を行った後すぐに全体画像を生成してもよい。また、図示せぬ表示部が全体画像を表示する直前に、全体画像生成部112は、全体画像を生成するようにしてもよい。また、各タイリング画像の色補正を行う前に、全体画像生成部112が1枚の全体画像を生成し、その後、補正部11が全体画像の色補正を行うようにしてもよい。この場合、例えば、補正部11は、各タイリング画像のスペクトルデータの平均値を用いて全体画像の色補正を行う。
【0040】
上述したとおり、バーチャルスライド装置1は、タイリング画像を撮像する前に、サンプル101の位置合わせのためにサンプル101を載置したステージ102を移動させる必要があるが、本実施形態によれば、少なくとも、暗時出力を取得している間(暗時サンプリング期間)に、ステージ制御部103はステージ102を駆動してサンプル101の位置を移動させる。すなわち、バーチャルスライド装置1は、ステージ102の駆動時間を無駄にせずにカラーセンサ110の暗時出力を取得する。従って、バーチャルスライド装置1は、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態におけるバーチャルスライド装置1の構成と、第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置1の構成とは同様の構成である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、本実施形態では、サンプル101の位置合わせのためにサンプル101を載置したステージ102を移動させる時間内に暗時出力を取得する点である。
【0042】
次に、バーチャルスライド装置1が複数のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングについて説明する。図3は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置1が複数のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示した概略図である。図示する例では、1タイル目〜3タイル目のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングを示している。なお、4タイル目以降のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングについても、1タイル目〜3タイル目のタイリング画像を撮像する際の動作タイミングと同様の動作タイミングである。
【0043】
各タイリング画像の撮像期間には、暗時サンプリング期間301と通常サンプリング期間302とが含まれる。また、各サンプリング期間において、バーチャルスライド装置1の各部が行う処理は第1の実施形態と同様である。本実施形態と第1の実施形態とで異なる点は、本実施形態では、ステージ制御部103がステージ102を駆動してサンプル101の位置を移動させる期間に暗時出力を取得する点である。すなわち、暗時サンプリング期間301の長さは、ステージ制御部103がステージ102を駆動してサンプル101の位置を移動させる期間の長さと同じ長さである。また、一般的に、撮像部108がタイリング画像を撮影する期間の長さよりも、サンプル101の位置合わせのためにステージ102を移動させる期間の長さの方が短い。よって、暗時サンプリング期間301の長さは、通常サンプリング期間302の長さよりも短い。図示する例では、通常サンプリング期間302の長さを「1」とした場合、暗時サンプリング期間301の長さは「1/N」である(Nは1より大きい実数)。
【0044】
そのため、暗時サンプリング期間301で取得する暗時出力の積分時間は「1/N」であり、通常サンプリング期間302で取得するスペクトルデータの積分時間は「1」であり、各積分時間は異なる。しかしながら、暗時出力の補正を行う際には、暗時出力の積分時間とスペクトルデータの積分時間との条件が一致していなければならない。従って、本実施形態では、暗時補正に用いる暗時出力値は、カラーセンサ110が取得した暗時出力値をN倍した値を用いる。
【0045】
なお、通常サンプリング期間に取得するスペクトルデータの精度を向上させるために、暗時サンプリング期間に取得するスペクトルデータを用いて補正部111が暗時出力の補正を行うタイミングと、暗時出力の補正を行ったスペクトルデータを用いて、撮像部108が撮像したサンプル101のタイリング画像の色補正を補正部111が行うタイミングについては、第1の実施形態と同様にどのようなタイミングもよい。また、全体画像生成部112が、複数のタイリング画像を貼り合わせて1枚の全体画像を生成するタイミングについても、第1の実施形態と同様に、どのようなタイミングでもよい。また、第1の実施形態と同様に、複数の暗時出力の平均値を用いて、通常サンプリング期間に取得する各スペクトルデータの精度を向上させるようにしてもよい。
【0046】
上述したとおり、バーチャルスライド装置1は、タイリング画像を撮像する前に、位置合わせのためにサンプル101を載置したステージ102を移動させる必要があるが、本実施形態によれば、位置合わせのためにサンプル101を載置したステージ102を移動させる期間に、暗時出力を取得する。そして、暗時出力の補正を行う際には、暗時出力の積分時間とスペクトルデータの積分時間との条件を統一するために、カラーセンサ110が取得した暗時出力の値をN倍とした値を用いる。すなわち、バーチャルスライド装置1は、ステージ102の駆動時間を無駄にせずにカラーセンサ110の暗時出力を取得する。従って、バーチャルスライド装置1は、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図4は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置2の構成を示した概略図である。図示する例では、バーチャルスライド装置2は、全体制御部100と、ステージ102と、ステージ制御部103と、光源104と、光源制御部105と、第1の対物レンズ206と、第2の対物レンズ207と、ハーフミラー107と、高倍率の画像を撮像する第1の撮像部208(撮像素子)と、低倍率の画像を撮像する第2の撮像部209(第2の撮像素子)と、ピンホール109と、カラーセンサ110と、補正部111と、全体画像生成部112と、領域判定部211とを備える。
