パイプハウス用取付部材
【課題】シート状の太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して容易に着脱することを可能と為し、太陽電池モジュール自体を屋根材等として使用することも実現可能と為し得る、新規な構造のパイプハウス用取付部材を提供することを、目的とする。
【解決手段】フレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされて固着される台座シート12においてフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされる固着面14と反対側のハウス内面16には、ハウス内面16から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片18,18が設けられている。そして、これら一対の取付片18,18の対向面間にパイプハウス骨格38を形成する骨格部材40を嵌め入れた状態で一対の取付片18,18を相互に連結して骨格部材40の抜け出しを阻止する連結保持手段22を設けた。
【解決手段】フレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされて固着される台座シート12においてフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされる固着面14と反対側のハウス内面16には、ハウス内面16から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片18,18が設けられている。そして、これら一対の取付片18,18の対向面間にパイプハウス骨格38を形成する骨格部材40を嵌め入れた状態で一対の取付片18,18を相互に連結して骨格部材40の抜け出しを阻止する連結保持手段22を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状又はプレート状の太陽電池モジュールをパイプハウス用骨格へ取り付けて屋根材等として利用することを可能とする、太陽電池モジュールのパイプハウス用骨格への取付部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力の供給源の一つとして、環境に対する配慮から太陽電池を用いた太陽光発電が注目されている。例えば家屋や工場等の建築物では、その屋根上に設置したフレームに太陽電池パネルを固定して設置することにより、かかる建築物において使用する電力を太陽光発電で補う設備も実用化されている。
【0003】
ところで、農業等の分野では、構造が簡易で設置も容易であることから、農業用ビニールハウス等のパイプハウスが利用されている。そして、かかるパイプハウスでも、ハウス内の暖房や冷房、換気等の空調設備の作動の他、耕転や収穫、吸水、施肥などの各種作業用設備の作動に際して、駆動エネルギーとしての電力が必要とされることが多い。それ故、これらの電力を太陽光発電で補うことも検討されている。
【0004】
ところが、パイプハウスは、家屋や工場等の建築物に比して剛性や強度が小さい。それ故、パイプハウスの屋根上に太陽電池パネルを固定するフレームを設置することが極めて困難であるという問題があった。
【0005】
なお、特開2006−339683号公報(特許文献1)には、農業用ビニールハウス等における太陽光発電設備の適用構造の一つとして、テントや簡易ドーム状構造物におけるシート状の屋根材に対して太陽電池モジュールを縫い付けることで取り付けた構造が提案されている。しかし、大きな屋根材に対して多数の太陽電池モジュールを縫い付ける作業は極めて困難であり、屋根材の定期的交換の際には縫い付けた太陽電池モジュールが邪魔になる等の問題があって、実用的ではない。
【0006】
また、特許文献2(特開2001−291888号公報)には、複数の太陽電池モジュールを、袋状の外装フィルム内に移動可能に収容し、この外装フィルムをビニールハウス等の骨格に係止させた構造が提案されている。しかし、この特許文献2に記載の構造では、太陽電池モジュールを収容した外装フィルムを農業用ビニールハウスに装着するために、隣り合うハウス骨格間に跨がって係止される特別な固着具を別途に準備する必要があった。しかも、隣り合うハウス骨格間だけにしか太陽電池モジュールを配設することができず、太陽電池モジュールの配設態様が極めて制限されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−339683号公報
【特許文献2】特開2001−291888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題とするところは、シート状(プレート状等を含む)の太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して容易に着脱することを可能と為し、太陽電池モジュール自体を屋根材等として使用することも実現可能と為し得る、新規な構造のパイプハウス用取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様は、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に取り付けるためのパイプハウス用取付部材であって、前記太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされて固着される台座シートを備えていると共に、該台座シートにおいて該太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされる固着面と反対側のハウス内面には、該ハウス内面から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片が設けられており、該一対の取付片の対向面間に前記パイプハウス骨格における骨格部材を嵌め入れた状態で該一対の取付片を相互に連結して該骨格部材の抜け出しを阻止する連結保持手段を設けたパイプハウス用取付部材を、特徴とする。
【0010】
第一の態様に従う構造とされたパイプハウス用取付部材を利用することにより、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して直接に取り付けることが可能となる。しかも、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して着脱する作業が、一対の取付片の対向面間にパイプハウス骨格の骨格部材を嵌め入れた状態で、一対の取付片を連結状態かそうでない状態にするだけで良い。
【0011】
従って、太陽電池モジュールそのものを屋根材等として直接使用することも出来るし、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して容易に脱着することも出来る。しかも、太陽電池モジュールに対するパイプハウス用取付部材の取付位置が特段に制限されるものではないことから、太陽電池モジュールを任意の位置で、パイプハウス用取付部材を用いて、パイプハウス骨格に対して支持せしめることが出来る。それ故、パイプハウス骨格に対する太陽電池モジュールの配設態様の設定自由度が大きく確保され得る。
【0012】
なお、本発明において対象となる太陽電池モジュールは、具体的な材質等が限定されるものでないが、例えば太陽電池モジュールで屋根材等を形成する場合には、パイプハウス骨格に装着するのに要求される形状の自由度を有するものが好適に採用される。具体的には、例えばカルコパイライト系太陽電池等の化合物系や、有機薄膜太陽電池等の有機系の他、曲面設置可能な球状シリコン型太陽電池等のシリコン系等の、フレキシブルな太陽電池モジュールが好適に採用される。尤も、太陽電池モジュールの設置態様によっては、必ずしもフレキシブルな性能が要求されるものでなく、一般の単結晶シリコン型を含むシリコン系や各種化合物系,有機系のものが何れも本発明の対象とする太陽電池モジュールとなり得る。
【0013】
また、かかる太陽電池モジュールが装着されるパイプハウス骨格の骨格部材としても、例えば従来構造のビニールハウスにおいて外壁(周壁や屋根材等)を構成する樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格をそのまま利用して、このパイプハウス骨格を骨格部材として装着することにより樹脂フィルムに代えてフレキシブル太陽電池モジュールを採用し、かかる太陽電池モジュールによってパイプハウスの外壁を構成することも可能である。或いは、そのような従来構造のビニールハウスにおいてパイプハウス骨格で支持されて外壁を構成する樹脂フィルムをそのままにして、当該外壁の内側(又は外側)に別のパイプハウス骨格を構築せしめ、このパイプハウス骨格の骨格部材に対して、本発明に係るパイプハウス用取付部材を用いて、太陽電池モジュールを支持せしめて装着することも可能である。なお、このように従来構造のビニールハウス等の外壁を残したままで、当該外壁の内側(又は外側)に太陽電池モジュールを装着する場合には、太陽電池モジュールに対して防水性等の外壁機能が必ずしも要求されないことから、太陽電池モジュールの配設形態の自由度を大きく確保できると共に、要求される取付支持強度が低くされてパイプハウス用取付部材の装着数の減少や取付構造の簡略化等も可能となる。
【0014】
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載のものにおいて、前記台座シートにおける前記ハウス内面が鏡面とされているようにしたものである。
【0015】
第二の態様によれば、パイプハウス内へ入り込んできた太陽光が台座シートのハウス内面で反射される。それ故、太陽電池モジュールが太陽光を遮ってしまうことによるパイプハウス内の照度の低下を軽減若しくは回避することが出来る。
【0016】
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記台座シートが透明であるようにしたものである。
【0017】
第三の態様によれば、太陽光が台座シートを通りぬける。それ故、太陽光が台座シートで遮られてしまう不具合を回避することが出来る。このような台座シートは、例えば太陽電池モジュールの透明部分へ装着することで使用する他、太陽電池モジュール以外の透明な屋根材へ装着して使用することも好適である。
【0018】
本発明の第四の態様は、第三の態様に記載のものにおいて、前記台座シートによって光学レンズが構成されているようにしたものである。
【0019】
第四の態様によれば、台座シートを通りぬける太陽光を、用途等を考慮してより効率的に利用することが可能となる。例えば、光学レンズとして、プリズムや、光収束させる凸レンズ、光発散させる凹レンズ、球面レンズ等の各種レンズが適宜に採用される。例えば、プリズムを採用して、ハウス内栽培作物に有益な波長光だけを照射したり、凹レンズを使用して太陽電池モジュールの裏側へ太陽光を回り込ませて太陽電池モジュールの影による栽培作物への悪影響を軽減させること等も可能となる。
【0020】
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れかの態様に記載のものにおいて、前記一対の取付片が可撓性を有しており、該一対の取付片のそれぞれの先端縁部に設けられて互いに係合する係合部材によって前記連結保持手段が構成されていると共に、これら係合部材による係合状態が解除可能とされているようにしたものである。
【0021】
第五の態様によれば、各取付片に設けられた係合部材同士が係合することにより、一対の取付片が相互に連結される。それ故、一対の取付片を連結する際に、他部材を別途用いる必要がなくなる。
【0022】
本発明の第六の態様は、第五の態様に記載のものにおいて、前記一対の取付片の間に跨がってファスナーを構成するファスナー部材が設けられており、該ファスナー部材によって前記係合部材が構成されているようにしたものである。
【0023】
第六の態様によれば、ファスナーを開閉するだけで、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して脱着することが出来る。それ故、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して脱着する作業が極めて容易になる。
【0024】
本発明の第七の態様は、第一〜第四の何れかの態様に記載のものにおいて、前記連結保持手段が、前記一対の取付片に掛け渡されて装着される掛渡部材によって構成されているようにしたものである。
【0025】
第七の態様によれば、一対の取付片が掛渡部材で相互に連結されるから、仮に一対の取付片が何れも充分な可撓性を有しない場合等であっても、一対の取付片を連結して骨格部材の抜け出しを阻止することが可能となる。
【0026】
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れかの態様に記載のものにおいて、前記太陽電池モジュールに及ぼされる張力を緩和する引張部材の端部を取り付けるための取付部が設けられているようにしたものである。
【0027】
第八の態様によれば、太陽電池モジュールを屋根材としてパイプハウス骨格に取り付ける際に、パイプハウス骨格において異なる位置に取り付けられたパイプハウス用取付部材同士を引張部材で連結することが出来る。これにより、パイプハウス骨格に取り付けられた太陽電池モジュールに及ぼされる張力を、引張部材に分担支持させて、緩和することが可能となる。その結果、引張力の作用に起因する太陽電池モジュールの太陽電池セルの損傷や耐久性低下等の不具合を軽減又は回避することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明に従う構造とされたパイプハウス用取付部材においては、太陽電池モジュールの裏面に装着されて、パイプハウスの骨格部材に対して取り付けられ得る。それ故、例えば太陽電池モジュールを、本発明のパイプハウス用取付部材を介して、パイプハウスの骨格部材に対して取り付けることにより、かかる太陽電池モジュールをパイプハウスの屋根材等として直接使用することも可能となる。しかも、本発明のパイプハウス用取付部材は、骨格部材に対する着脱作業を、一対の取付片の連結と解除で容易に行なうことが出来るのであり、ひいては太陽電池モジュールのパイプハウスに対する脱着作業も容易とされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図2】図1に示すパイプハウス用取付部材の側面図。
【図3】スライドファスナーを備えるパイプハウス用取付部材として採用可能な態様を説明するための側面図。
【図4】図1に示したパイプハウス用取付部材がフレキシブル太陽電池モジュールに取り付けられた状態を説明するための断面説明図。
【図5】フレキシブル太陽電池モジュールが装着されるパイプハウス骨格を示す斜視図。
【図6】フレキシブル太陽電池モジュールが屋根材としてパイプハウス骨格に装着された状態を説明するための断面説明図。
【図7】本発明の第二の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図8】図7に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図9】本発明の第三の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図10】図9に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図11】本発明の第四の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図12】図11に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図13】本発明の第五の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図14】本発明の第六の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図15】図14に示したパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図16】図14に示すパイプハウス用取付部材の要部を拡大して示す断面図。
【図17】本発明の第七の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図18】図17に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図19】本発明の第八の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図20】図19に示したパイプハウス用取付部材が取り付けられたフレキシブル太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に装着した状態を説明するための断面説明図。
【図21】紐状部材の要部を拡大して示す平面図。
【図22】紐状部材のパイプハウス用取付部材への取付構造として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図23】紐状部材のパイプハウス用取付部材への取付構造として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図24】取付部の配設位置として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図25】取付部の配設位置として採用可能な更に別の態様を説明するための側面図。
【図26】図1に示されたパイプハウス用取付部材を用いてのパイプハウス骨格に対する太陽電池モジュールの別の装着態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2には、本発明の第一の実施形態としてのパイプハウス用取付部材10が示されている。このパイプハウス用取付部材10は、後述する太陽電池モジュール30(図4参照)の裏面に固着されて、太陽電池モジュール30を屋根材として後述するパイプハウス骨格38(図7参照)へ取り付けるものである。
【0032】
より詳細には、パイプハウス用取付部材10は、台座シート12を備えている。台座シート12は、全体として矩形平板形状を呈しており、厚さ方向一方の面(以下、固着面14と称する)と、厚さ方向他方の面(以下、ハウス内面16と称する)が互いに平行とされている。なお、固着面14とハウス内面16は平行である必要はなく、フレキシブルな性状をもった太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着位置等に応じて、ハウス内面16が固着面14に対して傾斜していても良い。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着する前において、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に組み付けた状態で位置決め支持することが出来る。
【0033】
