説明

パイプ式ロックボルト及びパイプ式ロックボルト施工方法

【課題】 本体膨張時に湧水の止水を行い、良好な地山支持効果を得る。
【解決手段】 断面形状に凹状部3が形成された本体2を有し、施工時、地山30に穿孔したボアホール40に打設後、本体内部を加圧して側方に膨張拡径させて地山30の支保を行うパイプ式ロックボルトにおいて、前記本体2の軸方向の所定箇所の少なくとも前記凹状部3の凹み部分10に、本体2をボアホール40の中で膨張拡径させると本体2とボアホール40の孔壁43の間の隙間を閉塞して湧水を止水する止水手段11を設けた。止水手段11にはネオプレンスポンジゴム等のスポンジ状材料、シリコンゴム等の粘弾性材料、水膨張性を有する繊維または高分子系材料、破砕すると内部に収納した樹脂と硬化剤とが反応して硬化する樹脂カプセル、天然ゴムまたは合成ゴム等を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパイプ式ロックボルト及びパイプ式ロックボルト施工方法に係り、とくに断面形状が凹状に形成された本体を有し、地山に穿孔したボアホールに打設するとともに本体内部を加圧し膨張拡径させて地山を支保するパイプ式ロックボルト及びパイプ式ロックボルト施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
山岳等のトンネル工事で一般的なナトム工法(NATM工法)では、地山を掘削したあと(必要な場合は壁をセメントで固めたあと)、壁から岩盤内部へ垂直に多数のロックボルトを打ち込み、地山の支保がなされる。パイプ式ロックボルトと呼ばれるタイプはパイプ材を横方向に押し潰しかつ両脇を丸めて断面を凹状に形成した本体を有し、壁に穿孔したボアホールに打設するか或いはロックボルト本体先端にビットを備えたものでは自身で穿孔しながら打設し、その後、本体内部に加圧流体を注入して加圧膨張させ、拡径した本体外周をボアホールに圧接させて、摩擦定着タイプのロックボルトとしてトンネル内壁周辺の岩盤を締結し、さらには土圧を高め、トンネル内壁の崩落を防止する(特許文献1)。パイプ式ロックボルトには、打設・膨張後、更に定着材を注入してより頑強に地山の支持をできるようにしたものもある(特許文献2)。
【0003】
この種のパイプ式ロックボルトでは、定着材の注入を行わなくても本体の膨張拡径により地山支持効果を発揮させることができるが、湧水の多い地山では、ボアホールを穿孔したとたんに地山中の水がボアホールに集まって、その水がボアホール口元から流れ出てくることがある。湧水が出ると坑内環境が悪化し、ロックボルト膨張拡径作業の障害となったり、或いは地山が緩む原因となる。さらに、膨張拡径後、定着材を注入するタイプでは、定着材が湧水に流されて所定の定着対象領域に回らず、定着不良が生じたり、注入前にボアホールの口元部分をコーキングし、湧水と定着材の流出を防止する作業が必要となったりする問題がある。
【0004】
【特許文献1】特公平2−520号公報
【特許文献2】特開2004−12449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記した従来技術の問題に鑑み、本体膨張時に湧水の止水を行えるパイプ式ロックボルトを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、断面形状に凹状部が形成された本体を有し、施工時、地山に穿孔したボアホールに打設するとともに本体の内部を加圧して側方に膨張拡径させて地山の支保を行うパイプ式ロックボルト及びパイプ式ロックボルトの施工方法において、前記本体の軸方向のほぼ全長または所定の1または複数箇所の少なくとも凹状部の凹み部分に、本体をボアホール内で膨張拡径させると本体とボアホール孔壁の間の隙間を閉塞して止水する止水手段を設ける。止水手段には、粘弾性材料や水膨張性材料を用いたり、本体の膨張拡径に伴って破砕する樹脂カプセル内に、破砕した樹脂カプセル片と反応し硬化させる硬化材を収納したものを用いることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、湧水地山であっても、ボアホールに打設した本体内を加圧して膨張拡径させると、止水手段がボアホールと本体との隙間を閉塞して直ちに湧水の止水を行う。この結果、ボアホールに地中の水が集まって地山が湧水で緩むのが抑制され、ロックボルトの適正な地山支持効果を発揮させることができ、また坑内作業環境を悪化させない。