【0048】
全体制御部100と、ステージ102と、ステージ制御部103と、光源104と、光源制御部105と、ハーフミラー107と、ピンホール109と、カラーセンサ110と、補正部111と、全体画像生成部112とは、第1の実施形態の各部と同様である。
【0049】
第1の対物レンズ206は、サンプル101のタイリング画像を拡大して撮像するために用いる対物レンズであり、第2の対物レンズ207よりも拡大率が高い対物レンズである。第2の対物レンズ207は、サンプル101の全体画像を撮像するために用いる対物レンズであり、第1の対物レンズ206よりも拡大率が低い対物レンズである。また、一時点において、第1の対物レンズ206と第2の対物レンズ207とのどちらか一方を、サンプル101に対向するように配置することができる構成となっている。第1の対物レンズ206は、サンプル101に対向するように配置された場合、サンプル101の所定領域からの光束を集光させ、集光させた光をハーフミラー107に対して照射する。第2の対物レンズ207は、サンプル101に対向するように配置された場合、サンプル101の全体領域からの光束を集光させ、集光させた光をハーフミラー107に対して照射する。ハーフミラー107は、第1の対物レンズ206または第2の対物レンズ207からの光の一部をピンホール109の方向に反射し、一部を透過する。
【0050】
第1の撮像部208は、第2の撮像部209よりも画素数が多く、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換することで高解像度の画像を撮像する。第2の撮像部209は、第1の撮像部208よりも画素数が少なく、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換することで低解像度の画像を撮像する。また、一時点において、第1の撮像部208と第2の撮像部209とのどちらか一方を、ハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置することができる構成となっている。本実施形態では、第1の対物レンズ206がサンプル101に対向するように配置された場合、第1の撮像部208は、ハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置される。また、第2の対物レンズ207がサンプル101に対向するように配置された場合、第2の撮像部209は、ハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置される。これにより、第1の撮像部208は、サンプル101のタイリング画像を高解像度で撮像することができ、第2の撮像部209は、サンプル101の全体画像を低解像度で撮像することができる。
【0051】
なお、サンプル101のタイリング画像領域の光を第1の撮像部208まで導く光学系を第1の光学系とし、サンプル101の全体画像領域の光を第2の撮像部209まで導く光学系を第2の光学系とする。図示する例では、第1の光学系と第2の光学系とはハーフミラー107を共有している。
【0052】
領域判定部211は、各タイリング画像領域のうち、光量が多い領域と光量が少ない領域とを判定する。本実施形態では、領域判定部211は、第2の撮像部209が撮像した1枚の全体画像の画素値を用いてタイリング画像領域毎に画素値の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域と、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域とを判定する。例えば、算出した画素値の平均値が予め定められた閾値以上の場合、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域であると判定する。また、算出した画素値の平均値が予め定められた閾値未満の場合、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域であると判定する。
【0053】
なお、図示する例は、バーチャルスライド装置2は、第1の撮像部208と第2の撮像部209とを別々に備えているが、これに限らず、第2の撮像部209は、第1の撮像部208と一部または全てを共有するようにしてもよい。
【0054】
また、図示する例では、バーチャルスライド装置2は、第1の撮像部208と第2の撮像部209とを備えているが、これに限らず、第1の撮像部208のみを備え、第1の対物レンズ206と第2の対物レンズ207との配置を換えることで、サンプル101のタイリング画像と、全体画像とを撮像するようにしてもよい。
【0055】
次に、本実施形態において、暗時出力を取得するタイリング画像領域について説明する。カラーセンサ110が、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値と、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値とを比較すると、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値の方が小さい。そのため、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際には、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が高い。
【0056】
従って、本実施形態では、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が高いタイリング画像領域では、カラーセンサ110の暗時出力を取得して暗時補正を行う。また、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が低いタイリング画像領域では、カラーセンサ110の暗時出力を取得せず、暗時補正も行わない。これにより、バーチャルスライド装置2は、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【0057】