台座シート12の形成材料は、後述するフレキシブル太陽電池モジュール30の保護フィルム34a,34bと同程度の耐候性を有していることが望ましい。また、フレキシブル太陽電池モジュール30へ装着された際に、フレキシブル太陽電池モジュール30の重量化を回避する観点から、軽量であることが望ましい。具体的には、フッ化エチレン−エチレン共重合体,フッ化ビニリデン樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂,アクリル樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂コートアクリル樹脂,ポリエステル樹脂等の合成樹脂材料や布材料等が採用される。
【0034】
なお、台座シート12は、パイプハウス内で栽培される野菜等に太陽光を直接当てる観点等から無色透明であることが望ましいが、有色透明であっても良い。後述する太陽電池セル32の裏側に固着されるのであれば、透明である必要はない。
【0035】
また、台座シート12の形状や大きさは、フレキシブル太陽電池モジュール30への固着位置や必要な固着強度,固着面積等に応じて設定されるものであり、図示の如き矩形平板形状に限定されない。例えば、三角形状等の多角板形状や円板形状,楕円板形状等、各種の形状を採用することも出来る。
【0036】
台座シート12には、一対の取付片18,18が設けられている。これら一対の取付片18,18は、それぞれ、ハウス内面16から略垂直に突出して形成されており、略一定の矩形断面形状でもって台座シート12の幅方向(図1の左右方向)の略全長に亘って延びる縦壁形状を呈している。即ち、一対の取付片18,18は、台座シート12の幅方向へ互いに平行に延びており、その対向面間距離が台座シート12の幅方向で全長に亘って略一定とされている。これにより、パイプハウス用取付部材10には、一対の取付片18,18の対向面間において、台座シート12の幅方向に略一定の断面形状で延びる収容溝20が形成されている。また、各取付片18は、台座シート12と同じ合成樹脂材料で台座シート12と一体形成されていると共に、壁厚方向での湾曲変形が可能とされている。
【0037】
また、パイプハウス用取付部材10には、一対の取付片18,18の間に跨って連結保持手段(ファスナー)としてのスライドファスナー22が配設されている。スライドファスナー22は、各取付片18の突出先端部分に沿って並んだ状態で取り付けられたファスナー部材(係合部材)としてのファスナーエレメント24を備えている。また、一方の取付片18には、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24同士を噛合離脱させるためのスライダー26が組み付けられている。ファスナーエレメント24やスライダー26は、何れも、従来から公知のものであるから、詳細な説明は省略する。
【0038】
ところで、ファスナーエレメント24は、取付片18に対して直接取り付けられている必要はない。例えば、図3に示すように、取付片18の外側面に重ね合わせられて取付片18に固着されるテープ28の縁に沿って並んだ状態で取り付けられていても良い。この場合、テープ28を取付片18へ固着する固着手段としては、接着剤やリベット等の従来から公知の各種固着手段が採用可能である。また、ファスナーエレメント24が取付片18に固着されるテープ28の縁に取り付けられている場合、テープ28において厚さ方向の湾曲変形が許容されているのであれは、各取付片18において壁厚方向での湾曲変形が許容されている必要は必ずしもない。なお、理解を容易にするために、図3において、台座シート12や取付片18には、図1及び図2と同一の符号を付してある。
【0039】
上述の如き構造とされたパイプハウス用取付部材10は、図4に示されているように、台座シート12の固着面14がフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされて接着されるようになっている。
【0040】
フレキシブル太陽電池モジュール30は、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、直並列接続された複数枚の太陽電池セル32の表裏両面に保護フィルム34a,34bが接着された構造とされている。
【0041】
保護フィルム34a,34bとしては、フッ化エチレン−エチレン共重合体,フッ化ビニリデン樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂,アクリル樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂コートアクリル樹脂,ポリエステル樹脂等からなるものが採用されている。なお、台座シート12が接着される裏側の保護フィルム34bとしては、これらの樹脂材料の他、アルミ箔ラミネート1フッ素化ビニル樹脂やアルミ箔ラミネートポリエステル樹脂、防水の為の金属箔又は金属板を貼り付けたガラス繊維布やポリエステル不織布等からなるものも採用可能である。
【0042】
フレキシブル太陽電池モジュール30と台座シート12の接着には、使用環境や耐候性、更には、台座シート12や裏側の保護フィルム34bとの接着性等を考慮して、適当な接着剤36が用いられる。例えば、台座シート12と裏側の保護フィルム34bの何れもが、例示の如き樹脂材料からなる場合には、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA),エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコン樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹脂,ポリイソブチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロビレン−ビニリデンフロライド共重合体(THV)等からなる接着剤が採用可能である。高耐候性及び低コストの観点からは、EVAからなる接着剤が望ましい。THV以外の樹脂材料からなる接着剤には、紫外線吸収剤や酸化防止剤,架橋剤,カップリング剤を配合する必要があるので、作業性の観点からはTHVからなる接着剤が望ましい。
【0043】
裏側の保護フィルム34b及び台座シート12の接着面には、接着剤36との接着性を向上させるために、親水化表面処理を施すことが望ましい。親水化表面処理の方法としては、コロナ放電処理,プラズマ放電処理,アルカリ処理,紫外線照射処理等が採用される。
【0044】
台座シート12の裏側保護フィルム34bに対する接着位置や接着方向,接着個数等は、フレキシブル太陽電池モジュール30の大きさや、フレキシブル太陽電池モジュール30の後述するパイプハウス骨格38への装着位置,装着方向等を考慮して設定される。
【0045】
裏面(裏側の保護フィルム34b)にパイプハウス用取付部材10が接着されたフレキシブル太陽電池モジュール30は、パイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられる。パイプハウス骨格38は、従来から公知のものであり、図5に示されているように、所定の間隔で並ぶ複数の門型骨格部材40aを、これら複数の門型骨格部材40aが並ぶ方向に延びる連結用骨格部材40bで連結した構造とされている。
【0046】
ところで、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着態様としては、様々な態様が考えられる。例えば、一枚のフレキシブル太陽電池モジュール30を一つの門型骨格部材40aに沿って上側から重ね合わせるように装着する態様や、一枚のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の奥行方向で幾つかの門型骨格部材40aに掛け渡すように上側から重ね合わせて装着する態様等が考えられる。
【0047】
これらの何れの装着態様においても、図6に示すように、パイプハウス骨格38の骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間に嵌め入れられて収容溝20内に位置するようになっている。そして、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24がスライダー26の移動に伴って噛み合うことにより、一対の取付片18,18が相互に連結されて、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようになる。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられる。
【0048】
スライダー26を逆方向に移動させれば、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24が噛み合っていない状態となる。これにより、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0049】
なお、図示はしていないが、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30の間には、保護フィルム34と同様な耐候性を有する透明な合成樹脂材料で形成された連結シートが配設されており、この連結シートによって、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が相互に連結されている。連結シートとフレキシブル太陽電池モジュール30の連結は、連結シートとフレキシブル太陽電池モジュール30を適当な接着剤でもって接着することで為される。この接着剤としては、台座シート12と裏側の保護フィルム34bの接着に用いられたのと同様な接着剤が採用される。
【0050】
パイプハウスの側壁面、即ち、奥側の壁面や出入口側の壁面、幅方向両側の壁面には、フレキシブル太陽電池モジュール30が配設されている必要はないが、パイプハウスの設置場所等によっては、パイプハウスに朝日や西日が当たることがある。そのような場合には、パイプハウスの側壁面にフレキシブル太陽電池モジュール30が配設されていても良い。
【0051】
フレキシブル太陽電池モジュール30の盗難防止のために、盗難防止機構を設けても良い。例えば、閉じられた状態のスライドファスナー22を覆う導電部材を配設し、この導電部材がスライドファスナー22を覆った状態で、導電部材が通電状態となるようにすると共に、導電部材を外さなければ、スライドファスナー22を開けることが出来ないようにする。そして、導電部材を外した場合に、パイプハウス骨格38に取り付けられたスピーカから警報音が発せられたり、警報ランプ等の照明装置が点灯又は点滅等するようにする。警報音の発生や照明装置の点灯等に代えて、或いは、警報音の発生や照明装置の点灯等に加えて、パイプハウスの所有者が有するパソコンや携帯電話機へ電子メールを送信して、パイプハウスの所有者に直接知らせるようにしても良い。盗難防止機構の作動に必要な電力は、外部給電の他、フレキシブル太陽電池モジュール30が発電した電力を用いることで賄うことも出来る。
【0052】
なお、警報を作動させるセンサは、上述の記載に限定されるものでない。例えば、スライドファスナー22で開閉される両側縁部間に跨がる通電路を形成し、この通電路がスライドファスナー22の開操作で遮断されることで警報が発令されるようにしても良い。また、スライドファスナー22とは関係なく、フレキシブル太陽電池モジュール30に対して適当なパターンで通電路を形成し、この通電路の一部が遮断されることで警報が発令されるようにすることも可能であり、このようにフレキシブル太陽電池モジュール30自体に通電路を形成してセンサ機能を装備させれば、フレキシブル太陽電池モジュール30をカッター等で切断しての盗難等にも対応することが可能となる。
【0053】
上述の如きパイプハウス用取付部材10においては、スライドファスナー22を開閉するだけでフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着作業を速やかに行うことが可能となる。
【0054】
また、既存の屋根材に対してフレキシブル太陽電池モジュール30を縫い付ける等して取り付ける必要もなくなるから、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着に多大な労力が要らなくなる。
【0055】
加えて、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に対して直接取り付けられるから、フレキシブル太陽電池モジュール30そのものをパイプハウスの屋根材として用いることが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着作業を簡単にすることが可能となる。
【0056】
続いて、本発明の第二の実施形態としてのパイプハウス用取付部材42について、図7及び図8に基づいて、説明する。なお、以下に記載の第二の実施形態や後述する第三〜第八の実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施形態のパイプハウス用取付部材42は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、スライドファスナー22の代わりに、連結保持手段(ファスナー)としての面ファスナー44が一対の取付片18,18の間に跨って配設されている。この面ファスナー44は、鉤状のフックが植え込まれた面ファスナー構成部材46aとパイルが植え込まれた面ファスナー構成部材46bによって構成されている。即ち、本実施形態では、これら面ファスナー構成部材46a,46bによって、係合部材としてのファスナー部材が構成されている。なお、面ファスナー構成部材46a,46bは、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略する。
【0058】
パイルが植え込まれた面ファスナー構成部材46bは、一方の取付片18の外側面に取り付けられており、フックが植え込まれた面ファスナー構成部材46aは、他方の取付片18の内側面に取り付けられている。面ファスナー構成部材46a,46bを取付片18に取り付ける方法としては、フックやパイルが設けられていない面を取付片18の側面に接着する方法等が採用可能である。接着剤としては、耐候性や接着性等を考慮して適当な材料が選択される。
【0059】
なお、面ファスナー44としては、図示の如き態様の他にも、各面ファスナー構成部材にフックとパイルの両方が植え込まれているものであっても良い。この場合、面ファスナー構成部材の取り付け間違いが起こるのを回避することが出来るし、貼り付けと引き剥がしを繰り返しても相手側の生地が傷み難くなる。
【0060】
また、フックがマッシュルーム状や鋸歯状とされているものを採用しても良い。この場合、面ファスナー構成部材同士の結合力を強くすることが出来る。
【0061】
このようなパイプハウス用取付部材42においては、一方の取付片18をパイプハウス骨格38の骨格部材40に沿って重ね合わせた状態で、他方の取付片18に取り付けられた面ファスナー構成部材46aを一方の取付片18に取り付けられた面ファスナー構成部材46bに重ね合わせる。これにより、一方の面ファスナー構成部材46aに植え込まれたフックを他方の面ファスナー構成部材46bに植え込まれたパイルに引っ掛けて、一方の面ファスナー構成部材46aが他方の面ファスナー構成部材46bに貼り付けられる。その結果、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出すのが阻止されて、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられるようになっている。
【0062】
特に、本実施形態のパイプハウス用取付部材42においては、一方の取付片18を骨格部材40の外周面に重ね合わせた状態で、面ファスナー構成部材46a,46b同士が貼り付けられている。これにより、パイプハウス用取付部材42と骨格部材40の接触面積(取付面積)を大きく確保することが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対してより強固に取り付けることが可能となる。
【0063】
なお、貼り付けられた面ファスナー構成部材46a,46bを引き剥がせば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0064】
続いて、本発明の第三の実施形態としてのパイプハウス用取付部材48について、図9及び図10に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材48は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、スライドファスナー22の代わりに、連結保持手段(ファスナー)としてのスナップ50が一対の取付片18,18の間に跨って配設されている。
【0065】
スナップ50は、一方の取付片18に取り付けられる雄型留具52と、他方の取付片18に取り付けられる雌型留具54によって構成されている。即ち、本実施形態では、雄型留具52と雌型留具54のそれぞれによって、係合部材としてのファスナー部材が構成されている。なお、スナップ50は、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略する。
【0066】
また、スナップ50を構成する雄型留具52と雌型留具54は、それぞれ、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20の溝方向に適当な間隔で三つ設けられている。特に本実施形態では、これら雄型留具52と雌型留具54は、それぞれ、収容溝20の溝方向の両端部分と中央部分に設けられている。また、各取付片18に三つずつ設けられた雄型留具52と雌型留具54は、取付片18の突出方向で互いに同じ高さに位置している。
【0067】
なお、雄型留具52は、収容溝20の溝方向で同じ位置に一つしか設けられている必要はなく、複数設けられていても良い。複数の雄型留具52が設けられている場合には、一対の取付片18,18の対向面間(収容溝20)に嵌め入れられる骨格部材40の太さに応じて、嵌着される雄型留具52と雌型留具54の組み合わせを変更することが出来る。これにより、一対の取付片18,18で骨格部材40を締め付けることが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対して強固に固定することが出来る。
【0068】
また、収容溝20の溝方向で同じ位置に設けられた複数の雄型留具52のそれぞれに雌型留具54を嵌着しても良い。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付強度を大きくすることが出来る。
【0069】
このようなパイプハウス用取付部材48においては、雄型留具52が取り付けられた一方の取付片18を骨格部材40の外周面に重ね合わせた状態で、雌型留具54が取り付けられた他方の取付片18を骨格部材40側へ倒すように湾曲させて、雄型留具52と雌型留具54を嵌着する。これにより、一対の取付片18,18が相互に連結されて、骨格部材40の収容溝20からの抜け出しが阻止されている。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられるようになっている。
【0070】
特に本実施形態では、収容溝20の溝方向両端部分と中央部分のそれぞれにスナップ50が配設されているので、各取付片18を骨格部材40に巻き付けるようにして、雄型留具52と雌型留具54が嵌着される。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への接触面積(取付面積)を大きく確保することが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付状態を安定させることが可能となる。