また、本体の膨張拡径後、定着材を注入する場合では止水のためにボアホール口元のコーキング作業(パッカーを設置したり、ウエスを詰める作業)が不要となり、施工性が向上し、定着材が湧水に流されることなく所定の定着領域に回る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
パイプ式ロックボルトは、鋼管材を横方向に押し潰し更に脇を丸めて断面に凹状部を形成した本体と、本体の先端部と後端部に被嵌された先端スリーブ及び後端スリーブを有し、先端スリーブと後端スリーブは本体の端面で本体内部を閉塞するように溶接し、後端スリーブには本体内部に加圧流体を供給するための小孔を穿設する。止水手段は本体の凹状部の凹み部分に収納するように設けるか、或いは本体の外周を一周するように設け、一部を凹状部の凹み部分に嵌入する。止水手段を凹状部の凹み部分に収納することで、ロックボルトをボアホールに打設する際、止水手段が孔壁に当たる障害を回避できる。止水手段は、本体の軸方向のほぼ全長に亘って配設しても良いが、本体の後端近くまたは中央部と後端近く等、所定の1または複数箇所に配設しても良い。ボアホールへ打設後、本体内部を加圧し膨張拡径させると、凹状部の止水手段が外側に押し出され、ボアホール孔壁と本体との隙間を閉塞し、ボアホール内の湧水の流れを直ちに止める。止水手段には、ネオプレンスポンジゴム等のスポンジ状材料、シリコンゴム等の粘弾性材料、水膨張性を有する繊維または高分子系材料、外力が加わると破砕し、破片が内部に収納した硬化材と反応して硬化する樹脂カプセル、天然ゴムまたは合成ゴム及びそれらとセメント系材料との混合材を用いることができる。本体膨張拡径後、定着液を注入する場合、本体外部にも定着材を注入したいときは、ドリル等の適宜手段により本体先端に吐出孔を形成したのち(この際、必要に応じて先端スリーブを破断させても良い)、注入を行う。なお、定着材はロックボルトの定着を目的とするものに限らず地中に浸透して地山を改良するタイプのものを含める。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の一つの実施例に係るパイプ式ロックボルトの外観平面図、図2は図1のパイプ式ロックボルトの水平断面図、図3は図2のIII−III´線に沿った断面図である。1はパイプ式ロックボルト、2は所定の長さを有するロックボルト本体(以下、「本体」という)であり、軸方向全長にわたって断面形状に凹状部3が形成されている。4は本体2の先端に被嵌されて先端部を拘束・補強する先端スリーブであり、本体2の先端面に溶接した溶接部5により本体1の内部空間を閉塞するように固着されている。6は本体2の後端に被嵌されて後端部を拘束・補強する後端スリーブであり、本体2の後端面に溶接した溶接部7により本体2の内部空間を閉塞するように固着されている。但し、後端スリーブ6と本体2には外部と本体2の内部空間を連通する小孔8、9が穿孔されており、この小孔8、9を通して外部から加圧流体を本体2の内部に供給する。本体2の軸方向の真ん中と後端近く(後端スリーブ6より少し先端寄り)の凹状部3の凹み部分10に、止水手段11、12が装着されている。
【0010】
止水手段11、12にはネオプレンスポンジゴム等のスポンジ状材料、シリコンゴム等の粘弾性材料、水膨張性を有する繊維または高分子系材料、破砕すると破片が内部に収納した硬化剤と反応して硬化する樹脂カプセル、天然ゴムまたは合成ゴム及びそれらとセメント系材料との混合材を用いることができ、ここでは一例として、スポンジ状材料を用いるものとする。
【0011】
図4はパイプ式ロックボルトの製造方法の説明図である。
まず、直径がD1の鋼管材20を用意し(図4(1))、押し潰し加工により直径D1の鋼管材を横に押し潰して一旦平ら状の加工材21とし、中央と後端部近くに止水手段11、12を載置する(図4(2))。次に、丸め加工により、加工材21の両脇を丸めて断面が凹状の本体2を形成する(図4(3))。本体2の断面に形成された凹状部3は軸方向に連続しており、内部の凹み部分10に止水手段11、12が収納されるように固定される。本体2の両端部を拘束・補強するために先端部と後端部に先端スリーブ4及び後端スリーブ6を被嵌し、本体2の端面で溶接して固着し、本体内部を溶接部5、7で閉塞して、パイプ式ロックボルト1を完成する(図4(4))。後端スリーブ6と本体2には圧力流体を本体内部に供給するための小孔8、9が穿孔されており、小孔8、9の位置が一致するように後端スリーブ6が本体2に被嵌されている。
【0012】