図5は、本実施形態において、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域と、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域との例を示した概略図である。図示する例では、第1の撮像部208が撮像するタイリング画像領域501〜515と、第2の撮像部209が撮像する全体画像領域601とが示されている。また、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域として、タイリング画像領域501,503,505,508,509,512が示されている。また、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域として、タイリング画像領域502,504,506,507,510,511,513〜515が示されている。本実施形態では、カラーセンサ110は、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域の暗時出力を取得するため、タイリング画像領域501,503,505,508,509,512のみの暗時出力を取得する。
【0058】
次に、バーチャルスライド装置2によるサンプル101の撮像手順について説明する。図6は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置2の動作手順を示したフローチャートである。
(ステップS101)全体制御部100は、第2の対物レンズ207をサンプル101に対向する位置に配置し、第2の撮像部209をハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置し、第2の対物レンズ207と第2の撮像部209とを用いて、サンプル101の全体画像を撮像する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)領域判定部211は、ステップS101の処理で第2の撮像部209が撮像したサンプル101の全体画像を用いて、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域と、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域とを判定する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0059】
(ステップS103)全体制御部100は、第1の対物レンズ206をサンプル101に対向する位置に配置し、第1の撮像部208をハーフミラー107が透過した光を受光する位置に配置する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)全体制御部100は、第1の撮像部208がサンプル101の全てのタイリング画像領域のタイリング画像を撮像したか否かを判定する。第1の撮像部208はサンプル101の全てのタイリング画像領域のタイリング画像を撮像したと全体制御部100が判定した場合にはステップS107の処理に進み、それ以外の場合にはステップS105の処理に進む。
【0060】
(ステップS105)全体制御部100は、第1の撮像部208が、まだ撮像していないタイリング画像領域のタイリング画像を撮像できるように、ステージ制御部103を制御してステージ102(サンプル101)を水平方向に移動させる。また、全体制御部100は、ステージ102の移動中にサンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域が第1の対物レンズ206の光軸上を通過する場合、暗時サンプリング期間301と設定し、光源104を消灯させ、カラーセンサ110に暗時出力を取得させる。カラーセンサ110は、取得した暗時出力を補正部111に対して出力する。なお、このときにカラーセンサ110が暗時出力を取得する領域は、例えば、図5に示したタイリング画像領域501,503,505,508,509,512である。その後、ステップS106の処理に進む。
【0061】
(ステップS106)全体制御部100は、通常サンプリング期間302と設定し、第1の撮像部208にタイリング画像を撮像させ、カラーセンサ110にスペクトル情報を取得させる。第1の撮像部208はタイリング画像を撮像し、撮像したタイリング画像を補正部111に対して出力する。また、カラーセンサ110は、スペクトル情報を取得し、取得したスペクトル情報を補正部111に対して出力する。なお、ステップS105の処理でカラーセンサ110が暗時出力を取得した場合には、補正部111は、スペクトルデータの暗時出力の補正を行い、カラーセンサ110が通常サンプリング期間に取得するスペクトルデータの精度を向上させる。また、ステップS105の処理でカラーセンサ110が暗時出力を取得していない場合には、補正部111は、スペクトルデータの暗時出力の補正を行わない。そして、補正部111は、スペクトルデータを用いて、撮像部108が撮像したサンプル101のタイリング画像の色補正を行う。その後、ステップS104の処理に戻る。
【0062】
(ステップS107)全体画像生成部112は、ステップS106の処理で補正部111が色補正を行ったタイリング画像を貼り合わせて一枚の全体画像を生成する。その後、処理を終了する。
【0063】
上述したとおり、カラーセンサ110が、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値と、サンプル101からの光量が多いタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値とを比較すると、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際の出力値の方が小さい。そのため、サンプル101からの光量が少ないタイリング画像領域のスペクトルデータを取得した際には、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が高い。