【0071】
なお、雄型留具52と雌型留具54を引き離せば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0072】
続いて、本発明の第四の実施形態としてのパイプハウス用取付部材56について、図11及び図12に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材56は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、掛渡部材(連結保持手段)としてのボルト58が一対の取付片18,18に跨って配設されている。また、一対の取付片18,18の何れもが、可撓性を有していない。
【0073】
より詳細には、一対の取付片18,18のそれぞれに形成された挿通孔60にボルト58が挿し通されている。そして、ボルト58に螺合されたナット62が締め付けられることにより、ボルト58が一対の取付片18,18に跨った状態で固定されている。特に本実施形態では、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20の溝方向両端部分と中央部分のそれぞれにおいて、ボルト58が各取付片18に形成された挿通孔60に挿し通された状態で固定されている。
【0074】
なお、掛渡部材は、ボルト58に限定されない。例えば、スプリングピンや割ピン等の従来から公知の各種ピン部材や針金等であっても良い。また、掛渡部材が挿し通される挿通孔60の内周面は金属材等で補強しても良い。
【0075】
また、掛渡部材は、骨格部材40を貫通した状態で、一対の取付片18,18の間に跨って配設されていても良い。これにより、掛渡部材そのもので骨格部材40を位置決め固定することが出来る。
【0076】
このようなパイプハウス用取付部材56においては、一対の取付片18,18の対向面間に嵌め入れられた骨格部材40がボルト58に当接することで一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようになっている。そして、このように骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようにされることで、フレキシブル太陽電池モジュール30が骨格部材40に取り付けられている。
【0077】
特に本実施形態では、一対の取付片18,18の何れもが可撓性を有していないことから、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向方向で移動することが制限されて、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間で位置決めされる。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対して位置決めした状態で取り付けることが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付作業を効率良く行うことが出来る。
【0078】
なお、ボルト58を一対の取付片18,18のそれぞれに形成された挿通孔60,60から引き抜けば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0079】
続いて、本発明の第五の実施形態としてのパイプハウス用取付部材64について、図13に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材64は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート12のハウス内面16が鏡面とされている。
【0080】
より詳細には、台座シート12のハウス内面16において収容溝20よりも外側の部分に金属薄膜66が付着形成されており、この金属薄膜66によってハウス内面16が鏡面とされている。なお、ハウス内面16に金属薄膜66を付着形成する方法としては、アルミニウム等の金属材料をハウス内面16に蒸着する方法等が採用される。また、金属薄膜66は、ハウス内面16の他に、各取付片18の外側面に付着形成されていても良い。
【0081】
このようなパイプハウス用取付部材64においては、パイプハウス骨格38に装着された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30のうち隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30の間に形成された隙間等からパイプハウス内に差し込む太陽光がハウス内面16で反射する。それ故、フレキシブル太陽電池モジュール30が太陽光を遮っていても、パイプハウス内を全体的に明るして、パイプハウス内の光量をパイプハウス内で栽培する野菜等の光合成に適したものにすることが出来る。
【0082】
続いて、本発明の第六の実施形態としてのパイプハウス用取付部材68について、図14〜16に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材68は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート70が異なっている。
【0083】
本実施形態の台座シート70は、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30を相互に連結する連結シートによって構成されている。台座シートは、一対の矩形シート状部材72a,72bが互いに連結された構造とされている。
【0084】
一対の矩形シート状部材72a,72bは、それぞれ、裏側の保護フィルム34bと同様に、耐候性に優れた透明な合成樹脂材料で形成されており、幅方向(図14及び図15の左右方向)一方の端縁部がフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面(裏側の保護フィルム34b)に重ね合わされて接着される固着縁部74a,74bとされている。なお、矩形シート状部材72a,72bとフレキシブル太陽電池モジュール30の接着には、台座シート12とフレキシブル太陽電池モジュール30(裏側の保護フィルム34b)の接着に用いられる接着剤と同様な接着剤が採用される。
【0085】
裏側の保護フィルム34bと矩形シート状部材72a,72bの接着面には、それぞれ、使用する接着剤との接着性を向上させるために、コロナ放電処理,プラズマ放電処理,アルカリ処理,紫外線照射処理等の親水化表面処理を施すことが望ましい。
【0086】
また、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部には、裏側延出片76a,76bと表側延出片78a,78bが設けられている。裏側延出片76a,76bは、従来から公知の防水性スライドファスナー80を構成する防水ファスナー部材82a,82bによって構成されている。
【0087】
防水ファスナー部材82a,82bは、従来から公知であるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、織成又は編成した帯状芯材にエラストマー樹脂等にて防水層を形成した防水性ファスナーテープ84a,84bの片側縁部の表裏両面に複数の合成樹脂製ファスナーエレメント86a,86bを射出成形したものである。
【0088】
このような防水ファスナー部材82a,82bは、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部の裏面に重ね合わされて固着されている。防水ファスナー部材82a,82bにおいてファスナーエレメント86a,86bが並んで形成された端縁部は、矩形シート状部材72a,72bへの固着位置よりも幅方向外方に位置している。なお、防水ファスナー部材82a,82bと矩形シート状部材72a,72bの固着には、耐候性等を考慮して選択された接着剤を用いても良いし、水密性リベットやシールワッシャ付リベット,プリコーティング剤付リべット,水密性ビス,Oリング付防水ビス,プリコーティング剤付タッピングビス等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。或いは、防水ファスナー部材82a,82bを矩形シート状部材7272a,72bと一体形成することで、防水ファスナー部材82a,82bを矩形シート状部材72a,72bに固着しても良い。
【0089】
一方、表側延出片78a,78bは、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部と一体形成されており、この端縁部から幅方向外方へ延び出している。そして、表側延出片78a,78bの延出端縁部によって、保護部88a,88bが形成されている。
【0090】
上述の如き一対の矩形シート状部材72a,72bは、防水ファスナー部材82a,82bにおいてファスナーエレメント86a,86bが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材82aに組み付けられたスライダー90を移動させることにより、一方の防水ファスナー部材82aと他方の防水ファスナー部材82bのそれぞれに設けられたファスナーエレメント86a,86bが噛み合うようになっている。これにより、一方の防水ファスナー部材82aと他方の防水ファスナー部材82b、延いては、一対の矩形シート状部材72a,72bが相互に連結される。その結果、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が連結されるようになっている。
【0091】
また、防水ファスナー部材82a,82bが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80が閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80よりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72aに設けられた保護部88aと他方の矩形シート状部材72bに設けられた保護部88bが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88a,88b同士が水密性リベット92で相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80がフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88a,88bによって保護されている。水密性リベット92としては、従来から公知のものが採用される。水密性リベット92に代えて、シールワッシャ付リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。
【0092】
このような台座シート70を構成する各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a.93b(ハウス内面)に対して、一対の取付片18,18が突設されている。
【0093】
また、各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bにおいて、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20よりも溝幅方向外側には、複数の光学レンズ94が矩形シート状部材72a,72bの長手方向(図14の上下方向)に一列に並んで形成されている。光学レンズ94は、表面屈折を利用したレンズであり、例えば、球面レンズや非球面レンズ,シリンドリカルレンズ,フレンネルレンズである。本実施形態の光学レンズ94は平凹レンズであり、矩形シート状部材72a,72bの長手方向(図14の上下方向)に適当な間隔で複数形成されている。光学レンズ94は、各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bだけに形成されている必要はなく、各矩形シート状部材72a,72bの表面側だけに形成されていても良いし、各矩形シート状部材72a,72bの表裏両面に形成されていても良い。なお、矩形シート状部材72a,72bに光学レンズ94を形成する方法としては、例えば、矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bに対して、凹レンズの逆型(凸型)を押圧することにより、矩形シート状部材72a,72bの裏面にレンズ形状を付与する方法等が採用される。光学レンズ94の形成に際しては、光学レンズ94を形成することによる矩形シート状部材72a,72bの強度の低下等を考慮して、光学レンズ94の形状や大きさ等が設定される。
【0094】
このようなパイプハウス用取付部材68においては、台座シート70が透明とされているから、太陽光が台座シート70を透過する。それ故、台座シート70が太陽光を遮らないようにすることが可能となる。その結果、パイプハウスの採光量を大きく確保することが出来る。
【0095】
また、矩形シート状部材72a,72bを透過する太陽光が光学レンズ94に入射して反射光となり、フレキシブル太陽電池モジュール30の方へ回り込む。これにより、太陽光そのものが入射する場合に生じるフレキシブル太陽電池モジュール30の影と矩形シート状部材72a,72bを透過した太陽光が照らす明るい部分からなる縞模様が生じるのを回避することが出来る。その結果、パイプハウス内を均等に明るくすることが可能となる。
【0096】
なお、光学レンズ94としては、凸レンズを採用することも出来る。凸レンズの場合、凸レンズを透過した太陽光は、フレキシブル太陽電池モジュール30に近い位置で一端集光するが、その後は発散光となるので、凹レンズの場合と同様な効果を得ることが出来る。
【0097】
また、一対の取付片18,18が、各矩形シート状部材72a,72bに設けられているから、例えば、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材10をフレキシブル太陽電池モジュール30に対して別々に固着する場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30に台座シート70(台座シート12)を固着する作業に要する時間が短くなる。
【0098】
また、台座シート70を構成する一対の矩形シート状部材72a,72bが防水性スライドファスナー80で連結されるようになっていることから、矩形シート状部材72a,72bが予め固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30を一枚ずつパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、予め連結された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付ける場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30において風を受ける面積が小さくなる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30が風で煽られて落下する等してフレキシブル太陽電池モジュール30が損傷する等の不具合を回避することが可能となる。
【0099】
一対の矩形シート状部材72a,72bが防水性スライドファスナー80で連結されているから、パイプハウス内への雨水等の侵入を効果的に防止することが出来る。
【0100】
また、防水性スライドファスナー80の外側が保護部88a,88bで覆われている。これにより、パイプハウス内への雨水等の侵入をより効果的に防止することが出来る。
【0101】
続いて、本発明の第七の実施形態としてのパイプハウス用取付部材96について、図17及び図18に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材96は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート98が異なっている。
【0102】
より詳細には、台座シート98は、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30を相互に連結する連結シートによって構成されている。台座シート98は、互いに連結される一対の矩形シート状部材72a,72bと、これら一対の矩形シート状部材72a,72bの間に配設された中間シート状部材100が互いに連結された構造とされている。なお、一対の矩形シート状部材72a,72bは、第六の実施形態で採用したものと同じであるから、図中に、第六の実施形態と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0103】
中間シート状部材100は、裏側の保護フィルム34bと同様な透明の合成樹脂材料で形成されており、全体として矩形形状を呈している。中間シート状部材100の幅方向両側の端縁部には、それぞれ、裏側延出片102a,102bと表側延出片104a,104bが設けられている。
【0104】
裏側延出片102a,102bは、矩形シート状部材72a,72bに設けられた防水ファスナー部材82a,82bと協働して防水性スライドファスナー80a、80bを構成する防水ファスナー部材106a,106bによって構成されている。
【0105】
防水ファスナー部材106a,106bは、従来から公知であるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、織成又は編成した帯状芯材にエラストマー樹脂等にて防水層を形成した防水性ファスナーテープ107a,107bの片側縁部の表裏両面に複数の合成樹脂製ファスナーエレメント108a,108bを射出成形したものである。
【0106】
このような防水ファスナー部材106a,106bは、それぞれ、中間シート状部材100の幅方向両側の端縁部の裏面に重ね合わされて固着されている。防水ファスナー部材106a,106bにおいてファスナーエレメント108a,108bが並んで形成された端縁部は、中間シート状部材100への固着位置よりも幅方向外方に位置している。なお、防水ファスナー部材106a,106bと中間シート状部材100の固着には、耐候性等を考慮して選択された接着剤を用いても良いし、水密性リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。或いは、防水ファスナー部材106a,106bを中間シート状部材100と一体形成することで、防水ファスナー部材106a,106bを中間シート状部材100に固着しても良い。
【0107】
一方、表側延出片104a,104bは、中間シート状部材100の幅方向端縁部と一体形成されており、この端縁部から幅方向外方へ延び出している。そして、表側延出片104a,104bの延出端縁部によって、保護部110a,110bが形成されている。
【0108】
上述の如き中間シート状部材100は、防水ファスナー部材106a,82aにおいてファスナーエレメント108a,86aが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材82aに組み付けられたスライダー90aを移動させることにより、防水ファスナー部材106a,82aに設けられたファスナーエレメント108a,86aが噛み合うようになっている。これにより、矩形シート状部材72aと中間シート状部材100が相互に連結される。