図5と図6にトンネル工事の一例を示す。地山30に掘削機でトンネルを掘削し、トンネル空間31の内壁32に支保工33、吹付コンクリートを施行するとともにトンネル空間前方の切羽面にコンクリートを吹きつけ鏡面34を形成する。トンネル空間31の内壁32に多数のパイプ式ロックボルト1を施工し、地山30のトンネル内壁近くの地山30の支保を行い、また鏡面34にも多数のパイプ式ロックボルト1を施工し、鏡面34の支持を行う鏡面ボルトとする(パイプ式ロックボルト1は掘削機のビットで容易に切断できる。)
【0013】
図7はパイプ式ロックボルト1の施工方法の説明図、図8は止水手段11、12の動作説明図であり、以下、これらの図を参照して上記したパイプ式ロックボルト1の作用を説明する。
トンネル内壁への各パイプ式ロックボルト1の施工方法は、まず、トンネル空間31から地山30に向けて直径D2、深さLのボアホール40を穿孔する(図7(1))。直径D2は鋼管材20の直径D1より3%小さく(即ち、本体2の周長よりボアホールの周長が3%短い)、深さLはパイプ式ロックボルト1の後端スリーブ6を除く部分の長さである。地山30に湧水があると、アホール40の中に湧水が出て孔口41からトンネル空間31に流れる。湧水を放置すると、坑内が水浸しになり、作業環境が悪化すると共に地山が緩む原因となったり、ボアホール40を介して湧水が地山30中の砂等をトンネル空間31に流出させることにもなる。この実施例では、パイプ式ロックボルト1をボアホール40に打設後(図7(2)、図8(1))、後端スリーブ6にアタッチメント42を取り付け、圧力流体(圧水)を小孔5、6を通して本体内部に供給し(図7(2)の矢印B、C)、本体2を膨張拡径させる(図7(2))。本体2はほぼ元の直径D1まで膨張するが、ボアホール40の直径D2が3%小さく穿孔されていることから、完全に元の直径D1に戻る前に、本体外周がボアホールの孔壁43に密着し、さらに鋼管材形状に復元しようとして半径方向外側に押圧力Pを加える(図7(3)、図8(2))。この際、本体2の膨張拡径後も凹状部3は完全に拡径せず、浅い凹状部3aとして残り水みちとなるが、本体中央部と後端近くの凹状部3に収納されていた止水手段11、12が本体2の膨張拡径とともに本体外側へ押し出され、ボアホール40の孔壁43に当たって変形し、孔壁43と本体2との隙間を閉塞して湧水の流れを止水し、孔奥を含むパイプ式ロックボルト1の周囲の地山30から湧水がトンネル空間31に排出されるのを止める。よって、トンネル空間31が水浸しになったり、湧水により地山30が緩んだりすることはなく、パイプ式ロックボルト1が地山30に堅固に摩擦定着(図8(2)の矢印Pに示す本体の押圧力と矢印Qに示す地山が押す力による定着)すると共に、その押圧力で地山30の内圧が高まり、パイプ式ロックボルトによる適正な地山支持効果が発揮される。
【0014】
なお、本体2の膨張拡径後、更に本体内部に定着材を注入してもよい(図7(4)の矢印D)。本体外部にも定着材或いは地山30に対する注入材を注入する場合は、ドリル等の適宜手段により本体先端に吐出孔(図示せず)を形成したのち(この際、必要に応じて先端スリーブを破断させても良い)、注入を行う。本体先端の吐出孔から定着液がボアホールに注入されるため(図7(4)の矢印E)、ボアホール40の孔奥の空隙即ち水みちとなる部分を定着材で塞いで湧水をより完全に止水でき、さらに地山補強することができる。
【0015】
この実施例によれば、本体2を製作する鋼管材20の直径D1より3%ボアホール40の孔径D2を小さくしてあるので(即ち、本体2の周長よりボアホール40の周長が3%短い)、パイプ式ロックボルト1をボアホール40に打設し、膨張拡径させると、本体外周面がボアホール40の孔壁43に密着し押圧する。この際、本体2の膨張拡径後も凹状部3は完全に拡径せず、浅い凹状部3aとして残り水みちとなるが、止水手段11、12が孔壁43と本体2との隙間を閉塞して湧水の流れを止水する。よって、トンネル空間31が水浸しになったり、湧水により地山30が緩んだりすることはなく、パイプ式ロックボルト1が地山30に堅固に摩擦定着すると共にその押圧力で地山30の内圧が高まり、パイプ式ロックボルト1による地山支持効果が発揮される。また、本体2の膨張拡径後、定着材を注入する場合でも止水のためにボアホール口元のコーキング作業(パッカーを設置したり、ウエスを詰める作業)が不要となり、施工性が向上する。
【実施例2】
【0016】