【0064】
従って、本実施形態では、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が高いタイリング画像領域では、カラーセンサ110の暗時出力を取得して暗時補正を行う。また、カラーセンサ110の暗時出力がスペクトルデータの精度に大きな影響を与える可能性が低いタイリング画像領域では、カラーセンサ110の暗時出力を取得せず、暗時補正も行わない。これにより、バーチャルスライド装置2は、より正確なスペクトルデータをより短時間に取得することができる。
【0065】
以上、この発明の第1の実施形態から第3の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、ステージを移動させることでステージと光学系との相対位置を移動させているが、これに限らず、光学系を移動させることでステージと光学系との相対位置を移動させるようにしてもよく、ステージと光学系の両方を移動させることでステージと光学系との相対位置を移動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1,2・・・バーチャルスライド装置、100・・・全体制御部、101・・・サンプル、102・・・ステージ、103・・・ステージ制御部、104・・・光源、105・・・光源制御部、106・・・対物レンズ、107・・・ハーフミラー、108・・・撮像部、109・・・ピンホール、110・・・カラーセンサ、111・・・補正部、112・・・全体画像生成部、206・・・第1の対物レンズ、207・・・第2の対物レンズ、208・・・第1の撮像部、209・・・第2の撮像部、211・・・領域判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを保持するステージと、
前記サンプルに光を照射する光源と、
前記サンプルから入射された光に応じた画像を撮像する撮像素子と、
前記サンプルから入射された光のスペクトルデータを取得するカラーセンサと、
前記サンプルからの光を前記撮像素子および前記カラーセンサに導く光学系と、
通常サンプリング期間に前記光源を点灯させ、暗時サンプリング期間に前記光源を消灯させる光源制御部と、
前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータと、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータとに基づいて、前記撮像素子が撮像した前記画像の色を補正するスペクトルデータ補正部と、
前記暗時サンプリング期間に、前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させるステージ制御部と、
を備えるバーチャルスライド装置。
【請求項2】
前記暗時サンプリング期間の長さは、前記通常サンプリング期間の長さの(1/N)倍であり、
前記スペクトルデータ補正部は、前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータの値と、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータの値をN倍した値とを用いて前記撮像素子の像の色を補正し、
前記Nは1より大きい実数である
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項3】
前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を所定の回数移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設ける
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項4】
前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設ける
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項5】
前記ステージ制御部が前記ステージと前記光学系との相対位置を移動させる毎に、前記暗時サンプリング期間を設け、
前記スペクトルデータ補正部は、前記暗時サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータを所定の取得回数毎に平均化し、当該平均化したスペクトルデータと、前記通常サンプリング期間に前記カラーセンサが取得した前記スペクトルデータとに基づいて、前記撮像素子が撮像した前記画像の色を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項6】
前記サンプルから入射された光に応じた全体画像を撮像する第2の撮像素子と、
前記サンプル全体からの光を前記全体撮像素子に導く第2の光学系と、
を備え、
前記第2の撮像素子が撮像した前記全体画像に基づいて、前記暗時サンプリング期間を設ける
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項7】
前記第2の撮像素子は前記撮像素子と少なくとも一部を共有する
ことを特徴とする請求項6に記載のバーチャルスライド装置。
【請求項8】
前記第2の光学系は前記光学系と少なくとも一部を共有する
ことを特徴とする請求項6に記載のバーチャルスライド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−25023(P2013−25023A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158836(P2011−158836)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】