【0109】
また、防水ファスナー部材106b,82bにおいてファスナーエレメント108b,86bが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材106bに組み付けられたスライダー90bを移動させることにより、防水ファスナー部材106b,82bに設けられたファスナーエレメント108b,86bが噛み合うようになっている。これにより、矩形シート状部材72bと中間シート状部材100が相互に連結される。
【0110】
そして、上述の如く一対の矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100が連結されることで、台座シート98が形成されるようになっており、この台座シート98によって、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が相互に連結される。
【0111】
また、防水ファスナー部材106a,82aが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80aが閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80aよりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72aに設けられた保護部88aと中間シート状部材100aに設けられた保護部110aが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88a,110a同士が水密性リベット92aで相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80aがフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88a,110aによって保護されている。
【0112】
また、防水ファスナー部材106b,82bが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80bが閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80bよりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72bに設けられた保護部88bと中間シート状部材100bに設けられた保護部110bが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88b,110b同士が水密性リベット92bで相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80bがフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88b,110bによって保護されている。
【0113】
なお、水密性リベット92a,92bとしては、従来から公知のものが採用される。また、水密性リベット92a,92bに代えて、シールワッシャ付リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。
【0114】
このようなパイプハウス用取付部材96においては、台座シート98が透明とされているから、太陽光が台座シート98を透過する。それ故、台座シート98が太陽光を遮らないようにすることが可能となる。その結果、パイプハウスの採光量を大きく確保することが出来る。
【0115】
なお、本実施形態において、第六の実施形態と同様に、矩形シート状部材72a,72bや中間シート状部材100に光学レンズ94を形成することも、勿論、可能である。それによって、パイプハウス内を均一に明るくすることが出来る。
【0116】
また、台座シート70を構成する一対の矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80a,80bで連結されるようになっていることから、矩形シート状部材72a,72bが予め固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30を一枚ずつパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、予め連結された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付ける場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30において風を受ける面積が小さくなる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30が風で煽られて落下する等してフレキシブル太陽電池モジュール30が損傷する等の不具合を回避することが可能となる。
【0117】
矩形シート状部材72aと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80aで連結されていると共に、矩形シート状部材72bと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80bで連結されているから、パイプハウス内への雨水等の侵入を効果的に防止することが出来る。
【0118】
また、防水性スライドファスナー80aの外側が保護部88a,110aで覆われていると共に、防水性スライドファスナー80bの外側が保護部88b,110bで覆われている。これにより、パイプハウス内への雨水等の侵入をより効果的に防止することが出来る。
【0119】
続いて、本発明の第八の実施形態としてのパイプハウス用取付部材112について、図19に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材112は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、取付片18の外側面に取付部としての係止片114が突設されている。
【0120】
係止片114は、矩形ブロック形状を呈しており、収容溝20の高さ方向に延びる係止孔116を備えている。
【0121】
このようなパイプハウス用取付部材112が取り付けられたフレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38に装着される場合、図20に示されているように、引張部材としての紐状部材118の端部を固定することが出来る。
【0122】
紐状部材118は、パイプハウス骨格16において奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112を相互に連結するものであって、図21に示されているように、二つの分割紐状体120,120が連結部材122で連結された構造とされている。
【0123】
各分割紐状体120としては、要求される引張力に対して充分な剛性と耐久性を備えたものが適宜に採用される。具体的には、例えばピアノ線やワイヤ,ロープ等で形成される。そして、この分割紐状体120には、一端側に連結軸124が設けられていると共に、他端側に係止フック126が設けられている。連結軸124には、分割紐状体120との連結側とは反対側の軸方向端面に開口する連結穴127が形成されており、連結穴127の内周面にはねじ溝が形成されている。
【0124】
一方、連結部材122は、軸方向にストレートに延びるロッド形状を呈しており、軸方向両端部のそれぞれの外周面には、連結軸124に設けられた連結穴127の内周面に形成されたねじ溝と対応するねじ山が形成されている。
【0125】
このような連結部材122の軸方向一端部が一方の分割紐状体120に設けられた連結軸124の連結穴127に螺入されると共に、軸方向他端部が他方の分割紐状体120に設けられた連結軸124の連結穴127に螺入されることにより、二つの分割紐状体120,120が連結部材122で連結された紐状部材118が形成される。
【0126】
そして、紐状部材118は、一方の分割紐状体120に設けられた係止フック126が一方の門型骨格部材40aに取り付けられたパイプハウス用取付部材112を構成する取付片18の外側面に突設された係止片114の係止孔116に係止されると共に、他方の分割紐状体120に設けられた係止フック126が他方の門型骨格部材40aに取り付けられたパイプハウス用取付部材112を構成する取付片18の外側面に突設された係止片114の係止孔116に係止される。これにより、パイプハウス骨格38の奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士が紐状部材118で相互に連結される。
【0127】
本実施形態のパイプハウス用取付部材112を用いてフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着すれば、紐状部材118で連結されたパイプハウス用取付部材112,112の離隔距離、延いては、これらのパイプハウス用取付部材112,112が固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30の離隔距離が大きく変化するものを防止出来る。即ち、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着することに起因してフレキシブル太陽電池モジュール12に及ぼされる張力(パイプハウス骨格38の奥行方向に作用する張力)を負担して緩和することが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の太陽電池セル32が損傷する等の不具合の発生を防ぐことが出来る。
【0128】
連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更すれば、紐状部材118の長さを変更することが出来る。これにより、パイプハウス骨格38において隣りに位置する二つ門型骨格部材40a,40a毎に離隔距離が異なっていても、これら二つの門型骨格部材40a,40aの間に配される紐状部材118の長さを変更することでフレキシブル太陽電池モジュール30に及ぼされる張力を緩和することが出来る。
【0129】
気温の変化等によって分割紐状体120の長さが変化した場合等において、連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更すれば、紐状部材118を所期の長さに設定し直すことが出来る。
【0130】
二つの門型骨格部材40a,40aの間に配設した状態で、紐状部材118の長さを調節することが出来る。これにより、紐状部材118を取り外してから長さ調節する必要がなくなる。その結果、紐状部材118の長さ調節作業が極めて容易になる。
【0131】
紐状部材118の端部を取付片18に取り付ける構造としては、図19に示したように、係止フック126を係止片114の係止孔116に係止させる構造の他、例えば、図22に示されている構造を採用することも出来る。図22においては、分割紐状体120の他端側にも連結軸124を設けると共に、ねじ山が外周面に形成された軸部128を取付片18の外側面に突設して、軸部128を連結軸124の連結穴127に螺入することにより、紐状部材118の端部を取付片18に取り付けるようにしても良い。
【0132】
或いは、図23に示されているように、取付片18の外側面から垂直に延び出した板状片130に開口形成された挿通孔132と、分割紐状体90の他端側に設けられた板状片134に開口形成された挿通孔136にボルト138を挿通配置し、このボルト138にナット140を螺合することにより、紐状部材118の端部を取付片18に取り付けるようにしても良い。
【0133】
また、取付部としての係止片114は、取付片18に設けられている必要はない。例えば、図24に示されているように、台座シート12のハウス内面16に設けられていても良い。或いは、図25に示されているように、台座シート12の側面に設けられていても良い。取付部を台座シート12の側面に設ける場合には、必要に応じて台座シート12の厚さ寸法を大きくしても良い。
【0134】
また、取付部(係止片114)は、両方の取付片18に設けられている必要はなく、何れか一方の取付片18だけに設けられていても良いが、汎用性の観点から、両方の取付片18に設けられていることが望ましい。台座シート12に設けられた取付部と、取付片18に設けられた取付部を組み合わせて採用することも出来る。
【0135】
なお、本実施形態では、パイプハウス骨格38の奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士を紐状部材86で連結するようにしたが、例えば、一つの門型骨格部材40aにおいて異なる位置に取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士を紐状部材118で連結するようにしても良い。この場合、気温の変化等に起因して門型骨格部材40aが変形した場合等において、門型骨格部材40aが延びる方向に沿ってフレキシブル太陽電池モジュール30に作用する張力を緩和することが出来る。
【0136】
また、本実施形態では、連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更することで紐状部材118の長さを変更する構造が採用されていたが、例えば、連結部材122の代わりに、コイルスプリングを採用し、このコイルスプリングによって、二つの分割紐状体120,120を連結しても良い。これにより、気温の変化等に起因して分割紐状体120の長さが変化した場合等において、コイルスプリングの長さが変わることにより、紐状部材の全体長さを所期の長さに保つことが出来る。その結果、紐状部材の長さが適当に設定されているか否かの確認作業をしなくて済む。
【0137】
また、隣り合う二つの門型骨格部材40a,40a毎に離隔距離が異なっていても、紐状部材の長さを設定する必要がなくなる。その結果、紐状部材の配設作業が簡単になる。
【0138】
さらに、本発明に従うパイプハウス用取付部材を用いて太陽電池モジュールが取り付けられる骨格部材は、前述の実施形態に示すようにパイプハウスにおいて外壁シート(樹脂フィルム)を支持せしめるパイプハウス骨格38である必要はない。例えば、従来構造のビニールハウスにおいてパイプハウス骨格で支持されて外壁を構成する樹脂フィルムをそのままにして、当該外壁の内側(又は外側)に、当該外壁の樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格と同様な構造をもって、当該パイプハウス骨格に比して一回り小さい(又は大きい)別のパイプハウス骨格を構築せしめ、この別に構築したパイプハウス骨格を骨格部材として、本発明に係るパイプハウス用取付部材を用いて、太陽電池モジュールを支持せしめて装着することも可能である。
【0139】
或いは、図26に例示されているように、上述のように外壁の樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格、又は、当該パイプハウス骨格に加えて構築された一回り小さい(又は大きい)別のパイプハウス骨格40a,40bに対して、適当なサドル部材やクランプ部材等の連結部材222を用いて、パイプ等の取付用軸部材220を固定的に支持せしめてサブ骨格を構成し、このサブ骨格としての取付用軸部材220を本発明の骨格部材として、当該取付用軸部材220に対して、本発明に従う構造とされたパイプハウス用取付部材10を用いて、太陽電池モジュール226を装着支持せしめるようにしても良い。かかる太陽電池モジュール226は、例えば複数の太陽電池セル224を電気接続したものであり、図示しない出力線を通じて電力を外部出力するようになっている。なお、かかるサブ骨格としての取付用軸部材220は、単に太陽電池モジュールの取付用骨格としてだけでなく、パイプハウス骨格40a,40bに対する補強用骨格としても利用することが可能である。
【0140】
なお、図26において、太陽電池モジュール226は、パイプハウス骨格40a,40bで支持される外壁としての樹脂フィルムから、ハウス内方に所定距離だけ離れて配設されることが望ましい。また、本態様における太陽電池モジュールは、その大きさを適当に設定することにより、平板形状で且つフレキシブルでないものも採用可能である。また、かかる太陽電池モジュール226として、大形のものを採用する場合には、例えば、パイプハウス骨格40a,40bに固定的に支持された取付用軸部材220を複数箇所に設けて、それら複数の取付用軸部材220に対して、太陽電池モジュール226を、パイプハウス用取付部材10により、複数箇所で支持せしめるようにしても良い。
【0141】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、台座シート12と取付片18を異なる材料で形成するようにしても良い。具体的には、例えば、端縁部に沿ってファスナーエレメント24が並んだテープ28(図3参照)によって取付片18を構成するようにしても良い。
【0142】
一対の矩形シート状部材72a,72bを連結する連結手段や各矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100を連結する連結手段としては、従来から公知の面ファスナーやスナップであっても良いが、防水機能を発揮する観点から、前記第六及び第七の実施形態で示した防水性スライドファスナーや、一方の側に設けられた凸状レールが他方の側に設けられた凹状レールに嵌め入れられるレールファスナー等が好適に採用される。
【符号の説明】
【0143】
10:パイプハウス用取付部材,12:台座シート,14:固着面,16:ハウス内面,18:取付片,22:スライドファスナー(連結保持手段),24:ファスナーエレメント(係合部材,ファスナー部材),30:フレキシブル太陽電池モジュール,38:パイプハウス骨格,40:骨格部材,58:ボルト(掛渡部材),94:光学レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状又はプレート状の太陽電池モジュールをパイプハウス用骨格へ取り付けて屋根材等として利用することを可能とする、太陽電池モジュールのパイプハウス用骨格への取付部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力の供給源の一つとして、環境に対する配慮から太陽電池を用いた太陽光発電が注目されている。例えば家屋や工場等の建築物では、その屋根上に設置したフレームに太陽電池パネルを固定して設置することにより、かかる建築物において使用する電力を太陽光発電で補う設備も実用化されている。
【0003】
ところで、農業等の分野では、構造が簡易で設置も容易であることから、農業用ビニールハウス等のパイプハウスが利用されている。そして、かかるパイプハウスでも、ハウス内の暖房や冷房、換気等の空調設備の作動の他、耕転や収穫、吸水、施肥などの各種作業用設備の作動に際して、駆動エネルギーとしての電力が必要とされることが多い。それ故、これらの電力を太陽光発電で補うことも検討されている。
【0004】