図9は本発明の第2の実施例を示すパイプ式ロックボルトの外観平面図、図10は図9のパイプ式ロックボルトの水平断面図、図11は図10のXI−XI´線に沿った縦断面図であり、図1乃至図3と同一の構成部分には同一の符号が付してある。図1では止水手段は本体の軸方向の中央付近と後端部近くの2箇所に設ける場合を示したが、図9の例では本体の軸方向のほぼ全長に亘って止水手段を設ける場合を示す。
図9乃至図11において、パイプ式ロックボルト1Aの本体2の軸方向のほぼ全長に亘り、凹状部3の凹み部分10に止水手段13が装着してある。このようにすることで、本体2を膨張拡径したとき、本体2のほぼ全長に亘り止水手段13が本体とボアホール孔壁との隙間を閉塞するので、より止水効果が高くなる。パイプ式ロックボルト1Aの他の構成部分は図1のパイプ式ロックボルト1と全く同様に構成してある。
【実施例3】
【0017】
図12は本発明の第3の実施例を示すパイプ式ロックボルトの断面図であり、図1のパイプ式ロックボルト1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。図12において、パイプ式ロックボルト1Bの本体2の凹状部3の凹み部分10に設けられた止水手段14はシリコンゴム等の粘弾性材料であり、本体2の膨張拡径に伴う凹状部3の変形に従い、自在に変形し、ボアホール40の孔壁43の割れ目まで入り込むようにして本体外周と孔壁43の間の隙間を閉塞する(図13)。
【実施例4】
【0018】
図14は本発明の第4の実施例を示すパイプ式ロックボルトの断面図であり、図1のパイプ式ロックボルト1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。図14において、パイプ式ロックボルト1Cの本体2Cの凹状部3Cは幅の狭い溝状の凹み部分10Cを有するものであるが、止水手段14を粘弾性材料とし、ロックボルト1Cの本体2Cを加工後に凹状部3Cに充填することにより、狭い空間に隙間なく収納させることができる。そして、止水手段14は本体2Cの膨張拡径に伴う凹状部3Cの変形に従い、自在に変形し、ボアホール40の孔壁43の割れ目まで入り込むようにして本体外周と孔壁の間の隙間を閉塞する(図15)。
【実施例5】
【0019】
図16は本発明の第5の実施例を示すパイプ式ロックボルトの一部省略した外観斜視図であり、図1のパイプ式ロックボルト1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。図16において、パイプ式ロックボルト1Dの止水手段15は本体2の外周を一周するように略円筒状に形成された合成ゴムまたは天然ゴムのゴム体であり、内向きに突き出た突起部15aが本体2の凹状部3の凹み部分10の中に嵌入している。本体2を膨張拡径すると、止水手段15の筒部15bが拡径してボアホールの孔壁に密着するとともに突起部15aは水みちとなる凹状部3から外れず、この結果、止水手段15により本体外周と孔壁との隙間が確実に閉塞される。
【実施例6】
【0020】
図17は本発明の第6の実施例に係るパイプ式ロックボルトの動作説明図であり、図1のパイプ式ロックボルト1と同一の構成部分には同一の符号が付してある。パイプ式ロックボルト1Eの本体2の凹状部3の凹み部分10に設けられた止水手段16は、外力が加わると破砕する樹脂カプセル17と、樹脂カプセル17に収納された硬化材18から成り、ボアホール40にパイプ式ロックボルト1Eを打設後(図17(1))、膨張拡径すると、樹脂カプセル17が孔壁43に当たって破砕し(図17(2))、樹脂カプセル17の樹脂と内部の硬化材18が混ざり合って硬化反応しながら本体周囲に周り、孔壁43との隙間に充填材19として充填されて止水する(図17(3))。
【0021】
なお、以上図示した実施例は、いずれもボアホールを削岩機等で穿孔した後、そのボアホールにパイプ式ロックボルト1を打設するものであるが、パイプ式ロックボルト1は先端スリーブ4にビットを備えたものであっても良い。この場合は、ロックボルト自体を削孔ロッドとして地山30にボアホールを穿孔しながら打設するが、打設後は前記実施例と同様に圧力流体を本体内部に供給して膨張拡径動作を行い、各止水手段は同様の止水効果を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
トンネル工事におけるトンネル周囲の地山支持、鏡面前方地山の支持・地山改良立抗の支保や斜面・擁壁の補強等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施例に係るパイプ式ロックボルトの外観平面図である(実施例1)。
【図2】図1のパイプ式ロックボルトの水平断面図である。