ところが、パイプハウスは、家屋や工場等の建築物に比して剛性や強度が小さい。それ故、パイプハウスの屋根上に太陽電池パネルを固定するフレームを設置することが極めて困難であるという問題があった。
【0005】
なお、特開2006−339683号公報(特許文献1)には、農業用ビニールハウス等における太陽光発電設備の適用構造の一つとして、テントや簡易ドーム状構造物におけるシート状の屋根材に対して太陽電池モジュールを縫い付けることで取り付けた構造が提案されている。しかし、大きな屋根材に対して多数の太陽電池モジュールを縫い付ける作業は極めて困難であり、屋根材の定期的交換の際には縫い付けた太陽電池モジュールが邪魔になる等の問題があって、実用的ではない。
【0006】
また、特許文献2(特開2001−291888号公報)には、複数の太陽電池モジュールを、袋状の外装フィルム内に移動可能に収容し、この外装フィルムをビニールハウス等の骨格に係止させた構造が提案されている。しかし、この特許文献2に記載の構造では、太陽電池モジュールを収容した外装フィルムを農業用ビニールハウスに装着するために、隣り合うハウス骨格間に跨がって係止される特別な固着具を別途に準備する必要があった。しかも、隣り合うハウス骨格間だけにしか太陽電池モジュールを配設することができず、太陽電池モジュールの配設態様が極めて制限されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−339683号公報
【特許文献2】特開2001−291888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決課題とするところは、シート状(プレート状等を含む)の太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して容易に着脱することを可能と為し、太陽電池モジュール自体を屋根材等として使用することも実現可能と為し得る、新規な構造のパイプハウス用取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様は、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に取り付けるためのパイプハウス用取付部材であって、前記太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされて固着される台座シートを備えていると共に、該台座シートにおいて該太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされる固着面と反対側のハウス内面には、該ハウス内面から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片が設けられており、該一対の取付片の対向面間に前記パイプハウス骨格における骨格部材を嵌め入れた状態で該一対の取付片を相互に連結して該骨格部材の抜け出しを阻止する連結保持手段を設けたパイプハウス用取付部材を、特徴とする。
【0010】
第一の態様に従う構造とされたパイプハウス用取付部材を利用することにより、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して直接に取り付けることが可能となる。しかも、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して着脱する作業が、一対の取付片の対向面間にパイプハウス骨格の骨格部材を嵌め入れた状態で、一対の取付片を連結状態かそうでない状態にするだけで良い。
【0011】
従って、太陽電池モジュールそのものを屋根材等として直接使用することも出来るし、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して容易に脱着することも出来る。しかも、太陽電池モジュールに対するパイプハウス用取付部材の取付位置が特段に制限されるものではないことから、太陽電池モジュールを任意の位置で、パイプハウス用取付部材を用いて、パイプハウス骨格に対して支持せしめることが出来る。それ故、パイプハウス骨格に対する太陽電池モジュールの配設態様の設定自由度が大きく確保され得る。
【0012】
なお、本発明において対象となる太陽電池モジュールは、具体的な材質等が限定されるものでないが、例えば太陽電池モジュールで屋根材等を形成する場合には、パイプハウス骨格に装着するのに要求される形状の自由度を有するものが好適に採用される。具体的には、例えばカルコパイライト系太陽電池等の化合物系や、有機薄膜太陽電池等の有機系の他、曲面設置可能な球状シリコン型太陽電池等のシリコン系等の、フレキシブルな太陽電池モジュールが好適に採用される。尤も、太陽電池モジュールの設置態様によっては、必ずしもフレキシブルな性能が要求されるものでなく、一般の単結晶シリコン型を含むシリコン系や各種化合物系,有機系のものが何れも本発明の対象とする太陽電池モジュールとなり得る。
【0013】
また、かかる太陽電池モジュールが装着されるパイプハウス骨格の骨格部材としても、例えば従来構造のビニールハウスにおいて外壁(周壁や屋根材等)を構成する樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格をそのまま利用して、このパイプハウス骨格を骨格部材として装着することにより樹脂フィルムに代えてフレキシブル太陽電池モジュールを採用し、かかる太陽電池モジュールによってパイプハウスの外壁を構成することも可能である。或いは、そのような従来構造のビニールハウスにおいてパイプハウス骨格で支持されて外壁を構成する樹脂フィルムをそのままにして、当該外壁の内側(又は外側)に別のパイプハウス骨格を構築せしめ、このパイプハウス骨格の骨格部材に対して、本発明に係るパイプハウス用取付部材を用いて、太陽電池モジュールを支持せしめて装着することも可能である。なお、このように従来構造のビニールハウス等の外壁を残したままで、当該外壁の内側(又は外側)に太陽電池モジュールを装着する場合には、太陽電池モジュールに対して防水性等の外壁機能が必ずしも要求されないことから、太陽電池モジュールの配設形態の自由度を大きく確保できると共に、要求される取付支持強度が低くされてパイプハウス用取付部材の装着数の減少や取付構造の簡略化等も可能となる。
【0014】
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載のものにおいて、前記台座シートにおける前記ハウス内面が鏡面とされているようにしたものである。
【0015】
第二の態様によれば、パイプハウス内へ入り込んできた太陽光が台座シートのハウス内面で反射される。それ故、太陽電池モジュールが太陽光を遮ってしまうことによるパイプハウス内の照度の低下を軽減若しくは回避することが出来る。
【0016】
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記台座シートが透明であるようにしたものである。
【0017】
第三の態様によれば、太陽光が台座シートを通りぬける。それ故、太陽光が台座シートで遮られてしまう不具合を回避することが出来る。このような台座シートは、例えば太陽電池モジュールの透明部分へ装着することで使用する他、太陽電池モジュール以外の透明な屋根材へ装着して使用することも好適である。
【0018】
本発明の第四の態様は、第三の態様に記載のものにおいて、前記台座シートによって光学レンズが構成されているようにしたものである。
【0019】
第四の態様によれば、台座シートを通りぬける太陽光を、用途等を考慮してより効率的に利用することが可能となる。例えば、光学レンズとして、プリズムや、光収束させる凸レンズ、光発散させる凹レンズ、球面レンズ等の各種レンズが適宜に採用される。例えば、プリズムを採用して、ハウス内栽培作物に有益な波長光だけを照射したり、凹レンズを使用して太陽電池モジュールの裏側へ太陽光を回り込ませて太陽電池モジュールの影による栽培作物への悪影響を軽減させること等も可能となる。
【0020】
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れかの態様に記載のものにおいて、前記一対の取付片が可撓性を有しており、該一対の取付片のそれぞれの先端縁部に設けられて互いに係合する係合部材によって前記連結保持手段が構成されていると共に、これら係合部材による係合状態が解除可能とされているようにしたものである。
【0021】
第五の態様によれば、各取付片に設けられた係合部材同士が係合することにより、一対の取付片が相互に連結される。それ故、一対の取付片を連結する際に、他部材を別途用いる必要がなくなる。
【0022】
本発明の第六の態様は、第五の態様に記載のものにおいて、前記一対の取付片の間に跨がってファスナーを構成するファスナー部材が設けられており、該ファスナー部材によって前記係合部材が構成されているようにしたものである。
【0023】
第六の態様によれば、ファスナーを開閉するだけで、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して脱着することが出来る。それ故、太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に対して脱着する作業が極めて容易になる。
【0024】
本発明の第七の態様は、第一〜第四の何れかの態様に記載のものにおいて、前記連結保持手段が、前記一対の取付片に掛け渡されて装着される掛渡部材によって構成されているようにしたものである。
【0025】
第七の態様によれば、一対の取付片が掛渡部材で相互に連結されるから、仮に一対の取付片が何れも充分な可撓性を有しない場合等であっても、一対の取付片を連結して骨格部材の抜け出しを阻止することが可能となる。
【0026】
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れかの態様に記載のものにおいて、前記太陽電池モジュールに及ぼされる張力を緩和する引張部材の端部を取り付けるための取付部が設けられているようにしたものである。
【0027】
第八の態様によれば、太陽電池モジュールを屋根材としてパイプハウス骨格に取り付ける際に、パイプハウス骨格において異なる位置に取り付けられたパイプハウス用取付部材同士を引張部材で連結することが出来る。これにより、パイプハウス骨格に取り付けられた太陽電池モジュールに及ぼされる張力を、引張部材に分担支持させて、緩和することが可能となる。その結果、引張力の作用に起因する太陽電池モジュールの太陽電池セルの損傷や耐久性低下等の不具合を軽減又は回避することが出来る。
【発明の効果】
【0028】
本発明に従う構造とされたパイプハウス用取付部材においては、太陽電池モジュールの裏面に装着されて、パイプハウスの骨格部材に対して取り付けられ得る。それ故、例えば太陽電池モジュールを、本発明のパイプハウス用取付部材を介して、パイプハウスの骨格部材に対して取り付けることにより、かかる太陽電池モジュールをパイプハウスの屋根材等として直接使用することも可能となる。しかも、本発明のパイプハウス用取付部材は、骨格部材に対する着脱作業を、一対の取付片の連結と解除で容易に行なうことが出来るのであり、ひいては太陽電池モジュールのパイプハウスに対する脱着作業も容易とされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図2】図1に示すパイプハウス用取付部材の側面図。
【図3】スライドファスナーを備えるパイプハウス用取付部材として採用可能な態様を説明するための側面図。
【図4】図1に示したパイプハウス用取付部材がフレキシブル太陽電池モジュールに取り付けられた状態を説明するための断面説明図。
【図5】フレキシブル太陽電池モジュールが装着されるパイプハウス骨格を示す斜視図。
【図6】フレキシブル太陽電池モジュールが屋根材としてパイプハウス骨格に装着された状態を説明するための断面説明図。
【図7】本発明の第二の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図8】図7に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図9】本発明の第三の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図10】図9に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図11】本発明の第四の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図12】図11に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図13】本発明の第五の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図14】本発明の第六の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図15】図14に示したパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図16】図14に示すパイプハウス用取付部材の要部を拡大して示す断面図。
【図17】本発明の第七の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す平面図。
【図18】図17に示すパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図19】本発明の第八の実施形態としてのパイプハウス用取付部材を示す側面図。
【図20】図19に示したパイプハウス用取付部材が取り付けられたフレキシブル太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に装着した状態を説明するための断面説明図。
【図21】紐状部材の要部を拡大して示す平面図。
【図22】紐状部材のパイプハウス用取付部材への取付構造として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図23】紐状部材のパイプハウス用取付部材への取付構造として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図24】取付部の配設位置として採用可能な他の態様を説明するための側面図。
【図25】取付部の配設位置として採用可能な更に別の態様を説明するための側面図。
【図26】図1に示されたパイプハウス用取付部材を用いてのパイプハウス骨格に対する太陽電池モジュールの別の装着態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0031】
図1及び図2には、本発明の第一の実施形態としてのパイプハウス用取付部材10が示されている。このパイプハウス用取付部材10は、後述する太陽電池モジュール30(図4参照)の裏面に固着されて、太陽電池モジュール30を屋根材として後述するパイプハウス骨格38(図7参照)へ取り付けるものである。
【0032】
より詳細には、パイプハウス用取付部材10は、台座シート12を備えている。台座シート12は、全体として矩形平板形状を呈しており、厚さ方向一方の面(以下、固着面14と称する)と、厚さ方向他方の面(以下、ハウス内面16と称する)が互いに平行とされている。なお、固着面14とハウス内面16は平行である必要はなく、フレキシブルな性状をもった太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着位置等に応じて、ハウス内面16が固着面14に対して傾斜していても良い。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着する前において、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に組み付けた状態で位置決め支持することが出来る。
【0033】
台座シート12の形成材料は、後述するフレキシブル太陽電池モジュール30の保護フィルム34a,34bと同程度の耐候性を有していることが望ましい。また、フレキシブル太陽電池モジュール30へ装着された際に、フレキシブル太陽電池モジュール30の重量化を回避する観点から、軽量であることが望ましい。具体的には、フッ化エチレン−エチレン共重合体,フッ化ビニリデン樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂,アクリル樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂コートアクリル樹脂,ポリエステル樹脂等の合成樹脂材料や布材料等が採用される。
【0034】
なお、台座シート12は、パイプハウス内で栽培される野菜等に太陽光を直接当てる観点等から無色透明であることが望ましいが、有色透明であっても良い。後述する太陽電池セル32の裏側に固着されるのであれば、透明である必要はない。
【0035】
また、台座シート12の形状や大きさは、フレキシブル太陽電池モジュール30への固着位置や必要な固着強度,固着面積等に応じて設定されるものであり、図示の如き矩形平板形状に限定されない。例えば、三角形状等の多角板形状や円板形状,楕円板形状等、各種の形状を採用することも出来る。
【0036】
台座シート12には、一対の取付片18,18が設けられている。これら一対の取付片18,18は、それぞれ、ハウス内面16から略垂直に突出して形成されており、略一定の矩形断面形状でもって台座シート12の幅方向(図1の左右方向)の略全長に亘って延びる縦壁形状を呈している。即ち、一対の取付片18,18は、台座シート12の幅方向へ互いに平行に延びており、その対向面間距離が台座シート12の幅方向で全長に亘って略一定とされている。これにより、パイプハウス用取付部材10には、一対の取付片18,18の対向面間において、台座シート12の幅方向に略一定の断面形状で延びる収容溝20が形成されている。また、各取付片18は、台座シート12と同じ合成樹脂材料で台座シート12と一体形成されていると共に、壁厚方向での湾曲変形が可能とされている。
【0037】
また、パイプハウス用取付部材10には、一対の取付片18,18の間に跨って連結保持手段(ファスナー)としてのスライドファスナー22が配設されている。スライドファスナー22は、各取付片18の突出先端部分に沿って並んだ状態で取り付けられたファスナー部材(係合部材)としてのファスナーエレメント24を備えている。また、一方の取付片18には、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24同士を噛合離脱させるためのスライダー26が組み付けられている。ファスナーエレメント24やスライダー26は、何れも、従来から公知のものであるから、詳細な説明は省略する。
【0038】
ところで、ファスナーエレメント24は、取付片18に対して直接取り付けられている必要はない。例えば、図3に示すように、取付片18の外側面に重ね合わせられて取付片18に固着されるテープ28の縁に沿って並んだ状態で取り付けられていても良い。この場合、テープ28を取付片18へ固着する固着手段としては、接着剤やリベット等の従来から公知の各種固着手段が採用可能である。また、ファスナーエレメント24が取付片18に固着されるテープ28の縁に取り付けられている場合、テープ28において厚さ方向の湾曲変形が許容されているのであれは、各取付片18において壁厚方向での湾曲変形が許容されている必要は必ずしもない。なお、理解を容易にするために、図3において、台座シート12や取付片18には、図1及び図2と同一の符号を付してある。
【0039】
上述の如き構造とされたパイプハウス用取付部材10は、図4に示されているように、台座シート12の固着面14がフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面に重ね合わされて接着されるようになっている。
【0040】
フレキシブル太陽電池モジュール30は、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、直並列接続された複数枚の太陽電池セル32の表裏両面に保護フィルム34a,34bが接着された構造とされている。
【0041】
保護フィルム34a,34bとしては、フッ化エチレン−エチレン共重合体,フッ化ビニリデン樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂,アクリル樹脂,3フッ化塩化エチレン樹脂コートアクリル樹脂,ポリエステル樹脂等からなるものが採用されている。なお、台座シート12が接着される裏側の保護フィルム34bとしては、これらの樹脂材料の他、アルミ箔ラミネート1フッ素化ビニル樹脂やアルミ箔ラミネートポリエステル樹脂、防水の為の金属箔又は金属板を貼り付けたガラス繊維布やポリエステル不織布等からなるものも採用可能である。
【0042】
フレキシブル太陽電池モジュール30と台座シート12の接着には、使用環境や耐候性、更には、台座シート12や裏側の保護フィルム34bとの接着性等を考慮して、適当な接着剤36が用いられる。例えば、台座シート12と裏側の保護フィルム34bの何れもが、例示の如き樹脂材料からなる場合には、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA),エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,シリコン樹脂,アクリル樹脂,フッ素樹脂,ポリイソブチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロビレン−ビニリデンフロライド共重合体(THV)等からなる接着剤が採用可能である。高耐候性及び低コストの観点からは、EVAからなる接着剤が望ましい。THV以外の樹脂材料からなる接着剤には、紫外線吸収剤や酸化防止剤,架橋剤,カップリング剤を配合する必要があるので、作業性の観点からはTHVからなる接着剤が望ましい。
【0043】
裏側の保護フィルム34b及び台座シート12の接着面には、接着剤36との接着性を向上させるために、親水化表面処理を施すことが望ましい。親水化表面処理の方法としては、コロナ放電処理,プラズマ放電処理,アルカリ処理,紫外線照射処理等が採用される。
【0044】
台座シート12の裏側保護フィルム34bに対する接着位置や接着方向,接着個数等は、フレキシブル太陽電池モジュール30の大きさや、フレキシブル太陽電池モジュール30の後述するパイプハウス骨格38への装着位置,装着方向等を考慮して設定される。
【0045】
裏面(裏側の保護フィルム34b)にパイプハウス用取付部材10が接着されたフレキシブル太陽電池モジュール30は、パイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられる。パイプハウス骨格38は、従来から公知のものであり、図5に示されているように、所定の間隔で並ぶ複数の門型骨格部材40aを、これら複数の門型骨格部材40aが並ぶ方向に延びる連結用骨格部材40bで連結した構造とされている。
【0046】
ところで、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着態様としては、様々な態様が考えられる。例えば、一枚のフレキシブル太陽電池モジュール30を一つの門型骨格部材40aに沿って上側から重ね合わせるように装着する態様や、一枚のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の奥行方向で幾つかの門型骨格部材40aに掛け渡すように上側から重ね合わせて装着する態様等が考えられる。
【0047】
これらの何れの装着態様においても、図6に示すように、パイプハウス骨格38の骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間に嵌め入れられて収容溝20内に位置するようになっている。そして、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24がスライダー26の移動に伴って噛み合うことにより、一対の取付片18,18が相互に連結されて、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようになる。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられる。
【0048】
スライダー26を逆方向に移動させれば、一対の取付片18,18のそれぞれに設けられたファスナーエレメント24,24が噛み合っていない状態となる。これにより、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0049】
なお、図示はしていないが、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30の間には、保護フィルム34と同様な耐候性を有する透明な合成樹脂材料で形成された連結シートが配設されており、この連結シートによって、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が相互に連結されている。連結シートとフレキシブル太陽電池モジュール30の連結は、連結シートとフレキシブル太陽電池モジュール30を適当な接着剤でもって接着することで為される。この接着剤としては、台座シート12と裏側の保護フィルム34bの接着に用いられたのと同様な接着剤が採用される。
【0050】
パイプハウスの側壁面、即ち、奥側の壁面や出入口側の壁面、幅方向両側の壁面には、フレキシブル太陽電池モジュール30が配設されている必要はないが、パイプハウスの設置場所等によっては、パイプハウスに朝日や西日が当たることがある。そのような場合には、パイプハウスの側壁面にフレキシブル太陽電池モジュール30が配設されていても良い。
【0051】
フレキシブル太陽電池モジュール30の盗難防止のために、盗難防止機構を設けても良い。例えば、閉じられた状態のスライドファスナー22を覆う導電部材を配設し、この導電部材がスライドファスナー22を覆った状態で、導電部材が通電状態となるようにすると共に、導電部材を外さなければ、スライドファスナー22を開けることが出来ないようにする。そして、導電部材を外した場合に、パイプハウス骨格38に取り付けられたスピーカから警報音が発せられたり、警報ランプ等の照明装置が点灯又は点滅等するようにする。警報音の発生や照明装置の点灯等に代えて、或いは、警報音の発生や照明装置の点灯等に加えて、パイプハウスの所有者が有するパソコンや携帯電話機へ電子メールを送信して、パイプハウスの所有者に直接知らせるようにしても良い。盗難防止機構の作動に必要な電力は、外部給電の他、フレキシブル太陽電池モジュール30が発電した電力を用いることで賄うことも出来る。
【0052】
なお、警報を作動させるセンサは、上述の記載に限定されるものでない。例えば、スライドファスナー22で開閉される両側縁部間に跨がる通電路を形成し、この通電路がスライドファスナー22の開操作で遮断されることで警報が発令されるようにしても良い。また、スライドファスナー22とは関係なく、フレキシブル太陽電池モジュール30に対して適当なパターンで通電路を形成し、この通電路の一部が遮断されることで警報が発令されるようにすることも可能であり、このようにフレキシブル太陽電池モジュール30自体に通電路を形成してセンサ機能を装備させれば、フレキシブル太陽電池モジュール30をカッター等で切断しての盗難等にも対応することが可能となる。
【0053】
上述の如きパイプハウス用取付部材10においては、スライドファスナー22を開閉するだけでフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着作業を速やかに行うことが可能となる。
【0054】
また、既存の屋根材に対してフレキシブル太陽電池モジュール30を縫い付ける等して取り付ける必要もなくなるから、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着に多大な労力が要らなくなる。
【0055】
加えて、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に対して直接取り付けられるから、フレキシブル太陽電池モジュール30そのものをパイプハウスの屋根材として用いることが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30のパイプハウス骨格38への装着作業を簡単にすることが可能となる。
【0056】
続いて、本発明の第二の実施形態としてのパイプハウス用取付部材42について、図7及び図8に基づいて、説明する。なお、以下に記載の第二の実施形態や後述する第三〜第八の実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施形態のパイプハウス用取付部材42は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、スライドファスナー22の代わりに、連結保持手段(ファスナー)としての面ファスナー44が一対の取付片18,18の間に跨って配設されている。この面ファスナー44は、鉤状のフックが植え込まれた面ファスナー構成部材46aとパイルが植え込まれた面ファスナー構成部材46bによって構成されている。即ち、本実施形態では、これら面ファスナー構成部材46a,46bによって、係合部材としてのファスナー部材が構成されている。なお、面ファスナー構成部材46a,46bは、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略する。
【0058】
パイルが植え込まれた面ファスナー構成部材46bは、一方の取付片18の外側面に取り付けられており、フックが植え込まれた面ファスナー構成部材46aは、他方の取付片18の内側面に取り付けられている。面ファスナー構成部材46a,46bを取付片18に取り付ける方法としては、フックやパイルが設けられていない面を取付片18の側面に接着する方法等が採用可能である。接着剤としては、耐候性や接着性等を考慮して適当な材料が選択される。
【0059】
なお、面ファスナー44としては、図示の如き態様の他にも、各面ファスナー構成部材にフックとパイルの両方が植え込まれているものであっても良い。この場合、面ファスナー構成部材の取り付け間違いが起こるのを回避することが出来るし、貼り付けと引き剥がしを繰り返しても相手側の生地が傷み難くなる。
【0060】
また、フックがマッシュルーム状や鋸歯状とされているものを採用しても良い。この場合、面ファスナー構成部材同士の結合力を強くすることが出来る。
【0061】
このようなパイプハウス用取付部材42においては、一方の取付片18をパイプハウス骨格38の骨格部材40に沿って重ね合わせた状態で、他方の取付片18に取り付けられた面ファスナー構成部材46aを一方の取付片18に取り付けられた面ファスナー構成部材46bに重ね合わせる。これにより、一方の面ファスナー構成部材46aに植え込まれたフックを他方の面ファスナー構成部材46bに植え込まれたパイルに引っ掛けて、一方の面ファスナー構成部材46aが他方の面ファスナー構成部材46bに貼り付けられる。その結果、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出すのが阻止されて、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられるようになっている。
【0062】
特に、本実施形態のパイプハウス用取付部材42においては、一方の取付片18を骨格部材40の外周面に重ね合わせた状態で、面ファスナー構成部材46a,46b同士が貼り付けられている。これにより、パイプハウス用取付部材42と骨格部材40の接触面積(取付面積)を大きく確保することが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対してより強固に取り付けることが可能となる。
【0063】
なお、貼り付けられた面ファスナー構成部材46a,46bを引き剥がせば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0064】
続いて、本発明の第三の実施形態としてのパイプハウス用取付部材48について、図9及び図10に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材48は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、スライドファスナー22の代わりに、連結保持手段(ファスナー)としてのスナップ50が一対の取付片18,18の間に跨って配設されている。
【0065】
スナップ50は、一方の取付片18に取り付けられる雄型留具52と、他方の取付片18に取り付けられる雌型留具54によって構成されている。即ち、本実施形態では、雄型留具52と雌型留具54のそれぞれによって、係合部材としてのファスナー部材が構成されている。なお、スナップ50は、従来から公知のものであるから、その詳細な説明は省略する。
【0066】
また、スナップ50を構成する雄型留具52と雌型留具54は、それぞれ、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20の溝方向に適当な間隔で三つ設けられている。特に本実施形態では、これら雄型留具52と雌型留具54は、それぞれ、収容溝20の溝方向の両端部分と中央部分に設けられている。また、各取付片18に三つずつ設けられた雄型留具52と雌型留具54は、取付片18の突出方向で互いに同じ高さに位置している。
【0067】
なお、雄型留具52は、収容溝20の溝方向で同じ位置に一つしか設けられている必要はなく、複数設けられていても良い。複数の雄型留具52が設けられている場合には、一対の取付片18,18の対向面間(収容溝20)に嵌め入れられる骨格部材40の太さに応じて、嵌着される雄型留具52と雌型留具54の組み合わせを変更することが出来る。これにより、一対の取付片18,18で骨格部材40を締め付けることが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対して強固に固定することが出来る。
【0068】
また、収容溝20の溝方向で同じ位置に設けられた複数の雄型留具52のそれぞれに雌型留具54を嵌着しても良い。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付強度を大きくすることが出来る。
【0069】
このようなパイプハウス用取付部材48においては、雄型留具52が取り付けられた一方の取付片18を骨格部材40の外周面に重ね合わせた状態で、雌型留具54が取り付けられた他方の取付片18を骨格部材40側へ倒すように湾曲させて、雄型留具52と雌型留具54を嵌着する。これにより、一対の取付片18,18が相互に連結されて、骨格部材40の収容溝20からの抜け出しが阻止されている。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けられるようになっている。
【0070】
特に本実施形態では、収容溝20の溝方向両端部分と中央部分のそれぞれにスナップ50が配設されているので、各取付片18を骨格部材40に巻き付けるようにして、雄型留具52と雌型留具54が嵌着される。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への接触面積(取付面積)を大きく確保することが出来る。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付状態を安定させることが可能となる。
【0071】
なお、雄型留具52と雌型留具54を引き離せば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0072】
続いて、本発明の第四の実施形態としてのパイプハウス用取付部材56について、図11及び図12に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材56は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、掛渡部材(連結保持手段)としてのボルト58が一対の取付片18,18に跨って配設されている。また、一対の取付片18,18の何れもが、可撓性を有していない。
【0073】
より詳細には、一対の取付片18,18のそれぞれに形成された挿通孔60にボルト58が挿し通されている。そして、ボルト58に螺合されたナット62が締め付けられることにより、ボルト58が一対の取付片18,18に跨った状態で固定されている。特に本実施形態では、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20の溝方向両端部分と中央部分のそれぞれにおいて、ボルト58が各取付片18に形成された挿通孔60に挿し通された状態で固定されている。
【0074】
なお、掛渡部材は、ボルト58に限定されない。例えば、スプリングピンや割ピン等の従来から公知の各種ピン部材や針金等であっても良い。また、掛渡部材が挿し通される挿通孔60の内周面は金属材等で補強しても良い。
【0075】
また、掛渡部材は、骨格部材40を貫通した状態で、一対の取付片18,18の間に跨って配設されていても良い。これにより、掛渡部材そのもので骨格部材40を位置決め固定することが出来る。
【0076】
このようなパイプハウス用取付部材56においては、一対の取付片18,18の対向面間に嵌め入れられた骨格部材40がボルト58に当接することで一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようになっている。そして、このように骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出さないようにされることで、フレキシブル太陽電池モジュール30が骨格部材40に取り付けられている。
【0077】
特に本実施形態では、一対の取付片18,18の何れもが可撓性を有していないことから、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向方向で移動することが制限されて、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間で位置決めされる。これにより、フレキシブル太陽電池モジュール30を骨格部材40に対して位置決めした状態で取り付けることが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の骨格部材40への取付作業を効率良く行うことが出来る。
【0078】
なお、ボルト58を一対の取付片18,18のそれぞれに形成された挿通孔60,60から引き抜けば、骨格部材40が一対の取付片18,18の対向面間から抜け出せるようになる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス38から取り外すことが出来る。