【図3】図2のIII−III´線に沿った断面図である。
【図4】パイプ式ロックボルトの製造方法の説明図である。
【図5】トンネル工事の説明図である。
【図6】図5のVI−VI´線に沿った断面図である。
【図7】パイプ式ロックボルトの施工方法の説明図である。
【図8】止水手段の動作説明図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るパイプ式ロックボルトの外観平面図である(実施例2)。
【図10】図9のパイプ式ロックボルトの水平断面図である。
【図11】図10のXI−XI´線に沿った断面図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係るパイプ式ロックボルトの断面図である(実施例3)。
【図13】図12のパイプ式ロックボルトの動作説明図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係るパイプ式ロックボルトの断面図である(実施例4)。
【図15】図14のパイプ式ロックボルトの動作説明図である。
【図16】本発明の第5の実施例に係るパイプ式ロックボルトの一部省略した外観斜視図である(実施例5)。
【図17】本発明の第6の実施例に係るパイプ式ロックボルトの動作説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1、1A、1B、1C、1D、1E パイプ式ロックボルト
2、2C 本体
3、3C 凹状部
10、10C 凹み部分
11、12、13、14、15、16 止水手段
17 樹脂カプセル
18 硬化材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状に凹状部が形成された本体を有し、施工時、地山に穿孔したボアホールに打設後、本体内部を加圧して側方に膨張拡径させて地山の支保を行うパイプ式ロックボルトにおいて、
前記本体の軸方向のほぼ全長または所定の1又は複数箇所の少なくとも前記凹状部の凹み部分に、本体をボアホール内で膨張拡径させると本体とボアホール孔壁の間の隙間を閉塞して湧水を止水する止水手段を設けたこと、
を特徴とするパイプ式ロックボルト。
【請求項2】
止水手段は、粘弾性材料、水膨張性材料の少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1記載のパイプ式ロックボルト。
【請求項3】
止水手段は、外力が加わると破砕する樹脂カプセルと、樹脂カプセルに予め収納されて破砕した樹脂カプセル片と反応し硬化する硬化材を含むこと、
を特徴とする請求項1記載のパイプ式ロックボルト。
【請求項4】
断面形状に凹状部が形成された本体と、該本体の軸方向のほぼ全長または所定の1または複数箇所の少なくとも凹状部の凹み部分に設けられた止水手段とを有するパイプ式ロックボルトを用意し、
地山にパイプ式ロックボルトの本体の周長より少なくとも3%小さい周長のボアホールを穿孔し、
ボアホールにパイプ式ロックボルトを打設するとともに本体内部を加圧して側方に膨張拡径し、
この膨張拡径により、本体の外周をボアホールの孔壁に押しつけ、かつ、本体とボアホールとの隙間を前記止水手段で閉塞させること、
を特徴とするパイプ式ロックボルト施工方法。
【請求項5】
断面形状に凹状部が形成された本体と、該本体の軸方向のほぼ全長または所定の1または複数箇所の少なくとも凹状部の凹み部分に設けられた止水手段とを有し、該止水手段は、外力が加わると破砕する樹脂カプセルと、樹脂カプセルに予め収納されて破砕した樹脂カプセル片と反応し硬化する硬化材を含むパイプ式ロックボルトを用意し、
地山にパイプ式ロックボルトの本体の周長より少なくとも3%小さい周長のボアホールを穿孔し、
ボアホールにパイプ式ロックボルトを打設するとともに本体内部を加圧して側方に膨張拡径し、
この膨張拡径により、本体の外周をボアホールの孔壁に押しつけ、かつ、本体外周と孔壁との間で前記樹脂カプセルを破砕させ、樹脂カプセル片と硬化材を反応させて本体とボアホールとの隙間を閉塞するようにしたこと、
を特徴とするパイプ式ロックボルト施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−249657(P2006−249657A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40225(P2005−40225)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)