【0079】
続いて、本発明の第五の実施形態としてのパイプハウス用取付部材64について、図13に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材64は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート12のハウス内面16が鏡面とされている。
【0080】
より詳細には、台座シート12のハウス内面16において収容溝20よりも外側の部分に金属薄膜66が付着形成されており、この金属薄膜66によってハウス内面16が鏡面とされている。なお、ハウス内面16に金属薄膜66を付着形成する方法としては、アルミニウム等の金属材料をハウス内面16に蒸着する方法等が採用される。また、金属薄膜66は、ハウス内面16の他に、各取付片18の外側面に付着形成されていても良い。
【0081】
このようなパイプハウス用取付部材64においては、パイプハウス骨格38に装着された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30のうち隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30の間に形成された隙間等からパイプハウス内に差し込む太陽光がハウス内面16で反射する。それ故、フレキシブル太陽電池モジュール30が太陽光を遮っていても、パイプハウス内を全体的に明るして、パイプハウス内の光量をパイプハウス内で栽培する野菜等の光合成に適したものにすることが出来る。
【0082】
続いて、本発明の第六の実施形態としてのパイプハウス用取付部材68について、図14〜16に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材68は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート70が異なっている。
【0083】
本実施形態の台座シート70は、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30を相互に連結する連結シートによって構成されている。台座シートは、一対の矩形シート状部材72a,72bが互いに連結された構造とされている。
【0084】
一対の矩形シート状部材72a,72bは、それぞれ、裏側の保護フィルム34bと同様に、耐候性に優れた透明な合成樹脂材料で形成されており、幅方向(図14及び図15の左右方向)一方の端縁部がフレキシブル太陽電池モジュール30の裏面(裏側の保護フィルム34b)に重ね合わされて接着される固着縁部74a,74bとされている。なお、矩形シート状部材72a,72bとフレキシブル太陽電池モジュール30の接着には、台座シート12とフレキシブル太陽電池モジュール30(裏側の保護フィルム34b)の接着に用いられる接着剤と同様な接着剤が採用される。
【0085】
裏側の保護フィルム34bと矩形シート状部材72a,72bの接着面には、それぞれ、使用する接着剤との接着性を向上させるために、コロナ放電処理,プラズマ放電処理,アルカリ処理,紫外線照射処理等の親水化表面処理を施すことが望ましい。
【0086】
また、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部には、裏側延出片76a,76bと表側延出片78a,78bが設けられている。裏側延出片76a,76bは、従来から公知の防水性スライドファスナー80を構成する防水ファスナー部材82a,82bによって構成されている。
【0087】
防水ファスナー部材82a,82bは、従来から公知であるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、織成又は編成した帯状芯材にエラストマー樹脂等にて防水層を形成した防水性ファスナーテープ84a,84bの片側縁部の表裏両面に複数の合成樹脂製ファスナーエレメント86a,86bを射出成形したものである。
【0088】
このような防水ファスナー部材82a,82bは、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部の裏面に重ね合わされて固着されている。防水ファスナー部材82a,82bにおいてファスナーエレメント86a,86bが並んで形成された端縁部は、矩形シート状部材72a,72bへの固着位置よりも幅方向外方に位置している。なお、防水ファスナー部材82a,82bと矩形シート状部材72a,72bの固着には、耐候性等を考慮して選択された接着剤を用いても良いし、水密性リベットやシールワッシャ付リベット,プリコーティング剤付リべット,水密性ビス,Oリング付防水ビス,プリコーティング剤付タッピングビス等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。或いは、防水ファスナー部材82a,82bを矩形シート状部材7272a,72bと一体形成することで、防水ファスナー部材82a,82bを矩形シート状部材72a,72bに固着しても良い。
【0089】
一方、表側延出片78a,78bは、各矩形シート状部材72a,72bにおいて固着縁部74a,74bとは幅方向で反対側に位置する端縁部と一体形成されており、この端縁部から幅方向外方へ延び出している。そして、表側延出片78a,78bの延出端縁部によって、保護部88a,88bが形成されている。
【0090】
上述の如き一対の矩形シート状部材72a,72bは、防水ファスナー部材82a,82bにおいてファスナーエレメント86a,86bが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材82aに組み付けられたスライダー90を移動させることにより、一方の防水ファスナー部材82aと他方の防水ファスナー部材82bのそれぞれに設けられたファスナーエレメント86a,86bが噛み合うようになっている。これにより、一方の防水ファスナー部材82aと他方の防水ファスナー部材82b、延いては、一対の矩形シート状部材72a,72bが相互に連結される。その結果、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が連結されるようになっている。
【0091】
また、防水ファスナー部材82a,82bが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80が閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80よりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72aに設けられた保護部88aと他方の矩形シート状部材72bに設けられた保護部88bが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88a,88b同士が水密性リベット92で相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80がフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88a,88bによって保護されている。水密性リベット92としては、従来から公知のものが採用される。水密性リベット92に代えて、シールワッシャ付リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。
【0092】
このような台座シート70を構成する各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a.93b(ハウス内面)に対して、一対の取付片18,18が突設されている。
【0093】
また、各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bにおいて、一対の取付片18,18の対向面間に形成された収容溝20よりも溝幅方向外側には、複数の光学レンズ94が矩形シート状部材72a,72bの長手方向(図14の上下方向)に一列に並んで形成されている。光学レンズ94は、表面屈折を利用したレンズであり、例えば、球面レンズや非球面レンズ,シリンドリカルレンズ,フレンネルレンズである。本実施形態の光学レンズ94は平凹レンズであり、矩形シート状部材72a,72bの長手方向(図14の上下方向)に適当な間隔で複数形成されている。光学レンズ94は、各矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bだけに形成されている必要はなく、各矩形シート状部材72a,72bの表面側だけに形成されていても良いし、各矩形シート状部材72a,72bの表裏両面に形成されていても良い。なお、矩形シート状部材72a,72bに光学レンズ94を形成する方法としては、例えば、矩形シート状部材72a,72bの裏面93a,93bに対して、凹レンズの逆型(凸型)を押圧することにより、矩形シート状部材72a,72bの裏面にレンズ形状を付与する方法等が採用される。光学レンズ94の形成に際しては、光学レンズ94を形成することによる矩形シート状部材72a,72bの強度の低下等を考慮して、光学レンズ94の形状や大きさ等が設定される。
【0094】
このようなパイプハウス用取付部材68においては、台座シート70が透明とされているから、太陽光が台座シート70を透過する。それ故、台座シート70が太陽光を遮らないようにすることが可能となる。その結果、パイプハウスの採光量を大きく確保することが出来る。
【0095】
また、矩形シート状部材72a,72bを透過する太陽光が光学レンズ94に入射して反射光となり、フレキシブル太陽電池モジュール30の方へ回り込む。これにより、太陽光そのものが入射する場合に生じるフレキシブル太陽電池モジュール30の影と矩形シート状部材72a,72bを透過した太陽光が照らす明るい部分からなる縞模様が生じるのを回避することが出来る。その結果、パイプハウス内を均等に明るくすることが可能となる。
【0096】
なお、光学レンズ94としては、凸レンズを採用することも出来る。凸レンズの場合、凸レンズを透過した太陽光は、フレキシブル太陽電池モジュール30に近い位置で一端集光するが、その後は発散光となるので、凹レンズの場合と同様な効果を得ることが出来る。
【0097】
また、一対の取付片18,18が、各矩形シート状部材72a,72bに設けられているから、例えば、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材10をフレキシブル太陽電池モジュール30に対して別々に固着する場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30に台座シート70(台座シート12)を固着する作業に要する時間が短くなる。
【0098】
また、台座シート70を構成する一対の矩形シート状部材72a,72bが防水性スライドファスナー80で連結されるようになっていることから、矩形シート状部材72a,72bが予め固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30を一枚ずつパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、予め連結された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付ける場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30において風を受ける面積が小さくなる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30が風で煽られて落下する等してフレキシブル太陽電池モジュール30が損傷する等の不具合を回避することが可能となる。
【0099】
一対の矩形シート状部材72a,72bが防水性スライドファスナー80で連結されているから、パイプハウス内への雨水等の侵入を効果的に防止することが出来る。
【0100】
また、防水性スライドファスナー80の外側が保護部88a,88bで覆われている。これにより、パイプハウス内への雨水等の侵入をより効果的に防止することが出来る。
【0101】
続いて、本発明の第七の実施形態としてのパイプハウス用取付部材96について、図17及び図18に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材96は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、台座シート98が異なっている。
【0102】
より詳細には、台座シート98は、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30を相互に連結する連結シートによって構成されている。台座シート98は、互いに連結される一対の矩形シート状部材72a,72bと、これら一対の矩形シート状部材72a,72bの間に配設された中間シート状部材100が互いに連結された構造とされている。なお、一対の矩形シート状部材72a,72bは、第六の実施形態で採用したものと同じであるから、図中に、第六の実施形態と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0103】
中間シート状部材100は、裏側の保護フィルム34bと同様な透明の合成樹脂材料で形成されており、全体として矩形形状を呈している。中間シート状部材100の幅方向両側の端縁部には、それぞれ、裏側延出片102a,102bと表側延出片104a,104bが設けられている。
【0104】
裏側延出片102a,102bは、矩形シート状部材72a,72bに設けられた防水ファスナー部材82a,82bと協働して防水性スライドファスナー80a、80bを構成する防水ファスナー部材106a,106bによって構成されている。
【0105】
防水ファスナー部材106a,106bは、従来から公知であるから、その詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、織成又は編成した帯状芯材にエラストマー樹脂等にて防水層を形成した防水性ファスナーテープ107a,107bの片側縁部の表裏両面に複数の合成樹脂製ファスナーエレメント108a,108bを射出成形したものである。
【0106】
このような防水ファスナー部材106a,106bは、それぞれ、中間シート状部材100の幅方向両側の端縁部の裏面に重ね合わされて固着されている。防水ファスナー部材106a,106bにおいてファスナーエレメント108a,108bが並んで形成された端縁部は、中間シート状部材100への固着位置よりも幅方向外方に位置している。なお、防水ファスナー部材106a,106bと中間シート状部材100の固着には、耐候性等を考慮して選択された接着剤を用いても良いし、水密性リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。或いは、防水ファスナー部材106a,106bを中間シート状部材100と一体形成することで、防水ファスナー部材106a,106bを中間シート状部材100に固着しても良い。
【0107】
一方、表側延出片104a,104bは、中間シート状部材100の幅方向端縁部と一体形成されており、この端縁部から幅方向外方へ延び出している。そして、表側延出片104a,104bの延出端縁部によって、保護部110a,110bが形成されている。
【0108】
上述の如き中間シート状部材100は、防水ファスナー部材106a,82aにおいてファスナーエレメント108a,86aが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材82aに組み付けられたスライダー90aを移動させることにより、防水ファスナー部材106a,82aに設けられたファスナーエレメント108a,86aが噛み合うようになっている。これにより、矩形シート状部材72aと中間シート状部材100が相互に連結される。
【0109】
また、防水ファスナー部材106b,82bにおいてファスナーエレメント108b,86bが並んで形成された端縁部を突き合わせた状態で、一方の防水ファスナー部材106bに組み付けられたスライダー90bを移動させることにより、防水ファスナー部材106b,82bに設けられたファスナーエレメント108b,86bが噛み合うようになっている。これにより、矩形シート状部材72bと中間シート状部材100が相互に連結される。
【0110】
そして、上述の如く一対の矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100が連結されることで、台座シート98が形成されるようになっており、この台座シート98によって、隣り合う二つのフレキシブル太陽電池モジュール30,30が相互に連結される。
【0111】
また、防水ファスナー部材106a,82aが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80aが閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80aよりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72aに設けられた保護部88aと中間シート状部材100aに設けられた保護部110aが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88a,110a同士が水密性リベット92aで相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80aがフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88a,110aによって保護されている。
【0112】
また、防水ファスナー部材106b,82bが相互に連結された状態(防水性スライドファスナー80bが閉じられた状態)で、防水性スライドファスナー80bよりもフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側において、一方の矩形シート状部材72bに設けられた保護部88bと中間シート状部材100bに設けられた保護部110bが重ね合わされている。そして、互いに重ね合わされた保護部88b,110b同士が水密性リベット92bで相互に連結されることにより、防水性スライドファスナー80bがフレキシブル太陽電池モジュール30の表面側から保護部88b,110bによって保護されている。
【0113】
なお、水密性リベット92a,92bとしては、従来から公知のものが採用される。また、水密性リベット92a,92bに代えて、シールワッシャ付リベット等の従来から公知の水密性締結部材を用いても良い。
【0114】
このようなパイプハウス用取付部材96においては、台座シート98が透明とされているから、太陽光が台座シート98を透過する。それ故、台座シート98が太陽光を遮らないようにすることが可能となる。その結果、パイプハウスの採光量を大きく確保することが出来る。
【0115】
なお、本実施形態において、第六の実施形態と同様に、矩形シート状部材72a,72bや中間シート状部材100に光学レンズ94を形成することも、勿論、可能である。それによって、パイプハウス内を均一に明るくすることが出来る。
【0116】
また、台座シート70を構成する一対の矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80a,80bで連結されるようになっていることから、矩形シート状部材72a,72bが予め固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30を一枚ずつパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付けることが出来る。それ故、予め連結された複数のフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38の骨格部材40に取り付ける場合に比して、フレキシブル太陽電池モジュール30において風を受ける面積が小さくなる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30が風で煽られて落下する等してフレキシブル太陽電池モジュール30が損傷する等の不具合を回避することが可能となる。
【0117】
矩形シート状部材72aと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80aで連結されていると共に、矩形シート状部材72bと中間シート状部材100が防水性スライドファスナー80bで連結されているから、パイプハウス内への雨水等の侵入を効果的に防止することが出来る。
【0118】
また、防水性スライドファスナー80aの外側が保護部88a,110aで覆われていると共に、防水性スライドファスナー80bの外側が保護部88b,110bで覆われている。これにより、パイプハウス内への雨水等の侵入をより効果的に防止することが出来る。
【0119】
続いて、本発明の第八の実施形態としてのパイプハウス用取付部材112について、図19に基づいて、説明する。本実施形態のパイプハウス用取付部材112は、第一の実施形態のパイプハウス用取付部材(10)に比して、取付片18の外側面に取付部としての係止片114が突設されている。
【0120】
係止片114は、矩形ブロック形状を呈しており、収容溝20の高さ方向に延びる係止孔116を備えている。
【0121】
このようなパイプハウス用取付部材112が取り付けられたフレキシブル太陽電池モジュール30がパイプハウス骨格38に装着される場合、図20に示されているように、引張部材としての紐状部材118の端部を固定することが出来る。
【0122】
紐状部材118は、パイプハウス骨格16において奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112を相互に連結するものであって、図21に示されているように、二つの分割紐状体120,120が連結部材122で連結された構造とされている。
【0123】
各分割紐状体120としては、要求される引張力に対して充分な剛性と耐久性を備えたものが適宜に採用される。具体的には、例えばピアノ線やワイヤ,ロープ等で形成される。そして、この分割紐状体120には、一端側に連結軸124が設けられていると共に、他端側に係止フック126が設けられている。連結軸124には、分割紐状体120との連結側とは反対側の軸方向端面に開口する連結穴127が形成されており、連結穴127の内周面にはねじ溝が形成されている。
【0124】
一方、連結部材122は、軸方向にストレートに延びるロッド形状を呈しており、軸方向両端部のそれぞれの外周面には、連結軸124に設けられた連結穴127の内周面に形成されたねじ溝と対応するねじ山が形成されている。
【0125】
このような連結部材122の軸方向一端部が一方の分割紐状体120に設けられた連結軸124の連結穴127に螺入されると共に、軸方向他端部が他方の分割紐状体120に設けられた連結軸124の連結穴127に螺入されることにより、二つの分割紐状体120,120が連結部材122で連結された紐状部材118が形成される。
【0126】
そして、紐状部材118は、一方の分割紐状体120に設けられた係止フック126が一方の門型骨格部材40aに取り付けられたパイプハウス用取付部材112を構成する取付片18の外側面に突設された係止片114の係止孔116に係止されると共に、他方の分割紐状体120に設けられた係止フック126が他方の門型骨格部材40aに取り付けられたパイプハウス用取付部材112を構成する取付片18の外側面に突設された係止片114の係止孔116に係止される。これにより、パイプハウス骨格38の奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士が紐状部材118で相互に連結される。
【0127】
本実施形態のパイプハウス用取付部材112を用いてフレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着すれば、紐状部材118で連結されたパイプハウス用取付部材112,112の離隔距離、延いては、これらのパイプハウス用取付部材112,112が固着されたフレキシブル太陽電池モジュール30の離隔距離が大きく変化するものを防止出来る。即ち、フレキシブル太陽電池モジュール30をパイプハウス骨格38に装着することに起因してフレキシブル太陽電池モジュール12に及ぼされる張力(パイプハウス骨格38の奥行方向に作用する張力)を負担して緩和することが可能となる。その結果、フレキシブル太陽電池モジュール30の太陽電池セル32が損傷する等の不具合の発生を防ぐことが出来る。
【0128】
連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更すれば、紐状部材118の長さを変更することが出来る。これにより、パイプハウス骨格38において隣りに位置する二つ門型骨格部材40a,40a毎に離隔距離が異なっていても、これら二つの門型骨格部材40a,40aの間に配される紐状部材118の長さを変更することでフレキシブル太陽電池モジュール30に及ぼされる張力を緩和することが出来る。
【0129】
気温の変化等によって分割紐状体120の長さが変化した場合等において、連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更すれば、紐状部材118を所期の長さに設定し直すことが出来る。
【0130】
二つの門型骨格部材40a,40aの間に配設した状態で、紐状部材118の長さを調節することが出来る。これにより、紐状部材118を取り外してから長さ調節する必要がなくなる。その結果、紐状部材118の長さ調節作業が極めて容易になる。
【0131】
紐状部材118の端部を取付片18に取り付ける構造としては、図19に示したように、係止フック126を係止片114の係止孔116に係止させる構造の他、例えば、図22に示されている構造を採用することも出来る。図22においては、分割紐状体120の他端側にも連結軸124を設けると共に、ねじ山が外周面に形成された軸部128を取付片18の外側面に突設して、軸部128を連結軸124の連結穴127に螺入することにより、紐状部材118の端部を取付片18に取り付けるようにしても良い。
【0132】
或いは、図23に示されているように、取付片18の外側面から垂直に延び出した板状片130に開口形成された挿通孔132と、分割紐状体90の他端側に設けられた板状片134に開口形成された挿通孔136にボルト138を挿通配置し、このボルト138にナット140を螺合することにより、紐状部材118の端部を取付片18に取り付けるようにしても良い。
【0133】
また、取付部としての係止片114は、取付片18に設けられている必要はない。例えば、図24に示されているように、台座シート12のハウス内面16に設けられていても良い。或いは、図25に示されているように、台座シート12の側面に設けられていても良い。取付部を台座シート12の側面に設ける場合には、必要に応じて台座シート12の厚さ寸法を大きくしても良い。
【0134】
また、取付部(係止片114)は、両方の取付片18に設けられている必要はなく、何れか一方の取付片18だけに設けられていても良いが、汎用性の観点から、両方の取付片18に設けられていることが望ましい。台座シート12に設けられた取付部と、取付片18に設けられた取付部を組み合わせて採用することも出来る。
【0135】
なお、本実施形態では、パイプハウス骨格38の奥行方向で隣りに位置する二つの門型骨格部材40a,40aのそれぞれに取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士を紐状部材86で連結するようにしたが、例えば、一つの門型骨格部材40aにおいて異なる位置に取り付けられたパイプハウス用取付部材112,112同士を紐状部材118で連結するようにしても良い。この場合、気温の変化等に起因して門型骨格部材40aが変形した場合等において、門型骨格部材40aが延びる方向に沿ってフレキシブル太陽電池モジュール30に作用する張力を緩和することが出来る。
【0136】
また、本実施形態では、連結部材122の連結軸124への螺入深さを変更することで紐状部材118の長さを変更する構造が採用されていたが、例えば、連結部材122の代わりに、コイルスプリングを採用し、このコイルスプリングによって、二つの分割紐状体120,120を連結しても良い。これにより、気温の変化等に起因して分割紐状体120の長さが変化した場合等において、コイルスプリングの長さが変わることにより、紐状部材の全体長さを所期の長さに保つことが出来る。その結果、紐状部材の長さが適当に設定されているか否かの確認作業をしなくて済む。
【0137】
また、隣り合う二つの門型骨格部材40a,40a毎に離隔距離が異なっていても、紐状部材の長さを設定する必要がなくなる。その結果、紐状部材の配設作業が簡単になる。
【0138】
さらに、本発明に従うパイプハウス用取付部材を用いて太陽電池モジュールが取り付けられる骨格部材は、前述の実施形態に示すようにパイプハウスにおいて外壁シート(樹脂フィルム)を支持せしめるパイプハウス骨格38である必要はない。例えば、従来構造のビニールハウスにおいてパイプハウス骨格で支持されて外壁を構成する樹脂フィルムをそのままにして、当該外壁の内側(又は外側)に、当該外壁の樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格と同様な構造をもって、当該パイプハウス骨格に比して一回り小さい(又は大きい)別のパイプハウス骨格を構築せしめ、この別に構築したパイプハウス骨格を骨格部材として、本発明に係るパイプハウス用取付部材を用いて、太陽電池モジュールを支持せしめて装着することも可能である。
【0139】
或いは、図26に例示されているように、上述のように外壁の樹脂フィルムを支持するパイプハウス骨格、又は、当該パイプハウス骨格に加えて構築された一回り小さい(又は大きい)別のパイプハウス骨格40a,40bに対して、適当なサドル部材やクランプ部材等の連結部材222を用いて、パイプ等の取付用軸部材220を固定的に支持せしめてサブ骨格を構成し、このサブ骨格としての取付用軸部材220を本発明の骨格部材として、当該取付用軸部材220に対して、本発明に従う構造とされたパイプハウス用取付部材10を用いて、太陽電池モジュール226を装着支持せしめるようにしても良い。かかる太陽電池モジュール226は、例えば複数の太陽電池セル224を電気接続したものであり、図示しない出力線を通じて電力を外部出力するようになっている。なお、かかるサブ骨格としての取付用軸部材220は、単に太陽電池モジュールの取付用骨格としてだけでなく、パイプハウス骨格40a,40bに対する補強用骨格としても利用することが可能である。
【0140】
なお、図26において、太陽電池モジュール226は、パイプハウス骨格40a,40bで支持される外壁としての樹脂フィルムから、ハウス内方に所定距離だけ離れて配設されることが望ましい。また、本態様における太陽電池モジュールは、その大きさを適当に設定することにより、平板形状で且つフレキシブルでないものも採用可能である。また、かかる太陽電池モジュール226として、大形のものを採用する場合には、例えば、パイプハウス骨格40a,40bに固定的に支持された取付用軸部材220を複数箇所に設けて、それら複数の取付用軸部材220に対して、太陽電池モジュール226を、パイプハウス用取付部材10により、複数箇所で支持せしめるようにしても良い。
【0141】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、台座シート12と取付片18を異なる材料で形成するようにしても良い。具体的には、例えば、端縁部に沿ってファスナーエレメント24が並んだテープ28(図3参照)によって取付片18を構成するようにしても良い。
【0142】
一対の矩形シート状部材72a,72bを連結する連結手段や各矩形シート状部材72a,72bと中間シート状部材100を連結する連結手段としては、従来から公知の面ファスナーやスナップであっても良いが、防水機能を発揮する観点から、前記第六及び第七の実施形態で示した防水性スライドファスナーや、一方の側に設けられた凸状レールが他方の側に設けられた凹状レールに嵌め入れられるレールファスナー等が好適に採用される。
【符号の説明】
【0143】
10:パイプハウス用取付部材,12:台座シート,14:固着面,16:ハウス内面,18:取付片,22:スライドファスナー(連結保持手段),24:ファスナーエレメント(係合部材,ファスナー部材),30:フレキシブル太陽電池モジュール,38:パイプハウス骨格,40:骨格部材,58:ボルト(掛渡部材),94:光学レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に取り付けるためのパイプハウス用取付部材であって、
前記太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされて固着される台座シートを備えていると共に、該台座シートにおいて該太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされる固着面と反対側のハウス内面には、該ハウス内面から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片が設けられており、該一対の取付片の対向面間に前記パイプハウス骨格における骨格部材を嵌め入れた状態で該一対の取付片を相互に連結して該骨格部材の抜け出しを阻止する連結保持手段を設けたことを特徴とするパイプハウス用取付部材。
【請求項2】
前記台座シートにおける前記ハウス内面が鏡面とされている請求項1に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項3】
前記台座シートが透明である請求項1に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項4】
前記台座シートによって光学レンズが構成されている請求項3に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項5】
前記一対の取付片が可撓性を有しており、該一対の取付片のそれぞれの先端縁部に設けられて互いに係合する係合部材によって前記連結保持手段が構成されていると共に、これら係合部材による係合状態が解除可能とされている請求項1〜4の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項6】
前記一対の取付片の間に跨がってファスナーを構成するファスナー部材が設けられており、該ファスナー部材によって前記係合部材が構成されている請求項5に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項7】
前記連結保持手段が、前記一対の取付片に掛け渡されて装着される掛渡部材によって構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項8】
前記太陽電池モジュールに及ぼされる張力を緩和する引張部材の端部を取り付けるための取付部が設けられている請求項1〜7の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項1】
太陽電池モジュールをパイプハウス骨格に取り付けるためのパイプハウス用取付部材であって、
前記太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされて固着される台座シートを備えていると共に、該台座シートにおいて該太陽電池モジュールの裏面に重ね合わされる固着面と反対側のハウス内面には、該ハウス内面から突出して隙間を隔てて対向する一対の取付片が設けられており、該一対の取付片の対向面間に前記パイプハウス骨格における骨格部材を嵌め入れた状態で該一対の取付片を相互に連結して該骨格部材の抜け出しを阻止する連結保持手段を設けたことを特徴とするパイプハウス用取付部材。
【請求項2】
前記台座シートにおける前記ハウス内面が鏡面とされている請求項1に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項3】
前記台座シートが透明である請求項1に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項4】
前記台座シートによって光学レンズが構成されている請求項3に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項5】
前記一対の取付片が可撓性を有しており、該一対の取付片のそれぞれの先端縁部に設けられて互いに係合する係合部材によって前記連結保持手段が構成されていると共に、これら係合部材による係合状態が解除可能とされている請求項1〜4の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項6】
前記一対の取付片の間に跨がってファスナーを構成するファスナー部材が設けられており、該ファスナー部材によって前記係合部材が構成されている請求項5に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項7】
前記連結保持手段が、前記一対の取付片に掛け渡されて装着される掛渡部材によって構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【請求項8】
前記太陽電池モジュールに及ぼされる張力を緩和する引張部材の端部を取り付けるための取付部が設けられている請求項1〜7の何れか1項に記載のパイプハウス用取付部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
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【公開番号】特開2011−117175(P2011−117175A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274981(P2009−274981)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(593131910)株式会社セイオー技研 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(593131910)株式会社セイオー技研 (4)
【Fターム(参考)】
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